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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-19
(45)【発行日】2024-06-27
(54)【発明の名称】車両用フロントグリル
(51)【国際特許分類】
   B60R 19/52 20060101AFI20240620BHJP
   B60R 13/00 20060101ALI20240620BHJP
   F16B 5/02 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
B60R19/52 K
B60R13/00
F16B5/02 A
F16B5/02 T
F16B5/02 V
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022179877
(22)【出願日】2022-11-09
(65)【公開番号】P2024069084
(43)【公開日】2024-05-21
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】508309887
【氏名又は名称】森六テクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(72)【発明者】
【氏名】植田 洸
(72)【発明者】
【氏名】篠原 健太
【審査官】長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-158059(JP,A)
【文献】特開2004-237779(JP,A)
【文献】特開2019-010956(JP,A)
【文献】特開2011-073661(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 19/52
B60R 13/00
F16B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に対して固定可能なベースと、前記ベースの表面に対して重ね合わされているグリル本体と、を備えた車両用フロントグリルにおいて、
前記ベースと前記グリル本体とは、複数の第1固定部材により互いに固定され、
各々の前記第1固定部材は、前記グリル本体に固定されていると共に前記ベースを貫通している第1軸部と、前記第1軸部の端部に設けられた第1頭部と、を備え、
前記第1頭部と、前記グリル本体とは、前記ベースを挟み込んでおり、
前記ベースの裏面を前記第1軸部の軸線に沿った方向から見て、全ての前記第1頭部は露出している、車両用フロントグリル。
【請求項2】
前記グリル本体は、前記ベースのみに係止可能な係止部を有している、請求項1に記載の車両用フロントグリル。
【請求項3】
エンブレムベースを備え、
前記ベースと、前記エンブレムベースとは、少なくとも1つの第2固定部材により互いに固定され、
前記第2固定部材は、前記エンブレムベースに固定されていると共に前記ベースを貫通している第2軸部と、前記第2軸部の端部に設けられた第2頭部と、を備え、
前記第2頭部と、前記エンブレムベースとは、前記ベースを挟み込んでおり、
前記ベースの前記裏面を前記第1軸部の軸線に沿った方向から見て、前記第2頭部は露出している、請求項1に記載の車両用フロントグリル。
【請求項4】
前記エンブレムベースは、前記ベースのみに係止可能な係止部を有している、請求項3に記載の車両用フロントグリル。
【請求項5】
前記エンブレムベースは、前記ベースのみに固定されている、請求項3に記載の車両用フロントグリル。
【請求項6】
前記グリル本体を加飾するモールを備え、
前記ベースと前記モールとは、複数の第3固定部材により互いに固定され、
各々の前記第3固定部材は、前記モールに固定されていると共に前記ベースを貫通している第3軸部と、前記第3軸部の端部に設けられた第3頭部と、を備え、
前記第3頭部と、前記モールとは、前記ベースを挟み込んでおり、
前記ベースの裏面を前記第1軸部の軸線に沿った方向から見て、全ての前記第3頭部は露出している、請求項1に記載の車両用フロントグリル。
【請求項7】
前記グリル本体は、互いに分割された複数の分割部品から構成されており、
複数の前記第1固定部材は、複数の前記分割部品を前記ベースに対して共締めにより固定している特定固定部材を含んでいる、請求項1~請求項6のいずれかに記載の車両用フロントグリル。
【請求項8】
エンブレムベースを備え、
前記エンブレムベースは、前記分割部品同士の境界を覆っている、請求項7に記載の車両用フロントグリル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリルが固定された車両用フロントグリルに関する。
【背景技術】
【0002】
乗用自動車の車体の前部には、エンジンルームに走行風を導入する車両用フロントグリルが設けられている。車両用フロントグリルに関する従来技術が特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1に開示された車両用フロントグリルは、車体に対して固定可能なベースと、ベースの表側に対して固定されている4つのグリルと、を備えている。
