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特許7506995搬送ローラ、シート搬送装置及び外側コア部
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-19
(45)【発行日】2024-06-27
(54)【発明の名称】搬送ローラ、シート搬送装置及び外側コア部
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/06 20060101AFI20240620BHJP
   B65H 3/06 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
B65H5/06 B
B65H3/06 330A
B65H3/06 330G
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020064991
(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公開番号】P2021160892
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西 達也
【審査官】後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-089442(JP,A)
【文献】特開2014-122087(JP,A)
【文献】特開2007-091361(JP,A)
【文献】特開平11-286340(JP,A)
【文献】特開2005-015095(JP,A)
【文献】実開昭59-165844(JP,U)
【文献】特開2000-185831(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/06
B65H 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送する搬送ローラであって、
軸と、
前記軸と平行な軸方向に向きを揃えて前記軸に設けられ、互いに同じ構成の一対の内側コア部と、
前記軸の両端のうち一端側から他端側に向かう第1方向から前記一対の内側コア部のうち一方の内側コア部に装着可能な第1外側コア部と、
前記第1外側コア部の外周に設けられた第1ゴム部と、
前記第1方向と反対方向に向かう第2方向から前記一対の内側コア部のうち他方の内側コア部に装着可能な第2外側コア部と、
前記第2外側コア部の外周に設けられた第2ゴム部と、を備え、
前記第1外側コア部は、前記一対の内側コア部のうち前記第2外側コア部が装着される内側コア部に対し、前記第2方向からは装着不能に規制する第1規制部を有し、
前記第2外側コア部は、前記一対の内側コア部のうち前記第1外側コア部が装着される内側コア部に対し、前記第1方向からは装着不能に規制する第2規制部を有する、
ことを特徴とする搬送ローラ。
【請求項2】
前記一対の内側コア部の各々は、コア本体と、前記コア本体に設けられた第1内側係合部及び第2内側係合部と、を有し、
前記第1外側コア部は、前記一方の内側コア部に装着されたときに、前記一方の内側コア部の前記第1内側係合部に係合する第1外側係合部を有し、
前記第2外側コア部は、前記他方の内側コア部に装着されたときに、前記他方の内側コア部の前記第2内側係合部に係合する第2外側係合部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の搬送ローラ。
【請求項3】
前記第1外側コア部が前記一方の内側コア部に装着された状態で前記第1方向に前記第1外側コア部を視たときの前記第1外側係合部に対する前記第1規制部の相対的な位置と、前記第2外側コア部が前記他方の内側コア部に装着された状態で前記第2方向に前記第2外側コア部を視たときの前記第2外側係合部に対する前記第2規制部の相対的な位置とが異なる、
ことを特徴とする請求項2に記載の搬送ローラ。
【請求項4】
前記一対の内側コア部の各々の前記第1内側係合部及び前記第2内側係合部が、前記一対の内側コア部が設けられている軸と平行な軸方向において、互いに反対方向を向いている、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の搬送ローラ。
【請求項5】
前記一対の内側コア部の各々は、前記軸に沿って延びる第1逃げ部及び第2逃げ部を有し、
前記一方の内側コア部の前記第1逃げ部は、装着される前記第1外側コア部の前記第1規制部と干渉しない位置に形成され、
前記他方の内側コア部の前記第2逃げ部は、装着される前記第2外側コア部の前記第2規制部と干渉しない位置に形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の搬送ローラ。
【請求項6】
前記一対の内側コア部の各々は、前記軸に沿って延びる第1溝部及び第2溝部を有し、
前記第1外側コア部は、前記一方の内側コア部の前記第1溝部に嵌る第1突部を有し、
前記第2外側コア部は、前記他方の内側コア部の前記第2溝部に嵌る第2突部を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の搬送ローラ。
【請求項7】
前記第1逃げ部は、前記軸に沿って延びる第1溝部であり、
前記第2逃げ部は、前記軸に沿って延びる第2溝部であり、
前記第1外側コア部の前記第1規制部は、前記一方の内側コア部の前記第1溝部に嵌る第1突部であり、
前記第2外側コア部の前記第2規制部は、前記他方の内側コア部の前記第2溝部に嵌る第2突部である、
ことを特徴とする請求項5に記載の搬送ローラ。
【請求項8】
前記軸と前記一対の内側コア部の各々との間に介在されたワンウェイクラッチを備える、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の搬送ローラ。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の搬送ローラと、
前記搬送ローラを駆動する駆動源と、を備える、
ことを特徴とするシート搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送ローラ、シート搬送装置及び外側コア部に関する。
【背景技術】
【0002】
シートに画像を形成する画像形成装置やシートの画像を読み取る画像読取装置などに用いられるシート搬送装置は、シートを搬送する搬送ローラを備える。搬送ローラは、シートと接触するゴムで構成されたゴム部を有する。搬送ローラは、シートの搬送を繰り返すことにより、ゴム部の表面の摩擦力が低下し、搬送性能が低下することがある。特許文献1には、ゴム部の交換ができるように構成された、搬送ローラの一例である給送ローラが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-122087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている給送ローラは、一対の内側コア部と、内側コア部に着脱可能な一対の外側コア部と、を有している。ゴム部は、外側コア部の外周に設けられている。ゴム部を交換するときには、外側コア部ごと交換することになる。特許文献1に記載の一対の内側コア部は同じ構成であり、一対の外側コア部も同じ構成である。
【0005】
しかし、シートとの摩擦力を確保するなどの目的で、一対の外側コア部に設けられる一対のゴム部に方向性が存在することがある。例えば、ゴム部の表面に溝形状やシボ面、研磨面などが付与されていることがある。特許文献1の構成では、一対の外側コア部は、各内側コア部への装着方向が互いに逆であるため、一対の外側コア部の構成は同じでも、一対のゴム部の構成は異ならせる必要がある。その場合、一対の外側コア部の各々は、一対の内側コア部のどちらにも装着可能であると、誤って逆の内側コア部に装着されるおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記を鑑み、本発明に係る搬送ローラは、シートを搬送する搬送ローラであって、軸と、前記軸と平行な軸方向に向きを揃えて前記軸に設けられ、互いに同じ構成の一対の内側コア部と、前記軸の両端のうち一端側から他端側に向かう第1方向から前記一対の内側コア部のうち一方の内側コア部に装着可能な第1外側コア部と、前記第1外側コア部の外周に設けられた第1ゴム部と、前記第1方向と反対方向に向かう第2方向から前記一対の内側コア部のうち他方の内側コア部に装着可能な第2外側コア部と、前記第2外側コア部の外周に設けられた第2ゴム部と、を備え、前記第1外側コア部は、前記一対の内側コア部のうち前記第2外側コア部が装着される内側コア部に対し、前記第2方向からは装着不能に規制する第1規制部を有し、前記第2外側コア部は、前記一対の内側コア部のうち前記第1外側コア部が装着される内側コア部に対し、前記第1方向からは装着不能に規制する第2規制部を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
外側コア部の誤装着を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係るシート搬送装置の一例である原稿給送装置の概略図。
図2】第1実施形態に係る原稿給送装置の概略図。
図3】第1実施形態に係る原稿給送装置の駆動伝達構造を示す斜視図。
図4】第1実施形態に係る原稿給送装置の制御部のブロック図。
図5】第1実施形態に係る原稿給送装置の動作を示すフローチャート。
図6】第1実施形態に係る給送部の断面図。
図7】(a)は第1実施形態に係る給送ローラの斜視図。(b)は第1実施形態に係る給送ローラの断面図。
図8】(a)及び(b)は第1実施形態に係る給送ローラの分解斜視図。
図9】(a)及び(b)は第1実施形態に係る第1外側コア部及び第1ゴム部の斜視図。(c)及び(d)は第1実施形態に係る第2外側コア部及び第2ゴム部の斜視図。
図10】(a)は第1実施形態に係る第1外側コア部及び第1ゴム部の側面図。(b)は第1実施形態に係る第2外側コア部及び第2ゴム部の側面図。
図11】(a)は第1実施形態に係る内側コア部の一側面図。(b)は第1実施形態に係る内側コア部の断面図。(c)は第1実施形態に係る内側コア部の他側面図。
図12】(a)は第1実施形態に係る位置決め部材の保持構造を示す断面図。(b)は第1実施形態に係る給送ローラの側面図。
