(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】マルチディスプレイを有する電気機器及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20240621BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240621BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20240621BHJP
H02B 15/00 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
H02J13/00 301K
G09G5/00 510V
G09G5/00 530T
G09G5/00 510C
G09G5/00 550C
G09G5/37 600
H02B15/00 E
(21)【出願番号】P 2022573576
(86)(22)【出願日】2021-05-07
(86)【国際出願番号】 KR2021005698
(87)【国際公開番号】W WO2021241906
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-11-25
(31)【優先権主張番号】10-2020-0063132
(32)【優先日】2020-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】317006063
【氏名又は名称】ルーテック インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】チャンヨン・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ユンボク・ビュン
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-0637806(KR,B1)
【文献】特表2015-524954(JP,A)
【文献】特開2012-069060(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 13/00
G09G 5/00 - 5/42
H02B 15/00 -99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メーターの機能を備えたリレーを含む電気機器であって、
前記電気機器は、同一のハウジングに構成され、前面を向く第1のディスプレイと、第2のディスプレイとを備え、支持体に装着さ
れ、
前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイのうち、一方は長方形の横画面を提供し、メーターの機能に関する情報を表示し、
前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイのうち、他方は長方形の縦画面を提供し、リレーの機能に関する情報を表示
し、
前記メーターの機能に関する情報は波形情報が含まれ、
前記リレーの機能に関する情報は系統図と遮断器の状態情報が含まれることを特徴とする、
電気機器。
【請求項2】
同一のハウジングに構成され、前面を向く第1のディスプレイと、第2のディスプレイとを備え、支持体に装着される電気機器であって、
前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイは両方とも長方形であり、前記第1のディスプレイの長辺方向と前記第2のディスプレイの長辺方向とは互いに直交し、
前記電気機器が前記支持体に横方向に装着されるか、又は縦方向に装着されるかにかかわらず、前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイの一方は常に横画面を提供し、他方は常に縦画面を提供することを特徴とする、
電気機器。
【請求項3】
前記電気機器が前記支持体に横方向に装着されるとき、前記第1のディスプレイは横画面を提供し、前記第2のディスプレイは縦画面を提供し、
前記電気機器が前記支持体に縦方向に装着されるとき、前記第1のディスプレイは縦画面を提供し、前記第2のディスプレイは横画面を提供することを特徴とする、
請求項2に記載の電気機器。
【請求項4】
前記電気機器が前記支持体に横方向に装着されるとき、前記第1のディスプレイに表示される情報は、前記電気機器が前記支持体に縦方向に装着されるように変更されれば、前記第2のディスプレイに表示され,
前記電気機器が前記支持体に横方向に装着されるとき、前記第2のディスプレイに表示される情報は、前記電気機器が前記支持体に縦方向に装着されるように変更されれば、第1のディスプレイに表示されることを特徴とする、
