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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240621BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021026885
(22)【出願日】2021-02-23
(65)【公開番号】P2022128551
(43)【公開日】2022-09-02
【審査請求日】2023-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000132747
【氏名又は名称】株式会社ソフイア
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 雅也
【審査官】荒井 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-000406(JP,A)
【文献】特開2018-139854(JP,A)
【文献】特開2020-103389(JP,A)
【文献】特開2021-097816(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の識別情報を変動表示させるゲームを演出として表示手段に表示可能な演出制御手段を備える遊技機において、
操作によって記憶手段をクリアすることが可能な操作手段を備え、
前記複数の識別情報として、少なくとも第1の識別情報と第2の識別情報とを表示可能であり、
前記第1の識別情報と前記第2の識別情報は、1または複数の要素で構成可能であり、第1の構成要素組合せからなる第1表示態様と前記第1の構成要素組合せと異なる第2の構成要素組合せからなる第2表示態様とを切替表示可能であり、
前記演出制御手段は、
変動開始から変動終了までの1の変動表示中の仮停止表示で、前記第1の識別情報の仮停止表示態様と前記第2の識別情報の仮停止表示態様とを異ならせることが可能であり、
前記1の変動表示中の第1の契機で第1の仮停止表示と、前記第1の契機より後の前記1の変動表示中の第2の契機で第2の仮停止表示とを実行可能であり、
前記第1の識別情報の変動表示態様を第1の変動表示態様にして、前記第2の識別情報の変動表示態様を前記第1の変動表示態様と異なる第2の変動表示態様にして変動表示可能であり、
前記第1の仮停止表示で前記第1の識別情報の仮停止表示態様と前記第2の識別情報の仮停止表示態様とを異ならせるとき、当該第1の仮停止表示に至る変動表示で前記第1の識別情報の変動表示態様を前記第1の変動表示態様にして、前記第2の識別情報の変動表示態様を前記第2の変動表示態様にし
前記第2の仮停止表示で前記第1の識別情報の仮停止表示態様と前記第2の識別情報の仮停止表示態様とを同じとする、
遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の識別情報を変動表示させるゲームを演出として表示手段に表示可能な演出制御手段を備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示手段において演出を表示可能な遊技機が存在している(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-195760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の遊技機において、さらに遊技の興趣を向上させる余地があった。
【0005】
そこで、本発明は、遊技の興趣を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の代表的な一形態では、複数の識別情報を変動表示させるゲームを演出として表示手段に表示可能な演出制御手段を備える遊技機において、操作によって記憶手段をクリアすることが可能な操作手段を備え、前記複数の識別情報として、少なくとも第1の識別情報と第2の識別情報とを表示可能であり、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報は、1または複数の要素で構成可能であり、第1の構成要素組合せからなる第1表示態様と前記第1の構成要素組合せと異なる第2の構成要素組合せからなる第2表示態様とを切替表示可能であり、前記演出制御手段は、変動開始から変動終了までの1の変動表示中の仮停止表示で、前記第1の識別情報の仮停止表示態様と前記第2の識別情報の仮停止表示態様とを異ならせることが可能であり、前記1の変動表示中の第1の契機で第1の仮停止表示と、前記第1の契機より後の前記1の変動表示中の第2の契機で第2の仮停止表示とを実行可能であり、前記第1の識別情報の変動表示態様を第1の変動表示態様にして、前記第2の識別情報の変動表示態様を前記第1の変動表示態様と異なる第2の変動表示態様にして変動表示可能であり、前記第1の仮停止表示で前記第1の識別情報の仮停止表示態様と前記第2の識別情報の仮停止表示態様とを異ならせるとき、当該第1の仮停止表示に至る変動表示で前記第1の識別情報の変動表示態様を前記第1の変動表示態様にして、前記第2の識別情報の変動表示態様を前記第2の変動表示態様にし、前記第2の仮停止表示で前記第1の識別情報の仮停止表示態様と前記第2の識別情報の仮停止表示態様とを同じとする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一形態によれば、遊技の興趣を向上させることできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】遊技機を前面側から見た斜視図である。
図2】遊技盤の正面図である。
図3】遊技機の遊技制御系の構成例を示すブロック図である。
図4】遊技機の演出制御系の構成例を示すブロック図である。
図5A】メイン処理の前半部分の手順を示すフローチャートである。
図5B】メイン処理の後半部分の手順を示すフローチャートである。
図6A】第1タイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
図6B】第2タイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
図7A】第1入力処理の手順を示すフローチャートである。
図7B】第2入力処理の手順を示すフローチャートである。
図7C】スイッチ読み込み処理の手順を示すフローチャートである。
図8A】第1入力処理によってRWM(RAM)内のスイッチ制御領域に読み込まれた信号(情報)を示す。
図8B】第2入力処理によってRWM(RAM)内のスイッチ制御領域に読み込まれた信号(情報)を示す。
図9A】第1出力処理の手順を示すフローチャートである。
図9B】第2出力処理の手順を示すフローチャートである。
図10】LEDデータ送信処理の手順を示すフローチャートである。
図11】確率設定変更/確認処理の手順を示すフローチャートである。
図12】特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
図13】始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
図14】特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
図15】特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
図16】特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。
図17】特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。
図18】大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
図19】大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。
図20】大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。
図21】小当り判定処理の手順を示すフローチャートである。
図22】サポ当り判定処理の手順を示すフローチャートである。
図23】特図情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
図24】変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
図25】2バイト振り分け処理の手順を示すフローチャートである。
図26】振り分け処理の手順を示すフローチャートである。
図27】変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
図28】特図変動中処理の手順を示すフローチャートである。
図29】時短終了設定処理の手順を示すフローチャートである。
図30】演出モード情報チェック処理の手順を示すフローチャートである。
図31A】特図表示中処理の前半部分の手順を示すフローチャートである。
図31B】特図表示中処理の後半部分の手順を示すフローチャートである。
図32】ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1の手順を示すフローチャートである。
図33】小当りファンファーレ中処理移行設定処理の手順を示すフローチャートである。
図34】サポ作動設定処理の手順を示すフローチャートである。
図35A】外部情報編集処理の前半部分の手順を示すフローチャートである。
図35B】外部情報編集処理の後半部分の手順を示すフローチャートである。
図36】外部情報又は試験信号の送信の様子を示す図である。
図37】メイン処理の後半部分に対する変形例1を示す図である。
図38】変形例1に係るタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
図39】変形例1に係る確率設定変更/確認処理の手順を示すフローチャートである。
図40】変形例1に係るスイッチ制御領域を示す図である。
図41】変形例2に係る遊技制御系のブロック図である。
図42】変形例2に係るスイッチ制御領域を示す図である。
図43】演出制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。
図44】受信コマンドチェック処理を示すフローチャートである。
図45】受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。
図46】単発系コマンド処理を示すフローチャートである。
図47】先読み図柄系コマンド処理を示すフローチャートである。
図48】先読み変動系コマンド処理を示すフローチャートである。
図49】図柄系コマンド処理を示すフローチャートである。
図50】変動系コマンド処理を示すフローチャートである。
図51】変動演出設定処理を示すフローチャートである。
図52】当り系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
図53A】表示装置の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、変動表示ゲームが行われるときの画面遷移の一例(前半)である。
図53B】表示装置の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、変動表示ゲームが行われるときの画面遷移の一例(後半)である。
図53C】表示装置の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、変動表示ゲームが行われるときの画面遷移(前半)の別例である。
図54】仮停止状態で揺れ変動を行っている図柄の時間経過に伴う表示態様の変化(変動態様)を示す3種類の図である。
図55】第2実施形態において、表示装置で実行される演出の例(演出例1)である。
図56】第2実施形態において、表示装置で実行される演出の例(演出例2)である。
図57】第2実施形態において、表示装置で実行される演出の例(演出例3)である。
図58】第3実施形態の遊技機の構成例を概略的に示す概略構成図である。
図59】第3実施形態の演出制御装置に読み取られた機種識別情報(機種ID)とシリーズ識別情報(シリーズ種別)が表示された表示装置の表示画面を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、遊技機の説明にお
ける前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
【0010】
〔遊技機全体図〕
図1は、遊技機を説明する図である。
【0011】
遊技機10は島設備に固定される枠11に、ヒンジを介して開閉回動自在に取り付けら
れる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠12(本体枠)及びガラス枠15によって構成さ
れている。また、開閉枠は、その左端側がヒンジに取り付けられる軸着端側になっており
、その右端側が回動によって開放される開放端側になっている。
【0012】
前面枠12には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を
覆うカバーガラス14を有するガラス枠15が取り付けられる。カバーガラス14は、遊
技盤30に形成される遊技領域32(図2参照)を視認可能とする遊技視認領域として機
能する。
【0013】
前面枠12及びガラス枠15は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例
えば、ガラス枠15のみを開放することで、遊技盤30の遊技領域32にアクセスするこ
とができる。また、前面枠12をガラス枠15が開放されていない状態で開放することで
、遊技盤30の裏面側に配設された遊技制御装置(主基板)100(図3参照)等にアク
セスすることができる。
【0014】
ガラス枠15のカバーガラス14周囲の縁部分には、種々の枠構成部材が配設されてい
る。
【0015】
ガラス枠15の上部中央及び左側部には、遊技状態に応じて発光演出可能な装飾装置1
8a,18bが配設されている。装飾装置18a,18bは、内部にLED等の照明部材
を収容しており、遊技状態に応じた発光演出を行う。これら装飾装置18a,18bの内
部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
【0016】
ガラス枠15の上右角部分及び上左角部分には、上スピーカ19aがそれぞれ配設され
る。これら上スピーカ19aとは別に遊技機10の下部には、2つの下スピーカ19bが
設けられている。下スピーカ19bは、ガラス枠15の下左角部分及び前面枠12の下右
角部分に配設されている。これら上スピーカ19a及び下スピーカ19bは、効果音や警
報音、報知音等を発するものである。
【0017】
ガラス枠15の右側部には、遊技機10の上下方向に延設されるとともに、前方(遊技
者側)に向かって突出する突出演出ユニット13が配設されている。突出演出ユニット1
3は、遊技の進行状態に応じて発光演出等を行う演出装置である。突出演出ユニット13
の内部に配設される照明部材も枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
【0018】
ガラス枠15の下部には、遊技球を貯留可能な上皿21を有する上皿ユニットが取り付
けられている。上皿21は、上面が開口した箱状に形成されている。上皿21に貯留され
ている遊技球は、一球ずつ球発射装置(図示省略)に供給される。
【0019】
上皿ユニットは、遊技者からの入力操作を受け付ける演出操作装置と、遊技者からの入
力操作を受け付ける球貸操作装置と、遊技状態に応じて発光演出等を行う装飾装置22と
、をさらに備える。
【0020】
演出操作装置は、演出ボタン25にタッチパネル25bを組み込んだ操作装置であり、
遊技者が操作しやすいように上皿ユニットの上部中央に設けられている。
【0021】
遊技者が演出操作装置を操作することによって、表示装置41(図2参照)に表示され
る特図変動表示ゲーム(ゲーム)等において遊技者の操作を介入させた演出を行うことが
できる。例えば、演出パターン(演出態様)を選択したり、始動記憶に対応する変動表示
ゲーム(ゲーム)の結果を事前に予告する予告演出を実行したりすることができる。なお
、変動表示ゲームには特図変動表示ゲームが含まれ、単に変動表示ゲームとした場合には
、本明細書では特図変動表示ゲームを指すものとする。
【0022】
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出操作装置を操作す
ることによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。
【0023】
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は、複数の遊技状態からなる。通常遊
技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別
な遊技状態とは、例えば、特定遊技状態としての時短状態や変動表示ゲームにおいて特別
結果(例えば大当り)の発生確率が高い状態(確変状態、確率変動状態)、大当り状態(
特別遊技状態)、小当り遊技状態(小当り状態)である。
【0024】
ここで、確変状態(特定遊技状態)は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ルー
プタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ
、ST)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)等が
ある。
【0025】
さらに、確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定せずに、大当りが
発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしてもよいし、特定領域を備える入賞装
置等を設け、特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態を発生させるようにしてもよい
【0026】
球貸操作装置は、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する操作装置であって、上皿ユニ
ットの上部右側に設けられている。球貸操作装置は、球貸ボタン27と、返却ボタン28
と、残高表示部26と、を備えている。球貸ボタン27は遊技球を借りる場合に遊技者が
操作するボタンであり、返却ボタン28は遊技機10に隣接するように配置されるカード
ユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させる場合に遊技者が操作するボタ
ンである。残高表示部26は、プリペイドカード等の残高が表示される表示領域である。
【0027】
装飾装置22は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演
出等を行う装置であって、上皿ユニットの前側部分に設けられている。装飾装置22の内
部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
【0028】
上記した上皿ユニット等を備えるガラス枠15の下方であって、前面枠12の下部には
、球発射装置(図示省略)の動作を制御するための操作ハンドル24と、遊技球を貯留可
能な下皿23とが設けられている。
【0029】
操作ハンドル24は、前面枠12の右下部であって、右側の下スピーカ19bの下方に
配置されている。遊技者が操作ハンドル24を回動操作することによって、球発射装置は
上皿21から供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域32に発射する。球発射装置から
発射される遊技球の発射速度は、操作ハンドル24の回動操作量が大きくなるほど速くな
るように設定されている。即ち、球発射装置は、遊技領域に遊技球を発射する勢(速度)
である発射勢を、遊技者による操作ハンドル24の操作に対応して変更でき、発射勢の異
なる種々の発射態様で遊技球を発射できる。発射態様には、遊技領域32の左側において
遊技球を流下させる左打ち(通常打ち)と、遊技領域32の右側において遊技球を流下さ
せる右打ちが含まれる。
【0030】
下皿23は、上皿ユニットに対して所定の間隔をあけて、上皿ユニットの下方に配置さ
れている。下皿23は、当該下皿23の底面を上下方向に貫通する球抜き穴23aと、球
抜き穴23aを開閉するための開閉操作部23bと、を有している。遊技者が開閉操作部
23bを操作して、球抜き穴23aを開くことによって、下皿23に貯留されていた遊技
球を球抜き穴23aを通じて外部に排出することができる。
【0031】
〔遊技盤〕
続いて、図2を参照して、遊技機10の遊技盤30について説明する。図2は、遊技機
10に備えられる遊技盤30の正面図である。
【0032】
図2に示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体3
0aを備える。遊技盤本体30aは木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体30a
の前面にはガイドレール31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、
ガイドレール31で囲まれた遊技領域32内に球発射装置から遊技球を発射して遊技を行
うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車
や障害釘等が配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えなが
ら遊技領域32を流下する。
【0033】
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンター
ケース(前面構成体)40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部
の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する演出表示装置(変動表示装置)
としての表示装置41が配置されている。表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイを
備え、センターケース40の窓部を介して遊技盤30の前面側から表示内容が視認可能と
なるように配置される。なお、表示装置41は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず
、ELやCRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
【0034】
表示装置41の表示画面(表示部)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変
動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される
。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(大当り表示やファンファーレ表示、エ
ンディング表示等)が表示される。
【0035】
また、センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40
の内側に導くためのワープ通路40eへの流入口40aと、ワープ通路40eを通過した
遊技球が転動可能なステージ部40bとが設けられている。センターケース40のステー
ジ部40bは、始動入賞口36及び普通変動入賞装置37の上方に配置されているため、
ステージ部40b上で転動した遊技球は始動入賞口36又は普通変動入賞装置37に入賞
しやすくなっている。
【0036】
センターケース40の上部及び右側部には、それぞれ上部演出ユニット40c(可動役
物でよい)及び側部演出ユニット40d(可動役物でよい)が設けられる。上部演出ユニ
ット40c及び側部演出ユニット40dは、盤装飾装置46(図4参照)及び盤演出装置
44(図4参照)の一部を構成している。
【0037】
センターケース40の右側方の遊技領域32には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲー
ト)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を
通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられ
ている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図
変動表示ゲームが実行される。
【0038】
センターケース40の左下方の遊技領域32には一般入賞口35が配置されており、セ
ンターケース40の右下方の遊技領域32にも一般入賞口35が配置されている。これら
一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ(SW
)35a~35n(図3参照)によって検出される。
【0039】
センターケース40の下方の遊技領域32には、特図変動表示ゲームの開始条件を付与
する始動入賞口(第1始動入賞領域)36が設けられ、その直下には第2始動入賞口(第
2始動入賞領域)を備えた普通変動入賞装置37が設けられる。普通変動入賞装置37は
、上端側が手前側に倒れる方向に回動することで、遊技球が流入し易い状態に変換する可
動部材(可動片)37bを備える。可動部材37bが閉状態である場合には遊技球が普通
変動入賞装置37に入賞できないようになっている。遊技球が始動入賞口36又は普通変
動入賞装置37に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
【0040】
可動部材37bは、所謂ベロ型の普通電動役物であり、普図変動表示ゲームの結果が所
定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド37c(図3参照)を介して回動して
開いて、遊技球が普通変動入賞装置37に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入
賞容易状態)に変化する。
【0041】
なお、可動部材37bは、後述する遊技制御装置100によって制御される。遊技制御
装置100は、普図変動表示ゲームの変動時間を短縮したり普図変動表示ゲームの当り確
率を通常よりも高確率としたりすることで入賞容易状態の発生頻度を高めたり、通常遊技
状態で発生する入賞容易状態よりも入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前
述の特定遊技状態として時短状態(普電サポート状態)を発生させる。なお、確変状態(
潜伏確変状態を除く)においても、重複して時短状態(普電サポート状態)が発生する。
【0042】
普通変動入賞装置37の右上方の遊技領域32には、大入賞口ソレノイド39b(図3
参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで大入賞口を開放するアタッ
カ形式の開閉扉39cを有する特別変動入賞装置39が設けられている。特別変動入賞装
置39は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不
利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、大入賞口
内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与する
ようになっている。なお、大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出
手段としてカウントスイッチ39a(大入賞口スイッチ39a、図3参照)が配設されて
いる。また、大入賞口内や大入賞口近傍には、大入賞口を照らす発光部材が配設されてい
る。
【0043】
第2特別変動入賞装置39の内部には、特定領域86(いわゆるV入賞口)が設けられ
ている。特定領域86(V入賞口)に遊技球が入球した場合に大当り終了後の確変状態(
高確率状態、特定遊技状態)が確定する。特定領域86は、確変大当りの場合にのみ、長
時間開放されるなどして遊技球が容易に通過できるようにしてよい。なお、遊技制御装置
100は、特定領域86への遊技球の通過(V入賞)をセンサ(後述の特定領域スイッチ
72)等を介して検知でき、V入賞を検知すると大当り終了後に確変状態に移行すること
を確定するとともに、後述の演出制御装置300にV入賞があったことを示す情報(特定
領域通過コマンド等)を送信する。そして、演出制御装置300は、V入賞を表示装置4
1などにおいて報知できる。
【0044】
一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、及び特別変動入賞装置39
の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置200(図3参照)は、入賞した入賞口
の種類に応じた数の賞球を払出装置から上皿21に排出する。また、普通変動入賞装置3
7の下方の遊技領域32には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30
bが設けられている。
【0045】
また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体30aの右下角部には、特図変動表示ゲ
ーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行す
る一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、現在の遊技状態等の情報を
表示する表示部51~60を備える。
【0046】
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表
示ゲーム用の第1特図変動表示部51(特図1表示器、ランプD1)及び第2特図変動表
示部52(特図2表示器、ランプD2)と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部53(普
図表示器、ランプD10、D18)と、各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の
記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)と、
を有している。特図1保留表示器54はランプD11、D12により構成される。特図2
保留表示器55は、ランプD13、D14により構成される。普図保留表示器56は、ラ
ンプD15、D16により構成される。
【0047】
また、一括表示装置50には、右打ち時(右打ちすべき時)又は左打ち時(通常打ち時
)であることを報知する第1遊技状態表示部57(第1遊技状態表示器、ランプD8)、
時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部58(第2遊
技状態表示器、ランプD9)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態
となっていることを表示する第3遊技状態表示部59(第3遊技状態表示器、確率状態表
示部、ランプD17)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置39の開閉回数)を表
示するラウンド表示部60(ランプD3-D7)が設けられている。
【0048】
図1表示器51と特図2表示器52において、変動表示ゲームは、識別情報(例えば
、中央のセグメント)の点灯消灯(点滅)を繰り返す変動表示によって実行される。なお
、特図1表示器51、特図2表示器52は、このようなセグメント型の表示部に限らず、
複数のLEDの集合体により構成されていてもよいし、変動表示を実行する場合に、表示
器として設けられるすべてのLEDにより全点灯全消灯(全LEDの同時点滅)や、循環
点灯(何れか1のLEDから所定時間毎に所定の順序で点灯し、消灯する)、または複数
のLEDのうちの所定数のLEDによる点灯消灯(点滅)や循環点灯によって行ってもよ
い。普図表示器53においても、変動表示ゲームは、ランプD10、D18の点灯消灯を
繰り返す変動表示(点滅)によって実行される。また、普図表示器53も特図1表示器5
1、特図2表示器52と同様に適宜構成することが可能である。
【0049】
また、センターケース40の上部に設けられるランプ表示装置80は、図柄(第四特別
図柄、第4図柄)として点灯表示と消灯表示を繰り返す変動表示(点滅)を実行するラン
プ表示部1、2(LED)と、各特図変動表示ゲームの始動記憶数(保留数)報知用のラ
ンプ表示部3-6(LED)を有する。なお、ランプ表示装置80は、演出制御装置30
0(後述)で制御される。各特図変動表示ゲームの始動記憶数報知用のランプ表示部3-
6(LED)は、大当り発生により保留数の表示を終了するが、大当り状態中以外の場合
(表示装置41で後述のリーチが発生している場合も含む)では、保留数の表示を行う。
【0050】
次に、遊技機10における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの
詳細について説明する。
【0051】
遊技機10では、図示しない球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球が打ち出され
ることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置さ
れた障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲー
ト34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装
置39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30bへ流入し、遊技
領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置
37、又は特別変動入賞装置39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた
数の賞球が払出装置を介して上皿21に排出される。
【0052】
普図始動ゲート34には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲート
スイッチ34a(図3参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート34を通過する
と、ゲートスイッチ34aによって検出され、このときに抽出された当り判定用乱数値の
判定結果に基づき普図変動表示ゲームが実行される。
【0053】
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われて
おり当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当り
となって普通変動入賞装置37が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲ
ート34を通過すると、普図始動記憶数が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)さ
れる。
【0054】
普図始動記憶には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値
が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示
ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
【0055】
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示器53で実行されるよ
うになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当り
を示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示する
ことで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は
消灯することで結果を表示するようになっている。
【0056】
普図始動ゲート34通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示
器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレ
ノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例え
ば0.3秒間)だけ開状態に変換され、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が許容さ
れる。
【0057】
遊技球の始動入賞口36への入賞及び普通変動入賞装置37への入賞は、始動口1スイ
ッチ36a(図3参照)及び始動口2スイッチ37a(図3参照)によって検出される。
始動入賞口36に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、
所定の上限数を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は特
図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶される。
【0058】
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各
変動パターン乱数値等が抽出される。これら乱数値は、遊技制御装置100の特図保留記
憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば最大で8回分
)を限度に記憶される。特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報
知用の特図1保留表示器54や特図2保留表示器55に表示されるとともに、表示装置4
1の表示画面にも表示される。
【0059】
遊技制御装置100は、始動入賞口36への入賞若しくは第1始動記憶(特図1始動記
憶、特図1保留)に基づいて、特図1表示器51で特図1変動表示ゲームを実行する。ま
た、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37への入賞若しくは第2始動記憶(特図
2始動記憶、特図2保留)に基づいて、特図2表示器52で特図2変動表示ゲームを実行
する。
【0060】
図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)及び特図2変動表示ゲーム(第2特
図変動表示ゲーム)は、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報(特別
図柄、特図)を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、
表示装置41では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字
、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行される。
【0061】
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される飾り特
別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の
順に変動表示(スクロール表示や回転変動表示等)を開始して、所定時間後に変動してい
る図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、
表示装置41では、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。
さらに、飾り特図変動表示ゲームでは、他の飾り特別図柄(識別情報)として、ランプ表
示装置80のランプ表示部(LED)において、点灯表示と消灯表示の繰り返し(点滅)
によって第四特別図柄(第4図柄)が変動する。ランプ表示部の変動表示は、開始から所
定時間後に、はずれの場合は「点灯」、大当りの場合は「消灯」で停止する。
【0062】
なお、逆に、第四特別図柄(第4図柄)としてのランプ表示部(LED)の変動表示は
、はずれの場合は「消灯」、大当りの場合は「点灯」で停止する構成も可能である。また
、各ランプ表示部としてLED(第4図柄LED)を複数設けて、はずれの場合に複数の
うちの一つのLEDを点灯させ、大当りの場合に複数の全てのLEDが点灯させるような
構成も可能である。
【0063】
始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が所定のタイミングでなさ
れた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図1表示器51ま
たは特図2表示器52において、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の
結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応
して、表示装置41の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った
状態)となる。
【0064】
このとき、特別変動入賞装置39は、大入賞口ソレノイド39b(図3参照)への通電
によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。
すなわち、特別変動入賞装置39に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球
が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという
特典が付与される。
【0065】
第1始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が所定のタイミングで
なされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が小当り値である場合)には、特図変動表示ゲ
ームの結果として表示図柄により特定結果態様(小当り結果態様)が導出され、小当り状
態となる。これに対応して、表示装置41の表示態様は小当り結果態様となる。なお、本
実施形態では、小当りの判定にも大当り乱数値が使用されるが、小当り値(小当り判定値
)は、大当り値(大当り判定値)と異なる。
【0066】
このとき、特別変動入賞装置39は、大入賞口ソレノイド39b(図3参照)への通電
によって、大入賞口が所定の短時間だけ閉状態から開状態に変換される。なお、大入賞口
の全開放時間は、小当り状態(小当り遊技状態)の方が大当り状態(特別遊技状態)より
も短いため、小当り状態では大当り状態よりも遊技者が獲得可能な遊技価値(獲得球数)
が少ない。なお、小当り状態と大当り状態では両方とも大入賞口が開放状態となるが、大
当り状態を第1特別遊技状態と呼び、小当り状態を第2特別遊技状態と呼んでもよい。
【0067】
ここで、大当りと小当りとの違いについて説明する。
【0068】
大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果であり、小当りとは条件装置の作動を伴わな
い特定結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停
止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生
して特別電動役物としての特別変動入賞装置39を連続して作動させるための特定のフラ
グがセットされることを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選
した場合のように上述の特定のフラグがセットされないことを意味する。なお、「条件装
置」は、上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段
であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であって
も良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置
として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書
においても同様の意味を有する用語として使用している。
【0069】
具体的には、大当りの場合は、大当りフラグが設定されることにより特別変動入賞装置
が開放されるのに対して、小当りの場合は、小当りフラグが設定されることにより特別変
動入賞装置が開放される。
【0070】
なお、大当り状態の終了後は、大当り状態中にV入賞(特定領域86への遊技球の通過
)があれば確変状態に移行し、V入賞がなければ確変状態以外の他の遊技状態(通常遊技
状態や時短状態)に移行する。一方、小当り状態(大当り状態に比較して短時間)の終了
後は、小当り状態の開始前の元の遊技状態に戻る。なお、大当り状態中において大当り確
率は低確率となるが、小当り状態中において、小当り状態の開始前の大当り確率が維持さ
れる(小当りでは確率状態は変化しない)。
【0071】
なお、特図1表示器51及び特図2表示器52は、別々の表示器として構成してもよい
し同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないよ
うに設定される。
【0072】
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームと特
図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし
、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲ
ーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されない
ようにする。なお、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行
されるようになっており、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があ
り、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は特図2変動表示ゲームが実行
される。
【0073】
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しな
い場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0074】
また、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36
a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口
スイッチ35a、カウントスイッチ39aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金
属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接セン
サ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15
等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた前
面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)には、機械的な接点を有するマイ
クロスイッチを用いることができる。
【0075】
〔遊技制御装置〕
図3は、遊技機10の遊技制御系のブロック図である。遊技機10は遊技制御装置10
0(主基板)を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基
板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を
有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバな
どを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続す
るデータバス140などからなる。
【0076】
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CP
U)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み
、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有
する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモ
ータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5
Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0077】
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するACDCコ
ンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧
を生成するDC-DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン11
1の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停
電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリ
セット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
【0078】
本実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、
バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御
装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び
遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置
400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部43
0を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0079】
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成
することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(
特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが
保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成
された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停
電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投
入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0080】
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。RAM
初期化スイッチ112が押下げられてオン操作されると初期化スイッチ信号が生成され、
これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111c及び払出制御装置200内のRA
Mに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけでは
ないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン1
11が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット
信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0081】
また、遊技制御装置100(主基板)は、設定キースイッチ93を備える。設定キース
イッチ93は、操作者の回転操作等によってオンすることによって遊技条件(遊技)に関
する設定に応じた確率設定値(設定値)を変更可能な状態にする。なお、RAM初期化ス
イッチ112は、操作者の操作に応じて確率設定値を変更可能な設定値変更スイッチとし
ても使用可能である。本実施形態では、確率設定値は、大当り確率や小当り確率(小当り
がある場合のみ)などの当選確率を設定するための設定値であるが、確率以外の他の遊技
条件(演出など)も確率設定値に応じて変更可能である。設定キースイッチ93とRAM
初期化スイッチ112は、遊技条件に関する設定(確率設定値)を変更可能な設定変更手
段(設定変更装置42、設定手段)を構成する。なお、RAM初期化スイッチ112では
なく、他のスイッチが、設定値変更スイッチを兼用してもよいし、専用に独自の設定値変
更スイッチを設けてもよい。
【0082】
設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112は、遊技機10内部の遊技制御装
置100上に設けられることによって、前面枠12(本体枠)が開放されなければ操作で
きない位置(アクセスできない位置)に配置される。即ち、一般の遊技者は、設定キース
イッチ93とRAM初期化スイッチ112にアクセスして操作することができない。設定
キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112は、遊技機10の電源投入(停電復旧、
復電)の際に、前面枠12が開放されることにより操作可能になるが、悪意のある者の不
正や、遊技場の責任者や係員によるトラブル対応(検査等)のため前面枠12が開放され
ることにより操作可能になることもある。
【0083】
後述するように、遊技機10の電源投入(停電復旧、復電)の際に、遊技機10は、設
定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112のオン/オフ状態に応じて、確率設定
値を変更可能(設定可能)な設定可変状態(設定変更状態、設定可能状態、設定変更モー
ド)、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)などの各種状態に、移行
することができる。
【0084】
本実施形態において、確率設定値は、例えば6段階で規定され、確率設定値1(設定1
)、確率設定値2(設定2)、確率設定値3(設定3)、確率設定値4(設定4)、確率
設定値5(設定5)、確率設定値6(設定6)がある。一般的に、設定1が遊技者に最も
不利な設定であり、設定6が遊技者に最も有利な設定である。設定1、2が低設定であり
、設定3、4が中間の設定(中間設定)であり、設定5、6が高設定である。
【0085】
確率設定変更処理では、操作者によってRAM初期化スイッチ112が押下操作される
度に、作業用設定値領域の作業用設定値(設定)が、設定値0(設定1、確率設定値1)
→設定値1(設定2、確率設定値2)→設定値2(設定3、確率設定値3)→設定値3(
設定4、確率設定値4)→設定値4(設定5、確率設定値5)→設定値5(設定6、確率
設定値6)→設定値0(設定1)→設定値1(設定2)→・・・のように変更される。こ
のように、RAM初期化スイッチ112は、設定値変更スイッチとしても機能する。なお
、説明の都合上、設定変更状態(設定変更モード)中に、作業用設定値0~5をそれぞれ
確率設定値1~6に対応して設けるが、作業用設定値と確率設定値は同じ数値範囲(即ち
0~5又は1~6)に揃えて同じものとして取り扱ってもよい(作業用設定値と確率設定
値を同じ数値にする)。
【0086】
なお、RAM初期化スイッチ112(設定値変更スイッチ)の操作ではなく、設定キー
スイッチ93を所定の位置に回転操作して確率設定値を変更する構成としてもよい。そし
て、選択されている0~5の作業用設定値に対応する表示用確率設定値が、例えば4桁の
7セグメント型(ドットDpを含めると8セグメント型)の表示器である性能表示装置1
52等に表示される。
【0087】
以上、確率設定値は6段階(多段階)で設定される例を示したが、確率設定値は6段階
に限られない。確率設定値は、例えば1段階で設定されてもよい。
【0088】
確率設定値が1段階である場合に、設定変更状態(設定変更モード)中に、RAM初期
化スイッチ112が押下操作(変更操作)されても、内部数値としての作業用設定値と確
率設定値は変化せずそれぞれ0又は1固定され、性能表示装置152等に表示される設定
値(表示用確率設定値)の表示は変化せず数字「1」に固定される。なお、設定値の表示
は、「2」~「6」の何れかの数字でもよい。
【0089】
また、設定が1段階であることを認識しやすくするため、設定値の表示は、数字「1」
~「6」以外の表示態様(例えば文字「P」)としてもよい。性能表示装置152は、設
定値と性能表示の両方を表示可能であるため、設定値の表示は、性能表示で使用されない
表示態様(形態)とするのが望ましい。性能表示で、「b」や「L」や「-」の文字を使
用する場合には、設定値の表示ではこれら文字を使わないようにする。なお、性能表示は
、後述の役物比率や出玉率や排出球数などの性能情報に関連する表示であるが、性能情報
とともに表示する「b」や「L」や「-」などの文字を含めてもよい。
【0090】
設定確認状態(設定確認モード)においても、設定変更状態(設定変更モード)と同様
に設定値の表示が行われる。また、設定変更中と設定確認中を区別するため、設定変更状
態での変更中(未確定値である設定値の表示中)は、性能表示装置152の設定値を表示
する桁(8セグメント)のドットDpの点灯がなく、設定確認状態での確認中(確定値で
ある設定値の表示中)は、ドットDpの点灯があってよい。なお、設定変更中と設定確認
中とで、ドットDpの点灯の有無をこれとは逆にしてもよい。
【0091】
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111a
、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111b及び随時読出し書込み可能なRA
M(ランダムアクセスメモリ)111cを備える。
【0092】
ROM111bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数
の判定値等)を不揮発的に記憶する。RAM111cは、遊技制御時にCPU111aの
作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用されるもので、遊技に関する情報(遊
技情報)が記憶され、停電が発生しても記憶された情報の記憶保持が可能な保持記憶手段
となる。ROM111b又はRAM111cとして、EEPROMのような電気的に書換
え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0093】
また、ROM111bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ
状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パター
ンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている
変動パターン乱数1~3をCPU111aが参照して変動パターンを決定するためのテー
ブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるは
ずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテ
ーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の
変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテー
ブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前
半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パター
ン選択テーブル等)が含まれている。
【0094】
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置
が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特
別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)
となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、
既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をい
う。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示
