IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイメディコム カンパニー リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-19
(45)【発行日】2024-06-27
(54)【発明の名称】整形外科用インパクター
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/92 20060101AFI20240620BHJP
【FI】
A61B17/92
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023530922
(86)(22)【出願日】2021-03-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-15
(86)【国際出願番号】 KR2021003165
(87)【国際公開番号】W WO2022173070
(87)【国際公開日】2022-08-18
【審査請求日】2023-05-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0018060
(32)【優先日】2021-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520164851
【氏名又は名称】アイメディコム カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(72)【発明者】
【氏名】ジュ、ドン ス
(72)【発明者】
【氏名】イ、ビョン ジュ
(72)【発明者】
【氏名】サン、ジン テ
【審査官】段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0129268(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第01114700(EP,A2)
【文献】実開平05-016165(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転電動工具に脱着可能に結合するアダプターを含み、
前記アダプターは、
筐体部、
前記回転電動工具から回転力を伝達される工具結合部、
前記工具結合部の回転方向のうち一方向のみに前記工具結合部の回転に連動して回転する第1の回転部、
前記第1の回転部の回転に連動して回転する打撃部送り部、
前記打撃部送り部の回転によって、第1のバネを圧縮しつつ第1の方向に移動した後、前記第1のバネの戻り力により前記第1の方向の逆方向である第2の方向に移動する打撃部、および
前記打撃部との接触によって前記第2の方向に移動する力伝達部
含み、
前記打撃部送り部は、一端が開放されたボア、前記ボアの内部に配置された第2のバネ、および前記ボアの内壁に両端が繋がる第1のバーを備え、
前記第1の回転部は、長さ方向に延びる長方形溝を備え、
前記第1のバーは、前記長方形溝を貫通し、
前記第2のバネは、一端が前記ボアの底面に接触し、他端が前記第1の回転部に接触するインパクター。
【請求項2】
前記工具結合部と前記第1の回転部は、ラチェット(rachet)結合をなして、前記一方向のみに互いに連動して回転する、請求項1に記載のインパクター。
【請求項3】
前記打撃部送り部は、
複数個のねじ山部、前記複数個のねじ山部の間に形成されたねじ谷部、および長さ方向に延びた長さ方向溝部を含む、請求項に記載のインパクター。
【請求項4】
前記打撃部送り部は、長さ方向中心軸に対して180°回転対称する、請求項に記載のインパクター。
【請求項5】
前記打撃部は、
一方が開放されたボアが形成された胴部と、
前記胴部の壁を貫通して一端が前記ボアの側に突出され、他端が前記胴部の外部に突出された第2のバーと、
を含み、
前記第2のバーは、180°間隔で互いに向かい合うように2個が備えられる、請求項に記載のインパクター。
【請求項6】
前記第2のバーの一端は、前記打撃部送り部の回転するとき、前記ねじ谷部に沿って移動し、前記第2のバーの一端が前記ねじ谷部を外れて前記長さ方向溝部に至る場合、前記第1のバネの戻り力により前記打撃部は、前記第2の方向に移動する、請求項に記載のインパクター。
【請求項7】
