IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 因幡電機産業株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-19
(45)【発行日】2024-06-27
(54)【発明の名称】情報盤、及び、情報盤用のアダプター
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/00 20060101AFI20240620BHJP
   H02G 3/08 20060101ALN20240620BHJP
【FI】
H05K5/00 Z
H02G3/08
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023018133
(22)【出願日】2023-02-09
(65)【公開番号】P2023117398
(43)【公開日】2023-08-23
【審査請求日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】P 2022019628
(32)【優先日】2022-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000119830
【氏名又は名称】因幡電機産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】山口 悟史
(72)【発明者】
【氏名】荻野 尚吾
【審査官】小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-022698(JP,A)
【文献】特開2017-157188(JP,A)
【文献】特開2017-153329(JP,A)
【文献】特開2009-181999(JP,A)
【文献】特開2015-230977(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/00- 5/02
H02G 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
盤本体とその盤本体の前方側を覆うカバー体とを有するケーシングと、そのケーシングに対して着脱自在なアダプターとが備えられ、
前記ケーシングは、その内部に機器を収納自在に構成され、
前記アダプターは、前記ケーシングの外部に延びる外部延設部位を有し、その外部延設部位に機器を設置自在に構成され
前記アダプターは、設置状態の機器を使用する使用姿勢と、機器を設置状態に維持したまま、前記ケーシングから退避する退避姿勢とに姿勢変更自在に備えられている情報盤。
【請求項2】
盤本体とその盤本体の前方側を覆うカバー体とを有するケーシングと、そのケーシングに対して着脱自在なアダプターとが備えられ、
前記ケーシングは、その内部に機器を収納自在に構成され、
前記アダプターは、前記ケーシングの外部に延びる外部延設部位を有し、その外部延設部位に機器を設置自在に構成され、
前記アダプターの外部延設部位には、機器を設置自在な設置面部を有する板状の機器設置部が備えられ、
前記機器設置部は、前記設置面部に設置状態の機器を使用する使用姿勢と、前記設置面部に機器を設置状態に維持したまま、前記ケーシングから退避する退避姿勢とに姿勢変更自在に備えられ、
前記機器設置部を使用姿勢にロックするロック状態とそのロック状態を解除するロック解除状態とに切替自在な姿勢ロック部が備えられている情報盤。
【請求項3】
前記機器設置部を使用姿勢から退避姿勢に姿勢変更させる場合に、前記機器設置部の移動速度を低減させる移動速度低減部が備えられている請求項に記載の情報盤。
【請求項4】
前記アダプターは、上下方向に延びる第1設置体と、その第1設置体に取付自在な第2設置体とが備えられ、
前記アダプターは、上下方向に延びる前記第1設置体に対して前記第2設置体を重ねた状態で取り付けた縦姿勢状態と、上下方向に延びる前記第1設置体に対して前記第2設置体を直交させて左右方向に延びる状態で取り付けた横姿勢状態とに切替自在に構成され、
縦姿勢状態のアダプターに対しても、横姿勢状態のアダプターに対しても、機器を設置自在に構成されている請求項1又は2に記載の情報盤。
【請求項5】
前記アダプターの外部延設部位には、機器を設置自在な設置面部を有する板状の機器設置部が備えられ、
前記機器設置部には、設置面部側とその反対側とを連通する連通孔部が備えられている請求項1又は2に記載の情報盤。
【請求項6】
前記機器設置部には、その機器設置部の設置面部に対して機器を設置するに当たり、設置面部と機器との間に間隙を形成させる間隙形成部が備えられている請求項5に記載の情報盤。
【請求項7】
前記盤本体には、その上下方向又は左右方向の一端側に着脱自在な区画部が備えられ、
前記区画部は、前記盤本体に装着された状態において、前記ケーシングの内部の収納空間を、第1収納空間と第2収納空間とに区画している請求項1又は2に記載の情報盤。
【請求項8】
前記区画部は、前記盤本体の下端部に着脱自在に備えられ、
前記区画部は、その内部に第1収納空間を区画するとともに、その上端部に機器を載置支持自在に備えられている請求項に記載の情報盤。
【請求項9】
前記盤本体は、機器を取付自在に備えられ、
前記区画部は、前記盤本体との間に前記機器を取付自在な取付空間を確保する状態で、前記盤本体に着脱自在に備えられている請求項に記載の情報盤。
【請求項10】
前記区画部は、前記ケーシングの一部を形成するケーシング形成部材として備えられ、
前記アダプターは、前記区画部に対して着脱自在に備えられている請求項に記載の情報盤。
【請求項11】
盤本体とその盤本体の前方側を覆うカバー体とを有するケーシングが備えられた情報盤に対して、そのケーシングに着脱自在な情報盤用のアダプターにおいて、
前記ケーシングの外部に延びて、機器を設置自在な外部延設部位が備えられ
アダプター本体は、設置状態の機器を使用する使用姿勢と、機器を設置状態に維持したまま、前記ケーシングから退避する退避姿勢とに姿勢変更自在に備えられている情報盤用のアダプター。
【請求項12】
盤本体とその盤本体の前方側を覆うカバー体とを有するケーシングが備えられた情報盤に対して、そのケーシングに着脱自在な情報盤用のアダプターにおいて、
前記ケーシングの外部に延びて、機器を設置自在な外部延設部位が備えられ
前記外部延設部位には、機器を設置自在な設置面部を有する板状の機器設置部が備えられ、
前記機器設置部は、前記設置面部に設置状態の機器を使用する使用姿勢と、前記設置面部に機器を設置状態に維持したまま、前記ケーシングから退避する退避姿勢とに姿勢変更自在に備えられ、
前記機器設置部を使用姿勢にロックするロック状態とそのロック状態を解除するロック解除状態とに切替自在な姿勢ロック部が備えられている情報盤用のアダプター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の機器を収納自在な情報盤に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような情報盤は、例えば、住宅等において、ネットワーク、テレビや電話等の配線を集中管理するために用いられており、ネットワーク、テレビ、電話等に関する情報機器等の各種の機器を収納して壁等の設置対象部に設置されている(例えば、特許文献1参照)。収納する機器としては、例えば、インターネット回線用のONU、ルータやハブ装置、電話回線用の電話端子等、テレビジョン放送用のマルチブースターや分配器等、無線通信用の無線用アダプター等の各種の情報機器が含まれている。
【0003】
特許文献1に記載の情報盤は、盤本体とその盤本体の前方側を覆うカバー体とを有する箱型のケーシングが備えられ、そのケーシングの内部に形成される収納空間に機器が収納されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6748343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、設置する機器の増加等により、情報盤に収納可能な収納容量の増大化が望まれている。しかしながら、各住宅によって、設置する機器の数や大きさが異なることから、収納容量をどれくらいの容量とするかが問題となる。収納容量が大きくなり過ぎると、不必要に情報盤の大きさが大きくなり、設置スペースや見た目の大型化等の問題が生じることになる。逆に、収納容量が小さいと、増加する機器を収納できなくなり、新たに情報盤を追加しなければならず、設置スペースやコストの増大を招くことになる。
【0006】
また、最近では、機器として、高速通信を可能とする高速通信用の機器もある。この高速通信用の機器では、内部の通信機器の温度上昇等により高温になり易い機器となっている。そのために、高速通信用の機器では、上下左右前後の6方向のうちの少なくとも5つの方向で、他の機器や壁等との間に所定距離だけ離した状態で設置することが推奨されている。よって、このような高速通信用の機器を、ケーシングの内部の収納空間に収納すると、高速通信用の機器だけで大きな設置スペースが必要となり、他の機器の設置スペースを確保できなくなる可能性がある。
【0007】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、設置する機器の増加にも対応しながら、高温になり易い機器も適切に設置することができる情報盤を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1特徴構成は、盤本体とその盤本体の前方側を覆うカバー体とを有するケーシングと、そのケーシングに対して着脱自在なアダプターとが備えられ、
前記ケーシングは、その内部に機器を収納自在に構成され、
前記アダプターは、前記ケーシングの外部に延びる外部延設部位を有し、その外部延設部位に機器を設置自在に構成されている点にある。
【0009】
本構成によれば、アダプターは、ケーシングに対して着脱自在であり、機器を設置自在な外部延設部位を有するので、ケーシングの内部に機器を収納させるだけでなく、アダプターにも機器を設置することができ、設置する機器の増加に対応することができる。ケーシングの内部に機器を収納させるだけで対応できる場合には、アダプターをケーシングから取り外しておくことができ、不必要に情報盤の大きさが大きくなるのを防止することができる。
【0010】
しかも、アダプターの外部延設部位は、ケーシングの外部に延びているので、例えば、他の機器やケーシング等との間に所定距離だけ離した状態で機器を設置することができる。よって、高温になり易い機器を設置する場合には、その機器をアダプターの外部延設部位に設置することで、ケーシングの内部に収納せずに、推奨されている設置状況を確保することができ、高温になり易い機器であっても適切に設置することができる。
【0011】
本発明の第2特徴構成は、前記アダプターは、前記ケーシングの前方側に外部延設部位を配設させる状態で備えられ、その外部延設部位は、前記ケーシングの外部前方側において、機器を設置自在に備えられている点にある。