結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からは
ずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しなが
ら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態
に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示
される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に
決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条
件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0095】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表
示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情
報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものであ
る場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同
一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。他に、すべての変動表示
領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で
特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし
特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、リーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変
動表示するようにしてもよい。
【0096】
そして、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様(大当り態様)が導
出される可能性が異なる(期待度が異なる)リーチ演出の系統(種類)として、ノーマル
リーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP
2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。
なお、リーチ演出の大当りの期待度(期待値)は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシ
ャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くな
るようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態
様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになって
いる。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(は
ずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発
生した状態は、リーチ状態が発生しない場合と比較して大当りとなる可能性の高い状態で
ある。
【0097】
なお、演出(予告)の期待度は、その演出が選択された場合に大当りになる確率を示唆
し、大当りであるときのその演出の選択率及び大当りでないとき(はずれのとき)のその
演出の選択率などに基づいて算出することができる。
【0098】
CPU111aは、ROM111b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装
置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや
表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しない
が、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当りを判定するための大当り乱数
や大当りの停止図柄を決定するための大当り図柄乱数、小当りの停止図柄を決定するため
の小当り図柄乱数、後述の時短図柄(サポ当りの停止図柄)を決定するためのサポ当り図
柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチなしの変動表示にお
ける変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数等を生成す
るための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいて
CPU111aに対する所定周期(例えば、4msec(ミリ秒))のタイマ割込み信号
(第1タイマ割込み信号、第2タイマ割込み信号)や乱数生成回路の更新タイミングを与
えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0099】
また、CPU111aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111b
に記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテー
ブルを取得する。具体的には、CPU111aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当
りあるいははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確
率状態あるいは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブル
の中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU11
1aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111bに記憶された複数の変動
パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情
報取得手段をなす。
【0100】
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフ
ェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従っ
て、払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。
また、払出制御装置200は、カードユニット600からの貸球要求信号に基づいて払出
ユニットの払出モータ91を駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
【0101】
遊技制御装置100の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する電波セ
ンサ62(盤電波センサ)、普図始動ゲート34のゲートスイッチ34a、第1始動入賞
口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口37(普通変動入賞装置)内の始動
口2スイッチ37a、一般入賞口35の入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置39の
大入賞口スイッチ39aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11
Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V-5Vの正論理の信号に変
換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。
【0102】
さらに、インタフェースチップ(近接I/F)121は、特定領域スイッチ72、残存
球排出口スイッチ73、アウト球検出スイッチ74に接続される。特定領域スイッチ72
は、特定領域86(V入賞口)への遊技球の通過(V入賞)を検出する。残存球排出口ス
イッチ73は、特別変動入賞装置39からの遊技球を排出する残存球排出口を通過した遊
技球を検出する。アウト球検出スイッチ74は、アウト口30bを通過する遊技球のみを
検出してもよいし、遊技領域に発射されて遊技を終えた全ての遊技球を検出してもよい。
【0103】
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123、第3入力ポート124、又は、第
4入力ポート126に供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込
まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、ゲートスイッチ34a、始動口1スイッ
チ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ39aの
検出信号は第3入力ポート124に入力される。
【0104】
また、近接I/F121の出力のうち、電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッ
チの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第2入力ポート123に入力される。
【0105】
また、近接I/F121の出力のうち、特定領域スイッチ72、残存球排出口スイッチ
73、又は、アウト球検出スイッチ74の検出信号は第4入力ポート126に入力される
【0106】
また、第2入力ポート123には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用
の磁気センサスイッチ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス
枠開放検出スイッチ63、前面枠12(本体枠)等に設けられた前面枠開放検出スイッチ
64(本体枠開放検出スイッチ)からの信号、遊技機10の振動を検出する振動センサ6
5からの信号が入力される。
【0107】
また、第2入力ポート123は、設定キースイッチ93からの設定キースイッチ信号を
取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する。
【0108】
また、近接I/F121の出力のうち、第3入力ポート124への出力は、遊技制御装
置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになって
いる。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッ
チ37aの検出信号は、第3入力ポート124の他、遊技用マイコン111に入力される
ように構成されている。
【0109】
前述のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル
変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動
作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている
【0110】
第3入力ポート124が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第3入力ポー
ト124に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE
2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第2入力ポ
ート123、第4入力ポート126や後述の第1入力ポート122も同様であり、各入力
ポート毎に予めアドレスが割り当てられて、該アドレスを指定してデータが読み込まれる
【0111】
また、入力部120には、払出制御装置200から出力される枠電波不正信号、払出ビ
ジー信号、払出異常を示すステータス信号、払出前の遊技球の不足を示すシュート球切れ
スイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号、操作ハンドル24に
設けられたタッチスイッチの入力に基づくタッチスイッチ信号、RAM初期化スイッチ1
12からの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する
第1入力ポート122が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊
技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される
信号である。枠電波不正信号は前面枠12(本体枠)に設けられた枠電波センサが電波を
検出することに基づき出力される信号であり、払出ビジー信号は払出制御装置200がコ
マンドを受付可能な状態か否かを示す信号である。
【0112】
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信
号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられてお
り、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。
電源装置400からの停電監視信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバ
ス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチか
らの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部から
の信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0113】
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技
用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部13
0の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中
継基板70に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板70のポート(図
示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。
【0114】
また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置に出力可能に構成する
ようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123
,124には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によ
って出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセ
ットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊
技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃
棄されるためである。
【0115】
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊
技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ
132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置
200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊
技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
【0116】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試
験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号
などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。バッ
ファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御
装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力され
る始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さず
に中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
【0117】
一方、磁気センサスイッチ61や電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置に
供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情
報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号とし
てデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置に供給され
る。
【0118】
なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装
置に供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達
するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン11
1から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御され
たポートの信号が試射試験装置に供給されるようになっている。
【0119】
また、出力部130には、データバス140に接続され普通変動入賞装置37を開放さ
せるソレノイド(普電ソレノイド)37c、特別変動入賞装置39を開放させる大入賞口
ソレノイド39b(大入賞口ソレノイド)、レバーを動作させ特定領域86を開放させる
レバーソレノイド86bの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられ
ている。
【0120】
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード
端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート
135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/
オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
【0121】
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71
に出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71にはフォト
リレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理
装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装
置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミ
ットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
【0122】
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される普電ソレノイド37
cや大入賞口ソレノイド39bなどの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成
し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一
括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライ
バ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側の
デジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート13
7から管理装置等の外部装置に供給する外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4
ドライバ138dが設けられている。
【0123】
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため
、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50
のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジッ
ト線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜
くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
【0124】
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード
端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よ
りデジット線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたL
EDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ド
ライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給され
る。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制
御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるよう
にしてもよい。
【0125】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラ
ムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ13
9は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送
受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通
常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を
利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられて
いない。
【0126】
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力されるデータ(制御用デー
タ、点灯パターンデータ、キャラクタコード(文字コード)など)を受けて、性能表示装
置152(状態表示装置)を駆動するドライバ150が設けられている。本実施形態では
、性能表示装置152は、複数(4つ)の7セグメント型(ドットDpを含めると8セグ
メント型)の表示器(LEDランプ)からなり、ドライバ150はLEDドライバである
が、これに限られるものではない。
【0127】
性能表示装置152は、遊技制御装置100(主基板)上に設けられるものであるが、
他の場所に設けられてもよい。例えば、性能表示装置152は、表示用確率設定値や、性
能表示として、役物比率や出玉率や排出球数を表示可能である。
【0128】
ここで、排出球数は、遊技領域32から排出された遊技球の数(アウト球数とも呼ぶ)
であり、入賞口を通過した遊技球の数(入賞数)とアウト口30bを通過した遊技球の数
との合計である。排出球数は、アウト球検出スイッチ74の信号などをカウント(計数)
することにより取得できる。本実施形態では、入賞口には、一般入賞口35、始動入賞口
36(第1始動入賞口、始動口1)、普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動口2
)、及び、特別変動入賞装置39(大入賞口)が含まれる。
【0129】
出玉率は、排出球数(或は発射球数)に対する賞球数の合計の比率(割合)であり、(
獲得球数÷排出球数)×100(%)で計算される。即ち、出玉率は、排出球数100個
当りの獲得球数(賞球数の合計)となる。
【0130】
例えば、役物比率は、所定期間(例えば、遊技機10の電源投入から現在まで)に入賞
口に入賞したことで得られた全賞球数(賞球の合計数)のうち、大当り状態中に大入賞口
に入賞したことで得られた賞球数(役物別獲得球数)の割合(%)(=いわゆる連続役物
比率)である。なお、役物比率は、全賞球数のうち、大入賞口に入賞したことで得られた
賞球数(大当り状態中と小当り状態中)の割合(=大入賞口比率)でもよいし、或は、大
入賞口及び普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)に入賞したことで得られた賞球数の
割合(=一般的に使用されるいわゆる役物比率(全役物比率))でもよい。
【0131】
〔演出制御装置〕
次に、図4を用いて、演出制御装置300(サブ基板)の構成について説明する。図4
は、遊技機10の演出制御系のブロック図である。
【0132】
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC
)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマン
ドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロ
セッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音
などをスピーカ19から再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えてい
る。
【0133】
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したP
ROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領
域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFe
RAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段を
なすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン
311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。
【0134】
また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接
続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析
し、表示内容を決定してVDP312に出力映像の内容を指示したり、音源LSI314
への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理
などの処理を実行する。
【0135】
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理する
ためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映
像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラク
タなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデ
オRAM)326が接続されている。
【0136】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パ
ラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを
送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することがで
きる。
【0137】
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や
遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYN
C、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312
から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割
込み信号INT0~n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの
状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
【0138】
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41に送信する
映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回
路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力
されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介し
て表示装置41に表示される。
【0139】
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主
制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続
されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INT
が入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた
上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパ
ワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成さ
れた音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力さ
れる。
【0140】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されるコマンドを受信す
るインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。コマンドI/F3
31を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信された飾り特図保留数
コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号
(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5
Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するた
め、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
【0141】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられ
ているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制
御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾
装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤3
0(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41
における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体
制御回路334が設けられている。なお、盤装飾装置46には、前述のランプ表示装置8
0が含まれてよい。
【0142】
ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332~334は
、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお
、ガラス枠15に設けられているモータ等の枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御
回路を備えていてもよい。
【0143】
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵さ
れている演出ボタンスイッチ25a、演出ボタン25の表面に設けられているタッチパネ
ル25b、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演
出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入
力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出し
て主制御用マイコン311に検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられてい
る。
【0144】
電源装置400の通常電源部410は、前述のような構成を有する演出制御装置300
やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モ
ータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モー
タやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5
Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するよう
に構成されている。
【0145】
さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で
動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを
生成するためのDC-DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC-
DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0146】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マ
イコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン
311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314
、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなど
を駆動制御する制御回路332~334(IORESET信号)に供給され、これらをリ
セット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FA
N45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆
動するようにされている。
【0147】
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置1
00の遊技用マイコン111のCPU111aは、普図始動ゲート34に備えられたゲー
トスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽
出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れ
を判定する。
【0148】
そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変
動表示ゲームを表示する。普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に
特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装
置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.3秒間)前述のように開放する制御を
行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う
変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示
器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0149】
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の
入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲーム
の大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図
1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
【0150】
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出
信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当
り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動
表示ゲームの当り外れを判定する。
【0151】
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図1変動表示ゲームや特図2変動
表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出
力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示
した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する。すなわち、遊技制御装置100が
、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装
置37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
【0152】
また、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置
41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する。さらに、演出
制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、ス
ピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すな
わち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制
御手段をなす。
【0153】
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの
場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別
遊技状態を発生させる。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111aは、
例えば、大入賞口ソレノイド39bにより特別変動入賞装置39の開閉扉39cを開放さ
せ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
【0154】
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開
放から所定の開放可能時間(例えば、27秒又は0.05秒)が経過するかのいずれかの
条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンド(R)とし、これを所定ラウ
ンド回数(例えば、15回、11回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技
)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合
に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲ
ームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様
を表示する制御を行う。
【0155】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態
の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能である。高確率状態(確変状態)は、
特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態と比較して高い状態である
。また、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲーム
の結果態様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲ
ームの両方が高確率状態となる。
【0156】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態
の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態)を発生可能である。時短状態にお
いては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い
、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞
装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するため、普電サポート状態となる。
なお、潜伏確変状態を除く高確率状態(通常の確変状態)でも、重複して時短状態にして
普電サポートを実行する。
【0157】
例えば、時短状態においては、前述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)
を通常の第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間にする時間短縮変動が可能である
(例えば、10000msecが1000msec)。なお、時短状態においては、特図
変動表示ゲームの実行時間(特図変動時間)も通常より短縮され、特図変動表示ゲームの
時間短縮変動も実行する。
【0158】
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1
停止時間(例えば1604msec)よりも短い第2停止時間(例えば704msec)
となるように制御することが可能である。
【0159】
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置
37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば
100msec)よりも長い第2開放時間(例えば1352msec)となるように制御
することが可能である。
【0160】
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動
入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば2回)よりも多い回数
(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態において
は、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の
通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
【0161】
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普
図確率のいずれか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態
変換する時間を通常よりも延長するようにする。これにより、時短状態では、通常遊技状
態よりも普通変動入賞装置37への入賞が容易化して、単位時間当たりの特図変動表示ゲ
ームの実行回数が通常遊技状態よりも増加可能である。また、変化させるものが異なる複
数種類の時短状態を設定することも可能である。また、通常動作状態において可動部材3
7bを開放しないように設定(普図確率が0)してもよい。また、当りとなった場合に第
1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放
態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、そ
れぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発
生させることも可能である。
【0162】
〔電源投入時の移行状態〕
前述のように、電源投入時のRAM初期化スイッチ112及び設定キースイッチ93の
オンオフ状態によって、4つの状態(モード)へ移行する。
【0163】
電源投入時に、RAM初期化スイッチ112と設定キースイッチ93とがオンにされて
いる場合には、確率設定値(設定値)を変更可能(設定可能)な設定可変状態(設定変更
状態、設定可能状態、設定変更モード)に移行する(図5BのA1027-A1036と
図6B参照)。
【0164】
次に、電源投入時に、設定キースイッチ93がオンにされているがRAM初期化スイッ
チ112がオフの場合には、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)に
移行する(図5BのA1031-A1036と図6B参照)。
【0165】
このように、設定キースイッチ93は、設定値の設定(変更)又は確認を許容する許容
状態を示す第1状態(オン状態)と、許容状態でない非許容状態を示す第2状態(オフ状
態)とに切り替える操作が可能となる。
【0166】
また、電源投入時に、設定キースイッチ93がオフであるがRAM初期化スイッチ11
2がオンにされている場合には、RAM初期化状態(RAMクリアモード)に移行し、R
AM初期化処理(RAMクリア処理)が実行されて、RAM111cが初期化される(図
5BのA1042-1044参照)。なお、ここでのRAM111cの初期化では、RA
M111c内において、遊技制御に関するワークエリアとスタックエリアが初期化され、
性能情報(役物比率や出玉率や排出球数など)やその表示(性能表示)に関連するワーク
エリアとスタックエリアは初期化されなくてよい。ここでは確率設定値の変更を伴わない
単なるRAM初期化であるため、電源遮断時の性能情報と性能表示を電源投入後も継続し
て利用できる。なお、確率設定値の変更を伴うRAM初期化(設定可変状態終了時のRA
M初期化)の場合には、電源遮断時と電源投入後の性能情報は同一設定値の下での値でな
いため、遊技制御に関するワークエリアとスタックエリアだけでなく、性能情報と性能表
示に関連するワークエリアとスタックエリアも初期化してよい。
【0167】
電源投入時に、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112とがオフである場
合には、通常復電状態(通常復電モード)に移行し、単に復電されるだけの状態になる。
【0168】
[遊技制御装置の制御]
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置
100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御
について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図5A及び図5Bに示
すメイン処理と、それぞれ所定時間周期(例えば4msec)で行われる図6A図6B
に示す第1タイマ割込み処理と第2タイマ割込み処理とからなる。
【0169】
なお、機能共通化とプログラム共通化による開発効率の向上のため、確率設定値が1段
階である場合でも多段階(2段階以上)であるでも、確率設定値の設定に係る処理(プロ
グラム)を同じにしてよい。これにより、遊技機の機種ごとや同一機種のシリーズごとに
設定の段数(段階数)を変えやすくなる。例えば、大当り確率の大きいMAX機(Z機)
は1段階、大当り確率の小さい甘デジ機(GL機)は2段階にできる。
【0170】
本実施形態では、確率設定値の設定/確認に係る処理(プログラム)は、メイン処理(
メインプログラム)と第1タイマ割込み処理(第1タイマ割込み処理プログラム)となり
、設定の段数によらず同じにできる。しかし、変動表示ゲームの制御に係る第2タイマ割
込み処理(第2タイマ割込み処理プログラム)は同じにしなくてもよい。なお、第2タイ
マ割込み処理(第2タイマ割込み処理プログラム)内でも、変動表示ゲームの制御に直接
関係しない処理(プログラム)は、設定の段数によらず同じにすることもできる。
【0171】
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図5A及び図5Bは、遊技制御装置100による
メイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、電源が投入されることで
開始される。なお、遊技制御装置100が実行する処理のフローチャートにおいて、ステ
ップの符号(番号)は「A****」と表されている。
【0172】
図5Aに示すように、遊技制御装置100は、メイン処理を開始すると、まず、割込み
を禁止する処理を実行する(A1001)。割込みは、後述する第1タイマ割込みと第2
タイマ割込みである。さらに、割込み発生時にレジスタ等の値を退避する領域の先頭アド
レスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理を実行する(A100
2)。
【0173】
続いて、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク0を指定し(A1003)、所
定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1004)。例えば
、RAMのアドレスが0000h~01FFhの範囲である場合に、上位アドレスとして
00hをセットする。
【0174】
次に、遊技制御装置100は、発射禁止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設
定する(A1005)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少な
くとも一方が発射禁止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が
禁止されるようになっている。その後、遊技制御装置100は、設定キースイッチ93と
RAM初期化スイッチ112の状態を読み込む(A1006)。即ち、設定キースイッチ
93とRAM初期化スイッチ112からの信号を読み込む。
【0175】
さらに、遊技制御装置100は、電源ディレイタイマを設定する(A1007)。電源
ディレイタイマに所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置1
00からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出
制御装置300)のプログラムが正常に起動するまで待機するための待機時間(例えば3
秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上が
って従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコ
マンドを従制御装置に送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすことを回避する
ことができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊
技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置3
00等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
【0176】
また、電源ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象
とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる
。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のR
AM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止す
ることができる。
【0177】
なお、待機時間の開始前に設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の状態
を読み込むことで、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の操作を確実に
検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定キースイッチ93とRAM初期化スイッ
チ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定キースイッチ
93とRAM初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで設定
キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しか
し、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても
、電源投入時に行った設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の操作が受け
付けられないような事態を防止できる。
【0178】
電源ディレイタイマを設定すると(A1007)、遊技制御装置100は、待機時間の
計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理とを実行する(A1008からA
1010)。
【0179】
停電監視処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、電源装置400から入力
されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込むなどして、停電が発生
しているか否か判定する(A1008)。停電が発生している場合に(A1008の結果
が「Y」)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
【0180】
遊技制御装置100は、停電が発生していない場合には(A1008の結果が「N」)
、電源投入ディレイタイマを-1更新し(A1009)、タイマの値が0であるか否かを
判定する(A1010)。タイマの値が0でない場合(A1010の結果が「N」)、す
なわち、待機時間が終了していない場合には、ステップA1008の処理に戻る。
【0181】
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電
監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせてい
る期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に
適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可さ
れておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの
停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。したがって、待機時間中に停電
が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができ
る。
【0182】
一方、遊技制御装置100は、タイマの値が0である場合(A1010の結果が「Y」
)、すなわち、待機時間が終了した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可
能なRWM(リードライトメモリ)のアクセスを許可し(A1011)、全出力ポートに
オフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(A1012)。
【0183】
次に、遊技制御装置100は、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載され
ているポートで、本実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に
使用)を設定する(A1013)。
【0184】
さらに、ここで、性能表示装置152(状態表示装置)を駆動するドライバ150を初
期設定してもよい。遊技制御装置100は、初期設定の内容に対応する制御用データを含
むコマンドを、第2出力ポート134の送信バッファに書き込んでドライバ150に送信
する。例えば、遊技制御装置100は、初期設定においてデューティ比を設定する。デュ
ーティ比は、性能表示装置152の各LED(各セグメント)の明るさに対応する。遊技
制御装置100は、初期設定において、性能表示装置152の使用桁数を設定する。本実
施形態では、使用桁数は4である。
【0185】
次に、遊技制御装置100は、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタ
イマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer C
ircuit)回路を起動する(A1014)。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内
のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113か
らの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCP
U111aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路
に供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
【0186】
続いて、遊技制御装置100は、RAM(ここではRAM111c)の異常を示すRA
M異常フラグをセットする(A1015)。ここでは、一旦、異常前提のフラグを所定の
レジスタにセットしておく。
【0187】
次に、遊技制御装置100は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チ
ェックデータであるか否かを判定する(A1016)。そして、正常であれば(A101
6の結果が「Y」)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデー
タであるか否かを判定する(A1017)。
【0188】
さらに、遊技制御装置100は、停電検査領域2の値が正常であれば(A1017の結
果が「Y」)、RWM内の所定領域(例えば遊技制御用作業領域)のチェックサムを算出
するチェックサム算出処理を実行し(A1018)、算出されたチェックサムと電源遮断
時のチェックサムが一致するか否かを判定する(A1019)。チェックサムが一致する
場合には(A1019の結果が「Y」)、RAMは正常であり、RAMの異常を示すRA
M異常フラグをクリアする(A1020)。その後、ステップA1021の処理に移行す
る。
【0189】
なお、電源投入の際におけるチェックサム算出(A1018)の対象である所定領域は
、遊技制御に関するワークエリア(一部又は全部)であり、遊技制御に関するスタックエ
リア、及び、性能情報と性能表示に関するワークエリアとスタックエリアを含まなくてよ
い。遊技制御に関するワークエリアは、遊技制御用の情報領域や乱数領域を含む遊技制御
用作業領域である。しかし、これに限られず、遊技制御に関するスタックエリアをチェッ