請求項3に記載の電気機器。
【請求項5】
前記電気機器が前記支持体に横方向に装着されるか、又は縦方向に装着されるかにかかわらず、平常時、
前記横画面は、メーターの機能に関する情報を基本的に表示し、前記縦画面は、リレーの機能に関する情報を基本的に表示することを特徴とする、
請求項2に記載の電気機器。
【請求項6】
前記メーターの機能に関する情報は波形情報が含まれ、
前記リレーの機能に関する情報は系統図と遮断器の状態情報が含まれることを特徴とする、
請求
項5に記載の電気機器。
【請求項7】
前記ハウジングに構成され前面を向く複数の入力ボタンをさらに含み、
前記入力ボタンに表示される文字列は、前記第1のディスプレイと前記第2のディスプレイとの間を向くように傾斜していることを特徴とする、
請求項1又は2に記載の電気機器。
【請求項8】
前記複数の入力ボタンの中の一部又は全部において、前記第1のディスプレイと前記第2のディスプレイとの間を向く角部(エッジ部)にLEDランプのための投光窓を設けることを特徴とする、
請求項7に記載の電気機器。
【請求項9】
前記ハウジングに構成され前面を向く複数の入力ボタンをさらに含み、
前記入力ボタンを用いたユーザーの要求時に、前記横画面は波形情報を表示し、前記縦画面はテキスト情報を表示することを特徴とする、
請求項2に記載の電気機器。
【請求項10】
同一のハウジングに構成され、前面を向く第1のディスプレイと、第2のディスプレイとを備え、支持体に装着される電気機器の制御方法であって、
前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイは両方とも長方形であり、前記第1のディスプレイの長辺方向と前記第2のディスプレイの長辺方向とは互いに直交しており、
前記電気機器が前記支持体に装着される装着方向を決定する段階と、
前記第1のディスプレイ及び前記第2のディスプレイに表示される情報は、前記決定された装着方向に応じて異なって決定する段階と、を備えることを特徴とする、
電気機器の制御方法。
【請求項11】
前記装着方向は、前記電気機器に設けられた入力ボタン又はタッチスクリーンを介して入力されるか、又はセンサを用いて重力方向をセンシングしたことによって決定されることを特徴とする、
請求項10に記載の電気機器の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つ以上のディスプレイを有する電気機器に関し、詳しくは2つ以上のディスプレイを有する、メーター機能を兼ね備えたリレー(継電器)に関する。
【背景技術】
【0002】
配電盤は、電力システムの主要装置であり、電力の供給及び遮断経路を形成する遮断器と、このような遮断器を制御する装置としてのリレーと、電力を計測する装置としてのメーター(計器)などと、を備えて構成され得る。超高圧、高圧、低圧などによって装置の電圧及び電流の仕様(スペック)に対する変化はあるものの、基本的な構成はほぼ同じである。このような配電盤は、多様な場所において電力を供給する設備としての役割を遂行する。
【0003】
リレーは、電力システムの事故時に、遮断器と協調して電力設備を保護する制御装置であり、最近ではデジタル技術と通信技術の融合により一層知能化され、多様な分析と事故対応が可能となるように向上している。アナログリレーからデジタルリレーに変更している際に、リレーはリレー本来の機能を有しながらメーターの機能を同一装置で統合遂行する複合型に向上しており、表示画面は分析の容易性と多くの情報を提供するために単純な形態の7セグメント画面の代わりに、最近ではLCD画面を適用する事例が増えている。
図1(a)は配電盤の構成例を示し、
図1(b)は、LCD表示装置を適用した商用リレーの一例である。
【0004】
ところで、ほぼすべてのリレーは単一のLCDを使用して画面を構成しており、1つの画面内にメーター機能に関連される情報(計測要素)と保護機能を行うリレーに関連される情報を同時に表示する。このような構成により、複雑性が高くなるため、視認性が低下してユーザの利便性が悪くなる。
【0005】
最近、TFT LCDを適用するリレーの登場で多様なグラフィックや色相などが表示可能となって視認性を高めるモデルの製品が出ているが、単一のTFT LCDの利用では利便性と視認性を高めるのには限界がある。特に、複合型で構成される装置は、メーターとリレーの機能を同時に遂行するようになるが、特性の異なる機能を単一画面で表示するため、視認性と利便性において欠点を有する。
【0006】
