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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】カードセット
(51)【国際特許分類】
   A63F 1/02 20060101AFI20240621BHJP
   G16H 20/70 20180101ALI20240621BHJP
【FI】
A63F1/02 A
G16H20/70
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2023177973
(22)【出願日】2023-10-16
(65)【公開番号】P2023179699
(43)【公開日】2023-12-19
【審査請求日】2023-10-16
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】723013659
【氏名又は名称】塚田 稔
(72)【発明者】
【氏名】塚田 稔
【審査官】三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-068619(JP,A)
【文献】登録実用新案第3097148(JP,U)
【文献】登録実用新案第3215904(JP,U)
【文献】特開2018-189721(JP,A)
【文献】特開2021-133236(JP,A)
【文献】特開2021-000270(JP,A)
【文献】特開2007-072235(JP,A)
【文献】米国特許第08092223(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 1/02
G16H 20/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
図が描かれた第1カード、第1カードの図の全体又は一部における形状は保持されているが、見え方が変わった図が描かれた第2カード、使用者自身及び/又は使用者の周りの人の、出来事、状況、行動、現状、予定、計画、課題、目的、意義、目標、気持ち、気分、感情、及び感覚のうちの少なくとも一つについて、思い出す、考える、及び見方を変えて再考することのうちの少なくとも一つを行うように使用者を導く言葉が記載された第3カード、及び現在の使用者自身の外観を映し出す鏡が印刷されるか若しくは貼付されたカードである第4カードを備えるカードセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
見方が変わると見え方が変わるということを体験する機会、並びに使用者自身及び/又は使用者の周りの人のことに関して、思い出す、考える、及び見方を変えて再考することのうちの少なくとも一つを行う機会を、使用者が併せ持ち得る、絵等を利用した、カードセット及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
世界保健機関(WHO)は、WHO 憲章において、「健康とは、肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病の存在しないことではない。」と定義し、肉体的にも、精神的にも、更には社会的に見ても、全てが良好な状態でなければ、健康とは言わないとしている(非特許文献1)。
【0003】
厚生労働省は、こころの健康とは、WHOの健康の定義を待つまでもなく、いきいきと自分らしく生きるための重要な条件であり、具体的には、自分の感情に気づいて表現できること(情緒的健康)、状況に応じて適切に考え、現実的な問題解決ができること(知的健康)、他人や社会と建設的でよい関係を築けること(社会的健康)、人生の目的や意義を見出し、主体的に人生を選択すること(人間的健康)であり、こころの健康は「生活の質」に大きく影響するものであるとしている。また、基本方針として、(1)日常生活や習慣の重視(全人的なアプローチ)、(2)行動科学に基づいたセルフケアの推進、(3)こころの病気への早期対応を挙げ、こころの健康を保つ生活のための目標として、休養、ストレスへの対応、睡眠への対応、こころの病気への対応を挙げている(非特許文献2)。
【0004】
心の病気への対応としては、認知療法、認知行動療法による治療効果が科学的に認められている。うつ病に対する認知療法、認知行動療法は、対面式の面接とホームワークによる実生活での検証を組み合わせた治療法であり、少し元気がでてきた場合は行動活性化、認知面への介入が必要な場合は認知再構成(コラム法)、現実的な問題解決が必要な場合は、問題解決モジュールや対人関係を改善するモジュールによる治療が行われる(非特許文献3、4)。
【0005】
上記のうち、コラム法では、「出来事、状況」、「気分」、「自動思考」、「根拠」、「反証」、「バランス思考・プラン」、「心の変化」を、コラム表に自分自身で記入するが、「出来事、状況」には、不快な感情を伴う出来事や状況、「気分」には、不安、悲しみ、落胆、怒りなどの気分、「自動思考」には、そのときに頭に浮かんだ考えやイメージ、「根拠」には、そう考える理由(自動思考を裏付ける客観的な事実)、「反証」には、反対の根拠、「バランス思考・プラン(適応思考)」には、より現実的でバランスのとれた考えや計画、「心の変化」には、コラム表への記入により、当初の「気分」がどのように変化したかをそれぞれ記入する。自分のこころの法則(スキーマ)は、その人なりの考え・行動のパターンであるが、スキーマの同定・修正も試みられる(非特許文献3、4)。
【0006】
上記のコラム表を使用する等して、認知療法、認知行動療法を、日常生活の中で自分自身の考え方を見直すことに応用するということも行われている(非特許文献 5、6)。
【0007】
一方、自分自身のストレスを和らげ、自分自身の集中力や注意力を高める等の方法として、マインドフルネスがよく知られている。マインドフルネスは、「今この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに捕らわれのない状態で、ただ観る」こと等とされる(非特許文献7)。
