(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】線状部材収容器具及び照明器具
(51)【国際特許分類】
F21V 21/16 20060101AFI20240621BHJP
F21V 21/008 20060101ALI20240621BHJP
F21S 8/06 20060101ALI20240621BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240621BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20240621BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20240621BHJP
【FI】
F21V21/16
F21V21/008
F21V21/16 310
F21V21/16 330
F21V21/16 100
F21S8/06 100
F21Y115:10 300
F21Y115:10 500
F21Y115:15
F21Y115:30
(21)【出願番号】P 2020130203
(22)【出願日】2020-07-31
【審査請求日】2023-07-03
(73)【特許権者】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】片山 照夫
(72)【発明者】
【氏名】塚原 康晴
(72)【発明者】
【氏名】石川 孝
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】実開昭52-073974(JP,U)
【文献】実開昭54-122673(JP,U)
【文献】韓国登録実用新案第20-0442102(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 21/16
F21V 21/008
F21S 8/06
F21Y 115/10
F21Y 115/15
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
灯具の内部に位置することの可能なケースと、
取付面に取り付けられることの可能な線状部材の一部が前記ケースの内部に押し込まれることを許容し、前記ケースに前記線状部材の前記一部が押し込まれた後に前記線状部材の前記一部が前記ケースの内部から引き出されることを規制する規制部と
を備え
、
前記ケースは、前記ケースが延びる第1方向に互いに対向する第1壁部と第2壁部とを含み、
前記第1方向に交差する第2方向に沿った前記ケースの幅は、前記第2壁部から前記第1壁部に向かって狭まる、線状部材収容器具。
【請求項2】
前記ケースの内側に配置されるガイド部をさらに備え、
前記ケースは、前記規制部を通って前記ケースに押し込まれた前記線状部材の前記一部を収容する収容空間を有し、
前記ガイド部は、前記収容空間に前記線状部材の前記一部をガイドする、請求項
1に記載の線状部材収容器具。
【請求項3】
請求項1
または請求項2に記載の線状部材収容器具と、
前記灯具と、
前記線状部材と
を備える、照明器具。
【請求項4】
前記灯具は、前記線状部材収容器具が配置される筐体を備え、
前記筐体は、前記線状部材が前記取付面に取り付けられる状態において、前記取付面に対向して第1方向に延びるベース部を含み、
前記ベース部は、前記線状部材収容器具の前記規制部が挿通される貫通孔を有し、
前記貫通孔は、前記第1方向に交差する第2方向に延びる、請求項
3に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線状部材収容器具及び照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された吊下げ式照明器具は、筐体と、天井から吊下げられる線状材と、線状材の下端に連結される球状の係止部材とを備える。天井と対向する筐体の壁面には、係止部材よりも小さい円状の線状材挿通孔が設けられている。天井から吊下げられた線状材の係止部材を線状材挿通孔に係止することで、吊下げ式照明器具を天井から吊下げた状態にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された吊下げ式照明器具では、吊下げ式照明器具の高さ位置を調整する場合、例えば、天井側で線状材の長さを調整する。従って、天井の高さ、作業者の身長、又は、作業者が使用する踏み台(例えば脚立)の高さのような吊下げ式照明器具の周囲環境によっては、吊下げ式照明器具の取り付けが困難である可能性がある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、照明器具の取り付けの困難性を軽減できる線状部材収容器具及び照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する線状部材収容器具は、ケースと、規制部とを備える。ケースは、灯具の内部に位置することが可能である。規制部は、取付面に取り付けられることの可能な線状部材の一部が前記ケースの内部に押し込まれることを許容し、前記ケースに前記線状部材の前記一部が押し込まれた後に前記線状部材の前記一部が前記ケースの内部から引き出されることを規制する。
【0007】
本願に開示する線状部材収容器具において、前記ケースは、前記ケースが延びる第1方向に互いに対向する第1壁部と第2壁部とを含むことが好ましい。前記第1方向に交差する第2方向に沿った前記ケースの幅は、前記第2壁部から前記第1壁部に向かって狭まることが好ましい。
【0008】
本願に開示する線状部材収容器具は、ガイド部をさらに備えることが好ましい。ガイド部は、前記ケースの内側に配置されることが好ましい。前記ケースは、前記規制部を通って前記ケースに押し込まれた前記線状部材の前記一部を収容する収容空間を有することが好ましい。前記ガイド部は、前記収容空間に前記線状部材の前記一部をガイドすることが好ましい。
【0009】
本願に開示する照明器具は、上記線状部材収容器具と、前記灯具と、前記線状部材とを備える。
【0010】
本願に開示する照明器具において、前記灯具は、筐体を備えることが好ましい。筐体には、前記線状部材収容器具が配置されることが好ましい。前記筐体は、貫通孔を有することが好ましい。貫通孔には、前記線状部材収容器具の前記規制部が挿通されることが好ましい。前記貫通孔は、前記ベース部が延びる第1方向に交差する第2方向に延びることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、照明器具の取り付けの困難性を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態1に係る照明器具を示す側面図である。
【
図2】実施形態1に係る照明器具の一部を示す分解斜視図である。
【
図3】実施形態1に係る線状部材収容器具を示す斜視図である。
【
図4】実施形態1に係る線状部材収容器具を示す分解斜視図である。
【
図5】
図3のV-V線に沿った照明器具の断面図である。
【
図6】本発明の実施形態2に係る照明器具を示す斜視図である。
【
図7】実施形態2に係る照明器具の取付部材を示す斜視図である。
【
図8】
図6のVIII-VIII線に沿った照明器具の断面図である。
【
図9】(a)は、構造物の埋込穴に挿入される前の照明器具を示す図である。(b)は、
図9(a)に示す照明器具を第1方向から見た図である。
【
図10】(a)は、構造物の埋込穴に挿入されて取付部材が第1の姿勢に維持された照明器具1を示す図である。(b)は、
図10(a)に示す照明器具を第1方向から見た図である。
【
図11】(a)は、構造物の埋込穴に挿入されて取付部材が第2の姿勢に維持された照明器具を示す図である。(b)は、
図11(a)に示す照明器具を第1方向から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。なお、本願明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するX方向、Y方向及びZ方向を参照して説明することがある。例えば、X方向及びY方向は水平方向に平行であり、Z方向は鉛直方向に平行である。ただし、X方向及びY方向は水平方向以外の方向に平行であってもよく、Z方向は鉛直方向以外の方向に平行であってもよい。以下、実施形態1において、照明器具1が取付面Waに取り付けられている状態では、例えば、第1方向D1はY方向に平行であり、第2方向D2はX方向に平行であり、第3方向D3はZ方向に平行である。すなわち、実施形態1において、第1方向D1、第2方向D2、及び第3方向D3は、例えば、互いに交差する。より具体的には、実施形態1において、第1方向D1、第2方向D2、及び第3方向D3は、例えば、互いに直交する。