このように、単一の画面を有する複合型リレーは、その複雑性のために使用に困難がある。本発明の発明者は、このような問題を解決するために、2つ以上のディスプレイ、例えば2つのディスプレイを使用してメーター機能及びリレー機能に関連される情報を表示し、2つの画面を同時に利用して分析と操作の利便性を高めることができることを考えるようになり、さらに2つ以上のディスプレイを適用する上で新たに台頭した課題を解決し、効率性などを向上させる方案を提示しようとする。
【0007】
以上、従来技術の問題及び課題について説明したが、このような問題及び課題に対する認識は、本発明の技術分野における通常の知識を有する者には自明ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、2つ以上の機能を有する電気機器であって、本発明の目的は、このような機能に関する情報を視認性と利便性良く実現することができる電気機器及びその制御方法を提供することにある。
【0009】
また、本発明の目的は、2つ以上の機能を有する電気機器に2つ以上のディスプレイを構成するにあたって、効率性などを有する電気機器及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態による電気機器は、同一のハウジング30に構成され、前面を向く第1のディスプレイ10と第2のディスプレイ20とを備え、支持体に装着される電気機器であって、前記第1のディスプレイ10及び前記第2のディスプレイ20のうち、一方は長方形の横画面を提供してメーターの機能に関する情報を表示し、前記第1のディスプレイ10及び前記第2のディスプレイ20のうち、他方は長方形の縦画面を提供してリレーの機能に関する情報を表示することを特徴とする。
【0011】
本発明の他の実施形態による電気機器は、同一のハウジング30に構成され、前面を向く第1のディスプレイ10と第2のディスプレイ20とを備え、支持体に装着される電気機器であって、前記第1のディスプレイ10及び前記第2のディスプレイ20は両方とも長方形であり、前記第1のディスプレイ10の長辺方向と前記第2のディスプレイ20の長辺方向とは互いに直交することにより、前記電気機器が前記支持体に横方向に装着されるか、又は縦方向に装着されるかにかかわらず、前記第1のディスプレイ10及び前記第2のディスプレイ20のうち、一方は常に横画面を提供し、他方は常に縦画面を提供することを特徴とする。
【0012】
本発明の一実施形態による電気機器の制御方法は、同一のハウジング30に構成され、前面を向く第1のディスプレイ10と第2のディスプレイ20とを備え、支持体に装着される電気機器の制御方法であって、前記第1のディスプレイ10及び前記第2のディスプレイ20は両方とも長方形であり、前記第1のディスプレイ10の長辺方向と前記第2のディスプレイの長辺方向とは互いに直交しており、前記電気機器は前記支持体に装着される装着方向を決定する段階と、前記第1のディスプレイ10及び前記第2のディスプレイ20に表示される情報は、前記決定された装着方向に応じて異なる決定を行う段階と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一実施形態による電気機器及びその制御方法は、2以上の機能を有する電気機器であって、各機能に関する情報を視認性と利便性良く表示できる利点を有する。
【0014】
また、本発明の一実施形態による電気機器及びその制御方法は、装着方向に関係なく横画面と縦画面の両方を提供することができるため、横画面の適切な表示(メーター機能表示)及び縦画面の適切な表示(リレー機能表示)を同時に常に提供できる効果がある。
【0015】
また、本発明の一実施形態による電気機器及びその制御方法は、電気機器(リレー)の装着方向にかかわらず、同一の形式の画面(横画面と縦画面)を常に提供することができるため、装着対象(ボックス 、キャビネット、引き出し、パネル、ラック)の状況は横型電気機器が適当であるか、又は縦型電気機器が適当であるかにかかわらず、柔軟に対処し設計自由度を持たせ、さらに同一の製品を横型及び縦型にそれぞれ設計、製作及び流通を行わなくてもよい利点がある。
【0016】
また、本発明の一実施形態による電気機器及びその制御方法は、入力ボタンに表示される文字列が2つのディスプレイの間を向くように傾けることにより、電気機器の装着方向が可変な状況でも入力ボタンに表示される文字列に対する認識がより容易になるようにする効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1(a)は配電盤の構成例を示し、
図1(b)はLCD表示装置を適用した商用リレーの一例である。
【
図2】2つのディスプレイを適用したリレーの例を示しており、
図2(a)及び
図2(b)は2つの横型ディスプレイを適用したものであり、
図2(c)及び
図2(d)は2つの 縦型ディスプレイを適用したものである。
【
