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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-19
(45)【発行日】2024-06-27
(54)【発明の名称】交差点警戒システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240620BHJP
【FI】
G08G1/16 D
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024026363
(22)【出願日】2024-02-26
【審査請求日】2024-02-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513087677
【氏名又は名称】PCIソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】澤戸 寛明
(72)【発明者】
【氏名】島山 求
(72)【発明者】
【氏名】本間 薫
(72)【発明者】
【氏名】八子 亮太
【審査官】高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-123527(JP,A)
【文献】特開2022-040580(JP,A)
【文献】特開2004-246458(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交差点の領域である交差点領域及び当該交差点領域に連続する複数の道路領域のいずれかを移動する移動体を含む交通環境画像から、所定の画像認識処理により、前記移動体の位置を取得する移動体位置取得部と、
前記移動体の位置の時系列に基づいて、前記移動体の移動ベクトルを生成する移動ベクトル生成部と、
前記交差点領域から前記複数の道路領域のうちの少なくとも一つの領域である警戒領域に向かう方向ベクトルを生成する方向ベクトル生成部と、
前記方向ベクトルに対する前記移動体の前記移動ベクトルの角度に基づいて、前記移動体が前記警戒領域に侵入する可能性の高低を判定する判定部と、
当該判定部によって前記移動体が前記警戒領域に侵入する可能性が高いと判定されたときに、当該判定結果を表す警戒情報を交通参加者に報知するために出力する出力処理を実行する出力処理部と、
を備えることを特徴とする交差点警戒システム。
【請求項2】
請求項1に記載の交差点警戒システムにおいて、
前記方向ベクトル生成部は、前記交差点における交通信号機の表示状態に基づき、前記方向ベクトルの向きを決定することを特徴とする交差点警戒システム。
【請求項3】
請求項1に記載の交差点警戒システムにおいて、
前記交通環境画像における前記交差点領域を取り囲む矩形状の4つの直線部の各々を複数の領域に分割した場合において、前記移動ベクトルに沿って延びる直線と前記各直線部との交点が当該複数の領域のいずれかに位置している数を計数する計数部と、
前記各直線部における前記複数の領域のうち、前記計数部によって計数された前記交点の数が最も多い領域を、前記移動ベクトルの向きに基づき、前記移動体の流入点及び流出点に設定する流出入点設定部と、
互いに対向する2つの前記各直線部における前記流入点と前記流出点とを結んだ直線を前記道路領域における前記移動体の走行ラインに設定する走行ライン設定部と、
前記複数の道路領域の1つである第1道路領域の前記走行ラインと、当該第1道路領域と交差する第2道路領域の前記走行ラインとが互いに交わる4つの交点によって画成された矩形領域を拡大した拡大領域に基づき、当該第1道路領域のセンターラインと、当該第2道路領域のセンターラインと、を生成するセンターライン生成部と、
をさらに備え、
前記方向ベクトル生成部は、前記方向ベクトルを、前記第1道路領域の前記センターラインと前記第2道路領域の前記センターラインの交点である中心点から、前記第1道路領域の前記センターライン又は前記第2道路領域の前記センターラインに沿いながら前記警戒領域に向かって延びるように生成することを特徴とする交差点警戒システム。
【請求項4】
請求項3に記載の交差点警戒システムにおいて、
前記拡大領域に基づいて、前記交差点領域及び前記複数の道路領域からなる第1交通領域を設定する第1交通領域設定部と、
所定の第1画像認識処理により、前記移動体の位置の時系列に基づき、前記移動体の路面上の移動エリアを取得するとともに、当該移動エリアの時系列に基づいて、前記交差点領域及び前記複数の道路領域からなる第2交通領域を取得する第1取得処理と、所定の第2画像認識処理により、前記交通環境画像から前記第2交通領域を取得する第2取得処理との一方の処理を実行する第2交通領域取得部と、
をさらに備え、
前記第1交通領域設定部は、前記第1交通領域が前記第2交通領域内に収まるように前記第1交通領域を設定することを特徴とする交差点警戒システム。
【請求項5】
請求項3に記載の交差点警戒システムにおいて、
前記拡大領域に基づいて、前記交差点領域及び前記複数の道路領域からなる第1交通領域を設定する第1交通領域設定部と、
前記交差点における交通信号機の表示状態、前記拡大領域の4つの縁のそれぞれに沿って延びる4つの直線、前記第1道路領域の前記センターライン及び前記第2道路領域のセンターラインに基づいて、前記第1交通領域における複数の監視領域を矩形状に設定する監視領域設定部と、
前記交通環境画像から、所定の第3画像認識処理により、前記移動体以外の交通参加者の位置を取得する参加者位置取得部と、
前記交通参加者の位置、前記移動体の位置及び前記複数の監視領域の関係に基づいて、警戒レベルを設定する警戒レベル設定部と、
をさらに備え、
前記警戒情報は、前記警戒レベルに応じた情報を含むように構成されていることを特徴とする交差点警戒システム。
【請求項6】
請求項5に記載の交差点警戒システムにおいて、
前記警戒レベル設定部は、前記交通参加者の位置、前記移動体の位置及び前記複数の監視領域の関係に加えて、前記交差点における交通信号機の表示状態にさらに基づいて、警戒レベルを設定することを特徴とする交差点警戒システム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の交差点警戒システムにおいて、
前記警戒情報を音声情報及び視覚情報の少なくとも一方の情報として前記交通参加者に報知する報知装置をさらに備えることを特徴とする交差点警戒システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交差点における交通参加者の安全性を向上させるための交差点警戒システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、交差点の安全性を向上させるシステムとして、特許文献1に記載されたものが知られている。このシステムでは、走行中の車両が走行車線の交差点の手前の所定領域内に存在する場合において、その走行車両が交差点に到達したときの信号が赤信号であると想定されるときには、赤信号の時間を延長すると同時に、走行車線を横切る横断歩道の歩行者用の信号が赤信号から青信号に変化する時間が遅延される。
【0003】
