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特許7507455履歴追跡システム、履歴追跡システムのプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】履歴追跡システム、履歴追跡システムのプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/80 20180101AFI20240621BHJP
【FI】
G16H50/80
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020177092
(22)【出願日】2020-10-22
(65)【公開番号】P2022074180
(43)【公開日】2022-05-18
【審査請求日】2023-08-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年8月1日にサテライトオフィスのトップページにバナー掲載 https://www.sateraito.jp/ 令和2年8月1日にサテライトオフィス・リモートワークツールにようこそ!のページに掲載 https://enq.sateraito.jp/login 令和2年8月1日にサテライトオフィス・リモートワークツールforクラウドのページに掲載、PDF資料をアップロード https://www.sateraito.jp/Remotework_tool/index.html 令和2年9月1日にサテライトオフィスのトップページにバナー掲載 https://www.sateraito.jp/ 令和2年9月1日にサテライトオフィス・QRコードで参加者追跡機能のページに掲載、PDF資料をアップロード https://www.sateraito.jp/Lab/QRcode_tracking.html 令和2年9月11日にサテライトオフィスのプレスリリースページに掲載 http://www.sateraito.jp/pressrelease/index.html 令和2年9月11日にマイナビニュースページに掲載 https://news.mynavi.jp/article/20200911-1294653/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年9月11日に@Pressページに掲載 https://www.atpress.ne.jp/news/225905 令和2年9月11日にCNET Japanページに掲載 https://japan.cnet.com/release/30475166/ 令和2年9月11日にZDNet Japanページに掲載 https://japan.zdnet.com/release/30475166/ 令和2年9月24日にサテライトオフィスのプレスリリースページに掲載 http://www.sateraito.jp/pressrelease/index.html 令和2年9月24日にマイナビニュースページに掲載 https://news.mynavi.jp/article/20200924-1333147/ 令和2年9月24日に@Pressページに掲載 https://www.atpress.ne.jp/news/227402 令和2年9月24日にCNET Japanページに掲載 https://japan.cnet.com/release/30477868/ 令和2年9月24日にZDNet Japanページに掲載 https://japan.zdnet.com/release/30477868/
(73)【特許権者】
【識別番号】516346218
【氏名又は名称】株式会社サテライトオフィス
(74)【代理人】
【識別番号】100168538
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 来
(72)【発明者】
【氏名】原口 豊
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-192209(JP,A)
【文献】酒井順哉,[“勝ち抜く”ための病院インフラ] 本当に役立つのか「COCOA」配信開始―大阪コロナ追跡システムに軍配,月刊新医療 2020年8月号,第47巻,株式会社エム・イー振興協会 杉山 正幸,2020年08月01日,p.65
【文献】「大阪コロナ追跡システム」の手引き,ver1.0,日本,大阪府スマートシティ戦略部,[2024年3月7日検索],2020年05月28日,pp.1-24,インターネット:<URL:https://sunteqnos.co.jp/docs/osaka2020.6.5/1.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザー端末とサーバとサーバにアクセス自在な管理者端末とを備えて所定場所へ行ったユーザーの履歴を追跡自在な履歴追跡システムであって、
前記サーバが、前記所定場所毎に登録された所定場所識別情報と、所定場所毎に対応して生成された1次元コードの情報または2次元コードの情報と、ユーザー端末のユーザー識別情報とをデータベースに有し、
前記1次元コードの情報または2次元コードの情報が、前記所定場所識別情報を含み、
前記ユーザー端末が、カメラを有して所定場所に設けられた1次元コードまたは2次元コードをスキャンすると、スキャンした1次元コードの情報または2次元コードの情報に基づいて所定場所識別情報をサーバへ送信するとともに、ユーザー識別情報をサーバへ送信し、
前記サーバが、前記ユーザー端末から受信した所定場所識別情報およびユーザー識別情報を受信したときの日時情報と関連付けてデータベースに登録し、