図3】本発明の一実施形態による電気機器の外観を示す図であり、
図3(a)は電気機器を横に装着した例を示しており、
図3(b)は電気機器を縦に装着した例を示す。
【
図4】本発明の一実施形態による電気機器の電気的機能ブロックを簡略に示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図2は、2つのディスプレイを適用したリレーの例を示しており、
図2(a)及び
図2(b)は2つの横型ディスプレイを適用したものであり、
図2(c)及び
図2(d)は2つの縦型ディスプレイを適用したものである。
【0019】
図2の例は、本発明に至る過程中に創案された中間発明として、メーター機能とリレー機能のための独立した画面を有しているが、各画面で表示される内容は、メーターとリレーを機能別に分けて独立して構成及び表示する。各画面で主に表示する内容を決め、それに応じてメーターとリレーの特性を有する要素を効率的に表示し、利便性を高めることができる。
【0020】
ユーザーがリレーを誤動作させると、停電事故などの致命的な事故につながる可能性があるが、独立した画面を有しているためユーザーは安全に装置を管理することができる。また、一般的な動作状態では、メーター画面の計測値を確認することが主な運営及び操作であり、リレー関連の操作がほとんどないため、信頼性を確保することができるだけでなく、ユーザーに心理的な安定感を与えることができる。
【0021】
そして、メーターとリレーが独立した画面を有しているため、事故時以外には、メーター画面を通した運転を行うことで信頼性を確保することができ、ユーザーの誤動作も最小化することができ、事故分析時には2つの画面を利用して効果的に分析することができ、装置を管理することができる。
【0022】
しかし、リレー(継電器)が配電盤などに装着されるとき、内外部の構成によって多様な形で製作されるが、特に、配電盤によっては、リレーは、横の長い横型のものが適当であるか、又は縦の長い縦型のものが適当である。このような状況のため、製造者にとっては配電盤によって横型リレー及び縦型リレーをそれぞれ製造しなければならない負担が存在する。
【0023】
リレー(継電器)の形態が正方形であればこのような構成を満足させることができるが、構造上正方形でない形態の製品が一般的であるため、横型又は縦型の製品に限定製造され、配電盤の製作時に横型又は縦型のものを所望の通りに適用することができない。
【0024】
一般的に製品内部に使用されるディスプレイの形態は長方形が一般的であり、2つの画面で構成されるときは
図2のような構造になるが、このような構造では配電盤の形態に合わせて横の長いリレーと縦の長いリレーを両方とも製作・供給しなければならず、必要に応じてそれぞれ独立したモデルの製品があってこそ円滑な対応ができる。
【0025】
図3は、本発明の一実施形態による電気機器の外観を示す図であり、
図3(a)は電気機器を横に装着した例を示し、
図3(b)は電気機器を縦に装着した例を示す。
【0026】
図3(a)及び
図3(b)は、同一の電気機器100を配電盤の構成状況により装着方向を異にし、すなわち回転して配電盤などの支持体(図示せず)に装着されたものである。支持体は、ボックス、キャビネット、引き出し、パネル及びラックなどであるか、又はこれらの一部であり得る。本発明の一実施形態による電気機器100はリレーであってもよく(以下、説明の便宜上、「電気機器」は「リレー」と称されることもあり、リレーはさらにメーターの機能を兼ね備えることができる)、ハウジング30に各種の構成要素が構成されるが、特に前面を向く第1のディスプレイ10及び第2のディスプレイ20、並びに複数のボタン40を備える。
【0027】
第1のディスプレイ10及び第2のディスプレイ20は、LCD又はOLEDなどのようなフラットパネルディスプレイであり、好ましくはタッチスクリーン機能を備えており、すべて同一の電気機器、すなわち同一のハウジング30に構成される。第1のディスプレイ10及び第2のディスプレイ20は共に長方形であり、図に示すように、第1のディスプレイ10の長辺方向と第2のディスプレイ20の長辺方向は互いに直交する。ここでの「直交」は正確に90°を意味するものではなく、リレーの装着状況に応じて一方のディスプレイが横方向になれば、他方のディスプレイは縦方向になるようにハウジングに構成されることを意味する。
【0028】
配電盤などの支持体に装着される電気機器100において、第1のディスプレイ10及び第2のディスプレイ20のうち、一方は長方形の横画面を提供し、平常時のメーターの機能に関する情報を表示し、第1のディスプレイ10及び第2のディスプレイ20のうち、他方は長方形の縦画面を提供し、平常時のリレーの機能に関する情報を表示する。
【0029】
