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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】支柱用ベース、支柱及び落石防止柵
(51)【国際特許分類】
   E01F 7/04 20060101AFI20240621BHJP
【FI】
E01F7/04
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020117820
(22)【出願日】2020-07-08
(65)【公開番号】P2022015150
(43)【公開日】2022-01-21
【審査請求日】2023-04-20
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594116334
【氏名又は名称】筑豊金網工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120237
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 良規
(72)【発明者】
【氏名】菅 文彦
(72)【発明者】
【氏名】田中 淳一
【審査官】高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-076275(JP,A)
【文献】特開2010-209543(JP,A)
【文献】実開昭61-102606(JP,U)
【文献】国際公開第2018/087842(WO,A1)
【文献】特開2017-020202(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面に設置される基台と、
前記基台に固定され、ピンを軸として支柱を斜面の傾斜方向に起倒可能に支持する支持部材と、
前記傾斜方向における前記支柱の山側に前記支持部材に対して固定され、且つ、ボルト孔が前記支柱方向に向いて形成された山側部材と、
前記ボルト孔に挿通され、且つ、前記ボルト孔の入口側と出口側のナットにより前記山側部材に固定され、前記支柱に先端が当接するボルトと、
前記ピンとは別個に、前記傾斜方向における前記支柱の前記山側であって、前記ボルトの先端と前記支柱が当接する部分よりも前記山側部材の方向の位置に、前記傾斜方向に対して直交して設けられた棒形の中間部材と、
を備えることを特徴とする支柱用ベース。
【請求項2】
請求項1に記載の支柱用ベースであって、
前記支持部材には、前記ピンが挿通されるピン孔が形成されており、
前記支柱に形成されたピン孔と、前記支持部材に形成されたピン孔の双方に前記ピンが挿通されることにより、前記支持部材が前記支柱を起倒可能に支持することを特徴とする支柱用ベース。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の支柱用ベースに支持される支柱であって、
上部と山側の前記斜面との間に山側ワイヤーが張られることを特徴とする支柱。
【請求項4】
請求項に記載の支柱間に張られた、落石を受け止める金網を備えることを特徴とする落石防止柵。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、落石防止柵に用いられる支柱の山側への倒れ込みを阻止する支持柱や谷側ワイヤーが張れない場合であっても、支柱の山側への倒れを確実に阻止することができる支柱用ベースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路等への落石を防止する落石防止柵の一例が特許文献1に開示されている。以下、この落石防止柵を従来落石防止柵Aといい、図面を参照しながら説明する。
【0003】
図8は、従来落石防止柵Aを示す側面図である。
【0004】
図8において、11は、斜面12に所定間隔をあけて起倒可能に構築された支柱、13は、支柱11の上端部と山側(M)の斜面12との間に張られた山側ワイヤー、14は、隣接する支柱11の上端部間に通された上部ワイヤー、15は、隣接する支柱11の下端部間に通された下部ワイヤー、16は、上部ワイヤー14と下部ワイヤー15との間に張られた、落石を受け止める金網、17は、支柱11の山側(M)への倒れ込みを阻止する支持柱である。支持柱17の上端は、支柱11の下部に固定され、支持柱17の下端は、山側(M)の斜面12に当接され、これによって、支柱11の山側(M)への倒れ込みが阻止される。
【0005】
落石防止柵の別の例が特許文献2に開示されている。以下、この落石防止柵を従来落石防止柵Bといい、図面を参照しながら説明する。
【0006】
図9は、従来落石防止柵Bを示す側面図である。
【0007】
図9において、18は、斜面19に所定間隔をあけて構築された支柱、20は、支柱18の上端部と山側(M)の斜面19との間に張られた山側ワイヤー、21は、支柱18の上端部と谷側(V)の斜面19との間に張られた谷側ワイヤー、22は、支柱18間に張られた、落石を受け止める金網である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2015-25305号公報
