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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-19
(45)【発行日】2024-06-27
(54)【発明の名称】電力配送管理装置及び電力配送システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20240620BHJP
【FI】
G06Q50/06
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020179150
(22)【出願日】2020-10-26
(65)【公開番号】P2022070114
(43)【公開日】2022-05-12
【審査請求日】2023-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾方 武
【審査官】山口 大志
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-2590(JP,A)
【文献】特開2019-30194(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された蓄電池から給電可能な店舗を複数含む管理区域内において、複数の前記店舗のうち停電した店舗の情報を取得する停電店舗情報取得部と、
蓄電池が搭載された複数の保有車両のそれぞれから供給可能電力量を取得する車両情報取得部と、
前記車両情報取得部により取得された前記保有車両の供給可能電力量に基づいて、停電した店舗のうち、営業可能な状態となるように前記保有車両から給電を行う営業維持店舗と、防犯可能な状態となるように前記保有車両から給電を行う営業中止店舗とを含む給電対象店舗を決定する優先度決定部と、
を有する電力配送管理装置。
【請求項2】
前記給電対象店舗にそれぞれ前記保有車両を割り当てる車両割当部をさらに備え、
前記車両割当部は、給電可能電力量がより多い前記保有車両を前記営業維持店舗に割り当てる請求項1に記載の電力配送管理装置。
【請求項3】
前記車両割当部により割り当てられた前記給電対象店舗の情報を前記保有車両に通知する通知部をさらに備えた請求項2に記載の電力配送管理装置。
【請求項4】
前記優先度決定部は、前記営業中止店舗のうち、防犯カメラ及び電動ドアロックを含む防犯システムに継続して給電を行う防犯維持店舗と、電動シャッタを閉めるためのみに給電を行う防犯状態移行店舗とに分類を行う請求項1~3の何れか1項に記載の電力配送管理装置。
【請求項5】
前記優先度決定部は、店舗の規模、直近の売上、駐車場の広さ、発電機の有無及び保有車両からの距離のうち、少なくとも1つの条件に基づいて優先度を決定する請求項1~4の何れか1項に記載の電力配送管理装置。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1項に記載の電力配送管理装置と、
前記電力配送管理装置とネットワークで接続された保有車両と、
を有する電力配送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力配送管理装置及び電力配送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、電力の供給側と需要側とで適切な給電を行うための電力供給システムが開示されている。具体的には、特許文献1の電力供給システムでは、電力需要システムの停電を検知した場合に、この電力需要システムの電力需要条件を満たす電気自動車を検索し、電気自動車を管理する通信端末に通知を行うように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-161030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の電力供給システムは、大規模停電時など複数の店舗で停電が発生した場合については考慮されておらず、停電時であっても店舗の防犯機能を維持する観点で改善の余地がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、複数の店舗で停電した場合であっても、防犯機能を維持することができる電力配送管理装置及び電力配送システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様に係る電力配送管理装置は、車両に搭載された蓄電池から給電可能な店舗を複数含む管理区域内において、複数の前記店舗のうち停電した店舗の情報を取得する停電店舗情報取得部と、蓄電池が搭載された複数の保有車両のそれぞれから供給可能電力量を取得する車両情報取得部と、前記車両情報取得部により取得された前記保有車両の供給可能電力量に基づいて、停電した店舗のうち、営業可能な状態となるように前記保有車両から給電を行う営業維持店舗と、防犯可能な状態となるように前記保有車両から給電を行う営業中止店舗とを含む給電対象店舗を決定する優先度決定部と、を有する。
【0007】