クサム算出の対象として、上記の所定領域に含めてもよい。また、電源遮断時のチェック
サムは、ステップA1059(後述)で電源遮断の際に算出されるチェックサムであり、
電源遮断の際におけるチェックサム算出(A1059)の対象となる対象領域は、上記の
所定領域と同じである。
【0190】
また、遊技制御装置100は、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと
判定された場合(A1016の結果が「N」、又は、A1017の結果が「N」)、チェ
ックサムが一致しない場合には(A1019の結果が「N」)、RAM異常フラグをクリ
アすることなく、ステップA1021の処理に移行する。
【0191】
次に、遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112
の両スイッチがオンであるか否かを判定する(A1021)。遊技制御装置100は、両
スイッチがオンである場合に(A1021の結果が「Y」)、設定可変状態(設定変更モ
ード)に移行し、ステップA1027-A1037の確率設定変更中の処理を実行する。
【0192】
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の少な
くとも一方がオフである場合に(A1021の結果が「N」)、RAM(ここではRAM
111c)の異常を示すRAM異常フラグがセットされているか否か判定する(A102
2)。RAM異常フラグがセットされていない場合に(A1022の結果が「N」)、確
率設定変更中フラグがセットされているか否かを判定する(A1023)。確率設定変更
中フラグがセットされていない場合に(A1023の結果が「N」)、ステップA103
1-A1037の確率設定確認中(設定確認状態中、設定確認モード中)の処理、ステッ
プA1041-1044のRAM初期化処理(RAMクリア処理)、又は、ステップA1
041、A1045、A1046の通常の電源投入時(電源復旧時)の処理を実行する。
【0193】
遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされている場合に(A1023
の結果が「Y」)、遊技制御装置100(主基板、メイン基板)に異常があったことを報
知するメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信する(A1024)
。メイン異常エラー報知のコマンドを受信した演出制御装置300は、遊技制御装置10
0の異常があったことを報知する。
【0194】
続いて、遊技制御装置100は、遊技停止時の7セグ表示データ(「E1」のエラー表
示のデータ)を性能表示装置152で表示するために性能表示装置152のドライバ15
0に出力する(A1025)。そして、外部装置(遊技場内部管理装置(ホールコンピュ
ータ)や情報収集端末など)に異常を知らせるためのセキュリティ信号のオンデータを外
部情報端子71に出力する(A1026)。なお、ここで、大当りに関する情報がRAM
111cに残っている場合でも、大当り信号など外部情報端子71への他の信号はオフ状
態に維持される。その後、ステップA1025とA1026の処理を繰り返して待機し、
再度、設定変更の操作(設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の両方の
オン操作)をして電源が投入されるのを待つ。なお、ステップA1025とA1026の
処理を繰り返して待機して待機している間、割込みは禁止されたままであり(A1001
)、設定変更や設定確認などを実行可能な第1タイマ割込み処理(図6A)、及び、特図
ゲーム処理や普図ゲーム処理を実行可能な第2タイマ割込み処理(図6B)が実行できな
いため、設定変更や設定確認や遊技(特図変動表示ゲーム、普図変動表示ゲーム)は実行
できない。
【0195】
このように、設定変更の操作(設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112
の両方のオン操作)を実行していないのに、確率設定変更中フラグがセットされている場
合に異常があったとして、A1024-A1026の処理を実行する。例えば、確率設定
変更中(設定変更が完了する前)に電源がオフして再起動した場合などに、設定変更の操
作を実行していないのに、確率設定変更中フラグがセットされることがある。
【0196】
一方、遊技制御装置100は、RAM異常フラグがセットされている場合も(A102
2の結果が「Y」)、遊技制御装置100(メイン基板)に異常があったことを報知する
メイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信し(A1024)、遊技停
止時の7セグ表示データ(「E1」のエラー表示のデータ)を性能表示装置152のドラ
イバ150に出力し(A1025)、外部装置にRAM異常を知らせるために、セキュリ
ティ信号のオンデータを外部情報端子71に出力する(A1026)。なお、前述と同様
に、大当りに関する情報がRAM111cに残っている場合でも、大当り信号など外部情
報端子71への他の信号はオフ状態に維持される。その後、ステップA1025とA10
26の処理を繰り返して待機する。
【0197】
なお、上記において、確率設定値が1段階の場合でも、設定変更中の電源遮断とその後
の再投入の際は、メイン異常扱いとし(A1023の結果が「Y」)、遊技制御装置10
0(主基板、メイン基板)に異常があったことを報知するメイン異常エラー報知のコマン
ドを演出制御装置300に送信する(A1024)。その後、ステップA1025とA1
026のループ(繰り返し)によって、遊技ができない遊技停止状態(遊技不能状態)と
なる。この場合、再度の電源遮断と電源再投入による設定変更(設定変更モードへの移行
)が必要となる。
【0198】
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の両ス
イッチがオンである場合に(A1021の結果が「Y」)、確率設定変更中(設定可変状
態中)の処理を開始して、まず、RAM異常フラグがセットされているか否かを判定する
(A1027)。RAM異常フラグがセットされている場合に(A1027の結果が「Y
」)、確率設定値が正しいものであるか不明であるため、RAM111cの確率設定値領
域に記憶されている確率設定値をクリアし初期値(例えば最低設定値「1」)にしてから
(A1028)、確率設定変更中であることを示す確率設定変更中フラグをセットする(
A1029)。RAM異常フラグがセットされていない場合に(A1027の結果が「N
」)、確率設定値をクリアせずに、確率設定変更中フラグをセットする(A1029)。
次に、確率設定変更中のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1
030)、ステップA1034の処理に移行する。なお、確率設定変更中のコマンドを受
信した演出制御装置300は、確率設定変更中であることを表示装置41などにおいて報
知する。
【0199】
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の少な
くとも一方がオフであり(A1021の結果が「N」)、RAM異常フラグがセットされ
ておらず(A1022の結果が「N」)、且つ、確率設定変更中フラグがセットされてい
ない場合に(A1023の結果が「N」)、設定キースイッチ93がオンであるか否かを
判定する(A1031)。設定キースイッチ93がオンである場合に(A1031の結果
が「Y」)、RAM初期化スイッチ112はオフということになり、確率設定確認中(設
定確認状態中)の処理が開始して、確率設定確認中であることを示す確率設定確認中フラ
グをセットする(A1032)。そして、確率設定確認中のコマンドを演出制御装置30
0(演出制御基板)に送信し(A1033)、ステップA1034の処理に移行する。な
お、確率設定確認中のコマンドを受信した演出制御装置300は、確率設定確認中である
ことを表示装置41などにおいて報知する。
【0200】
ステップA1030又はステップA1033の後に、遊技制御装置100は、確率設定
変更中と確率設定確認中の共通の処理として、ステップA1034からA1040の処理
を実行する。
【0201】
遊技制御装置100は、まず、確率設定変更中と確率設定確認中においてセキュリティ
信号を出力するために、セキュリティ信号制御タイマ領域に128ms(所定時間)をセ
ーブする(A1034)。なお、セキュリティ信号制御タイマのカウントとセキュリティ
信号の出力は、後述の確率設定変更/確認処理(図6B)において実行されるが、確率設
定変更又は確率設定確認が早期に終了した場合には、残りのセキュリティ信号制御タイマ
のカウントとセキュリティ信号の出力は、外部情報編集処理(A1321)で実行される
。確率設定変更中と確率設定確認中において、少なくとも50msは、セキュリティ信号
は出力される。
【0202】
次に、遊技制御装置100は、第1タイマ割込みを許可する(A1035)。これによ
り、第1タイマ割込み処理(図6A)が実行可能となる。第1タイマ割込み処理は、確率
設定値を設定可能な設定変更状態(設定可能状態)、又は、確率設定値を確認可能な設定
確認状態で実行可能である。そして、設定キースイッチ93がオフであるか否かを判定す
る(A1036)。設定キースイッチ93がオンである場合に(A1036の結果が「N
」)、停電が発生しているか否かを判定する(A1037)。停電が発生していない場合
に(A1037の結果が「N」)、ステップA1036の処理に戻る。一方、停電が発生
している場合に(A1037の結果が「Y」)、ステップA1055-A1061の停電
発生時の処理を実行する。
【0203】
このように、設定キースイッチ93がオンであり、停電が発生していない限り、確率設
定値を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変更モード)、又は、確率設定値を
確認可能な設定確認状態(設定確認モード)が継続される。
【0204】
一方、遊技制御装置100は、設定キースイッチ93がオフである場合に(A1036
の結果が「Y」)、第1タイマ割込みと第2タイマ割込みを禁止し(A1038)、報知
終了のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信する(A1039)。なお
、報知終了のコマンドを受信した演出制御装置300は、確率設定確認中であることの報
知又は確率設定変更中であることの報知を終了する。
【0205】
次に、遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされているか否か、即ち
、これまで確率設定変更中であったか否かを判定する(A1040)。確率設定変更中フ
ラグがセットされている場合に(A1040の結果が「Y」)、即ち、これまで確率設定
変更中であった場合に、ステップA1042-A1044のRAM初期化処理(後述)を
実行する。一方、確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A1040の結果
が「N」)、即ち、これまで確率設定確認中であった場合に、ステップA1045以降の
電源投入時(電源復旧時)の通常の処理を実行する。
【0206】
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93がオフである場合に(A1031の結果
が「N」)、RAM初期化スイッチ112がオンであるか否かを判定する(A1041)
。RAM初期化スイッチ112がオンである場合に(A1041の結果が「Y」)、RA
M111cにおいて、確率設定値を記憶するための確率設定値領域以外のRAM領域を0
クリアする(A1042)。即ち、確率設定値領域で記憶されている確率設定値を除いて
、RAM111cに記憶された遊技情報は0クリアされる。さらに、前述の確率設定変更
中フラグもここでクリアされる。
【0207】
また、ステップA1042で、確率設定値領域の他に、スタックエリア(スタック領域
)や未使用領域をクリアしない構成や、性能情報やその表示(性能表示)に関連するワー
クエリアとスタックエリア(スタック領域)をクリアしない構成も可能である。なお、性
能情報は、入賞により得られた賞球数に基づいて導出されるもので、例えば、出玉率、ベ
ース値(通常遊技状態における出玉率)、役物比率、排出球数などである。また、ステッ
プA1042で、前述のとおり、設定変更を伴わない単なるRAM初期化(RAMクリア
モード:A1031の結果が「N」且つA1041の結果が「Y」)の場合には、遊技制
御に関するワークエリア(確率設定値領域を除く)とスタックエリアが初期化され、性能
情報と性能表示に関連するワークエリアとスタックエリアは初期化されなくてよい。設定
変更を伴うRAM初期化(設定可変状態終了時のRAM初期化:A1040の結果が「Y
」)の場合には、遊技制御に関するワークエリア(確率設定値領域を除く)とスタックエ
リアだけでなく、性能情報と性能表示に関連するワークエリアとスタックエリアも初期化
してよい。
【0208】
次に、遊技制御装置100は、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブす
る(A1043)。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300(演出制御
基板)に送信し(A1044)、ステップA1047の処理に移行する。
【0209】
一方、遊技制御装置100は、RAM初期化スイッチ112がオフである場合に(A1
041の結果が「N」)、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112が両方と
もオフであるため、通常の電源投入時(電源復旧時)の処理を開始し、停電復旧処理を実
行する(A1045)。例えば、初期化すべき領域に停電復旧時(復電時)の初期値をセ
ーブする。また、前述の確率設定確認中フラグもここでクリアされる。次に、後述の特図
ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコ
マンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1046)、ステップA10
47の処理に移行する。
【0210】
なお、ステップA1044の処理で送信されるRAM初期化時のコマンド及びステップ
A1046の処理で送信される停電復旧時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定
コマンド、特図1、2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コ
マンド、確率の状態(高確率状態又は低確率状態)や時短状態の有無を示す確率情報コマ
ンド、所定の演出モードで特図変動表示ゲームが実行された回数を示す演出回数情報コマ
ンド、電源投入されたこと示す停電復旧コマンドが含まれる。
【0211】
さらに、RAM初期化時のコマンド及び停電復旧時のコマンドには、遊技機10の確率
設定値(設定値)の情報である設定値情報(設定情報)を示す設定値情報コマンド(確率
設定値情報コマンド)が含まれる。遊技制御装置100は、電源の復旧(投入)時に、一
度だけ設定値情報コマンドを演出制御装置300に送信するだけでよく、以降、演出制御
装置300は自身が記憶した設定値情報を参照して演出制御を行える。
【0212】
なお、RAM初期化時のコマンドには、RAM初期化のコマンド(RAMクリアのコマ
ンド)も含まれる。RAM初期化のコマンドを受信した演出制御装置300は、例えば、
表示装置41に客待ちデモを表示し、盤装飾装置46等のLEDとスピーカの音でRAM
初期化(RAMクリア)の報知を30秒間行う。また、停電復旧時のコマンドには、表示
装置41の画面の表示内容を指定する画面指定のコマンドが含まれる。なお、画面指定の
コマンドは、特図1、2について共に普段処理中では(変動中でも当り中でもないとき)
、客待ちデモコマンドであり、それ以外なら復旧画面コマンドである。
【0213】
ステップA1044又はステップA1046の後に、遊技制御装置100は、乱数生成
回路を起動設定する(A1047)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(C
TC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定など
がCPU111aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハ
ード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。
【0214】
ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を
、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として
格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。
【0215】
本実施形態では、ビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の
規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット
転置パターンは、固定された単一のパターンであってもよいし、予め用意された複数のパ
ターンから選択するようにしてもよい。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても
よい。
【0216】
その後、遊技制御装置100は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフ
ト乱数レジスタ1~n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する
大当り図柄乱数の初期値(大当り図柄初期値乱数)、小当り図柄を決定する小当り図柄乱
数の初期値(小当り図柄初期値乱数)、時短図柄を決定するためのサポ当り図柄乱数の初
期値(サポ当り図柄初期値乱数)、普図の当りを決定する当り乱数の初期値(当り初期値
乱数)、転落抽選で使用する転落抽選乱数の初期値(転落抽選初期値乱数)等)のスター
ト値としてRWMの所定領域にセーブし(A1048)、第2タイマ割込みを許可する(
A1049)。本実施形態で使用するCPU111a内の乱数生成回路においては、電源
投入ごとにソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各
種初期値乱数のスタート値(初期値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規
則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
【0217】
続いて、遊技制御装置100は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すた
めの初期値乱数更新処理を実行する(A1050)。なお、特に限定されるわけではない
が、本実施形態においては、大当り乱数、当り図柄乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱
数、サポ当り図柄乱数)、当り乱数、転落抽選乱数は乱数生成回路において生成される乱
数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロッ
クと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、当り
図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同
周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC
2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。
【0218】
また、当り図柄乱数、転落抽選乱数においては、乱数が一巡するごとに各々の初期値乱
数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用
している。なお、前記各乱数は、+1あるいは1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡
するまで範囲内のすべての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つ
まり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、当り図柄乱数、当り乱数
、転落抽選乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
【0219】
続いて、遊技制御装置100は、第1タイマ割込みと第2タイマ割込みを禁止し(A1
051)、性能情報やその表示(性能表示)を編集する性能表示編集処理を実行する(A
1052)。ここで、性能情報(役物比率や出玉率など)を計算してよい。また、性能情
報やその表示(性能表示)に関連するワークエリアとスタックエリア(スタック領域)の
情報の正当性を判定し、正当なものでないと判定された場合(異常な場合)に、これらワ
ークエリアとスタックエリアをクリア(初期化)してもよい(ステップA1042でクリ
アされていないなら)。例えば、性能情報や性能表示に関連する上記のワークエリアのう
ちの所定の領域の値が正当な値である場合に、正当であると判定する。所定の領域の値が
出玉率の値であれば、この出玉率の値が、出玉率の設計値を中心とする所定範囲の値であ
れば、正当な値とみなしてよい。
【0220】
なお、異常データを性能表示として表示しないようにするために、本実施形態では、ス
テップA1052の性能表示編集処理の実行毎(A1050-A1054のメインループ
の処理毎)に正当性の判定を行う。しかし、これに限られず、電源投入後の1回目の性能
表示編集処理の実行時のみ、正当性の判定をするようにしてもよい。さらに、ステップA
1052とA1218(後述)の何れかだけで正当性の判定を行うようにしてもよい。
【0221】
その後、第2タイマ割込みを許可する(A1053)。これにより、第2タイマ割込み
処理(図6B)が実行可能となる。
【0222】
このように、第2タイマ割込み処理は、設定変更状態でも設定確認状態でもない遊技可
能な状態で実行可能である。遊技可能な状態は、停電復旧処理(A1045)やRAM初
期化(A1043)やコマンド送信(A1044、A1046)等の電源投入に関連した
処理の終了後、乱数生成回路の起動などの処理(A1047、A1048)が実行された
後のメインループ処理(A1050-A1054の繰り返し)が実行される状態である。
なお、遊技可能な状態で、第1タイマ割込み処理は、禁止されたままであり実行できない
【0223】
次に、遊技制御装置100は、停電が発生しているか否かを判定する(A1054)。
停電が発生していない場合に(A1054の結果が「N」)、ステップA1050の処理
に戻る。これにより、停電が発生するまで、ステップA1050-A1054の処理が繰
り返される。
【0224】
停電が発生した場合に(A1054の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、停電発
生時の処理を開始し、一旦第1タイマ割込みと第2タイマ割込みを禁止し(A1055)
、全出力ポートにオフデータを出力する(1056)。その後、停電検査領域1に停電検
査領域チェックデータ1をセーブし(A1057)、停電検査領域2に停電検査領域チェ
ックデータ2をセーブする(A1058)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサム
を算出するチェックサム算出処理を実行し(A1059)、さらに、算出したチェックサ
ムをセーブする(A1060)。最後に、RWMへのアクセスを禁止する処理を実行し(
A1061)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
【0225】
このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェ
ックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバッ
クアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
【0226】
〔第1タイマ割込み処理〕
次に、設定変更状態(設定可能状態)又は設定確認状態で実行可能な第1タイマ割込み
処理について説明する。図6Aは、第1タイマ割込み処理(割込み処理プログラム)の手
順を示すフローチャートである。第1タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のC
TC回路で生成される周期的な第1タイマ割込み信号がCPU111aに入力されること
で開始される。遊技用マイコン111において第1タイマ割込みが発生すると、第1タイ
マ割込み処理が開始される。
【0227】
第1タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、使用するレジス
タバンクとしてレジスタバンク1を指定し(A1101)、所定のレジスタにRAM先頭
アドレスの上位アドレスをセットする(A1102)。第1タイマ割込み処理の開始時に
メイン処理で使用するレジスタバンク0からレジスタバンク1に切り替えることで、メイ
ン処理で使っているレジスタを退避したのと同等になる。なお、第1タイマ割込み処理が
開始されると、自動的に割込み禁止状態になる。
【0228】
次に、遊技制御装置100は、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、
すなわち、各入力ポートの状態を読み込む第1入力処理を実行する(A1103)。次に
、確率設定値を変更又は確認するための確率設定変更/確認処理を実行する(A1104
)。そして、LEDの駆動制御(発光制御)などを行うための第1出力処理を実行する(
A1105)。例えば、LEDは、性能表示装置152のセグメントであり、第1出力処
理において、確率設定値を表示するために性能表示装置152の表示態様(点灯/消灯態
様)などが制御される。
【0229】
〔第2タイマ割込み処理〕
次に、設定変更状態や設定確認状態でない場合に実行可能な第2タイマ割込み処理につ
いて説明する。図6Bは、第2タイマ割込み処理(割込み処理プログラム)の手順を示す
フローチャートである。第2タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路
で生成される周期的な第2タイマ割込み信号がCPU111aに入力されることで開始さ
れる。遊技用マイコン111において第2タイマ割込みが発生すると、第2タイマ割込み
処理が開始される。
【0230】
第2タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、使用するレジス
タバンクとしてレジスタバンク1を指定し(A1201)、所定のレジスタにRAM先頭
アドレスの上位アドレスをセットする(A1202)。第2タイマ割込み処理の開始時に
メイン処理で使用するレジスタバンク0からレジスタバンク1に切り替えることで、メイ
ン処理で使っているレジスタを退避したのと同等になる。なお、第2タイマ割込み処理が
開始されると、自動的に割込み禁止状態になる。
【0231】
次に、遊技制御装置100は、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、
すなわち、各入力ポートの状態を読み込む第2入力処理を実行する(A1203)。次に
、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(例えば大入賞口ソレノイド
39b)等のアクチュエータの駆動制御やLEDの駆動制御(発光制御)などを行うため
の第2出力処理を実行する(A1204)。なお、メイン処理におけるステップA100
5の処理で発射禁止の信号を出力した場合は、この出力処理が行われることで発射許可の
信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とする。
【0232】
次に、遊技制御装置100は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出
制御装置200に出力する払出コマンド送信処理を実行し(A1205)、さらに、乱数
更新処理1(A1206)、乱数更新処理2(A1207)を実行する。その後、始動口
1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ
39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が
開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理を実行する(A1208
)。
【0233】
次に、遊技制御装置100は、大入賞口で遊技球の異常排出が発生中であるか否かを判
定する(A1209)。後述の異常排出監視処理(A1216)によって異常排出発生中
フラグが設定された場合に、異常排出が発生中であると判定できる。異常排出が発生中で
ある場合に(A1209の結果が「Y」)、ステップA1213以降の処理を実行する。
【0234】
遊技制御装置100は、異常排出が発生中でない場合に(A1209の結果が「N」)
、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(A1210)。な
お、特図ゲーム処理の詳細については後述する。
【0235】
次に、遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理
を実行する(A1211)。遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関す
る各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメン
トLED編集処理を実行する(A1212)。
【0236】
さらに、遊技制御装置100は、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックし
て異常がないか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(A1213)。さらに、遊
技盤の電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する電波不
正監視処理(盤電波不正監視処理)を実行する(A1214)。
【0237】
その後、遊技制御装置100は、振動センサ65からの入力に基づいて振動による不正
を監視する振動不正監視処理を実行する(A1215)。次に、大入賞口からの異常排出
を監視する異常排出監視処理を実行する(A1216)。異常排出監視処理では、特別変
動入賞装置39における大入賞口スイッチ39a、特定領域スイッチ72(V入賞口スイ
ッチ)、残存球排出口スイッチ73からの入力に基づいて、特別変動入賞装置39の異常
排出を監視し、異常排出が発生した場合に異常排出発生中フラグが設定される。なお、特
別変動入賞装置39の大入賞口スイッチ39aを通過した遊技球は、特定領域スイッチ7
2(V入賞口スイッチ)又は残存球排出口スイッチ73を通過して排出される。
【0238】
次に、遊技制御装置100は、各種外部装置に出力する信号を出力バッファにセットす
る外部情報編集処理を実行する(A1217)。そして、性能表示装置152の表示を制
御する性能表示モニタ制御処理を実行する(A1218)。
【0239】
性能表示モニタ制御処理(A1218)においても、性能表示編集処理(A1052)
と同じく、性能情報や性能表示に関連するワークエリアとスタックエリアの情報の正当性
を判定し、正当なものでないと判定された場合に、これらワークエリアとスタックエリア
をクリア(初期化)してもよい。異常データを性能表示として表示しないようにするため
に、本実施形態では、ステップA1218の性能表示モニタ制御処理の実行毎(第2タイ
マ割込み処理毎)に正当性の判定を行う。しかし、これに限られず、電源投入後の1回目
の性能表示モニタ制御処理の実行時のみ、正当性の判定をするようにしてもよい。さらに
、ステップA1052(前述)とA1218の何れかだけで正当性の判定を行うようにし
てもよい。
【0240】
次に、4桁の7セグメント型(ドットDpを含めると8セグメント型)の表示器である
性能表示装置152(状態表示装置)を駆動するドライバ150(LEDドライバ)(図
3)を初期設定するLEDドライバ初期設定処理を実行する(A1219)。そして、性
能表示装置152に表示するデータを含むコマンドをドライバ150に送信するLEDデ
ータ送信処理を実行する(A1220)。その後、第2タイマ割込み処理を終了する。
【0241】
なお、第2タイマ割込み処理のリターンの際、割込み禁止状態の復元やレジスタバンク
の指定の復元は、自動的に行われる構成とするが、使用するCPUによっては、外部情報
編集処理の後に、割込みを許可する処理やレジスタバンクの指定をレジスタバンク0に戻
す処理を行ってもよい。
【0242】
〔第1入力処理〕
次に、第1タイマ割込み処理における第1入力処理(A1103)の詳細について説明
する。図7Aは、第1入力処理の手順を示すフローチャートである。第1入力処理は、設
定変更状態(設定可能状態)又は設定確認状態で実行可能となる。
【0243】
遊技制御装置100は、まず、入力ポート1(ここでは第1入力ポート122)に取り
込まれたスイッチの検出信号の状態を読み込む(A1501)。そして、入力ポート1の
8ビットのポートのうち使用しない未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアする
ために未使用のビットデータを準備する(A1502)。さらに、負論理を正論理に反転
するなどのために0から1又は1から0に反転するビットデータを準備する(A1503
)。その後、スイッチ読込み処理を実行する(A1504)。
【0244】
次に、遊技制御装置100は、入力ポート3(ここでは第2入力ポート123)のアド
レスを準備し(A1505)、RWM内のスイッチ制御領域3のアドレスを準備する(A
1506)。さらに、未使用のビットデータを準備し(A1507)、反転するビットデ
ータを準備する(A1508)。さらに、スイッチ読込み処理を実行し(A1509)、
第1入力処理を終了する。
【0245】
なお、第1入力処理において、入力ポート2(ここでは第3入力ポート124)と入力
ポート4(ここでは第4入力ポート126)からの読み込みはない。
【0246】
例えば、第1入力処理では、入力ポート1(第1入力ポート122)に対して、未使用
のビットデータは、10000001B(=81h)となり、入力ポート1からの8ビッ
トデータとの論理積などによってRAM初期化スイッチ112(ビット0)の信号と停電
監視信号(ビット7)のみを読み込むようにしたマスク値となる(図8Aも参照)。ここ
で、使用するビットが1で表され、クリアするビットが0で表される。また、その後に反
転するビットデータは00000001B(=01h)となり、8ビットデータとの排他
的論理和などによって反転の必要なビット(ビット0)を反転するマスク値となる。ここ
で、反転するビットが1で表され、反転しないビットが0で表される。
【0247】
また、第1入力処理では、入力ポート3(第2入力ポート123)に対して、未使用の
ビットデータは、01000000B(=40h)となり、入力ポート3からの8ビット
データとの論理積などによって設定キースイッチ93(ビット6)の信号のみを読み込む
ようにしたマスク値となる(図8Aも参照)。また、反転するビットデータは00000
000B(=00h)となり、反転の必要なビットはない。
【0248】
ここで、本実施形態において「準備」とは、レジスタに値をセットすることを意味する
が、これに限らず、RWM、その他のメモリに値をセットするようにしてもよい。
【0249】
RAM初期化スイッチ112からの信号と設定キースイッチ93からの信号は、別々の
アドレスが割り当てられたそれぞれ互いに異なる入力ポート(入力ポート1、入力ポート
3)に接続される。そして、第1入力処理において、入力ポート毎に接続されている信号
は、異なるタイミングで順に読み込まれ、RAM初期化スイッチ112からの信号と設定
キースイッチ93からの信号は、異なるタイミングで読み込まれる。従って、悪意ある者
の不正による設定変更を防止することができる。なお、RAM初期化スイッチ112から
の信号と設定キースイッチ93からの信号が同一のポートに接続されると、同一の入力ポ
ートに関して細工するだけでその不正が容易に行われるおそれがある。
【0250】
〔第2入力処理〕
次に、第2タイマ割込み処理における第2入力処理(A1203)の詳細について説明
する。図7Bは、第2入力処理の手順を示すフローチャートである。第2入力処理は、設
定変更状態でも設定確認状態でもない遊技可能な状態で実行可能である。
【0251】
遊技制御装置100は、まず、入力ポート1(第1入力ポート122)に取り込まれた
スイッチの検出信号の状態を読み込む(A1601)。そして、入力ポート1の8ビット
のポートのうち使用しない未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアするために未
使用のビットデータを準備する(A1602)。さらに、負論理を正論理に反転するなど
のために0から1又は1から0に反転するビットデータを準備する(A1603)。その
後、スイッチ読込み処理を実行する(A1604)。
【0252】
次に、遊技制御装置100は、入力ポート2(第3入力ポート124)のアドレスを準
備し(A1605)、RWM内のスイッチ制御領域2のアドレスを準備する(A1606
)。さらに、未使用のビットデータを準備し(A1607)、反転するビットデータを準
備する(A1608)。さらに、その後、スイッチ読込み処理を実行する(A1609)
【0253】
次に、遊技制御装置100は、入力ポート3(第2入力ポート123)のアドレスを準
備し(A1610)、RWM内のスイッチ制御領域3のアドレスを準備する(A1611
)。さらに、未使用のビットデータを準備し(A1612)、反転するビットデータを準
備する(A1613)。さらに、その後、スイッチ読込み処理を実行する(A1614)
【0254】
次に、遊技制御装置100は、入力ポート4(第4入力ポート126)のアドレスを準
備し(A1615)、RWM内のスイッチ制御領域4のアドレスを準備する(A1616
)。さらに、未使用のビットデータを準備し(A1617)、反転するビットデータを準
備する(A1618)。さらに、その後、スイッチ読込み処理を実行する(A1619)
【0255】
例えば、第2入力処理では、入力ポート1(第1入力ポート122)に対して、未使用
のビットデータは、11111110B(=FEh)となり、入力ポート1からの8ビッ
トデータとの論理積などによってRAM初期化スイッチ112(ビット0)以外からの信
号を読み込むようにしたマスク値となる(図8Bも参照)。ここで、使用するビットが1
で表され、クリアするビットが0で表される。また、その後に反転するビットデータは0
0000000B(=00h)となり、反転の必要なビットはない。
【0256】
また、第2入力処理では、入力ポート2(第3入力ポート124)に対して、未使用の
ビットデータは、11111111B(=FFh)となり、入力ポートからの8ビットデ
ータとの論理積などによって、入力ポート2へ接続された全信号を読み込むようにしたマ
スク値となる(図8Bも参照)。なお、ビット7は元々スイッチが未接続であるため0の
値でもよい(未使用のビットデータは01111111B)。また、反転するビットデー
タは00000000B(=00h)となり、反転の必要なビットはない。
【0257】
また、第2入力処理では、入力ポート3(第2入力ポート123)に対して、未使用の
ビットデータは、10111111B(=BFh)となり、入力ポートからの8ビットデ
ータとの論理積などによって設定キースイッチ93(ビット6)以外からの信号を読み込
むようにしたマスク値となる(図8Bも参照)。なお、ビット7は元々スイッチが未接続
であるため0の値でもよい(未使用のビットデータは00111111B)。また、その
後に反転するビットデータは00001110B(=0Eh)となり、8ビットデータと
の排他的論理和などによって反転の必要なビット(ビット1~3)を反転するマスク値と
なる。ここで、反転するビットが1で表され、反転しないビットが0で表される。
【0258】
また、第2入力処理では、入力ポート4(第4入力ポート126)に対して、未使用の
ビットデータは、11111111B(=FFh)となり、入力ポートからの8ビットデ
ータとの論理積などによって、入力ポート2へ接続された全信号を読み込むようにしたマ
スク値となる(図8Bも参照)。なお、ビット3~7は元々スイッチが未接続であるため
0の値でもよい(未使用のビットデータは00000111B)。また、反転するビット
データは00000000B(=00h)となり、反転の必要なビットはない。
【0259】
〔スイッチ読み込み処理〕
次に、前述の第1入力処理と第2入力処理におけるスイッチ読み込み処理(A1504
、A1509、A1604、A1609、A1614、A1619)の詳細について説明
する。図7Cは、スイッチ読み込み処理の手順を示すフローチャートである。
【0260】
遊技制御装置100は、まず、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態を読み込む
(A1701)。そして、未使用のビットデータ(マスク値)との論理積などによって、
8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアする(A170
2)。さらに、反転用のマスク値との排他的論理和などによって、反転の必要なビットを
反転し(A1703)、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態の1バイト領域(図8
A、図8B参照)にセーブ(格納)する(A1704)。その後、2回目の読込みまでの
ディレイ時間(0.1ms)が経過するまで待機する(A1705)。
【0261】
ディレイ時間(0.1ms)が経過すると、遊技制御装置100は、対象の入力ポート
に取り込まれた信号の状態の2回目の読込みを行う(A1706)。そして、8ビットの
ポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(A1707)、反転の
必要なビットを反転し(A1708)、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態(1回
目データ)をロードし、反転後データ(2回目データ)をセーブする(A1709)。そ
の後、1回目と2回目の読込みで状態が同じビットを1、違うビットを0とした確定ビッ
トパターンを作成し(A1710)、確定ビットパターンとポート入力状態2(A170
9でセーブされた値)との論理積をとり、今回確定ビットとする(A1711)。
【0262】
次に、遊技制御装置100は、1回目と2回目の読込みで状態が同じビットを0、違う
ビットを1とした未確定ビットパターンを作成し(A1712)、未確定ビットパターン
と前回割込み時の確定状態との論理積をとり、前回保持ビットとする(A1713)。こ
れにより、スイッチのチャタリング等によるノイズを除去した信号の状態を得ることがで
きる。
【0263】
そして、遊技制御装置100は、今回確定ビットと前回保持ビットとを合成し、今回確
定状態(図8A図8Bのスイッチ確定状態の1バイト領域)としてセーブする(A17
14)。さらに、前回と今回の確定状態との排他的論理和をとり、前回の確定状態から今
回の確定状態への変化としての立ち上がりエッジ(図8A図8Bの立ち上がりエッジの
1バイト領域)としてセーブする(A1715)。その後、スイッチ読み込み処理を終了
する。
【0264】
なお、スイッチの読込みは、タイマ割込みの周期が短い場合(例えば2ms)には、各
割込みの処理ごとにそれぞれ1回ずつスイッチの読込みを行って前回の読込みの結果と比
較することで信号が変化したか否か判定する方法があるが、そのようにすると次の割込み
処理までに前回の割込みで読み込んだスイッチの状態が失われた場合、正しく判定できな
いおそれがある。これに対し、本実施形態のように、所定の時間差(ディレイ時間)をお
いて1回の割込み処理の中で2回のスイッチ読込み処理を行うことで、上記のような不具
合を回避することが可能となる。
【0265】
〔スイッチ制御領域〕
図8A図8Bは、各々、第1入力処理と第2入力処理によってRWM(ここではRA
M111c)内のスイッチ制御領域に読み込まれた信号(情報)を示す。
【0266】
図8Aのように、第1入力処理によって、入力ポート1の入力に対応するスイッチ制御
領域1のポート入力状態(1バイト、8ビット)とスイッチ確定状態(1バイト、8ビッ
ト)と立ち上がりエッジ(1バイト、8ビット)の領域には、ビット0のRAM初期化ス
イッチ112の信号(情報)とビット7の停電監視信号のみがセーブされる。これは、未
使用のビットデータ(マスク値)が10000001Bであるためである。
【0267】
また、第1入力処理によって、入力ポート3の入力に対応するスイッチ制御領域3のポ
ート入力状態とスイッチ確定状態と立ち上がりエッジの領域には、ビット6の設定キース
イッチ93の信号(情報)のみがセーブされる。これは、未使用のビットデータ(マスク
値)が01000000Bであるためである。
【0268】
なお、第1入力処理において、入力ポート2と入力ポート4からの読み込みはないため
、スイッチ制御領域2、4は、電源遮断時の状態が維持されたままである。
【0269】
図8Aにおいて、入力ポート1に対応するスイッチ制御領域1にセーブ(入力)される
情報のうち、スイッチ確定状態の領域と立ち上がりエッジの領域にセーブされた停電監視
信号(ビット7)は、メイン処理(A1036とA1037のループ)と第1タイマ割込
み処理による制御で使用されない。なお、ステップA1037の停電判定では、ポート入
力状態の領域(ビット7)にセーブされた停電監視信号の情報を使用し、ポート入力状態
のビット7に停電監視信号のオン信号がある場合に停電が発生していると判定する。従っ
て、立ち上がりエッジの成立を待たずに早期に停電の発生について判定でき、停電発生時
にすぐに停電発生時の処理(A1055-A1061)を実行できる。
【0270】
また、図8Aにおいて、入力ポート3に対応するスイッチ制御領域3にセーブ(入力)
される情報のうち、立ち上がりエッジの領域(ビット6)にセーブされた設定キースイッ
チ93の信号も、メイン処理(A1036とA1037のループ)と第1タイマ割込み処
理による制御で使用されない。なお、ステップA1036での設定キースイッチ93のオ
ン/オフ判定では、スイッチ確定状態の領域(ビット6)にセーブされた設定キースイッ
チ93のオン/オフ信号(オン/オフ情報)を使用する。従って、立ち上がりエッジの成
立を待たずに早期に設定キースイッチ93のオン/オフについて判定でき、設定キースイ
ッチ93のオフ時にすぐに対応する処理(A1038以降)を実行できる。
【0271】
なお、設定キースイッチ93が動作するものであるため、停電監視信号と異なって、ポ
ート入力状態ではなく、スイッチ確定状態の領域にセーブされた設定キースイッチ93の
オン/オフ信号(オン/オフ情報)を使用する。また、設定キースイッチ93は、立ち上
がりエッジの領域にセーブされるオフからオン(又はオンからオフ)への変化ではなく、
スイッチ確定状態の領域にセーブされたオン状態(又はオフ状態)であることそのものを
使用すれば足りる。
【0272】
なお、対照的に、後述の図11のステップA2207でのRAM初期化スイッチ112
のオン/オフ判定では、立ち上がりエッジの領域のRAM初期化スイッチ112の情報を
使用する。これは、設定キースイッチ93と異なって、ステップA2207でRAM初期
化スイッチ112のオフからオンへの変化を変出する必要があるためである。
【0273】
このように、図7Cのスイッチ読み込み処理を電源投入の際の設定変更/確認状態(第
1タイマ割込み処理、第1入力処理)と通常遊技中(第2タイマ割込み処理、第2入力処
理)とで共通に使用できるようにしたため、図8Aのように使用されない不要な情報が第
1入力処理によって生成される。しかし、これはプログラム容量の節約になり、使用され
る情報のみを生成することによるプログラムの複雑化・煩雑化を防ぐことができる。
【0274】
図8Bのように、第2入力処理によって、入力ポート1の入力に対応するスイッチ制御
領域1のポート入力状態とスイッチ確定状態と立ち上がりエッジの領域には、ビット0の
RAM初期化スイッチ112以外の信号(情報)である枠電波不正信号(ビット1)、払
出ビジー信号(ビット2)、払出異常ステータス信号(ビット3)、シュート球切れスイ
ッチ信号(ビット4)、オーバーフロースイッチ信号(ビット5)、タッチスイッチから
の信号(ビット6)、停電監視信号(ビット7)がセーブされる。これは、未使用のビッ
トデータ(マスク値)が11111110Bであるためである。
【0275】
また、第2入力処理によって、入力ポート2の入力に対応するスイッチ制御領域2のポ
ート入力状態とスイッチ確定状態と立ち上がりエッジの領域には、入力ポート2へ接続さ
れた全信号(情報)であるゲートスイッチ34aからの信号(ビット0)、入賞口スイッ
チ1(35a)からの信号(ビット1)、入賞口スイッチ2(35a)からの信号(ビッ
ト2)、大入賞口スイッチ1(39a)からの信号(ビット3)、大入賞口スイッチ2(
39a)からの信号(ビット4)、始動口1スイッチ36aからの信号(ビット5)、始
動口2スイッチ37aからの信号(ビット6)がセーブされる。これは、未使用のビット
データが11111111Bであるためである。なお、ビット7は元々スイッチが未接続
であるため未使用になっている。
【0276】
また、第2入力処理によって、入力ポート3の入力に対応するスイッチ制御領域3のポ
ート入力状態とスイッチ確定状態と立ち上がりエッジの領域には、設定キースイッチ93
(ビット6)以外の信号(情報)として、スイッチ異常検知信号(ビット0)、盤電波セ
ンサ62からの信号(ビット1)、磁気センサスイッチ61からの信号(ビット2)、振
動センサ65からの信号(ビット3)、ガラス枠開放検出スイッチ63からの信号(ビッ
ト4)、本体枠開放検出スイッチ64からの信号(ビット5)がセーブされる。これは、
未使用のビットデータが10111111Bであるためである。なお、ビット7は元々ス
イッチが未接続であるため未使用になっている。
【0277】
また、第2入力処理によって、入力ポート4の入力に対応するスイッチ制御領域4のポ
ート入力状態とスイッチ確定状態と立ち上がりエッジの領域には、入力ポート4へ接続さ
れた全信号(情報)として、特定領域スイッチ72(ビット0)からの信号、残存球排出
口スイッチ73(ビット1)、アウト球検出スイッチ74(ビット2)からの信号がセー
ブされる。これは、未使用のビットデータが11111111Bであるためである。なお
、ビット3~7は元々スイッチが未接続であるため未使用になっている。
【0278】
以上、図8Aのように、確率設定値を設定/確認する制御(メイン処理、第1タイマ割
込み処理)の実行中に、当該制御に用いる信号を検出する第1検出手段からの信号(情報
)をRAM111c(記憶手段)に記憶可能である。しかし、確率設定値を設定/確認す
る制御の実行中に、遊技に関する制御に用いる信号を検出する第2検出手段からの信号(
情報)、及び、エラーに関する信号を検出する第3検出手段からの信号(情報)をRAM
111cに記憶しない。なお、確率設定値を設定/確認する制御の実行中に、エラーに関
する信号を検出する第3検出手段からの信号をRAM111cに記憶する構成も可能であ
る(即ち、遊技に関する制御に用いる信号を検出する第2検出手段からの信号のみを記憶
しない)。
【0279】
一方、図8Bのように、遊技に関する制御(第2タイマ割込み処理)の実行中に、遊技
に関する制御に用いる信号を検出する第2検出手段からの信号をRAM111cに記憶可
能であり、又、エラーに関する信号を検出する第3検出手段からの信号をRAM111c
に記憶可能である。しかし、遊技に関する制御の実行中に、第1検出手段からの信号をR
AM111cに記憶しない。
【0280】
ここで、第1検出手段は、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112である
。第2検出手段は、入力ポート2(第3入力ポート124)又は入力ポート4(第4入力
ポート126)に信号が接続される遊技球の検出スイッチなどであり、ゲートスイッチ3
4a、入賞口スイッチ35a、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、大入
賞口スイッチ39a、特定領域スイッチ72などである。第3検出手段は、第1検出手段
以外で入力ポート1(ここでは第1入力ポート122)又は入力ポート3(ここでは第2
入力ポート123)に信号が接続されるものであって、磁気センサスイッチ61、盤電波
センサ62、振動センサ65、ガラス枠開放検出スイッチ63、本体枠開放検出スイッチ
64、シュート球切れスイッチ、オーバーフロースイッチなどである。
【0281】
従って、確率設定値を設定/確認する制御(メイン処理、第1タイマ割込み処理)の実
行中に、遊技に関する制御に用いる不要な信号をRAM111cに記憶しないため、無駄
な処理がなくなる。さらに、遊技に関する制御(第2タイマ割込み処理)の実行中に、確
率設定値を設定/確認する制御に用いる不要な信号をRAM111cに記憶しないため、
無駄な処理がなくなる。
【0282】
〔第1出力処理〕
次に、前述の第1タイマ割込み処理における第1出力処理(A1105)の詳細につい
て説明する。図9Aは、第1出力処理の手順を示すフローチャートである。
【0283】
遊技制御装置100は、まず、一括表示装置(LED)50のセグメントのデータを出
力するポート135(図3参照)にオフデータを出力(リセット)する(A1901)。
そして、一括表示装置(LED)50のデジット線を順次スキャンするためのデジットカ
ウンタの値を更新する(A1902)。さらに、デジットカウンタの値に対応するLED
のデジット線の出力データを取得する(A1903)。
【0284】
そして、遊技制御装置100は、取得したデータとセキュリティ信号のオンデータ(外
部情報データ)を合成し(A1904)、合成したデータをデジット出力・外部情報出力
用の第4出力ポート136に出力する(A1905)。その後、デジットカウンタの値に
対応するRWM内のセグメント領域からセグメント線の出力データをロードし(A190
6)、ロードしたデータをセグメント出力用の第3出力ポート135に出力する(A19
07)。
【0285】
次に、遊技制御装置100は、性能表示装置152(状態表示装置)を駆動するドライ
バ150(LEDドライバ)(図3)を初期設定するLEDドライバ初期設定処理(A1
908)を実行する。
【0286】
そして、遊技制御装置100は、ドライバ150の初期設定の後、確率設定値表示デー
タ(桁0)を包含するLEDコマンド(桁0)を生成し(A1909)、当該LEDコマ
ンド(桁0)を送信バッファに書き込んでドライバ150に送信する(A1910)。同
様に、確率設定値表示データ(桁1)を包含するLEDコマンド(桁1)を生成し(A1
911)、当該LEDコマンド(桁1)を送信バッファに書き込んでドライバ150に送
信する(A1912)。
【0287】
次に、遊技制御装置100は、確率設定値表示データ(桁2)を包含するLEDコマン
ド(桁2)を生成し(A1913)、当該LEDコマンド(桁2)を送信バッファに書き
込んでドライバ150に送信する(A1914)。同様に、確率設定値表示データ(桁3
)を包含するLEDコマンド(桁3)を生成し(A1915)、当該LEDコマンド(桁
3)を送信バッファに書き込んでドライバ150に送信する(A1916)。
【0288】
以上により、第1タイマ割込み処理中、即ち、設定変更状態又は設定確認状態において
、ドライバ150によって駆動される性能表示装置152は、確率設定値を表示できる。
なお、ここでは、桁0、桁1、桁2、桁3の順で送信しているが、送信順序は任意に設定
することができる。
【0289】
〔第2出力処理〕
次に、前述の第2タイマ割込み処理における第2出力処理(A1204)の詳細につい
て説明する。図9Bは、第2出力処理の手順を示すフローチャートである。
【0290】
遊技制御装置100は、まず、一括表示装置(LED)50のセグメントのデータを出
力するポート135(図3参照)にオフデータを出力(リセット)する(A2001)。
次に、大入賞口ソレノイド39b等のデータを出力するソレノイド出力ポート(第2出力
ポート134)に出力するデータを合成して出力する(A2002)。
【0291】
そして、遊技制御装置100は、一括表示装置(LED)50のデジット線を順次スキ
ャンするためのデジットカウンタの値を更新する(A2003)。さらに、デジットカウ
ンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データを取得する(A2004)。そして
、取得したデータと外部情報データを合成し(A2005)、合成したデータをデジット
出力・外部情報出力用の第4出力ポート136に出力する(A2006)。その後、デジ
ットカウンタの値に対応するRWM内のセグメント領域からセグメント線の出力データを
ロードし(A2007)、ロードしたデータをセグメント出力用の第3出力ポート135
に出力する(A2008)。
【0292】
続いて、遊技制御装置100は、外部情報端子71に出力するデータをロードして合成
し(A2009)、さらに、合成したデータと発射許可の出力データを合成し(A201
0)、最終的に合成したデータを外部情報・発射許可信号出力用の第5出力ポート137
に出力する(A2011)。
【0293】
次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート1に
出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート1に合成した
データを出力する(A2012)。その後、試射試験装置への試験信号を出力する中継基
板70上の試験端子出力ポート2に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上
の試験端子出力ポート2に合成したデータを出力する(A2013)。
【0294】
次に、遊技制御装置100は、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の
試験端子出力ポート3に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子
出力ポート3へ合成したデータを出力する(A2014)。さらに、試射試験装置の試験
信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート4に出力するデータをロードして合
成し、中継基板70上の試験端子出力ポート4に合成したデータを出力する(A2015
)。そして、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート
5に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート5に合成
したデータを出力し(A2016)、出力処理を終了する。
【0295】
〔LEDデータ送信処理〕
図10を参照して、第2タイマ割込み処理(図6B)のLEDドライバ送信処理を説明
する。図10は、LEDデータ送信処理の手順を示すフローチャートである。
【0296】
遊技制御装置100は、まず、性能表示データ(桁0)を包含するLEDコマンド(桁
0)を生成し(A2101)、当該LEDコマンド(桁0)を送信バッファに書き込んで
ドライバ150に送信する(A2102)。同様に、性能表示データ(桁1)を包含する
LEDコマンド(桁1)を生成し(A2103)、当該LEDコマンド(桁1)を送信バ
ッファに書き込んでドライバ150に送信する(A2104)。
【0297】
遊技制御装置100は、性能表示データ(桁2)を包含するLEDコマンド(桁2)を
生成し(A2105)、当該LEDコマンド(桁2)を同様にドライバ150に送信する
(A2106)。そして、性能表示データ(桁3)を包含するLEDコマンド(桁3)を
生成し(A2107)、当該LEDコマンド(桁3)をドライバ150に送信する(A2
108)。
【0298】
以上のLEDデータ送信処理によって、第2タイマ割込み処理中、即ち、設定変更状態
でも設定確認状態でもない遊技可能な状態において、ドライバ150によって駆動される
性能表示装置152は、性能表示として、役物比率や出玉率や排出球数を表示可能である
。なお、ここで、LEDコマンド(性能表示データ)を桁0、桁1、桁2、桁3の順で送
信しているが、送信順序は任意に設定することができる。
【0299】
〔確率設定変更/確認処理〕
次に、第1タイマ割込み処理における確率設定変更/確認処理(A1104)の詳細に
ついて説明する。図11は、確率設定変更/確認処理の手順を示すフローチャートである
。確率設定変更/確認処理では、確率設定値が変更又は確認できる。
【0300】
遊技制御装置100は、まず、確率設定値が正常範囲内であるか否かを判定する(A2
201)。ここでの確率設定値は、RAM111cの確率設定値領域に記憶されている。
【0301】
遊技制御装置100は、確率設定値が正常範囲内である場合に(A2201の結果が「
Y」)、確率設定値に対応する確率設定値表示データを設定する(A2202)。確率設
定値が正常範囲内でない場合に(A2201の結果が「N」)、確率設定値表示データと
