(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-19
(45)【発行日】2024-06-27
(54)【発明の名称】表示制御装置、プログラム、及び表示制御方法
(51)【国際特許分類】
G01N 17/00 20060101AFI20240620BHJP
【FI】
G01N17/00
(21)【出願番号】P 2021030482
(22)【出願日】2021-02-26
【審査請求日】2023-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000108797
【氏名又は名称】エスペック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100136353
【氏名又は名称】高尾 建吾
(72)【発明者】
【氏名】吉田 記大
(72)【発明者】
【氏名】黒田 雄貴
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-235070(JP,A)
【文献】特開2001-005522(JP,A)
【文献】特開2003-240703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 17/00 - 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境形成装置が形成した環境の測定結果を表示するための表示用データを作成する表示制御装置であって、
前記環境形成装置が形成した前記環境に関する、複数のパラメータを含む複数の測定データを取得する取得部と、
前記複数の測定データのうち特定のパラメータの各々の測定データに関して所定の表示条件が満たされているか否かを判定する判定部と、
ある前記測定データに関して前記表示条件が満たされていると前記判定部が判定した場合には、当該測定データが表示され、一方、ある前記測定データに関して前記表示条件が満たされていないと前記判定部が判定した場合には、当該測定データが表示されないような、前記表示用データを作成するデータ作成部と、
前記データ作成部が作成した前記表示用データを出力する出力部と、
を備え、
前記判定部は、
前記環境形成装置が前記特定のパラメータの前記環境を制御している制御期間内の測定データである場合には、前記表示条件が満たされていると判定し、
前記環境形成装置が前記特定のパラメータの前記環境を制御していない非制御期間内の測定データである場合には、前記表示条件が満たされていないと判定する、表示制御装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記制御期間及び前記非制御期間を設定するための第1設定情報をさらに取得し、
前記判定部は、前記取得部が取得した前記第1設定情報に基づいて、前記表示条件が満たされているか否かの判定を行う、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記非制御期間内において前記特定のパラメータの前記測定データを表示するか否かを設定するための第2設定情報をさらに取得し、
前記判定部は、前記取得部が取得した前記第2設定情報に基づいて、前記表示条件が満たされているか否かの判定を行う、請求項1又は2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
環境形成装置が形成した環境の測定結果を表示するための表示用データを作成する表示制御装置であって、
前記環境形成装置が形成した前記環境に関する、湿度のパラメータを含む複数の測定データを取得する取得部と、
前記湿度のパラメータの各々の測定データに関して所定の表示条件が満たされているか否かを判定する判定部と、
前記湿度のパラメータの前記測定データに関して前記表示条件が満たされていると前記判定部が判定した場合には、当該測定データが表示され、一方、前記湿度のパラメータの前記測定データに関して前記表示条件が満たされていないと前記判定部が判定した場合には、当該測定データが表示されないような、前記表示用データを作成するデータ作成部と、
前記データ作成部が作成した前記表示用データを出力する出力部と、
を備え、
前記判定部は、
前記湿度のパラメータの前記測定データの正確性を担保するための所定条件が満たされている場合には、前記表示条件が満たされていると判定し、
前記所定条件が満たされていない場合には、前記表示条件が満たされていないと判定する、表示制御装置。
【請求項5】
前記特定のパラメータは湿度である、請求項1~3のいずれか一つに記載の表示制御装置。
【請求項6】
環境形成装置が形成した環境の測定結果を表示するための表示用データを作成する表示制御装置に搭載されるコンピュータを、
前記環境形成装置が形成した前記環境に関する、複数のパラメータを含む複数の測定データを取得する取得手段と、
前記複数の測定データのうち特定のパラメータの各々の測定データに関して所定の表示条件が満たされているか否かを判定する判定手段と、
ある前記測定データに関して前記表示条件が満たされていると前記判定手段が判定した場合には、当該測定データが表示され、一方、ある前記測定データに関して前記表示条件が満たされていないと前記判定手段が判定した場合には、当該測定データが表示されないような、前記表示用データを作成するデータ作成手段と、