第1態様に係る電力配送管理装置では、管理区域内における複数の店舗は、車両に搭載された蓄電池から給電可能とされており、これらの店舗が停電した場合、停電店舗情報取得部によって停電した店舗の情報が取得される。また、車両情報取得部によって保有車両のそれぞれから給電可能電力量が取得される。これにより、停電した店舗へ保有車両を向かわせて給電することができる。
【0008】
また、電力配送管理装置は優先度決定部を備えており、この優先度決定部は、保有車両の供給可能電力量に基づいて、停電した店舗から給電対象店舗を決定する。ここで、優先度決定部は、営業可能な状態となるように保有車両から給電を行う営業維持店舗と、防犯可能な状態となるように保有車両から給電を行う営業中止店舗を決定する。これにより、営業維持店舗では保有車両から給電を行うことで営業を継続することができる。一方で、営業維持店舗よりも優先度が低い営業中止店舗では、保有車両から給電を行うことで防犯可能な状態とすることができ、営業が継続できない場合でも店舗を良好に保護することができる。
【0009】
第2態様に係る電力配送管理装置は、第1態様において、前記給電対象店舗にそれぞれ前記保有車両を割り当てる車両割当部をさらに備え、前記車両割当部は、給電可能電力量がより多い前記保有車両を前記営業維持店舗に割り当てる。
【0010】
第2態様に係る電力配送管理装置では、給電可能電力量がより多い保有車両を営業維持店舗に割り当てることで、系統電力が供給されない状態が続いている場合でも長期に亘って営業を継続することができる。
【0011】
第3態様に係る電力配送管理装置は、第2態様において、前記車両割当部により割り当てられた前記給電対象店舗の情報を前記保有車両に通知する通知部をさらに備えている。
【0012】
第3態様に係る電力配送管理装置では、通知部は、保有車両に対して割り当てられた給電対象店舗の情報を通知する。これにより、保有車両が誤った給電対象店舗へ向かうのを抑制することができる。
【0013】
第4態様に係る電力配送管理装置は、第1態様~第3態様の何れか1の態様において、前記優先度決定部は、前記営業中止店舗のうち、防犯カメラ及び電動ドアロックを含む防犯システムに継続して給電を行う防犯維持店舗と、電動シャッタを閉めるためのみに給電を行う防犯状態移行店舗とに分類を行う。
【0014】
第4態様に係る電力配送管理装置では、防犯状態移行店舗に分類された店舗では、保有車両を待機させず、電動シャッタを閉めた後に他の店舗へ向かわせることができるため、保有車両の台数が少ない場合でも多くの店舗の防犯体制を整えることができる。また、防犯状態移行店舗よりも優先度が高い防犯維持店舗では、保有車両から店舗への給電を継続することで防犯システムの稼働状態を維持することができる。
【0015】
第5態様に係る電力配送管理装置は、第1態様~第4態様の何れか1の態様において、前記優先度決定部は、店舗の規模、直近の売上、駐車場の広さ、発電機の有無及び保有車両からの距離のうち、少なくとも1つの条件に基づいて優先度を決定する。
【0016】
第5態様に係る電力配送管理装置では、例えば、店舗の規模が大きい大型店舗及び売上が多い店舗などを優先して営業可能な状態とすることで、大規模停電時であっても多くの商品を住民に販売することができる。また、例えば、駐車場が広い店舗を優先して営業可能な状態とすることで、駐車場を避難場所として避難している住民に商品を販売することができる。さらに、例えば、保有車両からの距離が近い店舗を優先して営業可能な状態とすることで、早期に営業を再開することができる。
【0017】
第6態様に係る電力配送システムは、請求項1~5の何れか1項に記載の電力配送管理装置と、前記電力配送管理装置とネットワークで接続された保有車両と、を有する。
【0018】
第6態様に係る電力配送システムでは、電力配送管理装置と保有車両とがネットワークで接続されているため、保有車両に対してネットワークを介して種々の情報を提供することができる。また逆に、保有車両からネットワークを介して現在位置などの情報を容易に取得することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明に係る電力配送管理装置及び電力配送システムによれば、複数の店舗で停電した場合であっても、防犯機能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態に係る電力配送管理装置を含む電力配送システムの全体構成を示す概略図であり、給電前の状態を示す図である。
図2】実施形態に係る電力配送管理装置を含む電力配送システムの全体構成を示す概略図であり、一部の店舗に給電している状態を示す図である。
図3】実施形態に係る電力配送管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】実施形態に係る電力配送管理装置の機能構成を示すブロック図である。
図5】実施形態に係る電力配送管理装置による電力配送管理処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】実施形態における優先度決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7】実施形態における車両割当処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