【0008】
一方、絵等を鑑賞すること以外に利用している報告として、以下のような報告がある。
【0009】
絵等を心理症状の診断に利用する例として、例えば、絵画療法の模様選択及び配列、色塗り分析方法、絵画療法の模様分析による心理症状の診断方法、及びこれを行うためのプログラムを記録した記録媒体についての報告、即ち、様々な模様のうちのいくつかの模様を選択して配列した後、選択及び配列、色塗りした絵の様々な要因を分析する方法及びその分析結果により心理症状を診断する方法についての報告が見られる(特許文献1)。
【0010】
図柄や画像を見ることを能力向上に結びつける方法の例として、正解図柄と複数枚の相違図柄(相違する部分の数が異なる)を用いることにより、注意力・推論力・記憶力、図面読解力を向上させることができる能力トレーニングカード、システム、及びプログラム(特許文献2)、反転等したテキスト又は画像をフラッシュ表示させるトレーニングの後に本読みトレーニングを実行すること等を備えた、速読等の能力開発のためのフラッシュトレーニング装置及びプログラム(特許文献3)についての報告が見られる。
【0011】
マインドフルネス、認知行動療法等を取り入れた思考トレーニングカードとして、自慈心カードが市販されている。クマのノア君の様々な姿が描かれた複数のカード、及び今の自分自身の考えや気持ちを書き入れそれについてノア君と会話するように記載されたシートで構成されており、使用者はノア君が描かれたカードを1枚選択し、ノア君や自分自身と会話する(非特許文献8)。前述のマインドフルネスの、ただ観るは、ただ、見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触れる、さらにそれらによって生じる心の働きを観ることを意味する(非特許文献7)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特許5058064号
【文献】特開2022-64574号
【文献】特開2020-173464号
【非特許文献】
【0013】
【文献】厚生労働省,平成26年版 厚生労働白書 第1部 健康長寿社会の実現に向けて ―健康・予防元年―,p2,[2023年8月12日検索],インターネット <URL: https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/14/dl/1-00.pdf >
【文献】厚生労働省,休養・こころの健康,[2023年4月28日検索],インターネット <URL; https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b3.html >
【文献】厚生労働省,厚生労働科学研究費補助金こころの健康科学研究事業 「精神療法の実施方法と有効性に関する研究」 うつ病の認知療法・認知行動療法 治療者用マニュアル,[2023年5月8日検索],インターネット <URL; https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/kokoro/dl/01.pdf>
【文献】厚生労働省,厚生労働科学研究費補助金こころの健康科学研究事業 「精神療法の実施方法と有効性に関する研究」 うつ病の認知療法・認知行動療法 (患者さんのための資料),[2023年5月8日検索],インターネット <URL; https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/kokoro/dl/04.pdf>
【文献】中尾睦広,心のリラックスでストレス解消 認知行動療法で考え方を見直す,NHK,2021年8月,[2023年5月1日検索],インターネット <https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_218.html>
【文献】清水栄司,[セルフ認知行動療法のやり方・ポイント]自分の考えを見つめ直し、心を軽くする,NHK,2021年12月,[2023年9月14日検索],インターネット <https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1361.html>
【文献】日本マインドフルネス学会,マインドフルネスとは,[2023年9月14日検索],インターネット <URL; https://mindfulness.smoosy.atlas.jp/ja>
【文献】益田緑著,ノア君と一緒 マインドフルネス自慈心カード,有限会社ヴェール,2022年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
自分自身や自分の周りの人のことに関して、見方を変えて再考できることは、その人の日常生活や人生の向上のために重要である。しかし、見方を変えて再考する機会を持つことは、その人の体調や環境や日常生活の忙しさ等、その時の状況により、必ずしも容易ではない。従って、自分自身や自分の周りの人のことに関して、見方を変えて再考する機会を少しでも多くし得る方法やツールは、日常生活や人生の向上を求める人達にとって、今もニーズがあると考えられる。
【0015】
偶然に見た絵等が、その人の人生や考え方について見方を変えて再考する契機となることがある。そのため、上記の新たな方法やツールを作製する手段として、絵等を利用することが考えられる。
【0016】
[背景技術]には、絵等を、鑑賞すること以外に利用している報告例として、絵画療法における利用、注意力・推論力・記憶力や図面読解力向上のための、複数枚の図柄を用いたカード、システム、及びプログラム、反転等したテキストや画像をフラッシュ表示させる速読等の能力開発装置及びプログラム、認知療法・認知行動療法に関連して作製された自慈心カード、マインドフルネスにおけるただ観るという行動を例示した。上記のうち、特に、自慈心カードは、認知療法、認知行動療法に関連して作製されており、自分自身の考え方を見直すことに役立ち得るカードセットである。しかし、自慈心カードを含む、上記のいずれの報告例においても、自分自身や自分の周りの人のことに関して、見方を変えて再考する機会を多くし得る方法やツールというニーズを充足しているものはない。