前記データ作成手段が作成した前記表示用データを出力する出力手段と、
として機能させ、
前記判定手段は、
前記環境形成装置が前記特定のパラメータの前記環境を制御している制御期間内の測定データである場合には、前記表示条件が満たされていると判定し、
前記環境形成装置が前記特定のパラメータの前記環境を制御していない非制御期間内の測定データである場合には、前記表示条件が満たされていないと判定する、プログラム。
【請求項7】
環境形成装置が形成した環境の測定結果を表示するための表示用データを作成する表示制御装置に搭載されるコンピュータを、
前記環境形成装置が形成した前記環境に関する、湿度のパラメータを含む複数の測定データを取得する取得手段と、
前記湿度のパラメータの各々の測定データに関して所定の表示条件が満たされているか否かを判定する判定手段と、
前記湿度のパラメータの前記測定データに関して前記表示条件が満たされていると前記判定手段が判定した場合には、当該測定データが表示され、一方、前記湿度のパラメータの前記測定データに関して前記表示条件が満たされていないと前記判定手段が判定した場合には、当該測定データが表示されないような、前記表示用データを作成するデータ作成手段と、
前記データ作成手段が作成した前記表示用データを出力する出力手段と、
として機能させ、
前記判定手段は、
前記湿度のパラメータの前記測定データの正確性を担保するための所定条件が満たされている場合には、前記表示条件が満たされていると判定し、
前記所定条件が満たされていない場合には、前記表示条件が満たされていないと判定する、プログラム。
【請求項8】
環境形成装置が形成した環境の測定結果を表示するための表示用データを作成する表示制御方法であって、
コンピュータが、
前記環境形成装置が形成した前記環境に関する、複数のパラメータを含む複数の測定データを取得し、
前記複数の測定データのうち特定のパラメータの各々の測定データに関して所定の表示条件が満たされているか否かを判定し、
ある前記測定データに関して前記表示条件が満たされていると判定した場合には、当該測定データが表示され、一方、ある前記測定データに関して前記表示条件が満たされていないと判定した場合には、当該測定データが表示されないような、前記表示用データを作成し、
作成した前記表示用データを出力し、
前記判定において、
前記環境形成装置が前記特定のパラメータの前記環境を制御している制御期間内の測定データである場合には、前記表示条件が満たされていると判定し、
前記環境形成装置が前記特定のパラメータの前記環境を制御していない非制御期間内の測定データである場合には、前記表示条件が満たされていないと判定する、表示制御方法。
【請求項9】
環境形成装置が形成した環境の測定結果を表示するための表示用データを作成する表示制御方法であって、
コンピュータが、
前記環境形成装置が形成した前記環境に関する、湿度のパラメータを含む複数の測定データを取得し、
前記湿度のパラメータの各々の測定データに関して所定の表示条件が満たされているか否かを判定し、
前記湿度のパラメータの前記測定データに関して前記表示条件が満たされていると判定した場合には、当該測定データが表示され、一方、前記湿度のパラメータの前記測定データに関して前記表示条件が満たされていないと判定した場合には、当該測定データが表示されないような、前記表示用データを作成し、
作成した前記表示用データを出力し、
前記判定において、
前記湿度のパラメータの前記測定データの正確性を担保するための所定条件が満たされている場合には、前記表示条件が満たされていると判定し、
前記所定条件が満たされていない場合には、前記表示条件が満たされていないと判定する、表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境形成装置が形成した環境の測定結果を表示するための表示用データを作成する、表示制御装置、プログラム、及び表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
環境試験装置と、当該環境試験装置に通信ネットワークを介して接続された管理装置と、当該管理装置に接続された表示装置とを備える環境試験システムがある。環境試験装置は、被検物が収容されるチャンバ内に配置された温度センサ及び湿度センサによって、チャンバ内の温度及び湿度を測定する。管理装置は、環境試験装置から通信ネットワークを介して受信した、複数のパラメータ(温度及び湿度)を含む時系列の測定データを、表示装置に表示する。
【0003】
なお、下記特許文献1には、試験室内に配置された温度センサによって試験室の内部空間の温度を測定し、温度センサから入力された時系列の測定データをディスプレイに表示することが可能な環境試験装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数のパラメータを制御可能な環境試験装置では、全期間において常に全てのパラメータが制御されているとは限らず、例えば、温度は制御されているが湿度は制御されていない期間(湿度非制御期間)が存在する場合もある。
【0006】
背景技術に係る環境試験システムでは、湿度センサは、湿度非制御期間においても湿度の測定を継続し、管理装置は、湿度非制御期間においても湿度の測定データを表示装置や出力されるグラフに表示する。
