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特許7507470入店管理システム、入店管理装置、およびプログラム
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  • 特許-入店管理システム、入店管理装置、およびプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】入店管理システム、入店管理装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20240621BHJP
   G07C 9/20 20200101ALI20240621BHJP
   G07F 17/20 20060101ALN20240621BHJP
【FI】
G06Q30/06
G07C9/20
G07F17/20
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020053465
(22)【出願日】2020-03-24
(65)【公開番号】P2021152823
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-10-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和元年11月29日、LAUNDRY SUN2 北長野駅店(長野県長野市中越2-34)から2km圏内 [刊行物等] 令和元年11月30日、LAUNDRY SUN2 北長野駅店(長野県長野市中越2-34) [刊行物等] 令和元年12月15日、ながの情報NEXT1月号 [刊行物等] 令和元年12月15日乃至令和2年2月14日、http://www.naganojoho.com/
(73)【特許権者】
【識別番号】519428236
【氏名又は名称】EMSベンダー合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128886
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 裕弘
(72)【発明者】
【氏名】小林 秀樹
【審査官】木村 貴俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-107222(JP,A)
【文献】特開2002-304457(JP,A)
【文献】登録実用新案第3052400(JP,U)
【文献】特開2005-215949(JP,A)
【文献】特開平08-161662(JP,A)
【文献】特開2003-023729(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07C 1/00-15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
来店者が店舗内の洗濯機を利用して洗濯を行う店舗の入口に設けられた扉を開閉する開閉手段と、
前記店舗の外に設けられ、前記来店者が所持し当該来店者が当該店舗に入店する権限を有することを識別させる識別体を検知する検知手段と、
時刻に応じて、前記検知手段による前記識別体の検知を条件として前記開閉手段に前記扉を開閉させる制御である第1制御と、当該検知手段による当該識別体の検知を条件とせずに当該開閉手段に当該扉を開閉させる制御である第2制御と、当該開閉手段が当該扉を閉鎖している状態を維持して前記来店者が入店することを制限する制御である第3制御とを切り替える切替手段と
前記店舗内に設けられ、当該店舗内の前記来店者が前記扉に接近することを検知する接近検知手段と、
前記第3制御において、当該第3制御の開始時点から所定期間経過後の第1時点まで前記来店者が前記扉に接近し前記接近検知手段が当該接近を検知すると前記扉を開放する開放制御と、当該第1時点から所定期間経過後の第2時点まで当該来店者が当該扉に接近しても当該扉を閉鎖している状態を維持する閉鎖制御とを切り替える他の切替手段と、
前記店舗内を照らす照明を制御する照明制御手段と、
前記店舗内の物体の移動を検知する移動検知手段と、
を備え、
前記照明制御手段は、前記開始時点よりも後であって前記第1時点よりも前の第3時点まで前記照明を連続して点灯させる連続点灯期間とする連続制御と、当該第3時点から前記第2時点まで前記移動検知手段が前記移動を検知すると当該照明を予め定めた時間点灯させる不連続点灯期間とする不連続制御とを行う、
入店管理システム。
【請求項2】
前記店舗内に設けられ、料金が支払われることにより稼働する稼働体と、
前記識別体を検知すると前記支払いを完了させる支払手段と
を備える請求項1記載の入店管理システム。
【請求項3】
前記店舗内に音を出力する音出力手段を備え、