【0004】
ベースとグリルを含む車両用フロントグリルの製造方法は、グリルをベースに組み付けるグリル組付工程と、グリルをベースに固定するグリル固定工程と、を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6043814号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
グリル固定工程において使用される固定部材は、例えば、ねじやプッシュナット等である。多数の固定部材を用いる場合、固定作業に時間を要する。製造方法の工程の見直しも含めて改善が求められる。
【0007】
本発明は、グリルが固定された車両用フロントグリルを効率的に製造できる技術の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1に、車体に対して固定可能なベースと、前記ベースの表面に対して重ね合わされているグリル本体と、を備えた車両用フロントグリルにおいて、
前記ベースと前記グリル本体とは、複数の第1固定部材により互いに固定され、
各々の前記第1固定部材は、前記グリル本体に固定されていると共に前記ベースを貫通している第1軸部と、前記第1軸部の端部に設けられた第1頭部と、を備え、
前記第1頭部と、前記グリル本体とは、前記ベースを挟み込んでおり、
前記ベースの裏面を前記第1軸部の軸線に沿った方向から見て、全ての前記第1頭部は露出している、車両用フロントグリルが提供される。
【0009】
第2に、好ましくは、第1に記載の車両用フロントグリルであって、
前記グリル本体は、前記ベースのみに係止可能な係止部を有している。
【0010】
第3に、好ましくは、第1又は第2に記載の車両用フロントグリルであって、
エンブレムベースを備え、
前記ベースと、前記エンブレムベースとは、少なくとも1つの第2固定部材により互いに固定され、
前記第2固定部材は、前記エンブレムベースに固定されていると共に前記ベースを貫通している第2軸部と、前記第2軸部の端部に設けられた第2頭部と、を備え、
前記第2頭部と、前記エンブレムベースとは、前記ベースを挟み込んでおり、
前記ベースの前記裏面を前記第1軸部の軸線に沿った方向から見て、前記第2頭部は露出している。
【0011】
第4に、好ましくは、第1~第3のいずれかに記載の車両用フロントグリルであって、
前記エンブレムベースは、前記ベースのみに係止可能な係止部を有している。
【0012】
第5に、好ましくは、第3又は第4に記載の車両用フロントグリルであって、
前記エンブレムベースは、前記ベースのみに固定されている。
【0013】
第6に、好ましくは、第1~第5のいずれかに記載の車両用フロントグリルであって、
前記グリル本体を加飾するモールを備え、
前記ベースと前記モールとは、複数の第3固定部材により互いに固定され、
各々の前記第3固定部材は、前記モールに固定されていると共に前記ベースを貫通している第3軸部と、前記第3軸部の端部に設けられた第3頭部と、を備え、
前記第3頭部と、前記モールとは、前記ベースを挟み込んでおり、
前記ベースの裏面を前記第1軸部の軸線に沿った方向から見て、全ての前記第3頭部は露出している。
【0014】
第7に、好ましくは、第1~第6のいずれかに記載の車両用フロントグリルであって、
前記グリル本体は、互いに分割された複数の分割部品から構成されており、
複数の前記第1固定部材は、複数の前記分割部品を前記ベースに対して共締めにより固定している特定固定部材を含んでいる。
【0015】
第8に、好ましくは、第7に記載の車両用フロントグリルであって、
エンブレムベースを備え、
前記エンブレムベースは、前記分割部品同士の境界を覆っている。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、グリルが固定された車両用フロントグリルを効率的に製造できる技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施例による車両用フロントグリルの斜視図である。
図2】グリル本体と、モールと、エンブレムベースとを、治具に載置する載置工程を説明する図である。
図3】外装体に対してベースを組み付ける組付工程を説明する図である。
図4図4Aは、組付工程を経て得られる外装体付きベースを説明する図である。図4Bは、外装体付きベースを固定する固定工程を説明する図である。
図5図5Aは、第1モールの斜視図である。図5Bは、第4モールとエンブレムベースの斜視図である。
図6】グリル本体を構成する第1グリル~第4グリルを説明する図である。
図7】裏側から見た外装体の平面図である。
図8】外装体の裏面の中心付近を説明する図である。
図9】裏側から見た車両用フロントグリルの平面図である。
図10図10Aは、車両用フロントグリルの左端部周辺の図である。図10Bは、図10Aの10B-10B線断面図である。図10Cは、図10Aの10C-10C線断面図である。図10Dは、図10Aの10D-10D線断面図である。図10Eは、図10Aの10E-10E線断面図である。