それにより、例えば、走行車両の運転手が赤信号に気づくのが遅れた場合でも、横断歩道及びその付近を移動する交通参加者の安全性を向上させることができる。なお、本明細書では、歩行者、自転車、電動軽車両、車椅子及び動物などを含めて「交通参加者」という。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2023-97155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来のシステムによれば、車両が交差点よりも手前の走行車線を走行中である場合には有効であるものの、車両が交差点内を走行中の場合には、有効ではないという問題がある。すなわち、交差点内の車両などの移動体が、横断歩道などの警戒領域に向かって移動している場合、警戒領域及びその付近に存在する交通参加者の安全性が低下してしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、交差点内の移動体が警戒領域に向かって移動している際に、交通参加者の安全性を向上させることができる交差点警戒システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に係る交差点警戒システムは、交差点の領域である交差点領域及び交差点領域に連続する複数の道路領域のいずれかを移動する移動体を含む交通環境画像から、所定の画像認識処理により、移動体の位置を取得する移動体位置取得部と、移動体の位置の時系列に基づいて、移動体の移動ベクトルを生成する移動ベクトル生成部と、交差点領域から複数の道路領域のうちの少なくとも一つの領域である警戒領域に向かう方向ベクトルを生成する方向ベクトル生成部と、方向ベクトルに対する移動体の移動ベクトルの角度に基づいて、移動体が警戒領域に侵入する可能性の高低を判定する判定部と、判定部によって移動体が警戒領域に侵入する可能性が高いと判定されたときに、判定結果を表す警戒情報を交通参加者に報知するために出力する出力処理を実行する出力処理部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
この交差点警戒システムによれば、方向ベクトルに対する移動体の移動ベクトルの角度に基づいて、移動体が所定の警戒領域に侵入する可能性が高いと判定され、そのように判定されたときに、判定結果を表す警戒情報を交通参加者に報知するために出力する出力処理が実行される。それにより、警戒情報を交通参加者に報知することが可能になる。
【0009】
ここで、移動体の移動ベクトルは、交通環境画像から所定の画像認識処理により取得された移動体の位置の時系列に基づいて生成され、方向ベクトルは、交差点領域から複数の道路領域のうちの少なくとも一つの領域である警戒領域に向かうものとして生成される。したがって、方向ベクトルに対する移動体の移動ベクトルの角度に基づいて、移動体が所定の警戒領域に侵入する可能性の高低を適切に判定できることになる。そして、移動体が警戒領域に侵入する可能性が高いと判定されたときの判定結果を表す警戒情報が交通参加者に報知するために出力されることにより、交通参加者が所定の警戒領域又はその付近に存在する場合には、移動体が所定の警戒領域に進入する可能性が高いことをその交通参加者に報知することができ、交通参加者の安全性を向上させることができる。なお、本明細書における「システム」は、1つ以上の装置によって構成されるものであればよい。
【0010】
本発明において、方向ベクトル生成部は、交差点における交通信号機の表示状態に基づき、方向ベクトルの向きを決定することが好ましい。
【0011】
この交差点警戒システムによれば、交差点における交通信号機の表示状態に基づき、方向ベクトルの向きが決定されることにより、交通信号機が存在する交差点において、方向ベクトルの向きを適切に設定することができる。
【0012】
本発明において、交通環境画像における交差点領域を取り囲む矩形状の4つの直線部の各々を複数の領域に分割した場合において、移動ベクトルに沿って延びる直線と各直線部との交点が複数の領域のいずれかに位置している数を計数する計数部と、各直線部における複数の領域のうち、計数部によって計数された交点の数が最も多い領域を、移動ベクトルの向きに基づき、移動体の流入点及び流出点に設定する流出入点設定部と、互いに対向する2つの各直線部における流入点と流出点とを結んだ直線を道路領域における移動体の走行ラインに設定する走行ライン設定部と、複数の道路領域の1つである第1道路領域の走行ラインと、第1道路領域と交差する第2道路領域の走行ラインとが互いに交わる4つの交点によって画成された矩形領域を拡大した拡大領域に基づき、第1道路領域のセンターラインと、第2道路領域のセンターラインと、を生成するセンターライン生成部と、をさらに備え、方向ベクトル生成部は、方向ベクトルを、第1道路領域のセンターラインと第2道路領域のセンターラインの交点である中心点から、第1道路領域のセンターライン又は第2道路領域のセンターラインに沿いながら警戒領域に向かって延びるように生成することが好ましい。
【0013】
この交差点警戒システムによれば、交通環境画像における交差点領域を取り囲む矩形状の4つの直線部の各々を複数の領域に分割した場合において、移動ベクトルに沿って延びる直線と各直線部との交点が複数の領域のいずれかに位置している数が計数され、各直線部における複数の領域のうち、計数部によって計数された交点の数が最も多い領域が、移動ベクトルの向きに基づき、移動体の流入点及び流出点に設定される。そして、互いに対向する2つの各直線部における流入点と流出点とを結んだ直線が道路領域における移動体の走行ラインに設定される。
【0014】
ここで、多数の移動体が交差点内を移動した際、それらの移動体の移動ベクトルに沿って延びる直線との交点の数が最も多い各直線部の領域は、移動体の交差点への流出入回数が最も頻繁な領域となる。したがって、そのような流入点と流出点とを結んだ直線を道路の片側車線における移動体の走行ラインに設定することにより、この走行ラインを、多数の移動体の走行ラインを平均化したものと見なすことができる。さらに、第1の道路の両側車線の走行ラインと、第1の道路と交差する第2の道路の両側車線の走行ラインとが互いに交わる4つの交点によって画成された矩形領域を拡大した拡大領域に基づき、第1の道路のセンターラインと、第2の道路のセンターラインとが生成されることにより、これらのセンターラインを精度よく生成することができる。
【0015】
また、第1の道路のセンターラインと第2の道路のセンターラインの交点を中心点として、第1の道路のセンターライン又は第2の道路のセンターラインに沿って延びるように、方向ベクトルが生成されることにより、方向ベクトルを交差点の中心点から警戒領域に向かうように適切に生成することができる。
【0016】
本発明において、拡大領域に基づいて、交差点領域及び複数の道路領域からなる第1交通領域を設定する第1交通領域設定部と、所定の第1画像認識処理により、移動体の位置の時系列に基づき、移動体の路面上の移動エリアを取得するとともに、移動エリアの時系列に基づいて、交差点領域及び複数の道路領域からなる第2交通領域を取得する第1取得処理と、所定の第2画像認識処理により、交通環境画像から第2交通領域を取得する第2取得処理との一方の処理を実行する第2交通領域取得部と、をさらに備え、第1交通領域設定部は、第1交通領域が第2交通領域内に収まるように第1交通領域を設定することが好ましい。
