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特許7507278複数のストラップにデバイスを取り外し可能に固定するためのクリップ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-19
(45)【発行日】2024-06-27
(54)【発明の名称】複数のストラップにデバイスを取り外し可能に固定するためのクリップ
(51)【国際特許分類】
   F16B 2/24 20060101AFI20240620BHJP
   F16B 45/00 20060101ALI20240620BHJP
   A44B 99/00 20100101ALI20240620BHJP
【FI】
F16B2/24 A
F16B45/00 A
A44B99/00 611B
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023039406
(22)【出願日】2023-03-14
(65)【公開番号】P2023152811
(43)【公開日】2023-10-17
【審査請求日】2023-11-24
(31)【優先権主張番号】PA202270153
(32)【優先日】2022-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521511782
【氏名又は名称】ファルコム エー/エス
【氏名又は名称原語表記】FalCom A/S
【住所又は居所原語表記】Lautrupbjerg 7, 2750 Ballerup, Denmark
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モーテン ノードストローム
【審査官】正木 裕也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0061190(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0289045(US,A1)
【文献】米国特許第08079503(US,B1)
【文献】米国特許第05572793(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 2/24
F16B 45/00
A44B 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のストラップにデバイスを取り外し可能に固定するためのクリップ(1)であって、前記クリップ(1)は、
第1の表面(11)および反対側の第2の表面(12)と、第1の本体端部(13)および第2の本体端部(14)とを有する本体部(10)であって、前記本体部(10)は、第1の本体部(10A)と、第2の本体部(10B)と、中間部(10C)とを備え、前記第1の本体部(10A)は前記第1の表面(11)および/または前記第2の表面(12)に垂直な方向において前記第2の本体部(10B)からオフセットされており、前記中間部(10C)は前記第1の本体部(10A)と前記第2の本体部(10B)とを接続しており、前記第1の本体部(10A)は、前記複数のストラップに固定されるデバイスに前記クリップ(1)を取り付けるように構成された取付部(15)を備える、本体部(10)と、
前記第1の本体端部(13)に配置された第1のフック部(20)であって、前記第1のフック部(20)は第1の前部(20B)を備え、前記第1の前部(20B)は前記本体部(10)の第1の側に配置されている、第1のフック部(20)と、
前記第2の本体端部(14)に配置された第2のフック部(30)であって、前記第2のフック部(30)は第2の前部(30B)を備え、前記第2の前部(30B)は前記第1の側とは反対の前記本体部(10)の第2の側に配置されている、第2のフック部(30)と、を備え、
前記第1の前部(20B)は、前記本体部(10)の長さの75%以下と重なり、
前記第2の前部(30B)は、前記本体部(10)の前記長さの25%以下と重なり、
前記第1の本体部(10A)は、前記第2の表面(12)に垂直な方向において、前記第2の前部(30B)に向かって前記第2の本体部(10B)からオフセットされており、
前記第2の本体部(10B)は、前記第1の表面(11)に垂直な方向において、前記第1の前部(20B)に向かって前記第1の本体部(10A)からオフセットされている、クリップ(1)。
【請求項2】
前記第1の前部(20B)は、前記第1の表面(11)に平行に延在する、請求項1に記載のクリップ(1)。
【請求項3】
前記第2の前部(30B)は、前記第2の表面(12)に平行に延在する、請求項1または2に記載のクリップ(1)。
【請求項4】
前記中間部(10C)は、前記第1のフック部(20)と前記第2のフック部(30)の間に配置されている、請求項1または2に記載のクリップ(1)。
【請求項5】
前記第1の前部(20B)は、前記クリップ(1)の長手方向において、前記第2の前部(30B)からオフセットされており、前記第2の前部(30B)と重ならない、請求項1または2に記載のクリップ(1)。
【請求項6】
前記第1の前部(20B)、前記第2の前部(30B)、および前記本体部(10)のうちの1つまたは複数は、前記クリップ(1)の長手方向にテーパ状の端部を有する、請求項1または2に記載のクリップ(1)。
【請求項7】
前記第1のフック部(20)は、前記複数のストラップのうちの第1のストラップを解放可能に保持するように構成されている、請求項1または2に記載のクリップ(1)。
【請求項8】
前記第2のフック部(30)は、前記複数のストラップのうちの第2のストラップを解放可能に保持するように構成されている、請求項1または2に記載のクリップ(1)。
【請求項9】
前記本体部(10)は、前記複数のストラップに固定される前記デバイスに前記クリップ(1)を固定するための締結具を受容するように構成された貫通穴(16)を備える、請求項1または2に記載のクリップ(1)。
【請求項10】
前記クリップ(1)は、前記本体部(10)の前記取付部(15)と第1のフック端部(21)の間、および/または前記本体部(10)の前記取付部(15)と第2のフック端部(31)の間に配置された切欠き(17)を備える、請求項1または2に記載のクリップ(1)。
【請求項11】
前記クリップ(1)は、モジュラー軽量耐荷重機器(MOLLE)の一部としての使用に適している、請求項1または2に記載のクリップ(1)。
【請求項12】
前記クリップは、ポーチアタッチメントラダーシステム(PALS)の一部であるストラップに適している、請求項1または2に記載のクリップ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モジュラーギアコンポーネントの分野に関連する。特に、本開示は、耐荷重ウェビングのグリッドなどの耐荷重プラットフォームの複数のストラップにデバイスを固定するためのクリップに関する。
【背景技術】
【0002】