【0012】
例えば、アダプターの外部延設部位をケーシングの側方側に配設させると、ケーシングの外部側方側に機器を設置するので、ケーシングの左右方向において、ケーシングから外部側に機器が大きく突出する状態で設置されることになる。しかも、例えば、アダプターの外部延設部位に設置する機器が高温になり易い機器である場合には、機器の後方側に壁等の設置対象部が存在することから、左右方向でケーシングと機器との間に所定距離の間隔を設けなければならず、左右方向でのケーシングから外部側への突出量が増大することになる。よって、ケーシングの左右方向で大きな設置スペースが必要となるので、見た目もかなり大型なものとなる。
【0013】
そこで、本構成によれば、アダプターの外部延設部位をケーシングの前方側に配設して、ケーシングの外部前方側に機器を設置することで、ケーシングの左右方向でのケーシングから外部側への突出量を小さくした状態で機器を設置することができる。しかも、外部延設部位に設置される機器の後方側には、ケーシングが存在するものの、その左右方向や上下方向では、他の機器、ケーシングや壁等の設置対象部が存在しない。よって、高温になり易い機器であっても、その機器をアダプターの外部延設部位にてケーシングの外部前方側に設置するだけで、推奨されている設置状況を確保できながら、ケーシングの左右方向で大きな設置スペースが必要となって、見た目が大型になるという不都合を解消することができる。
【0014】
本発明の第3特徴構成は、前記アダプターは、設置状態の機器を使用する使用姿勢と、機器を設置状態に維持したまま、前記ケーシングから退避する退避姿勢とに姿勢変更自在に備えられている点にある。
【0015】
本構成によれば、アダプターは、使用姿勢だけでなく、退避姿勢にも姿勢変更することができるので、例えば、メンテナンス時等に、アダプターを退避姿勢に姿勢変更させることで、アダプターが邪魔になることなく、盤本体に対するカバー体の取り外し及び装着を行うことができる。これにより、機器については、設置状態に維持したまま、メンテナンス作業を行うことができるので、例えば、各種のケーブルや機器の取り外し及び取り付け作業を行わなくてもよく、作業の簡素化を図ることができる。勿論、メンテナンス時だけでなく、必要に応じてアダプターを退避姿勢に姿勢変更することで、機器を設置状態に維持したまま、アダプターが邪魔になることなく、盤本体に対するカバー体の取り外し及び装着を行うことができ、使い勝手のよいものとなる。
【0016】
本発明の第4特徴構成は、前記アダプターは、上下方向に延びる第1設置体と、その第1設置体に取付自在な第2設置体とが備えられ、
前記アダプターは、上下方向に延びる前記第1設置体に対して前記第2設置体を重ねた状態で取り付けた縦姿勢状態と、上下方向に延びる前記第1設置体に対して前記第2設置体を直交させて左右方向に延びる状態で取り付けた横姿勢状態とに切替自在に構成され、
縦姿勢状態のアダプターに対しても、横姿勢状態のアダプターに対しても、機器を設置自在に構成されている点にある。
【0017】
機器として、例えば、上下方向の方が左右方向よりも長い縦長の機器や、左右方向の方が上下方向よりも長い横長の機器がある。縦長の機器では、縦姿勢にて設置することが推奨され、横長の機器では、横姿勢にて設置することが推奨されている。
【0018】
そこで、本構成によれば、縦長の機器を設置する場合には、アダプターを縦姿勢状態とすることで、縦姿勢にて機器を設置することができ、横長の機器を設置する場合には、アダプターを横姿勢状態とすることで、横姿勢にて機器を設置することができる。このように、上下方向と左右方向とで機器の大きさが異なる場合でも、アダプターの姿勢状態を切り替えるだけで柔軟に対応することができ、機器を適切な姿勢にて設置することができる。
【0019】
しかも、縦姿勢状態では、第1設置体に対して第2設置体を重ねた状態で取り付けているので、第2設置体が邪魔になることなく、機器を設置することができるとともに、第1設置体から第2設置体を取り外しておくわけではないので、第2設置体の紛失等も防止することができる。縦姿勢状態と横姿勢状態との切替作業についても、第1設置体に対して第2設置体の取り付ける姿勢を変更するだけでよく、その作業性の向上を図ることができる。
【0020】
本発明の第5特徴構成は、前記アダプターの外部延設部位には、機器を設置自在な設置面部を有する板状の機器設置部が備えられ、
前記機器設置部には、設置面部側とその反対側とを連通する連通孔部が備えられている点にある。
【0021】
本構成によれば、板状の機器設置部における設置面部には、機器を設置することができ、その機器が設置された設置面部側とその反対側とが連通孔部にて連通されている。これにより、設置面部に設置された機器から発生した熱を有する空気を、連通孔部を通して機器設置部の設置面部とは反対側に通流させて、機器から発生した熱を効果的に放熱することができるので、高温になり易い機器をアダプターに設置する場合に特に有効なものとなる。
【0022】
本発明の第6特徴構成は、前記機器設置部には、その機器設置部の設置面部に対して機器を設置するに当たり、設置面部と機器との間に間隙を形成させる間隙形成部が備えられている点にある。
【0023】
本構成によれば、機器設置部の設置面部に対して機器を設置するに当たり、間隔形成部にて設置面部と機器との間に間隙が形成されているので、設置面部と機器との間に空気層を形成することができる。この空気層によって、機器から発生した熱を効果的に放熱することができるので、高温になり易い機器をアダプターに設置する場合に特に有効なものとなる。
【0024】
本発明の第7特徴構成は、前記機器設置部は、前記設置面部に設置状態の機器を使用する使用姿勢と、前記設置面部に機器を設置状態に維持したまま、前記ケーシングから退避する退避姿勢とに姿勢変更自在に備えられ、
前記機器設置部を使用姿勢にロックするロック状態とそのロック状態を解除するロック解除状態とに切替自在な姿勢ロック部が備えられている点にある。
【0025】
本構成によれば、機器を使用する場合には、機器設置部を使用姿勢とし、姿勢ロック部をロック状態に切り替えることで、機器設置部の使用姿勢からの移動を規制することができ、機器設置部を安定した姿勢に保持した状態で機器を使用することができる。
機器設置部は、使用姿勢だけでなく、退避姿勢にも姿勢変更することができるので、例えば、メンテナンス時等に、機器設置部を退避姿勢に姿勢変更させることで、機器設置部が邪魔になることなく、盤本体に対するカバー体の取り外し及び装着を行うことができる。これにより、機器については、設置状態に維持したまま、メンテナンス作業を行うことができるので、例えば、各種のケーブルや機器の取り外し及び取り付け作業を行わなくてもよく、作業の簡素化を図ることができる。勿論、メンテナンス時だけでなく、必要に応じて機器設置部を退避姿勢に姿勢変更することで、機器を設置状態に維持したまま、機器設置部が邪魔になることなく、盤本体に対するカバー体の取り外し及び装着を行うことができ、使い勝手のよいものとなる。
【0026】
本発明の第8特徴構成は、前記機器設置部を使用姿勢から退避姿勢に姿勢変更させる場合に、前記機器設置部の移動速度を低減させる移動速度低減部が備えられている点にある。
【0027】
機器設置部を使用姿勢から退避姿勢に姿勢変更させる場合に、機器設置部の移動速度が速いと、退避姿勢に姿勢変更されたときの衝撃力が強くなり、機器に対して悪影響を与えることになる。また、機器設置部の移動速度が速いと、その移動過程で設置状態の機器が外れてしまう等の不都合も生じる可能性がある。
【0028】
そこで、本構成によれば、移動速度低減部を備えることで、使用姿勢から退避姿勢に姿勢変更させるときの機器設置部の移動速度を低減させて、退避姿勢に姿勢変更されたときの衝撃力が強くなったり、設置状態の機器が外れてしまうのを防止している。
【0029】
本発明の第9特徴構成は、前記盤本体には、その上下方向又は左右方向の一端側に着脱自在な区画部が備えられ、
前記区画部は、前記盤本体に装着された状態において、前記ケーシングの内部の収納空間を、第1収納空間と第2収納空間とに区画している点にある。
【0030】
本構成によれば、区画部を盤本体に装着することで、ケーシングの内部の収納空間を、第1収納空間と第2収納空間とに区画することができる。したがって、サイズや用途に応じて、第1収納空間に収納する機器と第2収納空間に収納する機器とを区分けすることができ、収納空間に対して、複数の機器を効率よく配置させながら、収納することができる。
【0031】
本発明の第10特徴構成は、前記区画部は、前記盤本体の下端部に着脱自在に備えられ、
前記区画部は、その内部に第1収納空間を区画するとともに、その上端部に機器を載置支持自在に備えられている点にある。
【0032】
本構成によれば、区画部は、その内部に第1収納空間を区画するとともに、その上端部に機器を載置支持自在に備えられているので、区画部の内部の第1収納空間に機器を収納できながら、区画部の上端部にも機器を載置支持することができる。これにより、第2収納空間において、区画部の横側部等、区画部の上方側以外の空間を機器の収納空間として活用しながら、区画部の上方側の空間も、区画部の上端部に機器を載置支持させる状態で収納させる収納空間として活用することができ、複数の機器を効率よく収納させることができる。
【0033】
本発明の第11特徴構成は、前記盤本体は、機器を取付自在に備えられ、
前記区画部は、前記盤本体との間に前記機器を取付自在な取付空間を確保する状態で、前記盤本体に着脱自在に備えられている点にある。
【0034】
本構成によれば、区画部は、盤本体との間に機器を取付自在な取付空間を確保する状態で、盤本体に着脱自在に備えられているので、盤本体に取り付けられる機器とは干渉することなく、盤本体に区画部を装着することができる。これにより、盤本体に機器を取り付ける空間を適切に確保しながら、区画部にて収納空間を適切に区画することができる。しかも、取付空間は、盤本体に機器を取り付ける取付作業を行うための空間としても利用することができ、確保された取付空間を有効に活用することができる。
【0035】
本発明の第12特徴構成は、前記区画部は、前記ケーシングの一部を形成するケーシング形成部材として備えられ、
前記アダプターは、前記区画部に対して着脱自在に備えられている点にある。
【0036】
本構成によれば、区画部は、ケーシング形成部材として備えられているので、区画部が、収納空間を区画する機能とケーシングを形成する機能とを有することになる。しかも、区画部に対してアダプターを着脱自在としているので、区画部にアダプターを着脱させるための機能を備えさせることができるだけでなく、盤本体やカバー体にアダプターを着脱させるための構成を備えなくてもよく、より一層の構成の簡素化及びコストの低減を図ることができる。
【0037】
本発明の第13特徴構成は、盤本体とその盤本体の前方側を覆うカバー体とを有するケーシングが備えられた情報盤に対して、そのケーシングに着脱自在な情報盤用のアダプターにおいて、