【文献】特開2002-348817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記従来落石防止柵Aによれば、斜面12からの落石は、金網16により受け止められる。この際、支柱11は、山側ワイヤー13により引っ張られているので、支柱11が谷側(V)に倒れるおそれはない。
【0010】
また、落石が金網16に衝突すると、山側ワイヤー13に引張力が作用し、その反動で支柱11には、支柱11が山側(M)に倒れ込む力が作用する。しかし、支持柱17の下端が山側(M)の斜面12に当接する結果、支柱11が山側(M)に倒れ込むおそれはない。
【0011】
支柱11の山側(M)への倒れ込みは、山側ワイヤー13上に雪が積もり、その積雪荷重により山側ワイヤー13に下向きの力が作用した場合等にも生じる。
【0012】
上記従来落石防止柵Bによれば、落石は、金網22により受け止められる。この際、支柱18は、山側ワイヤー20により引っ張られているので、支柱18が谷側(V)に倒れるおそれはない。
【0013】
また、従来落石防止柵Aにおけると同様に、斜面19からの落石が金網22に衝突すると、山側ワイヤー20に引張力が作用し、その反動で支柱18には、支柱18が山側(M)に倒れ込む力が作用するが、支柱18は、谷側ワイヤー21により引っ張られているので、支柱18が山側(M)に倒れ込むおそれはない。
【0014】
しかしながら、従来落石防止柵Aによれば、山側(M)の起伏に応じて、支持柱17の長さを変える必要があるので、この分、落石防止柵の構築費用が増加するといった問題があった。
【0015】
また、従来落石防止柵Bは、従来落石防止柵Aの有する上記のような問題はないが、場所的に谷側ワイヤー21を張ることができない場合があるといった問題があった。例えば、落石防止柵を道路脇に施工したい場合や谷側の土地が他人の土地である場合などは、谷側ワイヤー21を張ることが難しい。
【0016】
したがって、この発明の目的は、支柱の山側への倒れ込みを阻止する支持柱を設ける必要がなく、しかも、支柱の山側への倒れ込みを阻止する谷側ワイヤーが張れない場合であっても、支柱の山側への倒れを確実に阻止することができる支柱用ベース等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、下記を特徴とする。
【0018】
請求項1に記載の発明は、地面に設置される基台と、前記基台に固定され、ピンを軸として支柱を斜面の傾斜方向に起倒可能に支持する支持部材と、前記傾斜方向における前記支柱の山側に前記支持部材に対して固定され、且つ、ボルト孔が前記支柱方向に向いて形成された山側部材と、前記ボルト孔に挿通され、且つ、前記ボルト孔の入口側と出口側のナットにより前記山側部材に固定され、前記支柱に先端が当接するボルトと、前記ピンとは別個に、前記傾斜方向における前記支柱の前記山側であって、前記ボルトの先端と前記支柱が当接する部分よりも前記山側部材の方向の位置に、前記傾斜方向に対して直交して設けられた棒形の中間部材と、
を備えることを特徴とする。
【0020】
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の支柱用ベースであって、前記支持部材には、前記ピンが挿通されるピン孔が形成されており、前記支柱に形成されたピン孔と、前記支持部材に形成されたピン孔の双方に前記ピンが挿通されることにより、前記支持部材が前記支柱を起倒可能に支持することを特徴とする。
【0021】
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の支柱用ベースに支持される支柱であって、上部と山側の前記斜面との間に山側ワイヤーが張られることを特徴とする。
【0022】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の支柱間に張られた、落石を受け止める金網を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、ボルトの先端が山側から支柱に当接することから、支柱の山側への倒れ込みを阻止する支持柱を設ける必要がなく、支柱の山側への倒れ込みを阻止する谷側ワイヤーが張れない場合であっても、支柱の山側への倒れを確実に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本実施形態に係る支柱用ベースに支持された支柱の設置例を示す側面図である。
図2】本実施形態に係る支柱用ベースの使用状態を示す図である。
図3】本実施形態に係る支柱用ベースを示す平面図である。
図4】本実施形態に係る支柱用ベースを示す底面図である。
図5】本実施形態に係る支柱用ベースを示す右側面図である。
図6】本実施形態に係る支柱用ベースを示す左側面図である。
図7】(A)は本実施形態に係る支柱用ベースに対して支柱を垂直に固定した場合の右側面図であり、(B)は本実施形態に係る支柱用ベースに対して支柱を45°傾斜させて固定した場合右側面図である。
図8】従来落石防止柵Aを示す側面図である。