ポーチアタッチメントラダーシステム(PALS)は、ベストおよび/またはバックパックなどの耐荷重プラットフォームに小型の機器を取り付けるために使用されるウェビングのグリッドである。PALSは、ホルスター、マガジンポーチ、ラジオポーチ、ナイフの鞘、および他のギアなどのアイテムを取り付けるために使用され得る。多種多様なポーチが市販されており、ユーザは自身のキットをカスタマイズすることができる。PALSは、耐荷重機器に縫い付けられたウェビングと、アタッチメントの対応するウェビングおよびストラップとからなる。通常、PALSウェビングに機器を取り付けるために、モジュラー軽量耐荷重機器(MOLLE)クリップが使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、既知のMOLLEクリップを使って機器がPALSウェビングに取り付けられる場合、ユーザから離れる方向の過剰な外向きの力を機器が受けると、MOLLEクリップが歪んで屈曲および/または変形してしまうことがある。こうなると、取り付けられた機器が、PALSウェビングに近接したあるべき位置から逸脱してしまい、マガジン、ポーチ、ラジオなどのPALSウェビングに取り付けられた他の機器と干渉してしまう可能性がある。それにより、ユーザが、目的通りに機器を使うことが妨げられることにつながり得る。最悪の場合、ユーザが、取り付けられた機器を紛失する可能性がある。
【0004】
したがって、既存の欠点を軽減、低減、または対処し、変形しにくいおよび/またはあるべき位置から逸脱しにくいクリップを提供する、固定策が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
複数のストラップにデバイスを取り外し可能に固定するためのクリップが開示される。クリップは、第1の表面および反対側の第2の表面と、第1の本体端部と、第2の本体端部とを有する本体部を備える。本体部は、複数のストラップに固定されるデバイスにクリップを取り付けるように構成された取付部を備える。クリップは、第1の本体端部に配置された第1のフック部を備え、第1のフック部は、第1の前部を備え、第1の前部は、任意で、本体部の第1の側に配置されている。クリップは、第2の本体端部に配置された第2のフック部を備え、第2のフック部は、第2の前部を備える。第2の前部は、任意で、第1の側とは反対の本体部の第2の側に配置されている。第1のフック端部は、本体部と部分的に重なってよく、例えば、第1のフック端部は、本体部の長さの75%以下と重なってよい。第2のフック端部は、本体部と部分的に重なってよく、例えば、第2のフック端部は、本体部の長さの25%以下と重なってよい。
【0006】
本開示の利点は、クリップが、PALSウェビング上の2つの個々のストラップに取り付けられるように構成されていることである。2つの個々のストラップの各々のストラップをそれぞれ保持するように2つのフック部を構成することによって、機器に加えられる力の曲げトルクが、クリップの2つの端部に分散される。これにより、機器が同じ力を受けたときに、クリップの屈曲が防止され、取り付けられた機器をあるべき位置に保つことができる。本開示によるクリップは、取り付けられた機器が、PALSウェビングに近接したあるべき位置から逸脱することを防止する。クリップにおいてクリップの両端部に2つのフック部を設けることによって、本開示によるクリップは、従来のクリップよりも耐久性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示の上記および他の特徴および利点は、添付の図面を参照して、その例示的な実施形態の以下の詳細な説明によって、当業者に容易に明らかになるであろう。
【0008】
図1】斜視図で見た本開示による例示的なクリップを示す。
図2】第1の側から見た本開示による例示的なクリップを示す。
図3】本開示による例示的なクリップの断面図を示す。
図4】本開示による耐荷重ウェビングに装着された例示的なクリップの側面図を示す。
図5】第2の側から見た本開示による例示的なクリップを示す。
図6】本開示による例示的なクリップを、非折り畳み状態で示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
様々な例示的な実施形態および詳細が、適宜、図を参照して以下に説明される。図面は、原寸に比例して描かれても、描かれなくてもよく、同様の構造または機能の要素は、図面の全てにおいて、同様の参照番号によって表されることに留意されたい。また、図面は、実施形態の説明を容易にすることのみを意図していることに留意されたい。それらは、本発明の網羅的な説明として、または本発明の範囲に対する限定として意図されていない。加えて、図示された実施形態は、示された全ての態様又は利点を有する必要はない。特定の実施形態に関連して説明される態様または利点は、必ずしもその実施形態に限定されず、図示されていない場合であっても、または明示的に説明されていない場合であっても、任意の他の実施形態において実施され得る。
【0010】
本開示は、複数のストラップにデバイスを取り外し可能に固定するためのクリップに関する。
【0011】
クリップは、第1の表面および反対側の第2の表面と、第1の本体端部と、第2の本体端部とを有する本体部を備える。第1の表面は、第1の本体端部と第2の本体端部とを接続してよい。第2の表面は、第1の本体端部と第2の本体端部とを接続してよい。第1の表面と第2の表面は、本体部の両側に配置されている。
【0012】
本体部は、例えば、通信デバイス、ホルスター、マガジンポーチ、ラジオポーチ、ナイフの鞘、および/または他のギアなどの、複数のストラップに固定されるデバイスにクリップを装着するように構成された取付部を備える。
【0013】
クリップは、クリップの第1の本体端部に配置された第1のフック部を備える。ここで、フック部とは、物を捉まえるまたは物を吊り下げるために、ある角度で曲げられたまたは折り返された物質片を意味する。第1のフック部は、第1のフック端部と、第1の屈曲部と、第1の前部とを備える。第1の前部は、第1の屈曲部の第1の端部と第1のフック端部との間に配置されており、第1の屈曲部の第1の端部と第1のフック端部とを接続している。第1の屈曲部の第2の端部は、クリップの本体部に接続されている。これにより、本体部は、第1のフック部のシャンクを構成してよい。第1の前部および/または第1のフック端部は、本体部の第1の側に配置されている。クリップは、クリップの第2の本体端部に配置された第2のフック部を備える。第2のフック部は、第2のフック端部と、第2の屈曲部と、第2の前部とを備える。第2の前部は、第2の屈曲部の第1の端部と第2のフック端部との間に配置されており、第2の屈曲部の第1の端部と第2のフック端部とを接続している。第2の屈曲部の第2の端部は、クリップの本体部に接続されている。これにより、本体部は、第2のフック部のシャンクを構成してよい。第1の前部は、本体部と部分的に重なってよく、例えば、第1の前部は、本体部の長さ(L)の75%以下と重なってよい。第2の前部は、本体部と部分的に重なってよく、例えば、第2の前部は、本体部の長さの25%以下と重なってよい。ここで、長さとは、クリップの長手方向(例えば、本体部の第1の本体端部から第2の本体端部へ延びる方向)の延びを意味する。