【0017】
この交差点警戒システムによれば、拡大領域に基づいて、第1交通領域が設定される。また、所定の第1画像認識処理により、移動体の位置の時系列に基づき、移動体の路面上の移動エリアを取得するとともに、移動エリアの時系列に基づいて、交差点領域及び複数の道路領域からなる第2交通領域を取得する第1取得処理と、所定の第2画像認識処理により、交通環境画像から第2交通領域を取得する第2取得処理との一方の処理によって、第2交通領域が取得される。以上のように第2交通領域が取得されることにより、第2交通領域は、実際の道路領域に近いものとして取得されることになる。
【0018】
そして、第1交通領域がそのような第2交通領域内に収まるように設定されることにより、第1交通領域が実際の道路領域よりも広い領域になるのを回避することができ、第1交通領域の設定精度を向上させることができる。
【0019】
本発明において、拡大領域に基づいて、交差点領域及び複数の道路領域からなる第1交通領域を設定する第1交通領域設定部と、交差点における交通信号機の表示状態、拡大領域の4つの縁のそれぞれに沿って延びる4つの直線、第1道路領域のセンターライン及び第2道路領域のセンターラインに基づいて、第1交通領域における複数の監視領域を矩形状に設定する監視領域設定部と、交通環境画像から、所定の第3画像認識処理により、移動体以外の交通参加者の位置を取得する参加者位置取得部と、交通参加者の位置、移動体の位置及び複数の監視領域の関係に基づいて、警戒レベルを設定する警戒レベル設定部と、をさらに備え、警戒情報は、警戒レベルに応じた情報を含むように構成されていることが好ましい。
【0020】
この交差点警戒システムによれば、拡大領域に基づいて、交差点領域及び複数の道路領域からなる第1道路領域が設定され、交差点における交通信号機の表示状態、拡大領域の4つの縁のそれぞれに沿って延びる4つの直線、第1の道路のセンターライン及び第2の道路のセンターラインに基づいて、第1交通領域における複数の監視領域が矩形状に設定される。さらに、交通環境画像から、所定の第3画像認識処理により、交通参加者の位置が取得されるとともに、交通参加者の位置、移動体の位置及び複数の監視領域の関係に基づいて、警戒レベルが設定される。そして、警戒レベルに応じた情報を含む警戒情報が報知装置から報知されることにより、交通参加者の位置、移動体の位置及び複数の監視領域の関係に基づいて、適切なレベルの警戒情報を交通参加者に報知することができる。
【0021】
本発明において、警戒レベル設定部は、交通参加者の位置、移動体の位置及び複数の監視領域の関係に加えて、交差点における交通信号機の表示状態にさらに基づいて、警戒レベルを設定することが好ましい。
【0022】
この交差点警戒システムによれば、交通参加者の位置、移動体の位置及び複数の監視領域の関係に加えて、交差点における交通信号機の表示状態にさらに基づいて、適切なレベルの警戒情報を交通参加者に報知することができる。
【0023】
本発明において、警戒情報を音声情報及び視覚情報の少なくとも一方の情報として交通参加者に報知する報知装置をさらに備えることが好ましい。
【0024】
この交差点警戒システムによれば、報知装置により、警戒情報が音声情報及び視覚情報の少なくとも一方の情報として交通参加者に報知される。それにより、交通参加者は、音声情報及び視覚情報の少なくとも一方の情報によって、移動体が警戒領域に侵入する可能性が高いという事象を適切に認識することができ、交通参加者の安全性をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態に係る交差点警戒システムの構成を模式的に示す図である。
図2】カメラによって撮影された交差点及びその付近の画像を示す図である。
図3】警戒装置の機能的な構成を示すブロック図である。
図4】移動体位置取得部及び移動ベクトル生成部の機能を説明するための図である。
図5】計数部、流出入点設定部及び走行ライン設定部の機能を説明するための図である。
図6】センターライン生成部及び方向ベクトル生成部の機能を説明するための図である。
図7】移動体が交差点を左折する際の判定部の判定方法の説明図である。
図8A】移動体が交差点の左折を開始する前の状態を示す図である。
図8B】移動体が交差点の左折を開始した状態を示す図である。
図8C】移動体が図8Bの位置よりもさらに前進した状態を示す図である。
図8D】移動体が図8Cの位置よりもさらに前進した状態を示す図である。
図9】移動体が交差点を右折する際の判定部の判定方法の説明図である。
図10】移動体が交差点を直進する際の判定部の判定方法の説明図である。
図11】方向ベクトルが切り換えられた場合において、移動体が交差点を右折する際の判定部の判定方法の説明図である。
図12】第2交通領域取得部による第2交通領域の取得結果の一例を示す図である。
図13】第2交通領域取得部による第2交通領域の取得結果の他の一例を示す図である。
図14】第1交通領域が第2交通領域に収まっていない場合の修正状態を示す図である。
図15】監視領域セットの一例を示す図である。
図16】監視領域セットの他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る交差点警戒システムについて説明する。本実施形態の交差点警戒システム1は、交差点5における交通参加者の安全性を向上させるためのものであり、図1に示すように、カメラ3、スピーカ4及び警戒装置10を備えている。
【0027】
この警戒装置10は、CPU、ストレージ、メモリ及びI/Oインターフェースを備えたコンピュータで構成され、カメラ3及びスピーカ4との間で通信可能になっている。この警戒装置10では、後述するように、カメラ3からの画像信号に基づいて、各種制御処理が実行されるとともに、それに伴って、警戒情報信号がスピーカ4に対して送信される。
【0028】
本実施形態の場合、交差点5は、第1道路5a及び第2道路5bが十字状に交差する十字路状に構成されている。第1道路5aの交差点5付近の部位には、横断歩道5c,5cが設けられており、第2道路5bの交差点5付近の部位には、横断歩道5d,5dが設けられている。さらに、交差点5には、図2に示すように、複数の歩行者用の交通信号機6(以下「歩行者用信号機6」という)及び複数の車両用の交通信号機7a,7b(2つのみ図示)が設けられている。以下、これらの車両用の交通信号機7a,7bをまとめて適宜「車両用信号機7」という。
【0029】
カメラ3は、交差点5の斜め上方に配置されており、通信機能を備えている。カメラ3は、図2に示すようなアングルで、交差点5、第1道路5aの一部及び第2道路5bの一部を含む画像2(以下「交通環境画像2」という)を撮影し、その画像信号を警戒装置10に送信する。この場合、交通環境画像2は、動画として撮影される。
【0030】
なお、以下の説明では、交通環境画像2において、2つの道路5a,5bが互いに交差している領域を「交差点領域」といい、交差点領域から延びる道路の領域を「道路領域」というとともに、「交差領域」及び「道路領域」からなる領域を「交通領域」という。
【0031】
