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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】ボンベ運搬台車
(51)【国際特許分類】
   B62B 3/10 20060101AFI20240621BHJP
   B62B 3/00 20060101ALI20240621BHJP
   B62B 5/06 20060101ALI20240621BHJP
   B62B 5/00 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
B62B3/10 A
B62B3/00 B
B62B3/00 D
B62B5/06 A
B62B5/00 L
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023104258
(22)【出願日】2023-06-26
【審査請求日】2023-06-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522119075
【氏名又は名称】四国アセチレン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001597
【氏名又は名称】弁理士法人アローレインターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】大橋 正明
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2021-0032646(KR,A)
【文献】特開2019-043202(JP,A)
【文献】特開2005-271687(JP,A)
【文献】米国特許第01820728(US,A)
【文献】米国特許第01510456(US,A)
【文献】米国特許第01719763(US,A)
【文献】実開平06-042516(JP,U)
【文献】米国特許第06062328(US,A)
【文献】特開2017-081465(JP,A)
【文献】特開平09-109769(JP,A)
【文献】特開2009-292373(JP,A)
【文献】米国特許第05042827(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 3/10
B62B 3/00
B62B 5/06
B62B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右に間隔をあけて配置されてそれぞれ上下に延びる一対のフレームと、
棒状に形成されて両端部が一対の前記フレームにそれぞれ固定されたハンドル部と、
一対の前記フレームの下部に取り付けられた支持部材と、
前記支持部材に支持された車軸と、
前記車軸の両端部に設けられた一対の車輪とを備え、
前記支持部材は、一対の前記フレームの前方に突出してボンベを載置可能な載置部と、一対の前記フレームの後方で前記車軸を回転可能に支持する取付部とを備えており、
前記ハンドル部は、一対の前記フレームの左右両側に張り出すように屈曲または湾曲して形成され、
一対の前記フレームの間隔はボンベの直径よりも小さく、一対の前記フレームの間にボンベが配置されて、一対の前記フレームによりボンベを支持することが可能であり、
前記ハンドル部は、平面視において一対の前記フレーム間を結ぶ仮想線を一方の底辺とする等脚台形状に形成され、長辺側となる他方の底辺に相当する部分が把持部とされており、
前記取付部に固定されたハウジングと、
前記ハウジングに回転可能に支持されて一対の前記車輪の後方に配置された補助輪とを更に備え、
一対の前記車輪および前記補助輪が水平面に接地した状態で、一対の前記フレームと水平面とのなす角度が65~70度であり、
前記ハンドル部は、一対の前記フレームと直交するように配置されているボンベ運搬台車。
【請求項2】
前記ハンドル部の左右方向の最大幅は、一対の前記車輪の内面間の間隔よりも大きく、一対の前記車輪の外面間の間隔よりも小さい請求項1に記載のボンベ運搬台車。
【請求項3】
前記ハウジングは、電動モータが収容されており、
前記電動モータは、前記補助輪を回転駆動することによりアシスト力を生成する請求項1に記載のボンベ運搬台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボンベ運搬台車に関する。
【背景技術】
【0002】
ボンベを人力で運搬するのに使用されるボンベ運搬台車として、例えば、特許文献1に開示された構成が知られている。図6に側面図で示すように、このボンベ運搬台車50は、左右のフレーム51の下端側にボンベ52を載せる載置板53が取付けられており、フレーム51の上端側にはハンドル部54が設けられている。フレーム51の後方には、車輪軸によって連結された2個の車輪55が設けられている。
【0003】
