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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-19
(45)【発行日】2024-06-27
(54)【発明の名称】使い捨て関節鏡下縫合糸切断装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/04 20060101AFI20240620BHJP
【FI】
A61B17/04
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022575844
(86)(22)【出願日】2021-06-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-12
(86)【国際出願番号】 US2021036582
(87)【国際公開番号】W WO2021252608
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】63/036,673
(32)【優先日】2020-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500103074
【氏名又は名称】コンメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミラー ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ミューサー アンドリュー
【審査官】白川 敬寛
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0313430(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0005689(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0254598(US,A1)
【文献】国際公開第2015/178928(WO,A1)
【文献】米国特許第05439470(US,A)
【文献】特表2019-526396(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体およびレバーを有するハンドルであって、前記レバーがユーザーによって初期位置から作動位置へと移動された場合に前記レバーが前記初期位置に戻るために付勢されるように前記本体と一体的に形成されている、ハンドルと、
前記ハンドルに連結され、前記ハンドルから長軸方向に延在するシャフトと、
前記シャフトによって支持された先端であって、クレードル及び前記クレードルへのアクセスを可能にする横方向に延びるチャネルを形成するような輪郭を有する先端と、
前記シャフト内に配置されかつ前記先端内で後退位置と前記クレードルを横切る伸位置との間で移動可能であるブレードと、
前記ハンドル内に位置付けられ、前記レバーの移動に応答して前記ハンドル内で移動可能であるピストンと、
前記ブレードおよび前記ピストンに相互接続されたプッシャーであって、前記初期位置から前記作動位置への前記レバーの移動により、前記ブレードが前記後退位置から前記伸張位置へと移動するプッシャーと、を備える、縫合糸カッター。
【請求項2】
前記本体が、一対の対向する部材を有するガイドアセンブリを含み、前記一対の対向する部材のそれぞれは、前記ピストンのガイドを形成するように整列する一対の対向するスロットのうちの一つを有する、請求項1に記載の縫合糸カッター。
【請求項3】
前記ガイドアセンブリの前記一対の対向する部材が、一対のリビングヒンジによって一緒に連結される、請求項2に記載の縫合糸カッター。
【請求項4】
前記ピストンが、前記ピストンから延びて前記レバーと係合するポストを含む、請求項3に記載の縫合糸カッター。
【請求項5】
前記ピストンの前記ポストに対する前記レバーの移動により前記ピストンのヘッドが前記ガイドアセンブリの前記ガイド内で移動するように、前記本体内で前記ピストンに隣接して位置付けられるピボットブロックをさらに備える、請求項4に記載の縫合糸カッター。
【請求項6】
前記ブレードに、前記ブレードと前記プッシャーを連動させるための前記プッシャーのノッチによって捕捉されるタブがある、請求項に記載の縫合糸カッター。
【請求項7】
前記シャフトが、前記ガイドアセンブリの対応する複数の戻り止めによって捕捉される複数のノッチを含む、請求項に記載の縫合糸カッター。
【請求項8】
前記先端の前記チャネルが、前記クレードルに近接する第一のより広い幅から第二のより狭い幅へ内向きに先細りしている、請求項に記載の縫合糸カッター。
【請求項9】
前記先端の前記チャネルが、縫合糸が前記チャネルから出ることを防止するように輪郭付けられる、請求項に記載の縫合糸カッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ての外科手術用縫合糸切断装置に関し、より具体的には、縫合糸の閉じ込めが改善された切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