して消灯データを設定する(A2203)。第1出力処理(図9A、A1105)によっ
て、設定された確率設定値表示データは、性能表示装置152にドライバ150を介して
出力させる。
【0302】
ここで、消灯データでない確率設定値表示データは、性能表示装置152で表示される
表示用確率設定値のデータであり、確率設定値表示データ領域に記憶されている。なお、
ホール関係者等の混乱を防止するため、確率設定値が異なっても同じ大当り確率(及び小
当たり確率)であれば、表示用確率設定値を大当り確率(及び小当たり確率)に対応付け
て同じにしてよい。即ち、同じ表示用確率設定値は、同じ大当り確率(及び小当たり確率
)を意味してよい。
【0303】
次に、遊技制御装置100は、セキュリティ信号制御タイマが0でなければ-1更新す
る(A2204)。セキュリティ信号制御タイマは、ステップA1034で設定された1
28ms(所定時間)である。第1出力処理(図9A、A1105)によって、外部装置
(遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に異常を知らせるためのセキュリテ
ィ信号のオンデータは、外部情報端子71に出力される(A1904)。なお、ここで、
大当り信号など外部情報端子71への他の信号はオフ状態に維持される。
【0304】
その後、遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされているか否かを判
定する(A2205)。確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A2205
の結果が「N」)、即ち、確率設定確認中である場合に、何もせずに確率設定変更/確認
処理を終了する。
【0305】
遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされている場合に(A2205
の結果が「Y」)、即ち、確率設定変更中である場合に、電源投入後の最初の第1タイマ
割込み処理であるか否かを判定する(A2206)。電源投入後の最初の第1タイマ割込
み処理である場合に(A2206の結果が「Y」)、確率設定変更/確認処理を終了する
。これは、RAM初期化スイッチ112を押しっぱなしだった場合に、意図せずに確率設
定値の更新がされる事態を防止するためである。
【0306】
遊技制御装置100は、電源投入後の最初の第1タイマ割込み処理でない場合に(A2
206の結果が「N」)、RAM初期化スイッチ112の入力があるか否かを判定する(
A2207)。なお、例えば、スイッチ確定状態の領域と立ち上がりエッジの領域のRA
M初期化スイッチ112の情報(図8A)を利用して、RAM初期化スイッチ112のオ
フからオンへの変化が1回特定できた場合に、RAM初期化スイッチ112の入力がある
と判定してよい。RAM初期化スイッチの入力がない場合に(A2207の結果が「N」
)、確率設定変更/確認処理を終了する。
【0307】
遊技制御装置100は、RAM初期化スイッチ112の入力がある場合に(A2207
の結果が「Y」)、作業用設定値領域(RAM111c内又はレジスタ)の作業用設定値
を0~5の範囲で+1更新するとともに、作業用設定値に対応して確率設定値領域の確率
設定値1~6を+1更新する(A2208)。これにより、RAM初期化スイッチ112
が操作される度に、確率設定値領域の確率設定値が1ずつ更新される。その後、確率設定
変更/確認処理を終了する。なお、設定変更モードに入ったときに作業用設定値を格納す
る作業用設定値領域(RAM111c内又はレジスタ)に、確率設定値領域から読み出し
た確率設定値に対応する値(確率設定値から1減算した値)が格納されてよい。
【0308】
なお、上記では、RAM初期化スイッチ112が操作される度に、作業用設定値の更新
に対応して確率設定値領域の確率設定値を直接更新するようにしたが、RAM111cの
作業用設定値領域に設定変更中の確率設定値(作業用設定値)を記憶するようにし、設定
キースイッチ93がオフになり設定変更作業が完了したときに(A1036の結果が「Y
」)、作業用設定値領域の作業用設定値に対応する値をはじめて確率設定値領域に格納す
るようにしてもよい。このようにすれば、設定変更中に停電が発生した場合(A1037
の結果が「Y」)に、遊技制御や演出制御等に使用される確率設定値(確率設定値領域に
記憶される確率設定値)が意図しない値で変更される事態を防止できる。
【0309】
なお、確率設定値を設定/確認する制御(メイン処理、第1タイマ割込み処理)の実行
中に、エラーに関する信号(第3検出手段からの信号)を読み込む場合に、第1タイマ割
込み処理における確率設定変更/確認処理で、エラ-の監視に係る処理を実行するように
してもよい。
【0310】
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述の第2タイマ割込み処理における特図ゲーム処理(A1210)の詳細につ
いて説明する。図12は、特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。特図ゲー
ム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図
変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
【0311】
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの
入賞を監視する始動口スイッチ監視処理を実行する(A2601)。始動口スイッチ監視
処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球が入賞
すると、各種乱数(大当り乱数など)を抽出し、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの
開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、
始動口スイッチ監視処理の詳細については後述する。
【0312】
次に、遊技制御装置100は、大入賞口スイッチ監視処理を実行する(A2602)。
大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置39内に設けられたカウントスイッチ
39aでの遊技球の検出を監視する。なお、大入賞口スイッチ監視処理において、遊技制
御装置100は、大入賞口開放中処理中又は大入賞口残存球処理中に大入賞口スイッチに
入力があれば、大入賞口カウントコマンドを演出コマンドとして準備して、演出コマンド
設定処理を実行し、また、大入賞口開放中処理中である場合に大入賞口カウント数を+1
更新する。そして、遊技制御装置100は、大入賞口カウント数が上限値(一のラウンド
で入賞可能な遊技球数。例えば「9」や「15」)以上となった場合、特図ゲーム処理タ
イマ領域を0クリアして、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。これにより大入賞口が
閉鎖されて一のラウンドが終了することとなる。
【0313】
次に、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0でなければ-1更新する(1
だけ減算する)(A2603)。特図ゲーム処理タイマは、-1更新によって、第2タイ
マ割込み処理の割込み周期(4msec)の分だけ計時されることになる。なお、特図ゲ
ーム処理タイマの最小値は0に設定されている。次に、特図ゲーム処理タイマが0である
か否かを判定する(A2604)。特図ゲーム処理タイマが0でない場合(A2604の
結果が「N」)、ステップA2619の処理に移行する。
【0314】
遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0である場合(A2604の結果が「
Y」)、すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた場合には、特図ゲー
ム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブ
ルをレジスタに設定する(A2605)。さらに、特図ゲームシーケンス分岐テーブルを
用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A2606)。
続いて、特図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、特図ゲーム処理番号に
応じたゲーム分岐処理を実行する(A2607)。
【0315】
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「0」の場合には、
特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定、演出の
設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理を実行する
(A2608)。なお、特図普段処理の詳細については、図15にて後述する。
【0316】
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「1」の場合には、
特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特
図変動中処理を実行する(A2609)。例えば、特図変動中処理では、特別図柄の停止
を示す図柄停止コマンドや停止図柄パターンに対応する停止表示時間など必要な情報を設
定して、特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブ
する。なお、特図変動中処理の詳細については、図28にて後述する。
【0317】
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「2」の場合には、
特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレ
コマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定
、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示
中処理を実行する(A2610)。例えば、特図表示中処理では、特図変動表示ゲームの
結果が大当りであれば、ファンファーレコマンドやファンファーレ時間など必要な情報を
設定して、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」を設定し特図ゲー
ム処理番号領域にセーブする。例えば、特図変動表示ゲームの結果がはずれであれば、特
図普段処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。なお、
特図表示中処理の詳細については、図31にて後述する。
【0318】
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「3」の場合には、
大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情
報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理を実行する(A2611)。例え
ば、ファンファーレ/インターバル中処理では、実行するラウンド遊技のラウンドに対応
するラウンドコマンドや大入賞口の開放時間など必要な情報を設定して、大入賞口開放中
処理に係る処理番号「4」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
【0319】
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「4」の場合には、
大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラ
ウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うため
に必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理を実行する(A2612)。例えば、大
入賞口開放中処理では、インターバルコマンドやエンディングコマンドなど必要な情報を
設定して、大入賞口残存球処理に係る処理番号「5」を設定し特図ゲーム処理番号領域に
セーブする。
【0320】
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「5」の場合には、
大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間
を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存
球処理を実行する(A2613)。例えば、大入賞口残存球処理では、最終ラウンドでな
ければインターバル時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、ファンファーレ/イン
ターバル中処理に係る処理番号「3」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。最
終ラウンドであればエンディング時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、大当り終
了処理に係る処理番号「6」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
【0321】
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「6」の場合には、
特図普段処理を実行するために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理を実行する(A
2614)。例えば、大当り終了処理では、特図変動表示ゲームの停止図柄番号(大当り
図柄番号)に対応する確率変動判定データに基づいて、大当り状態終了後の確率状態や大
当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)などに移行するように、必要な情報の設
定を行い、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブ
する。確率変動判定データには、大当り状態終了後の確率状態(高確率/低確率)、及び
、大当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)の継続ゲーム回数(時間短縮変動回
数、電サポ回数)の情報などが含まれる。
【0322】
また、例えば、大当り終了処理では、外部情報端子71を介して外部装置に出力する外
部情報として、大当り1信号のオフデータ、大当り3信号のオフデータ、大当り4信号の
オフデータを、外部情報出力データ領域にセーブする。また、例えば、大当り終了処理で
は、大当り状態終了後に確率状態や時短状態(普電サポート状態)に突入する場合には大
当り2信号をオンする(本実施形態では大当り状態中から大当り2信号が出力されている
ため、大当り2信号のオン状態が継続する形になる)。
【0323】
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「7」の場合には、
大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、小当り中処理を行うために必要な情報の設
定(例えば処理番号「8」を設定)等を行う小当りファンファーレ中処理を実行する(A
2615)。
【0324】
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「8」の場合には、
小当り終了コマンドを設定する処理や、小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定
(例えば処理番号「9」を設定)等を行う小当り中処理を実行する(A2616)。
【0325】
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「9」の場合には、
エンディング時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定(例
えば処理番号「10」を設定)等を行う小当り残存球処理を実行する(A2617)。
【0326】
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「10」の場合には
、特図普段処理を実行するために必要な情報の設定(例えば処理番号「0」を設定)等を
行う小当り終了処理を実行する(A2618)。
【0327】
特図ゲーム処理番号に基づく処理が終了すると、遊技制御装置100は、特図1表示器
51の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備した後(A2619)、特図
1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(A2620)。そして、特図2表示器
52の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備した後(A2621)、特図
2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(A2622)。
【0328】
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(A2601)の詳細について
説明する。図13は、始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
【0329】
遊技制御装置100は、まず、始動入賞口36(始動口1)に対する入賞監視テーブル
を準備し(A2701)、ハード乱数取得処理を実行し(A2702)、始動入賞口36
への入賞があるか否かを判定する(A2703)。始動入賞口36への入賞がない場合(
A2703の結果が「N」)には、ステップA2709以降の処理を実行する。一方、始
動入賞口36への入賞がある場合(A2703の結果が「Y」)、特図時短中(普電サポ
ート状態中)であるか否かを判定する(A2704)。
【0330】
遊技制御装置100は、特図時短中(普電サポート状態中)でないと判定した場合(A
2704の結果が「N」)、ステップA2707以降の処理を実行する。一方、特図時短
中(普電サポート状態中)である場合(A2704の結果が「Y」)、右打ち指示報知コ
マンドを演出コマンドとして準備して(A2705)、演出コマンド設定処理を実行する
(A2706)。演出コマンド設定処理では、シリアル送信バッファに演出コマンドを書
き込み、演出コマンドが演出制御装置300に送信されることになる。
【0331】
即ち、普電サポート状態(時短状態)であれば、変動表示ゲームの確率状態(高確率状
態/低確率状態)にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して、演出コマンド設定
処理を実行する。本実施形態の場合、始動入賞口36へは左打ちの方が入賞し易く、普通
変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。また、右打ちでないと、遊技球が普図
始動ゲート34を通過しない。したがって、普電サポート状態(時短状態)は、左打ちよ
りも右打ちの方が有利となるが、普電サポート状態中に始動入賞口36に入賞があった場
合(すなわち、普電サポート状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンド
を演出制御装置300に送信し、演出制御装置300は、右打ちするよう指示する報知(
警告)を表示装置41等によって実行する。
【0332】
次に、遊技制御装置100は、始動入賞口36(始動口1)による保留の情報を設定す
るテーブルを準備した後(A2707)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A2
708)。そして、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)に対する入賞監視テーブル
を準備し(A2709)、ハード乱数取得処理を実行し(A2710)、第2始動入賞口
への入賞があるか否かを判定する(A2711)。第2始動入賞口への入賞がない場合(
A2711の結果が「N」)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
【0333】
一方、遊技制御装置100は、第2始動入賞口への入賞がある場合(A2711の結果
が「Y」)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中であるか否か、すなわ
ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを
判定する(A2712)。普通電動役物が作動中である場合(A2712の結果が「Y」
)、ステップA2714の処理に移行する。
【0334】
一方、遊技制御装置100は、普通電動役物が作動中でない場合(A2712の結果が
「N」)、普電不正発生中であるかを判定する(A2713)。普通変動入賞装置37へ
の不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に普電不正発生中である
と判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態で
のみ遊技球が入賞可能である。従って、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や
不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を
不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生
判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
【0335】
遊技制御装置100は、普電不正発生中でない場合(A2713の結果が「N」)、第
2始動入賞口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した
後(A2714)、特図始動口スイッチ共通処理を実行し(A2715)、始動口スイッ
チ監視処理を終了する。また、A2713にて、普電不正発生中である(A2713の結
果が「Y」)と判定した場合にも、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2
始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
【0336】
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(A2708、A
2715)の詳細について説明する。図14は、特図始動口スイッチ共通処理の手順を示
すフローチャートである。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始
動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理
である。
【0337】
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの
うち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理
装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(A2901)、ロード
した値を+1更新して(A2902)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する
(A2903)。出力回数がオーバーフローしない場合(A2903の結果が「N」)、
更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(A2904)、ステップA
2905の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(A2903の結
果が「Y」)、ステップA2905の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力
回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした
値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数が
オーバーフローすると判定するよう構成されている。
【0338】
次に、遊技制御装置100は、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの
うち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留数(始動記憶数)が上限
値未満か否かを判定する(A2905)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合
(A2905の結果が「N」)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。また、更新
対象の特図保留数が上限値未満である場合(A2905の結果が「Y」)は、更新対象の
特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(A2906)、対象の始
動口入賞フラグをセーブする(A2907)。
【0339】
次に、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱
数格納領域のアドレスを算出して(A2908)、ステップA2805にて準備した大当
り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(A2909)。次に、監視対象の始
動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(A2910)、RWMの大当り図柄
乱数格納領域にセーブする(A2911)。
【0340】
次に、遊技制御装置100は、小当り図柄乱数を抽出し、準備して(A2912)、小
当り図柄乱数をRWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(A2913)。また、サ
ポ当り図柄乱数を抽出し、準備して(A2914)、サポ当り図柄乱数をRWMのサポ当
り図柄乱数格納領域にセーブする(A2915)。
【0341】
なお、小当り図柄乱数、サポ当り図柄乱数、大当り図柄乱数は、後述の特図1停止図柄
設定処理(A3403)と特図2停止図柄設定処理(A3503)において、小当り時の
停止図柄番号、サポ当り時の停止図柄番号、又は大当り時の停止図柄番号と、これら停止
図柄番号に対応する小当り停止図柄パターン、サポ当り停止図柄パターン、又は大当り停
止図柄パターンを決定するために用いられる。
【0342】
本実施形態において、混乱を回避するため、小当り図柄乱数、サポ当り図柄乱数、大当
り図柄乱数は、各々、独立に設けられるが、RWMの乱数格納領域を小さくするため、1
つの乱数(共通乱数)を共用して、小当り図柄(小当り時の停止図柄番号、小当り停止図
柄パターン)、サポ当り図柄(サポ当り時の停止図柄番号、サポ当り停止図柄パターン)
、大当り図柄(大当り時の停止図柄番号、大当り停止図柄パターン)の振り分けを行って
よい。即ち、小当り図柄を決定する場合に、共通乱数の範囲を区分して各小当り図柄に割
り当てたり、サポ当り図柄を決定する場合に、共通乱数の範囲を区分して各サポ当り図柄
に割り当てたり、大当り図柄を決定する場合に、共通乱数の範囲を区分して各大当り図柄
に割り当てたりする。
【0343】
次に、遊技制御装置100は、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パタ
ーン乱数格納領域にセーブして(A2916)、特図保留情報判定処理を実行する(A2
917)。特図保留情報判定処理では、セーブした大当り乱数や当り図柄乱数(大当り図
柄乱数、小当り図柄乱数、サポ当り図柄乱数)などに基づく停止図柄情報(大当り停止図
柄、小当り停止図柄、時短停止図柄、はずれ停止図柄)に対応する先読み停止図柄コマン
ドや、セーブした変動パターン乱数1から3に基づく前半変動番号(リーチ前変動の番号
)及び後半変動番号(リーチ後変動の番号)に対応する先読み変動パターンコマンドを演
出コマンドとして設定する。そして、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応す
る飾り特図保留数コマンドを演出コマンドとして準備し(A2918)、演出コマンド設
定処理(A2919)を実行して、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0344】
ここで、遊技制御装置100(RAM111c)は、始動入賞口36や普通変動入賞装
置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲー
ムの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、
始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球
の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶(特図1始動記憶
、特図1保留)として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入
賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶(特図2始動記憶、特
図2保留)として記憶する。
【0345】
〔特図普段処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図普段処理(A2608)の詳細について説明する。
図15は、特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
【0346】
遊技制御装置100は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かを判
定する(A3201)。特図2保留数が0である場合(A3201の結果が「Y」)、特
図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かを判定する(A3206)。そして、特
図1保留数が0である場合(A3206の結果が「Y」)、客待ちデモが開始済みである
か否かを判定し(A3211)、客待ちデモが開始済みでない場合(A3211の結果が
「N」)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(A3212)。
【0347】
続けて、遊技制御装置100は、客待ちデモコマンドを演出コマンドとして準備して(
A3213)、演出コマンド設定処理を行い(A3214)、ステップA3215の処理
に移行する。一方、ステップA3211にて、客待ちデモが開始済みである場合(A32
11の結果が「Y」)、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(A3215
)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(A3216)、変動図柄判別フラ
グ領域をクリアする(A3217)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監
視期間中フラグをセーブして(A3218)、特図普段処理を終了する。
【0348】
また、遊技制御装置100は、特図2保留数が0でない場合(A3201の結果が「N
」)、特図2変動開始処理を実行し(A3202)、特図2保留数に対応する飾り特図保
留数コマンド(飾り特図2保留数コマンド)を演出コマンドとして準備して(A3203
)、演出コマンド設定処理を実行する(A3204)。そして、特図2の特図変動中処理
移行設定処理を実行し(A3205)、特図普段処理を終了する。特図2の特図変動中処
理移行設定処理では、処理番号として特図変動中処理に係る「1」を設定したり、客待ち
デモ中フラグをクリアしたりする。
【0349】
また、遊技制御装置100は、特図1保留数が0でない場合(A3206の結果が「N
」)、特図1変動開始処理を実行し(A3207)、特図1保留数に対応する飾り特図保
留数コマンド(飾り特図1保留数コマンド)を演出コマンドとして準備して(A3208
)、演出コマンド設定処理を実行する(A3209)。そして、特図1の特図変動中処理
移行設定処理を実行し(A3210)、特図普段処理を終了する。特図1の特図変動中処
理移行設定処理では、処理番号として特図変動中処理に係る「1」を設定したり、客待ち
デモ中フラグをクリアしたりする。
【0350】
このように、特図2保留数のチェックを特図1保留数のチェックよりも先に行うことで
、特図2保留数が0でない場合には特図2変動開始処理(A3202)が実行されること
となる。すなわち、特図2変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームに優先して実行される
こととなる。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)
に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動
記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
【0351】
〔特図1変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図1変動開始処理(A3207)の詳細について説明す
る。図16は、特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始
処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
【0352】
遊技制御装置100は、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す
図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブする(A3401)。続いて、特図1変動
表示ゲームが大当り、小当り、又は、サポ当りであるか否かを判別するための大当りフラ
グ1に、はずれ情報、大当り情報、小当り情報、又は、サポ当り情報を設定する大当りフ
ラグ1設定処理を実行する(A3402)。大当りフラグ1設定処理の詳細については後
述する。
【0353】
次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームに関する特図1停止図柄(図柄情
報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(A3403)。特図1停止図柄設
定処理では、はずれ時、小当り時、サポ当り時、又は大当り時の停止図柄番号と、この停
止図柄番号に対応するはずれ停止図柄パターン、小当り停止図柄パターン、サポ当り停止
図柄パターン、又は大当り停止図柄パターンをセーブする。小当り時、サポ当り時、又は
大当り時の停止図柄番号は、各々、小当り図柄乱数、サポ当り図柄乱数、大当り図柄乱数
に対応して決定される。
【0354】
また、特図1停止図柄設定処理では、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンド
を演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を実行する。また、停止図柄番号
に対応するラウンド数情報(ラウンド上限値)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定デ
ータや確率変動判定データ、停止図柄パターンや確率状態に対応する演出モード移行情報
などを取得してセーブする。なお、小当りの場合は、小当りを挟んで遊技状態の変化はな
いため、時間短縮判定データや確率変動判定データは設定されなくてよい。小当りの場合
とサポ当りの場合は、演出モード移行情報は、簡単に、停止図柄パターンのみに対応して
設定されてよい。
【0355】
さらに、遊技制御装置100は、変動パターンを設定するためのパラメータである特図
情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A3404)。
【0356】
続いて、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する
種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情
報テーブルを準備する(A3405)。
【0357】
その後、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パ
ターン(変動パターン番号)を設定する変動パターン設定処理を実行する(A3406)
。次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動
開始情報設定処理を実行し(A3407)、特図1変動開始処理を終了する。変動開始情
報設定処理では、変動パターン(変動パターン番号)に対応する変動時間値を取得し、特
図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。そして、変動パターン番号に対応する変動コマン
ド(MODE、ACTION)を演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を
行う。また、変動開始情報設定処理では、これから開始する特図変動表示ゲームの特図種
別(特図1又は特図2)に係る特図保留数を-1更新する(1だけ減少する)。
【0358】
〔特図2変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図2変動開始処理(A3202)の詳細について説明す
る。図17は、特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始
処理は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図16に示した特図1変動
開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
【0359】
遊技制御装置100は、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2
を示す特図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブする(A3501)。続いて、特図
2変動表示ゲームが大当り、小当り、又は、サポ当りであるか否かを判別するための大当
りフラグ2に、はずれ情報、大当り情報、小当り情報、又は、サポ当り情報を設定する大
当りフラグ2設定処理を実行する(A3502)。
【0360】
次に、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームに関する特図2停止図柄(図柄情
報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理を実行する(A3503)。特図2停止図柄設
定処理では、特図1停止図柄設定の場合と同様の処理が実行されるが、停止図柄パターン
に対応する飾り特図2コマンドが演出コマンドとして準備される。さらに、変動パターン
を設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A
3504)。続いて、特図2変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を
参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを
準備する(A3505)。
【0361】
その後、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動
パターン設定処理を実行する(A3506)。最後に、特図2変動表示ゲームの変動開始
の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(A3507)、特図2変動開始処理を
終了する。
【0362】
〔大当りフラグ1設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(A3402)の詳細につ
いて説明する。図18は、大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
【0363】
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ1領域、小当りフラグ1領域、サポ当りフ
ラグ1領域にはずれ情報をセーブする(A3601)。次に、RWMの特図1大当り乱数
格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(A3602)、当該特図
1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3603)。なお、保留数1用
とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(
乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致す
るか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A3604
)。
【0364】
遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3604)の判定結果が大当りである場合
(A3605の結果が「Y」)、ステップA3601にてはずれ情報をセーブした大当り
フラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3606)、大当りフラグ1設定処
理を終了する。
【0365】
一方、遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3604)の判定結果が大当りでな
い場合(A3605の結果が「N」)、取得した大当り乱数値に基づいて、特図変動表示
ゲームが小当りであるか否かを判定する小当り判定処理を実行し(A3607)、判定の
結果は小当りであるか否か判断する(A3608)。なお、本実施形態では、小当りの判
定にも大当り乱数値が使用される(別の言い方では、小当り判定と大当り判定に同じ乱数
値が使用される)。特図変動表示ゲームが小当りである場合(A3608の結果が「Y」
)、ステップA3601にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ1領域に小当り情報を
上書きしてセーブし(A3609)、大当りフラグ1設定処理を終了する。
【0366】
一方、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームが小当りでない場合(A3608の
結果が「N」)、取得した大当り乱数値に基づいて、特図変動表示ゲームがサポ当りであ
るか否かを判定するサポ当り判定処理を実行し(A3610)、判定の結果はサポ当りで
あるか否か判断する(A3611)。なお、本実施形態では、サポ当りの判定にも大当り
乱数値が使用される(別の言い方では、サポ当り判定と大当り判定に同じ乱数値が使用さ
れる)。ここで、特図変動表示ゲームのサポ当り(時短当り)とは、次回の特図変動表示
ゲームから時短状態に突入する時短結果(特定結果)のことであり、この時短結果に対応
して、演出制御装置300は、飾り特図変動表示ゲームの停止結果として時短図柄を表示
装置41に表示できる。
【0367】
遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームがサポ当りである場合(A3611の結果
が「Y」)、ステップA3601にてはずれ情報をセーブしたサポ当りフラグ1領域にサ
ポ当り情報を上書きしてセーブし(A3612)、大当りフラグ1設定処理を終了する。
一方、特図変動表示ゲームがサポ当りでない場合(A3611の結果が「N」)、サポ当
りフラグ1領域にサポ当り情報をセーブすることなく、大当りフラグ1設定処理を終了す
る。
【0368】
このように、本実施形態において、特図変動表示ゲームの結果は、「大当り」、「小当
り」、「サポ当り(時短当り)」、「はずれ」のうちの何れかとなる。
【0369】
〔大当りフラグ2設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(A3502)の詳細につ
いて説明する。図19は、大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。
この処理は、図18に示した大当りフラグ1設定処理での処理と同様の処理を、第2始動
記憶を対象として行うものである。
【0370】
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ2領域、小当りフラグ2領域、サポ当りフ
ラグ2領域にはずれ情報をセーブする(A3701)。次に、RWMの特図2大当り乱数
格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(A3702)、当該特図
2大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3703)。なお、保留数1用
とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(
乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致す
るか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A3704
)。
【0371】
遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3704)の判定結果が大当りである場合
(A3705の結果が「Y」)、ステップA3701にてはずれ情報をセーブした大当り
フラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3706)、大当りフラグ2設定処
理を終了する。
【0372】
一方、遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3704)の判定結果が大当りでな
い場合(A3705の結果が「N」)、取得した大当り乱数値に基づいて、特図変動表示
ゲームが小当りであるか否かを判定する小当り判定処理を実行し(A3707)、判定の
結果は小当りであるか否か判断する(A3708)。なお、本実施形態では、小当りの判
定にも大当り乱数値が使用される(別の言い方では、小当り判定と大当り判定に同じ乱数
値が使用される)。特図変動表示ゲームが小当りである場合(A3708の結果が「Y」
)、ステップA3701にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ2領域に小当り情報を
上書きしてセーブし(A3709)、大当りフラグ2設定処理を終了する。
【0373】
一方、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームが小当りでない場合(A3708の
結果が「N」)、取得した大当り乱数値に基づいて、特図変動表示ゲームがサポ当りであ
るか否かを判定するサポ当り判定処理を実行し(A3710)、判定の結果はサポ当りで
あるか否か判断する(A3711)。なお、本実施形態では、サポ当りの判定にも大当り
乱数値が使用される(別の言い方では、サポ当り判定と大当り判定に同じ乱数値が使用さ
れる)。ここで、特図変動表示ゲームのサポ当り(時短当り)とは、次回の特図変動表示
ゲームから時短状態に突入する時短結果(特定結果)のことであり、この特定結果に対応
して、演出制御装置300は、飾り特図変動表示ゲームの停止結果として時短図柄を表示
装置41に表示できる。
【0374】
遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームがサポ当りである場合(A3711の結果
が「Y」)、ステップA3701にてはずれ情報をセーブしたサポ当りフラグ2領域にサ
ポ当り情報を上書きしてセーブし(A3712)、大当りフラグ2設定処理を終了する。
一方、特図変動表示ゲームがサポ当りでない場合(A3711の結果が「N」)、サポ当
りフラグ2領域にサポ当り情報をセーブすることなく、大当りフラグ2設定処理を終了す
る。
【0375】
このように、本実施形態において、特図変動表示ゲームの結果は、「大当り」、「小当
り」、「サポ当り(時短当り)」、「はずれ」のうちの何れかとなる。
【0376】
〔大当り判定処理〕
次に、大当りフラグ1設定処理と大当りフラグ2設定処理等における大当り判定処理(
A3604、A3704)の詳細について説明する。図20は、大当り判定処理の手順を
示すフローチャートである。なお、大当り判定処理は、第2タイマ割込み処理中に実行さ
れる他の処理における大当り判定処理に共通する処理であり、特図保留情報判定処理など
でも実行される。
【0377】
遊技制御装置100は、まず、確率設定値に対応する上限判定値テーブルを設定する(
A3801)。次に、大当り判定値の下限判定値を設定し(A3802)、対象の大当り
乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(A3803)。なお、大当りである
とは、大当り乱数が、確率設定値と遊技状態に対応する大当り判定値と一致することであ
る。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値で
ある下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合
に、大当りであると判定される。
【0378】
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(A380
3の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定し(A3808)、大
当り判定処理を終了する。
【0379】
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合には(A3
803の結果が「N」)、大当りの発生確率が高確率状態(確変状態)であるか否かを判
定する(A3804)。そして、高確率状態である場合には(A3804の結果が「Y」
)、高確率中の上限判定値を設定する(A3805)。一方、高確率状態でない場合には
(A3804の結果が「N」)、低確率中の上限判定値を設定する(A3806)。
【0380】
遊技制御装置100は、大当り乱数の値の上限判定値を設定すると、対象の大当り乱数
の値が上限判定値より大きいか否かを判定する(A3807)。大当り乱数の値が上限判
定値より大きい場合(A3807の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外
)を設定する(A3808)。一方、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(
A3807の結果が「N」)、判定結果として大当りを設定する(A3809)。判定結
果を設定すると、大当り判定処理を終了する。
【0381】
〔小当り判定処理〕
次に、大当りフラグ1設定処理と大当りフラグ2設定処理等における小当り判定処理(
A3607、A3707)の詳細について説明する。図21は、小当り判定処理の手順を
示すフローチャートである。なお、小当り判定処理は、第2タイマ割込み処理中に実行さ
れる他の処理における小当り判定処理に共通する処理であり、特図保留情報判定処理など
でも実行される。
【0382】
遊技制御装置100は、まず、確率設定値に対応する小当り上限判定値テーブルを設定
する(A3901)。次に、対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満であるか否か
を判定する(A3902)。なお、小当りであるとは、大当り乱数が、確率設定値と遊技
状態に対応する小当り判定値と一致することである。小当り判定値は連続する複数の値で
あり、大当り乱数が、小当り判定値の下限の値である小当り下限判定値以上で、かつ、小
当り判定値の上限の値である小当り上限判定値以下である場合に、小当りであると判定さ
れる。
【0383】
当然ながら、同じ特図変動表示ゲームの結果が小当り且つ大当りとなることを避けるべ
く、小当り判定値の範囲(小当り下限判定値と小当り上限判定値の間)は、前述の大当り
判定値の範囲(下限判定値と上限判定値の間)とは重ならない。なお、本実施形態では、
独自に小当り乱数を設けることはせず、小当りの判定にも大当り乱数を利用するが、独自
の小当り乱数を設ける構成も可能である。
【0384】
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満である場合(A
3902の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(小当り以外)を設定し(A3904
)、小当り判定処理を終了する。
【0385】
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合には
(A3902の結果が「N」)、対象の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいか
否かを判定する(A3903)。大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きい場合(A
3903の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(小当り以外)を設定する(A390
4)。一方、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(A3903の結果
が「N」)、判定結果として小当りを設定する(A3905)。判定結果を設定すると、
小当り判定処理を終了する。
【0386】
〔サポ当り判定処理〕
次に、大当りフラグ1設定処理と大当りフラグ2設定処理等におけるサポ当り判定処理
(A3610、A3710)の詳細について説明する。図22は、サポ当り判定処理の手
順を示すフローチャートである。なお、サポ当り判定処理は、第2タイマ割込み処理中に
実行される他の処理におけるサポ当り判定処理に共通する処理であり、特図保留情報判定
処理などでも実行される。
【0387】
遊技制御装置100は、まず、確率設定値に対応するサポ当り上限判定値テーブルを設
定する(A4001)。次に、サポ当り判定値の下限判定値を設定し(A4002)、対
象の大当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(A4003)。なお、サ
ポ当りであるとは、大当り乱数が、確率設定値と遊技状態に対応するサポ当り判定値と一
致することである。サポ当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、サポ当り
判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、サポ当り判定値の上限の値であるサポ
当り上限判定値以下である場合に、サポ当りであると判定される。
【0388】
当然ながら、同じ特図変動表示ゲームの結果がサポ当り且つ大当り、又は、サポ当り且
つ小当りとなることを避けるべく、サポ当り判定値の範囲(サポ当り下限判定値とサポ当
り上限判定値の間)は、前述の大当り判定値及び小当り判定値の範囲とは重ならない。な
お、本実施形態では、独自にサポ当り乱数を設けることはせず、サポ当りの判定にも大当
り乱数を利用するが、独自のサポ当り乱数を設ける構成も可能である。
【0389】
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値がサポ当り下限判定値未満である場合(
A4003の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(サポ当り以外)を設定し(A40
08)、サポ当り判定処理を終了する。
【0390】
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値がサポ当り下限判定値未満でない場合に
は(A4003の結果が「N」)、大当りの発生確率が高確率状態(確変状態)であるか
否かを判定する(A4004)。ステップA4004では、サポ当りの発生確率が高確率
状態であるか否かを判定してもよい。そして、高確率状態である場合には(A4004の
結果が「Y」)、高確率中のサポ当り上限判定値を設定する(A4005)。一方、高確
率状態でない場合には(A4004の結果が「N」)、低確率中のサポ当り上限判定値を
設定する(A4006)。
【0391】
遊技制御装置100は、大当り乱数の値のサポ当り上限判定値を設定すると、対象の大
当り乱数の値がサポ当り上限判定値より大きいか否かを判定する(A4007)。大当り
乱数の値がサポ当り上限判定値より大きい場合(A4007の結果が「Y」)、判定結果
としてはずれ(サポ当り以外)を設定する(A4008)。一方、大当り乱数の値がサポ
当り上限判定値より大きくない場合(A4007の結果が「N」)、判定結果としてサポ
当りを設定する(A4009)。判定結果を設定すると、サポ当り判定処理を終了する。
【0392】
サポ当り判定処理では、大当り乱数値を用いた抽選によって、サポ当り判定(時短判定
)が行われる。抽選としてのサポ当り判定(時短判定)では、大当り乱数値がサポ当り判
定値(時短判定値)に一致すると、判定結果として、サポ当り結果(時短結果、特定結果
)が得られ時短が設定される。サポ当り判定値は、大当り判定値及び小当り判定値とは異
なる。
【0393】
なお、メリハリを付けるために、確率設定値毎にサポ当りの当選確率(サポ当り判定値
の範囲÷大当り乱数の範囲)を異ならせてもよいし、簡便のために、確率設定値毎にサポ
当りの当選確率を同じにしてもよい。設定1(又は低設定側)がサポ当りに当選し易く、
設定6(又は高設定側)がサポ当りに当選し難くなるようにサポ当りの当選確率を設定し
て、低設定の不利益を緩和してよいし、逆に設定して、高設定側でサポ当りに当選し易い
と期待する遊技者の期待感に合わせてよい。また、設定1から設定6へと、単調にサポ当
りの当選確率を変化させてもよいし、設定の2段階ごとに変化させるなど単調でなくても
よい。偶数設定と奇数設定とでサポ当りの当選確率を異ならせて、確率設定値の推定に関
する遊技者の興趣を向上してよい。
【0394】
また、大当り確率の低確率中(確変状態中以外)と高確率中(確変状態中)で、サポ当
りの当選確率を異ならせてメリハリを付けてもよいし、簡単化のため同じでもよい。低確
率中(確変状態中以外)に当選し易く高確率中(確変状態中)に当選し難くなるように、
サポ当りの当選確率を設定して、低確率中の不利益を緩和してもよいし、逆に設定して、
高確率中にサポ当りにも当選し易いと期待する遊技者の期待感に合わせてよい。例えば、
低確率中だけサポ当りに当選するようにサポ当りの当選確率を設定して(高確率中はサポ
当りの当選確率はゼロ)、低確率中の不利益を緩和してもよい。
【0395】
また、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとでサポ当りの当選確率を異なら
せてメリハリを付けてもよいし、簡便のために同じでもよい。例えば、普電サポート状態
(時短状態や確変状態)におけるサポ当りを増やすべく、特図2変動表示ゲームでのサポ
当りの当選確率を特図1変動表示ゲームよりも大きくしてよい。逆に、通常遊技状態で遊
技の興趣を向上させるべく、特図1変動表示ゲームでのサポ当りの当選確率を特図2変動
表示ゲームよりも大きくしてよい。
【0396】
特図変動表示ゲームの結果がサポ当り結果(時短結果)の場合に、特図1停止図柄設定
処理(A3403)又は特図2停止図柄設定処理(A3503)において、停止図柄(停
止図柄番号、停止図柄パターン)として時短図柄(時短図柄番号、時短図柄パターン)が
設定され、次回の特図変動表示ゲームから時短状態に突入する。即ち、この場合には、大
当りを経由せずに突然に時短状態になる(突然時短)。また、この場合に、時短図柄に対
応する飾り特図コマンドが演出制御装置300に送信され、表示装置41において、演出
制御装置300によって飾り停止図柄としても時短図柄(飾り時短図柄)が表示される。
【0397】
表示装置41に表示される時短図柄としては、例えば、左図柄と中図柄のみが揃った「
1,1,3」などがある。時短図柄は、予め決めておけば制約はないが、数字が順番に並
んだ「1,2,3」や左図柄と右図柄のみが揃った「1,3,1」など規則性があるもの
が、遊技者が覚えやすく好ましい。時短図柄を複数用意しておき、時短状態が継続する特
図変動表示ゲームの回数(時短回数)が時短図柄ごとに定められてもよい。
【0398】
ランプ表示装置80のランプ表示部1、2は、時短結果(時短図柄)の場合に、大当り
結果又は小当り結果の場合と異なって、第四特別図柄(第4図柄)として特定の態様で発
光する。例えば、ランプ表示部1、2は、大当り結果又は小当り結果の場合に、赤色など
の暖色系の色で発光してよく、時短結果(時短図柄)の場合に、緑色などの寒色系の色で