実施形態に係る電力配送管理装置を含む電力配送システムについて、図面を参照して説明する。
【0022】
図1に示されるように、本実施形態の電力配送システム10は、電力配送管理装置12、店舗14A、店舗14B、店舗14C、保有車両V1及び保有車両V2を含んで構成されている。また、電力配送管理装置12と、店舗14A、14B、14C及び保有車両V1、V2とは、ネットワークNを介して相互に接続されている。
【0023】
店舗14A、店舗14B及び店舗14Cは、同一の管理区域内に建てられた店舗であり、一例としてスーパー及びコンビニエンスストアなどの小売店とされている。また、以下の説明では一例として、店舗14A、店舗14B及び店舗14Cを総称するときは、単に店舗14と称する。
【0024】
3つの店舗14にはそれぞれ、保有車両V1又は保有車両V2が接続するための車両接続部16が設けられている。車両接続部16は一例として、店舗14の外壁に設けられた防水フランジインレットを含んで構成されている。
【0025】
また、本実施形態では一例として、同一の管理区域内に3つの店舗14のみが建てられた場合について説明するが、これに限定されず、4店舗以上の店舗14が建てられた場合であっても適用することができる。
【0026】
保有車両V1及び保有車両V2はそれぞれ、エンジンとモータとを駆動源とするハイブリッド車両(HV:Hybrid Vehicle)であり、蓄電池としてのバッテリが搭載されている。また、保有車両V1及び保有車両V2は、店舗14と同じ管理区域内の保有車両である。
【0027】
ここで、保有車両V1及び保有車両V2は、アクセサリーコンセントを備えており、専用のケーブル18(図2参照)によってアクセサリーコンセントと店舗14の車両接続部16とを接続することで、保有車両V1又は保有車両V2から店舗14へ給電することが可能となる。保有車両V1又は保有車両V2から店舗14へ給電する具体的な給電構造については、例えば、特開平11-178234号公報及び特開2009-278776号公報などに開示された周知のV2H(Vehicle to Home)システムを採用し得るため、説明を省略する。
【0028】
なお、本実施形態では一例として、保有車両V1及び保有車両V2の2台のみを保有車両として説明するが、これに限定されず、3台以上の保有車両を備えた構成にも適用することができる。また、保有車両V1及び保有車両V2はハイブリッド車両に限定されず、バッテリから店舗14へ給電可能な車両であれば、ハイブリッド車両以外の車両であってもよい。例えば、電気自動車(EV:Electric Vehicle)や燃料電池車両(FCV:Fuel Cell Vehicle)であってもよい。
【0029】
(電力配送管理装置12のハードウェア構成)
図3に示されるように、本実施形態の電力配送管理装置12は、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)30、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)34、ストレージ36、通信インタフェース38及び入出力インタフェース40を含んで構成されている。各構成は、バス42を介して相互に通信可能に接続されている。また、本実施形態の電力配送管理装置12は一例として、店舗14を管理する管理施設に設置された端末である。また、管理施設は、大規模停電時に店舗14と共に停電する事態を避けるため、管理区域から離れた場所に位置していることが好ましい。
【0030】
CPU30は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU30は、ROM32又はストレージ36からプログラムを読み出し、RAM34を作業領域としてプログラムを実行する。CPU30は、ROM32又はストレージ36に記録されているプログラムに従って、上記各構成の制御および各種の演算処理を行う。
【0031】
ROM32は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM34は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ36は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する非一時的記録媒体である。本実施形態では、ROM32又はストレージ36には、電力配送管理処理、優先度決定処理及び車両割当処理などを実行するためのプログラムが格納されている。
【0032】
通信インタフェース38は、電力配送管理装置12がネットワークNを介して外部の店舗14、保有車両V1、V2及びサーバなどと通信するためのインタフェースであり、例えば、5G、LTE、Wi-Fi(登録商標)、イーサネット(登録商標)などの規格が用いられる。
【0033】
