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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-19
(45)【発行日】2024-06-27
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3205 20060101AFI20240620BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20240620BHJP
   H01L 23/522 20060101ALI20240620BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20240620BHJP
   H01L 23/00 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
H01L21/88 T
H01L21/60 301N
H01L23/00 C
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020123072
(22)【出願日】2020-07-17
(65)【公開番号】P2022019309
(43)【公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松原 弘招
(72)【発明者】
【氏名】住友 芳
(72)【発明者】
【氏名】諸井 麻希
(72)【発明者】
【氏名】木下 直樹
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-235586(JP,A)
【文献】特開平01-066963(JP,A)
【文献】特開平11-168101(JP,A)
【文献】特開2005-142553(JP,A)
【文献】特開2012-146720(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3205
H01L 21/60
H01L 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップと、
前記チップに形成された回路素子と、
前記回路素子を被覆するように前記チップの上に形成された絶縁層と、
前記回路素子に電気的に接続されるように前記絶縁層の厚さ方向に積層配置された複数の配線を有し、前記絶縁層内に形成された多層配線領域と、
前記絶縁層の厚さ方向の全域に前記配線を有さず、前記絶縁層内において前記多層配線領域外の領域に形成された絶縁領域と、
前記絶縁領域を挟んで前記チップに対向するように前記絶縁層の上に配置された端子電極と、
前記チップの表層部において前記回路素子外の領域に形成された陽極領域、および、前記陽極領域の表層部に形成された陰極領域を含む整流器と、
前記端子電極に部分的に対向するように前記絶縁領域内に配置され、複数の前記配線から電気的に独立したダミー配線と、を含み、
前記端子電極は前記整流器に対向し、前記多層配線領域は前記整流器に対向しておらず、
前記ダミー配線が、前記整流器および前記端子電極によって、前記絶縁層の厚さ方向に挟まれている、半導体装置。
【請求項2】
前記多層配線領域は、前記絶縁層において前記回路素子を被覆する部分に形成され、
前記絶縁領域は、前記絶縁層において前記回路素子外を被覆する部分に形成され、
前記端子電極は、前記チップにおいて前記回路素子外の領域に対向している、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記陰極領域は、電気的に浮遊状態に形成されている、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記ダミー配線は、平面視において前記端子電極の周縁部に沿ってドット状、ライン状、または、環状に形成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記ダミー配線は、電気的に浮遊状態に形成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記絶縁領域において前記端子電極および前記ダミー配線の間に介在し、前記端子電極および前記ダミー配線を電気的に接続するダミービア電極をさらに含む、請求項のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項7】
平面視において前記端子電極および前記多層配線領域の間の領域に位置するように前記絶縁層内に配置され、複数の前記配線から電気的に独立した外側ダミー配線をさらに含む、請求項1~のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記外側ダミー配線は、平面視において前記端子電極に沿ってドット状、ライン状、または、環状に形成されている、請求項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記外側ダミー配線は、電気的に浮遊状態に形成されている、請求項またはに記載の半導体装置。
【請求項10】
前記絶縁領域内において、前記外側ダミー配線に接続されるように前記端子電極および前記外側ダミー配線の間の厚さ位置に埋設された外側ビア電極をさらに含む、請求項のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記絶縁層の一部を挟んで前記配線に対向するように前記端子電極から前記絶縁層の上に引き出された引き出し電極と、
前記絶縁層内において前記引き出し電極および前記配線の間に介在し、前記引き出し電極および前記配線を電気的に接続するビア電極と、をさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項12】
複数の前記端子電極を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項13】
複数の前記絶縁領域を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記絶縁層において複数の空孔が導入された領域からなり、少なくとも前記絶縁層の表層部に形成された多孔質領域をさらに含み、
前記端子電極は、前記絶縁層の前記多孔質領域の上に配置されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記端子電極を被覆するめっき膜をさらに含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、半導体基板、絶縁膜、Cu配線、Cu最上層パッドおよび接続プラグを含む半導体装置を開示している。絶縁膜は、半導体基板の上に形成されている。Cu配線は、絶縁膜内に配置されている。Cu最上層パッドは、絶縁膜の上に配置されている。接続プラグは、絶縁膜内においてCu配線およびCu最上層パッドに接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001ー015516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一実施形態は、端子電極の信頼性を向上できる半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態は、チップと、前記チップに形成された回路素子と、前記回路素子を被覆するように前記チップの上に形成された絶縁層と、前記回路素子に電気的に接続されるように前記絶縁層の厚さ方向に積層配置された複数の配線を有し、前記絶縁層内に形成された多層配線領域と、前記絶縁層の厚さ方向の全域に前記配線を有さず、前記絶縁層内において前記多層配線領域外の領域に形成された絶縁領域と、前記絶縁領域を挟んで前記チップに対向するように、平面視において前記多層配線領域から離間して前記絶縁層の上に配置された端子電極と、を含む、半導体装置を提供する。
【0006】
本発明の一実施形態は、チップと、前記チップを被覆する絶縁層と、前記絶縁層内に形成された多層配線と、前記絶縁層のみを挟んで前記チップに対向するように、平面視において前記多層配線から離間して前記絶縁層の上に配置された端子電極と、を含む、半導体装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の実施形態に係る半導体装置が組み込まれる半導体パッケージの一例を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示す半導体パッケージを示す平面図である。
図3図3は、図1に示す半導体パッケージの内部構造を示す平面図である。
図4図4は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置を示す平面図である。
図5図5は、図4に示す領域Vの拡大図である。
図6図6は、図5に示すVI-VI線に沿う断面図である。
図7図7は、図5に示すVII-VII線に沿う断面図である。
図8図8は、図6に示す領域VIIIの拡大図である。
図9図9は、図5に対応し、本発明の第2実施形態に係る半導体装置を第1形態例に係る内側ダミー配線と共に示す拡大図である。
図10図10は、図9に示すX-X線に沿う断面図である。
図11A図11Aは、図9に示す半導体装置を第2形態例に係る内側ダミー配線と共に示す拡大図である。
図11B図11Bは、図9に示す半導体装置を第3形態例に係る内側ダミー配線と共に示す拡大図である。
図11C図11Cは、図9に示す半導体装置を第4形態例に係る内側ダミー配線と共に示す拡大図である。
図12図12は、図5に対応し、本発明の第3実施形態に係る半導体装置を第1形態例に係る外側ダミー配線と共に示す拡大図である。
図13図13は、図12に示すXIII-XIII線に沿う断面図である。
図14A図14Aは、図12に示す半導体装置を第2形態例に係る外側ダミー配線と共に示す拡大図である。
図14B図14Bは、図12に示す半導体装置を第3形態例に係る外側ダミー配線と共に示す拡大図である。
図14C図14Cは、図12に示す半導体装置を第4形態例に係る外側ダミー配線と共に示す拡大図である。
図15図15は、図5に対応し、本発明の第4実施形態に係る半導体装置を第1形態例に係る内側ダミー配線および第1形態例に係る外側ダミー配線と共に示す拡大図である。
図16図16は、図15に示すXVI-XVI線に沿う断面図である。
図17図17は、図10に対応し、本発明の第5実施形態に係る半導体装置を第1形態例に係る内側ダミー配線と共に示す断面図である。
図18図18は、図13に対応し、本発明の第6実施形態に係る半導体装置を第1形態例に係る外側ダミー配線と共に示す断面図である。
図19図19は、図7に対応し、本発明の第7実施形態に係る半導体装置を第1形態例に係る多孔質領域と共に示す断面図である。
図20図20は、図19に示す半導体装置を第2形態例に係る多孔質領域と共に示す断面図である。
図21図21は、図5に対応し、本発明の第8実施形態に係る半導体装置を第1形態例に係る貫通孔と共に示す拡大図である。
図22図22は、図21に示すXXII-XXII線に沿う断面図である。
図23図23は、図21に示すXXIII-XXIII線に沿う断面図である。
図24A図24Aは、図21に示す半導体装置を第2形態例に係る貫通孔と共に示す拡大図である。
図24B図24Bは、図21に示す半導体装置を第3形態例に係る貫通孔と共に示す拡大図である。
図24C図24Cは、図21に示す半導体装置を第4形態例に係る貫通孔と共に示す拡大図である。
図25図25は、図21に対応し、本発明の第9実施形態に係る半導体装置を第1形態例に係るシールビア電極と共に示す拡大図である。
図26A図26Aは、図25に示す半導体装置を第2形態例に係るシールビア電極と共に示す拡大図である。
図26B図26Bは、図25に示す半導体装置を第3形態例に係るシールビア電極と共に示す拡大図である。
図27図27は、図21に対応し、本発明の第10実施形態に係る半導体装置を第1形態例に係る外側ダミー配線と共に示す拡大図である。
図28図28は、図27に示すXXVIII-XXVIII線に沿う断面図である。
図29A図29Aは、図28に示す半導体装置を第2形態例に係る外側ダミー配線と共に示す拡大図である。
図29B図29Bは、図28に示す半導体装置を第3形態例に係る外側ダミー配線と共に示す拡大図である。
図29C図29Cは、図28に示す半導体装置を第4形態例に係る外側ダミー配線と共に示す拡大図である。
図29D図29Dは、図28に示す半導体装置を第5形態例に係る外側ダミー配線と共に示す拡大図である。
図30図30は、図21に対応し、本発明の第11実施形態に係る半導体装置を第1形態例に係るシールビア電極および第1形態例に係る外側ダミー配線と共に示す拡大図である。
図31図31は、図30に示すXXXI-XXXI線に沿う断面図である。
図32図32は、図23に対応し、本発明の第12実施形態に係る半導体装置を第1形態例に係る外側ダミー配線と共に示す断面図である。
図33図33は、図22に対応し、本発明の第13実施形態に係る半導体装置を第1形態例に係る多孔質領域と共に示す断面図である。
図34図34は、図33に示す半導体装置を第2形態例に係る多孔質領域と共に示す断面図である。
図35図35は、図5に対応し、本発明の第14実施形態に係る半導体装置を第1形態例に係るシールビア電極と共に示す拡大図である。
図36図36は、図35に示すXXXVI-XXXVI線に沿う断面図である。
図37図37は、図35に示すXXXVII-XXXVII線に沿う断面図である。
図38A図38Aは、図35に示す半導体装置を第2形態例に係るシールビア電極と共に示す拡大図である。
図38B図38Bは、図35に示す半導体装置を第3形態例に係るシールビア電極と共に示す拡大図である。
図39図39は、図5に対応し、本発明の第15実施形態に係る半導体装置を第1形態例に係る外側ダミー配線と共に示す拡大図である。
図40図40は、図39に示すXL-XL線に沿う断面図である。
図41A図41Aは、図39に示す半導体装置を第2形態例に係る外側ダミー配線と共に示す拡大図である。
図41B図41Bは、図39に示す半導体装置を第3形態例に係る外側ダミー配線と共に示す拡大図である。
図41C図41Cは、図39に示す半導体装置を第4形態例に係る外側ダミー配線と共に示す拡大図である。
図41D図41Dは、図39に示す半導体装置を第5形態例に係る外側ダミー配線と共に示す拡大図である。
図42図42は、図37に対応し、本発明の第16実施形態に係る半導体装置を第1形態例に係るシールビア電極および第1形態例に係る外側ダミー配線と共に示す断面図である。
図43図43は、図36に対応し、本発明の第17実施形態に係る半導体装置を第1形態例に係る多孔質領域と共に示す断面図である。
図44図44は、図43に示す半導体装置を第2形態例に係る多孔質領域と共に示す断面図である。
図45図45は、図5に対応し、本発明の第18実施形態に係る半導体装置を第1形態例に係るシールビア電極と共に示す拡大図である。
図46図46は、図45に示すXLVI-XLVI線に沿う断面図である。
図47図47は、図45に示すXLVII-XLVII線に沿う断面図である。
図48A図48Aは、図45に示す半導体装置を第2形態例に係る内側ビア電極と共に示す拡大図である。
図48B図48Bは、図45に示す半導体装置を第3形態例に係る内側ビア電極と共に示す拡大図である。
図48C図48Cは、図45に示す半導体装置を第4形態例に係る内側ビア電極と共に示す拡大図である。
図48D図48Dは、図45に示す半導体装置を第5形態例に係る内側ビア電極と共に示す拡大図である。
図48E図48Eは、図45に示す半導体装置を第6形態例に係る内側ビア電極と共に示す拡大図である。
図49図49は、図45に対応し、本発明の第19実施形態に係る半導体装置を第1形態例に係るシールビア電極と共に示す拡大図である。
図50A図50Aは、図49に示す半導体装置を第2形態例に係るシールビア電極と共に示す拡大図である。
図50B図50Bは、図49に示す半導体装置を第3形態例に係るシールビア電極と共に示す拡大図である。
図51図51は、図45に対応し、本発明の第20実施形態に係る半導体装置を第1形態例に係る外側ダミー配線と共に示す拡大図である。
図52図52は、図51に示すLII-LII線に沿う断面図である。
図53A図53Aは、図51に示す半導体装置を第2形態例に係る外側ダミー配線と共に示す拡大図である。
図53B図53Bは、図51に示す半導体装置を第3形態例に係る外側ダミー配線と共に示す拡大図である。
図53C図53Cは、図51に示す半導体装置を第4形態例に係る外側ダミー配線と共に示す拡大図である。
図53D図53Dは、図51に示す半導体装置を第5形態例に係る外側ダミー配線と共に示す拡大図である。
図54図54は、図45に対応し、本発明の第21実施形態に係る半導体装置を第1形態例に係るシールビア電極および第1形態例に係る外側ダミー配線と共に示す拡大図である。
図55図55は、図47に対応し、本発明の第22実施形態に係る半導体装置を第1形態例に係る外側ダミー配線と共に示す断面図である。
図56図56は、図46に対応し、本発明の第23実施形態に係る半導体装置を第1形態例に係る多孔質領域と共に示す断面図である。
図57図57は、図56に示す半導体装置を第2形態例に係る多孔質領域と共に示す断面図である。
図58図58は、図6に対応し、本発明の第24実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る半導体装置SDが組み込まれる半導体パッケージ301の一例を示す斜視図である。図2は、図1に示す半導体パッケージ301を示す平面図である。図3は、図1に示す半導体パッケージ301の内部構造を示す平面図である。
図1図3を参照して、半導体パッケージ301は、この例では、8端子タイプのSOP(Small Outline Package)からなる。半導体パッケージ301は、SOPに限らず、TO(Transistor Outline)、QFN(Quad For Non Lead Package)、DFP(Dual Flat Package)、DIP(Dual Inline Package)、QFP(Quad Flat Package)、SIP(Single Inline Package)、SOJ(Small Outline J-leaded Package)、または、これらに類する種々のパッケージからなっていてもよい。
【0009】
半導体パッケージ301は、パッケージ本体302を含む。パッケージ本体302は、モールド樹脂(たとえばエポキシ樹脂)からなり、直方体形状に形成されている。パッケージ本体302は、一方側の実装面303、他方側の非実装面304、ならびに、実装面303および非実装面304を接続する第1~第4側壁305A~305Dを有している。
【0010】
実装面303および非実装面304は、それらの法線方向Zから見た平面視において四角形状(具体的には長方形状)に形成されている。実装面303は、半導体パッケージ301が接続対象に実装された状態で、当該接続対象に対向する面である。接続対象としては、PCB等の回路基板が例示される。
第1側壁305Aおよび第2側壁305Bは、実装面303に沿う第1方向Xに沿って延び、第1方向Xに交差(具体的には直交)する第2方向Yに沿って対向している。第1側壁305Aおよび第2側壁305Bは、パッケージ本体302の長辺を形成している。第3側壁305Cおよび第4側壁305Dは、第2方向Yに沿って延び、第1方向Xに沿って対向している。第3側壁305Cおよび第4側壁305Dは、パッケージ本体302の短辺を形成している。
【0011】
半導体パッケージ301は、パッケージ本体302内に配置された板状のダイパッド306を含む。ダイパッド306は、銅、銅基合金、鉄および鉄基合金のうちの少なくとも1つを含む。ダイパッド306は、パッケージ本体302内において実装面303側に配置されている。ダイパッド306は、平面視において四角形状に形成されている。
半導体パッケージ301は、パッケージ本体302の内部から外部に引き出された複数(この例では8個)のリード端子307を含む。複数のリード端子307は、銅、銅基合金、鉄および鉄基合金のうちの少なくとも1つをそれぞれ含む。第1側壁305A側には、4つのリード端子307が、第3側壁305C側から第4側壁305D側に向けて間隔を空けて配置されている。
【0012】
第2側壁305B側には、4つのリード端子307が、第3側壁305C側から第4側壁305D側に向けて間隔を空けて配置されている。第2側壁305B側の複数のリード端子307は、平面視においてパッケージ本体302を挟んで第1側壁305A側の複数のリード端子307にそれぞれ対向している。複数のリード端子307の個数、形状および配置は任意であり、図1図3に示された個数、形状および配置に限定されない。
【0013】
複数のリード端子307は、内側端部308、外側端部309およびリード部310をそれぞれ有している。内側端部308は、パッケージ本体302内に位置し、実装面303(非実装面304)に平行な板面を有している。四隅に配置された4つのリード端子307の内側端部308は、平面視においてダイパッド306の2辺に対向するようにL字形状にそれぞれ形成されている。
【0014】
外側端部309は、パッケージ本体302外に位置し、実装面303(非実装面304)に平行な板面を有している。リード部310は、内側端部308からパッケージ本体302外に引き出され、外側端部309に接続されている。リード部310は、パッケージ本体302外において実装面303側に向けて屈曲し、法線方向Zに実装面303を横切る高さ位置で外側端部309に接続されている。
【0015】
半導体パッケージ301は、パッケージ本体302内においてダイパッド306の上に配置された半導体装置SDを含む。半導体装置SDは、第1~第24実施形態に係る半導体装置(符号略)のいずれか一つからなる。半導体装置SDは、パッケージ本体302内においてダイパッド306に対して非実装面304側に配置されている。半導体装置SDは、半導体装置SDの一方面に形成された複数(この例では8)の端子電極51を含む。
【0016】
複数の端子電極51の個数は任意である。複数の端子電極51は、少なくとも低電位側の端子電極51および高電位側の端子電極51を含んでいればよい。複数の端子電極51は、この例では、第1~第8端子電極51A~51Hを含む。複数の端子電極51は、この例では、半導体装置SDの一方面の周縁部に間隔を空けて配置されている。複数の端子電極51の配置は任意である。半導体装置SDは、複数の端子電極51をパッケージ本体302の非実装面304に対向させた姿勢で、ダイパッド306の非実装面304側の板面の上に配置されている。
【0017】
半導体パッケージ301は、パッケージ本体302内においてダイパッド306および半導体装置SDの間に介在し、ダイパッド306および半導体装置SDを接合する接合材311を含む(図3のハッチング部参照)。接合材311は、絶縁接着剤、金属接着剤または半田からなる。
半導体パッケージ301は、パッケージ本体302内において複数の端子電極51を対応するリード端子307(内側端部308)にそれぞれ電気的に接続する複数(この例では8個)の導線312を含む。複数の導線312は、対応する第1~第8端子電極51A~51Hの周縁部から内方部に間隔を空けて対応する第1~第8端子電極51A~51Hの内方部にそれぞれ接合されている。複数の導線312は、ボンディングワイヤからそれぞれなる。複数の導線312は、銅ワイヤ、金ワイヤおよびアルミニウムワイヤのうちの少なくとも1つを含む。複数の導線312は、銅ワイヤからなることが好ましい。
【0018】
半導体パッケージ301は、パッケージ本体302に複数のリード端子307の配置を示すマーク313を有している。マーク313は、この例では、第3側壁305Cにおいて第4側壁305D側に向かって窪んだ窪みからなる。窪みは、平面視において第3側壁305Cから第4側壁305Dに向かって円弧状に窪んでいる。
これにより、第3側壁305Cおよび第4側壁305Dが非対称形状となり、複数のリード端子307の配置が定まる。マーク313は、窪みに代えてまたはこれに加えて、非実装面304に形成された窪みおよび/または半導体パッケージ301とは異なる色に着色された印であってもよい。この場合、マーク313は、平面視において任意のリード端子307の近傍に形成されていてもよい。
【0019】
図4は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置1を示す平面図である。図5は、図4に示す領域Vの拡大図である。図6は、図5に示すVI-VI線に沿う断面図である。図7は、図5に示すVII-VII線に沿う断面図である。図8は、図6に示す領域VIIIの拡大図である。
図4図8を参照して、半導体装置1は、直方体形状の半導体チップ2(チップ)を含む。半導体チップ2は、この形態(this embodiment)では、シリコンチップからなる。半導体チップ2は、一方側の第1主面3(図7参照)、他方側の第2主面4、ならびに、第1主面3および第2主面4を接続する第1~第4側面5A~5Dを有している。
【0020】
第1主面3および第2主面4は、それらの法線方向Zから見た平面視において四角形状に形成されている。第1側面5Aおよび第2側面5Bは、第1主面3に沿う第1方向Xに沿って延び、第1方向Xに交差(具体的には直交)する第2方向Yに沿って対向している。第3側面5Cおよび第4側面5Dは、第2方向Yに沿って延び、第1方向Xに沿って対向している。
【0021】
半導体装置1は、半導体チップ2の第2主面4の表層部に形成されたp型の第1半導体領域6を含む。第1半導体領域6は、第2主面4の表層部の全域に形成され、第2主面4および第1~第4側面5A~5Dから露出している。つまり、第1半導体領域6は、第2主面4および第1~第4側面5A~5Dの一部を有している。第1半導体領域6は、この形態では、p型の半導体基板によって形成されている。
【0022】
半導体装置1は、半導体チップ2の第1主面3の表層部に形成されたn型の第2半導体領域7を含む。第2半導体領域7は、第1主面3の表層部の全域に形成され、第1主面3および第1~第4側面5A~5Dから露出している。つまり、第2半導体領域7は、第1主面3および第1~第4側面5A~5Dの一部を有している。第1半導体領域6は、この形態では、n型のエピタキシャル層によって形成されている。
【0023】
半導体装置1は、第1主面3に区画された少なくとも1つのデバイス領域8(図4の点線部参照)、および、デバイス領域8外の外側領域9を含む。デバイス領域8は、第1主面3および/または第1主面3の表層部を利用して形成された回路デバイス10(回路素子)をそれぞれ含む回路領域である。回路デバイス10は、半導体装置1の主たる電気的特性に寄与するデバイスのことをいう。図4では、回路デバイス10が符号のみによって示されている。
【0024】
デバイス領域8の個数、配置および形状は任意であり、特定の個数、配置および形状に限定されない。この形態では、複数のデバイス領域8が、平面視において第1~第4側面5A~5Dから間隔を空けて第1主面3の内方部に区画されている。回路デバイス10は、半導体スイッチングデバイス、半導体整流デバイスおよび受動デバイスのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0025】
半導体スイッチングデバイスは、MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)、BJT(Bipolar Junction Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Junction Transistor)およびJFET(Junction Field Effect Transistor)のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。半導体整流デバイスは、pn接合ダイオード、pin接合ダイオード、ツェナーダイオード、ショットキーバリアダイオードおよびファストリカバリーダイオードのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。受動デバイスは、抵抗、コンデンサおよびインダクタのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0026】
回路デバイス10は、半導体スイッチングデバイス、半導体整流デバイスおよび受動デバイスのうちの少なくとも2つが組み合わされた回路網を含んでいてもよい。回路網は、LSI(Large Scale Integration)、SSI(Small Scale Integration)、MSI(Medium Scale Integration)、VLSI(Very Large Scale Integration)、ULSI(Ultra-Very Large Scale Integration)等の集積回路であってもよい。
【0027】
外側領域9は、回路デバイス10を含まない領域であり、この形態では、第1主面3の周縁部に選択的に形成されている。外側領域9の個数、配置および形状は、デバイス領域8の態様に応じて調整され、特定の個数、配置および形状に限定されない。
半導体装置1は、第1主面3においてデバイス領域8外の領域(外側領域9)に形成された少なくとも1つの分離構造11を含む。この形態では、複数の分離構造11が、複数の外側領域9に形成されている。複数の分離構造11は、複数のデバイス領域8から半導体チップ2の一部を電気的にそれぞれ切り離し、当該半導体チップ2の一部を分離領域12としてそれぞれ区画している。複数の分離構造11は、平面視において半導体チップ2の一部を取り囲む環状にそれぞれ形成されていてもよい。
【0028】
複数の分離構造11は、この形態では、トレンチ13および絶縁体14を含むトレンチ分離構造をそれぞれ有している。トレンチ13は、第1主面3から第2主面4に向けて掘り下がっている。トレンチ13は、具体的には、第1半導体領域6に至るように第2半導体領域7を貫通している。トレンチ13は、第1半導体領域6内に位置する底壁を有している。トレンチ13は、第1主面3から底壁に向けて開口幅が狭まるテーパ形状に形成されていてもよい。
【0029】
絶縁体14は、トレンチ13内に埋設されている。絶縁体14は、第1主面3よりも上方に突出するようにトレンチ13に埋め込まれていてもよい。絶縁体14は、酸化シリコンおよび窒化シリコンのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。複数の分離構造11は、トレンチ分離構造に代えてまたはこれに加えて、領域分離絶縁膜を含んでいてもよい。領域分離絶縁膜は、半導体チップ2の酸化物からなるLOCOS(Local Oxidation Of Silicon)膜を含んでいてもよい。
【0030】
半導体装置1は、第1主面3の表層部において複数のデバイス領域8外の領域(外側領域9)に形成された少なくとも1つの外側ダイオード15(整流器/浮遊整流器)を含む。この形態では、複数の外側ダイオード15が、複数の外側領域9に形成されている。複数の外側ダイオード15は、電気的浮遊状態に形成され、複数の回路デバイス10から電気的に切り離されている。つまり、複数の外側ダイオード15は、半導体装置1の主たる電気的特性に直接寄与しないデバイスである。
【0031】
複数の外側ダイオード15は、第1主面3の表層部において複数の分離構造11によって取り囲まれた領域(分離領域12)にそれぞれ形成されている。複数の外側ダイオード15は、半導体チップ2(複数のデバイス領域8)に対して逆バイアス接続されている。複数の外側ダイオード15は、外側領域9から複数のデバイス領域8に至る電流経路を遮蔽している。
【0032】