外科手術用縫合糸は、ほぼすべての外科手術処置の一部として使用される。医療業界は通常、これらの外科手術処置で使用されるフィラメントを描写するために「縫合糸」という一般的用語を使用するが、縫合糸材料は、達成するべき作業に応じて異なり得る。強度という点ではステンレス鋼ワイヤに匹敵しつつ、より低い強度の材料が持つ柔軟性を保持するような縫合糸材料を使用してもよい。例えば、超高分子量ポリエチレンは、膝、肩、および他の結合組織などの場所の修復において非吸収性縫合糸として現在使用されており、周囲組織および/または縫合糸アンカーは、このような高強度の縫合糸材料によって可能になる追加的な負荷を支持することができる。結果として、縫合糸材料は、その強度が増加するにつれて切断が非常に困難となり得る。高強度の縫合糸材料に対処する従来的なアプローチは、様々な縫合糸材料を切断するよう設計された縫合糸カッターの使用を伴う。しかしながら、これらの装置は、特に、縫合糸に張力がかかっていない場合、または捕捉後に縫合糸の張力が変化する場合、切断するべき縫合糸を捕捉および保持することに必ずしも適してはいない。したがって、当技術分野では、縫合糸の装填および捕捉が改善された縫合糸カッターに対するニーズがある。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、切断のために張力のかかった、または張力のかかっていない縫合糸を容易に装填および保持できる縫合糸カッターである。縫合糸カッターは、本体を有するハンドルと、本体と一体的に形成されるレバーとを有し、これにより、ユーザーがレバーを初期位置から作動位置に移動した場合に、レバーが初期位置に戻るように付勢される。シャフトは、ハンドルに連結され、ハンドルから長軸方向に延在する。先端は、その先端を横断して延在し、クレードルへのアクセスを可能にするチャネルと、後退位置と伸張位置の間で移動可能なブレードとを有し、ブレードはクレードルを横断する。ピストンは、ハンドル内に位置付けられ、レバーの移動に応答してハンドル内で長軸方向に移動可能である。レバーが初期位置から作動位置に移動することにより、ブレードが後退位置から伸張位置へ移動するように、プッシャーはブレードとピストンに相互接続されている。本体は、ピストンのヘッド用ガイドを形成するように整列する一対の対応する対向するスロットを有する一対の対向する部材を有する、ガイドアセンブリを含む。ガイドアセンブリの一対の対向する部材は、一対のリビングヒンジによって一緒に連結される。ピストンは、ピストンのヘッドから延びてレバーと係合するポストを含む。ピボットブロックは、ピストンのポストに対するレバーの移動によりピストンのヘッドがガイドアセンブリのガイド内で長軸方向に移動するように、本体内でピストンに隣接して位置付けられる。プッシャーは平面であり、シャフト内で水平に配向される。ブレードは平面であり、プッシャーに対して直角になるようにシャフト内で垂直に配向される。ブレードには、ブレードとプッシャーを連動させるためのプッシャーのノッチによって捕捉されるタブがある。シャフトは、ガイドアセンブリの対応する複数の戻り止めによって捕捉される複数のスロットを含む。
【0004】
一実施形態では、先端のチャネルは、クレードルに近接する第一のより広い直径から第二のより狭い直径へ内向きに先細りしている。別の実施形態では、先端のチャネルは、チャネルから縫合糸が出ることを阻止するように輪郭付けられてもよい。さらなる実施形態では、先端は、チャネルとの連通を閉じる第一の位置と、チャネルとの連通を開く第二の位置との間を長軸方向に摺動することができるカバーを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明は、以下の発明を実施するための形態を添付の図面と併せて読むことにより、より完全に理解され、かつ理解されるであろう。
【0006】
図1図1は、完全に組み立てられた状態の本発明による縫合糸カッターの斜視図である。
図2図2は、ピストンガイドが展開され、部分的に組み立てられた状態の、本発明による縫合糸カッターの図である。
図3図3は、ピストンガイドが展開され、ピストンが変位し、レバーが付勢されていない位置にある、部分的に組み立てられた状態の、縫合糸カッターのハンドルの図である。
図4図4は、本体、ピストン、およびレバーのアセンブリを完了するためのピストンガイドの所定の位置への折り畳みを示す、部分的に組み立てられたおよび完全に組み立てられた状態の縫合糸の図である。
図5図5は、本発明による縫合糸カッターのシャフトの斜視図である。
図6図6は、本発明による縫合糸カッターのシャフトの側面図である。
図7図7は、本発明による縫合糸カッターの切断先端の拡大側面図である。
図8図8は、ブレードおよび先端の連動構造を示す先端の底面図に沿った、縫合糸カッター用ブレードの側面図である。
図9図9は、本発明による縫合糸カッター用のブレードプッシャーの側面図である。
図10図10は、本発明による縫合糸カッターにおけるプッシャーとブレードの配向を示す横断面図である。
図11図11は、本発明による縫合糸捕捉チャネル表面を有する先端の対向する一対の側面図である。
図12図12は、本発明による縫合糸カッターの切断先端の別の実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図を参照すると、同様の数字は、本書全体にわたり同様の部分を指し、図1には、ハンドル12を有する縫合糸カッター10、ハンドル12から延びるカニューレ状シャフト14が示され、先端16はカニューレ状シャフト14の端部に位置付けられている。図2を参照すると、ブレード18は、先端16に配置され、ブレード18とハンドル12との間でカニューレ状シャフト14内に延在するプッシャー20によって操作される。プッシャー20は、フラットストックから形成され、シャフト14内で水平に配向されることが好ましい。
【0008】
