(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】液体殺菌洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 17/08 20060101AFI20240621BHJP
A01N 25/30 20060101ALI20240621BHJP
A01N 33/12 20060101ALI20240621BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20240621BHJP
C11D 1/04 20060101ALI20240621BHJP
C11D 1/14 20060101ALI20240621BHJP
C11D 1/44 20060101ALI20240621BHJP
C11D 1/62 20060101ALI20240621BHJP
C11D 1/66 20060101ALI20240621BHJP
C11D 1/72 20060101ALI20240621BHJP
C11D 1/75 20060101ALI20240621BHJP
C11D 1/86 20060101ALI20240621BHJP
C11D 3/43 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
C11D17/08
A01N25/30
A01N33/12 101
A01P3/00
C11D1/04
C11D1/14
C11D1/44
C11D1/62
C11D1/66
C11D1/72
C11D1/75
C11D1/86
C11D3/43
(21)【出願番号】P 2019109604
(22)【出願日】2019-06-12
【審査請求日】2022-05-16
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】319001710
【氏名又は名称】シーバイエス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100144794
【氏名又は名称】大木 信人
(72)【発明者】
【氏名】宮尾 良
(72)【発明者】
【氏名】佐渡 光男
【審査官】中田 光祐
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第00/042153(WO,A1)
【文献】特表2001-520262(JP,A)
【文献】特表平11-509270(JP,A)
【文献】特表2002-509560(JP,A)
【文献】特開2019-052118(JP,A)
【文献】特開2010-285551(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00- 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の(A)~(E)からなる有効成分と水を含有することを特徴とする、硬表面に対して使用される液体殺菌洗浄剤組成物
(ただし、ペクチン酸リアーゼは含まない):
(A)アルキルスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、又は脂肪酸塩、
(B)長鎖アルキルジ短鎖アルキルハイドロキシエチルアンモニウム塩、
(C)C12-14グルカミド、
(D)ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルアミン、アルキルポリグルコシド、及びヤシアルキルジヒドロキシエチルアミンオキシドから選ばれる少なくとも一種、
(E)グリコールエーテル系溶剤。
【請求項2】
前記(B)成分が炭素数10~16のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル又はアルケニルジメチルハイドロキシエチルアンモニウム塩からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄性能、殺菌性能及び貯蔵安定性に優れる液体殺菌洗浄剤組成物に関するものである。特に、本発明は硬表面に付着した変性食用油の汚れを除去する優れた洗浄性能を有する液体殺菌洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
調理に使用される食用油は、加熱されると酸化により変性し、粘性が上昇する。このため、台所や厨房、床や調理加工器具等の硬表面に付着した変性食用油の汚れを除去することは容易ではない。
【0003】