前記力伝達部は、
力伝達部胴部と、
前記力伝達部胴部の外面から突出されたフランジ部と、
前記フランジ部を基準に一側に前記力伝達部胴部を囲むように配置された第3のバネと、
を含み、
前記力伝達部胴部の末端は、前記筐体から突出され、
前記第3のバネは、一端が前記筐体の内壁に接触し、他端が前記フランジ部に接触する、請求項1に記載のインパクター。
【請求項8】
前記筐体部は、
前記フランジ部が係止できる係止顎と、
2のバーが移動できる長さ方向貫通孔とをさらに含む、請求項に記載のインパクター。
【請求項9】
前記筐体部と前記打撃部送り部との間には第1の軸受が配置され、
前記筐体部と前記工具結合部との間には第2の軸受が配置される、請求項1に記載のインパクター。
【請求項10】
前記第1のバネは、一端が前記第1の軸受に接触し、他端が前記打撃部に接触する、請求項に記載のインパクター。
【請求項11】
前記筐体部は、前記係止顎を基準に左側には第1の隔室が、右側には第2の隔室が設けられ、
前記第1の隔室には前記力伝達部が位置し、前記第2の隔室には前記打撃部、前記打撃部送り部、前記第1の回転部、そして前記工具結合部が順次に配置される、請求項に記載のインパクター。
【請求項12】
前記打撃部送り部の回転に連動して前記打撃部が右側に移動するとき、
前記力伝達部は、前記第3のバネの戻り力により右側に移動して前記フランジ部が前記筐体部の係止顎に係止した状態となり、このとき前記力伝達部の一部は前記第2の隔室に最大に突出された状態となる、請求項11に記載のインパクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整形外科用インパクターに関する。
【背景技術】
【0002】
全世界的に人口の高齢化の現状が深化し、股関節置換術に需要が持続的に増加している。また、最近には若い患者にも各種炎症や腫瘍、過激な運動などにより股関節手術を受ける場合も増加している。
【0003】
人工股関節置換術は、お尻の骨(髀臼)と太もも骨(大腿骨)とを繋ぐ関節や骨に異常が生じる場合、関節の一側または両側を人工関節に替える手術である。
【0004】
一方、このような手術過程において、大腿骨(Femur)内部へステム(Femoral Stem)を正しい位置に挿入する過程は、手術の予後を決める要素のうち一つである。既存には、大腿骨にステムを挿入するために、先にブローチ(broach)を大腿骨に挿入してから除去して空間を形成した後、ステムをこの空間に挿入することになる。
【0005】
ところで、既存には、図12に示されたように、マレット(mallet)Mのような道具を利用して医者が直接手作業でブローチ300に打撃を加えて大腿骨400に挿入してステム挿入のための空間を設ける方法を用いた。ところで、この場合、ブローチ300に加えられる衝撃の大きさおよび方向などが一定でなく、大腿骨には非正常な空間が設けられる。結果として、ここにステムを挿入する際に、手術の予後が悪くなり、再手術を引き起こす問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述のような従来技術の問題点を解決するためのものであって、本発明の目的は、整形外科手術時に対象物に対して一定の衝撃を一定の間隔で加えることのできる整形外科用インパクターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するために、本発明の一実施例によるインパクターは、回転電動工具に脱着可能に結合して、前記アダプターは、筐体部、前記回転電動工具から回転力を伝達される工具結合部、前記工具結合部の回転方向のうち一方向のみに前記工具結合部の回転に連動して回転する第1の回転部、前記第1の回転部の回転に連動して回転する打撃部送り部、前記打撃部送り部の回転によって、第1のバネを圧縮しつつ第1の方向に移動した後、前記第1のバネの戻り力により前記第1の方向の逆方向である第2の方向に移動する打撃部、および前記打撃部との接触によって前記第2の方向に移動する力伝達部を含む。
【0008】
また、前記工具結合部と前記第1の回転部は、ラチェット(rachet)結合をなして、前記一方向のみに互いに連動して回転する。
【0009】