前記音出力手段は、前記第3制御の前記開始時点までに音を出力し、当該開始時点から前記第1時点までに音を出力しない、
請求項1または2記載の入店管理システム。
【請求項4】
前記店舗における異常を検知する異常検知手段を備え、
前記異常検知手段は、前記異常の検知を行う検知期間とする検知制御と、当該異常の検知を行わない非検知期間とする非検知制御とを切り替え、前記閉鎖制御の開始にともない当該非検知期間とした後に当該検知期間とする
請求項3記載の入店管理システム。
【請求項5】
前記店舗内の温度を制御する温度制御手段を有し、
前記温度制御手段は、前記第3制御の開始にともない前記温度の制御を停止する
請求項記載の入店管理システム。
【請求項6】
来店者が店舗内の洗濯機を利用して洗濯を行う店舗の入口に設けられた扉を開閉するステップと、
前記来店者が所持し当該来店者が当該店舗に入店する権限を有することを識別させる識別体を検知するステップと、
時刻に応じて、前記識別体の検知を条件として前記扉を開閉させる制御である第1制御と、当該識別体の検知を条件とせずに当該扉を開閉させる制御である第2制御と、当該扉を閉鎖している状態を維持して前記来店者が入店することを制限する制御である第3制御とを切り替えるステップと
前記店舗内に設けられ、当該店舗内の前記来店者が前記扉に接近することを検知するステップと、
前記第3制御において、当該第3制御の開始時点から所定期間経過後の第1時点まで前記来店者が前記扉に接近したことを検知すると前記扉を開放する開放制御と、当該第1時点から所定期間経過後の第2時点まで当該来店者が当該扉に接近しても当該扉を閉鎖している状態を維持する閉鎖制御とを切り替えるステップと、
前記店舗内を照らす照明を制御するステップと、
前記店舗内の物体の移動を検知するステップと、
を備え、
前記開始時点よりも後であって前記第1時点よりも前の第3時点まで前記照明を連続して点灯させる連続点灯期間とする連続制御と、当該第3時点から前記第2時点まで前記移動を検知すると当該照明を予め定めた時間点灯させる不連続点灯期間とする不連続制御とを行うこと
をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入店管理システム、入店管理装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コインランドリの営業終了時刻を過ぎてランドリ機器を使用する場合に、発券装置からカードが発行されるシステムが開示されている。このシステムにおいては、営業終了時刻が経過すると、錠装置が施錠されて可動扉がロックされるが、カードをカード読取装置に挿入してその記録内容を読み取らせると、錠装置が一時的に解錠されて店舗内に入ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-107222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば無人で運営される店舗などにおいて、店舗の会員が店舗を安心して利用することができるよう、夜間や早朝など特定の時刻に会員以外の来店者の入店を制限することが望まれる場合がある。
そこで、本発明では、時刻に応じて、店舗に入店する権限を有する者以外の来店者の入店を制限することが可能な入店管理システムなどを提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、店舗の入口に設けられた扉を開閉する開閉手段と、前記店舗の外に設けられ、来店者が所持し当該来店者が当該店舗に入店する権限を有することを識別させる識別体を検知する検知手段と、時刻に応じて、前記検知手段による前記識別体の検知を条件として前記開閉手段に前記扉を開閉させる制御である第1制御と、当該検知手段による当該識別体の検知を条件とせずに当該開閉手段に当該扉を開閉させる制御である第2制御と、当該開閉手段が当該扉を閉鎖している状態を維持して前記来店者が入店することを制限する制御である第3制御とを切り替える切替手段とを備える入店管理システムである。
ここで、前記店舗内に設けられ、料金が支払われることにより稼働する稼働体と、前記識別体を検知すると前記支払いを完了させる支払手段とを備えるとよい。
また、前記店舗内に設けられ、当該店舗内の前記来店者が前記扉に接近することを検知する接近手段と、前記第3制御において、前記来店者が前記扉に接近し前記接近手段が当該接近を検知すると前記扉を開放する開放制御と、当該来店者が当該扉に接近しても当該扉を閉鎖している状態を維持する閉鎖制御とを切り替える他の切替手段とを備えるとよい。
また、前記店舗における異常を検知する異常検知手段を備え、前記異常検知手段は、前記異常の検知を行う検知期間とする検知制御と、当該異常の検知を行わない非検知期間とする非検知制御とを切り替え、前記閉鎖制御の開始にともない当該非検知期間とした後に当該検知期間とするとよい。
