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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】壁面用目地装置
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/68 20060101AFI20240621BHJP
【FI】
E04B1/68 100A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023053212
(22)【出願日】2023-03-29
【審査請求日】2023-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000110365
【氏名又は名称】ドーエイ外装有限会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080838
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 光康
(74)【代理人】
【識別番号】100194261
【弁理士】
【氏名又は名称】栢原 崇行
(72)【発明者】
【氏名】後藤 英夫
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-322132(JP,A)
【文献】特開2021-042583(JP,A)
【文献】特開2014-169531(JP,A)
【文献】特開2000-192558(JP,A)
【文献】特開2000-345625(JP,A)
【文献】特開2019-112819(JP,A)
【文献】特開2001-288825(JP,A)
【文献】特開2016-132932(JP,A)
【文献】特開2004-324087(JP,A)
【文献】実開平05-078712(JP,U)
【文献】特開2001-20394(JP,A)
【文献】特開2012-1941(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の躯体及び他方の躯体にそれぞれ一端部が取り付けられた1対の端部目地プレートと、一端部が一方の躯体に取り付けられていると共に、他端部が他方の躯体に取り付けられ、かつ左右方向に伸縮可能な支持部材と、支持部材に底部が支持された略鉛直方向のバー部材と、バー部材に前後方向に摺動可能に取り付けられ、前記端部目地プレートの他端部に左右の端部がそれぞれ略当接するように設けられた中央目地プレートと、端部目地プレートの他端部と中央目地プレートの両端部の背面側に設けられたカバープレートと、中央目地プレートの略中央部を常時目地部の略中央部に位置させる中央維持手段と、中央目地プレートを常時後方へ付勢する付勢手段と、前記カバープレートを端部目地プレートと中央目地プレートの間に常時位置させる位置調節手段とで構成され、前記位置調節手段は、リンク機構と、このリンク機構に設けられ、前記カバープレートを取り付ける取付部材とで構成され、端部目地プレートの他端部には押出し傾斜部が形成され、地震によって目地部が狭くなった場合に中央目地プレートが押出し傾斜部に押圧されて前方側へ略平行移動する壁面用目地装置。
【請求項2】
前記支持部材は、一端部が前記一方の躯体及び前記他方の躯体それぞれに設けられた1対のアーム部材と、前記1対のアーム部材の他端部に設けられ、常時目地部の略中央部に位置する支持部材本体とで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の壁面用目地装置。
【請求項3】
前記中央目地プレートの両端部には前記押出し傾斜部と対応する摺接用の傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の壁面用目地装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は目地部を介して設けられた左右の躯体の壁面間の目地部を塞ぐ壁面用目地装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一方の躯体と他方の躯体間の壁面部分の目地部を塞ぐ目地装置としては、主に軽量な薄い板材を用いた壁面用目地カバーを用いた様々な壁面用目地装置が知られている。
【0003】