図9】従来落石防止柵Bを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1に示すように、落石防止柵200は、主に複数の支柱201と、支柱201間に設けられ、落石を受け止める金網205とからなる。支柱用ベース100は斜面202(図1に示すような斜面202における水平な小段や斜面202の際等を含む)に設置される支柱201を起倒可能に支持する。支柱用ベース100は地面に対して打ち込まれるアンカー209により地面に固定される。アンカー209による固定のため、地盤が岩盤であっても土等であっても確実に固定することができる。アンカー209は、打ち込む地盤の種類よって適切な種類のアンカー209(岩盤用セメントアンカー、土中用ベースアンカー、礫交じり用の自穿孔アンカー等)が採用される(図1は岩盤用セメントアンカーを採用した例を示している)。
【0027】
支柱201は斜面202に所定間隔をあけて構築される。支柱201は斜面202に対して立設される。ここで、落石防止柵200の高さは斜面202から垂直に所定の高さにすることが求められているが、実際の斜面202は場所毎に傾斜が異なるため、各支柱201の傾倒角度を設置位置の斜面202の起伏に応じてそれぞれ調整して、落石防止柵200を所定の高さとする必要がある。すなわち、各支柱201はこの条件を満たすように傾倒角度が設定される(設定された傾倒角度を「設定傾倒角度」という)。
【0028】
支柱201の上部と、山側(M)の斜面202との間に山側ワイヤー203が張られ、支柱201は設定傾倒角度で体勢が維持される。山側ワイヤー203の山側(M)の端部は、斜面202に打ち込まれたアンカー209によって斜面202に固定されている。山側ワイヤー203の谷側(V)の端部には、ターンバックル204が設けられており、ターンバックル204を介して支柱201の上端部に接続されている。ターンバックル204を調節することにより、支柱201の傾倒角度を設定傾倒角度に容易に調整することができる。
【0029】
支柱201間には、落石を受け止める金網205が設けられている。金網205の上側横ワイヤー206は支柱201の上端部に固定され、金網205の下側横ワイヤー207は、支柱用ベース100の後述するコの字ボルト109により固定される。杭208は地面に打ち込まれることにより、落石が抜け出ないように山側に延長された金網205の下部を固定する。
【0030】
次に、図2図7を用いて支柱用ベース100について説明する。
【0031】
支柱用ベース100は、基台101と、基台101に固定され、支柱201を支持する支持部材102と、支柱201の山側(M)に設けられ、ボルト孔が形成された転倒防止板104と、転倒防止板104のボルト孔に挿通され、支柱201に先端が当接する押しボルト105と、を有する。
【0032】
基台101は複数のアンカー孔101Aが形成されており、アンカー209がアンカー孔101Aを通過して、地面に打ち込まれることにより、基台101は地面に固定される。
【0033】
支持部材102はプレートからなり、基台101上に間隔を空けて対向して2枚立設される。この間隔は2枚の支持部材102の間に支柱201が挟まる距離となっている。支持部材102はピン110が挿通されるピン孔が形成されている。支持部材102で支柱201を挟み、支柱201に形成されたピン孔と、支持部材102に形成されたピン孔の位置合わせをした上で、各ピン孔にピン110を挿通し、ナット107で固定することにより、支持部材102は支柱201を斜面202の傾斜方向に起倒可能に支持する。換言すれば、支柱201は基台101上にピン110を中心として起倒可能に固定される。
【0034】
支持部材102と支柱201はピン接合であるため、山側ワイヤー203が取り付けられていない状態であれば谷側(V)又は山側(M)に倒れる。すなわち、ピン110には支柱201の傾倒角度を固定する役割はない。
【0035】
なお、ピン110における支持部材102に形成されたピン孔にかかる部分にはネジ山が切られていないことが好ましいが、そうした部品が入手できない等の事情がある場合には、ピン110としてボルトを代用することもできる(図2図3ではボルトで代用した例を記載している)。この場合、一方の支持部材102に形成されたピン孔にネジ山がかかることになる。図2図3では、ピン110(ボルト)には、ネジ山が軸全体に渡って形成されているが、先端だけナット10と螺合するネジ山が形成されたものを採用することとしてもよい。また、支持部材102は、支柱201を斜面202の傾斜方向に起倒可能に支持することができれば、他の形状・仕様を採用することとしてもよい。
【0036】
転倒防止板104は支柱201の山側(M)に、それぞれの支持部材102に取り付けられるL字状の取付部材103を介して、支持部材102に固定される。具体的には、転倒防止板104の両端部にそれぞれ形成された2つのボルト孔と、各取付部材103に形成された2つのボルト孔の位置合わせをした上で、コの字ボルト109を挿通し、ナット107で固定する。これにより、転倒防止板104は支柱201の山側(M)に固定される。なお、転倒防止板104とコの字ボルト109で形成される隙間には、下側横ワイヤー207が挿通され、コの字ボルト109により固定される。
【0037】
押しボルト105は転倒防止板104の中央近傍に形成されたボルト孔に挿通され、転倒防止板104の両側のナット107により固定される。押しボルト105の先端は山側ワイヤー203により設定傾倒角度に予め体勢を維持された支柱201の下部に当接する。