図13】(a)は第2実施形態に係る第1外側コア部の側面図。(b)は第2実施形態に係る第2外側コア部の側面図。(c)は第2実施形態に係る一対の内側コア部のうちの一方の内側コア部の側面図。(d)は第2実施形態に係る一対の内側コア部のうちの他方の内側コア部の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
[第1実施形態]
図1及び図2は、第1実施形態に係るシート搬送装置の一例である原稿給送装置の概略図である。図3は、第1実施形態に係る原稿給送装置の駆動伝達構造を示す斜視図である。
【0011】
<装置の構成>
図1及び図2に示す原稿給送装置100は、シート搬送装置の一例であり、原稿の画像を読み取るスキャナ等の画像読取装置、シートに画像を形成するプリンタ等の画像形成装置、あるいはこれらを組み合わせた複合機などのシート搬送系を持つ装置に適用可能である。本実施形態では、原稿給送装置100を画像読取装置へ適用した例について説明する。図1では原稿Sの搬送状態を示し、図2では待機状態を示している。
【0012】
原稿給送装置100は、装置本体100Aの背面側上端部に設けられたシート積載部の一例である載置台1に積載された1つ又は複数の原稿Sを1つずつ装置本体100A内に給送し、装置本体100Aの設置面である水平面に対して傾斜した経路RTにて原稿Sを搬送して原稿Sの画像を読み取り、装置本体100Aの前面側下端部に設けられた排出トレイ2に排出する。原稿Sは、例えば、OA紙、チェック、小切手、名刺、カード類等のシートであり、厚手のシートであっても、薄手のシートであってもよい。カード類は、例えば、保険証、免許証、クレジットカード等を挙げることができる。
【0013】
<給送部>
図1に示すように、原稿給送装置100は、装置本体100Aの経路RTに沿って原稿Sを給送する給送機構としての第1搬送部10を備える。第1搬送部10は、搬送ローラの一例である給送ローラ110と、給送ローラ110に対向配置される分離ローラ12と、を備え、載置台1上の積載面側に配置された原稿Sを給送方向D1に1つずつ順次搬送する。
【0014】
載置台1は、原稿給送装置100が載置される載置面に対して給送方向D1が所定の角度で傾斜するように設けられており、載置台1に載置された原稿Sが、自重によって第1搬送部10に供給される。
【0015】
給送ローラ110は、円柱状の軸である給送ローラ軸11bと、給送ローラ軸11bに設けられた一対の給送ローラ部111、112と、を有する。給送ローラ軸11bは、後述する図6のフレーム105に対して回転可能な回転軸である。
【0016】
給送ローラ軸11bには、図3に示す給送ギア部113が設けられている。給送ギア部113などを含むユニットとしての給送ローラ110が装置本体100Aに装着されることで、給送ギア部113は、装置本体100A内に設置されたモータ3(駆動モータ)の駆動力を伝達する駆動ギア部101に噛合する。
【0017】
給送ギア部113のギア径は、各給送ローラ部111、112の直径よりも小さい。このため、駆動ギア部101は、給送ローラ軸11bの軸方向に視て、各給送ローラ部111、112と部分的に重なり、給送ギア部113とのギア接続部分が、軸方向に視て、各給送ローラ部111、112と重なるように設けられている。これにより、給送ギア部113の外径を小さく設定することができ、給送ローラ110の収容性が高められ、後述するカバー部材a3との物理的な干渉を防ぐことができる。
【0018】
また、給送ギア部113に接続される駆動ギア部101は、図3に示す駆動ギア軸102の一端側に設けられ、駆動ギア軸102の他端側には、電磁クラッチ等から構成されるクラッチ部103が設けられている。このクラッチ部103は、モータ3からプーリーで駆動力が伝達される駆動伝達機構(ギア列)Xと駆動ギア軸102との間で接続されている。つまり、駆動ギア軸102と駆動伝達機構Xとは、駆動ギア軸102が有するクラッチ部103によって駆動連結される。さらに、この給送ローラ110への駆動伝達機構Xは、分離ローラ12の駆動伝達機構が接続される。すなわち、モータ3は、分離ローラ12及び給送ローラ110を駆動する駆動源となる。
【0019】
駆動ギア軸102に設けたクラッチ部103がOFF(遮断)のときは、モータ3の逆転駆動(原稿を載置台1側へ戻すための駆動)を駆動ギア軸102に伝達せず、クラッチ部103がON(接続)のときはモータ3の正転駆動(原稿を分離給送する方向の駆動)を駆動ギア軸102に伝達するための切替手段である。
【0020】
クラッチ部103をOFFすると、分離ローラ12だけに駆動伝達が行われ、このとき給送ローラ110は分離ローラ12に従動回転する。これにより、原稿が重送したことを後述する図1の重送検出センサ40で検知した場合、給送動作を一時停止し、モータ3を駆動することで、重送した原稿を載置台1側に戻す動作を適切に行うことができる。なお、このような重送リトライ機能を搭載しない場合は、クラッチ部103を設けなくてもよい。
【0021】
このように、本実施形態では、モータ3を駆動して駆動ギア部101から給送ギア部113にその駆動力が伝達されると、給送ギア部113と共に給送ローラ軸11bが給送方向(図1の実線矢印D2方向)に回転する。給送ローラ軸11bと、一対の給送ローラ部111、112の各々との間には、ワンウェイクラッチ11aが設けられている。このとき、ワンウェイクラッチ11aが給送ローラ軸11bに噛み合うことで、給送ローラ部111、112が給送ローラ軸11bと共に給送方向に回転する。
【0022】
ここで、給送ローラ110の搬送速度は、後述の搬送ローラ21の搬送速度より遅い速度に設定されている。このため、給送された原稿Sが搬送ローラ21に到達し原稿Sの搬送速度が上がる時、ワンウェイクラッチ11aと給送ローラ軸11bとの噛み合いが外れ、給送ローラ110は原稿Sに連れ回り、モータ3からの駆動伝達で回転するスピードよりも速く回転する。
【0023】
すなわち、搬送ローラ21に達した原稿Sは、給送ローラ110との速度差が設定された搬送ローラ21から搬送力を受けるため、給送ローラ110とこの給送ローラ110に接圧された分離ローラ12との間から引き抜かれることになる。
【0024】
このとき、本実施形態では、上述したように、ワンウェイクラッチ11aが左右の給送ローラ部111、112に対して個別に設けられている。このため、搬送ローラ21に達した原稿Sが斜行した状態で給送ローラ110及び分離ローラ12の間から引き抜かれたとしても、個々独立したワンウェイクラッチ11aの動作によって、後続の原稿Sの斜行の連鎖が抑えられる。
【0025】
<分離部>
図1に示すように、給送ローラ110に対向配置される分離ローラ12は、原稿Sを1枚ずつ分離するためのローラであり、給送ローラ110に対して一定圧で圧接している。この圧接状態を確保するため、分離ローラ12を分離揺動部材121によって支持している。分離揺動部材121は、軸部121aを中心に回転可能に支持されており、また、分離ローラ12が給送ローラ110に圧接するように圧縮バネ122により付勢力が与えられている。
【0026】
分離ローラ12は、トルクリミッタ12aを介してモータ3から駆動力が伝達され、実線矢印D3方向に回転駆動される。分離ローラ12はトルクリミッタ12aにより駆動力の伝達が規制されるため、給送ローラ110と当接している際は給送ローラ110に連れ回りする方向(破線矢印D4方向)に回転する。これにより、複数の原稿Sが給送ローラ110と分離ローラ12との圧接部に搬送されてきた際には、一つを残して2つ以上の原稿Sが下流に搬送されないようにせき止められる。
【0027】
なお、本実施形態においては分離ローラ12を用いた構造にて説明したが、必ずしもローラの形態に限らず、原稿Sに対して給送方向とは逆方向に負荷を掛けるもの、例えば分離パッドなどを用いた場合でも同様であり、分離部材としてはいかなる形態でも構わない。
【0028】
<給送部の原稿検知構造>
載置台1上の原稿Sの有無を検知するため、図1に示すように給送ローラ110の上流部には原稿検知センサ90が設けられている。原稿検知センサ90は、自重で鉛直方向上方から下方側に垂れ下るように設けられたレバー式のセンサである。他の例として後述の媒体検出センサ50、60のような光学式のセンサであっても構わない。
【0029】
ここで、本実施形態では、原稿検知センサ90は、分離ローラ12と給送ローラ部111、112とで形成されるニップ部よりも給送方向における直前で原稿の有無を検知するセンサである。そのため、原稿検知センサ90は、ニップ部に近い場所となる左右の給送ローラ部111、112の間に配置するのが好ましい。
【0030】
なお、本実施形態のようなレバー式の原稿検知センサ90を採用することで、給送ローラ110において給送ギア部113を設けるスペースが確保され、高精度な原稿検知に加え、左右均等な接圧状態で良好な分離給送を行うことができる。
【0031】
<ピックアーム・原稿ストッパー>
原稿給送装置100は図1のように、給送ローラ110と分離ローラ12とが接するニップ(以下、給送ニップ)の上流側で給送ローラ110に原稿Sを圧接するピックローラ131と、ピックローラ131を軸支するピックアーム13を備える。ピックローラ131は原稿Sを給送ローラ110に押し付けることで原稿Sの搬送力をアップさせて原稿Sの給送を補助する。
【0032】
ピックアーム13は、ピックアーム13の軸部13aが装置本体100Aに回転可能に支持され、ピックローラ131を給送ローラ110に押し付ける方向に不図示のバネにより付勢されている。ピックアーム13は、図1で示されるピックローラ131が給送ローラ110に原稿Sを圧接する圧接位置と、図2で示されるピックローラ131を給送ローラ110から退避する退避位置とに後述のモータ4の駆動力によって移動可能である。
【0033】
給送ローラ110の給送を補助する別の構成として、給送ローラ110の上流にもう1つの給送ローラを設ける構成もあるが、上記図1の構成であれば装置の小型化や装置のコストダウンを実現できる。
【0034】
原稿給送装置100は図1のように原稿ストッパー14を備える。原稿ストッパー14は図2の状態においてその先端を搬送路側に突出させることで、積載された原稿束をせき止める役割を有する。
【0035】
原稿ストッパー14は、原稿ストッパー14の軸部14aが装置本体100Aに回転可能に支持され、図1で示される原稿Sを給送できるように搬送路を開く開口位置と、図2で示される給送ニップに原稿束が入らないように搬送路を閉じる閉口位置と、に移動可能である。図2が原稿給送装置100の待機状態であり、この状態で原稿束の先端を原稿ストッパー14に突き当てて載置台1に原稿束をセットできる。