【0014】
まず、
図1及び
図2を参照して、実施形態1の照明器具1について説明する。
図1は、実施形態1に係る照明器具1を示す側面図である。
図2は、実施形態1に係る照明器具1の一部を示す分解斜視図である。
【0015】
図1に示すように、実施形態1の照明器具1は、例えば、天井面、壁面、又は床面のような取付面Waに取り付けられることが可能である。天井面は、斜め天井面であってもよい。照明器具1は、例えば、取付面Waに吊り下げられて取り付けられることが可能である。
【0016】
照明器具1は、線状部材収容器具10と、線状部材20と、灯具30とを備える。具体的には、実施形態1において、照明器具1は、2つの線状部材収容器具10と、2つの線状部材20と、1つの灯具30とを備える。2つの線状部材収容器具10は、それぞれ、2つの線状部材20の一部を収容する。2つの線状部材収容器具10のうちの一方の線状部材収容器具10から、2つの線状部材収容器具10のうちの他方の線状部材収容器具10に向かう方向は、第1方向D1に略平行である。
【0017】
線状部材20は、例えば、ワイヤである。線状部材20の材料は、例えば金属である。線状部材20は、取付面Waに取り付けられることが可能である。
【0018】
実施形態1において、照明器具1は、例えば取付部材21をさらに備える。取付部材21は、例えばネジのような固定具(不図示)によって、取付面Waに固定される。取付部材21の材料は、例えば金属である。取付部材21には、線状部材20の一方端が装着されている。つまり、実施形態1において、線状部材20は、取付部材21を介して取付面Waに取り付けられる。なお、照明器具1は、取付部材21を備えなくてもよい。この場合、線状部材20は、取付面Waに直接取り付けられる。
【0019】
線状部材収容器具10は、線状部材20の一部を収容する。例えば、線状部材収容器具10は、線状部材20のうち、取付面Waに取り付けられる線状部材20の一方端と反対の他方端を収容する。実施形態1において、線状部材収容器具10は、ケース11と、規制部15とを備える。
【0020】
ケース11の材料は、例えば樹脂である。ケース11は、灯具30の内部に位置することが可能である。例えば、灯具30が取付面Waに吊り下げられる状態において、ケース11は、灯具30の内部に位置する。
【0021】
規制部15は、例えばワイヤーストッパーである。規制部15は、線状部材20の一部がケース11の内部に押し込まれることを許容し、ケース11に線状部材20の一部が押し込まれた後に、ケース11に押し込まれた線状部材20の一部がケース11の内部から引き出されることを規制する。例えば、作業者は、線状部材20の一部をケース11に押し込むことによって、ケース11から露出された線状部材20の長さを短くするように、線状部材20の長さを調整する。ケース11に押し込まれた線状部材20の一部がケース11の内部から引き出されることを規制部15が規制しているため、ケース11から露出された線状部材20の長さが決定される。従って、取付面Wa付近で線状部材20の長さを調整する場合よりも、低い位置で線状部材20の長さを調整できるため、例えば、天井の高さ、作業者の身長、又は、作業者が使用する踏み台(例えば脚立)の高さのような照明器具1の周囲環境によっては、線状部材20の長さの調整の困難性を軽減できる。その結果、照明器具1の取り付けの困難性を軽減できる。
【0022】
規制部15は、実施形態1において、例えば、規制部15の一部がケース11の内部に位置し、規制部15の他の一部がケース11から露出している。なお、規制部15は、規制部15の全てがケース11の内部に位置していてもよいし、規制部15の全てがケース11から露出していてもよい。従って、取付面Wa付近で線状部材20の長さを調整する場合よりも、より低い位置で線状部材20の長さを調整できる。その結果、照明器具1の取り付けの困難性を軽減できる。
【0023】
灯具30は、光を出射する。実施形態1において、灯具30は、例えば略直方体形状を有する。具体的には、実施形態1において、灯具30は、例えば第1方向D1に長い略直方体形状を有する。実施形態1に係る灯具30は、線状部材20によって取付面Waから吊り下げられる。
【0024】
灯具30は、光源5と、ナット40と、筐体50と、カバー60と、電源装置70と、フレーム部材80と、取付金具90と、端子台95とを備える。具体的には、灯具30は、光源5と、2つのナット40と、筐体50と、カバー60と、電源装置70と、フレーム部材80と、2つの取付金具90と、端子台95とを備える。なお、
図2では、照明器具1の一部のみが示されているため、2つの取付金具90のうちの一方の取付金具90のみが表れている。また、灯具30は、2つの端子台95を備えていてもよい。
【0025】
光源5は、例えば、基板5aと、発光素子5bとを含む。
【0026】
基板5aは、実施形態1において、略矩形形状を有する。具体的には、実施形態1において、基板5aは、第1方向D1に長い略矩形形状を有する。すなわち、基板5aは、第1方向D1に沿って延びる。また、実施形態1において、基板5aは、略平板形状を有する。基板5aには、発光素子5bに電力を供給するための配線が形成されている。
【0027】
発光素子5bは、光を出射する。発光素子5bは、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)である。発光素子5bは1つであってもよく、複数であってもよい。実施形態1において、光源5は、複数の発光素子5bを含む。あるいは、発光素子5bは、有機EL(Electro-Luminescence)素子またはレーザーダイオードを含んでもよい。発光素子5bは、基板5aに配置される。具体的には、発光素子5bは、基板5aの実装面に取り付けられている。すなわち、発光素子5bは、基板5aに実装される。
【0028】
実施形態1において、複数の発光素子5bは、第1方向D1に沿って1列に並ぶように配置される。但し、複数の発光素子5bの配列は1列に限定されない。複数の発光素子5bは、第1方向D1に沿って2列以上に並んでもよいし、千鳥状に並んでもよい。
【0029】
光源5は、複数の発光素子5bを基板5aの実装面上に載置して蛍光体で封止したCOB(Chip on Board)構造であってもよい。あるいは、光源5は、発光素子5bと蛍光体とを一体化したユニットを基板5aの実装面上に載置して基板5aの導電体に電気的に接続したSMD(Surface Mount Device)構造であってもよい。あるいは、光源5は、いわゆる砲弾型の発光素子5bから構成されてもよい。砲弾型の発光素子5bから光源5が構成される場合、光源5は、基板5aを含んでもよいし、基板5aを含まなくてもよい。
【0030】
筐体50は、実施形態1において、例えば、第1方向D1に沿って延びる略直方体形状を有する。また、筐体50は、例えば、第1方向D1における両端が開放されている。筐体50は、側面視において、略U字形状を有する。具体的には、筐体50は、側面視において、角ばった略U字形状を有する。筐体50の材料は、例えば、アルミニウムなどの金属であることが好ましい。この場合、放熱性を向上できる。
【0031】
筐体50は、ベース部51と、一対の壁部52とを含む。ベース部51は、例えば第1方向D1に沿って延びる。また、ベース部51は、実施形態1において、基板5aに略平行である。灯具30が線状部材20によって取付面Waに吊り下げられる状態において、ベース部51は、取付面Waに対向する。一対の壁部52の各々は、ベース部51から第3方向D3に沿って延びる。すなわち、一対の壁部52の各々は、第2方向D2に対向する。なお、
図1及び
図2では、一対の壁部52のうちの一方の壁部52のみが図示されている。一対の壁部52のうちの他方の壁部52は、一方の壁部52に隠れているため、
図1及び
図2には表れていない。
【0032】