図3を参照すると、ハンドル12は、ハンドル12の本体26と一体的に形成されたコンプライアントなレバー24を含み、ユーザーが強く握った時にエネルギーを貯蔵することができるコンプライアント機構を提供し、それにより、ユーザーがレバーを放した時にレバー24は元の位置に戻る。図3は、予め組み立てられた構成のハンドルを示す。完全に組み立てられると、レバー24は、フラットストックプッシャー20を駆動して、先端16のブレード18を作動させ、本明細書に記載されるように先端16内に捕捉された縫合糸を切断することができるピストン30と係合するように位置付けられる。ピストン30は、ヘッド32、およびヘッド32から延在するポスト34を含む。ヘッド32は、プッシャー20と係合できる水平に延在するスロット36を含む。ピストン30は、本体26内でガイドアセンブリ40によって連結され、一対の対向する部材42および44を備え、これは、一対のリビングヒンジ46および48を介して一緒に連結され、カッター10の容易な組み立てを可能にする。対向する部材42および44は、図4に示すように、対向する部材42および44がリビングヒンジ46および48の周りに折り畳まれた時に、ピストンヘッド32を捕捉し、シャフト14の長軸方向軸に沿ってピストンヘッド32の移動を制約し、レバー24の移動に応答してプッシャー20を駆動する、一対のスロット52および54を含む。対応するスナップ嵌合機構56および58によって、対向する部材42および44が、図4に示すように、リビングヒンジ46および48の周りに折り畳まれた時にピストンヘッド32の周りの定位置に固定されることができ、これは、展開されてから折り畳まれた位置にある対向する部材42および44を示す。
【0009】
図4を参照すると、ピストン30のポスト34は、対向する部材42および44がリビングヒンジ46および48の周りに折り畳まれた後に、ガイドアセンブリ40から延びてレバー24と係合する。図3に示すように、ピボットブロック60は、レバー24によるポスト34の作動により、ピストンヘッド32がスロット52および54に沿って長軸方向に移動するように、ハンドル12を横切って延在する。ピストンヘッド32はスロット36によってプッシャー20に連結されるため、レバー24の移動は、シャフト14に沿って長軸方向にプッシャー20を駆動し、先端16内のブレード18を作動させる。対向する部材42および44はまた、ハンドル12内にストッパ62を形成し、これにより、ユーザーがカッター10を過剰に作動しないように、ピストン30のポスト34、したがってレバー24の移動が制限される。
【0010】
図5および図6を参照すると、シャフト14は、ハンドル12内に捕捉され、一対の対向するノッチ72および74と相互作用するハンドル12のガイドアセンブリ40にある複数の戻り止め70と、シャフト14をハンドル12に連結してハンドル12に対するシャフト14の回転を防止できる、シャフト14にある第三の末端のノッチ76とによって、移動に対して固定される。
【0011】
図7を参照すると、シャフト14は、シャフト14を横切って横方向に延在し、クレードル92に向かって先細りしたチャネル90を画定するように輪郭付けられる先端16を支持する。チャネル90は、第一のより広い直径(d)から先細りし、ピンと張った縫合糸の一部分をクレードル92で第二のより狭い直径(d)に捕捉することができる。第二のスロット303の狭い直径(d)は、張力のかかっていない縫合糸の直径よりも小さい寸法である。先端16のチャネル90は、ユーザーが縫合糸の下方で先端16を進み、その後持ち上げられて、先細りしたチャネル90を通して、かつクレードル92内に縫合糸を通すことができるように配向される。図8を参照すると、先端16の下側は、長軸方向に延在し、ブレード18のタブ98を捕捉して、ブレード18の長軸方向の移動を制御するスロット96を含む。ブレード18の鋭利な縁部100は、プッシャー20によって駆動された時にクレードル92を横切って移動するように位置付けられ、それゆえその中に捕捉された縫合糸を切断する。
【0012】
図9を参照すると、プッシャー20は、ブレード18上のタブ104と係合するノッチ102を含む。図10に示すように、プッシャー20は、ピストン30と係合するようにシャフト14内で水平に配向され、ブレード18は、先端16に垂直に配向される。プッシャー20とブレード18のこの垂直の関係は、追加の留め具または接着剤なく、シャフト14の機械的制約のみを使用したシャフト14内でのプッシャー20とブレード18の係合を可能にする。
【0013】
図11を参照すると、先端16は、チャネル90の対向する側面上でチャネル90内に延在し、縫合糸にわずかなねじれを与えながら縫合糸がチャネル内に挿入することを可能にする上部を有する、対向するブロッキング表面110および112を含んでもよく、ここで、縫合糸はブロッキング表面110および112から放出される。縫合糸がチャネル90内に完全に移動すると、下部のブロッキング表面110および112は、張力のある縫合糸がチャネル90から不注意に外れることを防止する。
【0014】
図12を参照すると、さらに別の実施形態では、先端16は、チャネル90を覆うように付勢されるが、長軸方向に摺動して、縫合糸との接触に応答してチャネル90への連通を許容し、その後に連通を禁じることができる、チャネルカバー114を含んでもよい。例えば、縫合糸がカバー114と係合する場合、軸受表面116は、カバー114をハンドル12に向かって長軸方向に摺動させて、縫合糸がチャネル90に入ることを可能にする力を提供してもよい。縫合糸がチャネル90内に、次いでクレードル92内に入ると、カバー114は、縫合糸がブレード18によって切断されるまで、チャネル90に縫合糸を閉じ込めるために元の位置に戻ることができる。この実施形態は、先端16のクレードル92での縫合糸の捕捉を保持するために縫合糸に張力を持たせる必要性を排除し、また、クレードル92内に縫合糸を閉じ込めた状態を保つのに縫合糸に張力は要求されないため、張力のかかっていない縫合糸が意図せずにクレードル92から出ることを防止する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12