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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】クイックリリース付き取付システム
(51)【国際特許分類】
   A44B 11/26 20060101AFI20240621BHJP
   A44B 11/04 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
A44B11/26
A44B11/04
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022542120
(86)(22)【出願日】2021-03-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-15
(86)【国際出願番号】 CN2021083221
(87)【国際公開番号】W WO2021197222
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-10-13
(31)【優先権主張番号】16/833,974
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516333034
【氏名又は名称】デュラフレックス ホンコン リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100077838
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 憲保
(74)【代理人】
【識別番号】100129023
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 敬
(72)【発明者】
【氏名】チャン,イック ファイ
(72)【発明者】
【氏名】リン,ポ チュウ
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02508095(EP,A1)
【文献】特表2010-531691(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110025089(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44B11/00-11/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェッビングまたはストラップに取り付けるためのシステムであって、
前壁および後壁を有し前記前壁と前記後壁との間に中空部を有する基体と、前記基体に接続されると共に前記基体から間隙によって隔てられた少なくとも1つの横断バーと、前記中空部内で前記少なくとも1つの横断バーと反対の方向に延びる2つのロッキングフックと、を有する取付部と、
2つのサイドレッグと、各前記サイドレッグに接続された頂部と、を有し、前記頂部の間に間隙を有し、前記サイドレッグ同士を締め付けることにより前記間隙が狭まるようにされ、前記頂部の各々は、そこから延在するロッキングフックを有する、操作部と、を有し、
前記サイドレッグ同士を押しつけ、前記操作部の前記ロッキングフックを前記取付部の前記中空部内に挿入し、さらに、前記サイドレッグを解放して前記取付部の前記ロッキングフックを前記操作部の前記ロッキングフックと係合させることにより、前記操作部を前記取付部に接続可能であり、
前記操作部の前記ロッキングフックが前記取付部の前記ロッキングフックを乗り越えるまで前記サイドレッグ同士を締め付け、前記操作部を前記取付部から離れるように移動させることにより、前記操作部を前記取付部から取り外し可能であり、
前記取付部に接続されたストラップをさらに有し、前記ストラップは、前記少なくとも1つの横断バーと前記基体との間の空間を通り、前記取付部の底部の周囲に延在し、ループ状に閉じられ、それにより、前記基体が前記ストラップのループ内に収容される、システム。
【請求項2】
前記取付部から、前記少なくとも1つの横断バーとは反対側に延在する少なくとも1つの突起をさらに有し、前記少なくとも1つの突起は、前記操作部が前記取付部に取り付けられるときに、前記操作部の前記頂部間の前記間隙内に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの突起は、2つの突起を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記操作部が前記取付部に接続されているときに、前記ストラップは、前記頂部の底部の周囲に延在し、それにより、前記横断バーの方向における前記ストラップに対する張力は、前記操作部を前記取付部に対してより強固に押しつける、請求項に記載のシステム。
【請求項5】