ベース部51は、貫通孔51a及び切欠き部51bを有する。具体的には、実施形態1において、ベース部51は、2つの貫通孔51a及び切欠き部51bを有する。換言すれば、ベース部51には、2つの貫通孔51a及び切欠き部51bが形成されている。なお、ベース部51は、2つの切欠き部51bを有していてもよい。
【0033】
貫通孔51aは、第1方向D1に交差する第2方向D2に沿って延びる。灯具30が線状部材20によって取付面Waに吊り下げられる状態において、線状部材収容器具10の規制部15は、貫通孔51aの内部に位置する。具体的には、灯具30が線状部材20によって取付面Waに吊り下げられる状態において、線状部材収容器具10の規制部15の一部は、貫通孔51aの内部に位置する。従って、規制部15は、第2方向D2に移動可能である。その結果、線状部材20の重心と、灯具30の重心とを略一致させることができ、灯具30の方向Dr1への傾きを抑制できる。換言すれば、規制部15を第2方向D2に移動可能とすることで、灯具30の方向Dr1への傾きを調整できる。
【0034】
切欠き部51bは、ベース部51の第1方向D1における端部に位置する。切欠き部51bには、外部電力線(不図示)が挿通される。外部電力線は、灯具30に接続され、灯具30に電力を供給する。具体的には、外部電力線は、電源装置70に接続されて、電源装置70に電力を供給する。なお、ベース部51が2つの切欠き部51bを有する場合には、2つの切欠き部51bは、それぞれ、ベース部51の第1方向D1における両端部に位置する。
【0035】
照明器具1は、一対のキャップ部材55をさらに備える。キャップ部材55は、例えば、エンドキャップである。一対のキャップ部材55は、それぞれ、筐体50の第1方向D1における開放された両端に取り付けられ、筐体50の両端を塞ぐ。実施形態1において、キャップ部材55の材料は、筐体50の材料と同じである。ただし、キャップ部材55の材料は、筐体50の材料と異なっていてもよい。
【0036】
カバー60は、実施形態1において、例えば、第1方向D1に長い略直方体形状を有する。また、カバー60は、例えば、第1方向D1における両端が開放されている。なお、カバー60の形状は特に限定されない。
【0037】
実施形態1において、カバー60の内部は空洞である。カバー60の内側空間には、例えば、光源5が配置される。すなわち、カバー60は、光源5を覆う。具体的には、カバー60の内面が発光素子5bの発光面に対向するように、カバー60は光源5を覆う。カバー60は、例えば、セード、又は拡散カバーである。カバー60は、透明又は半透明であり、発光素子5bが出射する光を通過させる。すなわち、カバー60は、例えば光を拡散してもよいし、拡散することなく光を透過させてもよい。カバー60を通過した光に対してユーザーが感じる眩しさ(グレア)を軽減するためには、カバー60は、例えば、乳白色又は半透明であり、カバー60を通過する光を拡散することが好ましい。この場合、カバー60は、例えば、乳白色又は半透明な材料からなる。
【0038】
照明器具1は、一対のキャップ部材65をさらに備える。キャップ部材65は、例えば、エンドキャップである。一対のキャップ部材65は、それぞれ、カバー60の第1方向D1における開放された両端に取り付けられ、カバー60の両端を塞ぐ。実施形態1において、キャップ部材65の材料は、カバー60の材料と同じである。ただし、キャップ部材65の材料は、カバー60の材料と異なっていてもよい。
【0039】
ナット40は、例えば、ローレットナットである。ナット40は、筐体50の貫通孔51aを貫通する線状部材収容器具10の規制部15に螺合される。ナット40が規制部15に螺合されることによって、例えば、ケース11の位置が固定される。具体的には、ナット40が規制部15に螺合されることによって、ケース11がベース部51の内面に当接する位置で、ケース11が固定される。実施形態1において、例えば、規制部15が第2方向D2に移動して灯具30の方向Dr1への傾きを抑制した後に、ナット40が規制部15に螺合される。その結果、灯具30の方向Dr1への傾きを抑制した状態で、灯具30の姿勢が安定する。
【0040】
実施形態1において、筐体50の内部は空洞である。一対のキャップ部材55が取り付けられた筐体50の内側空間には、例えば、フレーム部材80が配置される。
【0041】
フレーム部材80は、板形状を有する部材であり、第1方向D1に長い略矩形形状を有する。フレーム部材80には、光源5が取り付けられる。具体的には、光源5はフレーム部材80の下面に取り付けられる。光源5は、例えば接着剤によってフレーム部材80に接着されてもよいし、ネジのような締結部材によってフレーム部材80に固定されてもよい。フレーム部材80は、例えばアルミニウムのような金属製の部材であり得る。実施形態1において、フレーム部材80は金属製であり、光源5のヒートシンクとして機能する。
【0042】
さらに、フレーム部材80には、例えば、カバー60、電源装置70、取付金具90及び端子台95が取り付けられる。具体的には、フレーム部材80の上面に電源装置70、取付金具90及び端子台95が固定される。また、フレーム部材80の下面側にカバー60が固定される。すなわち、筐体50の内側空間には、例えば、電源装置70、取付金具90及び端子台95が配置される。
【0043】
電源装置70は、光源5に電力を供給する。その結果、光源5は、電源装置70から供給される電力によって光を出射する。電源装置70は、電源回路ユニットを含む。電源回路ユニットは、例えば、電源回路と点灯回路とを含む。電源回路は、商用電源からの交流電源電圧を直流電源電圧に変換して、直流電源電圧を点灯回路に供給する。そして、点灯回路は、直流電源電圧を光源5に供給する。電源回路ユニットは、マイコンのようなコントローラーを含んでいてもよい。マイコンは、例えば点灯回路を制御する。
【0044】
本実施形態において、端子台95の一方側には、切欠き部51bを挿通されて灯具30の内部に引き込まれる外部電力線(図示せず)の一端が接続される。また、端子台95の他方側には、端子台95と電源装置70とを接続する内部電力線(図示せず)が接続される。
【0045】
端子台95と電源装置70とを接続する内部電力線は、外部電力線を伝送する交流電圧を電源装置70に伝送する。
【0046】
取付金具90は、例えば弾性を有する。実施形態1において、2つの取付金具90のうちの一方は、電源装置70に対して第1方向D1における一方側に配置され、2つの取付金具90うちの他方は、電源装置70に対して第1方向D1における他方側に配置される。実施形態1において、2つの取付金具90が第3方向D3と反対の方向に筐体50の内部に押し込まれて、2つの取付金具90の弾性力によって、2つの取付金具90が筐体50の内部に係合する。その結果、取付金具90が取り付けられたフレーム部材80が筐体50に取り付けられる。よって、フレーム部材80に取り付けられるカバー60、電源装置70、及び端子台95が筐体50の内側空間に配置される。取付金具90は、筐体50に対して着脱自在である。
【0047】
次に、
図3~
図5を参照して、線状部材収容器具10について説明する。
図3は、線状部材収容器具10を示す斜視図である。
図4は、線状部材収容器具10を示す分解斜視図である。
図5は、
図3のV-V線に沿った照明器具1の断面図である。
【0048】
図3~
図5に示すように、ケース11は、第1方向D1に延びる。ケース11は、第1ケース部12及び第2ケース部13を含む。第1ケース部12及び第2ケース部13は、互いに係合する。第1ケース部12は、第3方向D3において、第2ケース部13よりも上流に位置する。すなわち、ケース11が灯具2の内部に位置する状態において、第1ケース部12は、第2ケース部13よりも筐体50のベース部51に近い。
【0049】
第1ケース部12は、第1壁12aと、第2壁12bと、第3壁12cと、第4壁12dと、ベース部12eと、突出部12fと、突出部12gとを含む。第2壁12bは、「第1壁部」の一例である。第4壁12dは、「第2壁部」の一例である。
【0050】
ベース部12eは、第1ベース部12mと第2ベース部12nとを有する。第1ベース部12mと第2ベース部12nとは、第1方向D1に隣り合う。具体的には、第1ベース部12mは、第1方向D1に第2ベース部12nに連続している。実施形態1において、第2ベース部12nは、第1ベース部12mに対して、第3方向D3と反対の方向に張り出している。第1ベース部12mは、開口12hを有する。開口12hは、略円形形状を有する。