また、前記打撃部送り部は、一端が開放されたボア、前記ボアの内部に配置された第2のバネ、そして前記ボアの内壁に両端が繋がる第1のバーを備え、前記第1の回転部は、長さ方向に延びる長方形溝を備え、前記第1のバーは、前記長方形溝を貫通し、前記第2のバネは、一端が前記ボアの底面に接触し、他端が前記第1の回転部に接触する。
【0010】
また、前記打撃部送り部は、複数個のねじ山部、前記複数個のねじ山部の間に形成されたねじ谷部、そして長さ方向に延びた長さ方向溝部を含む。
【0011】
また、前記打撃部送り部は、長さ方向中心軸に対して180°回転対称する。
【0012】
また、前記打撃部は、一方が開放されたボアが形成された胴部と、前記胴部の壁を貫通して一端が前記ボアの側に突出され、他端が前記胴部の外部に突出された第2のバーとを含み、前記第2のバーは、180°間隔で互いに向かい合うように2個が備えられる。
【0013】
また、前記第2のバーの一端は、前記打撃部送り部の回転するとき、前記ねじ谷部に沿って移動し、前記第2のバーの一端が前記ねじ谷部を外れて前記長さ方向溝部に至る場合、前記第1のバネの戻り力により前記打撃部は、前記第2の方向に移動する。
【0014】
また、前記力伝達部は、力伝達部胴部、前記力伝達部胴部の外面から突出されたフランジ部、前記フランジ部を基準に一側に前記力伝達部胴部を囲むように配置された第3のバネを含み、前記力伝達部胴部の末端は、前記筐体から突出され、前記第3のバネは、一端が前記筐体の内壁に接触し、他端が前記フランジ部に接触する。
【0015】
また、前記筐体部は、前記フランジ部が係止できる係止顎と、第2のバーが移動できる長さ方向貫通孔とをさらに含む。
【0016】
また、前記筐体部と前記打撃部送り部との間には第1の軸受が配置され、前記筐体部と前記工具結合部との間には第2の軸受が配置される。
【0017】
また、前記第1のバネは、一端が前記第1の軸受に接触し、他端が前記打撃部に接触する。
【0018】
また、前記筐体部は、前記係止顎を基準に左側には第1の隔室が、右側には第2の隔室が設けられ、前記第1の隔室には前記力伝達部が位置し、前記第2の隔室には前記打撃部、前記打撃部送り部、前記第1の回転部、そして前記工具結合部が順次に配置される。
【0019】
また、前記打撃部送り部の回転に連動して前記打撃部が右側に移動するとき、前記力伝達部は、前記第3のバネの戻り力により右側に移動して前記フランジ部が前記筐体部の係止顎に係止した状態となり、このとき前記力伝達部の一部は前記第2の隔室に最大に突出された状態となる。
【発明の効果】
【0020】
上述した構成を有する本発明の実施例による整形外科用インパクターは、次のような効果を有する。
【0021】
この整形外科用インパクターによれば、整形外科手術時に対象物に対して一定の衝撃を一定の間隔で加えることができる。
【0022】
また、工具結合部の回転数を制御することで対象物に加えられる打撃頻度を所望するほど容易に調節することができる。
【0023】
また、本インパクターを使用して弱い力で対象物を複数回打撃して大腿骨に挿入することができるので、既存の手術方法に比べて安全性が高くて骨折が発生する確率を大幅に下げることができる。
【0024】
一方、本発明は、明示的に記載されてはいないが、上述した構成から期待できる別の効果ももちろん含む。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施例によるインパクターの模式図である。
図2図1のインパクターを示す。
図3図2のインパクターの主要構成の分解図である。
図4図2のインパクターの断面図である。
図5図2のインパクターの第1の回転部と工具結合部の結合関係を示す図である。
図6図2のインパクターの打撃部送り部と第1の回転部の結合関係を示す。
図7図2のインパクターの打撃部送り部の多様な方面での斜視図を示す。
図8図2のインパクターの打撃部と打撃部送り部の結合関係を示す。
図9図2のインパクターの力伝達部の主要構成の斜視図である。
図10図2のインパクターの作用を示す図である。
図11図10(a)ないし(c)ステップでの打撃部送り部に対する第2のバーの相対的位置をそれぞれ示す図である。
図12】マレット(mallet)Mを利用して手作業で対象物に打撃を加えて大腿骨に挿入する既存の方式を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付の図面を参考にして、本発明の実施例に対して本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態で具現されることができ、ここで説明する実施例に限定されない。