これまでに、特定のアニオン界面活性剤やカチオン界面活性剤を有効成分として含有する、硬表面を殺菌・洗浄するための液体殺菌洗浄剤組成物が開発・報告されている。特許文献1には、「(A)アルキル硫酸塩およびアルカンスルホン酸塩から選ばれるアニオン界面活性剤の少なくとも一種、(B)(b1)長鎖アルキルジ短鎖アルキルハイドロキシエチルアンモニウム塩と、(b2)長鎖アルキルジ短鎖アルキルハイドロキシエチルアンモニウム塩以外のカチオン界面活性剤の少なくとも一種とからなるカチオン界面活性剤、(C)金属イオン封鎖剤および(D)水を含有し、組成物中における(A)と(b1)の質量比が(A):(b1)=1:2~1:7であることを特徴とする液体殺菌洗浄剤組成物」が、硬表面の洗浄に好適であることが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、「(a)下記一般式(1)の化合物を0.1~10質量%、(b)一般式(2)の非イオン界面活性剤化合物を0.1~15質量%、(c)炭素数10~18の炭化水素基を有する陰イオン界面活性剤を5~50質量%、及び水を含有する液体洗浄剤組成物。R1a-A-B(1)〔式中、R1aは3級炭素等を1つ以上有する炭素数7~10のアルキル基、Aは-O-等から選ばれる基、Bはヒドロキシル基を2~10個有する総炭素数3~12の基等から選ばれる基である。〕;R2a-CON(R2b)-X(2)〔式中、R2aは炭素数11~15の炭化水素基、R2bは水素原子等、Xはヒドロキシル基を3~6個有する炭素数5~8の炭化水素基である。〕」が、台所まわり、食器や調理器具等の硬質表面の洗浄に適したものであることが記載されている。
【0005】
しかしながら、従来の液体洗浄剤組成物では、硬表面に付着した変性食用油の汚れを除去することは容易でない場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第4051269号公報
【文献】特開2005-171174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の状況を鑑み、本発明は、硬表面に付着した変性食用油の汚れを除去する優れた洗浄性能を有すると共に、殺菌性能及び貯蔵安定性にも優れる液体殺菌洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討をおこなった結果、陰イオン界面活性剤、長鎖アルキルジ短鎖アルキルハイドロキシエチルアンモニウム塩、特定の構造を有する非イオン界面活性剤化合物、その他の非イオン界面活性剤化合物及び/又は両性界面活性剤、ならびに溶剤を有効成分として含んでなる液体殺菌洗浄剤組成物が、硬表面に付着した変性食用油の汚れに対して優れた洗浄性能を有すると共に、優れた殺菌性能及び貯蔵安定性を有することを見出した。
【0009】
本発明はこれらの知見に基づくものであり、以下の発明を包含する。
[1] 下記の(A)~(F)の成分を含有することを特徴とする液体殺菌洗浄剤組成物:
(A)陰イオン界面活性剤、
(B)長鎖アルキルジ短鎖アルキルハイドロキシエチルアンモニウム塩、
(C)一般式(1):
R1-CO-NR2X (1)
[式中、R1は炭素数7~17の炭化水素基であり、R2は水素原子、炭素数1~4のアルキル基、又は炭素数1~4のヒドロキシアルキル基であり、Xは少なくとも3個のヒドロキシル基を有する炭化水素基である。]
で表される非イオン界面活性剤化合物、
(D)(C)を除く非イオン界面活性剤および両性界面活性剤から選ばれる少なくとも一種、
(E)溶剤、
(F)水。
[2] 前記(A)成分がアルキルスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩及び脂肪酸塩からなる群から選択される、[1]の組成物。
[3] 前記(B)成分が炭素数10~16のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル又はアルケニルジメチルハイドロキシエチルアンモニウム塩からなる群から選択される、[1]又は[2]の組成物。
[4] 前記(C)成分が一般式(1):
R1-CO-NR2X (1)
[式中、R1は炭素数7~15の炭化水素基であり、R2は水素原子、炭素数1~4のアルキル基、又は炭素数1~4のヒドロキシアルキル基であり、Xはヒドロキシル基を3~6個有する炭素数5~8の炭化水素基である。]
で表される非イオン界面活性剤化合物からなる群から選択される、[1]~[3]のいずれかの組成物。
[5] 前記(D)成分が高級アルコール又はアルキルアミンのアルキレンオキサイド付加物、プルロニック型ブロックポリマー、リバースプルロニック型ブロックポリマー、多価アルコールのエチレンオキサイドプロピレンオキサイド付加物、グリセリンのエチレンオキサイドプロピレンオキサイド付加物、ポリグリセリルアルキルエーテル、脂肪酸ポリグリセリル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸アルカノールアミド、ベタイン系界面活性剤、イミダゾリン系両性界面活性剤、アミノ酸型両性界面活性剤、アミンオキシド型界面活性剤、及びアルキルアミノエチルグリシン塩からなる群から選択される、[1]~[4]のいずれかの組成物。