また、前記店舗内を照らす照明を制御する照明制御手段と、前記店舗内の物体の移動を検知する移動検知手段とを備え、前記照明制御手段は、前記照明を連続して点灯させる連続点灯期間とする連続制御と、前記移動検知手段が前記移動を検知すると当該照明を予め定めた時間点灯させる不連続点灯期間とする不連続制御とを切り替え、前記第3制御の開始にともない当該連続点灯期間とした後に当該不連続点灯期間とするとよい。
また、前記店舗内の温度を制御する温度制御手段を有し、前記温度制御手段は、前記第3制御の開始にともない前記温度の制御を停止するとよい。
【0006】
他の観点から捉えると、本明細書に開示される技術は、店舗の入口に設けられた扉を開閉する開閉手段と、前記来店者が所持し当該来店者が当該店舗に入店する権限を有することを識別させる識別体を検知する識別手段と、時刻に応じて、前記識別手段による前記識別体の検知を条件として前記開閉手段に前記扉を開閉させる制御である第1制御と、当該識別手段による当該識別体の検知を条件とせずに当該開閉手段に当該扉を開閉させる制御である第2制御と、当該開閉手段が当該扉を閉鎖している状態を維持して前記来店者が入店することを制限する制御である第3制御とを切り替える制御手段とを有する入店管理装置である。
さらに他の観点から捉えると、本明細書に開示される技術は、店舗の入口に設けられた扉を開閉するステップと、前記来店者が所持し当該来店者が当該店舗に入店する権限を有することを識別させる識別体を検知するステップと、時刻に応じて、前記識別体の検知を条件として前記扉を開閉させる制御である第1制御と、当該識別体の検知を条件とせずに当該扉を開閉させる制御である第2制御と、当該扉を閉鎖している状態を維持して前記来店者が入店することを制限する制御である第3制御とを切り替えるステップとをコンピュータに実行させる、プログラムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、時刻に応じて、店舗に入店する権限を有する者以外の来店者の入店を制限することが可能な入店管理システムなどが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態が適用される入店管理システムの概略構成を説明する図である。
図2】入店管理システムの詳細構成を説明する図である。
図3】制御部の概略構成を説明する図である。
図4】入店管理システムの時間帯ごとの動作モードを説明する図である。
図5】管理装置のハードウェア構成例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
<入店管理システム100>
図1は、本実施の形態が適用される入店管理システム100の概略構成を説明する図である。
図2は、入店管理システム100の詳細構成を説明する図である。
まず、図1および図2を参照しながら、入店管理システム100の概略構成について説明をする。
【0010】
入店管理システム100は、コインランドリである店舗1の来店者の入店を管理するシステムである。具体的には、入店管理システム100は、時間帯に応じて、店舗1へ入退出する入り口5に設けられた扉である自動ドア50の開閉を制御する。
【0011】
ここで、店舗1の来店者としては、店舗1内に設けられた洗濯機WM(図2参照)や乾燥機(不図示)などを利用する者と、例えばエアコンが稼働している店舗1内に滞在すること自体を目的とし、洗濯機WMの利用をしない者とが含まれる。例えば、夜間に洗濯機WMなどの利用をしない者が長時間滞在していると、安全上の理由から、洗濯機WMの利用をしたい者であっても店舗1への入店をためらうことがある。
【0012】
そこで、本実施の形態においては、店舗1において洗濯機WM(図2参照)の利用をする者、すなわち店舗1で提供されるサービスを利用する利用者の会員登録(ユーザ登録)をする。そして、会員登録をした来店者と、会員登録をしていない来店者とで、店舗1に入店できる時間帯を変化させる。
【0013】
ここで、本実施の形態においては、会員登録をした利用者である会員URには、会員カードCAが配布される。すなわち、会員URは会員カードCAを保持する。一方で、会員登録をしていない来店者である非会員(不図示)は、会員カードCAを保持していない。また、本実施の形態においては、例えば深夜などの予め定めた時間帯に、店舗1の自動ドア50を施錠(ロック)している状態をデフォルトとする。また、予め定めた時間帯においては、店舗1の自動ドア50に会員カードCAをかざすことを条件として、自動ドア50が開放される。このことにより、会員URは店舗1内に入店することが許容される一方で、会員UR以外の来店者は店舗1内に入店することが制限される。
【0014】