複数の外側ダイオード15は、具体的には、分離領域12において第1主面3の表層部に形成されたアノード領域16、および、アノード領域16の表層部に形成されたカソード領域17をそれぞれ含む。アノード領域16は、第1半導体領域6の一部を利用して形成され、トレンチ13に接している。カソード領域17は、第2半導体領域7の一部を利用して形成され、トレンチ13に接している。カソード領域17は、分離構造11によって分離構造11外に位置する第2半導体領域7と電気的に絶縁されている。カソード領域17は、電気的浮遊状態に形成されている。
【0033】
この形態では、分離領域12(外側ダイオード15)が分離構造11によって他の領域から電気的に分離された例について説明した。しかし、半導体チップ2において外側領域9を形成する部分が複数のデバイス領域8側の構造に起因して電気的に浮遊状態に形成されている場合には、分離構造11は取り除かれてもよい。この場合、半導体チップ2において外側領域9を形成する電気的浮遊状態の部分を外側ダイオード15として利用してもよい。
【0034】
また、アノード領域16は第1主面3の表層部に形成されたp型の半導体領域であればよく、必ずしも第1半導体領域6(p型の半導体基板)の一部を利用して形成する必要はない。アノード領域16は、p型不純物の拡散によって形成されたp型の不純物拡散領域からなっていてもよい。また、カソード領域17は第1主面3(アノード領域16)の表層部に形成されたn型の半導体領域であればよく、必ずしも第2半導体領域7(n型のエピタキシャル層)の一部を利用して形成する必要はない。カソード領域17は、n型不純物の拡散によって形成されたn型の不純物拡散領域からなっていてもよい。
【0035】
半導体装置1は、第1主面3の上に積層され、複数のデバイス領域8および外側領域9を一括して被覆する絶縁層20を含む。つまり、絶縁層20は、複数のデバイス領域8において複数の回路デバイス10を一括して被覆し、外側領域9において複数の分離領域12(外側ダイオード15)を一括して被覆している。絶縁層20は、平坦な絶縁主面21を有している。絶縁主面21は、第1主面3に対して平行に延びている。
【0036】
絶縁層20は、この形態では、複数(ここでは4層)の層間絶縁膜22を含む積層構造を有している。複数の層間絶縁膜22は、第1主面3側からこの順に積層された第1~第4層間絶縁膜22A~22Dを含む。第1層間絶縁膜22Aは、最下の層間絶縁膜22を形成している。第2~第3層間絶縁膜22B~22Cは、中間の層間絶縁膜22を形成している。第4層間絶縁膜22Dは、最上の層間絶縁膜22を形成している。層間絶縁膜22の積層数は任意であり、特定の積層数に限定されない。絶縁層20は、2層以上の層間絶縁膜22が積層された積層構造を有していればよく、4層以上の層間絶縁膜22が積層された積層構造を有していてもよい。
【0037】
第1~第4層間絶縁膜22A~22Dは、酸化シリコン膜および窒化シリコン膜のうちの少なくとも1つをそれぞれ含む。第1~第4層間絶縁膜22A~22Dは、酸化シリコン膜または窒化シリコン膜からなる単層構造をそれぞれ有していてもよい。第1~第4層間絶縁膜22A~22Dは、複数の酸化シリコン膜または複数の窒化シリコン膜が積層された積層構造をそれぞれ有していてもよい。
【0038】
第1~第4層間絶縁膜22A~22Dは、1つまたは複数の酸化シリコン膜および1つまたは複数の窒化シリコン膜が任意の順序で積層された積層構造をそれぞれ有していてもよい。第1~第4層間絶縁膜22A~22Dは、0.5μm以上5μm以下の厚さをそれぞれ有していてもよい。第1~第4層間絶縁膜22A~22Dは、必ずしも等しい厚さを有している必要はなく、互いに異なる厚さを有していてもよい。
【0039】
半導体装置1は、絶縁層20内に形成された多層配線領域30を含む。図4および図5では、多層配線領域30が二点鎖線によって示されている。多層配線領域30は、絶縁層20において少なくとも1つのデバイス領域8を被覆する部分に形成されている。多層配線領域30は、この形態では、平面視において複数のデバイス領域8に重なるように、絶縁層20において複数のデバイス領域8を被覆する部分に形成されている。多層配線領域30は、さらに、平面視において第1主面3の周縁部を露出させるように第1主面3の周縁部から内方部に間隔を空けて形成されている。多層配線領域30は、平面視において外側領域9の一部を露出させるように外側領域9の一部に重なっていてもよい。
【0040】
多層配線領域30は、少なくとも1つの回路デバイス10に電気的に接続されるように絶縁層20内に形成された少なくとも1つの多層配線31を含む。多層配線領域30は、複数の多層配線31を含んでいてもよい。複数の多層配線31は、互いに電気的に独立していてもよいし、互いに電気的に接続されていてもよい。つまり、1つまたは複数の多層配線31が1つの回路デバイス10に電気的に接続されていてもよい。また、1つの多層配線31が、複数の回路デバイス10に電気的に接続されていてもよい。
【0041】
多層配線31は、絶縁層20内において絶縁層20の厚さ方向に積層配置された複数の配線32、および、絶縁層20内において複数の配線32を電気的に接続させる複数の配線ビア電極33を含む。換言すると、複数の配線32は、絶縁層20内において多層配線31を形成し、複数の配線ビア電極33を介して少なくとも1つの回路デバイス10に電気的に接続されている。
【0042】
複数の配線32の積層数は、層間絶縁膜22の積層数に応じて調整される。複数の配線32の配置および引き回し態様は任意であり、特定の配置および引き回し態様に限定されない。また、複数の配線ビア電極33の配置および接続先は任意であり、特定の配置および接続先に限定されない。以下、図6および図8を参照して、多層配線31の一形態例を説明する。
【0043】
複数の配線32は、この形態では、第1~第3配線32A~32Cを含む。第1配線32Aは、第1層間絶縁膜22Aの上に形成された最下配線からなり、第2層間絶縁膜22Bによって被覆されている。第2配線32Bは、第2層間絶縁膜22Bの上に形成された中間配線からなり、第3層間絶縁膜22Cによって被覆されている。第3配線32Cは、第3層間絶縁膜22Cの上に形成された最上配線からなり、第4層間絶縁膜22Dによって被覆されている。第1~第3配線32A~32Cは、第1~第3層間絶縁膜22A~22Cの上に任意の態様でそれぞれ引き回されている。
【0044】
第1~第3配線32A~32Cは、半導体チップ2側からこの順に積層された第1バリア膜34、主配線膜35および第2バリア膜36をそれぞれ含む。第1バリア膜34は、膜状に形成されたTi系金属膜からなる。第1バリア膜34は、この形態では、半導体チップ2側からこの順に積層されたTi膜37およびTiN膜38を含む積層構造を有している。第1バリア膜34は、Ti膜37またはTiN膜38からなる単層構造を有していてもよい。第1バリア膜34は、0.01μm以上0.5μm以下の厚さを有していてもよい。
【0045】
主配線膜35は、第1バリア膜34の上に膜状に形成されたAl系金属膜からなる。主配線膜35は、純Al(純度が99%以上のAl)膜、AlCu合金膜、AlSi合金膜およびAlSiCu合金膜のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。主配線膜35は、第1バリア膜34の厚さを超える厚さを有している。主配線膜35の厚さは、0.5μm以上5μm以下であってもよい。
【0046】
第2バリア膜36は、主配線膜35の上に膜状に形成されたTi系金属膜からなる。第2バリア膜36は、この形態では、主配線膜35側からこの順に積層されたTi膜39およびTiN膜40を含む積層構造を有している。第2バリア膜36は、Ti膜39またはTiN膜40からなる単層構造を有していてもよい。第2バリア膜36は、主配線膜35の厚さ未満の厚さを有している。第2バリア膜36は、0.01μm以上0.5μm以下の厚さを有していてもよい。
【0047】
複数の配線ビア電極33は、この形態では、第1~第4配線ビア電極33A~33Dを含み、絶縁層20内に形成された複数のビア開口41にそれぞれ埋設されている。図5および図6では、複数の第1配線ビア電極33A、複数の第2配線ビア電極33B、複数の第3配線ビア電極33C、および、複数の第4配線ビア電極33Dが形成された例が示されている。図5では、第4配線ビア電極33Dがハッチングによって示されている。第1~第4配線ビア電極33A~33Dの個数および配置はそれぞれ任意である。
【0048】
複数の第1配線ビア電極33Aは、最下ビア電極からそれぞれなり、半導体チップ2(回路デバイス10)および第1配線32Aに電気的に接続されるように第1層間絶縁膜22Aにそれぞれ埋設されている。複数の第2配線ビア電極33Bは、第1中間ビア電極からそれぞれなり、第1配線32Aおよび第2配線32Bに電気的に接続されるように第2層間絶縁膜22Bにそれぞれ埋設されている。
【0049】
複数の第3配線ビア電極33Cは、第2中間ビア電極からそれぞれなり、第2配線32Bおよび第3配線32Cに電気的に接続されるように第3層間絶縁膜22Cにそれぞれ埋設されている。複数の第4配線ビア電極33Dは、最上ビア電極からそれぞれなり、第3配線32Cに電気的に接続され、かつ、絶縁層20(絶縁主面21)から露出するように第4層間絶縁膜22Dにそれぞれ埋設されている。
【0050】
第1~第4配線ビア電極33A~33Dは、ビア開口41の内壁側からこの順に積層されたビアバリア膜42およびビア主電極43をそれぞれ含む。ビアバリア膜42は、ビア開口41の内壁に沿って膜状に形成されたTi系金属膜からなる。ビアバリア膜42は、この形態では、ビア開口41の内壁側からこの順に積層されたTi膜44およびTiN膜45を含む積層構造を有している。ビアバリア膜42は、Ti膜44またはTiN膜45からなる単層構造を有していてもよい。ビアバリア膜42は、0.01μm以上0.5μm以下の厚さを有していてもよい。
【0051】
ビア主電極43は、ビアバリア膜42を挟んでビア開口41に埋設されている。ビア主電極43は、アルミニウム、銅およびタングステンのうちの少なくとも1つを含む。ビア主電極43は、この形態では、タングステンを含む。つまり、第1~第4配線ビア電極33A~33Dは、この形態では、タングステンプラグ電極からそれぞれなる。
半導体装置1は、絶縁層20内において多層配線領域30外の領域に形成された絶縁領域50を含む。この形態では、複数の絶縁領域50が絶縁層20内に形成されている。複数の絶縁領域50は、絶縁層20の厚さ方向の全域に多層配線31(複数の配線32)を有さない領域からそれぞれなる。つまり、複数の絶縁領域50は、複数の層間絶縁膜22(第1~第4層間絶縁膜22A~22D)が積層された積層領域からそれぞれなる。
【0052】
複数の絶縁領域50は、絶縁層20においてデバイス領域8外の領域(外側領域9)を被覆する部分にそれぞれ形成されている。複数の絶縁領域50は、具体的には、絶縁層20において複数の分離領域12(外側ダイオード15)を被覆する部分にそれぞれ形成され、複数の外側ダイオード15を電気的浮遊状態に固定している。
図5図7を参照して、半導体装置1は、絶縁層20の絶縁主面21の上に配置された複数の端子電極51(第1~第8端子電極51A~51H)を含む。図5図7では、第1端子電極51Aが示されている。複数の端子電極51は、図3に示された通り、複数の導線312がそれぞれ接続される外部端子電極である。複数の端子電極51には、複数の導線312から任意の電位がそれぞれ印加される。
【0053】
複数の端子電極51は、この形態では、平面視において絶縁主面21の周縁部にそれぞれ配置されている。複数の端子電極51は、具体的には、平面視において多層配線領域30から離間して対応する絶縁領域50の上にそれぞれ配置されている。複数の端子電極51は、一対一の対応関係で対応する絶縁領域50の上に配置されていてもよい。複数の端子電極51のうちの少なくとも2つが、1つの絶縁領域50の上に配置されていてもよい。
【0054】
複数の端子電極51は、対応する絶縁領域50を挟んで複数のデバイス領域8外の領域(外側領域9)にそれぞれ対向している。つまり、複数の端子電極51は、平面視において複数の配線32から離間して絶縁層20の上にそれぞれ配置され、絶縁層20のみを挟んで半導体チップ2にそれぞれ対向している。複数の端子電極51は、さらに、平面視において複数の分離構造11によって取り囲まれた領域(分離領域12)にそれぞれ対向している。
【0055】
つまり、複数の端子電極51は、絶縁領域50のみを挟んで複数の外側ダイオード15にそれぞれ対向している。複数の端子電極51は、平面視において分離構造11から内方に間隔を空けて分離領域12にそれぞれ対向していてもよい。複数の端子電極51の直下の領域において、絶縁層20の厚さ方向に複数の端子電極51および半導体チップ2を結ぶ電流経路は、複数の絶縁領域50および複数の外側ダイオード15によってそれぞれ遮蔽されている。
【0056】
複数の端子電極51は、複数の配線32と同様に、絶縁主面21側からこの順に積層された第1バリア膜34、主配線膜35および第2バリア膜36をそれぞれ含む。複数の端子電極51は、第1~第3配線32A~32Cの厚さを超える厚さを有していることが好ましい。複数の端子電極51の主配線膜35は、第1~第3配線32A~32Cの主配線膜35の厚さを超える厚さを有していることが特に好ましい。複数の端子電極51は、この形態では、平面視において四角形状にそれぞれ形成されている。複数の端子電極51の平面形状は任意であり、円形状や多角形状に形成されていてもよい。
【0057】
半導体装置1は、絶縁主面21の上において複数の端子電極51から多層配線領域30に向けてそれぞれ引き出された複数の引き出し電極52を含む。複数の引き出し電極52は、具体的には、最上の配線ビア電極33(複数の第4配線ビア電極33D)を被覆するように複数の端子電極51から多層配線領域30に向けてそれぞれ引き出されている。複数の引き出し電極52は、多層配線領域30において多層配線31(具体的には第3配線32C)にそれぞれ電気的に接続され、絶縁領域50において複数の端子電極51にそれぞれ電気的に接続されている。つまり、複数の端子電極51の直下の領域(絶縁領域50)では、多層配線31のない状態が維持されている。
【0058】
複数の引き出し電極52は、具体的には、接続部52aおよびライン部52bをそれぞれ含む。接続部52aは、複数の第4配線ビア電極33Dを被覆し、複数の第4配線ビア電極33Dに電気的に接続されている。接続部52aは全ての第4配線ビア電極33Dに接続されていればよい。接続部52aの幅および平面形状は任意であり、特定の幅および平面形状に限定されない。ライン部52bは、端子電極51および接続部52aの間をライン状に延び、端子電極51および接続部52aを電気的に接続している。
【0059】
ライン部52bの幅および引き回し態様は任意であり、特定の幅および引き回し態様に限定されない。ライン部52bは、端子電極51の幅未満の幅を有するライン状にそれぞれ引き出されていることが好ましい。複数の引き出し電極52は、複数の端子電極51と同様に、絶縁主面21側からこの順に積層された第1バリア膜34、主配線膜35および第2バリア膜36をそれぞれ含む。
【0060】
図7を参照して、半導体装置1は、多層配線領域30内において絶縁領域50近傍に引き回された異電位配線53を含む。異電位配線53は、多層配線31の一部(この形態では第3配線32Cの1つ)からなり、近接する端子電極51とは異なる電位が印加される。たとえば、端子電極51に第1電位が印加される場合、端子電極51に近接する異電位配線53には第1電位とは異なる第2電位が印加される。第1電位は、正電位、負電位またはグランド電位であってもよい。第2電位は、正電位、負電位またはグランド電位であってもよい。異電位配線53は、この形態では、最上の第4層間絶縁膜22Dの直下に位置する中間の第3層間絶縁膜22Cの上に任意の態様で引き回されている。
【0061】
異電位配線53は、平面視において近接する複数の端子電極51から1μm以上20μm以下の距離を空けて配置されていてもよい。異電位配線53は、平面視において近接する複数の端子電極51から10μm以下の距離を空けて配置されていてもよい。図7では、絶縁層20において異電位配線53の直下の領域に多層配線31の一部が形成されていない例が示されている。むろん、絶縁層20において異電位配線53の直下の領域に多層配線31の一部が形成されていてもよい。
【0062】
半導体装置1は、絶縁層20の上において複数の端子電極51を選択的に被覆する最上絶縁膜54を含む。最上絶縁膜54は、この形態では、絶縁層20の上において複数の端子電極51を選択的に露出させ、複数の引き出し電極52の全域を被覆している。最上絶縁膜54は、比較的高い緻密度を有する無機絶縁体からなり、水分(湿気)に対するバリア性(遮蔽性)を有している。最上絶縁膜54は、パッシベーション膜と称されてもよい。
【0063】
最上絶縁膜54は、この形態では、無機絶縁膜からなる単層構造を有している。最上絶縁膜54は、最上の第4層間絶縁膜22Dとは異なる絶縁体からなることが好ましい。最上絶縁膜54は、窒化シリコン(SiN)膜および酸窒化シリコン(SiON)膜のうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。最上絶縁膜54は、この形態では、窒化シリコン膜からなる単層構造を有している。最上絶縁膜54の厚さは、0.05μm以上5μm以下であってもよい。
【0064】
最上絶縁膜54は、複数の端子電極51をそれぞれ露出させる複数のパッド開口55を有している。複数のパッド開口55は、対応する端子電極51を一対一の対応関係でそれぞれ露出させている。複数のパッド開口55は、対応する複数の端子電極51の電極側壁から内方部に間隔を空けて対応する複数の端子電極51の内方部を露出させている。複数のパッド開口55は、複数の端子電極51の周縁に平行に形成されていることが好ましい。複数のパッド開口55は、この形態では、平面視において四角形状に形成されている。複数のパッド開口55の平面形状は任意であり、円形状や多角形状に形成されていてもよい。
【0065】
以上、半導体装置1は、半導体チップ2(チップ)、回路デバイス10(回路素子)、絶縁層20、多層配線領域30、絶縁領域50および端子電極51を含む。回路デバイス10は、半導体チップ2に形成されている。絶縁層20は、半導体チップ2の上で回路デバイス10を被覆している。多層配線領域30は、絶縁層20内に形成されている。多層配線領域30は、回路デバイス10に電気的に接続された多層配線31を含む。
【0066】
多層配線31は、絶縁層20の厚さ方向に積層配置された複数の配線32を有している。絶縁領域50は、絶縁層20内において多層配線領域30外の領域に形成されている。絶縁領域50は、絶縁層20の厚さ方向の全域において配線32を有していない。端子電極51は、絶縁領域50を挟んで半導体チップ2に対向するように、平面視において多層配線領域30から離間して絶縁層20の上に配置されている。
【0067】
この構造によれば、絶縁層20において端子電極51の直下に位置する部分を厚化できる。つまり、絶縁層20において端子電極51の直下に位置する部分は、いずれの配線32も形成されていない構造上、絶縁層20において上下方向に近接する複数の配線32の間に位置する部分よりも厚い。これにより、導線312の接続時の応力に対する耐性を高めることができる。その結果、導線312の接続時の応力に起因するクラックが、端子電極51に生じることを抑制できる。よって、端子電極51の信頼性を向上できる。
【0068】
半導体装置1によれば、端子電極51およびその周囲の信頼性を向上できる。たとえば、この構造によれば、端子電極51を起点とするクラックが絶縁領域50に生じることを抑制できる。また、この構造によれば、端子電極51の直下に多層配線31が形成されていない。したがって、多層配線31にクラックが生じることを抑制できる。また、この構造によれば、端子電極51のクラックを抑制できるので、当該クラックに起因する電気的な影響が端子電極51および多層配線31の間で生じることを抑制できる。
【0069】
多層配線領域30は、絶縁層20において回路デバイス10を被覆する部分に形成されていることが好ましい。絶縁領域50は、絶縁層20において回路デバイス10外を被覆する部分に形成されていることが好ましい。この構造において、端子電極51は、半導体チップ2において回路デバイス10外の領域に対向していることが好ましい。この構造によれば、導線312の接続時の応力から回路デバイス10を保護できる。また、仮に、端子電極51を起点とするクラックが生じたとしても、当該クラックに起因する物理的な影響や電気的な影響が回路デバイス10で生じることを抑制できる。
【0070】
半導体装置1は、外側ダイオード15(整流器/浮遊整流器)をさらに含むことが好ましい。外側ダイオード15は、半導体チップ2の表層部において回路デバイス10外の領域に形成されたアノード領域16、および、アノード領域16の表層部に形成されたカソード領域17を含む。この場合、絶縁領域50は、絶縁層20において外側ダイオード15を被覆する部分に形成されていることが好ましい。また、端子電極51は、絶縁領域50を挟んで外側ダイオード15に対向していることが好ましい。
【0071】
この構造によれば、外側ダイオード15は、半導体チップ2(デバイス領域8)に対して逆バイアス接続されている。つまり、外側ダイオード15は、外側領域9からデバイス領域8に至る電流経路を遮蔽している。この構造によれば、絶縁層20において端子電極51および半導体チップ2の間に意図しない電流経路が形成された場合であっても、当該電流経路を外側ダイオード15によって遮蔽できる。
【0072】
意図しない電流経路には、クラックに起因する不所望な電流経路が含まれてもよい。この構造において、カソード領域17は、電気的浮遊状態に形成されていることが好ましい。つまり、外側ダイオード15は、浮遊ダイオードとして形成されていることが好ましい。この構造によれば、電流経路の遮蔽効果を適切に高めることができる。
半導体装置1は、引き出し電極52および配線ビア電極33(第4配線ビア電極33D)をさらに含むことが好ましい。引き出し電極52は、絶縁層20の一部を挟んで多層配線31の一部に対向するように端子電極51から絶縁層20の上に引き出されている。配線ビア電極33は、絶縁層20内において引き出し電極52および多層配線31の一部の間に介在し、引き出し電極52および多層配線31を電気的に接続している。この構造によれば、端子電極51の直下の領域(絶縁領域50)に多層配線31のない状態を維持しながら、端子電極51を多層配線31の一部に電気的に接続させることができる。
【0073】
半導体装置1は、最上絶縁膜54をさらに含むことが好ましい。最上絶縁膜54は、端子電極51を露出させるパッド開口55を有し、引き出し電極52の全域を被覆していることが好ましい。この構造によれば、導線312が引き出し電極52に接触することを抑制しながら、導線312を端子電極51に電気的に接続させることができる。
半導体装置1は、異電位配線53を含んでいてもよい。異電位配線53は、多層配線領域30内において絶縁領域50近傍に引き回された多層配線31の一部からなり、近接する端子電極51とは異なる電位が印加される。この構造によれば、導線312の接続時の応力から異電位配線53を保護できる。また、仮に、端子電極51を起点とするクラックが生じたとしても、当該クラックに起因する物理的な影響や電気的な影響が端子電極51および異電位配線53の間で生じることを抑制できる。一例として、クラックに起因して端子電極51が、異電位配線53と短絡することを抑制できる。
【0074】
図9は、図5に対応し、本発明の第2実施形態に係る半導体装置61を第1形態例に係る内側ダミー配線62と共に示す拡大図である。図10は、図9に示すX-X線に沿う断面図である。以下、半導体装置1に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図9および図10を参照して、半導体装置61は、絶縁領域50において複数の端子電極51の直下の領域にそれぞれ配置された複数の内側ダミー配線62(ダミー配線)を含む。図9および図10では、1つの端子電極51(第1端子電極51A)の直下に配置された1つの内側ダミー配線62が示されている。また、図9では、内側ダミー配線62がハッチングによって示されている。以下、1つの内側ダミー配線62を例にとって説明する。
【0075】
内側ダミー配線62は、多層配線領域30(複数の配線32)から離間して絶縁領域50内に配置され、多層配線31(複数の配線32)および端子電極51から電気的に独立している。つまり、内側ダミー配線62は、複数のデバイス領域8からも電気的に独立している。内側ダミー配線62は、具体的には、電気的浮遊状態に形成されている。
内側ダミー配線62は、絶縁層20の一部を挟んで端子電極51に部分的に対向している。内側ダミー配線62は、絶縁領域50(絶縁層20)の一部のみを挟んで半導体チップ2に対向している。内側ダミー配線62、平面視において絶縁領域50の一部を挟んでデバイス領域8外の領域(外側領域9)に対向していることが好ましい。
【0076】
内側ダミー配線62は、平面視において分離構造11によって取り囲まれた領域(分離領域12)に対向していてもよい。つまり、内側ダミー配線62は、平面視において外側ダイオード15に対向していてもよい。内側ダミー配線62は、平面視において分離構造11から内方に間隔を空けて分離領域12に対向していてもよい。むろん、内側ダミー配線62は、平面視において分離構造11に対向していてもよい。
【0077】
内側ダミー配線62は、絶縁領域50内において半導体チップ2に対して端子電極51に近接する領域に配置されていることが好ましい。つまり、内側ダミー配線62は、半導体チップ2から絶縁層20の厚さ方向に第1間隔S1を空けて配置され、端子電極51から絶縁層20の厚さ方向に第1間隔S1未満の第2間隔S2(S2<S1)を空けて配置されてことが好ましい。内側ダミー配線62は、この形態では、最上の層間絶縁膜22(第4層間絶縁膜22D)の直下に位置する第3層間絶縁膜22Cの上に膜状に形成されている。
【0078】
内側ダミー配線62は、平面視において端子電極51の周縁部に対向するように、端子電極51の内方部から周縁部側に間隔を空けて配置されている。内側ダミー配線62は、端子電極51の中央に対して端子電極51の周縁に近接する領域に配置されていることが好ましい。
つまり、内側ダミー配線62は、端子電極51の中央から端子電極51の周縁に第1距離D1を空けて配置され、端子電極51の周縁から端子電極51の中央に第1距離D1未満の第2距離D2(D2<D1)を空けて配置されてことが好ましい。第1距離D1および第2距離D2は、内側ダミー配線62において端子電極51の内方部側の内縁を基準としている。
【0079】
内側ダミー配線62は、平面視において端子電極51の周縁に沿って延びるライン状に形成されている。内側ダミー配線62は、平面視において少なくとも多層配線領域30(異電位配線53)に沿う部分に形成されていることが好ましい。内側ダミー配線62は、この形態では、平面視において端子電極51の内方部を取り囲むように端子電極51の周縁に沿って延びる環状(この形態では四角環状)に形成されている。
【0080】
内側ダミー配線62は、複数の配線32と同様に、第1主面3側からこの順に積層された第1バリア膜34、主配線膜35および第2バリア膜36を含む。内側ダミー配線62の厚さは、同一層に配置された配線32(この形態では第3配線32C)の厚さとほぼ等しいことが好ましい。
内側ダミー配線62は、図11A図11Cに示される種々の形態を採り得る。図11Aは、図9に示す半導体装置61を第2形態例に係る内側ダミー配線62と共に示す拡大図である。図11Aを参照して、第2形態例では、複数(この形態では2つ)の内側ダミー配線62が形成されている。複数の内側ダミー配線62は、第1内側ダミー配線62Aおよび第2内側ダミー配線62Bを含む。
【0081】
第1~第2内側ダミー配線62A~62Bは、平面視において端子電極51の周縁部に対向するように、端子電極51の内方部から周縁部側に間隔を空けてこの順に配置されている。第1~第2内側ダミー配線62A~62Bは、端子電極51の中央に対して端子電極51に周縁に近接する領域に配置されていることが好ましい。
この場合、最内の内側ダミー配線62(第1内側ダミー配線62A)は、端子電極51の中央から端子電極51の周縁に第1距離D1を空けて配置され、端子電極51の周縁から端子電極51の中央に第1距離D1未満の第2距離D2(D2<D1)を空けて配置されてことが好ましい。第1距離D1および第2距離D2は、第1内側ダミー配線62Aにおいて端子電極51の内方部側の内縁を基準としている。
【0082】
第1内側ダミー配線62Aは、この形態では、平面視において端子電極51の周縁に沿って延びるライン状に形成されている。第1内側ダミー配線62Aは、具体的には、平面視において端子電極51の内方部を取り囲む環状(この形態では四角環状)に形成されている。第2内側ダミー配線62Bは、この形態では、平面視において端子電極51の周縁および第1内側ダミー配線62Aの間に配置され、端子電極51の周縁に沿って延びるライン状に形成されている。第2内側ダミー配線62Bは、具体的には、平面視において第1内側ダミー配線62Aを取り囲む環状(この形態では四角環状)に形成されている。
【0083】
この形態では、第1~第2内側ダミー配線62A~62Bが、同一層(第3層間絶縁膜22C)の上に配置された例について説明した。しかし、第1~第2内側ダミー配線62A~62Bは、異なる層に配置されていてもよい。たとえば、第1内側ダミー配線62Aが第3層間絶縁膜22Cの上に配置される一方で、第2内側ダミー配線62Bが第2層間絶縁膜22Bの上に配置されてもよい。
【0084】
また、第1内側ダミー配線62Aが第2層間絶縁膜22Bの上に配置される一方で、第2内側ダミー配線62Bが第3層間絶縁膜22Cの上に配置されてもよい。これらの場合においても、第1~第2内側ダミー配線62A~62Bは、半導体チップ2に対して端子電極51に近接するように配置されることが好ましい。
図11Bは、図9に示す半導体装置61を第3形態例に係る内側ダミー配線62と共に示す拡大図である。図11Bを参照して、第3形態例に係る内側ダミー配線62は、この形態では、端子電極51の周縁に沿って間隔を空けてドット状に配列された複数のセグメント部63を含む。
【0085】
第2形態例に係る内側ダミー配線62は、第1形態例に係る内側ダミー配線62を複数の除去部64によって複数のセグメント部63に分割した形態を有していると見なせる。複数のセグメント部63は、端子電極51の周縁に沿って一列に並んで配列されている。各セグメント部63は、平面視において四角形状に形成されている。各セグメント部63の平面形状は任意であり、円形状や多角形状に形成されていてもよい。
【0086】
図11Cは、図9に示す半導体装置61を第4形態例に係る内側ダミー配線62と共に示す拡大図である。図11Cを参照して、第4形態例に係る内側ダミー配線62は、この形態では、端子電極51の周縁に沿って間隔を空けてライン状に配列された複数(この形態では4個)のセグメント部63を含む。
第4形態例に係る内側ダミー配線62は、第1形態例に係る内側ダミー配線62を複数の除去部64によって複数のセグメント部63に分割した形態を有していると見なせる。この形態では、複数の除去部64が内側ダミー配線62の角部(具体的には四隅)に形成され、各セグメント部63が端子電極51の各辺に沿って延びるライン状に形成されている。
【0087】
第1~第4形態例に係る内側ダミー配線62のうちの少なくとも2つの内側ダミー配線62の特徴が組み合わされた形態を有する内側ダミー配線62が採用されてもよい。
以上、半導体装置61によっても、半導体装置1に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。また、半導体装置61は、内側ダミー配線62(ダミー配線)を含む。内側ダミー配線62は、端子電極51に部分的に対向するように絶縁領域50内に配置され、多層配線31(複数の配線32)から電気的に独立している。この構造によれば、端子電極51は、絶縁領域50の一部を挟んで内側ダミー配線62に対向し、絶縁領域50を挟んで半導体チップ2に対向している。
【0088】