また、スピーカ4(報知装置)は、交差点5の近傍に配置されており、後述するように、警戒装置10からの警戒情報信号を受信した際、警戒情報信号に対応する音声情報を出力する。
【0032】
次に、図3を参照しながら、警戒装置10の機能的な構成について説明する。同図に示すように、警戒装置10は、移動体位置取得部11、移動ベクトル生成部12、計数部13、流出入点設定部14、走行ライン設定部15、センターライン生成部16、方向ベクトル生成部17、判定部18、第1交通領域設定部19、第2交通領域取得部20、監視領域設定部21、参加者位置取得部22、警戒レベル設定部23および出力処理部24を備えている。
【0033】
まず、移動体位置取得部11では、カメラ3からの画像信号が警戒装置10で受信された際、交通環境画像2から走行中の移動体の位置が取得される。具体的には、図4に示すように、所定の画像認識処理により、バウンディングボックス30を用いて、交通環境画像2の各フレームにおける四輪車両などの移動体8の位置が取得される。この場合、所定の画像認識処理としては、機械学習モデルを適用した物体認識処理(例えば、OpenVino:登録商標)が用いられる。
【0034】
次に、移動ベクトル生成部12では、交通環境画像2の現在のフレームにおける移動体8の位置と、1つ前のフレームにおける移動体8の位置とに基づいて、移動体8の移動ベクトルVmが生成される。図4に示すように、移動ベクトルVmは、バウンディングボックス30の下辺の中点を始点として移動体8の進行方向に延びるベクトルとして生成される。なお、図4では、一例として、移動体8が第1道路5a側のみを走行している状態が示されている。
【0035】
また、計数部13では、交通環境画像2の上下左右の縁に沿う直線部2a~2d(以下「縁直線部2a~2d」という)の各々を所定幅の多数の領域に区分した場合において、各領域における、移動ベクトルVmに沿って延びる直線(図4に破線で示す直線)と縁直線部2a~2dとの交点の数がフレーム毎に計数される。そして、それらの計数結果の積算値を表すグラフとして、図5に示す柱状グラフ(ヒストグラム)が作成される。この場合、計数部13による計数は所定時間(例えば10分間)実行される。
【0036】
この図5において、点描で示す柱状グラフ31は、移動ベクトルVmに沿って移動ベクトルVmの向きに延びた直線と縁直線部2a~2dとの交点の数の積算値を表している。また、ハッチングで示す柱状グラフ32は、移動ベクトルVmに沿って移動ベクトルVmと逆側の向きに延びた直線と縁直線部2a~2dとの交点の数の積算値を表している。
【0037】
さらに、流出入点設定部14では、計数部13で作成された柱状グラフ31,32に基づき、以下に述べるように、移動体8の流入点Pin及び流出点Poutが設定される。すなわち、交通環境画像2の縁直線部2a~2dの各々における複数の領域のうち、計数部13によって計数された交点の数が最も多い領域、すなわち柱状グラフ31,32の最も長い領域における中点が、移動ベクトルVmの向きに基づき、移動体8の流入点Pin及び流出点Poutに設定される。
【0038】
一方、走行ライン設定部15では、流出入点設定部14で設定された移動体8の流入点Pin及び流出点Poutに基づき、以下に述べる手法により、第1道路5aにおける移動体8の走行ラインL1a,L1bと、第2道路5bにおける移動体8の走行ラインL2a,L2bとが設定される(図5参照)。
【0039】
すなわち、交通環境画像2の左右の縁直線部2c,2dにおける流入点Pinと流出点Poutとを結んだ直線が、第1道路5aの道路領域(以下「第1道路領域」という)における移動体8の両側車線の走行ラインL1a,L1bに設定される。これと同様に、交通環境画像2の上下の縁直線部2a,2bにおける流入点Pinと流出点Poutとを結んだ直線が、第2道路5bの道路領域(以下「第2道路領域」という)における移動体8の両側車線の走行ラインL2a,L2bに設定される。その結果、走行ラインL1a,L1bと走行ラインL2a,L2bは、4つの交点Px1~Px4で互いに交差することになる。
【0040】
さらに、センターライン生成部16では、走行ライン設定部15で設定された4本の走行ラインL1a,L1b,L2a,L2bに基づき、以下に述べる手法によって、第1道路領域のセンターラインLc1及び第2道路領域のセンターラインLc2が生成される。
【0041】
すなわち、図6に示すように、4本の走行ラインL1a,L1b,L2a,L2bが互いに交差する4つの交点Px1~Px4で画成される矩形のエリアを作成し、この矩形のエリアを拡大することにより、4つの点Py1~Py4によって画成される矩形の拡大領域41a(図中の点描で示す領域)を生成する。
【0042】
その際、4つの交点Px1~Px4で画成される矩形のエリアを拡大するときの比率は、矩形のエリアをできるだけ相似形になるような比率(例えば、1.2倍~1.5倍)になっており、これらの比率は、事前テストにより予め設定されている。
【0043】
次いで、2点Py1,Py4の間の中点P14と2点Py2,Py3の間の中点P23とを通って延びる直線(図中に破線で示す直線)が、第1道路領域のセンターラインL1cとして生成され、2点Py1,Py2の間の中点P12と2点Py3,Py4の間の中点P34とを通って延びる直線(図中に破線で示す直線)が、第2道路領域のセンターラインL2cとして生成される。それに伴い、2つのセンターラインL1c,L2cの交点が、交差点5の中心点Pcとして生成される。
【0044】
また、方向ベクトル生成部17では、以下に述べる手法によって、方向ベクトルが生成される。まず、図6に示すように、方向ベクトルとして、交差点5の中心点PcからセンターラインL2cに沿って2つの中点P34,P12まで延びる2つの方向ベクトルVd1,Vd3と、交差点5の中心点PcからセンターラインL1cに沿って2つの中点P14,P23まで延びる2つの方向ベクトルVd2,Vd4とが設定される。
【0045】
さらに、所定の画像認識処理(機械学習モデル)により、交通環境画像2から車両用信号機7の表示状態を取得する。この場合、所定の画像認識処理としては、例えば、CNN(Convolutional Neural Network)が用いられる。
【0046】
次いで、車両用信号機7の表示状態に基づいて、2つ方向ベクトルVd1,Vd2の一方が生成(選択)される。例えば、第1道路5a用の車両用信号機7aが青信号を表示している場合には、方向ベクトルVd1が生成され、第2道路5b用の車両用信号機7bが青信号を表示している場合には、方向ベクトルVd2が生成される。
【0047】
これは、交通環境画像2のアングルに起因して、第1道路5a用の車両用信号機7aが青色信号を表示している場合には、図2に示すように、第2道路5bの手前側(図2の下側)の横断歩道5d付近の領域が警戒領域Awに設定され、第2道路5b用の車両用信号機7bが青色信号を表示している場合には、第1道路5aの左側の横断歩道5c付近の領域が警戒領域Awに設定されることによる。
【0048】
次いで、判定部18では、以下に述べるように、方向ベクトル生成部17で生成された2つ方向ベクトルVd1,Vd2の一方の角度と、移動ベクトルVmの角度との関係に基づき、移動体8が警戒領域Awに侵入する可能性が高いか否かを判定する。