[6] 前記(E)成分がグリコールエーテル系溶剤及びアルコール系溶剤からなる群から選択される、[1]~[5]のいずれかの組成物。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、硬表面に付着した変性食用油の汚れを除去する優れた洗浄性能を有すると共に、殺菌性能及び貯蔵安定性にも優れる液体殺菌洗浄剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は液体殺菌洗浄剤組成物に関するものであり、以下の(A)~(F)の成分を含有することを特徴とする:
(A)陰イオン界面活性剤、
(B)長鎖アルキルジ短鎖アルキルハイドロキシエチルアンモニウム塩、
(C)一般式(1):R1-CO-NR2X (1)で表される非イオン界面活性剤化合物、
(D)(C)を除く非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる少なくとも一種、
(E)溶剤、ならびに
(F)水。
【0012】
(A)陰イオン界面活性剤
本発明で用いられる(A)陰イオン界面活性剤(以下、「(A)成分」と記載する場合がある)としては、液体殺菌洗浄剤組成物において一般的に用いられる陰イオン界面活性剤を用いることができ、例えば、アルキルスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、脂肪酸塩が挙げられる。「塩」としては、特に限定されないが、ナトリウム、カリウム、マグネシウム等の金属塩や、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩、アンモニウム塩が好ましい。(A)成分は単独の成分であってもよいし、二種以上の組み合わせであってもよい。特に、他の成分とのバランス、貯蔵安定性、洗浄性能、殺菌性能の点から、アルキルスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、脂肪酸塩が好ましい。
【0013】
(A)成分は、本発明の組成物中に0.0005~10質量%、好ましくは、0.005~7質量%、より好ましくは0.01~5質量%、さらに好ましくは0.01~1質量%の割合で配合することができる。0.0005質量%未満では、変性食用油の汚れに対する洗浄性能や貯蔵安定性が十分でない場合があり、一方、10質量%を超えると、他の成分とのバランスがくずれ所望の効果が得られない場合がある。
【0014】
(B)長鎖アルキルジ短鎖アルキルハイドロキシエチルアンモニウム塩
本発明で用いられる(B)長鎖アルキルジ短鎖アルキルハイドロキシエチルアンモニウム塩(以下、「(B)成分」と記載する場合がある)としては、液体殺菌洗浄剤組成物において一般的に用いられる長鎖アルキルジ短鎖アルキルハイドロキシエチルアンモニウム塩を用いることができる。(B)成分について、「長鎖」とは炭素数が10~16のものをいい、短鎖とは炭素数が1~2のものをいう。本発明で用いることができる(B)成分の好ましい具体例としては、デシルジメチルハイドロキシエチルアンモニウム塩、ラウリルジメチルハイドロキシエチルアンモニウム塩、ミリスチルジメチルハイドロキシエチルアンモニウム塩、デシルジエチルハイドロキシエチルアンモニウム塩、ラウリルジエチルハイドロキシエチルアンモニウム塩、ミリスチルジエチルハイドロキシエチルアンモニウム塩などが挙げられる。「塩」としては特に限定されないが、塩化物、グルコン酸塩、プロピオン酸塩、メチル硫酸塩、エチル硫酸塩、炭酸塩が好ましい。(B)成分は単独の成分であってもよいし、二種以上の組み合わせであってもよい。特に、他の成分とのバランス、貯蔵安定性、洗浄性能、殺菌性能の点から、長鎖アルキルジ短鎖アルキルハイドロキシエチルアンモニウムクロライドが好ましく、特にC12~C14アルキルジメチルハイドロキシエチルアンモニウムクロライドが好ましい。
【0015】
(B)成分は、本発明の組成物中に0.001~10質量%、好ましくは、0.001~7質量%、より好ましくは0.01~5質量%、さらに好ましくは0.01~2質量%の割合で配合することができる。0.001質量%未満では、変性食用油の汚れに対する洗浄性能や殺菌性能、貯蔵安定性が十分でない場合があり、一方、10質量%を超えると、他の成分とのバランスがくずれ所望の効果が得られない場合がある。
【0016】
(C)一般式(1)で表される非イオン界面活性剤化合物