ボンベ52は、載置板53に載せられて、左右のフレーム51の間に設けられたボンベ受部材57で支持される。車輪55の後方には、折り曲げ可能に結合された連結部材59a,59bを介してキャスタ58が設けられており、切替レバー61の操作により連結部材59a,59bの折り曲げ角度を変えることで、車輪55とキャスタ58との間隔を変更することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-154941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のボンベ運搬台車50は、車輪55とキャスタ58との間隔を小さくすることで、通路の曲がり角の幅が狭い場合でも通行可能とされているが、ボンベ52の重量が重い場合には、通路を曲がる際のハンドル部54の操作が困難で力を要するため、女性や高齢者等が取り扱い難いという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、ボンベの運搬を容易に行うことができるボンベ運搬台車の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の前記目的は、左右に間隔をあけて配置されてそれぞれ上下に延びる一対のフレームと、棒状に形成されて両端部が一対の前記フレームにそれぞれ固定されたハンドル部と、一対の前記フレームの下部に取り付けられた支持部材と、前記支持部材に支持された車軸と、前記車軸の両端部に設けられた一対の車輪とを備え、前記支持部材は、一対の前記フレームの前方に突出してボンベを載置可能な載置部と、一対の前記フレームの後方で前記車軸を回転可能に支持する取付部とを備えており、前記ハンドル部は、一対の前記フレームの左右両側に張り出すように屈曲または湾曲して形成され、一対の前記フレームの間隔はボンベの直径よりも小さく、一対の前記フレームの間にボンベが配置されて、一対の前記フレームによりボンベを支持することが可能であり、前記ハンドル部は、平面視において一対の前記フレーム間を結ぶ仮想線を一方の底辺とする等脚台形状に形成され、長辺側となる他方の底辺に相当する部分が把持部とされており、前記取付部に固定されたハウジングと、前記ハウジングに回転可能に支持されて一対の前記車輪の後方に配置された補助輪とを更に備え、一対の前記車輪および前記補助輪が水平面に接地した状態で、一対の前記フレームと水平面とのなす角度が65~70度であり、前記ハンドル部は、一対の前記フレームと直交するように配置されているボンベ運搬台車により達成される。
【0008】
このボンベ運搬台車において、前記ハンドル部の左右方向の最大幅は、一対の前記車輪の内面間の間隔よりも大きく、一対の前記車輪の外面間の間隔よりも小さいことが好ましい。
【0010】
上記のボンベ運搬台車において、前記ハウジングは、電動モータが収容されていることが好ましく、前記電動モータは、前記補助輪を回転駆動することによりアシスト力を生成することができる
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ボンベの運搬を容易に行うことができるボンベ運搬台車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係るボンベ運搬台車の斜視図である。
図2図1に示すボンベ運搬台車の正面図である。
図3図1に示すボンベ運搬台車の側面図である。
図4図1に示すボンベ運搬台車の平面図である。
図5図1に示すボンベ運搬台車の作動を説明するための側面図である。
図6】従来のボンベ運搬台車の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るボンベ運搬台車の斜視図である。また、図2から図4は、それぞれ図1に示すボンベ運搬台車の正面図、側面図および平面図である。図1から図4に示すように、ボンベ運搬台車1は、一対のフレーム2,3、ハンドル部4、支持部材10、車軸20および車輪21,22を備えている。
【0014】
一対のフレーム2,3は、上下に直線状に延びるように形成されており、左右に間隔をあけて互いに平行に配置されている。一対のフレーム2,3の間隔は、運搬するボンベの直径よりも小さいことが好ましく、一対のフレーム2,3の間にボンベを配置することができる。
【0015】
ハンドル部4は、棒状に形成されており、ハンドル部4の両端部が一対のフレーム2,3の上部にそれぞれ固定されている。一対のフレーム2,3の上端は、連結部材5により互いに連結されている。ハンドル部4は、一対のフレーム2,3と直交するように配置されている。
【0016】
図4に平面視で示すように、ハンドル部4は、一対のフレーム2,3間を結ぶ仮想線Vを一方の底辺とする等脚台形状に形成されており、左右両側の角部4a,4bが円弧状とされている。ハンドル部4は、一対のフレーム2,3の左右両側に張り出すように形成されており、長辺側となる他方の底辺に相当する部分が把持部4cとされている。使用者は、ハンドル部4の把持部4cまたは角部4a,4bを把持して、ボンベ運搬台車1を操作することができる。
【0017】
ハンドル部4は、一対のフレーム2,3の左右両側に張り出すように屈曲または湾曲して形成されていればよく、その形状は必ずしも等脚台形状には限定されない。すなわち、ハンドル部4の左右方向の最大幅が一対のフレーム2,3の外側同士の距離よりも大きい円弧状や多角形状等の任意の形状で、ハンドル部4を形成することができる。
【0018】
支持部材10は、一対のフレーム2,3の前方に突出する載置部11と、載置部11の左右両側に設けられて載置部11を補強する側面視三角形状の一対の側板12,13と、一対の側板12,13に支持された取付部14とを備えている。
【0019】
載置部11は、前方側が平面視でU字状に切り欠かれた平板状の部材からなり、運搬するボンベの底部をU字状の周縁部に載置して支持することができる。載置部11の上面後部には、一対のフレーム2,3の下端が固定されている。