前記サーバまたは管理者端末が、ユーザー端末からユーザーが感染症に感染した旨の情報、ユーザー識別情報および感染症の種類情報を受信したとき、受信した感染症の種類情報と、感染症の種類の危険性の高さに応じて予め設けられたランク値とを照らし合わせてランク値を判定し、
前記サーバが、感染したユーザーの履歴の日時情報を基準とした同じ所定場所を同じ時間帯に利用した他のユーザーの情報をデータベースにおいて抽出する際の時間帯の幅をランク値に応じて変更する構成であり、危険性の高さの高いランク値の場合、低いランク値のときと比べて、時間帯の幅を広くする構成であることを特徴とする履歴追跡システム。
【請求項2】
前記ユーザー識別情報が、前記ユーザー端末のユーザーの電子メールアドレス情報であることを特徴とする請求項1に記載の履歴追跡システム。
【請求項3】
前記管理者端末が、前記サーバにアクセスした際、前記サーバが、前記管理者端末の操作に基づいて、データベースに所定場所識別情報を登録自在であり、所定場所識別情報毎に、所定場所識別情報を含めて1次元コードのデータまたは2次元コードのデータを生成自在であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の履歴追跡システム。
【請求項4】
前記サーバまたは管理者端末が、データベースにおいて抽出した他のユーザーの情報である電子メールアドレス情報に基づいて、他のユーザーへ感染の疑いのある旨、および、感染症の種類情報を他のユーザーのユーザー端末へ送信する構成であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の履歴追跡システム。
【請求項5】
複数のユーザー端末とサーバとサーバにアクセス自在な管理者端末とを備えて所定場所へ行ったユーザーの履歴を追跡自在な履歴追跡システムのプログラムであって、
前記ユーザー端末が、カメラを有して、所定場所に設けられた所定場所識別情報を含む1次元コードまたは2次元コードをスキャンしたとき、ユーザー端末に対して、スキャンした1次元コードの情報または2次元コードの情報に基づいて所定場所識別情報をサーバへ送信させるとともに、ユーザー識別情報をサーバへ送信させる送信ステップと、
前記サーバに対して、前記ユーザー端末から受信した所定場所識別情報およびユーザー識別情報を受信したときの日時情報と関連付けてデータベースに登録させる登録ステップと、
前記サーバまたは管理者端末が、ユーザー端末からユーザーが感染症に感染した旨の情報、ユーザー識別情報および感染症の種類情報を受信したとき、サーバまたは管理者端末に対して、受信した感染症の種類情報と、感染症の種類の危険性の高さに応じて予め設けられたランク値とを照らし合わせてランク値を判定させるランク値判定ステップと、
前記サーバが、感染したユーザーの履歴の日時情報を基準とした同じ所定場所を同じ時間帯に利用した他のユーザーの情報をデータベースにおいて抽出する際の時間帯の幅をランク値に応じて変更する構成であり、危険性の高さの高いランク値の場合、低いランク値のときと比べて、時間帯の幅を広くして、サーバに対して、感染したユーザーの履歴の日時情報を基準とした同じ所定場所を同じ時間帯に利用した他のユーザーの情報をデータベースにおいて抽出させる抽出ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする履歴追跡システムのプログラム。
【請求項6】
前記サーバまたは管理者端末に対して、データベースにおいて抽出された他のユーザーの情報である電子メールアドレス情報に基づいて、他のユーザーへ感染の疑いのある旨、および、感染症の種類情報を他のユーザーのユーザー端末へ送信させる感染疑い連絡送信ステップをさらに実行させることを特徴とする請求項5に記載の履歴追跡システムのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のユーザー端末とサーバとサーバにアクセス自在な管理者端末とを備えて所定場所へ行ったユーザーの履歴を追跡自在な履歴追跡システム、および、そのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、感染症に感染した第1の動物の感染症に関する情報を取得する取得部と、第1の動物の行動エリア内に位置した第2の動物を特定する特定部と、第1の動物が感染した感染症が第2の動物に感染する可能性があるか否かを判定する判定部と、第1の動物が感染した感染症が第2の動物に感染する可能性があると判定された場合に、第2の動物のオーナーに対して感染症に関する警告を通知する通知部とを備えた情報処理装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-135332号公報(特に、段落0006、段落0026参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の情報処理装置では、動物の位置情報が、動物に装着されたGPS(Global Positioning System)モジュール付きの首輪等によって、定期的に情報処理装置に送信される構成であったため、人間の位置情報を取得することが困難であった。