したがって、絶縁層20において端子電極51および半導体チップ2の間に位置する部分は、絶縁層20において端子電極51および内側ダミー配線62の間に位置する部分よりも厚い。つまり、絶縁層20において端子電極51および半導体チップ2の間に位置する部分が厚化されている。これにより、導線312の接続時の応力に対する耐性を高めることができる。その結果、導線312の接続時の応力に起因するクラックが、端子電極51に生じることを抑制できる。
【0089】
また、仮に、絶縁領域50でクラックが生じたとしても、当該クラックを内側ダミー配線62によって終端させることができる。これにより、平面視において端子電極51外へのクラックの拡張を抑制できる。つまり、絶縁領域50から多層配線領域30へのクラックの拡張を内側ダミー配線62によって抑制できる。したがって、仮に、端子電極51を起点とするクラックが生じたとしても、当該クラックに起因する電気的な影響が多層配線31(異電位配線53)および端子電極51の間で生じることを抑制できる。
【0090】
また、絶縁領域50では、端子電極51および内側ダミー配線62の間に絶縁層20の一部からなる薄膜部が形成されている。したがって、この薄膜部によって、クラックの発生個所を制御することができる。つまり、薄膜部側でクラックを発生させることによって導線312の接続時の応力を緩和させ、薄膜部外でのクラックを抑制できる。
内側ダミー配線62は、絶縁領域50内において半導体チップ2に対して端子電極51に近接する領域に配置されていることが好ましい。この構造によれば、半導体チップ2に対して端子電極51に近接する領域でクラックを適切に終端させることができる。内側ダミー配線62は、平面視において端子電極51の内方部から周縁部側に間隔を空けて形成されていることが好ましい。この構造によれば、端子電極51の内方部を起点とするクラックの発生を抑制できると同時に、端子電極51の周縁部においてクラックの拡張を抑制できる。
【0091】
内側ダミー配線62は、平面視において端子電極51の周縁に沿ってドット状、ライン状、または、環状に形成されていてもよい。この場合、内側ダミー配線62は、平面視において端子電極51の周縁に沿って延びるライン状に形成されていることが好ましい。内側ダミー配線62は、平面視において端子電極51の内方部を取り囲む環状に形成されていることが好ましい。この構造によれば、端子電極51の周縁の全周に亘ってクラックの拡張を抑制できる。
【0092】
内側ダミー配線62は、端子電極51から電気的に独立していることが好ましい。この構造によれば、内側ダミー配線62に起因する電気的な影響が端子電極51や多層配線31で生じることを抑制できる。内側ダミー配線62は、電気的に浮遊状態に形成されていることが好ましい。この構造によれば、内側ダミー配線62に起因する電気的な影響を適切に抑制できる。
【0093】
図12は、図5に対応し、本発明の第3実施形態に係る半導体装置71を第1形態例に係る外側ダミー配線72と共に示す拡大図である。図13は、図12に示すXIII-XIII線に沿う断面図である。以下、半導体装置1等に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図12および図13を参照して、半導体装置71は、平面視において少なくとも端子電極51および多層配線領域30の間の領域に位置するように絶縁領域50内にそれぞれ配置された外側ダミー配線72(ダミー配線)を含む。図12および図13では、1つの端子電極51(第1端子電極51A)の下方に1つの外側ダミー配線72が配置された形態が示されている。また、図12では、外側ダミー配線72がハッチングによって示されている。以下、1つの外側ダミー配線72を例にとって説明する。
【0094】
外側ダミー配線72は、平面視において多層配線領域30(複数の配線32)および端子電極51から離間して配置され、多層配線31(複数の配線32)および端子電極51から電気的に独立している。つまり、外側ダミー配線72は、複数のデバイス領域8からも電気的に独立している。外側ダミー配線72は、具体的には、電気的浮遊状態に形成されている。
【0095】
外側ダミー配線72は、絶縁層20(絶縁領域50)の一部のみを挟んで半導体チップ2に対向している。外側ダミー配線72は、平面視において分離構造11によって取り囲まれた領域(分離領域12)に対向していてもよい。つまり、外側ダミー配線72は、絶縁領域50の一部のみを挟んで外側ダイオード15に対向していてもよい。外側ダミー配線72は、平面視において分離構造11から内方に間隔を空けて分離領域12に対向していてもよい。むろん、外側ダミー配線72は、平面視において分離構造11に対向していてもよい。
【0096】
外側ダミー配線72は、絶縁領域50内において半導体チップ2に対して端子電極51に近接する領域に配置されていることが好ましい。つまり、外側ダミー配線72は、半導体チップ2から絶縁層20の厚さ方向に第3間隔S3を空けて配置され、端子電極51から絶縁層20の厚さ方向に第3間隔S3未満の第4間隔S4(S4<S3)を空けて配置されてことが好ましい。外側ダミー配線72は、この形態では、最上の層間絶縁膜22(第4層間絶縁膜22D)の直下に位置する第3層間絶縁膜22Cの上に膜状に形成されている。
【0097】
外側ダミー配線72は、多層配線31に対して端子電極51に近接する領域に配置されていることが好ましい。つまり、外側ダミー配線72は、端子電極51から多層配線31側に第3距離D3を空けて配置され、多層配線31から端子電極51に第3距離D3を超える第4距離D4(D3<D4)を空けて配置されてことが好ましい。第3距離D3および第4距離D4は、外側ダミー配線72において多層配線領域30側の外縁を基準としている。
【0098】
外側ダミー配線72は、この形態では、平面視において端子電極51に沿って延びるライン状に形成されている。外側ダミー配線72は、平面視において少なくとも多層配線領域30(異電位配線53)に沿う部分に形成されていることが好ましい。外側ダミー配線72は、この形態では、平面視において引き出し電極52に重なっている。外側ダミー配線72は、具体的には、平面視において引き出し電極52に交差(具体的には直交)するようにライン状に延びている。
【0099】
外側ダミー配線72は、この形態では、平面視において端子電極51を取り囲むように端子電極51に沿って延びる環状(この形態では四角環状)に形成されている。外側ダミー配線72は、複数の配線32と同様に、第1主面3側からこの順に積層された第1バリア膜34、主配線膜35および第2バリア膜36を含む。外側ダミー配線72の厚さは、同一層に配置された配線32(この形態では第3配線32C)の厚さとほぼ等しいことが好ましい。
【0100】
外側ダミー配線72は、図14A図14Cに示される種々の形態を採り得る。図14Aは、図12に示す半導体装置71を第2形態例に係る外側ダミー配線72と共に示す拡大図である。図14Aを参照して、第2形態例では、複数(この形態では2つ)の外側ダミー配線72が形成されている。複数の外側ダミー配線72は、第1外側ダミー配線72Aおよび第2外側ダミー配線72Bを含む。
【0101】
第1~第2外側ダミー配線72A~72Bは、平面視において少なくとも端子電極51および多層配線領域30の間の領域に位置するように絶縁領域50内にそれぞれ配置されている。第1~第2外側ダミー配線72A~72Bは、端子電極51から多層配線領域30側に向けてこの順に配置されている。
第1~第2外側ダミー配線72A~72Bは、多層配線31に対して端子電極51に近接する領域に配置されていることが好ましい。つまり、第2外側ダミー配線72Bは、端子電極51から多層配線31側に第3距離D3を空けて配置され、多層配線31から端子電極51側に第3距離D3を超える第4距離D4(D3<D4)を空けて配置されてことが好ましい。第3距離D3および第4距離D4は、第2外側ダミー配線72Bにおいて多層配線領域30側の外縁を基準としている。
【0102】
第1外側ダミー配線72Aは、この形態では、平面視において端子電極51に沿って延びるライン状に形成されている。第1外側ダミー配線72Aは、具体的には、平面視において端子電極51を取り囲む環状(この形態では四角環状)に形成されている。第2外側ダミー配線72Bは、この形態では、端子電極51に沿って延びるライン状に形成されている。第2外側ダミー配線72Bは、具体的には、平面視において第1外側ダミー配線72Aを取り囲む環状(この形態では四角環状)に形成されている。
【0103】
この形態では、第1~第2外側ダミー配線72A~72Bが、同一層(第3層間絶縁膜22C)の上に配置された例について説明した。しかし、第1~第2外側ダミー配線72A~72Bは、異なる層に配置されていてもよい。たとえば、第1外側ダミー配線72Aが第3層間絶縁膜22Cの上に配置される一方で、第2外側ダミー配線72Bが第2層間絶縁膜22Bの上に配置されてもよい。
【0104】
また、第1外側ダミー配線72Aが第2層間絶縁膜22Bの上に配置される一方で、第2外側ダミー配線72Bが第3層間絶縁膜22Cの上に配置されてもよい。これらの場合においても、第1~第2外側ダミー配線72A~72Bは、半導体チップ2に対して端子電極51に近接するように配置されることが好ましい。
図14Bは、図12に示す半導体装置71を第3形態例に係る外側ダミー配線72と共に示す拡大図である。図14Bを参照して、第3形態例に係る外側ダミー配線72は、この形態では、平面視において端子電極51に沿って間隔を空けてドット状に配列された複数のセグメント部73を含む。
【0105】
第3形態例に係る外側ダミー配線72は、第1形態例に係る外側ダミー配線72を複数の除去部74によって複数のセグメント部73に分割した形態を有していると見なせる。複数のセグメント部73は、端子電極51に沿って一列に並んで配列されている。各セグメント部73は、平面視において四角形状に形成されている。各セグメント部73の平面形状は任意であり、円形状や多角形状に形成されていてもよい。
【0106】
図14Cは、図12に示す半導体装置71を第4形態例に係る外側ダミー配線72と共に示す拡大図である。図14Cを参照して、第4形態例に係る外側ダミー配線72は、この形態では、端子電極51の周縁に沿って間隔を空けてライン状に配列された複数(この形態では4個)のセグメント部73を含む。
第4形態例に係る外側ダミー配線72は、第1形態例に係る外側ダミー配線72を複数の除去部74によって複数のセグメント部73に分割した形態を有していると見なせる。この形態では、複数の除去部74が外側ダミー配線72の角部(具体的には四隅)に形成され、各セグメント部73が端子電極51の各辺に沿って延びるライン状に形成されている。
【0107】
第1~第4形態例に係る外側ダミー配線72のうちの少なくとも2つの外側ダミー配線72の特徴が組み合わされた形態を有する外側ダミー配線72が採用されてもよい。
以上、半導体装置71によっても、半導体装置1に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。また、半導体装置71は、外側ダミー配線72(ダミー配線)を含む。外側ダミー配線72は、平面視において少なくとも端子電極51および多層配線領域30の間の領域に位置するように絶縁領域50内に配置され、多層配線31(複数の配線32)から電気的に独立している。
【0108】
この構造によれば、仮に、端子電極51を起点とするクラックが生じたとしても、当該クラックを外側ダミー配線72によって終端させることができる。これにより、平面視において絶縁領域50外へのクラックの拡張を抑制できる。つまり、絶縁領域50から多層配線領域30へのクラックの拡張を外側ダミー配線72によって抑制できる。したがって、仮に、端子電極51を起点とするクラックが生じたとしても、当該クラックに起因する電気的な影響が多層配線31(異電位配線53)および端子電極51の間で生じることを抑制できる。
【0109】
外側ダミー配線72は、平面視において多層配線31に対して端子電極51に近接する領域に配置されていることが好ましい。この構造によれば、多層配線31に対して端子電極51に近接する領域でクラックを適切に終端させることができる。外側ダミー配線72は、絶縁領域50内において半導体チップ2に対して端子電極51に近接する領域に配置されていることが好ましい。この構造によれば、半導体チップ2に対して端子電極51に近接する領域でクラックを適切に終端させることができる。
【0110】
外側ダミー配線72は、平面視において端子電極51に沿ってドット状、ライン状、または、環状に形成されていてもよい。この場合、外側ダミー配線72は、平面視において端子電極51の周縁に沿って延びるライン状に形成されていることが好ましい。外側ダミー配線72は、平面視において端子電極51を取り囲む環状に形成されていることが好ましい。この構造によれば、端子電極51の周縁の全周に亘ってクラックの拡張を抑制できる。
【0111】
外側ダミー配線72は、端子電極51から電気的に独立していることが好ましい。この構造によれば、外側ダミー配線72に起因する電気的な影響が端子電極51や多層配線31で生じることを抑制できる。外側ダミー配線72は、電気的に浮遊状態に形成されていることが好ましい。この構造によれば、外側ダミー配線72に起因する電気的な影響を適切に抑制できる。
【0112】
図15は、図5に対応し、本発明の第4実施形態に係る半導体装置81を第1形態例に係る内側ダミー配線62および第1形態例に係る外側ダミー配線72と共に示す拡大図である。図16は、図15に示すXVI-XVI線に沿う断面図である。以下、半導体装置1等に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図15および図16を参照して、半導体装置81は、第2実施形態に係る内側ダミー配線62(図9参照)および第3実施形態に係る外側ダミー配線72(図12参照)を含む。半導体装置81は、この形態では、第1形態例に係る内側ダミー配線62および第1形態例に係る外側ダミー配線72を含む。外側ダミー配線72は、内側ダミー配線62と同一層(第3層間絶縁膜22C)の上に配置され、平面視において端子電極51の周縁を挟んで内側ダミー配線62に対向するように絶縁領域50内に配置されている。
【0113】
むろん、半導体装置81は、第1形態例に係る内側ダミー配線62に代えて、第2~第4形態例に係る内側ダミー配線62(図11A図11C参照)のいずれか1つを含んでいてもよい。また、半導体装置81は、第1形態例に係る内側ダミー配線62に代えて、第1~第4形態例に係る内側ダミー配線62のうちの少なくとも2つの内側ダミー配線62の特徴が組み合わされた形態を有する内側ダミー配線62を含んでいてもよい。
【0114】
また、半導体装置81は、第1形態例に係る外側ダミー配線72に代えて、第2~第4形態例に係る外側ダミー配線72(図14A図14C参照)のいずれか1つを含んでいてもよい。また、半導体装置81は、第1形態例に係る外側ダミー配線72に代えて、第1~第4形態例に係る外側ダミー配線72のうちの少なくとも2つの外側ダミー配線72の特徴が組み合わされた形態を有する外側ダミー配線72を含んでいてもよい。
【0115】
この形態では、外側ダミー配線72が、内側ダミー配線62と同一層(第3層間絶縁膜22C)の上に配置された例について説明した。しかし、外側ダミー配線72は、内側ダミー配線62とは異なる層に配置されていてもよい。たとえば、内側ダミー配線62が第3層間絶縁膜22Cの上に配置される一方で、外側ダミー配線72が第2層間絶縁膜22Bの上に配置されてもよい。
【0116】
また、内側ダミー配線62が第2層間絶縁膜22Bの上に配置される一方で、外側ダミー配線72が第3層間絶縁膜22Cの上に配置されてもよい。これらの場合においても、内側ダミー配線62および外側ダミー配線72は、半導体チップ2に対して端子電極51に近接するように配置されることが好ましい。
以上、半導体装置81によれば、第2実施形態に係る半導体装置61に対して述べた効果、および、第3実施形態に係る半導体装置71に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。
【0117】
図17は、図10に対応し、本発明の第5実施形態に係る半導体装置91を第1形態例に係る内側ダミー配線62と共に示す断面図である。以下、第2実施形態に係る半導体装置71等に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
半導体装置91は、第1形態例に係る内側ダミー配線62に加えて、絶縁領域50内に配置された内側ダミービア電極92を含む。内側ダミービア電極92は、絶縁領域50内に形成されたビア開口41に埋設されている。内側ダミービア電極92は、絶縁領域50内において端子電極51の周縁部および内側ダミー配線62の間に介在し、端子電極51および内側ダミー配線62を電気的に接続している。つまり、内側ダミー配線62は、この形態では、端子電極51と同電位に固定されている。
【0118】
内側ダミービア電極92は、この形態では、平面視において内側ダミー配線62に沿って延びるライン状に形成されている。内側ダミービア電極92は、平面視において端子電極51の内方部を取り囲む環状(この形態では四角環状)に形成されていることが好ましい。具体的な図示は省略されるが、内側ダミービア電極92は、内側ダミー配線62に沿って間隔を空けてドット状に分離配列された複数のセグメント部を有していてもよい。また、内側ダミービア電極92は、内側ダミー配線62に沿って間隔を空けてライン状に分離配列された複数のセグメント部を有していてもよい。
【0119】
内側ダミービア電極92は、配線ビア電極33と同様に、ビア開口41の内壁側からこの順に積層されたビアバリア膜42およびビア主電極43をそれぞれ含む。内側ダミービア電極92は、この形態では、配線ビア電極33と同様にタングステンプラグ電極からなる。
この形態では、半導体装置91が第1形態例に係る内側ダミー配線62を含む例について説明した。しかし、半導体装置91は、第1形態例に係る内側ダミー配線62に代えて、第2~第4形態例に係る内側ダミー配線62(図11A図11C参照)のいずれか1つを含んでいてもよい。この場合において、内側ダミービア電極92は、内側ダミー配線62に沿ってライン状、環状またはドット状に形成されていてもよい。
【0120】
また、半導体装置91は、第1形態例に係る内側ダミー配線62に代えて、第1~第4形態例に係る内側ダミー配線62のうちの少なくとも2つの内側ダミー配線62の特徴が組み合わされた形態を有する内側ダミー配線62を含んでいてもよい。この場合において、内側ダミービア電極92は、内側ダミー配線62に沿ってライン状、環状またはドット状に形成されていてもよい。
【0121】
以上、半導体装置91によっても、第2実施形態に係る半導体装置71に対して述べた効果を奏することができる。また、半導体装置91は、内側ダミー配線62に加えて、絶縁領域50内に配置された内側ダミービア電極92を含む。内側ダミービア電極92は、絶縁領域50内において端子電極51の周縁部および内側ダミー配線62の間に介在し、端子電極51および内側ダミー配線62を電気的に接続している。この構造によれば、仮に、端子電極51を起点とするクラックが生じた場合であっても、当該クラックを内側ダミー配線62によって終端させることができる。むろん、内側ダミービア電極92は、第4実施形態に係る半導体装置81にも適用できる。
【0122】
図18は、図13に対応し、本発明の第6実施形態に係る半導体装置101を第1形態例に係る外側ダミー配線72と共に示す断面図である。以下、第3実施形態に係る半導体装置81等に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
半導体装置101は、第1形態例に係る外側ダミー配線72に加えて、絶縁領域50内に配置された外側ビア電極102を含む。外側ビア電極102は、外側ダミービア電極または外側シールビア電極と称されてもよい。外側ビア電極102は、この形態では、絶縁領域50内に形成されたビア開口41に埋設されている。
【0123】
外側ビア電極102は、絶縁領域50内において外側ダミー配線72に接続されるように端子電極51および外側ダミー配線72の間の厚さ位置に埋設されている。外側ビア電極102は、端子電極51には接続されていない。外側ビア電極102は、電気的浮遊状態に形成されていることが好ましい。つまり、外側ビア電極102は、外側ダミー配線72を電気的浮遊状態に固定していることが好ましい。
【0124】
外側ビア電極102は、この形態では、平面視において外側ダミー配線72に沿って延びるライン状に形成されている。外側ビア電極102は、外側ダミー配線72は、平面視において少なくとも多層配線領域30(異電位配線53)に沿う部分に形成されていることが好ましい。外側ビア電極102は、平面視において引き出し電極52から間隔を空けて形成されていることが好ましい。
【0125】
外側ビア電極102は、平面視において端子電極51を取り囲む環状(この形態では四角環状)に形成されていてもよい。この場合、外側ビア電極102は、引き出し電極52に電気的に接続されていてもよい。つまり、外側ダミー配線72および外側ビア電極102は、端子電極51と同電位に固定されていてもよい。
具体的な図示は省略されるが、外側ビア電極102は、外側ダミー配線72に沿って間隔を空けてドット状に分離配列された複数のセグメント部を有していてもよい。また、外側ビア電極102は、外側ダミー配線72に沿って間隔を空けてライン状に分離配列された複数のセグメント部を有していてもよい。
【0126】
外側ビア電極102は、配線ビア電極33と同様に、ビア開口41の内壁側からこの順に積層されたビアバリア膜42およびビア主電極43をそれぞれ含む。外側ビア電極102は、この形態では、配線ビア電極33と同様にタングステンプラグ電極からなる。最上絶縁膜54は、この形態では、絶縁層20の上において外側ビア電極102の全域を被覆している。
【0127】
この形態では、半導体装置101が第1形態例に係る外側ダミー配線72を含む例について説明した。しかし、半導体装置101は、第1形態例に係る外側ダミー配線72に代えて、第2~第4形態例に係る外側ダミー配線72(図14A図14C参照)のいずれか1つを含んでいてもよい。この場合において、外側ビア電極102は、外側ダミー配線72に沿ってライン状、環状またはドット状に形成されていてもよい。
【0128】
また、半導体装置101は、第1形態例に係る外側ダミー配線72に代えて、第1~第4形態例に係る外側ダミー配線72のうちの少なくとも2つの外側ダミー配線72の特徴が組み合わされた形態を有する外側ダミー配線72を含んでいてもよい。この場合において、外側ビア電極102は、外側ダミー配線72に沿ってライン状、環状またはドット状に形成されていてもよい。
【0129】
以上、半導体装置101によっても、第2実施形態に係る半導体装置71に対して述べた効果を奏することができる。また、半導体装置101は、外側ダミー配線72に加えて、絶縁領域50内に配置された外側ビア電極102を含む。外側ビア電極102は、絶縁領域50内において外側ダミー配線72に接続されるように端子電極51および外側ダミー配線72の間の厚さ位置に埋設されている。この構造によれば、仮に端子電極51を起点とするクラックが生じた場合であっても、外側ダミー配線72によって当該クラックを終端させることができる。むろん、外側ビア電極102は、第4実施形態に係る半導体装置81にも適用できる。
【0130】
図19は、図7に対応し、本発明の第7実施形態に係る半導体装置111を第1形態例に係る多孔質領域112と共に示す断面図である。以下、半導体装置1等に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
半導体装置111は、絶縁層20の表層部に形成された多孔質領域112を含む。多孔質領域112は、絶縁層20において複数の空孔が導入された領域からなり、この形態では、最上の層間絶縁膜22(第4層間絶縁膜22D)を利用して形成されている。つまり、多孔質領域112は、多層配線領域30の表層部、および、絶縁領域50の表層部に形成されている。
【0131】
複数の空孔は、絶縁層20の表層部において絶縁層20の厚さ方向および面方向に間隔を空けて形成されている。つまり、複数の空孔は、最上の層間絶縁膜22(第4層間絶縁膜22D)内において最上の層間絶縁膜22の厚さ方向および幅方向に間隔を空けて形成されている。複数の空孔は、1nm以上500nm以下の範囲で不揃いのサイズをそれぞれ有している。多孔質領域112は、1nm以上100nm以下の範囲に収まる複数の空孔を有していることが好ましい。多孔質領域112は、1nm以上10nm以下の範囲に収まる複数の空孔を有していることが特に好ましい。
【0132】
多孔質領域112を含む層間絶縁膜22は、所謂SOG(Spin on Glass)膜からなり、スピンコート法によって形成される。多孔質領域112を含む層間絶縁膜22は、具体的には、SOG溶液の塗布工程、昇華性粒子の添加工程およびSOG溶液の過熱工程を経て形成される。
SOG溶液の塗布工程では、SOG溶液が、スピンコート法によって対象物(この形態では第3層間絶縁膜22C)の上に塗布され、当該対象物の上にSOG溶液からなるSOG液膜が形成される。SOG溶液は、シリコン化合物中に有機成分を含む有機SOG溶液からなる。SOG溶液は、かご型構造を有するシルセスキオキサンを含む有機SOG溶液からなることが好ましい。
【0133】
昇華性粒子の添加工程では、昇華性粒子の昇華温度未満の温度で、SOG液に昇華性粒子が添加される。昇華性粒子の添加工程は、SOG溶液の塗布工程と並行して実施されることが好ましい。これにより、昇華性粒子を含むSOG液膜が対象物の上に形成される。昇華性粒子は、二酸化炭素粒子、ヨウ素粒子、ナフタレン粒子、および、金属ナノ錯体のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0134】
SOG溶液の過熱工程では、昇華性粒子の昇華温度を超える温度で、SOG液膜が加熱される。これにより、SOG液膜が硬化し、SOG膜が形成される。また、昇華性粒子が昇華によってSOG液膜から離脱し、SOG膜内に複数の空孔が形成される。以上を含む工程を経て、多孔質領域112を有する層間絶縁膜22が形成される。
端子電極51は、絶縁領域50において多孔質領域112が形成された部分の上に配置されている。端子電極51は、この形態では、絶縁領域50において多孔質領域112を挟んで多孔質領域112を有さない部分に対向している。つまり、端子電極51は、多孔質領域112、および、多孔質領域112を有さない部分を挟んで半導体チップ2に対向している。端子電極51は、多孔質領域112の厚さ未満の厚さを有していることが好ましい。
【0135】
端子電極51の形成工程は、絶縁層20の形成工程の後に実施される。端子電極51は、端子電極51のベースとなるベース電極膜の形成工程、および、ベース電極膜のパターニング工程を経て形成される。ベース電極膜の形成工程では、ベース電極膜が、絶縁主面21の全域を被覆するように絶縁層20の上に形成される。ベース電極膜は、この形態では、第1バリア膜34(Ti系金属膜)、主配線膜35(Al系金属膜)および第2バリア膜36(Ti系金属膜)を含む。第1バリア膜34、主配線膜35および第2バリア膜36は、スパッタ法および/または蒸着法によってそれぞれ形成されてもよい。
【0136】
ベース電極膜のパターニング工程では、所定パターンを有するレジストマスクがベース電極の上に形成される。レジストマスクは、ベース電極膜において端子電極51を形成すべき領域を被覆し、それ以外の領域を露出させている。次に、レジストマスクを介するエッチング法によってベース電極膜の不要な部分が除去される。レジストマスクは、その後、除去される。以上を含む工程を経て、多孔質領域112の上に端子電極51が形成される。
【0137】
多孔質領域112は、図20に示される形態を採り得る。図20は、図19に示す半導体装置111を第2形態例に係る多孔質領域112と共に示す断面図である。第2形態例に係る多孔質領域112は、絶縁層20の厚さ方向の全域に形成されている。つまり、絶縁層20は、多孔質絶縁層113からなる。多層配線領域30は多孔質絶縁層113内に形成され、絶縁領域50は多孔質絶縁層113内に形成されている。端子電極51は、多孔質絶縁層113の一部からなる絶縁領域50を挟んで半導体チップ2に対向している。
【0138】
以上、半導体装置111によっても、半導体装置1に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。また、半導体装置111は、少なくとも絶縁層20の表層部に形成された多孔質領域112を含む。多孔質領域112は、絶縁層20において複数の空孔が導入された領域からなる。この構造によれば、多孔質領域112によって絶縁層20の弾性率を低下させることができる。
【0139】
これにより、端子電極51に対する導線312の接続時の応力を多孔質領域112によって緩和できる。また、仮に、端子電極51を起点とするクラックが生じたとしても、当該クラックに起因する衝撃を複数の空孔によって解放(緩和)し、クラックを終端させることができる。これにより、クラックの拡張を抑制できる。第7実施形態に係る多孔質領域112は、第1実施形態の他、第2~第6実施形態にも適用できる。
【0140】
図21は、図5に対応し、本発明の第8実施形態に係る半導体装置121を第1形態例に係る貫通孔124と共に示す拡大図である。図22は、図21に示すXXII-XXII線に沿う断面図である。図23は、図21に示すXXIII-XXIII線に沿う断面図である。以下、半導体装置1等に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0141】
半導体装置121は、この形態では、絶縁領域50に代えて接続領域122を含む。この形態では、複数の接続領域122が、絶縁層20内に形成されている。接続領域122は、多層配線領域30の一部からなり、多層配線31の一部を外部接続するための領域である。複数の接続領域122は、複数の層間絶縁膜22(第1~第4層間絶縁膜22A~22D)が積層された積層構造を有している。
【0142】
複数の接続領域122は、絶縁層20においてデバイス領域8外の領域(外側領域9)にそれぞれ形成されている。複数の接続領域122は、この形態では、平面視において複数のデバイス領域8から間隔を空けてそれぞれ形成されている。複数の接続領域122は、具体的には、絶縁層20において複数の分離領域12(外側ダイオード15)を被覆する部分にそれぞれ形成され、複数の外側ダイオード15を電気的浮遊状態に固定している。
【0143】
複数の接続領域122は、接続配線123をそれぞれ含む。各接続領域122は、1つの接続配線123を含んでいてもよいし、複数の接続配線123を含んでいてもよい。接続配線123は、接続領域122内において半導体チップ2に対して絶縁主面21に近接する領域に配置されていることが好ましい。
つまり、接続配線123は、半導体チップ2から絶縁層20の厚さ方向に第5間隔S5を空けて配置され、絶縁主面21から絶縁層20の厚さ方向に第5間隔S5未満の第6間隔S6(S6<S5)を空けて配置されていることが好ましい。接続配線123は、この形態では、最上配線の一つとして第3層間絶縁膜22Cの上に配置され、最上の第4層間絶縁膜22Dによって被覆されている。
【0144】
接続配線123は、平面視において複数のデバイス領域8外の領域(外側領域9)に対向している。接続配線123は、この形態では、平面視において複数の分離構造11によって取り囲まれた領域(分離領域12)に対向している。つまり、接続配線123は、平面視において外側ダイオード15に対向している。接続配線123は、平面視において分離構造11から内方に間隔を空けて分離領域12に対向していてもよい。
【0145】
