(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-19
(45)【発行日】2024-06-27
(54)【発明の名称】蒸気発生物品、蒸気発生物品を製造する方法、及び蒸気発生システム
(51)【国際特許分類】
A24C 5/01 20200101AFI20240620BHJP
【FI】
A24C5/01
(21)【出願番号】P 2021537184
(86)(22)【出願日】2020-02-18
(86)【国際出願番号】 EP2020054177
(87)【国際公開番号】W WO2020169566
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2023-01-27
(32)【優先日】2019-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コンタレヴ, アレクサンドル
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/030277(WO,A1)
【文献】特表2018-530311(JP,A)
【文献】特表2018-529323(JP,A)
【文献】特表2018-531587(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24C 1/00-5/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気発生物品
(42、52、54、56)を製造する方法であって、
(i)複数の細長蒸気発生構成要素(22)を押し出すことと、
(ii)押し出された前記複数の蒸気発生構成要素を整列することと、
(iii)整列された前記複数の蒸気発生構成要素を集めて、バンドを形成することと、
(iv)集められた蒸気発生構成要素の前記バンドを結束することと、
(v)集められた蒸気発生構成要素の結束された前記バンドを切断して前記蒸気発生物品を形成することと、
(vi)ステップ(i)の後、前記複数の蒸気発生構成要素を乾燥させることと、を含
み、
ステップ(ii)が、細長部を有する誘導加熱可能サセプタ(44)を前記複数の細長蒸気発生構成要素(22)の間に、前記細長部を前記細長蒸気発生構成要素と整列して配置することをさらに含む、方法。
【請求項2】
ステップ(i)及び(ii)が、複数の細長蒸気発生構成要素(22)を平行に押し出して、それにより同時に前記細長蒸気発生構成要素を整列することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法が、ステップ(i)及び(vi)の後、且つステップ(ii)の前に、
(vii)乾燥された前記細長蒸気発生構成要素(22)のうちの1つをボビン上に巻き付けることと、
(viii)乾燥された前記細長蒸気発生構成要素を前記ボビンから巻き戻すことと、
をさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(ii)
において、各々が細長部を有する
複数の誘導加熱可能サセプタ(44)
が互いに平行に並ぶように、前記複数の誘導加熱可能サセプタ(44)が前記複数の細長蒸気発生構成要素(22)の間に
配置される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(iii)が、整列された前記複数の蒸気発生構成要素(22)及び前記誘導加熱可能サセプタ(44)を集めて、バンドを形成することを含み、ステップ(iv)が、集められた蒸気発生構成要素及び前記誘導加熱可能サセプタの前記バンドを結束することを含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
蒸気発生システム
(2)であって、
蒸気発生基材(24)を形成する少なくとも5つの押し出された細長蒸気発生構成要素(22)を含む、蒸気発生物品(42、52、54、56)と、
前記蒸気発生物品を加熱する加熱デバイス
(40)と、を備え、
前記蒸気発生物品又は前記加熱デバイスが、マウスピースを含
み、
前記蒸気発生物品が、前記蒸気発生基材(24)の中に配置された誘導加熱可能サセプタ(44)を含み、前記誘導加熱可能サセプタ(44)が、筒状サセプタを含み、
前記加熱デバイス(40)が、前記誘導加熱可能サセプタ(44)を加熱し、これにより前記蒸気発生物品を加熱するための電磁場発生器(45)を含む、蒸気発生システム。
【請求項7】
蒸気発生システム
(2)であって、
蒸気発生基材(24)を形成する少なくとも5つの押し出された細長蒸気発生構成要素(22)を含む、蒸気発生物品
(42、52、54、56)と、
前記蒸気発生物品を加熱する加熱デバイス
(40)と、を備え、
前記蒸気発生物品又は前記加熱デバイスが、マウスピースを含
み、
前記蒸気発生物品が、前記蒸気発生基材(24)の中に互いに平行に配置された複数の誘導加熱可能サセプタ(44)を含み、
前記加熱デバイス(40)が、前記複数の誘導加熱可能サセプタ(44)を加熱し、これにより前記蒸気発生物品を加熱するための電磁場発生器(45)を含む、蒸気発生システム。