前記ケーシングの外部に延びて、機器を設置自在な外部延設部位が備えられている点にある。
【0038】
本構成によれば、情報盤用のアダプターは、ケーシングに対して着脱自在であり、機器を設置自在な外部延設部位を有するので、情報盤のケーシングの内部に機器を収納させるだけでなく、アダプターにも機器を設置して、設置する機器の増加に対応することができる。ケーシングの内部に機器を収納させるだけで対応できる場合には、アダプターをケーシングから取り外しておくことができ、不必要に情報盤の大きさが大きくなるのを防止することができる。
【0039】
しかも、アダプターの外部延設部位は、ケーシングの外部に延びているので、例えば、他の機器やケーシング等との間に所定距離だけ離した状態で機器を設置することができる。よって、高温になり易い機器を設置する場合には、その機器をアダプターの外部延設部位に設置することで、ケーシングの内部に収納せずに、推奨されている設置状況を確保することができ、高温になり易い機器であっても適切に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】情報盤の斜視図
図2】情報盤の側面図
図3】盤本体とカバー体との装着状態を示す側面図
図4】盤本体に対してカバー体及びアダプターを揺動させた状態を示す斜視図
図5】カバー体を取り外した状態を示す斜視図
図6図5において一部の機器を省略した状態を示す斜視図
図7】盤本体と区画部とを分解した分解斜視図
図8】(A)は、盤本体に対する区画部の装着状態を示す断面図、(B)は、盤本体側係合部と区画部側係合部との係合状態を示す断面図
図9】盤本体及び区画部とアダプターとを分解した分解斜視図
図10】(A)は、縦姿勢状態のアダプターを前方側から見た斜視図、(B)は、横姿勢状態のアダプターを前方側から見た斜視図
図11】(A)は、縦姿勢状態のアダプターを後方側から見た斜視図、(B)は、横姿勢状態のアダプターを後方側から見た斜視図
図12】(A)は、アダプターの使用姿勢を示す側面図、(B)は、アダプターの退避姿勢を示す側面図
図13】第2実施形態におけるアダプターに機器を設置していない状態での斜視図
図14】第2実施形態におけるアダプターに機器を設置している状態での斜視図
図15】第3実施形態における情報盤の一部を示す正面図
図16】第4実施形態における情報版の斜視図
図17】(A)は、アダプターを前方側から見た斜視図、(B)は、アダプターを後方側から見た斜視図
図18】アダプターの各部品を取り外した分解斜視図
図19】(A)は、アダプターの使用姿勢を示す側面図、(B)は、アダプターの退避姿勢を示す側面図
図20】(A)は、操作部の斜視図、(B)は、ベース体に対する機器設置部の取付状態を示す斜視図
図21】(A)は、ロック状態における姿勢ロック部の縦断面図、(B)は、ロック解除状態における姿勢ロック部の縦断面図
図22】(A)は、アダプターの使用姿勢における退避姿勢規制部の縦断面図、(B)は、アダプターの退避姿勢における退避姿勢規制部の縦断面図
図23】アダプターの使用姿勢における使用姿勢側規制部の斜視図
図24】盤本体及び区画部とアダプターとを分解した分解斜視図
図25】(A)は、ベース体を装着空間に挿入する前の区画部の底面図、(B)は、ベース体を装着空間に挿入した後の区画部の横断面図
図26】ベース体を装着空間に挿入した状態での区画部とアダプターとの関係を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明に係る情報盤の実施形態について図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
この情報盤1は、図1及び図5に示すように、機器2を取付自在な盤本体3と、その盤本体3の前方側を取り付けられた機器2ごと覆うカバー体4とが備えられている。図1に示すように、盤本体3とカバー体4とを有するケーシング5により箱型の矩形状に形成され、ケーシング5の内部には、図5に示すように、機器2を収納可能な収納空間6が形成されている。
【0042】
図1は、壁部等の設置対象部に対して情報盤1を取り付けて、情報盤1を実際に使用するときの斜視図を示している。それに対して、図5は、図1の情報盤1からカバー体4を取り外した状態を示しており、ケーシング5の内部の収納空間6に対して、各種の機器2がどのように収納されているかを示している。
【0043】
以下、上下左右前後の6つの方向について、ケーシング5を基準として規定し、ケーシング5の上下方向を「上下方向」、ケーシング5の前後方向を「前後方向」、ケーシング5の左右方向を「左右方向」とする。
【0044】
情報盤1は、ケーシング5を形成する盤本体3及びカバー体4に加えて、図5に示すように、盤本体3に対して着脱自在な区画部7と、図1及び図2に示すように、ケーシング5の外部において機器2を設置自在なアダプター8とが備えられている。
【0045】
収納空間6に収納される機器2としては、図5に示すように、各種の情報機器が適用可能であり、例えば、インターネット回線用のONU、ルータやハブ装置、電話回線用の電話端子等、テレビジョン放送用のマルチブースターや分配器等、無線通信用の無線用アダプター等、各種の情報機器が含まれている。
【0046】
機器2には、図1及び図2に示すように、例えば、高速通信用の機器21も含まれており、高速通信用の機器21は、内部の通信機器の温度上昇により高温になり易い機器2となっている。そこで、高速通信用の機器21等、高温になり易い機器2は、アダプター8により、ケーシング5の外部に設置されている。
【0047】
(盤本体)
盤本体3は、図7に示すように、壁等の設置対象部に取付自在な後方壁部31と、その後方壁部31の上端部から前方側に延びる上壁部32と、その後方壁部31の下端部から前方側に延びる下壁部33と、その後方壁部31の左右方向の両端部において前方側に延びる側壁部34とを有している。盤本体3は、後方、上下、左右の5つの方向が壁部31~34にて囲まれ、前方側のみが開放された箱型の矩形状に形成されている。
【0048】
後方壁部31は、図7に示すように、矩形状に形成され、その上下左右の四隅部に、ネジ止め等により壁部等の設置対象部に盤本体3を取り付けるための第1取付孔部35(図7では、左側下端部に配設された第1取付孔部35のみを図示している)が形成されている。後方壁部31の上端部において左右方向の中央部にも、ネジ止め等により壁等の設置対象部に盤本体3を取り付けるための第2取付孔部36(図9参照)が形成されている。この第2取付孔部36は、幅広の円形と幅狭の円形とを組み合わせたひょうたん形状に形成され、第2取付孔部36にネジ等を係合させることで、盤本体3を吊り下げ支持自在に構成されている。
【0049】
図6に示すように、後方壁部31に対してネジ止め等により機器2を取付自在に構成されており、後方壁部31の上下方向及び左右方向の中央部には、図6及び図7に示すように、各種のケーブル9を収納空間6の内部に引き込み自在とする横長形状のケーブル挿通孔部37が形成されている。図6は、図5において、区画部7に備えられている機器2を省略して、盤本体3の後方壁部31に対する各種の機器2の取付位置等を示している。この実施形態では、後方壁部31の左側端部、ケーブル挿通孔部37の上方側及び下方側の夫々に機器2が取り付けられており、後方壁部31の右側端部に機器2としてのコンセント部22が配設されている。機器2やコンセント部22を後方壁部31においてどこに配設させるかは適宜変更が可能である。
【0050】
上壁部32には、図6及び図7に示すように、左右方向に長い細長の連通孔部38が備えられ、この連通孔部38によりケーシング5の内部の収納空間6とケーシング5の外部とが連通されている。連通孔部38は、上壁部32の左右方向の略全長に亘って形成され、前後方向に間隔を隔てて複数並ぶ状態で配設されている。連通孔部38には、上壁部32の左右方向において、連通孔部38を区切る区切り部39が複数備えられている。これにより、ケーシング5の内部にて温度上昇した空気が、上壁部32の連通孔部38からケーシング5の外部に排出されるので、ケーシング5の内部の熱を放熱することができ、ケーシング5の内部が過度に温度上昇するのを抑制している。
【0051】
下壁部33は、図7に示すように、上壁部32及び側壁部34よりも所定量だけ前方側に突出する状態で前後方向の長さが上壁部32及び側壁部34よりも大きく形成されている。下壁部33は、その前方側部位が平坦面状に形成されており、盤本体3に対して装着される区画部7の下面部を載置支持自在に構成されている。
【0052】
上壁部32及び側壁部34は、図6に示すように、その前後方向での長さが、後方壁部31に取り付けられる機器2よりも余裕寸法(例えば、機器2の前後方向での長さよりも短い寸法)だけ大きな長さに形成されている。後方壁部31に取り付けられる機器2よりも前方側に突出する上壁部32及び側壁部34の長さを極力短くしており、盤本体3が前後方向での長さの短い薄型に構成されている。盤本体3の前後方向の長さは、例えば、カバー体4よりも短く構成されている(図2等参照)。これにより、壁等の設置対象部に盤本体3を取り付けた状態において、後方壁部31に機器2を取り付ける取付作業を行う際に、作業者の腕や肘等が盤本体3の上壁部32や側壁部34に接触し難く、上壁部32や側壁部34が邪魔になることなく、取付作業をスムーズに行うことができる。
【0053】
(カバー体)
カバー体4は、図1及び図2に示すように、盤本体3の前方側を覆う矩形状の前方壁部51と、その前方壁部51の上端部から後方側に延びる上壁部52と、その前方壁部51の左右方向の両端部において後方側に延びる側壁部53とを有している。カバー体4は、前方側、上方側、左右の4つの方向が壁部51~53にて囲まれ、後方側及び下方側が開放された箱型の矩形状に形成されている。
【0054】
上壁部52は、図1及び図2に示すように、前方側が後方側よりも下方側に位置する前下がりの傾斜状に形成されている。側壁部53の下端側部位は、前方側が後方側よりも上方側に位置する前上がりの傾斜状に形成されている。前方壁部51と側壁部53とを繋ぐ角部は、丸みを帯びた湾曲状に形成されている。
【0055】
上壁部52には、図1に示すように、左右方向に長い細長の連通孔部54が備えられ、この連通孔部54によりケーシング5の内部の収納空間6とケーシング5の外部とが連通されている。連通孔部54は、上壁部52の左右方向の略全長に亘って形成され、前後方向に間隔を隔てて複数並ぶ状態で配設されている。連通孔部54には、上壁部52の左右方向において、連通孔部54を区切る区切り部55が複数備えられている。これにより、ケーシング5の内部にて温度上昇した空気が、上壁部52の連通孔部54からケーシング5の外部に排出されるので、ケーシング5の内部の熱を放熱することができ、ケーシング5の内部が過度に温度上昇するのを抑制している。
【0056】