【0049】
以下、判定部18における判定手法に関して説明する。まず、図7を参照しながら、方向ベクトル生成部17で方向ベクトルVd1が生成された場合において、第1道路5aを走行中の移動体8が交差点5を左折する際を例にとって説明する。
【0050】
図7に示すように、基準線Lxに対する方向ベクトルVd1の角度(以下「方向ベクトル角度」という)をθd1とし、基準線Lxに対する移動ベクトルVmの角度(以下「移動ベクトル角度」という)をθmとする。この場合、基準線Lxは、交通環境画像2の左右方向に延びる線であり、2つ角度θd1,θmは時計回りの角度を正値とするものである。
【0051】
また、図中のベクトルVmxは、理解の容易化のために、移動ベクトルVmの始点が方向ベクトルVdの始点に一致するように、移動ベクトルVmを移動させたものであり、数学的な演算においては、移動させる必要はない。さらに、dθは、移動体8が警戒領域Awに侵入する可能性を判定するための角度領域(2つのラインLj,Ljの間の角度領域)を規定する所定角度である。
【0052】
判定部18では、移動ベクトル角度θmにおいて、θd1-dθ<θm<θd1+dθが成立したときには、移動体8が警戒領域Awに侵入する可能性が高いと判定され、この条件が不成立のときには、移動体8が警戒領域Awに侵入する可能性が低いと判定される。
【0053】
例えば、図8A~8Dに示すように、第1道路5aを走行中の移動体8aが交差点5を左折する際には、移動体8aが図8Aに示す位置から図8Cに示す位置まで移動するまでの間は、θd1+dθ<θmが成立し、それにより、判定部18において、この移動体8aが警戒領域Aw(すなわち横断歩道5d付近の領域)に侵入する可能性が低いと判定される。そして、移動体8aが図8Cに示す位置から図8Dに示す位置まで移動した際には、θm<θd1+dθが成立することで、移動体8aが警戒領域Awに侵入する可能性が高いと判定される。
【0054】
また、図9に示すように、第1道路5aを走行中の移動体8が交差点5を右折する際には、移動体8の旋回に伴い、移動ベクトル角度θmは、負値の状態から正値に変化する。そして、θd1-dθ<θmが成立するまでの間は、移動体8が警戒領域Awに侵入する可能性が低いと判定されるとともに、θd1-dθ<θmが成立した時点で、移動体8が警戒領域Awに侵入する可能性が高いと判定される。
【0055】
さらに、図10に示すように、移動体8が交差点5内を直進する際には、θd1-dθ<θm<θd1+dθが常に成立する状態となり、移動体8が警戒領域Awに侵入する可能性が高いと判定される。この場合、第2道路5bの車両用信号機7bが赤信号であるにもかかわらず、移動体8が交差点5内を直進する事象は、例えば、右折車両の後続の移動体8が交差点5内に留まっている状態で、第2道路5bが青信号から赤信号に切り換わった場合などに発生する。
【0056】
なお、判定部18において、移動体8が交差点5を右折する場合と、移動体8が交差点5を左折する場合と、移動体8が交差点5を直進する場合とにおいて、dθの値を異なる値に設定してもよい。これは、移動体8が交差点5を左折する場合、-dθ+θd1<θm<dθ+θd1が成立したタイミングでは、移動体8と警戒領域Awとの距離が、移動体8が交差点5を右折する場合などと比較して小さくなる可能性が高いことによる。
【0057】
次に、図11を参照しながら、方向ベクトル生成部17で方向ベクトルVd2が生成された場合の判定部18の判定手法について説明する。図11に示すように、方向ベクトルVd2が生成された場合には、基準線Lxに対する方向ベクトルVd2の角度(以下「方向ベクトル角度」という)がθd2とされる。
【0058】
そして、移動ベクトル角度θmにおいて、θd2-dθ<θm<θd2+dθが成立したときには、移動体8が警戒領域Awに侵入する可能性が高いと判定され、この条件が不成立のときには、移動体8が警戒領域Awに侵入する可能性が低いと判定される。なお、図11は、第2道路5bを走行中の移動体8が交差点5を右折する際の例であるが、第2道路5bを走行中の移動体8が交差点5を左折する際、又は移動体8が交差点5を直進する場合においても、同様の手法により、移動体8が警戒領域Awに侵入する可能性の高低が判定される。
【0059】
次に、第2交通領域取得部20について説明する。この第2交通領域取得部20では、以下に述べる第1取得処理及び第2取得処理の一方によって、交通環境画像2から第2交通領域を取得する。この第2交通領域は、交通環境画像2における、前述した交差点領域及び道路領域からなる交通領域を推定したものに相当する。
【0060】
第1取得処理では、以下に述べる所定の第1画像認識処理によって、図12に点描で示すような第2交通領域43が取得される。まず、任意の1つの移動体(以下「移動体A」という)に関して、現フレームにおけるバウンディングボックスと、数フレーム前のバウンディングボックスとが取得され、両者の底辺の左右の点を結ぶ線分を生成することにより、矩形(例えば、図12の矩形42)を生成するとともに、背景画像を黒く着色した状態で、当該矩形の内部を例えば黄色に塗りつぶす作業が実施される。
【0061】
この作業を移動体Aが認識されている数フレーム分実行することで、移動体Aが道路上をスイープした軌跡が黄色に塗りつぶした状態で表示される。以上の作業を、数分間の期間内において、移動体A以外の複数の車両においても実行する。そして、最後に、黄色に塗りつぶした領域を画像処理によって抽出することにより、図12に点描で示すような第2交通領域43が取得される。この場合、所定の第1画像認識処理としては、機械学習モデルを適用した処理(例えば、OpenVino:登録商標)が用いられる。
【0062】
一方、第2取得処理では、領域認識機能を備えた所定の第2画像認識処理により、交通環境画像2から、図13に点描で示すような第2交通領域44が取得される。具体的には、領域認識機能により、交通環境画像2を特徴のある領域で分類するとともに、分類した領域の中から道路領域の部分を抽出することにより、第2交通領域44が取得される。この場合、所定の第2画像認識処理としては、機械学習モデルを適用した処理(例えば、OpenVino:登録商標)が用いられる。
【0063】
以下、第2交通領域取得部20において、第1取得処理により、図12に点描で示す第2交通領域43が取得された場合を例にとって説明する。
【0064】
次に、第1交通領域設定部19について説明する。この第1交通領域設定部19では、センターライン生成部16で生成された拡大領域41aに基づいて、第1交通領域41が設定される。
【0065】
具体的には、まず、図6に示す拡大領域41aが交差点領域41aに設定される。また、2点Py1,Py2を通って交通環境画像2の左右縁直線部2c,2dまで延びる直線L1eと、2点Py3,Py4を通って左右縁直線部2c,2dまで延びる直線L1dと、交通環境画像2の左右縁直線部2c,2dとによって画成される領域のうち、交差点領域41aを除いた領域(ハッチングで示す領域)が、第1道路5aに対応する2つの道路領域41b,41bに設定される。
【0066】