【0027】
図1に示されたように、本発明の一実施例によるインパクターは、回転電動工具200に脱着可能に結合するアダプター100を含む。回転電動工具200は公知の電動工具であってもよく、アダプター100は知られた多様な機械結合方式で回転電動工具200に結合することができる。本実施例においては、例示的に、後述するアダプターの筐体部6の外側に円周方向に間隔を置いて陥没された複数個の半球型溝61が形成され、これに対応して回転電動工具200は、内側に複数個の突出された半球型突起201が形成され、アダプター100と回転電動工具200を結合または結合解除させることができる。
【0028】
図2ないし図4に示されているように、アダプター100は、主要構成として、筐体部6、工具結合部5、第1の回転部7、打撃部送り部4、打撃部3、及び力伝達部1を含む。
【0029】
筐体部6は、後述する力伝達部1のフランジ部12が係止できる係止顎61と、後述する打撃部3の第2のバー31が移動できる長さ方向貫通孔62とを含む。そして、係止顎61を基準に左側(図4基準)には第1の隔室63が、右側には第2の隔室64が形成される。第1の隔室63には力伝達部1が位置し、第2の隔室64には打撃部3、打撃部送り部4、第1の回転部7、そして工具結合部5が順次に配置される。
【0030】
工具結合部5は、回転電動工具の回転力を伝達されて回転する。そのために、図4に示されているように、筐体部6と工具結合部5との間には第2の軸受9が配置される。
【0031】
図5に示されているように、第1の回転部7は、工具結合部5の回転方向のうち一方向(左回り、図5(b)基準)のみに工具結合部5の回転に連動して回転する。そのために、工具結合部5と第1の回転部7は、ラチェット(rachet)結合をなし、一方向Rのみに相対的な動きが制限される。参考に、ラチェット(ratchet)結合は、機械要素の動きを一方のみに制限する結合を示す。よって、工具結合部5が右回りRに回転するとき、これに連動して第1の回転部7が回転する。
【0032】
もし、工具結合部5が逆方向、すなわち、右回り(図5(b)基準)に回転するときには、第1の回転部7が左側(図5(a)基準)に押され第1の回転部7は工具結合部5と連動することができなくなる。これと関連して、図6(b)に示されているように、第1の回転部7は、その長さ方向に延びた長方形溝71を備える。
【0033】
打撃部送り部4は、第1の回転部7の回転に連動して回転する。そのために、図4に示されているように、筐体部6と打撃部送り部4との間には第1の軸受8が配置される。
【0034】
図4および図6(a)に示されているように、打撃部送り部4は、第1の回転部7の末端部が挿入されるボア(bore)43と、ボア43の内部に配置された第2のバネ42と、ボア43の内壁に両端が繋がる第1のバー41とを備える。ここで、第1のバー41は、第1の回転部7の長方形溝71を貫通し、第2のバネ42は、一端がボア43の底面に接触し他端が第1の回転部7に接触する。これを通じて、第2のバネ42の戻り力により第1の回転部7には常に工具結合部5側に力が加えられる。そして、上述したように、図5(b)を基準にすると、工具結合部5が左回りに回転するとき、第1の回転部7は工具結合部5に相対的に左側(図4基準)に移動することで工具結合部5に連動しない。参考に、このとき、第1のバー41は長方向溝71内で相対的に右側に移動する。
【0035】
また、図7に示されているように、打撃部送り部4は、複数個のねじ山部44、複数個のねじ山部44との間に形成されたねじ谷部45、そして長さ方向に延びた長さ方向溝部46を含む。ここで、打撃部送り部4は、その長さ方向中心軸C1に対して180°回転対称してもよい(図7(c)参照)。
【0036】
図4および図8を参考すると、打撃部3は打撃部送り部4の回転により、第1のバネ2を圧縮しつつ第1の方向(図4基準、右方向)に移動した後、第1のバネ2の戻り力により第1の方向の逆方向である第2の方向(図4基準、左側方向)に移動する。参考に、第1のバネ2は一端が第1の軸受8に接触し、他端が打撃部3に接触する。
【0037】