しかしながら、左右の躯体の壁面の模様等を目地プレートにも施し、美観を向上させたい場合には、ある程度重量のある目地プレートを用いた壁面用目地装置とする必要があった。そのような壁面用目地装置としては「目地部を介した左右の壁躯体の外壁面より内側位置の目地部側部位にヒンジ部材を介して取付けられた左右の取付け金具と、この左右の取付け金具の一方の取付け金具に一端が枢支され、他端部が他方の取付け金具に枢支あるいは水平方向にスライド移動可能に枢支された中央部に中央枢支部を有する少なくとも2個の中央維持リンク機構と、この少なくとも2個の中央維持リンク機構の中央枢支部あるいは中央枢支部に枢支された支持バーに常時外方へ突出するように付勢状態で中央部が取付けられた前記目地部のほぼ半分の幅寸法で、前記他方の取付け金具側に目地部が狭くなると前記他方の取付け金具と中央維持リンク機構との間に入り込んで、該中央維持リンク機構の他方側を後方へスライド移動させる傾斜面の支持片を有する中央目地プレートと、この中央目地プレートの中央部に傾斜面が形成された先端部が支持され、後端部が前記一方の取付け金具に先端部が水平方向に回動可能に取付けられた一方の目地プレートと、この一方の目地プレートの先端部が常時前記中央目地プレートに支持されるように付勢する一方の目地プレート付勢機構と、前記中央目地プレートの中央部に前記一方の目地プレートの傾斜面に乗り上がるような傾斜面が形成された先端部が支持され、後端部が前記他方の取付け金具に固定された他方の目地プレートと、この他方の目地プレートの先端部を常時前記中央目地プレートに支持されるように付勢する他方の目地プレート付勢機構とからなることを特徴とする壁面用目地装置」が知られている(特許文献1)。
【0004】
このような壁面用目地装置は、美観を向上させるとともに地震による揺れ動きも吸収できるものであるが、地震によって目地部が狭くなった場合、従来の壁面用目地装置よりも危険性は少ないものの他方の目地プレートの先端部が前方へ斜めに飛び出してしまうものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-095321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、目地プレートや躯体を破損することなく、かつ、目地部が開口することなく地震による揺れ動きを吸収することができる壁面用目地装置を提供することを目的としている。
【0007】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の壁面用目地装置は、一方の躯体と他方の躯体の間の目地部を塞ぐ壁面用目地装置であって、前記一方の躯体及び前記他方の躯体にそれぞれ一端部が取り付けられた1対の端部目地プレートと、前記一方の躯体に一端部が取り付けられ、前記他方の躯体に他端部が取り付けられ、左右方向に伸縮可能な支持部材と、前記支持部材に底部が支持され、略鉛直方向に延在するバー部材と、前記バー部材に前後方向に摺動可能に取り付けられ、前記1対の端部目地プレートの他端部に左右の端部がそれぞれ略当接するように設けられた中央目地プレートと、前記1対の端部目地プレートの他端部と前記中央目地プレートの両端部の背面側に設けられたカバープレートと、前記中央目地プレートの略中央部を常時前記目地部の略中央部に位置させる中央維持手段と、前記中央目地プレートを常時後方へ付勢する付勢手段と、前記カバープレートを前記端部目地プレートと前記中央目地プレートの間に常時位置させる位置調節手段とで構成され、前記位置調節手段は、リンク機構と、このリンク機構に設けられ、前記カバープレートを取り付ける取付部材とで構成され、前記端部目地プレートの他端部には、押出し傾斜部が形成され、地震によって前記目地部が狭くなった場合に、前記中央目地プレートが前記押出し傾斜部に押圧されて前方側へ略平行移動することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の壁面用目地装置の前記支持部材は、一端部が前記一方の躯体及び前記他方の躯体それぞれに設けられた1対のアーム部材と、前記1対のアーム部材の他端部に設けられ、常時目地部の略中央部に位置する支持部材本体とで構成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の壁面用目地装置の前記中央目地プレートの両端部には前記押出し傾斜部と対応する摺接用の傾斜面が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1に記載の発明においては、1対の端部目地プレートと前方側へ位置変位可能な中央目地プレートにより目地部を塞ぐとともに、1対の端部目地プレートの他端部と前記中央目地プレートの両端部の背面側にそれぞれ設けられたカバープレートを設けているため、地震時に目地プレートや躯体を破損することなく、かつ、目地部が開口することなく地震による揺れ動きを吸収することができる
