(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-19
(45)【発行日】2024-06-27
(54)【発明の名称】粘着テープ
(51)【国際特許分類】
C09J 7/40 20180101AFI20240620BHJP
C09J 7/21 20180101ALI20240620BHJP
C09J 7/26 20180101ALI20240620BHJP
C09J 7/28 20180101ALI20240620BHJP
C09J 7/38 20180101ALI20240620BHJP
【FI】
C09J7/40
C09J7/21
C09J7/26
C09J7/28
C09J7/38
(21)【出願番号】P 2023539747
(86)(22)【出願日】2023-06-26
(86)【国際出願番号】 JP2023023600
(87)【国際公開番号】W WO2023163238
(87)【国際公開日】2023-08-31
【審査請求日】2023-06-26
(73)【特許権者】
【識別番号】314000800
【氏名又は名称】株式会社無有
(74)【代理人】
【識別番号】100179327
【氏名又は名称】大坂 憲正
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 博
【審査官】松原 宜史
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-082192(JP,A)
【文献】特開2015-134861(JP,A)
【文献】実開昭61-191445(JP,U)
【文献】実開平03-030242(JP,U)
【文献】特開昭62-124177(JP,A)
【文献】特開2012-087195(JP,A)
【文献】実開昭59-153337(JP,U)
【文献】国際公開第2023/090464(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着面である第1の面を有するテープ本体と、
前記第1の面に貼付された剥離紙と、を備え、
前記剥離紙の幅は、前記テープ本体の幅よりも小さく、
前記剥離紙から前記テープ本体の第1の側端までの距離である第1の距離は、前記剥離紙から前記テープ本体の第2の側端までの距離である第2の距離よりも大き
く、
前記第2の距離は、2mm以上であることを特徴とする粘着テープ。
【請求項2】
請求項1に記載の粘着テープにおいて、
前記第1の距離と前記第2の距離との差は、2mm以上である粘着テープ。
【請求項3】
請求項2に記載の粘着テープにおいて、
前記第1の距離と前記第2の距離との差は、5mm以上である粘着テープ。
【請求項4】
請求項1に記載の粘着テープにおいて、
前記第1の距離は、前記剥離紙の厚みの2倍以上である粘着テープ。
【請求項5】
請求項1に記載の粘着テープにおいて、
前記第1の距離は、10mm以下である粘着テープ。
【請求項6】
請求項1に記載の粘着テープにおいて、
前記第2の距離は、前記剥離紙の厚みの2倍以上である粘着テープ。
【請求項7】
請求項1に記載の粘着テープにおいて、
前記第2の距離は、10mm以下である粘着テープ。
【請求項8】
請求項1に記載の粘着テープにおいて、
前記剥離紙の幅は、前記第1及び第2の距離の和よりも大きい粘着テープ。
【請求項9】
請求項1乃至
8の何れかに記載の粘着テープにおいて、
前記剥離紙の全体が、1つの剥離紙片からなる粘着テープ。
【請求項10】
請求項1乃至
8の何れかに記載の粘着テープにおいて、
前記剥離紙は、前記テープ本体の延在方向について、前記第1の面に連続的に貼付されている粘着テープ。
【請求項11】
請求項1乃至
8の何れかに記載の粘着テープにおいて、
前記剥離紙は、前記テープ本体の中心線に重なっている粘着テープ。
【請求項12】
請求項1乃至
8の何れかに記載の粘着テープにおいて、
前記第1の面の全体が前記粘着面である粘着テープ。
【請求項13】
請求項1乃至
8の何れかに記載の粘着テープにおいて、
前記テープ本体の厚みは、前記剥離紙の厚みよりも大きい粘着テープ。
【請求項14】
請求項1乃至
8の何れかに記載の粘着テープにおいて、
前記テープ本体の基材は、フェルト、スポンジ、又はアルミニウムからなる粘着テープ。
【請求項15】
請求項1乃至
8の何れかに記載の粘着テープにおいて、