【0051】
突出部12fと突出部12gとは、第1ベース部12mから第3方向D3と反対の方向に突出している。具体的には、突出部12fと突出部12gとの各々は、第1ベース部12mの開口12hの周縁から第3方向D3と反対の方向に突出している。突出部12f及び突出部12gは、第1方向D1に互いに対向する。突出部12f及び突出部12gは、湾曲している。具体的には、突出部12f及び突出部12gは、開口12hの縁に沿って湾曲している。
【0052】
第1壁12a、第2壁12b、第3壁12c、及び第4壁12dの各々は、ベース部12eから第3方向D3に沿って延びる。第1壁12aと第3壁12cとは第2方向D2に互いに対向する。第2壁12bと第4壁12dとは第1方向D1に互いに対向する。第1壁12a及び第3壁12cの各々は、係合部12jを有する。なお、第3壁12cが有する係合部12jは、第1壁12a及びベース部12eに隠れているため、
図3及び
図4には表れていない。
【0053】
第2壁12bは、係合孔12kを有する。実施形態1において、係合孔12kは、第2方向D2に長い略矩形形状を有する。
【0054】
ケース11は、平面視略テーパー形状を有する。具体的には、第2方向D2に沿ったケース11の幅は、第4壁12dから第2壁12bに向かって狭まる、本実施形態において、第2壁12bの第2方向D2に沿った長さL1は、第4壁12dの第2方向D2に沿った長さL2よりも短い。従って、ケース11の第2壁12b側を先に筐体50に挿入することで、筐体50の内側空間にケース11を挿入しやすい。すなわち、筐体50の内側空間に線状部材収容器具10を挿入しやすい。つまり、線状部材収容器具10を灯具2の内部に位置させやすい。その結果、照明器具1の取り付けの困難性をさらに軽減できる。
【0055】
また、第2壁12bの第2方向D2に沿った長さL1は、第4壁12dの第2方向D2に沿った長さL2よりも短いため、ケース11が筐体50の内側空間で方向Dr2に傾くことができる。その結果、灯具30が線状部材20によって取付面Waに吊り下げられる状態において、規制部15が貫通孔51aの内部で第2方向D2に移動し易くなり、灯具30の方向Dr1への傾きをより効果的に抑制できる。
【0056】
なお、第4壁12dの第2方向D2に沿った長さL2は、例えば、照明器具1の筐体50の内面に接触するような長さである。従って、ケース11の第1方向D1における第4壁12dの側が筐体50の内側に嵌る。その結果、筐体50の内側空間で、ケース11が第1方向D1に移動することが抑制され、ケース11の位置が筐体50の内側空間で安定する。
【0057】
第2ケース部13は、2つの係合部13aと、係合部13bとを含む。2つの係合部13aは、第2方向D2に互いに対向する。2つの係合部13aは、それぞれ、第1ケース部12の2つの係合部12jに係合する。また、係合部13bは、第1ケース部12の係合孔12kに挿入されて、係合孔12kに係合する。従って、第1ケース部12と第2ケース部13とが安定して係合される。
【0058】
実施形態1において、線状部材収容器具10は、例えば、補強部材14、及びナット16をさらに備える。
【0059】
補強部材14の材料は、例えば金属である。補強部材14の平面視における形状と、第1ベース部12mの平面視における形状とは、略同一である。補強部材14は、第1ベース部12mに対向する。具体的には、実施形態1において、補強部材14は、例えば第1ベース部12mに接触する。補強部材14と第2ベース部12nは、例えば、面一になり、筐体50のベース部51の内面に対向する。補強部材14は、ケース11を補強する。
【0060】
補強部材14は、開口14hを有する。開口14hは、第3方向D3に、第1ケース部12の開口12hに対向する。開口14hは、湾曲面14aと、湾曲面14cと、平面14bと、平面14dとによって構成される。湾曲面14aと、湾曲面14cとは第1方向D1に互いに対向する。また、平面14bと、平面14dとは第2方向D2に互いに対向する。
【0061】
突出部12f及び突出部12gは、補強部材14の開口14hの内部に位置する。具体的には、突出部12fは、開口14hを構成する湾曲面14aに対向する。また、突出部12gは、開口14hを構成する湾曲面14cに対向する。さらに、突出部12fの両端は、それぞれ開口14hを構成する平面14b及び平面14dに対向し、突出部12gの両端は、それぞれ平面14b及び平面14dに対向する。従って、補強部材14が第1ベース部12mに対して位置ずれしたり、傾いたりすることが抑制される。すなわち、補強部材14が第1ベース部12mに対して位置決めされる。その結果、補強部材14は、精度よくケース11を補強できる。
【0062】
規制部15は、第1筒部15aと、第2筒部15bとを含む。第1筒部15aは、第2筒部15bに連続している。第1筒部15a及び第2筒部15bの各々は、筒形状を有する。第1筒部15aの中心と第2筒部15bの中心とは、例えば、第3方向D3に互いに対向する。
図3に示すように、実施形態1において、第1筒部15aは、ケース11から露出している。また、実施形態1において、第2筒部15bの一部がケース11から露出し、第2筒部15bの他の一部がケース11に収容されている。
【0063】
第1筒部15aは、開口15hを有する。線状部材20の一部は、第1筒部15aの開口15hを通って、第1筒部15a及び第2筒部15bの各々の内側空間を進入し、ケース11が有する収容空間ASに収容される。収容空間ASについては後述する。
【0064】
第2筒部15bの内周面には、例えば、ぎざぎざした微小な凹凸が形成されている。また、実施形態1において、線状部材20の表面は、例えばざらざらしている。従って、例えば、第2筒部15bの内周面と線状部材20の表面との摩擦によって、ケース11に押し込まれた線状部材20の一部がケース11の内部から引き出されることが規制される。
【0065】
また、第2筒部15bの外周面には、ネジ溝が形成されている。ナット16は、第2筒部15bに螺合している。ナット16が第1ベース部12mの内面に接触するまでナット16を第2筒部15bに螺合させることによって、規制部15の位置が固定される。
【0066】
実施形態1において、例えば、第1筒部15aが第3方向D3に押圧されることに応じて、第1筒部15aは、第3方向D3に沿って移動する。そして、第1筒部15aが第3方向D3に沿って移動することに応じて、ケース11に押し込まれた線状部材20の一部がケース11の内部から引き出されることが許可される。従って、作業者は、ケース11から露出される線状部材20の長さを容易に調整できる。
【0067】
次に、引き続き
図4及び
図5を参照して、ケース11が有する収容空間ASと、線状部材収容器具10が備えるガイド部17とについて説明する。
【0068】
図5に示すように、ケース11は、線状部材20の一部を収容する収容空間ASを有する。収容空間ASは、第1ケース部12及び第2ケース部13によって構成される空間である。収容空間ASには、線状部材20のうち、線状部材20の取付面Wa(
図1参照)に取り付けられる一方端と反対の他方端が収容されている。実施形態1において、線状部材20の他方端には、係止部22が装着されている。係止部22は、例えば略球形形状を有する。なお、係止部22が有する形状は特に限定されず、例えば、係止部22は、略板形状を有していてもよい。係止部22の外形寸法(直径)は、例えば、開口15hの寸法(直径)よりも大きい。従って、線状部材20のうちの、係止部22が装着された他方端が、規制部15から抜けることを防止できる。その結果、線状部材20の全てが線状部材収容器具10から外れることを防止できる。
【0069】
線状部材収容器具10は、実施形態1において、ガイド部17を備える。ガイド部17は、ケース11の内側に配置される。ガイド部17は、ケース11に押し込まれた線状部材20の一部を収容空間ASにガイドする。ガイド部17は、2つの壁部17aと、湾曲面17cとを有する。
【0070】
2つの壁部17aの各々は、例えば、第2ケース部13の内面から第3方向D3と反対の方向に突出している。2つの壁部17aは、例えば、第2方向D2に互いに対向する。また、2つの壁部17aの間には、例えば、隙間17bが設けられている。
【0071】