【請求項8】
蒸気発生物品
(42、52、54、56)であって、
蒸気発生基材(24)を形成する、少なくとも5つの押し出された細長蒸気発生構成要素(22)と、
マウスピースと、を備え、
前記蒸気発生物品が、前記蒸気発生基材(24)の中に配置された誘導加熱可能サセプタ(44)を含み、前記誘導加熱可能サセプタ(44)が、筒状サセプタを含む、蒸気発生物品。
【請求項9】
蒸気発生物品
(42、52、54、56)であって、
蒸気発生基材(24)を形成する、少なくとも5つの押し出された細長蒸気発生構成要素(22)と、
マウスピースと、を備
え、
前記蒸気発生物品が、前記蒸気発生基材(24)の中に互いに平行に配置された複数の誘導加熱可能サセプタ(44)を含む、蒸気発生物品。
【請求項10】
前記押し出された細長蒸気発生構成要素が、中実の蒸気発生構成要素を含む、請求項
8又は9に記載の蒸気発生物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して蒸気発生物品に関し、より詳細には、冷却及び凝縮してユーザが吸入するためのエアロゾルを形成する蒸気を発生させるために蒸気発生物品を加熱する加熱デバイスとともに使用する、蒸気発生物品に関する。本開示の実施形態は、特に、蒸気発生物品を製造する方法、及び/又は蒸気発生システム、及び/又は蒸気発生物品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、蒸気発生材料を燃やすのではなく加熱して吸入用の蒸気及び/又はエアロゾルを生成するデバイスが、消費者に人気になってきている。このようなデバイスは、いくつかの異なる手法のうちの1つを使用して、蒸気発生材料に熱を与えることができる。
【0003】
1つの手法は、抵抗加熱システムを採用する蒸気発生デバイスを提供することである。このようなデバイスでは、抵抗加熱素子が、蒸気発生材料を加熱するために設けられ、加熱素子から伝達される熱によって蒸気発生材料が加熱されるにつれて蒸気又はエアロゾルが発生する。
【0004】
別の手法は、誘導加熱システムを採用する蒸気発生デバイスを提供することである。このようなデバイスでは、誘導コイルがデバイスに設けられ、サセプタが、典型的には蒸気発生材料とともに設けられる。ユーザがデバイスを作動させると、電気エネルギーが誘導コイルに供給され、これにより交流電磁場が発生する。サセプタがこの電磁場と結合して熱を発生させ、この熱が、例えば伝導によって蒸気発生材料に伝達され、蒸気発生材料が加熱されるにつれて蒸気又はエアロゾルが発生する。
【0005】
蒸気発生材料を加熱するためにどの手法が用いられても、例えば、ユーザが蒸気発生デバイスに挿入できる、蒸気発生物品の形態で蒸気発生材料を提供することが便利であり得る。したがって、比較的容易に製造可能な蒸気発生物品を提供する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
本開示の第1の態様によれば、蒸気発生物品を製造する方法であって、
(i)複数の細長蒸気発生構成要素を押し出すことと、
(ii)押し出された複数の蒸気発生構成要素を整列することと、
(iii)整列された複数の蒸気発生構成要素を集めて、バンドを形成することと、
(iv)集められた蒸気発生構成要素のバンドを結束することと、
(v)集められた蒸気発生構成要素の結束されたバンドを切断して蒸気発生物品を形成することと、
(vi)ステップ(i)の後、複数の蒸気発生構成要素を乾燥させることと、
を含む、方法が提供される。
【0007】
蒸気発生物品は、蒸気発生構成要素の少なくとも1つの構成物を揮発させ、それによって、冷却及び凝縮してユーザが吸入するためのエアロゾルを形成する加熱された蒸気を発生させるために、蒸気発生構成要素を燃やすのではなく、蒸気発生構成要素を加熱する加熱デバイスとともに使用するためのものである。
【0008】
本開示の第2の態様によれば、蒸気発生システムであって、
少なくとも5つの押し出された細長蒸気発生構成要素を含む、蒸気発生物品と、
蒸気発生物品を加熱する加熱デバイスと、を備え、
蒸気発生物品又は加熱デバイスがマウスピースを含む、蒸気発生システムが提供される。
【0009】
本開示の第3の態様によれば、蒸気発生物品であって、
蒸気発生基材を形成する、少なくとも5つの押し出された細長蒸気発生構成要素と、
マウスピースと、を備える、蒸気発生物品が提供される。
【0010】
一般論として、蒸気は、臨界温度よりも低い温度で気相である物質であり、これは、温度を低下させることなく圧力を増加させることにより蒸気を液体に凝縮させ得ることを意味する。一方、エアロゾルは、空気中又は別のガス中の微細な固体粒子又は液滴の浮遊物である。しかしながら、本明細書では、「エアロゾル」及び「蒸気」という用語は、特にユーザが吸入するために発生される吸入可能媒体の形態に関して、互換的に使用され得ることに留意されたい。
【0011】