図11図11Aは、車両用フロントグリルの中央付近の図である。図11Bは、図11Aの11B-11B線断面図である。図11Cは、図11Aの11C-11C線断面図である。図11Dは、図11Aの11D-11D線断面図である。図11Eは、図11Aの11E-11E線断面図である。図11Fは、図11Aの11F-11F線断面図である。図11Gは、図11Aの11G-11G線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施例>
添付図に基づいて実施例を説明する。なお、左右とは車両の乗員を基準として左右(車幅方向)、前後とは車両の進行方向を基準として前後を指す。また、図中Frは前、Rrは後、Leは乗員から見て左、Riは乗員から見て右、Upは上、Dnは下を示している。
【0019】
図1には、実施例による車両用フロントグリル10が示されている。車両用フロントグリル10は、車体(図示なし)の前部に対して固定可能なベース20と、ベース20の表側に対して固定されており車体に取り付けた際に外部から視認できる外装体11と、を備えている。外装体11の外形は、車幅方向(左右方向)を長手方向とする略六角形である。車両用フロントグリル10を構成する各部品は、樹脂製である。
【0020】
[外装体11]
図1及び図2を参照する。外装体11は、格子状に形成されたグリル本体12と、グリル本体12を加飾するモール13と、車両の製造元や車種などを表すエンブレム(図示なし)を支持可能なエンブレムベース30と、を備えている。なお、説明の都合上、グリル本体12は簡素的に描かれている。
【0021】
[グリル本体12]
グリル本体12は、右上に位置する第1グリル40と、左上に位置する第2グリル50と、左下に位置する第3グリル60と、右下に位置する第4グリル70と、から構成されている。第1グリル40~第4グリル70は略台形である。即ち、グリル本体12は、車幅方向(左右方向)に延びる線を中心に略対称であり、かつ、車高方向に延びる線を中心に略左右対称となるように4分割されている。なお、グリル本体12は、適宜分割することができ、例えば、車幅方向(左右方向)に延びる線を中心に2分割、又は、車高方向に延びる線を中心に2分割してもよい。
【0022】
[モール13]
モール13は、グリル本体12の周縁の前側を覆っている枠状の部材である。モール13は、六角形の上辺に対応する第1モール80と、第1モール80とは別体であり、六角形の上辺以外の辺に対応する第2モール90と、を備えている。モール13は、2つの部品で構成されているが、3つ以上の部品でもよく、単一の部品、即ち、第1モール80と、第2モール90とは、一体化されていてもよい。
【0023】
[車両用フロントグリル10の製造方法]
最初に、グリル本体12と、モール13と、エンブレムベース30とを載置可能な載置部101を有している治具100を準備する(準備工程)。載置部101は、所定の広さを持った平面に対して、外装体11(図1参照)の前面の形状に沿って形成されている。
【0024】
次に、治具100の載置部101に対して、エンブレムベース30、第1モール80、第2モール90、第1グリル40、第2グリル50、第3グリル60、第4グリル70を、それぞれ所定の位置に置く(載置工程)。図3を参照する。載置部101に置かれたグリル本体12(第1グリル40~第4グリル70)と、モール13と、エンブレムベース30とは、互いに組み合って外装体11(図1参照)を構成する。
【0025】
[ベース20]
ベース20は、外装体11を支持可能な外装体支持部21と、外装体支持部21の上端から後方へ延びており車体に固定可能な車体側固定部22と、が一体となり構成されている。外装体支持部21は、2つの空気取入口21a,21aを有している。車体側固定部22は、クリップ(図示なし)を取付可能なクリップ孔23を有している。
【0026】
次に、治具100の載置部101に置かれた外装体11に対してベース20を組み付ける。図4Aを参照する。治具100上に外装体付きベース16を得られる(組付工程)。なお、外装体付きベース16は、少なくとも外装体11に対してベース20が組み付けられていればよく、外装体11とベース20とを互いに係止させてもよい。
【0027】
図4Bを参照する。最後に、自動機(図示なし)を用いて外装体付きベース16に対してねじ締結し、外装体11とベース20とを互いに固定する(固定工程)。これにより、車両用フロントグリル10(図1参照)を得ることができる。
【0028】
なお、図4Bに示す固定工程は、グリル本体12を固定するねじG1~G8(第1固定部材)を用いたグリル固定工程と、モール13を固定するねじM1,M2(第3固定部材)を用いたモール固定工程と、エンブレムベース30を固定するねじE1(第2固定部材)を用いたエンブレムベース固定工程と、を含む。固定工程の詳細は後述する。
【0029】
[第1モール80]
図5Aを参照する。第1モール80は、第1グリル40の上縁40a(図6参照)及び第2グリル50の上縁50a(図6参照)を覆うことが可能な直線状の部材である。第1モール80は、ねじ孔が形成された複数の第1モールボス83を備えている。第1モールボス83は、車幅方向の両端及び中央に設けられている。