なお、図示の例における会員カードCAは、集積回路(Integrated Circuit)を組み込んだ所謂ICカードである。この会員カードCAは、店舗1内の洗濯機WM(図2参照)を利用する際の利用料金の支払いを可能とする、所謂プリペイド機能を有する。具体的には、会員URが洗濯機WMに設けられた洗濯機カードリーダPMに会員カードCAをかざすことにより、支払いが完了し洗濯機WMの利用が可能となる。なお、例えば店舗1内に設けられた精算機(不図示)によって、会員カードCAの購入や会員カードCAへの入金がなされる。
【0015】
また、例えば、店舗1が閉店した後、店舗1の自動ドア50が施錠されている状態であっても、施設の管理者および警備会社の警備員が管理あるいは警備のために入店することが必要となる場合がある。そこで、管理者は警備用カード(不図示)を自動ドア50にかざすことにより、店舗1内に入店することが許容される。
【0016】
図3は、管理装置10の概略構成を説明する図である。
次に、図2および図3を参照しながら、入店管理システム100の詳細構成について説明をする。
【0017】
入店管理システム100は、店外に設けられ自動ドア50に近づく物体を検知する入店センサ31と、店内に設けられ自動ドア50に近づく物体を検知する退店センサ33と、店外であって自動ドア50の側方に設けられ会員カードCAを読み取る会員カードリーダ30と、店外に設けられ警備用カード(不図示)を読み取る警備カードリーダ35と、店内に設けられ店舗1内の火災を検知する火災センサ37とを有する。
【0018】
また、入店管理システム100は、駆動源(不図示)によって駆動され開閉する扉である自動ドア50と、店舗1内の温度を制御するエアコン51と、店舗内の来店者に広告などの画像を表示するサイネージ53と、店舗1内に音楽やアナウンスなどを流すBGMスピーカ55と、店舗1内を照らす照明57と、店舗1内の物体(例えば来店者)の動きを検知する人感センサ59とを有する
【0019】
また、入店管理システム100は、上記各構成を制御する管理装置10を有する。ここで、管理装置10は、自動ドア50の制御を行う自動ドア制御部111と、会員カードリーダ30の制御を行う会員カードリーダ制御部113と、警備カードリーダ35の制御を行う警備カードリーダ制御部115と、火災センサ37の制御を行う火災センサ制御部117と、ネットワークに接続されエアコン51など店舗1内の設備を制御する店舗システム制御部119とを有する。
【0020】
なお、警備カードリーダ制御部115は、店舗システム制御部119およびネットワークを介して警備会社の端末との通信が可能である。すなわち、警備カードリーダ制御部115は、警備会社による警備カードリーダ制御部115の遠隔監視機能を有する。
【0021】
<管理装置10の入退出制御>
次に、管理装置10により実行される入退出の制御について説明をする。
まず、会員URなどが入店する際の制御について説明する。
店舗1が通常の営業をしている時間帯であれば、店舗1の外にいる会員URあるいは非会員が閉じられた自動ドア50に近づくことにともない、入店センサ31が会員URなどを検知する。このことにより、自動ドア制御部111が自動ドアを制御し自動ドア50を開放する(図中矢印D1参照)。その結果、会員URなどが入店することが可能となる。一方で、特定の時間帯においては、会員URがカードCAを会員カードリーダ30にかざすことを契機として、自動ドア制御部101が自動ドアを開放する。このことにより、カードCAを有する会員URは入店することが可能となるが、カードCAを有さない非会員は入店することが制限される。
【0022】
次に会員URなどが退店する際の制御について説明する。
退店する場合においては、閉じられた状態である自動ドア50に会員URあるいは非会員が近づくことにともない、退店センサ33が会員URなどの存在を検知する。このことにより、自動ドア制御部101が自動ドアを制御し自動ドア50を開放する。その結果、会員URなどが退店することが可能となる。
【0023】
<動作モードの概略>
図4は、入店管理システム100の時間帯ごとの動作モードを説明する図である。
管理装置10は、会員および非会員それぞれの入店の許可および制限を、時間帯に応じて切り替える。すわち、管理装置10は、時刻に応じて動作モードを切り替える制御を行う。具体的には、管理装置10は、通常営業時間帯(図中「通常営業」)と、会員専用時間帯(図中「会員専用」)、閉店時間帯(図中「閉店」)とで動作モードを切り替える。
【0024】
このような動作モードの切り替えを行うにより、例えば早朝や夜間など予め定めた時間帯である会員専用時間帯や閉店時間帯に非会員が入店し、店舗1内に長時間滞在することなどが抑制される。
【0025】
ここで、通常営業時間帯、会員専用時間帯、および閉店時間帯の各々の時間帯について説明する。