接続配線123は、絶縁層20の一部のみを挟んで半導体チップ2(外側ダイオード15)に対向していることが好ましい。つまり、接続領域122において接続配線123の直下の領域に多層配線31の一部が形成されていないことが好ましい。接続配線123の直下の領域において、絶縁層20の厚さ方向に接続配線123および半導体チップ2を結ぶ電流経路は、絶縁層20の一部および外側ダイオード15によってそれぞれ遮蔽されている。むろん、接続領域122において接続配線123の直下の領域に多層配線31の一部が形成されていてもよい。この場合、外側ダイオード15の直上に多層配線31の最下の配線32(第1配線32A)が形成されていてないことが好ましい。
【0146】
接続配線123は、この形態では、平面視において四角形状に形成されている。接続配線123の平面形状は任意であり、円形状や多角形状に形成されていてもよい。接続配線123は、複数の配線32と同様に、半導体チップ2側からこの順に積層された第1バリア膜34、主配線膜35および第2バリア膜36をそれぞれ含む。
半導体装置121は、接続配線123に形成された複数の貫通孔124をそれぞれ含む。図21では、複数の貫通孔124が破線によって示されている。複数の貫通孔124は、接続配線123の一部が除去された部分からそれぞれなり、その内部に絶縁層20の一部がそれぞれ充填されている。絶縁層20において複数の貫通孔124内に位置する部分(第4層間絶縁膜22D)は、絶縁層20において接続配線123の直下に位置する部分(第3層間絶縁膜22C)に接している。
【0147】
複数の貫通孔124は、平面視において接続配線123の内方部から周縁部の全周に向けて間隔を空けて配列されている。複数の貫通孔124は、具体的には、接続領域122の電極面に沿って、第1方向Xおよび第2方向Yに間隔を空けて配列されている。複数の貫通孔124は、この形態では、接続配線123に複数の十字路部が区画されるように行列状に配列されている。複数の貫通孔124は、第1方向Xおよび第2方向Yに等間隔に配列されていることが好ましい。
【0148】
複数の貫通孔124は、この形態では、平面視において四角形状にそれぞれ形成されている。各貫通孔124の平面形状は任意であり、円形状や多角形状に形成されていてもよい。各貫通孔124は、平面視において0.1μm以上5μm以下の開口幅を有していてもよい。各貫通孔124の開口幅は、各貫通孔124の開口幅のうち最も狭い部分の開口幅によって定義される。複数の貫通孔124は、0.1μm以上5μm以下の間隔を空けて形成されていてもよい。
【0149】
複数の貫通孔124は、接続配線123に対する占有割合が20%以上80%以下となるように配列されていることが好ましい。占有割合は、50%以上80%以下であることが特に好ましい。占有割合は、平面視において接続配線123の平面積に占める複数の貫通孔124の総面積の割合である。接続配線123の平面積は、接続配線123の周縁によって取り囲まれた領域の平面積である。複数の貫通孔124の総面積は、各貫通孔124の開口面積の合計値である。
【0150】
半導体装置121は、多層配線31の一部(複数の配線32のうちの少なくとも1つ)に電気的に接続されるように、複数の接続配線123から多層配線領域30に引き出された複数の引き出し配線125を含む。複数の引き出し配線125は、この形態では、最上配線の一つとして複数の接続配線123から第3層間絶縁膜22Cの上にそれぞれ引き出され、最上の第4層間絶縁膜22Dによって被覆されている。
【0151】
複数の引き出し配線125は、この形態では、対応する多層配線31の第3配線32Cに電気的に接続されている。これにより、複数の引き出し配線125は、対応する接続配線123を対応する多層配線31にそれぞれ電気的に接続されている。複数の引き出し配線125は、貫通孔124を有していない。
複数の引き出し配線125は、複数の接続配線123の幅未満の幅を有するライン状にそれぞれ形成されていることが好ましい。複数の引き出し配線125の幅、形状および引き回し態様は任意であり、特定の幅、形状および引き回し態様に限定されない。複数の引き出し配線125は、複数の接続配線123と同様に、半導体チップ2側からこの順に積層された第1バリア膜34、主配線膜35および第2バリア膜36をそれぞれ含む。
【0152】
半導体装置121は、第1実施形態の場合と同様に、絶縁層20の絶縁主面21の上に配置された複数の端子電極51(第1~第8端子電極51A~51H)を含む。複数の端子電極51は、この形態では、平面視において絶縁主面21の周縁部にそれぞれ配置されている。複数の端子電極51は、具体的には、平面視において多層配線領域30から離間して対応する接続領域122の上にそれぞれ配置されている。
【0153】
複数の端子電極51は、対応する接続配線123に対して一対一の対応関係で対向するように複数の接続領域122の上にそれぞれ配置されている。複数の端子電極51は、対応する接続配線123から絶縁層20の厚さ方向に第5間隔S5未満の第6間隔S6(S6<S5)を空けてそれぞれ配置されている。
各端子電極51は、平面視において接続配線123に形成された複数の貫通孔124の全部に対向していることが好ましい。各端子電極51は、接続配線123の周縁から内方に間隔を空けて接続配線123の周縁によって取り囲まれた領域内に配置されていてもよい。つまり、各端子電極51の全域が絶縁層20の厚さ方向に接続配線123に対向していてもよい。各端子電極51は、平面視において接続配線123の全域を被覆するように配置されていてもよい。つまり、各端子電極51の周縁は、平面視において各接続配線123の周縁を取り囲んでいてもよい。
【0154】
複数の端子電極51は、対応する接続配線123を挟んで複数のデバイス領域8外の領域(外側領域9)にそれぞれ対向している。つまり、複数の端子電極51は、平面視において複数の配線32から離間して絶縁層20の上にそれぞれ配置され、絶縁層20および接続配線123を挟んで半導体チップ2にそれぞれ対向している。複数の端子電極51は、さらに、平面視において複数の分離構造11によって取り囲まれた領域(分離領域12)にそれぞれ対向している。
【0155】
つまり、複数の端子電極51は、絶縁層20および接続配線123を挟んで複数の外側ダイオード15にそれぞれ対向している。複数の端子電極51は、平面視において分離構造11から内方に間隔を空けて分離領域12にそれぞれ対向していてもよい。複数の端子電極51の直下の領域において、絶縁層20の厚さ方向に複数の端子電極51および半導体チップ2を結ぶ電流経路は、絶縁層20の一部および外側ダイオード15によってそれぞれ遮蔽されている。
【0156】
半導体装置121は、絶縁層20内において対を成す接続配線123および端子電極51の間に介在する内側ビア電極126(ビア電極)を含む。この形態では、複数の内側ビア電極126が、接続配線123および端子電極51を電気的に接続されるように接続配線123および端子電極51の間に配置されている。図21では、内側ビア電極126がハッチングによって示されている。複数の内側ビア電極126は、絶縁層20内に形成された複数のビア開口41にそれぞれ埋設されている。
【0157】
複数の内側ビア電極126は、この形態では、対をなす接続配線123および端子電極51を一対一の対応関係で接続している。つまり、各端子電極51の直下には、同電位となる1つの接続配線123が配置され、異電位配線53は配置されていない。
複数の内側ビア電極126は、平面視において複数の貫通孔124から間隔を空けて接続配線123に接続されている。複数の内側ビア電極126は、具体的には、平面視において接続配線123(端子電極51)の内方部から周縁部側に間隔を空けて端子電極51の周縁部に接続されている。複数の内側ビア電極126は、この形態では、平面視において端子電極51の周縁部に沿って一列に並んで配列され、接続配線123において複数の貫通孔124が形成された領域を取り囲んでいる。
【0158】
内側ビア電極126は、端子電極51の中央に対して端子電極51の周縁に近接する領域に配置されていることが好ましい。つまり、内側ビア電極126は、端子電極51の中央から端子電極51の周縁に第5距離D5を空けて配置され、端子電極51の周縁から端子電極51の中央に第5距離D5未満の第6距離D6(D6<D5)を空けて配置されてことが好ましい。第5距離D5および第6距離D6は、内側ビア電極126において端子電極51の内方部側の内縁を基準としている。
【0159】
複数の内側ビア電極126は、この形態では、平面視において四角形状にそれぞれ形成されている。各内側ビア電極126の平面形状は任意であり、円形状や多角形状に形成されていてもよい。複数の内側ビア電極126は、配線ビア電極33と同様に、ビア開口41の内壁側からこの順に積層されたビアバリア膜42およびビア主電極43をそれぞれ含む。複数の内側ビア電極126は、この形態では、配線ビア電極33と同様にタングステンプラグ電極からなる。
【0160】
複数の貫通孔124は、図24A図24Cに示される種々の形態を採り得る。図24Aは、図21に示す半導体装置121を第2形態例に係る貫通孔124と共に示す拡大図である。図24Aを参照して、複数の貫通孔124は、この形態では、平面視において接続配線123に複数のT字路部が区画されるように千鳥状に配列されている。
複数の貫通孔124は、第1方向Xおよび第2方向Yに等間隔に配列されていることが好ましい。複数の貫通孔124は、この形態では、平面視において四角形状にそれぞれ形成されている。複数の貫通孔124の平面形状は任意であり、円形状や多角形状に形成されていてもよい。また、複数の貫通孔124は、平面形状に応じて、接続配線123に複数のY字路部を区画していてもよい。
【0161】
図24Bは、図21に示す半導体装置121を第3形態例に係る貫通孔124と共に示す拡大図である。図24Bを参照して、複数の貫通孔124は、この形態では、平面視において接続配線123に一方方向に延びるストライプ部が区画されるように一方方向に延びるストライプ状に形成されている。複数の貫通孔124は、この形態では、第1方向Xに延びる帯状にそれぞれ形成され、第2方向Yに間隔を空けて形成されている。むろん、複数の貫通孔124は、第2方向Yに延びるストライプ状に形成されていてもよい。複数の貫通孔124は、等間隔に配列されていることが好ましい。
【0162】
図24Cは、図21に示す半導体装置121を第4形態例に係る貫通孔124と共に示す拡大図である。図24Cを参照して、複数の貫通孔124は、この形態では、平面視において異なる方向に延びる複数のストライプ状に配列されている。複数の貫通孔124は、平面視において接続領域122に異なる方向に延びる複数のストライプ部を区画している。
【0163】
複数の貫通孔124は、平面視において一方方向(第1方向X)に延びる第1グループG1、および、第1グループG1から間隔を空けて一方方向に交差する交差方向(第2方向Y)に延びる第2グループG2を含む。第1グループG1および第2グループG2の個数や配置は任意である。複数の貫通孔124は、等間隔に配列されていることが好ましい。
【0164】
以上、半導体装置121は、半導体チップ2、絶縁層20、接続配線123、複数の貫通孔124および端子電極51を含む。絶縁層20は、半導体チップ2の上に形成されている。接続配線123は、絶縁層20内に配置されている。複数の貫通孔124は、接続配線123に形成されている。端子電極51は、接続配線123に対向するように絶縁層20の上に配置されている。
【0165】
この構造によれば、複数の貫通孔124によって接続配線123の弾性率を低下させることができる。これにより、端子電極51に対する導線312の接続時の応力を緩和できる。その結果、導線312の接続時の応力に起因する端子電極51のクラックを抑制できる。よって、端子電極51の信頼性を向上できる。
半導体装置121によれば、端子電極51およびその周囲の信頼性を向上できる。たとえば、この構造によれば、端子電極51を起点とするクラックが絶縁層20に生じることを抑制できる。また、この構造によれば、端子電極51のクラックを抑制できるので、当該クラックに起因する電気的な影響が端子電極51の周囲で生じることを抑制できる。また、仮に、端子電極51を起点とするクラックが生じたとしても、当該クラックを複数の貫通孔124によって終端させることができる。これにより、平面視において端子電極51外へのクラックの拡張を抑制できる。
【0166】
端子電極51は、複数の貫通孔124の全てに対向していることが好ましい。複数の貫通孔124は、接続配線123の内方部に形成されていることが好ましい。この構造によれば、接続配線123の内方部においてクラックの拡張を抑制できる。端子電極51の全域が、平面視において接続配線123に対向していてもよい。端子電極51は、平面視において接続配線123の周縁に取り囲まれた領域内に配置されていてもよい。接続配線123は、半導体チップ2から絶縁層20厚さ方向に第5間隔S5を空けて配置され、端子電極51は、接続配線123から絶縁層20の厚さ方向に第5間隔S5未満の第6間隔S6(S6<S5)を空けて配置されていることが好ましい。
【0167】
複数の貫通孔124は、平面視において接続配線123の内方部から周縁部の全周に向けて間隔を空けて配列されていることが好ましい。複数の貫通孔124は、接続配線123の電極面に沿う第1方向Xおよび第2方向Yに間隔を空けて配列されていることが好ましい。複数の貫通孔124は、接続配線123に複数の十字路部、複数のT字路部および複数のストライプ部のうちの少なくとも1つパターンが区画されるように配列されていることが好ましい。
【0168】
複数の貫通孔124は、接続配線123の周縁によって取り囲まれた領域の平面積に占める総面積の割合が20%以上80%以下となるように配列されていることが好ましい。この構造によれば、接続配線123の抵抗値の増加を抑制しながら、クラックの発生および拡張を抑制できる。
半導体装置121は、内側ビア電極126を含むことが好ましい。内側ビア電極126は、絶縁層20内において接続配線123および端子電極51の間に介在し、接続配線123および端子電極51を電気的に接続する。この構造によれば、接続配線123および端子電極51が電気的に接続された状態において、複数の貫通孔によってクラックを抑制できる。
【0169】
この場合、内側ビア電極126は、平面視において複数の貫通孔124から間隔を空けて端子電極51の周縁部に形成されていることが好ましい。この構造によれば、接続配線123の周縁部において内側ビア電極126によってクラックの拡張を抑制できる。複数の内側ビア電極126は、平面視において端子電極51の周縁部に沿って一列に並んで配列されていてもよい。
【0170】
半導体装置121は、回路デバイス10および多層配線31を含むことが好ましい。回路デバイス10は、半導体チップ2に形成されている。多層配線31は、回路デバイス10に電気的に接続されるように絶縁層20の厚さ方向に積層配置された複数の配線32を含む。この場合、接続配線123は、複数の配線32のうちの少なくとも1つに電気的に接続されていることが好ましい。
【0171】
この構造によれば、端子電極51を起点とするクラックの発生を抑制しながら、端子電極51を多層配線31に電気的に接続できる。また、この構造によれば、クラックの拡張を複数の貫通孔124によって抑制できるので、端子電極51が、クラックに起因して多層配線31と短絡することを抑制できる。
端子電極51は、平面視において多層配線31(複数の配線32)から間隔を空けて接続配線123の上に配置されていることが好ましい。接続配線123は、絶縁層20のみを挟んで半導体チップ2に対向していてもよい。
【0172】
多層配線31は、絶縁層20において回路デバイス10を被覆する部分に形成されていることが好ましい。接続配線123は、絶縁層20において回路デバイス10外を被覆する部分に形成されていることが好ましい。この構造において、接続配線123および端子電極51は、半導体チップ2において回路デバイス10外の領域に対向していることが好ましい。この構造によれば、導線312の接続時の応力から回路デバイス10を保護できる。また、仮に、端子電極51でクラックが生じたとしても、当該クラックに起因する物理的な影響や電気的な影響が回路デバイス10で生じることを抑制できる。
【0173】
半導体装置121は、外側ダイオード15(整流器/浮遊整流器)を含むことが好ましい。外側ダイオード15は、半導体チップ2の表層部において回路デバイス10外の領域に形成されたアノード領域16、および、アノード領域16の表層部に形成されたカソード領域17を含む。この場合、接続配線123は、絶縁層20において外側ダイオード15を被覆する部分に形成されていることが好ましい。
【0174】
この構造によれば、外側ダイオード15は、半導体チップ2(デバイス領域8)に対して逆バイアス接続されている。つまり、外側ダイオード15は、外側領域9からデバイス領域8に至る電流経路を遮蔽している。この構造によれば、絶縁層20において端子電極51および半導体チップ2の間に意図しない電流経路が形成された場合であっても、当該電流経路を外側ダイオード15によって遮蔽できる。
【0175】
意図しない電流経路には、クラックに起因する不所望な電流経路が含まれてもよい。この構造において、カソード領域17は、電気的浮遊状態に形成されていることが好ましい。つまり、外側ダイオード15は、浮遊ダイオードとして形成されていることが好ましい。この構造によれば、電流経路の遮蔽効果を適切に高めることができる。
半導体装置121は、異電位配線53を含んでいてもよい。異電位配線53は、絶縁層20内において接続配線123近傍に引き回された多層配線31の一部からなり、近接する端子電極51とは異なる電位が印加される。この構造によれば、導線312の接続時の応力から異電位配線53を保護できる。また、仮に、端子電極51を起点とするクラックが生じたとしても、当該クラックに起因する物理的な影響や電気的な影響が端子電極51および異電位配線53の間で生じることを抑制できる。一例として、クラックに起因して端子電極51が、異電位配線53と短絡することを抑制できる。
【0176】
図25は、図21に対応し、本発明の第9実施形態に係る半導体装置131を第1形態例に係るシールビア電極132と共に示す拡大図である。図25では、第1形態例に係る貫通孔124が示されている。むろん、半導体装置131は、第1形態例に係る貫通孔124に代えて、第2~第4形態例に係る貫通孔124(図24A図24C参照)のいずれか1つを含んでいてもよい。
【0177】
また、半導体装置131は、第1形態例に係る貫通孔124に代えて、第1~第4形態例に係る貫通孔124のうちの少なくとも2つの貫通孔124の特徴が組み合わされた形態を有する貫通孔124を含んでいてもよい。以下、第8実施形態に係る半導体装置121等に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0178】
半導体装置131は、内側ビア電極126に代えてシールビア電極132を含む。シールビア電極132は、接続配線123および端子電極51に接続されるように絶縁層20内において接続配線123および端子電極51の周縁部の間に介在し、平面視において端子電極51の周縁部に沿って延びる帯状に形成されている。シールビア電極132は、絶縁層20内に形成されたビア開口41に埋設され、接続配線123および端子電極51を接続する単一の接続部材からなる。
【0179】
シールビア電極132は、平面視において端子電極51の周縁部に対向するように端子電極51の内方部から周縁部側に間隔を空けて配置されている。シールビア電極132は、平面視において端子電極51の辺に沿って平行に延びている。シールビア電極132は、平面視において接続配線123の周縁部および端子電極51の周縁部の間に介在している。シールビア電極132は、この形態では、平面視において端子電極51の内方部を取り囲む環状(この形態では四角環状)に形成され、接続配線123において複数の貫通孔124が形成された領域を取り囲んでいる。
【0180】
シールビア電極132は、端子電極51の中央に対して端子電極51の周縁に近接する領域に配置されていることが好ましい。つまり、シールビア電極132は、端子電極51の中央から端子電極51の周縁に第5距離D5を空けて配置され、端子電極51の周縁から端子電極51の中央に第5距離D5未満の第6距離D6(D6<D5)を空けて配置されてことが好ましい。第5距離D5および第6距離D6は、シールビア電極132において端子電極51の内方部側の内縁を基準としている。
【0181】
シールビア電極132は、配線ビア電極33と同様に、ビア開口41の内壁側からこの順に積層されたビアバリア膜42およびビア主電極43をそれぞれ含む。シールビア電極132は、この形態では、配線ビア電極33と同様にタングステンプラグ電極からなる。
シールビア電極132は、図26A図26Bに示される種々の形態を採り得る。図26Aは、図25に示す半導体装置131を第2形態例に係るシールビア電極132と共に示す拡大図である。図26Aを参照して、第2形態例では、複数(この形態では2つ)のシールビア電極132が形成されている。複数のシールビア電極132は、第1シールビア電極132Aおよび第2シールビア電極132Bを含む。
【0182】
第1~第2シールビア電極132A~132Bは、平面視において端子電極51の周縁部に対向するように、端子電極51の内方部から周縁部側に間隔を空けてこの順に配置されている。第1シールビア電極132Aは、平面視において複数の貫通孔124から間隔を空けて端子電極51の周縁に沿って延びるライン状に形成されている。第1シールビア電極132Aは、具体的には、平面視において端子電極51の内方部を取り囲む環状(この形態では四角環状)に形成され、接続配線123において複数の貫通孔124が形成された領域を取り囲んでいる。
【0183】
第2シールビア電極132Bは、平面視において端子電極51の周縁および第1シールビア電極132Aの間に配置され、端子電極51の周縁に沿って延びるライン状に形成されている。第2シールビア電極132Bは、具体的には、平面視において第1シールビア電極132Aを取り囲む環状(この形態では四角環状)に形成されている。
第1~第2シールビア電極132A~132Bは、端子電極51の中央に対して端子電極51に周縁に近接する領域に配置されていることが好ましい。第1シールビア電極132Aは、端子電極51の中央から端子電極51の周縁に第5距離D5を空けて配置され、端子電極51の周縁から端子電極51の中央に第5距離D5未満の第6距離D6(D6<D5)を空けて配置されてことが好ましい。第5距離D5および第6距離D6は、第1シールビア電極132Aにおいて端子電極51の内方部側の内縁を基準としている。
【0184】
図26Bは、図25に示す半導体装置131を第3形態例に係るシールビア電極132と共に示す拡大図である。図26Bを参照して、第3形態例に係るシールビア電極132は、この形態では、端子電極51の周縁に沿って間隔を空けてライン状に配列された複数(この形態では4個)のセグメント部133を含む。
第3形態例に係るシールビア電極132は、第1形態例に係るシールビア電極132を複数の除去部134によって複数のセグメント部63に分割した形態を有していると見なせる。この形態では、複数の除去部134がシールビア電極132の角部(具体的には四隅)に形成され、各セグメント部133が端子電極51の各辺に沿って延びるライン状に形成されている。
【0185】
第1~第3形態例に係るシールビア電極132のうちの少なくとも2つのシールビア電極132の特徴が組み合わされた形態を有するシールビア電極132が採用されてもよい。
以上、半導体装置131によっても、第8実施形態に係る半導体装置121に対して述べた効果を奏することができる。また、半導体装置131は、シールビア電極132を含む。シールビア電極132は、接続配線123および端子電極51に接続されるように絶縁層20内において接続配線123および端子電極51の周縁部の間に介在し、平面視において端子電極51の周縁部に沿って延びる帯状に形成されている。
【0186】
この構造によれば、仮に、端子電極51を起点とするクラックが生じた場合であっても、シールビア電極132によって当該クラックを終端させることができる。これにより、平面視において端子電極51外へのクラックの拡張を抑制できる。シールビア電極132は、平面視において端子電極51の内方部を取り囲む環状に形成されていることが好ましい。この構造によれば、端子電極51の全周に亘って、クラックの拡張を抑制できる。
【0187】
図27は、図21に対応し、本発明の第10実施形態に係る半導体装置141を第1形態例に係る外側ダミー配線72と共に示す拡大図である。図28は、図27に示すXXVIII-XXVIII線に沿う断面図である。以下、第8実施形態に係る半導体装置121等に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図27および図28を参照して、半導体装置141は、平面視において少なくとも端子電極51および多層配線領域30の間の領域に位置するように複数の接続領域122内にそれぞれ配置された複数の外側ダミー配線72(ダミー配線)を含む。図27および図28では、1つの端子電極51(第1端子電極51A)の下方に1つの外側ダミー配線72が配置された形態が示されている。また、図27では、外側ダミー配線72がハッチングによって示されている。以下、1つの外側ダミー配線72を例にとって説明する。
【0188】
外側ダミー配線72は、平面視において接続配線123、端子電極51および多層配線領域30(複数の配線32)から離間して配置され、接続配線123、多層配線31(複数の配線32)および端子電極51から電気的に独立している。つまり、外側ダミー配線72は、複数のデバイス領域8からも電気的に独立している。外側ダミー配線72は、具体的には、電気的浮遊状態に形成されている。
【0189】
外側ダミー配線72は、多層配線31に対して端子電極51に近接する領域に配置されていることが好ましい。つまり、外側ダミー配線72は、平面視において端子電極51から多層配線31側に第3距離D3を空けて配置され、多層配線31から端子電極51側に第3距離D3を超える第4距離D4(D3<D4)を空けて配置されてことが好ましい。第3距離D3および第4距離D4は、外側ダミー配線72において多層配線領域30側の外縁を基準としている。
【0190】
外側ダミー配線72は、接続領域122内において半導体チップ2に対して端子電極51に近接する領域に配置されていることが好ましい。つまり、外側ダミー配線72は、半導体チップ2から絶縁層20の厚さ方向に第3間隔S3を空けて配置され、端子電極51から絶縁層20の厚さ方向に第3間隔S3未満の第4間隔S4(S4<S3)を空けて配置されてことが好ましい。外側ダミー配線72は、この形態では、最上の層間絶縁膜22(第4層間絶縁膜22D)の直下に位置する第3層間絶縁膜22Cの上に膜状に形成されている。つまり、外側ダミー配線72は、接続配線123と同一層に配置されている。
【0191】
外側ダミー配線72は、平面視において複数のデバイス領域8外の領域(外側領域9)に対向している。外側ダミー配線72は、この形態では、平面視において複数の分離構造11によって取り囲まれた領域(分離領域12)に対向している。つまり、外側ダミー配線72は、平面視において外側ダイオード15に対向している。外側ダミー配線72は、平面視において分離構造11から内方に間隔を空けて分離領域12に対向していてもよい。
【0192】
外側ダミー配線72は、この形態では、絶縁層20の一部のみを挟んで半導体チップ2(外側ダイオード15)に対向していることが好ましい。つまり、接続領域122において外側ダミー配線72の直下の領域に多層配線31の一部が形成されていないことが好ましい。
外側ダミー配線72の直下の領域において、絶縁層20の厚さ方向に外側ダミー配線72および半導体チップ2を結ぶ電流経路は、絶縁層20の一部および外側ダイオード15によってそれぞれ遮蔽されている。むろん、接続領域122において外側ダミー配線72の直下の領域に多層配線31の一部が形成されていてもよい。この場合、外側ダイオード15の直上に多層配線31の最下の配線32(第1配線32A)が形成されていてないことが好ましい。
【0193】
外側ダミー配線72は、平面視において接続配線123に沿って延びるライン状に形成されている。外側ダミー配線72は、平面視において少なくとも多層配線領域30(異電位配線53)に沿う部分に形成されていることが好ましい。外側ダミー配線72は、平面視において絶縁主面21の面方向に沿って複数の貫通孔124に対向している。外側ダミー配線72は、平面視において接続配線123に複数方向から対向していることが好ましい。
【0194】
外側ダミー配線72は、この形態では、平面視において引き出し配線125から間隔を空けて接続配線123を取り囲むように接続配線123に沿って延びている。外側ダミー配線72は、複数の配線32と同様に、第1主面3側からこの順に積層された第1バリア膜34、主配線膜35および第2バリア膜36を含む。
外側ダミー配線72は、図29A図29Dに示される種々の形態を採り得る。図29Aは、図28に示す半導体装置141を第2形態例に係る外側ダミー配線72と共に示す拡大図である。図29Aを参照して、第2形態例では、複数(この形態では2つ)の外側ダミー配線72が形成されている。複数の外側ダミー配線72は、第1外側ダミー配線72Aおよび第2外側ダミー配線72Bを含む。
【0195】
第1~第2外側ダミー配線72A~72Bは、平面視において少なくとも端子電極51および多層配線領域30の間の領域に位置するように複数の接続領域122内にそれぞれ配置されている。第1~第2外側ダミー配線72A~72Bは、平面視において端子電極51から多層配線領域30側に向けてこの順に配置されている。
第1外側ダミー配線72Aは、この形態では、平面視において端子電極51に沿って延びるライン状に形成されている。第1外側ダミー配線72Aは、具体的には、平面視において引き出し配線125から間隔を空けて接続配線123を取り囲むように延びている。第2外側ダミー配線72Bは、この形態では、端子電極51に沿って延びるライン状に形成されている。第2外側ダミー配線72Bは、具体的には、平面視において引き出し配線125から間隔を空けて第1外側ダミー配線72Aを取り囲むように延びている。
【0196】
第1~第2外側ダミー配線72A~72Bは、多層配線31に対して端子電極51に近接する領域に配置されていることが好ましい。つまり、第2外側ダミー配線72Bは、端子電極51から多層配線31側に第3距離D3を空けて配置され、多層配線31から端子電極51側に第3距離D3を超える第4距離D4(D3<D4)を空けて配置されてことが好ましい。第3距離D3および第4距離D4は、第2外側ダミー配線72Bにおいて多層配線領域30側の外縁を基準としている。
【0197】
この形態では、第1~第2外側ダミー配線72A~72Bが、同一層(第3層間絶縁膜22C)の上に配置された例について説明した。しかし、第1~第2外側ダミー配線72A~72Bは、異なる層に配置されていてもよい。たとえば、第1外側ダミー配線72Aが第3層間絶縁膜22Cの上に配置される一方で、第2外側ダミー配線72Bが第2層間絶縁膜22Bの上に配置されてもよい。この場合、第2外側ダミー配線72Bは、平面視において端子電極51(接続配線123)を取り囲む環状に形成されていてもよい。
【0198】
また、第1外側ダミー配線72Aが第2層間絶縁膜22Bの上に配置される一方で、第2外側ダミー配線72Bが第3層間絶縁膜22Cの上に配置されてもよい。これらの場合においても、第1~第2外側ダミー配線72A~72Bは、半導体チップ2に対して端子電極51に近接するように配置されることが好ましい。この場合、第1外側ダミー配線72Aは、平面視において端子電極51(接続配線123)を取り囲む環状に形成されていてもよい。
【0199】
図29Bは、図28に示す半導体装置141を第3形態例に係る外側ダミー配線72と共に示す拡大図である。図29Bを参照して、第3形態例に係る外側ダミー配線72は、平面視において端子電極51に沿って間隔を空けてドット状に配列された複数のセグメント部73を含む。