【0017】
以上に記したことから、本発明では、自分自身や自分の周りの人のことに関して見方を変えて再考する機会を少しでも多くし得る、絵等を利用した、新たな方法やツールを提供する。
【0018】
なお、前述のように、自分自身や自分の周りの人のことに関して、見方を変えて再考できることは、その人の日常生活や人生の向上のために重要である。従って、上記の方法やツールは、使用者の日常生活や人生を向上させるための機会を少しでも多くし得る、新たな方法やツールとしても役立ち得る。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明では、以下のカードセットを提供する。
【0020】
1:図が描かれた第1カード、第1カードの図の全体又は一部における形状は保持されているが、見え方が変わった図が描かれた第2カード、及び使用者自身及び/又は使用者の周りの人の、出来事、状況、行動、現状、予定、計画、課題、目的、意義、目標、気持ち、気分、感情、及び感覚のうちの少なくとも一つについて、思い出す、考える、及び見方を変えて再考することのうちの少なくとも一つを行うように使用者を導く言葉が記載された第3カードを備えるカードセット。
【0021】
2:使用者自身の外観を映し出せる物であるか、使用者自身の外観を映し出せる物が印刷されるか若しくは貼付されたカードであるか、又は使用者自身の外観を映した画像若しくは動画が投影されるカードである第4カードを備えることを特徴とする、1に記載のカードセット。
【0022】
3:ネガティブな意識や発想を排除することに関する言葉が記載された第5カードを備えることを特徴とする、1又は2に記載のカードセット。
【0023】
カードセットは、プログラムであっても良い。その場合は、以下のプログラムを提供する。
【0024】
4:1、2、又は3のカード及びカードセットに相当する画面及び画面セットの表示又は投影をコンピューターに実行させ得るプログラム。
【0025】
詳述すると、以下の画面及び画面セットの表示又は投影をコンピューターに実行させ得るプログラムを提供する。
【0026】
4-1:図が画像又は動画として表示又は投影された第1画面、第1画面の図の全体又は一部における形状は保持されているが、見え方が変わった図が、画像又は動画として表示又は投影された第2画面、及び使用者自身及び/又は使用者の周りの人の、出来事、状況、行動、現状、予定、計画、課題、目的、意義、目標、気持ち、気分、感情、及び感覚のうちの少なくとも一つについて、思い出す、考える、及び見方を変えて再考することのうちの少なくとも一つを行うように使用者を導く言葉が、文字又は動画として表示又は投影された第3画面を備える画面セット。
【0027】
4-2:使用者自身の外観を映した画像又は動画が、表示又は投影される第4画面を備えることを特徴とする、4-1に記載の画面セット。
【0028】
4-3:ネガティブな意識や発想を排除することに関する言葉が、文字又は動画として表示又は投影された第5画面を備えることを特徴とする、4-1又は4-2に記載の画面セット。
【0029】
なお、[発明を実施するための形態]の項で後述するように、図は、例えば、絵、図形、写真等があり得るが、視覚的な情報を表現するものとして一般的なレベルで認識できるものであれば、特段の制限はない。
【0030】
第1カードの図の全体又は一部における形状は保持されているが、見え方が変わるようにする方法、第1画面の図の全体又は一部における形状は保持されているが、見え方が変わるようにする方法についても上記の項で後述する。
【発明の効果】
【0031】
本発明のカードセットは、図が描かれた第1カードと、第1カードの図の全体又は一部における形状は保持されているが、見え方が変わった図が描かれた第2カードを備えている。そのため、本カードセットの使用者は、第1カード及び第2カードという2種の図のカードにより、図中の保持された形状の見え方が変わるということを体験する機会を持ち得る。上記の機会は、換言すると、同じ形状でも見え方が変わるということを体験する機会であり、更に換言すると、見方が変わると見え方が変わるということを体験する機会である。従って、このようなことを体験する機会は、見方を変えてみる機会、更には、見方を変えて再考する機会が多くなることに繋がり得る。このように、本発明のカードセットは、第1カード及び第2カードという2種の図のカードを備えていることにより、見方を変えて再考する機会を多くし得る。
【0032】
本発明のカードセットは、同一カードセット内に、第1カード、第2カード、及び第3カードを併せ備えている。そのため、第1カード及び第2カードによって見方を変えて再考する機会が多くなり得ることは、第3カードにおいて、見方を変えて再考する機会が多くなることに繋がり得る。
【0033】
本カードセットの使用者は、第3カードにより、使用者自身及び/又は使用者の周りの人のことに関して、思い出す、考える、及び見方を変えて再考することのうちの少なくとも一つを行う機会を持ち得る。
【0034】
見方を変えて再考する前提として、思い出すことや考えることが重要であることから、第3カードでは、見方を変えて再考することだけでなく、思い出すこと、考えることも行うことの一つとしている。
【0035】
思い出すことや考えることは、見方を変えて再考できる程多くなり得ることから、第1カード及び第2カードの影響により見方を変えて再考する機会が多くなることは、第3カードにおける思い出すことや考えることが多くなることに繋がり得る。また、第1カード及び第2カードの影響により見方を変えて再考する機会が多くなることは、第3カードにおける見方を変えて再考すること自体を多くし得る。更に、第3カードにおいて思い出したことや考えたことが、見方を変えて再考することに繋がる機会を多くし得る。
【0036】
このような理由により、同一カードセット内に第1カード、第2カード、及び第3カードを併せ備えている本発明のカードセットは、第3カードにおいて、自分自身及び/又は自分の周りの人のことに関して、見方を変えて再考する機会を多くし得る。