まず、通常営業時間帯は、会員URおよび非会員の両者が入店可能な時間帯である。すなわち、通常営業時間帯は、会員カードCAを保有するか否かにかかわらず、店舗1に入店することが可能である。図示の例では、通常営業時間帯は、7時から17時までの時間帯である。
【0026】
会員専用時間帯は、会員URが入店でき、非会員が入店できない時間帯である。図示の例では、会員専用時間帯は、5時から7時まで、および17時から23時までの時間帯である。ここで、図4に示すように、会員専用時間帯は、通常時間帯と同様に、システムが稼働する会員第1時間帯(図中「会員1」)と、エアコン51などが停止し店舗1内にいる会員URに退店を促す会員第2時間帯(図中「会員2」)とを有する。図示の例では、5時から7時までおよび17時から22時30分までが会員第1時間帯であり、22時30分から23時までが会員第2時間帯である。
【0027】
また、閉店時間帯は、管理者あるいは警備員が入店でき、会員URおよび非会員が入店できない時間帯である。図示の例では、閉店時間帯は、23時から翌日の5時までの時間帯である。ここで、図4に示すように、閉店時間帯は、店舗1内のシステムが停止した状態となる閉店第1時間帯(図中「閉店1」)と、照明57が点灯し店舗1内に取り残された会員URが退店することを許容する閉店第2時間帯(図中「閉店2」)と、照明57が消灯しかつ店舗1内に取り残された会員URが退店することを許容する閉店第時間帯(図中「閉店3」)と、退店センサ33が停止しているものの閉店第3時間帯を経て未だ店舗1内にいる会員URが退出するための時間帯である閉店第4時間帯(図中「閉店4」)とを有する。
【0028】
ここで、閉店第1時間帯においては、警戒設定がなされる。この警戒設定においては、店舗1内においては、人感センサ59が人の動きを検知するなどすることを契機として、店舗システム制御部119を介して警備会社へ通知が行われる。この警備設定は、閉店第1時間帯においても、警備カードリーダ35が警備用カード(不図示)を検知すると解除される。この警備設定が解除された状態においては、自動ドア50を開放することが可能となる。また、再び警備カードリーダ35が警備用カード(不図示)を検知するなどの操作を行うことにより、解除されていた警備設定が再度設定される。
【0029】
<入店管理システム100の動作>
以下、図4を参照しながら、各時間帯における入店管理システム100の動作について詳細に説明をする。
まず、入店管理システム100における各構成の稼働時間帯について説明をする。
入店センサ31は、7時から17時の間、稼働する。すなわち、入店センサ31は、通常営業時間帯において稼働する。退店センサ33は、5時から23時30分の間、稼働する。すなわち、退店センサ33は、通常営業時間帯、会員第1時間帯、会員第2時間帯、閉店第2時間帯、および閉店第3時間帯において稼働する。会員カードリーダ30は、5時から7時の間、および17時から23時の間、稼働する。すなわち、会員カードリーダ30は、会員第1時間帯および会員第2時間帯において稼働する。警備カードリーダ35は、0時から5時までの間、稼働する。すなわち、警備カードリーダ35は、閉店第1時間帯において稼働する。火災センサ37は、時刻にかかわらず常に稼働する。
【0030】
また、エアコン51は、5時から23時まで稼働する。すなわち、エアコン51は、通常営業時間帯、会員第1時間帯、および会員第2時間帯において稼働する。サイネージ53は、5時から23時まで稼働する。すなわち、サイネージ53は、通常営業時間帯、会員第1時間帯、および会員第2時間帯において稼働する。
【0031】
BGMスピーカ55は、5時から23時まで稼働する。ここで、BGMスピーカ55は、5時から22時30分までの間は音楽を店舗1内に流すモードであるBGM1で稼働し、22時30分から23時までの間は、店舗1内の来店者に退店を促す音声として、例えば店舗1が23時に閉店することのアナウンスを出力するBGM2として稼働する。すなわち、BGMスピーカ55は、通常営業時間帯および会員第1時間帯はBGM1で稼働し、会員第2時間帯においてBGM2として稼働する。
【0032】
照明57は、5時から23時15分までの間は通常の稼働、すなわち連続して点灯する(図中「連続」)。また、照明57は、23時15分から翌日の5時までの間は人感センサ59が店舗1内での人の動きを検知することにともない、予め定めた期間(例えば、30秒間)稼働する人感モード(図中「人感」参照)として動作する。すなわち、照明57は、通常営業時間帯、会員第1時間帯、会員第2時間帯、および閉店第2時間帯は通常の稼働をし、閉店第1時間帯、閉店第3時間帯、および閉店第4時間帯は人感モードで稼働する。なお、人感センサ59は、23時15分から翌日の5時まで稼働する。すなわち、人感センサ59は、閉店第1時間帯、閉店第3時間帯、および閉店第4時間帯において稼働する。