第3形態例に係る外側ダミー配線72は、第1形態例に係る外側ダミー配線72を複数の除去部74によって複数のセグメント部73に分割した形態を有していると見なせる。複数のセグメント部73は、端子電極51に沿って一列に並んで配列されている。各セグメント部73は、平面視において四角形状に形成されている。各セグメント部73の平面形状は任意であり、円形状や多角形状に形成されていてもよい。
【0200】
図29Cは、図28に示す半導体装置141を第4形態例に係る外側ダミー配線72と共に示す拡大図である。図29Cを参照して、第4形態例に係る外側ダミー配線72は、端子電極51の周縁に沿って間隔を空けてライン状に配列された複数(この形態では5個)のセグメント部73を含む。
第4形態例に係る外側ダミー配線72は、第1形態例に係る外側ダミー配線72を複数の除去部74によって複数のセグメント部73に分割した形態を有していると見なせる。この形態では、複数の除去部74が外側ダミー配線72の角部(具体的には四隅)に形成され、各セグメント部73が端子電極51の各辺に沿って延びるライン状に形成されている。
【0201】
図29Dは、図28に示す半導体装置141を第5形態例に係る外側ダミー配線72と共に示す拡大図である。図29Dを参照して、第5形態例に係る外側ダミー配線72は、平面視において接続配線123を取り囲むように、接続配線123および引き出し配線125のいずれか一方または双方(この形態では引き出し配線125)から引き出されている。外側ダミー配線72は、この形態では、接続配線123、端子電極51および多層配線領域30に電気的に接続されている。外側ダミー配線72は、この形態では、平面視において接続配線123を取り囲む環状に形成されている。
【0202】
第1~第5形態例に係る外側ダミー配線72のうちの少なくとも2つの外側ダミー配線72の特徴が組み合わされた形態を有する外側ダミー配線72が採用されてもよい。
以上、半導体装置141によっても、第8実施形態に係る半導体装置121に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。また、半導体装置141は、外側ダミー配線72(ダミー配線)を含む。外側ダミー配線72は、平面視において少なくとも端子電極51および多層配線領域30の間の領域に位置するように接続領域122内に配置されている。
【0203】
この構造によれば、仮に、端子電極51を起点とするクラックが生じたとしても、当該クラックを外側ダミー配線72によって終端させることができる。これにより、平面視において接続領域122外へのクラックの拡張を抑制できる。つまり、接続領域122から多層配線領域30へのクラックの拡張を外側ダミー配線72によって抑制できる。
図30は、図21に対応し、本発明の第11実施形態に係る半導体装置151を第1形態例に係るシールビア電極132および第1形態例に係る外側ダミー配線72と共に示す拡大図である。図31は、図30に示すXXXI-XXXI線に沿う断面図である。以下、第8実施形態に係る半導体装置121等に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0204】
図30および図31を参照して、半導体装置151は、第9実施形態に係るシールビア電極132(図25参照)および第10実施形態に係る外側ダミー配線72(図27参照)を含む。半導体装置151は、この形態では、第1形態例に係るシールビア電極132および第1形態例に係る外側ダミー配線72を含む。
むろん、半導体装置151は、第1形態例に係るシールビア電極132に代えて、第2~第3形態例に係るシールビア電極132(図26A図26B参照)のいずれか1つを含んでいてもよい。また、半導体装置151は、第1形態例に係るシールビア電極132に代えて、第1~第3形態例に係るシールビア電極132のうちの少なくとも2つのシールビア電極132の特徴が組み合わされた形態を有するシールビア電極132を含んでいてもよい。
【0205】
また、半導体装置151は、第1形態例に係る外側ダミー配線72に代えて、第2~第5形態例に係る外側ダミー配線72(図29A図29D参照)のいずれか1つを含んでいてもよい。また、半導体装置151は、第1形態例に係る外側ダミー配線72に代えて、第1~第5形態例に係る外側ダミー配線72のうちの少なくとも2つの外側ダミー配線72の特徴が組み合わされた形態を有する外側ダミー配線72を含んでいてもよい。
【0206】
以上、半導体装置151によれば、第9実施形態に係る半導体装置131に対して述べた効果、および、第10実施形態に係る半導体装置141に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。
図32は、図23に対応し、本発明の第12実施形態に係る半導体装置161を第1形態例に係る外側ダミー配線72と共に示す断面図である。以下、半導体装置121等に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0207】
半導体装置161は、第1形態例に係る外側ダミー配線72に加えて、接続領域122内に配置された外側ビア電極102を含む。外側ビア電極102は、接続領域122内に形成されたビア開口41に埋設されている。外側ビア電極102は、接続領域122内において外側ダミー配線72に接続されるように端子電極51および外側ダミー配線72の間の厚さ位置に埋設されている。外側ビア電極102は、端子電極51には接続されていない。
【0208】
外側ビア電極102は、電気的浮遊状態に形成されていることが好ましい。つまり、外側ビア電極102は、外側ダミー配線72を電気的浮遊状態に固定していることが好ましい。外側ビア電極102は、この形態では、平面視において引き出し配線125から間隔を空けて外側ダミー配線72に沿って延びるライン状に形成されている。外側ビア電極102は、外側ダミー配線72は、平面視において少なくとも多層配線領域30(異電位配線53)に沿う部分に形成されていることが好ましい。外側ビア電極102は、平面視において引き出し配線125から間隔を空けて端子電極51を取り囲むように延びている。
【0209】
具体的な図示は省略されるが、外側ビア電極102は、外側ダミー配線72に沿って間隔を空けてドット状に分離配列された複数のセグメント部を有していてもよい。また、外側ビア電極102は、外側ダミー配線72に沿って間隔を空けてライン状に分離配列された複数のセグメント部を有していてもよい。
外側ビア電極102は、配線ビア電極33と同様に、ビア開口41の内壁側からこの順に積層されたビアバリア膜42およびビア主電極43をそれぞれ含む。外側ビア電極102は、この形態では、配線ビア電極33と同様にタングステンプラグ電極からなる。最上絶縁膜54は、この形態では、絶縁層20の上において外側ビア電極102の全域を被覆している。
【0210】
この形態では、半導体装置161が第1形態例に係る外側ダミー配線72を含む例について説明した。しかし、半導体装置161は、第1形態例に係る外側ダミー配線72に代えて、第2~第5形態例に係る外側ダミー配線72(図29A図29D参照)のいずれか1つを含んでいてもよい。これらの場合において、外側ビア電極102は、外側ダミー配線72に沿ってライン状、環状またはドット状に形成されていてもよい。
【0211】
また、半導体装置161は、第1形態例に係る外側ダミー配線72に代えて、第1~第5形態例に係る外側ダミー配線72のうちの少なくとも2つの外側ダミー配線72の特徴が組み合わされた形態を有する外側ダミー配線72を含んでいてもよい。この場合において、外側ビア電極102は、外側ダミー配線72に沿ってライン状、環状またはドット状に形成されていてもよい。
【0212】
以上、半導体装置161によっても、第10実施形態に係る半導体装置141に対して述べた効果を奏することができる。また、半導体装置101は、外側ダミー配線72に加えて、接続領域122内に配置された外側ビア電極102を含む。外側ビア電極102は、接続領域122内において外側ダミー配線72に接続されるように端子電極51および外側ダミー配線72の間の厚さ位置に埋設されている。この構造によれば、仮に、端子電極51を起点とするクラックが生じた場合であっても、外側ビア電極102によって当該クラックを終端させることができる。むろん、外側ビア電極102は、第11実施形態に係る半導体装置151にも適用できる。
【0213】
図33は、図22に対応し、本発明の第13実施形態に係る半導体装置171を第1形態例に係る多孔質領域112と共に示す断面図である。以下、第8実施形態に係る半導体装置121等に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
半導体装置171は、前述の第7実施形態の場合と同様に、絶縁層20の表層部に形成された多孔質領域112を含む。多孔質領域112は、絶縁層20において複数の空孔が導入された領域からなり、この形態では、最上の層間絶縁膜22(第4層間絶縁膜22D)を利用して形成されている。つまり、多孔質領域112は、多層配線領域30の表層部、および、接続領域122の表層部に形成されている。
【0214】
複数の空孔は、絶縁層20の表層部において絶縁層20の厚さ方向および面方向に間隔を空けて形成されている。つまり、複数の空孔は、最上の層間絶縁膜22(第4層間絶縁膜22D)内において最上の層間絶縁膜22の厚さ方向および幅方向に間隔を空けて形成されている。複数の空孔は、1nm以上500nm以下の範囲で不揃いのサイズをそれぞれ有している。多孔質領域112は、1nm以上100nm以下の範囲に収まる複数の空孔を有していることが好ましい。多孔質領域112は、1nm以上10nm以下の範囲に収まる複数の空孔を有していることが特に好ましい。
【0215】
接続配線123は、多孔質領域112に接するように接続領域122内に配置されている。接続配線123は、この形態では、第3層間絶縁膜22Cの上に配置され、多孔質領域112によって被覆されている。複数の貫通孔124には多孔質領域112が充填されている。つまり、複数の貫通孔124に充填された絶縁層20の一部には、複数の空孔が形成されている。
【0216】
端子電極51は、接続領域122において多孔質領域112が形成された部分の上に配置されている。端子電極51は、この形態では、接続領域122において多孔質領域112を挟んで接続配線123に対向している。つまり、端子電極51は、多孔質領域112および接続領域122を挟んで半導体チップ2に対向している。端子電極51は、多孔質領域112の厚さ未満の厚さを有していることが好ましい。
【0217】
多孔質領域112は、図34に示される形態を採り得る。図34は、図33に示す半導体装置171を第2形態例に係る多孔質領域112と共に示す断面図である。第2形態例に係る多孔質領域112は、絶縁層20の厚さ方向の全域に形成されている。つまり、絶縁層20は、多孔質絶縁層113からなる。また、多層配線31は多孔質絶縁層113内に形成され、接続配線123は多孔質絶縁層113内に形成されている。接続配線123は多孔質絶縁層113の一部を挟んで半導体チップ2に対向し、端子電極51は多孔質絶縁層113の一部を挟んで接続配線123に対向している。
【0218】
以上、半導体装置171によっても、第8実施形態に係る半導体装置121に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。また、半導体装置171は、少なくとも絶縁層20の表層部に形成された多孔質領域112を含む。多孔質領域112は、絶縁層20において複数の空孔が導入された領域からなる。この構造によれば、多孔質領域112によって絶縁層20の表層部における弾性率を低下させることができる。
【0219】
これにより、端子電極51に対する導線312の接続時の応力を多孔質領域112によって緩和できる。また、仮に、端子電極51を起点とするクラックが生じたとしても、当該クラックに起因する衝撃を複数の空孔によって解放(緩和)し、クラックを終端させることができる。これにより、クラックの拡張を抑制できる。第13実施形態に係る多孔質領域112は、第8実施形態の他、第9~第12実施形態にも適用できる。
【0220】
図35は、図5に対応し、本発明の第14実施形態に係る半導体装置181を第1形態例に係るシールビア電極132と共に示す拡大図である。図36は、図35に示すXXXVI-XXXVI線に沿う断面図である。図37は、図35に示すXXXVII-XXXVII線に沿う断面図である。以下、半導体装置1等に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0221】
半導体装置181は、第8実施形態に係る半導体装置121等と同様の態様で形成された接続領域122、接続配線123、引き出し配線125および端子電極51を含む。半導体装置181は、第8実施形態に係る半導体装置121等と異なり、接続配線123において複数の貫通孔124を有していない。接続領域122、接続配線123、引き出し配線125および端子電極51の各説明については、省略する。
【0222】
半導体装置181は、接続配線123および端子電極51に接続されるように絶縁層20内において接続配線123および端子電極51の周縁部の間に介在するシールビア電極132を含む。シールビア電極132は、平面視において端子電極51の周縁部に沿って延びる帯状に形成されている。シールビア電極132は、平面視において少なくとも多層配線領域30(異電位配線53)に沿う部分に形成されていることが好ましい。シールビア電極132は、絶縁層20内に形成されたビア開口41に埋設され、接続配線123および端子電極51を接続する単一の接続部材からなる。
【0223】
シールビア電極132は、平面視において端子電極51の周縁部に対向するように端子電極51の内方部から周縁部側に間隔を空けて配置されている。シールビア電極132は、この形態では、平面視において接続配線123の周縁部および端子電極51の周縁部の間に介在している。シールビア電極132は、平面視において端子電極51の辺に沿って平行に延びている。
【0224】
シールビア電極132は、この形態では、平面視において端子電極51の内方部を取り囲む環状(この形態では四角環状)に形成されている。これにより、シールビア電極132は、絶縁層20内において接続配線123および端子電極51の間の領域において、絶縁層20の一部のみが配置された閉空間を区画している。
シールビア電極132は、端子電極51の中央に対して端子電極51の周縁に近接する領域に配置されていることが好ましい。つまり、シールビア電極132は、端子電極51の中央から端子電極51の周縁に第5距離D5を空けて配置され、端子電極51の周縁から端子電極51の中央に第5距離D5未満の第6距離D6(D6<D5)を空けて配置されてことが好ましい。第5距離D5および第6距離D6は、シールビア電極132において端子電極51の内方部側の内縁を基準としている。
【0225】
シールビア電極132は、配線ビア電極33と同様に、ビア開口41の内壁側からこの順に積層されたビアバリア膜42およびビア主電極43をそれぞれ含む。シールビア電極132は、この形態では、配線ビア電極33と同様にタングステンプラグ電極からなる。
シールビア電極132は、図38A図38Bに示される種々の形態を採り得る。図38Aは、図35に示す半導体装置181を第2形態例に係るシールビア電極132と共に示す拡大図である。図38Aを参照して、第2形態例では、複数(この形態では2つ)のシールビア電極132が形成されている。複数のシールビア電極132は、第1シールビア電極132Aおよび第2シールビア電極132Bを含む。
【0226】
第1~第2シールビア電極132A~132Bは、平面視において端子電極51の周縁部に対向するように、端子電極51の内方部から周縁部側に間隔を空けてこの順に配置されている。第1シールビア電極132Aは、平面視において複数のから間隔を空けて端子電極51の周縁に沿って延びるライン状に形成されている。第1シールビア電極132Aは、具体的には、平面視において端子電極51の内方部を取り囲む環状(この形態では四角環状)に形成されている。
【0227】
第2シールビア電極132Bは、平面視において端子電極51の周縁および第1シールビア電極132Aの間に配置され、端子電極51の周縁に沿って延びるライン状に形成されている。第2シールビア電極132Bは、具体的には、平面視において第1シールビア電極132Aを取り囲む環状(この形態では四角環状)に形成されている。
第1~第2シールビア電極132A~132Bは、端子電極51の中央に対して端子電極51に周縁に近接する領域に配置されていることが好ましい。第1シールビア電極132Aは、端子電極51の中央から端子電極51の周縁に第5距離D5を空けて配置され、端子電極51の周縁から端子電極51の中央に第5距離D5未満の第6距離D6(D6<D5)を空けて配置されていることが好ましい。第5距離D5および第6距離D6は、第1シールビア電極132Aにおいて端子電極51の内方部側の内縁を基準としている。
【0228】
図38Bは、図35に示す半導体装置181を第3形態例に係るシールビア電極132と共に示す拡大図である。図38Bを参照して、第3形態例に係るシールビア電極132は、この形態では、端子電極51の周縁に沿って間隔を空けてライン状に配列された複数(この形態では4個)のセグメント部133を含む。
第3形態例に係るシールビア電極132は、第1形態例に係るシールビア電極132を複数の除去部134によって複数のセグメント部133に分割した形態を有していると見なせる。この形態では、複数の除去部134がシールビア電極132の角部(具体的には四隅)に形成され、各セグメント部133が端子電極51の各辺に沿って延びるライン状に形成されている。
【0229】
第1~第3形態例に係るシールビア電極132のうちの少なくとも2つのシールビア電極132の特徴が組み合わされた形態を有するシールビア電極132が採用されてもよい。
以上、半導体装置181は、半導体チップ2、絶縁層20、接続配線123、端子電極51およびシールビア電極132を含む。絶縁層20は、半導体チップ2の上に形成されている。接続配線123は、絶縁層20内に配置されている。端子電極51は、接続配線123に対向するように絶縁層20の上に配置されている。シールビア電極132は、接続配線123および端子電極51に接続されるように絶縁層20内において接続配線123および端子電極51の周縁部の間に介在し、平面視において端子電極51の周縁部に沿って延びる帯状に形成されている。
【0230】
この構造によれば、仮に、端子電極51を起点とするクラックが生じた場合であっても、シールビア電極132によって当該クラックを終端させることができる。これにより、平面視において端子電極51外へのクラックの拡張を抑制できる。シールビア電極132は、平面視において端子電極51の内方部を取り囲む環状に形成されていることが好ましい。この構造によれば、端子電極51の全周に亘って、クラックの拡張を抑制できる。
【0231】
シールビア電極132は、絶縁層20内において接続配線123および端子電極51の間の領域において、絶縁層20のみが配置された閉空間を区画していることが好ましい。シールビア電極132は、接続配線123および端子電極51を接続する単一の接続部材からなることが好ましい。つまり、シールビア電極132は、接続配線123および端子電極51の間を結ぶ単一の電流経路を形成していることが好ましい。
【0232】
シールビア電極132は、接続配線123の周縁部および端子電極51の周縁部の間に介在していることが好ましい。シールビア電極132は、端子電極51の辺に沿って平行に延びていることが好ましい。接続配線123は、半導体チップ2から絶縁層20の厚さ方向に第5間隔S5を空けて絶縁層20内に配置され、端子電極51は、接続配線123から絶縁層20の厚さ方向に第5間隔S5未満の第6間隔S6(S6<S5)を空けて配置されていることが好ましい。
【0233】
半導体装置181は、回路デバイス10および多層配線31を含むことが好ましい。回路デバイス10は、半導体チップ2に形成されている。多層配線31は、回路デバイス10に電気的に接続されるように絶縁層20の厚さ方向に積層配置された複数の配線32を含む。この場合、接続配線123は、複数の配線32のうちの少なくとも1つに電気的に接続されていることが好ましい。
【0234】
この構造によれば、端子電極51を起点とするクラックの拡張を抑制しながら、端子電極51を多層配線31に電気的に接続できる。また、この構造によれば、クラックの拡張をシールビア電極132によって抑制できるので、端子電極51や接続配線123が、クラックに起因して多層配線31と短絡することを抑制できる。この場合、接続配線123は平面視において複数の配線32から間隔を空けて絶縁層20内に配置され端子電極51は、平面視において複数の配線32から間隔を空けて接続配線123の上に配置されていることが好ましい。接続配線123は、絶縁層20のみを挟んで半導体チップ2に対向していることが好ましい。
【0235】
多層配線31は、絶縁層20において回路デバイス10を被覆する部分に形成されていることが好ましい。接続配線123は、絶縁層20において回路デバイス10外を被覆する部分に形成されていることが好ましい。この構造において、接続配線123および端子電極51は、半導体チップ2において回路デバイス10外の領域に対向していることが好ましい。この構造によれば、導線312の接続時の応力から回路デバイス10を保護できる。また、仮に、端子電極51でクラックが生じたとしても、当該クラックに起因する物理的な影響や電気的な影響が回路デバイス10で生じることを抑制できる。
【0236】
半導体装置181は、外側ダイオード15(整流器/浮遊整流器)を含むことが好ましい。外側ダイオード15は、半導体チップ2の表層部において回路デバイス10外の領域に形成されたアノード領域16、および、アノード領域16の表層部に形成されたカソード領域17を含む。この場合、接続配線123は、絶縁層20において外側ダイオード15を被覆する部分に形成されていることが好ましい。
【0237】
この構造によれば、外側ダイオード15は、半導体チップ2(デバイス領域8)に対して逆バイアス接続されている。つまり、外側ダイオード15は、外側領域9からデバイス領域8に至る電流経路を遮蔽している。この構造によれば、絶縁層20において端子電極51および半導体チップ2の間に意図しない電流経路が形成された場合であっても、当該電流経路を外側ダイオード15によって遮蔽できる。
【0238】
意図しない電流経路には、クラックに起因する不所望な電流経路が含まれてもよい。この構造において、カソード領域17は、電気的浮遊状態に形成されていることが好ましい。つまり、外側ダイオード15は、浮遊ダイオードとして形成されていることが好ましい。この構造によれば、電流経路の遮蔽効果を適切に高めることができる。
半導体装置181は、異電位配線53を含んでいてもよい。異電位配線53は、絶縁層20内において接続配線123近傍に引き回された多層配線31の一部からなり、近接する端子電極51とは異なる電位が印加される。この構造によれば、導線312の接続時の応力から異電位配線53を保護できる。また、仮に、端子電極51を起点とするクラックが生じたとしても、当該クラックに起因する物理的な影響や電気的な影響が端子電極51および異電位配線53の間で生じることを抑制できる。一例として、クラックに起因して端子電極51が、異電位配線53と短絡することを抑制できる。
【0239】
図39は、図5に対応し、本発明の第15実施形態に係る半導体装置191を第1形態例に係る外側ダミー配線72と共に示す拡大図である。図40は、図39に示すXL-XL線に沿う断面図である。以下、第14実施形態に係る半導体装置181等に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図39および図40を参照して、半導体装置191は、第1形態例に係るシールビア電極132を含む。むろん、半導体装置191は、第1形態例に係るシールビア電極132に代えて、第2~第3形態例に係るシールビア電極132(図38A図38B参照)のいずれか1つを含んでいてもよい。また、半導体装置191は、第1形態例に係るシールビア電極132に代えて、第1~第3形態例に係るシールビア電極132のうちの少なくとも2つのシールビア電極132の特徴が組み合わされた形態を有するシールビア電極132を含んでいてもよい。
【0240】
半導体装置191は、平面視において少なくとも端子電極51および多層配線領域30の間の領域に位置するように複数の接続領域122内にそれぞれ配置された複数の外側ダミー配線72(ダミー配線)を含む。図39および図40では、1つの端子電極51(第1端子電極51A)の下方に1つの外側ダミー配線72が配置された形態が示されている。また、図39では、外側ダミー配線72がハッチングによって示されている。以下、1つの外側ダミー配線72を例にとって説明する。
【0241】
外側ダミー配線72は、平面視において接続配線123、端子電極51および多層配線領域30(複数の配線32)から離間して配置され、接続配線123、多層配線31(複数の配線32)および端子電極51から電気的に独立している。つまり、外側ダミー配線72は、複数のデバイス領域8からも電気的に独立している。外側ダミー配線72は、具体的には、電気的浮遊状態に形成されている。
【0242】
外側ダミー配線72は、多層配線31に対して端子電極51に近接する領域に配置されていることが好ましい。つまり、外側ダミー配線72は、平面視において端子電極51から多層配線31側に第3距離D3を空けて配置され、多層配線31から端子電極51側に第3距離D3を超える第4距離D4(D3<D4)を空けて配置されてことが好ましい。第3距離D3および第4距離D4は、外側ダミー配線72において多層配線領域30側の外縁を基準としている。
【0243】
外側ダミー配線72は、接続領域122内において半導体チップ2に対して端子電極51に近接する領域に配置されていることが好ましい。つまり、外側ダミー配線72は、半導体チップ2から絶縁層20の厚さ方向に第3間隔S3を空けて配置され、端子電極51から絶縁層20の厚さ方向に第3間隔S3未満の第4間隔S4(S4<S3)を空けて配置されてことが好ましい。外側ダミー配線72は、この形態では、最上の層間絶縁膜22(第4層間絶縁膜22D)の直下に位置する第3層間絶縁膜22Cの上に膜状に形成されている。つまり、外側ダミー配線72は、接続配線123と同一層に配置されている。
【0244】
外側ダミー配線72は、平面視において複数のデバイス領域8外の領域(外側領域9)に対向している。外側ダミー配線72は、この形態では、平面視において複数の分離構造11によって取り囲まれた領域(分離領域12)に対向している。つまり、外側ダミー配線72は、平面視において外側ダイオード15に対向している。外側ダミー配線72は、平面視において分離構造11から内方に間隔を空けて分離領域12に対向していてもよい。
【0245】
外側ダミー配線72は、この形態では、絶縁層20の一部のみを挟んで半導体チップ2(外側ダイオード15)に対向していることが好ましい。つまり、接続領域122において外側ダミー配線72の直下の領域に多層配線31の一部が形成されていないことが好ましい。
外側ダミー配線72の直下の領域において、絶縁層20の厚さ方向に外側ダミー配線72および半導体チップ2を結ぶ電流経路は、絶縁層20の一部および外側ダイオード15によってそれぞれ遮蔽されている。むろん、接続領域122において外側ダミー配線72の直下の領域に多層配線31の一部が形成されていてもよい。この場合、外側ダイオード15の直上に多層配線31の最下の配線32(第1配線32A)が形成されていてないことが好ましい。
【0246】
外側ダミー配線72は、平面視において接続配線123に沿って延びるライン状に形成されている。外側ダミー配線72は、平面視において少なくとも多層配線領域30(異電位配線53)に沿う部分に形成されていることが好ましい。平面視において絶縁主面21の面方向に沿ってシールビア電極132に対向している。外側ダミー配線72は、平面視においてシールビア電極132に複数方向から対向していることが好ましい。外側ダミー配線72は、平面視において接続配線123に複数方向から対向していることが好ましい。
【0247】
外側ダミー配線72は、この形態では、平面視において引き出し配線125から間隔を空けて接続配線123を取り囲むように接続配線123に沿って延びている。外側ダミー配線72は、複数の配線32と同様に、第1主面3側からこの順に積層された第1バリア膜34、主配線膜35および第2バリア膜36を含む。
外側ダミー配線72は、図41A図41Dに示される種々の形態を採り得る。図41Aは、図39に示す半導体装置191を第2形態例に係る外側ダミー配線72と共に示す拡大図である。図41Aを参照して、第2形態例では、複数(この形態では2つ)の外側ダミー配線72が形成されている。複数の外側ダミー配線72は、第1外側ダミー配線72Aおよび第2外側ダミー配線72Bを含む。
【0248】
第1~第2外側ダミー配線72A~72Bは、平面視において少なくとも端子電極51および多層配線領域30の間の領域に位置するように複数の接続領域122内にそれぞれ配置されている。第1~第2外側ダミー配線72A~72Bは、平面視において端子電極51から多層配線領域30側に向けてこの順に配置されている。
第1外側ダミー配線72Aは、この形態では、平面視において端子電極51に沿って延びるライン状に形成されている。第1外側ダミー配線72Aは、具体的には、平面視において引き出し配線125から間隔を空けて接続配線123を取り囲むように延びている。第2外側ダミー配線72Bは、この形態では、端子電極51に沿って延びるライン状に形成されている。第2外側ダミー配線72Bは、具体的には、平面視において引き出し配線125から間隔を空けて第1外側ダミー配線72Aを取り囲むように延びている。
【0249】
第1~第2外側ダミー配線72A~72Bは、多層配線31に対して端子電極51に近接する領域に配置されていることが好ましい。つまり、第2外側ダミー配線72Bは、端子電極51から多層配線31側に第3距離D3を空けて配置され、多層配線31から端子電極51側に第3距離D3を超える第4距離D4(D3<D4)を空けて配置されてことが好ましい。第3距離D3および第4距離D4は、第2外側ダミー配線72Bにおいて多層配線領域30側の外縁を基準としている。
【0250】
この形態では、第1~第2外側ダミー配線72A~72Bが、同一層(第3層間絶縁膜22C)の上に配置された例について説明した。しかし、第1~第2外側ダミー配線72A~72Bは、異なる層に配置されていてもよい。たとえば、第1外側ダミー配線72Aが第3層間絶縁膜22Cの上に配置される一方で、第2外側ダミー配線72Bが第2層間絶縁膜22Bの上に配置されてもよい。この場合、第2外側ダミー配線72Bは、平面視において端子電極51(接続配線123)を取り囲む環状に形成されていてもよい。
【0251】
また、第1外側ダミー配線72Aが第2層間絶縁膜22Bの上に配置される一方で、第2外側ダミー配線72Bが第3層間絶縁膜22Cの上に配置されてもよい。これらの場合においても、第1~第2外側ダミー配線72A~72Bは、半導体チップ2に対して端子電極51に近接するように配置されることが好ましい。この場合、第1外側ダミー配線72Aは、平面視において端子電極51(接続配線123)を取り囲む環状に形成されていてもよい。
【0252】
図41Bは、図39に示す半導体装置191を第3形態例に係る外側ダミー配線72と共に示す拡大図である。図41Bを参照して、第3形態例に係る外側ダミー配線72は、平面視において端子電極51に沿って間隔を空けてドット状に配列された複数のセグメント部73を含む。
第3形態例に係る外側ダミー配線72は、第1形態例に係る外側ダミー配線72を複数の除去部74によって複数のセグメント部73に分割した形態を有していると見なせる。複数のセグメント部73は、端子電極51に沿って一列に並んで配列されている。各セグメント部73は、平面視において四角形状に形成されている。各セグメント部73の平面形状は任意であり、円形状や多角形状に形成されていてもよい。
【0253】