さらに、2点Py1,Py4を通って交通環境画像2の上下縁直線部2a,2bまで延びる直線L2dと、2点Py2,Py3を通って左右縁直線部2a,2bまで延びる直線L2eと、左右縁直線部2a,2bとによって画成される領域のうち、交差点領域41aを除いた領域(ハッチングで示す領域)が、第2道路5bに対応する2つの道路領域41b,41bに設定される。そして、第1交通領域41は、図6に点描で示す交差点領域41aと、図6にハッチングで示す4つの道路領域41bとからなる領域として設定される。
【0067】
そして、第1交通領域設定部19では、以上のように設定された第1交通領域41と、第2交通領域取得部20で前述したように取得された第2交通領域43とを比較する。そして、第1交通領域41が第2交通領域43に収まっている場合には、第1交通領域41がそのまま維持される。
【0068】
一方、図14に示すように、第1交通領域41が第2交通領域43に収まっていない場合には、第2交通領域43に収まるように、第1交通領域41を修正することにより、修正第1交通領域41xが生成される。すなわち、第1交通領域41の直線L1d,L1eが破線L1dx,L1exに修正され、直線L2d,L2eが破線L2dx,L2exに修正されることにより、修正第1交通領域41xが生成される。そして、この修正第1交通領域41xが第1交通領域として設定される。
【0069】
なお、以下の説明では、第1交通領域設定部19において、最初に設定された第1交通領域41が維持された場合を例にとって説明する。
【0070】
次に、監視領域設定部21について説明する。この監視領域設定部21では、第1道路5a用の車両用信号機7a及び第2道路5b用の車両用信号機7bの一方が青色信号を表示している際、以下に述べるように、移動体用の監視領域及び交通参加者用の監視領域の組み合わせを設定する。以下の説明では、移動体用の監視領域を「移動体監視領域」といい、交通参加者用の監視領域を「参加者監視領域」というとともに、移動体監視領域及び参加者監視領域の組み合わせを「監視領域セット」という。
【0071】
まず、第1道路5a用の車両用信号機7aが青色信号を表示している場合、監視領域設定部21では、図15に示すように、監視領域セットとして、4つの移動体監視領域Ar0~Ar3(点描で示す領域)及び4つの参加者監視領域At0~At3(ハッチングで示す領域)の組み合わせが設定される。
【0072】
すなわち、移動体監視領域Ar0は、3つの直線L1e,L2c,L2eと交通環境画像2の上縁直線部2aとによって画成される領域として設定され、移動体監視領域Ar1は、4つの点P12,Py2,P23,Pcで画成される領域として設定される。さらに、移動体監視領域Ar2は、4つの点Pc,P23,Py3,P34で画成される領域として設定され、移動体監視領域Ar3は、3つの直線L1d,L2c,L2eと交通環境画像2の下縁直線部2bとによって画成される領域として設定される。
【0073】
一方、参加者監視領域At0は、2つの直線L1d,L2dと交通環境画像2の左縁直線部2c及び下縁直線部2bとによって画成される領域として設定され、参加者監視領域At1は、3つの直線L1d,L2d,L2cと交通環境画像2の下縁直線部2bとによって画成される領域として設定される。さらに、参加者監視領域At2は、移動体監視領域Ar3と同一の領域として設定され、参加者監視領域At3は、2つの直線L1d,L2eと交通環境画像2の右縁直線部2d及び下縁直線部2bとによって画成される領域として設定される。
【0074】
一方、第2道路5b用の車両用信号機7bが青色信号を表示している場合、監視領域設定部21では、図16に示すように、監視領域セットとして、4つの移動体監視領域Ar4~Ar7(点描で示す領域)及び4つの参加者監視領域At4~At7(ハッチングで示す領域)の組み合わせが設定される。
【0075】
すなわち、移動体監視領域Ar4は、3つの直線L1c,L1d,L2eと交通環境画像2の右縁直線部2dとによって画成される領域として設定され、移動体監視領域Ar5は、4つの点Pc,P23,Py3,P34で画成される領域として設定される。さらに、移動体監視領域Ar6は、4つの点P14,Pc,P34,Py4で画成される領域として設定され、移動体監視領域Ar7は、3つの直線L1c,L1d,L2dと交通環境画像2の左縁直線部2cとによって画成される領域として設定される。
【0076】
一方、参加者監視領域At4は、2つの直線L1d,L2dと交通環境画像2の左縁直線部2c及び下縁直線部2bとによって画成される領域として設定され、参加者監視領域At5は、移動体監視領域Ar7と同一の領域として設定される。さらに、参加者監視領域At6は、3つの直線L1c,L1e,L2dと交通環境画像2の左縁直線部2cとによって画成される領域として設定され、参加者監視領域At7は、2つの直線L1e,L2dと交通環境画像2の左縁直線部2c及び上縁直線部2aとによって画成される領域として設定される。
【0077】
また、参加者位置取得部22では、以下に述べる手法によって、交通環境画像2内の交通参加者の位置が取得される。具体的には、図15に示すように、所定の第3画像認識処理(機械学習モデル)により、バウンディングボックス30を用いて、交通環境画像2の各フレームにおける、歩行者などの交通参加者9の位置が取得される。この場合、所定の第3画像認識処理としては、例えば、R-CNN(Region-Convolutional Neural Networks)が用いられる。
【0078】
また、警戒レベル設定部23では、以下の条件判定(f1)~(f6)の結果の組み合わせに基づいて、警戒レベルがレベルLV0~LV3の4段階に設定される。この場合、レベルLV3が危険度の最も高いレベルとして設定され、レベルLV0が危険度の最も低いレベルとして設定される。
(f1)監視領域設定部21において設定されている監視領域セットが、監視領域Ar0~Ar3、At0~At3の組み合わせ、及び、監視領域Ar4~Ar7、At4~At7の組み合わせのいずれであるか。
(f2)移動体8が監視領域設定部21において設定されている移動体監視領域内に存在しているか否か。
(f3)移動体8が移動体監視領域内に存在している場合には、移動体8がいずれの移動体監視領域に存在しているか。この場合、移動体8の少なくとも一部分がいずれかの移動体監視領域内に位置していれば、移動体8がその移動体監視領域に存在していると判定される。
(f4)移動体8が移動体監視領域内に存在している場合には、移動体8の移動速度が所定値以上であるか否か。
(f5)歩行者などの交通参加者9が監視領域設定部21において設定されている参加者監視領域内に存在しているか否か。
(f6)交通参加者9が参加者監視領域内に存在している場合には、いずれの参加者監視領域に存在しているか。この場合、交通参加者9の少なくとも一部分がいずれかの参加者監視領域内に位置していれば、交通参加者9がその参加者監視領域に存在していると判定される。
【0079】
以下、警戒レベル設定部23における警戒レベルの設定例について、監視領域セットが、監視領域Ar0~Ar3、At0~At3の組み合わせに設定されている場合を例にとって説明する。
<設定例1>
交通参加者9が参加者監視領域At0~At3に存在しない場合、移動体8が移動体監視領域Ar0~Ar3に存在しているか否かとは無関係に、警戒レベルがレベルLV0に設定される。
<設定例2>