【0033】
次に、入店管理システム100において、7時から翌日7時までの動作、すなわち通常営業時間帯から次の営業時間帯になるまでの動作について説明をする。
まず、通常営業時間帯においては、入店センサ31が稼働する。したがって、会員URあるいは非会員が、店外から自動ドア50に近づくことにより、自動ドア50が開放される。また、通常営業時間帯においては、退店センサ33が稼働する。したがって、会員URなどが店内から自動ドア50に近づくことにより、自動ドア50が開放される。また、店内においては、エアコン51、サイネージ53、および照明57が稼働し、BGMスピーカ55がBGM1で稼働する。
【0034】
そして、会員第1時間帯となると、入店センサ31が停止し、会員カードリーダ30が稼働する。したがって、会員URがカードCRを会員カードリーダ30にかざすと、自動ドア50が開放される。また、退店センサ33が稼働している状態は継続し、会員URなどが店内から自動ドア50に近づくことにより、自動ドア50が開放される。また、エアコン51、サイネージ53、および照明57が稼働し、BGMスピーカ55がBGM1で稼働する状態が継続する。
【0035】
そして、会員第2時間帯となると、会員カードリーダ30および退店センサ33が稼働する状態は継続する。また、エアコン51、サイネージ53、および照明57が稼働する状態も継続する。一方で、BGMスピーカ55がBGM1からBGM2で稼働する状態に切り替わる。このことにより、店舗1内にいる会員URなどは退店を促される。付言すると、23時になった際に急に閉店されたかのような驚きを会員URなどに与えることが回避される。
【0036】
そして、閉店第2時間帯となると、会員カードリーダ30が停止する。したがって、会員URが、カードCRを会員カードリーダ30にかざしても、自動ドア50が開放されない。また、退店センサ33が稼働する状態は継続する。また、エアコン51、サイネージ53、およびBGMスピーカ55は停止する。一方で、照明57が稼働する状態は継続する。
【0037】
そして、閉店第3時間帯となると、会員カードリーダ30が停止しており、かつ退店センサ33が稼働する状態は継続する。また、照明57が消灯するとともに、人感センサ59が稼働する。このことにより、会員URなどが店内で動くと、照明57が予め定めた時間(例えば30秒)点灯する。
【0038】
そして、閉店第4時間帯となると、退店センサ33が停止する。したがって、会員URなどが店内から自動ドア50に近づいても、自動ドア50が開放されない。ここで、閉店第4時間帯においては、警備カードリーダ35は稼働しない。すなわち、警備会社による警戒設定がなされない。このことにより、店舗1内にいる会員URなどが、例えば会員URが所持する携帯電話などで店舗1の警備会社に連絡するなどの対応をとる時間が確保される。付言すると、連絡を受けた警備会社は、例えば警備カードリーダ制御部115および店舗システム制御部119を介して遠隔操作することによって、自動ドア50を開放可能とすることができる。
【0039】
そして、閉店第1時間帯となると、警備カードリーダ35が稼働する。したがって、警備会社による警戒設定が開始される。
そして、会員第1時間帯となると、会員カードリーダ30および退店センサ33が稼働する。また、エアコン51、サイネージ53、および照明57が稼働し、BGMスピーカ55がBGM1で稼働する。
【0040】
そして、再び通常営業時間帯となると、会員カードリーダ30が停止し、入店センサ31が稼働する。また、退店センサ33が稼働している状態は継続する。また、エアコン51、サイネージ53、および照明57が稼働し、BGMスピーカ55がBGM1で稼働する状態が継続する。
【0041】
上記のように、非会員が入店を制限される5時から7時まで、および17時から23時までであっても、会員URは入店することができる。ここで、23時から23時30分までは、退店センサ33が稼働しているため、店内にいる会員URなどが退出可能である。一方で、23時30分に退店センサ33は停止し、自動ドア50が開放されなくなる。そして、次の日まで、原則として自動ドア50が閉鎖した状態が継続される。そこで、23時30分から24時までの時間(閉店第4時間帯)を確保することで、仮に会員URが店舗1内に閉じ込められた状況が発生しても、例えば警備会社や店舗1を管理する管理会社に電話するなどによって、会員URが店舗1内にロックインされた状態が回避される。なお、警備会社は、例えば警備カードリーダ制御部115および店舗システム制御部119を介して、自動ドア50を開放可能とする。
【0042】
ここで、店舗1内に、警備会社の電話番号等の連絡先を表示したプレートなどの表示部を設けておくことにより、警備会社などへの連絡が円滑となる。