当該粘着テープは、前記テープ本体の前記第1の面及び第2の面のうち、当該第1の面のみが粘着面である片面粘着テープである粘着テープ。
【請求項16】
請求項1乃至
8の何れかに記載の粘着テープにおいて、
当該粘着テープは、巻回されている粘着テープ。
【請求項17】
請求項
16に記載の粘着テープにおいて、
当該粘着テープは、巻回された状態において、前記テープ本体の前記第1の面が、当該第1の面と対向する、当該テープ本体の第2の面に接触しないように構成されている粘着テープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、剥離紙が設けられた粘着テープに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の粘着テープとしては、例えば特許文献1に記載されたものがある。同文献に記載された粘着テープは、円環状の芯に巻回された両面テープである。この粘着テープにおいては、表面及び裏面の双方が粘着面となっている。ただし、粘着テープの表面には、剥離紙が貼付されている。そのため、粘着面は、粘着テープの裏面にのみ露出している。この粘着テープは、テープカッターに回転可能に保持された状態で使用される。テープカッターは、一対の側板部(面板)、底板部、及び切断刃を有している。一対の側板部は、粘着テープを両側方から覆っている。底板部は、側板部どうしを連結するように、各側板部の下端に接続されている。切断刃は、底板部の端部に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の粘着テープは、一対の側板部間の隙間から繰り出されて、切断刃によって切断される。切断された粘着テープ(切断片)を使用する際は、表面から剥離紙が剥離される。剥離された剥離紙は、ゴミとして排出される。このようにゴミとして排出される紙類は、リサイクルされることが望ましい。しかしながら、剥離紙は、紙とその表面をコーティングしている樹脂とを分離することができないため、リサイクルすることが困難である。そのため、SDGs(持続可能な開発目標)の観点からも、剥離紙の排出量を減らす工夫が求められる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、剥離紙の排出量の削減に資する粘着テープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による粘着テープは、粘着面である第1の面を有するテープ本体と、上記第1の面に貼付された剥離紙と、を備え、上記剥離紙の幅は、上記テープ本体の幅よりも小さく、上記剥離紙から上記テープ本体の第1の側端までの距離である第1の距離は、上記剥離紙から上記テープ本体の第2の側端までの距離である第2の距離よりも大きいことを特徴とする。
【0007】
この粘着テープにおいては、第1の面が粘着面であるテープ本体が設けられている。テープ本体の第1の面には、剥離紙が貼付されている。剥離紙の幅は、テープ本体の幅よりも小さい。この場合、剥離紙の幅がテープ本体の幅に等しい場合に比して、剥離紙の排出量を減らすことができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、剥離紙の排出量の削減に資する粘着テープが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明による粘着テープの一実施形態を示す側面図である。
【
図2】
図1の粘着テープの引出部1bを示す平面図である。
【
図3】
図1の粘着テープの引出部1bを示す底面図である。
【
図5】
図1の粘着テープの巻回部1aの端面の一部を示す図である。
【
図6】
図1の粘着テープの効果を説明するための図である。
【
図7】
図1の粘着テープの効果を説明するための図である。
【
図8】
図1の粘着テープの効果を説明するための図である。
【
図9】
図1の粘着テープの効果を説明するための図である。
【
図10】剥離紙20の変形例を説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
図1は、本発明による粘着テープの一実施形態を示す側面図である。粘着テープ1は、巻回されている。粘着テープ1は、円環状の芯に巻回されていてもよいし、かかる芯がない状態で巻回されていてもよい。粘着テープ1は、巻回部1a、及び引出部1bからなる。巻回部1aは、粘着テープ1における巻回された部分である。引出部1bは、粘着テープ1における巻回部1aから引き出された部分である。