発光してよい。従って、停止図柄として時短図柄が表示される場合に、大当りが発生した
と遊技者が誤認することが防止できるとともに、時短に当選したことを遊技者は把握しや
すくなる。
【0399】
なお、大当り状態終了後に実行される特図変動表示ゲームの回数(確変状態での回数を
除く)が所定回数(いわゆる天井回数、時短天井、遊タイム)に到達した場合に、サポ当
りに当選しなくても時短状態に突入する。このとき、特図変動表示ゲームの結果がはずれ
であればランプ表示部1、2は消灯状態とし、小当りであれば暖色系の色で発光するが、
時短状態に突入することを遊技者が認識しやすくするため、寒色系の色で第4図柄として
発光してもよい。所定回数(天井回数)は、例えば、500回である。この場合に、特図
表示器や表示装置41において停止図柄としてはずれ図柄(時短図柄でもよい)又は小当
り図柄(小当りであれば)が表示され、次回の特図変動表示ゲームから時短状態に突入す
る。この場合に、表示装置41に表示される時短図柄としては、例えば、左図柄と中図柄
のみが揃った「3,3,5」(サポ当り結果による時短の場合と同じく「1,1,3」で
もよい)などがある。
【0400】
〔特図情報設定処理〕
次に、特図1変動開始処理と特図2変動開始処理における特図情報設定処理(A340
4、A3504)の詳細について説明する。図23は、特図情報設定処理の手順を示すフ
ローチャートである。本実施形態において、確率状態(低確率/高確率、時短あり/なし
)は変動の振り分けに直接影響せず、遊技制御装置100が管理している演出モードが変
動の振り分けに影響する。演出モードは、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲー
ムの進行状況などに応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようにな
っている。
【0401】
遊技制御装置100は、まず、前半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(A
4201)、演出モード情報に対応する前半変動グループ選択ポインタを取得する(A4
202)。次いで、前半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(A4203)
、対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)と停止図柄パターンに対応するオ
フセットデータを取得する(A4204)。
【0402】
次に、遊技制御装置100は、前半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加
算して(A4205)、加算して得た値を変動振分情報1領域にセーブする(A4206
)。これにより変動振分情報1領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基
づいて生成された変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は、前半変動(リ
ーチ開始前までの変動態様)を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グル
ープを選択するために用いられる。ただし、機種の仕様次第であるが、保留数が多い時に
変動時間を短くするのははずれの場合のみであるため、はずれ以外の場合には、結果とし
て保留数は前半変動の振り分けに影響しない。なお、変動グループとは複数の変動パター
ンが含まれたもので、変動パターンを決定する際には、まず変動グループを選択し、さら
にこの変動グループの中から一の変動パターンを選択するようになっている。
【0403】
次に、遊技制御装置100は、後半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(A
4207)、演出モード情報に対応する後半変動グループ選択ポインタを取得する(A4
208)。次いで、後半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(A4209)
、対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(A42
10)。
【0404】
次に、遊技制御装置100は、後半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加
算して(A4211)、加算して得た値を変動振分情報2領域にセーブして(A4212
)、特図情報設定処理を終了する。これにより変動振分情報2領域には、停止図柄の種類
、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報2がセーブされる。この変
動振分情報2は、後半変動(リーチの種類(リーチなしも含む。))を振り分けるための
テーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、はず
れの場合のみ保留数に応じてリーチの発生率が変化する(保留数が多い時にリーチの発生
率が低くなる)ため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は後半変動の振り分けに
影響しない。
【0405】
〔変動パターン設定処理〕
次に、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動パターン設定処理(A
3406、A3506)の詳細について説明する。図24は、変動パターン設定処理の手
順を示すフローチャートである。
【0406】
変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様であ
る前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態
様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パ
ターンを設定する。
【0407】
遊技制御装置100は、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(A430
1)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得し、準備し
て(A4302)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン
乱数1をロードし、準備する(A4303)。本実施形態において、後半変動グループテ
ーブルの構造は、当り用とはずれ用とで構造が異なる。具体的には、当り用は1バイトサ
イズ、はずれ用は2バイトサイズとなっている。はずれの発生率よりも当りの発生率が低
く、1バイトでも足りるため、データ容量の節約の観点から、当り用は1バイトサイズに
なっている。したがって、当り時は、2バイトの変動パターン乱数1の下位の値だけを使
用している。また、当りの発生率よりもはずれの発生率は高く、より多様な演出を出現さ
せたいため、はずれ用は2バイトサイズになっている。
【0408】
そして、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定し
(A4304)、はずれである場合(A4304の結果が「Y」)、2バイト振り分け処
理(A4305)を行って、ステップA4307の処理に移行する。また、はずれでない
場合(A4304の結果が「N」)、振り分け処理(A4306)を行って、ステップA
4307の処理に移行する。
【0409】
次に、遊技制御装置100は、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブル(後
半変動パターン選択テーブル)のアドレスを取得し、準備して(A4307)、対象の変
動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードし、準備する
(A4308)。そして、振り分け処理を実行し(A4309)、振り分けられた結果得
られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(A4310)。この処理
により、後半変動パターンが設定されることとなる。
【0410】
次に、遊技制御装置100は、前半変動グループテーブルを設定し(A4311)、変
動振分情報1と後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(A4312)。そ
して、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブル(前半変動パターン選択テーブ
ル)のアドレスを取得し、準備して(A4313)、対象の変動パターン乱数3格納領域
(保留数1用)から変動パターン乱数3をロードし、準備する(A4314)。その後、
振り分け処理(A4315)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得し
、前半変動番号領域にセーブして(A4316)、変動パターン設定処理を終了する。こ
の処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定
されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、ゲームの実行態様である変動パタ
ーンを複数のうちから設定する変動パターン設定手段をなす。
【0411】
〔2バイト振り分け処理〕
次に、変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(A4305)の詳細につ
いて説明する。図25は、2バイト振り分け処理の手順を示すフローチャートである。2
バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特
図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための処理である。
【0412】
遊技制御装置100は、まず、選択テーブル(A4302にて準備した後半変動グルー
プテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェ
ックする(A4401)。ここで、後半変動グループテーブルは、少なくとも一の後半変
動選択テーブルと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、後半変動パターンが「
リーチなし」となる後半変動選択テーブルのみを規定する後半変動グループテーブル(例
えば、結果がはずれの場合の一部の変動グループテーブル)にあっては、振り分けの必要
がないため、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されてい
る。
【0413】
そして、遊技制御装置100は、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭の
データが振り分けなしのコードである場合(A4402の結果が「Y」)は、振り分けた
結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4407)、2バイト振り分け処理を終
了する。一方、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けな
しのコードでない場合(A4402の結果が「N」)は、選択テーブル(後半変動グルー
プテーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A4403)。
【0414】
続けて、ステップA4303にて準備した乱数値(変動パターン乱数1の値)からステ
ップA4403にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A4404)
、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4405)。そして
、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4405の結果が「N」)は、次の振
り分け値のアドレスに更新した後(A4406)、ステップA4403の処理に移行して
、それ以降の処理を行う。すなわち、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に次に
規定されている振り分け値を取得し(A4403)、その後、前回のステップA4405
にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(A44
04)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A4405)。
【0415】
上記の処理をステップA4405にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(A4
405の結果が「Y」)するまで実行する。これにより、選択テーブル(後半変動グルー
プテーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルの中から何れか一の
後半変動選択テーブルが選択される。そして、ステップA4405にて、新たな乱数値が
「0」よりも小さいと判定すると(A4405の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応
するデータのアドレスに更新して(A4407)、2バイト振り分け処理を終了する。
【0416】
〔振り分け処理〕
次に、変動パターン設定処理における振り分け処理(A4306、A4309、A43
15)の詳細について説明する。図26は、振り分け処理の手順を示すフローチャートで
ある。振り分け処理は、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブル(後半変
動パターングループ)から特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択したり、変動パ
ターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブル(前半変動パターングループ)から特図
変動表示ゲームの前半変動パターンを選択したりするための処理である。
【0417】
遊技制御装置100は、まず、対象の選択テーブル(A4302にて準備した後半変動
グループテーブル、ステップA4307にて準備した後半変動選択テーブル、又はステッ
プA4313にて準備した前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコー
ド(すなわち「0」)であるかをチェックする(A4501)。ここで、後半変動グルー
プテーブル、後半変動選択テーブル、及び前半変動選択テーブルは、少なくとも一の後半
変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番
号)と対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振り分けの必要がない選択テーブ
ルの場合、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている
【0418】
そして、遊技制御装置100は、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後
半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードで
ある場合(A4502の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに
更新して(A4507)、振り分け処理を終了する。一方、対象の選択テーブル(後半変
動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが
振り分けなしのコードでない場合(A4502の結果が「N」)、対象の選択テーブル(
後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に最初に規
定されている一の振り分け値を取得する(A4503)。
【0419】
続けて、遊技制御装置100は、ステップA4303やA4308やA4314にて準
備した乱数値(変動パターン乱数1や変動パターン乱数2や変動パターン乱数3の値)か
らステップA4503にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A45
04)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4505)。
そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4505の結果が「N」)は、
次の振り分け値のアドレスに更新した後(A4506)、ステップA4503の処理に移
行して、それ以降の処理を行う。
【0420】
すなわち、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや
前半変動選択テーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(A4503)、その
後、前回のステップA4505にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新
たな乱数値を算出して(A4504)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否
かを判定する(A4505)。上記の処理をステップA4505にて新たな乱数値が「0
」よりも小さいと判定(A4505の結果が「Y」)するまで実行する。これにより、対
象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テ
ーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後
半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)の中から何れか一の後半変動選択テー
ブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)が選択さ
れる。
【0421】
そして、遊技制御装置100は、ステップA4505にて、新たな乱数値が「0」より
も小さいと判定すると(A4505の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータ
のアドレスに更新して(A4507)、振り分け処理を終了する。
【0422】
〔変動開始情報設定処理〕
次に、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(A
3407、A3507)の詳細について説明する。図27は、変動開始情報設定処理の手
順を示すフローチャートである。
【0423】
遊技制御装置100は、まず、対象の変動パターン乱数1~3の乱数格納領域をクリア
する(A4601)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(A4602)、前半変動
番号に対応する前半変動時間値を取得する(A4603)。さらに、後半変動時間値テー
ブルを設定し(A4604)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(A4
605)。
【0424】
そして、遊技制御装置100は、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(A460
6)、合計の変動時間(全変動時間)である加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブ
する(A4607)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備
し(A4608)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を演出コマン
ドとして準備して(A4609)、演出コマンド設定処理を行う(A4610)。次に、
変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を-1更新して(A4611)、変動図柄判別
フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定する(A4612)。次いで、乱数格納
領域をシフトし(A4613)、シフト後の空き領域をクリアして(A4614)、変動
開始情報設定処理を終了する。
【0425】
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、
遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値
の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づ
いて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パ
ターン決定手段をなす。
【0426】
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に
送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基
づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設
定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数
)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コ
マンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間
の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装
置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信すること
で、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
【0427】
〔特図変動中処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図変動中処理(A2609)の詳細について説明する
図28は、特図変動中処理の手順を示すフローチャートである。なお、特図変動中処理
は、変動時間(A4607の加算値)が設定された特図ゲーム処理タイマが0になったと
きに実行されるため(A2604、A2609)、特図変動表示ゲームの変動表示が停止
するとき(又は停止する際:停止する時又は停止する直前を含む)に実行されることにな
る。
【0428】
遊技制御装置100は、まず、変動中の図柄に対応する図柄停止コマンド(特図1図柄
停止コマンド又は特図2図柄停止コマンド)を演出コマンドとして準備し(A4701)
、演出コマンド設定処理を実行する(A4702)。変動中の図柄は、変動図柄判別フラ
グ(特図1変動フラグ又は特図2変動フラグ)から判別できる。図柄停止コマンドを受信
した演出制御装置300は、対応する飾り特図変動表示ゲーム(飾り特図1変動表示ゲー
ム又は飾り特図2変動表示ゲーム)を停止する。
【0429】
次に、遊技制御装置100は、停止図柄パターンに対応する表示時間(停止表示時間)
を設定して(A4703)、設定した表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする
(A4704)。本実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターン、大当り図
柄パターン、小当り図柄パターン、サポ当り図柄パターンである場合に、表示時間として
共通に600msecを設定するが、異ならせてもよい。
【0430】
続いて、遊技制御装置100は、普電サポート中(時短状態中)であるか否か判定する
(A4705)。普電サポート中でない場合(A4705の結果が「N」)、ステップA
4712の処理に移行する。普電サポート中である場合(A4705の結果が「Y」)、
図1変動表示ゲームの変動であるか否か判定する(A4706)。特図1変動表示ゲー
ムの変動である場合(A4706の結果が「Y」)、ステップA4709の処理に移行す
る。
【0431】
遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの変動である場合(A4706の結果が
「N」)、時間短縮変動回数2を-1更新(1だけ減少)して(A4707)、時間短縮
変動回数2が0であるか否か判定する(A4708)。時間短縮変動回数2が0である場
合(A4708の結果が「Y」)、時短の終了を設定する時短終了設定処理を実行する(
A4711)。
【0432】
遊技制御装置100は、時間短縮変動回数2が0でない場合(A4708の結果が「N
」)、時間短縮変動回数1を-1更新(1だけ減少)して(A4709)、時間短縮変動
回数1が0であるか否か判定する(A4710)。時間短縮変動回数1が0でない場合(
A4710の結果が「N」)、ステップA4712の処理に移行する。一方、時間短縮変
動回数1が0である場合(A4710の結果が「Y」)、時短の終了を設定する時短終了
設定処理を実行する(A4711)。その後、後述の演出モード情報チェック処理を実行
する(A4712)。
【0433】
次いで、遊技制御装置100は、特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し(A4
713)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A4714)。
【0434】
次に、遊技制御装置100は、特図1の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領
域にセーブし(A4715)、さらに、特図2の変動終了に関する信号を試験信号出力デ
ータ領域にセーブする(A4716)。
【0435】
続いて、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信
号を外部情報端子に出力する際に使用する図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ
初期値(例えば256msec)をセーブする(A4717)。
【0436】
その後、遊技制御装置100は、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制
御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フ
ラグ領域にセーブする(A4718)。さらに、特図2表示器52における特図2変動表
示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図
2変動制御フラグ領域にセーブし(A4719)、特図変動中処理移行設定処理を終了す
る。
【0437】
以上のように、普電サポート状態中(時短状態中)に実行された特図変動表示ゲーム(
図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲーム)の実行回数が時間短縮変動回数1の初期
値の回数に達した場合に(A4710の結果が「Y」)、又は、特図2変動表示ゲームが
時間短縮変動回数2の初期値の回数に達した場合に(A4708の結果が「Y」)、時短
状態が終了する。なお、時短状態の終了する時短終了条件として、普電サポート状態中(
時短状態中)での小当りの回数を含めてもよい。例えば、特図2変動表示ゲームの小当り
の回数が50回で時短状態が終了する。
【0438】
例えば、大当り状態終了直後に時短状態となる場合(通常大当りによる時短の場合)や
特図変動表示ゲームの結果がサポ当り結果(時短結果)の場合(突然時短の場合)に、時
間短縮変動回数1の初期値と時間短縮変動回数2の初期値は、各々、34回と30回(又
は104回と100回)である。時間短縮変動回数1及び/又は時間短縮変動回数2の初
期値は、通常大当りによる時短状態と、突然時短による時短状態とで同じでも、異なって
もよい。また、大当り状態終了後に、確変状態以外で実行される特図変動表示ゲームの回
数が天井回数に到達した場合に発生する時短状態(天井時短、いわゆる遊タイム)に関し
て、時間短縮変動回数1の初期値と時間短縮変動回数2の初期値は、各々、例えば704
回と700回である。
【0439】
ここで、時間短縮変動回数1の初期値(時短状態での特図1変動表示ゲームと特図2
動表示ゲームの合計実行回数の最大値に対応する)が、時間短縮変動回数2の初期値(時
短状態での特図2変動表示ゲームの実行回数の最大値に対応する)よりも4だけ多い理由
を説明する。時短中の仕様は、特図2変動表示ゲームの抽選(確変大当りと通常大当りの
割合、大当りラウンド数、大当りによる時短回数等)に基づいて設計されている。基本的
に、特図1変動表示ゲームの抽選は、特図2変動表示ゲームの抽選に比べて遊技者に不利
なものとなっている場合が多い。大当り終了時点で特図1保留(第1始動記憶)が残って
いる場合(特に通常遊技状態で大当りしたとき)は、その後の時短状態において特図1
動表示ゲームの実行によって時短回数が消費されてしまい、不可抗力による不利な抽選が
最高4回行われて、遊技者の不利益となる可能性がある。設計に基づくゲーム進行となる
ように、互いに異なる時間短縮変動回数1の初期値と時間短縮変動回数2の初期値によっ
て、時短回数を2段構えにして、遊技者の不利益を解消するようにした。
【0440】
従って、本実施形態では、時短状態の継続回数である時短回数(=時間短縮変動回数の
初期値)は、天井時短で、通常大当りによる時短や突然時短よりも大きく、遊技者に天井
回数に到達した満足感を与えられる。このように、天井時短で付与される遊技価値(時短
回数)は、通常大当りによる時短や突然時短よりも大きくしてよい。なお、時短回数を、
天井時短で、通常大当りによる時短や突然時短よりも小さくしてもよい(同じにしてもよ
い)。また、興趣向上のために、天井時短、突然時短、通常大当りによる時短のそれぞれ
で、時短回数を抽選(サポ当り図柄乱数や大当り図柄乱数などによる抽選も含む)で決定
してもよく、サポ当り停止図柄や大当り停止図柄に応じて時短回数(=時間短縮変動回数
の初期値)が決定されてもよい。
【0441】
なお、普電サポート状態中は、確変状態中も含むが、確変状態が開始しても時間短縮変
動回数1の初期値と時間短縮変動回数2の初期値は共に0であるため、ここでの時短状態
の開始と終了には確変状態とは関係ない。
【0442】
また、前述の通り、特図変動中処理は、変動時間(A4607の加算値)が設定された
特図ゲーム処理タイマが0になったときに実行されるため(A2604、A2609)、
特図変動表示ゲームの変動表示が停止するとき(変動表示の停止と同時又は直前)に実行
されることになる。従って、特図変動表示ゲームの変動表示が停止するときに、ステップ
A4707とA4709の回数更新(-1更新)によって、普電サポート状態(特定遊技
状態)における特図変動表示ゲームの実行回数が計数(カウント)される。
【0443】
〔時短終了設定処理〕
次に、特図変動中処理における時短終了設定処理(A4711)の詳細について説明す
る。図29は、時短終了設定処理の手順を示すフローチャートである。
【0444】
遊技制御装置100は、まず、時短終了に関する信号をRWMの外部情報出力データ領
域にセーブする(A4901)。ここで、時短終了に関する信号は、大当り2信号のオフ
データである。これにより、時短終了に関する信号が外部情報として外部情報端子71を
介して外部装置(ホールコンピュータなど)に出力される。
【0445】
なお、通常遊技状態において、普通変動入賞装置37の開放時間が非常に短いか又は普
図変動表示ゲームの当り確率が非常に低いため、普通変動入賞装置37への入賞はなく第
2始動記憶は発生しない。このため、時短終了の時点で第2始動記憶(特図2始動記憶、
図2保留)が残保留として残っている場合に、大当り2信号のオンデータの出力を継続
し(このようにしても不都合が生じない)、最後の残保留に係る特図変動表示ゲームの変
動表示が停止するときに、大当り2信号のオフデータ(時短終了に関する信号)を外部装
置に出力してもよい。
【0446】
次に、遊技制御装置100は、時短終了に関する信号をRWMの試験信号出力データ領
域にセーブする(A4902)。これにより、時短終了に関する信号が、試験信号として
試射試験装置に出力される。ここでの時短終了に関する信号は、例えば、特別図柄1変動
時間短縮状態信号のオフデータ、特別図柄2変動時間短縮状態信号のオフデータ、普通図
柄1変動時間短縮状態信号のオフデータ、普通電動役物1開放延長状態信号のオフデータ
、普通図柄1高確率状態信号のオフデータである。そして、RWMの遊技状態表示番号領
域に時短なしの番号をセーブし(A4903)、RWMの普図ゲームモードフラグ領域に
普図低確率&時短なしフラグをセーブし(A4904)、RWMの特図ゲームモードフラ
グ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(A4905)。
【0447】
続いて、遊技制御装置100は、時間短縮変動回数1が格納されるRWMの時間短縮変
動回数1領域をクリアし(A4906)、時間短縮変動回数2が格納されるRWMの時間
短縮変動回数2領域をクリアする(A4907)。そして、左打ち指示に関する信号をR
WMの試験信号出力データ領域にセーブし(A4908)、RWMの遊技状態表示番号2
領域に左打ち状態中の番号をセーブする(A4909)。
【0448】
その後、RWMの通常ベース状態判定領域に通常ベース状態情報をセーブする(A49
10)。ここで、通常ベース状態情報は、ベース値(通常遊技状態における出玉率)を算
出する期間である通常遊技状態を示す値である。その後、時短終了設定処理を終了する。
【0449】
このように、時短終了設定処理が実行されることで、時短状態(特図低確率且つ普電サ
ポートありの状態)から適切に通常遊技状態(特図低確率且つ普電サポートなしの状態)
へ移行させることができる。
【0450】
〔演出モード情報チェック処理〕
次に、特図変動中処理における演出モード情報チェック処理(A4712)の詳細につ
いて説明する。図30は、演出モード情報チェック処理の手順を示すフローチャートであ
る。
【0451】
遊技制御装置100は、まず、次モード移行情報が更新なしコードであるか否かを判定
する(A5001)。次モード移行情報が更新なしコードである場合(A5001の結果
が「Y」)は、演出モード情報チェック処理を終了する。この場合は、実行した特図変動
表示ゲームの回数に応じた演出モードの変更が行われない場合であって、例えば次回の大
当りまで継続する演出モードが選択されている場合である。
【0452】
また、遊技制御装置100は、次モード移行情報が更新なしコードでない場合(A50
01の結果が「N」)は、演出モードの変更までの特図変動表示ゲームの実行可能回数で
ある演出残り回転数を-1更新し(A5002)、演出残り回転数が0となったか否かを
判定する(A5003)。
【0453】
演出残り回転数が0となっていない場合(A5003の結果が「N」)には、演出モー
ド情報チェック処理を終了する。また、演出残り回転数が0となった場合(A5003の
結果が「Y」)、すなわち次の特図変動表示ゲームから演出モードを移行する場合は、演
出モード情報アドレステーブルを設定し(A5004)、次モード移行情報に対応するテ
ーブルのアドレスを取得する(A5005)。
【0454】
そして、遊技制御装置100は、移行する演出モードの演出モード番号をテーブルから
取得し、RWM内の演出モード番号領域にセーブして(A5006)、移行する演出モー
ドの演出残り回転数(初期値)をテーブルから取得し、RWM内の演出残り回転数領域に
セーブして(A5007)、移行する演出モードの次モード移行情報をテーブルから取得
し、RWM内の次モード移行情報領域にセーブする(A5008)。
【0455】
その後、遊技制御装置100は、新たに設定された演出モード番号に対応する確率情報
コマンド(確率状態の情報と時短の有無の情報と演出モードの情報を含む)を演出コマン
ドとして準備し(A5009)、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領
域の値と一致するか否かを判定する(A5010)。準備した確率情報コマンドが停電復
旧時送信コマンド領域の値と一致する場合(A5010の結果が「Y」)、すなわち確率
情報コマンドが変化していない場合には、演出モード情報チェック処理を終了する。
【0456】
また、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致しない場合
(A5010の結果が「N」)には、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマン
ド領域にセーブして(A5011)、確率情報コマンドを演出コマンドとして設定する演
出コマンド設定処理を実行する(A5012)。
【0457】
次いで、遊技制御装置100は、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを演出
コマンドとして準備して(A5013)、演出コマンド設定処理を実行する(A5014
)。これにより、演出制御装置300は、演出残り回転数を取得できる。次に、時間短縮
変動回数2に対応する時間短縮変動回数コマンドを演出コマンドとして準備して(A50
15)、演出コマンド設定処理(A5016)を実行する。これにより、演出制御装置3
00は、時間短縮変動回数2を取得できる。なお、遊技制御装置100は、同様に、時間
短縮変動回数1も演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を実行してよい。
【0458】
次いで、遊技制御装置100は、ステップA5006で新たな演出モード番号が取得さ
れた場合に、新たな演出モードは左打ちするモードであるか否かを判定し(A5017)
、左打ちするモードでない場合(A5017の結果が「N」)には、演出モード情報チェ
ック処理を終了する。また、左打ちするモードである場合(A5017の結果が「Y」)
には、左打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備し(A5018)、演出コマン
ド設定処理を実行して(A5019)、演出モード情報チェック処理を終了する。
【0459】
〔特図表示中処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図表示中処理(A2610)の詳細について説明する
図31A図31Bは、特図表示中処理の手順を示すフローチャートである。図31A
は、特図表示中処理の前半部分を示し、図31Bは、特図表示中処理の後半部分を示す。
【0460】
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ1設定処理にて設定されたサポ当りフラグ
1(サポ当りフラグ1領域の情報)と、大当りフラグ2設定処理にて設定されたサポ当り
フラグ2(サポ当りフラグ2領域の情報)をロードする(A5101)。その後、RWM
のサポ当りフラグ1領域とサポ当りフラグ2領域をクリアする(A5102)。
【0461】
続いて、遊技制御装置100は、大当りフラグ1設定処理にて設定された小当りフラグ
1(小当りフラグ1領域の情報)と、大当りフラグ2設定処理にて設定された小当りフラ
グ2(小当りフラグ2領域の情報)をロードする(A5103)。その後、RWMの小当
りフラグ1領域と小当りフラグ2領域をクリアする(A5104)。
【0462】
続いて、遊技制御装置100は、大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ
1(大当りフラグ1領域の情報)と、大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラ
グ2(大当りフラグ2領域の情報)をロードする(A5105)。その後、RWMの大当
りフラグ1領域と大当りフラグ2領域をクリアする(A5106)。
【0463】
そして、遊技制御装置100は、ロードされた大当りフラグ2が大当りか否かを判定し
て(A5107)、大当りである場合(A5107の結果が「Y」)、第2特図変動表示
ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号
をオン、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をオン)をRWMの試
験信号出力データ領域にセーブして(A5110)、ラウンド数上限値テーブルを設定す
る(A5111)。
【0464】
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない場合(
A5107の結果が「N」)、ロードされた大当りフラグ1が大当りか否かを判定して(
A5108)、大当りである場合(A5108の結果が「Y」)、第1特図変動表示ゲー
ムの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をオ
ン、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄1当り信号をオン)をRWMの試験信
号出力データ領域にセーブし(A5109)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理
を実行する(A5111)。
【0465】
その後、遊技制御装置100は、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(
例えば、4、10)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(A5112
)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWM
のラウンドLEDポインタ領域にセーブする(A5113)。
【0466】
次に、遊技制御装置100は、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWM
の飾り特図コマンド領域からロードし、演出コマンドとして準備して(A5114)、演
出コマンド設定処理を実行する(A5115)。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変
動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確
率情報コマンドを演出コマンドとして準備して(A5116)、演出コマンド設定処理を
実行する(A5117)。続けて、ラウンド数上限値に対応するファンファーレコマンド
を演出コマンドとして準備して(A5118)、演出コマンド設定処理を実行する(A5
119)。
【0467】
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報と、普図変動
表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRW
Mの外部情報出力データ領域にセーブする(A5120)。本実施形態において、大入賞
口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブす
る。なお、大当り2信号と大当り3信号のオン/オフの状態は大入賞口開放情報と確率の
状態とで決まる。
【0468】
例えば、大当り2信号は、大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1以外である場合には
オン、大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1である場合には、時短状態中での大当り時
であればオン、それ以外ではオフとなる。例えば、大入賞口開放情報1は、所謂、突確大
当りなど、出玉のない大当りを示してよい。また、大当り3信号は、大入賞口開放情報が
大入賞口開放情報1以外である場合にはオン、大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1で
ある場合にはオフとなる。なお、本実施形態において、簡単のため、ステップA5120
において、大当り2信号と大当り3信号はオン状態でセーブされるものとする。
【0469】
その後、遊技制御装置100は、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変
動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する大当りファンファーレ時間(例え
ば5000msec、4700msec、7700msec又は300msec)を設定
して(A5121)、設定した大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域に
セーブする(A5122)。そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフ
ラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(A5123)。これにより特別結
果が発生した際における特図の確率状態、時短状態(普電サポート状態)の情報が記憶さ
れる。そして、後に、記憶した情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定さ
れてよい。
【0470】
そして、遊技制御装置100は、大入賞口開放情報に対応する大入賞口(特別変動入賞
装置39)の大入賞口不正入賞数領域をクリアし(A5124)、大入賞口開放情報に対
応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする
(A5125)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を実行し
(A5126)、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、第1特
図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの何れかで結果が特別結果となることに基づ
き、特別変動入賞装置39を開状態に変換する特別遊技状態を発生する特別遊技状態発生
手段をなす。
【0471】
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ1と大当りフラグ2の両方が大当りでない
場合(A5107とA5108の結果が「N」)、現在、特図高確率中(確変状態中)で
あるか否かを判定する(A5127)。特図高確率中でない場合に(A5127の結果が
「N」)、特図変動表示ゲームの実行された回数が天井回数(時短天井)に到達したこと
を示す天井到達済みフラグがあるか否か判定する(A5128)。
【0472】
遊技制御装置100は、天井到達済みフラグがない場合に(A5128の結果が「N」
)、RWMの天井カウンタ領域の天井カウンタ値を+1更新(1だけ増加)する(A51
29)。そして、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを
含む)の実行された回数が天井回数に到達したか否かを判定する(A5130)。例えば
、天井回数は、500回である。天井回数に到達した場合(A5130の結果が「Y」)
、天井時短が発生することを示す天井時短発動フラグと、天井回数に到達したことを示す
天井到達済みフラグをセット(オン)する(A5131)。なお、天井時短発動フラグと
天井到達済みフラグをまとめて一つのフラグとする構成も可能である。
【0473】
なお、天井時短発動フラグと天井到達済みフラグは、大当りが発生するとクリアされる
が、大当りが発生しない限りクリアされない。従って、一旦天井回数に到達した後、大当
りしないまま時短回数が終了してしまうと、天井時短発動フラグと天井到達済みフラグが
セット(オン)されたままであるため、以降、天井時短は発生しないことになるし、天井
カウンタ値も更新されない。
【0474】
一方、遊技制御装置100は、特図高確率中(確変状態中)である場合(A5127の
結果が「Y」)、天井到達済みフラグがある場合(A5128の結果が「Y」)、天井回
数に到達していない場合(A5130の結果が「N」)、小当りフラグ2が小当りか否か
を判定する(A5125)。
【0475】
なお、特図高確率中である場合(A5127の結果が「Y」)には、天井カウンタ領域
の天井カウンタ値を+1更新することがないため、天井カウンタ値は、特図低確率中(通
常遊技状態中、時短状態中)に実行された特図変動表示ゲームの回数を示し、特図高確率
中(確変状態中)に実行された特図変動表示ゲームの回数を含まないことになる。
【0476】
遊技制御装置100は、小当りフラグ2が小当りである場合(A5132の結果が「Y
」)、特図2小当りの開始に関する信号(例えば特別図柄2小当り信号のオン信号)を試
験信号出力データ領域にセーブし(A5135)、ステップA5136の処理に移行する
【0477】
遊技制御装置100は、小当りフラグ2が小当りでない場合(A5132の結果が「N
」)、小当りフラグ1が小当りであるか否かを判定する(A5133)。小当りフラグ1
が小当りでない場合(A5133の結果が「N」)、ステップA5142の処理に移行す
る。小当りフラグ1が小当りである場合(A5133の結果が「Y」)、特図1小当りの
開始に関する信号(例えば特別図柄1小当り信号のオン信号)を試験信号出力データ領域
にセーブし(A5134)、現在、特図高確率中であるか否かを判定する(A5136)
【0478】
遊技制御装置100は、特図高確率中でない場合(A5136の結果が「N」)、飾り
特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロードし、演出コマンドとして準備して(A5
137)、演出コマンド設定処理を実行する(A5138)。次いで、小当りファンファ
ーレコマンドを演出コマンドとして準備し(A5139)、演出コマンド設定処理を実行
し(A5140)、小当りファンファーレ中処理移行設定処理(A5141)を実行し、
特図表示中処理を終了する。
【0479】
また、遊技制御装置100は、特図高確率中である場合(A5136の結果が「Y」)
、演出コマンドを準備せずに、直ちに小当りファンファーレ中処理移行設定処理(A51
41)を実行し、特図表示中処理を終了する。このように、本実施形態の遊技機10にお
いては、特図高確率中(確変状態中)である場合には、小当りの発生で大入賞口は開くが
、小当りの発生を遊技者に意識させないようにするために、表示装置41に表示される画
面を変化させないようになっている。
【0480】
一方、遊技制御装置100は、小当りフラグ1と小当りフラグ2の両方が小当りでない
場合(A5132とA5133の結果が「N」)、天井時短が発生することを示す天井時
短発動フラグがあるか否かを判定する(A5142)。天井時短発動フラグがある場合(
A5142の結果が「Y」)、天井時短回数(天井時短による時短回数)となる初期値を
時間短縮変動回数1領域と時間短縮変動回数2領域にセーブする(A5143)。前述し
た、天井時短の場合の時間短縮変動回数1と時間短縮変動回数2の初期値(例えば704
回と700回)は、ここでセーブされることになる。初期値は、抽選で決定してもよい。
続いて、天井時短による時短状態を発生するためにサポ作動設定処理を実行し(A514
7)、特図普段処理移行設定処理を実行し(A5148)、特図表示中処理を終了する。
特図普段処理移行設定処理では、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム
処理番号領域にセーブする。
【0481】
遊技制御装置100は、天井時短が発生することを示す天井時短発動フラグがない場合
(A5142の結果が「N」)、サポ当りフラグ2はサポ当りであるか否かを判定する(
A5144)。そして、サポ当りフラグ2はサポ当りでない場合(A5144の結果が「
N」)、サポ当りフラグ1はサポ当りであるか否かを判定する(A5145)。
【0482】
遊技制御装置100は、サポ当りフラグ1とサポ当りフラグ2のいずれかがサポ当りで
ある場合(A5144又はA5145の結果が「Y」)、時間短縮判定データに対応する
初期値を時間短縮変動回数1領域と時間短縮変動回数2領域にセーブする(A5146)
。前述した、サポ当り結果(突然時短)の場合の時間短縮変動回数1と時間短縮変動回数
2の初期値(例えば34回と30回、或いは、104回と100回)は、ここでセーブさ
れることになる。続いて、時短図柄による時短状態(突然時短)を発生するためにサポ作
動設定処理を実行し(A5147)、特図普段処理移行設定処理を実行し(A5148)
、特図表示中処理を終了する。
【0483】
なお、時間短縮判定データは、特図1停止図柄設定処理(A3403)や特図2停止図
柄設定処理(A3503)において、停止図柄番号に対応して設定されるため、サポ当り
結果の場合の初期値(即ち時短回数)は、サポ当り図柄乱数による抽選で決定されること
になる。
【0484】
遊技制御装置100は、サポ当りフラグ1とサポ当りフラグ2の両方がサポ当りでない
場合(A5144とA5145の結果が「N」)、時短を設定するサポ作動設定処理を実
行せずに、特図普段処理移行設定処理を実行し(A5148)、特図表示中処理を終了す
る。
【0485】
以上のように、特図表示中処理において、天井時短と突然時短に関して、時短回数(即
ち、時間短縮変動回数の初期値)の設定など、時短の設定が実行される。なお、大当りに
よる時短、即ち、大当り状態の終了から開始する時短に関しては、大当り終了処理におい
て、時短回数の設定など、時短の設定が実行される。
【0486】
なお、特図表示中処理は、停止表示時間(A4704)が設定された特図ゲーム処理タ
イマが0になったときに実行されるため(A2604、A2610)、特図変動表示ゲー
ムの停止結果の表示が終了するとき(又は終了する際:終了する時や終了する直前を含む
)に実行されることになる。従って、特図変動表示ゲームの停止結果の表示が終了すると
き(次の特図変動表示ゲームが開始するなら開始するときに略等しい)に、時間短縮変動
回数(A5143、A5146)が設定され、天井時短と突然時短による時短状態が開始
する。
【0487】
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
次に、特図表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(
A5126)の詳細について説明する。図32は、ファンファーレ/インターバル中処理
移行設定処理1の手順を示すフローチャートである。
【0488】
遊技制御装置100は、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号で
ある「3」を設定し(A5501)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(
A5502)。
【0489】
次に、遊技制御装置100は、大当り(特別遊技状態)の開始に関する信号(例えば、
大当り1信号をオン(大当り、小当りで出力)、大当り4信号をオン(大当りで出力))
を外部情報出力データ領域にセーブする(A5503)。続いて、高確率状態と時短状態
の終了に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をオフ、特別図柄2高確率状態
信号をオフ、特別図柄1変動時間短縮状態信号をオフ、特別図柄2変動時間短縮状態信号
をオフ、普通図柄1高確率状態信号をオフ、普通図柄1変動時間短縮状態信号をオフ、普
通電動役物1開放延長状態信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A55
04)。なお、特図高確率中でも、普図は確率状態しか変化しない場合、普通図柄1変動
時間短縮状態信号及び普通電動役物1開放延長状態信号は常時オフされている。その後、
特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(A55
05)、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブして(A5506)、普図ゲー
ムモードフラグ領域に普図低確率&時短なしフラグをセーブする(A5507)。
【0490】
そして、遊技制御装置100は、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(A5508)、
高確率状態の表示に係る遊技盤30に設けた遊技状態表示LED(第3遊技状態表示部)
59を消灯させるために高確率報知フラグ領域をクリアして(A5509)、特図ゲーム
モードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(A5510)。次に、停
電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマン
ド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブする(A5511)。
【0491】
次に、遊技制御装置100は、時間短縮変動回数1が格納される時間短縮変動回数1領
域をクリアし(A5512)、時間短縮変動回数2が格納される時間短縮変動回数2領域
をクリアし(A5513)、天井カウンタ値が格納される天井カウンタ領域をクリアする
(A5514)。そして、天井時短発動フラグが格納される天井時短発動フラグ領域をク
リアし(A5515)、天井到達済みフラグが格納される天井到達済みフラグ領域をクリ
アする(A5516)。
【0492】
その後、遊技制御装置100は、演出モード番号領域に演出モード1の番号をセーブし
(A5517)、演出残り回転数領域をクリアして(A5518)、次モード移行情報領
域に更新なしコードをセーブする(A5519)。そして、右打ち指示に関する信号(例
えば、発射位置指定信号1をオン)を試験信号出力データ領域にセーブし(A5520)
、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を点灯させるため、遊技状
態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(A5521)、ファンファーレ/
インターバル中処理移行設定処理1を終了する。
【0493】
〔小当りファンファーレ中処理移行設定処理〕
次に、特図表示中処理における小当りファンファーレ中処理移行設定処理(A5141
)の詳細について説明する。図33は、小当りファンファーレ中処理移行設定処理の手順
を示すフローチャートである。
【0494】
遊技制御装置100は、まず、処理番号として小当りファンファーレ中処理にかかる「
7」を設定して(A5601)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(
A5602)。
【0495】
次に、遊技制御装置100は、小当りファンファーレ時間(例えば0.3秒)を特図ゲ
ーム処理タイマ領域にセーブし(A5603)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば
、大当り1信号をオン(大当り、小当りで出力))を外部情報出力データ領域にセーブす
る(A5604)。
【0496】
次いで、遊技制御装置100は、大入賞口不正入賞数領域をクリアして(A5605)
、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(A5606)
。次いで、右打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1をオン)を試験信号出力データ
領域にセーブし(A5607)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部5
7)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(A
5608)、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1を終了する。
【0497】
〔サポ作動設定処理〕
次に、特図表示中処理におけるサポ作動設定処理(A5147)の詳細について説明す
る。図34は、サポ作動設定処理の手順を示すフローチャートである。
【0498】
遊技制御装置100は、まず、時短開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセー
ブする(A5701)。これにより、天井回数到達による天井時短と時短図柄(サポ当り
)による突然時短の開始時に、時短開始に関する信号が外部情報として外部情報端子71
ひいては外部装置(ホールコンピュータなど)に出力される。ここで、時短開始に関する
信号は、大当り2信号のオンデータである。そして、時短信号制御タイマ領域にタイマ初
期値(例えば128msec)をセーブする(A5702)。このタイマ初期値は、後述
の外部情報編集処理によって大当り3信号を出力する時間となる。
【0499】
次に、遊技制御装置100は、時短開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセー
ブする(A5703)。これにより、天井時短と突然時短の開始時に、時短開始に関する
信号が試験信号として試射試験装置に出力される。ここでの時短開始に関する信号は、例
えば、特別図柄1変動時間短縮状態信号のオンデータ、特別図柄2変動時間短縮状態信号
のオンデータ、普通図柄1高確率状態信号のオンデータ、普通図柄1変動時間短縮状態信
号のオンデータ、普通電動役物1開放延長状態信号のオンデータである。そして、遊技状