湾曲面17cは、湾曲している。湾曲面17cは、2つの壁部17aに連続している。すなわち、湾曲面17cは、隙間17bに連続している。規制部15の第2筒部15bの内部空間を通過した線状部材20の一部は、湾曲面17cに沿って、2つの壁部17aの隙間17bを通過して、収容空間ASに進入する。従って、線状部材20の一部は、滑らかに収容空間ASに進入できる。その結果、ケース11から露出された線状部材20の長さを調整する作業の作業性が向上する。
【0072】
(実施形態2)
以下、本発明の実施形態2について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。なお、本願明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するX方向、Y方向及びZ方向を参照して説明することがある。例えば、X方向及びY方向は水平方向に平行であり、Z方向は鉛直方向に平行である。ただし、X方向及びY方向は水平方向以外の方向に平行であってもよく、Z方向は鉛直方向以外の方向に平行であってもよい。以下、実施形態2において、照明器具1aが取付面Waに取り付けられている状態では、例えば、第1方向D11はZ方向に平行であり、第2方向D12はX方向に平行であり、第3方向D13はY方向に平行である。すなわち、実施形態2において、第1方向D11、第2方向D12、及び第3方向D13は、例えば、互いに交差する。より具体的には、実施形態2において、第1方向D11、第2方向D12、及び第3方向D13は、例えば、互いに直交する。
【0073】
まず、
図6を参照して、実施形態2に係る照明器具1aについて説明する。
図6は、実施形態2に係る照明器具1aを示す斜視図である。
図6では、取付面Waに取りつけられる前の照明器具1aの状態を示している。なお、
図6は、左斜め前の上方から見た照明器具1aを示す。但し、これらの向きは、本発明の照明器具1aの製造時、施工時、及び使用時の向きを限定するものではない。
【0074】
図6に示すように、実施形態2の照明器具1aは、例えば、天井面、壁面、又は床面のような取付面Waに取り付けられることが可能である(
図8参照)。天井面は、斜め天井面であってもよい。あるいは、照明器具1aは、取付面Waに直付けされて、取付面Waに取り付けられることが可能である。あるいは、照明器具1aは、取付面Waに吊り下げられて取り付けられることが可能である。本明細書において、取付面Waを有する構造物Stに形成された埋込穴Sth(
図8参照)に挿入されて、取付面Waに取り付けられる照明器具1aを例に挙げて説明する。
【0075】
照明器具1aは、筐体100と、取付部材180と、光源ユニット200とを備える。具体的には、実施形態2において、照明器具1aは、筐体100と、2つの取付部材180と、光源ユニット200とを備える。光源ユニット200は、光を出射する。
【0076】
筐体100は、実施形態2において、例えば、第3方向D13に沿って延びる略直方体形状を有する。また、筐体100は、例えば、第3方向D13における両端が開放されている。筐体100は、側面視において、略U字形状を有する。具体的には、筐体100は、側面視において、角ばった略U字形状を有する。筐体100の材料は、例えば、アルミニウムなどの金属であることが好ましい。この場合、放熱性を向上できる。
【0077】
筐体100は、ベース部130と、第1壁部110と、第2壁部120とを含む(
図8参照)。なお、
図6では、第2壁部120は、第1壁部110に隠れているため、
図6には表れていない。
【0078】
ベース部130は、実施形態2において、第3方向D13に沿って延びる。照明器具1aが埋込穴Sthに挿入された状態において、ベース部130は、例えば、取付面Waに略平行である(
図8参照)。
【0079】
第1壁部110は、ベース部130から、ベース部130に交差する第1方向D11に沿って延びる。第2壁部120は、ベース部130から、第1方向D11に沿って延びる。第1壁部110と第2壁部120とは、第2方向D12に互いに対向する。実施形態2において、第1壁部110と第2壁部120とは、互いに平行である。
【0080】
筐体100は、光源ユニット200を収容する。本実施形態において、筐体100が光源ユニット200を収容している状態において、光源ユニット200の第2方向D12に対向する一対の側面は、それぞれ、第1壁部110の内面及び第2壁部120の内面に対向している。
【0081】
また、筐体100は、ベース部130に対向する面が開放されている。つまり、筐体100は、第1方向D11に開放されている。すなわち、筐体100は、ベース部130に第1方向D11に対向する開放部100aを有する(
図8参照)。加えて、実施形態2において、筐体100は、例えば遮光性を有する。従って、光源ユニット200が出射した光は、例えば、筐体100の開放部100aから出射される。
【0082】
照明器具1aは、一対のキャップ部材101をさらに備える。キャップ部材101は、例えば、エンドキャップである。一対のキャップ部材101は、それぞれ、筐体100の第3方向D13における開放された両端に取り付けられ、筐体100の両端を塞ぐ。実施形態2において、キャップ部材101の材料は、筐体100の材料と同じである。ただし、キャップ部材101の材料は、筐体100の材料と異なっていてもよい。筐体100が遮光性を有する場合、キャップ部材101は、例えば遮光性を有する。
【0083】
取付部材180は、例えば、筐体100の上部に配置される。具体的には、取付部材180は、例えば、筐体100の上部において、筐体100に重なるように、筐体100に装着される。取付部材180は、筐体100を取付面Wa(
図11(a)参照)に取り付ける。2つの取付部材180のうちの一方の取付部材180から、2つの取付部材180のうちの他方の取付部材180に向かう方向は、例えば、第3方向D13に略平行である。取付部材180の材料は、例えばアルミニウムのような金属である。
【0084】
取付部材180は、本体部181と、第3壁部182と、第4壁部183とを含む。本体部181は、筐体100のベース部130に第1方向D11に対向する。第3壁部182及び第4壁部183の各々は、本体部181から第1方向D11に沿って延びる。なお、
図6では、第1の姿勢の取付部材180が示されている。実施形態2において、第1の姿勢は、第3壁部182が筐体100の第1壁部110に沿っており、第4壁部183が筐体100の第2壁部120に沿っている姿勢を示す。すなわち、実施形態2において、取付部材180が第1の姿勢である状態において、第3壁部182は、第2方向D12に、筐体100の第1壁部110に対向すると共に、第3壁部182は、第1壁部110に平行である。また、実施形態2において、取付部材180が第1の姿勢である状態において、第4壁部183は、第2方向D12に、筐体100の第2壁部120に対向すると共に、第4壁部183は、第2壁部120に平行である(
図8参照)。
【0085】
次に、
図7を参照して、取付部材180について詳細に説明する。
図7は、取付部材180を示す斜視図である。なお、
図7では、第1の姿勢の取付部材180を示す。
【0086】
実施形態2において、取付部材180は、例えば一体成型品である。具体的には、例えば、板金を折り曲げることによって、本体部181と、第3壁部182と、第4壁部183とを含む取付部材180が形成される。
【0087】
取付部材180は、例えば、被保持部材184と、凸部185とをさらに含む。
【0088】
被保持部材184は、例えば、平面視において略U字形状を有する。また、被保持部材184は、例えば、略アーチ形状を有する。取付部材180が第1の姿勢である状態において、被保持部材184は、本体部181から第3方向D13に突出する。被保持部材184には、例えば、ワイヤのような線状の保持部材の一方側が掛けられる。また、保持部材の他方側は、例えば、構造物Stに対して、取付面Waに対向する室内と反対側の空間に存在する梁等に掛けられる。その結果、照明器具1aの取付面Waへの取付けが安定的に保持される。
【0089】
凸部185は、本体部181から第1方向D11と反対の方向に突出する。具体的には、凸部185は、本体部181の中心部分から第1方向D11と反対の方向に突出する。例えば、本体部181がバーリング加工されることによって、凸部185が形成される。凸部185は、貫通孔185hを有する。貫通孔185hは、本体部181が有する貫通孔181hに連通する。
【0090】