【0012】
図2及び
図3は、それぞれ、引出部1bを示す平面図及び底面図である。また、
図4は、
図2のIV-IV線に沿った断面図である。粘着テープ1は、テープ本体10、及び剥離紙20を備えている。テープ本体10は、表面12(第1の面)、及び裏面14(第2の面)を有している。表面12は、粘着面である。表面12の全体が粘着面である。粘着テープ1は、片面粘着テープである。すなわち、表面12及び裏面14のうち、表面12のみが粘着面である。片面粘着テープとしては、例えば、セロハンテープ、隙間テープ、滑り止めテープ、結露防止テープ等が挙げられる。
【0013】
テープ本体10は、基材、及び基材上に設けられた粘着層を有している。かかる粘着層が、上述の粘着面を構成している。基材は、例えば、セロハン、フェルト、スポンジ、又はアルミニウムからなる。テープ本体10の厚みt1(
図4参照)は、剥離紙20の厚みt2と異なっていてもよいし、等しくてもよい。前者の場合、厚みt1は、厚みt2より大きくてもよいし、小さくてもよい。
【0014】
剥離紙20は、テープ本体10の表面12に貼付されている。剥離紙20は、表面12の一部にのみ貼付されている。すなわち、剥離紙20は、表面12の粘着面の一部にのみ貼付されている。剥離紙20の幅w1(
図2参照)は、テープ本体10の幅w2よりも小さい。それゆえ、剥離紙20は、テープ本体10の幅方向(
図2及び
図3の上下方向)について、表面12の一部にのみ貼付されている。ここで、テープ本体10の幅方向は、テープ本体10の延在方向(
図2及び
図3の左右方向)に垂直な方向である。これにより、テープ本体10においては、表面12の一部が剥離紙20で覆われる一方、表面12の残部に粘着面が露出している。
【0015】
剥離紙20は、テープ本体10の中心線C1に重なっている。ただし、剥離紙20の中心線C2は、平面視で、中心線C1に一致しない。中心線C1及び中心線C2は、それぞれ、テープ本体10及び剥離紙20を幅方向に二等分する仮想的な直線である。剥離紙20は、テープ本体10の延在方向について、表面12に連続的に貼付されている。すなわち、剥離紙20は、テープ本体10の延在方向について、表面12の全体に貼付されている。剥離紙20の全体が、連続する1つの剥離紙片からなっている。
【0016】
剥離紙20は、テープ本体10の側端10a(第1の側端)及び側端10b(第2の側端)の双方から離間している。剥離紙20から側端10aまでの距離d1(第1の距離)は、剥離紙20から側端10bまでの距離d2(第2の距離)よりも大きい。距離d1は、剥離紙20の側端20a(側端10aに近い方の側端)と側端10aとの平面視での間隔に等しい。距離d2は、剥離紙20の側端20b(側端10bに近い方の側端)と側端10bとの平面視での間隔に等しい。距離d1と距離d2との差は、2mm以上であることが好ましく、5mm以上であることがより好ましい。距離d1は、剥離紙20の厚みt2の2倍以上であることが好ましい。同様に、距離d2も、厚みt2の2倍以上であることが好ましい。距離d1及び距離d2は、何れも、2mm以上10mm以下であることが好ましい。剥離紙20の幅w1は、距離d1と距離d2との和よりも大きいことが好ましい。
【0017】
図5は、巻回部1aの端面の一部を示す図である。同図は、テープ本体10の延在方向に垂直な端面を示している。巻回部1aにおいては、テープ本体10の一部分が剥離紙20を介してテープ本体10の他の部分に重なっている。剥離紙20が介在しない箇所においては、表面12と裏面14とが対向している。ただし、対向する表面12と裏面14とは、互いに接触していない。このように、粘着テープ1は、巻回された状態において、表面12が、表面12と対向する裏面14に接触しないように構成されている。かかる構成は、例えば、テープ本体10の剛性、剥離紙20の厚みt2、及び距離d1,d2等の要素を調整することにより、実現することができる。
【0018】
粘着テープ1の効果を説明する。粘着テープ1においては、表面12が粘着面であるテープ本体10が設けられている。テープ本体10の表面12には、剥離紙20が貼付されている。剥離紙20の幅w1は、テープ本体10の幅w2よりも小さい。この場合、幅w1が幅w2に等しい場合に比して、剥離紙20の排出量を減らすことができる。したがって、剥離紙20の排出量の削減に資する粘着テープ1が実現されている。
【0019】