【0020】
取付部14は、左右に延びる円筒状の部材からなり、一対のフレーム2,3よりも後方で、一対の側板12,13を貫通して左右両側に突出するように固定されている。取付部14には、前方側に押圧部41を備え後方側にペダル42を備える押出部材40が回動自在に支持されており、載置部11にボンベを載置した状態で使用者がペダル42を踏むことにより、押圧部41がボンベを前方に押し出して載置部11から降ろすことができる。
【0021】
車軸20は、取付部14にベアリングを介して挿通されることで、支持部材10に回転自在に支持されている。車輪21,22は、最下部が水平状態の載置部11と略同じ高さになるように、車軸20の左右両端部にそれぞれ設けられている。
【0022】
本実施形態のボンベ運搬台車1は、取付部14に固定されたハウジング30と、ハウジング30に回転可能に支持された補助輪31,32とを更に備えている。ハウジング30は、矩形筐体状に形成されており、載置部11が水平な状態で取付部14から後方に向けて斜め上方に延びるように設けられている。ハウジング30には、バッテリ、電動モータ、減速機、制御装置等が収容されており、電動モータにより補助輪31,32を回転駆動することで、ボンベ運搬台車1の走行をアシストするためのアシスト力が生成される。本実施形態の補助輪31,32は、左右両側に設けられているが、単一の補助輪であってもよい。また、補助輪31,32を備えずに、一対の車輪21,22のみを備える構成であってもよい。
【0023】
電動モータによる前進アシストおよび後進アシストの切り替えは、ハンドル部4に設けられた走行スイッチ33の操作により行うことができる。また、アシスト速度の調節は、ハウジング30の上面に設けられた操作部34のダイヤル操作により行うことができる。
【0024】
上記の構成を備えるボンベ運搬台車1は、図3に示すように載置部11を水平に維持しながら前進させることにより、載置部11のU字状の周縁部がボンベ100と地面との間に差し込まれて、載置部11にボンベを容易に載置することができる。この後、図5に示すように、ボンベ100をベルト101で固定し、ハンドル部4を押し下げてボンベ100を後方に傾けることにより補助輪31,32を地面Gに接地させると、ボンベ100が載置部11を摺動しながら一対のフレーム2,3により支持されて、ボンベ100がボンベ運搬台車1に確実に搭載される。こうして、一対の車輪21,22および補助輪31,32により走行することが可能になる。
【0025】
図5に示すように一対の車輪21,22および補助輪31,32が水平な地面Gに接地した状態で、一対のフレーム2,3と地面Gとのなす角度αは、大き過ぎると、ボンベ100の重心が前方に偏ることで安定した走行が困難になり易い一方、小さ過ぎると、使用者がボンベ100を支え難くなる。このため、上記の角度αを65~70度に設定することが好ましく、これによって、ボンベ100の重量が重い場合であっても使用者に重量感を感じさせることなく、楽な姿勢でボンベ100を容易に運搬することができる。また、図5に示す地面Gからハンドル部4までの高さHは、女性や高齢者、障がい者等の運搬者がボンベ100を胸元付近で把持して容易に運搬できるように、これらの運搬者の標準的な体型に合わせて設定することが好ましく、具体的には、上記の高さHを70~100cmに設定することが好ましい。
【0026】
ボンベの運搬中にボンベ運搬台車1の走行方向を左右に変更する場合には、使用者が、曲がる方向と反対側にハンドル部4が張り出した部分を順手または逆手で把持して、補助輪31,32を地面から離すように若干持ち上げながらハンドル部4を左右に傾けることで、運搬するボンベが細長で高重量であっても、ハンドル部4を容易に傾けて所望の方向に走行することができる。
【0027】
図4に示すハンドル部4の左右方向の最大幅Wは、一対のフレーム2,3の外側同士の距離よりも大きければよく、大きくなるほどハンドル部4の回動操作が容易になる。但し、この最大幅Wが大きくなり過ぎると、狭い通路等を走行する際に、ハンドル部4が邪魔になって走行が困難になるおそれがある。このため、上記の最大幅Wは、一対の車輪21,22の内面間の間隔S1よりも大きく、一対の車輪21,22の外面間の間隔S2よりも小さいことが好ましい。
【符号の説明】
【0028】
1 ボンベ運搬台車
2,3 フレーム
4 ハンドル部
10 支持部材
11 載置部
14 取付部
20 車軸
21,22 車輪
30 ハウジング
31,32 補助輪
【要約】
【課題】 ボンベの運搬を容易に行うことができるボンベ運搬台車を提供する。
【解決手段】 左右に間隔をあけて配置されてそれぞれ上下に延びる一対のフレーム2,3と、棒状に形成されて両端部が一対のフレーム2,3にそれぞれ固定されたハンドル部4と、一対のフレーム2,3の下部に取り付けられた支持部材10と、支持部材10に支持された車軸20と、車軸20の両端部に設けられた一対の車輪21,22とを備え、支持部材10は、一対のフレーム2,3の前方に突出してボンベを載置可能な載置部11と、一対のフレーム2,3の後方で車軸20を回転可能に支持する取付部14とを備えており、ハンドル部4は、一対のフレーム2,3の左右両側に張り出すように屈曲または湾曲して形成されているボンベ運搬台車1である。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6