【0030】
第1モール80の上縁81は、後方へ突出しベース20に対して係止可能な(いわゆるスナップフィットによる固定をいう、以下同じ)複数の第1モール上爪84(係止部)を備えている。第1モールの下縁82は、後方へ突出しベース20に対して係止可能な複数の第1モール下爪85(係止部)を備えている。実施例では、爪と爪が係止可能な孔で係止機構を構成しているが、係止機構の構成は周知の技術を採用できる。
【0031】
[第2モール90]
図5Bを参照する。第2モール90は、車幅方向に延びている下枠部90aと、下枠部90aの左端から上方へ延びている左枠部90bと、下枠部90aの右端から上方へ延びている右枠部90cと、を有している。
【0032】
下枠部90aは、第3グリル60の下縁60b(図6参照)及び第4グリル70の下縁70b(図6参照)を覆うことが可能である。下枠部90aは、ねじ孔が形成された複数の第2モール下ボス91と、後方へ突出しベース20と係止可能な複数の第2モール下爪94(係止部)と、を有している。
【0033】
左枠部90bは、第3グリル60の左縁60c(図6参照)及び第2グリル50の左縁50c(図6参照)を覆うことが可能である。左枠部90bは、ねじ孔が形成された複数の第2モール左ボス92と、後方へ突出しベース20と係止可能な複数の第2モール左爪95(係止部)と、を備えている。
【0034】
右枠部90cは、第4グリル70の右縁70d及び第1グリル40の右縁40dを覆うことが可能である。右枠部90cは、ねじ孔が形成された複数の第2モール右ボス93と、後方へ突出しベース20と係止可能な複数の第2モール右爪96(係止部)と、を備えている。
【0035】
[エンブレムベース30]
エンブレムベース30は、エンブレムを支持可能な略矩形の板状の本体部31と、本体部31から後方へ突出しベース20に対して係止可能な4つの爪32~35(係止部)と、を有している。
【0036】
4つの爪32~35は、本体部31の右上に位置する第1エンブレム爪32、左上に位置する第2エンブレム爪33、左下に位置する第3エンブレム爪34、右下に位置する第4エンブレム爪35、である。
【0037】
さらに、本体部31は、ねじ孔が形成されたエンブレムボス37と、ベース20に対する位置決めを可能な位置決めピン38と、を有している。
【0038】
[第1グリル40]
図6を参照する。第1グリル40は、エンブレムベース30(図8参照)の右上角に覆われる第1被カバー部41を有している。第1被カバー部41は、第1グリル40の左下角に位置している。
【0039】
第1被カバー部41は、ねじ孔が形成された第1ボス42と、第1ボス42の右側に第1エンブレム爪32が貫通可能な第1エンブレム爪孔47と、を備えている。第1グリル40は、第2ボス43を左上角に備え、第3ボス44を右下角に備えている。
【0040】
第1グリル40の上縁40aは、後方へ突出しベース20に係止可能な複数の第1グリル上爪45(係止部)を有している。第1グリル40の下縁40bは、後方へ突出しベース20に係止可能な複数の第1グリル下爪46(係止部)に有している。
【0041】
[第2グリル50]
第2グリル50は、エンブレムベース30(図8参照)の左上角に覆われる第2被カバー部51を有している。第2被カバー部51は、第2グリル50の右下角に位置している。
【0042】
第2被カバー部51は、中心線が第1ボス42と同一の孔52aを有し第1ボス42の先端に接触可能な第1接触部52と、第2エンブレム爪33が貫通可能な第2エンブレム爪孔57と、を備えている。
【0043】
さらに、第2グリル50は、中心線が第2ボス43と同一の孔53aを有し第2ボス43の先端に接触可能な第2接触部53と、を備えている。
【0044】
第2グリル50の左縁50cは、ねじ孔が形成された第4ボス54を有している。第2グリル50の上縁50aは、後方へ突出しベース20に係止可能な複数の第2グリル上爪55(係止部)を有し、第2グリル50の下縁50bは、後方へ突出しベース20に係止可能な複数の第2グリル下爪56(係止部)を有している。
【0045】
[第3グリル60]
第3グリル60は、エンブレムベース30の左下角に覆われる第3被カバー部61を有している。第3被カバー部61は、第3グリル60の右上角に位置している。
【0046】
第3被カバー部61は、ねじ孔が形成された第5ボス62と、第3エンブレム爪34(図5b参照)が貫通可能な第3エンブレム爪孔69と、後方へ突出しベース20に係止可能な第3グリル上爪63(係止部)と、を備えている。第3グリル60は、第6ボス64を右下角に備え、第7ボス65を左縁60cに備えている。
【0047】
第3グリル60の上縁60aは、第2グリル下爪56が貫通することにより第2グリル50と連結可能な複数の第1連結孔59を有している。第3グリル60の右縁60dは、第4グリル70と連結可能な連結突起68を有している。
【0048】
さらに、第3グリル60の下縁60bは、後方へ突出しベース20に係止可能な複数の第3グリル下爪66(係止部)と、第2モール下爪94(図5b参照)が貫通可能なモール下爪孔66aと、第2モール下ボス91(図5b参照)が位置可能となるように切り欠かれた下切り欠き部66bと、を有している。