前記取付部の前記後壁には、開口が設けられ、それにより、前記操作部が前記取付部に接続されているときに、前記操作部の前記ロッキングフックを前記開口を通して視認可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記操作部は、Dリングである、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記操作部は、2ピース型サイドリリースバックルの雌部であり、
前記操作部は、前記サイドレッグに接続される本体と、前記サイドリリースバックルの雄部を受容するための、前記本体内の中空部と、を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記サイドレッグは、前記操作部が前記取付部に接続されているときに、前記基体の外側に配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記サイドレッグには、ユーザのグリップを向上させるための隆起部が設けられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
ストラップであって、前記ストラップに沿う2点で基材に接続されたストラップをさらに有し、
前記取付部は、前記少なくとも1つの横断バーを介して、前記2点間で前記ストラップに接続され、それにより、前記基体が前記ストラップと前記基材との間に配置されるようにした、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックル、Dリング、または他の構造体を、ウェッビングまたはストラップに取り付けるための取付システムに関する。特に、本発明は、構造体から迅速かつ容易に取り付けまたは取り外し可能であり、それにより、ウェッビングを調整することなく構造体をウェッビングから取り外すことができるようになっている取付システムに関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチック結合具が、ウェッビングの2つの耐張力セクションを接続するためにしばしば使用されており、繋縛や調整などの目的を有しており、バッグおよびスーツケースにおいて広く使用されている。一般的な結合具は、しばしば、雄部と雌部とを有する2ピース型サイドリリースバックルの形態をとることができる。雄部および雌部とウェッビングとの間の接続に関し、ウェッビングは、通常、クローズドクロスバーの周囲に縫い付けられており、このクローズドクロスバーは、結合具と一体に形成され、それにより、低コストかつ高耐久性の利点を達成している。しかし、この種のクローズドクロスバーは交換することができず、このことは、製造において再加工の融通性が欠如することになり、また、消費者側における修理市場の発展を阻害する。そのため、クイックリリース機能を有する結合具が設計された。この結合具は、結合具またはウェッビングの構造に影響することなく、結合具を取り外すことを可能にする。例えば、幾つかのバックルには、クロスバーにスロットが設けられており、それにより、ウェッビングがバーを越えるまでスロットを通してウェッビングをスライドさせることにより、バックルを取り外すことができるようになっている。しかし、スロットに起因して、この状況におけるクロスバーの強度は著しく低減され、このため、高い張力の下では破損しがちである。Anscherによる特許文献1に開示されているような別の解決策では、ウェッビング取付バーは、ウェッビングを開放するために、一端においてバックルから外すことができる。これもまた、2つの端部における不均衡な応力に起因して、単一ピースのクローズドクロスバーに比べて強度を低減させ、弱い方のエッジが先に破損することになる。これらの装置は有用であり得るが、ウェッビングとは完全に独立しているクイックアタッチシステムを有することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第5706560号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、ストラップまたはウェッビングから迅速かつ容易に取り外すことができ、しかも装置の強度または一体性を損なわない取付システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、本発明によれば、ウェッビングまたはストラップに取り付けるための装置であって、互いに容易に着脱可能な取付部および操作部を備える装置によって達成される。取付部は、前壁および後壁を有しこれら前壁と後壁との間に中空部を備えた基体と、基体に接続されると共に基体から間隙によって隔てられた少なくとも1つの横断バーと、中空部内で少なくとも1つの横断バーと反対の方向に延びる2つのロッキングフックとを有している。操作部は、2つのサイドレッグと、各サイドレッグに接続された頂部と、頂部間の間隙とを有している。操作部は柔軟性を有しているため、サイドレッグ同士を締め付けると間隙が狭くなる。操作部の頂部のそれぞれは、頂部から延びるロッキングフックを備えている。操作部は、サイドレッグ同士を押し付け、操作部のロッキングフックを取付部の中空部内に挿入し、次いで、サイドレッグを解放して取付部のロッキングフックを操作部のロッキングフックと係合させることにより、取付部に接続可能である。操作部は、操作部のロッキングフックが取付部のロッキングフックを乗り越えるまでサイドレッグ同士を締め付け、操作部を取付部から離れるように移動させることにより、取付部から取り外し可能である。