【0037】
このような方法やツールは今までになく、本発明のカードセットは、自分自身や自分の周りの人のことに関して見方を変えて再考する機会を少しでも多くし得る、絵等を利用した、新たな方法やツールとして役立ち得る。
【0038】
本カードセットを使用することは、自分自身及び/又は自分の周りの人のことに関して、見方を変えて再考する契機となり得る。また、本発明のカードセットの使用者が、普段から本カードセットを使用することは、見方を変えて再考するようになるためのトレーニングにもなり得る。第1カード、第2カードはまた、リラックスする機会も与え得る。
【0039】
一方、前述のように、自分自身や自分の周りの人のことに関して見方を変えて再考する機会を少しでも多くし得る方法やツールは、使用者の日常生活や人生を向上させるための機会を少しでも多くし得る方法やツールとしても役立ち得る。従って、本発明のカードセットは、使用者の日常生活や人生を向上させるための機会を少しでも多くし得る方法やツールとしても役立ち得る。
【0040】
例えば、美術館やギャラリー等で絵等を鑑賞するとき、鑑賞者は、絵等が表現しようとするところを掴み取り、その絵等の良さを味わいながら鑑賞する。しかし、絵等を鑑賞することが、その鑑賞者の日常生活や人生の向上に結びつくことは必ずしも多くない。従って、絵等の鑑賞の際、鑑賞者の日常生活や人生の向上に結びつけ得る機会を少しでも多くし得る、新たな方法やツールは、絵等の鑑賞者にとってニーズがあると考えられる。
【0041】
本発明のカードセットは、使用者の日常生活や人生を向上させるための機会を少しでも多くし得る方法やツールとしても役立ち得ることから、絵等の鑑賞の際、本発明のカードセットを視聴しつつ絵等を鑑賞する等の方法により、このようなニーズにも役立ち得る。本カードセットの第1カード及び/又は第2カードの図が、鑑賞している絵等と同じ場合には、本カードセットにより、鑑賞している絵等を見方を変えて見るという体験も行い得る。
【0042】
本カードセットに第4カードも備えられている場合は、使用者は、更に、使用者自身及び/又は使用者自身の外観に気づく機会を持ち得る。第4カードが現在の使用者自身の外観を映し出す場合には、使用者は、現在の使用者自身及び/又は使用者自身の外観に気づく機会を持ち得る。そのため、第3カードにより、使用者自身及び/又は使用者の周りの人のことに関して、思い出す、考える、及び見方を変えて再考することのうちの少なくとも一つを行う際、使用者は、使用者自身及び/又は使用者自身の外観、場合によっては、現在の使用者自身及び/又は使用者自身の外観を認識しつつ、行い得る。
【0043】
本カードセットに第5カードも備えられている場合には、使用者は、本カードセットの他のカードによりネガティブな意識や発想が生じても、それらを排除するということを強く意識する機会を持ち得る。第5カードも備えられている本発明のカードセットを使用することは、使用者が、ネガティブな意識や発想を排除する気持ちを普段から持つようになるためのトレーニングにもなり得る。
【0044】
従って、第1カード~第3カードに加え、第4カード及び/又は第5カードを併せ持つカードセットは、自分自身や自分の周りの人のことに関して見方を変えて再考する機会を少しでも多くし得る、絵等を利用した、新たな方法やツールとして、更に役立ち得る。
【0045】
プログラムの効果についても、カードセットの場合と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1]~[図5]は本発明のカードセットの第1カード~第5カードの例である。本発明のプログラムがコンピューターに表示又は投影を実行させ得る第1画面~第5画面の例でもある。
図1】第1カード又は第1画面の例である。
図2】第2カード又は第2画面の例である。
図3】第3カード又は第3画面の例である。
図4】第4カード又は第4画面の例である。
図5】第5カード又は第5画面の例である。
図6】本発明のカードセットである。本発明のプログラムがコンピューターに表示又は投影を実行させ得る画面セットでもある。
図7】本発明のプログラムの使用方法のフローチャートの例である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
〈本発明のカードセットを実施するための形態〉
【0048】
以下に、本発明のカードセットを実施するための形態について記す。
【0049】
以下の記載のうち、後述の〈本発明のプログラムを実施するための形態〉についても内容が同じ場合は、その旨をその箇所に記す。
【0050】
[第1カード~第5カード]
【0051】
第1カードは、図が描かれたカードである。
【0052】
詳述すると、第1カードは、図が描かれるか、印刷されるか、貼付されるか、又は画像若しくは動画として投影されたカードである。
【0053】
図の詳細については、図は、例えば、絵、図形、写真等があり得るが、視覚的な情報を表現するものとして一般的なレベルで認識できるものであれば、特段の制限はない。この定義を逸脱しない範囲内において、自由自在な図が作製され得る。
【0054】
後述の〈本発明のプログラムを実施するための形態〉の第1画面の場合も、上記の、「図の詳細について」の記載の通りである。
【0055】
図が描かれるか、印刷されるか、貼付されるか、又は画像若しくは動画として投影されるということについては、以下の通りである。前述のように、図には、絵、図形、又は写真等があり得るが、例えば、写真は、上記のうち、少なくとも、印刷、貼付、又は画像若しくは動画として投影することは行える。動画については、例えば、写真全体を動かし得る。絵や図形は、描く、印刷する、貼付する、画像又は動画として投影することのいずれも行える。動画については、例えば、絵や図形に動きを付与し得る。このように、それぞれの図に可能な範囲で、図が描かれるか、印刷されるか、貼付されるか、又は画像若しくは動画として投影される。貼付については、図が描かれるか、印刷されるか、又は画像若しくは動画として投影された物が貼付される。いずれの場合も音声が出力されることもある。第2カードについても同じである。