【0049】
第3グリル60の左縁60cは、後方へ突出しベース20に係止可能な複数の第3グリル左爪67(係止部)と、第2モール左爪95(図5b参照)が貫通可能なモール左爪孔67aと、第2モール左ボス92(図5b参照)が位置可能となるように切り欠かれた左切り欠き部67bと、を有している。
【0050】
[第4グリル70]
第4グリル70は、エンブレムベース30の右下角に覆われる第4被カバー部71を有している。第4被カバー部71は、第3グリル60の右上角に位置している。
【0051】
第4被カバー部71は、中心線が第5ボス62と同一の孔72aを有し第5ボス62の先端に接触可能な第3接触部72と、第4エンブレム爪35(図5b参照)が貫通可能な第4エンブレム爪孔79(係止部)と、を備えている。
【0052】
さらに、第4グリル70は、左上角に後方へ突出しベース20に係止可能な第4グリル上爪78(係止部)と、中心線が第6ボス64と同一の孔73aを有し第6ボス64の先端に接触可能な第4接触部73と、連結突起68を挿入可能な挿入孔74と、有している。
【0053】
第4グリル70の上縁70aは、第1グリル下爪46が貫通することにより第1グリル40と連結可能な複数の第2連結孔49を有している。
【0054】
第4グリル70の下縁70bは、後方へ突出しベース20に係止可能な複数の第4グリル下爪75(係止部)と、第2モール下爪94(図5b参照)が貫通可能なモール下爪孔75aと、第2モール下ボス91(図5b参照)が位置可能となるように切り欠かれた下切り欠き部75bと、を有している。
【0055】
第4グリル70の右縁70dは、ねじ孔が形成された第8ボス76と、後方へ突出しベース20に係止可能な複数の第4グリル右爪77(係止部)と、第2モール右爪96(図5b参照)が貫通可能なモール右爪孔77aと、第2モール右ボス93(図5b参照)が位置可能となるように切り欠かれた右切り欠き部77bと、を有している。
【0056】
[外装体11の固定]
図5A及び図9を参照する。第1モール80とベース20の外装体支持部21とは、複数の第1モールねじM1(第3固定部材)により固定されている。なお、実施例のねじは全てタッピングねじであるが、ねじの種類は問わない。
【0057】
図5B及び図9を参照する。第2モール90とベース20の外装体支持部21とは、複数の第2モールねじM2(第3固定部材)により固定されている。エンブレムベース30とベース20の外装体支持部21とは、エンブレムねじE1(第2固定部材)により固定されている。
【0058】
図6及び図9を参照する。グリル本体12とベース20の外装体支持部21とは、第1グリルねじG1~第8グリルねじG8(第1固定部材)により固定されている。
【0059】
[第1モール80の固定]
図10A及び図10Bを参照する。第1モール80の左端に位置する第1モールボス83について説明する。外装体支持部21は、第1モールボス83を外装体支持部21に固定するための固定部24を有している。固定部24は、第1モールボス83の先端に重ね合わされており、第1モールねじM1の第3軸部M1bが貫通している孔24aを有している。
【0060】
第1モールねじM1の第3軸部M1bは、第1モールボス83のねじ孔と締結している。固定部24は、第1モールボス83と第1モールねじM1の第3頭部M1aとに挟まれて固定されている。第1モール80の他のボス83,83も同様に固定されている。説明は省略する。
【0061】
[第2グリル50の固定]
図10A及び図10Cを参照する。第2グリル50とベース20の外装体支持部21とは、第2グリルねじG2(第1固定部材)で固定されている。
【0062】
外装体支持部21は、第4ボス54をベース20に固定するための固定部25を有している。固定部25は、第2グリル50の第4ボス54の先端に重ね合わされており、第2グリルねじG2の第1軸部G2bが貫通している孔25aを有している。
【0063】
第2グリルねじG2の第1軸部G2bは、第4ボス54のねじ孔と締結している。固定部25は、第4ボス54と第2グリルねじG2の第1頭部G2aとに挟まれて固定されている。なお、第1グリル40(図6参照)の右縁40dに位置する第3ボス44も上記と同様に固定されており、その説明は省略する。
【0064】
[第3グリル60の固定]
図10A及び図10Dを参照する。第3グリル60とベース20の外装体支持部21とは、第3グリルねじG3(第1固定部材)で固定されている。
【0065】
第3グリル60の左縁60cの第7ボス65について説明する。外装体支持部21は、第7ボス65をベース20に固定するための固定部26を有している。固定部26は、第3グリル60の第7ボス65の先端に重ね合わされており、第3グリルねじG3の第1軸部G3bが貫通している孔26aを有している。
【0066】
第3グリルねじG3の第1軸部G3bは、第7ボス65のねじ孔と締結している。固定部26は、第7ボス65と第3グリルねじG3の第1頭部G3aとに挟まれて固定されている。なお、第4グリル70(図6参照)の右縁70dに位置する第8ボス76も上記と同様に固定されており、その説明は省略する。