移動体8が移動体監視領域Ar0~Ar3に存在していない場合、交通参加者9が参加者監視領域At0~At3に存在しているか否かとは無関係に、警戒レベルがレベルLV0に設定される。
<設定例3>
移動体8が警戒領域Awに侵入する可能性が低いと判定されている場合において、交通参加者9が監視領域At0~At3のいずれかに存在している場合には、警戒レベルがレベルLV0に設定される。
<設定例4>
交通参加者9が監視領域At0又はAt3に存在しており、移動体8が監視領域Ar1又はAr2に存在している場合には、移動体8の移動速度とは無関係に、警戒レベルがレベルLV1に設定される。
<設定例5>
交通参加者9が監視領域At1又はAt2に存在しており、移動体8が監視領域Ar1に存在している場合において、移動体8の移動速度が所定値以下のときには、警戒レベルがレベルLV2に設定され、移動体8の移動速度が所定値を超えているときには、警戒レベルがレベルLV3に設定される。
<設定例6>
交通参加者9が監視領域At1又はAt2に存在しており、移動体8が監視領域Ar2に存在している場合には、移動体8の移動速度とは無関係に、警戒レベルがレベルLV3に設定される。
【0080】
<設定例7>警戒レベル設定部23において、以下のように警戒レベルが設定されてもよい。まず、参加者位置取得部22において、所定の機械学習アルゴリズム(例えば、DNN:Deep Neural Network)により、第1道路5a用の車両用信号機7aと第2道路5b用の車両用信号機7bの表示状態の変化パターンが学習される。
【0081】
さらに、第2道路5b用の車両用信号機7bが青信号から赤信号に切り換わる少し前のタイミングで、監視領域設定部21において、監視領域セットが、監視領域Ar0~Ar3、At0~At3の組み合わせ、及び、監視領域Ar4~Ar7、At4~At7の双方に設定される。その状態で、移動体8が移動体監視領域Ar1,Ar2のいずれかに存在しているとともに、交通参加者9が監視領域At0,At3のいずれかに存在する場合には、第1道路5a用の車両用信号機7aが赤信号から青信号に切り換わる前において、警戒レベルがレベルLV3に設定される。
【0082】
次に、出力処理部24について説明する。この出力処理部24では、前述した判定部18の判定結果及び監視領域設定部21で設定された警戒レベルに基づいて、以下に述べるように、警戒情報出力処理が実行される。
【0083】
この警戒情報出力処理では、以下の条件(f10)及び(f11)の双方が成立している場合には、警戒情報信号がスピーカ4に対して出力される。この警戒情報信号は、「車両接近中」などの音声情報を含むように構成される。
(f10)判定部18において、移動体8が警戒領域Awに侵入する可能性が高いと判定されていること。
(f11)警戒レベル設定部23において、警戒レベルがレベルLV2又はLV3に設定されていること。
【0084】
そして、警戒情報信号がスピーカ4で受信された際、スピーカ4から「車両接近中」などの音声情報(警戒情報)が出力される。
【0085】
例えば、警戒レベル設定部23において、警戒レベルがレベルLV2に設定されている場合には、柔らかい注意喚起のために、「車両接近中」の音声情報が出力され、警戒レベルがレベルLV3に設定されている場合には、警戒すべき状態にあることを報知するために、「車両接近中、注意!」の音声情報が出力される。
【0086】
さらに、前述した<設定例7>の場合には、「車両接近中、青信号で飛び出し注意!」の音声情報が出力される。それにより、移動体8が警戒領域Awに侵入する可能性が高いことを交通参加者9に適切に報知することができる。
【0087】
なお、警戒情報出力処理において、上述した条件(f10)が成立している状態で、交通参加者9が警戒領域Aw及びその付近に存在する場合には、警戒情報信号を出力し、上述した条件(f10)が成立している状態で、交通参加者9が警戒領域Aw及びその付近に存在しない場合には、警戒情報信号を出力しないように構成してもよい。
【0088】
以上のように、本実施形態の交差点警戒システム1によれば、方向ベクトルVd1,Vd2の方向ベクトル角度θd1,θd2の一方に対する移動体8の移動ベクトル角度θmに基づいて、移動体8が所定の警戒領域Awに侵入する可能性が高いか否かが判定される。そして、移動体8が所定の警戒領域Awに侵入する可能性が高いと判定されたときには、それを交通参加者9に報知するために、警戒情報信号がスピーカ4に出力される。
【0089】
その結果、「車両接近中、注意してください」などの音声がスピーカ4から出力されることにより、交通参加者9が所定の警戒領域Aw又はその付近に存在する場合には、移動体8が所定の警戒領域Awに進入する可能性が高いことをその交通参加者9に報知することができ、交通参加者9の安全性を向上させることができる。
【0090】
また、交差点5における車両用信号機7の状態に基づき、方向ベクトルVd1又は方向ベクトルVd2が決定されることにより、車両用信号機7が存在する交差点5において、方向ベクトルVd1又は方向ベクトルVd2を適切に設定することができる。
【0091】
さらに、移動ベクトルVmに沿って延びる直線と交通環境画像2の縁直線部2a~2dとの交点の数がフレーム毎に計数され、それらの計数結果の積算値を表すグラフとして、柱状グラフ31,32が作成されるとともに、柱状グラフ31,32の最も長い領域における中点が、移動体8の流入点Pin及び流出点Poutに設定される。さらに、これらの流入点Pin及び流出点Poutに基づき、第1道路5aにおける移動体8の走行ラインL1a,L1bと、第2道路5bにおける移動体8の走行ラインL2a,L2bとが設定され、4本の走行ラインL1a,L1b,L2a,L2bに基づき、第1道路領域のセンターラインL1c及び第2道路領域のセンターラインL2cが生成される。それにより、これらのセンターラインL1c,L2cを精度よく生成することができる。
【0092】
さらに、交差点5の中心点Pcが、2つのセンターラインL1c,L2cの交点として設定され、方向ベクトルVd1,Vd2はそれぞれ、交差点5の中心点Pcを始点として、2つのセンターラインL1c,L2cに沿って延びるベクトルとして生成される。それにより、方向ベクトルVd1,Vd2を交差点5の中心点から警戒領域Awに向かうように適切に生成することができる。
【0093】
また、前述した第1取得処理及び前述した第2取得処理の一方によって、交通環境画像2から第2交通領域43が取得される。以上のように第2交通領域43が取得されることにより、第2交通領域43を実際の道路領域に近いものとして取得することができる。
【0094】
一方、4つの走行ラインL1a,L1b,L2a,L2bに基づいて拡大領域41aが設定されるとともに、この拡大領域41aに基づいて、第1交通領域41が設定され、第1交通領域41と第2交通領域43とが比較され、第1交通領域41が第2交通領域43に収まっている場合には、第1交通領域41がそのまま維持される。一方、第1交通領域41が第2交通領域43に収まっていない場合には、第1交通領域41が第2交通領域43に収まるように修正されることにより、修正第1交通領域41xが生成され、この修正第1交通領域41xが第1交通領域として設定される。以上のように、第1交通領域41が第2交通領域43に収まっていない場合には、第1交通領域41が第2道路領域内43に収まるように修正されることにより、第1交通領域41が実際の道路領域よりも広い領域になるのを回避することができ、第1交通領域41の設定精度を向上させることができる。