【0007】
従って、オペレータが表示装置の画面を視認した際や、試験実施者が出力されたグラフを確認する際に、制御されていない湿度の測定データの影響によって、制御されている温度の測定データの視認性が低下する場合がある。
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、制御されていない特定のパラメータ以外の、制御されているパラメータの測定データに対する視認性を向上することが可能な、表示制御装置、プログラム、及び表示制御方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る表示制御装置は、環境形成装置が形成した環境の測定結果を表示するための表示用データを作成する表示制御装置であって、前記環境形成装置が形成した前記環境に関する、複数のパラメータを含む複数の測定データを取得する取得部と、前記複数の測定データのうち特定のパラメータの各々の測定データに関して所定の表示条件が満たされているか否かを判定する判定部と、ある前記測定データに関して前記表示条件が満たされていると前記判定部が判定した場合には、当該測定データが表示され、一方、ある前記測定データに関して前記表示条件が満たされていないと前記判定部が判定した場合には、当該測定データが表示されないような、前記表示用データを作成するデータ作成部と、前記データ作成部が作成した前記表示用データを出力する出力部と、を備え、前記判定部は、前記環境形成装置が前記特定のパラメータの前記環境を制御している制御期間内の測定データである場合には、前記表示条件が満たされていると判定し、前記環境形成装置が前記特定のパラメータの前記環境を制御していない非制御期間内の測定データである場合には、前記表示条件が満たされていないと判定する。
【0010】
本態様によれば、データ作成部は、ある測定データに関して表示条件が満たされていないと判定部が判定した場合には、当該測定データが表示されないような表示用データを作成する。これにより、表示条件が満たされていない場合には、特定のパラメータの測定データは、表示装置や作成されるレポート等に表示されない。その結果、制御されていない特定のパラメータ以外の、制御されているパラメータの測定データに対する視認性を向上することが可能となる。
【0012】
本態様によれば、判定部は、環境形成装置が特定のパラメータの環境を制御していない非制御期間内の測定データである場合には、表示条件が満たされていないと判定する。これにより、非制御期間内の特定のパラメータの測定データが表示装置や作成されるレポート等に表示されることを、回避することが可能となる。
【0013】
上記態様において、前記取得部は、前記制御期間及び前記非制御期間を設定するための第1設定情報をさらに取得し、前記判定部は、前記取得部が取得した前記第1設定情報に基づいて、前記表示条件が満たされているか否かの判定を行う。
【0014】
本態様によれば、判定部は、制御期間及び非制御期間を設定するための第1設定情報に基づくことにより、各期間において表示条件が満たされているか否かを正確に判定することが可能となる。
【0015】
上記態様において、前記取得部は、前記非制御期間内において前記特定のパラメータの前記測定データを表示するか否かを設定するための第2設定情報をさらに取得し、前記判定部は、前記取得部が取得した前記第2設定情報に基づいて、前記表示条件が満たされているか否かの判定を行う。
【0016】
本態様によれば、非制御期間内において特定のパラメータの測定データを表示するか否かを、第2設定情報によって任意に設定することが可能となる。
【0017】
本発明の一態様に係る表示制御装置は、環境形成装置が形成した環境の測定結果を表示するための表示用データを作成する表示制御装置であって、前記環境形成装置が形成した前記環境に関する、湿度のパラメータを含む複数の測定データを取得する取得部と、前記湿度のパラメータの各々の測定データに関して所定の表示条件が満たされているか否かを判定する判定部と、前記湿度のパラメータの前記測定データに関して前記表示条件が満たされていると前記判定部が判定した場合には、当該測定データが表示され、一方、前記湿度のパラメータの前記測定データに関して前記表示条件が満たされていないと前記判定部が判定した場合には、当該測定データが表示されないような、前記表示用データを作成するデータ作成部と、前記データ作成部が作成した前記表示用データを出力する出力部と、を備え、前記判定部は、前記湿度のパラメータの前記測定データの正確性を担保するための所定条件が満たされている場合には、前記表示条件が満たされていると判定し、前記所定条件が満たされていない場合には、前記表示条件が満たされていないと判定する。
【0018】
本態様によれば、データ作成部は、ある測定データに関して表示条件が満たされていないと判定部が判定した場合には、当該測定データが表示されないような表示用データを作成する。これにより、表示条件が満たされていない場合には、特定のパラメータの測定データは、表示装置や作成されるレポート等に表示されない。その結果、制御されていない特定のパラメータ以外の、制御されているパラメータの測定データに対する視認性を向上することが可能となる。