本体部181は、第1切欠き部186と、第2切欠き部187とを有する。第1切欠き部186及び第2切欠き部187の各々は、平面視において、丸みがかった略V字形状を有する。第1切欠き部186は、第3壁部182に隣り合う。第2切欠き部187は、第4壁部183に隣り合う。第1切欠き部186は、凸部185を介して第2切欠き部187に対向する。
【0091】
第3壁部182は、第1主面182a及び第2主面182bを有する。また、第3壁部182は、第1方向D11に沿った一対の端部を有する。以下、第3壁部182の第1方向D11に沿った一対の端部のうち、被保持部材184に遠い側の端部を第1端部182cと記載し、被保持部材184に近い側の端部を第2端部182dと記載する。
【0092】
第4壁部183は、第1主面183a及び第2主面183bを有する。また、第4壁部183は、第1方向D11に沿った一対の端部を有する。以下、第4壁部183の第1方向D11に沿った一対の端部のうち、被保持部材184に遠い側の端部を第1端部183cと記載し、被保持部材184に近い側の端部を第2端部183dと記載する。
【0093】
第3壁部182と第4壁部183とは、互いに対向する。具体的には、第3壁部182の第2主面182bと、第4壁部183の第2主面183bとは、互いに対向する。また、第3壁部182と第4壁部183とは略平行である。具体的には、第3壁部182の第2主面182bと、第4壁部183の第2主面183bとは略平行である。
【0094】
第3壁部182の第1端部182cは、凸部185を介して、第4壁部183の第2端部183dに対向する。また、第3壁部182の第2端部182dは、凸部185を介して、第4壁部183の第1端部183cに対向する。
【0095】
次に、
図8を参照して、照明器具1aについて詳細に説明する。
図8は、
図6のVIII-VIII線に沿った照明器具1aの断面図を示す。
【0096】
筐体100は、第1突出部140と、第2突出部150と、第1張出部160と、第2張出部170とをさらに含む。実施形態2において、例えば、筐体100は、一体成型品である。すなわち、第1壁部110と、第2壁部120と、ベース部130と、第1突出部140と、第2突出部150と、第1張出部160と、第2張出部170とは、例えば一体成型品である。
【0097】
第1突出部140は、第1壁部110の第1方向D11の先端部110aから、第2壁部120から離れるように第2方向D12に突出する。実施形態2において、第1突出部140は、第1壁部110に連続している。第1突出部140は、第3方向D13に沿って延びる(
図6参照)。照明器具1aが取付面Waに取り付けられる状態において、第1突出部140は、構造物Stが有する埋込穴Sthの内部に位置する。
【0098】
第2突出部150は、第2壁部120の第1方向D11の先端部120aから、第1壁部110から離れるように第2方向D12に突出する。実施形態2において、第2突出部150は、第2壁部120に連続している。第2突出部150は、第3方向D13に沿って延びる(
図6参照)。照明器具1aが取付面Waに取り付けられる状態において、第2突出部150は、埋込穴Sthの内部に位置する。
【0099】
従って、筐体が第1突出部と第2突出部とを含まない場合と比較して、埋込穴Sthの内部で、筐体100が第2方向D12に移動する範囲を小さくできる。その結果、埋込穴Sthに対する照明器具1aの位置決めが容易になり、照明器具1aの取付けの困難性を軽減できる。例えば、1つの埋込穴Sthに対して、第3方向D13に連続して複数の照明器具1aを埋め込む場合、複数の照明器具1aが、それぞれ、第2方向D12にずれる可能性を抑制できる。
【0100】
また、第1突出部140の第2方向D12に沿った厚みTh1は、取付部材180の第3壁部182の第2方向D12に沿った厚みTh2よりも大きい。加えて、第2突出部150の第2方向D12に沿った厚みTh3は、第4壁部183の第2方向D12に沿った厚みTh4よりも大きい。すなわち、取付部材180が第1の姿勢である状態において、第3壁部182は、第2方向D12において第1突出部140よりも内側に位置し、第4壁部183は、第2方向D12において第2突出部150よりも内側に位置する。従って、取付部材180が第1の姿勢である状態において、照明器具1aを埋込穴Sthに挿入するときに、取付部材180が取付面Waに干渉することを抑制できる。その結果、照明器具1aの取り付けの困難性をさらに軽減できる。
【0101】
第1張出部160は、第1突出部140の第1方向D11の先端部140aから、第2壁部120から離れるように第2方向D12に張り出す。実施形態2において、第1張出部160は、第3方向D13に沿って延びる(
図6参照)。例えば、照明器具1aが埋込穴Sthに挿入されると、第1張出部160は、取付面Waに対向する。例えば、照明器具1aが埋込穴Sthに挿入されると、第1張出部160は、取付面Waに当接する。
【0102】
第2張出部170は、第2突出部150の第1方向D11の先端部150aから、第1壁部110から離れるように第2方向D12に張り出す。実施形態2において、第2張出部170は、第3方向D13に沿って延びる(
図6参照)。例えば、照明器具1aが埋込穴Sthに挿入されると、第2張出部170は、取付面Waに対向する。例えば、照明器具1aが埋込穴Sthに挿入されると、第2張出部170は、取付面Waに当接する。
【0103】
従って、照明器具1aが埋込穴Sthに挿入されると、照明器具1aは、第1張出部160及び第2張出部170が取付面Waに当接する位置で静止する。その結果、照明器具1aが埋込穴Sthに挿入されすぎることを抑制できる。つまり、第1張出部160及び第2張出部170が、照明器具1aの第1方向D11と反対の方向への移動を制限するストッパーとして機能する。
【0104】
照明器具1aは、例えば、装着部材190をさらに備える。装着部材190は、例えばビスである。装着部材190は、凸部185の貫通孔185hに挿入される。そして、装着部材190は、貫通孔185hと、本体部181の貫通孔181hと、筐体100のベース部130の貫通孔130hとを通過する。なお、筐体100のベース部130が有する貫通孔130hは、貫通孔181hに連通する。その結果、取付部材180は、装着部材190によって筐体100に装着される。
【0105】
実施形態2において、例えば、装着部材190が回転することに伴って、取付部材180が、装着部材190を軸として回転する。また、装着部材190が回転するとき、筐体100は、回転せずに筐体100の姿勢を維持する。すなわち、装着部材190が回転することに応じて、取付部材180は、筐体100に対して回転する。例えば、第1の姿勢の取付部材180が筐体100に対して回転すると、取付部材180の姿勢は、第2の姿勢に遷移する。第2の姿勢については、
図11を参照して後述する。
【0106】
光源ユニット200は、光源210と、カバー220と、フレーム230と、取付金具240とを含む。光源210は発光する。
【0107】
カバー220は、光源210を覆う。より具体的には、カバー220は、フレーム230に装着されて、光源210を下方から覆う。カバー220は、例えば、セード、又は拡散カバーである。カバー220は、透明又は半透明であり、光源210から発光された光を透過する。カバー220は、例えば、乳白色の半透明な材料からなる。
【0108】
光源210は、例えば、基板211と、発光素子212とを含む。
【0109】
実施形態2において、基板211は、断面視において略平板形状を有する。基板211には、発光素子212に電力を供給するための配線が形成されている。
【0110】
発光素子212は、光を出射する。発光素子212は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)である。発光素子212は1つであってもよく、複数であってもよい。実施形態2において、光源210は、複数の発光素子212を含む。あるいは、発光素子212は、有機EL(Electro-Luminescence)素子またはレーザーダイオードを含んでもよい。発光素子212は、基板211に配置される。具体的には、発光素子212は、基板211の実装面に取り付けられている。すなわち、発光素子212は、基板211に実装される。
【0111】