態表示番号領域に時短ありの番号をセーブし(A5704)、普図ゲームモードフラグ領
域に普図高確率&時短ありフラグをセーブし(A5705)。特図ゲームモードフラグ領
域に特図時短ありフラグを合成する(A5706)。続いて、右打ち指示に関する信号を
試験信号出力データ領域にセーブし(A5707)、遊技状態表示番号2領域に右打ち状
態中の番号をセーブする(A5708)。
【0500】
その後、遊技制御装置100は、天井時短又は突然時短に応じた演出モード情報アドレ
ステーブルを設定し(A5709)、特図1停止図柄設定処理(A3403)又は特図2
停止図柄設定処理(A3503)で設定した演出モード移行情報に対応するテーブルのア
ドレスを取得し(A5710)、演出モードの演出モード番号(演出モードの番号)をテ
ーブルから取得してセーブする(A5711)。これにより、天井時短と突然時短の開始
時に移行する演出モードが選択できる。
【0501】
次に、遊技制御装置100は、演出モードの演出残り回転数(初期値)をテーブルから
取得してセーブする(A5712)。例えば、演出残り回転数(初期値)は、時短回数(
時間短縮変動回数1又は時間短縮変動回数2の初期値)である。これにより、例えば、時
短が終了するまで同一の演出モードが継続できる。
【0502】
続いて、遊技制御装置100は、天井時短中又は突然時短中の演出モードの次のモード
への移行の情報である次モード移行情報をテーブルから取得してセーブする(A5713
)。そして、特図ゲームモードフラグと今回新たに設定された演出モード番号に対応する
確率情報コマンドを演出コマンドとして準備し(A5714)、準備した確率情報コマン
ドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブし(A5715)、確率情報コマンドを演出コ
マンドとして設定する演出コマンド設定処理を実行する(A5716)。ここで、確率情
報コマンドには、確率状態、時短(普電サポート)の有無、演出モードの情報が含まれる
【0503】
次に、遊技制御装置100は、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを演出コ
マンドとして準備し(A5717)、演出コマンド設定処理を実行する(A5718)。
そして、時間短縮変動回数1と時間短縮変動回数2(ここでは初期値である時短回数)の
それぞれに対応する時間短縮変動回数コマンドを演出コマンドとして準備し(A5719
)、演出コマンド設定処理を実行する(A5720)。
【0504】
その後、遊技制御装置100は、時間短縮判定データ領域をクリアし(A5721)、
演出モード移行情報領域をクリアし(A5722)、大当り終了処理を終了する。
【0505】
〔外部情報編集処理〕
次に、第2タイマ割込み処理における外部情報編集処理(A1217)の詳細について
説明する。図35A図35Bは、外部情報編集処理の手順を示すフローチャートである
図35Aは外部情報編集処理の前半部分を示し、図35Bは外部情報編集処理の後半部
分を示す。外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(A1205)、入賞口スイッ
チ/状態監視処理(A1208)、磁石不正監視処理(A1213)、盤電波不正監視処
理(A1214)での監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部
装置や、試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う
【0506】
遊技制御装置100は、まず、ガラス枠開放エラーが発生中であるか否かを判定する(
A9501)。ガラス枠開放エラーが発生中でない場合(A9501の結果が「N」)、
本体枠開放エラー(前面枠開放エラー)が発生中であるか否かを判定する(A9502)
。本体枠開放エラーが発生中でない場合(A9502の結果が「N」)、扉・枠開放信号
のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9503)、セキュリティ信号の
オフデータを外部情報出力データ領域にセーブする(A9504)。
【0507】
遊技制御装置100は、ガラス枠開放エラーが発生中である場合(A9501の結果が
「Y」)、又は、本体枠開放エラーが発生中である場合(A9502の結果が「Y」)、
扉・枠開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9505)、遊技
機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(A9506)。
【0508】
遊技制御装置100は、ステップA9504、A9506の後、セキュリティ信号制御
タイマが0でなければ-1更新し(A9507)、セキュリティ信号制御タイマが0であ
るか否か(タイムアップしたか否か)を判定する(A9508)。セキュリティ信号制御
タイマの初期値は、初期化スイッチ(設定値変更スイッチ102)の操作等によりRAM
に記憶されたデータが初期化されたときなどに、所定時間(例えば256msec)が設
定される(メイン処理のA1044)。そして、セキュリティ信号制御タイマはRAM初
期化時から計時されることになる。
【0509】
遊技制御装置100は、セキュリティ信号制御タイマが0でない場合(A9508の結
果が「N」)、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A
9509)、ステップA9510の処理に移行する。即ち、RAMに記憶されたデータの
初期化が行われたことが外部情報として出力される。
【0510】
遊技制御装置100は、セキュリティ信号制御タイマが0である場合(A9508の結
果が「Y」)、磁石不正が発生中であるか否かを判定する(A9510)。なお、磁気セ
ンサスイッチ61からの検出信号があった場合に、磁石不正が発生中であると判定できる
。磁石不正が発生中でない場合(A9510の結果が「N」)、さらに、盤電波不正が発
生中であるか否かを判定する(A9511)。なお、電波センサ62から検出信号があっ
た場合に、盤電波不正が発生中であると判定できる。
【0511】
遊技制御装置100は、盤電波不正が発生中でない場合(A9511の結果が「N」)
、さらに、枠電波不正が発生中であるか否かを判定する(A9512)。枠電波不正信号
があった場合に、枠電波不正が発生中であると判定できる。枠電波不正が発生中でない場
合(A9512の結果が「N」)、さらに、大入賞口不正が発生中であるか否か判定する
(A9513)。なお、入賞口スイッチ/状態監視処理によって大入賞口に関しての不正
入賞発生フラグが不正フラグ領域にセーブされている場合、大入賞口不正が発生中である
と判定できる。大入賞口不正が発生中でない場合(A9513の結果が「N」)、さらに
、普電不正発生中であるか否かを判定する(A9514)。なお、入賞口スイッチ/状態
監視処理によって普通変動入賞装置37の第2始動入賞口に関しての不正入賞発生フラグ
が不正フラグ領域にセーブされている場合、普電不正が発生中であると判定できる。
【0512】
遊技制御装置100は、普電不正発生中でない場合(A9514の結果が「N」)、振
動不正が発生中であるか否か判定する(A9515)。なお、振動センサ65から検出信
号があった場合に、振動不正が発生中であると判定できる。振動不正が発生中でない場合
(A9515の結果が「N」)、異常排出エラーが発生中であるか否か判定する(A95
16)。なお、異常排出監視処理(A1216)によって異常排出発生中フラグが設定さ
れた場合に、異常排出エラーが発生中であると判定できる。
【0513】
遊技制御装置100は、異常排出エラーが発生中でない場合(A9516の結果が「N
」)、V通過エラーが発生中であるか否か判定する(A9517)。不適切なタイミング
で特定領域スイッチ72の検出信号が発生した場合に、V通過エラーが発生中であると判
定できる。V通過エラーが発生中でない場合(A9517の結果が「N」)、残存球に関
するエラーである残存球エラーが発生中であるか否か判定する(A9518)。残存球エ
ラーが発生中でない場合(A9518の結果が「N」)、スイッチ異常エラーが発生中で
あるか否かを判定する(A9519)。
【0514】
遊技制御装置100は、スイッチのコネクタ抜けなどのスイッチ異常エラーが発生中で
ない場合(A9519の結果が「N」)、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号
出力データ領域にセーブする(A9520)。スイッチ異常エラーが発生中である場合(
A9519の結果が「Y」)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ
領域にセーブする(A9522)。
【0515】
一方、遊技制御装置100は、磁石不正が発生中である場合(A9510の結果が「Y
」)、盤電波不正が発生中である場合(A9511の結果が「Y」)、枠電波不正が発生
中である場合(A9512の結果が「Y」)、大入賞口不正が発生中である場合(A95
13の結果が「Y」)、普電不正発生中である場合(A9514の結果が「Y」)、振動
不正が発生中である場合(A9515の結果が「Y」)、異常排出エラーが発生中である
場合(A9516の結果が「Y」)、V通過エラーが発生中である場合(A9517の結
果が「Y」)、残存球エラーが発生中である場合(A9518の結果が「Y」)、セキュ
リティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9521)、遊技機エ
ラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(A9522)。セキ
ュリティ信号のオンデータの設定によって、セキュリティ信号が外部情報として外部情報
端子71を介して外部装置(ホールコンピュータなど)に出力される。
【0516】
遊技制御装置100は、ステップA9520、A9522の後、始動口の入賞信号を編
集する始動口信号編集処理を実行する(A9523)。続いて、払出予定の賞球数に関す
る情報を設定するメイン賞球信号編集処理を実行し(A9524)、特図変動表示ゲーム
の停止図柄が確定する際に生成される図柄確定回数信号を外部装置に出力する図柄確定回
数信号編集処理を実行する(A9525)。
【0517】
次に、遊技制御装置100は、時短信号制御タイマが0でなければ-1更新し(A95
26)時短信号制御タイマが0であるか否かを判定する(A9527)。時短信号制御タ
イマが0である場合(A9527の結果が「Y」)、そのまま外部情報編集処理を終了し
、時短信号制御タイマが0でない場合(A9527の結果が「N」)、大当り3信号のオ
ンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(A9528)、外部情報編集処理を終
了する。
【0518】
このようにして、天井回数到達による天井時短と時短図柄(サポ当り)による突然時短
の開始時に、大当り3信号のオンデータが、遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)
などの外部装置に、外部情報端子71を介して出力される。ここで、大当り3信号のオン
データは、前述のサポ作動設定処理のステップA5702において時短信号制御タイマ領
域に設定されたタイマ初期値(例えば128msecの固定時間)の間、出力される。従
来の大当り1~4信号は大当り等の期間中に出力していたが、大当り3信号の当該出力は
、大当り等の期間に比べてずっと短い固定時間(例えば128msec)の出力とした。
このため、外部装置(ホールコンピュータ等)は、大当りや大当りに続く時短等と混同す
ることなく、天井回数到達による天井時短や時短図柄による突然時短によって時短が発生
したことを認識できる。
【0519】
なお、前述のように、大当り2信号は、大当り状態中と大当り状態に続く時短状態(通
常大当りに起因する時短状態、第1特定遊技状態、第1時短状態)において長時間継続し
て外部装置に外部情報として出力される。上記の短い固定時間(例えば128msec)
の大当り3信号は、天井時短又は突然時短による時短状態(第2特定遊技状態、第2時短
状態)の発生を示す外部情報として、大当りに起因する時短状態を示す外部情報(長時間
の大当り2信号)と区別して外部装置に出力され、外部装置で混同されない。
【0520】
なお、他の構成として、天井時短と突然時短の一方でのみ、時短開始時に、大当り3信
号を固定時間の間出力するようにしてよい。また、天井時短の発生と突然時短の発生とを
区別するために、一方の時短では、時短開始時に固定時間の間、大当り3信号と大当り4
信号の両方を出力し、他方の時短では、大当り3信号のみを出力してよい。例えば、天井
時短について大当り3信号と大当り4信号を出力し、突然時短について大当り3信号だけ
を出力してもよい(逆でもよい)。また、天井時短の発生と突然時短の発生とを区別する
ために、時短開始時に、天井時短について大当り3信号(又は大当り4信号)を出力し、
突然時短について大当り4信号(又は大当り3信号)を出力してもよい。このように、大
当り3信号と大当り4信号を適宜組み合わせて、外部装置が認識できるように天井時短の
発生と突然時短の発生とを区別してもよい。
【0521】
〔外部情報又は試験信号の送信の様子〕
図36は、外部情報又は試験信号の送信の様子を示す図である。
【0522】
図36(A)は、先の時短状態における最後の特図変動表示ゲーム(時短回数に達する
特図変動表示ゲーム)で、天井回数の到達や時短図柄の停止があり、次の特図変動表示ゲ
ームから後の時短状態(天井時短や突然時短による時短状態)になる場合を示している。
【0523】
この場合に、本実施形態において、先の時短状態が終了するタイミングは、特図変動中
処理内で時短終了設定処理(A4711、図29)が実行されるタイミング、即ち、先の
特図変動表示ゲームの変動表示が停止するタイミングである。また、後の時短状態(天井
時短や突然時短)が開始するタイミングは、特図表示中処理内で時間短縮変動回数(A5
143、A5146)が設定されるタイミング、即ち、先の特図変動表示ゲームの停止結
果の表示が終了するタイミング(次の特図変動表示ゲームが開始するなら開始するタイミ
ングに略等しい)である。
【0524】
また、先の特図変動表示ゲームの変動表示が停止するタイミングで、特図変動中処理内
で時短終了設定処理によって、時短終了に関する信号として大当り2信号のオフデータが
、外部情報出力データ領域に設定されて外部装置(ホールコンピュータなど)に出力され
るとともに(A4901)、時短終了に関する信号として変動時間短縮状態信号(特別図
柄1変動時間短縮状態信号、特別図柄2変動時間短縮状態信号、普通図柄1変動時間短縮
状態信号)のオフデータなどが、試験信号出力データ領域に設定されて、試射試験装置に
出力される(A4902)。従って、外部情報としての大当り2信号と試験信号としての
変動時間短縮状態信号は、先の特図変動表示ゲームの変動表示が停止するタイミングの後
(先の時短終了後)にオフ状態になる。
【0525】
さらに、先の特図変動表示ゲームの停止結果の表示が終了するタイミングで、サポ作動
設定処理によって、時短開始に関する信号として大当り2信号のオンデータが、外部情報
出力データ領域に設定されて外部装置(ホールコンピュータなど)に出力されるとともに
(A5701)、時短開始に関する信号として変動時間短縮状態信号(特別図柄1変動時
間短縮状態信号、特別図柄2変動時間短縮状態信号、普通図柄1変動時間短縮状態信号)
のオンデータなどが、試験信号出力データ領域に設定されて、試射試験装置に出力される
(A5703)。従って、外部情報としての大当り2信号と試験信号としての変動時間短
縮状態信号は、先の特図変動表示ゲームの停止結果の表示が終了するタイミングの後にオ
ン状態になる。
【0526】
このようにして、時短が終了となる特図変動表示ゲーム(先の特図変動表示ゲーム)が
、ちょうど天井回数に達した場合や時短図柄で停止した場合に、時短が一旦終了したこと
が明確になる。また、外部情報(大当り2信号)や試験信号(変動時間短縮状態信号など
)の出力が、停止結果(停止図柄)の表示時間(停止表示時間)の分だけオフ状態となる
ことにより、時短が再開した場合に、外部情報や試験信号の出力のオン状態が、明確に識
別できる。
【0527】
一方、図36(B)のように、従来の遊技機では、先の特図変動表示ゲームの停止結果
の表示が終了するタイミングで、特図表示中処理内で時短終了設定処理によって時短が終
了する。時短終了設定処理において、時短終了に関する信号として大当り2信号のオフデ
ータが、外部情報出力データ領域に設定されて外部装置(ホールコンピュータなど)に出
力されるとともに、時短終了に関する信号として変動時間短縮状態信号のオフデータなど
が、試験信号出力データ領域に設定されて、試射試験装置に出力される。
【0528】
このため、従来の遊技機では、外部情報としての大当り2信号と試験信号としての変動
時間短縮状態信号は、先の特図変動表示ゲームの停止結果の表示が終了するタイミングの
後にオフ状態になるが、このタイミングでサポ作動設定処理によって、大当り2信号と変
動時間短縮状態信号はすぐにオン状態になるため、実質的にオフ状態になることはない(
オン状態が実質的に継続されたままになる)。従って、本実施形態と異なり、従来の遊技
機では、時短が一旦終了したことが不明確になるとともに、時短再開の際に外部情報や試
験信号の出力のオン状態が不明確になる。
【0529】
[変形例1]
図37から図40を参照して、上記の第1実施形態を改変した変形例1について説明す
る。
【0530】
〔メイン処理の変形例1〕
図37は、前述のメイン処理(遊技制御装置)の後半部分(図5B)に対する変形例1
を示す図である。
【0531】
図5Bでは、メイン処理に対する割込み処理として、設定変更状態又は設定確認状態で
実行される第1タイマ割込み処理と、設定変更状態でも設定確認状態でもない遊技可能な
状態(A1050-A1054のループ処理)で実行可能で実行される第2タイマ割込み
処理があった。しかし、当該変形例1では、設定変更状態及び設定確認状態と、遊技可能
な状態とで、同じ共通のタイマ割込み処理(図38)が実行される。
【0532】
図37のステップA1035、A1049、A1053では、共通のタイマ割込み処理
に対する一種類のタイマ割込み信号によるタイマ割込みが許可され、ステップA1038
、A1051、A1055ではこのタイマ割込みが禁止される。
【0533】
〔タイマ割込み処理の変形例1〕
図38は、変形例1に係るタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。図3
8のステップA1301-A1302、A1307-A1320の内容は、図6Bの第2
タイマ割込み処理のA1201-A1202、A1205-A1218と同じであり、説
明を省略する。図38のステップA1306の出力処理の内容は、図6BのA1204の
第2出力処理と同じであり、説明を省略する。
【0534】
遊技制御装置100は、ステップA1301、A1302の後に、入力処理を実行する
(A1303)。図38のステップA1303の入力処理の内容は、基本的には、図6B
のステップA1203の第2入力処理と同じ内容である。しかし、入力処理では、未使用
のビットデータと反転するビットデータが第2入力処理と異なっている(それ以外の内容
は、第2入力処理と同じである)。
【0535】
入力処理では、入力ポート1(第1入力ポート122)に対して、未使用のビットデー
タは、11111111B(=FFh)となり、入力ポート1からの8ビットデータとの
論理積などによってRAM初期化スイッチ112(ビット0)からの信号も含めて入力ポ
ート1へ接続された全信号を読み込むようにしたマスク値となる(図40も参照)。ここ
で、使用するビットが1で表され、クリアするビットが0で表される。また、その後に反
転するビットデータは、00000001B(=01h)となり、8ビットデータとの排
他的論理和などによって反転の必要なビット(ビット0)を反転するマスク値となる。こ
こで、反転するビットが1で表され、反転しないビットが0で表される。
【0536】
また、入力処理では、入力ポート2(第3入力ポート124)に対して、未使用のビッ
トデータは、11111111B(=FFh)となり、入力ポートからの8ビットデータ
との論理積などによって、入力ポート2へ接続された全信号を読み込むようにしたマスク
値となる(図40も参照)。なお、ビット7は元々スイッチが未接続であるため0の値で
もよい(未使用のビットデータは01111111B)。また、反転するビットデータは
00000000B(=00h)となり、反転の必要なビットはない。このように、入力
ポート2に対しては、第2入力処理との差異はない。
【0537】
また、入力処理では、入力ポート3(第2入力ポート123)に対して、未使用のビッ
トデータは、11111111B(=FFh)となり、入力ポートからの8ビットデータ
との論理積などによって設定キースイッチ93からの信号も含めて入力ポート3へ接続さ
れた全信号を読み込むようにしたマスク値となる(図40も参照)。なお、ビット7は元
々スイッチが未接続であるため0の値でもよい(未使用のビットデータは0111111
1B)。また、その後に反転するビットデータは00001110B(=0Eh)となり
、8ビットデータとの排他的論理和などによって反転の必要なビット(ビット1~3)を
反転するマスク値となる。ここで、反転するビットが1で表され、反転しないビットが0
で表される。
【0538】
また、入力処理では、入力ポート4(第4入力ポート126)に対して、未使用のビッ
トデータは、11111111B(=FFh)となり、入力ポートからの8ビットデータ
との論理積などによって、入力ポート2へ接続された全信号を読み込むようにしたマスク
値となる(図40も参照)。なお、ビット3~7は元々スイッチが未接続であるため0の
値でもよい(未使用のビットデータは00000111B)。また、反転するビットデー
タは00000000B(=00h)となり、反転の必要なビットはない。このように、
入力ポート4に対しては、第2入力処理との差異はない。
【0539】
RAM初期化スイッチ112からの信号と設定キースイッチ93からの信号は、別々の
アドレスが割り当てられたそれぞれ互いに異なる入力ポート(入力ポート1、入力ポート
3)に接続される。そして、入力処理において、入力ポート毎に接続されている信号は、
異なるタイミングで順に読み込まれるため、RAM初期化スイッチ112からの信号と設
定キースイッチ93からの信号は、異なるタイミングで読み込まれる。従って、悪意ある
者の不正による設定変更を防止することができる。なお、RAM初期化スイッチ112か
らの信号と設定キースイッチ93からの信号が同一のポートに接続されると、同一の入力
ポートに関して細工するだけでその不正が容易に行われるおそれがある。
【0540】
遊技制御装置100は、入力処理の後に、確率設定変更中フラグと確率設定確認中フラ
グに基づいて、確率設定変更中又は確率設定確認中であるか否かを判定する(A1304
)。確率設定変更中又は確率設定確認中である場合に(A1304の結果が「Y」)、確
率設定値を変更又は確認するための確率設定変更/確認処理を実行する(A1305)。
【0541】
遊技制御装置100は、確率設定変更中でも確率設定確認中でもない場合に(A130
4の結果が「N」)、各種処理でセットされた出力データに基づき、第2出力処理と同様
に、ソレノイド(例えば大入賞口ソレノイド39b)等のアクチュエータの駆動制御やL
EDの駆動制御(発光制御)などを行うための出力処理を実行する(A1306)。その
後、図6BのA1205-A1218と同様に、A1307-A1320の処理を行う。
【0542】
なお、確率設定値を設定/確認する制御と遊技に関する制御のいずれの実行中でも、入
力処理(A1303)においてエラーに関する信号(第3検出手段からの信号)が読み込
まれ、入賞口スイッチ/状態監視処理(A1310)において、A1208と同様に、エ
ラ-の監視に係る処理が実行される。
【0543】
〔確率設定変更/確認処理の変形例1〕
次に、変形例1に係るタイマ割込み処理における確率設定変更/確認処理(A1305
)の詳細について説明する。図39は、変形例1に係る確率設定変更/確認処理の手順を
示すフローチャートである。確率設定変更/確認処理では、確率設定値が変更又は確認で
きる。
【0544】
図39のステップA2401-A2403、A2407-A2410の内容は、図11
の第2タイマ割込み処理のA2201-A2203、A2005-A2008と同じであ
り、説明を省略する。
【0545】
遊技制御装置100は、ステップA2402又はステップA2403で設定された確率
設定値表示データを性能表示装置152にドライバ150を介して出力する(A2404
)。
【0546】
次に、遊技制御装置100は、セキュリティ信号制御タイマが0でなければ-1更新す
る(A2405)。セキュリティ信号制御タイマは、ステップA1034で設定された1
28ms(所定時間)である。続いて、外部装置(ホールコンピュータなど)に異常を知
らせるためのセキュリティ信号のオンデータを外部情報端子71に出力する(A2406
)。なお、ここで、大当り信号など外部情報端子71への他の信号はオフ状態に維持され
る。その後、A2407-A2410の処理を実行する。
【0547】
〔変形例1に係るスイッチ制御領域〕
図40は、変形例1に係るタイマ割込み処理における入力処理(A1303)によって
RWM(ここではRAM111c)内のスイッチ制御領域に読み込まれた信号(情報)を
示す。
【0548】
図40のように、入力処理によって、入力ポート1の入力に対応するスイッチ制御領域
1のポート入力状態とスイッチ確定状態と立ち上がりエッジの領域には、RAM初期化ス
イッチ112からの信号(ビット0)、枠電波不正信号(ビット1)、払出ビジー信号(
ビット2)、払出異常ステータス信号(ビット3)、シュート球切れスイッチ信号(ビッ
ト4)、オーバーフロースイッチ信号(ビット5)、タッチスイッチからの信号(ビット
6)、停電監視信号(ビット7)がセーブされる。これは、未使用のビットデータ(マス
ク値)が11111111Bであるためである。
【0549】
また、入力処理によって、入力ポート3の入力に対応するスイッチ制御領域3のポート
入力状態とスイッチ確定状態と立ち上がりエッジの領域には、スイッチ異常検知信号(ビ
ット0)、盤電波センサ62からの信号(ビット1)、磁気センサスイッチ61からの信
号(ビット2)、振動センサ65からの信号(ビット3)、ガラス枠開放検出スイッチ6
3からの信号(ビット4)、本体枠開放検出スイッチ64からの信号(ビット5)、設定
キースイッチ93からの信号(ビット6)がセーブされる。これは、未使用のビットデー
タが11111111Bであるためである。なお、ビット7は元々スイッチが未接続であ
るため未使用になっている。
【0550】
なお、入力ポート2、4の入力に対応するスイッチ制御領域2、4は、第2入力処理に
よるもの(図8B)と同じであり、説明を省略する。
【0551】
以上、変形例1では、図8A図8Bの場合と異なり、電源投入の際(設定変更状態及
び設定確認状態を含む)に操作された場合でも、電源投入後の遊技可能な状態(遊技中と
客待ち状態中を含む)に操作された場合でも、図40のように、設定キースイッチ93と
RAM初期化スイッチ112の操作に関する操作情報をRWM(記憶手段、ここではRA
M111c)内のスイッチ制御領域に記憶するようにしている。
【0552】
このため、電源投入の際と、それ以外の遊技可能な状態とで、処理を統一化又は共通化
して簡単化することができる。特に、各種スイッチ又はセンサから信号を入力してスイッ
チ制御領域に記憶する入力処理(A1303)及び入力処理を含むタイマ割込み処理(図
38)を統一化又は共通化し易くなる。
【0553】
即ち、電源投入の際でも電源投入後の遊技可能な状態でも、設定キースイッチ93とR
AM初期化スイッチ112の操作に関する信号(操作情報)をスイッチ制御領域に記憶可
能となる。なお、操作に関する信号(操作情報)は、オフ信号(オフ情報)とオン信号(
オフ情報)の両方を含む。なお、電源投入の際とは、設定変更状態及び設定確認状態の他
に、前述のRAM初期化状態(RAMクリアモード)、前述の通常復電状態(通常復電モ
ード)を含めてよい。
【0554】
例えば、設定変更状態又は設定確認状態に操作された場合でも、電源投入後の遊技可能
な状態に操作された場合でも、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の操
作に関するオン信号(オン情報)をスイッチ制御領域に記憶可能となる。設定変更状態又
は設定確認状態に操作がない場合でも、遊技可能な状態に操作がない場合でも、設定キー
スイッチ93とRAM初期化スイッチ112の操作に関するオフ信号(オフ情報)をスイ
ッチ制御領域に記憶可能となる。なお、スイッチ制御領域の情報は、タイマ割込み処理の
入力処理によって定期的に更新される。
【0555】
遊技可能な状態で、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の操作情報(
オン/オフ情報)が、予めスイッチ制御領域に記憶又は更新され、電源遮断時の操作情報
(オン/オフ情報)が設定変更状態及び設定確認状態に持ち越されるため、設定変更状態
及び設定確認状態おけるタイマ割込み処理の入力処理(A1303)で実行されるスイッ
チ読み込み処理で、スイッチ立ち上がりエッジが早めに得られる。即ち、スイッチ制御領
域1、3のRAM初期化スイッチ112と設定キースイッチ93の操作情報について、電
源遮断時のスイッチ確定状態が設定変更状態及び設定確認状態に持ち越されるため、1回
のタイマ割込み処理(入力処理)分だけ早く、スイッチ立ち上がりエッジが成立する可能
性がある。
【0556】
一方、電源投入直後に最初に設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の信
号(情報)を読み込む場合(設定変更状態及び設定確認状態の前のA1006)、入力処
理やRWM(RAM111c)のスイッチ制御領域を使用せずに、直接的にレジスタ又は
他のRWMの記憶領域に読み込む。スイッチ制御領域にエラーがある可能性があるため、
電源投入直後には、信頼できる信号として、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッ
チ112から信号を直接的に読み込み(A1006)、確実に設定変更状態及び設定確認
状態に移行することができる。
【0557】
なお、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112は、電源投入後の遊技可能
な状態でも、不正や検査のため前面枠12(本体枠)が開放されればアクセスでき操作可
能になる。しかし、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の操作に関する
信号(操作情報)がスイッチ制御領域に記憶されても、特図ゲーム処理や普図ゲーム処理
でこの操作情報は使用されることはないため、特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲーム
などの遊技の進行に影響を与えることはない。
【0558】
電源投入の際又は遊技可能な状態において、スイッチ制御領域に記憶された操作情報は
、電源投入の際に遊技の開始までに削除可能である。なお、上書きすることも削除に含め
てよい。これにより、電源遮断時に記憶されていた操作情報をいつまでも保持することの
不具合を解消することができる。例えば、設定変更状態、設定確認状態の後、又はRAM
初期化時の際において、メイン処理(図37)のステップA1042、A1043でスイ
ッチ制御領域に記憶された操作情報は削除可能である。通常復電状態において、メイン処
理(図37)の停電復旧処理(A1045)で、スイッチ制御領域に記憶された操作情報
を初期値(例えばゼロ)で上書きすることによって、スイッチ制御領域に記憶された操作
情報は削除可能である。
【0559】
[変形例2]
図41から図42を参照して、上記の変形例1を改変した変形例2について説明する。
なお、変形例2を元々の第1実施形態(変形例でない図1図36)に適用してもよい。
【0560】
〔遊技制御装置の構成の変形例2と変形例2に係るスイッチ制御領域〕
図41は、変形例2に係る遊技制御系のブロック図である。図41では、図3のブロッ
ク図から入力ポート1(ここでは第1入力ポート122)、入力ポート3(ここでは第2
入力ポート123)、入力ポート4(ここでは第4入力ポート126)へ入力する信号が
異なっている。図42は、変形例2において、RWM(ここではRAM111c)内のス
イッチ制御領域に読み込まれた信号(情報)を示す。
【0561】
入力ポート1と対応するスイッチ制御領域1には、枠電波不正信号と払出ビジー信号に
替えて、ガラス枠開放検出スイッチ63からの信号と本体枠開放検出スイッチ64からの
信号が入力されている。
【0562】
入力ポート3と対応するスイッチ制御領域3には、ガラス枠開放検出スイッチ63から
の信号と本体枠開放検出スイッチ64からの信号と設定キースイッチ93からの信号に替
えて、枠電波不正信号と払出ビジー信号が入力される。
【0563】
入力ポート4と対応するスイッチ制御領域4には、特定領域スイッチ72からの信号、
残存球排出口スイッチ73からの信号、アウト球検出スイッチ74からの信号に加えて、
設定キースイッチ93からの信号と呼び出しスイッチからの信号が入力される。呼び出し
スイッチ(図示せず)は、遊技者が遊技場の係員を呼び出すためのボタンスイッチで、例
えば下皿23に設置されている。
【0564】
なお、図40図42では、各スイッチ制御領域のビットは、図40とはビットが異な
る場合がある。
【0565】
変形例2では、枠の開放に関する枠開放情報(ガラス枠開放検出スイッチ63からの信
号と本体枠開放検出スイッチ64からの信号)と、RAM初期化スイッチ112からの信
号(操作情報)が、同じ入力ポート1に入力される。設定キースイッチ93からの信号(
操作情報)が、枠開放情報とRAM初期化スイッチ112からの信号とは異なり他の入力
ポート4に入力される。遊技用マイコン111は、同じ入力ポート1から枠開放情報とR
AM初期化スイッチ112からの信号を読み込み、他の入力ポート4から設定キースイッ
チ93からの信号を読み込む。
【0566】
RAMのクリア/初期化を行う場合にRAM初期化スイッチ112にアクセスするため
に枠の開放(少なくとも前面枠12(本体枠)が開放)が行われるため、RAMのクリア
/初期化に関連する枠開放情報とRAM初期化スイッチ112からの信号(操作情報)を
同一のポートひいては同一のスイッチ制御領域に入力する構成にする。これにより、配線
が理解しやすくなりメンテナンスや配線チェックが簡単になるとともに、遊技制御用プロ
グラムの開発が効率よく行える。
【0567】
他方、RAM初期化スイッチ112からの信号と設定キースイッチ93からの信号をそ
れぞれ互いに異なる入力ポート、ひいてはそれぞれ互いに異なるスイッチ制御領域に入力
する構成とすることによって、悪意ある者の不正による設定変更を防止することができる
【0568】
なお、設定キースイッチ93からの信号を入力ポート4ではなく入力ポート2に接続し
、入力ポート2から設定キースイッチ93からの信号を読み込む構成とすると、設定値が
確定するタイミングが早くなる利点がある。
【0569】
[演出制御装置の制御]
以下に、演出制御装置300が演出制御用プログラムによって実行する制御(処理)を
説明する。
【0570】
〔メイン処理(演出制御装置)〕
最初に、演出制御装置300によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図43
は、演出制御装置300によって実行されるメイン処理(メインプログラム)の手順を示
すフローチャートである。メイン処理は、遊技機10に電源が投入されると主制御用マイ
コン311(演出用マイコン)によって実行される。なお、演出制御装置300が実行す
る処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「B****」と表されて
いる。
【0571】
演出制御装置300は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(
B0001)。次にCPU311及びVDP312の初期設定を実行し(B0002、B
0003)、割込みを許可する(B0004)。割込みが許可されると、遊技制御装置1
00から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる
【0572】
次に、演出制御装置300は、表示装置41等に表示する表示用データの生成を許可し
(B0005)、乱数生成に用いる乱数シードを設定する(B0006)。そして、初期
化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(B0007)。
【0573】
続いて、演出制御装置300は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(B0
008)。WDTは、上述したCPU初期設定(B0002)で起動され、CPU311
が正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされな
い場合は、WDTがタイムアップしてCPU311がリセットされる。
【0574】
その後、演出制御装置300は、計時手段としてのRTC(リアルタイムクロック)3
38から時刻の情報を読み込むRTC読込処理を実行する(B0009)。
【0575】
RTC読込処理では、所定の周期(例えば1分おき)でRTC338から時刻の情報を
読み込む構成としてもよく、ステップB0009へ処理が移行する度に時刻の情報を読み
込む必要はない。また、演出制御装置300への電源投入(即ち遊技機10への電源投入
)の際に、一度だけ、RTC読込処理を実行する構成としてもよい(RTC読込処理の位
置を変えて、例えばステップB0003とB0004の間で実行してもよい)。演出制御
装置300は、RAM内のタイマ領域に時刻を計時する時刻用タイマ(計時手段)を設定
し、所定の周期でRTC338から時刻の情報を読み込んだ際又は電源投入時に一度だけ
RTC338から時刻の情報を読み込んだ際に、時刻用タイマをRTC338の時刻に合
わせるよう調整してよい。そして、演出制御装置300は、RTC338に代えて、時刻
用タイマを使用して各種処理を実行してもよい。このようにすれば、RTC338から時
刻を読み込む処理の回数を低減でき、CPU311の負荷が減少する。
【0576】
なお、RTC読込処理において、読み込んだ時刻が複数の所定時刻(第1所定時刻、第
2所定時刻、・・・)のいずれかに合致する場合に、所定の演出を実行してよいが、複数
の所定時刻の時間間隔を設定値に応じた確率で抽選することによって、遊技者はこの時間
間隔から設定値を推定することができる。例えば、長い時間間隔の選択率が、設定値が大
きいほど小さくなるように抽選されてよい。また、所定の演出を実行する実行期間を設定
値に応じた確率で抽選することによって、遊技者は所定の演出の実行期間から設定値を推
定することができる。例えば、長い実行期間の選択率が、設定値が大きいほど大きくなる
ように抽選されてよい。
【0577】
次に、演出制御装置300は、遊技者による演出ボタン25の操作信号(演出ボタンス
イッチ25a又はタッチパネル25bの信号)を検出したり、検出した信号に応じて演出
内容(設定)を変更したりする演出ボタン入力処理を実行する(B0010)。続いて、
遊技場(遊技店)の責任者や遊技者等によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作
を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を実行する(B0011)。ホール・遊技者
設定モード処理において、後述の演出ポイントに応じて、遊技者は演出をカスタマイズす
ることができる。
【0578】
次に、演出制御装置300は、演出ポイントの加算やクリアを実行する演出ポイント制
御処理を実行する(B0012)。演出ポイント制御処理では、演出ポイントの加算対象
となる演出や操作が実行されることで演出ポイントが加算される処理がされ、また、演出
ポイントを次回の遊技に繰り越せるよう遊技終了時などに、例えば、演出ポイントの情報
等を含む情報がQRコード(登録商標)として表示装置41に表示される。例えば、演出
制御装置300は、ホール・遊技者設定モード処理において、QRコード(登録商標)を
表示装置41に表示できる。なお、演出ポイントに加算する値(加算値)を設定値に応じ
た確率で抽選することによって、遊技者は加算値から設定値を推定することができる。例
えば、大きな加算値の選択率が、設定値が大きいほど大きくなるように抽選してよい。
【0579】
次に、演出制御装置300は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実
行し(B0013)、遊技制御装置100から受信した受信コマンドを解析して対応する
受信コマンドチェック処理を実行する(B0014)。なお、受信コマンドチェック処理
の詳細については、図44にて後述する。
【0580】
次に、演出制御装置300は、表示装置41等の表示装置(表示手段)に表示する内容
に合わせて各種データの更新を行ったり、表示装置41に表示する描画を表示フレームバ
ッファに設定したりする演出表示編集処理を実行する(B0015)。このとき設定され
る描画データは、フレーム周期1/30秒(約33.3msec)以内にVDP312が
描画を完了することができるものであれば問題なく表示装置41の画像を更新することが
できる。そして、表示フレームバッファへの描画準備を完了させて描画コマンド準備終了
設定を実行する(B0016)。
【0581】
続いて、演出制御装置300は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(B
0017)。フレーム切替タイミングでない場合は(B0017の結果が「N」)、フレ
ーム切替タイミングになるまでB0017の処理を繰り返し、フレーム切替タイミングで
ある場合は(B0017の結果が「Y」)、表示装置41への画面描画を指示する(B0
018)。本実施形態のフレーム周期は1/30秒なので、例えば1/60秒(フレーム
周期の1/2)毎の周期的なVブランク(画像更新)が2回実行されるとフレームの切り
替えが行われる。なお、1/60秒で画像を更新せず、さらに間隔を大きくしてもよい。
【0582】
また、演出制御装置300は、スピーカ19から出力される音を制御するサウンド制御
処理を実行する(B0019)。
【0583】
また、演出制御装置300は、LED等からなる装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装
置18)を制御する装飾制御処理を実行する(B0020)。装飾制御処理では、例えば
、LED等の装飾装置の発光制御を実行する。
【0584】
さらに、演出制御装置300は、モータ及びソレノイドで駆動される電動役物などの演
出装置(盤演出装置44、枠演出装置)を制御する可動体制御処理を実行する(B002
1)。可動体制御処理では、例えば、モータを駆動する役物動作演出を設定する。
【0585】
そして、演出制御装置300は、前述のB0021の処理を終えると、B0008の処
理に戻る。以降、B0008からB0021までの処理を繰り返す。
【0586】
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、図44を参照して、上述したメイン処理(図43)における受信コマンドチェッ
ク処理(B0014)の詳細について説明する。図44は、演出制御装置300によって
実行される受信コマンドチェック処理の手順を示すフローチャートである。
【0587】
演出制御装置300は、まず、遊技制御装置100から受信したコマンド数をチェック
するためにRAMのコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタの値をコマンド受
信数としてロードする(B1101)。そして、コマンド受信数が0でないか否かを判定
する(B1102)。コマンド受信数が0である場合、すなわち、遊技制御装置100か
ら受信したコマンドがない場合には(B1102の結果が「N」)、解析するコマンドが
ないので、受信コマンドチェック処理を終了する。
【0588】
一方、演出制御装置300は、コマンド受信数が0でない場合、すなわち、遊技制御装
置100からコマンドを受信している場合には(B1102の結果が「Y」)、コマンド
受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値をコマンド受信数分減算した後(B1103
)、RAMの受信コマンドバッファの内容を解析用のコマンド領域にコピーする(B11
04)。ここで、受信コマンドバッファはリングバッファなので、バッファ内の内容をコ
マンド領域にコピーする前にコマンド受信数を減算しても問題ない。また、コピー中に新
たにコマンドを受信してもデータが上書きされることはない。
【0589】
そして、演出制御装置300は、コマンド読出インデックスを0~31の範囲で+1更
新(1だけ加算)する(B1105)。受信コマンドバッファは受信したコマンドを32
個まで保存できるよう構成されている。受信したコマンドは、コマンド読出インデックス
0~31の順に受信コマンドバッファに格納されており、ここではインデックス順に受信
したコマンドを読み出して、解析用のコマンド領域にコピーする。なお、解析用のコマン
ド領域へのコピーが完了したタイミングで、読みだしたコマンド読出インデックスに対応
する受信コマンドバッファの格納領域内はクリアされる。
【0590】
演出制御装置300は、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分の
コマンドのコピーが完了したか否かを判定し(B1106)、コピーが完了していない場
合は(B1106の結果が「N」)、ステップB1104からB1106の処理を繰り返
す。
【0591】
遊技制御装置100から送信されたコマンドを演出制御装置300が受信すると、受信
コマンドバッファに受信したコマンドの内容が保存されると同時にコマンド受信カウンタ
領域のコマンド受信カウンタ値が加算更新される。受信コマンドバッファには32個分の
コマンドを保存することができるが、受信したコマンドの解析は、別途、解析用のコマン
ド領域で行われる。そして、解析用のコマンド領域に受信したコマンドの内容がコピーさ
れると、受信コマンドバッファ及びコマンド受信カウンタ値はクリアされる。このように
、受信コマンドバッファ内で直接解析を行わずに常に空き領域を確保しておくことで、コ
マンドの大量受信に備えることができる。
【0592】
続いて、演出制御装置300は、コピーが完了した場合には(B1106の結果が「Y
」)、解析用のコマンド領域の受信したコマンド内容をロードし(B1107)、内容を
解析する受信コマンド解析処理を実行する(B1108)。なお、受信コマンド解析処理
の詳細については、次の図45にて後述する。また、解析用のコマンド領域のアドレスを
更新する(B1109)。その後、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受
信数分のコマンドの解析が完了したか否かを判定し(B1110)、解析が完了していな
い場合は(B1110の結果が「N」)、ステップB1107からB1110の処理を繰
り返す。解析が完了した場合には(B1110の結果が「Y」)、受信コマンドチェック
処理を終了する。
【0593】
〔受信コマンド解析処理〕
次に、図45を参照して、前述した受信コマンドチェック処理(図44)における受信
コマンド解析処理(B1108)の詳細について説明する。図45は、演出制御装置30
0によって実行される受信コマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。
【0594】
演出制御装置300は、まず、受信したコマンドの上位バイトをMODE部、下位バイ
トをACTION部(ACT部)として分離する(B1201)。遊技制御装置100か
ら演出制御装置300に送信されるコマンドは、MODE部(MODEコマンド)及びA
CTION部(ACTIONコマンド)によって構成されており、通常、コマンドの種類
を示すMODE部から連続して送信される。従って、受信したコマンドの上位、下位はM
ODE部、ACTION部の順に構成される。
【0595】
次に、演出制御装置300は、MODE部が正常範囲であるか否かを判定する(B12
02)。すなわち、コマンドの種類を示すMODE部が取り得る値(種類を示すコマンド
仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、MODE部が正常範囲
である場合には(B1202の結果が「Y」)、同様にACTION部が正常範囲である
か否かを判定する(B1203)。すなわち、コマンドの内容(具体的な演出指示等)を
示すACTION部が取り得る値(内容を示すコマンド仕様として割り当てられた値)で
あるか否かを判定する。そして、ACTION部が正常範囲である場合には(B1203
の結果が「Y」)、さらに、MODE部に対するACTION部は正しい組み合せか否か
を判定する(B1204)。すなわち、ACTION部の値が、MODE部によって特定
される種類のコマンドが取り得る値であるのか否かを判定する。そして、正しい組み合せ
である場合には(B1204の結果が「Y」)、B1205以降の処理でコマンドの系統
に応じたコマンド処理を実行する。
【0596】
演出制御装置300は、まず、MODE部の値が変動系コマンドの範囲か否かを判定す
る(B1205)。なお、変動系コマンドは、飾り特別図柄の変動パターンを指令するコ
マンドであり、変動コマンド(変動開始情報設定処理で設定)がある。そして、MODE
部が変動系コマンドを表す場合には(B1205の結果が「Y」)、変動系コマンド処理
を実行し(B1206)、受信コマンド解析処理を終了する。
【0597】
演出制御装置300は、MODE部が変動系コマンドを表していない場合には(B12
05の結果が「N」)、次に、MODE部が当り系コマンドの範囲か否かを判定する(B
1207)。なお、当り系コマンドは、当り中の演出に関する動作(ファンファーレ画面
やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドであり、例えば、大当りファンファーレ
コマンド(特図表示中処理で設定)、ラウンドコマンド(ファンファーレ/インターバル
中処理で設定)、インターバルコマンド(大入賞口開放中処理で設定)、エンディングコ
マンド(大入賞口開放中処理で設定)、小当りファンファーレコマンド、小当り開放中コ
マンド(小当りラウンドコマンド)、小当り終了画面コマンド(小当りエンディングコマ
ンド)などである。そして、MODE部が当り系コマンドを表す場合には(B1207の
結果が「Y」)、当り系コマンド処理を実行し(B1208)、受信コマンド解析処理を
終了する。
【0598】
演出制御装置300は、MODE部が当り系コマンドを表していない場合には(B12
07の結果が「N」)、次に、MODE部が図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B
1209)。なお、図柄系コマンドには、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンド
(特図1では飾り特図1コマンド、特図2では飾り特図2コマンド)がある。そして、M
ODE部が図柄系コマンドを表す場合には(B1209の結果が「Y」)、図柄系コマン
ド処理を実行し(B1210)、受信コマンド解析処理を終了する。
【0599】
演出制御装置300は、MODE部が図柄系コマンドを表していない場合には(B12
09の結果が「N」)、次に、MODE部が単発系コマンドの範囲か否かを判定する(B
1211)。そして、MODE部が単発系コマンドを表す場合には(B1211の結果が
「Y」)、単発系コマンド処理を実行し(B1212)、受信コマンド解析処理を終了す
る。
【0600】
演出制御装置300は、MODE部が単発系コマンドを表していない場合には(B12
11の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み図柄系コマンドの範囲か否かを判定す
る(B1213)。先読み図柄系コマンドには、先読み停止図柄コマンドがある。そして
、MODE部が先読み図柄系コマンドを表す場合には(B1213の結果が「Y」)、先
読み図柄系コマンド処理を実行し(B1214)、受信コマンド解析処理を終了する。な
お、受信した時の大当り確率が低確率状態であれば先読み停止図柄コマンド(低確率)を
使用して先読み図柄系コマンド処理を実行し、受信した時の大当り確率が高確率状態であ
れば先読み停止図柄コマンド(低確率)を使用して先読み図柄系コマンド処理を実行して
よい。
【0601】
演出制御装置300は、MODE部が先読み図柄系コマンドを表していない場合には(
B1213の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み変動系コマンドの範囲か否かを
判定する(B1215)。先読み変動系コマンドには、先読み変動パターンコマンドがあ
る。そして、MODE部が先読み変動系コマンドを表す場合には(B1215の結果が「
Y」)、先読み変動系コマンド処理を実行し(B1216)、受信コマンド解析処理を終
了する。
【0602】
一方、演出制御装置300は、MODE部が先読み変動系コマンドを表していない場合
には(B1215の結果が「N」)、予期しないコマンド(例えば、テストモード中のみ
使用するコマンド)を受信した可能性があるので、受信コマンド解析処理を終了する。ま
た、MODE部が正常範囲でない場合(B1202の結果が「N」)、ACTION部が
正常範囲でない場合(B1203の結果が「N」)、もしくは、MODE部に対するAC
TION部が正しい組合せでない場合も(B1204の結果が「N」)、受信コマンド解
析処理を終了する。
【0603】
〔単発系コマンド処理〕
次に、図46を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図45)における単発系コ
マンド処理(B1212)の詳細について説明する。図46は、演出制御装置300によ
って実行される単発系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
【0604】
演出制御装置300は、まず、MODE部が遊技機の種類を示す機種指定コマンドを表
すか否かを判定する(B1301)。そして、MODE部が機種指定コマンドを表す場合
には(B1301の結果が「Y」)、遊技機の種類を設定する機種設定処理を実行し(B
1302)、単発系コマンド処理を終了する。
【0605】
演出制御装置300は、MODE部が機種指定コマンドを表していない場合には(B1
301の結果が「N」)、次に、MODE部がRAM初期化のコマンドを表すか否かを判
定する(B1303)。そして、MODE部がRAM初期化のコマンドを表す場合には(
B1303の結果が「Y」)、RAM初期化の報知等を行うRAM初期化設定処理を実行
し(B1304)、単発系コマンド処理を終了する。
【0606】
演出制御装置300は、MODE部がRAM初期化のコマンドを表していない場合には
(B1303の結果が「N」)、次に、MODE部が停電復旧系コマンドを表すか否かを
判定する(B1305)。例えば、停電復旧系コマンドとして、停電復旧コマンドと復旧
画面コマンドがある。そして、MODE部が停電復旧系コマンドを表す場合には(B13
05の結果が「Y」)、停電復旧設定処理を実行し(B1306)、単発系コマンド処理
を終了する。
【0607】
演出制御装置300は、MODE部が停電復旧系コマンドを表していない場合には(B
1305の結果が「N」)、次に、MODE部が客待ちデモコマンドを表すか否かを判定
する(B1307)。そして、MODE部が客待ちデモコマンドを表す場合には(B13
07の結果が「Y」)、客待ちデモ設定処理を実行し(B1308)、単発系コマンド処
理を終了する。
【0608】
演出制御装置300は、MODE部が客待ちデモコマンドを表していない場合には(B
1307の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表すか否か
を判定する(B1309)。そして、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表す場合
には(B1309の結果が「Y」)、特図1保留情報設定処理を実行し(B1310)、
単発系コマンド処理を終了する。
【0609】
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表していない場合に
は(B1309の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表す
か否かを判定する(B1311)。そして、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表
す場合には(B1311の結果が「Y」)、特図2保留情報設定処理を実行し(B131
2)、単発系コマンド処理を終了する。
【0610】
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表していない場合に
は(B1311の結果が「N」)、次に、MODE部が確率情報コマンドを表すか否かを
判定する(B1313)。そして、MODE部が確率情報コマンドを表す場合には(B1
313の結果が「Y」)、確率情報設定処理を実行し(B1314)、単発系コマンド処
理を終了する。
【0611】
演出制御装置300は、MODE部が確率情報コマンドを表していない場合には(B1
313の結果が「N」)、次に、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表すか否かを
判定する(B1315)。なお、エラー/不正系のコマンドとして、例えば、不正発生コ
マンド、不正解除コマンド、状態オフコマンド、状態オンコマンドがある。状態オンコマ
ンドとして、ガラス枠開放検出スイッチ63からの信号の発生(ガラス枠開放エラー)や
、前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)からの信号の発生(本体枠開
放エラー、前面枠開放エラー)を示すコマンドがある。また、状態オフコマンドは、エラ
ーの不発生を示す。
【0612】
そして、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表す場合には(B1315の結果が
「Y」)、エラーや不正の報知や報知解除をするためのエラー/不正設定処理を実行し(
B1316)、単発系コマンド処理を終了する。
【0613】
演出制御装置300は、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表していない場合に
は(B1315の結果が「N」)、次に、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表
すか否かを判定する(B1317)。演出モード切替用のコマンドには、演出回転数コマ
ンドや時間短縮変動回数コマンドなど、演出モード情報チェック処理やサポ作動設定処理
等で設定される演出モードに関連するコマンドを含めてもよい。そして、MODE部が演
出モード切替用のコマンドを表す場合には(B1317の結果が「Y」)、演出モード切
替設定処理を実行し(B1318)、単発系コマンド処理を終了する。
【0614】
演出制御装置300は、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表していない場合
には(B1317の結果が「N」)、次に、MODE部がアウト球数を示すアウト球数コ
マンドを表すか否かを判定する(B1319)。そして、MODE部がアウト球数コマン
ドを表す場合には(B1319の結果が「Y」)、アウト球数受信時処理を実行し(B1
320)、単発系コマンド処理を終了する。
【0615】
演出制御装置300は、MODE部がアウト球数コマンドを表していない場合には(B
1319の結果が「N」)、次に、MODE部がカウントのコマンド(大入賞口カウント
コマンド)を表すか否かを判定する(B1321)。そして、MODE部が大入賞口スイ
ッチのカウントのコマンドを表す場合には(B1321の結果が「Y」)、カウント情報
設定処理を実行し(B1322)、単発系コマンド処理を終了する。
【0616】
演出制御装置300は、MODE部がカウントのコマンドを表していない場合には(B
1321の結果が「N」)、MODE部が設定値情報コマンド(確率設定値情報コマンド
)を表すか否かを判定する(B1323)。設定値情報コマンドは、図5BのステップA
1046の停電復旧時のコマンド及びステップA1044の処理で送信されるRAM初期
化時のコマンドに含まれる。そして、MODE部が設定値情報コマンドを表す場合には(
B1323の結果が「Y」)、設定値受信時処理を実行し(B1324)、単発系コマン
ド処理を終了する。設定値受信時処理では、設定値(確率設定値)をRAM等の記憶部に
記憶するとともに必要な処理を実行する。
【0617】
演出制御装置300は、MODE部が設定値情報コマンドを表していない場合には(B
1323の結果が「N」)、MODE部が設定変更系のコマンドを表すか否かを判定する
(B1325)。設定変更系のコマンドとして、例えば、確率設定変更中のコマンド(A
1030)がある。そして、MODE部が設定変更系のコマンドを表す場合には(B13
25の結果が「Y」)、設定変更系情報設定処理を実行し(B1326)、単発系コマン
ド処理を終了する。設定変更系情報設定処理では、設定変更系のコマンドの内容を記憶し
、コマンドに対応する処理を実行する。例えば、確率設定変更中のコマンドを受信した場