本態様によれば、判定部は、特定のパラメータの測定データの正確性を担保するための所定条件が満たされていない場合には、表示条件が満たされていないと判定する。これにより、正確性が担保されない特定のパラメータの測定データが表示装置や作成されるレポート等に表示されることを、回避することが可能となる。
本態様によれば、環境形成装置が例えば恒温恒湿器である場合に、ある時間において湿度の測定データを非表示にして温度の測定データを表示させることにより、温度の測定データに対する視認性を向上することが可能となる。
【0019】
上記態様において、前記特定のパラメータは湿度である。
【0020】
本態様によれば、環境形成装置が例えば恒温恒湿器である場合に、ある時間において湿度の測定データを非表示にして温度の測定データを表示させることにより、温度の測定データに対する視認性を向上することが可能となる。
【0021】
本発明の一態様に係るプログラムは、環境形成装置が形成した環境の測定結果を表示するための表示用データを作成する表示制御装置に搭載されるコンピュータを、前記環境形成装置が形成した前記環境に関する、複数のパラメータを含む複数の測定データを取得する取得手段と、前記複数の測定データのうち特定のパラメータの各々の測定データに関して所定の表示条件が満たされているか否かを判定する判定手段と、ある前記測定データに関して前記表示条件が満たされていると前記判定手段が判定した場合には、当該測定データが表示され、一方、ある前記測定データに関して前記表示条件が満たされていないと前記判定手段が判定した場合には、当該測定データが表示されないような、前記表示用データを作成するデータ作成手段と、前記データ作成手段が作成した前記表示用データを出力する出力手段と、として機能させ、前記判定手段は、前記環境形成装置が前記特定のパラメータの前記環境を制御している制御期間内の測定データである場合には、前記表示条件が満たされていると判定し、前記環境形成装置が前記特定のパラメータの前記環境を制御していない非制御期間内の測定データである場合には、前記表示条件が満たされていないと判定する。
本発明の一態様に係るプログラムは、環境形成装置が形成した環境の測定結果を表示するための表示用データを作成する表示制御装置に搭載されるコンピュータを、前記環境形成装置が形成した前記環境に関する、湿度のパラメータを含む複数の測定データを取得する取得手段と、前記湿度のパラメータの各々の測定データに関して所定の表示条件が満たされているか否かを判定する判定手段と、前記湿度のパラメータの前記測定データに関して前記表示条件が満たされていると前記判定手段が判定した場合には、当該測定データが表示され、一方、前記湿度のパラメータの前記測定データに関して前記表示条件が満たされていないと前記判定手段が判定した場合には、当該測定データが表示されないような、前記表示用データを作成するデータ作成手段と、前記データ作成手段が作成した前記表示用データを出力する出力手段と、として機能させ、前記判定手段は、前記湿度のパラメータの前記測定データの正確性を担保するための所定条件が満たされている場合には、前記表示条件が満たされていると判定し、前記所定条件が満たされていない場合には、前記表示条件が満たされていないと判定する。
【0022】
本態様によれば、データ作成手段は、ある測定データに関して表示条件が満たされていないと判定部が判定した場合には、当該測定データが表示されないような表示用データを作成する。これにより、表示条件が満たされていない場合には、特定のパラメータの測定データは、表示装置や作成されるレポート等に表示されない。その結果、制御されていない特定のパラメータ以外の、制御されているパラメータの測定データに対する視認性を向上することが可能となる。
【0023】
本発明の一態様に係る表示制御方法は、環境形成装置が形成した環境の測定結果を表示するための表示用データを作成する表示制御方法であって、コンピュータが、前記環境形成装置が形成した前記環境に関する、複数のパラメータを含む複数の測定データを取得し、前記複数の測定データのうち特定のパラメータの各々の測定データに関して所定の表示条件が満たされているか否かを判定し、ある前記測定データに関して前記表示条件が満たされていると判定した場合には、当該測定データが表示され、一方、ある前記測定データに関して前記表示条件が満たされていないと判定した場合には、当該測定データが表示されないような、前記表示用データを作成し、作成した前記表示用データを出力し、前記判定において、前記環境形成装置が前記特定のパラメータの前記環境を制御している制御期間内の測定データである場合には、前記表示条件が満たされていると判定し、前記環境形成装置が前記特定のパラメータの前記環境を制御していない非制御期間内の測定データである場合には、前記表示条件が満たされていないと判定する。
本発明の一態様に係る表示制御方法は、環境形成装置が形成した環境の測定結果を表示するための表示用データを作成する表示制御方法であって、コンピュータが、前記環境形成装置が形成した前記環境に関する、湿度のパラメータを含む複数の測定データを取得し、前記湿度のパラメータの各々の測定データに関して所定の表示条件が満たされているか否かを判定し、前記湿度のパラメータの前記測定データに関して前記表示条件が満たされていると判定した場合には、当該測定データが表示され、一方、前記湿度のパラメータの前記測定データに関して前記表示条件が満たされていないと判定した場合には、当該測定データが表示されないような、前記表示用データを作成し、作成した前記表示用データを出力し、前記判定において、前記湿度のパラメータの前記測定データの正確性を担保するための所定条件が満たされている場合には、前記表示条件が満たされていると判定し、前記所定条件が満たされていない場合には、前記表示条件が満たされていないと判定する。