本発明では、(C)一般式(1):R1-CO-NR2X (1)[式中、「R1」は炭素数7~17の炭化水素基であり、「R2」は水素原子、炭素数1~4のアルキル基、又は炭素数1~4のヒドロキシアルキル基であり、「X」は少なくとも3個のヒドロキシル基を有する炭化水素基を示す。]で表される非イオン界面活性剤化合物(以下、「(C)成分」と記載する場合がある)が用いられる。より好ましくは、一般式(1):R1-CO-NR2X (1)[式中、「R1」は炭素数7~15の炭化水素基であり、「R2」は水素原子、炭素数1~4のアルキル基、又は炭素数1~4のヒドロキシアルキル基であり、「X」はヒドロキシル基を3~6個有する炭素数5~8の炭化水素基である。]で表される非イオン界面活性剤化合物である。(C)成分は単独の成分であってもよいし、二種以上の組み合わせであってもよい。特に、他の成分とのバランス、貯蔵安定性、洗浄性能、殺菌性能の点から、グルカミドが好ましく、特に上記一般式(1)において、R1がC12~C14、R2がメチル基又はエチル基であるグルカミドが好ましい。
【0017】
(C)成分は、本発明の組成物中に0.001~10質量%、好ましくは、0.01~7質量%、より好ましくは0.01~5質量%の割合で配合することができる。0.001質量%未満では、変性食用油の汚れに対する洗浄性能や殺菌性能、貯蔵安定性が十分でない場合があり、一方、10質量%を超えると、他の成分とのバランスがくずれ所望の効果が得られない場合がある。そして、特に、他の成分とのバランス、貯蔵安定性、洗浄性能、殺菌性能の点から、より好ましい配合割合は0.01~2質量%である。
【0018】
(D)その他の非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤
本発明で用いられる(D)上記(C)を除く非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる少なくとも一種(以下、「(D)成分」と記載する場合がある)としては、液体殺菌洗浄剤組成物において一般的に用いられる非イオン界面活性剤(上記(C)を除く)及び両性界面活性剤を用いることができる。
【0019】
(D)成分における、非イオン界面活性剤化合物としては、高級アルコール又はアルキルアミンのアルキレンオキサイド付加物(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミンや、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルアミン等)、プルロニック型ブロックポリマー、リバースプルロニック型ブロックポリマー、多価アルコールのエチレンオキサイドプロピレンオキサイド付加物、グリセリンのエチレンオキサイドプロピレンオキサイド付加物、ポリグリセリルアルキルエーテル、脂肪酸ポリグリセリル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。これらは単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0020】
上記ポリオキシエチレンアルキルエーテル、又はポリオキシエチレンアルキルアミンとしては、炭素数が6~24の直鎖又は分岐の炭化水素基を有するアルコール又はアミンにエチレンオキサイド(EO)を2~20モル付加したポリオキシエチレンアルキルエーテル、又はポリオキシエチレンアルキルアミンが挙げられ、なかでも、特に、洗浄性能、殺菌性能、貯蔵安定性、他の成分とのバランスの点から、炭素数が8~18の直鎖または分岐の炭化水素を有するアルコール又はアミンにエチレンオキサイドを6~12モル付加したポリオキシエチレンアルキルエーテル、又はポリオキシエチレンアルキルアミンが好ましく用いられる。
【0021】
上記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルアミンとしては、炭素数が6~24の直鎖又は分岐のアルコール、又はアミンにエチレンオキサイド(EO)を1~40モルとプロピレンオキサイド(PO)1~50モルとを付加したポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルアミン、好ましくは、炭素数が6~18の直鎖又は分岐のアルコール、又はアルキルアミンにエチレンオキサイドを1~20モルとプロピレンオキサイド1~15モルとを付加したポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルアミンが挙げられる。
【0022】
上記プルロニック型ブロックポリマーとしては、平均分子量が500~10000の範囲にあり、EO/POの質量比が0.25~4.0の範囲にあるプルロニック型ブロックポリマー、平均分子量が500~10000の範囲にあり、エチレンオキサイドの含有率が総平均分子量の5%~80%の範囲にあるプルロニック型ブロックポリマー、平均分子量が500~10000の範囲にあり、EO/POの質量比が0.05~1の範囲にあるプルロニック型ブロックポリマーなどが挙げられる。
【0023】
リバースプルロニック型ブロックポリマーとしては、平均分子量が500~10000の範囲にありEO/POの質量比が0.05~1の範囲にあるリバースプルロニック型ブロックポリマーが挙げられる。
【0024】
