(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】採用応募書類レコメンドシステム、採用応募書類レコメンド方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/1053 20230101AFI20240621BHJP
【FI】
G06Q10/1053
(21)【出願番号】P 2023169182
(22)【出願日】2023-09-29
【審査請求日】2023-09-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518261685
【氏名又は名称】株式会社Value market
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】内田 裕希
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-131602(JP,A)
【文献】特開2018-010458(JP,A)
【文献】特開2016-062322(JP,A)
【文献】特開2019-125299(JP,A)
【文献】特開2020-113218(JP,A)
【文献】特開2010-026817(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0050155(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
採用応募書類をレコメンドする採用応募書類レコメンドシステムであって、
学習用採用応募書類の任意の箇所に対して、タグやメタデータを付与することによりアノテーションし、当該アノテーションした箇所及び内容をデータセットとした学習データセットを学習する学習部と、
学習結果に基づいた学習済モデルを生成するモデル生成部と、
新規採用応募書類を取得する書類取得部と、
生成した前記学習済モデルにおける前記アノテーションした箇所及び内容と、取得した前記新規採用応募書類とを比較し、当該新規採用応募書類における前記アノテーションした箇所及び内容に一致又は近似する箇所を、書類選考において確認するべき確認箇所として抽出する書類選考抽出部と、
抽出した前記確認箇所をレコメンドするレコメンド部と、
を備える採用応募書類レコメンドシステム。
【請求項2】
求人データを取得する求人データ取得部、
を更に備え、
前記書類選考抽出部は、前記確認箇所を抽出する際、生成した前記学習済モデルにおける前記アノテーションした箇所及び内容と、前記求人データとを比較し、当該求人データに合致する前記新規採用応募書類における箇所を、前記確認箇所として抽出する、
請求項1に記載の採用応募書類レコメンドシステム。
【請求項3】
予め設定された採用候補者に求める内容に該当する前記確認箇所を確認するべき確認理由を生成する理由生成部、
を更に備え、
前記レコメンド部は、生成した前記確認理由を添えてレコメンドする、
請求項1に記載の採用応募書類レコメンドシステム。
【請求項4】
レコメンドした前記確認箇所に対する評価を取得する評価取得部、
を更に備え、
前記学習部は、レコメンドした前記確認箇所及び取得した前記評価を、前記学習データセットに加え、再学習する、
請求項1に記載の採用応募書類レコメンドシステム。
【請求項5】
レコメンドした前記確認箇所に対するコメントを取得するコメント取得部、
を更に備え、
前記学習部は、レコメンドした前記確認箇所及び取得した前記コメントを、前記学習データセットに加え、再学習する、
請求項1に記載の採用応募書類レコメンドシステム。
【請求項6】
抽出した前記確認箇所の表示態様を、前記新規採用応募書類における採用候補者の望ましい内容、採用候補者の望ましくない内容又は採用担当者が重視する内容に基づいて変更する態様変更部、
を更に備える、
請求項1に記載の採用応募書類レコメンドシステム。
【請求項7】
抽出する前記確認箇所を、予め設定された前記確認箇所の抽出量に関するモードに基づいて変更する箇所変更部、
を更に備える、
請求項1に記載の採用応募書類レコメンドシステム。
【請求項8】
生成した前記学習済モデルにおける前記アノテーションした箇所及び内容と、取得した前記新規採用応募書類とを比較し、当該新規採用応募書類における面接選考において確認するべき確認箇所及び内容と一致又は近似する箇所を、面接選考において確認するべき確認箇所として抽出する面接選考抽出部、
を更に備え、
前記レコメンド部は、抽出した前記面接選考において確認するべき確認箇所をレコメンドする、
請求項1に記載の採用応募書類レコメンドシステム。
【請求項9】
前記レコメンド部は、所定のユーザーインターフェースにより、レコメンドする、
請求項1に記載の採用応募書類レコメンドシステム。
【請求項10】
レコメンド結果を、前記新規採用応募書類に反映する反映部と、
前記レコメンド結果を反映した新規採用応募書類を、所定の形式で出力する反映出力部と、
を更に備える請求項1に記載の採用応募書類レコメンドシステム。
【請求項11】
過去の実際の書類選考結果情報を取得する結果情報取得部と、
抽出した前記確認箇所と、レコメンド結果と、取得した前記書類選考結果情報とに基づいて、選考通過率、実際の選考結果及び選考理由の申し送りコメントを生成する選考内容生成部と、