【0067】
[第2モール90の固定]
図10A及び図10Eを参照する。第2モール90とベース20の外装体支持部21とは、第2モールねじM2(第3固定部材)で固定されている。
【0068】
ここでは、第2モール90の第2モール下ボス91について説明する。外装体支持部21は、第2モール下ボス91をベース20に固定するための固定部27を有している。固定部27は、第2モール下ボス91の先端に重ね合わされており、第2モールねじM2の第3軸部M2bが貫通している孔27aを有している。
【0069】
第2モールねじM2の第3軸部M2bは、第2モール下ボス91のねじ孔と締結している。固定部27は、第2モール下ボス91と第2モールねじM2の第3頭部M2aとに挟まれて固定されている。他の第2モール下ボス91(図5B参照)、第2モール左ボス92、第2モール右ボス93も同様の構成である。説明は省略する。
【0070】
[第1グリル40及び第2グリル50の固定]
図11A及び図11Bを参照する。第5グリルねじG5(第1固定部材、特定固定部材)は、第1グリル40及び第2グリル50(図7参照)をベース20の外装体支持部21に対して共締めにより固定している。
【0071】
第1グリル40の第2ボス43の先端は、第2グリル50の第2接触部53の孔53aに嵌合している。外装体支持部21は、第1グリル40の第2ボス43の先端と、第2グリル50の第2接触部53の双方に重ね合わされている。
【0072】
外装体支持部21は、第5グリルねじG5の第1軸部G5bが貫通している孔121を有している。第5グリルねじG5の第1軸部G5bは、第2ボス43のねじ孔と締結している。外装体支持部21及び第2グリル50とは、第2ボス43のリブと第5グリルねじG5の第1頭部G5aとに挟まれて固定されている。
【0073】
図11A及び図11Cを参照する。第6グリルねじG6(第1固定部材、特定固定部材)は、第1グリル40及び第2グリル50(図7参照)をベース20の外装体支持部21に対して共締めにより固定している。
【0074】
第1グリル40の第1ボス42の先端は、第2グリル50の第1接触部52の孔52aに嵌合している。外装体支持部21は、第1グリル40の第1ボス42の先端と、第2グリル50の第1接触部52の双方に重ね合わされている。
【0075】
外装体支持部21は、第6グリルねじG6の第1軸部G6bが貫通している孔122を有している。第6グリルねじG6の第1軸部G6bは、第1ボス42のねじ孔と締結している。外装体支持部21及び第2グリル50とは、第1ボス42のリブと第6グリルねじG6の第1頭部G6aとに挟まれて固定されている。
【0076】
[第3グリル60及び第4グリル70の固定]
図11A及び図11Eを参照する。第7グリルねじG7(第1固定部材、特定固定部材)は、第3グリル60及び第4グリル70(図7参照)をベース20の外装体支持部21に対して共締めにより固定している。
【0077】
第3グリル60の第5ボス62の先端は、第4グリル70の第3接触部72の孔72aに嵌合している。外装体支持部21は、第3グリル60の第5ボス62の先端と、第4グリル70の第3接触部72の双方に重ね合わされている。
【0078】
外装体支持部21は、第7グリルねじG7の第1軸部G7bが貫通している孔123を有している。第7グリルねじG7の第1軸部G7bは、第5ボス62のねじ孔と締結している。外装体支持部21及び第4グリル70とは、第5ボス62のリブと第7グリルねじG7の第1頭部G7aとに挟まれて固定されている。
【0079】
図11A及び図11Fを参照する。第8グリルねじG8(第1固定部材、特定固定部材)は、第3グリル60及び第4グリル70(図7参照)に対してベース20の外装体支持部21を共締めにより固定している。
【0080】
第3グリル60の第6ボス64の先端は、第4グリル70の第4接触部73の孔73aに嵌合している。外装体支持部21は、第3グリル60の第6ボス64の先端と、第4グリル70の第4接触部73の双方に重ね合わされている。
【0081】
外装体支持部21は、第8グリルねじG8の第1軸部G8bが貫通している孔124を有している。第8グリルねじG8の第1軸部G8bは、第6ボス64のねじ孔と締結している。外装体支持部21及び第4グリル70とは、第6ボス64のリブと第8グリルねじG8の第1頭部G8aとに挟まれて固定されている。
【0082】
[エンブレムベース30の固定]
図11A及び図11Dを参照する。エンブレムベース30とベース20の外装体支持部21とは、エンブレムねじE1(第2固定部材)で固定されている。
【0083】
外装体支持部21は、エンブレムねじE1の第2軸部E1bが貫通している孔125を有している。エンブレムねじE1の第2軸部E1bは、エンブレムボス37のねじ孔と締結している。外装体支持部21は、エンブレムボス37と、エンブレムねじE1の第2頭部E1aとに挟まれて固定されている。
【0084】
エンブレムベース30の位置決めピン38は、エンブレムボス37に隣り合う位置決め孔126に挿入されている。
【0085】