【0006】
一実施形態では、取付部から少なくとも1つの横断バーとは反対側に延びる、少なくとも1つ、好ましくは2つの突起を有していてもよい。この突起は、操作部が取付部に取り付けられるときに、操作部の頂部間の間隙内に配置され、両部を互いに接続する間、操作部を取付部と整列させるようにガイドするのに役立つ。別の実施形態では、装置は突起を有していない。
【0007】
使用時には、ストラップが取付部に接続されており、ストラップは、横断バーと基体との間の空間を通り、取付部の底部の周囲に延び、さらにループ状に閉じられ、それにより、基体がループ内に収容される。取付部が操作部に接続されているとき、ストラップは、操作部の頂部の底部の周囲にも延在している。実際の使用時には、取付部は、最初にウェッビングループ内に配置され、操作部のレッグがウェッビングループの左側と右側とに架かる。上述したように操作部が取付部に結合されると、両部の対応するロッキングフック同士が互いに係合する。操作部の他方の端部は、第2のストラップまたはウェッビングのループにも取り付けることができる。
【0008】
ひとたび接続されると、取付部と操作部との組立体は、ウェッビングループ内に強固に固定される。操作部に外部張力が印加されて取付部と操作部との組立体をウェッビングループから引き離そうとすると、操作部の頂部の下側が、ウェッビングループの内側に対して継続的に押し付けられる。取付部の材料が維持できる形態を超えて張力が増大し続けると、レッグは、徐々に変形して間隙へと逃れようとする。しかし、これは、操作部のロッキングフックを取付部内により深く押し付けるのみであり、そのため接続は強化される。このように、レッグがウェッビングから逃れる可能性は、反作用を受け、防止される。張力が高いほど、ウェッビングにより与えられる反作用力は強くなる。本発明の構造は、組み立てが容易であり、縫合されたウェッビングループに影響を与えることなく、任意の組立ておよび分解が可能である。組み立てられた状態では、張力および全体的な結合具の強度は、クイックリリース機能を持たない従来のシステムと同程度である。
【0009】
ウェッビングは、ベルト、ストラップ、テープなどの形態の、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、織物など、任意の適切な材料から形成することができる。
【0010】
一実施形態では、取付部の後壁には、開口が備えられ、それにより、操作部が取付部に接続されているときに、操作部のロッキングフックを開口を通して視認可能である。
【0011】
操作部は、任意の適切な機能的物品とすることができる。一実施形態では、操作部は、Dリングである。別の実施形態では、操作部は、2ピース型サイドリリースバックルの雌部であり、操作部が、サイドレッグに接続される本体を有し、本体内には、サイドリリースバックルの雄部を受容するための中空部を有している。また、操作部は、サイドリリースバックルの雄部を形成することもできる。他の適切な物品は、スライドバックルの雄バックルまたは雌バックル、スイベルフックバックル、スイベル角形リング、プレスリリースバックル、ラダーバックル(ladder buckle)、トリグライドバックル(tri-glide buckle)、Oリング、角形リング、三角形リング、スナップフック、またはロープ調整バックルである。また、この物品は、発光装置、ビデオスクリーン、電話、リモートコンタクトツール、ビデオカメラ、ビデオレコーダ、マイク、増幅器、ファンクーラ、ファンヒータ、絶縁装置、ポータブル電源、電子保護ケース、張力計などの任意の電子装置であってもよい。
【0012】
好ましい実施形態では、サイドレッグは、操作部が取付部に接続されているときに、基体の完全に外側に配置されている。このことは、取付部に操作部を取り付けることを容易にする。なぜなら、ロッキングフックを有する頂部の端部のみが基体の中空部に入り、サイドレッグをウェッビングループとの干渉から除外するからであるサイドレッグには、ユーザのグリップを向上させるための隆起部が設けられてもよい。また、他のグリップ構造も用いることができる。
【0013】
別の実施形態では、本装置は、MOLLE(モジュール式軽量耐荷重装備;Modular Lightweight Load-carrying Equipment)システムで使用することができる。ここで、本装置は、取付部の周囲に延びるストラップの両端を縫い付けることにより、戦闘用チョッキ(tactical vest)の所定の位置に縫い付けられる。そして、操作部は、取付部を所定の位置に維持したまま、必要に応じて交換することができる。
【0014】
本発明の他の目的および特徴は、添付図面と関連して考慮される以下の詳細な記載から明らかになるであろう。ただし、図面は、例示としてのみ意図されたものであって、本発明の限界を規定するものとして意図されたものではないことを理解されたい。