電気機器100が支持体に横方向に装着されているか、又は縦方向に装着されているかにかかわらず、第1のディスプレイ10及び第2のディスプレイ20の一方は常に横画面を提供し、他方は常に縦画面を提供する。
図3(a)に示すリレーを反時計回りに90°回転すると、
図3(b)に示すリレーになる(ディスプレイに表示される内容は互いに切り替えられている)。
【0030】
電気機器100が、例えば、支持体に横方向に装着されるとき、第1のディスプレイ10は横画面を提供し、第2のディスプレイ20は縦画面を提供し、装着方向が変更されて電気機器100が支持体に縦方向に装着されるとき、第1のディスプレイ20は縦画面を提供し、第2のディスプレイ20は横画面を提供する。
【0031】
電気機器が支持体に横方向に装着されたときに、第1のディスプレイ10に表示される情報は、電気機器が支持体に縦方向に装着されるように変更されると、第2のディスプレイ20に表示される。電気機器が支持体に横方向に装着されたときに、第2のディスプレイ20に表示される情報は、電気機器が支持体に縦方向に装着されるように変更されると、前記第1のディスプレイ10に表示される。
【0032】
電気機器が支持体に横方向に装着されるか、又は縦方向に装着されるかにかかわらず、平常時の横画面はメーターの機能に関する情報を基本的に表示し、縦画面はリレーの機能に関する情報を基本的に表示する。メーターの機能に関する情報は、電圧、電流、電力、エネルギー、周波数及びパワーファクタ、並びに高調波などに関する分析、特にこれらの一部に関する波形情報Gを含む。そして、リレーの機能に関する情報は、系統
図Tと、このような系統図に表示されうる遮断器の状態情報及びリレーの動作状態情報などと、を含む。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、配電盤の構成によってリレーが回転してもその変化に合わせて特定の情報(例えば、メーターの機能関連情報)は、横画面の内容表示が維持され、他の特定の情報(例えば、リレーの機能関連情報)は、縦画面の内容表示が維持される機能を有しているため、製作や現場状況に応じて同じ製品で90°回転させて適切な製品構成が可能であり、要求されるどのような配電盤の構造にも合わせて適用できる効果がある。
【0034】
そして、ハウジング30には前面を向く複数の入力ボタン40が構成されるが、入力ボタン40に表示される文字列は第1のディスプレイ10と第2のディスプレイ20との間を向くように傾斜している。仮定して、入力ボタン40に表示される文字列が傾斜せず、例えば第1のディスプレイ10を向いていれば、
図3(a)に示すように電気機器が装着される状況では文字列に対する認識が容易であるものの、
図3(b)に示すように90°回転された状態で装着する場合、ユーザーの文字列に対する視覚的認識が容易にならない。入力ボタンが横型に合わせて平行に表示されると、縦型に変更させるときは文字が横になって表示され、視覚的に認識しにくく、その逆の場合も同様に視覚的認識に困難がある。なお、動作キーに応じて表示すべきLED窓(ウィンドウ)があるものの、このような構造では動作キーと同じように配置するのに困難がある。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、入力ボタン40に表示される文字列は、第1のディスプレイ10と第2のディスプレイ20との間を向くように傾斜することによって、電気機器の装着方向が可変な状況でも入力ボタン40に表示される文字列に対する認識がより容易になる効果がある。本発明によれば、入力ボタンの文字表示を斜線で配置して製品が配電盤に装着されるときに、横型又は縦型のいずれの場合にも対応できるように構成する。
【0036】
なお、入力ボタンの動作状態を表示するLED投光窓も入力ボタンの角部(エッジ部)に配置し、入力ボタンの文字と同様に横型又は縦型のいずれの場合にも対応できるようにすることで視認性を良くする。
【0037】
複数の入力ボタンの中の一部又は全部において、第1のディスプレイ10と第2のディスプレイ20との間を向くエッジ部に、又は前記エッジ部とその反対方向のエッジ部には、LEDランプのための投光窓 Wを設け、投光窓Wの内部にはLEDランプを設ける。エッジに構成されるLED表示投光窓を用いて該当するボタンの選択可否を表示し、単一入力ボタンの両方のエッジに投光窓が構成される場合、例えば、ボタン
【数1】
が「LOCAL」と「REMOTE」の間をトグルする状態を表示するように、トグルされている状態を表示することができる。
【0038】
一方、入力ボタン40などを用いたユーザの要求時には、平常時と異なり、横画面は特定機能の波形情報を表示し、縦画面は同一の特定機能に関連されるテキスト情報を表示することができる。横画面は波形情報の表示に最適化され、縦画面は表示される波形情報に関連されるテキスト表示に利用することで情報の効率的な表示が可能である。