本体部の長さLは、PALSウェビングなどの耐荷重ウェビングの2つの隣接するストラップを覆うように選択されてよい。1つまたは複数の例示的なクリップでは、本体部の長さは、75~90mmの範囲内、例えば79~82mmの範囲内、例えば80mmである。1つまたは複数の例示的なクリップでは、第1のフック部の第1の前部の長さは、0.1L~0.7Lの範囲内、例えば0.2~0.5Lの範囲内であってよい。1つまたは複数の例示的なクリップでは、第1の前部の長さは、8~60mmの範囲内、例えば20~40mmの範囲内、例えば25~35mmの範囲内、例えば29~31mmの範囲内であってよい。1つまたは複数の例示的なクリップでは、第2のフック部の第2の前部の長さは、0.05L~0.25Lの範囲内、例えば0.1~0.2Lの範囲内であってよい。1つまたは複数の例示的なクリップでは、第2の前部の長さは、4~20mmの範囲内、例えば7~15mmの範囲内であってよい。第1のフック部は、ユーザが耐荷重ウェビングを装着したときに、耐荷重ウェビングの第1のストラップの第1の側(例えば、当該ストラップの内側)に配置されるように構成されてよい。ここで、ストラップの内側とは、耐荷重ウェビングのベースプレートに面するストラップの側を意味する。第2のフック部は、ユーザが耐荷重ウェビングを装着したときに、耐荷重ウェビングの第2のストラップの第2の側(例えば、当該ストラップの外側)に配置されるように構成されてよい。ここで、ストラップの外側とは、耐荷重ウェビングのベースプレートから離れる方を向くストラップの側を意味する。クリップは、本体部と、第1のフック部の第1の前部と、第2のフック部の第2の前部との間でストラップを受容するように構成されている。したがって、本体部は、第1のストラップの第2の側(例えば、外側)と、耐荷重ウェビングの第2のストラップの第1の側(例えば、内側)とに配置されてよい。したがって、第2のストラップがクリップの本体部の外側に配置されていることによって、クリップに装着されたデバイスに力が加えられたときのクリップの第2の本体端部の動きを制限することができる。
【0014】
1つまたは複数の例示的なクリップでは、クリップは、第1の表面および反対側の第2の表面と、第1の本体端部と、第2の本体端部とを有する本体部を備え、本体部は、複数のストラップに固定されるデバイスにクリップを取り付けるように構成された取付部を備え、クリップは、第1の本体端部に配置された第1のフック部を備え、第1のフック部は、第1の前部を備え、第1の前部は、本体部の第1の側に配置されており、クリップは、第2の本体端部に配置された第2のフック部を備え、第2のフック部は、第2の前部を備え、第2の前部は、第1の側とは反対の本体部の第2の側に配置されており、第1の前部は、本体部の長さの75%以下と重なっており、第2の前部は、本体部の長さの25%以下と重なっている。
【0015】
1つまたは複数の例示的なクリップでは、第1のフック部の第1の前部は、例えば本体部の第1の表面などの、第1の表面に平行に延在する。第1のフック部は、第1の前部が本体部の第1の表面に面するように、第1の表面に向かって曲げられていてよい。したがって、第1のストラップを受け入れるために、本体部の第1の表面と第1のフック部の第1の前部の間に第1の間隙が形成されている。第1の間隙は、第1のフック端部から第1のフックの第1の屈曲部の中心までの距離などの、第1のスロートを有する。1つまたは複数の例示的なクリップでは、第2のフック部の第2の前部は、第2の表面に平行に延在する。第2のフック部は、第2の前部が本体部の第2の表面に面するように、第2の表面に向かって曲げられていてよい。したがって、第2のストラップを受容するために、本体部の第2の表面と第2のフック部の第2の前部の間に第2の間隙が形成されている。第2の間隙は、第2のフック端部から第2のフックの第2の屈曲部の中心までの距離などの、第2のスロートを有する。言い換えれば、第1のフック部が、本体部の第1の側に配置されてよく、第2のフック部が、クリップの本体部の第2の側に配置されてよい。これにより、第1および第2のフック部が、耐荷重ウェビングのそれぞれのストラップ(PALSウェビングのそれぞれのストラップなど)を把捉および/または保持することができ、それによって、クリップの両端を耐荷重ウェビングに固定することができる。クリップの第1および第2の端部を耐荷重ウェビングに固定することによって、クリップに取り付けられたデバイスに作用する外向きの力によってクリップに加えられる曲げ力を低減することができる。本体部の両側にフック部を配置することにより、耐荷重ウェビングの2つの平行な(例えば、隣接する)ストラップの両側に本体部を配置することができる。したがって、クリップの本体部の外側に配置されたストラップによって、クリップに取り付けられたデバイスに力が加えられたときのクリップの本体部の外方への動きを制限することができる。これにより、クリップに取り付けられたデバイスに作用する外向きの力の印加によって、クリップの本体部が歪んで屈曲し変形してしまうことが防止される。
【0016】
1つまたは複数の例示的なクリップでは、本体部は、第1の本体部と、第2の本体部と、中間部とを備える。第1の本体部は、本体部(例えば、第2の本体部)の第1の表面および/または第2の表面に垂直な方向において、第2の本体部からオフセットされていてよい。1つまたは複数の例示的なクリップでは、中間部は、第1の本体部と第2の本体部とを接続している。中間部は、第1のフック部と第2のフック部の間に配置されていてよい。
【0017】
1つまたは複数の例示的なクリップでは、第1の本体部が、例えば第1の表面および/または第2の表面に垂直な方向において、第2の前部に向かって第2の本体部からオフセットされている。1つまたは複数の例示的なクリップでは、第2の本体部が、例えば第1の表面および/または第2の表面に垂直な方向において、第1の前部に向かってオフセットされている。
【0018】
1つまたは複数の例示的なクリップでは、第1の前部が、第1の本体部の全長と重なる。本体部の長さは、PALSウェビングなどの耐荷重ウェビングの2つの隣接するストラップを覆うように選択されてよい。1つまたは複数の例示的なクリップでは、本体部の長さは、75~90mmの範囲内、例えば79~82mmの範囲内、例えば80mmである。1つまたは複数の例示的なクリップでは、第1の前部は、中間部と重ならない。第1のフック部の長さを長くすることによって、クリップが第1のストラップとの接続を失う危険性が低減され得る。第1の前部が本体部の中間部と重ならないことによって、第1のフック部の第1の前部と第2の本体部とを手作業で互いから離間させる必要なく、クリップの第1のフック端部と第2の本体部の間にストラップを容易に挿入できることが保証される。これにより、PALSウェビングなどの耐荷重プラットフォームのストラップへのクリップの取り付けが容易になる。第2のフック部の第2の前部を第1のフック部の第1の前部よりも短くすることによって、PALSウェビングへのクリップ1の取り付けが容易になる。これは、第2のフック部によって保持されるストラップを第2のフック部によって把捉するために当該ストラップを引っ張る距離が、より短くて済むからである。