【0024】
本態様によれば、ある測定データに関して表示条件が満たされていないと判定した場合には、当該測定データが表示されないような表示用データを作成する。これにより、表示条件が満たされていない場合には、特定のパラメータの測定データは、表示装置や作成されるレポート等に表示されない。その結果、制御されていない特定のパラメータ以外の、制御されているパラメータの測定データに対する視認性を向上することが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、制御されていない特定のパラメータ以外の、制御されているパラメータの測定データに対する視認性を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の実施の形態に係る環境試験システムの全体構成を簡略化して示す図である。
【
図3】データ処理部が有する機能を簡略化して示す図である。
【
図4】環境試験の設定情報の一例を簡略化して示す図である。
【
図5】表示装置が表示する設定画面の一例を簡略化して示す図である。
【
図6】データ処理部が実行するグラフデータ作成処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】表示装置が表示する温度グラフ及び湿度グラフの第1の例を示す図である。
【
図8】表示装置が表示する温度グラフ及び湿度グラフの第2の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
【0028】
図1は、本発明の実施の形態に係る環境試験システム1の全体構成を簡略化して示す図である。
図1の接続関係で示すように、環境試験システム1は、環境試験装置2、管理装置3、イントラネット等の任意の通信ネットワーク4、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等の任意の表示装置5、及び、キーボード又はマウス等の任意の入力装置6を備えている。但し、管理装置3、表示装置5、及び入力装置6は、ノートパソコン等を用いて一体として構成されても良い。また、管理装置3が環境試験装置2内に組み込まれることにより、管理装置3の有する機能が環境試験装置2に実装されても良い。管理装置3が環境試験装置2内に組み込まれる場合には、表示装置5及び入力装置6の機能を環境試験装置2の表示装置18及び入力装置19が有しても良いし、表示装置18及び入力装置19とは別の表示装置5及び入力装置6が環境試験装置2に外部接続(又はネットワーク接続)されても良いし、別の表示装置5及び入力装置6が環境試験装置2に設けられても良い。なお、管理装置3の有する機能が環境試験装置2に実装されるとともに、独立した管理装置3が環境試験装置2に通信ネットワーク4を介して接続されても良い。
【0029】
環境試験装置2は、所望の環境を形成する環境形成装置の一種である。環境試験装置2は、環境に関する複数のパラメータを制御可能な装置であり、以降の説明では、温度及び湿度の二つのパラメータを制御可能な恒温恒湿器を例にとる。但し、環境試験装置2は、圧力等の他のパラメータをさらに制御可能であっても良い。また、環境試験装置2は、熱処理装置又は加熱調理器等の他の環境形成装置であっても良い。
【0030】
環境試験装置2は、制御装置11、チャンバ13、温度制御装置14、湿度制御装置15、温度センサ16、湿度センサ17、表示装置18、及び入力装置19を備えている。但し、タッチパネル式ディスプレイが使用されることにより、表示装置18と入力装置19とが一体として構成されても良い。
【0031】
制御装置11は、CPU及びメモリ等を含むコンピュータによって構成され、環境試験装置2の全体の動作を制御する。また、制御装置11は、管理装置3との間でのデータ通信を制御する。管理装置3が環境試験装置2内に組み込まれる場合には、制御装置11が管理装置3の機能を有しても良いし、制御装置11とは別のデータ処理装置が管理装置3の機能を有しても良い。
【0032】
チャンバ13内には、電気機器等の被検物20が収容される。温度制御装置14及び湿度制御装置15は、チャンバ13内又はチャンバ13に連通する空調室内に配置されている。温度センサ16及び湿度センサ17は、チャンバ13内に配置されている。温度制御装置14は、加熱器及び冷却器等によって構成されている。湿度制御装置15は、加湿器及び除湿器等によって構成されている。温度センサ16及び湿度センサ17は、チャンバ13内の環境の温度及び湿度を測定する。制御装置11は、温度センサ16から入力される温度の測定データD1、及び、湿度センサ17から入力される湿度の測定データD2に基づいて、温度制御装置14、湿度制御装置15、及び図示しない送風ファン等の駆動を制御する。
【0033】
表示装置18は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等によって構成されている。入力装置19は、操作スイッチ又は操作ボタン等によって構成されている。タッチパネル式ディスプレイが使用される場合は、入力装置19はタッチパネルによって構成される。