【0036】
モータ4は、図3に示すように、搬送ローラ21を保持する搬送ローラ軸21a、及び搬送ローラ31を保持する搬送ローラ軸31aの一端側においてプーリーP及びベルト4aを介して接続される。
【0037】
すなわち、モータ4は、搬送ローラ21、31を駆動する駆動源であり、上述した給送ローラを駆動するモータ3とは別のモータとして設けられている。これにより、モータ3、4を個別制御すれば、給送駆動と搬送駆動とを別々の制御を行うことで、高精度な給搬送制御を実現できる。
【0038】
ピックアーム13と原稿ストッパー14は駆動伝達機構Y(図3参照)を介して、上述した搬送ローラ21、31を駆動するモータ4によって駆動される。モータ4が所定パルス数を正方向に駆動することで、ピックアーム13が圧接位置、原稿ストッパー14が開口位置に移動し、モータ4が所定パルス数を逆方向に駆動することで、ピックアーム13が退避位置、原稿ストッパー14が閉口位置に移動する。ここで正方向とは、図1において原稿Sを給送方向D1に搬送するように後述の搬送ローラ21、31を回転させる方向である。
【0039】
<搬送構造>
図1に示すように、第1搬送部10の給送方向下流側にある搬送機構としての第2搬送部20は、搬送ローラ21と、搬送ローラ21に従動する従動ローラ22とを備え、第1搬送部10から搬送されてきた原稿Sをその下流側へ搬送する。搬送ローラ21はモータ4から駆動力が伝達され、図中実線矢印方向に回転駆動される。従動ローラ22は搬送ローラ21に対して一定圧で圧接し、搬送ローラ21に連れ回る。
【0040】
このような第2搬送部20よりも給送方向下流側にある第3搬送部30は、搬送ローラ31と、搬送ローラ31に従動する従動ローラ32とを備え、第2搬送部20から搬送されてきた原稿Sを排出トレイ2へ搬送する。つまり、この第3搬送部30は排出機構として機能する。搬送ローラ31はモータ4から駆動力が伝達され、図中実線矢印方向に回転駆動される。従動ローラ32は搬送ローラ31に対して一定圧で圧接し、搬送ローラ31に連れ回る。
【0041】
<重送検出>
第1搬送部10と第2搬送部20との間に配置される重送検出センサ40は、静電気等により紙などの原稿S同士が密着し、第1搬送部10を通過してきた場合(つまり重なって搬送される重送状態の場合)に、これを検出するための検出センサ(原稿Sの挙動や状態を検出するセンサ)の一例である。
【0042】
重送検出センサ40としては、種々のものが利用可能であるが本実施形態の場合には超音波センサであり、超音波の発信部41とその受信部42とを備え、紙等の原稿Sが重送されている場合と1つずつ搬送されている場合とで、原稿Sを通過する超音波の減衰量が異なることを原理として重送を検出する。
【0043】
<レジストセンサ>
このような重送検出センサ40よりも給送方向下流側に配置される媒体検出センサ50は第2搬送部20よりも上流側で、第1搬送部10よりも下流側に配置された上流側の検出センサ(原稿Sの挙動や状態を検出するセンサ)としての一例であり、第1搬送部10により搬送される原稿Sの位置、詳細には、媒体検出センサ50の検出位置に原稿Sの端部が到達又は通過したか否かを検出する。
【0044】
媒体検出センサ50としては、種々のものが利用可能であるが、本実施形態の場合には光学センサであり、発光部51とその受光部52とを備え、原稿Sの到達又は通過により受光強度(受光量)が変化することを原理として原稿Sを検出する。
【0045】
本実施形態の場合、原稿Sの先端が媒体検出センサ50で検出された時点で、原稿Sが重送検出センサ40により重送を検出可能な位置に到達しているように、上記の媒体検出センサ50は重送検出センサ40の近傍においてその下流側に設けられている。なお、この媒体検出センサ50は、上記の光学センサに限定されず、例えば、原稿Sの端部が検知できるセンサ(イメージセンサ等)を用いてもよいし、経路RTに突出したレバー型のセンサでもよい。
【0046】
媒体検出センサ50とは別の媒体検出センサ60が画像読取ユニット70よりも上流側に配置されている。第2搬送部20よりも下流側に配置された下流側の検出センサとしての一例であり、第2搬送部20により搬送される原稿Sの位置を検出する。
【0047】
媒体検出センサ60としては、種々のものが利用可能であるが、本実施形態の場合、媒体検出センサ50と同様に光センサであり、発光部61と受光部62とを備え、原稿Sの到達又は通過により受光強度(受光量)が変化することを原理として原稿Sを検出する。
【0048】
<CISの配置>
媒体検出センサ60よりも下流側にある画像読取ユニット70は、例えば、光学的に走査し、電気信号に変換して画像データとして読み取るものであり、内部にLED等の光源、イメージセンサ、レンズアレー等を備えている。本実施形態の場合、画像読取ユニット70は経路RTの両側に一つずつ配置されており、原稿Sの表裏面を読み取るコンタクトイメージセンサ(CIS)によって構成されている。
【0049】
<ブロック図の説明>
図4を参照して制御部80について説明する。図4は、原稿給送装置100の制御部80のブロック図である。
【0050】
制御部80は、CPU81、記憶部82、操作部83、通信部84及びインターフェース部85を備える。CPU81は、記憶部82に記憶されたプログラムを実行することにより原稿給送装置100全体の制御を行う。記憶部82は例えばRAM、ROM等から構成される。操作部83は、例えば、スイッチやタッチパネル等で構成され、操作者からの操作を受け付ける。
【0051】
通信部84は、外部装置との情報通信を行うインターフェースである。外部装置としてPC(コンピュータ)を想定した場合、通信部84としては、例えば、USBインターフェースやSCSIインターフェースを挙げることができる。また、このような有線通信のインターフェースの他、通信部84は無線通信のインターフェースとしてもよく、有線通信、無線通信の双方のインターフェースを備えていてもよい。
【0052】
インターフェース部85は、アクチュエータ86やセンサ87とのデータの入出力を行うI/Oインターフェースである。アクチュエータ86には、モータ3、モータ4等が含まれる。センサ87には、重送検出センサ40、媒体検出センサ50及び60、画像読取ユニット70、原稿検知センサ90等が含まれる。
【0053】
<PCからの開始指示受信による駆動>
原稿給送装置100の基本的な動作について説明する。制御部80は、例えば原稿給送装置100が接続された外部コンピュータから画像読み取りの開始指示を受信すると、第1~第3搬送部10~30の駆動を開始する。載置台1に積載された原稿Sはその最も下に位置する原稿Sから1つずつ搬送される。画像読み取りの開始指示は、原稿給送装置100に設けられたスタートボタンの押下によって実行されてもよい。
【0054】
<レジストセンサの出力に応じた読取開始>
制御部80は、媒体検出センサ60の検出結果に基づくタイミングで、第2搬送部20により搬送されてきた原稿Sの、画像読取ユニット70による画像の読み取りを開始し、読み取った画像を一次記憶して順次外側コンピュータへ送信する。画像が読み取られた原稿Sは第3搬送部30により排出トレイ2に排出されてその原稿Sの画像読取処理が終了する。
【0055】
<給送・搬送の動作フロー>
次に、給送・搬送の動作について説明する。図5は、第1実施形態に係る原稿給送装置100の動作を示すフローチャートである。
【0056】
ステップS1では、制御部80が、例えば原稿給送装置100に接続された外部コンピュータから画像読み取りを行うための給送開始指令を受信する。
【0057】
ステップS2では、制御部80が、原稿検知センサ90により載置台1上の原稿Sの有無を判定する。
【0058】
ステップS3では、制御部80が、原稿検知センサ90により原稿Sが無いと判定した場合(S2:NO)、“原稿が無い”旨のメッセージを外部コンピュータ等に表示し、給送・搬送が行われず終了となる。
【0059】
ステップS4では、制御部80が、原稿検知センサ90により載置台1上に原稿Sが有ると判定した場合(S2:YES)、モータ4を正方向に駆動する。この時ピックアーム13が圧接位置に、原稿ストッパー14が開口位置に移動される。
【0060】
ステップS5では、制御部80が、モータ3を駆動し、給送ローラ110を、原稿Sを給送する方向(正方向)に回転させ、原稿Sを給送する。
【0061】
ステップS6では、原稿Sの先端が媒体検出センサ50を通過したことを検出し、次いで、ステップS7で、原稿Sの先端が媒体検出センサ60を通過したことを検出する。
【0062】
このとき、原稿Sの先端が媒体検出センサ60を通過したことで、原稿Sが第2搬送部20に到達していることから、第1搬送部10を停止しても原稿Sが第2搬送部20によって搬送されるため、ステップS8で、制御部80がモータ3を停止させる。
【0063】
一方、媒体検出センサ60に原稿Sの先端が到達した時刻から、画像読取ユニット70に到達する所定時間の経過後に原稿Sの画像読み取りを開始する。
【0064】
ステップS9では、原稿Sの後端が媒体検出センサ60を通過したことを検出する。この時刻から所定時間の経過後に原稿Sの画像読み取りを終了する。これによって1枚の原稿Sに対する一連の読み取り動作が完了する。
【0065】
ステップS10では、制御部80が、原稿検知センサ90により載置台1上の原稿Sの有無を判定する。原稿Sが有ると判定した場合(S10:YES)は、ステップS5に移り、原稿Sの搬送と画像読み取りを行う。
【0066】
ステップS10で、原稿検知センサ90により載置台1上に原稿Sが無いと判定した場合(S10:NO)、ステップS11で、制御部80がモータ4を停止させる。このとき、媒体検出センサ60を通過した原稿が第3搬送部30によって排紙されるべく、所定時間経過後にモータ4を停止させる。第3搬送部の駆動をモータ4が行わない場合には、直ちにモータ4を停止させてもよい。
【0067】
その後、ステップS12で、制御部80が、モータ4を逆方向に所定パルス数だけ駆動してから停止させる。この時、ピックアーム13が退避位置に、原稿ストッパー14が閉口位置に移動されて停止させる。これで給送・搬送の動作が終了となる。
【0068】
以上の動作フローにより、媒体検出センサ60をトリガーとして次の原稿Sの給送をする搬送制御を行う。これにより、画像読取ユニット70の読取位置で所定の紙間を設けられるので、安定的に原稿Sを連続して搬送することができる。
【0069】
<給送ローラ>