図41Cは、図39に示す半導体装置191を第4形態例に係る外側ダミー配線72と共に示す拡大図である。図41Cを参照して、第4形態例に係る外側ダミー配線72は、端子電極51の周縁に沿って間隔を空けてライン状に配列された複数(この形態では5個)のセグメント部73を含む。
第4形態例に係る外側ダミー配線72は、第1形態例に係る外側ダミー配線72を複数の除去部74によって複数のセグメント部73に分割した形態を有していると見なせる。この形態では、複数の除去部74が外側ダミー配線72の角部(具体的には四隅)に形成され、各セグメント部73が端子電極51の各辺に沿って延びるライン状に形成されている。
【0254】
図41Dは、図39に示す半導体装置191を第5形態例に係る外側ダミー配線72と共に示す拡大図である。図41Dを参照して、第5形態例に係る外側ダミー配線72は、平面視において接続配線123を取り囲むように、接続配線123および引き出し配線125のいずれか一方または双方(この形態では引き出し配線125)から引き出されている。外側ダミー配線72は、この形態では、接続配線123、端子電極51および多層配線領域30に電気的に接続されている。外側ダミー配線72は、この形態では、平面視において接続配線123を取り囲む環状に形成されている。
【0255】
第1~第5形態例に係る外側ダミー配線72のうちの少なくとも2つの外側ダミー配線72の特徴が組み合わされた形態を有する外側ダミー配線72が採用されてもよい。
以上、半導体装置191によっても、第14実施形態に係る半導体装置181に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。また、半導体装置191は、外側ダミー配線72(ダミー配線)を含む。外側ダミー配線72は、平面視において少なくとも端子電極51および多層配線領域30の間の領域に位置するように接続領域122内に配置されている。
【0256】
この構造によれば、仮に、端子電極51を起点とするクラックが生じたとしても、当該クラックを外側ダミー配線72によって終端させることができる。これにより、平面視において接続領域122外へのクラックの拡張を抑制できる。つまり、接続領域122から多層配線領域30へのクラックの拡張を外側ダミー配線72によって抑制できる。
図42は、図37に対応し、本発明の第16実施形態に係る半導体装置201を第1形態例に係るシールビア電極132および第1形態例に係る外側ダミー配線72と共に示す断面図である。以下、第14実施形態に係る半導体装置181等に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0257】
図42を参照して、半導体装置201は、第14実施形態に係るシールビア電極132(図35参照)および第15実施形態に係る外側ダミー配線72(図39参照)を含む。半導体装置201は、この形態では、第1形態例に係るシールビア電極132および第1形態例に係る外側ダミー配線72を含む。
半導体装置201は、接続領域122内に配置された外側ビア電極102を含む。外側ビア電極102は、接続領域122内に形成されたビア開口41に埋設されている。外側ビア電極102は、接続領域122内において外側ダミー配線72に接続されるように端子電極51および外側ダミー配線72の間の厚さ位置に埋設されている。外側ビア電極102は、端子電極51には接続されていない。
【0258】
外側ビア電極102は、電気的浮遊状態に形成されていることが好ましい。つまり、外側ビア電極102は、外側ダミー配線72を電気的浮遊状態に固定していることが好ましい。外側ビア電極102は、この形態では、平面視において引き出し配線125から間隔を空けて外側ダミー配線72に沿って延びるライン状に形成されている。外側ビア電極102は、外側ダミー配線72は、平面視において少なくとも多層配線領域30(異電位配線53)に沿う部分に形成されていることが好ましい。外側ビア電極102は、平面視において引き出し配線125から間隔を空けて端子電極51を取り囲むように延びている。
【0259】
具体的な図示は省略されるが、外側ビア電極102は、外側ダミー配線72に沿って間隔を空けてドット状に分離配列された複数のセグメント部を有していてもよい。また、外側ビア電極102は、外側ダミー配線72に沿って間隔を空けてライン状に分離配列された複数のセグメント部を有していてもよい。
外側ビア電極102は、配線ビア電極33と同様に、ビア開口41の内壁側からこの順に積層されたビアバリア膜42およびビア主電極43をそれぞれ含む。外側ビア電極102は、この形態では、配線ビア電極33と同様にタングステンプラグ電極からなる。最上絶縁膜54は、この形態では、絶縁層20の上において外側ビア電極102の全域を被覆している。
【0260】
この形態では、半導体装置201が第1形態例に係るシールビア電極132を含む例について説明した。しかし、半導体装置201は、第1形態例に係るシールビア電極132に代えて、第2~第3形態例に係るシールビア電極132(図38A図38B参照)のいずれか1つを含んでいてもよい。また、半導体装置201は、第1形態例に係るシールビア電極132に代えて、第1~第3形態例に係るシールビア電極132のうちの少なくとも2つのシールビア電極132の特徴が組み合わされた形態を有するシールビア電極132を含んでいてもよい。
【0261】
また、半導体装置201は、第1形態例に係る外側ダミー配線72に代えて、第2~第5形態例に係る外側ダミー配線72(図41A図41D参照)のいずれか1つを含んでいてもよい。また、半導体装置201は、第1形態例に係る外側ダミー配線72に代えて、第1~第5形態例に係る外側ダミー配線72のうちの少なくとも2つの外側ダミー配線72の特徴が組み合わされた形態を有する外側ダミー配線72を含んでいてもよい。これらの場合において、外側ビア電極102は、外側ダミー配線72に沿ってライン状、環状またはドット状に形成されていてもよい。
【0262】
以上、半導体装置201によっても、第15実施形態に係る半導体装置191に対して述べた効果を奏することができる。また、半導体装置201は、外側ダミー配線72に加えて、接続領域122内に配置された外側ビア電極102を含む。外側ビア電極102は、接続領域122内において外側ダミー配線72に接続されるように端子電極51および外側ダミー配線72の間の厚さ位置に埋設されている。この構造によれば、仮に端子電極51を起点とするクラックが生じた場合であっても、外側ビア電極102によって当該クラックを終端させることができる。
【0263】
図43は、図36に対応し、本発明の第17実施形態に係る半導体装置211を第1形態例に係る多孔質領域112と共に示す断面図である。以下、半導体装置181等に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
半導体装置211は、前述の第7実施形態の場合と同様に、絶縁層20の表層部に形成された多孔質領域112を含む。多孔質領域112は、絶縁層20において複数の空孔が導入された領域からなり、この形態では、最上の層間絶縁膜22(第4層間絶縁膜22D)を利用して形成されている。つまり、多孔質領域112は、多層配線領域30の表層部、および、接続領域122の表層部に形成されている。
【0264】
複数の空孔は、絶縁層20の表層部において絶縁層20の厚さ方向および面方向に間隔を空けて形成されている。つまり、複数の空孔は、最上の層間絶縁膜22(第4層間絶縁膜22D)内において最上の層間絶縁膜22の厚さ方向および幅方向に間隔を空けて形成されている。複数の空孔は、1nm以上500nm以下の範囲で不揃いのサイズをそれぞれ有している。多孔質領域112は、1nm以上100nm以下の範囲に収まる複数の空孔を有していることが好ましい。多孔質領域112は、1nm以上10nm以下の範囲に収まる複数の空孔を有していることが特に好ましい。
【0265】
接続配線123は、多孔質領域112に接するように接続領域122内に配置されている。接続配線123は、この形態では、第3層間絶縁膜22Cの上に配置され、多孔質領域112によって被覆されている。端子電極51は、接続領域122において多孔質領域112が形成された部分の上に配置されている。端子電極51は、この形態では、接続領域122において多孔質領域112を挟んで接続配線123に対向している。
【0266】
つまり、端子電極51は、多孔質領域112および接続領域122を挟んで半導体チップ2に対向している。端子電極51は、多孔質領域112の厚さ未満の厚さを有していることが好ましい。シールビア電極132は、多孔質領域112内において接続領域122および端子電極51に接続されている。シールビア電極132は、この形態では、絶縁層20内において接続配線123および端子電極51の間の領域において、多孔質領域112のみが配置された閉空間を区画している。
【0267】
多孔質領域112は、図44に示される形態を採り得る。図44は、図43に示す半導体装置211を第2形態例に係る多孔質領域112と共に示す断面図である。第2形態例に係る多孔質領域112は、絶縁層20の厚さ方向の全域に形成されている。つまり、絶縁層20は、多孔質絶縁層113からなる。また、多層配線31は多孔質絶縁層113内に形成され、接続配線123は多孔質絶縁層113内に形成されている。接続領域122は多孔質絶縁層113の一部を挟んで半導体チップ2に対向し、端子電極51は多孔質絶縁層113の一部を挟んで接続領域122に対向している。
【0268】
以上、半導体装置211によっても、第14実施形態に係る半導体装置181に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。また、半導体装置211は、少なくとも絶縁層20の表層部に形成された多孔質領域112を含む。多孔質領域112は、絶縁層20において複数の空孔が導入された領域からなる。この構造によれば、多孔質領域112によって絶縁層20の表層部における弾性率を低下させることができる。
【0269】
これにより、端子電極51に対する導線312の接続時の応力を多孔質領域112によって緩和できる。また、仮に、端子電極51を起点とするクラックが生じたとしても、当該クラックに起因する衝撃を複数の空孔によって解放(緩和)し、クラックを終端させることができる。これにより、クラックの拡張を抑制できる。第17実施形態に係る多孔質領域112は、第14実施形態の他、第15~第16実施形態にも適用できる。
【0270】
図45は、図5に対応し、本発明の第18実施形態に係る半導体装置221を第1形態例に係る内側ビア電極126と共に示す拡大図である。図46は、図45に示すXLVI-XLVI線に沿う断面図である。図47は、図45に示すXLVII-XLVII線に沿う断面図である。以下、半導体装置1等に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0271】
半導体装置221は、第8実施形態に係る半導体装置121等と同様の態様で形成された接続領域122、接続配線123、引き出し配線125および端子電極51を含む。半導体装置221は、第8実施形態に係る半導体装置121等と異なり、接続配線123において複数の貫通孔124を有していない。接続領域122、接続配線123、引き出し配線125および端子電極51の各説明については、省略する。
【0272】
半導体装置221は、接続配線123および端子電極51を電気的に接続するように絶縁層20内において接続配線123および端子電極51の間に介在する複数の内側ビア電極126(ビア電極)を含む。図45では、内側ビア電極126がハッチングによって示されている。
内側ビア電極126は、絶縁層20内に形成されたビア開口41に埋設されている。複数の内側ビア電極126は、平面視において端子電極51の内方部から端子電極51の周縁部の全周に向けて間隔を空けて配列されている。各端子電極51の直下には、同電位となる1つの接続配線123が配置され、各端子電極51とは異なる電位が印加される異電位配線53は配置されていない。
【0273】
複数の内側ビア電極126は、接続領域122の電極面に沿って、第1方向Xおよび第2方向Yに間隔を空けて一列に配列されている。複数の内側ビア電極126は、この形態では、平面視において接続配線123および端子電極51の間の領域に絶縁層20の一部からそれぞれなる複数の十字路部が区画されるように行列状に配列されている。複数の内側ビア電極126は、第1方向Xおよび第2方向Yに等間隔に配列されていることが好ましい。
【0274】
複数の内側ビア電極126は、この形態では、平面視において四角形状にそれぞれ形成されている。各内側ビア電極126の平面形状は任意であり、円形状や多角形状に形成されていてもよい。各内側ビア電極126は、平面視において0.1μm以上5μm以下の幅を有していてもよい。各内側ビア電極126の幅は、各内側ビア電極126の幅のうち最も狭い部分の幅によって定義される。複数の内側ビア電極126は、0.1μm以上5μm以下の間隔を空けて形成されていてもよい。
【0275】
複数の内側ビア電極126は、接続配線123に対する占有割合が50%以上80%以下となるように配列されていることが好ましい。占有割合は、平面視において接続配線123の平面積に占める複数の内側ビア電極126の総面積の割合である。接続配線123の平面積は、接続配線123の周縁によって取り囲まれた領域の平面積である。複数の内側ビア電極126の総面積は、各内側ビア電極126の平面積の合計値である。
【0276】
複数の内側ビア電極126は、端子電極51に対する占有割合が50%以上80%以下となるように配列されていることが好ましい。占有割合は、平面視において端子電極51の平面積に占める複数の内側ビア電極126の総面積の割合である。端子電極51の平面積は、端子電極51の周縁によって取り囲まれた領域の平面積である。複数の内側ビア電極126の総面積は、各内側ビア電極126の平面積の合計値である。
【0277】
複数の内側ビア電極126は、配線ビア電極33と同様に、ビア開口41の内壁側からこの順に積層されたビアバリア膜42およびビア主電極43をそれぞれ含む。複数の内側ビア電極126は、この形態では、配線ビア電極33と同様にタングステンプラグ電極からなる。
複数の内側ビア電極126は、図48A図48Eに示される種々の形態を採り得る。図48Aは、図45に示す半導体装置221を第2形態例に係る内側ビア電極126と共に示す拡大図である。図48Aを参照して、複数の内側ビア電極126は、この形態では、平面視において千鳥状に配列されている。複数の内側ビア電極126は、平面視において接続配線123および端子電極51の間の領域に絶縁層20の一部からそれぞれなる複数のT字路部を区画している。
【0278】
複数の内側ビア電極126は、第1方向Xおよび第2方向Yに等間隔に一列に配列されていることが好ましい。複数の内側ビア電極126は、この形態では、平面視において四角形状にそれぞれ形成されている。複数の内側ビア電極126の平面形状は任意であり、円形状や多角形状に形成されていてもよい。また、複数の内側ビア電極126は、平面形状に応じて、接続配線123に複数のY字路部を区画していてもよい。
【0279】
図48Bは、図45に示す半導体装置221を第3形態例に係る内側ビア電極126と共に示す拡大図である。図48Bを参照して、複数の内側ビア電極126は、この形態では、平面視において一方方向に延びるストライプ状に配列されている。複数の内側ビア電極126は、平面視において接続配線123および端子電極51の間の領域に絶縁層20の一部からなるストライプ部を区画している。
【0280】
複数の内側ビア電極126は、具体的には、平面視において第1方向Xに延びる帯状にそれぞれ形成され、第2方向Yに間隔を空けて形成されている。むろん、複数の内側ビア電極126は、平面視において第2方向Yに延びるストライプ状に形成されていてもよい。複数の内側ビア電極126は、等間隔に配列されていることが好ましい。
図48Cは、図45に示す半導体装置221を第4形態例に係る内側ビア電極126と共に示す拡大図である。図48Cを参照して、複数の内側ビア電極126は、この形態では、平面視において異なる方向に延びる複数のストライプ状に配列されている。複数の内側ビア電極126は、平面視において接続配線123および端子電極51の間の領域に絶縁層20の一部からそれぞれなり、異なる方向に延びる複数のストライプ部を区画している。
【0281】
複数の内側ビア電極126は、平面視において一方方向(第1方向X)に延びる第1グループGA、および、第1グループGAから間隔を空けて一方方向に交差する交差方向(第2方向Y)に延びる第2グループGBを含む。第1グループGAおよび第2グループGBの個数や配置は任意である。複数の内側ビア電極126は、等間隔に配列されていることが好ましい。
【0282】
図48Dは、図45に示す半導体装置221を第5形態例に係る内側ビア電極126と共に示す拡大図である。図48Dを参照して、内側ビア電極126は、この形態では、平面視において格子状に形成されている。内側ビア電極126は、平面視において接続配線123および端子電極51の間の領域に、絶縁層20の一部からそれぞれなり、行列状に配列された複数のセグメント部222を区画している。
【0283】
内側ビア電極126は、平面視において一方方向(第1方向X)に延びる第1グループGA、および、第1グループGAに交差するように一方方向(第1方向X)に交差する交差方向(第2方向Y)に延びる第2グループGBを含む。複数のセグメント部222は、平面視において第1グループGAおよび第2グループGBによって行列状に区画されている。むろん、内側ビア電極126は、平面視において複数のセグメント部222が千鳥状に区画されるように格子状に形成されていてもよい。
【0284】
図48Eは、図45に示す半導体装置221を第6形態例に係る内側ビア電極126と共に示す拡大図である。図48Eを参照して、複数の内側ビア電極126は、この形態では、平面視において端子電極51の内方部から周縁部に向けて間隔を空けて複数の環状にそれぞれ形成されている。複数の内側ビア電極126は、この形態では、平面視において端子電極51の中央部をそれぞれ取り囲む環状(具体的には四角環状)にそれぞれ形成されている。複数の内側ビア電極126は、シールビア電極132として機能しているとも見なせる。
【0285】
複数の内側ビア電極126は、平面視において接続配線123および端子電極51の間の領域に絶縁層20の一部からそれぞれなる複数の環状部を区画している。むろん、1つの内側ビア電極126が、平面視において螺旋状に形成され、接続配線123および端子電極51の間の領域に絶縁層20の一部からなる螺旋部を区画していてもよい。
第1~第6形態例に係る内側ビア電極126のうちの少なくとも2つの内側ビア電極126の特徴が組み合わされた形態を有する内側ビア電極126が採用されてもよい。
【0286】
以上、半導体装置221は、半導体チップ2、絶縁層20、接続配線123、端子電極51、および、複数の内側ビア電極126を含む。絶縁層20は、半導体チップ2の上に形成されている。接続配線123は、絶縁層20内に配置されている。端子電極51は、接続配線123に対向するように絶縁層20の上に配置されている。複数の内側ビア電極126は、接続配線123および端子電極51を電気的に接続するように絶縁層20内において接続配線123および端子電極51の間に介在している。
【0287】
複数の内側ビア電極126は、平面視において端子電極51の内方部から端子電極51の周縁部の全周に向けて間隔を空けて配列されている。この構造によれば、複数の内側ビア電極126によって端子電極51の直下の強度を高めることができる。これにより、導線312の接続時の応力に起因するクラックが、端子電極51に生じることを抑制できる。よって、端子電極51の信頼性を向上できる。
【0288】
半導体装置221によれば、端子電極51およびその周囲の信頼性を向上できる。たとえば、この構造によれば、端子電極51を起点とするクラックが絶縁層20に生じることを抑制できる。また、この構造によれば、端子電極51のクラックを抑制できるので、当該クラックに起因する電気的な影響が端子電極51の周囲で生じることを抑制できる。また、仮に、端子電極51を起点とするクラックが生じたとしても、当該クラックを複数の内側ビア電極126によって終端させることができる。これにより、平面視において端子電極51外へのクラックの拡張を抑制できる。
【0289】
複数の内側ビア電極126は、接続配線123の平面積に占める総面積の割合が50%以上80%以下となるように配列されていることが好ましい。複数の内側ビア電極126は、端子電極51の平面積に占める総面積の割合が50%以上80%以下となるように配列されていることが好ましい。複数の内側ビア電極126は、平面視において行列状、千鳥状、ストライプ状、格子状、同心環状および螺旋状のうちの少なくとも1のパターンで形成されていることが好ましい。複数の内側ビア電極126は、端子電極51の電極面に沿う第1方向X、および、第1方向Xに交差する第2方向Yに間隔を空けて配列されていることが好ましい。
【0290】
端子電極51の全域が、平面視において接続配線123に対向していてもよい。端子電極51は、平面視において接続配線123の周縁に取り囲まれた領域内に配置されていてもよい。接続配線123は、半導体チップ2から絶縁層20厚さ方向に第5間隔S5を空けて配置され、端子電極51は、接続配線123から絶縁層20の厚さ方向に第5間隔S5未満の第6間隔S6(S6<S5)を空けて配置されていることが好ましい(図46参照)。
【0291】
半導体装置221は、回路デバイス10および多層配線31を含むことが好ましい。回路デバイス10は、半導体チップ2に形成されている。多層配線31は、回路デバイス10に電気的に接続されるように絶縁層20の厚さ方向に積層配置された複数の配線32を含む。この場合、接続配線123は、複数の配線32のうちの少なくとも1つに電気的に接続されていることが好ましい。
【0292】
この構造によれば、端子電極51を起点とするクラックの発生を抑制しながら、端子電極51を多層配線31に電気的に接続できる。また、この構造によれば、クラックの拡張を複数の内側ビア電極126によって抑制できるので、端子電極51が、クラックに起因して多層配線31と短絡することを抑制できる。端子電極51は、平面視において多層配線31(複数の配線32)から間隔を空けて接続配線123の上に配置されていることが好ましい。接続配線123は、絶縁層20のみを挟んで半導体チップ2に対向していてもよい。
【0293】
多層配線31は、絶縁層20において回路デバイス10を被覆する部分に形成されていることが好ましい。接続配線123は、絶縁層20において回路デバイス10外を被覆する部分に形成されていることが好ましい。この構造において、接続配線123および端子電極51は、半導体チップ2において回路デバイス10外の領域に対向していることが好ましい。この構造によれば、導線312の接続時の応力から回路デバイス10を保護できる。また、仮に、端子電極51でクラックが生じたとしても、当該クラックに起因する物理的な影響や電気的な影響が回路デバイス10で生じることを抑制できる。
【0294】
半導体装置221は、外側ダイオード15(整流器/浮遊整流器)を含むことが好ましい。外側ダイオード15は、半導体チップ2の表層部において回路デバイス10外の領域に形成されたアノード領域16、および、アノード領域16の表層部に形成されたカソード領域17を含む。この場合、接続配線123は、絶縁層20において外側ダイオード15を被覆する部分に形成されていることが好ましい。
【0295】
この構造によれば、外側ダイオード15は、半導体チップ2(デバイス領域8)に対して逆バイアス接続されている。つまり、外側ダイオード15は、外側領域9からデバイス領域8に至る電流経路を遮蔽している。この構造によれば、絶縁層20において端子電極51および半導体チップ2の間に意図しない電流経路が形成された場合であっても、当該電流経路を外側ダイオード15によって遮蔽できる。
【0296】
意図しない電流経路には、クラックに起因する不所望な電流経路が含まれてもよい。この構造において、カソード領域17は、電気的浮遊状態に形成されていることが好ましい。つまり、外側ダイオード15は、浮遊ダイオードとして形成されていることが好ましい。この構造によれば、電流経路の遮蔽効果を適切に高めることができる。
半導体装置221は、異電位配線53を含んでいてもよい。異電位配線53は、絶縁層20内において接続配線123近傍に引き回された多層配線31の一部からなり、近接する端子電極51とは異なる電位が印加される。この構造によれば、導線312の接続時の応力から異電位配線53を保護できる。また、仮に、端子電極51を起点とするクラックが生じたとしても、当該クラックに起因する物理的な影響や電気的な影響が端子電極51および異電位配線53の間で生じることを抑制できる。一例として、クラックに起因して端子電極51が、異電位配線53と短絡することを抑制できる。
【0297】
図49は、図45に対応し、本発明の第19実施形態に係る半導体装置231を第1形態例に係るシールビア電極132と共に示す拡大図である。以下、第18実施形態に係る半導体装置221等に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図49を参照して、半導体装置231は、第1形態例に係る内側ビア電極126を含む。むろん、半導体装置231は、第1形態例に係る内側ビア電極126に代えて、第2~第6形態例に係る内側ビア電極126(図48A図48E参照)のいずれか1つを含んでいてもよい。また、半導体装置201は、第1形態例に係る内側ビア電極126に代えて、第1~第6形態例に係る内側ビア電極126のうちの少なくとも2つの内側ビア電極126の特徴が組み合わされた形態を有する内側ビア電極126を含んでいてもよい。
【0298】
半導体装置231は、複数の接続領域122内にそれぞれ形成されたシールビア電極132を含む。図49では、1つの端子電極51(第1端子電極51A)の直下に配置されたシールビア電極132が示されている。また、図49では、シールビア電極132がハッチングによって示されている。以下、1つのシールビア電極132を例にとって説明する。
【0299】
シールビア電極132は、接続配線123および端子電極51に接続されるように絶縁層20内において接続配線123および端子電極51の周縁部の間に介在し、平面視において端子電極51の周縁部に沿って延びる帯状に形成されている。つまり、接続配線123および端子電極51は、この形態では、複数の内側ビア電極126およびシールビア電極132の双方によって電気的に接続されている。シールビア電極132は、絶縁層20内に形成されたビア開口41に埋設されている。
【0300】
シールビア電極132は、平面視において複数の内側ビア電極126から間隔を空けて端子電極51の周縁部に対向するように端子電極51の内方部から周縁部側に間隔を空けて配置されている。シールビア電極132は、平面視において端子電極51の辺に沿って平行に延びている。シールビア電極132は、平面視において接続配線123の周縁部および端子電極51の周縁部の間に介在している。シールビア電極132は、この形態では、平面視において端子電極51の内方部を取り囲む環状(この形態では四角環状)に形成され、複数の内側ビア電極126が配列された領域を取り囲んでいる。
【0301】
シールビア電極132は、端子電極51の中央に対して端子電極51の周縁に近接する領域に配置されていることが好ましい。つまり、シールビア電極132は、端子電極51の中央から端子電極51の周縁に第5距離D5を空けて配置され、端子電極51の周縁から端子電極51の中央に第5距離D5未満の第6距離D6(D6<D5)を空けて配置されてことが好ましい。第5距離D5および第6距離D6は、シールビア電極132において端子電極51の内方部側の内縁を基準としている。
【0302】
シールビア電極132は、配線ビア電極33と同様に、ビア開口41の内壁側からこの順に積層されたビアバリア膜42およびビア主電極43をそれぞれ含む。シールビア電極132は、この形態では、配線ビア電極33と同様にタングステンプラグ電極からなる。
シールビア電極132は、図50A図50Bに示される種々の形態を採り得る。図50Aは、図49に示す半導体装置221を第2形態例に係るシールビア電極132と共に示す拡大図である。図50Aを参照して、第2形態例では、複数(この形態では2つ)のシールビア電極132が形成されている。複数のシールビア電極132は、第1シールビア電極132Aおよび第2シールビア電極132Bを含む。
【0303】
第1~第2シールビア電極132A~132Bは、平面視において端子電極51の周縁部に対向するように、端子電極51の内方部から周縁部側に間隔を空けてこの順に配置されている。第1シールビア電極132Aは、平面視において複数の内側ビア電極126から間隔を空けて端子電極51の周縁に沿って延びるライン状に形成されている。第1シールビア電極132Aは、具体的には、平面視において端子電極51の内方部を取り囲む環状(この形態では四角環状)に形成され、接続配線123において複数の内側ビア電極126が形成された領域を取り囲んでいる。
【0304】
第2シールビア電極132Bは、平面視において端子電極51の周縁および第1シールビア電極132Aの間に配置され、端子電極51の周縁に沿って延びるライン状に形成されている。第2シールビア電極132Bは、具体的には、平面視において第1シールビア電極132Aを取り囲む環状(この形態では四角環状)に形成されている。
第1~第2シールビア電極132A~132Bは、端子電極51の中央に対して端子電極51に周縁に近接する領域に配置されていることが好ましい。第1シールビア電極132Aは、端子電極51の中央から端子電極51の周縁に第5距離D5を空けて配置され、端子電極51の周縁から端子電極51の中央に第5距離D5未満の第6距離D6(D6<D5)を空けて配置されてことが好ましい。第5距離D5および第6距離D6は、第1シールビア電極132Aにおいて端子電極51の内方部側の内縁を基準としている。
【0305】
図50Bは、図49に示す半導体装置221を第3形態例に係るシールビア電極132と共に示す拡大図である。図50Bを参照して、第3形態例に係るシールビア電極132は、この形態では、端子電極51の周縁に沿って間隔を空けてライン状に配列された複数(この形態では4個)のセグメント部133を含む。
第3形態例に係るシールビア電極132は、第1形態例に係るシールビア電極132を複数の除去部134によって複数のセグメント部133に分割した形態を有していると見なせる。この形態では、複数の除去部134がシールビア電極132の角部(具体的には四隅)に形成され、各セグメント部133が端子電極51の各辺に沿って延びるライン状に形成されている。
【0306】
第1~第3形態例に係るシールビア電極132のうちの少なくとも2つのシールビア電極132の特徴が組み合わされた形態を有するシールビア電極132が採用されてもよい。
以上、半導体装置231によっても、第18実施形態に係る半導体装置221に対して述べた効果を奏することができる。また、半導体装置231は、シールビア電極132を含む。シールビア電極132は、接続配線123および端子電極51に接続されるように絶縁層20内において接続配線123および端子電極51の周縁部の間に介在し、平面視において端子電極51の周縁部に沿って延びる帯状に形成されている。
【0307】
この構造によれば、仮に、端子電極51を起点とするクラックが生じた場合であっても、シールビア電極132によって当該クラックを終端させることができる。これにより、平面視において端子電極51外へのクラックの拡張を抑制できる。シールビア電極132は、平面視において端子電極51の内方部を取り囲む環状に形成されていることが好ましい。この構造によれば、端子電極51の全周に亘って、クラックの拡張を抑制できる。
【0308】