上記多価アルコールのエチレンオキサイドプロピレンオキサイド付加物としては、トリメチロールプロパンにエチレンオキサイド3~45モルとプロピレンオキサイド15~120モルとを付加したものが挙げられる。
【0025】
上記グリセリンのエチレンオキサイドプロピレンオキサイド付加物としては、グリセリンにエチレンオキサイド3~45モルとプロピレンオキサイド15~120モルとを付加したものが挙げられる。
【0026】
上記ポリグリセリルアルキルエーテルとしては、アルキル基の炭素数は10~14、縮合度が2~10のものが挙げられ、特に洗浄性能、殺菌性能、貯蔵安定性を低下させない点からポリグリセリル-4-ラウリルエーテルが好ましい。
【0027】
上記脂肪酸ポリグリセリルとしては、アルキル基の炭素数は7~17、縮合度が2~10のものが挙げられ、特に洗浄性能、殺菌性能、貯蔵安定性を低下させない点からカプリル酸ポリグリセリル-6、ラウリン酸ポリグリセリル-10が好ましい。
【0028】
上記アルキルポリグルコシドとしては、アルキル基の炭素数は8~16、縮合度が1.0~1.8のものが挙げられ、特に洗浄性能、殺菌性能、貯蔵安定性を低下させない点から炭素数が8~14、縮合度が1.3~1.7のものが好ましい。
【0029】
上記脂肪酸アルカノールアミドとしては、例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(1:1型)、ラウリン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、イソステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(1:2型)、アルキル基にアルキレンオキサイドが付着したもの等が挙げられる。
【0030】
上記脂肪酸アルカノールアミドのなかでも、起泡性能、洗浄性能の点から1:1型で炭素数が10~14のものが好ましく、特に、ラウリン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(1:1型)が好ましく用いられる。
【0031】
(D)成分において、両性界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン等のベタイン系界面活性剤、アルキルイミダゾリンの誘導型両性界面活性剤であるイミダゾリン系両性界面活性剤、N-アルキルアミノ酸またはその塩からなるアミノ酸型両性界面活性剤、アルキルアミンオキシド等のアミンオキシド型界面活性剤、アルキルジアミノエチルグリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン等のアルキルアミノエチルグリシンの塩(例えばナトリウム塩や塩酸塩)である両性界面活性剤が挙げられる。これらのうち、アルキルアミンオキシドが好ましく用いられる。
【0032】
上記アルキルアミンオキシドとしては、一般式(2):R1-N(R2)(R3)O(式中、R1はC8~18アルキルであり、R2及びR3はそれぞれ独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、及び3-ヒドロキシプロピルからなる群より少なくとも1種以上から選択される)で表されるアルキルアミンオキシドが挙げられる。洗浄性能の点から、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ミリスチルジメチルアミンオキサイド、ヤシアルキルジメチルアミンオキシド、ラウリルジヒドロキシアミンオキシド、ミリスチルジヒドロキシアミンオキシド、ヤシアルキルジヒドロキシエチルアミンオキシドが特に好ましく用いられる。
【0033】
特に、他の成分とのバランス、貯蔵安定性、洗浄性能、殺菌性能の点から、(D)成分は、炭素数が8~18の直鎖または分岐の炭化水素を有するアルコール又はアミンにエチレンオキサイドを6~12モル付加したポリオキシエチレンアルキルエーテル、又はポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリグリセリル-4-ラウリルエーテル、カプリル酸ポリグリセリル-6、ラウリン酸ポリグリセリル-10、炭素数が8~14、縮合度が1.3~1.7のアルキルポリグルコシド、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ミリスチルジメチルアミンオキサイド、ヤシアルキルジメチルアミンオキシド、ラウリルジヒドロキシアミンオキシド、ミリスチルジヒドロキシアミンオキシド、ヤシアルキルジヒドロキシエチルアミンオキシドが好ましく用いられる。
【0034】