本開示の第1の態様による方法は、細長蒸気発生構成要素のそれぞれが蒸気発生物品の断面領域よりもはるかに小さな断面領域を有するため、蒸気発生物品の大量生産に特に適しており、柔軟で簡略化した製造を可能にする。
【0012】
蒸気発生物品は、隣接する細長蒸気発生構成要素間に複数の向きのある間隙を含む。間隙は、流体流動経路を提供することにより、蒸気発生物品を通る空気及び蒸気の均一な流れを容易にする。間隙は、加熱器、例えば、抵抗加熱素子又は誘導加熱可能サセプタの、蒸気発生物品内への挿入も容易にする。
【0013】
細長蒸気発生構成要素は、植物由来の材料を含んでもよく、特にタバコを含んでもよい。細長蒸気発生構成要素は、例えば、タバコと、セルロース繊維、タバコ茎繊維、及びCaCO3などの無機充填剤のうちの任意の1つ又は複数と、を含む再構成タバコを含み得る。細長蒸気発生構成要素は、条片を含み得る。
【0014】
細長蒸気発生構成要素は、保湿剤などのエアロゾルフォーマを含み得る。エアロゾルフォーマの例には、グリセリン又はプロピレングリコールなどの多価アルコール及びその混合物を含む。典型的には、細長蒸気発生構成要素は、乾燥重量ベースで約5%~約50%のエアロゾルフォーマ含有量を含み得る。いくつかの実施形態では、細長蒸気発生構成要素は、乾燥重量ベースで約10%~約20%、場合により乾燥重量ベースで約13%~約17%、場合により乾燥重量ベースで約15%のエアロゾルフォーマ含有量を含み得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、ステップ(i)は、合成物を押し出して、複数の細長蒸気発生構成要素を形成することを含んでもよく、合成物は、約50wt%~約80wt%の量の、約50μm~約250μmの粒子サイズを有するタバコと、約1wt%~約15wt%の量の、バインダ、例えばカルボキシメチルセルロースと、約10wt%~約30wt%の量の保湿剤、例えばグリセリン又はプロピレングリコールと、約2wt%~20wt%の量の水と、約2wt%~8wt%の量の風味成分、例えば液体風味成分)と、を含み得る。
【0016】
タバコ及びバインダは、室温及び室圧において固体である合成物の成分を構成する。保湿剤、水、及び液体風味成分は、室温及び室圧において液体である合成物の成分を構成する。ステップ(i)は、固体成分を混合すること、及びその後固体成分に液体成分を加えることを含み得る。
【0017】
ステップ(i)は、約20℃~約180℃の押出温度で実行され得る。いくつかの実施形態では、ステップ(i)は、エクストルーダを用いて実行され得る。エクストルーダ内の温度は、約20℃~約180℃であってもよい。エクストルーダの出口における温度は、約80℃~約180℃であってもよい。
【0018】
押し出された細長蒸気発生構成要素は、典型的には、中実の蒸気発生構成要素を含む。「中実」という用語は、本明細書において、中空ではなく、且つ穴又は空洞がない蒸気発生構成要素を示すために用いられる。中実の蒸気発生構成要素は、優れた安定性を有し、その形態を保持することが可能である。これは、例えば、中空の蒸気発生構成要素、例えば筒状の蒸気発生構成要素と対照的である。中空の蒸気発生構成要素は、例えば製造(例えば、蒸気発生構成要素をボビン上に巻き付けること)中、又はユーザによる蒸気発生物品の取り扱いに起因して、圧潰及び/又は破砕及び/又は破損し易い場合がある。蒸気発生構成要素の圧潰又は破砕は、蒸気発生物品を通る気流経路を損なうことがあり、よって、ユーザへのエアロゾル放出に影響を及ぼし、及び/又は蒸気発生物品の外観の変形をもたらすため、望ましくない。
【0019】
蒸気発生物品がマウスピースを含む実施形態において、マウスピースは、例えば、セルロースアセテート繊維を含む、フィルタを含み得る。
【0020】
ステップ(i)及び(ii)は、複数の細長蒸気発生構成要素を平行に押し出して、それにより同時に細長蒸気発生構成要素を整列することを含み得る。製造方法は、それによって簡略化される。
【0021】
ステップ(vi)は、ステップ(iii)の前に実行され得る。個々の細長蒸気発生構成要素は、ステップ(iii)の間に集める前に、より容易に乾燥され得る。ステップ(iii)の間に細長蒸気発生構成要素を集めてバンドを形成した後は、バンドの中間の方に位置する蒸気発生構成要素が、より乾燥し難い場合がある。
【0022】
方法は、ステップ(i)及び(vi)の後、且つステップ(ii)の前に、
(vii)乾燥された細長蒸気発生構成要素のうちの1つをボビン上に巻き付けることと、
(viii)乾燥された細長蒸気発生構成要素をボビンから巻き戻すことと、をさらに含み得る。
【0023】
したがって、方法のステップ(i)及び(vi)は、方法の後続ステップが実行される場所とは異なる場所において実行され得る。これによって、製造の柔軟性が増大されることが可能となる。
【0024】
ステップ(vii)は、所定の長さの、乾燥された細長蒸気発生構成要素の1つをボビン上に巻き付けることと、その所定の長さがボビン上に巻き付けられた後で、乾燥された細長生成構成要素を切断することと、を含み得る。
【0025】