【0019】
1つまたは複数の例示的なクリップでは、第1の前部が、クリップの長手方向において、第2のフックからオフセットされており、例えば長手方向において、第2の前部と重なっていない。
【0020】
1つまたは複数の例示的なクリップでは、第1の前部、第2の前部、および/または本体部は、クリップの長手方向にテーパ状の端部を有する。1つまたは複数の例示的なクリップでは、第1のフック部が、耐荷重ウェビングのグリッドの第1のストラップ(例えば、第1のPALSストラップ)などの、複数のストラップのうちの第1のストラップを解放可能に保持するように構成されている。
【0021】
1つまたは複数の例示的なクリップでは、第2のフック部が、耐荷重ウェビングのグリッドの第2のストラップ(例えば、第2のPALSストラップ)などの、複数のストラップのうちの第2のストラップを解放可能に保持するように構成されている。1つまたは複数の例示的な方法では、PALSウェビングなどの耐荷重ウェビングにおいて、第2のストラップが第1のストラップに隣接して配置されている。
【0022】
1つまたは複数の例示的なクリップでは、本体部が、複数のストラップに固定されるデバイスにクリップを固定するための締結具を受容するように構成された貫通孔を備える。締結具は、ねじ、ボルト、ピン、およびリベットのうちの1つまたは複数であってよい。貫通孔は、2.5~3mmの範囲内、例えば2.7mm、の直径を有してよい。1つまたは複数の例示的なクリップでは、クリップが、本体部の取付部と第1のフック端部の間、および/または本体部の取付部と第2のフック端部の間に配置された切欠きを備える。切欠きによって、クリップの重量、ひいては、PALSシステムを携帯する人が運ばなければならない重量を低減することができる。
【0023】
1つまたは複数の例示的なクリップでは、クリップは、モジュラー軽量耐荷重機器(MOLLE)クリップである。MOLLEクリップは、PALSウェビングに配置されるように構成されていてよい。
【0024】
クリップは、シート金属などのシート材料から作製されてよい。ここで、シート材料とは、長さおよび幅よりも実質的に小さい厚さを有する材料片など、薄い平坦な材料片を意味する。シート材料が、クリップの形状になるように切断され、曲げられてよい。シート材料は、0.8~1.2mmの厚さを有してよい。
【0025】
様々な例示的な実施形態および詳細が、適宜、図を参照して以下に説明される。図面は、原寸に比例して描かれてもよいし、描かれなくてもよく、同様の構造または機能の要素は、図面の全てにおいて、同様の参照番号によって表されることに留意されたい。また、図面は、実施形態の説明を容易にすることのみを意図していることに留意されたい。それらは、本開示の網羅的な説明として、または本開示の範囲に対する限定として意図されていない。加えて、図示された実施形態は、示された全ての態様又は利点を有する必要はない。特定の実施形態に関連して説明される態様または利点は、必ずしもその実施形態に限定されず、図示されていない場合であっても、または明示的に説明されていない場合であっても、任意の他の実施形態において実施され得る。
【0026】
図面は、明確性のために概略的かつ簡略化されており、本開示を理解する助けとなる詳細を示しているだけであり、他の詳細は省略されている。全体にわたって、同一または対応する部品に同じ参照番号が使用される。
【0027】
図1は、複数のストラップにデバイスを取り外し可能に固定するための例示的なクリップ1を示す。クリップ1は、第1の表面11および反対側の第2の表面(図1には図示せず)と、第1の本体端部13と、第2の本体端部14とを有する本体部10を備える。本体部10は、ホルスター、マガジンポーチ、ラジオポーチ、ナイフの鞘、および/または他のギアなどの、複数のストラップに固定されるデバイスにクリップ1を取り付けるように構成された取付部15を備える。クリップ1は、クリップ1の第1の本体端部13に配置された第1のフック部20を備える。第1のフック部20は、第1のフック端部21と、第1の屈曲部20Aと、第1の前部20Bとを備える。ここで、フック部とは、物を捉まえるまたは吊り下げるために、ある角度で曲げられたまたは折り曲げられた物質片を意味する。第1の前部20Bは、第1の屈曲部20Aの第1の端部と第1のフック端部21の間に配置されており、これらを接続している。第1の屈曲部20Aの第2の端部は、クリップの本体部10、10Aに接続されている。したがって、本体10、10Aは、第1のフック部20のシャンクを構成してよい。第1の前部20Bおよび/または第1のフック端部21は、本体部10の第1の側に配置されている。クリップ1は、クリップ1の第2の本体端部14に配置された第2のフック部30を備える。第2のフック部30は、第2のフック端部31と、第2の屈曲部30Aと、第2の前部30Bとを備える。第2の前部30Bは、第2の屈曲部30Aの第1の端部と第2のフック端部31の間に配置されており、これらを接続している。第2の屈曲部30Aの第2の端部は、クリップの本体部10、10Bに接続されている。したがって、本体部10、10Bは、第2フック部30のシャンクを構成してよい。第2の前部30Bおよび/または第2のフック端部31は、本体部10の第1の側とは反対の第2の側に配置されている。第1の前部20Bは、本体部10の長さの75%以下と重なり、第2の前部30Bは、本体部10の長さの25%以下と重なっている。ここで、長さとは、クリップ1の長手方向(例えば、本体部10の第1の本体端部13から第2の本体端部14へ延びる方向)の延びを意味する。本体部の長さは、PALSウェビングなどの耐荷重ウェビングの2つの隣接するストラップを覆うように選択されてよい。1つまたは複数の例示的なクリップでは、本体部の長さは、75~90mmの範囲内、例えば79~82mmの範囲内、例えば80mmである。1つまたは複数の例示的なクリップでは、第1のフック部の第1の前部の長さは、0.1L~0.7Lの範囲内、例えば0.2~0.5Lの範囲内であってよく、Lは本体部の長さである。1つまたは複数の例示的なクリップでは、第1の前部の長さは、8~60mmの範囲内、例えば20~40mmの範囲内、例えば25~35mmの範囲内、例えば29~31mmの範囲内であってよい。1つまたは複数の例示的なクリップでは、第2のフック部の第2の前部の長さは、0.05L~0.25Lの範囲内、例えば0.1~0.2Lの範囲内であってよい。1つまたは複数の例示的なクリップでは、第2の前部の長さは、4~20mmの範囲内、例えば7~15mmの範囲内であってよい。第1のフック部20は、ユーザが耐荷重ウェビングを装着したときに、耐荷重ウェビングの第1のストラップの第1の側(例えば、当該ストラップの内側)に配置されるように構成されていてよい。第2のフック部30は、ユーザが耐荷重ウェビングを装着したときに、耐荷重ウェビングの第2のストラップの第2の側(例えば、当該ストラップの外側)に配置されるように構成されていてよい。クリップ1は、本体部10、10Aと第1のフック部20の間の第1の間隙、および本体部10、10Bと第2のフック部30の間の第2の間隙において、ストラップを受容するように構成されている。したがって、本体部10は、第1のストラップの第2の側(例えば、外側)と、耐荷重ウェビングの第2のストラップの第1の側(例えば、内側)とに配置されてよい。したがって、第2のストラップがクリップ1の本体部の外側に配置されることによって、クリップ1に取り付けられたデバイスに力が加えられたときのクリップの第2の本体端部の動きを制限することができる。