合に、設定変更系情報設定処理では、遊技者に設定変更中であること報知する設定変更中
表示を表示装置41に表示したり、スピーカから音を出力したり、盤装飾装置46や枠装
飾装置18のLEDを発光させたりする。
【0618】
演出制御装置300は、MODE部が設定変更系のコマンドを表していない場合には(
B1325の結果が「N」)、MODE部が設定確認系のコマンドを表すか否かを判定す
る(B1327)。設定確認系のコマンドとして、例えば、確率設定確認中のコマンド(
A1033)がある。そして、MODE部が設定確認系のコマンドを表す場合には(B1
327の結果が「Y」)、設定確認系情報設定処理を実行し(B1328)、単発系コマ
ンド処理を終了する。設定確認系情報設定処理では、設定確認系のコマンドの内容を記憶
し、コマンドに対応する処理を実行する。例えば、確率設定確認中のコマンドを受信した
場合に、設定確認系情報設定処理では、遊技者に設定確認中であること報知する設定確認
中表示を表示装置41に表示したり、スピーカから音を出力したり、盤装飾装置46や枠
装飾装置18のLEDを発光させたりする。
【0619】
次に、MODE部が図柄停止のコマンドを表すか否かを判定する(B1329)。なお
、図柄停止のコマンドには、例えば、特図1の図柄停止コマンド(飾り特図1停止コマン
ド)と特図2の図柄停止コマンド(飾り特図2停止コマンド)がある。そして、MODE
部が図柄停止のコマンドを表す場合には(B1329の結果が「Y」)、演出制御装置3
00は、次に、MODE部のコマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B13
30)。
【0620】
MODE部のコマンドが正常なコマンドである場合には(B1330の結果が「Y」)
、演出制御装置300は、対応する特図の停止態様を設定し(B1331)、全図柄が停
止した後に遊技状態フラグを通常状態に設定して(B1332)、単発系コマンド処理を
終了する。B1332の処理では、一例として、遊技状態フラグを通常状態に設定してい
るが、本処理が実行されるタイミングによって、遊技状態フラグは、「変動中」「大当り
中」「小当り中」のフラグが設定される。
【0621】
一方、MODE部が図柄停止のコマンドを表していない場合(B1329の結果が「N
」)、または、MODE部のコマンドが正常ではない場合(B1330の結果が「N」)
には、演出制御装置300は、単発系コマンド処理を終了する。
【0622】
その他、単発系コマンド処理において、MODE部が図46には記載されていないコマ
ンドを表す場合に、演出制御装置300はこのコマンドに対応する処理(表示装置41へ
の表示設定処理など)を実行してよい。
【0623】
なお、設定変更中又は設定確認中は、所定のエラーが発生していても、エラー/不正設
定処理(B1316)でエラーに対応する報知は行われず、設定変更系情報設定処理(B
1326)又は設定確認系情報設定処理(B1328)において設定に関する報知が行わ
れる。一方、遊技可能な状態(通常の遊技中又は客待ち中)に所定のエラーが発生してい
る場合は、発生したエラーに対応する報知を行う。
【0624】
例えば、図5図11の制御が実行される場合に、設定変更状態又は設定確認状態で実
行可能となり遊技可能な状態では実行されない第1入力処理では、図8Aのように、エラ
ーに関する信号(磁気センサスイッチ61、シュート球切れスイッチなど第3検出手段か
らの信号)は読み込まれない(記憶されない)。このため、エラー自体が発生していても
、エラー/不正設定処理でエラーに対応する報知は行われない。即ち、設定変更中又は設
定確認中に、エラーの監視によってエラーを検知するようになっている場合であっても、
又は、遊技可能な状態にエラーとして検知されるのと同等の状態(例えば球切れ等)とな
っている場合であっても、エラーに関する信号が読み込まれず入力情報がないため、エラ
ー/不正設定処理でエラーに対応する報知は行われない。さらに、エラーの監視の処理が
実行されていないためエラーと検知されない場合も、エラー自体が発生しても、エラー/
不正系のコマンドが発生しないため、エラー/不正設定処理でエラーに対応する報知は行
われない。
【0625】
なお、図37図40(変形例1)の制御が実行される場合に、エラーに関する信号(
第3検出手段からの信号)は読み込まれ(記憶され)、入賞口スイッチ/状態監視処理(
A1310)においてエラ-の監視に係る処理が実行されるが、この場合でも、設定変更
中又は設定確認中は、所定のエラーが発生していても、エラー/不正設定処理(B131
6)でエラーに対応する報知は行わないように制御してよい。
【0626】
演出制御装置300(サブ基板)は、例外的に、設定変更中又は設定確認中に停電を検
出した場合に停電に対する処理を行うが、停電を検出した場合でも停電の報知は行わない
。停電に対する処理として、FeRAM323にデータを退避する処理を行うことや、設
定変更や設定確認を行った日時情報を記憶させることなどが挙げられる。
【0627】
〔先読み図柄系コマンド処理〕
次に、図47を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図45)における先読み図
柄系コマンド処理(B1214)の詳細について説明する。図47は、演出制御装置30
0によって実行される先読み図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
【0628】
演出制御装置300は、まず、最新保留情報が特図1保留(特図1始動記憶)の情報で
あるか否か、例えば、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図1保留数コマン
ドであるか否かを判定する(B1601)。最新保留情報が特図1保留の情報である場合
(B1601の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特
図1保留数に対応する特図1先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1602)。
【0629】
演出制御装置300は、最新保留情報が特図1保留の情報でない場合(B1601の結
果が「N」)、即ち、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図2保留数コマン
ドである場合、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特図2保留数に対応
する特図2先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1603)。
【0630】
演出制御装置300は、ステップB1602とB1603の後、先読み変動系コマンド
の受信待ちであることを示す先読み変動系コマンド受信待ちフラグを設定する(B160
4)。これは、先読み図柄系コマンドと先読み変動系コマンドがセットになっているため
、遊技制御装置100から先読み図柄系コマンドに続いて先読み変動系コマンドが送信さ
れるためである。その後、先読み図柄系コマンド処理を終了する。
【0631】
〔先読み変動系コマンド処理〕
次に、図48を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図45)における先読み変
動系コマンド処理(B1216)の詳細について説明する。図48は、演出制御装置30
0によって実行される先読み変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
【0632】
演出制御装置300は、まず、先読み変動系コマンドの受信待ち中であるか否かを判定
する(B1701)。前述の先読み変動系コマンド受信待ちフラグ(B1604)が設定
されている場合、先読み変動系コマンドの受信待ち中であると判定できる。先読み変動系
コマンドの受信待ち中でない場合(B1701の結果が「N」)、先読み変動系コマンド
処理を終了する。先読み変動系コマンドの受信待ち中である場合(B1701の結果が「
Y」)、先読み変動系コマンド受信待ちフラグをクリアする(B1702)。
【0633】
次に、演出制御装置300(サブ基板)は、最新保留情報の図柄(特図1又は特図2
の保留数に対応する先読み変動MODE変換テーブルを設定し(B1703)、先読み変
動系コマンドのMODE部に対応してサブ内先読み変動コマンドMODE部を取得する(
B1704)。次に、先読み変動ACT変換テーブルを設定し(B1705)、先読み変
動系コマンドのACTION部(ACT部)に対応するサブ内先読み変動コマンドACT
部を取得する(B1706)。
【0634】
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変
動コマンドMODE部とACT部)が共に0以外であるか否かを判定する(B1707)
。なお、正常(有効)なコマンドであれば0以外に変換される。変換後のMODE部、A
CT部が共に0以外である場合(B1707の結果が「Y」)、変換後のMODE部とA
CT部から構成される変換後のコマンドを最新保留情報、保留数に対応する先読み変動コ
マンド領域(特図1先読み変動コマンド領域又は特図2先読み変動コマンド領域)にセー
ブする(B1708)。そして、先読みコマンド整合チェック処理を実行して(B170
9)、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常であるか否か判定する(B1710
)。
【0635】
なお、保留が変動表示ゲームを開始するときの保留数によって、MODE部に対応する
前半変動の時間が変化する。保留が変動表示ゲームを開始するときに、保留が他になけれ
ば長めの前半変動になり、新たに保留が発生して保留数が多ければ短めの前半変動となる
。従って、前半変動の時間値が遷移しても、演出制御装置300の内部コマンドが同じに
扱えるように、受信した先読み変動系コマンドのMODE部をサブ内先読み変動コマンド
MODE部に変換しておく。
【0636】
また、リーチの種類は保留数に関係ないため、サブ内先読み変動コマンドACT部に対
応する後半変動は保留数に依存しない。しかし、同一系統のリーチにも種類があるため、
仮に先読み変動系コマンドのACT部(後半変動の値)を変換せずに、演出制御装置30
0がそのまま使うと数が多くなりチェックが困難になる。例えば、ノーマルリーチにも、
ノーマルリーチ-1停止はずれ、ノーマルリーチ+1停止はずれなどの種類が存在する。
従って、同一系統のリーチを示すACT部を、同じサブ内先読み変動コマンドACT部に
変換することで、数を減らし、先読みコマンド整合チェック処理等のチェック処理の負担
を軽減する。
【0637】
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変
動コマンドMODE部とACT部)の少なくとも一方が0である場合(B1707の結果
が「N」)、又は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常でない場合(B171
0の結果が「N」)、変換後のコマンドに異常があるとして、先読み変動系コマンド処理
を終了する。
【0638】
演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常である場合(B
1710の結果が「Y」)、先読み対象の保留情報(最新保留の情報)を先読み変動コマ
ンド領域からロードし(B1711)、最新保留の先読み演出に関する先読み抽選処理を
実行する(B1712)。先読み演出としては、例えば、連続予告演出(チャンス目先読
み演出を含む)、先読みゾーン演出、保留変化予告などがある。続いて、最新保留の先読
み演出(保留変化予告等)が発生するか否かを判定する(B1713)。最新保留の先読
み演出が発生する場合(B1713の結果が「Y」)、選出された先読み演出に対応する
ポイント情報を設定する(B1714)。
【0639】
次に、演出制御装置300は、発生する先読み演出(保留変化予告等)が直ちに開始す
る演出であるか否か判定する(B1715)。発生する先読み演出が直ちに開始する演出
である場合(B1715の結果が「Y」)、選出された先読み演出に対応する表示を設定
する(B1716)。発生する先読み演出が直ちに開始する演出でない場合(B1715
の結果が「N」)、保留シフト時(保留表示の移動時、保留数減少時)の先読み演出に対
応する表示を設定、保存する(B1717)。そして、先読み変動系コマンド処理を終了
する。
【0640】
一方、演出制御装置300は、最新保留の先読み演出が発生しない場合(B1713の
結果が「N」)、又は、発生する先読み演出が直ちに開始する演出でない場合(B171
5の結果が「N」)、そのまま、先読み変動系コマンド処理を終了する。
【0641】
〔図柄系コマンド処理〕
次に、図49を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図45)における図柄系コ
マンド処理(B1210)の詳細について説明する。図49は、演出制御装置300によ
って実行される図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
【0642】
演出制御装置300は、受信した図柄系コマンド(飾り特図1コマンド又は飾り特図2
コマンド)のMODE部に対応する特図種別を設定する(B1801)。特図種別は、特
図1又は特図2である。そして、図柄系コマンドのMODE部とACTION部(ACT
部)の組合せに対応する図柄種別を設定し、RAM等の所定領域にセーブする(B180
2)。ここで、特図1と特図2では、図柄の振分け割合が変わるので、MODE毎にテー
ブルを使用して、図柄種別を設定する。なお、本実施形態において、図柄種別は、はずれ
図柄や、時短図柄、小当り図柄、10R確変大当り図柄、4R確変大当り図柄、10R通
常大当り図柄に対応する。
【0643】
〔変動系コマンド処理〕
次に、図50を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図45)における変動系コ
マンド処理(B1206)の詳細について説明する。図50は、演出制御装置300によ
って実行される変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
【0644】
演出制御装置300は、受信した変動系コマンド(変動コマンド)の特図種別(特図1
又は特図2)が未確定であるか否かを判定する(B1901)。特図種別が未確定である
場合(B1901の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。特図種別が未確定
でない場合(B1901の結果が「N」)、受信した変動系コマンドと図柄系コマンドの
組合せをチェックし(B1902)、変動系コマンドと図柄種別が不整合であるか否かを
判定する(B1903)。ここで、不整合とは、はずれの変動系コマンドを受信したのに
大当り図柄の図柄系コマンドを受信していた場合など、演出を行う上で矛盾してしまうこ
とである。変動系コマンドと図柄種別が不整合である場合(B1903の結果が「Y」)
、変動系コマンド処理を終了する。
【0645】
演出制御装置300は、変動系コマンドと図柄種別が不整合でない場合(B1903の
結果が「N」)、変動系コマンド(変動コマンド)から変動パターン種別を判別し(B1
904)、変動中の演出である変動演出を設定する変動演出設定処理を実行する(B19
05)。なお、同じ変動系コマンドに対して、複数の演出が存在する。続いて、遊技状態
(P機状態)を示す遊技状態フラグに特図変動中を設定し(B1906)、連続予告演出
の先読み演出回数(連続予告演出の残り回数)が0でなければ-1更新する(B1907
)。
【0646】
〔変動演出設定処理〕
次に、図51を参照して、前述した変動系コマンド処理(図50)における変動演出設
定処理(B1905)の詳細について説明する。図51は、演出制御装置300によって
実行される変動演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
【0647】
演出制御装置300は、まず、変動パターン種別が、リーチなし変動(リーチ状態にな
らない変動)であるか否かを判定する(B2001)。変動パターン種別がリーチなし変
動である場合(B2001の結果が「Y」)、演出ポイントのポイント数、機種コード、
特図種別、演出モード、設定値(確率設定値)に対応する前半予告振分グループアドレス
テーブルを設定し(B2002)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と特図
種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B200
3)。リーチなし変動の場合、保留数が多いほど変動時間が短縮されるため、保留数に対
応するテーブルのアドレスを取得している。
【0648】
演出制御装置300は、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(B2001の
結果が「N」)、即ち、リーチあり変動である場合、演出ポイントのポイント数、機種コ
ード、特図種別、演出モード、図柄種別、設定値(確率設定値)に対応する前半予告振分
グループアドレステーブルを設定し(B2004)、変動系コマンド(変動コマンド)の
MODE部と変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取
得する(B2005)。
【0649】
演出制御装置300は、ステップB2003、B2005の後、前半変動中(リーチ前
)に出現する予告の抽選を行う(B2006)。なお、予告の抽選確率は、設定値に依存
することになる。続いて、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モー
ド、図柄種別、設定値(確率設定値)に対応する後半予告振分グループアドレステーブル
を設定し(B2007)、変動系コマンドのACT部に対応する後半予告振分グループテ
ーブルのアドレスを取得し(B2008)、後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽
選を行う(B2009)。なお、予告の抽選確率は、設定値に依存することになる。その
後、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部、ACT部に対応する変動演出の内容
を決定する(B2010)。なお、変動系コマンドから変動時間や主なリーチ内容などが
わかる。
【0650】
次に、演出制御装置300は、予告の抽選結果に対応する演出(予告演出)の内容を決
定する(B2011)。そして、設定値(確率設定値、設定)を示唆するための設定示唆
演出の内容を決定する(B2012)。その後、例えばリーチ演出等の変動演出や予告演
出の内容に応じて、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を決定する停止図柄設定処理を実
行する(B2013)。ここで、はずれ図柄の場合にばらけ目を決定するなど、飾り停止
図柄を具体的に決定する。
【0651】
次に、演出制御装置300は、設定示唆演出の表示設定を行う(B2014)。リーチ
演出等の変動演出の表示設定を行い(B2015)、予告演出の表示設定を行う(B20
16)。続いて、特図種別に対応する保留減少(保留シフト)の表示設定を行い、例えば
、今回変動する飾り特図に対応する保留表示が減る表示が設定される他、保留シフト時の
先読み演出に対応する表示情報(B1717)等が読み出される(B2017)。続いて
、スピーカの音声による演出態様(音出力態様)を定める音声番号、装飾装置の発光によ
る演出態様を定める装飾番号を設定する(B2018)。装飾装置(盤装飾装置46、枠
装飾装置18)は、複数の装飾用発光部(装飾LED等)を有し、装飾番号で定められる
発光態様(各LEDの色や発光タイミング等)で発光する。
【0652】
なお、音声番号や装飾番号を、演出内容に基づいて設定するだけでなく、設定値(確率
設定値)に応じた抽選確率で抽選して設定することも可能である。このようにすると、遊
技者は、装飾装置の発光態様、即ち、装飾用発光部(LED)の発光態様から遊技機10
の設定値(確率設定値)を推測することを楽しめる。
【0653】
次に、演出制御装置300は、特図種別に対応する飾り特図変動の表示設定を行い(B
2019)、第一から第三の特別図柄以外に第四特別図柄(第4図柄、識別情報)に関す
る第4図柄変動の表示設定を行う(B2020)。なお、第4図柄変動は、表示装置41
以外に設けた前述のランプ表示装置80のランプ表示部1、2(LED)、及び/又は、
表示装置41で表示される。
【0654】
以上の変動演出設定処理によって、演出モードに応じた演出が設定でき、表示装置41
等で実行される。演出モードは、天井時短又は突然時短に対応して設定される(サポ作動
設定処理のA5709-A5711)とともに、通常大当りによる時短、即ち通常大当り
の停止図柄番号に対応して設定される(特図1停止図柄設定処理、特図2停止図柄設定処
理)。従って、天井回数到達による天井時短、時短図柄による突然時短、通常大当りによ
る時短状態など、時短状態の種類によって異なる演出を実行できる。例えば、時短状態の
種類によって、表示装置41で表示される背景やスピーカから発生する音楽(BGM)等
が異なってよい。
【0655】
〔当り系コマンド処理〕
次に、図52を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図45)における当り系コ
マンド処理(B1208)の詳細について説明する。図52は、演出制御装置300によ
って実行される当り系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
【0656】
演出制御装置300は、まず、受信した当り系コマンドのMODE部がファンファーレ
を表すか否かを判定する(B2101)。当り系コマンドのMODE部がファンファーレ
を表す場合(B2101の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドが大当りファンファー
レコマンド(又は小当りを設ける場合には小当りファンファーレコマンド)である場合、
ファンファーレ演出を設定するためのファンファーレ演出設定処理を実行する(B210
2)。なお、ファンファーレコマンドには、今回の大当りのラウンド数上限値の情報が含
まれている。続いて、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグに
ファンファーレ中を設定し(B2103)、当り系コマンド処理を終了する。なお、ラウ
ンド数上限値は、図柄系コマンド(停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンド)から
判定される図柄種別からも得ることができる。
【0657】
演出制御装置300は、受信した当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表さ
ない場合には(B2101の結果が「N」)、当り系コマンドのMODE部がラウンドを
表すか否かを判定する(B2104)。MODE部がラウンドを表す場合(B2104の
結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドがラウンドコマンド(又は小当りを設ける場合に
は小当り開放中コマンド)である場合、演出制御装置300は、ラウンド演出を設定する
ためのラウンド演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す
遊技状態フラグにラウンド中を設定し(B2105、B2106)、当り系コマンド処理
を終了する。
【0658】
受信した当り系コマンドのMODE部がラウンドを表さない場合には(B2104の結
果が「N」)、演出制御装置300は、当り系コマンドのMODE部がインターバルを表
すか否かを判定する(B2107)。MODE部がインターバルを表す場合(B2107
の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドがインターバルコマンドである場合、演出制御
装置300は、インターバル演出を設定するためのインターバル演出設定処理を実行し、
現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにインターバル中を設定
し(B2108、B2109)、当り系コマンド処理を終了する。なお、小当りで大入賞
口が一回だけ開放される場合、即ち、小当りが1ラウンドである場合、インターバルコマ
ンドはない。
【0659】
受信した当り系コマンドのMODE部がインターバルを表さない場合には(B2107
の結果が「N」)、演出制御装置300は、当り系コマンドのMODE部がエンディング
を表すか否かを判定する(B2110)。MODE部がエンディングを表す場合(B21
10の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドがエンディングコマンド(又は小当りを設
ける場合には小当り終了画面コマンド)である場合、演出制御装置300は、エンディン
グ演出を設定するためのエンディング演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状
態(P機状態)を示す遊技状態フラグにエンディング中を設定し(B2111、B211
2)、当り系コマンド処理を終了する。
【0660】
なお、受信した当り系コマンドのMODE部がエンディングを表さない場合には(B2
110の結果が「N」)、演出制御装置300は、いずれの処理も実行せずに、当り系コ
マンド処理を終了する。
【0661】
〔画面遷移〕
次に、図53Aおよび図53Bを参照して、飾り特別図柄(飾り識別情報、飾り図柄)
の構成要素と変動態様について説明する。
【0662】
図53Aは、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、変動表示ゲ
ーム(飾り特図変動表示ゲーム)が行われるときの画面遷移の一例(前半)である。同様
に、図53Bは、変動表示ゲームが行われるときの画面遷移の一例(後半)である。
【0663】
図53Aの(あ)は、変動表示ゲームが行われる前の、すなわち飾り特別図柄が停止表
示されているときの表示装置41の表示画面である。
【0664】
表示装置41の表示画面の中央には、複数の変動表示領域610(左の変動表示領域6
10A(左領域)、右の変動表示領域610B(右領域)、中央の変動表示領域610C
(中領域))が設けられている。これらの左の変動表示領域610A、右の変動表示領域
610B、中央の変動表示領域610Cには、飾り特別図柄(飾り第1図柄)として左図
柄611a(第1の識別情報)と、右図柄611b(第2の識別情報)と、中図柄611
c(第3の識別情報)とが、直前の変動表示ゲームのはずれ停止図柄(例えば「786」
)でそれぞれ停止表示されている。
【0665】
ここで、左図柄611aは、数字613a(数字部分、文字部分、文字構成要素)だけ
から構成される。同様に、中図柄611cは、数字613c(数字部分、文字部分、文字
構成要素)だけから構成される。飾り特別図柄の演出態様(表示態様)として、飾り特別
図柄を数字だけから構成して表示する態様を第1表示態様と呼ぶ。
【0666】
一方、右図柄611bは、キャラクタ612b(キャラクタ部分、キャラクタ構成要素
)及び数字613b(数字部、文字構成要素、文字部分)との複数の構成要素から構成さ
れる。なお、飾り特別図柄が、キャラクタと数字を含む場合に、異なる数字に対しても同
じキャラクタを用いてもよいし、キャラクタを数字ごとに異ならせてもよい。飾り特別図
柄の演出態様として、飾り特別図柄を数字とキャラクタから構成して表示する態様を第2
表示態様と呼ぶ。
【0667】
表示装置41の表示画面の右部には、変動表示ゲームが飾り特別図柄(小図柄)によっ
て実行される変動表示領域615が設けられている。変動表示領域615の小図柄は、直
前の変動表示ゲームの停止図柄(例えば「786」)で停止表示されている。なお、変動
表示ゲームが実行されている場合には、変動表示領域610及び変動表示領域615のう
ちの少なくとも1つが表示される。また、変動表示領域610及び変動表示領域615の
変動表示の結果は、互いに一致する内容となる。
【0668】
表示装置41の表示画面の左上隅には、特図1保留数表示部650と特図2保留数表示
部660とが設けられる。特図1保留数表示部650と特図2保留数表示部660には、
図1保留数を示す数字「3」と特図2保留数を示す数字「0」がそれぞれ表示されてい
る。
【0669】
表示装置41の表示画面の下部には、始動記憶表示領域(特定表示部、特定表示領域)
として、第1保留表示部630と保留消化領域640(変動中保留表示領域)とが設けら
れる。
【0670】
第1保留表示部630には、発生した第1始動記憶(特図1保留)に対応する保留表示
(始動記憶表示、特図1保留表示、待機中保留表示)633が表示される。例えば図53
Aの(あ)では、保留表示633が3個表示される。
【0671】
保留消化領域640には、例えば図53Aの(い)に示すように、実行中(消化中)の
変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)に係る第1始動記憶(特図1保留)に対応する
保留表示(始動記憶表示、特図1保留表示、特図変動中保留表示、特図消化中保留表示)
として変動中保留表示633aが表示される。
【0672】
なお、遊技状態等に応じて、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち一方
の変動表示ゲームが、主となる変動表示ゲームとして定められている。例えば、通常遊技
状態では、主となる変動表示ゲームは特図1変動表示ゲームとなる。また、時短状態等の
特定遊技状態では、主となる変動表示ゲームが特図2変動表示ゲームとなる。特定遊技状
態では、始動記憶として第2始動記憶が発生し易くなり、保留消化領域640の横等に設
けられる第2保留表示部に、発生した第2始動記憶(特図2保留)に対応する保留表示(
図2保留表示)が表示されるようになる。
【0673】
表示装置41の表示画面の左下隅には、前回の大当り終了からのゲーム数(変動表示ゲ
ーム数、例えば「299G」)が表示される。当該ゲーム数の表示から、遊技者は時短天
井ゲーム数(所定回数、いわゆる天井回数)に達するまでに必要なゲーム数を把握するこ
とができる。なお、当該ゲーム数は、通常の確率状態(低確率状態)におけるゲーム数と
し、確変状態(高確率状態)で実行された変動表示ゲームの回数は含めなくてもよい。
【0674】
図53Aの(い)は、変動表示ゲームが開始された後の、すなわち飾り特別図柄の変動
表示が開始された後の表示装置41の表示画面である。
【0675】
変動表示ゲームが開始される際に、第1保留表示部630に表示されている保留表示6
33が右側に1つずつ移動(保留シフト)するとともに、第1保留表示部630の右端の
1つの保留表示633が保留消化領域640に移動し、保留消化領域640の四角枠内に
変動中保留表示633aとして表示される。
【0676】
変動表示ゲームが開始されると、図53Aの(い)に示すように、変動表示領域610
の飾り特別図柄や変動表示領域615の小図柄が変動表示(「↓↓↓」)される。これら
の変動表示は、変動演出設定処理のステップB2010、B2013で、演出制御装置3
00によって変動演出の一環として設定される。なお、変動表示ゲーム(飾り特図変動表
示ゲーム)の変動に関して、リーチ成立前の変動を前半変動と呼び、リーチ成立後(リー
チ中)の変動を後半変動と呼ぶことがある。表示装置41の表示画面の左下隅には、変動
表示ゲームの開始に伴い+1カウントされたゲーム数(例えば「300G」)が表示され
る。また、特図1保留数表示部650は、現在の特図1保留(第1始動記憶)の数「2」
を表示し、特図2保留数表示部660は、現在の特図2保留(第2始動記憶)の数「0」
を表示する。
【0677】
リーチ成立前の前半変動において、図53Aの(い)に示すように、右図柄611bは
縦スクロールで変動表示される。例えば、縦スクロールでは、1から9までの数字に対応
する9個の一連の複数の図柄(飾り識別図柄)が、順番に表示画面に出現して縦方向(上
下方向)に表示画面を横切って移動した後、表示画面から消える。なお、右図柄611b
を縦スクロールさせる際に、図53Aの(い)に矢印で示すように、右図柄611bを曲
線状に移動させてもよい。また、右図柄611bは、横方向に一連の複数の図柄が移動す
る横スクロールで、変動表示されてもよい。
【0678】
他方で、図53Aの(い)に示すように、リーチ成立前の前半変動において、左図柄6
11aと中図柄611cは、変動表示の方向が右図柄611bとは異なり、軸を中心に回
転するように遊技者に視認される回転変動で変動表示される。(い)の回転変動は、一つ
の図柄が回転するような態様でなく、一連の複数の図柄が一回転するごと(半回転や45
度回転するごとなどでもよい)に切り換えて表示される態様である。なお、回転変動に代
えて、重なった一連の複数の図柄が前後方向に移動するように遠近法などによって見せる
前後変動(前後スクロール)や、単に一連の複数の図柄を同じ位置で順番に切り換えて表
示する切り換え変動や、一つの図柄が小さく揺れるような揺れ変動が行われてもよい。
【0679】
なお、左図柄611aと中図柄611cの回転変動(前後変動、切り換え変動、揺れ変
動でも可)は、図柄が表示画面を横切らない変動であり、右図柄611bの縦スクロール
とは異なり、右の変動表示領域610Bのように一方向(スクロール方向)に長く延びる
広い変動表示領域を必要としない。従って、左図柄611aと中図柄611cの回転変動
によって、左の変動表示領域610Aや中央の変動表示領域610Cが、右の変動表示領
域610Bよりも小さく(狭く)なる。このため、変動表示以外の演出を行う演出領域を
有効に確保できるとともに、左図柄611a、右図柄611b、及び、中図柄611cの
各変動表示を視認し易くなり、遊技の興趣が向上する。
【0680】
また、図53Aの(い)に示すように、表示画面の下部において、第1保留表示部63
0には保留(第1始動記憶)に対応する保留表示633が2つ表示され、四角形枠の保留
消化領域640には実行中の変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)に係る保留(この
特図変動表示ゲームの実行権利となっていた始動記憶)を示す変動中保留表示633aが
表示されている。しかし、左図柄611aと中図柄611cの回転変動によって、左の変
動表示領域610Aや中央の変動表示領域610Cが小さくなり、第1保留表示部630
や保留消化領域640と重ならないため、左図柄611aと中図柄611cも、保留表示
633または変動中保留表示633aと重なることがなく、左図柄611a、中図柄61
1c、保留表示633、又は、変動中保留表示633aの視認性が良好なものとなり、遊
技の興趣が向上する。
【0681】
なお、図53Aの(い)では、左図柄611aと中図柄611cとを両方とも回転変動
させているが、どちらかの図柄のみを回転変動させるようにしてもよい。また、縦スクロ
ールさせる図柄は、右図柄611bに限らず、左図柄611aや中図柄611cを縦スク
ロールさせてもよい。
【0682】
なお、(い)では、回転変動させる図柄(左図柄611a又は中図柄611c)は、数
字(数字613a又は数字613c)のみで構成される第1表示態様となり、縦スクロー
ルで変動させる図柄(右図柄611b)は、数字(数字613b)とキャラクタ(キャラ
クタ612b)から構成される第2表示態様となる。さらに、回転変動から縦スクロール
に変更することもできるが、回転変動から縦スクロールに変更した図柄の表示態様は、第
1表示態様(数字のみ)から第2表示態様(数字+キャラクタ)に適宜切り替えることが
できる。逆に、縦スクロールから回転変動に変更することもできるが、縦スクロールから
回転変動に変更した図柄の表示態様を、第2表示態様(数字+キャラクタ)から第1表示
態様(数字のみ)に適宜切り替えてもよい。
【0683】
また、遊技状態や大当り確率の設定値、大当り期待度、演出背景(ステージ)等に応じ
て、これらの飾り特別図柄のうちどの図柄を縦スクロールさせ、他の図柄を回転変動させ
るかを決定してもよい。このような態様によれば、飾り特別図柄の変動態様から設定値や
期待値を報知できるので、遊技の興趣を高めることができる。また、特定遊技状態や特殊
なステージ等の限定された状態でのみ飾り特別図柄の変動態様が他の状態とは異なること
によって、限定感のあるレアな演出を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高め
ることができる。また、上記遊技状態等に応じて、スクロール方向(横スクロール、縦ス
クロール)や回転方向(時計回り、反時計回り)、変動速度も適宜変更してもよい。
【0684】
図53Aの(う)は、リーチ成立前の前半変動において、飾り特別図柄が仮停止状態と
なったときの表示装置41の表示画面である。
【0685】
表示装置41の表示画面には、図53Aの(う)に示すように、変動表示領域610の
左図柄611a、中図柄611c、右図柄611bがそれぞれ仮停止(例えば「432」
)して、揺れ変動(振動動作)を行っている。これらの飾り特別図柄は、揺れ変動で動作
しているため、完全に止まっていない仮停止状態であることを遊技者に報知できる。なお
図53Aの(う)や(え)に示す仮停止状態において、第1表示態様(文字のみ)で表
示されている飾り特別図柄では、揺れ変動に代えて、一つの図柄が回転するような態様で
回転変動が行われてもよい。
【0686】
仮停止状態において、左図柄611aと右図柄611bとを結ぶ直線よりも左下方の位
置に、中図柄611cが表示されており、これらの飾り特別図柄の配置関係は逆三角形に
なっている。なお、中図柄611cを右上方に表示することで、飾り特別図柄の配置関係
を三角形にしてもよい。また、図53Aの(う)に示す飾り特別図柄の配置関係は鈍角三
角形になっているが、左図柄611aと右図柄611bとをより近くに位置させたり、こ
れらの図柄による直線からより離れた位置に中図柄611cを表示させることで、配置関
係を鋭角三角形にしてもよい。また、仮停止状態の左図柄611aと右図柄611bと中
図柄611cとを等間隔で表示することで、飾り特別図柄の配置関係を正三角形にしても
よい。このように、飾り特別図柄の配置関係を直線状ではなく三角形状とすることで、意
外性のある演出を行うことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0687】
なお、全ての飾り特別図柄が仮停止されなくてもよく、1つまたは2つの飾り図柄(例
えば左図柄611aと右図柄611b)のみが仮停止されるようにしてもよい。また、こ
れらの飾り特別図柄は、例えば「432」という通常の表示態様で仮停止状態になってい
るが、例えば中図柄611cに「連」等の擬似連図柄を表示して仮停止と当該仮停止後の
擬似変動とを繰り返す擬似連続演出を行ってもよい。
【0688】
仮停止状態において、左図柄611aは動作幅Da(第1動作幅)で左右方向(横方向
)に揺れ変動を行っている。同様に、右図柄611bは動作幅Db(第2動作幅)で上下
方向(縦方向)に、中図柄611cは動作幅Dc(第3動作幅)で横方向に揺れ変動を行
っている。左図柄611aの動作幅Daと中図柄611cの動作幅Dcは、同じ動作幅(
振動幅、振幅)で、右図柄611bよりも大きな動作幅になっており、遊技者に注目させ
易くなっている(Da=Dc>Db)。なお、右図柄611bは比較的小さな動作幅にな
るが、キャラクタ612bが付加されており、当該キャラクタ612bの表示態様(静止
画、動画等)によって右図柄611bを遊技者に注目させ易くできる。
【0689】
このように、第1表示態様(数字のみ)の左図柄611aと中図柄611cは、第2表
示態様(数字+キャラクタ)の右図柄611bと比べて、図柄を構成する構成要素の数(
識別情報の演出態様を構成する演出要素)が少ないが、右図柄611bの動作幅Dbと比
べて大きな動作幅Da(Dc)になっている。そのため、構成要素の数が少なく目立ち難
い図柄ほど仮停止時に揺れ変動の動作幅が大きくなることによって当該図柄が強調される
ので、目立ち難い図柄でも遊技者に認識させ易くでき、遊技の興趣を高めることができる
。なお、構成要素の数が少ない図柄(左図柄611aと中図柄611c)があると、表示
画面において演出を行うスペースが確保でき、右図柄611bにキャラクタ612bを付
加し易くなる。
【0690】
また、例えば、図柄上の数字やキャラクタの大きさ(サイズ)が小さいものほど、揺れ
変動の動作幅を大きくしてもよく、当該態様によっても目立ち難い図柄を遊技者に認識さ
せ易くでき、遊技の興趣を高めることができる。なお、数字やキャラクタの大きさ(サイ
ズ)が小さい図柄があると、表示画面において演出を行うスペースが確保できる。
【0691】
さらに、図柄が目立たない色(例えば、青系統や白黒、透明度が低いもの)であるほど
動作幅を大きくしてもよく、図柄のキャラクタ(例えばキャラクタ612b)が活躍しな
い目立たないキャラクタ(例えば主人公チームではなく、村人等のサブキャラクタ(脇役
))であるほど動作幅を大きくしてもよい。
【0692】
さらに、遊技状態や大当り確率の設定値、大当り期待度、演出背景(ステージ)等に応
じて、これらの飾り特別図柄の仮停止時における揺れ変動の動作幅を変更してもよい。こ
のような態様によれば、揺れ変動の動作幅から設定値や期待値を報知できるので、遊技の
興趣を高めることができる。また、特定遊技状態や特殊なステージ等の限定された状態で
のみ揺れ変動の動作幅が他の状態とは異なることによって、限定感のあるレアな演出を遊
技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0693】
なお、左図柄611aと中図柄611cは、図柄の基準位置(例えば軸)を中心にして
、左右方向(横方向)に揺れ変動を行っているが、代わりに上下方向(縦方向)に揺れ変
動を行ってもよい。また、右図柄611bも同様に、左右方向に揺れ変動を行ってもよい
。さらに、これらの飾り特別図柄は、上下方向及び左右方向での振動の位相を同位相また
は逆移送にして斜め方向に揺れ変動を行ってもよい。また、上下方向及び左右方向での振
動の位相を同位相または逆移送からずらして、円状または楕円状に動かしてもよい。
【0694】
なお、図53Cの(う1)に、右図柄611bも、左図柄611aと中図柄611cと
同様に、左右方向に揺れ変動を行う場合を示す。この場合も、左図柄611aの動作幅D
aと中図柄611cの動作幅Dcは、同じ動作幅(振動幅、振幅)で、右図柄611bよ
りも大きな動作幅になっており、遊技者に注目させ易くしてよい(Da=Dc>Db)。
仮停止前の(い)において、右図柄611bと左図柄611aと中図柄611cの複数の
識別情報のうち変動態様が少なくとも一部(右図柄611b)で異なっていたが、仮停止
中には仮停止態様としての揺れ方向を同じ方向に共通化させる。このため、遊技者に驚き
を与えたり、仮停止態様に統一感をもたせて、遊技の興趣を向上できる。なお、ここでは
、揺れ方向を左右方向に共通化させるが、上下方向などに共通化させてもよい。
【0695】
また、図53Cの(う1)において、右図柄611bと左図柄611aと中図柄611
cの仮停止態様の一部の要素として、揺れ方向の他に、周期的に揺れる揺れ周期を同じに
し共通化して、複数の識別情報の仮停止態様に統一感をもたせて遊技の興趣を向上しても
よい。また、複数の識別情報の揺れ方向を同じにするが揺れ周期は異ならせる構成も可能
である。なお、図53Aの(う)において、右図柄611bは、左図柄611aと中図柄
611cとは、揺れ方向が異なるが、右図柄611bの揺れ周期は、左図柄611aと中
図柄611cとは異ならせて差異をより明確にしてもよいし、同じにしてある程度統一感
を生じさせもよい。
【0696】
また、以上のように、仮停止状態において、動作幅や振動方向などの振動態様(揺れ変
動の態様)が図柄によって異なるため、面白みのある演出が実行でき遊技の興趣が向上す
る。
【0697】
なお、目立つように、変動中保留表示633aも振動させて表示することもできる。例
えば、変動中保留表示633aの振動幅を左図柄611a(又は、中図柄611c、右図
柄611b)の動作幅Da(又は、Dc、Db)よりも大きくして、遊技者に注目させる
ことができる。また、変動中保留表示633aを大当りの期待度に応じた振動幅で振動さ
せて表示することもできる。例えば期待度が大きい場合に、変動中保留表示633aの振
動幅を左図柄611a(又は、中図柄611c、右図柄611b)の動作幅Da(又は、
Dc、Db)よりも大きくすると、遊技の興趣が向上する。
【0698】
図53Aの(え)は、リーチが成立する直前に飾り特別図柄が仮停止状態となったとき
の表示装置41の表示画面である。
【0699】
表示装置41の表示画面には、図53Aの(え)に示すように、変動表示領域610の
中図柄611cが回転変動で変動表示された状態で、左図柄611a、右図柄611bが
それぞれ仮停止(例えば「2↓2」)して、揺れ変動(振動動作)を行っている。すなわ
ち、左図柄611a、右図柄611bは、図53Aの(う)に示す図柄とは異なる図柄で
仮停止している。
【0700】
また、図53Aの(え)では、上下方向に揺れ変動する右図柄611bは、左右方向に
揺れ変動する左図柄611aとは、揺れ方向が異なるが、図53Cの(え1)のように、
右図柄611bと左図柄611aの両方とも左右方向に揺れ変動を行って、仮停止態様を
共通化してもよい。なお、図53Cの(え1)では、右図柄611bと左図柄611aが
周期的に揺れる揺れ周期を(う1)から変化させて長くしたり短くして、遊技者に驚きを
与えることによって遊技の興趣を向上させてもよい。
【0701】
図53Aの(え)に示すように、左図柄611aと右図柄611bが特別結果態様とな
る条件を満たした状態(同じ図柄、同一の識別情報、例えば「2」「2」)で仮停止する
ことによって、リーチ状態に移行することができる。
【0702】
また、中図柄611cが回転変動で変動表示されることで、広い変動表示領域が必要と
ならないので、遊技者は左図柄611aと右図柄611bの飾り特別図柄(識別情報)を
視認し易くなり、リーチ状態になることを容易に認識できる。加えて、中図柄611cを
透明状態または半透明状態で回転変動させることによって、左図柄611aと右図柄61
1bの仮停止状態を相対的に目立ち易くさせてもよい。
【0703】
図53Aの(お)は、リーチが成立する際の表示装置41の表示画面である。(お)か
ら(か)にかけて、リーチが成立する過程(様子)を示す。なお、(え)もリーチが成立
する過程に含めてもよい。
【0704】
特別結果態様となる条件を満たした状態で仮停止(図53Aの(え))するとすぐに、
図53Aの(お)に点線の矢印で示すように、左図柄611aは下方向に移動し、右図柄
611bはキャラクタ部分のみが小さくなりつつ上方向に移動する。中図柄611cは、
軸回転から縦スクロールになり、表示画面の中央付近に移動する。このように、変動表示
領域610の飾り特別図柄は、リーチコール時の位置へと移動する。リーチコールは、リ
ーチ状態であることやリーチ演出が開始されることを音声等により報知(コール)する演
出になる。
【0705】
なお、変動表示領域610の飾り特別図柄がリーチコール時の位置へ移動する際には、
移動過程を遊技者に視認させる演出が行われることなく瞬間的に移動が完了するが、移動
過程を遊技者に視認させる演出を行ってもよい。
【0706】
図53Aの(か)は、リーチが成立しリーチコールが行われるときの表示装置41の表
示画面である。
【0707】
変動表示領域610の飾り特別図柄は、リーチコール時の位置、すなわち表示画面の上
下方向(縦方向)における中心付近にあたる位置に、横一列に並ぶように配列される。
【0708】
中図柄611cは、右図柄611bの仮停止する前の変動表示の方向、すなわち表示画
面の縦方向(上下方向)に大きく縦スクロールしているが、当該縦スクロールの中心(重
心)の位置が左図柄611aや右図柄611bと横一列に並ぶことになる。すなわち、中
図柄611cの縦スクロールが行われる領域である中央の変動表示領域610Cの中心(
重心)の位置が、左の変動表示領域610Aや右の変動表示領域610Bの中心の位置と
、横一列に並ぶことになる。
【0709】
そして、これまでの位置(図53Aの(い)等)とは異なる位置に飾り特別図柄が配列
されることによって、リーチが成立して後半変動になったことを遊技者に報知できる。し
たがって、当該報知によって、後半変動でリーチ演出が行われることを遊技者に期待させ
、大当りに対する期待感を高めることができるので、遊技の興趣を向上させることができ
る。また、中図柄611cの変動表示の方向が右図柄611bの仮停止する前の変動表示
の方向と同じになり対応することになる(変動表示の方向が揃えられる)ので、中図柄6
11cの回転変動による遊技者の違和感をなくすとともに、遊技者に驚きを与えて遊技の
興趣を高めることができる。
【0710】
なお、右図柄611bの構成態様は、左図柄611aや中図柄611cの構成態様と同
じ第1表示態様(数字のみ)になるので、これら3つ(3種類)の飾り特別図柄に共通性
が出て遊技者の違和感をなくすとともに、遊技者に驚きを与えて遊技の興趣を高めること
ができる。さらに、遊技者は、新たな構成態様に変更された右図柄611bに注目するた
め、リーチが成立したことなど遊技の進行を理解し易くなる。
【0711】
また、左図柄611aと右図柄611bは、同じ図柄のままで仮停止して揺れ変動して
いるが、同じ図柄のままで仮停止して回転変動を行ってもよい。
【0712】
さらに、右図柄611bは、リーチコール時の位置に移動する際に、キャラクタ部分と
数字部分からなる表示態様(第2表示態様)から、数字部分のみの表示態様(第1表示態
様)に切り替わる。このように、右図柄611bを数字部分のみの表示態様に切り替えて
簡素に表示させることによって、後半変動でのリーチ演出を表示するためのスペース(画
面スペース)が確保し易くなる。
【0713】
加えて、リーチ成立前とリーチ成立後において、小さな変動表示領域615で変動表示
される飾り特別図柄である小図柄は、構成態様と変動態様が変化することがない。したが
って、一定の表示態様で変動表示される小図柄を遊技者が確認できるので、遊技者に安心
感を与えることができる。なお、小図柄は、前述の第四特別図柄(第4図柄)であっても
よい。
【0714】
次に、図53Bの(き)は、リーチ成立後の後半変動において、リーチ演出が開始され
た後の表示装置41の表示画面である。
【0715】
例えば、リーチ演出としてSP2リーチが選択されると、表示画面の中央には敵のキャ
ラクタ621と対峙する味方のキャラクタ622が表示されて、対戦を行うバトル演出が
開始される。敵のキャラクタ621には、右図柄611bに数字とともに付加されていた
キャラクタ612bに対応する(同一の)キャラクタを表示できる。
【0716】
なお、敵のキャラクタ621の表示態様(キャラクタの種類)によって、バトルに勝利
する演出となった際に、停止する飾り特別図柄を示唆してもよい。例えば、「2」の右図
柄611bに付加されていたキャラクタ612bと同じキャラクタが敵のキャラクタ62
1として登場した場合に、バトルに勝利することによって大当り結果となり飾り特別図柄
が「222」で停止することを遊技者が期待することができる。そのため、例えば大当り
遊技後に確変状態(特定遊技状態)に移行する大当り結果(確変大当り結果)となる奇数
図柄(「1」、「3」等)で右図柄611bが仮停止し、バトル演出で当該右図柄611
bのキャラクタ612bに対応する敵のキャラクタ621が登場することで、確変大当り
を遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0717】
なお、仮停止する右図柄611bのキャラクタ612bの表示態様と、当該キャラクタ
612bに対応する敵のキャラクタ621の表示態様とによって、大当りになる期待度を
報知してもよい。例えば、キャラクタ612bやキャラクタ621の縁やその周囲に赤色
や金色等のエフェクトがさらに付加されることによって、大当りを遊技者に期待させるこ
とができ、遊技の興趣を高めることができる。また、キャラクタ612bやキャラクタ6
21の種類や、これらのキャラクタの服装(装備)や動きによって、大当りになる期待度
を報知してもよい。
【0718】
また、表示画面の上部には、数字のみの表示態様(第1表示態様)の左図柄611aと
右図柄611bが左上隅と右上隅にそれぞれ表示される。したがって、リーチ演出を表示
するためのスペースを表示画面の中央付近により広く確保し易くなり、リーチ演出の内容
を遊技者に強調し易くなるので、遊技の興趣を高めることができる。
【0719】
さらに、第1保留表示部630の待機中の保留表示633(2個)が非表示になり、保
留消化領域640が表示画面の右下隅に四角枠なしで表示されて変動中保留表示633a
をバトル演出中も確認できる。したがって、先読み演出や連続予告演出等による保留変化
(保留変化予告)で期待度が高い表示態様になる場合などに、どのような表示態様の変動
中保留表示633aに基づいて変動表示ゲームが行われているかを遊技者が確認できるの
で、大当りへの期待感を高め易くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0720】
図53Bの(く)は、後半変動におけるリーチ演出で、対戦ムービー(ムービー演出、
動画演出)が表示されているときの表示装置41の表示画面である。
【0721】
演出制御装置300は、選択されたリーチ演出に応じて表示画面の中央に対戦ムービー
を表示させることができる。例えば、変動表示ゲームが特別結果(大当り結果)となる場
合には、大当りに対応するリーチ演出として敵のキャラクタ621に味方のキャラクタ6
22が勝利する対戦ムービーを表示させることができる。他方で、例えば変動表示ゲーム
が特別結果(大当り結果)とならない場合、すなわち大当りでないときには、はずれに対
応するリーチ演出として例えば敵のキャラクタ621に味方のキャラクタ622が敗北す
る対戦ムービーを表示させることができる。
【0722】
なお、変動表示ゲームが特別結果(大当り結果)となる場合に、敵のキャラクタ621
に味方のキャラクタ622が一度敗北してから、逆転勝利する逆転勝利演出によって、大
当りを報知してもよい。その際、昇格演出を行い、偶数図柄(例えば「222」)から奇
数図柄(例えば「111」)に飾り特別図柄を切り替えて確変大当りであることを報知し
てもよい。これらの態様によれば、変動表示ゲームが大当りや確変大当りにならないと落
胆した遊技者に対し、意外性のある演出で高い遊技価値を提供できるので、遊技の興趣を
向上させることができる。
【0723】
また、バトル演出後に偶数図柄(例えば「222」)が表示された際に、停止表示にせ
ずに一時的に仮停止させてから発展演出(例えば全回転リーチ演出)を行ってもよい。こ
のような態様によれば、バトル演出前に仮停止した右図柄611bに対応する図柄(例え
ば「2」)以外の図柄で、大当り結果を導出できるようになるので、例えば偶数図柄でバ
トル演出に移行した際でも、遊技者は確変大当りを期待することができ、遊技の興趣を高
めることができる。
【0724】
図53Bの(け)は、変動表示ゲームが特別結果(大当り結果)で変動停止したときの
表示装置41の表示画面である。
【0725】
変動表示ゲームが特別結果(大当り結果)で変動停止すると、変動表示領域610の飾
り特別図柄は例えば「222」という大当り図柄(特別結果態様)で停止表示される。ま
た、変動表示領域610Bの小図柄も同様に例えば「222」という大当り図柄で停止表
示される。
【0726】
また、変動表示ゲームが停止表示されることで、保留消化領域640の消化中であった
変動中保留表示633aが非表示にされる。
【0727】
その後、演出制御装置300は、ファンファーレ演出を実行する。そして、遊技状態は
大当り状態(特別遊技状態)に変わり、遊技者は大当り遊技(特別遊技)を行うことがで
きる。
【0728】
〔揺れ変動時の変動態様の変形例〕
続いて、図54を参照して、仮停止状態における図柄(特に左図柄611aと中図柄6
11c)の揺れ変動時の変動態様(揺れ方)の変形例について説明する。
【0729】
図54は、仮停止状態で揺れ変動を行っている図柄の時間経過に伴う表示態様の変化(
変動態様)を示す3種類の図である。
【0730】
図54の揺れ方#1は、平面図柄オブジェクトまたは立体図柄オブジェクトとしての図
柄(例えば「3」)の全体的な平行移動による変動態様である。なお、揺れ方#1は、図
53Aの(う)(え)で上述した右図柄611bが横方向に揺れ変動(振動)する場合に
用いる変動態様として好適であるが、揺れ方#2や揺れ方#3を用いてもよい。
【0731】
例えば、揺れ方#1では、左図柄611aの動作幅Da(または中図柄611cの動作
幅Dc、右図柄611bの動作幅Db)は、表示画面上での図柄の中心の移動距離になる
。左右方向への揺れ変動となるので、図柄の基準位置となる中心は、点(中心点)に限ら
ず、図柄の軸(中心軸)と言うこともできる。揺れ変動を行っているときの図柄の中心は
、例えば図54の揺れ方#1に3本の一点破線で示すように、左の一点破線から中、右、
中、左の一点破線へと時間の経過とともに順に移動し、横軸上の座標が正弦曲線(サイン
カーブ)を描くように周期的に移動する。
【0732】
次に、図54の揺れ方#2は、平面図柄オブジェクトとしての図柄(例えば「3」)の
軸回転による変動態様である。図53Aの(い)に示すような左図柄611aおよび中図
柄611cの回転変動と同様に、図柄の軸を中心に回転するが、揺れ方#2の揺れ変動で
は、回転が左右70度程度で止まり、逆方向への回転(反転)を繰り返す揺動態様となる
【0733】
例えば、揺れ方#2では、図柄の中心は移動せずに一点破線上で図柄全体が回転(揺動
)するのに伴い横方向に伸び縮みするように見える。そのため、動作幅Da(Dc)は、
図54の揺れ方#2の下部に大小の矢印で示すように、図柄全体の横幅(大きな矢印)ま
たは変化幅(小さな矢印)であると定義される。
【0734】
続いて、図54の揺れ方#3は、立体図柄オブジェクトとしての図柄(例えば「3」)
の軸回転による変動態様である。なお、揺れ方#3は、図53Aの(う)(え)で上述し
た左図柄611aおよび中図柄611cの揺れ変動時に用いる変動態様として好適である
が、揺れ方#1や揺れ方#2を用いてもよい。
【0735】
例えば、揺れ方#3では、動作幅Da(Dc)は、表示画面上での図柄の表面中心の移
動距離になり、3本の一点破線で示すように横軸上の座標が正弦曲線状に周期的に移動す
る。また、図柄全体の回転(揺動)に伴い、立体図柄オブジェクト(図柄)の側部が横方
向に伸び縮みするように見える。図54の揺れ方#3では、図柄全体が回転(揺動)して
も図柄の表面(正面)は伸び縮みしないので、表面の数字(例えば「3」)を常に同じ大
きさで表示することができ、図柄の視認性をよくすることができる。
【0736】
なお、図柄全体の回転(揺動)に合わせて、図柄の側部とともに表面(正面)の伸び縮
みを揺れ方#2と同様に行うようにしてもよい。このような態様によれば、図柄の立体感
をより自然に表現し易くなり、図柄が立体状のオブジェクトであることを強調した演出に
できる。
【0737】
また、図54では、左右方向(横方向)における変動態様(揺れ方)の変形例について
説明したが、図53Aの(う)の説明で上述したように上下方向(縦方向)や斜め方向、
円状または楕円状に図柄を動かした際に、当該変形例を適用してもよい。
【0738】
[第1実施形態の作用・効果]
第1実施形態に係る遊技機10は、遊技に関する設定値を設定する制御、及び、遊技に
関する制御を実行可能な制御手段(遊技制御装置100)を備える。遊技機10において
、設定値の設定又は確認を許容する許容状態を示す第1状態(例えばオン状態)と、許容
状態でない非許容状態を示す第2状態(例えばオフ状態)とに切り替える操作が可能な第
1操作手段(例えば設定キースイッチ93)と、操作によって記憶手段(例えばRAM)
をクリアすることが可能な第2操作手段(例えばRAM初期化スイッチ112、RAMク
リアボタン)と、を備える。第1操作手段と第2操作手段は、少なくとも電源投入の際に
おいて操作可能である。制御手段(遊技制御装置100)は、電源投入後の遊技可能な状
態(遊技中又は客待ち中)で操作された場合でも、第1操作手段と第2操作手段の操作に
関する操作情報を記憶手段に記憶可能である。
【0739】
このような遊技機10によれば、電源投入の際と、遊技可能な状態とで、処理を統一化
又は共通化して簡単化することができる。特に、第1操作手段(例えば設定キースイッチ
93)と第2操作手段(例えばRAM初期化スイッチ112)から信号を入力して記憶手
段(例えばRAM)に記憶する入力処理、及び、入力処理を含むタイマ割込み処理を統一
化又は共通化し易くなる。また、遊技可能な状態において、悪意のある者の不正によって
、第1操作手段又は第2操作手段が操作された場合でも、証拠として操作情報を記憶でき
る。さらに、電源遮断時に記憶されている第1操作手段と第2操作手段の操作に関する操
作情報を電源投入の際に持ち越すことができるため、電源投入の際にスイッチ立ち上がり
エッジが早く成立する可能性がある。
【0740】
第1実施形態では、制御手段(遊技制御装置100)は、記憶手段に記憶した第1操作
手段(例えば設定キースイッチ93)と第2操作手段(例えばRAM初期化スイッチ11
2)の操作情報を、電源投入の際に遊技の開始までに削除可能である。なお、削除は、記
憶手段を上書き又は更新することを含む。これにより、遊技可能な状態が終了する電源遮
断時に記憶手段(例えばRAM)に記憶されていた操作情報をいつまでも保持することの
不具合を解消することができる。
【0741】
第1実施形態では、枠の開放に関する枠開放情報(例えばガラス枠開放検出スイッチ6
3からの信号と本体枠開放検出スイッチ64からの信号)と、第2操作手段(RAM初期
化スイッチ112)の操作情報が、同じポート(例えば入力ポート1)に入力される。第