(D)成分は、本発明の組成物中に0.001~15質量%、好ましくは、0.01~10質量%、より好ましくは0.02~7質量%の割合で配合することができる。0.001質量%未満では、変性食用油の汚れに対する洗浄性能や貯蔵安定性が十分でない場合があり、一方、15質量%を超えると、他の成分とのバランスがくずれ所望の効果が得られない場合がある。そして、特に、他の成分とのバランス、貯蔵安定性、洗浄性能、殺菌性能の点から、より好ましい配合割合は0.05~6質量%である。
【0035】
(E)溶剤
本発明で用いられる(E)溶剤(以下、「(E)成分」と記載する場合がある)としては、液体殺菌洗浄剤組成物に一般的に用いられる水溶性溶剤を用いることができ、例えば、グリコールエーテル系溶剤及びアルコール系溶剤から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。(E)成分は単独の成分であってもよいし、二種以上の組み合わせであってもよい。
【0036】
グリコールエーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、3-メチル-3-メトキシブタノール等が挙げられる。
【0037】
アルコール系溶剤としては、例えば、エチルアルコール、イソプロパノール、3-メトキシブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
【0038】
特に、他の成分とのバランス、貯蔵安定性、洗浄性能、殺菌性能の点から、(E)成分はトリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
【0039】
(E)成分は、本発明の組成物中に0.005~10質量%、好ましくは、0.05~10質量%、より好ましくは0.05~7質量%の割合で配合することができる。0.005質量%未満では、変性食用油の汚れに対する洗浄性能、貯蔵安定性が十分でない場合があり、一方、10質量%を超えると、他の成分とのバランスがくずれ所望の効果が得られない場合がある。そして、特に、他の成分とのバランス、貯蔵安定性、洗浄性能、殺菌性能の点から、より好ましい配合割合は0.05~5質量%である。
【0040】
(F)水
本発明で用いられる「水」としては、水道水、軟水、硬水、純水、蒸留水、イオン交換水などが挙げられる。これらは、単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、経済性、貯蔵安定性の点から、水道水、イオン交換水が好ましく用いられる。
【0041】
なお、本発明の組成物中の「水」は、本発明の組成物を構成する各成分に由来する結晶水や水溶液の形で含まれる水と、外から加えられる水との総和であり、任意成分も含めて組成物全体が100質量%となるようにバランスとして配合される。
【0042】
本発明の液体殺菌洗浄剤組成物は上記成分に加えて、所望の性能に影響を与えない範囲において、金属イオン封鎖剤、pH調整剤(クエン酸等の有機酸)、色素、香料、染料、殺菌剤、酵素、界面活性剤、洗浄ビルダー、粘度調製剤(減粘剤、増粘剤)、金属腐食抑制剤、酸化防止剤などの任意成分を適宜、配合できる。「金属イオン封鎖剤」としては、アミノカルボン酸塩およびカルボン酸塩などが挙げられる。アミノカルボン酸塩としては、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、プロピレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ビス(2-ヒドロキシフェニル酢酸)エチレンジアミン、ジエンコル酸、イミノジ酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、グルタミン酸二酢酸、メチルグリシン二酢酸およびその塩等のアミノポリ酢酸およびこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩またはアルカノールアミン塩等のアミノカルボン酸塩が挙げられる。カルボン酸塩としては、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、酒石酸、グルコール酸、乳酸およびこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩またはアルカノールアミン塩等のカルボン酸塩が挙げられる。これらは単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。上記金属イオン封鎖剤のなかでも、洗浄性能、貯蔵安定性、殺菌性能の点から、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸三ナトリウム、グルタミン酸二酢酸ナトリウム、メチルグリシン二酢酸ナトリウム、クエン酸が好ましい。
【0043】
本発明の液体殺菌洗浄剤組成物は、各成分が液体である場合には混合攪拌することにより、また固形成分を含む場合には水にまず溶解後、他の液体成分を添加し混合攪拌することが一般的であるが、その組成によっては、各成分の添加順序、溶解順序、必要に応じて行われる加温/冷却等の製造手順は、特に制限されるものではない。