カバー体4は、盤本体3に対して着脱自在に備えられている。盤本体3に対してカバー体4を装着することで、図1及び図2に示すように、収納空間6に収納された機器2も含めて盤本体3の前方側の全体を覆うことができる。逆に、盤本体3からカバー体4を取り外すことで、図5に示すように、収納空間6に収納された機器2も含めて盤本体3の前方側の全体を開放させることができ、機器2等のメンテナンス作業を簡易に行うことができる。
【0057】
図3(B)に示すように、カバー体4側の上端部に備えられた引掛け部56を盤本体3側の上端部に備えられた引掛け受け部40に引掛けることで、盤本体3に対してカバー体4を装着自在に備えられている。カバー体4側の引掛け部56は、ケーシング5の左側と右側とに左右一対備えられ、盤本体3側の引掛け受け部40(図7参照)も、ケーシング5の左側と右側とに左右一対備えられている。
【0058】
カバー体4側の引掛け部56は、図3(B)に示すように、下方側に突出する凸形状に形成されているのに対して、盤本体3側の引掛け受け部40は、下方側に凹入する凹形状に形成されている。これにより、カバー体4側の引掛け部56を盤本体3側の引掛け受け部40に上方側から引掛けることで、凸状の引掛け部56と凹状の引掛け受け部40とが係合されて、盤本体3にてカバー体4を吊り下げ支持している。
【0059】
カバー体4は、図3に示すように、その上端部を支点として、盤本体3に対してケーシング5の左右方向に沿う軸心周りで揺動自在に備えられている。凸状の引掛け部56と凹状の引掛け受け部40とは、盤本体3に対してカバー体4がケーシング5の左右方向に沿う軸心周りで揺動しても、その係合状態を維持するように構成されている。これにより、盤本体3は、カバー体4をケーシング5の左右方向に沿う軸心周りで揺動自在に吊り下げ支持している。カバー体4は、盤本体3の前方側の全体を覆う全体閉塞姿勢(図3(A)参照)と、盤本体3の前方側のうち下方側の一部だけを開放させる一部開放姿勢(図3(B)参照)とに揺動自在に備えられている。
【0060】
カバー体4を盤本体3から取り外す場合には、カバー体4を全体閉塞姿勢(図3(A)参照)から一部開放姿勢(図3(B)参照)に揺動させたのち、そのままカバー体4を上方側に持ち上げることで、凸状の引掛け部56と凹状の引掛け受け部40との係合状態を解除して、カバー体4を盤本体3から取り外している。
【0061】
逆に、カバー体4を盤本体3に装着する場合には、盤本体3に対してカバー体4を下方に移動させて、凸状の引掛け部56と凹状の引掛け受け部40とを係合させたのち、カバー体4を一部開放姿勢(図3(B)参照)から全体閉塞姿勢(図3(A)参照)に揺動させている。カバー体4を全体閉塞姿勢に揺動させる際に、カバー体4の左右方向の両端部に備えられた凸状の差し込み部58(図3(B)参照)を、盤本体3の左右方向の両端部に備えられた凹状の被差し込み部45(図7参照)に差し込み、図3(A)に示すように、区画部7側の係合部84とカバー体4側のフック部57とを係合させて、カバー体4を全体閉塞姿勢に保持している。
【0062】
(区画部)
区画部7は、図7に示すように、前後左右に延びる矩形状の上壁部71と、その上壁部71と上下方向で間隔を隔てて対向する下壁部72と、上壁部71と下壁部72との左右方向の両端部を繋ぐ左右一対の側壁部73とを有している。区画部7は、上下、左右の4つの方向が壁部71~73にて囲まれ、前方側及び後方側が開放された筒形状に形成されている。
【0063】
上壁部71(区画部7の上端部に相当する)は、図7に示すように、その上面部に機器2を載置自在な板状に形成され、左右方向に長い細長の孔部74が備えられている。孔部74は、前後方向に間隔を隔てて並ぶ列が左右方向に間隔を隔てて複数列備えられている。上壁部71の前端部の右端部側には、後方側に凹入する切欠部75が備えられている。
【0064】
側壁部73は、図7に示すように、上壁部71よりも上方側に突出する状態で備えられ、側壁部73の上端部の高さが、上壁部71の前後方向の全長に亘って同一高さとなっている。上壁部71の前端部及び後端部には、上壁部71の周方向で側壁部73に連続する状態で上方側に延びて、側壁部73と同一高さとなる上方起立部76が備えられている。側壁部73及び上方起立部76によって、平面視において、切欠部75も含めて上壁部71の周方向の全長に亘って連続する状態で所定量だけ上方側に突出する壁部が形成されている。図5に示すように、この壁部が上壁部71に載置される機器2に当接することで、上壁部71の外方側への機器2の移動や落下を防止している。
【0065】
下壁部72は、図7に示すように、上壁部71と同様に矩形状に形成されているが、上壁部71及び側壁部73よりも所定量だけ前方側に突出する状態で前後方向の長さが上壁部71及び側壁部73よりも大きく形成されている。下壁部72にも、上壁部71と同様に、左右方向に長い細長の孔部77が複数列備えられている。
【0066】
下壁部72の下面部には、図8(A)及び図9に示すように、左右方向の全長に亘って下方側に延びる第1~第4下方延設部78~81が備えられている。図8(A)は、区画部7を盤本体3に装着した状態における側面視での縦断面図であり、区画部7の下端部と盤本体3の下端部との関係等を示している。
【0067】
図8(A)に示すように、前方側(図8(A)において左側)から、第1下方延設部78、第2下方延設部79、第3下方延設部80、第4下方延設部81の順に間隔を隔てて配設されている。第1下方延設部78は、下壁部72の前端部に相当する位置に配設され、第2下方延設部79は、第1下方延設部78よりも後方側において、前後方向に間隔を隔てて複数(例えば、2つ)備えられている。第4下方延設部81は、下壁部72の後端部に相当する位置に配設され、第3下方延設部80は、第4下方延設部81よりも所定量だけ前方側に配設されている。第1~第4下方延設部78~81の下方側への突出量は、第3下方延設部80が一番大きく、第4下方延設部81が第3下方延設部80よりも所定量だけ小さく、第1下方延設部78と第2下方延設部79とが同一又は略同一で一番小さくなっている。
【0068】
下壁部72の下面部には、図8(A)及び図9に示すように、左右方向の中間部において、前後方向の全長に亘って下方側に延びるリブ部82が備えられている。リブ部82は、図9に示すように、左右方向に間隔を隔てて複数備えられており、下方側に延びる延設量が前後方向で異なっている。リブ部82は、図8(A)に示すように、前方側(図8(A)において左側)から、下壁部72の第1下方延設部78と同じ又は略同一の下方側への延設量を有する前方側部位82aと、その前方側部位82aから後方側になるほど下方側への延設量が大きくなる傾斜状の傾斜部位82bと、下方側への延設量が一番大きい中間部位82cと、その中間部位82cよりも下方側への延設量を所定量だけ小さくした後方側部位82dとを有している。
【0069】
側壁部73は、図7及び図9に示すように、下壁部72よりも下方側に延設する状態で備えられている。側壁部73は、図9に示すように、リブ部82と同様に、下方側に延びる延設量が前後方向で異なっており、側壁部73の各部位の下方側への延設量がリブ部82の各部位の下方側への延設量と同じ又は略同じとなっている。これにより、区画部7の下面部から下方側に延びる側壁部73及びリブ部82において、最も下方側となる位置が、前後方向では異なるものの、左右方向ではその全長に亘って面一又は略面一に揃うように構成されている。
【0070】
区画部7は、図6及び図7に示すように、盤本体3の下端部に対して着脱自在に備えられている。区画部7は、その後方側部位を盤本体3に挿入させることで、盤本体3の下壁部33にて区画部7の後方側部位を載置支持する状態で、盤本体3に対して区画部7を装着自在に構成されている。
【0071】
盤本体3の下壁部33には、図7に示すように、装着される区画部7をネジ止めするためのボス部41と、上方側に延びる板状に形成された補強のための補強リブ部42と、前後方向での区画部7の装着位置を位置決めするための前後位置決め部43とが備えられている。ボス部41は、ネジ止めするための機能だけでなく、区画部7の後方側部位に形成された凹状の溝部に係合することで、左右方向での区画部7の装着位置を位置決めする機能も有している。前後位置決め部43は、盤本体3の下壁部33から上方側に膨出する起立壁状に形成され、図8(A)に示すように、区画部7の後端部に配設された第4下方延設部81に当接することで、前後方向での区画部7の装着位置を位置決めしている。また、前後方向については、区画部7に配設された第3下方延設部80が盤本体3の下壁部33の前端部に当接しており、この当接によっても前後方向での区画部7の装着位置を位置決めしている。
【0072】
盤本体3に対して区画部7を装着するに当たり、図7に示すように、盤本体3側に配設された盤本体側係合部44と区画部7側に配設された区画部側係合部83とが備えられ、盤本体側係合部44と区画部側係合部83との係合によって、盤本体3に対して区画部7が装着された装着状態が保持されている。
【0073】
盤本体側係合部44は、図7に示すように、盤本体3の側壁部34の内方側に備えられ、右側と左側とに左右一対備えられている。区画部側係合部83は、区画部7の側壁部73の外方側に備えられ、右側と左側とに左右一対備えられている。盤本体側係合部44は、前後方向に間隔を隔てて前方側盤本体側係合部44aと後方側盤本体側係合部44bとが備えられている。盤本体3に区画部7を装着させたときには、図8(B)に示すように、前方側盤本体側係合部44aと後方側盤本体側係合部44bとにより区画部側係合部83を挟み込む状態で係合自在に備えられている。
【0074】
盤本体3に対して区画部7を装着する際は、図7の矢印にて示すように、盤本体3の下壁部33よりも区画部7の下端部を上方側に配置させた状態で、盤本体3に対して区画部7の後方側部位を挿入し、前方側盤本体側係合部44aと後方側盤本体側係合部44bとの間に区画部側係合部83を嵌め込む状態で盤本体3に対して区画部7を下降移動させている。ちなみに、盤本体3から区画部7を取り外す際は、逆に、盤本体3に対して区画部7を上昇移動させたのち、盤本体3に対して区画部7を前方側に移動させて取り出している。
【0075】
盤本体3に対して区画部7を装着させると、図8(B)に示すように、前方側盤本体側係合部44aと後方側盤本体側係合部44bとにより区画部側係合部83を挟み込む状態で係合することで、その装着状態が保持されている。この装着状態では、図8(A)に示すように、区画部7に配設された第3下方延設部80が盤本体3の下壁部33の前端部に当接しているので、図9に示すように、ボス部41(図7参照)を用いて第3下方延設部80を盤本体3の下壁部33にネジ止めして、盤本体3に対して区画部7を装着状態に固定している。
【0076】