また、スマートフォン端末などのユーザー端末によって位置情報を自動的、かつ、強制的に取得すると、個人情報に関する問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、前述したような従来技術の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、ユーザー端末の位置情報を取得せずに、1人のユーザーである感染者と同じイベント会場などの所定場所に同じ時間帯にいた他のユーザーをデータベースから抽出することができる履歴追跡システム、および、そのプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本請求項1に係る発明は、複数のユーザー端末とサーバとサーバにアクセス自在な管理者端末とを備えて所定場所へ行ったユーザーの履歴を追跡自在な履歴追跡システムであって、前記サーバが、前記所定場所毎に登録された所定場所識別情報と、所定場所毎に対応して生成された1次元コードの情報または2次元コードの情報と、ユーザー端末のユーザー識別情報とをデータベースに有し、前記1次元コードの情報または2次元コードの情報が、前記所定場所識別情報を含み、前記ユーザー端末が、カメラを有して所定場所に設けられた1次元コードまたは2次元コードをスキャンすると、スキャンした1次元コードの情報または2次元コードの情報に基づいて所定場所識別情報をサーバへ送信するとともに、ユーザー識別情報をサーバへ送信し、前記サーバが、前記ユーザー端末から受信した所定場所識別情報およびユーザー識別情報を受信したときの日時情報と関連付けてデータベースに登録し、前記サーバまたは管理者端末が、ユーザー端末からユーザーが感染症に感染した旨の情報、ユーザー識別情報および感染症の種類情報を受信したとき、受信した感染症の種類情報と、感染症の種類の危険性の高さに応じて予め設けられたランク値とを照らし合わせてランク値を判定し、前記サーバが、感染したユーザーの履歴の日時情報を基準とした同じ所定場所を同じ時間帯に利用した他のユーザーの情報をデータベースにおいて抽出する際の時間帯の幅をランク値に応じて変更する構成であり、危険性の高さの高いランク値の場合、低いランク値のときと比べて、時間帯の幅を広くする構成であることにより、前述した課題を解決するものである。
【0007】
本請求項2に係る発明は、請求項1に記載された履歴追跡システムの構成に加えて、前記ユーザー識別情報が、前記ユーザー端末のユーザーの電子メールアドレス情報であることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0008】
本請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載された履歴追跡システムの構成に加えて、前記管理者端末が、前記サーバにアクセスした際、前記サーバが、前記管理者端末の操作に基づいて、データベースに所定場所識別情報を登録自在であり、所定場所識別情報毎に、所定場所識別情報を含めて1次元コードのデータまたは2次元コードのデータを生成自在であることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0009】
本請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載された履歴追跡システムの構成に加えて、前記サーバまたは管理者端末が、データベースにおいて抽出した他のユーザーの情報である電子メールアドレス情報に基づいて、他のユーザーへ感染の疑いのある旨、および、感染症の種類情報を他のユーザーのユーザー端末へ送信する構成であることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0010】
本請求項5に係る発明は、複数のユーザー端末とサーバとサーバにアクセス自在な管理者端末とを備えて所定場所へ行ったユーザーの履歴を追跡自在な履歴追跡システムのプログラムであって、前記ユーザー端末が、カメラを有して、所定場所に設けられた所定場所識別情報を含む1次元コードまたは2次元コードをスキャンしたとき、ユーザー端末に対して、スキャンした1次元コードの情報または2次元コードの情報に基づいて所定場所識別情報をサーバへ送信させるとともに、ユーザー識別情報をサーバへ送信させる送信ステップと、前記サーバに対して、前記ユーザー端末から受信した所定場所識別情報およびユーザー識別情報を受信したときの日時情報と関連付けてデータベースに登録させる登録ステップと、前記サーバまたは管理者端末が、ユーザー端末からユーザーが感染症に感染した旨の情報、ユーザー識別情報および感染症の種類情報を受信したとき、サーバまたは管理者端末に対して、受信した感染症の種類情報と、感染症の種類の危険性の高さに応じて予め設けられたランク値とを照らし合わせてランク値を判定させるランク値判定ステップと、前記サーバが、感染したユーザーの履歴の日時情報を基準とした同じ所定場所を同じ時間帯に利用した他のユーザーの情報をデータベースにおいて抽出する際の時間帯の幅をランク値に応じて変更する構成であり、危険性の高さの高いランク値の場合、低いランク値のときと比べて、時間帯の幅を広くして、サーバに対して、感染したユーザーの履歴の日時情報を基準とした同じ所定場所を同じ時間帯に利用した他のユーザーの情報をデータベースにおいて抽出させる抽出ステップとをコンピュータに実行させることにより、前述した課題を解決するものである。
【0011】
本請求項6に係る発明は、請求項5に記載された履歴追跡システムのプログラムの構成に加えて、前記サーバまたは管理者端末に対して、データベースにおいて抽出された他のユーザーの情報である電子メールアドレス情報に基づいて、他のユーザーへ感染の疑いのある旨、および、感染症の種類情報を他のユーザーのユーザー端末へ送信させる感染疑い連絡送信ステップをさらに実行させることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の履歴追跡システムは、複数のユーザー端末とサーバとを備えていることにより、複数のユーザー端末とサーバとの間で無線通信することができるばかりでなく、以下のような特有の効果を奏することができる。
【0013】