【0034】
図2は、管理装置3の構成を簡略化して示す図である。管理装置3は、データ処理部31、通信部32、及び記憶部33を備えている。データ処理部31は、CPU等を備えて構成されている。通信部32は、IP等の任意の通信方式に対応する通信モジュールを備えて構成されている。記憶部33は、HDD、SSD、又は半導体メモリ等を備えて構成されている。記憶部33には、環境試験装置2から受信した測定データ41(温度の測定データD1及び湿度の測定データD2)と、プログラム42とが記憶されている。
【0035】
図3は、データ処理部31が有する機能を簡略化して示す図である。記憶部33からROM又はRAM等に読み出したプログラム42をCPUが実行することにより、データ処理部31は、取得部51、データ作成部52、判定部53、及び出力部54として機能する。換言すれば、プログラム42は、管理装置3に搭載されるコンピュータを、取得部51(取得手段)、データ作成部52(データ作成手段)、判定部53(判定手段)、及び出力部54(出力手段)として機能させるためのプログラムである。各処理部の処理内容の詳細については後述する。なお、プログラム42を記録媒体に格納しておいて、記録媒体として流通可能としたり、記録媒体からダウンロード可能にしても良い。
【0036】
図4は、環境試験の設定情報61の一例を簡略化して示す図である。オペレータは、被検物20に対して実行する環境試験の試験内容を、設定情報61として設定する。環境試験の試験期間は、順に実行される複数の期間(この例では期間T1~T5)に分割されている。複数の期間T1~T5の各期間に関して、期間の長さ、目標の温度値、及び目標の湿度値を設定することができる。
【0037】
また、湿度に関しては、制御装置11が湿度制御装置15によってチャンバ13内の環境の湿度を制御する期間(湿度制御期間)と、制御しない期間(湿度非制御期間)とを設定することができる。複数の期間T1~T5のうち、湿度の項目に湿度値が入力された期間は湿度制御期間として設定され、「OFF」が入力された期間は湿度非制御期間として設定される。
図4に示した例では、期間T1,T3,T5は湿度制御期間であり、期間T2,T4は湿度非制御期間である。
【0038】
設定情報61を示す設定データD3(第1設定情報)は、入力装置19によって入力される。入力装置19は、設定データD3の入力を受け付け、その設定データD3を制御装置11に入力する。なお、設定データD3が管理装置3の入力装置6によって制御装置11に入力されるようにしても良い。制御装置11は、設定データD3を、通信ネットワーク4を介して管理装置3に送信する。また、制御装置11は、設定データD3に基づいてチャンバ13内の環境を制御することにより、被検物20に対する環境試験を実行する。管理装置3の通信部32は、設定データD3を受信し、受信した設定データD3を記憶部33に記憶する。取得部51は、設定データD3を記憶部33から取得し、判定部53に入力する。なお、設定データD3は、記憶部33に一時的に記憶されることなく、データ処理部31に直接入力されても良い。
【0039】
図5は、表示装置5が表示する設定画面62の一例を簡略化して示す図である。管理装置3では、湿度非制御期間において湿度測定値をグラフ表示するか否かを、任意に設定することができる。設定画面62が表示装置5に表示された状態で、オペレータが入力装置6を用いて「ON」のチェックボックスにチェックを入力することにより、湿度非制御期間においても湿度測定値をグラフ表示することが選択される。一方、「OFF」のチェックボックスにチェックを入力することにより、湿度非制御期間においては湿度測定値をグラフ表示しないことが選択される。グラフ表示の選択情報は、設定データD4(第2設定情報)として入力装置6から管理装置3に入力される。取得部51は、設定データD4を取得して判定部53に入力する。
【0040】
図6は、データ処理部31が実行するグラフデータ作成処理の流れを示すフローチャートである。
【0041】
被検物20に対する環境試験が開始されると、制御装置11には、所定のサンプリング周期で温度センサ16及び湿度センサ17から測定データD1,D2が入力される。測定データD1,D2には、測定時刻を示す時間情報(測定時刻情報)が含まれている。制御装置11は、入力された測定データD1,D2を、通信ネットワーク4を介して管理装置3に送信する。管理装置3の通信部32は、測定データD1,D2を受信し、受信した測定データD1,D2(測定データ41)を記憶部33に一時的に記憶する。ステップSP01において、取得部51は、測定データD1で示される温度測定値、及び、測定データD2で示される湿度測定値を、記憶部33から取得する。なお、測定データD1,D2は、管理装置3内に代えて、制御装置11内で一時的に記憶されても良い。また、測定データD1,D2は、記憶部33に一時的に記憶されることなく、データ処理部31に直接入力されても良い。つまり、取得部51は、一時的に記憶された複数の測定データD1,D2を一括で(又は一定の時間間隔で定期的に)取得しても良く、あるいは一時的に記憶せずに各測定データD1,D2をリアルタイムで取得しても良い。さらに、測定データD1,D2に測定時刻情報を含める代わりに、測定データD1,D2が属する期間T1~T5を示す情報(期間情報)を測定データD1,D2に含めても良い。