(2)請求項2に記載の発明においても前記(1)と同様な効果を得られるとともに、より効率よく目地プレート等の荷重を受けることができる。
(3)請求項3に記載の発明においても前記(1)~(2)と同様な効果を得られるとともに、地震時によりスムーズに中央目地プレートを前方側へ略平行に押し出すことができ、かつ、1対の端部目地プレートと前記中央目地プレートの当接部分に生じる隙間を小さくできるため、より美観を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1乃至図8は本発明の第1の実施形態を示す各説明図である。
図9及び図10は本発明の第2の実施形態を示す各説明図である。
図1】第1の実施形態の目地装置の正面図。
図2図1の2-2線に沿う断面図。
図3】端部目地プレートの説明図。
図4】中央目地プレートの説明図。
図5】支持部材、バー部材、中央維持手段及び付勢手段の説明図。
図6】カバープレート及び位置調節手段の説明図。
図7】地震で目地部が狭くなった状態の動作説明図。
図8】地震で目地部が広くなった状態の動作説明図。
図9】第2の実施形態の目地装置の正面図。
図10図9の10-10線に沿う断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書では図1を基準として左右方向、上(図面上方)下(図面下方)方向という。図2を基準として前(図面下方)後(図面上方)方向という。
【0014】
また、本発明において躯体とは、建物、道路、スラブ、エレベーターシャフト等の目地プレートを設置可能な建造物をいい、出入口とはドアや扉の設けられた出入口だけではなく、人や車両等が通行できる通路も含むものである。
【0015】
図1乃至図8に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は一方の躯体3と他方の躯体4間の目地部2を塞ぐ壁面用目地装置である。
【0016】
この壁面用目地装置1は、例えば図1及び図2で示すように、一方の躯体3と他方の躯体4の壁面にそれぞれ固定側の一端部が取り付けられ、摺接用の他端部が対向するように設けられた1対の端部目地プレート5と、前記一方の躯体3に一端部が取り付けられ、前記他方の躯体4に他端部が取り付けられ、左右方向に伸縮可能な支持部材6と、前記支持部材6に底部が支持され、略鉛直方向に延在する柱状のバー部材7と、前記バー部材7に接続部材15を介して前後方向に摺動可能に取り付けられ、前記1対の端部目地プレート5の他端部に左右の端部がそれぞれ略当接するように設けられた中央目地プレート8と、前記1対の端部目地プレート5の摺接用の他端部と前記中央目地プレート8の摺接用の両端部の背面側にそれぞれ設けられた単数又は複数のカバープレート9と、前記中央目地プレート8の略中央部を常時目地部2の略中央部に位置させる単数又は複数の中央維持手段10と、前記中央目地プレート8を常時後方へ付勢する単数又は複数の付勢手段11と、前記カバープレート9を常時端部目地プレート5と中央目地プレート8の間に位置させる単数又は複数の位置調節手段12とで構成されている。ここで「略当接する」とは、接触している状態だけでなく、わずかな間隙を有して接近している状態も含むものである。
【0017】
端部目地プレート5は、図3で示すように、一方の躯体3の目地部側壁面と他方の躯体4の目地部側壁面にそれぞれヒンジ部材やアングル状の金具等を介して固定された正面視において略長方形状の板状の部材である。しかして、端部目地プレート5は、図7で示すように、摺接用の他端部(突出端部)には目地部2が狭くなった際に中央目地プレート8の摺接端部が摺動して乗り上げ、中央目地プレート8を前方へと押し出す「押出し傾斜部13」となっている。前記押出し傾斜部13は、実施形態では全体が傾斜面となっているが、やや波状や段差状の傾斜面であっても良い。
【0018】
なお、この端部目地プレート5の表面(前方側の面)は、好ましくは左右の躯体3、4の前方側の壁面と略面一となるように設けられている。
【0019】