具体的に、打撃部3は一方が開放されたボア32が形成された胴部33と、胴部33の横方向に胴部33の壁を貫通して一端がボア32側に突出され、他端が胴部33の外部に突出された第2のバー31を含む。第2のバー31は、180°間隔で互いに向かい合うように2個が備えられてもよい。
【0038】
打撃部3の第2のバー31は、打撃部送り部4の回転するとき、打撃部送り部4のねじ谷部45に沿って移動し(このとき、図10(a)に示されているように、第2のバー31はねじ谷部45の左側壁に接触)、第2のバー31がねじ谷部45を外れて長さ方向溝部46に至る場合、第1のバネ2の戻り力により打撃部3は第2の方向(図4基準、左側方向)に急激に移動する。
【0039】
力伝達部1は、急激に移動する打撃部3との接触により第2の方向(図4基準、左側方向)に移動する。
【0040】
図4および図9を参考すれば、力伝達部1は、力伝達部胴部13と、力伝達部胴部13の外面から突出された環形(ring type)のフランジ部12と、フランジ部12を基準に一側(左側、図4基準)に力伝達部胴部13を囲むように配置された第3のバネ11とを含む。
【0041】
力伝達部胴部13の末端は、筐体6から突出される。
【0042】
第3のバネ11は、一端が筐体6の内壁に接触し、他端がフランジ部12に接触した状態で圧縮状態である。よって、力伝達胴部13に外部から他の荷重が加えられない場合、力伝達胴部13のフランジ部12は、第3のバネ11の戻り力により筐体6の係止顎61に接触した状態で保持される。
【0043】
以下においては、上述のような構成を有する本発明の一実施例によるインパクターの作用について説明する。図10は、本発明のアダプター100が回転電動工具に結合された状態を示し、説明の便宜上、回転電動工具は表現していない。
【0044】
図10(a)は、工具結合部5に回転電動工具の回転力が伝達されない状態、すなわち、回転電動工具未作動状態を示す。このとき、第1のバネ2の戻り力により、打撃部3は力伝達部1に接触状態である。そして、打撃部3の第2のバー31の一端は、打撃部送り部4のねじ谷部45に位置する(図11(a)参照)。
【0045】
次に、図10(b)に示されているように、工具結合部5に右回りRへの回転力が加えられる場合、第1の回転部7により打撃部送り部4も工具結合部5の回転に連動して回転するようになる。そして、打撃部送り部4が回転することによって、打撃部3の第2のバー31が打撃部送り部4のねじ谷部45に沿って移動する。打撃部3が右側に徐々に移動することにより、第1のバネ2に徐々に大きい弾性エネルギーが蓄積される(図11(b)参照)。
【0046】
このとき、力伝達部1は、第3のバネ11の戻り力により右側に移動してフランジ部12が筐体部6の係止顎61に係止した状態となり、力伝達部1の左側段部は、筐体部6の第2の隔室64に最大限突出された状態となる。
【0047】
次、図10(c)に示されているように、打撃部3の第2のバー31が打撃部送り部4のねじ谷部45を外れて長さ方向溝部46に至る場合、第1のバネ2の戻り力により打撃部3は第2の方向(図10基準、左側方向)に急激に移動する。
【0048】
最終的に、打撃部3が力伝達部1に強く打撃すれば、力伝達部1は第3のバネ11の戻り力を克服しながら、対象物に打撃部3の打撃力を伝達する。参考に、図11(a)ないし(c)は、図10(a)ないし(c)にそれぞれ対応する図であって、それぞれのステップで打撃部送り部4における第2のバー31の相対的な位置を模式的に示す。
【0049】
ここで、打撃部3がさらに回転すれば、打撃部3の第2のバー31が打撃部送り部4のねじ谷部45にさらに進入することになり、上述したような過程を繰り返す。
【0050】
以上において、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の特許請求の範囲において定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
産業上利用可能性
本発明は、股関節置換術など整形外科施術に使用されることができる。
図1
図2
図3
図4
図5(a)】
図5(b)】
図6(a)】
図6(b)】
図7(a)】
図7(b)】
図7(c)】
図8
図9
図10(a)】
図10(b)】
図10(c)】
図11(a)】
図11(b)】
図11(c)】
図12