【0056】
上記のうち、「動画について」の記載及び「音声」の記載に関しては、後述の〈本発明のプログラムを実施するための形態〉の第1画面、第2画面の場合も、上記の記載の通りである。
【0057】
第2カードは、第1カードの図の全体又は一部における形状は保持されているが、見え方が変わった図が描かれたカードである。
【0058】
詳述すると、第2カードは、第1カードの図の全体又は一部における形状は保持されているが、見え方が変わった図が描かれるか、印刷されるか、貼付されるか、又は画像若しくは動画として投影されたカードである。
【0059】
第2カードは第1カードを裏返した面に備えられる場合もある。
【0060】
第2カードにおいて、第1カードの図の全体又は一部における形状は保持されているが、見え方が変わるようにする方法については以下の通りである。
【0061】
後述の〈本発明のプログラムを実施するための形態〉の第2画面の場合も、以下に記載の通りである。カードは画面と読み替える。
【0062】
第1カードの図の全体又は一部における形状が保持されているとは、第1カードの図の全体又は一部の形状と同じ形状が第2カードに存在するということである。
【0063】
保持する形状については、その形状に明瞭な境界線がない場合であっても、色や色の濃淡の連続性等により、保持する形状の箇所を決めることも行い得る。
【0064】
保持した形状の見え方が変わるようにする方法としては、保持した形状自体について、例えば、反転、回転、拡大、縮小、色の変更、移動等のうちの少なくとも一つを行い、保持した形状自体の見え方が変わるようにする方法、及び/又は図中の保持した形状以外の箇所について自由自在な変更を行うことにより、保持した形状の見え方が変わるようにする方法があり得るが、保持した形状の見え方が変わるようにする方法に特段の制限はない。
【0065】
第1カードと第2カードの図の形態については、例えば、第1カードの図が絵で、それに対応する第2カードの図が写真の場合等、それぞれのカードで図の形態が異なることもあり得る。
【0066】
以上、第2カードにおいて、第1カードの図の全体又は一部における形状は保持されているが、見え方が変わるようにする方法について記した。
【0067】
前述のように、後述の〈本発明のプログラムを実施するための形態〉の第2画面の場合も、以上に記載の通りである。カードは画面と読み替える。
【0068】
第3カードは、使用者自身及び/又は使用者の周りの人の、出来事、状況、行動、現状、予定、計画、課題、目的、意義、目標、気持ち、気分、感情、及び感覚のうちの少なくとも一つについて、思い出す、考える、及び見方を変えて再考することのうちの少なくとも一つを行うように使用者を導く言葉が記載されたカードである。
【0069】
詳述すると、第3カードは、上記の言葉が、文字として記載されるか、印刷されるか、貼付されるか、又は文字若しくは動画として投影されたカードである。
【0070】
言葉が、文字として記載されるか、印刷されるか、貼付されるか、又は文字若しくは動画として投影されるということのうち、貼付については、言葉が文字として記載、印刷、又は文字若しくは動画として投影された物が貼付される。動画については、例えば、文字に動きを付与し得る。いずれの場合も音声が出力されることもある。言葉が音声としてのみ出力されることもある。第5カードについても同じである。
【0071】
上記のうち、「動画について」の記載及び「音声」の記載に関しては、後述の〈本発明のプログラムを実施するための形態〉の第3画面、第5画面の場合も、上記の記載の通りである。
【0072】
思い出す、考える、及び見方を変えて再考することのうちの少なくとも一つを行う対象の詳細は、以下の通りである。
【0073】
後述の〈本発明のプログラムを実施するための形態〉の第3画面の場合も、以下に記載の通りである。カードは画面と読み替える。
【0074】
第3カードについては、出来事、状況、行動、現状、予定、計画、課題、目的、意義、目標、気持ち、気分、感情、及び感覚が、思い出す、考える、及び見方を変えて再考することのうちの少なくとも一つを行う対象であるが、[背景技術]の項で記した、認知療法、認知行動療法におけるコラム表の項目である、出来事、状況、気分、自動思考、根拠、反証、バランス思考・プラン、及び心の変化も、思い出す、考える、及び見方を変えて再考することのうちの少なくとも一つを行うことの対象の範疇である。なお、第3カードにおける、出来事、状況については、不快な感情を伴う出来事、状況には限定されない。
【0075】
第3カードの言葉については、好ましくは、その人の日常生活や人生の向上に繋がり得る言葉、更に好ましくは、[背景技術]の項で記した、こころの健康の維持、改善、又は向上、及び/又はWHO憲章に定義されている健康の維持、改善、又は向上に繋がり得る言葉である。
【0076】
例えば、情緒的健康(自分の感情に気づいて表現できること)、知的健康(状況に応じて適切に考え、現実的な問題解決ができること)、社会的健康(他人や社会と建設的でよい関係を築けること)、人間的健康(人生の目的や意義を見出し、主体的に人生を選択すること)、生活の質の維持・改善・向上、のうちの少なくとも一つに繋がり得る言葉である。
【0077】
また、例えば、日常生活や習慣の維持・改善・向上、行動科学に基づいたセルフケアの推進、こころの病気への早期対応、休養への対応、ストレスへの対応、睡眠への対応、こころの病気への対応、のうちの少なくとも一つに繋がり得る言葉である。
【0078】
以上、思い出す、考える、及び見方を変えて再考することのうちの少なくとも一つを行う対象の詳細について記した。なお、第3カードの、使用者を導く言葉については、第3カードの定義を逸脱しない範囲内において、自由自在な言葉が用いられ得る。
【0079】
後述の〈本発明のプログラムを実施するための形態〉の第3画面の場合も、以上に記載の通りである。カードは画面と読み替える。
【0080】
第4カードは、使用者自身の外観を映し出せる物であるか、使用者自身の外観を映し出せる物が印刷されるか若しくは貼付されたカードであるか、又は使用者自身の外観を映した画像若しくは動画が投影されるカードである。