【0038】
図7に示すように、支柱201の傾倒角度によって転倒防止板104と押しボルト105の先端までの距離は異なる(支柱201の傾倒角度90°(図7(A))より、支柱201の傾倒角度45°(図7(B))の方が、距離が長くなる)が、押しボルト105を転倒防止板104に固定する位置(深さ)を調節することにより、この距離を調整することができる。すなわち、押しボルト105は長さ調整機能を有する。
【0039】
押しボルト105の先端にはキャップ106が取り付けられている。これにより、支柱201側の当接部位が傷つき、当接部位から腐食劣化することを防止することができる。
【0040】
なお、図2図7に示すように、支柱201は、例えばH型鋼からなり、ウェブにピン110が挿通するピン孔が形成されている。2つあるフランジの山側(M)のフランジは押しボルト105の先端が当接するようになっている。なお、支柱201は、支持部材102により起倒可能に支持されるための部位と、押しボルト105の先端が当接する当接部を有していれば、H型鋼以外のものを採用することもできる。
【0041】
2つの取付部材103には、丸鋼108が架設されている。取付部材103と丸鋼108の接合部は溶接されている。これにより、万が一、押しボルト105が破壊した場合であっても転倒防止板104の前に取り付けられている丸鋼108が支柱201の山側(M)への倒れ込みを防止する。
【0042】
次に、支柱用ベース100を用いて支柱201を設置する場合の手順について説明する。まず、支柱201を設置する位置と、支柱201の設定傾倒角度を決める。次いで、支柱201の設置位置に支柱用ベース100を固定し、支持部材102と支柱201をピン110により接合する。なお、予めピン110により支柱201が接合された支柱用ベース100を地面に固定することとしてもよい。
【0043】
次いで、支柱201の上端部に山側ワイヤー203を取り付け、ターンバックル204を調節して、支柱201の傾倒角度が設定傾倒角度となるように調整する。次いで、押しボルト105の先端が支柱201に当接する位置で押しボルト105を固定する。但し、支柱201の傾倒角度を調整する場合、引張側をターンバックル204で調整しつつ、押側を押しボルト105で調整して固定することとしてもよい。
【0044】
以上説明した本実施形態の支柱用ベース100は、地面に設置される基台101と、基台101に固定され、支柱201を斜面202の傾斜方向に起倒可能に支持する支持部材102と、支柱201の山側(M)に設けられ、ボルト孔が形成された転倒防止板(「山側部材」の一例)と、ボルト孔に挿通され、支柱201に先端が当接する押しボルト105(「ボルト」の一例)と、を備える。
【0045】
したがって、本実施形態の支柱用ベース100によれば、支柱201に対して山側(M)へ倒れ込ませる力が作用した場合であっても、押しボルト105(「ボルト」の一例)の先端が山側(M)から支柱201に当接しているため、支柱201の山側(M)への倒れ込みを阻止することができる。これにより、支柱201の山側(M)への倒れ込みを阻止する支持柱を設ける必要がなく、支柱201の山側(M)への倒れ込みを阻止する谷側ワイヤーが張れない場合であっても、支柱201の山側(M)への倒れを確実に阻止することができる。
【0046】
また、支柱201の設定傾倒角度は、斜面202の傾斜角度によって決まる(支柱201は斜面202に対し極力垂直に施工する必要がある)ため、押しボルト105の先端と転倒防止板104との距離は、斜面202の傾斜角度によって変化するが、本実施形態の支柱用ベース100によれば、押しボルト105を転倒防止板104に対して挿入して固定する深さが自在であるため、当該距離の調整を容易に行うことができる。
【0047】
更に、支柱用ベース100の丸鋼108(「中間部材」の一例)が、押しボルト105の先端と転倒防止板104との間に固設されている。これにより、万が一、押しボルト105が破壊した場合でも転倒防止板104の前に取り付けられている丸鋼108が支柱201の山側(M)への倒れ込みを防止する。なお、落石による荷重は金網205や山側ワイヤー203等により大部分が吸収されるため、跳ね返りの荷重が大きくはないため通常は押しボルト105だけで、山側(M)への倒れ込みを防止することができる。
【符号の説明】
【0048】
11:支柱
12:斜面
13:山側ワイヤー
14:上部ワイヤー
15:下部ワイヤー
16:金網
17:支持柱
18:支柱
19:斜面
20:山側ワイヤー
21:谷側ワイヤー
22:金網
100:支柱用ベース
101:基台
101A:アンカー孔
102:支持部材
103:取付部材
104:転倒防止板
105:押しボルト
106:キャップ
107:ナット
108:丸鋼
109:コの字ボルト
110:ピン
111:ワッシャー
200:落石防止柵
201:支柱
202:斜面
203:山側ワイヤー
204:ターンバックル
205:金網
206:上側横ワイヤー
207:下側横ワイヤー
208:杭
209:アンカー
M:山側
V:谷側
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9