本請求項1に係る発明の履歴追跡システムによれば、例えば、1人のユーザーが感染症に感染して連絡を受けた場合、感染者がいつ、どの所定場所に行ったかの履歴が管理者端末を用いてデータベースで検索自在となるため、感染者と同じ所定場所に同じ時間帯にいた他のユーザーをデータベースから抽出することができる。
さらに、抽出した他のユーザーのユーザー識別情報に基づいて該当するユーザー端末へ連絡自在となるため、感染の疑いのある他のユーザーへ感染の疑いのある旨の連絡をすることができる。
また、感染力の強さ、罹患した場合の重篤性などに基づく総合的な観点からみた危険性の高さに応じたランク値に基づいて時間帯の幅が変更され、危険度が高いランク値の場合、時間帯の幅が広くなるため、危険度が高い場合、感染リスクの高い全ての他のユーザーをデータベースにおいて抽出することができる。
【0014】
本請求項2に係る発明の履歴追跡システムによれば、請求項1に係る発明が奏する効果に加えて、電子メールアドレス情報が連絡先情報および所謂、ユーザーIDの両者を兼ねるため、サーバのデータベースにおける管理および管理者端末のブラウザにおける表示をシンプルにすることができる。
【0015】
本請求項3に係る発明の履歴追跡システムによれば、請求項1または請求項2に係る発明が奏する効果に加えて、管理者端末の管理者は所定場所識別情報を登録すると1次元コードまたは2次元コードが生成自在となるため、管理者は会場設置用の1次元コードまたは2次元コードを簡単に準備することができる。
【0016】
本請求項4に係る発明の履歴追跡システムによれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに係る発明が奏する効果に加えて、感染の疑いのある他のユーザーへ感染の疑いのある旨をサーバまたは管理者端末が他のユーザーのユーザー端末へ連絡する際、感染症の種類(感染症名)も伝える。
連絡を受けた他のユーザーが、医療機関において、医師に相談する際、何の感染症かを医師に伝えることができ、医師は、他のユーザーが罹患しているかもしれないと疑うべき感染症名を知ることができ、感染症の検査を迅速に行うことができる。
【0017】
本請求項5に係る発明の履歴追跡システムのプログラムによれば、請求項1に係る発明が奏する効果と同様、例えば、1人のユーザーが感染症に感染して連絡を受けた場合、感染者がいつ、どの所定場所に行ったかの履歴が管理者端末を用いてデータベースで検索自在となるため、感染者と同じ所定場所に同じ時間帯にいた他のユーザーをデータベースから抽出することができる。
さらに、抽出した他のユーザーのユーザー識別情報に基づいて該当するユーザー端末へ連絡自在となるため、感染の疑いのある他のユーザーへ感染の疑いのある旨の連絡をすることができる。
また、感染力の強さ、罹患した場合の重篤性などに基づく総合的な観点からみた危険性の高さに応じたランク値に基づいて時間帯の幅が変更され、危険度が高いランク値の場合、時間帯の幅が広くなるため、危険度が高い場合、感染リスクの高い全ての他のユーザーをデータベースにおいて抽出することができる。
【0018】
本請求項6に係る発明の履歴追跡システムのプログラムによれば、請求項5に係る発明が奏する効果に加えて、請求項に係る発明が奏する効果と同様、感染の疑いのある他のユーザーへ感染の疑いのある旨をサーバまたは管理者端末が他のユーザーのユーザー端末へ連絡する際、感染症の種類(感染症名)も伝える。
連絡を受けた他のユーザーが、医療機関において、医師に相談する際、何の感染症かを医師に伝えることができ、医師は、他のユーザーが罹患しているかもしれないと疑うべき感染症名を知ることができ、感染症の検査を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施例である履歴追跡システムの概略を示す図。
図2】本発明の実施例である履歴追跡システムの動作例を示すチャート図。
図3】本発明の実施例である履歴追跡システムの履歴表示画面を示す図。
図4】本発明の実施例である履歴追跡システムの検索画面を示す図。
図5】本発明の実施例である履歴追跡システムのイベント一覧画面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の履歴追跡システムは、複数のユーザー端末とサーバとサーバにアクセス自在な管理者端末とを備え、サーバが、所定場所毎に登録された所定場所識別情報と、所定場所毎に対応して生成された1次元コードの情報または2次元コードの情報と、ユーザー端末のユーザー識別情報とをデータベースに有し、1次元コードの情報または2次元コードの情報が、所定場所識別情報を含み、ユーザー端末が、カメラを有して所定場所に設けられた1次元コードまたは2次元コードをスキャンすると、スキャンした1次元コードの情報または2次元コードの情報に基づいて所定場所識別情報およびユーザー識別情報をサーバへ送信し、サーバが、ユーザー端末から受信した所定場所識別情報およびユーザー識別情報を受信したときの日時情報と関連付けてデータベースに登録する構成であることにより、感染者と同じ所定場所に同じ時間帯にいた他のユーザーをデータベースから抽出することができ、感染の疑いのある他のユーザーへ感染の疑いのある旨の連絡をすることができるものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
また、本発明の履歴追跡システムのプログラムは、ユーザー端末が、カメラを有して、所定場所に設けられた所定場所識別情報を含む1次元コードまたは2次元コードをスキャンしたとき、スキャンした1次元コードの情報または2次元コードの情報に基づいて所定場所識別情報およびユーザー識別情報をサーバへ送信する送信ステップと、サーバが、ユーザー端末から受信した所定場所識別情報およびユーザー識別情報を受信したときの日時情報と関連付けてデータベースに登録する登録ステップとを具備していることにより、感染者と同じイベント会場に同じ時間帯にいた他のユーザーをデータベースから抽出することができ、感染の疑いのある他のユーザーへ感染の疑いのある旨の連絡をすることができるものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