ステップ(vii)は、複数の乾燥された細長蒸気発生構成要素を個々のボビン上に巻き付けることを含んでもよく、ステップ(ii)の間、複数の押し出された蒸気発生構成要素のそれぞれが個々のボビンのうちの1つから供給されるように、ステップ(viii)は、乾燥された細長蒸気発生構成要素を個々のボビンから巻き戻すことを含んでもよい。
【0026】
ステップ(iv)は、蒸気発生構成要素のバンドを包むことを含み得る。ステップ(iv)は、例えば、蒸気発生構成要素のバンドを材料のシートで包むことを含んでもよく、材料のシートは、通気性を有してもよく、且つ電気絶縁性及び非磁性であってもよく、例えば包装紙であってもよい。
【0027】
方法は、ステップ(iv)の後、且つ好ましくはステップ(v)の後、誘導加熱可能サセプタを、結束された複数の蒸気発生構成要素内に挿入することをさらに含み得る。よって、方法は、誘導加熱可能な蒸気発生物品を製造するための、特に便利な方法を提供する。
【0028】
ステップ(ii)は、細長部を有する誘導加熱可能サセプタを複数の細長蒸気発生構成要素の間に、好ましくは細長部を細長蒸気発生構成要素と整列して配置することをさらに含み得る。このような構成によって、誘導加熱可能サセプタから細長蒸気発生構成要素への均一な熱伝達が保証され得る。
【0029】
ステップ(iii)は、整列された複数の蒸気発生構成要素及び誘導加熱可能サセプタを集めて、バンドを形成することを含んでもよく、ステップ(iv)は、集められた蒸気発生構成要素及び誘導加熱可能サセプタのバンドを結束することを含んでもよい。これにより、誘導加熱可能な蒸気発生物品の製造が簡略化される。
【0030】
誘導加熱可能サセプタは、連続した誘導加熱可能サセプタ、例えば、シート、又は短冊状、又は板状サセプタを含み得る。ステップ(v)は、集められた蒸気発生構成要素及び連続した誘導加熱可能サセプタの結束されたバンドを切断して、蒸気発生物品を形成することを含み得る。誘導加熱可能な蒸気発生物品の製造は、さらに簡略化され、大量生産が達成され得る。
【0031】
誘導加熱可能サセプタは、粒子状のサセプタ材料を含み得る。粒子状のサセプタ材料の使用は、加熱デバイスでの蒸気発生物品の使用中に細長蒸気発生構成要素への均一な熱伝達をもたらし得る。
【0032】
ステップ(i)は、最大寸法0.5mm~1.0mmの断面領域を有する開口から蒸気発生構成要素を押し出すことを含み得る。
【0033】
ステップ(vi)の間に細長蒸気発生構成要素を乾燥させる前に、細長蒸気発生構成要素は、含水量、例えば、約15wt%~約40wt%の水分量を有し得る。ステップ(vi)の間細長蒸気発生構成要素を乾燥させた後、細長蒸気発生構成要素は、含水量、例えば、約8wt%~約25wt%の水分量を有し得る。
【0034】
蒸気発生物品は、少なくとも10の押し出された細長蒸気発生構成要素を含んでもよく、少なくとも20の押し出された細長蒸気発生構成要素を含んでもよい。蒸気発生物品は最大100の押し出された細長蒸気発生構成要素を含んでもよく、最大70の押し出された細長蒸気発生構成要素を含んでもよい。細長蒸気発生構成要素は、蒸気発生基材をともに形成し得る。細長蒸気発生構成要素の数が多いほど、蒸気発生構成要素の間により多くの間隙の存在をもたらす傾向にあり、したがって、蒸気発生物品を通る、より均一な気流を有利にもたらし得る。しかしながら、蒸気発生物品が適当な寸法を有することを保証するために、構成要素の数が増加するにつれて蒸気発生構成要素の断面領域が減少することが典型的には必要であるため、過大な数の細長蒸気発生構成要素は望ましくない。蒸気発生構成要素の断面領域が小さすぎる場合、構成要素の強度が低下することがあり、その結果、蒸気発生物品の大量生産が困難になる場合がある。
【0035】
複数の細長蒸気発生構成要素は、実質的に同一の方向に向けられていてもよく、細長蒸気発生構成要素の間に複数の間隙があってもよい。上述の通り、間隙は、蒸気発生物品を通る空気及び蒸気の流れを容易にし、蒸気発生物品内への加熱器の挿入を容易にし得る。
【0036】
複数の細長蒸気発生構成要素は、長手方向軸を有する筒状部材内に配置されてもよく、細長蒸気発生構成要素は、実質的に長手方向軸の方向に向けられていてもよい。筒状部材は、典型的には、電気絶縁性且つ非磁性である材料、例えば、紙又はプラスチック材料を含み得る。筒状部材は、例えば、包装紙を含んでもよい。蒸気発生物品は、その筒状形状により製造が容易である。形状によって、複数の蒸気発生物品の保管/包装、ユーザによる物品の取り扱い、及び物品の加熱デバイス内への挿入も容易になり得る。
【0037】
蒸気発生構成要素及び筒状部材の端は、実質的に長手方向に整列され得る。このような構成によって、蒸気発生物品の製造が容易となる場合があり、空気が蒸気発生構成要素のバンドの端からのみ入り、そのバンドの反対側の端からのみ出て行くことから、蒸気発生物品を通る気流が最適化され得る。
【0038】