【0044】
本発明の組成物は、殺菌洗浄できる限り、例えば、2倍~200倍、3倍~150倍、5倍~100倍等に適宜希釈して用いてもよい。希釈は水を用いて行うことができる。
【0045】
本発明の組成物を用いた被殺菌洗浄物の殺菌洗浄は、以下の方法により行うことができる。
(1)本発明の液体殺菌洗浄剤組成物はワイプ、不織布、スポンジ、モップ、ブラシ等に含浸させて殺菌洗浄材とすることができ、これらを被殺菌洗浄物に対してふき取り作業、もしくは擦り取り作業を行うことにより、殺菌・洗浄ができる。殺菌洗浄を行うものとしては、変性食用油の汚れが付着する硬表面が挙げられ、例えば、医療現場、介護現場、食品工場、喫茶店、レストラン、ホテル、居酒屋、学校(学校給食)、セントラルキッチン、スーパーのバックヤード等における調理台、調理加工器具、食器、床、壁、タイル、ガラス、換気扇壁等の硬表面を有するもの等があげられる。また、本発明の液体殺菌洗浄剤組成物は変性食用油以外の汚れが付着する硬表面に対しても使用することができ、当該汚れを殺菌・洗浄殺菌洗浄するために用いることができる。
【0046】
(2)本発明の液体殺菌洗浄剤組成物は、上記のほか、適宜の方法により使用することができる。例えばスプレー等により被殺菌洗浄物の表面に噴霧し、直ちに、あるいは所定時間後、概ね1~5分間程度放置し、適宜、水ですすいだ後に、乾燥させる。具体的には、本発明の液体殺菌洗浄剤組成物を内填した専用のディスペンサーを用いて、使用時毎に、約6~12ml/m2の割合で被殺菌洗浄物の表面に噴霧することにより、殺菌消毒を行うことができる。殺菌洗浄を行うものとしては、上記のもの等があげられる。
【0047】
本発明の液体殺菌洗浄剤組成物は、プラスチック容器、ポンプ付き容器、パウチ、チューブ等に充填されて提供される。また、1回毎に使用される相当量で、個包装し、携帯性をもたせて提供することもできる。
【実施例】
【0048】
以下、本発明の液体殺菌洗浄剤組成物について、実施例と比較例により本発明を詳細に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0049】
下記表1-1、表1-2、及び表2-1、表2-2に示す組成にて、実施例1~11及び比較例1~8の液体殺菌洗浄剤組成物を調製し、その洗浄性能、殺菌性能、及び貯蔵安定性について評価した。その結果を表1-1、表1-2、及び表2-1、表2-2に併記する。なお、各項目の試験方法および評価基準は以下に示すとおりである。
【0050】
〔洗浄性能〕
下記の試験方法によりテストピースを洗浄したときの洗浄性能を、下記の評価基準で評価した。
<試験方法>
(1)ステンレス板(26mm×76mm)に大豆油を均一に塗り広げ、180℃で加熱した後、室温まで冷ましたものをテストピースとした。
(2)テストピースを約2mLの液体殺菌洗浄剤組成物に5分間浸漬し、その後取り出し、水で濯いだ後乾燥させた。
(3)乾燥後、洗浄前後の目視による汚れの残存度から洗浄性を判定した。
<評価基準>
目視による汚れの残存度から洗浄性を、以下のとおり判定した。
○:目視による汚れの残存度が40%未満
△:目視による汚れの残存度が40%以上60%未満
×:目視による汚れの残存度が60%以上
【0051】
〔殺菌性能〕
下記の試験方法により試験を行い、下記の評価基準で評価した。
<試験方法>
(1)大腸菌(E.coli)又は黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)の菌液(6×106cfu/mL)の1mLを、9mLの液体殺菌洗浄剤組成物加えて混合液を調製し、30秒間放置した。
(2)混合液をシャーレにとり、殺菌剤不活化培地に加え、37℃で48時間培養した。
(3)48時間培養後、生存菌数をカウントした。
<評価基準>
生存菌数を対数減少値にて示し、以下のとおり判定した。
○:3Log10以上である場合、殺菌性能を有する
×:3Log10未満である場合、殺菌性能を有さない
【0052】
〔貯蔵安定性〕
下記の試験方法により試験を行い、貯蔵安定性を下記の評価基準で評価した。
<試験方法>
調製された液体殺菌洗浄剤組成物を50℃で2週間保管し、分離、沈殿、ゲル化等の状態変化の有無を目視で確認した。
<評価基準>
○:分離、沈殿、ゲル化等の状態変化を生じなかった
×:分離、沈殿、ゲル化等の状態変化を生じた
【0053】
〔成分〕
下記表1-1、表1-2及び表2-1、表2-2において用いた成分とその有効純分(%)の詳細は、下記のとおりであり、表中の数値は、有効純分100%に換算して示したものである。
〔(A)成分〕
・アルキルスルホン酸塩:C14~17スルホン酸ナトリウム;商品名:WeylClean SAS60(WeilChem社製、有効成分60質量%)
・アルキルエーテル硫酸塩:ラウリルエーテル硫酸アンモニウム;商品名:ミコリンEA525(s)(Miwon社製、有効成分25質量%)