【0021】
例えば、ユーザー端末は、デスクトップ型パーソナルコンピュータ端末、ノート型パーソナルコンピュータ端末、スマートフォン端末、タブレット端末、腕時計型端末、眼鏡型端末など表示部と操作部とカメラとを備えて1次元コードまたは2次元コード読み取り機能を有して情報を送受信するものであって、所謂インターネットである広域ネットワーク、ローカルネットワーク、電話回線などを含む通信ネットワークによりサーバと接続自在なものであれば如何なるものであっても構わない。
また、サーバは、クラウド環境に作られたクラウドサーバでもよいし、サーバを構成する物理サーバの数は1つでも複数でもよい。
さらに、管理者端末は、デスクトップ型パーソナルコンピュータ端末、ノート型パーソナルコンピュータ端末、スマートフォン端末、タブレット端末、腕時計型端末、眼鏡型端末など表示部を備えて情報を受信するものであって、所謂インターネットである広域ネットワーク、ローカルネットワーク、電話回線などを含む通信ネットワークによりサーバと接続自在なものであれば如何なるものであっても構わない。
また、所定場所は、飲食店、スーパーマーケットなどの販売店、レストランなどの飲食店などの店舗、映画館、イベント会場の各ブース、カンファレンスの会議室、病院や診療所などの医療機関など、ユーザーが出入りする領域などの場所であれば、如何なるものであっても構わない。
【実施例
【0022】
以下に、本発明の実施例である履歴追跡システム100について、図1乃至図5に基づいて説明する。
ここで、図1は、本発明の実施例である履歴追跡システム100の概略を示す図であり、図2は、本発明の実施例である履歴追跡システム100の動作例を示すチャート図であり、図3は、本発明の実施例である履歴追跡システム100の履歴表示画面132を示す図であり、図4は、本発明の実施例である履歴追跡システム100の検索画面133を示す図であり、図5は、本発明の実施例である履歴追跡システム100のイベント一覧画面135を示す図である。
【0023】
本発明の実施例である履歴追跡システム100は、図1に示すように、複数のユーザー端末110と、サーバ120と、管理者端末130とを備えている。
このうち、ユーザー端末110は、カメラを有し、1次元コードまたは2次元コードCDをスキャン自在に設けられている。
また、サーバ120が、所定場所毎に登録された所定場所識別情報と、所定場所毎に生成された1次元コードの情報または2次元コードの情報の一例である2次元コードCDの情報と、ユーザー端末110のユーザー識別情報とをデータベース121に有している。
所定場所の一例として、第1イベント会場PL1、第2イベント会場PL2があり、それぞれに対して2次元コードCDが生成され、それぞれ生成された2次元コードCDが、第1イベント会場PL1および第2イベント会場PL2のそれぞれの例えば入り口に設置されている。
【0024】
技術的思想として、1次元コード、2次元コードCDのいずれでもよいが、本実施例では、2次元コードCDを例として説明する。
本実施例では、2次元コードCDの情報が、所定場所識別情報を含んでいる。
なお、2次元コードCDの情報に、サーバ120にアクセスするためのアクセス先情報を含ませるようにしてもよい。
予めログインしておく必要がなくなるからである。
【0025】
一例として、先ず、ユーザーがユーザー端末110を操作してユーザー識別情報およびパスワード情報を入力することにより、ユーザー端末110がサーバ120にアクセスして履歴追跡システム100にログインする。
ログインを維持した状態で、ユーザー端末110が、ユーザーの操作に基づいて、第1イベント会場PL1または第2イベント会場PL2に設けられた2次元コードCDを、カメラを用いてスキャンする。
すると、ユーザー端末110が、スキャンした2次元コードCDの情報に基づいて所定場所識別情報およびユーザー識別情報をサーバ120へ送信する。
そして、サーバ120が、ユーザー端末110から受信した所定場所識別情報およびユーザー識別情報を受信したときの日時情報と関連付けてデータベース121に登録するように構成されている。
【0026】
これにより、例えば、1人のユーザーが感染症に感染して連絡を管理者が受けた場合、感染者がいつ、どのイベント会場(所定場所)に行ったかの履歴が管理者端末130を用いてデータベース121で検索自在となる。
その結果、感染者と同じイベント会場(所定場所)に同じ時間帯にいた他のユーザーをデータベース121から抽出することができる。
さらに、抽出した他のユーザーのユーザー識別情報に基づいて該当するユーザー端末110へ連絡自在となる。
その結果、感染の疑いのある他のユーザーへ感染の疑いのある旨の連絡をすることができる。
【0027】
なお、ユーザーの1人が万が一に感染症に感染した場合、ユーザー端末110における所定操作によってユーザー端末110からその旨の情報がサーバ120へ送信され、サーバ120のデータベース121に登録される。
この際、サーバ120が、管理者端末130にその旨の通知を送信するように構成されている。
【0028】
続いて、履歴追跡システム100の動作例について、より詳しく説明する。
図2に示すように、ステップS1では、スキャン判定ステップとして、ユーザー端末110が、所定場所識別情報を含む2次元コードCDをスキャンしたか否かを判定する。
スキャンしたと判定した場合はステップS2へ進み、他方、まだしていないと判定した場合はステップS1を繰り返す。
【0029】