【0015】
図中、同様の参照符号は、幾つかの図にわたって同様の要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る取付システムの斜視図である。
図2】分解された状態の取付システムの背面図である。
図3】組み立てられた状態の取付システムの正面図である。
図4】ウェッビングループに接続された取付部の図である。
図5】ウェッビングループに接続された取付システム全体の正面図である。
図6図5のVI-VI線に沿った断面図である。
図7】ウェッビングループが取り付けられた状態の取付システムの側面図である。
図8図7のVIII-VIII線に沿った断面図である。
図9】取付システムの他の実施形態の正面図である。
図10】分解された状態の、図9の取付システムの一部の正面図である。
図11】ウェッビングループが取り付けられた状態の、図9の取付システムの正面図である。
図12】MOLLEシステムで使用される、図9の取付システムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ここで図面を詳細に参照すると、図1図3は、本発明に係るシステム10の第1の実施形態を示している。システム10は、簡単な動作で互いに着脱可能に構成された取付部20および操作部30によって構成されている。取付部20は、前壁22および後壁23から形成された基体21を有しており、前壁22と後壁23との間に空隙218を有している。横断バー24は、基体21に接続されており、間隙によって分離されている。この間隙内には、第2の横断バー(取付バーとも呼ぶ)25が位置している。横断バー25は、使用中にウェッビングの取り付けを可能にするように、スロットによって分離されている。2つの突起28、29が、基体から空隙218内に延びている。図8の断面図に示すように、ロッキングフック201、202は、突起28、29の各側で、基体21から空隙218内に延在している。他の実施形態では、これら突起は除くことができる。ロッキングフック201、202は、互いに対向している。図2中、符号26、27は、後壁23に備えられた開口を示す。これにより、操作部30が図3に示すように取付部20に接続されている場合に、操作部30の後述するロッキングフック35、36を開口26、27を通して視認可能である。
【0018】
操作部30は、Dリングの形態であり、2つのサイドレッグ(単に、レッグとも呼ぶ)31、32から形成されている。これらサイドレッグの各々は、それぞれ、内側に延在する頂部33、34に接続されている。頂部33、34は、間隙38によって分離されている。頂部33は、この頂部33から上方に延在するロッキングフック35を有しており、頂部34は、この頂部34から延在する別のロッキングフック36を有している。ロッキングフックの各々は、間隙から離れるように外側に向いている。操作部30は、柔軟な材料で構成されているため、レッグ31、32を押しつけることにより、間隙を狭め、ロッキングフック35、36を互いに向けて移動させる。
【0019】
図3は、互いに接続された取付部20と操作部30とを示している。これらの詳細は、図8を参照して以下に説明する。本発明に係るシステム10は、図4図7に示すように、操作部30をストラップ40に確実かつ信頼性のある方法で接続することができ、しかも取付部20から容易に取り外すことができるように構成されている。システムを組み立てるために、ストラップ40は、図6に示すように、まずループ状に縫い合わされ、このループは、ループ内に取付部20を取り付けるための、取付バー25の固定点として機能する。ループの閉鎖端は、取付部20から任意の距離に配置することができるため、図示していない。取付バー25は間隙によって分離された横断バーであるため、ストラップ40のループの幅方向の両端は、その間隙を通して取付バー25に入り込むことができる。取り付けられると、取付部20は、ストラップ40のループの内側で所定の位置に確実に保持される。取付部20は、外されて、ストラップ40または任意の他のストラップの他のループ内で再使用することができる。
【0020】
次に、図8の断面図に示すように、ロッキングフック35、36を中空部218内に、ロッキングフック35、36が取付部20上のロッキングフック201、202と係合するまで挿入することにより、操作部30を、ストラップ40が既に取り付けられている取付部20に接続することができる。組み立て中、ストラップ40は、頂部33、34間に配置され、このとき、頂部33、34は、ストラップ40の各側でループ内に延在し、ロッキングフック35、36は、ストラップ40のループ内で取付部20に取り付けられる。それにより、ストラップ40は、ここで、例えば図5図7に示すように、操作部30の頂部33、34の下側の周囲に巻きつくようになっている。
【0021】