【0081】
使用者自身の外観を映し出せる物は、例えば、鏡等であるが、鏡に限定されることはなく、使用者自身の外観を映し出せる物であればよい。
【0082】
第5カードは、ネガティブな意識や発想を排除することに関する言葉が記載されたカードである。
【0083】
詳述すると、第5カードは、上記の言葉が、文字として記載されるか、印刷されるか、貼付されるか、又は文字若しくは動画として投影されたカードである。
【0084】
第5カードの内容の詳細については、本カードセットでは、ネガティブな気持ちや周囲を傷つけようとする気持ち等にならないような内容の第1カード~第4カードの作製が目指されるが、ネガティブな意識や発想が生じる場合もあり得る。第5カードは、目立つように、独立した一つのカードとして作製されたカードである。ネガティブな意識や発想を排除することに関する言葉とは、例えば、ストレスに感じることや人に迷惑をかけるようなことが思い浮かんだ時は、意識的にそれらを排除するように導く言葉など、一般的に認識できるレベルで、様々なネガティブな意識や発想を排除するように導く言葉であり、第5カードの定義を逸脱しない範囲内において、自由自在な言葉が用いられ得る。
【0085】
後述の〈本発明のプログラムを実施するための形態〉の第5画面の場合も、上記の「第5カードの内容の詳細について」の記載の通りである。カードは画面と読み替える。
【0086】
なお、第1カード、第2カードに言葉、第3カード、第5カードに図、第4カードに言葉及び/又は図が混在している場合もある。後述の〈本発明のプログラムを実施するための形態〉の各画面についても同じである。
【0087】
以上に、第1カード~第5カードについて記したが、本カードセットには、使用者が自由に、図を描くことも言葉を記載することも音声を出力することも行い得る、図も言葉も音声もないカードが備えられる場合もある。図を描く、言葉を記載することの詳細については、前述の通りである。
【0088】
以下、[第1カード~第5カードの例]、[カードセットの種類]、[各カードセットにおける、第1カード~第5カード中のカードの枚数]、及び[新規カード及び新規カードセットの提供方法]について記す。
【0089】
後述の〈本発明のプログラムを実施するための形態〉の場合も、以下の記載の通りである。カードは画面と読み替える。
【0090】
[第1カード~第5カードの例]
【0091】
図1図5は、第1カード~第5カードの例を示す。
【0092】
本例では、第1カード~第5カードであることが、カードの左上に1~5という数字で示されているが、第1カード~第5カードの区別の有無又は区別の方法についての特段の制限はない。
【0093】
第1カード101、102は、第1カードの例である。
【0094】
第2カード201~208は、第2カードの例である。
【0095】
第2カード201~208のうち、第2カード201~204は、第1カードの図の全体における形状は保持されているが、見え方が変わった図のカードの例である。
【0096】
第2カード201は、第1カード101の図全体の形状を保持し、左右に反転した例、第2カード202は、第1カード101の図全体の形状を保持し、上下に反転した例、第2カード203は、第1カード101の図全体の形状を保持し、図の一部の色を変更すると共に、図全体を縮小、移動した例、第2カード204は、第1カード102の図全体の形状を保持し、左右に反転した例である。
【0097】
第2カード205~208は、第1カードの図の一部における形状は保持されているが、見え方が変わった図のカードの例である。
【0098】
第2カード205は、第1カード101の図中の形状103を保持し、形状103以外の箇所を変更した例、第2カード206は、第1カード101の図中の形状103を保持し、形状103を左右に反転し拡大すると共に、形状103以外の箇所を変更した例である。また、第2カード207は、第1カード102の図中の形状104を保持し、形状104を左右に反転すると共に、形状104以外の箇所を変更した例、第2カード208は、第1カード102の図中の形状104を保持し、形状104の一部の色を変更すると共に、形状104以外の箇所を変更した例である。
【0099】
なお、元になった第1カードの図の一部が、第2カードではカード枠をはみ出して見えない場合もあり得る。
【0100】
第3カード301~306は、第3カードの例である。
【0101】
第3カード301は、例えば、「使用者自身」の「出来事」を「思い出す」ように使用者を導く言葉の例であり、日常生活や習慣の維持・改善・向上等に繋がり得る。第3カード302は、例えば、「使用者自身」の「出来事」、「気持ち」を「思い出す」ように使用者を導く言葉の例であり、情緒的健康、ストレスへの対応等に繋がり得る。第3カード303は、例えば、「使用者自身」の「目的」を「見方を変えて再考する」ように使用者を導く言葉の例であり、人間的健康等に繋がり得る。第3カード304は、例えば、「使用者自身」の「予定」や「計画」を「思い出す」ように使用者を導く言葉の例であり、日常生活や習慣の維持・改善・向上等に繋がり得る。第3カード305は、例えば、「使用者自身」の「計画」や「目標」について「考える」ように使用者を導く言葉の例であり、ストレスへの対応等に繋がり得る。第3カード306は、例えば、「使用者の周りの人」の「気持ち」や「感情」について「考える」ように使用者を導く言葉の例であり、社会的健康等に繋がり得る。
【0102】
第4カード401、402は、第4カードの例である。
【0103】
第4カード401、402中の403は、使用者自身の外観を映し出す箇所の例である。この例では、第4カード401、402の一部の箇所に使用者自身の外観を映し出す。その箇所の形状について特段の制限はない。
【0104】
第5カード501は、第5カードの例である。
【0105】
[カードセットの種類]
【0106】
図6は、本発明のカードセット601~604を示す。
【0107】