中央目地プレート8は、図2で示すように、1対の端部目地プレート5の間に設けられている。また図4で示すように、目地部2を塞ぐ正面視において略長方形状の板状の部材であり、その両端部には端部目地プレート5に形成された押出し傾斜部13と対応するような摺接用の傾斜面14が形成されている。ここで、押出し傾斜部13と対応する摺接用の傾斜面14は、望ましくは、実施形態の如く、押出し傾斜部13の押出し面と摺接用の傾斜面14とが略平行となるような傾斜面である。
【0020】
この中央目地プレート8は、バー部材7に前後方向に摺動可能な接続部材15を介して接続されており、このバー部材7は、図5で示すように、支持部材6に底部が支持されている。すなわち、中央目地プレート8は水平の支持部材6に鉛直の柱状バー部材7を介して取り付けられている。
【0021】
支持部材6は、本実施形態では、図5で示すように、一端部が前記一方の躯体及び前記他方の躯体それぞれに設けられた1対のアーム部材16と、前記1対のアーム部材16の他端部に設けられ、常時目地部2の略中央部に位置する支持部材本体17とで構成されている。
【0022】
この支持部材6の支持部材本体17の略中央部にはバー部材7が固定的に取り付けられており、中央目地プレート8やバー部材7等の重量の重い物品を支えることができる構造となっている。
【0023】
なお、支持部材6は本実施形態に記載の構成の他、その他公知の支持機構を用いることができる。例えば、角柱状又は角パイプ状で左右1対のアーム部材と、この1対のアーム部材と支持部材本体の間にそれぞれ設けられた角パイプ状の中間支持アームとで構成してもよい。このような構造の支持部材6においては、一方の躯体3側からアーム部材、中間支持アーム、支持部材本体、中間支持アーム、アーム部材の順に接続されており、このように内部寸法が異なる箱状又は筒状の部材を互いに入れ子のような構造で接続することにより支持部材6を構成している。
【0024】
また、角パイプ状で一端部が一方の躯体に取り付けられた一方の支持アームと、一端部が他方の躯体に取り付けられ他端部が他方の支持アームに入り込む他方の支持アームとで構成してもよい。
【0025】
中央目地プレート8の略中央部が常時目地部2の略中央部に位置するように中央維持手段10が設けられている。
【0026】
この中央維持手段10は、本実施形態では図5で示すように、パンタグラフ状のリンク部材18が用いられており、このリンク部材18の中央の中央枢支部19に接続部材15が前後方向に摺動可能に取り付けられており、これによりバー部材7及び中央目地プレート8が常時目地部の略中央に位置する。なお、図5で、前記リンク部材18の左右に位置する各リンク部材18の枢支部は、コ字型の支持部を有する左右一対の枢支部材10aに支持されている。
【0027】
また、中央目地プレート8は常時後方へ付勢する付勢手段11により付勢されており、この付勢手段11によって押出し傾斜部13と摺接用の傾斜面14が略当接状態となるとともに、端部目地プレート5と中央目地プレート8の表面及び背面が略面一となる。
【0028】
この付勢手段11は、本実施形態では図5で示すように、接続部材15に設けられ、接続部材15を常時後方へ押圧するコイルスプリング状の部材が用いられている。このような付勢手段11以外にも、例えば中央目地プレート8の背面側にワイヤー等を介してコイルスプリングを取り付けて後方側へ付勢するものや、中央目地プレート8の背面側にワイヤー及び滑車を介しておもりを取り付けて後方側へ付勢するもの等を用いてもよい。
【0029】
ところで、この中央目地プレート8や1対の端部目地プレート5の表面に、左右の躯体3、4の前方側の壁面と統一性がある質感や模様等を表現した化粧板が設けられていてもよい。化粧板を設ける場合には、浅皿状に形成された目地プレート本体と、この目地プレート本体に充填されたモルタルやコンクリート等の充填部材と、目地プレート本体の表面を覆う化粧板とで中央目地プレート8や1対の端部目地プレート5を構成するとよい。
【0030】
カバープレート9は、図6に示すように正面視において略長方形状の薄板で、中央目地プレート8と端部目地プレート5の当接部分の背面側に設けられている。このカバープレート9は、位置調節手段12によって常時端部目地プレート5と中央目地プレート8の間に位置しており、地震で目地部2が広くなった場合に、目地部2が開口しないように端部目地プレート5と中央目地プレート8の間の隙間を塞ぐことができるものである。
【0031】