ステップS2では、送信ステップとして、スキャンした2次元コードCDの情報に基づいて所定場所識別情報およびユーザー識別情報をサーバ120へ送信する。
ステップS3では、登録ステップとして、サーバ120が、ユーザー端末110から受信した所定場所識別情報およびユーザー識別情報を受信したときの日時情報と関連付けてデータベース121に登録する。
【0030】
これにより、前述したように、例えば、1人のユーザーが感染症に感染して連絡を管理者が受けた場合、感染者がいつ、どのイベント会場(所定場所)に行ったかの履歴が管理者端末130を用いてデータベース121で検索自在となる。
その結果、感染者と同じイベント会場(所定場所)に同じ時間帯にいた他のユーザーをデータベース121から抽出することができる。
さらに、抽出した他のユーザーのユーザー識別情報に基づいて該当するユーザー端末110へ連絡自在となる。
その結果、感染の疑いのある他のユーザーへ感染の疑いのある旨の連絡をすることができる。
【0031】
図3に示すように、管理者の操作によって管理者端末130がサーバ120にアクセスすると、管理者端末130のブラウザ131が、サーバ120のデータベース121に基づいて、履歴表示画面132を表示する。
履歴表示画面132には、認識日時、ユーザーID、イベントIDの項目が設けられ、認識日時の項目には、日時情報が表示されている。
【0032】
また、ユーザーIDの項目には、ユーザー識別情報の一例としてユーザーの電子メールアドレス情報が表示されている。
さらに、イベントIDの項目には、所定場所識別情報が表示されている。
また、各情報が表示された行毎にイベント内検索ボタン132aが設けられている。
なお、履歴表示画面132の内容は、CSV形式などのファイルでエクスポートも可能である。
【0033】
本実施例では、ユーザー識別情報が、ユーザー端末110のユーザーの電子メールアドレス情報である。
これにより、電子メールアドレス情報が連絡先情報およびユーザーIDの両者を兼ねる。
その結果、サーバ120のデータベース121における管理および管理者端末130のブラウザ131における表示をシンプルにすることができる。
【0034】
そして、管理者が、所望の所定場所識別情報である「第4イベント会場 ○○展示会」に対応するイベント内検索ボタン132aを操作したとする。
すると、図4に示すように、管理者端末130のブラウザ131が、検索画面133を表示する。
検索画面133には、「第4イベント会場 ○○展示会」において2次元コードCDをスキャンしたユーザー識別情報および日時情報がリスト表示されている。
さらに、本実施例では、日時間帯設定ウィンドウ134が表示されるように構成されている。
【0035】
日時間帯設定ウィンドウ134には、所望の年月日および時間帯が指定自在に設けられている。
デフォルトでは、選択されたユーザー識別情報のユーザーの日時情報を基準として前後2時間の時間帯が選択されている。
これにより、例えば、感染症に感染したユーザーと接触した他のユーザーやニアミスのような状況により感染の疑いや感染のリスクのある他のユーザーの情報が抽出される。
その結果、管理者は、そのような他のユーザーに対してその旨を連絡することができる。
なお、検索画面133の内容は、CSV形式などのファイルでエクスポートも可能である。
【0036】
また、本実施例では、管理者端末130のブラウザ131において、タブの切り換えなどの操作によって、イベント一覧画面135が表示される。
イベント一覧画面135には、更新日時、イベントID、イベント名の項目が表示されている。
更新日時の項目には、その行の所定場所識別情報についての更新日時情報が表示されている。
また、イベントIDの項目には、履歴表示画面132と同様、所定場所識別情報が表示されている。
【0037】
イベント名の項目には、イベントIDについての名称や場所などの情報が表示されている。
また、新規登録ボタン135a、コード表示ボタン135b、イベント内検索ボタン135c、全イベント2次元コードを印刷ボタンが表示されている。
このうち、新規登録ボタン135aが操作されると、所定場所識別情報が登録自在になる、または、生成されるとともに、2次元コードCDがサーバ120によって生成されてデータベース121に登録されるように構成されている。
これにより、管理者端末130の管理者は所定場所識別情報を登録すると2次元コードCDが生成自在となる。
その結果、管理者は所定場所に設置用の2次元コードCDを簡単に準備することができる。
【0038】
また、コード表示ボタン135bが操作されると、ブラウザ131が、コード表示ウィンドウ136を表示する。
コード表示ウィンドウ136には、操作されたコード表示ボタン135bの行の所定場所識別情報に対応する2次元コードCD、イベントID、および、イベントIDについての名称や場所などの情報が表示されている。
イベント内検索ボタン135cが操作されると、履歴表示画面132のイベント内検索ボタン132aと同様、管理者端末130のブラウザ131が、図4の検索画面133を表示する。
また、全イベント2次元コードを印刷ボタンが操作されると、イベント一覧画面135に表示された全てのイベントの2次元コードCDの印刷用データが設定されたプリンタに送信されてプリントアウトされるように設けられている。
これにより、登録した所定場所に設置用の2次元コードCDが全てまとめてプリントアウトされる。
その結果、管理者は、2次元コードCD毎のプリントアウト操作を不要として、ボタン1つの操作で簡単に登録した全ての所定場所に設置用の2次元コードCDを準備することができる。
【0039】
なお、イベント一覧画面135の内容は、CSV形式などのファイルでエクスポートも可能である。
また、本実施例では、所定場所の一例として特に第1イベント会場PL1、第2イベント会場PL2について説明したが、所定場所は、イベント会場に限らない。