盤本体3に対して区画部7を装着させた装着状態において、図6及び図8(A)に示すように、前後方向において、区画部7の後端部と盤本体3の後方壁部31との間に取付空間47が形成されている。この取付空間47は、図6に示すように、盤本体3の後方壁部31に取り付けられる機器2の設置空間を確保するものであり、盤本体3に対して区画部7を装着させた装着状態において、後方壁部31に取り付けられる機器2と区画部7との間に隙間を形成して、その機器2と区画部7とが接触して干渉するのを防止している。
【0077】
この取付空間47は、盤本体3の後方壁部31に取り付けられる機器2の設置空間を確保するためだけでなく、取付空間47に対して、作業者が手等を挿入させる状態で機器2の取付作業やケーブル9等の配線作業等を行うための作業空間としても活用することができる。この実施形態では、盤本体3において前方側に突出された下壁部33にて区画部7を載置支持する状態で盤本体3に区画部7が装着されている。よって、前後方向において、区画部7を載置支持している下壁部33の長さよりも取付空間47の長さの方が大きくなっている。これにより、取付空間47としては、前後方向に大きな空間となっており、区画部7の後端部と盤本体3の後方壁部31との間に、機器2を設置するための設置空間や作業者の手等を挿入できるだけの挿入空間が十分に確保されている。
【0078】
カバー体4には、下壁部が備えられていないことから、図5及び図6に示すように、区画部7は、盤本体3に装着された状態において、ケーシング5の下方側部位を形成するケーシング形成部材として備えられている。これにより、ケーシング5は、図1に示すように、後端部とその後端部に連続する上端部及び側端部とを含む後方側部位が盤本体3にて形成され、前端部とその前端部に連続する上端部及び側端部とを含む前方側部位がカバー体4にて形成され、下方側部位が区画部7にて形成されている。
【0079】
このように、区画部7がケーシング5の下方側部位を形成するケーシング形成部材として備えられているので、図3(A)に示すように、カバー体4を全体閉塞姿勢とした場合には、区画部7の前端部とカバー体4とが近接することになる。そこで、区画部7の前端部には、図7に示すように、第1下方延設部78において上方側に凹入する凹状の係合部84が備えられており、図3(A)に示すように、区画部7側の係合部84とカバー体4側のフック部57とが係合することで、カバー体4が全体閉塞姿勢に保持されている。
【0080】
区画部7は、図5及び図6に示すように、ケーシング5の内部の収納空間6を、上壁部71と下壁部72と側壁部73とで囲まれた第1収納空間61と、それ以外の第2収納空間62とに区画している。区画部7には、第1収納空間61を右側と左側とに区切る区切り部85が備えられているが、前端部や中間部にて右側と左側とを連通自在に構成されている。
【0081】
第1収納空間61には、図5に示すように、例えば、機器2としての電源アダプター23が下壁部72に載置支持される状態で収納されている。電源アダプター23から延びる電源ケーブル10が、第1収納空間61の右側と左側との連通部、及び、区画部7の上壁部71の前端部に形成された切欠部75によって案内されており、盤本体3の右側端部に配設されたコンセント部22に接続自在に配線されている。
【0082】
区画部7にて区画された第2収納空間62には、図5及び図6に示すように、盤本体3の後方壁部31に取り付けられた機器2が収納されるだけでなく、区画部7の上壁部71に載置支持される状態で複数の機器2が収納されている。区画部7には、その上方側に転倒防止バー87が備えられており、転倒防止バー87が、区画部7の上壁部71に載置支持される機器2に当接することで、区画部7の外部への機器2の転倒を防止している。
【0083】
ケーシング5の収納空間6には、図5及び図6に示すように、電源ケーブル10等の配線が周囲に配設される電源アダプター23等の機器2が、まとめて区画部7内の第1収納空間61に収納されているとともに、それ以外の機器2が、盤本体3の後方壁部31に取り付けたり、区画部7の上壁部71に載置支持させて、前後方向に並ぶ状態で第2収納空間62に収納されている。区画部7としては、前後方向での長さが盤本体3よりも長く形成されており、第1収納空間61として複数の機器2を収納可能な十分な空間が確保されている。このようにして、収納空間6には、盤本体3の後方壁部31に取り付ける機器2と、区画部7の上壁部71に載置支持させる機器2と、第1収納空間61に収納させる機器2とを区分けする状態で収納させることができ、収納空間6のスペースを効率よく活用しながら、複数の機器2を整然として合理的に収納させることができる。
【0084】
(アダプター)
アダプター8は、図2に示すように、ケーシング5に対して着脱自在で前後方向に延びるベース体91と、そのベース体91に対して取付自在な第1設置体92と、その第1設置体92に対して取付自在な第2設置体93とが備えられている。アダプター8は、図1に示すように、右側と左側とに左右一対備えられており、左右方向で間隔を隔てる状態で複数備えられている。
【0085】
このように、左右一対のアダプター8は、左右方向で間隔を隔てているので、ケーシング5の外部において、前方、左右、上下の5つの方向で、他の機器2、ケーシング5及び壁等の設置対象部等との間に所定距離だけ離した状態で機器2を設置することができる。よって、高速通信用の機器21等、高温になり易い機器2を設置する場合でも、ケーシング5の内部に収納せずに、推奨されている設置状況を確保することができる。
【0086】
ベース体91は、図9に示すように、その後端側部位がケーシング5の下方側部位を形成する区画部7に対して着脱自在に備えられ、前後方向に延びる細長形状に形成されている。ベース体91は、図1及び図2に示すように、その前端部位がケーシング5の外部前方側に延びる外部延設部位94となっており、その外部延設部位94において機器2を設置自在に構成されている。外部延設部位94は、ケーシング5の前面部となるカバー体4の前方壁部51から前方側に所定距離だけ離れた位置に配設されている。
【0087】
区画部7において、図9に示すように、下壁部72から下方側に延びるリブ部82の間が装着空間86として形成されている。その装着空間86にベース体91を挿入することで、区画部7に対してベース体91を装着自在に備えられている。よって、区画部7に対してベース体91を装着した状態において、ベース体91が区画部7のリブ部82よりも下方側に突出することなく、ベース体91の下端部とリブ部82の下端部とを揃えることができる。
【0088】
ベース体91の中間部には、図10及び図11に示すように、後方側を開放させたコ字状の挟み込み部95が備えられている。この挟み込み部95は、装着空間86にベース体91を挿入された状態において(図9参照)、区画部7の前端部を上下方向で挟み込むように備えられており、この挟み込み部95をネジ止めにより区画部7の前端部に固定することで、アダプター8を区画部7に装着した状態に固定自在に備えられている。また、ベース体91の横側部には、アダプター8に設置される機器2のケーブル等を案内支持するケーブル案内支持部96が備えられている。
【0089】
第1設置体92は、図10(A)に示すように、ベース体91に対して取付自在で前後方向に延びる前後延設部位92aと、その前後延設部位92aの後端部から上方側に延びる上下延設部位92bとを有する側面視でL字状に形成されている。上下延設部位92bの前面部は、機器2をネジ止め等に設置自在に構成されている。第1設置体92に対して機器2を設置する場合には、上下方向に延びる上下延設部位92bの前面部の全長に亘って機器2を設置自在であり、上下方向での機器2の設置高さを調整自在となっている。上下延設部位92bには、第2設置体93を取り付けるためのネジ止め孔部100が上下方向に間隔を隔てて複数配設されている。
【0090】
第2設置体93は、図10(B)に示すように、第1設置体92と同様に、一定の方向に延びる細長状に構成され、その表面部93aに対してネジ止め等により機器2を設置自在に構成されている。第2設置体93の表面部93aには、図10(B)及び図11(A)に示すように、長手方向の中央部に凹入する凹入部97が形成され、その凹入部97に、第1設置体92に第2設置体93を取り付けるためのネジ止め孔部101が配設されている。
【0091】
アダプター8は、第1設置体92に対する第2設置体93の取付状態が変更自在に構成されている。アダプター8は、図10(A)及び図11(A)に示すように、第1設置体92に対して第2設置体93を重ねた状態で取り付けた縦姿勢状態と、図10(B)及び図11(B)に示すように、第1設置体92に対して第2設置体93を直交させて左右方向に延びる状態で取り付けた横姿勢状態とに切替自在に構成されている。
【0092】
縦姿勢状態では、図11(A)に示すように、第1設置体92の後方側に対して、第2設置体93を表裏反転させて第2設置体93の裏面部93bを嵌め込み自在に構成されており、第1設置体92に対して第2設置体93を嵌め込むことで、第1設置体92に対して第2設置体93を重ね合わせている。第1設置体92に対して第2設置体93を重ね合わせた状態でネジ止め孔部100、101を用いてネジ止めすることで、アダプター8を縦姿勢状態に切り替えている。
【0093】
この縦姿勢状態では、図10(A)に示すように、上下方向に延びる第1設置体92の上下延設部位92bに対してネジ止めにより機器2を設置自在となっている。第1設置体92の上下延設部位92bにおいてネジ止めする位置を上下方向で変更することで、機器2の設置位置を上下方向で変更することができる。
【0094】
横姿勢状態では、図11(B)に示すように、第2設置体93の表面部93aの中間部位に形成された凹入部97を第1設置体92の後方側に嵌合させることで、第1設置体92に対して第2設置体93を直交させて左右方向に延びる状態としている。この状態で、ネジ止め孔部100、101を用いてネジ止めすることで、アダプター8を横姿勢状態に切り替えている。
【0095】
この横姿勢状態では、図10(B)に示すように、左右方向に延びる第2設置体93の表面部93aに対してネジ止めにより機器2を設置自在となっている。第1設置体92には上下方向に間隔を隔てて複数のネジ止め孔部100が備えられているので、上下方向でネジ止めの位置を変更することで、第1設置体92に対して上下方向での第2設置体93の取付位置を変更自在に構成されている。よって、第1設置体92に対する上下方向での第2設置体93の取付位置を変更することで、機器2の設置位置を上下方向で変更することができる。
【0096】
アダプター8に対して機器2を設置する際に、例えば、図1において左側に示すように、機器2が上下方向の方が左右方向よりも長い縦長の機器2である場合には、図10(A)及び図11(A)に示すように、アダプター8を縦姿勢状態として、第1設置体92に対してネジ止め等により機器2を設置している。それに対して、例えば、図1において右側に示すように、機器2が左右方向の方が上下方向よりも長い横長の機器2である場合には、図10(B)及び図11(B)に示すように、アダプター8を横姿勢状態として、第2設置体93に対してネジ止め等により機器2を設置している。
【0097】