操作部30から離れる向きにストラップ40に加わる上向き張力は、操作部30を取付部20に向けて押しつけ、あらゆる分離の可能性を防止する。ストラップ40に対する張力の増加により、あるいは、操作部30の底部に取り付けられたストラップ40からの張力により張力が増大すると、レッグ31、32ならびに頂部33、34が変形し、これにより、ストラップの圧力によって、フック35、36が、取付部20内のロッキングフック201、202とさらに強固に係合するように押しつけられる。このように、ストラップ40に対する張力が強いほど、操作部30と取付部20との間の接続がより確実になる。操作部30を取付部20から外すためには、ストラップ40に対する張力を緩めて移動の余地を作り、ロッキングフック35、36がロッキングフック201、202を越えるまで、使用者がレッグ31、32を互いに向けて押しつける。その時点で、操作部30は、間隙38を通してストラップ40から解除することができる。
【0022】
取付システムの別の実施形態が図9図11に示されている。ここでは、Dリングの代わりに、操作部50は、2ピース型サイドリリースバックルの雌部である。操作部50は雌バックル本体58を備えており、この雌バックル本体58は、対応する雄バックル本体60のサイドレッグ62、63を受容するための2つのサイド開口501、502を有している。雌バックル本体58は、雄バックル本体60を受容する、雌バックル本体58の主開口59とは反対側に配置された2つのサイドレッグ51、52を有している。サイドレッグ51、52は、間隙580によって分離された頂部53、54に接続されている。各頂部53、54は、ロッキングフック55、56を備えている。このロッキングフック55、56は、取付部20の対応するロッキングフックと、図8に関して説明したものと同様に相互作用する。ここで示されている取付部20は、図1図8の取付部20と同一である。
【0023】
ストラップ40は、図4に関して説明したものと同様にして取付部20に接続される。次に、図11に示すように、操作部50が取付部20に接続されてシステムを一体に接続し、ストラップ40は、操作部50の頂部53、54の周囲、ならびに、頂部53、54の下側に延在する。第2のストラップ70は、雄バックル本体60に接続することができるため、システムは、2つのストラップ40、70を容易かつ確実な方法で共に接続することができる。Dリングやサイドリリースバックルの代わりに、操作部30、50は、スイベルフックバックル、スイベル角型リング、プレスリリースバックルの雄部、プレスリリースバックルの雌部、磁力自動接続バックルの雄部、磁力自動接続バックルの雌部、ラダーバックル、トリグライドバックル、スナップボタン、Oリング、角形リング、三角形リング、スナップフック、またはロープ調整バックルなどの、任意の適切な構造とすることができる。操作部30、50はまた、発光装置、ビデオスクリーン、電話、リモートコンタクトツール、ビデオカメラ、ビデオレコーダ、マイク、増幅器、ファンクーラ、ファンヒータ、絶縁装置、ポータブル電源、電子保護ケース、張力計などの、任意の電子装置であってもよい。操作部50は、取付部20を固定したままで交換可能であるため、取付部20を取り外すことなく、様々な要素をストラップ40に容易に着脱することができるようになっている。サイドレッグ51、52には、使用者が操作部50をグリップすることを補助するように、隆起部504を設けることができる(図9参照)。
【0024】
他の代替実施形態が図12に示されている。図12は、戦闘用チョッキやその他の物品で使用するためのMOLLEシステムにおける取付部20および操作部50を示している。ここで、取付部20は、図9図11を参照して上述したと同様にして、ストラップ40に接続されている。ただし、ストラップ40をループ状に縫い合わせる代わりに、ストラップ40は基材80上に取付ライン47、48に沿って縫い付けられている。基材80は、戦闘用チョッキなど、任意のタイプの平坦な縫い付け可能な構造とすることができる。使用に際し、まず、ストラップ40が所定の位置に縫い付けられ、次いで、取付部20が、ストラップ40の周りに取付バー25をはめ込むことによって接続される。これにより、取付部20がストラップ40の下に配置される。次いで、図9図11に関して上述したと同様にして操作部50を取付部20に接続することができる。基材80の織物の柔軟な性質を利用して、操作部50の取付部20への組み付け、ならびに、取り外しの際に、ストラップ40と基材80との間の空間に追加の緩みを提供することができる。組立後の使用時に、基材は、取付ライン47、48間に弛みが殆どないように平坦に延ばされている。雄バックル本体60に接続されたストラップ70を引っ張ることによる操作部50への張力は、取付ライン48による操作部50への圧力により、操作部50を取付部20に対してより強く押しつけるのみである。
【0025】
本発明の幾つかの実施形態のみを図示および説明してきたが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、多くの変更および修正が、それら実施形態に対してなされ得ることは明らかである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12