以下、給送ローラ110について具体的に説明する。図6は、第1実施形態に係る給送部の断面図である。
【0070】
原稿給送装置100は、図6に示すように、給送ローラ110を装着するための凹形状のローラ装着部a1を含むフレーム105を備える。給送ローラ110は、ローラ装着部a1に装着される。ローラ装着部a1に装着された給送ローラ110は、カバー部材a3によって覆われる。カバー部材a3は、ローラ装着部a1の長手方向の端部を開閉自在に設けられる。ユーザがカバー部材a3を掴んで開状態とすることで、給送ローラ110の両端部が露出し、給送ローラ110をローラ装着部a1に対して着脱可能となる。カバー部材a3を閉じることで、給送ローラ軸11bの両端部がローラ装着部a1とカバー部材a3とで保持される。これにより、給送ローラ軸11bは、給送ローラ軸11bの中心を通る仮想的な軸線C1を中心に回転可能に保持される。なお、カバー部材a3は、給送ローラ110の給送ローラ部111、112における分離ローラ12との間でニップを形成する部分に対し、搬送方向の前後を覆っていても良いし、給送ローラ軸11bの軸方向において給送ローラ部111、112の間で、給送ローラ軸11bを覆うように位置していることが好ましい。
【0071】
図7(a)は、第1実施形態に係る給送ローラ110の斜視図である。図7(b)は、第1実施形態に係る給送ローラ110の断面図である。給送ローラ110は、図7(a)及び図7(b)に示すように、給送ローラ軸11bと、給送ローラ軸11bに設けられた一対の内側コア部1103、1103と、第1外側コア部1101と、第2外側コア部1102と、を有する。一対の内側コア部1103、1103は、互いに同じ構成である。一対の内側コア部1103、1103は、給送ローラ軸11bの延びる軸方向D10に同じ向きに揃えて、樹脂で形成されたスペーサSPを介して軸方向D10に間隔をあけて給送ローラ軸11bに取り付けられている。第1外側コア部1101と第2外側コア部1102とは、互いに異なる構成となっている。
【0072】
内側コア部1103、1103は、筒形状に形成されており、給送ローラ軸11bに対して回転可能に給送ローラ軸11bに嵌め込まれている。給送ローラ軸11bと内側コア部1103との間には、ワンウェイクラッチ11aが介在しており、給送ローラ軸11bと内側コア部1103との間には、ワンウェイクラッチ11aが介在している。即ち、内側コア部1103、1103は、個別のワンウェイクラッチ11a、11aを介して給送ローラ軸11bに取り付けられている。ワンウェイクラッチ11aとワンウェイクラッチ11aとは、互いに同じ構成であり、給送ローラ軸11bの軸方向D10で同じ向きに揃えて配置されている。
【0073】
外側コア部1101は、内側コア部1103及びワンウェイクラッチ11aを介して給送ローラ軸11bに支持されている。外側コア部1102は、内側コア部1103及びワンウェイクラッチ11aを介して給送ローラ軸11bに支持されている。つまり、本実施形態のワンウェイクラッチ11a、11aは、左右に別々に設けられた一対の給送ローラ部111、112に対して、それぞれ個別に設けられている。各ワンウェイクラッチ11a、11aは、各内側コア部1103、1103に対して軸方向で同じ位置に配置されている。
【0074】
本実施形態では、内側コア部1103及びワンウェイクラッチ11aと、内側コア部1103及びワンウェイクラッチ11aとが共通の同一部品であり、これにより給送ローラ110の製造が容易となる。
【0075】
第1外側コア部1101及び第2外側コア部1102のそれぞれは、筒形状に形成されており、一対の内側コア部1103、1103のそれぞれに着脱可能に構成されている。第1外側コア部1101が内側コア部1103に装着された状態では、第1外側コア部1101は、内側コア部1103に嵌合しており、内側コア部1103に対して相対移動が規制される。第2外側コア部1102が内側コア部1103に装着された状態では、第2外側コア部1102は、内側コア部1103に嵌合しており、内側コア部1103に対して相対移動が規制されている。
【0076】
図8(a)及び図8(b)は、第1実施形態に係る給送ローラ110の一部分解斜視図である。図8(a)及び図8(b)において、第1外側コア部1101は、内側コア部1103から取り外され、第2外側コア部1102は、内側コア部1103から取り外されている。ここで、内側コア部1103に対する第1外側コア部1101の装着方向を第1方向D11とする。内側コア部1103に対する第2外側コア部1102の装着方向を第2方向D12とする。第1方向D11と第2方向D12とは、給送ローラ軸11bの延びる方向である軸方向D10と平行であり、互いに逆向きである。よって、第1外側コア部1101に対しては、第2方向D12は内側コア部1103から取り外される方向である。また、第2外側コア部1102に対しては、第1方向D11は内側コア部1103から取り外される方向である。
【0077】
第1外側コア部1101の外周には、筒形状の第1ゴム部1105が設けられ、第2外側コア部1102の外周には、筒形状の第2ゴム部1106が設けられている。各ゴム部1105、1106は、ゴム材料で形成されている。各ゴム部1105、1106は、表面の研磨方向や表面のパターンによって回転方向が規定されている。即ち、一対のゴム部1105、1106自体は同じでも良いし、互いに異なる構成であっても良いが、外側コア部に取り付けた状態においては、互いに異なる構成となる。
【0078】
第1外側コア部1101と第1ゴム部1105とは、第1ゴム部1105が第1外側コア部1101に対して移動しないように、固定されている。つまり、第1外側コア部1101は、第1ゴム部1105を支持する支持部材であり、第1ゴム部1105よりも剛性の高い材料、例えばプラスチックなどの樹脂で構成される。よって、第1ゴム部1105を交換する際には、第1外側コア部1101ごと交換することになる。
【0079】
同様に、第2外側コア部1102と第2ゴム部1106とは、第2ゴム部1106が第2外側コア部1102に対して移動しないように、固定されている。つまり、第2外側コア部1102は、第2ゴム部1106を支持する支持部材であり、第2ゴム部1106よりも剛性の高い材料、例えばプラスチックなどの樹脂で構成される。よって、第2ゴム部1106を交換する際には、第2外側コア部1102ごと交換することになる。
【0080】
第1外側コア部1101は、一対の内側コア部1103、1103のうち一方の内側コア部1103に装着可能である。そして、第1外側コア部1101は、一対の内側コア部1103、1103のうち他方の内側コア部1103には装着不能に構成されている。
【0081】
同様に、第2外側コア部1102は、一対の内側コア部1103、1103のうち他方の内側コア部1103に装着可能である。そして、第2外側コア部1102は、一対の内側コア部1103、1103のうち一方の内側コア部1103には装着不能に構成されている。
【0082】
上述した内側コア部1103、第1外側コア部1101及び第1ゴム部1105により、給送ローラ部111が構成されている。また、上述した内側コア部1103、第2外側コア部1102及び第2ゴム部1106により、給送ローラ部112が構成されている。
【0083】
原稿Sの搬送時、給送ローラ110は、各ゴム部1105、1106が原稿Sに接触しながら搬送する。このため、各ゴム部1105、1106は、摩耗や汚れにより、原稿Sとの摩擦力が低下することがある。ゴム部1105、1106の交換が必要となった場合には、ユーザは、給送ローラ110をフレーム105から取り外す。本実施形態では、ユーザは、給送ローラ110全体を交換するのではなく、給送ローラ110における第1ゴム部1105と一体の第1外側コア部1101、及び/又は第2ゴム部1106と一体の第2外側コア部1102を交換すればよい。
【0084】
図9(a)及び図9(b)は、第1実施形態に係る第1外側コア部1101及び第1ゴム部1105の斜視図である。図9(c)及び図9(d)は、第1実施形態に係る第2外側コア部1102及び第2ゴム部1106の斜視図である。図10(a)は、第1実施形態に係る第1外側コア部1101及び第1ゴム部1105の側面図である。図10(b)は、第1実施形態に係る第2外側コア部1102及び第2ゴム部1106の側面図である。図11(a)は、第1実施形態に係る内側コア部の一側面図である。図11(b)は、第1実施形態に係る内側コア部の断面図である。図11(c)は、第1実施形態に係る内側コア部の他側面図である。なお、一対の内側コア部1103、1103は、同一の構成であるため、図11(a)から図11(c)において、各内側コア部1103、1103を内側コア部1103として図示している。また、各ワンウェイクラッチ11a、11aについても、ワンウェイクラッチ11aとして図示している。
【0085】
図9(a)、図9(b)、及び図10(a)に示すように、第1外側コア部1101は、筒形状の第1コア本体1101xと、第1コア本体1101xの内周面から突出して設けられた第1外側係合部1101aとを有する。
【0086】
図9(c)、図9(d)、及び図10(b)に示すように、第2外側コア部1102は、筒形状の第2コア本体1102xと、第2コア本体1102xの内周面から突出して設けられた第2外側係合部1102aと、を有する。
【0087】
また、図11(a)~図11(c)に示すように、内側コア部1103は、筒形状のコア本体1103xと、コア本体1103xの外周面から突出して設けられた第1内側係合部1103aと、コア本体1103xの外周面から突出して設けられた第2内側係合部1103bと、を有する。なお、図11(a)において、給送ローラ軸11b周辺には、軸方向D10においてワンウェイクラッチ11a側のコア本体1103xの構造が見えるはずであるが、説明のために省略している。
【0088】
図7(b)に示すように、内側コア部1103の第1内側係合部1103aは、第1外側コア部1101の第1外側係合部1101aに対して、給送ローラ軸11bの軸方向D10で係合可能に形成されている。また、内側コア部1103の第2内側係合部1103bは、第2外側コア部1102の第2外側係合部1102aに対して、軸方向D10で係合可能に形成されている。
【0089】
内側コア部1103の第1内側係合部1103aと第2内側係合部1103bとは、軸方向D10において、互いに反対方向を向いている。これにより、内側コア部1103の第1内側係合部1103aは、第1方向D11から装着される第1外側コア部1101の第1外側係合部1101aと係合可能となるが、内側コア部1103の第2内側係合部1103bは、第1外側コア部1101の第1外側係合部1101aとの係合には寄与しない。