このように、アダプター8は、機器2の大きさや形状に応じて、縦姿勢状態とするか又は横姿勢状態とするかを切り替えて、機器2を大きさや形状に適した適切な姿勢にて設置することができる。また、機器2の大きさや形状だけでなく、その他各種の条件に応じて、縦姿勢状態と横姿勢状態との何れかにアダプター8を切り替えることができ、各種の条件に柔軟に対応しながら、アダプター8にて機器2を設置することができる。
【0098】
アダプター8は、ベース体91に対して第1設置体92が取付自在に備えられているが、図12に示すように、ベース体91に対して第1設置体92が左右方向に沿う軸心周りで揺動自在に取り付けられている。図10に示すように、ベース体91側の軸状の取付被係合部99に対して第1設置体92側の円弧状の取付係合部98が外嵌する状態で係合自在に備えられており、その取付被係合部99と取付係合部98との係合状態を維持することで、ベース体91に対して第1設置体92が左右方向に沿う軸心周りで揺動自在となっている。このように、アダプター8は、図12(A)に示す使用姿勢と図12(B)に示す退避姿勢とに左右方向に沿う軸心周りで揺動自在に備えられている。
【0099】
ベース体91には、図10及び図12(B)に示すように、ネジ止め固定するための固定部102が備えられている。図10に示すように、ベース体91に対して第1設置体92の上下延設部位92bが上下方向に延びる使用姿勢にて固定部102をネジ止め固定することで、アダプター8を使用姿勢に保持自在に構成されている。
【0100】
アダプター8の使用姿勢は、図2に示すように、アダプター8に設置された設置状態の機器2を使用するための姿勢であり、設置状態の機器2をケーシング5の前面部(カバー体4の前方壁部51)に沿って対向させる姿勢となっている。それに対して、アダプター8の退避姿勢は、図4に示すように、機器2を設置状態に維持したまま、ケーシング5から退避するための姿勢であり、設置状態の機器2をケーシング5の前面部(カバー体4の前方壁部51)に対してその上方側を離間させた傾斜状態とする姿勢となっている。
【0101】
例えば、機器2のメンテナンス作業等を行う場合には、図5に示すように、盤本体3からカバー体4を取り外して、機器2を含めて盤本体3の前方側を開放させて、メンテナンス作業を行うことになる。盤本体3からカバー体4を取り外す際に、図3(B)に示すように、盤本体3に対してカバー体4を上端部を支点として揺動させることになるが、このとき、図4に示すように、アダプター8を使用姿勢(図2参照)から退避姿勢に姿勢変更しておくことで、アダプター8及びそのアダプター8に設置状態の機器2に対してカバー体4が接触するのを防止しながら、カバー体4を揺動させることができる。これにより、アダプター8に設置された機器2の取り外し作業や配線の取り外し作業を行わなくてもよく、メンテナンス作業等を行うことができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0102】
〔第2実施形態〕
第2実施形態は、アダプター8の別実施形態であるので、図13及び図14に基づいて、アダプター8について中心に説明する。その他の構成については、第1実施形態と同様であるので、同符号を記す等により、その説明は省略する。
【0103】
第1実施形態では、図1に示すように、アダプター8がケーシング5の右側と左側とに左右一対備えられ、左右一対のアダプター8の夫々に対して機器2を1つずつ設置しているが、この第2実施形態では、図13及び図14に示すように、アダプター8が1つ備えられ、その1つのアダプター8に対して複数の機器2を設置自在に構成されている。
【0104】
第2実施形態では、アダプター8が、ケーシング5に対して着脱自在で前後方向に延びるベース体111と、そのベース体111に対して取付自在な第3設置体112とが備えられている。
【0105】
ベース体111は、ケーシング5の左右方向に長尺な形状に形成されており、ケーシング5の後方側から前方側に延設され、その前端部位がケーシング5の外部前方側に延びる外部延設部位113となっており、その外部延設部位113において機器2を設置自在に構成されている。外部延設部位113は、ケーシング5の前面部から前方側に所定距離だけ離れた位置に配設されている。
【0106】
ベース体111の外部延設部位113には、図13及び図14に示すように、第3設置体112が配設され、その第3設置体112に対して複数の機器2を設置自在に構成されている。第3設置体112は、ベース体111に対して取付自在な土台部112aと、その土台部112aの後端部から上方側に延びる壁部112bとを有する側面視でL字状に形成されている。ちなみに、第3設置体112の土台部112aは、詳細な図示は省略するが、第1実施形態の第1設置体92と同様に、ベース体111に対して左右方向に沿う軸心周りで使用姿勢と退避姿勢とに揺動自在に取り付けられている。
【0107】
壁部112bは、ケーシング5の左右方向の全長又は略全長に亘る長さを有する盤状に形成されており、図14に示すように、ネジ止めにより複数の機器2を左右方向に並ぶ状態で設置自在に構成されている。
【0108】
この第2実施形態では、ケーシング5の外部前方側において、左右方向に一連に延びる壁部112bが備えられているので、左右方向で壁部112bに対して機器2の設置位置を調整自在であり、例えば、2つの機器2の間隔を適宜調整して設置することができる。よって、例えば、高速通信用の機器21等、高温になり易い機器2でも、左右方向で他の機器2との間に所定距離を確保する状態で容易に設置することができる。
【0109】
〔第3実施形態〕
この第3実施形態は、アダプター8の別実施形態であるので、図15に基づいて、アダプター8について中心に説明する。その他の構成については、第1実施形態と同様であるので、同符号を記す等により、その説明は省略する。
【0110】
第1実施形態では、図1及び図2に示すように、アダプター8が、ケーシング5の前方側に外部延設部位94を配設させる状態で備えられ、ケーシング5の外部前方側において、機器2を設置自在に備えられている。それに対して、この第3実施形態では、図15に示すように、アダプター8が、ケーシング5の横側方側に外部延設部位123を配設させる状態で備えられ、ケーシング5の外部側方側において、機器2を設置自在に備えられている。
【0111】
アダプター8は、ケーシング5(区画部7)に対して着脱自在で左右方向に延びるベース体121と、そのベース体121から上方側に延びる第4設置体122とが備えられている。ベース体121は、ケーシング5から左右方向の外方側に延設され、その端部部位がケーシング5の横側方側に延びる外部延設部位123となっており、その外部延設部位123において機器2を設置自在に構成されている。外部延設部位123は、ケーシング5の側面部から側方側に所定距離だけ離れた位置に配設されている。
【0112】
第4設置体122に対してネジ止め等により機器2を設置自在に構成されており、ネジ止め位置を調整することで、上下方向での機器2の設置位置を調整自在に構成されている。
【0113】
外部延設部位123は、ケーシング5の側面部から側方側に所定距離だけ離れた位置に配設されており、ベース体121は、左右方向で所定距離以上の長さを有している。これにより、前方、左右、上下の5つの方向で、他の機器2、ケーシング5及び壁等の設置対象部等との間に所定距離だけ離した状態で機器2を設置することができる。よって、高速通信用の機器21等、高温になり易い機器2を設置する場合でも、ケーシング5の内部に収納せずに、推奨されている設置状況を確保することができる。
【0114】
ちなみに、図1に示す第1実施形態と図15に示す第3実施形態とを組み合わせて、ケーシング5の外部前方側とケーシング5の外部横側方側との両側に機器2を設置することもできる。
【0115】
〔第4実施形態〕
この第4実施形態は、アダプター8の別実施形態であるので、図16図26に基づいて、アダプター8について中心に説明する。その他の構成については、第1実施形態と同様であるので、同符号を記す等により、その説明は省略する。
【0116】
第1実施形態では、アダプター8が、図10及び図11に示すように、ベース体91に対して取付自在な部材として、第1設置体92と第2設置体93とが備えられている。それに対して、この第4実施形態では、アダプター8が、図16及び図17に示すように、ベース体131に取付自在な部材として、機器設置部141が備えられている。図17(A)では、前方側から見たアダプター8の斜視図を示しており、図17(B)では、後方側から見たアダプター8の斜視図を示している。
【0117】
第4実施形態におけるアダプター8では、図18に示すように、機器設置部141に加えて、ダンパー151、ダンパーカバー152、カバーキャップ161、操作部171等が備えられている。機器設置部141は、図17及び図18の二点鎖線にて示すように、設置部側取付部146の嵌合部147をベース体131のベース側取付孔部134に嵌合させることで、ベース体131に嵌合自在に取り付けられている。ダンパー151は、図18の矢印にて示すように、ダンパーカバー152に収容可能となっている。ダンパー151が収容されたダンパーカバー152は、図18の二点鎖線にて示すように、ビスBを用いたビス止めによりベース体131に取り付けられている。カバーキャップ161は、図18の二点鎖線にて示すように、ビスBを用いたビス止めによりダンパーカバー152の上部に取り付けられている。操作部171は、図17及び図18の矢印及び二点鎖線にて示すように、機器設置部141の設置部側取付部146の周囲を囲む状態で嵌合させて設置部側取付部146に取り付けられている。
【0118】
第4実施形態におけるアダプター8は、第1実施形態と同様に、図16に示すように、右側と左側とに左右一対備えられており、左右方向で間隔を隔てる状態で複数備えられている。左右一対のアダプター8は、左右方向で間隔を隔てているので、ケーシング5の外部において、前方、左右、上下の5つの方向で、他の機器2、ケーシング5及び壁等の設置対象部等との間に所定距離だけ離した状態で機器2を設置することができる。よって、高速通信用の機器21等、高温になり易い機器2を設置する場合でも、ケーシング5の内部に収納せずに、推奨されている設置状況を確保することができる。
【0119】
ベース体131は、図17に示すように、前後方向に延びる細長形状に形成され、図16に示すように、その後端側部位がケーシング5に対して着脱自在に備えられている。ベース体131は、図16に示すように、その前端側部位がケーシング5の外部前方側に延びる外部延設部位94となっており、その外部延設部位94には、機器2を設置自在な機器設置部141が配設されている。機器設置部141は、ケーシング5の前面部となるカバー体4の前方壁部51から前方側に所定距離だけ離れた位置に配設されている。
【0120】