また、照明57の点灯および消灯を切り替えるスイッチは、店舗1内で会員URなどが操作できる位置に設けない構成としてもよい。このような構成とすることにより、23時15分以降に照明57が消灯した場合において、仮に会員URなどが店舗1内にいたとしても、スイッチを操作して照明57を連続して点灯することができない。その結果、例えば意図的に店舗1内に滞在しようとする会員URなどいた場合であっても、店舗1内の照明57が連続して点灯せず、店舗1内の滞在に不向きな環境としうる。
【0043】
<管理装置10のハードウェア構成>
図5は、管理装置10のハードウェア構成例を示した図である。
図5に示すように、管理装置10は、コンピュータ装置によって構成される。管理装置10は、CPU101と、RAM(Random Access Memory)102と、ROM(Read Only Memory)103と、HDD(Hard Disk Drive)104と、通信I/F105とを備える。
【0044】
CPU101は、ROM103等に記憶された各種プログラムをRAM102にロードして実行することにより、管理装置10の上記各機能を実現する。
RAM102は、CPU101の作業用メモリ等として用いられるメモリである。
ROM103は、CPU101が実行する各種プログラム等を記憶するメモリである。
HDD104は、会員の情報等を記憶する例えば磁気ディスク装置である。
通信I/F105は、ネットワークを介して他の装置との間で各種情報の送受信を行う。
【0045】
ここで、CPU101によって実行されるプログラムは、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、管理装置10へ提供しうる。また、CPU101によって実行されるプログラムは、管理装置10へダウンロードしてもよい。例えば、管理装置10の上記各機能を実現するプログラムを、アプリとして管理装置10へダウンロードしてもよい。
【0046】
<変形例>
上記の説明においては、例えば会員専用時間帯を5時から7時までと17時から23時までとの時間帯とするなど、通常営業時間帯、会員専用時間帯、および閉店時間帯の設定時刻を説明したが、これに限定されない。例えば、会員専用時間帯を7時から9時までと21時から24時までの時間帯などとしてもよい。また、上記の説明においては、会員専用時間帯を早朝および深夜の両者において設定すること、すなわち1日に2回の会員専用時間帯を設定することを説明したが、これに限定されない。例えば、1日に1回あるいは3回以上の会員専用時間帯が設定されてもよい。
【0047】
また、上記の説明においては、会員カードCAや警備用カード(不図示)を用いて、店舗1内に入店する権限を有する来店者であることを識別したが、これに限定されない。予め定め定めた登録をした来店者であることが識別されれば、例えばタグなどの識別体を用いてもよい。また、パスワードや、生体認証などにより識別がなされてもよい。
【0048】
また、上記の説明においては、コインランドリの店舗を例とした入店管理を説明したが、これに限定されない。例えば、無人で運営されるコンビニエンスストアの入店管理に用いてもよい。また、店舗以外の施設、例えば地下駐車場の入退場管理などに用いてもよい。
【0049】
なお、上記では種々の実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態や変形例同士を組み合わせて構成してももちろんよい。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
【0050】
自動ドア50は、扉の一例である。自動ドア制御部111は、開閉手段の一例である。会員カードCAは、識別体の一例である。会員カードリーダ30は、検知手段の一例である。会員時間帯は、第1制御の一例である。通常時間帯は、第2制御の一例である。閉店時間帯は、第3制御の一例である。店舗システム制御部119は、切替手段および他の切替手段の一例である。洗濯機WMは、稼動体の一例である。洗濯機カードリーダPMは、支払手段の一例である。退店センサ33は、接近手段の一例である。人感センサ59および店舗システム制御部119は、異常検知手段の一例である。照明57および店舗システム制御部119は、照明制御手段の一例である。人感センサ59は、移動検知手段の一例である。エアコン51および店舗システム制御部119は、温度制御手段の一例である。カードリーダ制御部113は、識別手段の一例である。管理装置10は、入店管理装置の一例である。
【符号の説明】
【0051】
1…店舗、10…管理装置、30…会員カードリーダ、50…自動ドア、111…自動ドア制御部、119…店舗システム制御部、CA…会員カード

図1
図2
図3
図4
図5