・脂肪酸塩:ヤシ脂肪酸カリウム;商品名:RCO-K(ヱスケー石鹸社製、有効成分34%)
【0054】
〔(B)成分〕
・長鎖アルキルジ短鎖アルキルハイドロキシエチルアンモニウム塩:C12~14アルキルジメチルハイドロキシエチルアンモニウムクロライド;商品名:Praepagen HY(クラリアントジャパン社製、有効成分40質量%)
・塩化ベンザルコニウム:C12~14ジメチルベンジルアンモニウムクロライド;商品名:DODIGEN226(クラリアントジャパン社製、有効成分50質量%)
【0055】
〔(C)成分〕
・C12~14グルカミド;商品名:Glucopure DEG(クラリアントジャパン社製、有効成分60質量%)
【0056】
〔(D)成分〕
・D-1)ポリオキシエチレンアルキルエーテル、C9~11直鎖アルコールのエチレンオキサイド6モル付加物;商品名:JCTエトキシレート 91-6(オクサリスケミカルス社製、有効成分100質量%)
・D-2)ポリオキシエチレンアルキルエーテル、C10(ナロー型)分岐アルコールのエチレンオキサイド6モル付加物;商品名:ナロアクティー ID60(三洋化成工業社製、有効成分100質量%)
・D-3)ポリオキシエチレンアルキルエーテル、C12~14直鎖アルコールのエチレンオキサイド7モル付加物;商品名:ソフタノール70(日本触媒社製、有効成分100質量%)
・D-4)ポリオキシエチレンアルキルエーテル、C12~15直鎖アルコールのエチレンオキサイド9モル付加物;商品名:エマルミンNL-90(日本触媒社製、有効成分100質量%)
・D-5)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルアミン(三洋化成工業社製、有効成分100質量%)
・D-6)アルキルポリグルコシド:C8~10ポリグルコシド(縮合度=1.3~1.7);ALKYL POLYGLYCOSIDES APG 0810(アゼリスジャパン社製、有効成分65質量%)
・D-7)ラウリルジメチルアミンオキサイド;商品名:GENAMINOX K-12(グローバル・アミンズ・ジャパン社製、有効成分32質量%)
・D-8)アルキルアミンオキシド:ミリスチルジメチルアミンオキシド(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製、有効成分25質量%)
・D-9)ヤシアルキルジヒドロキシエチルアミンオキシド;商品名:GENAMINOX CHE(クラリアントジャパン社製、有効成分37質量%)
・D-10)ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(1:1);アミコールCDE-G(ミヨシ油脂社製、有効成分80質量%)
【0057】
〔(E)成分〕
・トリエチレングリコールジメチルエーテル;商品名:ジメチルトリグリコール(DMTG)(日本乳化剤社製、有効成分100質量%)
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル;商品名:ブチセノール20(KHネオケム社製、有効成分100質量%)
【0058】
〔(F)成分〕
・水(イオン交換水)
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
上記の結果から、実施例1~11は、洗浄性能、殺菌性能、及び貯蔵安定性のいずれの項目においても、優れた特性を示すことが確認された。
【0064】
一方、比較例1は、(E)成分の溶剤を含有しない場合の例であり、実施例とは異なり、十分な洗浄性能、及び貯蔵安定性が得られないことが確認された。
【0065】
比較例2,3,4は、(C)成分の非イオン界面活性剤化合物を含有しない場合の例であり、実施例とは異なり、十分な洗浄性能が得られないことが確認された。
【0066】
比較例5は、(D)成分の非イオン界面活性剤および両性界面活性剤を含有しない場合の例であり、実施例とは異なり、十分な洗浄性能、及び貯蔵安定性が得られないことが確認された。
【0067】
比較例6は、(A)成分の陰イオン界面活性剤を含有しない場合の例であり、実施例とは異なり、十分な洗浄性能が得られないことが確認された。
【0068】
比較例7は、(B)成分の長鎖アルキルジ短鎖アルキルハイドロキシエチルアンモニウム塩及び(E)成分の溶剤を含有しない場合の例であり、いずれの項目も十分な効果が得られないことが確認された。
【0069】
比較例8は、(C)成分の非イオン界面活性剤化合物及び(E)成分の溶剤を含有しない場合の例であり、実施例とは異なり、十分な洗浄性能が得られないことが確認された。
【0070】
以上の結果より、(A)~(E)成分の組み合わせを有効成分として含む液体殺菌洗浄剤組成物は、洗浄性能、殺菌性能、及び貯蔵安定性のいずれの項目においても、優れた特性を示すことが確認された。