入出力インタフェース40には、表示装置44及び入力装置46が接続されている。表示装置44は、ユーザへ演算結果などの情報を出力するためのディスプレイなどである。また、入力装置46は、ユーザから電力配送管理装置12へ入力を行うためのキーボード及びマウスなどを含む。
【0034】
(電力配送管理装置12の機能構成)
電力配送管理装置12は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。電力配送管理装置12が実現する機能構成について図4を参照して説明する。
【0035】
図4に示されるように、電力配送管理装置12は、機能構成として、停電店舗情報取得部50、車両情報取得部52、優先度決定部54、車両割当部56及び通知部58を含んで構成されている。各機能構成は、CPU30がROM32又はストレージ36に記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0036】
停電店舗情報取得部50は、管理区域内において、複数の店舗14のうち停電した店舗14の情報を取得する。例えば、管理区域内の全域が停電となるような大規模停電時には、店舗14A、店舗14B及び店舗14Cのそれぞれから停電の信号を取得する。一例として、停電を検知した際に店舗14から電力配送管理装置12へ所定の信号を送信する構成としてもよい。また、例えば、店舗14から電力配送管理装置12へ周期的に変化する信号を送信する構成とし、信号の変化が無くなった時点で停電であることを判定してもよい。さらに、停電店舗情報取得部50は、停電に関する情報に加えて、店舗の規模、売上、位置情報及び駐車場の広さなどの情報を取得する。
【0037】
車両情報取得部52は、蓄電池が搭載された複数の保有車両のそれぞれから供給可能電力量を取得する。本実施形態では、車両情報取得部52は、保有車両V1、V2のそれぞれから供給可能電力量を取得する。ここで、車両情報取得部52は、保有車両V1及び保有車両V2から直接的に供給可能電力量を取得してもよく、間接的に供給可能電力量を取得してもよい。直接的に供給可能電力量を取得する場合、例えば、車両情報取得部52は、保有車両V1及び保有車両V2に対して、定期的に供給可能電力量について問い合わせを行うことで、保有車両V1及び保有車両V2からネットワークNを介して供給可能電力量を取得する。
【0038】
間接的に供給可能電力量を取得する場合、保有車両V1及び保有車両V2がそれぞれ定期的にサーバ上のデータベースに供給可能電力量を含む車両情報を蓄積する構成とし、車両情報取得部52は、ネットワークNを介してサーバ上のデータベースにアクセスすることで、データベースから保有車両V1及び保有車両V2の供給可能電力量を取得する。
【0039】
なお、車両情報取得部52は、供給可能電力量と共に保有車両V1及び保有車両V2の他の情報を取得するようにしてもよい。例えば、車両情報取得部52は、保有車両V1及び保有車両V2のそれぞれの現在位置を取得してもよい。
【0040】
また、車両情報取得部52は、供給可能電力量に代えて、保有車両V1及び保有車両V2から蓄電池の残量と燃料の残量とを取得してもよい。この場合、車両情報取得部52は、燃料の残量から発電可能な電力量を算出することで、蓄電池の残量と発電可能な電力量との合計を供給可能電力量として取得する。
【0041】
優先度決定部54は、車両情報取得部52により取得された保有車両の供給可能電力量に基づいて、停電した店舗のうち、営業可能な状態となるように保有車両から給電を行う営業維持店舗と、防犯可能な状態となるように保有車両から給電を行う営業中止店舗とを含む給電対象店舗を決定する。本実施形態では、車両情報取得部52は、保有車両V1及び保有車両V2の供給可能電力量に基づいて、停電した店舗14の中から給電対象店舗として営業維持店舗と営業中止店舗とを決定する。ここで、営業維持店舗とは、営業可能な状態となるように保有車両V1又は保有車両V2から給電を行う店舗を指す。また、営業中止店舗とは、防犯可能な状態となるように保有車両V1又は保有車両V2から給電を行う店舗を指す。
【0042】
本実施形態では一例として、3つの店舗14のうち、1つの店舗を営業維持店舗に決定し、他の2つの店舗を営業中止店舗に決定する。また、優先度を決定する手法については、種々の手法を採用し得る。本実施形態では一例として、店舗の規模、駐車場の広さ及び車両からの距離に基づいて優先度を決定する。
【0043】
店舗の規模とは、店舗で販売される商品の数などによって予め設定されており、優先度決定部54は、店舗の規模によって優先度を決定する場合、規模が大きい店舗を規模が小さい店舗よりも優先する。また、優先度決定部54は、駐車場が広い店舗を駐車場が狭い店舗又は駐車場が無い店舗よりも優先する。
【0044】
さらに、優先度決定部54は、保有車両V1、V2から店舗14までの距離が多い店舗よりも保有車両V1、V2からの距離が近い店舗を優先する。すなわち、保有車両V1、V2を店舗14へ向かわせる際には、走行距離が長いほど燃料の残量が減少するため、保有車両V1、V2から近い店舗14の優先度を上げることで、供給可能電力量を多く確保できる。
【0045】