【0028】
図1の例示的なクリップ1では、第1の前部20Bは、本体部10の第1の表面などの第1の表面11と平行に延在する。第1のフック部20は、第1の前部20Bが本体部10の第1の表面11に面するように、第1の表面11に向かって曲げられていてよい。したがって、第1のストラップを受容するために、本体部の第1の表面と第1のフック部の第1の前部の間に第1の間隙が形成されている。第1の間隙は、第1のフック端部から第1のフックの第1の屈曲部の中心までの距離などの、第1のスロートを有する。1つまたは複数の例示的なクリップ1では、第2の前部30Bは、第2の表面12に平行に延在する。第2のフック部30は、第2の前部30Bが本体部10の第2の表面12に面するように、第2の表面12に向かって曲げられていてよい。したがって、第2のストラップを受容するために、本体部の第2の表面と第2のフック部の第2の前部の間に第2の間隙が形成されている。第2の間隙は、第2のフック端部から第2のフックの第2の屈曲部の中心までの距離などの、第2のスロートを有する。言い換えると、第1のフック部21と第2のフック部31は、本体部の対向する表面11、12に面している。
【0029】
図1に示す例示的なクリップでは、本体部10は、第1の本体部10Aと、第2の本体部10Bと、中間部10Cとを備える。中間部10Cは、第1の本体部10Aと第2の本体部10Bとを接続している。中間部10Cは、第1のフック部20と第2のフック部30の間に配置されている。第1の本体部10Aは、本体部10の第1の表面11および/または第2の表面12に垂直な方向において、第2の本体部10Bからオフセットされている。
【0030】
図1に示される例示的なクリップでは、第1の本体部10Aは、例えば第1の表面11および/または第2の表面12に垂直な方向において、第2の前部30Bに向かって第2の本体部からオフセットされている。1つまたは複数の例示的なクリップでは、第2の本体部10Bは、例えば第1の表面11および/または第2の表面12に垂直な方向において、第1の部分20Bに向かって第1の本体部からオフセットされている。
【0031】
図1に示される例示的なクリップでは、第1の前部20Bは、クリップ1の長手方向において、第2のフックからオフセットされており、例えば長手方向において、第2の前部30Bと重ならない。第1のフック部20は、耐荷重ウェビングのグリッドの第1のストラップ(例えば、第1のPALSストラップ)などの、複数のストラップのうちの第1のストラップを解放可能に保持するように構成されている。第2のフック部30は、耐荷重ウェビングのグリッドの第2のストラップ(例えば、第2のPALSストラップ)などの、複数のストラップのうちの第2のストラップを解放可能に保持するように構成されている。1つまたは複数の例示的な方法では、耐荷重ウェビングにおいて、第2のストラップは第1のストラップに隣接して配置されている。
【0032】
図1に示される例示的なクリップでは、本体部10は、複数のストラップに固定されるデバイスにクリップ1を固定するための締結具を受容するように構成された貫通孔16を備える。締結具は、ねじ、ボルト、ピン、およびリベットのうちの1つまたは複数であってよい。
【0033】
図1に示す例示的なクリップでは、クリップ1は、本体部10の取付部15と第1のフック端部21の間、および/または本体部10の取付部15と第2のフック端部31の間に配置された切欠き17を備える。クリップ1に切欠き17を設けることによって、クリップの重量、ひいては、PALSシステムを携帯する人が運ばなければならない重量を低減することができる。1つまたは複数の例示的なクリップでは、切欠き17は、本体部10、第1の本体部10A、第2の本体部10B、中間部10C、第1のフック部20(例えば、第1の屈曲部20Aおよび/または第1の前部20B)、および第2のフック部30(例えば、第2の屈曲部30Aおよび/または第1の前部30B)のうちの1つまたは複数に配置されてよい。
【0034】
図2は、例えば第1の表面11の方向で見るなど、第1の側で見た図1の例示的なクリップを示す。図2に示す例示的なクリップでは、第1の前部20B、第2の前部30B、および第2の本体部10Bは、クリップ1の長手方向にテーパ状の端部を有する。ここで、長手方向にテーパ状の端部を有するとは、第1のフック端部31、第2のフック端部31、および/または本体端部14に向かって幅が小さくなることを意味する。ここで、幅とは、図2の軸Yに沿ったクリップの延びのことである。第1の前部20Bおよび/または第2の前部30Bを長手方向にテーパ状にすることによって、ストラップの耐荷重ウェビング(例えば、PALSウェビング)に第1のフック部20および/または第2のフック部30を容易に挿入することができる。クリップ1の最大幅は、PALSシステムのストラップの2つの縫製点の間の距離に対応してよい。1つまたは複数の例示的なクリップでは、クリップの最大幅は、20~38mmの範囲内、例えば28~24mmの範囲内、例えば26mmであってよい。
【0035】
図2に示される例示的なクリップでは、クリップ1は、第1の本体部10Aおよび/または第1のフック部分21などにおいて、本体部10の取付部15と第1のフック端部21の間に配置された切欠き17を備える。図2に示す例示的なクリップでは、クリップ1は、第2の本体部10Bおよび/または第2のフック部30などにおいて、本体部10の取付部15と第2のフック端部31の間に配置された切欠き17を備える。クリップ1に切欠き17を設けることによって、クリップの重量、ひいては、PALSシステムを携帯する人が運ばなければならない重量を低減することができる。第1のフック部20に切欠きを設けることによって、そうしなければ第1のフック部20によって覆われてしまう貫通孔にクリップ1をデバイスに固定するための締結具を挿入するために、本体部10の取付部15に配置された貫通孔16へアクセスすることができる。
【0036】