【0042】
次にステップSP02において、取得部51は、ステップSP01で取得した測定データD1,D2(温度測定値及び湿度測定値)を、データ作成部52に入力する。
【0043】
次にステップSP03において、判定部53は、上記のグラフ表示の選択情報(設定データD4)に基づいて、湿度非制御期間における湿度測定値のグラフ表示設定が「ON」であるか「OFF」であるかを判定する。
【0044】
湿度非制御期間における湿度測定値のグラフ表示設定が「ON」である場合(ステップSP03:YES)は、判定部53は、湿度測定値の表示条件が満たされていると判定する。この場合、次にステップSP04において、データ作成部52は、測定データD1,D2の測定時刻が湿度制御期間に属するか湿度非制御期間に属するかに拘わらず、温度測定値及び湿度測定値の双方がグラフ表示されるようなグラフデータD5を、測定データD1,D2に基づいて作成する。
【0045】
一方、湿度非制御期間における湿度測定値のグラフ表示設定が「OFF」である場合(ステップSP03:NO)は、次にステップSP05に進み、判定部53が、測定データD1,D2の測定時刻が湿度制御期間に属するか湿度非制御期間に属するかを、設定データD3と上記測定時刻情報(又は上記期間情報)とに基づいて判定する。
【0046】
測定データD1,D2の測定時刻が湿度制御期間に属する場合(ステップSP05:YES)は、判定部53は、湿度測定値の表示条件が満たされていると判定する。この場合、次にステップSP04において、データ作成部52は、温度測定値及び湿度測定値の双方がグラフ表示されるようなグラフデータD5を、測定データD1,D2に基づいて作成する。
【0047】
一方、測定データD1,D2の測定時刻が湿度非制御期間に属する場合(ステップSP05:NO)は、判定部53は、湿度測定値の表示条件が満たされていないと判定する。この場合、次にステップSP06において、判定部53は、NULLデータDNをデータ作成部52に入力することにより、湿度の測定データD2をNULLデータDNによって置換(データ変換)する。この場合、次にステップSP04において、データ作成部52は、温度測定値はグラフ表示されるが湿度測定値はグラフ表示されない(空白となる)ようなグラフデータD5を、測定データD1及びNULLデータDNに基づいて作成する。なお、測定データD2からNULLデータDNへのデータ変換は一例であり、特定の文字又は記号等の別の情報をデータ作成部52に入力することによって、グラフの非表示を実現しても良い。また、判定部53による判定処理は、複数の測定データD1,D2に対して所定期間毎(例えば期間T1~T5毎)に実行しても良く、あるいは各測定データD1,D2毎にリアルタイムで実行しても良い。
【0048】
データ作成部52は、ステップSP04において作成したグラフデータD5を、出力部54に入力する。次にステップSP07において、出力部54は、データ作成部52から入力されたグラフデータD5を出力する。出力部54から出力されたグラフデータD5は、管理装置3から表示装置5に入力される。表示装置5は、管理装置3から入力されたグラフデータD5に基づいて、環境試験装置2が形成した環境の測定結果をグラフ表示する。なお、グラフデータD5の出力態様は、表示装置5での表示に限られない。グラフデータD5は、任意の記録媒体に記録されても良い。あるいは、グラフデータD5に基づいて紙媒体へのグラフの出力(プリントアウト)が行われても良い。また、データ作成部52によるグラフデータD5の作成処理は、複数の測定データD1,D2に対して所定期間毎(例えば期間T1~T5毎)に実行しても良く、あるいは各測定データD1,D2毎にリアルタイムで実行しても良い。
【0049】
なお、グラフ表示の選択情報(設定データD4)の入力及びステップSP03の処理を省略して、ステップSP02の後にステップSP05の処理を実行することにより、湿度非制御期間においては常に、温度測定値はグラフ表示されるが湿度測定値はグラフ表示されないようなグラフデータD5を作成するようにしても良い。
【0050】
図7は、表示装置5が表示する温度グラフ及び湿度グラフの第1の例を示す図である。実線で示す温度グラフK1は温度測定値の時系列データに相当し、破線で示す湿度グラフK21,K23,K25は湿度測定値の時系列データに相当する。この例では、期間T1,T3,T5は湿度制御期間であり、期間T2,T4は湿度非制御期間である。また、湿度非制御期間における湿度測定値のグラフ表示は、「OFF」に設定されている。
【0051】
温度グラフK1は、期間T1~T5のいずれにおいても表示されている。一方、湿度制御期間である期間T1,T3,T5においては、湿度グラフK21,K23,K25は表示されているが、湿度非制御期間である期間T2,T4においては、湿度グラフは表示されていない。
【0052】
図8は、表示装置5が表示する温度グラフ及び湿度グラフの第2の例を示す図である。実線で示す温度グラフK1は温度測定値の時系列データに相当し、破線で示す湿度グラフK2は湿度測定値の時系列データに相当する。
図7の例と同様に、期間T1,T3,T5は湿度制御期間であり、期間T2,T4は湿度非制御期間である。但し、