生成した前記選考通過率、実際の選考結果及び選考理由の申し送りコメントを出力する選考内容出力部と、
を更に備え、
前記選考内容生成部は、
抽出した前記確認箇所及びレコメンド結果と、前記書類選考結果情報とが一致又は近似する割合を前項選考通過率として算出し、
抽出した前記確認箇所と、レコメンド結果とを比較するとともに、前記新規採用応募書類と、前記過去の実際の書類選考結果情報とを比較し、予め設定された基準を満たすか否かに基づいて実際の選考結果を生成し、
生成した選考結果に基づいて、レコメンド結果の状態を前記申し送りコメントとして生成する、
請求項1に記載の採用応募書類レコメンドシステム。
【請求項12】
前記学習用採用応募書類に対するアノテーションを受け付ける学習用アノテーション受付部、
を更に備え、
前記学習部は、前記学習用採用応募書類に対して受け付けたアノテーションに基づいた学習データセットを、前記学習用採用応募書類に対してアノテーションした学習データセットに加え、学習する、
請求項1に記載の採用応募書類レコメンドシステム。
【請求項13】
架空の採用応募書類である架空採用応募書類を生成する架空書類生成部と、
生成した前記架空採用応募書類を出力する架空書類出力部と、
出力した前記架空採用応募書類の任意の箇所に対して、タグやメタデータを付与するアノテーションを受け付ける架空アノテーション受付部と、
生成した前記学習済モデルにおける前記アノテーションした箇所及び内容と、生成した前記架空採用応募書類に対して受け付けたアノテーションの箇所及び内容とを比較し、生成した前記架空採用応募書類に受け付けたアノテーションした箇所及び内容に一致又は近似する箇所を、書類選考において確認するべき架空選考確認箇所として抽出する架空選考抽出部と、
前記架空採用応募書類に対して受け付けたアノテーションと、抽出した前記架空選考確認箇所とを比較する比較部と、
比較結果に基づいた前記架空採用応募書類におけるアノテーションを受け付けた箇所と、抽出した前記架空選
考確認箇所とが一致又は近似する割合に基づいて、前記架空採用応募書類に対して受け付けたアノテーションを評価する評価部と、
評価結果を出力する評価結果出力部と、
を更に備える請求項1に記載の採用応募書類レコメンドシステム。
【請求項14】
架空の採用応募書類である架空採用応募書類を生成する架空書類生成部と、
生成した前記架空採用応募書類を出力する架空書類出力部と、
出力した前記架空採用応募書類の任意の箇所に対して、タグやメタデータを付与するアノテーションを受け付ける架空アノテーション受付部と、
生成した前記学習済モデルにおける前記アノテーションした箇所及び内容と、生成した前記架空採用応募書類に対して受け付けたアノテーションの箇所及び内容とを比較し、生成した前記架空採用応募書類に受け付けたアノテーションした箇所及び内容に一致又は近似する箇所を、書類選考において確認するべき架空選考確認箇所として抽出する架空選考抽出部と、
予め設定された採用候補者に求める内容に該当する前記架空選考確認箇所を確認するべき確認理由を生成する架空理由生成部と、
前記架空採用応募書類に対して受け付けたアノテーションと、抽出した前記架空選考確認箇所とを比較する比較部と、
比較結果に基づいた前記架空採用応募書類におけるアノテーションの内容と、前記架
空選考確認箇所の確認理由との内容の一致、ズレ、相違点の少なくとも一つに基づいて、受け付けたアノテーションを評価する評価部と
、
評価結果を出力する評価結果出力部と、
を更に備える請求項1に記載の採用応募書類レコメンドシステム。
【請求項15】
評価結果に対して、当該評価結果を改善するためのアノテーションする箇所を示す改善コメントを生成する改善コメント生成部、
を更に備え、
前記評価結果出力部は、生成した前記改善コメントを出力する、
請求項13又は14に記載の採用応募書類レコメンドシステム。
【請求項16】
採用応募書類をレコメンドするコンピュータが実行する採用応募書類レコメンド方法であって、
学習用採用応募書類の任意の箇所に対して、タグやメタデータを付与することによりアノテーションし、当該アノテーションした箇所及び内容をデータセットとした学習データセットを学習するステップと、
学習結果に基づいた学習済モデルを生成するステップと、
新規採用応募書類を取得するステップと、
生成した前記学習済モデルにおける前記アノテーションした箇所及び内容と、取得した前記新規採用応募書類とを比較し、当該新規採用応募書類における前記アノテーションした箇所及び内容に一致又は近似する箇所を、書類選考において確認するべき確認箇所として抽出するステップと、
抽出した前記確認箇所をレコメンドするステップと、
を備える採用応募書類レコメンド方法。
【請求項17】
採用応募書類をレコメンドするコンピュータに、
学習用採用応募書類の任意の箇所に対して、タグやメタデータを付与することによりアノテーションし、当該アノテーションした箇所及び内容をデータセットとした学習データセットを学習するステップ、
学習結果に基づいた学習済モデルを生成するステップ、
新規採用応募書類を取得するステップ、