なお、優先度決定部54は、他の条件を加えて優先度を決定してもよく、例えば、売上及び発電機の有無を考慮して優先度を決定してもよい。例えば、優先度決定部54は、直近三カ月の売上金額が多い店舗を売上金額が少ない店舗よりも優先してもよい。
【0046】
また、例えば、優先度決定部54は、発電機を備えている店舗よりも発電機を備えていない店舗を優先してもよい。換言すれば、優先度決定部54は、発電機を備えた店舗の優先度を下げる。ここでいう発電機とは、インバーター発電機などの発電機の他に、太陽光発電システムなども含まれる。すなわち、インバーター発電機及び太陽光発電システムなどの発電機を備えている店舗では、停電時であっても給電可能な状態に移行し易いため、このような店舗の優先度を下げることで、より多くの店舗を稼働させることができる。
【0047】
ここで、本実施形態の優先度決定部54は一例として、営業中止店舗のうち、防犯カメラ及び電動ドアロックを含む防犯システムに継続して給電を行う防犯維持店舗と、電動シャッタを閉めるためのみに給電を行う防犯状態移行店舗とに分類を行う。
【0048】
例えば、図1において、優先度決定部54により店舗14Aが営業維持店舗に決定され、店舗14B及び店舗14Cが営業中止店舗に決定された場合について考える。この場合、優先度決定部54は、店舗14B及び店舗14Cを防犯維持店舗と防犯状態移行店舗とに分類を行う。そして、店舗14Bが防犯維持店舗に分類された場合、店舗14Bは、防犯カメラ及び電動ドアロックを含む防犯システムに継続して給電が行われる。一方、店舗14Cが防犯状態移行店舗に分類された場合、店舗14Cは、電動シャッタを閉めるためのみに給電が行われることとなる。優先度決定部54が防犯維持店舗と防犯状態移行店舗とに分類する場合、優先度決定部54は、停電している店舗14の店舗数、給電可能な車両の数、店舗14までの位置などの情報に基づいて分類を行う。
【0049】
車両割当部56は、給電対象の店舗14にそれぞれ保有車両V1、V2を割り当てる。また、車両割当部56は、給電可能電力量がより多い車両を営業維持店舗に割り当てるように構成されている。
【0050】
例えば、図1において、優先度決定部54により店舗14Aが営業維持店舗に決定された場合について考える。ここで、車両情報取得部52の機能によって取得された保有車両V1、V2のそれぞれの供給可能電力量について、保有車両V2よりも保有車両V1の方が多くの電力を供給可能と判定された場合、車両割当部56は、保有車両V1を営業維持店舗である店舗14Aに割り当てる。
【0051】
通知部58は、車両割当部56により割り当てられた給電対象店舗の情報を保有車両に通知する。情報を通知する手法については種々の手法を採用し得る。本実施形態では一例として、予め保有車両V1、V2に電力配送管理装置12からの信号に基づいて所定の表示を行うプログラムが搭載されている。そして、通知部58は、保有車両V1及び保有車両V2のそれぞれの車室内に設けられたディスプレイに給電先の店舗の位置情報を表示させる。
【0052】
また、保有車両V1及び保有車両V2が駐車状態でパワーOFFとなっている場合は、通知部58は、保有車両V1及び保有車両V2に対してディスプレイに給電先の店舗の位置情報を表示させる信号を送信することに加えて、所定の携帯端末に情報を通知する。例えば、通知部58は、保有車両V1の保有者及び保有車両V2の保有者が所持している携帯端末に対して通知を行うことで、保有車両V1、V2のそれぞれに割り当てられた給電対象店舗を知らせる。
【0053】
(作用)
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0054】
(電力配送管理処理の一例)
図5は、電力配送管理装置12による電力配送管理処理の流れの一例を示すフローチャートである。この電力配送管理処理は、CPU30がROM32又はストレージ36からプログラムを読み出して、RAM34に展開して実行することによって実行される。なお、以下の説明では一例として、管理区域内の3つの店舗14A、14B、14Cが停電した場合について説明する。
【0055】
図5に示されるように、CPU30は、ステップS102で各店舗から停電情報を取得する。具体的には、CPU30は、停電店舗情報取得部50の機能により、店舗14A、14B、14Cのうち停電した店舗の情報を取得する。ここでは、CPU30は、3つの店舗14A、14B、14Cから停電の情報を取得する。
【0056】
次に、CPU30は、ステップS104で各車両から供給可能電力量を取得する。具体的には、CPU30は、車両情報取得部52の機能により、保有車両V1及び保有車両V2から供給可能電力量を取得する。
【0057】
CPU30は、ステップS106で停電している店舗が複数であるか否かについて判定する。そして、複数の店舗で停電している場合は、ステップS106が肯定判定となりステップS108の処理へ移行する。一方、停電している店舗が店舗14Aのみの場合など、1店舗のみが停電している場合は、ステップS106が否定判定となりステップS110の処理へ移行する。
【0058】