実施形態2において、複数の発光素子212は、第3方向D13に沿って1列に並ぶように配置される。但し、複数の発光素子212の配列は1列に限定されない。複数の発光素子212は、第3方向D13に沿って2列以上に並んでもよいし、千鳥状に並んでもよい。
【0112】
光源210は、複数の発光素子212を基板211の実装面上に載置して蛍光体で封止したCOB(Chip on Board)構造であってもよい。あるいは、光源210は、発光素子212と蛍光体とを一体化したユニットを基板211の実装面上に載置して基板211の導電体に電気的に接続したSMD(Surface Mount Device)構造であってもよい。あるいは、光源210は、いわゆる砲弾型の発光素子212から構成されてもよい。砲弾型の発光素子212から光源210が構成される場合、光源210は、基板211を含んでもよいし、基板211を含まなくてもよい。
【0113】
取付金具240は、フレーム230に取り付けられる。実施形態2において、例えば、取付金具240は、ビスのような固定部材250によってフレーム230に取り付けられる。
【0114】
取付金具240は、例えば弾性を有する。実施形態2において、取付金具240が第1方向D11と反対の方向に筐体100の内部に押し込まれ、取付金具240の弾性力によって、取付金具240が筐体100の内部に係合する。その結果、光源ユニット200が筐体100に取り付けられて収容される。実施形態2において、光源ユニット200は、例えば、筐体100に対して着脱自在である。
【0115】
次に、
図9~
図11を参照して、照明器具1aの取付面Waへの取付について説明する。
【0116】
まず、
図9を参照して、構造物Stの埋込穴Sthに挿入される前の照明器具1aについて説明する。
図9(a)は、構造物Stの埋込穴Sthに挿入される前の照明器具1aを示す図である。なお、
図9(a)は、
図6のIX-IX線に沿った照明器具1aの断面図を示す。
図9(a)に示すように、埋込穴Sthに照明器具1aを挿入するときには、例えば、光源ユニット200は、筐体100に対して取り外されている。
図9(b)は、
図9(a)に示す照明器具1aを第1方向D11から見た図である。
【0117】
図9(a)及び
図9(b)に示すように、照明器具1aは、例えば、方向D14に押し上げられて、構造物Stが有する埋込穴Sthに挿入される。このとき、取付部材180は第1の姿勢に保たれている。すなわち、取付部材180が第1の姿勢に保たれたまま、照明器具1aは、埋込穴Sthに挿入される。従って、取付部材180が取付面Waに干渉することを抑制しつつ、照明器具2aを埋込穴Sthに挿入できる。
【0118】
次に、
図10を参照して、構造物Stの埋込穴Sthに挿入されて、取付部材180が第1の姿勢に維持された照明器具1aについて説明する。
図10(a)は、構造物Stの埋込穴Sthに挿入されて、取付部材180が第1の姿勢に維持された照明器具1aを示す図である。なお、
図10(a)は、
図6のIX-IX線に沿った照明器具1aの断面図を示す。
図10(a)に示すように、埋込穴Sthに照明器具1aを挿入するときには、例えば、光源ユニット200は、筐体100に対して取り外されている。
図10(b)は、
図10(a)に示す照明器具1aを第1方向D11から見た図である。
【0119】
図10(a)及び
図10(b)に示すように、照明器具1aは、第1張出部160及び第2張出部170が取付面Waに当接するまで、方向D14に押し上げられる。そして、作業者は、筐体100の下側から筐体100の内側へ、ドライバーなどの工具を挿入し、工具の一部(先端)を装着部材190に係合して、工具を回転させることで、装着部材190を回転させる。その結果、装着部材190の回転に伴って、取付部材180が、筐体100に対して方向Dr11に回転する。
【0120】
取付部材180が第1の姿勢である状態において、取付部材180の第3壁部182の第1端部182cは、筐体100の第1壁部110に当接している。また、取付部材180が第1姿勢である状態において、取付部材180の第4壁部183の第2端部183dは、筐体100の第2壁部120に当接している。そして、第1の姿勢の取付部材180が筐体100に対して方向Dr11に回転すると、例えば、取付部材180の第3壁部182の第1端部182cは、筐体100の第1壁部110から離れて、再度、筐体100の第1壁部110に当接する。同様に、第1の姿勢の取付部材180が筐体100に対して回転すると、例えば、取付部材180の第4壁部183の第2端部183dは、筐体100の第2壁部120から離れて、再度、筐体100の第2壁部120に当接する。第3壁部182の第1端部182cが、再度、筐体100の第1壁部110に当接し、第4壁部183の第2端部183dが、再度、筐体100の第2壁部120に当接するまで回転した取付部材180の姿勢が、取付部材180の第2の姿勢である。
【0121】
ここで、
図6及び
図10(b)を参照して、キャップ部材101について説明する。キャップ部材101は、例えば、第3突出部145と、第3張出部165とをさらに含む(
図6参照)。第3突出部145は、キャップ部材101の第1方向D11の先端部から、筐体100から離れるように第3方向D13に突出する。照明器具1aが埋込穴Sthに挿入されている状態において、第3突出部145は、埋込穴Sthの内部に位置する。従って、キャップ部材が第3突出部を含まない場合と比較して、埋込穴Sthの内部で、照明器具1aが第3方向D13に移動する範囲を小さくできる。その結果、埋込穴Sthに対する照明器具1aの位置決めが容易になり、照明器具1aの取付けの困難性を軽減できる。
【0122】
第3張出部165は、第3突出部145の第1方向D11の先端部から、筐体100から離れるように第3方向D13に張り出す。例えば、照明器具1aが埋込穴Sthに挿入されると、第3張出部165は、取付面Waに対向する。例えば、照明器具1aが埋込穴Sthに挿入されると、第3張出部165は、取付面Waに当接する。従って、照明器具1aが埋込穴Sthに挿入されると、照明器具1aは、第3張出部165が取付面Waに当接する位置で静止する。その結果、照明器具1aが埋込穴Sthに挿入されすぎることを抑制できる。つまり、第3張出部165が、照明器具1aの第1方向D11と反対の方向への移動を制限するストッパーとして機能する。
【0123】
次に、
図11を参照して、構造物Stの埋込穴Sthに挿入されて、取付部材180が第1の姿勢から第2の姿勢に遷移した照明器具1aについて説明する。
図11(a)は、構造物Stの埋込穴Sthに挿入されて取付部材180が第2の姿勢に維持された照明器具1aを示す図である。なお、
図11(a)は、
図6のIX-IX線に沿った照明器具1aの断面図を示す。
図11(a)に示すように、埋込穴Sthに照明器具1aを挿入するときには、例えば、光源ユニット200は、筐体100に対して取り外されている。
図11(b)は、
図11(a)に示す照明器具1aを第1方向D11から見た平面図である。
【0124】
図11(a)及び
図11(b)に示すように、取付部材180が第2の姿勢である状態において、取付部材180の第3壁部182の第2端部182dは、筐体100の第1壁部110に当接している。また、取付部材180が第2の姿勢である状態において、取付部材180の第4壁部183の第1端部183cは、筐体100の第2壁部120に当接している。取付部材180が第2の姿勢である状態において、取付部材180の第3壁部182は、筐体100の第1壁部110に対して傾斜している。また、取付部材180が第2の姿勢である状態において、取付部材180の第4壁部183は、筐体100の第2壁部120に対して傾斜している。
【0125】
取付部材180が第2の姿勢である状態において、第3壁部182及び第4壁部183は、第1方向D11に取付面Waに当接する。そして、筐体100の内部に取付金具240が押し込まれて、光源ユニット200が筐体100に取り付けられる。その結果、照明器具1aが取付面Waに取り付けられる。
【0126】
なお、