生成した前記学習済モデルにおける前記アノテーションした箇所及び内容と、取得した前記新規採用応募書類とを比較し、当該新規採用応募書類における前記アノテーションした箇所及び内容に一致又は近似する箇所を、書類選考において確認するべき確認箇所として抽出するステップ、
抽出した前記確認箇所をレコメンドするステップ、
を実行させるため
のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人材採用に有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人材採用の書類選考に関する技術が注目されている。
例えば、特許文献1では、AI(Artificial Intelligence)技術によって、客観的なデータに基づいて採用希望者に関する一定の評価を提供し、採用担当者の労力を低減する技術が提供されている。
また、他には、特許文献2では、複数のタイプの面接の面接結果を効率良く管理することを可能にする技術が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-116710号公報
【文献】特開2018-181257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
企業や団体等は、人材採用において、採用候補者の採用応募書類を集め、書類選考している。このような書類選考において、採用担当者は、採用応募書類に対して、手作業で記載内容を確認し、書類選考している。
しかしながら、採用担当者が手作業で書類選考を行うことは、非効率であるという問題があった。
そのため、効率的に書類選考を行う技術、特に、採用応募書類に対して、採用担当者が確認すべき箇所を自動的に抽出し、採用担当者にレコメンドする技術が求められている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載の技術では、採用応募書類に対して、採用担当者が確認すべき箇所を自動的に抽出し、採用担当者にレコメンドすることは出来なかった。
【0005】
本発明は、採用応募書類に対して、採用担当者が確認すべき箇所を自動的に抽出し、採用担当者にレコメンドすることにより、効率的に書類選考を行うことが可能な採用応募書類レコメンドシステム、採用応募書類レコメンド方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、採用応募書類をレコメンドする採用応募書類レコメンドシステムであって、
学習用採用応募書類の任意の箇所に対して、タグやメタデータを付与することによりアノテーションし、当該アノテーションした箇所及び内容をデータセットとした学習データセットを学習する学習部と、
学習結果に基づいた学習済モデルを生成するモデル生成部と、
新規採用応募書類を取得する書類取得部と、
生成した前記学習済モデルにおける前記アノテーションした箇所及び内容と、取得した前記新規採用応募書類とを比較し、当該新規採用応募書類における前記アノテーションした箇所及び内容に一致又は近似する箇所を、書類選考において確認するべき確認箇所として抽出する書類選考抽出部と、
抽出した前記確認箇所をレコメンドするレコメンド部と、
を備える採用応募書類レコメンドシステムを提供する。
【0007】
本発明によれば、予め学習用採用応募書類により学習した学習済モデルを用いて、新規採用応募書類における確認箇所を抽出し、抽出した確認箇所をレコメンドする。
この結果、採用担当者が確認すべき箇所を自動的に抽出し、採用担当者にレコメンドすることにより、効率的に書類選考を行うことが可能となる。
【0008】
本発明は、システムのカテゴリであるが、方法及びプログラムであっても同様の作用、効果を奏する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、効率的に書類選考を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】採用応募書類レコメンドシステム1の概要を説明する図である。
【
図2】採用応募書類レコメンドシステム1の機能構成を示す図である。
【
図3】コンピュータ10が実行するモデル生成処理のフローチャートを示す図である。
【
図4】コンピュータ10が実行するモデル生成処理の変形例のフローチャートを示す図である。
【
図5】コンピュータ10が実行するレコメンド処理のフローチャートを示す図である。
【
図6】担当者端末3が表示するUIの例を模式的に示す図である。
【
図7】コンピュータ10が実行するレコメンド処理の変形例のフローチャートを示す図である。
【
図8】コンピュータ10が実行する第1のモデル更新処理のフローチャートを示す図である。
【
図9】コンピュータ10が実行する第2のモデル更新処理のフローチャートを示す図である。
【
図10】コンピュータ10が実行する変更処理のフローチャートを示す図である。
【
図11】コンピュータ10が実行する反映処理のフローチャートを示す図である。
【
図12】コンピュータ10が実行する選考内容出力処理のフローチャートを示す図である。
【
図13】コンピュータ10が実行する架空選考処理のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