CPU30は、ステップS108で優先度決定処理のサブルーチンを実行し、優先度決定部54の機能により、停電した店舗の中から営業維持店舗と営業中止店舗とを含む給電対象店舗を決定する。なお、優先度決定処理の詳細については後述するが、ここでは図1において店舗14Aが営業維持店舗に決定され、店舗14B及び店舗14Cが営業中止店舗に決定されたものとして説明する。また、図5に示すステップS108の優先度決定処理では、営業中止店舗のうち、防犯維持店舗と防犯状態移行店舗とに分類を行う。そして、本実施形態では、店舗14Bが防犯維持店舗として分類され、店舗14Cが防犯状態移行店舗として分類されたものとして説明する。
【0059】
続いて、CPU30は、ステップS112で車両割当処理のサブルーチンを実行し、車両割当部56の機能により、給電対象の店舗14にそれぞれ保有車両V1、V2を割り当てる。車両割当処理の詳細については後述するが、CPU30は、ステップS106で肯定判定となった場合、優先度決定処理及び車両割当処理を実行した後にステップS114の処理へ移行する。
【0060】
一方、CPU30は、ステップS106で否定判定となった場合、すなわち停電した店舗が1つの店舗のみである場合、ステップS110で給電可能電力量が最も多い車両を割り当てる。そして、CPU30は、ステップS114の処理へ移行する。
【0061】
CPU30は、ステップS114で割り当てられた車両に所定の通知を行う。具体的には、CPU30は、通知部58の機能により、車両割当部56により割り当てられた給電対象店舗の情報を保有車両に通知する。そして、CPU30は、電力配送管理処理を終了する。
【0062】
例えば、保有車両V1が営業維持店舗である店舗14Aに割り当てられた場合、通知部58の機能により保有車両V1に対して店舗14Aに向かって給電を行う旨の通知が行われる。そして、図2に示されるように、店舗14Aでは、保有車両V1から店舗14Aへ給電が行われることで、店舗14Aを営業可能な状態とする。営業可能な状態とは、店内の照明が点灯されてレジなどの電子機器が使用可能になっている状態である。
【0063】
また、保有車両V2が営業中止店舗である店舗14B及び店舗14Cに割り当てられた場合、通知部58の機能により保有車両V2に対して店舗14B及び店舗14Cへ向かう旨の通知が行われる。本実施形態では一例として、防犯状態移行店舗に分類された店舗14Cで給電を行った後に防犯維持店舗に分類された店舗14Bへ向かうようにナビゲーションシステムの経路が設定される。このため、保有車両V2は、店舗14Cで給電を行うことで電動シャッタを閉じて防犯状態に移行させ、その後に店舗14Bで防犯システムに継続して給電を行う。
【0064】
(優先度決定処理)
図6は、電力配送管理装置12による優先度決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。この優先度決定処理は、CPU30がROM32又はストレージ36からプログラムを読み出して、RAM34に展開して実行することによって実行される。
【0065】
CPU30は、ステップS202で停電している複数の店舗14に対して、大型店舗であるか否かについて判定する。具体的には、CPU30は、停電店舗情報取得部50の機能によって取得された店舗14の情報に基づいて、大型店舗であるか否かを判定する。そして、店舗14が大型店舗である場合、ステップS202が肯定判定となり、ステップS208の処理へ移行する。一方、ステップS202で大型店舗でなかった場合、ステップS202が否定判定となり、ステップS204の処理へ移行する。
【0066】
ステップS202で大型店舗と判定された場合、CPU30は、ステップS208で当該店舗14を営業維持店舗として登録する。
【0067】
CPU30は、ステップS204で駐車場が広いが否かについて判定する。具体的には、CPU30は、停電店舗情報取得部50の機能によって取得された店舗14の情報に基づいて、駐車場が広いか否かを判定する。そして、店舗14の駐車場の敷地面積が所定値以上である場合、ステップS204が肯定判定となり、ステップS210の処理へ移行する。一方、ステップS204で店舗14大型店舗でなかった場合、ステップS204が否定判定となり、ステップS206の処理へ移行する。なお、駐車場が無い店舗14の場合、ステップS204では否定判定となる。
【0068】
ステップS204で駐車場の敷地面積が所定値以上であると判定された場合、CPU30は、ステップS210で当該店舗14を防犯維持店舗又は防犯状態移行店舗として登録する。すなわち、CPU30は、ステップS210で当該店舗14を営業維持店舗よりも給電の優先度が低い営業中止店舗として認定し、営業中止店舗の中でも防犯維持店舗と防犯状態移行店舗とに分類する。
【0069】
CPU30は、ステップS206で車両から近いか否かについて判定する。具体的には、CPU30は、停電店舗情報取得部50の機能によって取得された店舗14の位置情報と、車両情報取得部52の機能によって取得された保有車両V1、V2の位置情報とを比較する。そして、CPU30は、店舗14の位置が保有車両V1、V2から所定の距離以内である場合、ステップS206が肯定判定となり、ステップS212の処理へ移行する。一方、ステップS206で店舗14の位置が保有車両V1、V2から所定の距離よりも遠い場合、ステップS206が否定判定となりステップS214の処理へ移行する。