図11(a)に示すように、本体部181は、例えばベース部130に当接する。ただし、本体部181とベース部130とは離間していてもよい。すなわち、本体部181とベース部130との間に空間が設けられてもよい。従って、第1方向D11における筐体100と取付部材180との相対位置を変更できる。また、第1方向D11と反対の方向における筐体100と取付部材180との相対位置を変更できる。その結果、構造物Stの厚みTh8によらず、照明器具1aを取付面Waに取り付けられる。例えば、構造物Stの第1方向D11に沿った厚みTh8が一定ではない場合があるが、照明器具1aを取付面Waに取り付けられる。また、第3壁部182及び第4壁部183の第1方向D11における寸法のばらつき(公差)の影響を抑制して、照明器具1aを取付面Waに取り付けられる。具体的には以下の通りである。
【0127】
例えば、構造物Stの厚みTh8が薄かったり、第3壁部182及び第4壁部183の第1方向D11における寸法が短かったりする場合、照明器具1aを構造物Stの埋込穴Sthに挿入して取付部材180を第1の姿勢から第2の姿勢に遷移させると、第1張出部160及び第2張出部170が取付面Waから離間する可能性がある。この場合、装着部材190を回転させることで、取付部材180が第2の姿勢を維持したまま、装着部材190が凸部185の貫通孔185hにねじ込まれる。このとき、第1端部182cが第1壁部110に当接し、第2端部183dが第2壁部120に当接しているため、装着部材190が貫通孔185hにねじ込まれても、取付部材180が第2の姿勢を維持できる。装着部材190が凸部185の貫通孔185hにねじ込まれることによって、筐体100が第1方向D11と反対の方向に移動し、本体部181とベース部130とが互いに近づく。すなわち、筐体100と取付部材180との相対位置が変化する。よって、第1張出部160及び第2張出部170が取付面Waに当接するまで装着部材190を回転させることで、第1張出部160及び第2張出部170を取付面Waに当接させつつ、第2の姿勢を維持した取付部材180の第3壁部182及び第4壁部183が構造物Stに当接する。その結果、構造物Stへの照明器具1aの取り付けが完了する。
【0128】
また、例えば、構造物Stの厚みTh8が厚かったり、第3壁部182及び第4壁部183の第1方向D11における寸法が長かったりする場合、照明器具1aを構造物Stの埋込穴Sthに挿入して、取付部材180を第1の姿勢から方向Dr11に回転させようとしても、第3壁部182及び第4壁部183が、埋込穴Sthの外周を構成する壁面に当接し、取付部材180が第2の姿勢に遷移できない可能性がある。この場合、装着部材190を回転させることで、取付部材180が第1の姿勢を維持したまま、装着部材190の一部を貫通孔185hから引き出す。このとき、装着部材190を一定量だけ回転させるまでは、取付部材180が第1の姿勢を維持できる。装着部材190の一部を貫通孔185hから引き出すことによって、取付部材180が第1方向D11と反対の方向に移動し、本体部181とベース部130とが離れる。すなわち、筐体100と取付部材180との相対位置が変化する。よって、取付部材180を方向Dr11に回転させることができる位置に移動するまで装着部材190を回転させることで、取付部材180が第1の姿勢から第2の姿勢に遷移し、照明器具1aを取付面Waに取り付けられる。その結果、構造物Stへの照明器具1aの取り付けが完了する。
【0129】
取付部材180が第1の姿勢から第2の姿勢に遷移するとき、例えば、筐体100のベース部130と、取付部材180の本体部181とが離間することなく、取付部材180が回転する。従って、筐体のベース部と取付部材の本体部とを離間させて取付部材を回転させる場合と比較して、照明器具1aの第1方向D11に沿った高さを維持しつつ、照明器具1aを取付面Waに取付できる。その結果、構造物Stに対して取付面Waに対向する室内と反対側の空間の大きさが照明器具1aの取付面Waへの取付に影響を及ぼす可能性を抑制しつつ、照明器具1aを取付面Waに取り付けられる。ひいては、照明器具1aの取付の困難性を軽減できる。
【0130】
さらに、第1突出部140の第1方向D11に沿った厚みTh5は、構造物Stの第1方向D11に沿った厚みTh6よりも小さい。加えて、第2突出部150の第1方向D11に沿った厚みTh7は、構造物Stの第1方向D11に沿った厚みTh8よりも小さい。従って、取付部材180の第3壁部182及び第4壁部183の各々の第1方向D11に沿った長さが、取付部材180の本体部181から構造物Stまでの長さよりも短くなりすぎることを防止できる。仮に、取付部材の第3壁部及び第4壁部の各々の第1方向D11に沿った長さが、取付部材の本体部から構造物までの長さよりも短くなりすぎる場合、本体部の第1方向D11における位置が構造物に近くなり、筐体の第1壁部及び第2壁部の埋込穴から露出する領域が大きくなる可能性がある。すなわち、第1張出部及び第2張出部の各々が、取付面から離間する可能性がある。その結果、筐体100の第1壁部110及び第2壁部120の埋込穴Sthから露出する領域が大きくなる可能性を軽減でき、照明器具1aが取付面Waに取り付けられた空間の美観を向上できる。
【0131】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。
【0132】
また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0133】
実施形態1において、照明器具1は、略直方体形状を有した。ただし、照明器具1が、灯具2に収容されることの可能な線状部材収容器具10を備える限り、照明器具1は、直方体形状と異なる形状を有していてもよい。例えば、照明器具1は、略立方体形状を有していてもよいし、略円筒形状を有していても良いし、略多角筒形状を有していてもよい。
【0134】
また、実施形態1において、筐体50の第1方向D1における両端には、それぞれ一対のキャップ部材55が取り付けられた。すなわち、筐体50とキャップ部材55とは、別部材であった。ただし、筐体50と一対のキャップ部材55とは、一体成型品であってもよい。また、カバー60の第1方向D1における両端には、それぞれ一対のキャップ部材65が取り付けられた。すなわち、カバー60とキャップ部材65とは、別部材であった。ただし、カバー60と一対のキャップ部材65とは、一体成型品であってもよい。
【0135】
本願は、更に以下の付記を開示する。なお、以下の付記は、本発明を限定するものではない。
【0136】
[付記1]
光源ユニットと、
前記光源ユニットを収容する筐体と
を備え、
前記筐体は、
ベース部と、
前記ベース部から前記ベース部に交差する第1方向に沿って延びる第1壁部と、
前記ベース部から前記第1方向に沿って延びる第2壁部と、
前記第1壁部の前記第1方向の先端部から、前記第1方向に交差する第2方向に突出する第1突出部と、
前記第2壁部の前記第1方向の先端部から、前記第2方向に突出する第2突出部と、
前記第1突出部の前記第1方向の先端部から、前記第2方向に張り出す第1張出部と、
前記第2突出部の前記第1方向の先端部から、前記第2方向に張り出す第2張出部と
を含み、
前記第1壁部と前記第2壁部とは、前記第2方向に対向する、照明器具。
【0137】
[付記2]
前記筐体を取付面に取り付ける取付部材をさらに備え、
前記取付部材は、
前記筐体の前記ベース部に前記第1方向に対向する本体部と、
前記本体部から前記第1方向に沿って延びる第3壁部と、
前記本体部から前記第1方向に沿って延びる第4壁部と
を含み、
前記第3壁部と前記第4壁部とは、前記第2方向に対向し、
前記第1突出部の前記第2方向に沿った厚みは、前記第3壁部の前記第2方向に沿った厚みよりも大きく、
前記第2突出部の前記第2方向に沿った厚みは、前記第4壁部の前記第2方向に沿った厚みよりも大きい、付記1に記載の照明器具。
【0138】
[付記3]
前記第1突出部の前記第1方向に沿った厚みは、前記取付面を有する構造物の前記第1方向に沿った厚みよりも小さく、
前記第2突出部の前記第1方向に沿った厚みは、前記構造物の前記第1方向に沿った厚みよりも小さい、付記2に記載の照明器具。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明は、線状部材収容器具及び照明器具を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0140】
1 照明器具
10 透過部
13 両端部
11 第1反射領域
12 第1透過領域
20 反射部
21 第2反射領域
22 第2透過領域
30 カバー
32 傾斜部
40 光源
41 基板
42 発光素子
42a 発光面
50 保持部
D1 第1方向
D2 第2方向
Wa 取付面