【0090】
同様に、内側コア部1103の第1内側係合部1103aと第2内側係合部1103bとは、軸方向D10において、互いに反対方向を向いている。これにより、内側コア部1103の第2内側係合部1103bは、第2方向D12から装着される第2外側コア部1102の第2外側係合部1102aと係合可能となるが、内側コア部1103の第1内側係合部1103aは、第2外側コア部1102の第2外側係合部1102aとの係合には寄与しない。
【0091】
図11(b)に示す各内側係合部1103a、1103bは、コア本体1103xの径方向に弾性変形可能に設けられている。即ち、図7(b)に示す内側コア部1103の第1内側係合部1103aは、第1外側コア部1101の第1外側係合部1101aと係脱可能に弾性変形可能である。また、内側コア部1103の第2内側係合部1103bは、第2外側コア部1102の第2外側係合部1102aと係脱可能に弾性変形可能である。
【0092】
詳しくは、図11(b)に示すように、第1内側係合部1103aは、コア本体1103xの外周面に連結された第1支持部1103aaと、コア本体1103xの外周面に沿って第1支持部1103aaから第2方向D12に延びる第1アーム部1103abと、第1アーム部1103abに設けられた第1係合爪1103acと、を含む。第1支持部1103aaは、第1アーム部1103abを弾性変形可能に支持するため、第1アーム部1103abは、径方向に弾性変形可能である。第1係合爪1103acは、第1アーム部1103abにおけるコア本体1103xの径方向外側の面に形成されている。
【0093】
また、第2内側係合部1103bは、コア本体1103xの外周面に連結された第2支持部1103baと、コア本体1103xの外周面に沿って第2支持部1103baから第1方向D11に延びる第2アーム部1103bbと、第2アーム部1103bbに設けられた第2係合爪1103bcと、を含む。第2支持部1103baは、第2アーム部1103bbを弾性変形可能に支持するため、第2アーム部1103bbは、径方向に弾性変形可能である。第2係合爪1103bcは、第2アーム部1103bbにおけるコア本体1103xの径方向外側の面に形成されている。
【0094】
各係合爪1103ac、1103bcは、傾斜面と当接面とを含む。図7(b)に示すように、第1外側係合部1101aは、内側コア部1103の第1係合爪1103acと係合可能な係合爪である。第2外側係合部1102aは、内側コア部1103の第2係合爪1103bcと係合可能な係合爪である。各外側係合部1101a、1102aは、傾斜面と当接面とを含む。
【0095】
内側コア部1103の第1係合爪1103acの当接面と、第1外側係合部1101aの当接面とが当接することにより、係合状態となる。また、内側コア部1103の第2係合爪1103bcの当接面と、第2外側係合部1102aの当接面とが当接することにより、係合状態となる。
【0096】
図11(b)に示すように、各アーム部1103ab、1103bbは、コア本体1103xの外周面から径方向外側に離間している。各支持部1103aa、1103baは、弾力性を有して各アーム部1103ab、1103bbを支持している。各支持部1103aa、1103baは、コア本体1103xの外周面に接離する方向に各アーム部1103ab、1103bbが変位できるように、各アーム部1103ab、1103bbを支持している。これにより、各アーム部1103ab、1103bbは、コア本体1103xの径方向に弾性変形することが可能となっている。
【0097】
図10(a)に示すように、第1外側コア部1101は、第1外側コア部1101が誤って図8(a)及び図8(b)の内側コア部1103に装着されないように、内側コア部1103と干渉して内側コア部1103に対し装着不能とする第1規制部1101bを有する。第1外側コア部1101は、図9(a)に示すように、第1ゴム部1105が、図7(a)の一対の給送ローラ部111、112の軸方向D10の内側に位置するように、軸方向D10における第1外側コア部1101の装着向きを規制するための第1突起部1101cと、内側コア部1103に対する回転方向(円周方向)の位置を決める、第1突部の一例である第1キー部1101dと、を有する。
【0098】
図9(a)及び図9(b)に示すように、第1規制部1101bは、第1外側コア部1101の第1コア本体1101xの内周面から径方向内側に突出して形成されている。第1規制部1101bは、軸方向D10に沿って延びて形成されている。
【0099】
第1外側コア部1101を内側コア部1103に装着する際には、図8(a)及び図8(b)に示すように、第1コア本体1101xの軸方向D10の一端側(N面側)を、内側コア部1103の側面に対向させ、第1外側コア部1101を、軸方向D10と平行な第1方向D11に移動させて、内側コア部1103に係合させる。
【0100】
第1突起部1101cは、図9(a)に示すように、第1コア本体1101xの軸方向D10の他端側(M面側)に設けられ、第1コア本体1101xから径方向内側に突出して形成されている。これにより、第1コア本体1101xの他端側(M面側)を内側コア部1103の側面に対向させて第1方向D11に移動させると、第1突起部1101cが内側コア部1103の側面に干渉する。これにより、第1外側コア部1101が誤った向きで内側コア部1103に装着されるのが防止される。
【0101】
同様に、図10(b)に示すように、第2外側コア部1102は、第2外側コア部1102が誤って図8(a)及び図8(b)の内側コア部1103に装着されないように、内側コア部1103と干渉して内側コア部1103に対し装着不能とする第2規制部1102bを有する。第2外側コア部1102は、図9(c)に示すように、第2ゴム部1106が、図7(a)の一対の給送ローラ部111、112における軸方向D10の内側に位置するように、軸方向D10における第2外側コア部1102の装着向きを規制するための第2突起部1102cと、内側コア部1103に対する回転方向(円周方向)の位置を決める、第2突部の一例である第2キー部1102dと、を有する。
【0102】
図9(c)及び図9(d)に示すように、第2規制部1102bは、第2外側コア部1102の第2コア本体1102xの内周面から径方向内側に突出して形成されている。第2規制部1102bは、軸方向D10に沿って延びて形成されている。
【0103】
第2外側コア部1102を内側コア部1103に装着する際には、図8(a)及び図8(b)に示すように、第2コア本体1102xの軸方向D10の一端側(N面側)を、内側コア部1103の側面に対向させ、第2外側コア部1102を、第1方向D11とは反対の方向であって軸方向D10と平行な第2方向D12に移動させて、内側コア部1103に係合させる。
【0104】
第2突起部1102cは、図9(c)に示すように、第2コア本体1102xの軸方向D10の他端側(M面側)に設けられ、第2コア本体1102xから径方向内側に突出して形成されている。これにより、第2コア本体1102xの他端側(M面側)を内側コア部1103の側面に対向させて第2方向D12に移動させると、第2突起部1102cが内側コア部1103の側面に干渉する。これにより、第2外側コア部1102が誤った向きで内側コア部1103に装着されるのが防止される。
【0105】
各外側コア部1101、1102は、各突起部1101c、1102cを有する面(M面)と、その反対側の面(N面)がある。各ゴム部1105、1106は、N面側に寄せて配置されている。ここで、第1外側コア部1101をM面側から視るとは、内側コア部1103に装着された状態の第1外側コア部1101を第1方向D11に視ることを示している。また、第2外側コア部1102をM面側から視るとは、内側コア部1103に装着された状態の第2外側コア部1102を第2方向D12に視ることを示している。
【0106】
図10(a)及び図10(b)に示すように、第1外側コア部1101及び第2外側コア部1102をM面側から視たときに、第1外側コア部1101において第1外側係合部1101aを基準とした第1規制部1101bの相対的な位置と、第2外側コア部1102において第2外側係合部1102aを基準とした第2規制部1102bの相対的な位置と、が異なる。即ち、外側係合部1101a、1102aを基準としたとき、第1規制部1101bと第2規制部1102bとは、円周方向で位相が異なるように配置されている。換言すれば、各外側係合部1101a、1102aを基準としたとき、一対の規制部1101b、1102bは、互いに反対の回転方向に、軸線C1に対して180度以外の所定角度で配置されている。
【0107】
本実施形態では、第1規制部1101bは、図10(a)に示すように第1外側コア部1101を第1方向D11に視て、第1外側係合部1101aを基準に、軸線C1を中心とする右回りの回転方向の90度の位置に配置されている。また、第2規制部1102bは、図10(b)に示すように第2外側コア部1102を第2方向D12に視て、第2外側係合部1102aを基準に、軸線C1を中心とする左回りの回転方向の90度の位置に配置されている。なお、第1規制部1101bの取り付け角度として90度は一例であり、角度が多少大小しても良いし、他の角度で第1規制部1101bを設けても良い。
【0108】
図11(b)に示すように、内側コア部1103の内側係合部1103a、1103bは、軸方向D10に互いに逆向きに配置されている。具体的には、第1内側係合部1103aの第1アーム部1103abは、第1支持部1103aaから第2方向D12に向かって延びて形成され、第2内側係合部1103bの第2アーム部1103bbは、第2支持部1103baから第1方向D11に向かって延びて形成されている。
【0109】
また、図11(a)及び図11(c)に示すように、内側コア部1103(内側コア部1103、1103の各々)は、給送ローラ軸11bに沿って延びる第1逃げ部1103c及び第2逃げ部1103dを有する。第1逃げ部1103c及び第2逃げ部1103dは、コア本体1103xの外周面において径方向に凹んで形成されている。
【0110】