細長蒸気発生構成要素及び筒状部材は、実質的に同一の長さであってもよい。このような構成によって、筒状部材内の長手方向に蒸気発生構成要素の均一な分布が存在することが保証され、それによって、蒸気発生物品を通る均一な気流及び均一な加熱(細長蒸気発生構成要素の密度が長手方向に均一であるため)が実現されることが保証される。さらに、この構成によって、蒸気発生構成要素が筒状部材から脱落することが防止される。
【0039】
蒸気発生物品は、4.0mm~10.0mmの直径を有し得る。直径は、5.0mm~9.0mmであってもよく、場合により6.0mm~7.5mmであってもよい。
【0040】
細長蒸気発生構成要素は、最大寸法(例えば、直径)0.1mm~1.5mm、好ましくは0.3mm~1.2mm、さらに好ましくは0.5mm~1.0mmの断面領域を有し得る。上述の通り、細長蒸気発生構成要素が、蒸気発生物品の断面領域よりもはるかに小さな断面領域を有するため、蒸気発生物品の製造は、簡略化される。
【0041】
蒸気発生構成要素の少なくとも1つは、円形、長方形、三角形、多角形であり、又は複数の丸い突出部(lobe)を含む、断面領域を有し得る。円形断面を有する、又は複数の丸い突出部を含む細長蒸気発生構成要素は、押し出しがより容易であってもよく、蒸気発生物品内への加熱器の挿入を容易にし得る。円形断面を有する細長蒸気発生構成要素は、また、ボビン上に容易に巻き付けられ、その後ボビンから巻き戻されてもよく、それにより、蒸気発生物品の製造が容易になる。これらの理由から、円形断面を有する細長蒸気発生構成要素が好ましい場合がある。
【0042】
長方形又は三角形の断面を有する、又は複数の丸い突出部を含む細長蒸気発生構成要素は、高い比表面積を有する。即ち、蒸気発生のための高い比表面積は、低質量の蒸気発生材料で達成され得る。
【0043】
蒸気発生システムの加熱デバイスは、加熱チャンバにおいて、蒸気発生物品が挿入される開口部に向かって延びる加熱器を含み得る。この構成では、加熱器は、開口部を通した加熱チャンバ内への蒸気発生物品の挿入中に、蒸気発生構成要素によって形成される蒸気発生基材内に挿入される。
【0044】
加熱器は、針状加熱器を含み得る。針状加熱器は、蒸気発生構成要素の間に形成された間隙内に容易に受けられ得るため、針状加熱器は、刃形と比較しても、蒸気発生構成要素によって形成される蒸気発生基材内への挿入に最適な形状を有する。
【0045】
加熱デバイスは、上記加熱器のうちの少なくとも2つを含み得る。加熱器は、蒸気発生基材内の異なる位置にあるため、複数の加熱器の使用は、細長蒸気発生構成要素のより均一且つ有効な加熱をもたらす。
【0046】
加熱器又は各加熱器が延びる方向は、蒸気発生構成要素が向けられている方向に略平行であってもよい。蒸気発生構成要素間に形成される間隙内への加熱器の挿入は、それにより容易となる。
【0047】
蒸気発生物品は、誘導加熱可能サセプタを含んでもよく、加熱デバイスは、電磁場発生器を含んでもよい。蒸気発生物品は、蒸気発生基材内に配置される誘導加熱可能サセプタを含み得る。したがって、蒸気発生は、誘導加熱可能サセプタの誘導加熱によって実現され得る。
【0048】
誘導加熱可能サセプタは、実質的に細長蒸気発生構成要素が整列される方向に延びる部分を含み得る。このような構成は、誘導加熱可能サセプタが電磁場発生器を基準として正確に整列されること、及び、したがって、誘導加熱可能サセプタが電磁場発生器によって発生される電磁場と最適に結合されることを保証する助けとなり得る。このような構成は、また、誘導加熱可能サセプタから細長蒸気発生構成要素への熱伝達を最大化し得る。さらに、細長蒸気発生構成要素が整列される方向に実質的に誘導加熱可能サセプタを向けることによって、蒸気発生物品の製造が容易にされ得る。
【0049】
誘導加熱可能サセプタは、短冊状又は板状であってもよく、棒状であってもよく、U形であってもよく、E形であってもよく、I形であってもよく、ピン状であってもよく、又は例えば円形、長方形、若しくは正方形の断面を有する筒状であってもよい。
【0050】
誘導加熱可能サセプタは、アルミニウム、鉄、ニッケル、ステンレス鋼、及びそれらの合金、例えばニッケルクロム又はニッケル銅のうちの1つ又は複数を含み得るが、これらに限定されない。サセプタの付近に電磁場を印加すると、渦電流及び磁気ヒステリシス損失により電磁気から熱へのエネルギー変換がもたらされることに起因して、サセプタは熱を発生させ得る。
【0051】
電磁場発生器は誘導コイルを含み得る。誘導コイルは、リッツ線又はリッツケーブルを含み得る。ただし、他の材料も使用できると理解されたい。
【0052】
電磁場発生器、例えば誘導コイルは、使用時に、約20mT~最高密度点で約2.0Tの間の磁束密度を有する変動電磁場を伴って動作するように構成され得る。
【0053】
加熱デバイスは、高周波で動作するように構成され得る電源及び回路を含み得る。電源及び回路は、約80kHz~500kHz、場合により約150kHz~250kHz、場合により約200kHzの周波数で動作するように構成され得る。電源及び回路は、使用される誘導加熱可能サセプタの種類に応じて、例えばMHz範囲などのより高い周波数で動作するように構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】加熱デバイスの第1の例及び蒸気発生物品の第1の例を含む、蒸気発生システムの第1の実施形態の斜視図である。