ベース体131は、例えば、金属製の材料にて製造されており、図17及び図18に示すように、前後方向に延びる細長形状の底壁部132と、その底壁部132の左右方向の両側から上方側に延びる側壁部133とを有する断面U字状に形成されている。ベース体131は、図24に示すように、その後端側部位がケーシング5に対して差し込こんで取り付ける差込式の取付部となっており、図17及び図18に示すように、その前端側部位が機器設置部141の嵌合部147をベース側取付孔部134に嵌合させて取り付ける嵌合式の取付部となっている。
【0121】
機器設置部141は、例えば、樹脂製の材料にて製造されており、図17及び図18に示すように、機器2(図16参照)を設置する設置面部142を有する矩形の板状体にて構成されている。設置面部142に対して、上下方向の方が左右方向よりも長い縦長の機器2であっても、左右方向の方が上下方向よりも長い横長の機器2であっても、設置可能となるように設置面部142の上下方向及び左右方向の長さが設定されている。これにより、1つの機器設置部141にて、縦長の機器2と横長の機器2との両方に対応して機器2を設置可能としている。
【0122】
機器設置部141は、図16に示すように、設置面部142が前面部となるように設置されており、設置面部142に対してビス止めにより所望位置に機器2を設置可能となっている。設置面部142に機器2を設置する場合には、例えば、機器2の外面部(例えば、後面部)と設置面部142とが対向する状態で設置面部142に機器2が設置されている。機器設置部141の設置面部142と反対側(後面側)には、図17(B)に示すように、その外周部に複数の凹部143が形成されている。設置面部142に機器2を設置する場合に、その凹部143にインシュロック(結束バンド)を引っ掛けて、インシュロックにて機器2を締め付ける状態で設置することもできる。
【0123】
機器設置部141には、図17に示すように、設置面部142側(前面側)とその反対側(後面側)とを連通する連通孔部144が備えられている。連通孔部144は、矩形状の機器設置部141の中央側において、上下方向及び左右方向に間隔を隔てて2つずつ、合計4つ備えられている。
【0124】
設置面部142に機器2を設置するに当たり、機器設置部141には、図17(A)及び図18に示すように、設置面部142と機器2との間に間隙を形成させる間隙形成部145が備えられている。間隙形成部145は、設置面部142から前方側に突出させた突出壁(リブ)となっており、設置面部142を、面一の面状とするのではなく、凸凹形状としている。間隙形成部145は、設置面部142の上下方向の全長に亘って連続する状態で、左右方向に間隔を隔てて複数(例えば、6つ)配設されている。設置面部142に機器2を設置する場合に、間隙形成部145の突出端部を機器2に当接させることで、間隙形成部145にて突出する部分の長さに相当する間隙を、設置面部142と機器2との間に形成している。
【0125】
機器設置部141は、図17及び図19に示すように、ベース体131に対して、左右方向に沿う軸心A周りで揺動自在に取り付けられている。機器設置部141の下端部には、図18に示すように、下方側に延設された設置部側取付部146が備えられ、その設置部側取付部146が、左右方向の両側に分岐させた二股状に形成されている。設置部側取付部146において左右方向の両側の下端側部位には、左右方向の外方側に突出する円弧状の嵌合部147が配設されている。ベース体131における左右の側壁部133の前端側部位には、円形状のベース側取付孔部134が配設され、このベース側取付孔部134に対して、嵌合部147が内嵌状態で嵌合自在に備えられている。嵌合部147をベース側取付孔部134に内嵌状態で嵌合させることで、図17及び図19に示すように、機器設置部141が、ベース体131に対して、嵌合部147及びベース側取付孔部134の中心を通る左右方向に沿う軸心A周りで揺動自在に取り付けられている。
【0126】
ベース体131に対する機器設置部141の取り付け方について説明する。
図18に示すように、左右方向において、ベース体131における左右の側壁部133の間の長さと、設置部側取付部146の長さとが略同一又は同一に形成されている。よって、そのままでは、設置部側取付部146をベース体131における左右の側壁部133の間に配置させることが難しい。そこで、左右方向で二股状に形成された設置部側取付部146の外側を作業者等が手で持って内方側に押圧することで、設置部側取付部146を内方側に弾性変形させて、左右方向での大きさを収縮させる。これにより、設置部側取付部146をベース体131における左右の側壁部133の間に配置させることができる。設置部側取付部146を二股状に形成していることから、設置部側取付部146の弾性変形を行い易くしている。
【0127】
設置部側取付部146を左右の側壁部133の間に配置させた状態において、例えば、作業者等が手を放す等の操作を行うことで、設置部側取付部146の弾性変形に伴う復帰力が作用し、設置部側取付部146の左右方向での大きさを拡大させて、嵌合部147をベース側取付孔部134に嵌合させる。このようにして、設置部側取付部146の弾性変形を利用しながら、ベース体131に対して機器設置部141を取り付けている。
【0128】
ベース体131に対して機器設置部141を取り付けた後、図17及び図18に示すように、ベース体131に対してダンパーカバー152が取り付けられている。ダンパーカバー152は、図18に示すように、ベース体131における左右の側壁部133の間に収容されるように、平面視で略矩形状に形成されている。ダンパーカバー152の前端側部位153には、上方側に膨出して、その内部にダンパー151を収容する収容空間154が形成されている。前端側部位153には、更に前方側に膨出する中央側膨出部155と1つの端部側膨出部156とが左右方向に間隔を隔てて備えられている。
【0129】
ダンパーカバー152をベース体131に取り付ける場合には、図17(A)及び図20(B)に示すように、ダンパーカバー152の中央側膨出部155を二股状の設置部側取付部146の間に嵌合させ(嵌め込み)、ダンパーカバー152の端部側膨出部156を設置部側取付部146に形成された溝部149に嵌合させている(嵌め込んでいる)。これにより、ベース体131における左右の側壁部133の間には、設置部側取付部146とダンパーカバー152の中央側膨出部155及び端部側膨出部156とが隙間なく当接する状態で配設されている。よって、設置部側取付部146の左右方向の内方側への弾性変形を阻止して、嵌合部147とベース側取付孔部134との嵌合状態を維持し、ベース体131から機器設置部141が外れるのを防止している。
【0130】
機器設置部141は、図19に示すように、ベース体131に対して、左右方向に沿う軸心A周りで揺動自在であるので、第1実施形態と同様に、機器設置部141が、図19(A)に示す使用姿勢と、図19(B)に示す退避姿勢とに姿勢変更自在に備えられている。
【0131】
機器設置部141の使用姿勢は、図19(A)に示すように、設置面部142に設置された設置状態の機器2を使用するための姿勢であり、設置面部142に設置された機器2をその上方側ほど後方側に位置する後方傾斜姿勢にて使用するためのものである。機器設置部141の使用姿勢は、機器設置部141の上方側ほど後方側に位置する後方傾斜姿勢となっている。それに対して、機器設置部141の退避姿勢は、図19(B)に示すように、機器2を設置状態に維持したまま、ケーシング5(図16参照)から退避するための姿勢であり、設置面部142に設置された機器2をその上方側ほど前方側に位置する前方傾斜姿勢にて機器2及び機器設置部141をケーシング5の前面部から更に前方側に退避させるためのものである。機器設置部141の退避姿勢は、機器設置部141の上方側ほど前方側に位置する前方傾斜姿勢となっている。
【0132】
使用姿勢及び退避姿勢については、機器設置部141の左右方向に沿う軸心A周りでの揺動範囲を規制することで、使用姿勢と退避姿勢とに姿勢変更可能となっている。使用姿勢については、図23に示すように、使用姿勢側規制部181にて後方側(図23において矢印にて示す側)への揺動範囲を規制することで、使用姿勢に姿勢変更可能となっている。退避姿勢については、図22(B)に示すように、退避姿勢側規制部182にて前方側(図22(B)において、矢印にて示す側)への揺動範囲を規制することで、退避姿勢に姿勢変更可能となっている。
【0133】
使用姿勢側規制部181は、図23に示すように、設置部側取付部146の下端部に配設された設置部側第1当接部183とベース体131の底壁部132とが当接することで、機器設置部141の左右方向に沿う軸心A周りでの機器設置部141の後方側(図23において、矢印にて示す側)への揺動を規制している。設置部側取付部146の下端部には、円弧状に形成された円弧状部位148が備えられており、その円弧状部位148の先端部に設置部側第1当接部183が配設されている。機器設置部141の左右方向に沿う軸心A周りで機器設置部141が後方側に揺動することで、設置部側第1当接部183とベース体131の底壁部132とが当接し、機器設置部141のそれ以上の後方側への揺動を規制して、機器設置部141を使用姿勢に姿勢変更している。
【0134】
退避姿勢側規制部182は、図22(B)に示すように、設置部側取付部146の下端部に配設された設置部側第2当接部184とダンパーカバー152の横側部に配設されたカバー側当接部185とが当接することで、機器設置部141の左右方向に沿う軸心A周りでの機器設置部141の前方側(図22(B)において、矢印にて示す側)への揺動を規制している。設置部側取付部146の下端部には、円弧状部位148、設置部側第1当接部183に引き続いて、平坦状の設置部側第2当接部184が備えられている。ダンパーカバー152の横側部には、前方側ほど後方側よりも上方側となる傾斜した平坦状のカバー側当接部185が備えられている。図22(A)に示すように、機器設置部141が使用姿勢である場合に、機器設置部141の左右方向に沿う軸心A周りで機器設置部141が前方側(図23において矢印にて示す側)に揺動することで、設置部側第2当接部184とカバー側当接部185とが当接し、機器設置部141のそれ以上の前方側への揺動を規制して、機器設置部141を退避姿勢に姿勢変更している。
【0135】
機器設置部141は、図19(A)に示すように、使用姿勢に姿勢変更して、設置状態の機器2を使用するので、機器設置部141の姿勢を使用姿勢に安定して保持することが求められる。そこで、図20及び図21に示すように、機器設置部141を使用姿勢にロックするロック状態とそのロック状態を解除するロック解除状態とに切替自在な姿勢ロック部191が備えられている。
【0136】
姿勢ロック部191は、図20及び図21に示すように、ロック状態とロック解除状態との切替操作を行うための操作部171と、その操作部171側に配設された第1係合部192と、ダンパーカバー152側に配設された第2係合部193(図21参照)と、ロック状態側に付勢力を作用させる付勢部194とが備えられている。
【0137】