第1逃げ部1103cは、図8(b)に示すように、各内側コア部1103、1103の軸方向D10の一端側から第1方向D11に延びて形成されている。本実施形態では、内側コア部1103の第1逃げ部1103cには、第1外側コア部1101を内側コア部1103に装着する操作がユーザによって行われているときに、第1外側コア部1101の第1規制部1101bがスライドしてガイドされる。そして、ユーザが第1外側コア部1101を内側コア部1103に対して装着完了位置まで移動させるときに、その移動を妨げない位置まで第1逃げ部1103cが延びて設けられている。このとき、第1外側コア部1101のストッパーとして機能するように、第1逃げ部1103cを、コア本体1101xの軸方向D10の一端から、一端と他端との間の位置まで設けても良い。
【0111】
第2逃げ部1103dは、図8(a)に示すように、各内側コア部1103、1103の軸方向D10の他端側から第2方向D12に延びて形成されている。本実施形態では、内側コア部1103の第2逃げ部1103dには、第2外側コア部1102を内側コア部1103に装着する操作がユーザによって行われているときに、第2外側コア部1102の第2規制部1102bがスライドしてガイドされる。そして、ユーザが第2外側コア部1102を内側コア部1103に対して装着完了位置まで移動させるときに、その移動を妨げない位置まで第2逃げ部1103dが延びて設けられている。このとき、第2外側コア部1102のストッパーとして機能するように、第2逃げ部1103dを、コア本体1101xの軸方向D10の他端から、一端と他端との間の位置まで設けても良い。
【0112】
図10(a)及び図11(a)に示すように、第1方向D11に第1外側コア部1101を視たときの第1外側係合部1101aと第1規制部1101bとの相対的な位置関係と、第1方向D11に内側コア部1103を視たときの第1内側係合部1103aと第1逃げ部1103cとの相対的な位置関係と、が一致する。
【0113】
同様に、図10(b)及び図11(c)に示すように、第2方向D12に第2外側コア部1102を視たときの第2外側係合部1102aと第2規制部1102bとの相対的な位置関係と、第2方向D12に内側コア部1103を視たときの第2内側係合部1103bと第2逃げ部1103dとの相対的な位置関係と、が一致する。
【0114】
本実施形態では、第1逃げ部1103cは、図11(a)に示すように内側コア部1103を第1方向D11に視て、第1内側係合部1103aを基準に、軸線C1を中心とする右回りの回転方向の90度の位置に配置されている。また、第2逃げ部1103dは、図11(c)に示すように内側コア部1103を第2方向D12に視て、第2内側係合部1103bを基準に、軸線C1を中心とする左回りの回転方向の90度の位置に配置されている。
【0115】
これにより、内側コア部1103の第1逃げ部1103cは、装着される第1外側コア部1101の第1規制部1101bと干渉しない位置に形成され、内側コア部1103の第2逃げ部1103dは、装着される第2外側コア部1102の第2規制部1102bと干渉しない位置に形成されていることになる。
【0116】
よって、第1外側コア部1101を内側コア部1103に装着する際には、第1外側コア部1101の第1規制部1101bが第1逃げ部1103cに嵌り込み、内側コア部1103と干渉しないため、第1外側コア部1101が装着可能となる。また、第2外側コア部1102を内側コア部1103に装着する際には、第2外側コア部1102の第2規制部1102bが第2逃げ部1103dに嵌り込み、内側コア部1103と干渉しないため、第2外側コア部1102が装着可能となる。
【0117】
なお、図10(a)に示す第1外側コア部1101における第1外側係合部1101aに対する第1規制部1101bの相対位置と、図11(c)に示す内側コア部1103における内側係合部1103bに対する第2逃げ部1103dの相対位置とが異なるので、第1外側コア部1101が内側コア部1103に誤装着されるのが防止される。
【0118】
同様に、図10(b)に示す第2外側コア部1102における第2外側係合部1102aに対する第2規制部1102bの相対位置と、図11(a)に示す内側コア部1103における内側係合部1103aに対する第1逃げ部1103cの相対位置とが異なるので、第2外側コア部1102が内側コア部1103に誤装着されるのが防止される。
【0119】
図11(a)~図11(c)に示すように、内側コア部1103(内側コア部1103、1103の各々)は、給送ローラ軸11bに沿って延びる第1溝部1103e及び第2溝部1103fを有する。第1溝部1103e及び第2溝部1103fは、コア本体1103xの外周面に凹んで形成されている。第1溝部1103e及び第2溝部1103fは、コア本体1103xの軸方向D10の一端から他端まで延在している。
【0120】
図9(a)及び図9(b)に示すように、第1キー部1101dは、第1コア本体1101xの内周面から突出して形成されている。また、第1キー部1101dは、第1コア本体1101xの軸方向D10の一端から他端まで延在している。第1キー部1101dは、一対の凸条からなる。第1外側コア部1101を内側コア部1103に装着したときには、内側コア部1103の第1溝部1103eには、第1外側コア部1101の第1キー部1101dが嵌っている。これにより、内側コア部1103に対する第1外側コア部1101の周方向の相対的な回転が規制される。
【0121】
図9(c)及び図9(d)に示すように、第2キー部1102dは、第2コア本体1102xの内周面から突出して形成されている。また、第2キー部1102dは、第2コア本体1102xの軸方向D10の一端から他端まで延在している。第2キー部1102dは、一対の凸条からなる。第2外側コア部1102を内側コア部1103に装着したときには、内側コア部1103の第2溝部1103fには、第2外側コア部1102の第2キー部1102dが嵌っている。これにより、内側コア部1103に対する第2外側コア部1102の周方向の相対的な回転が規制される。
【0122】
本実施形態では、図10(a)に示す第1方向D11に第1外側コア部1101を視て、第1キー部1101dは、第1外側係合部1101aに対して軸線C1を中心とする回転方向で180度の位置に配置されている。また、図10(b)に示す第2方向D12に第2外側コア部1102を視て、第2キー部1102dは、第2外側係合部1102aに対して軸線C1を中心とする回転方向で180度の位置に配置されている。また、図11(a)及び図11(c)に示すように、軸方向D10に視て、第1内側係合部1103aは、第2内側係合部1103bに対して軸線C1を中心とする回転方向で180度の位置に配置されている。
【0123】
図11(a)に示す第1方向D11に内側コア部1103を視て、第1溝部1103eは、第1内側係合部1103aに対して軸線C1を中心とする回転方向で180度の位置に配置されている。よって、第2内側係合部1103bは、第1溝部1103e内に配置されている。また、図11(c)に示す第2方向D12に内側コア部1103を視て、第2溝部1103fは、第2内側係合部1103bに対して軸線C1を中心とする回転方向で180度の位置に配置されている。よって、第1内側係合部1103aは、第2溝部1103f内に配置されている。
【0124】
内側コア部1103の第1内側係合部1103aと第1外側コア部1101の第1外側係合部1101aとを係合させる場合や係合を解除させる場合には、第1内側係合部1103aを弾性変形させることにより、係合又は係合解除が可能となっている。特に、内側コア部1103から第1外側コア部1101を取り外す際には、ユーザは、自身の指などで、内側コア部1103の第1内側係合部1103aを、コア本体1103xの径方向内側に移動するよう弾性変形させることによって、係合を解除させることができる。内側コア部1103の第2内側係合部1103bと第2外側コア部1102の第2外側係合部1102aについても同様である。
【0125】
以下、ユーザによる外側コア部1101、1102と内側コア部1103、1103との着脱動作について具体的に説明する。なお、第1外側コア部1101と内側コア部1103との着脱動作と、第2外側コア部1102と内側コア部1103との着脱動作は、略同様であるため、第1外側コア部1101と内側コア部1103との着脱動作について説明する。
【0126】
まず、第1外側コア部1101を内側コア部1103に装着する動作について説明する。図8(a)及び図8(b)に示すように、第1外側コア部1101のN面側を、内側コア部1103に対向させる。さらに、内側コア部1103の軸心と第1外側コア部1101の軸心とがほぼ一致するように第1外側コア部1101を内側コア部1103に対して位置決めする。
【0127】
また、第1方向D11に視て、内側コア部1103の第1逃げ部1103cと第1外側コア部1101の第1規制部1101bとが一致するように、第1外側コア部1101と内側コア部1103との円周方向の相対的な位置合わせをする。つまり、第1外側コア部1101の第1キー部1101dが内側コア部1103の第1溝部1103eに入るように、第1外側コア部1101と内側コア部1103との円周方向の相対的な位置合わせをする。
【0128】
この状態で、第1外側コア部1101を内側コア部1103に対して第1方向D11に相対的に移動させることにより、内側コア部1103が第1外側コア部1101の内側に入り込んで、第1外側コア部1101に覆われる。
【0129】
この場合、第1外側コア部1101の第1突起部1101cは、内側コア部1103と対向するN面側とは反対のM面側に位置しているため、第1外側コア部1101は、突起部1101cが内側コア部1103と干渉して動きを規制されることなく、内側コア部1103の外周面に被されることができる。
【0130】
次に、第1外側コア部1101と内側コア部1103との係合について説明する。図10(a)及び図11(a)において、軸方向D10に視て、第1外側コア部1101の第1外側係合部1101aの軸方向D10と直交する方向の幅は、内側コア部1103の第2溝部1103fの幅よりも狭い。このため、第1外側係合部1101aは、内側コア部1103図8(a))の第2溝部1103fに容易に入り込む。内側コア部1103の第1内側係合部1103aは、第2溝部1103fの溝底に形成されている。このため、第1外側コア部1101の第1外側係合部1101aは、第2溝部1103fに入り込んだ状態で、内側コア部1103の第1係合爪1103acと係合可能である。
【0131】