なお、カバープレート9の前方側の面(表面)は中央目地プレート8及び端部目地プレート5の背面に略当接するように設けられている。
【0032】
位置調節手段12は、図6で示すように、複数個のリンクを組み合わせたリンク機構20と、このリンク機構20の枢支部21にカバープレート9を取り付ける取付部材22とで構成されている。前記リンク機構20の左右に位置する各リンク機構20の枢支部は、コ字型の支持部を有する左右一対の枢支部材12aに支持されている。
【0033】
ところで、中央維持手段10と位置調節手段12は上下方向に所定間隔を有して複数個設けられており、中央維持手段10、位置調節手段12及び支持部材6はヒンジを介して前後方向に回動可能に設けている。また、中央維持手段10と位置調節手段12のいずれか一方のみ、例えば位置調節手段12のみを用い、位置調節手段の中央枢支部19に中央目地プレート8を接続するとともに、左右の枢支部21にカバープレート9を接続してもよい。
【0034】
地震で目地部2が狭くなるように左右の躯体3、4が揺れ動くと、図7に示すように、中央目地プレート8は左右の押出し傾斜部13が左右に位置する端部目地プレート5に乗り上るように、かつ、押出し傾斜部13に沿って前方側へ略平行移動して揺れ動きを吸収する。
【0035】
地震による揺れ動きが終了すると、中央目地プレート8は付勢手段11により後方側へ平行移動するように位置変位して通常状態に復帰する。
【0036】
地震で目地部2が広くなるように左右の躯体3、4が揺れ動くと、図8に示すように中央目地プレート8と1対の端部目地プレート5が離間するように動き、地震による揺れ動きを吸収する。この時中央目地プレート8と1対の端部目地プレート5の間には隙間が生じるが、カバープレート9が常時中央目地プレート8と1対の端部目地プレート5の間に位置するため、隙間を塞ぐことができ、目地部2が開口することを防止できる。
【0037】
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図9及び図10に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0038】
図9及び図10に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、一方の躯体とバー部材7の間及び他方の躯体4とバー部材7の間にそれぞれパンタグラフ状のリンク機構20Aを設けてカバープレート9を常時端部目地プレート5と中央目地プレート8の略当接部位の背面側に位置させる位置調節手段12Aにした点で、このような壁面用目地装置1Aにしても前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0039】
なお、本発明の実施の形態においては、リンク部材等を用いた中央維持手段や位置調節手段を用いたが、ラックピニオン等を利用した中央維持手段や位置調節手段を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は壁面用目地装置を製造する産業で利用される。
【符号の説明】
【0041】
1、1A:壁面用目地装置、 2:目地部、
3:一方の躯体、 4:他方の躯体、
5:端部目地プレート、 6:支持部材、
7:バー部材、 8:中央目地プレート、
9:カバープレート、 10:中央維持手段、
11:付勢手段、 12、12A:位置調節手段、
13:押出し傾斜部、 14:摺接用の傾斜面、
15:接続部材、 16:アーム部材、
17:支持部材本体、 18:リンク部材、
19:中央枢支部、 20:リンク機構、
21:枢支部、 22:取付部材。
【要約】      (修正有)
【課題】目地プレートや躯体を破損することなく地震による揺れ動きを吸収することができる壁面用目地装置を提供すること。
【解決手段】壁面用目地装置1は、一方の躯体3及び他方の躯体4にそれぞれ一端部が取り付けられた1対の端部目地プレート5と、一端部が一方の躯体に取り付けられていると共に、他端部が他方の躯体に取り付けられた中央目地プレート8と、端部目地プレート5の他端部と中央目地プレート8の両端部の背面側に設けられたカバープレート9で構成され、端部目地プレート5の他端部には押出し傾斜部が形成され、地震によって目地部が狭くなった場合に中央目地プレートが押出し傾斜部に押圧されて前方側へ略平行移動する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10