【0095】
さらに、交通参加者9の位置と監視領域At0~At3又は監視領域At4~At7の関係に加えて、移動体8の位置と監視領域Ar0~Ar3又は監視領域Ar4~Ar7の関係に基づいて、警戒レベルが設定されるので、適切なレベルの警戒情報を交通参加者9に報知することができる。
【0096】
なお、方向ベクトル生成部17において、方向ベクトルを生成する方法は、実施形態の手法に限らず、以下のような手法を用いてもよい。例えば、方向ベクトル生成部17において、第1道路5aの車両用信号機7が青信号表示のときには、方向ベクトルVd1に代えて、センターラインL2cと略平行な方向ベクトルを作成するように構成してもよい。すなわち、方向ベクトルとして、点Px2から点Px3まで延びる方向ベクトル、中点P23から点Py3まで延びる方向ベクトルなどを作成してもよい。
【0097】
また、例えば、車両用信号機7の制御信号を受信し、この制御信号に基づいて、方向ベクトル生成部17において、方向ベクトルVd1,Vd2の一方を生成するように構成してもよい。さらに、方向ベクトル生成部17において、4つの方向ベクトルVd1~Vd4を生成する前に、車両用信号機7の信号表示状態を判定し、その判定結果に基づいて、方向ベクトルVd1,Vd2の一方を生成するように構成してもよい。
【0098】
これに加えて、方向ベクトル生成部17において、例えば、第1道路5aの車両用信号機7が青信号表示の場合、方向ベクトルVd1に加えて、方向ベクトルVd3を生成してもよい。その場合、第2道路5bの奥側(図2の上側)の横断歩道5d付近を警戒領域に設定するとともに、方向ベクトルVd3と移動ベクトルVmとの角度に基づいて、移動体8が警戒領域に侵入する可能性が高いか否かを判定するように構成すればよい。以上と同様に、方向ベクトル生成部17において、例えば、第2道路5bの車両用信号機7が青信号表示の場合、方向ベクトルVd2に加えて、方向ベクトルVd4を生成してもよい。
【0099】
また、交通信号機のない交差点においては、画像認識処理により、交通参加者、交差点領域及び道路領域を認識し、方向ベクトル生成部17において、交差点領域の中心付近から交通参加者が存在する付近の道路領域側に向かうように、方向ベクトルを生成してもよい。
【0100】
実施形態は、計数部13において、移動ベクトルVmに沿って延びる直線と交通環境画像2の縁直線部2a~2dとの交点の数を計数した例であるが、これに代えて、交通環境画像2における交差点領域41aを取り囲むように矩形状の4つの直線部(線分)を配置し、移動ベクトルVmに沿って延びる直線と4つの直線部の各々との交点を計数するように構成してもよい。この場合、矩形状の4つの直線部として、4つの直線部の各々が交差点領域41aの各辺と平行なものを用いてもよく、4つの直線部の各々が交通環境画像2の縁直線部2a~2dの各々と平行なものを用いてもよい。
【0101】
実施形態は、警戒装置10として、コンピュータを用いた例であるが、これに代えて、サーバ又はクラウドサーバなどを用いてもよい。その場合には、警戒装置10が、インターネット又はLANなどの通信網を介してカメラ3及びスピーカ4との間で通信を実行するように構成すればよい。
【0102】
実施形態は、報知装置として、スピーカ4を用いた例であるが、本発明の報知装置は、これに限らず、警戒情報を音声情報及び視覚情報の少なくとも一方の情報として交通参加者に報知するものであればよい。例えば、報知装置として、警告灯などを用いてもよく、警告灯とスピーカ4を併用してもよい。また、2個のスピーカ4をそれぞれ、第1道路5aの警戒領域の付近と、第2道路5bの警戒領域の付近に設けてもよい。
【0103】
実施形態は、交通環境画像2として、カメラ3によって撮影された動画を用いた例であるが、これに代えて、カメラ3によって静止画像を極めて短い時間間隔で連続撮影し、それらの静止画像を交通環境画像2として用いもよい。
【0104】
実施形態は、カメラ3によって交通環境画像2を撮影した例であるが、カメラ3以外の交通環境画像2を撮影可能な撮像装置を用いてもよい。
【0105】
実施形態は、交差点警戒システム1を十字路状の交差点5に適用した例であるが、本発明の交差点警戒システムは、これに限らず、様々な形状の交差点に適用可能である。例えば、本発明の交差点警戒システムを、二本の道路の一方が他方に対して斜めに交差する四叉路の交差点に適用してもよく、T字路状又は「ト」字状の三叉路の交差点に適用してもよい。
【0106】
実施形態は、移動体8として四輪車両を示した例であるが、本発明の移動体は、これに限らず、交差点内を移動するものであればよい。例えば、モータサイクルなどを移動体としてもよい。
【0107】
実施形態は、交差点警戒システム1がカメラ3、スピーカ4及び警戒装置10を備えるように構成した例であるが、交差点警戒システムが警戒装置10のみを備えるように構成してもよい。
【0108】
なお、交差点警戒システム1において、第2交通領域取得部20を省略してもよく、その場合には、第1交通領域設定部19のみによって第1交通領域を設定すればよい。
【符号の説明】
【0109】
1 交差点警戒システム
2 交通環境画像
2a~2d 直線部
4 スピーカ(報知装置)
5 交差点
7 交通信号機
8,8a 移動体
9 交通参加者
10 警戒装置
11 移動体位置取得部
12 移動ベクトル生成部
13 計数部
14 流出入点設定部
15 走行ライン設定部
16 センターライン生成部
17 方向ベクトル生成部
18 判定部
19 第1交通領域設定部
20 第2交通領域設定部
21 監視領域設定部
22 参加者位置取得部
23 警戒レベル設定部
24 出力処理部
41 第1交通領域
41a 交差点領域、拡大領域
41b 道路領域
43 第2交通領域
44 第2交通領域
Vm 移動ベクトル
θm 移動ベクトルの角度
Vd1,Vd2 方向ベクトル
θd1,θd2 方向ベクトルの角度
Aw 警戒領域
Pin 流入点
Pout 流出点
L1a,L1b 走行ライン
L2a,L2b 走行ライン
Px1~Px4 交点
L1c,L2c センターライン
Pc 中心点
Ar0~Ar7 移動体監視領域
At0~At7 参加者監視領域
【要約】
【課題】交差点内の移動体が警戒領域に向かって移動している際に、交通参加者の安全性を向上させることができる交差点警戒システムを提供する。
【解決手段】交差点警戒システムの警戒装置10は、交通環境画像2から移動体8の位置を取得し、移動体8の位置の時系列に基づいて、移動体8の移動ベクトルVmを生成し、警戒領域Awに向かう方向ベクトルVd1,Vd2を生成し、方向ベクトルVd1,Vd2に対する移動体8の移動ベクトルVmの角度θmに基づいて、移動体8が警戒領域Awに侵入する可能性の高低を判定し、移動体8が警戒領域Awに侵入する可能性が高いときに、それを表す警戒情報を交通参加者9に報知するために出力する出力処理を実行する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16