1操作手段(設定キースイッチ93)の操作情報が、枠開放情報と第2操作手段(RAM
初期化スイッチ112)の操作情報とは異なり他のポート(例えば入力ポート4)に入力
される。制御手段(遊技制御装置100)は、同じポートから枠開放情報と第2操作手段
の操作情報を読み込み、他のポートから第1操作手段の操作情報を読み込む。
【0742】
従って、記憶手段(RAM)をクリアすることが可能な第2操作手段(RAM初期化ス
イッチ112)に枠を開放してアクセスする構成の場合に、記憶手段のクリアに関係する
枠開放情報と第2操作手段の操作情報が同じポート(入力ポート1)にまとめて入力され
るため、配線が理解しやすくなりメンテナンスや配線チェックが簡単になるとともに、遊
技制御用プログラムの開発が効率よく行える。また、第1操作手段(設定キースイッチ9
3)と第2操作手段(RAM初期化スイッチ112)の操作情報が異なるポートに入力す
るため、不正による設定変更を防止することができる。
【0743】
第1実施形態では、遊技機10は、設定値を設定する制御に用いる信号を検出する第1
検出手段(例えば設定キースイッチ93、RAM初期化スイッチ112)と、遊技に関す
る制御に用いる信号を検出する第2検出手段(例えば始動口スイッチ、入賞口スイッチな
ど)と、エラーに関する信号を検出する第3検出手段(例えば磁気センサスイッチ、開放
検出スイッチなど)と、を備える。制御手段(遊技制御装置100)は、設定値を設定す
る制御の実行中に、第1検出手段からの信号(情報)を記憶手段(例えばRAM)に記憶
可能であり、遊技に関する制御の実行中に、第1検出手段からの信号(情報)を記憶手段
に記憶しない一方、第2検出手段又は第3検出手段からの信号(情報)を記憶手段に記憶
可能である。
【0744】
従って、遊技に関する制御(例えば第2タイマ割込み処理)の実行中に、不要な第1検
出手段からの信号(情報)を記憶手段に記憶しないため、無駄な処理がなくなる。
【0745】
第1実施形態では、制御手段(遊技制御装置100)は、遊技として、識別情報を変動
表示する変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行可能である。制御手段は、変動表
示ゲームの停止結果が特定結果(例えば時短図柄)となる場合に、当該停止結果の表示が
終了したときに、遊技者に有利な特定遊技状態(例えば時短状態)を発生可能である(A
5146、A5147)。また、制御手段は、変動表示ゲームの変動表示が停止したとき
に、特定遊技状態における変動表示ゲームの実行回数を計数する(A4707、A470
9)。
【0746】
従って、変動表示ゲームの変動表示が停止したときに計数された実行回数が先に発生し
た特定遊技状態(時短状態)の時短回数(時間短縮変動回数の初期値)に到達したときに
、ちょうど特定結果(時短図柄)が導出されて、後の特定遊技状態(時短状態)に突入す
るような場合でも、停止結果の表示が終了してから後の特定遊技状態が発生することにな
る。このため、停止結果の表示がされる停止表示時間の分だけ、先の特定遊技状態(時短
状態)が一旦終了したことが明確になるとともに、後の特定遊技状態の開始も明確になる
【0747】
第1実施形態では、制御手段(遊技制御装置100)は、遊技として、識別情報を変動
表示する変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行可能である。制御手段は、変動表
示ゲームの停止結果が特別結果(大当り結果)となる場合に、遊技者に有利な特別遊技状
態(大当り状態)を発生可能である。制御手段は、特別遊技状態の終了後に、特別結果の
抽選に関する所定確率状態(低確率状態)で変動表示ゲームが所定回数(天井回数)だけ
実行された場合に、当該変動表示ゲームの停止結果の表示が終了したときに、特定遊技状
態(時短状態)を発生可能である(A5143、A5147)。また、制御手段は、変動
表示ゲームの変動表示が停止したときに、特定遊技状態における変動表示ゲームの実行回
数を計数する(A4707、A4709)。
【0748】
従って、変動表示ゲームの変動表示が停止したときに計数された実行回数が先に発生し
た特定遊技状態(時短状態)の時短回数(時間短縮変動回数の初期値)に到達したときに
、ちょうど変動表示ゲームの回数が所定回数(天井回数)になって、後の特定遊技状態(
時短状態)に突入するような場合でも、停止結果の表示が終了してから後の特定遊技状態
が発生することになる。このため、停止結果の表示がされる停止表示時間の分だけ、先の
特定遊技状態(時短状態)が一旦終了したことが明確になるとともに、後の特定遊技状態
の開始も明確になる。
【0749】
第1実施形態では、制御手段(遊技制御装置100)は、変動表示ゲームの停止結果の
表示が終了したときに、所定確率状態(低確率状態)での変動表示ゲームの回数を計数す
る(A5129)。従って、停止結果の表示がされる停止表示時間の分だけ、先の特定遊
技状態(時短状態)が一旦終了したことが明確になるとともに、後の特定遊技状態の開始
もさらに明確になる。
【0750】
第1実施形態では、制御手段(遊技制御装置100)は、電源投入後の遊技可能な状態
において、特別遊技状態の発生を伴って、特別遊技状態に続いて遊技者に有利な第1特定
遊技状態(例えば第1時短状態)を発生可能であるとともに、特別遊技状態の発生を伴わ
ずに遊技者に有利な第2特定遊技状態(例えば第2時短状態)を発生可能である。制御手
段は、第2特定遊技状態が発生した場合に、第1特定遊技状態の発生と区別して、第2特
定遊技状態の発生を示す外部情報(例えば128msecのオン状態の大当り3信号)を
遊技機10の外部に出力可能である。従って、遊技機10の外部にある外部装置(ホール
コンピュータ等)は、第1特定遊技状態を混同することなく、第2特定遊技状態の発生を
認識でき遊技場の係員や責任者に報知することができる。
【0751】
なお、例えば、第1特定遊技状態は、特図変動表示ゲームの通常大当り結果(確変大当
りでない大当り結果)による時短状態である。第2特定遊技状態は、低確率状態での特図
変動表示ゲームの天井回数到達による時短状態(天井時短)、或いは、特図変動表示ゲー
ムの時短図柄の停止結果による時短状態(突然時短)である。
【0752】
第1実施形態に係る遊技機10は、複数の識別情報(飾り特別図柄(飾り第1図柄(左
図柄611a、右図柄611b、中図柄611c)、小図柄))を変動表示させるゲーム
(変動表示ゲーム、飾り特図変動表示ゲーム)を演出として表示手段(例えば表示装置4
1)に表示可能な演出制御手段(演出制御装置300)を備える。演出制御手段は、表示
手段において識別情報を振動(揺れ変動)させて表示する仮停止を実行可能であり、仮停
止における識別情報の振動する振動態様(振動幅、揺れ動作量、揺れ方)が、識別情報の
演出態様(第1表示態様、第2表示態様)を構成する演出要素(例えば構成要素(数字、
キャラクタ))に応じて異なる。
【0753】
このような遊技機10によれば、識別情報の演出要素に応じて仮停止時の識別情報の振
動する振動態様を異ならせることができるので、識別情報を強調させて遊技者に認識させ
易くでき、遊技の興趣を高めることができる。
【0754】
また、遊技機10では、演出要素は、識別情報を識別できるように構成する構成要素(
キャラクタ、数字)であり、大きな構成要素(キャラクタ部分)を含まない方が、振動態
様(振動幅)が大きくなる。このような遊技機10によれば、大きな構成要素を含まずに
目立ち難い識別情報ほど仮停止時の振動態様を大きくできるので、当該識別情報を強調さ
せて遊技者に認識させ易くでき、遊技の興趣を高めることができる。
【0755】
また、遊技機10では、演出要素は、識別情報を識別できるように構成する構成要素(
キャラクタ、数字)であり、構成要素の数が少ない識別情報の方が、構成要素の数が多い
識別情報よりも振動態様(振動幅)が大きくなる。このような遊技機10によれば、構成
要素の数が少なく目立ち難い識別情報ほど仮停止時の振動態様を大きくできるので、当該
識別情報を強調させて遊技者に認識させ易くでき、遊技の興趣を高めることができる。
【0756】
また、遊技機10では、演出要素は、仮停止する前における識別情報の変動態様(回転
変動、縦スクロール、横スクロール)であり、変動態様が特定の変動態様(回転変動)で
ある場合に、振動態様(振動幅)を大きくする。このような遊技機10によれば、変動表
示される際の変動表示領域が狭く目立ち難い識別情報ほど仮停止時の振動態様を大きくで
きるので、当該識別情報を強調させて遊技者に認識させ易くでき、遊技の興趣を高めるこ
とができる。
【0757】
また、遊技機10では、特定の識別情報(左図柄611a、中図柄611c)は、第1
構成要素(第1識別要素=数字部分)を有する第1表示態様で表示され、他の識別情報(
右図柄611b)は、第1構成要素(第1識別要素=数字部分)と第2構成要素(第2識
別要素=キャラクタ部分)とを有する第2表示態様で表示される。このような遊技機10
によれば、特定の識別情報と他の識別情報とで表示態様を異ならせて変動表示を行えるの
で、通常の識別情報の表示態様とは異なる表示態様になり意外性のある演出を行うことが
でき、遊技の興趣を高めることができる。
【0758】
また、遊技機10では、仮停止において、特定の識別情報(左図柄611a、中図柄6
11c)は特定の振動態様(軸周りの揺れ(揺動態様))で振動し、他の識別情報(右図
柄611b)は特定の振動態様でない振動態様(全体的な平行移動)で振動する。このよ
うな遊技機10によれば、特定の識別情報と他の識別情報とで振動態様を異ならせて仮停
止状態にできるので、通常の識別情報の仮停止状態とは異なる仮停止状態になり意外性の
ある演出を行うことができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0759】
なお、上記第1実施形態では、目立ち難い識別情報ほど仮停止時の遊技態様を大きくし
た例について説明したが、目立つ識別情報の仮停止時の振動態様を大きくさせて、当該識
別情報をより目立たせて強調してもよい。このような遊技機10によれば、より目立たせ
たい識別情報を遊技者に認識させ易くできメリハリのある演出を行えるので、遊技の興趣
を高めることができる。
【0760】
また、遊技機10では、演出制御手段は、複数の識別情報(左図柄611a、右図柄6
11b、中図柄611c)のうち少なくとも一部の変動態様を異ならせ、表示手段(例え
ば表示装置41)において複数の識別情報の仮停止(例えば揺れ変動)を実行可能であり
、仮停止における複数の識別情報の仮停止態様(例えば振動態様)を、複数の識別情報で
同じ方向とすることが可能である。即ち、複数の識別情報の仮停止態様の一部の要素(揺
れ方向の他に揺れ周期なども含んでよい)を共通化することが可能である。
【0761】
このような遊技機10によれば、変動態様が少なくとも一部で異なっていた複数の識別
情報に対して、仮停止中には仮停止態様が同じ方向に共通化されるため、遊技者に驚きを
与えて遊技の興趣を向上できる。
【0762】
[第2実施形態]
図55から図57を参照して、第2実施形態について説明する。なお、以下で述べる以
外の構成は、第1実施形態と同様でよい。また、第1実施形態と同じ機能を果たす構成に
は同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。
【0763】
第2実施形態は、表示装置41等において、リーチ状態で実行される演出例に関するも
のであり、第1実施形態の図53Bの演出に代えて実行されてよい。第2実施形態の演出
例によって、遊技の興趣を向上させることができる。演出例に係る演出は、変動演出設定
処理のステップB2010、B2013で、演出制御装置300によって設定される。
【0764】
〔演出例1〕
図55に示す演出例1は、第1実施形態の図53Aの(か)に続いて表示装置41の表
示画面でスペシャルリーチ(SPリーチ、特定リーチ)中に実行される演出の例である。
ここで、SPリーチは、例えば前述のSP2リーチであるが、SP1リーチでもSP3リ
ーチでもよい。
【0765】
(さ)では、ノーマルリーチ(Nリーチ)からSPリーチに発展して、キャラクタ62
1とキャラクタ622のバトル演出(対戦演出)が開始される。キャラクタ621は敵の
キャラクタであり、キャラクタ622は味方のキャラクタであるが、逆でもよい。バトル
演出で戦うキャラクタの紹介として、バトル演出の開始時に、キャラクタ621とキャラ
クタ622が左右方向に並んで配置されている。
【0766】
左図柄611aは、並んで配置されたキャラクタ621とキャラクタ622の左上側の
変動表示領域610Aにおいて、同じ図柄「2」のまま回転変動で変動表示され、一定の
軸を中心に軸回転するように遊技者に視認される。右図柄611bは、並んで配置された
キャラクタ621とキャラクタ622の右下側の変動表示領域610Bにおいて、同じ図
柄「2」のまま回転変動で変動表示され、一定の軸を中心に軸回転するように遊技者に視
認される。ここで、左図柄611aと右図柄611bは、図柄が切り換わることなく同じ
図柄のまま表示画面から消えないため、仮停止の状態にある。
【0767】
即ち、この仮停止の状態では、左図柄611aと右図柄611bは、それぞれ、表示画
面の左上隅と右下隅にある所定位置の周りの一定範囲内で周期的に動作する(周期運動す
る)。ここでは、所定位置は、軸回転の軸に対応し、一定範囲は、表示画面に表示された
図柄の縦幅と最大の横幅である。
【0768】
なお、仮停止の状態で、左図柄611aと右図柄611bは、一定周期で回転変動して
いるが、回転変動に代えて、図54の#3のように、軸の周りで揺れ変動(振動)をして
もよい。なお、揺れ変動する場合に、興趣向上ために揺れ角や揺れ幅は図54の#3と異
なってよい。図54で、軸は、真ん中の一点破線(一点鎖線)に対応する。
【0769】
リーチ状態になる前に中央の変動表示領域610Cに表示されていた中図柄611cは
、リーチ状態後に非表示にされるか又は半透明で視認困難な状態となっている。また、大
図柄(左図柄611a、右図柄611b)に比較して小さい飾り特別図柄である小図柄は
、表示画面の右端の小さな変動表示領域615で変動表示される。
【0770】
また、キャラクタ621とキャラクタ622の表示の邪魔にならないように、左図柄6
11aは、構成要素として数字613aだけから構成され、右図柄611bは、構成要素
として数字613bだけから構成される。数字613aと数字613bは、各々、立体的
な数字を立体オブジェクト(3Dオブジェクト)として表示画面に投影した形で示される
。数字613aと数字613bは、同じ数字「2」である。
【0771】
図柄は、図53Aのリーチ前に、大きなキャラクタ及び小さな数字との複数の構成要素
から構成される場合もある。しかし、リーチ後の左図柄611aと右図柄611bは、大
きな構成要素であるキャラクタ(キャラクタ部分)を含まないし、図柄を識別できるよう
に構成する構成要素(識別要素)の数が少ない。
【0772】
左図柄611aと右図柄611bは、SPリーチの仮停止状態において所定態様で変動
表示(回転変動又は揺れ変動)する場合、それぞれ、数字613aと数字613bの立体
オブジェクトの正面だけの第1構成態様(さ)や、側面だけの第2構成態様(所定構成態
様)(せ)で表示可能である。なお、現在実行中の特図変動表示ゲームにおいて、SPリ
ーチの仮停止よりも前のスクロール表示中(通常変動中)や揺れ変動中に、左図柄611
aと右図柄611bは、側面だけの図柄パターンとなる第2構成態様(所定構成態様)で
表示されることはない。このため、SPリーチ状態における飾り特別図柄(リーチ図柄=
左図柄611a又は右図柄611b)による演出を、側面だけの表示によって他のリーチ
状態(例えばNリーチ状態)よりも面白くしたり強調したりすることができる。
【0773】
また、図53Aの(い)(え)などの回転変動中に左図柄611a又は右図柄611b
は、側面だけの図柄パターンとなる第2構成態様で表示される可能性があるが、回転変動
の回転速度を早くして(回転周期を短くして)、側面だけの図柄パターンは視認し難くす
るか、側面だけの図柄パターンに対応する動画のコマをなくして第2構成態様で表示しな
い。しかし、図55の回転変動中に、左図柄611a又は右図柄611bは、同じ数字で
回転変動の回転速度を遅くして(回転周期を長くして)、側面だけの図柄パターンとなる
第2構成態様を確実に視認できるようにする。
【0774】
本実施形態において、回転変動又は揺れ変動での変動表示(所定態様での変動表示)は
、動画(アニメーション)として画像ROM325に記憶されてよい。この場合に、飾り
特別図柄の演出を動画(アニメーション)で面白く表示することができ、遊技の興趣が向
上する。さらに、回転変動と揺れ変動以外の態様(スクロール表示等)での変動表示は、
画像ROM325に記憶された飾り特別図柄の静止画に基づいて表示してよい。例えば、
スクロール表示等での変動表示は、飾り特別図柄の静止画を表示画面での表示位置を変え
ることによって表示してよい。
【0775】
図1保留数表示部650では、特図1保留(第1始動記憶、特図1始動記憶)の数「
2」が表示され、特図2保留数表示部660では、現在の特図2保留(第2始動記憶、特
図2始動記憶)の数「0」が表示される。実行中の特図変動表示ゲームに係る保留(この
特図変動表示ゲームの実行権利となっていた始動記憶)を示す変動中保留表示633aが
、表示画面の右下隅において、右図柄611bの右下側の保留消化領域640に表示され
ているが、保留消化領域640の四角枠は表示されない。
【0776】
前回の大当り状態(特別遊技状態)の終了以後に実行された特図変動表示ゲームの回数
(ゲーム数)が、キャラクタ621とキャラクタ622の表示の邪魔にならないように、
表示画面の左下隅で「300G」と表示されている。
【0777】
次に、(し)では、後述の帯画像703a、703bが表示されることを強調する強調
演出として、複数の特別画像701a、701bを特別表示態様で表示する。特別表示態
様としてのスクロール表示によって、一方の特別画像701aは一方向(例えば右)に移
動し、他方の特別画像701bは反対方向(例えば左)に移動する。特別画像701a、
701bは、左図柄611aと変動中保留表示633a(又は右図柄611b)の視認性
を害さないように、左図柄611aと変動中保留表示633a(又は右図柄611b)の
間を通過するように移動してよい。なお、特別画像701aは左図柄611aと一部が重
複してもよいし、特別画像701bは右図柄611bと一部が重複してもよいが、左図柄
611aと右図柄611bは、特別画像701a、701bよりも手前側又は前面側(上
層側のレイヤ)に表示される。これにより、左図柄611aと右図柄611bの視認性が
害されず、リーチ状態であることがわかりやすくなる。
【0778】
特別画像701a、701bは、帯状であるが、後述の帯画像703a、703bと同
様に、表示画面の端から端に亘る左右の全幅で配置されてよいし、また、帯状以外の他の
形状でもよい。特別画像701a、701bは、斜線で示すように長手方向に垂直な方向
(上下方向)の両端に装飾部702a、702bを備える。装飾部702a、702bは
、特別画像701a、701bの長手方向に延在し、所定演出要素として所定の色(例え
ば黄色)や所定の模様(例えば縞模様)を有する。興趣向上のために、この色や模様は、
特別画像701a、701bが移動するに伴って変化してよい。特別画像701a、70
1bにおいて、装飾部702a、702bの間には、文字「チャンス」が表示されている
。なお、装飾部702a、702bは、特別画像701a、701bとは異なる画像(画
像データ)であって、特別画像701a、701bの上下の周囲に配されるエフェクトで
あってもよい。
【0779】
続いて、(す)では、特定画像として帯画像703a、703bが表示される。帯画像
703aの手前側又は前面側(上層側のレイヤ)には、左図柄611aの全部又は一部、
及び、保留(始動記憶)に関する表示として特図1保留数表示部650と特図2保留数表
示部660が、帯画像703aに重ねて表示される。帯画像703bの手前側又は前面側
には、右図柄611bの全部又は一部、保留に関する表示としての変動中保留表示633
a、及び、特図変動表示ゲームの回数(ゲーム数、ここでは300G)が、帯画像703
bに重ねて表示される。
【0780】
帯画像703a、703bは、各々、表示画面の端から端に亘って左右の全幅で表示さ
れる。帯画像703a、703bは、(し)の特別画像701a、701bと同様に、特
別表示態様としてのスクロール表示によって、一方の帯画像703aは一方向(例えば右
)に移動し、他方の帯画像703bは反対方向(例えば左)に移動する。帯画像703a
、703bと特別画像701a、701bは、共通して特別表示態様(スクロール表示)
で表示されるため、演出に連続性が出て遊技の興趣が向上する。
【0781】
複数の帯画像703a、703bの間には、バトル演出中のキャラクタ621とキャラ
クタ622が左右方向に並んで配置されているとともに、小図柄の変動表示領域615が
配置される。これにより、帯画像703a、703bに邪魔されずに、キャラクタ621
とキャラクタ622と小図柄が視認できる。バトル演出は、キャラクタ621とキャラク
タ622が登場するムービー(動画)として表示されてよい。
【0782】
帯画像703a、703bは、(し)の特別画像701a、701bと同様に、各々、
長手方向に垂直な方向(上下方向)の両端に装飾部704a、704b(斜線)を備える
。装飾部704a、704bは、帯画像703a、703bの長手方向に延在し、所定演
出要素として所定の色(例えば黄色)や所定の模様(例えば縞模様)を有する。この色や
模様は、特別画像701a、701bの装飾部702a、702bの色や模様と同じでよ
い。なお、帯画像703a、703bの一部ではなく全部を装飾部704a、704bと
してもよい。
【0783】
また、帯画像703a、703bにおいて、装飾部704a、704bの間には、特定
演出要素(特定構成要素)として文字「チャンス」が表示されている。帯画像703a、
703bにおいて、装飾部704a、704bを固定して、部分的に文字「チャンス」だ
けを特別表示態様としてのスクロール表示によって移動することもできる。
【0784】
また、帯画像703a、703bの上下方向の幅は、(し)の特別画像701a、70
1bの縦方向(上下方向、長手方向に垂直な方向)の幅よりも狭く。特別画像701a、
701bが表示画面の端から端に亘って左右の全幅で表示される場合には、帯画像703
a、703bが特別画像701a、701bを縦方向に縮めたように視認できるため、演
出に連続性が出て遊技の興趣が向上する。
【0785】
左図柄611aと右図柄611bは、前述のように、立体的な数字を立体オブジェクト
として表示画面に投影した形で表示するものであるが、(さ)~(す)において、便宜上
、第1演出態様として、立体的な数字の正面(前面、表面、数字として認識できる面、第
1構成態様)が表示されている。
【0786】
(す)において、左図柄611aと右図柄611bの第1演出態様(正面の表示)は、
帯画像703a、703bの一部である装飾部704a、704bと異なる演出要素(色
(赤色等)や模様(塗りつぶし等))を有し、所定演出要素(所定の色(黄色等)や所定
の模様(縞模様等))を有さない。そして、左図柄611aと右図柄611bを帯画像7
03a、703bから明確に区別できる。このため、左図柄611aと右図柄611bが
帯画像703a、703bに重ねて手前側又は前面側に表示されても、遊技者は、帯画像
703a、703bだけではなく、帯画像703a、703bよりも小さな左図柄611
aと右図柄611bにも注目する。
【0787】
次に、(せ)では、(す)の状態から所定の時間だけ経過して、左図柄611aと右図
柄611bは、(す)の状態から90度回転したように視認されて、第2演出態様として
、立体的な数字の側面(数字として認識できない面(図54の#3のハッチング部も参照
)、第2構成態様)だけが表示されている。即ち、左図柄611aと右図柄611bは、
第1演出態様から第2演出態様に変化して表示される。所定の時間は、左図柄611aと
右図柄611bの軸回転の回転周期の4分の1である。また、スクロール表示によって、
(す)の状態から、一方の帯画像703aは一方向(例えば右)に移動し、他方の帯画像
703bは反対方向(例えば左)に移動する。
【0788】
左図柄611aと右図柄611bの第2演出態様(側面の表示)は、第1演出態様(正
面の表示)の演出要素(色や模様)と異なり、帯画像703a、703bの一部である装
飾部704a、704bと同じく、所定演出要素(所定の色(黄色等)や所定の模様(縞
模様等))を有する。従って、左図柄611aと右図柄611bの第2演出態様では、左
図柄611aと右図柄611bを帯画像703a、703bから明確には区別し難い。こ
のため、左図柄611aと右図柄611bが帯画像703a、703bに重ねて手前側又
は前面側に表示されても、遊技者は、左図柄611aと右図柄611bではなく、左図柄
611aと右図柄611bよりも大きな帯画像703a、703bに注目する。
【0789】
以上のように、リーチ状態での左図柄611aは、帯画像703aの少なくとも一部(
装飾部704a)と異なる演出要素を有したり同じ演出要素を有したりして変化すること
で、遊技者は左図柄611aを把握又は認識しやすくなるとともに、左図柄611aと帯
画像703aの両方に注目することになる。また、同様に、リーチ状態での右図柄611
bは、帯画像703bの少なくとも一部(装飾部704b)と異なる演出要素を有したり
同じ演出要素を有したりして変化することで、遊技者は右図柄611bを把握又は認識し
やすくなるとともに、右図柄611bと帯画像703bの両方に注目することになる。
【0790】
なお、本実施形態では、一回の特図変動表示ゲームにおいて、リーチの仮停止状態にお
ける所定態様での変動表示よりも前に、飾り特別図柄(左図柄611a、右図柄611b
、中図柄611c)において所定演出要素は表示されないものとする。従って、仮停止状
態において所定態様で変動表示される飾り特別図柄(リーチ図柄=左図柄611a又は右
図柄611b)による演出のみを、所定演出要素の表示(例えば側面の所定の色(黄色等
)や所定の模様(縞模様等)の表示)によって面白くしたり強調したりすることができる
【0791】
(せ)の後、左図柄611aと右図柄611bは、90度回転した状態からさらに回転
を続けて180度、270度、360度回転した状態になり、最終的には(け)のように
停止表示される。なお、回転変動に代えて、図54の揺れ方#3のように揺れ変動する場
合には、(せ)の90度回転した状態から、逆回転して、0度(正面)、-90度回転し
た状態になり、-90度から正回転して再度0度(正面)になり、最終的には(け)のよ
うに停止表示されてよい。
【0792】
以上のように、SPリーチ状態(仮停止状態)において所定態様で変動表示される飾り
特別図柄(リーチ図柄)でしか、飾り特別図柄の所定構成態様(例えば側面)や所定演出
要素(例えば側面の所定の色や所定の模様)が視認されない。飾り特別図柄の所定構成態
様は、側面以外に、立体オブジェクトの飾り特別図柄を一方向から見た他の面、例えば、
正面の反対側の面である裏面でもよい。その他、飾り特別図柄を構成する所定構成態様と
しては、飾り特別図柄に付加されるエフェクト(炎等)や、飾り特別図柄に付加される前
述の(う)(え)以外のキャラクタなどの付加要素が挙げられる。また、その他、飾り特
別図柄の所定演出要素としては、飾り特別図柄に付加されるエフェクトの動作(炎が燃え
る等)や、飾り特別図柄に付加されるキャラクタの特殊な動作((う)(え)以外の動作
)などの図柄アクション(図柄動作)が挙げられる。また、飾り特別図柄の所定構成態様
や所定演出要素を表示するとともに、スピーカから特殊な音を出力したり、盤装飾装置4
6の所定のLEDを特殊な発光態様で発光させたり、可動役物を動作させたり、演出ボタ
ン25の操作演出(遊技者の操作を促す操作促進表示、及び/又は、遊技者の操作に対応
する操作対応演出)を実行してもよい。これらによっても、遊技の興趣がさらに向上する
【0793】
〔演出例2〕
図56に示す演出例2は、第1実施形態の図53Aの(か)に続いて表示装置41の表
示画面で実行され、Nリーチからスペシャル2リーチ(SP2リーチ)へ発展することを
示唆する発展演出の例である。発展演出は、SP2リーチの前兆演出となり得るが、SP
2リーチへ発展せずに途中で終了する失敗パターンがあってもよい。発展演出をスペシャ
ル1リーチ(SP1リーチ)とし、SPリーチに含めてもよい(SP1リーチを弱SPリ
ーチと、SP2リーチを強SPリーチと呼んでよい)。
【0794】
(た)は、発展演出開始時の表示画面を示す。(た)では、図55の(さ)のようにキ
ャラクタ621、622が表示される代わりに、発展演出の開始を報知する文字「発展図
柄を完成させろ」が表示される。それ以外は、(さ)と同様である。
【0795】
次に、(ち)では、中図柄611cとして、発展図柄713が表示画面の中央で形成さ
れている。キャラクタ711は、発展図柄713を形成する形成演出として、発展図柄7
13を形成するように、例えば鉛筆で発展図柄713を描くように動作する。なお、発展
図柄713は、部分から全部へ徐々に形成される他に、透明な状態から不透明な状態へ徐
々に変化することによって形成されてもよい。
【0796】
キャラクタ711は、リーチ前の(う)(え)(お)で表示されている右図柄611b
のキャラクタ612bと異なるが、同じキャラクタでもよい。異なるキャラクタであれば
、演出が発展演出に移行したことが明確になり、同じキャラクタであれば、演出に連続性
が出る。
【0797】
そして、(つ)では、発展図柄713の形成演出が終了して、発展図柄713が完成す
る。このとき、キャラクタ711の画像は、(ち)の状態から拡大されて移動し、発展図
柄713の背面側(下層側のレイヤ)で発展図柄713に隠れて、表示画面の中央におい
て表示される。完成した発展図柄713には、文字「発展」が付されているが、この文字
は、発展先の演出であるSP2リーチの内容を示す「対戦」などでもよい。なお、失敗パ
ターンとして、(つ)に至らず、発展図柄713が完成せずに、はずれ図柄が表示される
ような場合もある。
【0798】
次に、(て)では、発展図柄713が完成したことを祝福する祝福演出として、発展図
柄713が半透明又は透明になり、発展図柄713の背面側にあるキャラクタ711の画
像が発展図柄713を透過して視認される。これにより、遊技者は驚いて、遊技の興趣が
向上する。即ち、発展図柄713が完成した後に半透明又は透明になることなく、次の演
出画面(例えば(と)や(な))に切り替わるような場合よりも、(て)の場合の方が、
面白みのある演出となる。さらに、祝福演出として、文字「やったね」が表示される。
【0799】
なお、(つ)から(て)において、キャラクタ711の画像を表示せずに、発展図柄7
13が半透明又は透明になった場合に、発展図柄713の背面側にある背景画像が発展図
柄713を透過して視認されるようにしてもよい。
【0800】
その後、(と)では、発展演出として、さらに、上部演出ユニット40c(可動役物)
が下方に移動して、ガラス枠15のカバーガラス14の後方且つ表示装置41の前方に設
けられる導光板(図示せず)が星状に3箇所で発光する。代わりに、(と)ではムービー
が表示されてもよい。
【0801】
次に、(な)では、発展後のバトル演出であるSP2リーチが開始し、SP2リーチ又
はバトル演出の大当りの期待度が、期待度表示717において星のマークの数で表示され
る。その後、例えば、図55の(し)に移行する。
【0802】
〔演出例3〕
図57に示す演出例3は、第1実施形態の図53Bの(く)に続いて表示装置41の表
示画面で実行される当落報知演出の例である。当落報知演出は、特図変動表示ゲームの結
果(はずれ結果又は大当り結果)を表示装置41で表示する直前に実行される大当りの期
待度の高い演出である(例えば50%以上の期待度など)。なお、当落報知演出は、実行
されると大当りがほぼ確定される確定演出でもよい(100%に近い期待度)。
【0803】
図57において、図2の上部演出ユニット40cと左右の側部演出ユニット40dが簡
略化して図示されている。
【0804】
上部演出ユニット40cは、動作可能な可動役物(盤演出装置44の一部)であり、発
光部材としての一又は複数のLED(盤装飾装置46の一部)を備える。本実施形態では
、上部演出ユニット40cのLEDは、色が白色に固定された白色LEDを含むが、白色
に代えて他の特定色(赤など)のLEDを含んでもよい。
【0805】
左右の側部演出ユニット40dは、固定されたもの(単なる発光役物又は装飾)として
示されるが可動役物でもよい。各側部演出ユニット40dは、発光部材としての複数のフ
ルカラーLED(盤装飾装置46の一部)を備える。フルカラーLEDは、赤(R)、緑
(G)、青(B)で発光する半導体素子を有し、それぞれの半導体素子に流す電流の大き
さを変えて各半導体素子からの光の強度を変えることによって、フルカラーLED全体で
の発光色を変化できる。
【0806】
(は)では、SPリーチの状態において、上部演出ユニット40cは、下方に落下する
ように移動動作を開始する。ここで、上部演出ユニット40cと側部演出ユニット40d
は、発光していないが発光してもよい。SPリーチは、SP1リーチ、SP2リーチ、S
P3リーチのいずれでもよい。
【0807】
表示装置41の表示画面の中央では、虹色に発光する虹色表示720が表示される。虹
色表示720は、虹色の画像(動画像でもよい)を表示することによって表示されてよい
。虹色表示720の表示されるタイミングは、上部演出ユニット40cの移動動作の開始
前、開始時、開始後のいずれでもよい。虹色表示720は、円環状や円状でよいが、他の
形状でもよい。本実施形態において、虹色は、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、藍色、紫
色の7色を含むように構成されるが、7色よりも少ない複数の色を含むように構成されて
もよい。
【0808】
また、虹色表示720において、便宜上、7色の各色の領域が明確に区別されて半径方
向に7つの色境界(隣り合う色の境界)が設けられ、色相環のように色が位置に対して段
階的に変化している。しかし、実際には、虹色表示720の色は、位置に対して色が滑ら
か且つ連続的に変化するグラデーション状であってよい。即ち、上記の7色は代表的な色
を示したもので、黄緑色や赤紫色など中間的な色を含んでよい。また、虹色表示720に
おいて、色が円周方向に沿って変化するが、色が変化する態様はこれに限られず、例えば
、まだら状でもよい。
【0809】
さらに、虹色表示720が回転することによって、虹色表示720の各色の領域は、図
中の矢印のように円周方向に沿って時間的に回転移動して循環する。従って、虹色表示7
20を表示する表示領域内で画面に固定された各点の色は、時間的に7色に変化すること
になる。虹色表示720の各色の領域が移動する回転速度(循環速度)は速く、各色の領
域の配置が元に戻る回転周期(循環周期)は短い。なお、各色の領域の回転方向(移動方
向)は、各色の領域の配置方向と同じになり、ここでは時計回りであるが、反時計回りで
もよい。
【0810】
以上のような(は)における虹色の発光態様を第1虹色発光と呼ぶ。第1虹色発光では
、虹色の各色の領域は、第一方向(ここでは時計回り)に循環し、循環速度は速く循環周
期は短い。第1虹色発光は、表示装置41によって実行される。
【0811】
次に、(ひ)では、上部演出ユニット40cが(は)の初期位置から所定の距離だけ下
方に移動した状態を示す。ここで、虹色表示720は消え、表示画面の中央では、新たに
、白色に発光する白色表示722が表示される。白色表示722は、白色の画像(動画像
でもよい)を表示することによって表示されてよい。
【0812】
白色表示722は、上部演出ユニット40c又はその一部と同形であり円状でよいが、
同形でなくてもよい。本実施形態において、白色表示722のサイズは、虹色表示720
よりも小さく、上部演出ユニット40cと略同一であるが、これに限られず、虹色表示7
20と上部演出ユニット40cよりも大きくてもよい。白色表示722と虹色表示720
のサイズが異なると、白色表示722と虹色表示720が区別しやすくなり、演出にメリ
ハリが出る。
【0813】
続いて、(ふ)では、(ひ)の状態からさらに下方に移動して、上部演出ユニット40
cが停止した状態を示す。ここで、上部演出ユニット40cは、白色表示722に前方か
ら重なる所定の動作位置にある。そして、上部演出ユニット40cは、(は)の第1虹色
発光と同じ発光態様で発光し、上部演出ユニット40cの虹色の各色の領域は、第一方向
(時計回り)に循環する。しかし、第1虹色発光に比較して、上部演出ユニット40cの
虹色の各色の領域の循環速度は速く循環周期は短い。なお、上部演出ユニット40cの虹
色の発光領域の全体は、図示する円状の領域でなく、(は)と同じく円環状でもよいし、
他の形状でもよい。
【0814】
(ふ)における発光態様は、第1虹色発光に白色表示722の白色(特定色)の発光を
重ねて追加した第2虹色発光になる。第2虹色発光は、表示装置41と動作位置にある上
部演出ユニット40cによって実行される。なお、第2虹色発光を実現するために、上記
とは逆に、上部演出ユニット40cが白色に発光し、白色表示722に代えて、虹色表示
を虹色表示720と同様に表示装置41に表示してもよい。
【0815】
次に、(へ)では、表示画面で白色表示722が消えて白色発光が消灯し、上部演出ユ
ニット40cも消灯した消灯状態になる。消灯状態によって、遊技者は、発光態様が切り
替わることを認識しやすくなる。
【0816】
その後、(ほ)では、上部演出ユニット40cが所定の動作位置から初期位置に戻るた
めに上昇する。そして、左右の側部演出ユニット40dが、それぞれ、虹色(例えば7色
)に発光する。各側部演出ユニット40dにおいて、7色の各色の領域は、明確に区別さ
れてもよいし、滑らか且つ連続的に色変化するグラデーション状であってよい。
【0817】
左右の側部演出ユニット40dの全体において、各色の領域は、図中の矢印のように円
周方向に沿って時間的に回転移動して循環する。従って、側部演出ユニット40dの各位
置の色は、時間的に7色に変化することになる。なお、右の側部演出ユニット40dの各
色の領域は、下方に移動し、左の側部演出ユニット40dの各色の領域は、上方に移動す
る。(は)と(ふ)に比較して、各色の領域が移動する回転速度(循環速度)は遅く、各
色の領域の配置が元に戻る回転周期(循環周期)は長い。なお、各色の領域の回転方向は
、時計回りであるが、反時計回りでもよい。
【0818】
以上のような、(ほ)における虹色の発光態様を第3虹色発光と呼ぶ。第3虹色発光で
は、虹色の各色の領域は、第1虹色発光と同じく第一方向(ここでは時計回り)に循環し
、第1虹色発光や第2虹色発光よりも循環速度(移動速度)は遅く循環周期は長い。第3
虹色発光は、表示装置41と、その周囲の側部演出ユニット40d(発光役物)によって
実行される。即ち、第3虹色発光は、表示装置41と、その周囲の遊技盤30の盤装飾装
置46のLEDによって実行される。
【0819】
色の領域の循環速度(移動速度)又は循環周期が第3虹色発光と第1虹色発光とで異な
ることによって、演出にメリハリが出て遊技の興趣が向上する。また、第3虹色発光と第
1虹色発光との間に、第2虹色発光があることによっても、演出にメリハリが出て遊技の
興趣が向上する。また、色の領域の循環方向(移動方向)は、第1虹色発光と第2虹色発
光と第3虹色発光とで共通しており、演出の連続性が生じて遊技の興趣が向上する。
【0820】
次に、(ま)では、図53Bの(け)と同じく、大当りの停止図柄「222」が表示さ
れ、以降、ファンファーレ演出やラウンド演出などの大当り演出が実行される。なお、第
3虹色発光は、大当り演出における発光態様でも使用される。
【0821】
以上のように、リーチ状態で実行される演出例1、2、3を説明したが、演出例1、2
、3は、大当りの期待度、時短状態や確変状態などの遊技状態、演出モード(ステージ)
に応じて、いずれかが選択されて実行されてもよい。また、特図変動表示ゲームの結果が
時短結果である場合、又は、特図変動表示ゲームの回数が所定回数(時短天井ゲーム数、
天井回数)に到達した場合に、飾り停止図柄として前述の時短図柄が表示されるが、この
場合の特図変動表示ゲームにおいて、演出例1、2、3のいずれかの演出が実行されても
よい。また、演出例1、2、3を適宜組み合わせて実行することも可能である。
【0822】
[第2実施形態の作用・効果]
第2実施形態に係る遊技機10は、識別情報を変動表示させるゲーム(変動表示ゲーム
)を演出として表示手段(例えば表示装置41)に表示可能である。識別情報(例えば立
体的な数字としての左図柄611aと右図柄611b)は、特定画像(例えば帯画像70
3a)の前面側に表示され、少なくとも第1態様(例えば正面の表示)と第2態様(例え
ば側面の表示)に変化して表示される。特定の演出要素(例えば色)に関して、第1態様
(正面の表示)と第2態様(側面の表示)は異なる(上記の演出例1)。
【0823】
このような遊技機10では、例えば、識別情報が特定画像(例えば帯画像703a)の
少なくとも一部(装飾部704a)と異なる演出要素となったり同じ演出要素となったり
変化できる。このため、遊技者は、識別情報を把握又は認識しやすくなるとともに、識別
情報と特定画像の両方に注目することになる。
【0824】
また、第2実施形態に係る遊技機10は、識別情報を変動表示させるゲームを演出とし
て表示手段(例えば表示装置41)に表示可能な演出制御手段(演出制御装置300)を
備える。演出制御手段は、表示手段において、識別情報(例えば左図柄611a「2」又
は右図柄611b「2」)を所定位置の周りで動作させる仮停止を実行可能である。演出
制御手段は、複数種類のリーチ状態(例えばNリーチ状態とSPリーチ状態)のうちの特
定リーチ状態(例えばSPリーチ状態)における仮停止において、識別情報の所定演出要
素(例えば側面の所定の色や所定の模様(所定の図柄パターン))を表示可能であるとと
もに、当該仮停止よりも前に、識別情報の所定演出要素を変動表示中に表示しない(上記
の演出例1)。
【0825】
このような遊技機10では、特定リーチ状態(例えばSPリーチ状態)における識別情
報による演出を、所定演出要素の表示(例えば側面の表示)によって他のリーチ状態(例
えばNリーチ状態)よりも面白くしたり強調したりすることができる。そして、特定リー
チ状態の演出にプレミアム感が出て盛り上げることができ遊技の興趣が向上する。特に、
特定リーチ状態(例えばSPリーチ状態)の大当りの期待度が他のリーチ状態(例えばN
リーチ状態)よりも高いものであれば、遊技者は特定リーチ状態に大いに期待でき、さら
に遊技の興趣が向上する。
【0826】
また、第2実施形態に係る遊技機10は、識別情報を変動表示させるゲームを演出とし
て表示手段に表示可能な演出制御手段を備え、ゲームの停止表示結果(例えば停止図柄)
が特別結果(例えば大当り図柄)となる場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能
である。演出制御手段は、停止表示結果の表示前に、停止表示結果の一部として表示され
得る識別情報(例えば左図柄611a「2」又は右図柄611b「2」)を、切り換えず
に所定位置の周りにおいて動作させる所定態様(例えば回転変動又は揺れ変動)で変動表
示させることができる。所定態様での変動表示において、識別情報を構成する所定演出要
素(例えば側面の所定の色や所定の模様)を表示可能であるとともに、所定態様での変動
表示よりも前に、所定演出要素を表示しない(上記の演出例1)。
【0827】
このような遊技機10では、特別結果を示唆するリーチ状態などにおいて所定態様で変
動表示される識別情報による演出のみを、所定演出要素の表示(例えば側面の所定の色や
所定の模様の表示)によって面白くしたり強調したりすることができ、この演出にプレミ
アム感が出て盛り上げることができ遊技の興趣が向上する。
【0828】
また、第2実施形態に係る遊技機10では、所定態様(例えば回転変動又は揺れ変動)
での変動表示が、動画(アニメーション)として記憶手段(例えば画像ROM325)に
記憶される。さらに、所定態様以外における特定態様(例えばスクロール表示)での変動
表示が、記憶手段に記憶された識別情報の静止画に基づいて表示可能である。例えば、所
定態様以外における特定態様での変動表示は、静止画を表示手段での表示位置を変えて表
示することによって表示可能である。
【0829】
このような遊技機10では、リーチ状態などにおいて所定態様で変動表示される識別情
報(例えば左図柄611a又は右図柄611b)による演出を、動画(アニメーション)
で面白く表示することができ、遊技の興趣が向上する。
【0830】
[第3実施形態]
図58および図59を参照して第3実施形態の遊技機10について説明する。なお、以
下で述べる以外の構成は、第1実施形態や第2実施形態と同様でよい。また、以下の実施
形態では、第1実施形態や第2実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、
重複する記載を適宜省略して説明する。
【0831】
第3実施形態では、遊技制御装置100(主基板、メイン基板)は、遊技機10のシリ
ーズ固有のIDだけでなく機種固有のIDも保有し、開発時や出荷時の検査において主基
板単体で機種やシリーズを判別できる機能を有する。シリーズ固有のIDと機種固有のI
Dは、遊技制御装置100の遊技用マイコン111のROM(ROM111b等)に記憶
される。また、演出制御装置300(演出制御基板、サブ基板)は、遊技機10の機種や
シリーズに関する情報(識別情報)を表示装置41の表示画面に表示する。
【0832】
〔遊技機10の構成例〕
図58は、第3実施形態の遊技機10の構成例を概略的に示す概略構成図である。
【0833】
図58(a)に示すように、遊技制御装置100は、遊技機10の電源投入の際などに
、遊技機10の機種やシリーズを示す固有のID(識別情報)の値が割り付けられた機種
IDコマンドおよびシリーズ種別コマンドを機種指定コマンドとして演出制御装置300
に送信する(A1044、A1046)。
【0834】
演出制御装置300は、機種指定コマンドを受信すると(B1301)、当該機種指定
コマンドから特定される遊技機10の機種やシリーズに関する情報を表示データとして表
示装置41に出力する。そして、表示装置41の表示画面には、遊技機10の機種やシリ
ーズに関する情報が所定の時間(例えば5sec)表示される。
【0835】
ここで、図58(b)に示すように、例えば機種指定コマンドの機種IDコマンドやシ
リーズ種別コマンドは、それぞれ16進数で4桁のコマンドであり、上位バイト(上位2
桁)はMODE部として、下位バイト(下位2桁)はACTION部として機能する。M
ODE部(上位バイト)は当該コマンドを識別するためのコードとして用いられ、ACT
ION部(下位バイト)は機種またはシリーズを特定するための番号(識別情報、ID)
として用いられる。具体的には、機種IDコマンドのACTION部の番号は、遊技機1
0の機種に関する(対応する)情報である機種識別情報(機種ID、第1識別情報)にな
る。また、シリーズ種別コマンドのACTION部の番号は、当該機種に属する特定のシ
リーズに関する(対応する)情報であるシリーズ識別情報(シリーズ種別(シリーズID
)、第2識別情報)になる。
【0836】
例えば、演出制御装置300は、受信した機種指定コマンドに含まれるコマンドの上位
バイトのMODE部が「ACh」(8ビット(2進数)で「10101100B」)であ
る場合には、当該コマンドが機種IDコマンドであると特定する。また、例えば当該コマ
ンドの上位バイトのMODE部が「ABh」(8ビット(2進数)で「10101011
B」)である場合には、当該コマンドがシリーズ種別コマンドであると特定する。
【0837】
そして、演出制御装置300は、機種IDコマンドやシリーズ種別コマンドであるとそ
れぞれ特定されたコマンドの下位バイトのACTION部の番号(機種識別情報、シリー
ズ識別情報)を表示データとして読み取り、表示装置41の表示画面に表示する。
【0838】
機種IDコマンドのACTION部の番号には、遊技機10の各機種に対応する固有の
値として例えば「00h」~「7Fh」が割り当てられている。機種IDコマンドのAC
TION部において、例えば、「00h」は遊技機10が機種Aであることを示し、「0
1h」は機種Bであることを、「02h」は機種Cであることを示す。ここで、遊技機1
0の機種は、「Pxxxx」(例えば「Pトラ」)といった遊技機10の型式(名称)に
相当し、機種に応じて遊技機10の演出を彩るキャラクタやテーマ等に異なるものが用い
られる。
【0839】
同様に、シリーズ種別コマンドのACTION部の番号には、遊技機10の各シリーズ
に対応する固有の値として例えば「00h」~「7Fh」が割り当てられている。シリー
ズ種別コマンドのACTION部において、例えば、「00h」~「0Fh」は遊技機1
0のシリーズが、MAX機(Z機等)であることを示し、「10h」~「1Fh」はミド
ル機(M機等)であることを、「20h」~「2Fh」は甘デジ機(GL機等)であるこ
とを示す。ここで、遊技機10のシリーズは、遊技機10の通常遊技状態における変動表
示ゲームの大当り確率(特別結果となる確率)等のスペック(特性)によって分類されて
おり、例えば当該大当り確率は、MAX機で1/381に、ミドル機で1/319に、甘
デジ機で1/100に設定できる。なお、遊技機10のシリーズ毎にこれらの大当り確率
は、出荷時等に予め適宜決められていてもよく、電源投入時等の確率設定値の変更(設定
)によって適宜設定できるようにしてもよい。
【0840】
また、シリーズ種別コマンドのACTION部は、確率設定値の変更(設定)ができる
機種とできない機種とで異ならせてよいし、前述の時短図柄や天井回数到達による時短を
発生できる機種(いわゆる遊タイム機)とそれ以外の機種とで異ならせてよい。なお、シ
リーズ種別コマンドのACTION部は、確率設定値の変更(設定)ができる機種におい
て、1段階(設定1のみ)、3段階(設定1から3)、6段階(設定1から6)など、設
定値の段階の数に応じて定めてもよい。
【0841】
したがって、遊技機10の機種IDコマンドやシリーズ種別コマンドのACTION部
の番号を参照することで、これらの番号に割り当てられた各機種や各シリーズに対応する
固有の値から、遊技機10の機種やシリーズを特定することができる。例えば、機種ID
コマンドとシリーズ種別コマンドのACTION部の番号が「10h、01h」なら、遊
技機10が「PトラZB」(機種PトラのZ機のうちでBシリーズ)であると特定できる
。また、「10h、12h」なら「PトラMC」(機種PトラのM機のうちでCシリーズ
)であると特定でき、「10h、20h」なら「PトラGLA」(機種PトラのGL機の
うちでAシリーズ)と特定できる。その際、例えば、シリーズ種別コマンドのACTIO
N部の番号のうち最も下位の桁が0ならAシリーズに対応し、1ならBシリーズに、2な
らCシリーズに対応する。なお、一例として、Aシリーズ、Bシリーズ、Cシリーズを、
各々、3段階の設定あり、1段階の設定あり、1段階の設定ありの遊タイム機などに様々
に対応付けできる。また、演出制御装置300によって読み取られた機種IDコマンドと
シリーズ種別コマンドのACTION部の番号(機種識別情報、シリーズ識別情報)は、
表示データとして表示装置41に送信され、表示装置41の表示画面に表示される。
【0842】
図59は、第3実施形態の演出制御装置300に読み取られた機種識別情報(機種ID
)とシリーズ識別情報(シリーズ種別)が表示された表示装置41の表示画面を例示する
図である。
【0843】
図59(a)は、機種Aミドル機の遊技機10において、機種Aミドル機に対応する主
基板である遊技制御装置100が正常に取り付けられている(組み込まれている)ときの
表示装置41の表示画面である(機種A正常)。
【0844】
表示装置41の表示画面には、読み取られた機種識別情報(機種ID)とシリーズ識別
情報(シリーズ種別)を確認するための確認画面が表示され、当該確認画面の上段にはシ
リーズ種別の番号が表示され、下段には機種IDの番号が表示される。
【0845】
例えば図59(a)では、確認画面の上段にミドル機のシリーズ種別を示す「10」と
いう番号が、下段に機種Aの機種IDを示す「00」という番号が、それぞれ表示される
。したがって、本実施形態の遊技機10によれば、開発時や出荷時や遊技場の開場時に開
発者や検査担当者や遊技場管理者等が、電源投入の際に当該確認画面を確認することで、
機種Aミドル機の遊技機10に機種Aミドル機の遊技制御装置100が正常に取り付けら
れていることを容易に確認できる。
【0846】
他方で、従来の遊技機の確認画面では、図59(e)に示すように、シリーズ種別の番
号(例えば「10」)のみが表示される。そのため、従来の遊技機では、開発者や検査担
当者や遊技場管理者等が電源投入の際に当該確認画面を見てもシリーズ種別の番号しか確
認できない。したがって、開発者や検査担当者や遊技場管理者等は、遊技機に取り付けら
れている主基板(遊技制御装置)がミドル機であることを確認できても、どの機種に対応
するものであるかは確認できなかった。
【0847】
また、図59(b)は、機種Bミドル機の遊技機10において、機種Bミドル機に対応
する主基板である遊技制御装置100が正常に取り付けられているときの表示装置41の
表示画面である(機種B正常)。
【0848】
例えば図59(b)では、確認画面の上段にミドル機のシリーズ種別を示す「10」と
いう番号が、下段に機種Aではなく機種Bの機種IDを示す「01」という番号が、それ
ぞれ表示される。したがって、本実施形態の遊技機10によれば、開発者や検査担当者や
遊技場管理者等が電源投入の際に当該確認画面を確認することで、機種Bミドル機の遊技
機10に機種Bミドル機の遊技制御装置100が正常に取り付けられていることを容易に
確認できる。
【0849】
次に、図59(c)は、機種Aミドル機の遊技機10において、機種Bミドル機に対応
する主基板である遊技制御装置100が取り付けられているときの表示装置41の表示画
面である(機種A異常)。
【0850】
例えば図59(c)では、ミドル機のシリーズ種別を示す番号(例えば上段の「10」
)とともに、機種Bの機種IDを示す番号(例えば下段の「01」)が確認画面に表示さ
れる。したがって、機種Aミドル機の遊技機10に機種Bの機種IDを示す番号(例えば
「01」)が表示されているので、機種Bミドル機の遊技制御装置100が誤って取り付
けられており、異常な状態であると開発者や検査担当者や遊技場管理者等が容易に認識で
きる。
【0851】
続いて、図59(d)は、機種Bミドル機の遊技機10において、機種Aミドル機に対
応する主基板である遊技制御装置100が取り付けられているときの表示装置41の表示
画面である(機種B異常)。
【0852】
例えば図59(d)では、ミドル機のシリーズ種別を示す番号(例えば上段の「10」
)とともに、機種Aの機種IDを示す番号(例えば下段の「00」)が確認画面に表示さ
れる。したがって、機種Bミドル機の遊技機10に機種Aの機種IDを示す番号(例えば
「00」)が表示されているので、機種Aミドル機の遊技制御装置100が誤って取り付
けられており、異常な状態であると開発者や検査担当者や遊技場管理者等が容易に認識で
きる。
【0853】
また、別の構成として、例えば図59(f)のように、表示装置41の表示画面におい
て、飾り特別図柄(識別情報)やキャラクタや客待ちデモの画像740(又は動画)の上
(前面側のレイヤ)に、遊技機10の機種やシリーズを確認する確認画面の確認画面領域
41aを重ねて表示(優先表示)してもよい。このような態様の遊技機10によれば、表
示画面においても、機種に固有の画像740として、遊技機10の機種に対応するキャラ
クタ等が見えるので機種の違いに気付き易くでき、正しい機種であるか否かの整合性を取
り易くできる。
【0854】
また、遊技機10の機種やシリーズを目視により確認するために表示装置41の表示画
面上に確認画面を表示する態様に限らず、遊技機10の内部で認証をとって異なる場合に
エラー表示を表示装置41の表示画面に表示してもよい。例えば当該認証は、演出制御装
置300が受信した機種指定コマンドの機種IDやシリーズ種別が、演出制御装置300
側で予め設定(記憶)された機種IDやシリーズ種別と一致するか否かを判定することに
より行える。
【0855】
また、主基板単体の出荷検査等においても、主基板の遊技用マイコン111から受信し
た機種指定コマンドの機種IDやシリーズ種別が、当該主基板に対して予定されたものと
一致するか否かを検査装置等が判定することで認証を行ってもよい。また、主基板単体の
出荷検査等において、遊技制御用プログラムの正当性判定のために、遊技用マイコン11
1のROM111bに遊技制御用プログラムと共に記憶された機種IDとシリーズ種別(
シリーズID)が、遊技用マイコン111のハードウェアパラメータROM(ROM11
1bとは異なるROM)に記憶されたID(主基板側のID)と一致するか否かを判定す
ることで認証を行ってもよい。
【0856】
さらに、遊技機10の機種やシリーズ毎に内容の異なる動画(ムービー)を、客待ちデ
モで表示(再生)する動画(客待ちデモ動画)として複数用意し、認証で一致した機種や
シリーズに合わせてこれらの複数の動画の中から対応する動画を適宜選択し表示してもよ
い。その際、動画の内容に機種やシリーズの説明を追加した客待ちデモ動画を予め用意し
ておくことで、再生時に遊技機10の情報を遊技者に分かり易く報知でき、遊技の興趣を
高めることもできる。
【0857】
[第3実施形態の作用・効果]
第3実施形態に係る遊技機10は、遊技を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置10
0)と、当該遊技に関連する演出を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)と、
を備える。遊技機10において、遊技制御手段は、当該遊技機の機種に対応する第1識別
情報(機種識別情報、機種ID)と、機種に属する特定のシリーズに対応する第2識別情
報(シリーズ識別情報、シリーズ種別(シリーズID))を保持し、電源投入の際に第1
情報と第2情報を演出制御手段に送信する。演出制御手段は、第1情報と第2情報を表示
手段(表示装置41)に表示する。
【0858】
このような第3実施形態の遊技機10によれば、電源投入の際に機種IDを示す番号(
例えば「00」や「01」)がシリーズ種別を示す番号(例えば「10」)とともに表示
手段の確認画面に表示されるので、当該機種IDを示す番号を見ることで、遊技機10の
シリーズだけでなく機種が正しいか否かの整合性も容易にとることができる。
【0859】
例えば、機種Bの遊技機10において、遊技盤30の盤面に機種Bの装飾部材(例えば
枠装飾装置18、盤装飾装置46)が取り付けられている一方で、主基板(遊技制御装置
100)が機種Aに対応するものである場合など、異なる組み合わせである場合に、従来
の遊技機では、主基板から機種IDコマンドが出力されておらず、シリーズ種別のみしか
表示できないので、機種IDの表示から異なる主基板が誤って取り付けられていること(
機種B異常)については判別できなかった。しかしながら、本実施形態の遊技機10によ
れば、確認画面にシリーズ種別とともに機種IDが表示されるので、当該機種IDを確認
することで、誤った主基板(遊技制御装置100)が取り付けられていることを容易に判
別でき、出荷時や開発時等に早期に発見することができる。
【0860】
なお、本実施形態では、表示装置41の表示画面上に確認画面を表示し、当該確認画面
で遊技機10の機種やシリーズを確認する態様を例に挙げたが、主基板からのコマンド出
力を直接監視して、主基板単体でも正しい機種が記憶された遊技用マイコン111である
かを確認してもよい。このような態様の遊技機10によれば、主基板単体の出荷検査等に
おいても、機種IDコマンド出力を監視できるので、例えば機種A用の遊技用マイコン1
11を誤って機種Bの主基板に取り付けてしまった場合に、異なる組み合わせの主基板と
遊技用マイコン111であることを容易に判別することができ早期に不具合(異常)を取
り除くことができる。
【0861】
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲
内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれること
が明白である。例えば、複数の実施形態や複数の変形例を様々に組合せることも可能であ
る。また、例えば、本発明を他の種類の遊技機(スロットマシンなど)に適用することも
できる。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及
び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0862】
例えば、上述の実施形態をスロットマシンに適用する場合において、遊技に使用する遊
技媒体は、遊技球に代えてメダル(コイン)になり、賞球数はメダルの払い出し枚数に代
えられる。そして、スロットマシンでは、性能情報としての出玉率(ベース)は、スロッ
トマシンへのメダルの投入枚数に対する払い出し枚数の比率(%)となり、役物比率は、
所定期間に払い出したメダルの枚数のうち、各種ボーナスにより払い出した枚数の比率(
%)となる。
【符号の説明】
【0863】
10 遊技機
25 演出ボタン
30 遊技盤
32 遊技領域
36 第1始動入賞口(第1始動入賞領域)
37 普通変動入賞装置(第2始動入賞領域)
39 特別変動入賞装置
40 センターケース
41 表示装置
50 一括表示装置(LED)
100 遊技制御装置(主基板)
200 払出制御装置
300 演出制御装置(サブ基板)
611a 左図柄
611b 右図柄
611c 中図柄
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31A
図31B
図32
図33
図34
図35A
図35B
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53A
図53B
図53C
図54
図55
図56
図57
図58
図59