【0039】
一般的な運用状態において、独立した2つの画面にメーター用とリレー用の画面をそれぞれ分離し、それぞれの決まった画面で表示することでユーザーの誤動作を最小化するが、波形分析時や事故分析時など、多くのグラフィックデータを示さなければならない場合には、2つの画面を組み合わせて運営する機能を備えることで、使いやすさを最大化することができる。
【0040】
図4は、本発明の一実施形態による電気機器の電気的機能ブロックを簡略に示す。
【0041】
ブロック図の各ブロックの内側に示されている事項は、該当するブロックの実装例を摘示するものであり得る。電気機器100は、系統に装着されるPT及びCTなどを用いて入力されるリアルタイムアナログ電圧信号及びアナログ電流信号を処理するが、マルチチャンネルのアナログ-デジタル変換器ADC1、ADC2を含む電気信号入力部と、前記電気信号入力部60によりデジタル信号に変換されるリアルタイム電流信号データ及び電圧信号データを用いて各種のメーターの機能関連情報を生成し、リレー関連のモニタリング及び制御を行う制御部50と、前記制御部50から提供される情報を表示する第1のディスプレイ10及び第2のディスプレイ20と、上位システム及び/又は隣接する装置と通信を行う通信部82と、デジタル入出力及びアナログ入出力を遂行して制御部50に入出力信号のやり取りを行う入出力部70と、電気機器に電源を供給する電源部81などと、を備える。
【0042】
制御部50は、デジタル領域で各種の信号処理及び演算を行い、リレーとしての保護機能を遂行するために処理及び制御を行う1つの高性能DSPと、前記DSPから必要な情報を受け、第1のディスプレイ10に表示する情報(信号)を提供し、通信部82を制御して通信機能を遂行するための制御及び処理を行う第1のアプリケーションプロセッサAP1と、前記第1のアプリケーションプロセッサAP1から必要な情報を受けて、第2のディスプレイ20に表示される情報(信号)を提供する第2のアプリケーションプロセッサAP2と、を含んで構成される。
【0043】
特に、電気機器の装着方向によって、第1のディスプレイ10及び第2のディスプレイ20に表示する内容が互いにトグルされうるが、電気機器の制御部50、具体的には第1のアプリケーションプロセッサAP1は、電気機器が支持体に装着される装着方向を決定する。装着方向は、電気機器に設けられた入力ボタン40又は第1、2のディスプレイに構成されるタッチスクリーンなどを介してユーザー(管理者)から入力を受けて決定されるか、又は電気機器に別途の重力センサを構成し、構成された重力センサを用いて重力方向をセンシングしたことにしたがって、装着方向が決定される。
【0044】
そして、第1のディスプレイ10及び第2のディスプレイ20に表示される情報は、決定された装着方向に応じて異なって決定する。平常時に、電気機器が支持体に横方向に装着されるように決定される場合、第1のアプリケーションプロセッサAP1は、第1のディスプレイ10にメーターの機能関連情報を提供して表示されるようにし、第2のアプリケーションプロセッサAP2にリレーの機能関連情報を伝達して、第2のアプリケーションプロセッサAP2が第2のディスプレイ20を制御して表示されるようにすることができる。電気機器が支持体に縦方向に装着されるように決定されれば、第1のアプリケーションプロセッサAP1は、第1のディスプレイ10にリレーの機能関連情報を提供して表示されるようにし、第2のアプリケーションプロセッサAP2にメーターの機能関連情報を伝達して、第2のアプリケーションプロセッサAP2が第2のディスプレイ20を制御して表示されるようにすることができる。前述では、説明の便宜上電気機器の形態と、第1のディスプレイ及び第2のディスプレイの横対応及び縦対応、第1のアプリケーションプロセッサ及び第2のアプリケーションプロセッサの対応を想定して説明したが、様々な形態が可能であることは言うまでもない。
【0045】
一方、系統に構成される遮断器(図示せず)の状態情報は、入出力部70のDI端子を利用して入力され、遮断器のトリップ信号はDO端子を介して出力される。制御部50は、具体的には、DSPは電気信号入力部60を介在してリアルタイム電圧信号や電流信号などをモニターしながら遮断器をトリップする必要がある場合、トリップ信号をDO端子を介して提供するなどの過程を経てリレー機能を遂行する。
【符号の説明】
【0046】
10 第1のディスプレイ
20 第2のディスプレイ
30 ハウジング
40 入力ボタン
50 制御部
60 電気信号入力部
70 入出力部
81 電源部
82 通信部
100 電気機器