図51は、図45に対応し、本発明の第20実施形態に係る半導体装置241を第1形態例に係る外側ダミー配線72と共に示す拡大図である。図52は、図51に示すLII-LII線に沿う断面図である。以下、第18実施形態に係る半導体装置221等に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図51および図52を参照して、半導体装置241は、第1形態例に係る内側ビア電極126を含む。むろん、半導体装置241は、第1形態例に係る内側ビア電極126に代えて、第2~第6形態例に係る内側ビア電極126(図48A図48E参照)のいずれか1つを含んでいてもよい。また、半導体装置241は、第1形態例に係る内側ビア電極126に代えて、第1~第6形態例に係る内側ビア電極126のうちの少なくとも2つの内側ビア電極126の特徴が組み合わされた形態を有する内側ビア電極126を含んでいてもよい。
【0309】
半導体装置241は、平面視において少なくとも端子電極51および多層配線領域30の間の領域に位置するように複数の接続領域122内にそれぞれ配置された複数の外側ダミー配線72(ダミー配線)を含む。図51および図52では、1つの端子電極51(第1端子電極51A)の下方に1つの外側ダミー配線72が配置された形態が示されている。また、図51では、外側ダミー配線72がハッチングによって示されている。以下、1つの外側ダミー配線72を例にとって説明する。
【0310】
外側ダミー配線72は、平面視において接続配線123、端子電極51および多層配線領域30(複数の配線32)から離間して配置され、接続配線123、多層配線31(複数の配線32)および端子電極51から電気的に独立している。つまり、外側ダミー配線72は、複数のデバイス領域8からも電気的に独立している。外側ダミー配線72は、具体的には、電気的浮遊状態に形成されている。
【0311】
外側ダミー配線72は、多層配線31に対して端子電極51に近接する領域に配置されていることが好ましい。つまり、外側ダミー配線72は、平面視において端子電極51から多層配線31側に第3距離D3を空けて配置され、多層配線31から端子電極51側に第3距離D3を超える第4距離D4(D3<D4)を空けて配置されてことが好ましい。第3距離D3および第4距離D4は、外側ダミー配線72において多層配線領域30側の外縁を基準としている。
【0312】
外側ダミー配線72は、接続領域122内において半導体チップ2に対して端子電極51に近接する領域に配置されていることが好ましい。つまり、外側ダミー配線72は、半導体チップ2から絶縁層20の厚さ方向に第3間隔S3を空けて配置され、端子電極51から絶縁層20の厚さ方向に第3間隔S3未満の第4間隔S4(S4<S3)を空けて配置されてことが好ましい。外側ダミー配線72は、この形態では、最上の層間絶縁膜22(第4層間絶縁膜22D)の直下に位置する第3層間絶縁膜22Cの上に膜状に形成されている。つまり、外側ダミー配線72は、接続配線123と同一層に配置されている。
【0313】
外側ダミー配線72は、平面視において複数のデバイス領域8外の領域(外側領域9)に対向している。外側ダミー配線72は、この形態では、平面視において複数の分離構造11によって取り囲まれた領域(分離領域12)に対向している。つまり、外側ダミー配線72は、平面視において外側ダイオード15に対向している。外側ダミー配線72は、平面視において分離構造11から内方に間隔を空けて分離領域12に対向していてもよい。
【0314】
外側ダミー配線72は、この形態では、絶縁層20の一部のみを挟んで半導体チップ2(外側ダイオード15)に対向していることが好ましい。つまり、接続領域122において外側ダミー配線72の直下の領域に多層配線31の一部が形成されていないことが好ましい。
外側ダミー配線72の直下の領域において、絶縁層20の厚さ方向に外側ダミー配線72および半導体チップ2を結ぶ電流経路は、絶縁層20の一部および外側ダイオード15によってそれぞれ遮蔽されている。むろん、接続領域122において外側ダミー配線72の直下の領域に多層配線31の一部が形成されていてもよい。この場合、外側ダイオード15の直上に多層配線31の最下の配線32(第1配線32A)が形成されていてないことが好ましい。
【0315】
外側ダミー配線72は、平面視において接続配線123に沿って延びるライン状に形成されている。外側ダミー配線72は、平面視において少なくとも多層配線領域30(異電位配線53)に沿う部分に形成されていることが好ましい。外側ダミー配線72は、平面視において絶縁主面21の面方向に沿って複数の内側ビア電極126に対向している。外側ダミー配線72は、平面視において接続配線123に複数方向から対向していることが好ましい。
【0316】
外側ダミー配線72は、具体的には、平面視において引き出し配線125から間隔を空けて接続配線123を取り囲むように接続配線123に沿って延びている。外側ダミー配線72は、複数の配線32と同様に、第1主面3側からこの順に積層された第1バリア膜34、主配線膜35および第2バリア膜36を含む。
外側ダミー配線72は、図53A図53Dに示される種々の形態を採り得る。図53Aは、図51に示す半導体装置241を第2形態例に係る外側ダミー配線72と共に示す拡大図である。図53Aを参照して、第2形態例では、複数(この形態では2つ)の外側ダミー配線72が形成されている。複数の外側ダミー配線72は、第1外側ダミー配線72Aおよび第2外側ダミー配線72Bを含む。
【0317】
第1~第2外側ダミー配線72A~72Bは、平面視において少なくとも端子電極51および多層配線領域30の間の領域に位置するように複数の接続領域122内にそれぞれ配置されている。第1~第2外側ダミー配線72A~72Bは、平面視において端子電極51から多層配線領域30側に向けてこの順に配置されている。
第1外側ダミー配線72Aは、この形態では、平面視において端子電極51に沿って延びるライン状に形成されている。第1外側ダミー配線72Aは、具体的には、平面視において引き出し配線125から間隔を空けて接続配線123を取り囲むように延びている。第2外側ダミー配線72Bは、この形態では、端子電極51に沿って延びるライン状に形成されている。第2外側ダミー配線72Bは、具体的には、平面視において引き出し配線125から間隔を空けて第1外側ダミー配線72Aを取り囲むように延びている。
【0318】
第1~第2外側ダミー配線72A~72Bは、多層配線31に対して端子電極51に近接する領域に配置されていることが好ましい。つまり、第2外側ダミー配線72Bは、端子電極51から多層配線31側に第3距離D3を空けて配置され、多層配線31から端子電極51側に第3距離D3を超える第4距離D4(D3<D4)を空けて配置されてことが好ましい。第3距離D3および第4距離D4は、第2外側ダミー配線72Bにおいて多層配線領域30側の外縁を基準としている。
【0319】
この形態では、第1~第2外側ダミー配線72A~72Bが、同一層(第3層間絶縁膜22C)の上に配置された例について説明した。しかし、第1~第2外側ダミー配線72A~72Bは、異なる層に配置されていてもよい。たとえば、第1外側ダミー配線72Aが第3層間絶縁膜22Cの上に配置される一方で、第2外側ダミー配線72Bが第2層間絶縁膜22Bの上に配置されてもよい。この場合、第2外側ダミー配線72Bは、平面視において端子電極51(接続配線123)を取り囲む環状に形成されていてもよい。
【0320】
また、第1外側ダミー配線72Aが第2層間絶縁膜22Bの上に配置される一方で、第2外側ダミー配線72Bが第3層間絶縁膜22Cの上に配置されてもよい。これらの場合においても、第1~第2外側ダミー配線72A~72Bは、半導体チップ2に対して端子電極51に近接するように配置されることが好ましい。この場合、第1外側ダミー配線72Aは、平面視において端子電極51(接続配線123)を取り囲む環状に形成されていてもよい。
【0321】
図53Bは、図51に示す半導体装置241を第3形態例に係る外側ダミー配線72と共に示す拡大図である。図53Bを参照して、第3形態例に係る外側ダミー配線72は、平面視において端子電極51に沿って間隔を空けてドット状に配列された複数のセグメント部73を含む。
第3形態例に係る外側ダミー配線72は、第1形態例に係る外側ダミー配線72を複数の除去部74によって複数のセグメント部73に分割した形態を有していると見なせる。複数のセグメント部73は、端子電極51に沿って一列に並んで配列されている。各セグメント部73は、平面視において四角形状に形成されている。各セグメント部73の平面形状は任意であり、円形状や多角形状に形成されていてもよい。
【0322】
図53Cは、図51に示す半導体装置241を第4形態例に係る外側ダミー配線72と共に示す拡大図である。図53Cを参照して、第4形態例に係る外側ダミー配線72は、端子電極51の周縁に沿って間隔を空けてライン状に配列された複数(この形態では5個)のセグメント部73を含む。
第4形態例に係る外側ダミー配線72は、第1形態例に係る外側ダミー配線72を複数の除去部74によって複数のセグメント部73に分割した形態を有していると見なせる。この形態では、複数の除去部74が外側ダミー配線72の角部(具体的には四隅)に形成され、各セグメント部73が端子電極51の各辺に沿って延びるライン状に形成されている。
【0323】
図53Dは、図51に示す半導体装置241を第5形態例に係る外側ダミー配線72と共に示す拡大図である。図53Dを参照して、第5形態例に係る外側ダミー配線72は、平面視において接続配線123を取り囲むように、接続配線123および引き出し配線125のいずれか一方または双方(この形態では引き出し配線125)から引き出されている。外側ダミー配線72は、この形態では、接続配線123、端子電極51および多層配線領域30に電気的に接続されている。外側ダミー配線72は、この形態では、平面視において接続配線123を取り囲む環状に形成されている。
【0324】
第1~第5形態例に係る外側ダミー配線72のうちの少なくとも2つの外側ダミー配線72の特徴が組み合わされた形態を有する外側ダミー配線72が採用されてもよい。
以上、半導体装置241によっても、第18実施形態に係る半導体装置221に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。また、半導体装置241は、外側ダミー配線72(ダミー配線)を含む。外側ダミー配線72は、平面視において少なくとも端子電極51および多層配線領域30の間の領域に位置するように接続領域122内に配置されている。
【0325】
この構造によれば、仮に、端子電極51を起点とするクラックが生じたとしても、当該クラックを外側ダミー配線72によって終端させることができる。これにより、平面視において接続領域122外へのクラックの拡張を抑制できる。つまり、接続領域122から多層配線領域30へのクラックの拡張を外側ダミー配線72によって抑制できる。
図54は、図45に対応し、本発明の第21実施形態に係る半導体装置251を第1形態例に係るシールビア電極132および第1形態例に係る外側ダミー配線72と共に示す拡大図である。以下、第18実施形態に係る半導体装置221等に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0326】
図54を参照して、半導体装置251は、第19実施形態に係るシールビア電極132(図49参照)および第20実施形態に係る外側ダミー配線72(図51参照)を含む。半導体装置251は、この形態では、第1形態例に係るシールビア電極132および第1形態例に係る外側ダミー配線72を含む。
むろん、半導体装置251は、第1形態例に係るシールビア電極132に代えて、第2~第3形態例に係るシールビア電極132(図50A図50B参照)のいずれか1つを含んでいてもよい。また、半導体装置251は、第1形態例に係るシールビア電極132に代えて、第1~第3形態例に係るシールビア電極132のうちの少なくとも2つのシールビア電極132の特徴が組み合わされた形態を有するシールビア電極132を含んでいてもよい。
【0327】
また、半導体装置251は、第1形態例に係る外側ダミー配線72に代えて、第2~第5形態例に係る外側ダミー配線72(図53A図53D参照)のいずれか1つを含んでいてもよい。また、半導体装置251は、第1形態例に係る外側ダミー配線72に代えて、第1~第5形態例に係る外側ダミー配線72のうちの少なくとも2つの外側ダミー配線72の特徴が組み合わされた形態を有する外側ダミー配線72を含んでいてもよい。
【0328】
以上、半導体装置251によれば、第19実施形態に係る半導体装置231に対して述べた効果、および、第20実施形態に係る半導体装置241に対して述べた効果を奏することができる。
図55は、図47に対応し、本発明の第22実施形態に係る半導体装置261を第1形態例に係る外側ダミー配線72と共に示す断面図である。以下、第18実施形態に係る半導体装置221等に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0329】
図55を参照して、半導体装置261は、第1形態例に係る内側ビア電極126を含む。むろん、半導体装置261は、第1形態例に係る内側ビア電極126に代えて、第2~第6形態例に係る内側ビア電極126(図48A図48E参照)のいずれか1つを含んでいてもよい。また、半導体装置261は、第1形態例に係る内側ビア電極126に代えて、第1~第6形態例に係る内側ビア電極126のうちの少なくとも2つの内側ビア電極126の特徴が組み合わされた形態を有する内側ビア電極126を含んでいてもよい。
【0330】
半導体装置261は、第1形態例に係る外側ダミー配線72に加えて、接続領域122内に配置された外側ビア電極102を含む。外側ビア電極102は、接続領域122内に形成されたビア開口41に埋設されている。外側ビア電極102は、接続領域122内において外側ダミー配線72に接続されるように端子電極51および外側ダミー配線72の間の厚さ位置に埋設されている。外側ビア電極102は、端子電極51には接続されていない。
【0331】
外側ビア電極102は、電気的浮遊状態に形成されていることが好ましい。つまり、外側ビア電極102は、外側ダミー配線72を電気的浮遊状態に固定していることが好ましい。外側ビア電極102は、この形態では、平面視において引き出し配線125から間隔を空けて外側ダミー配線72に沿って延びるライン状に形成されている。外側ビア電極102は、外側ダミー配線72は、平面視において少なくとも多層配線領域30(異電位配線53)に沿う部分に形成されていることが好ましい。外側ビア電極102は、平面視において引き出し配線125から間隔を空けて端子電極51を取り囲むように延びている。
【0332】
具体的な図示は省略されるが、外側ビア電極102は、外側ダミー配線72に沿って間隔を空けてドット状に分離配列された複数のセグメント部を有していてもよい。また、外側ビア電極102は、外側ダミー配線72に沿って間隔を空けてライン状に分離配列された複数のセグメント部を有していてもよい。
外側ビア電極102は、配線ビア電極33と同様に、ビア開口41の内壁側からこの順に積層されたビアバリア膜42およびビア主電極43をそれぞれ含む。外側ビア電極102は、この形態では、配線ビア電極33と同様にタングステンプラグ電極からなる。最上絶縁膜54は、この形態では、絶縁層20の上において外側ビア電極102の全域を被覆している。
【0333】
この形態では、半導体装置261が第1形態例に係る外側ダミー配線72を含む例について説明した。しかし、半導体装置261は、第1形態例に係る外側ダミー配線72に代えて、第2~第5形態例に係る外側ダミー配線72(図53A図53D参照)のいずれか1つを含んでいてもよい。これらの場合において、外側ビア電極102は、外側ダミー配線72に沿ってライン状、環状またはドット状に形成されていてもよい。
【0334】
また、半導体装置261は、第1形態例に係る外側ダミー配線72に代えて、第1~第5形態例に係る外側ダミー配線72のうちの少なくとも2つの外側ダミー配線72の特徴が組み合わされた形態を有する外側ダミー配線72を含んでいてもよい。この場合において、外側ビア電極102は、外側ダミー配線72に沿ってライン状、環状またはドット状に形成されていてもよい。
【0335】
以上、半導体装置261によっても、第20実施形態に係る半導体装置241に対して述べた効果を奏することができる。また、半導体装置261は、外側ダミー配線72に加えて、接続領域122内に配置された外側ビア電極102を含む。外側ビア電極102は、接続領域122内において外側ダミー配線72に接続されるように端子電極51および外側ダミー配線72の間の厚さ位置に埋設されている。この構造によれば、仮に、端子電極51を起点とするクラックが生じた場合であっても、外側ビア電極102によって当該クラックを終端させることができる。むろん、外側ビア電極102は、第11実施形態に係る半導体装置151にも適用できる。
【0336】
図56は、図46に対応し、本発明の第23実施形態に係る半導体装置271を第1形態例に係る多孔質領域112と共に示す断面図である。以下、第18実施形態に係る半導体装置221等に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図56を参照して、半導体装置271は、第1形態例に係る内側ビア電極126を含む。むろん、半導体装置271は、第1形態例に係る内側ビア電極126に代えて、第2~第6形態例に係る内側ビア電極126(図48A図48E参照)のいずれか1つを含んでいてもよい。また、半導体装置271は、第1形態例に係る内側ビア電極126に代えて、第1~第6形態例に係る内側ビア電極126のうちの少なくとも2つの内側ビア電極126の特徴が組み合わされた形態を有する内側ビア電極126を含んでいてもよい。
【0337】
半導体装置271は、前述の第7実施形態の場合と同様に、絶縁層20の表層部に形成された多孔質領域112を含む。多孔質領域112は、絶縁層20において複数の空孔が導入された領域からなり、この形態では、最上の層間絶縁膜22(第4層間絶縁膜22D)を利用して形成されている。つまり、多孔質領域112は、多層配線領域30の表層部、および、接続領域122の表層部に形成されている。
【0338】
複数の空孔は、絶縁層20の表層部において絶縁層20の厚さ方向および面方向に間隔を空けて形成されている。つまり、複数の空孔は、最上の層間絶縁膜22(第4層間絶縁膜22D)内において最上の層間絶縁膜22の厚さ方向および幅方向に間隔を空けて形成されている。複数の空孔は、1nm以上500nm以下の範囲で不揃いのサイズをそれぞれ有している。多孔質領域112は、1nm以上100nm以下の範囲に収まる複数の空孔を有していることが好ましい。多孔質領域112は、1nm以上10nm以下の範囲に収まる複数の空孔を有していることが特に好ましい。
【0339】
接続配線123は、多孔質領域112に接するように接続領域122内に配置されている。接続配線123は、この形態では、第3層間絶縁膜22Cの上に配置され、多孔質領域112によって被覆されている。端子電極51は、接続領域122において多孔質領域112が形成された部分の上に配置されている。
端子電極51は、この形態では、接続領域122において多孔質領域112を挟んで接続配線123に対向している。つまり、端子電極51は、多孔質領域112および接続領域122を挟んで半導体チップ2に対向している。端子電極51は、多孔質領域112の厚さ未満の厚さを有していることが好ましい。複数の内側ビア電極126は、多孔質領域112内において接続領域122および端子電極51に接続されている。
【0340】
多孔質領域112は、図57に示される形態を採り得る。図57は、図56に示す半導体装置271を第2形態例に係る多孔質領域112と共に示す断面図である。第2形態例に係る多孔質領域112は、絶縁層20の厚さ方向の全域に形成されている。つまり、絶縁層20は、多孔質絶縁層113からなる。また、多層配線31は多孔質絶縁層113内に形成され、接続配線123は多孔質絶縁層113内に形成されている。接続配線123は多孔質絶縁層113の一部を挟んで半導体チップ2に対向し、端子電極51は多孔質絶縁層113の一部を挟んで接続配線123に対向している。
【0341】
以上、半導体装置271によっても、半導体装置221に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。また、半導体装置271は、少なくとも絶縁層20の表層部に形成された多孔質領域112を含む。多孔質領域112は、絶縁層20において複数の空孔が導入された領域からなる。この構造によれば、多孔質領域112によって絶縁層20の表層部における弾性率を低下させることができる。
【0342】
これにより、端子電極51に対する導線312の接続時の応力を多孔質領域112によって緩和できる。また、仮に、端子電極51を起点とするクラックが生じたとしても、当該クラックに起因する衝撃を複数の空孔によって解放(緩和)し、クラックを終端させることができる。これにより、クラックの拡張を抑制できる。第17実施形態に係る多孔質領域112は、第18実施形態の他、第19~第22実施形態にも適用できる。
【0343】
図58は、図6に対応し、本発明の第24実施形態に係る半導体装置281を示す断面図である。以下、半導体装置221等に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
半導体装置281は、複数の端子電極51の上にそれぞれ形成された複数のパッド電極282を含む。図58では、1つの端子電極51(第1端子電極51A)の上に形成された1つのパッド電極282が示されている。以下、1つのパッド電極282を例にとって説明する。パッド電極282は、端子電極51において対応するパッド開口55から露出する部分の上にそれぞれ形成されている。
【0344】
パッド電極282は、導線312に接続されることによって、導線312および端子電極51を電気的に接続させる。パッド電極282は、端子電極51の面方向に沿って延び、パッド開口55の壁部に接している。パッド電極282は、パッド開口55を埋め戻し、最上絶縁膜54の主面から上方に突出している。パッド電極282は、この形態では、最上絶縁膜54の主面にオーバラップしている。
【0345】
パッド電極282は、めっき膜からなることが好ましい。パッド電極282は、導線312対する親和性が端子電極51よりも高い金属めっき膜からなることが特に好ましい。パッド電極282は、貴金属めっき膜からなることが最も好ましい。パッド電極282は、この形態では、端子電極51側からこの順に積層されたNi膜283、Pd膜284およびAu膜285を含む積層構造を有している。Ni膜283、Pd膜284およびAu膜285は、めっき膜からそれぞれなる。
【0346】
Ni膜283は、端子電極51の面方向に沿って延び、パッド開口55の壁部に接している。Ni膜283は、パッド開口55を埋め戻し、最上絶縁膜54の主面から上方に突出している。Ni膜283は、この形態では、最上絶縁膜54の主面にオーバラップしている。Pd膜284は、Ni膜283の外面に沿って膜状に形成され、最上絶縁膜54の主面にオーバラップしている。Pd膜284は、Ni膜283の厚さ未満の厚さを有していることが好ましい。Au膜285は、Pd膜284の外面に沿って膜状に形成され、最上絶縁膜54の主面にオーバラップしている。Au膜285は、Pd膜284の厚さ未満の厚さを有していることが好ましい。
【0347】
パッド電極282は、必ずしもNi膜283、Pd膜284およびAu膜285の全てを含む必要はなく、Ni膜283、Pd膜284およびAu膜285のうちの少なくとも1つを含んでいればよい。
以上、半導体装置281によっても半導体装置221に対して述べた効果と同様の効果を奏することができる。むろん、パッド電極282が形成された構造は、第1実施形態の他、第2~第23実施形態にも適用できる。
【0348】
本発明の実施形態は、さらに他の形態で実施できる。
前述の各実施形態では、外側ダイオード15が形成された例について説明した。しかし、前述の各実施形態において、外側ダイオード15が取り除かれた形態が採用されてもよい。この構造によれば、外側ダイオード15に係る効果を得ることはできないが、それ以外の効果については前述の各実施形態において述べた効果と同様の効果を奏することができる。
【0349】
前述の各実施形態では、半導体チップ2がシリコンチップからなる例について説明した。しかし、半導体チップ2は、ワイドバンドギャップ半導体からなる半導体チップからなっていてもよい。ワイドバンドギャップ半導体は、シリコンのバンドギャップよりも大きいバンドギャップを有する半導体である。ワイドバンドギャップ半導体としては、GaN(窒化ガリウム)やSiC(炭化シリコン)が例示される。
【0350】
この明細書では、第1~第24実施形態について説明したが、第1~第24実施形態に示された特徴の少なくとも2つが組み合わされた形態を有する半導体装置が採用されてもよい。
以下、この明細書および図面から抽出される特徴の例を示す。以下の[A1]~[A20]、[B1]~[B20]、[C1]~[C20]、[D1]~[D20]、[E1]~[E20]、および、[F1]~[F20]は、端子電極の信頼性を向上できる半導体装置を提供する。
【0351】
[A1]チップ(2)と、前記チップ(2)に形成された回路素子(10)と、前記回路素子(10)を被覆するように前記チップ(2)の上に形成された絶縁層(20)と、前記回路素子(10)に電気的に接続されるように前記絶縁層(20)の厚さ方向に積層配置された複数の配線(32)を有し、前記絶縁層(20)内に形成された多層配線領域(30)と、前記絶縁層(20)の厚さ方向の全域に前記配線(32)を有さず、前記絶縁層(20)内において前記多層配線領域(30)外の領域に形成された絶縁領域(50)と、前記絶縁領域(50)を挟んで前記チップ(2)に対向するように前記絶縁層(20)の上に配置された端子電極(51)と、を含む、半導体装置。
【0352】
[A2]前記多層配線領域(30)は、前記絶縁層(20)において前記回路素子(10)を被覆する部分に形成され、前記絶縁領域(50)は、前記絶縁層(20)において前記回路素子(10)外を被覆する部分に形成され、前記端子電極(51)は、前記チップ(2)において前記回路素子(10)外の領域に対向している、A1に記載の半導体装置。
【0353】
[A3]前記チップ(2)の表層部において前記回路素子(10)外の領域に形成された陽極領域(16)、および、前記陽極領域(16)の表層部に形成された陰極領域(17)を含む整流器(15)をさらに含み、前記絶縁領域(50)は、前記絶縁層(20)において前記整流器(15)を被覆する部分に形成され、前記端子電極(51)は、前記整流器(15)に対向している、A1またはA2に記載の半導体装置。
【0354】
[A4]前記陰極領域(17)は、電気的に浮遊状態に形成されている、A3に記載の半導体装置。
[A5]前記端子電極(51)に部分的に対向するように前記絶縁領域(50)内に配置され、複数の前記配線(32)から電気的に独立したダミー配線(62)をさらに含む、A1~A4のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0355】
[A6]前記ダミー配線(62)は、平面視において前記端子電極(51)の周縁部に沿ってドット状、ライン状、または、環状に形成されている、A5に記載の半導体装置。
[A7]前記ダミー配線(62)は、電気的に浮遊状態に形成されている、A5またはA6に記載の半導体装置。
[A8]前記絶縁領域(50)において前記端子電極(51)および前記ダミー配線(62)の間に介在し、前記端子電極(51)および前記ダミー配線(62)を電気的に接続するダミービア電極(92)をさらに含む、A5~A7のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0356】
[A9]平面視において前記端子電極(51)および前記多層配線領域(30)の間の領域に位置するように前記絶縁層(20)内に配置され、複数の前記配線(32)から電気的に独立した外側ダミー配線(72)をさらに含む、A1~A8のいずれか一つに記載の半導体装置。
[A10]前記外側ダミー配線(72)は、平面視において前記端子電極(51)に沿ってドット状、ライン状、または、環状に形成されている、A9に記載の半導体装置。
【0357】
[A11]前記外側ダミー配線(72)は、電気的に浮遊状態に形成されている、A9またはA10に記載の半導体装置。
[A12]前記絶縁領域(50)内において、前記外側ダミー配線(72)に接続されるように前記端子電極(51)および前記外側ダミー配線(72)の間の厚さ位置に埋設された外側ビア電極(102)をさらに含む、A9~A11のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0358】
[A13]前記絶縁層(20)の一部を挟んで前記配線(32)に対向するように前記端子電極(51)から前記絶縁層(20)の上に引き出された引き出し電極(52)と、前記絶縁層(20)内において前記引き出し電極(52)および前記配線(32)の間に介在し、前記引き出し電極(52)および前記配線(32)を電気的に接続するビア電極(33)と、をさらに含む、A1~A12のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0359】
[A14]複数の前記端子電極(51)を含む、A1~A13のいずれか一つに記載の半導体装置。
[A15]複数の前記絶縁領域(50)を含、A1~A14のいずれか一つに記載の半導体装置。
[A16]前記絶縁層(20)において複数の空孔が導入された領域からなり、少なくとも前記絶縁層(20)の表層部に形成された多孔質領域(112、113)をさらに含み、前記端子電極(51)は、前記絶縁層(20)の前記多孔質領域(112、113)の上に配置されている、A1~A15のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0360】
[A17]前記端子電極(51)の上に形成されたパッド電極(282)をさらに含む、A1~A16のいずれか一つに記載の半導体装置。
[A18]チップ(2)と、前記チップ(2)を被覆する絶縁層(20)と、前記絶縁層(20)内で多層配線(31)を形成する複数の配線(32)と、前記絶縁層(20)のみを挟んで前記チップ(2)に対向するように、平面視において複数の前記配線(32)から離間して前記絶縁層(20)の上に配置された端子電極(51)と、を含む、半導体装置。
【0361】
[A19]前記チップ(2)の表層部に形成された陽極領域(16)、および、前記陽極領域(16)の表層部に形成された陰極領域(17)を含む整流器(15)をさらに含み、前記絶縁層(20)は、前記整流器(15)を被覆し、前記端子電極(51)は、前記絶縁層(20)のみを挟んで前記整流器(15)に対向している、A18に記載の半導体装置。
【0362】
[A20]前記絶縁層(20)の一部を挟んで前記配線(32)に対向するように、前記端子電極(51)から前記絶縁層(20)の上に引き出された引き出し電極(52)と、前記絶縁層(20)内において前記引き出し電極(52)および前記配線(32)の間に介在し、前記引き出し電極(52)および前記配線(32)を電気的に接続するビア電極(33)と、をさらに含む、A18またはA19に記載の半導体装置。
【0363】
[B1]チップ(2)と、前記チップ(2)の上に形成された絶縁層(20)と、前記絶縁層(20)内に配置された接続配線(123)と、前記接続配線(123)に形成された複数の貫通孔(124)と、前記接続配線(123)に対向するように前記絶縁層(20)の上に配置された端子電極(51)と、を含む、半導体装置。
[B2]前記端子電極(51)は、複数の前記貫通孔(124)の全てに対向している、B1に記載の半導体装置。
【0364】
[B3]複数の前記貫通孔(124)が、前記接続配線(123)の内方部に形成されている、B1またはB2に記載の半導体装置。
[B4]複数の前記貫通孔(124)は、平面視において前記接続配線(123)の内方部から周縁部の全周に向けて間隔を空けて配列されている、B1~B3のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0365】