【0070】
ここで、図1において、本実施形態では、店舗14Aが大型店舗として登録されている。また、店舗14Bは、大型店舗ではないが、駐車場の敷地面積が所定値以上の面積として登録されている。さらに、店舗14Cは、大型店舗ではなく、駐車場が無く、かつ、保有車両V1、V2の現在位置から所定の距離よりも遠くに位置しているものとする。
【0071】
上記条件では、優先度決定処理が実行されることで、店舗14Aが営業維持店舗としてRAM34又はストレージ36などに登録される。また、店舗14Bが防犯維持店舗又は防犯状態移行店舗としてRAM34又はストレージ36などに登録される。さらに、店舗14Cが防犯状態移行店舗としてRAM34又はストレージ36などに登録される。
【0072】
(車両割当処理)
図7は、電力配送管理装置12による車両割当処理の流れの一例を示すフローチャートである。この車両割当処理は、CPU30がROM32又はストレージ36からプログラムを読み出して、RAM34に展開して実行することによって実行される。
【0073】
CPU30は、ステップS302で保有している保有車両V1、V2のそれぞれに対して、給電可能電力量が最も多いか否かについて判定する。具体的には、CPU30は、車両情報取得部52の機能により、保有車両V1、V2の給電可能電力量をそれぞれ取得して比較することにより、給電可能電力量が最も多いか否かについて判定する。そして、CPU30は、ステップS302で給電可能電力量が最も多いと判定した場合、ステップS302が肯定判定となり、ステップS306の処理へ移行する。一方、CPU30は、ステップS302で給電可能電力量がより多い車両が存在すると判定した場合、ステップS302が否定判定となり、ステップS304の処理へ移行する。
【0074】
CPU30は、ステップS306で当該車両を営業維持店舗に割り当てる。具体的には、CPU30は、ステップS302の処理で給電可能電力量が最も多いと判定された車両を営業維持店舗に給電する車両としてRAM34又はストレージ36などに登録する。
【0075】
CPU30は、ステップS304で給電可能電力量が閾値以上であるか否かについて判定する。具体的には、CPU30は、車両情報取得部52の機能によって取得された保有車両V1、V2の給電可能電力量が所定の閾値以上であれば、ステップS304が肯定判定となり、ステップS308の処理へ移行する。一方、CPU30は、ステップS304で給電可能電力量が閾値よりも少ない場合、ステップS304が否定判定となり、ステップS310の処理へ移行する。
【0076】
CPU30は、ステップS304が肯定判定であった場合、ステップS308で当該車両を防犯維持店舗に割り当てる。すなわち、CPU30は、当該車両を防犯維持店舗に給電する車両としてRAM34又はストレージ36などに登録する。
【0077】
CPU30は、ステップS304が否定判定であった場合、ステップS310で当該車両を防犯情報移行店舗に割り当てる。すなわち、CPU30は、当該車両を防犯状態移行店舗に給電する車両としてRAM34又はストレージ36などに登録する。
【0078】
ここで、図1において、本実施形態では、保有車両V1が保有車両V2よりも給電可能電力量が多い状態となっている。また、保有車両V2の給電可能電力量は、閾値以上であるものとする。
【0079】
上記条件では、割当処理が実行されることで、保有車両V1が営業維持店舗である店舗14Aに割り当てられる。また、保有車両V2が営業中止店舗である店舗14B及び店舗14Cに割り当てられる。ここで、店舗14Bは防犯維持店舗であり、店舗14Cは防犯状態移行店舗であるため、保有車両V2は、店舗14Cで給電した後、店舗14Bで給電を行う車両となる。
【0080】
以上のように、本実施形態に係る電力配送管理装置12では、停電店舗情報取得部50によって停電した店舗14の情報が取得され、車両情報取得部52によって車両のそれぞれから給電可能電力量が取得される。これにより、停電した店舗14へ保有車両V1、V2を向かわせて給電することができる。
【0081】
また、本実施形態に係る電力配送管理装置12では、優先度決定部54は、営業可能な状態となるように保有車両から給電を行う営業維持店舗と、防犯可能な状態となるように保有車両から給電を行う営業中止店舗を決定する。これにより、営業維持店舗では保有車両から給電を行うことで営業を継続することができる。一方で、営業維持店舗よりも優先度が低い営業中止店舗では、保有車両から給電を行うことで防犯可能な状態とすることができ、営業が継続できない場合でも店舗を良好に保護することができる。このように、本実施形態では、複数の店舗14で停電した場合であっても、防犯機能を維持することができる。
【0082】
さらに、本実施形態では、給電可能電力量がより多い保有車両を営業維持店舗に割り当てることで、系統電力が供給されない状態が続いている場合でも長期に亘って営業を継続することができる。