所定場所は、飲食店や販売店の店舗でもよい。
さらに、所定場所に設置された2次元コードCDは、店舗におけるキャッシュレスの会計処理に用いられるものを兼ねてもよい。
例えば、ユーザーが、コンビニエンスストアやスーパーマーケットで買い物をしてキャッシュレスの会計処理を行う際に読み取る2次元コードCDの情報に含まれる店舗識別情報を所定場所識別情報として用いてもよい。
さらに、飲食店の伝票に記載された2次元コードCDをユーザー端末110で読み取って決済する際の2次元コードCDの情報に含まれる店舗識別情報を所定場所識別情報として用いてもよい。
一例として、伝票の2次元コードCDが、店舗識別情報と、注文品情報と、注文品の金額情報と予め関連付けられている。
会計システム(アプリケーション)にログイン中のユーザー端末110が、伝票の2次元コードCDから読み取った情報に基づいてサーバ120に店舗識別情報、注文品情報および注文品の金額情報、またはこれら情報とリンクした情報を送信する。
サーバ120が、ユーザー端末110から受信した金額情報または金額情報とリンクした情報に基づいて予め登録されたユーザーウォレットの残金額から注文品の金額を差し引く。
これとともに、サーバ120が、店舗識別情報または店舗識別情報とリンクした情報に基づいて予め登録された飲食店ウォレットを選択して注文品の金額から所定手数料としての所定割合金額を差し引いた金額または注文品の金額を飲食店ウォレットに加算する。
これにより、ユーザーがユーザー端末110を用いて伝票の2次元コードCDを読み取るだけで店舗識別情報、注文品情報および注文品の金額情報がユーザーウォレットおよび飲食店ウォレットを有したサーバ120へ送信される。
その結果、ユーザーは飲食店において伝票を受け取ってから客席を立つまでの間の好きなときに決済を行うことができて会計待ちを回避することができるとともに、飲食店従業員の会計の作業負担を著しく軽減することができ、さらに、ユーザーの行動履歴情報をサーバ120のデータベース121に記録することができる。
【0040】
また、例えば、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの販売店の店舗において、会計レジが複数ある場合、各会計レジを所定場所として会計レジ毎に所定場所識別情報を登録して2次元コードCDをそれぞれ生成してもよい。
感染症に感染したユーザーが1つの会計レジを利用した場合、感染したユーザーと同じ時間帯に会計レジ待ちの列に並んでいる間、各ユーザーは基本的にじっとしているため、感染リスクが高くなると推測される。
したがって、感染症に感染したユーザーが利用した会計レジを同じ時間帯に利用した他のユーザーをデータベース121から抽出して他のユーザーに連絡すればよい。
【0041】
また、例えば、レストランや居酒屋などの飲食店の店舗において、各テーブルを所定場所としてテーブル毎に所定場所識別情報を登録して2次元コードCDをそれぞれ生成してもよい。
感染症に感染したユーザーが1つのテーブルを利用した場合、その後に利用した他のユーザーや、感染したユーザーと同じ時間帯にユーザーが利用したテーブルの近くのテーブルを利用した他のユーザーについて感染リスクが高くなると推測される。
したがって、感染症に感染したユーザーが利用したテーブルをその後に利用した他のユーザーや、感染したユーザーと同じ時間帯に近くのテーブルを利用した他のユーザーをデータベース121から抽出して他のユーザーに連絡すればよい。
【0042】
また、例えば、病院や診療所、保健所などの医療機関において、待合室が複数ある場合、各待合室を所定場所として待合室毎に所定場所識別情報を登録して2次元コードCDをそれぞれ生成してもよい。
感染症に感染したユーザーが1つの待合室を利用した場合、感染したユーザーと同じ時間帯に待合室にいる間、各ユーザーは基本的にじっとしているため、感染リスクが高くなると推測される。
したがって、感染症に感染したユーザーが利用した待合室を同じ時間帯に利用した他のユーザーをデータベース121から抽出して他のユーザーに連絡すればよい。
【0043】
さらに、サーバ120または管理者端末130が、ユーザー端末110からユーザーが感染症に感染した旨の情報を受信した場合、サーバ120が、感染したユーザーの履歴の日時情報を基準とした同じ所定場所を同じ時間帯に利用した他のユーザーの情報をデータベース121において抽出するように構成してもよい。
なお、管理者端末130が、ユーザー端末110からユーザーが感染した旨の情報を受信した場合、サーバ120がその旨の受信を検知し、ユーザー識別情報および感染した旨の連絡を受けた日時、感染している期間中の日時などの日時情報に基づいてデータベース121において抽出する。
これにより、感染したユーザーの履歴に基づいて同じ所定場所を同じ時間帯に利用した他のユーザーの情報がデータベース121において抽出される。
その結果、感染リスクのある他のユーザーの情報の有無を管理者は簡単に把握することができる。
なお、抽出した他のユーザーのユーザー識別情報に基づいて、サーバ120が、該当する他のユーザーのユーザー端末110へ感染の疑いのある旨のメッセージ情報を送信するように構成してもよい。
【0044】
また、サーバ120または管理者端末130が、ユーザー端末110などから1人のユーザーが感染症に感染した旨の情報を受信した場合、その感染症の種類を判定するように構成してもよい。
例えば、感染症には、麻疹、風疹、おたふく風邪、ポリオ、天然痘、インフルエンザ、百日咳、感染性胃腸炎(ノロウイルス)、プール熱、マイコプラズマ肺炎、溶連菌感染症、新型コロナウイルスなどがあり、それぞれ感染力の強さ、罹患した場合の重篤性などに基づく総合的な観点からみた危険性の高さに応じてランク値を設けてもよい。