操作部171は、図20に示すように、機器設置部141における設置部側取付部146の周囲を覆うU字状に形成されており、設置部側取付部146の外周部に外嵌自在に備えられている。図20(A)では、操作部171について、上方側に前方側から見た斜視図を示しており、下方側に後方側から見た斜視図を示している。操作部171は、図20(B)に示すように、設置部側取付部146に外嵌された状態で、設置部側取付部146に対して上下方向にスライド移動自在(図20(B)において矢印にて示す)に備えられている。
【0138】
第1係合部192は、図20(A)に示すように、左右方向で操作部171の中央下方側に配設されており、図21に示すように、下方側に突出する鉤状に形成されている。それに対して、第2係合部193は、ダンパーカバー152の中央側膨出部155に配設されており、上方側に突出する鉤状に形成されている。よって、図21(A)に示すように、操作部171を下端位置に操作して、第1係合部192と第2係合部193とが係合することで、姿勢ロック部191にてベース体131に対する機器設置部141の揺動をロックするロック状態に切り替えられ、機器設置部141を使用姿勢にロックしている。
【0139】
図21(A)に示すように、付勢部194(例えば、弾性体)の付勢力により、操作部171を下方側に移動するように付勢されている。よって、第1係合部192と第2係合部193との係合状態が維持され、機器設置部141を使用姿勢にロックした状態に維持されている。
【0140】
操作部171を上方側に移動させる場合には、図21(B)に示すように、付勢部194の付勢力に抗して操作することになる。操作部171を上方側に移動させると、第1係合部192が、第2係合部193に対して上方側に離れた箇所に移動され、第1係合部192と第2係合部193との係合状態が解除される。よって、姿勢ロック部191がロック状態からロック解除状態に切り替えられ、ベース体131に対する機器設置部141の揺動操作を自由に行うことができる。
【0141】
上述の如く、機器設置部141は、ベース体131に対して揺動自在であり、使用姿勢と退避姿勢とに姿勢変更自在である。図19(A)から図19(B)に移行するように、機器設置部141を使用姿勢から退避姿勢に姿勢変更する場合には、図18に示すように、ダンパーカバー152に収容されたダンパー151(移動速度低減部に相当する)によって、使用姿勢から退避姿勢に姿勢変更する際の機器設置部141の移動速度を低減している。
【0142】
図16及び図19に示すように、機器2が機器設置部141の前面部となる設置面部142に設置されているので、機器2の自重等も考慮すると、機器設置部141の前方側に重心がある。よって、図19(A)から図19(B)に移行するように、機器設置部141を使用姿勢から退避姿勢に姿勢変更する場合に、機器設置部141の移動速度が速くなる可能性がある。そこで、ダンパー151は、機器設置部141が使用姿勢から退避姿勢に姿勢変更する際の機器設置部141の移動速度を低減している。ダンパー151は、図18に示すように、左右方向の端部にダンパー側係合部151aが配設されており、ダンパーカバー151の収容空間154からダンパー側係合部151aを左右方向に突出させる状態で収容空間154内で回転可能に収容されている。それに対して、機器設置部141の設置部側取付部146には、図23に示すように、ダンパー151のダンパー側係合部151a(図18参照)が係合する溝状の設置部側係合部146aが備えられている。ダンパー側係合部151a(図18参照)と設置部側係合部146a(図23参照)とが係合することで、機器設置部141の揺動とダンパー151の回転とが連係され、ダンパー151の機能により機器設置部141の移動速度を低減している。ちなみに、ダンパー151は、基本的に、使用姿勢から退避姿勢に姿勢変更する際の機器設置部141の移動速度を低減しているが、機器設置部141を退避姿勢から使用姿勢に姿勢変更する場合にも、機器設置部141の移動速度を低減するように構成することもできる。
【0143】
アダプター8は、第1実施形態と同様に、図24に示すように、ベース体131の後端側部位がケーシング5の下方側部位を形成する区画部7に対して着脱自在に備えられている。区画部7において、下壁部72から下方側に延びるリブ部82の間が装着空間86として形成されている。その装着空間86にベース体131を挿入することで、区画部7に対してベース体131を装着自在に備えられている。
【0144】
この第4実施形態では、図24に示すように、装着空間86に対応する区画部7のリブ部82に爪部201が配設されており、装着空間86にベース体131を挿入させた場合に、図24及び図25に示すように、その爪部201がベース体131の開口部135に嵌合自在に備えられている。図25は、区画部7を下方側から見た断面図を示しており、図25(A)が、装着空間86にベース体131を挿入する前の状態を示しており、図24(B)が、装着空間86にベース体131を挿入した後の状態を示している。
【0145】
図25に示すように、爪部201は、左右方向(図中左右方向)の内方側に突出する凸形状に形成されている。それに対して、図24に示すように、ベース体131の側壁部133には、爪部201が嵌合自在な開口部135が形成されている。図24及び図25(A)に示すように、左右のリブ部82の間に形成された装着空間86に対して、図24(B)に示すように、ベース体131が挿入されると、爪部201が開口部135に嵌合することになる。これにより、前後方向で区画部7に対するベース体131の移動が規制され、ベース体131を装着空間86に挿入された状態が維持される。爪部201は、後方側よりも前方側ほど幅広となる傾斜状に形成されているので、装着空間86に対してベース体131を挿入させる際に、爪部201がベース体131の側壁部133等に引っかかることなく、装着空間86にベース体131をスムーズに挿入させることができる。
【0146】
このように、爪部201と開口部135との嵌合により、前後方向での区画部7に対するベース体131の移動を規制しているが、区画部7の前端部に対してカバーキャップ161が嵌合することで、区画部7とアダプター8とを一体的に備えるようにしている。
【0147】
カバーキャップ161には、図17(B)及び図18に示すように、後方側に開放されたL字状の挟み込み部162が左右一対備えられている。装着空間86にベース体91を挿入された状態(図24参照)において、図26に示すように、区画部7の前端部における第1下方延設部78を、挟み込み部162とベース体131の側壁部133とが上下方向に挟み込むことで、区画部7の前端部に対してカバーキャップ161を嵌合させている。
【0148】
このように、図24に示すように、装着空間86にベース体91が挿入された場合に、図25に示す爪部201と開口部135との嵌合、及び、図26に示す挟み込み部162とベース体131の側壁部133とによる区画部7の前端部の挟み込みによって、区画部7とアダプター8とを一体的に備えることができるので、ビス止め等を行わなくても、区画部7(ケーシング5)に対してアダプター8を取り付けることができる。
【0149】
ちなみに、カバーキャップ161には、図26に示すように、左右一対の挟み込み部162に加えて、アダプター8に設置される機器2のケーブル等を案内支持するL字状の第1ケーブル案内支持部163が備えられ、挟み込み部162の上部にも、アダプター8に設置される機器2のケーブル等を案内支持する突出壁状の第2ケーブル案内支持部164が備えられている。
【0150】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、夫々単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0151】
(1)上記実施形態では、区画部7が盤本体3の下端部に装着自在に備えられているが、収納空間6を区画部7にて区画するものであればよく、盤本体3のどの位置に区画部7を装着するかは適宜変更が可能である。
例えば、盤本体3の上端部に横姿勢にて区画部7を装着したり、盤本体3の右端部又は左端部に区画部7を縦姿勢にて装着することができる。
【0152】
(2)上記実施形態では、区画部7に第1収納空間61を右側と左側とに区切る区切り部85が備えられているが、この区切り部85を省略して1つの第1収納空間61としたり、区切り部85を左右方向に間隔を隔てて配設して3つ以上の第1収納空間61に区切ることもできる。
【0153】
(3)上記実施形態では、カバー体4に下壁部が備えられておらず、区画部7がケーシング5の下方側部位を形成するケーシング形成部材として備えられているが、カバー体4に下壁部を備えさせて実施することもできる。
【0154】
(4)上記実施形態では、カバー体4が盤本体3に対して着脱自在に備えられているが、例えば、カバー体4と盤本体3とを一体的に備え、カバー体4を、盤本体3に対して、盤本体3の前方側を覆う閉塞状態と盤本体3の前方側を開放させる開放状態とに切替自在に備えることもできる。このとき、例えば、盤本体3に対してカバー体4を左右方向又は上下方向に沿う軸心周りで揺動させることで、閉塞状態と開放状態とに切替自在とすることができる。
【0155】
(5)上記第1実施形態では、図12(A)に示す使用姿勢と図12(B)に示す退避姿勢とに、ベース体91に対して第1設置体92が左右方向に沿う軸心周りで揺動自在に構成され、アダプター8が、使用姿勢と退避姿勢とに揺動自在に備えられているが、退避姿勢については、使用姿勢から揺動させた状態とするものに限らず、各種の姿勢を退避姿勢とすることができる。
【0156】
例えば、第1設置体がベース体に対してケーシングの接近離間方向でスライド移動自在に備えられ、ベース体に対して第1設置体をスライド移動させることで、ケーシングに接近する側の使用姿勢とケーシングから離間する側の退避姿勢とに姿勢変更自在とすることができる。この場合、ケーシングから所定距離だけアダプターを離れる側に移動させた状態を退避姿勢とすることができる。
【0157】
(6)上記実施形態では、ケーシング5の外部において機器2を設置自在なアダプター8と、ケーシング5の内部の収納空間6を第1収納空間61と第2収納空間62とに区画する区画部7との両方が備えられている例を示したが、例えば、アダプター8のみ、又は、区画部7のみを備えて実施することもできる。
【符号の説明】
【0158】
1 情報盤
2 機器
3 盤本体
4 カバー体
5 ケーシング
6 収納空間
7 区画部
8 アダプター
47 取付空間
61 第1収納空間
62 第2収納空間
92 第1設置体
93 第2設置体
94 外部延設部位
113 外部延設部位
123 外部延設部位
141 機器設置部
142 設置面部
144 連通孔部
145 間隙形成部
151 ダンパー(移動速度低減部)
191 姿勢ロック部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26