図7の例とは異なり、湿度非制御期間における湿度測定値のグラフ表示は、「ON」に設定されている。
【0053】
温度グラフK1及び湿度グラフK2は、期間T1~T5のいずれにおいても表示されている。湿度非制御期間である期間T2,T4においても湿度グラフK2が表示されている。
【0054】
なお、以上の説明では湿度測定値の表示又は非表示を切り替える例について述べたが、切り替え対象のパラメータは湿度に限らず、温度又は圧力等であっても良い。
【0055】
<まとめ>
本実施の形態に係る管理装置3(表示制御装置)によれば、データ作成部52は、ある測定データD2に関して表示条件が満たされていないと判定部53が判定した場合には、当該測定データD2が表示されないようなグラフデータD5を作成する。これにより、表示条件が満たされていない場合(期間T2,T4)においては、湿度グラフは表示装置5や作成されるレポート等に表示されない。その結果、温度グラフK1の視認性を向上することが可能となる。
【0056】
また、本実施の形態に係る管理装置3によれば、判定部53は、湿度非制御期間内の測定データD2である場合には、表示条件が満たされていないと判定する。これにより、湿度非制御期間に関する湿度グラフが表示装置5や作成されるレポート等に表示されることを、回避することが可能となる。
【0057】
また、本実施の形態に係る管理装置3によれば、判定部53は、湿度制御期間及び湿度非制御期間を設定するための設定情報61(設定データD3。第1設定情報)に基づいて判定処理を行うことにより、時系列の各時間に関して表示条件が満たされているか否かを正確に判定することが可能となる。
【0058】
また、本実施の形態に係る管理装置3によれば、湿度非制御期間内において測定データD2を表示するか否かを、グラフ表示の選択情報(設定データD4。第2設定情報)によって任意に設定することが可能となる。
【0059】
また、本実施の形態に係る管理装置3によれば、環境試験装置2が例えば恒温恒湿器である場合に、湿度非制御期間である期間T2,T4において湿度グラフを非表示にして温度グラフK1のみを表示させることにより、温度グラフK1の視認性を向上することが可能となる。
【0060】
<変形例>
上記実施の形態の例では、判定部53は、測定データD1,D2の属する期間が湿度制御期間であるか湿度非制御期間であるかによって、表示条件が満たされているか否かを判定した。この判定条件に代えて、あるいはこの判定条件に加えて、判定部53は、湿度測定値の正確性を担保するための所定条件が満たされているか否かによって、表示条件が満たされているか否かを判定しても良い。
【0061】
例えば、湿度センサ17が乾湿球方式の湿度センサである場合には、測定された乾球温度及び湿球温度に基づいて、湿度値が算出される。その際、乾球温度が100℃超又は0℃未満であるときに、湿度値を算出せずに所定の値とする場合や、算出した湿度値と実際の湿度値との誤差が大きくなる場合がある。そのため、湿度測定値の正確性を担保するための上記所定条件として、「乾球温度が0℃以上かつ100℃以下」という条件を設定しておき、当該所定条件が満たされているか否かを判定部53が判定する。なお、所定条件は上記の例には限定されず、例えば「乾球温度が0℃超かつ100℃未満」という条件であっても良い。
【0062】
当該所定条件が満たされている場合には、判定部53は、表示条件が満たされていると判定する。この場合、データ作成部52は、温度測定値及び湿度測定値の双方がグラフ表示されるようなグラフデータD5を作成する。一方、当該所定条件が満たされていない場合には、判定部53は、表示条件が満たされていないと判定する。この場合、データ作成部52は、温度測定値はグラフ表示されるが湿度測定値はグラフ表示されないようなグラフデータD5を作成する。なお、湿度非制御期間におけるグラフ表示の選択(
図5)と同様に、湿度測定値の正確性を担保するための上記所定条件が満たされていない場合にグラフ表示を行うか否かを、ユーザが任意に選択できる構成としても良い。
【0063】
本変形例によれば、判定部53は、湿度測定値の正確性を担保するための所定条件が満たされていない場合には、表示条件が満たされていないと判定する。これにより、正確性が担保されない湿度グラフが表示装置5に表示されることを、回避することが可能となる。
【0064】
他の例として、判定部53は、環境試験装置2が環境試験を実行している期間内は表示条件が満たされていると判定し、環境試験が終了した後は表示条件が満たされていないと判定しても良い。表示条件が満たされていると判定部53が判定した場合には、データ作成部52は、温度測定値及び湿度測定値の双方がグラフ表示されるようなグラフデータD5を作成する。一方、表示条件が満たされていないと判定部53が判定した場合には、データ作成部52は、温度測定値及び湿度測定値の双方がグラフ表示されないようなグラフデータD5を作成する。
【0065】
これにより、環境試験終了後に無意味な温度グラフ及び湿度グラフが表示装置5に表示されることを、回避することが可能となる。
【符号の説明】
【0066】
1 環境試験システム
2 環境試験装置
3 管理装置
5 表示装置
13 チャンバ
16 温度センサ
17 湿度センサ
19 入力装置
31 データ処理部
42 プログラム
51 取得部
52 データ作成部
53 判定部
54 出力部