そして、ランク値に応じて、感染したユーザーの履歴の日時情報(感染した旨の連絡を受けた日時、感染している期間中の日時)を基準とした同じ所定場所を同じ時間帯に利用した他のユーザーの情報をデータベース121において抽出する際の時間帯の幅をサーバ120が変更するように構成してもよい。
例えば、危険性の高いランク値であれば、時間帯の幅を広くし、他方、危険性の低いランク値であれば、時間帯の幅を狭くする。
その結果、危険度が高い場合、感染リスクの高い全ての他のユーザーをデータベース121において抽出することができる。
そして、感染の疑いのある他のユーザーへ感染の疑いのある旨をサーバ120または管理者端末130が他のユーザーのユーザー端末110へ連絡する際、感染症の種類(感染症名)、感染力および危険性についての情報をも伝えるように構成してもよい。
連絡を受けた他のユーザーが、医療機関において、医師に相談する際、何の感染症かを医師に伝えることができ、医師は、他のユーザーが罹患しているかもしれないと疑うべき感染症名を知ることができ、感染症の検査を迅速に行うことができる。
【0045】
このようにして得られた本発明の実施例である履歴追跡システム100は、複数のユーザー端末110とサーバ120とサーバ120にアクセス自在な管理者端末130とを備え、サーバ120が、所定場所毎に登録された所定場所識別情報と、所定場所毎に対応して生成された1次元コードの情報または2次元コードCDの情報と、ユーザー端末110のユーザー識別情報とをデータベース121に有し、1次元コードの情報または2次元コードCDの情報が、所定場所識別情報を含み、ユーザー端末110が、カメラを有して所定場所に設けられた1次元コードまたは2次元コードCDをスキャンすると、スキャンした1次元コードの情報または2次元コードCDの情報に基づいて所定場所識別情報およびユーザー識別情報をサーバ120へ送信し、サーバ120が、ユーザー端末110から受信した所定場所識別情報およびユーザー識別情報を受信したときの日時情報と関連付けてデータベース121に登録する構成であることにより、感染者と同じ所定場所に同じ時間帯にいた他のユーザーをデータベース121から抽出することができ、感染の疑いのある他のユーザーへ感染の疑いのある旨の連絡をすることができる。
【0046】
さらに、ユーザー識別情報が、ユーザー端末110のユーザーの電子メールアドレス情報であることにより、サーバ120のデータベース121における管理および管理者端末130のブラウザ131における表示をシンプルにすることができる。
【0047】
また、サーバ120にアクセス自在な管理者端末130が、サーバ120にアクセスした際、サーバ120が、管理者端末130の操作に基づいて、データベース121に所定場所識別情報を登録自在であり、所定場所識別情報毎に、サーバ120にアクセスするためのアクセス先情報と、所定場所識別情報とを含めて1次元コードのデータまたは2次元コードCDのデータを生成自在であることにより、管理者は会場設置用の1次元コードまたは2次元コードCDを簡単に準備することができる。
【0048】
さらに、サーバ120または管理者端末130が、ユーザー端末110からユーザーが感染症に感染した旨の情報を受信した場合、サーバ120が、感染したユーザーの履歴の日時情報を基準とした同じ所定場所を同じ時間帯に利用した他のユーザーの情報をデータベース121において抽出する構成であることにより、感染リスクのある他のユーザーの情報の有無を管理者は簡単に把握することができる。
【0049】
また、サーバ120または管理者端末130が、ユーザー端末110からユーザーが感染症に感染した旨の情報を受信したとき、感染症の種類の危険性の高さに応じて予め設けられたランク値を判定し、サーバ120が、感染したユーザーの履歴の日時情報を基準とした同じ所定場所を同じ時間帯に利用した他のユーザーの情報をデータベース121において抽出する際の時間帯の幅をランク値に応じて変更する構成であり、危険性の高さの高いランク値の場合、低いランク値のときと比べて、時間帯の幅を広くすることにより、危険度が高い場合、感染リスクの高い全ての他のユーザーをデータベース121において抽出することができる。
【0050】
さらに、本発明の実施例である履歴追跡システム100のプログラムは、ユーザー端末110が、カメラを有して、所定場所に設けられた所定場所識別情報を含む1次元コードまたは2次元コードCDをスキャンしたとき、スキャンした1次元コードの情報または2次元コードCDの情報に基づいて所定場所識別情報およびユーザー識別情報をサーバ120へ送信する送信ステップS2と、サーバ120が、ユーザー端末110から受信した所定場所識別情報およびユーザー識別情報を受信したときの日時情報と関連付けてデータベース121に登録する登録ステップS3とを具備していることにより、感染者と同じ所定場所に同じ時間帯にいた他のユーザーをデータベース121から抽出することができ、感染の疑いのある他のユーザーへ感染の疑いのある旨の連絡をすることができるなど、その効果は甚大である。
【符号の説明】
【0051】
100 ・・・ 履歴追跡システム
110 ・・・ ユーザー端末
120 ・・・ サーバ
121 ・・・ データベース
130 ・・・ 管理者端末
131 ・・・ ブラウザ
132 ・・・ 履歴表示画面
132a・・・ イベント内検索ボタン
133 ・・・ 検索画面
134 ・・・ 日時間帯設定ウィンドウ
135 ・・・ イベント一覧画面
135a・・・ 新規登録ボタン
135b・・・ コード表示ボタン
135c・・・ イベント内検索ボタン
136 ・・・ コード表示ウィンドウ
PL1 ・・・ 第1イベント会場(所定場所)
PL2 ・・・ 第2イベント会場(所定場所)
CD ・・・ 2次元コード
図1
図2
図3
図4
図5