また、剥離紙20の幅w1をテープ本体10の幅w2よりも小さくすることにより、剥離紙20を表面12から剥がす前に、被着体に対する粘着テープ1の位置合わせをすることが可能となる。かかる位置合わせは、例えば次のように行うことができる。
図6に示すように、表面12における剥離紙20が貼付されていない部分(剥離紙20と側端10aとの間の部分、又は剥離紙20と側端10bとの間の部分)を被着体90に貼着(仮止め)する。このとき、テープ本体10の位置にずれがないか確認し、ずれがある場合は仮止めをやり直す。テープ本体10の位置が決まった後は、
図7に示すように、テープ本体10から剥離紙20を剥がしていく。
図8に示すように剥離紙20を剥がし終わったら、
図9に示すように表面12の残りの部分を被着体90に貼着する。これにより、被着体90の所望の箇所にテープ本体10を正確に貼ることができる。このように本実施形態によれば、剥離紙20が表面12に貼付されたままの状態で粘着テープ1の位置合わせをすることができる。また、剥離紙20の幅w1がテープ本体10の幅w2よりも小さいため、位置合わせの後に剥離紙20を剥がすのも容易である。
【0020】
このように剥離紙20を設けることは、次の利点をもたらす。まず、テープ本体10の表面12の粘着面に触れずに粘着テープ1を繰り出すことが可能となる。それにより、粘着テープ1を引っ張りやすくなるとともに、表面12に指紋が付着しにくくなる。また、表面12の粘着面への塵埃の付着や、当該粘着面の粘着力の低下を抑制することができる。さらに、テープ本体10の形状が安定するため、テープ本体10が縒れにくくなる。それにより、粘着テープ1を円滑に繰り出すことができる。
【0021】
剥離紙20の幅w1が大きい方が、剥離紙20を設けることによる上述の利点を充分に享受するのに有利である。かかる観点から、幅w1は、距離d1と距離d2との和よりも大きいことが好ましい。
【0022】
剥離紙20から側端10aまでの距離d1は、剥離紙20から側端10bまでの距離d2よりも大きい。この場合、表面12における剥離紙20と側端10aとの間の部分(第1の部分)の幅と、剥離紙20と側端10bとの間の部分(第2の部分)の幅とが異なる。これにより、距離d1が距離d2に等しい場合に比して、被着体に対する粘着テープ1の位置合わせの自由度を高めることができる。すなわち、粘着テープ1の位置合わせをする際、被着体の大きさや形状等に応じて、第1及び第2の部分のうち仮止めにより適した方を選択することが可能となる。
【0023】
距離d1と距離d2との差が大きい方が、粘着テープ1の位置合わせの自由度を高めるのに有利である。かかる観点から、距離d1と距離d2との差は、2mm以上であることが好ましく、5mm以上であることがより好ましい。
【0024】
剥離紙20の厚みt2に対して距離d1が充分に大きくないと、剥離紙20が邪魔になって表面12の第1の部分を被着体に仮止めしにくくなりかねない。かかる観点から、距離d1は、厚みt2の2倍以上であることが好ましい。
【0025】
距離d1が大きい方が、表面12の第1の部分を被着体に対して安定的に仮止めするのに有利である。かかる観点から、距離d1は、2mm以上であることが好ましい。他方、距離d1が大きすぎると、巻回部1aにおいて表面12が裏面14に接触しない構成を実現しにくくなりかねない。かかる観点から、距離d1は、10mm以下であることが好ましい。
【0026】
剥離紙20の厚みt2に対して距離d2が充分に大きくないと、剥離紙20が邪魔になって表面12の第2の部分を被着体に仮止めしにくくなりかねない。かかる観点から、距離d2は、厚みt2の2倍以上であることが好ましい。
【0027】
距離d2が大きい方が、表面12の第2の部分を被着体に対して安定的に仮止めするのに有利である。かかる観点から、距離d2は、2mm以上であることが好ましい。他方、距離d2が大きすぎると、巻回部1aにおいて表面12が裏面14に接触しない構成を実現しにくくなりかねない。かかる観点から、距離d2は、10mm以下であることが好ましい。
【0028】
剥離紙20は、テープ本体10の側端10a及び側端10bの双方から離間している。この場合、剥離紙20の側端20aが側端10aからずれるとともに、剥離紙20の側端20bが側端10bからずれる。このため、側端20a及び側端20bの何れの側からでも剥離紙20を剥がしやすくなる。特に、表面12の第1の部分を被着体に仮止めした場合には側端20b側から、表面12の第2の部分を被着体に仮止めした場合には側端20a側から剥離紙20を剥がすことにより、剥離紙20を剥がす作業を円滑に行うことができる。