図8(a)及び図8(b)において、第1外側コア部1101を内側コア部1103に対して第1方向D11に移動させることにより、第1外側コア部1101の第1外側係合部1101aが内側コア部1103の第1係合爪1103ac(図7(b))に接触する。この状態で、第1外側コア部1101を更に第1方向D11に移動させると、この移動方向の力が、内側コア部1103の第1アーム部1103abに対し、コア本体1103x、即ち給送ローラ軸11bに近づく径方向内側への力として入力される。この力が入力された内側コア部1103の第1アーム部1103abは、径方向内側(図7(b)の方向D21)に弾性変形する。
【0132】
この状態で、第1外側コア部1101を更に第1方向D11に移動させると、第1外側コア部1101の第1外側係合部1101aが、内側コア部1103の第1係合爪1103acを第1方向D11に越える。これにより、内側コア部1103の第1係合爪1103acと、第1外側コア部1101の第1外側係合部1101aとは、径方向において接触状態が解除される。
【0133】
内側コア部1103の第1係合爪1103acと、第1外側コア部1101の第1外側係合部1101aとの径方向における接触状態が解除されることにより、内側コア部1103の第1アーム部1103abが、弾性変形している状態から径方向外側に変形して、図7(b)の方向D21とは反対方向に元の状態に復帰する。これにより、内側コア部1103の第1係合爪1103acの当接面と第1外側コア部1101の第1外側係合部1101aの当接面とが当接し、内側コア部1103の第1内側係合部1103aと第1外側コア部1101の第1外側係合部1101aとが係合する。これにより、第1外側コア部1101が内側コア部1103に嵌合した状態となる。
【0134】
第1外側コア部1101の第1外側係合部1101aと内側コア部1103の第1係合爪1103acとが係合すると、第1外側コア部1101は内側コア部1103に対する第2方向D12への相対的な移動が規制される。
【0135】
一方、第1外側コア部1101が内側コア部1103に嵌合している場合には、第1外側コア部1101の第1突起部1101cが、内側コア部1103の側面に当接する。これにより、第1外側コア部1101は内側コア部1103に対する第1方向D11への相対的な移動が規制される。
【0136】
以上、第1外側コア部1101が内側コア部1103に嵌合している場合には、第1外側コア部1101は内側コア部1103に対する軸方向D10への相対的な移動が規制される。
【0137】
また、この嵌合状態では、第1外側コア部1101の第1キー部1101dが内側コア部1103の第1溝部1103eに入り込む。このことにより、第1外側コア部1101は、内側コア部1103に対し、円周方向(回転方向)への相対的な回転が規制される。
【0138】
従って、第1外側コア部1101は、内側コア部1103に対して、軸方向D10及び円周方向への相対的な移動が規制された状態で、内側コア部1103に取り付けられる。
【0139】
なお、内側コア部1103における第2内側係合部1103bは、第1外側コア部1101との係合には寄与しない。
【0140】
内側コア部1103に対する第2外側コア部1102の装着動作は、上述した内側コア部1103に対する第1外側コア部1101の装着動作と略同様であり、説明が重複するため、詳細な説明は省略するが、異なる点について説明する。
【0141】
内側コア部1103に対する第2外側コア部1102の装着方向が第2方向D12であり、取り外し方向が第1方向D11である。また、第2外側コア部1102が内側コア部1103に装着されたときに、内側コア部1103における2つの内側係合部1103a、1103bのうち、第2外側コア部1102の第2外側係合部1102aと係合するのが第2内側係合部1103bである。つまり、第2外側コア部1102の第2外側係合部1102aは、内側コア部1103の第2係合爪1103bcと係合可能である。
【0142】
また、内側コア部1103に対する第2外側コア部1102の装着時に第2外側コア部1102の第2規制部1102bが嵌るのは、内側コア部1103の第2逃げ部1103dである。第2外側係合部1102aが、第1溝部1103eの溝底に形成された第2内側係合部1103bに係合することで、第2外側コア部1102が内側コア部1103に嵌合する。また、第2外側コア部1102が内側コア部1103に嵌合している状態では、第2外側コア部1102の第2キー部1102dが内側コア部1103の第2溝部1103fに入り込む。
【0143】
従って、第2外側コア部1102は、内側コア部1103に対して、軸方向D10及び円周方向への相対的な移動が規制された状態で、内側コア部1103に取り付けられる。
【0144】
なお、内側コア部1103における第1内側係合部1103aは、第2外側コア部1102との係合には寄与しない。
【0145】
以上の構成により、仮に、ユーザが誤って第1外側コア部1101を内側コア部1103へ装着しようとしても、第1外側コア部1101の第1規制部1101bが内側コア部1103の側面と干渉し、装着できない。即ち、第1外側コア部1101の第1規制部1101bは、第1外側コア部1101を内側コア部1103へ装着しようとしても、内側コア部1103に当接することで、内側コア部1103に装着不能に規制する。また、仮に、ユーザが誤って第2外側コア部1102を内側コア部1103へ装着しようとしても、第2外側コア部1102の第2規制部1102bが内側コア部1103の側面と干渉し、装着できない。即ち、第2外側コア部1102の第2規制部1102bは、第2外側コア部1102を内側コア部1103へ装着しようとしても、内側コア部1103に当接することで、内側コア部1103に装着不能に規制する。これにより、外側コア部1101、1102が誤って装着されるのを防止することができる。
【0146】
また、仮に、ユーザが誤って第1外側コア部1101の向きを反対にして第1外側コア部1101をM面側から内側コア部1103に取り付けようとしても、第1外側コア部1101の第1突起部1101cが内側コア部1103の側面と干渉し、装着できない。また、仮に、ユーザが誤って第2外側コア部1102の向きを反対にして第2外側コア部1102をM面側から内側コア部1103に取り付けようとしても、第2外側コア部1102の第2突起部1102cが内側コア部1103の側面と干渉し、装着できない。これにより、各外側コア部1101、1102が誤った向きで各内側コア部1103、1103に装着されるのを防止することができる。
【0147】
次に、第1外側コア部1101を内側コア部1103から取り外す場合について説明する。まず、ユーザは、第1外側コア部1101のM面側から図7(b)に示す第1内側係合部1103aの第1アーム部1103abの先端部1103iに触れ、第1アーム部1103abに、給送ローラ軸11bの側、即ち内側コア部1103の径方向内側(方向D21)への力を付与する。これにより、内側コア部1103の第1アーム部1103abが弾性変形し、第1係合爪1103acが径方向内側(方向D21)に移動して第1外側係合部1101aから離間し、内側コア部1103の第1内側係合部1103aと第1外側コア部1101の第1外側係合部1101aとの係合が解除される。
【0148】
内側コア部1103の第1内側係合部1103aと第1外側コア部1101の第1外側係合部1101aとの係合が解除されると、第1外側コア部1101は、内側コア部1103に対する第2方向D12への規制が解除され、内側コア部1103に対して第2方向D12(取り外し方向)への相対移動が可能になる。
【0149】
第2外側コア部1102を内側コア部1103から取り外す場合も、第1外側コア部1101を内側コア部1103から取り外す場合と略同様である。即ち、ユーザは、第2外側コア部1102のM面側から図7(b)に示す第2内側係合部1103bの第2アーム部1103bbの先端部1103jに触れ、第2アーム部1103bbに、給送ローラ軸11bの側、即ち内側コア部1103の径方向内側(方向D22)への力を付与する。これにより、内側コア部1103の第2アーム部1103bbが弾性変形し、第2係合爪1103bcが径方向内側(方向D22)に移動して第2外側係合部1102aから離間し、内側コア部1103の第2内側係合部1103bと第2外側コア部1102の第2外側係合部1102aとの係合が解除される。
【0150】
内側コア部1103の第2内側係合部1103bと第2外側コア部1102の第2外側係合部1102aとの係合が解除されると、第2外側コア部1102は、内側コア部1103に対する第1方向D11への規制が解除され、内側コア部1103に対して第1方向D11(取り外し方向)への相対移動が可能になる。
【0151】
ここで、仮に外側係合部をユーザに弾性変形させて係合解除させる構成にした場合には、係合解除させる際に、給送ローラ軸と外側係合部との間にユーザの指(爪を含む)を入れて径方向外側に操作しなければならない。したがって、給送ローラの小型化を重視した場合には、ユーザにとって操作性が低く、ユーザの操作性を重視した場合には、給送ローラが大型化してしまう。特に、給送ギア部113が設けられた側においては、ユーザは指が給送ギア部113に干渉することを避けながら係合解除する必要があり、操作性がより低くなりやすい。
【0152】
これに対し、本実施形態によれば、ユーザは、内側コア部1103の第1内側係合部1103aと第1外側コア部1101の第1外側係合部1101aとの係合を解除させる際には、第1内側係合部1103aを径方向内側(方向D21)に操作すればよい。同様に、ユーザは、内側コア部1103の第2内側係合部1103bと第2外側コア部1102の第2外側係合部1102aとの係合を解除させる際には、第2内側係合部1103bを径方向内側(方向D22)に操作すればよい。これにより、外側コア部1101、1102を容易に取り外し可能となる。したがって、給送ローラ110のローラ径が小さい場合でも、内側係合部1103a、1103bを操作する空間を確保でき、外側コア部1101、1102の交換を容易に行うことができる。
【0153】
本実施形態では、図7(b)に示すように、第1外側コア部1101が内側コア部1103に装着された状態で、第1アーム部1103abの先端部1103iが、第1外側コア部1101に対し、軸方向D10、具体的には第2方向D12に突出する。これにより、ユーザは、第1アーム部1103abの先端部1103iを容易に操作可能となる。
【0154】