図3は、図1および図2による例示的なクリップ1の断面図を示す。図3から分かるように、例示的なクリップ1の本体部10は、第1の表面11と、対向する第2の表面12とを有する。本体部10は、第1の本体部10Aと、第2の本体部10Bと、中間部10Cとをさらに備える。第1の本体部10Aは、本体部10の第1の表面11および/または第2の表面12に垂直な方向において、第2の本体部10Bからオフセットされている。図3の例示的なクリップでは、第1の本体部10Aは、図3に示される軸Zに沿って第2の前部30Bに向かってオフセットされており、その結果、第2の前部30Bと第1の本体部10Aが、実質的に同じ長手方向平面に配置されている。これに応じて、第2の本体部10Bは、軸Zに沿って第1の前部30Bに向かってオフセットされており、その結果、第1の前部20Bと第2の本体部10Bが、実質的に同じ長手方向平面に配置されている。1つまたは複数の例示的なクリップでは、第1の本体部が、2~5mmの範囲内の距離だけ、例えば3mmだけ、第2の本体部10Bからオフセットされていてよい。図3の例示的なクリップ1では、中間部10Cは、クリップ1の第1の表面11および/または第2の表面12に対して角度αで配置されており、第1の本体部10Aと第2の本体部10Bの間のオフセット距離にわたって延在する。角度αは、0°とは異なってよい。したがって、1つまたは複数の例示的なクリップでは、クリップ1はS字形状であってよい。第1の本体部10Aを第2の本体部10Bからオフセットすることによって、ストラップをねじったり、ストラップに対して角度を付けてクリップを配置することなく、第2の本体部10Bが、耐荷重ウェビングのストラップ40A、40Bに対して第1の本体部10Aとは反対側に配置されてよい。言い換えると、第1のフック部21と第1の本体部10Aの間に保持される第1のストラップ40Aと、第2のフック部31と第2の本体部10Aの間に保持される第2のストラップ40Bとを、長手方向において同一平面に位置させることができる。これにより、耐荷重ウェビングのねじれが防止されるので、耐荷重ウェビングのユーザの快適さが増す。さらに、第2の前部30Bと第1の本体部10Aが実質的に同じ長手方向平面に配置されるように第1の本体部10Aを第2の本体部10Bからオフセットすることによって、第2のフック部30が、本体部10の第2の表面上の取付部15に取り付けられたデバイスと干渉しない。
【0037】
図3から分かるように、第1のフック部20(第1の屈曲部20Aなど)は、第1の本体端部13に配置されており、第1のフック部20の前部20Bおよび/または第1のフック端部21は、第1の前部20Bが本体部10の第1の表面11に面するように、本体部10の第1の側に配置されている。第1の前部20Bは、本体部10の長さの75%以下と重なっている。図3に示す例示的なクリップでは、第1の前部20Bは、クリップ1の本体部10の中間部10Cと重ならない。したがって、第1のフック端部21と第2の本体部10Bの間に隙間が設けられており、第1のフック端部21と第2の本体部10Bの間にストラップを挿入することができる。
【0038】
第2のフック部30は、クリップ1の第2の本体端部14に配置されている。第2のフック端部31は、本体部10の第2の表面12に面するなど、第1の側とは反対の本体部10の第2の側に配置されている。第2のフック端部31は、本体10の長さの25%以下と重なっている。図3に示す例示的なクリップでは、第2のフック端部31は、クリップ1の本体部10の中間部10Cと重ならない。ここで、クリップの長さとは、クリップ1の長手方向(例えば、長手方向軸Xに沿う、本体部10の第1の本体端部13から第2の本体端部14へ延びる方向)の延びを意味する。
【0039】
図3に示される例示的なクリップでは、第1の前部20Bは、本体部10の第1の表面などの、第1の表面11と平行に延在する。第1のフック部20は、第1の前部20Bの第1の表面21Aが、第1の本体部10Aなどの本体部10の第1の表面11に面するように、第1の表面11に向けて折り曲げられていてよい。第1の前部20Bは、クリップの第1の本体部10Aから第1の距離D1に配置されていてよい。したがって、距離D1は、第1のストラップを受容するために、本体部10、10Aの第1の表面11と第1のフック部20の第1の前部20Bの間に第1の間隙を形成する。第1のフック部20は、第1のフック端部21から第1のフック端部21から最も離れた第1の屈曲部20Bの点までの長手方向Xの距離などの、第1スロートをさらに有する。したがって、第1の間隙および第1のスロートは、第1のストラップを受容するように構成された第1の狭空間を形成する。第1の距離D1は、耐荷重ウェビングのストラップを収容するように選択されてよい。1つまたは複数の例示的なクリップでは、第1の距離D1は、2.5~5mmの範囲内である。1つまたは複数の例示的なクリップ1では、第2の前部30Bは、本体部10の第2の表面12に平行に延在する。第2のフック部30は、第2の前部30Bの第1の表面31Aが、第2の本体部10Bなどの本体部10の第2の表面12に面するように、第2の表面12に向けて折り曲げられていてよい。第2の前部30Bは、クリップの第2の本体部10Bから第2の距離D2に配置されていてよい。したがって、距離D2は、第2のストラップを受容するために、本体部10、10Bの第2の表面12と第2のフック部30の第2の前部30Bの間に第2の間隙を形成する。第2のフック部30は、第2のフック端部31から第2のフック端部31から最も離れた第2の屈曲部30Bの点までの長手方向Xの距離などの、第2のスロートを有する。したがって、第2の間隙および第2のスロートは、第2のストラップを受容するように構成された第2の狭空間を形成する。第2の距離D2は、耐荷重ウェビングのストラップ40Bを収容するように選択されてよい。1つまたは複数の例示的なクリップでは、第2の距離D2は、2.5~5mmの範囲内である。第2の距離D2は、第1の距離D1と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0040】
図3に示す例示的なクリップでは、第1の本体部10Aは、例えば第1の表面11および/または第2の表面12に垂直な方向において、第2のフック端部31に向かってオフセットされている。1つまたは複数の例示的なクリップでは、第2の本体部10Bは、例えば第1の表面11および/または第2の表面12に垂直な方向において、第1のフック端部21に向かってオフセットされている。
【0041】
図3に示される例示的なクリップでは、第1の前部20Bおよび/または第1のフック端部21が、クリップ1の長手方向において、第2の前部30Bおよび/または第2のフック端部31からオフセットされており、第2の前部30Bおよび/または第2のフック端部31と重なっていない(例えば、長手方向において、第2の前部30Bおよび/または第2のフック端部31と重なっていない)。
【0042】