図11A及び図11Gを参照する。エンブレムベース30の第2エンブレム爪33は、第2グリル50の第2エンブレム爪孔57を貫通していると共に、外装体支持部21の孔127に対して係止している。
【0086】
[実施例の効果]
[第1の効果]
図9を参照する。第1軸部G1bの軸線に沿った方向に沿って見た、ベース20の外装体支持部21の裏面21bが示されている、第1グリルねじG1~第8グリルねじG8の各々の第1頭部(図10C図10D図11B図11C図11E図11F参照)はすべて露出している。
【0087】
仮に、ねじG1~G8のなかの少なくとも1つのねじがベース20の表面から露出している場合、図4Bに示す固定工程は、ベース20の両面で行う必要がある。また、ベース20に隠れる位置にねじG1~G8のなかの少なくとも1つを設けた場合は、固定工程を分けて行わなければならない。
【0088】
一方、実施例では、第1グリルねじG1~第8グリルねじG8は、すべてベース20の裏面21bから露出しているため、第1グリルねじG1~第8グリルねじG8を用いるグリル固定工程を自動機で一度に行うことができる。車両用フロントグリル10を効率的に製造できる。なお、固定工程は、自動機に代えて、工員が手動で行っても良い。
【0089】
[第2の効果]
図6を参照する。第1グリル40は、第1グリル上爪45と、第1グリル下爪46と、を有している。第2グリル50は、第2グリル上爪55と、第2グリル下爪56とを有している。第3グリル60は、第3グリル上爪63と、第3グリル下爪66と、第3グリル左爪67と、を有している。第4グリル70は、第4グリル上爪78と、第4グリル下爪75と、第4グリル右爪77と、を有している。
【0090】
図3を参照する。上記の爪の全ては、外装体支持部21に形成された係止孔(符号なし)に対して係止可能である。即ち、グリル本体12は、ねじに加えて、スナップフィットによっても固定されている。ベース20に対してグリル本体12をより確実に固定することができる。
【0091】
[第3の効果]
図11A及び図11Dを参照する。エンブレムねじE1の第2頭部E1aは、ベース20の裏面21bから露出している。エンブレムねじE1を用いるエンブレムベース固定工程も、グリル固定工程と共に、外装体支持部21の裏面21b側から自動機で一度に行うことができる。車両用フロントグリル10がエンブレムベース30を備えている場合であっても、車両用フロントグリル10を効率的に製造できる。なお、実施例ではエンブレムねじE1は1つだが、複数でも良い。
【0092】
[第4の効果]
図5Bを参照する。エンブレムベース30は、第1エンブレム爪32と、第2エンブレム爪33と、第3エンブレム爪34と、第4エンブレム爪35と、を有している。
【0093】
図3を参照する。上記の爪の全ては、外装体支持部21に形成された係止孔(符号なし)に対して係止可能である。即ち、エンブレムベース30は、ねじに加えて、スナップフィットによっても固定されている。ベース20に対してエンブレムベース30をより確実に固定することができる。
【0094】
なお、図3に示す通り、組付工程では、治具100に置かれた外装体11に対してベース20を組み付けている。そのため、第1グリル40の爪45,46~第4グリル70の爪75,77(図6参照)と、エンブレムベース30の爪32~35(図5B参照)は、組付けの際に同時にベース20の係止孔に対して係止することが可能であり、係止作業は一度で足りる。
【0095】
[第5の効果]
第1エンブレム爪32~第4エンブレム爪35は、ベース20の外装体支持部21に係止可能な爪である。エンブレムボス37に形成されたねじ孔は、エンブレムねじE1と締結可能である(図11D参照)。即ち、エンブレムベースは、ベース20のみに固定されており、グリル本体12にも、モール80,90にも固定されていない。図2に示す載置工程において、エンブレムベース30は第1グリル40~第4グリル70に組み合うが、エンブレムベース30を固定する作業がないため、車両用フロントグリル10を効率的に製造できる。
【0096】
より詳細には、載置工程(図2参照)を経ると、外装体11(図3参照)が得られるが、この外装体11を構成する要素(第1グリル40~第4グリル70、エンブレムベース30、第1モール80、第2モール90)は、互いに組み合っているが、互いに固定されてはいない。即ち、載置工程では、ねじを締結する作業や、スナップフィットによる爪を孔に係止する作業は含まれない。単に上記の構成要素を組み合わせるだけである。よって、固定工程の直前に係止作業を一度に行うことができ、作業効率及び組付けの簡素化を行える。
【0097】
[第6の効果]
図9を参照する。ベース20の外装体支持部21の裏面21bを第1軸部G1bの軸線に沿った方向から見て、第1モールねじM1及び第2モールねじM2の各々の第3頭部(図10B,図10E参照)はすべて露出している。
【0098】
仮に、第1モールねじM1及び第2モールねじM2のなかの少なくとも1つの第3頭部がベース20の表面から露出している場合、図4Bに示す固定工程は、ベース20の両面で行う必要がある。また、ベース20に隠れる位置にねじM1,M2のなかの少なくとも1つを設けた場合は、固定工程を分けて行わなければならない。