【
図1a】
図1に示される蒸気発生物品の第1の例の側面断面図である。
【
図2】加熱デバイスの第2の例及び蒸気発生物品の第2の例を含む、蒸気発生システムの第2の実施形態の斜視図である。
【
図2a】
図2に示される蒸気発生物品の第2の例の側面断面図である。
【
図3】
図2に示される加熱デバイスの第2の例で使用するのに適当な蒸気発生物品のさらなる例の斜視図である。
【
図3a】
図2に示される加熱デバイスの第2の例で使用するのに適当な蒸気発生物品のさらなる例の側面断面図である。
【
図4】
図2に示される加熱デバイスの第2の例で使用するのに適当な蒸気発生物品のさらなる例の斜視図である。
【
図4a】
図2に示される加熱デバイスの第2の例で使用するのに適当な蒸気発生物品のさらなる例の側面断面図である。
【
図5】
図2に示される加熱デバイスの第2の例で使用するのに適当な蒸気発生物品のさらなる例の斜視図である。
【
図5a】
図2に示される加熱デバイスの第2の例で使用するのに適当な蒸気発生物品のさらなる例の側面断面図である。
【
図6a】蒸気発生構成要素の例としての断面形状を示す図である。
【
図6b】蒸気発生構成要素の例としての断面形状を示す図である。
【
図6c】蒸気発生構成要素の例としての断面形状を示す図である。
【
図6d】蒸気発生構成要素の例としての断面形状を示す図である。
【
図6e】蒸気発生構成要素の例としての断面形状を示す図である。
【
図6f】蒸気発生構成要素の例としての断面形状を示す図である。
【
図7】蒸気発生物品を製造する方法の一例のステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0055】
ここで、本開示の実施形態について、単なる例として添付図面を参照しながら説明する。
【0056】
まず、
図1及び
図1aを参照すると、蒸気発生システム1の第1の実施形態の斜視図が示されている。蒸気発生システム1は、加熱デバイス10の第1の例及び蒸気発生物品12の第1の例を含む。蒸気発生物品12の寸法は、例示の目的で加熱デバイス10の寸法に対して誇張されており、蒸気発生物品12の一部のみが
図1に示されている。
【0057】
加熱デバイス10は、第1の端14及び第2の端16を有し、電源及びコントローラを含むデバイス本体18を含む。電源は、典型的には、例えば誘導式で再充電可能であり得る1つ又は複数の電池を含む。加熱デバイス10は、加熱デバイス10の動作を制御するためにユーザによって押され得るボタン19をさらに含む。
【0058】
加熱デバイス10は、概して円筒形であり、加熱デバイス10の第1の端14においてデバイス本体18に形成される略円筒形の加熱チャンバ20を含む。加熱チャンバ20は、対応する形状の略円筒形の蒸気発生物品12を受けるように構成される。
【0059】
蒸気発生物品12は、全て実質的に互いに整列され、蒸気発生基材24をともに形成する、押し出された複数の細長蒸気発生構成要素22を含む。蒸気発生構成要素22は、中実であり(即ち、中空ではない)、典型的には、タバコなどの植物由来の材料を含み、タバコと、セルロース繊維、タバコ茎繊維、及びCaCO3などの無機充填剤のうちの任意の1つ又は複数とを含む再構成タバコを含み得る。
【0060】
蒸気発生構成要素22は、グリセリン又はプロピレングリコールなどのエアロゾルフォーマを含む。典型的には、蒸気発生構成要素22は、乾燥重量ベースで約5%~約50%のエアロゾルフォーマ含有量を含む。加熱すると、蒸気発生構成要素22は、場合によりニコチン又はタバコ香味料などのフレーバー化合物を含む、揮発性化合物を放出する。
【0061】
蒸気発生構成要素22は、筒状部材26内に配置され、実質的に筒状部材26の長手方向軸に沿って向けられる。筒状部材26は、実質的に非導電性で磁気を通さない材料を含み、図示された例では、包装紙28を含む。
【0062】
蒸気発生基材24は、典型的には、5~100の蒸気発生構成要素22を含み、蒸気発生構成要素22の間に複数の間隙が存在する。
【0063】
加熱デバイス10は、例えば複数の針状加熱素子32を含む抵抗加熱器30を含み、針状加熱素子32は、
図1の斜視図及び加熱チャンバ20の開放端からの図において明確に分かるように、デバイス本体18から加熱チャンバ20内に延びる。蒸気発生物品12が加熱チャンバ20内に配置されるとき、加熱素子32が、蒸気発生基材24内に挿入されるように加熱チャンバ20内に配置される。加熱素子32は、蒸気発生構成要素22が向けられる方向に略平行な方向に延び、加熱素子32は、蒸気発生構成要素22間の間隙内に有利に延び得る。それによって、蒸気発生構成要素22の変形が最小化され、又は回避されると同時に、加熱チャンバ20内への蒸気発生物品12の挿入が容易になる。
【0064】