同様に、第2外側コア部1102が内側コア部1103に装着された状態で、第2アーム部1103bbの先端部が、第2外側コア部1102に対し、軸方向D10、具体的には第1方向D11に突出する。これにより、ユーザは、第2アーム部1103bbの先端部1103jを容易に操作可能となる。
【0155】
また、第1外側コア部1101は、装着対象の内側コア部1103の第1アーム部1103abの先端部1103iに対応する位置に形成された第1凹部1101eを有する。第1凹部1101eは、径方向外側に凹んで形成されている。第1凹部1101eは、第1外側係合部1101aに対して第2方向D12側に位置している。これにより、ユーザは、第1アーム部1103abの先端部1103iを容易に操作可能となる。
【0156】
同様に、第2外側コア部1102は、装着対象の内側コア部1103の第2アーム部1103bbの先端部1103jに対応する位置に形成された第2凹部1102eを有する。第2凹部1102eは、径方向外側に凹んで形成されている。第2凹部1102eは、第2外側係合部1102aに対して第1方向D11側に位置している。これにより、ユーザは、第2アーム部1103bbの先端部1103jを容易に操作可能となる。
【0157】
ここで、本実施形態では、図6及び図7(b)に示すように、一対の内側コア部1103、1103の軸方向D10の外側には、給送ギア部113と位置決め部材114とが配置されている。本実施形態では、第1方向D11に沿って、位置決め部材114、給送ギア部113、内側コア部1103及び内側コア部1103が順に配置されている。図6に示すように、位置決め部材114は、フレーム105とカバー部材a3とに挟まれて保持される。
【0158】
図12(a)は、第1実施形態に係る位置決め部材の保持構造を示す断面図である。位置決め部材114は、給送ローラ110、即ち給送ローラ軸11bを、フレーム105に位置決めするための部材である。位置決め部材114は、給送ローラ軸11bに回転自在に設けられている。よって、位置決め部材114は、図6のフレーム105のローラ装着部a1とカバー部材a3とに挟まれて、給送ローラ軸11bの軸受け部材としても機能する。
【0159】
ここで、内側コア部1103から第1外側コア部1101を取り外す際や第1外側コア部1101を内側コア部1103に装着する際には、第1外側コア部1101の内側を位置決め部材114及び給送ギア部113が通過する。
【0160】
図12(b)は、第1実施形態に係る給送ローラ110の側面図である。図12(b)は、給送ローラ110を軸方向D10に視た図、より具体的には給送ローラ110を第1方向D11に視た図である。位置決め部材114は、軸方向D10に視て、第1外側コア部1101が内側コア部1103に装着された状態で、第1外側コア部1101に接する内接円C11の内側に位置する。内接円C11は、軸線C1を中心とする仮想的な円である。本実施形態では、第1キー部1101dが径方向内側に最も突出している。このため、内接円C11は、第1キー部1101dの先端に接する円である。つまり、内接円C11は、第1外側コア部1101に接触する円のうち、最小径の円である。
【0161】
本実施形態では、図12(b)に示すように、内接円C11の内側に給送ギア部113及び位置決め部材114が位置する。したがって、第1外側コア部1101を内側コア部1103に対して装着するとき、又は取り外すときに、給送ギア部113及び位置決め部材114に第1外側コア部1101が干渉するのを防止することができ、作業性が向上する。
【0162】
給送ギア部113及び位置決め部材114の外径を、外側コア部1101の内径よりも小さくするうえで、本実施形態では、弾性変形する係合部を外側コア部に設けた場合に比べ、給送ギア部113及び位置決め部材114の外径を大きくすることができ、設計の自由度が広がる。
【0163】
本実施形態では、上記のように構成することによって、一対の内側コア部1103,1103を共通の部品としても、第1外側コア部1101が誤って内側コア部1103に組み付けられるのを防止することができ、第2外側コア部1102が誤って内側コア部1103に組み付けられるのを防止することができる。
【0164】
なお、給送ギア部113の位置は、これに限定するものではなく、内側コア部1103と内側コア部1103との間であってもよい。この場合、位置決め部材114が、第1外側コア部1101の着脱操作の際に干渉を防止することができる。
【0165】
[第2実施形態]
第2実施形態に係る搬送ローラの一例である給送ローラについて説明する。図13(a)は、第2実施形態に係る第1外側コア部の側面図である。図13(b)は、第2実施形態に係る第2外側コア部の側面図である。図13(c)は、第2実施形態に係る一対の内側コア部のうちの一方の内側コア部の側面図である。図13(d)は、第2実施形態に係る一対の内側コア部のうちの他方の内側コア部の側面図である。第1実施形態と同様の部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0166】
第2実施形態の給送ローラは、第1実施形態で説明した、例えば図7(a)及び図7(b)に示す一対のワンウェイクラッチ11a、11a、給送ローラ軸11b、第1ゴム部1105、第2ゴム部1106、給送ギア部113、及び位置決め部材114を備える。
【0167】
第2実施形態の給送ローラは、第1実施形態とは異なる構成の第1外側コア部3101及び第2外側コア部3102と、一対の内側コア部3103、3103と、を備える。第1外側コア部3101及び第2外側コア部3102は異なる構成であり、一対の内側コア部3103、3103は同一の構成である。
【0168】
第1外側コア部3101は、第1コア本体3101x、第1外側係合部3101a、第1突起部3101c、第1キー部3101d、第1凹部3101eを有する。第1コア本体3101xは、第1実施形態で説明した第1コア本体1101xと略同一構成である。第1外側係合部3101aは、第1実施形態で説明した第1外側係合部1101aと略同一構成である。第1突起部3101cは、第1実施形態で説明した第1突起部1101cと略同一構成である。第1凹部3101eは、第1実施形態で説明した第1凹部1101eと略同一構成である。
【0169】
第2外側コア部3102は、第2コア本体3102x、第2外側係合部3102a、第2突起部3102c、第2キー部3102d、第2凹部3102eを有する。第2コア本体3102xは、第1実施形態で説明した第2コア本体1102xと略同一構成である。第2外側係合部3102aは、第1実施形態で説明した第2外側係合部1102aと略同一構成である。第2突起部3102cは、第1実施形態で説明した第2突起部1102cと略同一構成である。第2凹部3102eは、第1実施形態で説明した第2凹部1102eと略同一構成である。
【0170】
一対の内側コア部3103、3103の各々は、コア本体3103x、第1内側係合部3103a、第2内側係合部3103b、第1溝部3103e、第2溝部3103fを有する。コア本体3103xは、第1実施形態で説明したコア本体1103xと略同一構成である。第1内側係合部3103aは、第1実施形態で説明した第1内側係合部1103aと略同一構成である。第2内側係合部3103bは、第1実施形態で説明した第2内側係合部1103bと略同一構成である。
【0171】
第1外側コア部3101の第1キー部3101dは、第1実施形態で説明した第1キー部1101dと第1規制部1101bを兼ねる。第2外側コア部3102の第2キー部3102dは、第1実施形態で説明した第2キー部1102dと第2規制部1102bを兼ねる。一対の内側コア部3103、3103の各々の第1溝部3103eは、第1実施形態で説明した第1溝部1103eと第1逃げ部1103cを兼ねる。一対の内側コア部3103、3103の各々の第2溝部3103fは、第1実施形態で説明した第2溝部1103fと第2逃げ部1103dを兼ねる。
【0172】
よって、第2実施形態では、第1外側コア部3101が内側コア部3103に装着された状態で第1方向D11に第1外側コア部3101を視たときの第1外側係合部3101aに対する第1キー部3101dの相対的な位置と、第2外側コア部3102が内側コア部3103に装着された状態で第2方向D12に第2外側コア部3102を視たときの第2外側コア部3102に対する第2キー部3102dの相対的な位置とが異なる。
【0173】
即ち、軸方向D10に視て、各外側係合部3101a、3102aを基準としたとき、一対のキー部3101d、3102dは、互いに反対の回転方向に、軸線C1に対して180度以外の所定角度で配置されている。一対の内側係合部3103a、3103bは、軸方向D10に視て、180度以外の所定角度で配置されている。第2実施形態では、所定角度が90度である。
【0174】
以上の構成により、仮に、ユーザが誤って第1外側コア部3101を内側コア部3103へ装着しようとしても、第1外側コア部3101の第1キー部3101dが内側コア部3103の側面と干渉し、装着できない。即ち、第1外側コア部3101の第1キー部3101dは、第1外側コア部3101を内側コア部3103へ装着しようとしても、内側コア部3103に当接することで、内側コア部3103に装着不能に規制する。また、仮に、ユーザが誤って第2外側コア部3102を内側コア部3103へ装着しようとしても、第2外側コア部3102の第2キー部3102dが内側コア部3103の側面と干渉し、装着できない。即ち、第2外側コア部3102の第2キー部3102dは、第2外側コア部3102を内側コア部3103へ装着しようとしても、内側コア部3103に当接することで、内側コア部3103に装着不能に規制する。これにより、外側コア部3101、3102が誤って装着されるのを防止することができる。
【0175】
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。また、実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載されたものに限定されない。
【符号の説明】
【0176】
11b…給送ローラ軸(軸)、110…給送ローラ(搬送ローラ)、1101…第1外側コア部、1101a…第1外側係合部、1101b…第1規制部、1102…第2外側コア部、1102a…第2外側係合部、1102b…第2規制部、1103、1103…内側コア部、1103a…第1内側係合部、1103b…第2内側係合部、1105…第1ゴム部、1106…第2ゴム部
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