カードセット601は3つのカード(第1カード、第2カード、第3カード)、カードセット602は4つのカード(第1カード、第2カード、第3カード、第4カード)、カードセット603は4つのカード(第1カード、第2カード、第3カード、第5カード)、カードセット604は5つのカード(第1カード、第2カード、第3カード、第4カード、第5カード)を備える。
【0108】
[各カードセットにおける、第1カード~第5カード中のカードの枚数]
【0109】
第1カード~第5カード中のカードの枚数については、カードセット601~604のいずれにおいても、それぞれ、1枚又は複数枚である。それ以外は、第1カード~第5カード中のカードの枚数に特段の制限はない。即ち、例えば、カードセット601には、第1カード、第2カード、第3カードが備えられているが、第1カード、第2カード、及び第3カード中のカードの枚数は、それぞれ、1枚又は複数枚であり、それ以外は、第1カード、第2カード、及び第3カード中のカードの枚数に特段の制限はない。また、第1カード~第5カードのいずれにおいても、同じカードが複数枚備えられていることもある。
【0110】
[新規カード及び新規カードセットの提供方法]
【0111】
第1カード~第5カードのいずれにおいても、第1カード~第5カードにおけるカードの定義を逸脱しない範囲内において、自由自在にカードが作製され得る。新たに作製された第1カード~第5カードのカードは、適宜組み合わされ、新たなカードセット601~604として提供され得る。
【0112】
その他、第1カード~第5カードとしてそれぞれ新たに作製された個別のカードが、第1カード~第5カードを提供する場所に入れられ、その場所から、使用者が必要なカードを入手するという提供方法もあり得る。例えば、カードセット601用の提供場所の場合は、第1カード、第2カード、及び第3カードを提供する3つの場所があり、第1カード、第2カード、又は第3カードとして作製されたカードが、それぞれの場所に入れられるという提供方法である。
【0113】
以上、[第1カード~第5カードの例]~[新規カード及び新規カードセットの提供方法]の項について記した。
【0114】
前述のように、後述の〈本発明のプログラムを実施するための形態〉の場合も、以上の記載の通りである。カードは画面と読み替える。
【0115】
[カードセットの使用方法]
【0116】
カードセット601~604共に、カードセットの使用方法については、使用者は、例えば、カードを1枚ずつ視聴する、複数枚を同時に視聴する、第1カード~第5カードの順に視聴する、ランダムに視聴する等、特段の制限なく、自由自在な方法でカードセットを使用し得る。前述のカードの提供場所や他のカードセットからの新しいカードの入手、不要なカードの削除も行い得る。図も言葉も音声もないカードの自由自在な使用も行い得る。
【0117】
カードセット601~604は手元で使用する他に、いずれのカードセットにおいても、少なくとも一部のカードが掲示される場合もあり得る。なお、本発明のカードセットのカードは手に持てる大きさや薄さを持った物に限定されるものではなく、大きさや厚さや形状や材質に特段の制限はない。また、カードの大きさや厚さや形状や材質が揃っている必要もない。
【0118】
[本カードセットの使用により使用者が得られる機会]
カードセット601~604のいずれのカードセットにおいても、第1カード~第3カードが備えられている。そのため、使用者は、いずれのカードセットにおいても、同一カードセット内で、第1カード及び第2カードにより、見方が変わると見え方が変わるということを体験する機会、並びに第3カードにより、使用者自身及び/又は使用者の周りの人のことに関して、思い出す、考える、及び見方を変えて再考することのうちの少なくとも一つを行う機会を得られる。
【0119】
カードセット602には、更に第4カードも備えられていることから、使用者は、第4カードで使用者自身の外観を見ることにより、使用者自身及び/又は使用者自身の外観に気づく機会も得られる。カードセット603には、第5カードも備えられていることから、使用者は、第5カードにより、ネガティブな意識や発想が生じても排除するということを強く意識する機会も得られる。カードセット604には、第1カード~第5カードが備えられていることから、使用者は、第1カード~第5カードによる、上記のすべての機会を得られる。
【0120】
後述の〈本発明のプログラムを実施するための形態〉の場合も、この[本カードセットの使用により使用者が得られる機会]の項の記載の通りである。カードは画面と読み替える。
【0121】
[その他]
【0122】
カードセットは、本であっても良い。本の各頁又はカードセットの各カードが1枚に描かれるか、印刷されるか、貼付されるか、又は画像若しくは動画として投影されていても良い。
【0123】
〈本発明のプログラムを実施するための形態〉
【0124】
本発明のプログラムでは、本発明のカードセットの第1カード~第5カードに相当する第1画面~第5画面、及びカードセット601~604に相当する画面セットの表示又は投影をコンピューターに実行させ得るプログラムを提供する。
【0125】
前述の〈本発明のカードセットを実施するための形態〉の項において、内容が〈本発明のプログラムを実施するための形態〉についても同じ場合は、その旨をその箇所に記した。本項では、前述の〈本発明のカードセットを実施するための形態〉と異なる内容について記す。
【0126】
[第1画面~第5画面]
【0127】
本発明のプログラムにおいて、コンピューターにより表示又は投影が実行され得る第1画面~第5画面は以下の通りである。
【0128】
第1画面は、図が画像又は動画として表示又は投影された画面である。
【0129】
第2画面は、第1画面の図の全体又は一部における形状は保持されているが、見え方が変わった図が、画像又は動画として表示又は投影された画面である。
【0130】
第3画面は、使用者自身及び/又は使用者の周りの人の、出来事、状況、行動、現状、予定、計画、課題、目的、意義、目標、気持ち、気分、感情、及び感覚のうちの少なくとも一つについて、思い出す、考える、及び見方を変えて再考することのうちの少なくとも一つを行うように使用者を導く言葉が、文字又は動画として表示又は投影された画面である。