蒸気発生システム1の動作中に、例えば、ユーザがボタン19を押すことによって起動されると、電流が加熱素子32に供給されて、それを加熱する。加熱素子32からの熱は、加熱チャンバ20内に配置される蒸気発生物品12の蒸気発生構成要素22に、例えば、伝導、放熱、及び対流により伝達され、それにより、蒸気発生構成要素22を加熱し、蒸気発生システム1のユーザにより吸入され得る蒸気を生成する。
【0065】
図1には見えないが、加熱デバイス10又は蒸気発生物品12のいずれかが、蒸気がユーザにより吸入されるマウスピースを含む。蒸気発生物品12がマウスピースを含む実施形態において、マウスピースは、典型的には、例えばセルロースアセテート繊維を含むフィルタを含んでもよい。
【0066】
ここで、
図2及び
図2aを参照すると、蒸気発生システム2の第2の実施形態が示されている。蒸気発生システム2は、
図1を参照して上述した蒸気発生システム1と共通のいくつかの特徴を有し、対応する要素は、同一の参照番号を用いて示されている。
【0067】
蒸気発生システム2は、加熱デバイス40の第2の例及び蒸気発生物品42の第2の例を含む。
【0068】
蒸気発生物品42は、蒸気発生物品12と類似であり、蒸気発生物品42が蒸気発生基材24内に位置する複数の誘導加熱可能サセプタ44を含むという差異のみを有する。誘導加熱可能サセプタ44は、略I形又はピン状であり、細長蒸気発生構成要素22と実質的に同一の方向に延びる。
【0069】
加熱デバイス40は、高周波数で動作するように構成される電磁場発生器45を含む。電磁場発生器45は、螺旋状の誘導コイル46を含み、誘導コイル46は、円形断面を有し、加熱チャンバ20の周りに延びる。誘導コイル46は、
図2の加熱デバイス40の斜視図において見ることができるが、加熱チャンバ20の開放端からの図には示されない。誘導コイル46は、電源及びコントローラによって励磁され得る。コントローラは、電子部品の中でもとりわけ、電源からの直流を誘導コイル46のための交流高周波電流に変換するように構成されるインバータを含む。
【0070】
当業者には理解されるように、例えば、ユーザがボタン19を押すことによる加熱デバイス40の作動により、誘導コイル46が励磁されると、交流電磁場が生じる。交流電磁場は、加熱チャンバ内に配置される蒸気発生物品42の誘導加熱可能サセプタ44と結合し、誘導加熱可能サセプタ44内に渦電流及び/又は磁気ヒステリシス損失を発生させて、誘導加熱可能サセプタ44を加熱する。次いで、この熱は、例えば、伝導、放熱、及び対流により、誘導加熱可能サセプタ44から蒸気発生構成要素22に伝達される。
【0071】
サセプタ44が誘導コイル46によって誘導加熱されるときに、熱がサセプタ44から蒸気発生構成要素22に伝達されて蒸気発生構成要素22を加熱し、それにより、加熱デバイス40又は蒸気発生物品42に関連付けられたマウスピースを通して蒸気発生システム2のユーザにより吸入され得る蒸気を生成するように、誘導加熱可能サセプタ44は、蒸気発生構成要素22と直接的又は間接的に接触していてもよい。
【0072】
ここで
図3及び
図3aを参照すると、
図2及び
図2aに示される蒸気発生物品42と類似の蒸気発生物品52の第3の例が示されており、対応する要素は、同一の参照番号を用いて示されている。蒸気発生物品52は、加熱デバイス40とともに使用され得る。
【0073】
蒸気発生物品52は、誘導加熱可能サセプタ44が筒状であることを除く全ての点で、
図2及び
図2aに示される蒸気発生物品42と一致する。蒸気発生構成要素22は、筒状の誘導加熱可能サセプタ44の内側及び外側の両方に配置されて、蒸気発生構成要素22への熱伝達を最大化し、それにより、生成されるエアロゾルの量を最大化し、同時にエネルギー効率を最大化する。
【0074】
好ましい実施形態では、筒状の誘導加熱可能サセプタ44及び筒状の包装紙28は同心であり、それにより、蒸気発生構成要素22が均一に加熱されることを保証する。
【0075】
ここで
図4及び
図4aを参照すると、
図2及び
図2aに示される蒸気発生物品42と類似の蒸気発生物品54の第4の例が示されており、対応する要素は、同一の参照番号を用いて示されている。蒸気発生物品54は、加熱デバイス40とともに使用され得る。
【0076】
蒸気発生物品54は、誘導加熱可能サセプタ44が略U形であり、蒸気発生基材24を通して完全に又は部分的に延びる2つの細長部47と、細長部47に接続する蒸気発生物品54の端に位置する接続部48と、を含むことを除く全ての点で、
図2及び
図2aに示される蒸気発生物品42と一致する。
【0077】
ここで
図5及び
図5aを参照すると、
図2及び
図2aに示される蒸気発生物品42と類似の蒸気発生物品56の第5の例が示されており、対応する要素は、同一の参照番号を用いて示されている。蒸気発生物品56は、加熱デバイス40とともに使用され得る。
【0078】
蒸気発生物品56は、誘導加熱可能サセプタ44が略短冊状又は板状であることを除く全ての点で、
図2及び
図2aに示される蒸気発生物品42と一致する。
【0079】
上述した例の全てにおいて、蒸気発生構成要素22は、
図6aに示されるように、略円形断面形状を有する。しかしながら、蒸気発生構成要素22は、