【0012】
[採用応募書類レコメンドシステム1の概要]
図1は、採用応募書類レコメンドシステム1の概要を説明するための模式図である。
図1に基づいて、採用応募書類レコメンドシステム1の構成物について説明する。
採用応募書類レコメンドシステム1は、少なくともサーバ機能を有するコンピュータ10からなる採用応募書類をレコメンドするシステムである。本実施形態において、採用応募書類レコメンドシステム1は、コンピュータ10に加え、企業や団体等の人材採用を担当する採用担当者2が管理する担当者端末3を備える。
コンピュータ10は、サーバ機能を有し、例えば、1台のコンピュータで実現されても良いし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されても良い。
本明細書におけるクラウドコンピュータとは、ある特定の機能を果たす際に、任意のコンピュータをスケーラブルに用いるものや、あるシステムを実現するために複数の機能モジュールを含み、その機能を自由に組み合わせて用いるものの何れであっても良い。
担当者端末3は、採用担当者2が管理する端末装置であり、例えば、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ等の端末装置である。担当者端末3の数は、採用担当者2の数に応じた数であれば良く、特に限定されるものではなく、適宜設計可能である。
【0013】
採用応募書類レコメンドシステム1が、採用応募書類をレコメンドする際の処理ステップの概要について説明する。
【0014】
コンピュータ10は、学習用採用応募書類に対して、アノテーションした学習データセットを学習する(ステップS1)。
コンピュータ10は、外部システム等から学習用採用応募書類を取得する。コンピュータ10は、取得した学習用採用応募書類を、アノテーションを行う作業者が管理する作業者端末(不図示)に出力し、作業者によるアノテーションを受け付ける。コンピュータ10は、受け付けたアノテーションに基づいた学習データセットを生成し、この学習データセットを学習する。
【0015】
コンピュータ10は、学習結果に基づいた学習済モデルを生成する(ステップS2)。
コンピュータ10は、所定のアルゴリズムを用いた学習済モデルを生成する。
【0016】
コンピュータ10は、新規採用応募書類を取得する(ステップS3)。
コンピュータ10は、採用候補者が管理する候補者端末(不図示)や採用エージェントが管理するエージェント端末(不図示)から、新規採用応募書類を取得する。
【0017】
コンピュータ10は、生成した学習済モデルを用いて、取得した新規採用応募書類に対して、書類選考において確認するべき確認箇所を抽出する(ステップS4)。
コンピュータ10は、新規採用応募書類と、学習済モデルにおけるアノテーションされた箇所及びこの箇所のアノテーションの内容とを比較し、確認箇所を抽出する。
【0018】
コンピュータ10は、抽出した確認箇所をレコメンドする(ステップS5)。
コンピュータ10は、抽出した確認箇所を、所定のUI(User Interface)により、採用担当者2にレコメンドする。
【0019】
以上が、採用応募書類レコメンドシステム1の処理ステップの概要である。
本採用応募書類レコメンドシステム1によれば、効率的に書類選考を行うことが可能となる。
【0020】
[装置構成]
図2は、採用応募書類レコメンドシステム1の構成を示すブロック図である。
図2に基づいて、採用応募書類レコメンドシステム1の装置構成について説明する。
採用応募書類レコメンドシステム1は、採用応募書類をレコメンドするシステムであり、少なくともコンピュータ10により構成される。本実施形態において、採用応募書類レコメンドシステム1は、コンピュータ10に加え、企業や団体等の人材採用を担当する採用担当者2が管理する担当者端末3により構成される。
採用応募書類レコメンドシステム1は、コンピュータ10が、公衆回線網等のネットワーク8を介して、担当者端末3と、データ通信可能に接続されたシステムである。
なお、採用応募書類レコメンドシステム1は、上述したコンピュータ10、担当者端末3に加え、採用応募書類に対してアノテーションを行う作業者が管理する作業者端末(タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ等)、採用候補者が管理する候補者端末(タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ等)、採用エージェントが管理するエージェント端末(タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ等)、学習用採用応募書類を記憶するサーバ機能を有する外部システム、企業や団体等の求人データや書類選考結果情報を記憶するサーバ機能を有する外部システム等のその他の端末や装置類が含まれていても良く、その数、種類及び機能については、特に限定されるものではなく、適宜設計可能である。
【0021】
コンピュータ10は、サーバ機能を有し、例えば、1台のコンピュータで実現されても良いし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されても良い。