【0083】
さらにまた、本実施形態では、通知部58が保有車両V1、V2に対して割り当てられた給電対象店舗の情報を通知する。これにより、保有車両V1、V2が誤った給電対象店舗へ向かうのを抑制することができる。
【0084】
また、本実施形態では、防犯状態移行店舗に分類された店舗14Cでは、保有車両V1、V2を待機させず、電動シャッタを閉めた後に他の店舗14Bへ向かわせることができるため、保有車両V1、V2の台数が少ない場合でも多くの店舗14の防犯体制を整えることができる。また、防犯状態移行店舗である14Cよりも優先度が高い防犯維持店舗である店舗14Bは、保有車両V1、V2から店舗14Bへの給電を継続することで防犯システムの稼働状態を維持することができる。
【0085】
特に、優先度決定処理によって店舗の規模が大きい大型店舗及び売上が多い店舗を優先して営業可能な状態とすることで、大規模停電時であっても多くの商品を住民に販売することができる。また、例えば、駐車場が広い店舗を優先して営業可能な状態とすることで、駐車場を避難場所として避難している住民に商品を販売することができる。さらに、例えば、保有車両からの距離が近い店舗を優先して営業可能な状態とすることで、早期に営業を再開することができる。
【0086】
以上、実施形態に係る電力配送管理装置12及び電力配送システム10について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、上記実施形態では、優先度決定部54は、図6に示される優先度決定処理において、店舗の規模、駐車場の敷地面積及び車両からの距離などの情報に基づいて優先度を決定したが、これに限定されない。すなわち、直近の売上額や発電機の有無などを加味して優先度を決定してもよい。例えば、発電機を備えた店舗では、停電時であっても店舗への給電が可能となるため、給電対象店舗から除外してもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、車両割当部56の機能によって給電可能電力量がより多い保有車両を営業維持店舗に割り当てる構成としたが、これに限定されない。例えば、給電対象店舗から最も近い車両を割り当てる構成としてもよい。
【0088】
さらに、上記実施形態では、優先度決定部54は、防犯カメラ及び電動ドアロックを含む防犯システムに継続して給電を行う防犯維持店舗と、電動シャッタを閉めるためのみに給電を行う防犯状態移行店舗とに分類を行う構成としたが、これに限定されない。例えば、防犯維持店舗よりもさらに防犯性能を向上させてもよい。この場合、車両から店舗へ給電しつつ、車両に搭載されたカメラを防犯カメラとして機能させてもよい。また、店舗のドアから発信される信号を車両側で受信できるようにし、ロックされたドアが強引に開かれた場合などに車両のクラクションを鳴らすことで、店舗への侵入を阻止してもよい。
【0089】
また、防犯維持店舗の防犯システムについて、車両の給電可能電力量に応じて給電する防犯システムの内容を変化してもよい。例えば、給電可能電力量に余裕がある場合は、店舗の外側及び内側の防犯カメラ、及び電動ドアロックに加えて、レジや金庫の電子ロックシステムに給電してもよい。
【0090】
さらにまた、上記実施形態では、保有車両V1、V2は、ケーブル18によってアクセサリーコンセントと店舗14の車両接続部16とを接続することで、店舗14への給電を可能としたが、これに限定されない。例えば、車両を施錠した状態で給電可能な構成を採用してもよい。すなわち、EV及びFCVなどにおいて、車両の外側からアクセス可能な位置にコンセントを配置すれば、車両を施錠した状態でも店舗14のへの給電が可能となる。また、EV及びFCVなどの車両では、エンジンを始動する必要がないため、給電中に車両の保有者が車両から離れることできる。
【0091】
また、上記実施形態でCPU30がソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などの製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが例示される。また、上記処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせなど)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0092】
さらに、上記実施形態では、ストレージ36を記録部としたが、これに限定されない。例えば、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの非一時的記録媒体を記録部としてもよい。この場合、これらの記録媒体に各種プログラムを格納してもよい。
【符号の説明】
【0093】
10 電力配送システム
12 電力配送管理装置
14A 店舗
14B 店舗
14C 店舗
50 停電店舗情報取得部
52 車両情報取得部
54 優先度決定部
56 車両割当部
58 通知部
V1 保有車両
V2 保有車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7