【0131】
第4画面は、使用者自身の外観を映した画像又は動画が、表示又は投影される画面である。
【0132】
第5画面は、ネガティブな意識や発想を排除することに関する言葉が、文字又は動画として表示又は投影された画面である。
【0133】
[プログラムの使用方法]
【0134】
画面セット601~604共に、プログラムの使用方法については、使用者は、設定の可能な範囲で、自由自在な方法で使用し得る。
【0135】
画面が表示又は投影される場所については、例えば、パソコン、スマートフォン、ウェアラブル末端等のディスプレイ、プロジェクターによる投影場所、仮想空間、仮想現実、拡張現実などがあり得るが、特段の制限はなく、可能な技術の範囲で自由自在な方法の場所が用いられ得る。前述のように、カード上に投影されることもあり得る。
【0136】
図7は、本発明のプログラムの使用方法のフローチャートの例を示す。
【0137】
プログラムの使用方法は、先ず、コンピューターに、画面の整理を実行させるプログラムにより、可能な技術の範囲で画面の整理を行い得る(ステップ701)。例えば、以下の画面の整理を行える場合がある。画面セット601~604のうち、画面を整理する画面セット中の画面一覧を表示又は投影させ、画面の整理を行い得る。例えば、任意の画面について、画面の順序の入れ替え、前述の画面の提供場所や他の画面セットからの新しい画面の入手、不要な画面の削除、画面の複写、反転、回転、拡大、縮小、色の変更等を行い得る。また、図も言葉も音声もない画面に、自由自在に図や言葉を入力し、画像、文字、又は動画として表示又は投影を行い得る場合もある。音声も出力し得る。
【0138】
次に、コンピューターに視聴条件の設定を実行させるプログラムにより、可能な技術の範囲で視聴条件の設定を行い得る(ステップ702)。視聴条件の設定としては、例えば、以下の視聴条件の設定を行える場合がある。視聴する画面セットにおける、表示又は投影する画面の順序の設定(第1画面~第5画面の順序、第1画面~第5画面中の画面の順序、ランダムな順序の設定等)、表示又は投影する画面の設定(画面の大きさ、画面の数、画面の位置の設定等)、次の画面への移動方法の設定(手動、自動の設定等。自動の場合は、次の画面に移動するまでの時間、移動の方法の設定等)、音声出力の設定等、一般的な視聴条件の設定を行い得る。第4画面では、使用者自身の外観を映して表示又は投影する箇所の形状の設定も行い得る。
【0139】
次に、コンピューターに、視聴画面の表示又は投影を実行させるプログラムにより、視聴する画面セットの各画面を、ステップ702で設定した視聴条件で視聴し得る(ステップ703)。
【0140】
なお、使用者は、例えば、以下の編集を行える場合がある。画面中の画像全体又は画像の一部について、形状を保持する箇所及び/若しくは形状を保持する以外の箇所の設定、並びに、例えば、反転、回転、拡大、縮小、色の変更、移動等のうちの少なくとも一つの編集、並びに、形状を保持する以外の箇所における可能な技術の範囲での自由自在な編集を行い得る。言葉の編集や入力、音声の編集や入力も行い得る。
【0141】
以上、本発明の実施形態について記したが、本実施形態はいずれも例示であり、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で、自由自在な実施形態を取り得る。
【産業上の利用可能性】
【0142】
本発明のカードセットは、第1カード及び第2カードという図を描いた2種のカードによる、見方が変わると見え方が変わるということを体験する機会と、第3カードによる、使用者自身及び/又は使用者の周りの人のことに関して、思い出す、考える、及び見方を変えて再考することのうちの少なくとも一つを行う機会を、使用者が併せ持ち得るカードセットである。カードセットによっては更に、使用者自身の外観を映し出せる第4カード、及び/又はネガティブな意識や発想を排除するための第5カードも備える。
【0143】
このようなカードセットは他になく、本カードセットは、日常生活や人生の向上を求める人等にとって、自分自身や自分の周りの人のことに関して見方を変えて再考する機会を少しでも多くし得る、絵等を利用した、新たな方法やツールとして、また、使用者の日常生活や人生を向上させるための機会を少しでも多くし得る、新たな方法やツールとして、役立ち得る。本発明のプログラムについても同じである。従って、本発明のカードセット及びプログラムは、産業上の利用可能性は高い。
【符号の説明】
【0144】
101~501 第1カード~第5カードの例、又は第1画面~第5画面の例
101、102 第1カードの例、又は第1画面の例
103、104 第2カード205~208において、第1カードの図の一部の形状を保持する箇所の例、又は第2画面205~208において、第1画面の図の一部の形状を保持する箇所の例
201~204 第1カードの図の全体における形状は保持されているが、見え方が変わった図が描かれた第2カードの例、又は第1画面の図の全体における形状は保持されているが、見え方が変わった図が、画像若しくは動画として表示若しくは投影された第2面面の例
205~208 第1カードの図の一部における形状は保持されているが、見え方が変わった図が描かれた第2カードの例、又は第1画面の図の一部における形状は保持されているが、見え方が変わった図が、画像若しくは動画として表示若しくは投影された第2画面の例
301~306 第3カードの例、又は第3画面の例
401、402 第4カードの例、又は第4画面の例
403 第4カード401、402の一部に使用者自身の外観を映し出す箇所の例、又は第4画面401、402の一部に使用者自身の外観を映し出す箇所の例
501 第5カードの例、又は第5画面の例
601~604 カードセット又は画面セット
701~703 プログラムの使用方法のフローチャート例における各ステップ


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7