【0099】
一方、実施例では、第1モールねじM1及び第2モールねじM2は、すべてベース20の裏面21bから露出しているため、第1モールねじM1及び第2モールねじM2を用いるモール固定工程を自動機で一度に行うことができる。車両用フロントモール10を効率的に製造できる。なお、固定工程は、自動機に代えて、工員が手動で行っても良い。
【0100】
[第7の効果]
図11Bを参照する。第5グリルねじG5,第6グリルねじG6(第1固定部材、特定固定部材)は、第1グリル40及び第2グリル50をベース20の外装体支持部21に対して共締めにより固定している。同様に、第7グリルねじG7,第8グリルねじG8(第1固定部材、特定固定部材)は、第3グリル60及び第4グリル70をベース20の外装体支持部21に対して共締めにより固定している。そのため、グリルねじの数を減らすことができ、グリル固定工程に要する時間を短縮できる。
【0101】
[第8の効果]
図8を参照する。グリル本体12は、車幅方向(左右方向)の延びる線を中心に略対称、かつ、車高方向に延びる線を中心に略対称となるように4分割されている。エンブレムベース30は、グリル本体12なかの、車幅方向の中心、かつ、車高方向の中心に位置している。即ち、エンブレムベース30は、第1グリル40~第4グリル70(分割部品)同士の境界を覆っている。エンブレムベース30に覆われた箇所(第1被カバー部41~第4被カバー部71)について格子を形成する必要がなく、設計の自由度が向上する。なお、エンブレムベース30は、第1グリル40~第4グリル70(分割部品)同士の境界の少なくとも一部を覆っていれば良い。
【0102】
[その他の構成・効果]
図5A及び図5Bを参照する。第1モール80は、第1モール上爪84と、第1モール下爪85と、を有している。第2モール90は、第2モール下爪94と、第2モール左爪95と、第2モール右爪96と、を有している。
【0103】
図3を参照する。上記の爪の全ては、外装体支持部21に形成された係止孔(符号なし)に対して係止可能である。即ち、第1モール80及び第2モール90は、ねじに加えて、スナップフィットによっても固定されている。ベース20に対して第1モール80及び第2モール90をより確実に固定することができる。
【0104】
さらに、図2に示される通り、車両用フロントグリル10の製造方法では、図2に示す載置工程を経て、図3に示す外装体11を構成し、その後、組付工程において外装体11にベースを組付けて、図4に示す外装体付きベース16を得ている。
【0105】
仮に、ベース20の外装体支持部21を上方へ向けた状態で、ベース20を作業台に置き、外装体支持部21の表面に対してグリル本体12と、モール13と、エンブレムベース30とを組み付けて、外装体付きベース16を得ると、その後に行う固定工程のために、外装体付きベース16を裏返す作業が必要となる。さらに、外装体付きベース16を裏返す際に、グリル本体12と、モール13と、エンブレムベース30が落ちないようにするために、グリル本体12と、モール13と、エンブレムベース30を一時的に保持する必要がある。
【0106】
一方、実施例の製造方法(図2図4)では、を裏返す作業は必要ないため、車両用フロントグリル10を効率的に製造できる。
【0107】
なお、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。第1固定部材~第3固定部材として「ねじ」を採用したが、軸部と頭部を備えた挟み込みによる固定構造ならば周知の技術を採用できる。例えば、「プッシュナット」を採用してもよい。即ち、ボスに代えて、ベース20に貫通可能なピン(軸部)を形成し、ピンの先端にプッシュナット(頭部)を固定してもよい。さらに、軸部の先端を加圧と同時に加熱して頭部を形成する「熱かしめ」を採用しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明のフロントグリルは、乗用車に搭載するのに好適である。
【符号の説明】
【0109】
10…車両用フロントグリル
12…グリル本体
13…モール
20…ベース
21b…ベースの裏面
30…エンブレムベース
32~35…エンブレムの爪(係止部)
40~70…第1グリル~第4グリル(分割部品)
45,46…第1グリルの爪(係止部)
55,56…第2グリルの爪(係止部)
63,66,67…第3グリルの爪(係止部)
75,77,78…第4グリルの爪(係止部)
84,85…第1モールの爪(係止部)
94,95,96…第2モールの爪(係止部)
G1~G8…第1グリルねじ~第8グリルねじ(第1固定部材)
G5~G8…第5グリルねじ~第8グリルねじ(第1固定部材、特定固定部材)
G1a~G8a…第1頭部
G1b~G8b…第1軸部
E1…エンブレムねじ(第2固定部材)
E1a…第2頭部
E1b…第2軸部
M1,M2…第1モールねじ,第2モールネジ(第3固定部材)
M1a,M2a…第3頭部
M1b,M2b…第3軸部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11