図6bに示されるような長方形又は正方形、
図6cに示されるような三角形、
図6dに示されるような多角形を含み、又は
図6e及び6fに示されるような複数の丸い突出部を含む、任意の適当な断面形状を有してもよい。断面形状に関わらず、蒸気発生物品12、42、52、54、56が4.0mm~10.0mmの直径を有する場合、蒸気発生構成要素22の断面領域は、0.5mm~1.0mmの最大寸法(
図6a~6fにおいて矢印で示される)を有することが好ましい場合がある。
【0080】
ここで
図7に示されるフローチャートを参照すると、蒸気発生物品12、42、52、54、56は、ステップS1において、複数の細長蒸気発生構成要素22を最大寸法0.5mm~1.0mmの断面領域を有する開口を通して押し出して、対応する断面領域及び最大寸法を有する、押し出された細長蒸気発生構成要素22を提供することによって、製造され得る。蒸気発生構成要素22は、平行に押し出されて、同時にそれらを整列してもよい(即ち、ステップS1及びS2が同時に実行される)。又は代替的には、蒸気発生構成要素22の整列は、蒸気発生構成要素22が押し出された後で別々に実行されてもよい(即ち、ステップS2がステップS1の後に実行される)。
【0081】
整列された蒸気発生構成要素22は、整列された蒸気発生構成要素22のバンドがステップS4において結束される前に、ステップS3において、集められてバンドを形成する。典型的には、整列された蒸気発生構成要素22のバンドは、ステップS4において、整列された蒸気発生構成要素22のバンドを包装紙28で包むことによって結束される。集められた蒸気発生構成要素22の結束されたバンドは、次いで、ステップS5において、その長さに沿った適当な位置で切断されて、複数の個々の蒸気発生物品を形成し得る。
【0082】
製造プロセスは、ステップS6において、蒸気発生構成要素22を乾燥させることをさらに含む。乾燥ステップは、
図7において破線で示されているように、製造プロセスの任意の適当な時点で実行されてもよい。例えば、押し出された蒸気発生構成要素22は、それらがステップS1において押し出された後即座に、又はプロセスのさらに後の時点で、乾燥され得る(即ち、ステップS6が実行され得る)。
【0083】
いくつかの事例では、押し出された蒸気発生構成要素22を個々のボビン上に巻き付けることによって、ボビンにすることが有利であり得る。そのような事例では、乾燥ステップ(ステップS6)は、ステップS1において蒸気発生構成要素22を押し出した後、即座に実行される。乾燥ステップ(ステップS6)が実行された後、蒸気発生構成要素22のそれぞれが、個々のボビン上に巻き付けられ得る。蒸気発生構成要素22は、次いで、個々のボビンから巻き戻され得る。上述のやり方では、蒸気発生構成要素22は、次いで、ステップS2において整列され、ステップS3において集められてバンドを形成し、ステップS4において結束され、最後にステップS5において切断されて複数の個々の蒸気発生物品を形成し得る。
【0084】
蒸気発生物品が1つ又は複数の誘導加熱可能サセプタ44を含む例では、例えば、
図2~5を参照して上述したように、誘導加熱可能サセプタ44は、製造プロセスの間の適当な時点で、細長蒸気発生構成要素22によって形成される蒸気発生基材24内に挿入される。
【0085】
一実施態様では、それらがステップS4において結束されて、包装紙28で包むことによってバンドを形成した後、1つ又は複数の誘導加熱可能サセプタ44が、結束された複数の蒸気発生構成要素22内に挿入され、結束されたバンドが、ステップS5において切断されて、個々の蒸気発生物品を形成する。
【0086】
別の実施態様では、細長部を有する1つ又は複数の誘導加熱可能サセプタ44は、押し出された蒸気発生構成要素22を整列するステップ(ステップS2)の間、1つ又は複数の誘導加熱可能サセプタ44の細長部が蒸気発生構成要素22と整列されて、押し出された蒸気発生構成要素22の間に配置される。本実施態様では、ステップS4において包装紙28で包むことによってバンドが結束され、その後、ステップS5において適当な位置で切断されて個々の蒸気発生物品を形成する前に、整列された蒸気発生構成要素22及び誘導加熱可能サセプタ44が、ステップS3において集められてバンドを形成する。
【0087】
これまでの段落で例示的な実施形態について説明してきたが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に対して様々な修正を加えることができると理解されたい。したがって、特許請求の幅及び範囲は、上述した例示的な実施形態に限定されるべきではない。
【0088】
本明細書で特段の断りのない限り又は文脈に明らかに矛盾しない限り、全ての可能な変形における上述した特徴の任意の組み合わせが、本開示によって包含される。
【0089】
文脈が明らかにそうでないことを必要としない限り、本明細書及び特許請求の範囲全体を通して、「含む」、「含んでいる」などの語は、排他的意味又は網羅的意味とは反対に、包含的に、即ち「含むが、限定されない」という意味で解釈されるべきである。