図4は、PALSウェビングなどの耐荷重ウェビング40に取り付けられた例示的なクリップ1の側面図を示す。耐荷重ウェビング40は、ベースプレート41と、第1のストラップ42Aおよび第2のストラップ42Bなどの複数のストラップとを備える。第1のフック端部21などの第1のフック部20は、ベースプレート41と第1のストラップ42Aの間に配置されるように構成されている。したがって、第1のフック部20(第1の前部20Bおよび/または第1のフック端部21など)は、ユーザが耐荷重ウェビング40を装着したときに、耐荷重ウェビング40の第1のストラップ42Aの第1の側(例えば、当該ストラップの内側)に配置されるように構成されてよい。ここで、ストラップの内側とは、耐荷重ウェビング40のベースプレート41に面するストラップの側を意味する。第2のフック部30(第2の前部30Bおよび/または第2のフック端部31など)は、ユーザが耐荷重ウェビング40を装着したときに、耐荷重ウェビング40の第2のストラップの第2の側(例えば、当該ストラップの外側)に配置されるように構成されてよい。ここで、ストラップの外側とは、耐荷重ウェビング40のベースプレート41から離れる方を向くストラップの側を意味する。クリップ1は、本体部10と、第1のフック部20と、第2のフック部30との間にストラップ42A、42Bを受容するように構成されている。したがって、クリップの第1の本体部10Aは、第1のストラップ42Aの第2の側(例えば、外側)と、耐荷重ウェビング40の第2のストラップ42Bの第1の側(例えば、内側)とに配置されるように構成されてよい。したがって、第2のストラップ42Bがクリップ1の第2の本体部10Bの外側に配置されることによって、クリップ1に装着されたデバイスに力が加えられたときのクリップの第2の本体部10Bの動きを制限することができ、それによって、クリップ1が歪んで曲がるおよび/または変形するリスクが低減される。
【0043】
図5は、クリップ1の第2の表面12に面する第2の側で見た、図1図4による例示的なクリップを示す。取付部15は、第2の表面12上で、複数のストラップに固定されるデバイスを受容するように構成されている。固定されるデバイスを(例えば、第1のフック部20とは反対の本体10の側で)本体部10の第2の表面12に取り付けることによって、取り付けられたデバイスが、第1のフック部20と干渉しない。したがって、クリップ1へのデバイスの取り付けおよび/またはウェビングのストラップへのクリップ1の取り付けが、容易になる。
【0044】
図6は、クリップの製造工程における中間状態などの、非折り畳み状態にある本開示によるクリップ1を示す。クリップ1は、単一のシート材料から製造されてよい。切欠き17および貫通孔16ならびにクリップ1の外形は、シート材料から打ち抜き、切断、および/または穿孔されてよい。その後、例えば、第1の前部20Bおよび/または第1のフック端部21がクリップ1の第1の表面11と平行になるまで、第1の曲げ線51に沿ってシート材料を第1の方向に曲げることによって、第1のフック部20が形成されてよい。例えば、第2の前部30Bおよび/または第2のフック端部31がクリップ1の第2の表面12に平行になるまで、第2の曲げ線52に沿ってシート材料を第2の方向に曲げることによって、第2のフック部30が形成されてよい。1つまたは複数の例示的な方法では、クリップ1はバリ取りされ、かつ/または、クリップ1の縁部の鋭さが取り除かれる。
【0045】
なお、図1図6で説明された実施形態で言及した特徴は、これらの特定の実施形態に限定されない。
【0046】
本開示による製品(クリップ)の実施形態は、以下の項目に記載されている。
(項目1)
複数のストラップにデバイスを取り外し可能に固定するためのクリップ(1)であって、前記クリップ(1)は、
第1の表面(11)および反対側の第2の表面(12)と、第1の本体端部(13)と、第2の本体端部(14)とを有する本体部(10)であって、前記本体部(10)は、前記複数のストラップに固定されるデバイスに前記クリップ(1)を取り付けるように構成された取付部(15)を備える、本体部(10)と、
前記第1の本体端部(13)に配置される第1のフック部(20)であって、前記第1のフック部(20)は第1の前部(20B)を備え、前記第1の前部(20B)は前記本体部(10)の第1の側に配置されている、第1のフック部(20)と、
前記第2の本体端部(14)に配置される第2のフック部(30)であって、前記第2のフック部(30)は第2の前部(30B)を備え、前記第2のフック端部(31)は、前記第1の側とは反対の前記本体部(10)の第2の側に配置されている、第2のフック部(30)と、を備え、
前記第1の前部(20B)は、前記本体部(10)の長さの75%以下と重なり、前記第2の前部(30B)は、前記本体部(10)の長さの25%以下と重なる、クリップ(1)。
(項目2)
前記第1の前部(20B)は、前記第1の表面(11)に平行に延在する、項目1に記載のクリップ(1)。
(項目3)
前記第2の前部(30B)は、前記第2の表面(12)に平行に延在する、前記項目のいずれか1つに記載のクリップ(1)。
(項目4)
前記本体部(10)は、第1の本体部(10A)と、第2の本体部(10B)と、中間部(10C)とを備え、
前記第1の本体部(10A)は、前記第1の表面(11)および/または前記第2の表面(12)に垂直な方向において、前記第2の本体部(10B)からオフセットされており、
前記中間部(10C)は、前記第1の本体部(10A)と前記第2の本体部(10B)とを接続している、前記項目のいずれか1項に記載のクリップ(1)。
(項目5)
前記中間部(10C)は、前記第1のフック部(20)と前記第2のフック部(30)の間に配置されている、項目4に記載のクリップ(1)。
(項目6)
前記第1の本体部(10A)は、前記第2の表面(12)に垂直な方向において、前記第2の前部(30B)に向かって前記第2の本体部(10B)からオフセットされており、
前記第2の本体部(10B)は、前記第1の表面(12)に垂直な方向において、前記第1の前部(20B)に向かって前記第1の本体部(10A)からオフセットされている、項目4または項目5に記載のクリップ(1)。
(項目7)
前記第1の前部(20B)は、前記クリップ(1)の長手方向において、前記第2の前部(30B)からオフセットされており、前記第2の前部(30B)と重ならない、前記項目のいずれか1つに記載のクリップ(1)。
(項目8)
前記第1の前部(20B)、前記第2の前部(30B)、および前記本体部(10)のうちの1つまたは複数は、前記クリップ(1)の長手方向にテーパ状の端部を有する、前記項目のいずれか1つに記載のクリップ(1)。
(項目9)
前記第1のフック部(20)は、前記複数のストラップのうちの第1のストラップを解放可能に保持するように構成されている、前記項目のいずれか1つに記載のクリップ(1)。
(項目10)
前記第2のフック部(30)は、前記複数のストラップのうちの第2のストラップを解放可能に保持するように構成されている、前記項目のいずれか1つに記載のクリップ(1)。
(項目11)
前記本体部(10)は、前記複数のストラップに固定される前記デバイスに前記クリップ(1)を固定するための締結具を受け入れるように構成された貫通孔(16)を備える、前記項目のいずれか1つに記載のクリップ(1)。
(項目12)
前記クリップ(1)は、前記本体部(10)の前記取付部(15)と前記第1のフック端部(21)の間、および/または前記本体部(10)の前記取付部(15)と前記第2のフック端部(31)の間に配置された切欠き(17)を備える、前記項目のいずれか1つに記載のクリップ(1)。
(項目13)
前記クリップ(1)は、モジュラー軽量耐荷重機器(MOLLE)クリップである、前記項目のいずれか1つに記載のクリップ(1)。
(項目14)
前記ストラップは、ポーチアタッチメントラダーシステム(PALS)ストラップである、前記項目のいずれか1つに記載のクリップ(1)。
【0047】