【0029】
剥離紙20の全体が、1つの剥離紙片からなっている。この場合、剥離紙20を1回剥がすだけで、表面12から剥離紙20の全体を除去することができる。
【0030】
剥離紙20は、テープ本体10の延在方向について、表面12に連続的に貼付されている。この場合、粘着テープ1の引出部1bが弛みにくくなる。これにより、引出部1bの粘着面どうしが付着してしまう事態を起こりにくくすることができる。
【0031】
剥離紙20は、テープ本体10の中心線C1に重なっている。これにより、テープ本体10の中心線C1の部分を摘んだときに、表面12の粘着面に指が触れにくいようにすることができる。中心線C1の部分を摘んで引っ張ることにより、粘着テープ1を円滑に繰り出すことができる。
【0032】
テープ本体10の表面12の全体が粘着面である。これにより、被着体に対して粘着テープ1を安定的に貼ることができる。
【0033】
テープ本体10の厚みt1が剥離紙20の厚みt2よりも大きい場合、テープ本体10が撓みにくい。そのため、剥離紙20を剥がした後に、位置合わせをしながらテープ本体10を被着体に少しずつ貼っていくという作業を行いにくい。それゆえ、剥離紙20が表面12に貼付されたままの状態でも位置合わせをすることが可能な粘着テープ1が特に有用となる。
【0034】
テープ本体10の基材がフェルト、スポンジ又はアルミニウムからなる場合、基材がセロハンである場合に比して、テープ本体10を自由に変形させにくい。そのため、剥離紙20を剥がした後に、位置合わせをしながらテープ本体10を被着体に少しずつ貼っていくという作業を行いにくい。それゆえ、剥離紙20が表面12に貼付されたままの状態でも位置合わせをすることが可能な粘着テープ1が特に有用となる。
【0035】
粘着テープ1は、片面粘着テープである。この場合、当然ながら、剥離紙20が貼付された面(表面12)を先に被着体に貼ることになる。それゆえ、剥離紙20が表面12に貼付されたままの状態でも位置合わせをすることが可能な粘着テープ1が特に有用となる。
【0036】
粘着テープ1は、巻回されている。この場合、粘着テープ1が巻回されていない場合に比して、表面12における剥離紙20が貼付されていない部分に塵埃が付着したり、当該部分が乾燥したりするのを抑制することができる。
【0037】
粘着テープ1は、巻回された状態において、表面12が、表面12と対向する裏面14に接触しないように構成されている。表面12が裏面14に接触すると、表面12の粘着面の粘着力が低下しかねないという問題がある。かかる問題は、テープ本体10の基材がフェルトやスポンジからなる場合に特に顕著となる。この点、表面12が裏面14に接触しないように構成された粘着テープ1によれば、上記問題を回避することができる。
【0038】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。上記実施形態においては、剥離紙20が、テープ本体10の側端10a及び側端10bの双方から離間している場合を例示した。しかし、剥離紙20は、例えば
図10に示すように、側端10aから離間する一方で、側端10bからは離間していなくてもよい。すなわち、剥離紙20の側端20bは、側端10bに揃っていてもよい。その場合、剥離紙20から側端10bまでの距離d2は、0である。同図においても、剥離紙20は、テープ本体10の中心線C1に重なっている。
【0039】
上記実施形態においては、テープ本体10の表面12の全体が粘着面である場合を例示した。しかし、表面12の一部のみが粘着面であってもよい。このように表面12の一部のみが粘着面である場合、剥離紙20は、表面12の粘着面の一部にのみ貼付されることが好ましい。
【0040】
上記実施形態においては、粘着テープ1が片面粘着テープである場合を例示した。しかし、粘着テープ1は、表面12及び裏面14の双方が粘着面である両面粘着テープ(両面テープ)であってもよい。その場合、剥離紙20は、テープ本体10の裏面14に貼付されてもよい。そのときは、裏面14が「第1の面」に相当し、表面12が「第2の面」に相当する。
【符号の説明】
【0041】
1 粘着テープ
1a 巻回部
1b 引出部
10 テープ本体
10a 側端(第1の側端)
10b 側端(第2の側端)
12 表面(第1の面)
14 裏面(第2の面)
20 剥離紙
20a 側端
20b 側端
90 被着体