[B5]複数の前記貫通孔(124)は、前記接続配線(123)の電極面に沿う第1方向(X)、および、前記第1方向(X)に交差する第2方向(Y)に間隔を空けて配列されている、B1~B4のいずれか一つに記載の半導体装置。
[B6]複数の前記貫通孔(124)は、前記接続配線(123)に複数の十字路部が区画されるように行列状に配列されている、B1~B5のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0366】
[B7]複数の前記貫通孔(124)は、前記接続配線(123)に複数のT字路部が区画されるように千鳥状に配列されている、B1~B6のいずれか一つに記載の半導体装置。
[B8]複数の前記貫通孔(124)は、前記接続配線(123)の周縁によって取り囲まれた領域の平面積に占める総面積の割合が20%以上80%以下となるように配列されている、B1~B7のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0367】
[B9]前記接続配線(123)および前記端子電極(51)を電気的に接続するように前記絶縁層(20)内において前記接続配線(123)および前記端子電極(51)の間に介在するビア電極(126、132)をさらに含む、B1~B8のいずれか一つに記載の半導体装置。
[B10]前記ビア電極(126、132)は、平面視において複数の前記貫通孔(124)から間隔を空けて前記端子電極(51)の周縁部に形成されている、B9に記載の半導体装置。
【0368】
[B11]複数の前記ビア電極(126)が、平面視において前記端子電極(51)の周縁部に沿って一列に並んで配列されている、B9またはB10に記載の半導体装置。
[B12]前記ビア電極(132)は、平面視において前記端子電極(51)の周縁部に沿って帯状に延びている、B9またはB10に記載の半導体装置。
[B13]前記ビア電極(132)は、平面視において複数の前記貫通孔(124)を取り囲む環状に形成されている、B12に記載の半導体装置。
【0369】
[B14]前記チップ(2)に形成された回路素子(10)と、前記回路素子(10)に電気的に接続されるように前記絶縁層(20)の厚さ方向に積層配置された複数の配線(32)と、をさらに含み、前記接続配線(123)は、複数の前記配線(32)のうちの少なくとも1つに電気的に接続されている、B1~B13のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0370】
[B15]平面視において前記端子電極(51)および前記配線(32)の間に位置するように前記絶縁層(20)内に配置されたダミー配線(72)をさらに含む、B13またはB14に記載の半導体装置。
[B16]前記ダミー配線は、平面視において前記端子電極に沿って延びる帯状に形成されている、B15に記載の半導体装置。
【0371】
[B17]前記接続配線(123)は、前記絶縁層(20)のみを挟んで前記チップ(2)に対向している、B1~B16のいずれか一つに記載の半導体装置。
[B18]前記チップ(2)の表層部に形成された陽極領域(16)、および、前記陽極領域(16)の表層部に形成された陰極領域(17)を含む整流器(15)をさらに含み、前記絶縁層(20)は、前記整流器(15)を被覆し、前記接続配線(123)は、前記絶縁層(20)を挟んで前記整流器(15)に対向している、B1~B17のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0372】
[B19]前記絶縁層(20)において複数の空孔が導入された領域からなり、少なくとも前記絶縁層(20)の表層部に形成された多孔質領域(112、113)をさらに含み、前記接続配線(123)は、前記多孔質領域(112、113)に接するように前記絶縁層(20)内に配置され、複数の前記貫通孔(124)には、前記多孔質領域(112、113)の一部がそれぞれ充填され、前記端子電極(51)は、前記多孔質領域(112、113)を被覆している、B1~B18のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0373】
[B20]前記端子電極(51)の上に形成されたパッド電極(282)をさらに含む、B1~B19のいずれか一つに記載の半導体装置。
[C1]チップ(2)と、前記チップ(2)の上に形成された絶縁層(20)と、前記絶縁層(20)内に配置された接続配線(123)と、前記接続配線(123)に対向するように前記絶縁層(20)の上に配置された端子電極(51)と、前記接続配線(123)および前記端子電極(51)に接続されるように前記絶縁層(20)内において前記接続配線(123)および前記端子電極(51)の周縁部の間に介在し、平面視において前記端子電極(51)の周縁部に沿って延びる帯状に形成されたシールビア電極(132)と、を含む、半導体装置。
【0374】
[C2]前記シールビア電極(132)は、平面視において前記端子電極(51)の内方部を取り囲む環状に形成されている、C1に記載の半導体装置。
[C3]前記シールビア電極(132)は、前記絶縁層(20)内において前記接続配線(123)および前記端子電極(51)の間の領域において、前記絶縁層(20)のみが配置された閉空間を区画している、C2に記載の半導体装置。
【0375】
[C4]前記シールビア電極(132)は、前記接続配線(123)および前記端子電極(51)を接続する単一の接続部材からなる、C2またはC3に記載の半導体装置。
[C5]前記シールビア電極(132)は、前記接続配線(123)および前記端子電極(51)の間を結ぶ単一の電流経路を形成している、C2~C4のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0376】
[C6]前記シールビア電極(132)は、前記接続配線(123)の周縁部および前記端子電極(51)の周縁部の間に介在している、C1~C5のいずれか一つに記載の半導体装置。
[C7]前記シールビア電極(132)は、前記端子電極(51)の辺に沿って平行に延びている、C1~C6のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0377】
[C8]前記端子電極(51)は、平面視において前記接続配線(123)の周縁に取り囲まれた領域内に配置されている、C1~C7のいずれか一つに記載の半導体装置。
[C9]前記端子電極(51)の全域が、前記接続配線(123)に対向している、C1~C8のいずれか一つに記載の半導体装置。
[C10]前記接続配線(123)は、前記チップ(2)から前記絶縁層(20)の厚さ方向に第1間隔(S5)を空けて前記絶縁層(20)内に配置され、前記端子電極(51)は、前記接続配線(123)から前記絶縁層(20)の厚さ方向に前記第1間隔(S5)未満の第2間隔(S6)を空けて前記絶縁層(20)の上に配置されている、C1~C9のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0378】
[C11]前記チップ(2)に形成された回路素子(10)と、前記回路素子(10)に電気的に接続されるように前記絶縁層(20)の厚さ方向に積層配置された複数の配線(32)と、をさらに含み、前記接続配線(123)は、複数の前記配線(32)のうちの少なくとも1つに電気的に接続されている、C1~C10のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0379】
[C12]前記端子電極(51)は、平面視において複数の前記配線(32)から間隔を空けて前記接続配線(123)の上に配置されている、C11に記載の半導体装置。
[C13]平面視において前記端子電極(51)および前記配線(32)の間に位置するように前記絶縁層(20)内に配置されたダミー配線(72)をさらに含む、C11またはC12に記載の半導体装置。
【0380】
[C14]前記ダミー配線は、平面視において前記端子電極に沿って延びる帯状に形成されている、C13に記載の半導体装置。
[C15]前記接続配線(123)は、前記絶縁層(20)のみを挟んで前記チップ(2)に対向している、C1~C14のいずれか一つに記載の半導体装置。
[C16]前記チップ(2)の表層部に形成された陽極領域(16)、および、前記陽極領域(16)の表層部に形成された陰極領域(17)を含む整流器(15)をさらに含み、前記絶縁層(20)は、前記整流器(15)を被覆し、前記接続配線(123)は、前記絶縁層(20)を挟んで前記整流器(15)に対向している、C1~C15のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0381】
[C17]前記絶縁層(20)において複数の空孔が導入された領域からなり、少なくとも前記絶縁層(20)の表層部に形成された多孔質領域(112、113)をさらに含み、前記端子電極(51)は、前記絶縁層(20)の前記多孔質領域(112、113)の上に配置され、前記シールビア電極(132)は、前記絶縁層(20)の前記多孔質領域(112)に形成されている、C1~C16のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0382】
[C18]前記シールビア電極(132)は、前記接続配線(123)とは異なる金属材料からなる、C1~C17のいずれか一つに記載の半導体装置。
[C19]前記接続配線(123)は、Al系金属層を含み、前記端子電極(51)は、Al系金属層を含み、前記シールビア電極(132)は、W系金属層をそれぞれ含む、C1~C18のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0383】
[C20]前記端子電極(51)の上に形成されたパッド電極(282)をさらに含む、C1~C19のいずれか一つに記載の半導体装置。
[D1]チップ(2)と、前記チップ(2)の上に形成された絶縁層(20)と、前記絶縁層(20)内に配置された接続配線(123)と、前記接続配線(123)に対向するように前記絶縁層(20)の上に配置された端子電極(51)と、前記接続配線(123)および前記端子電極(51)を電気的に接続するように前記絶縁層(20)内において前記接続配線(123)および前記端子電極(51)の間に介在する第1ビア電極(126)と、平面視において前記端子電極(51)の周囲に配置され、前記絶縁層(20)内において前記接続配線(123)および前記端子電極(51)の間の厚さ範囲に形成された第2ビア電極(102)と、を含む、半導体装置。
【0384】
[D2]前記接続配線(123)に横方向に隣り合うように前記絶縁層(20)内に配置され、前記接続配線(123)とは異なる電位が印加される異電位配線(53)をさらに含み、前記端子電極(51)は、平面視において前記異電位配線(53)から間隔を空けて配置され、前記第2ビア電極(102)は、平面視において前記接続配線(123)および前記異電位配線(53)の間の領域に配置されている、D1に記載の半導体装置。
【0385】
[D3]前記第2ビア電極(102)は、前記異電位配線(53)が配置された領域から前記接続配線(123)が配置された領域を区画するように前記接続配線(123)の周囲に配置されている、D2に記載の半導体装置。
[D4]前記第2ビア電極(102)は、平面視において前記端子電極(51)に沿ってライン状に延びている、D1~D3のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0386】
[D5]前記第2ビア電極(102)は、平面視において前記端子電極(51)を取り囲む環状に形成されている、D1~D4のいずれか一つに記載の半導体装置。
[D6]複数の前記第1ビア電極(126)が、前記接続配線(123)および前記端子電極(51)の間に介在している、D1~D5のいずれか一つに記載の半導体装置。
[D7]複数の前記第1ビア電極(126)は、前記接続配線(123)および前記端子電極(51)の周縁部の間に介在し、平面視において前記端子電極(51)の周縁部に沿って間隔を空けて形成されている、D6に記載の半導体装置。
【0387】
[D8]複数の前記第1ビア電極(126)は、前記端子電極(51)の内方部から前記端子電極(51)の周縁部に間隔を空けて形成されている、D6またはD7に記載の半導体装置。
[D9]前記接続配線(123)に形成された複数の貫通孔(124)をさらに含む、D1~D8のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0388】
[D10]複数の前記貫通孔(124)は、平面視において内方部から周縁部の全周に向けて間隔を空けて配列されている、D9に記載の半導体装置。
[D11]前記端子電極(51)は、平面視において前記接続配線(123)の周縁に取り囲まれた領域内に配置されている、D1~D10のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0389】
[D12]前記端子電極(51)の全域が、前記接続配線(123)に対向している、D1~D11のいずれか一つに記載の半導体装置。
[D13]前記接続配線(123)は、前記チップ(2)から前記絶縁層(20)の厚さ方向に第1間隔(S5)を空けて前記絶縁層(20)内に配置され、前記端子電極(51)は、前記接続配線(123)から前記絶縁層(20)の厚さ方向に前記第1間隔(S5)未満の第2間隔(S6)を空けて前記絶縁層(20)の上に配置されている、D1~D12のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0390】
[D14]前記接続配線(123)は、前記絶縁層(20)のみを挟んで前記チップ(2)に対向している、D1~D13のいずれか一つに記載の半導体装置。
[D15]前記チップ(2)の表層部に形成された陽極領域(16)、および、前記陽極領域(16)の表層部に形成された陰極領域(17)を含む整流器(15)をさらに含み、前記絶縁層(20)は、前記整流器(15)を被覆し、前記接続配線(123)は、前記絶縁層(20)を挟んで前記整流器(15)に対向している、D1~D14のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0391】
[D16]前記絶縁層(20)において複数の空孔が導入された領域からなり、少なくとも前記絶縁層(20)の表層部に形成された多孔質領域(112)をさらに含み、前記端子電極(51)は、前記絶縁層(20)の前記多孔質領域(112)の上に配置されている、D1~D15のいずれか一つに記載の半導体装置。
[D17]複数の前記第1ビア電極(126)は、前記接続配線(123)とは異なる金属材料からそれぞれなる、D1~D16のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0392】
[D18]前記接続配線(123)は、Al系金属層を含み、前記端子電極(51)は、Al系金属層を含み、複数の前記第1ビア電極(126)は、W系金属層をそれぞれ含む、D1~D17のいずれか一つに記載の半導体装置。
[D19]前記端子電極(51)の上に形成されたパッド電極(282)をさらに含む、D1~D18のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0393】
[D20]前記パッド電極(282)は、めっき膜を含む、D19に記載の半導体装置。
[E1]チップ(2)と、前記チップ(2)を被覆する絶縁層(20)と、前記絶縁層(20)において複数の空孔が導入された領域からなり、少なくとも前記絶縁層(20)の表層部に形成された多孔質領域(112、113)と、前記多孔質領域(112、113)を被覆するように前記絶縁層(20)の上に配置された端子電極(51)と、を含む、半導体装置。
【0394】
[E2]前記チップ(2)の表層部に形成された陽極領域(16)、および、前記陽極領域(16)の表層部に電気的に浮遊状態に形成された陰極領域(17)を含む浮遊整流器(15)をさらに含み、前記絶縁層(20)は、前記浮遊整流器(15)を被覆し、前記端子電極(51)は、前記絶縁層(20)を挟んで前記浮遊整流器(15)に対向している、E1に記載の半導体装置。
【0395】
[E3]前記端子電極(51)は、前記絶縁層(20)の厚さ未満の厚さを有している、E1またはE2に記載の半導体装置。
[E4]前記端子電極(51)は、前記多孔質領域(112、113)の厚さ未満の厚さを有している、E1~E3のいずれか一つに記載の半導体装置。
[E5]前記絶縁層(20)の厚さ方向の全域に前記多孔質領域(112、113)が形成されている、E1~E4のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0396】
[E6]前記多孔質領域(112、113)は、前記絶縁層(20)において1nm以上100nm以下のサイズをそれぞれ有する複数の前記空孔が導入された領域からなる、E1~E5のいずれか一つに記載の半導体装置。
[E7]前記チップ(2)に形成された回路素子(10)と、前記多孔質領域(112、113)に接するように前記絶縁層(20)内に配置され、前記回路素子(10)に電気的に接続された接続配線(123)と、前記多孔質領域(112、113)を挟んで前記接続配線(123)に対向するように前記絶縁層(20)の上に配置された前記端子電極(51)と、前記接続配線(123)および前記端子電極(51)を電気的に接続するように前記多孔質領域(112、113)内において前記接続配線(123)および前記端子電極(51)の間に介在する複数のビア電極(126)と、をさらに含む、E1~E6のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0397】
[E8]複数の前記ビア電極(126)は、前記端子電極(51)の平面積に占める総面積の割合が50%以上80%以下となるように配列されている、E7に記載の半導体装置。
[E9]複数の前記ビア電極(126)は、平面視において前記端子電極(51)の内方部から前記端子電極(51)の周縁部の全周に向けて間隔を空けて配列されている、E7またはE8に記載の半導体装置。
【0398】
[E10]前記チップ(2)に形成された回路素子(10)と、前記多孔質領域(112、113)に接するように前記絶縁層(20)内に配置され、前記回路素子(10)に電気的に接続された接続配線(123)と、前記多孔質領域(112、113)を挟んで前記接続配線(123)に対向するように前記絶縁層(20)の上に配置された前記端子電極(51)と、前記接続配線(123)に形成され、前記多孔質領域(112、113)の一部がそれぞれ埋め込まれた複数の貫通孔(124)と、前記多孔質領域(112、113)を挟んで前記接続配線(123)に対向するように前記絶縁層(20)の上に配置された前記端子電極(51)と、前記接続配線(123)および前記端子電極(51)を電気的に接続するように前記多孔質領域(112、113)内において前記接続配線(123)および前記端子電極(51)の間に介在するビア電極(126)と、をさらに含む、E1~E6のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0399】
[E11]複数の前記貫通孔(124)が、前記接続配線(123)の内方部に形成されており、前記ビア電極(126)が、平面視において複数の前記貫通孔(124)から間隔を空けて前記端子電極(51)の周縁部に形成されている、E10に記載の半導体装置。
[E12]複数の前記貫通孔(124)は、平面視において内方部から周縁部の全周に向けて間隔を空けて配列されている、E10またはE11に記載の半導体装置。
【0400】
[E13]前記チップ(2)に形成された回路素子(10)と、前記多孔質領域(112、113)に接するように前記絶縁層(20)内に配置され、前記回路素子(10)に電気的に接続された接続配線(123)と、前記多孔質領域(112、113)を挟んで前記接続配線(123)に対向するように前記絶縁層(20)の上に配置された前記端子電極(51)と、前記接続配線(123)および前記端子電極(51)を電気的に接続するように前記多孔質領域(112、113)内において前記接続配線(123)および前記端子電極(51)の周縁部の間に介在し、平面視において前記端子電極(51)の周縁部に沿ってライン状に延びる第2ビア電極(132)と、を含む、E1~E6のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0401】
[E14]前記第2ビア電極(132)は、前記接続配線(123)および前記端子電極(51)の間を結ぶ単一の電流経路を形成している、E13に記載の半導体装置。
[E15]前記第2ビア電極(132)は、前記多孔質領域(112、113)内において前記接続配線(123)および前記端子電極(51)の間の領域において、前記多孔質領域(112、113)のみが配置された閉空間を区画している、E13またはE14に記載の半導体装置。
【0402】
[E16]前記チップ(2)に形成された回路素子(10)と、前記多孔質領域(112、113)に接するように前記絶縁層(20)内に配置され、前記回路素子(10)に電気的に接続された接続配線(123)と、前記多孔質領域(112、113)を挟んで前記接続配線(123)に対向するように前記絶縁層(20)の上に配置された前記端子電極(51)と、前記接続配線(123)および前記端子電極(51)を電気的に接続するように前記多孔質領域(112、113)内において前記接続配線(123)および前記端子電極(51)の間に介在するビア電極(126)と、平面視において前記端子電極(51)の周囲に配置され、前記多孔質領域(112、113)内において前記接続配線(123)および前記端子電極(51)の間の厚さ範囲に形成された外側ビア電極(102)と、をさらに含む、E1~E6のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0403】
[E17]前記接続配線(123)に横方向に隣り合うように前記絶縁層(20)内に配置され、前記接続配線(123)とは異なる電位が印加される異電位配線(53)をさらに含み、前記端子電極(51)は、平面視において前記異電位配線(53)から間隔を空けて配置され、前記外側ビア電極(102)は、平面視において前記接続配線(123)および前記異電位配線(53)の間の領域に配置されている、E16に記載の半導体装置。
【0404】
[E18]前記外側ビア電極(102)は、平面視において前記端子電極(51)に沿ってライン状に延びている、E16またはE17に記載の半導体装置。
[E19]前記チップ(2)に形成された回路素子(10)と、前記回路素子(10)に電気的に接続されるように前記絶縁層(20)の厚さ方向に積層配置された複数の配線(32)を有し、前記絶縁層(20)内に形成された多層配線領域(30)と、前記絶縁層(20)の厚さ方向の全域に前記配線(32)を有さず、前記絶縁層(20)内において前記多層配線領域(30)外の領域に形成され、少なくとも表層部において前記多孔質領域(112、113)を有する絶縁領域(50)と、をさらに含み、前記端子電極(51)は、前記絶縁領域(50)を挟んで前記チップ(2)に対向するように、平面視において前記多層配線領域(30)から離間して前記多孔質領域(112、113)の上に配置された前記端子電極(51)と、を含む、E1~E6のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0405】
[E20]前記端子電極(51)に部分的に対向するように前記絶縁領域(50)内に配置され、複数の前記配線(32)から電気的に独立したダミー配線(62)をさらに含む、E19に記載の半導体装置。
[F1]チップ(2)と、前記チップ(2)の上に形成された絶縁層(20)と、前記絶縁層(20)内に配置された接続配線(123)と、前記接続配線(123)に対向するように前記絶縁層(20)の上に配置された端子電極(51)と、前記接続配線(123)および前記端子電極(51)を電気的に接続するように前記絶縁層(20)内において前記接続配線(123)および前記端子電極(51)の間に介在し、平面視において前記端子電極(51)の内方部から前記端子電極(51)の周縁部の全周に向けて間隔を空けて配列された複数のビア電極(126)と、を含む、半導体装置。
【0406】
[F2]複数の前記ビア電極(126)は、前記端子電極(51)の平面積に占める総面積の割合が50%以上80%以下となるように配列されている、F1に記載の半導体装置。
[F3]複数の前記ビア電極(126)は、前記端子電極(51)の電極面に沿う第1方向(X)、および、前記第1方向(X)に交差する第2方向(Y)に間隔を空けて配列されている、F1またはF2に記載の半導体装置。
【0407】
[F4]複数の前記ビア電極(126)は、前記接続配線(123)および前記端子電極(51)の間において前記絶縁層(20)の一部からそれぞれなる複数の十字路部を区画するように行列状に配列されている、F1~F3のいずれか一つに記載の半導体装置。
[F5]複数の前記ビア電極(126)は、前記接続配線(123)および前記端子電極(51)の間において前記絶縁層(20)の一部からそれぞれなる複数のT字路部を区画するように千鳥状に配列されている、F1~F4のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0408】
[F6]前記端子電極(51)の全域が、前記接続配線(123)に対向している、F1~F5のいずれか一つに記載の半導体装置。
[F7]前記端子電極(51)は、平面視において前記接続配線(123)の周縁に取り囲まれた領域内に配置されている、F1~F6のいずれか一つに記載の半導体装置。
[F8]前記接続配線(123)は、前記チップ(2)から前記絶縁層(20)の厚さ方向に第1間隔(S5)を空けて前記絶縁層(20)内に配置され、前記端子電極(51)は、前記接続配線(123)から前記絶縁層(20)の厚さ方向に前記第1間隔(S5)未満の第2間隔(S6)を空けて前記絶縁層(20)の上に配置されている、F1~F7のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0409】
[F9]前記チップ(2)に形成された回路素子(10)と、前記回路素子(10)に電気的に接続されるように前記絶縁層(20)の厚さ方向に積層配置された複数の配線(32)と、をさらに含み、前記接続配線(123)は、複数の前記配線(32)のうちの少なくとも1つに電気的に接続されている、F1~F8のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0410】
[F10]前記端子電極(51)は、平面視において複数の前記配線(32)から間隔を空けて前記接続配線(123)の上に配置されている、F9に記載の半導体装置。
[F11]前記接続配線(123)は、前記絶縁層(20)のみを挟んで前記チップ(2)に対向している、F1~F10のいずれか一つに記載の半導体装置。
[F12]前記接続配線(123)および前記端子電極(51)を電気的に接続するように前記絶縁層(20)において前記接続配線(123)および前記端子電極(51)の間に介在し、平面視において前記端子電極(51)の周縁部に沿って延びるライン状に形成されたシールビア電極(132)をさらに含む、F1~F11のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0411】
[F13]前記シールビア電極(132)は、平面視において複数の前記ビア電極(126)が形成された領域を取り囲む環状に形成されている、F12に記載の半導体装置。
[F14]前記絶縁層(20)内において前記接続配線(123)および前記端子電極(51)の間の厚さ範囲に形成され、平面視において前記端子電極(51)に沿って延びるライン状に形成された外側シールビア電極(102)をさらに含む、F1~F13のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0412】
[F15]前記外側シールビア電極(102)は、平面視において前記端子電極(51)を取り囲む環状に形成されている、F14に記載の半導体装置。
[F16]前記チップ(2)の表層部に形成された陽極領域(16)、および、前記陽極領域(16)の表層部に形成された陰極領域(17)を含む整流器(15)をさらに含み、前記絶縁層(20)は、前記整流器(15)を被覆し、前記接続配線(123)は、前記絶縁層(20)を挟んで前記整流器(15)に対向している、F1~F15のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0413】
[F17]前記絶縁層(20)において複数の空孔が導入された領域からなり、少なくとも前記絶縁層(20)の表層部に形成された多孔質領域(112、113)をさらに含み、前記端子電極(51)は、前記絶縁層(20)の前記多孔質領域(112、113)の上に配置され、複数の前記ビア電極(126)は、前記絶縁層(20)の前記多孔質領域(112、113)に形成されている、F1~F16のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0414】
[F18]複数の前記ビア電極(126)は、前記接続配線(123)とは異なる金属材料からそれぞれなる、F1~F17のいずれか一つに記載の半導体装置。
[F19]前記接続配線(123)は、Al系金属層を含み、前記端子電極(51)は、Al系金属層を含み、複数の前記ビア電極(126)は、W系金属層をそれぞれ含む、F1~F18のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0415】
[F20]前記端子電極(51)の上に形成されたパッド電極(282)をさらに含む、F1~F19のいずれか一つに記載の半導体装置。
本発明の実施形態について詳細に説明してきたが、これらは本発明の技術的内容を明らかにするために用いられた具体例に過ぎず、本発明はこれらの具体例に限定して解釈されるべきではなく、本発明の範囲は添付の請求の範囲によって限定される。
【符号の説明】
【0416】
1 半導体装置
2 半導体チップ
10 回路デバイス
15 整流器
16 陽極領域
17 陰極領域
20 絶縁層
30 多層配線領域
31 多層配線
32 配線
33 ビア電極
50 絶縁領域
51 端子電極
52 引き出し電極
61 半導体装置
62 ダミー配線
71 半導体装置
72 外側ダミー配線
81 半導体装置
91 半導体装置
92 ダミービア電極
101 半導体装置
102 外側ビア電極
111 半導体装置
112 多孔質領域
282 パッド電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図15
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図18
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図23
図24A
図24B
図24C
図25
図26A
図26B
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図29A
図29B
図29C
図29D
図30
図31
図32
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図38A
図38B
図39
図40
図41A
図41B
図41C
図41D
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図48A
図48B
図48C
図48D
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図50A
図50B
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図53A
図53B
図53C
図53D
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