「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」、「一次」、「二次」、「三次」などの用語の使用は、特定の順序を意味するものではなく、個々の要素を識別するために含まれるものである。さらに、「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」、「一次」、「二次」、「三次」などの用語の使用は、いかなる順序または重要性を示すものではなく、むしろ、「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」、「一次」、「二次」、「三次」などの用語は、ある要素を別の要素と区別するために使用されるものである。「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」、「一次」、「二次」、「三次」などの用語は、本明細書および他の箇所において、識別目的のためにのみ使用されるものであり、特定の空間的順序または時間的順序を示すことを意図していないことに留意されたい。さらに、第1の要素と名付けることによって、第2の要素の存在を暗示するものではなく、逆もまた同様である。
【0048】
「備える」という語は、列挙されたもの以外の他の要素またはステップの存在を必ずしも排除しないことに留意されたい。
【0049】
要素に先行する「a」または「an」という語は、そのような要素が複数存在することを除外しないことに留意されたい。
【0050】
特徴が示され説明されたが、それらは、特許請求された開示を限定することを意図していないことが理解され、当業者であれば、特許請求された開示の範囲から逸脱することなく、様々な変更および変形が行われ得ることが理解されるであろう。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく、例示的な意味であると見なされるべきである。特許請求される開示は、すべての代替物、変形物、および均等物を網羅することが意図される。
【0051】
以下の項目は、出願時における特許請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
複数のストラップにデバイスを取り外し可能に固定するためのクリップ(1)であって、前記クリップ(1)は、
第1の表面(11)および反対側の第2の表面(12)と、第1の本体端部(13)および第2の本体端部(14)とを有する本体部(10)であって、前記本体部(10)は、第1の本体部(10A)と、第2の本体部(10B)と、中間部(10C)とを備え、前記第1の本体部(10A)は前記第1の表面(11)および/または前記第2の表面(12)に垂直な方向において前記第2の本体部(10B)からオフセットされており、前記中間部(10C)は前記第1の本体部(10A)と前記第2の本体部(10B)とを接続しており、前記本体部(10)は、前記複数のストラップに固定されるデバイスに前記クリップ(1)を取り付けるように構成された取付部(15)を備える、本体部(10)と、
前記第1の本体端部(13)に配置された第1のフック部(20)であって、前記第1のフック部(20)は第1の前部(20B)を備え、前記第1の前部(20B)は前記本体部(10)の第1の側に配置されている、第1のフック部(20)と、
前記第2の本体端部(14)に配置された第2のフック部(30)であって、前記第2のフック部(30)は第2の前部(30B)を備え、前記第2の前部(30B)は前記第1の側とは反対の前記本体部(10)の第2の側に配置されている、第2のフック部(30)と、を備え、
前記第1の前部(20B)は、前記本体部(10)の長さの75%以下と重なり、
前記第2の前部(30B)は、前記本体部(10)の前記長さの25%以下と重なり、
前記第1の本体部(10A)は、前記第2の表面(12)に垂直な方向において、前記第2の前部(30B)に向かって前記第2の本体部(10B)からオフセットされており、
前記第2の本体部(10B)は、前記第1の表面(11)に垂直な方向において、前記第1の前部(20B)に向かって前記第1の本体部(10A)からオフセットされている、クリップ(1)。
(項目2)
前記第1の前部(20B)は、前記第1の表面(11)に平行に延在する、項目1に記載のクリップ(1)。
(項目3)
前記第2の前部(30B)は、前記第2の表面(12)に平行に延在する、項目1~2のいずれか一項に記載のクリップ(1)。
(項目4)
前記中間部(10C)は、前記第1のフック部(20)と前記第2のフック部(30)の間に配置されている、項目1~3のいずれか一項に記載のクリップ(1)。
(項目5)
前記第1の前部(20B)は、前記クリップ(1)の長手方向において、前記第2の前部(30B)からオフセットされており、前記第2の前部(30B)と重ならない、項目1~4のいずれか一項に記載のクリップ(1)。
(項目6)
前記第1の前部(20B)、前記第2の前部(30B)、および前記本体部(10)のうちの1つまたは複数は、前記クリップ(1)の長手方向にテーパ状の端部を有する、項目1~5のいずれか一項に記載のクリップ(1)。
(項目7)
前記第1のフック部(20)は、前記複数のストラップのうちの第1のストラップを解放可能に保持するように構成されている、項目1~6のいずれか一項に記載のクリップ(1)。
(項目8)
前記第2のフック部(30)は、前記複数のストラップのうちの第2のストラップを解放可能に保持するように構成されている、項目1~7のいずれか一項に記載のクリップ(1)。
(項目9)
前記本体部(10)は、前記複数のストラップに固定される前記デバイスに前記クリップ(1)を固定するための締結具を受容するように構成された貫通穴(16)を備える、項目1~8のいずれか一項に記載のクリップ(1)。
(項目10)
前記クリップ(1)は、前記本体部(10)の前記取付部(15)と前記第1のフック端部(21)の間、および/または前記本体部(10)の前記取付部(15)と前記第2のフック端部(31)の間に配置された切欠き(17)を備える、項目1~9のいずれか一項に記載のクリップ(1)。
(項目11)
前記クリップ(1)は、モジュラー軽量耐荷重機器(MOLLE)の一部としての使用に適している、項目1~10のいずれか一項に記載のクリップ(1)。
(項目12)
前記クリップは、ポーチアタッチメントラダーシステム(PALS)の一部であるストラップに適している、項目1~11のいずれか一項に記載のクリップ(1)。
【符号の説明】
【0052】
1:クリップ
10:本体部
10A:第1の本体部
10B:第2の本体部
10C:中間部
11:本体部の第1の表面
12:本体部の第2の表面
13:第1の本体端部
14:第2の本体端部
15:取付部
16:貫通孔
17:切欠き
20:第1のフック部
20A:第1の屈曲部
20B:第1の前部
21:第1のフック端部
30:第2のフック部
30A:第2の屈曲部
30B:第2の前部
31:第2のフック端部
40:耐荷重ウェビング
41:ベースプレート
42A:第1のストラップ
42B:第2のストラップ
51:第1の曲げ線
52:第2の曲げ線
図1
図2
図3
図4
図5
図6