コンピュータ10は、制御部として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス、新規採用応募書類を取得する書類取得部11、抽出した確認箇所をレコメンドするレコメンド部12等を備える。
コンピュータ10は、記憶部として、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部等を備える。
コンピュータ10は、処理部として、各種処理を実行する各種デバイス、学習用採用応募書類に対して、アノテーションした学習データセットを学習する学習部13、学習結果に基づいた学習済モデルを生成するモデル生成部14、生成した学習済モデルを用いて、取得した新規採用応募書類に対して、書類選考において確認するべき確認箇所を抽出する書類選考抽出部15等を備える。
【0022】
コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、通信部と協働して、学習用書類取得モジュール、学習用書類出力モジュール、学習用アノテーション受付モジュール、新規書類取得モジュール、求人データ取得モジュール、レコメンドモジュール、評価取得モジュール、コメント取得モジュール、条件受付モジュール、過去結果取得モジュール、選考内容出力モジュール、架空書類出力モジュール、架空アノテーション受付モジュール、評価結果出力モジュールを実現する。
また、コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、記憶部と協働して、記憶モジュールを実現する。
また、コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、処理部と協働して、学習データセット生成モジュール、学習モジュール、モデル生成モジュール、書類選考抽出モジュール、態様変更モジュール、理由生成モジュール、面接選考抽出モジュール、確認箇所変更モジュール、反映モジュール、反映結果出力モジュール、選考内容生成モジュール、架空書類生成モジュール、架空選考抽出モジュール、比較モジュール、評価モジュール、改善コメント生成モジュールを実現する。
【0023】
担当者端末3は、企業や団体等の人材採用を担当する採用担当者2が管理する端末装置であり、例えば、上述した端末装置である。
担当者端末3は、端末制御部として、CPU、GPU、RAM、ROM等を備え、通信部として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス等を備え、入出力部として、所定のデータの入出力等を実行する各種デバイス等を備える。
【0024】
以下、採用応募書類レコメンドシステム1が実行する各処理について、上述した各モジュールが実行する処理と併せて説明する。
本明細書において、各モジュールは、その処理内容を、自身が有する機能として実行するものであっても良いし、所定のアプリケーションを介して実行するものであっても良い。
【0025】
[コンピュータ10が実行するモデル生成処理]
図3に基づいて、コンピュータ10が実行するモデル生成処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行するモデル生成処理のフローチャートを示す図である。本モデル生成処理は、上述した学習用採用応募書類に対して、アノテーションした学習データセットを学習する学習処理(ステップS1)、学習結果に基づいた学習済モデルを生成するモデル生成処理(ステップS2)の詳細である。
【0026】
学習用書類取得モジュールは、学習用採用応募書類を取得する(ステップS10)。
学習用採用応募書類は、職務経歴書、履歴書、スキルシート、リファレンスシート等の人材採用において書類選考や面接選考に用いる書類であり、後述する学習済モデルの生成に用いるためのものである。この学習用採用応募書類は、所定のデータ形式(PDF(Portable Document Format)、文書ファイル、表計算ファイル等)のデータである。
学習用書類取得モジュールは、学習用採用応募書類を記憶するサーバ機能を有する外部システム(不図示)から、この学習用採用応募書類を取得する。
外部システムは、コンピュータ10からの要求や、外部システムの管理者等からの所定の入力に基づいて、学習用採用応募書類を、コンピュータ10に送信する。
学習用書類取得モジュールは、この学習用採用応募書類を受信し、学習用採用応募書類を取得する。
【0027】
学習用書類出力モジュールは、取得した学習用採用応募書類を出力する(ステップS11)。
学習用書類出力モジュールは、学習用採用応募書類に対して、アノテーションを行う作業者が管理する作業者端末(不図示)に、この学習用採用応募書類を送信する。作業者端末は、この学習用採用応募書類を受信し、自身の表示部に表示する。
学習用書類出力モジュールは、取得した学習用採用応募書類を、作業者端末に表示させることにより、取得した学習用採用応募書類を出力する。
【0028】
学習用アノテーション受付モジュールは、取得した学習用採用応募書類に対して、アノテーションを受け付ける(ステップS12)。
アノテーションは、学習用採用応募書類に対して、タグやメタデータを付与することである。アノテーションは、〇、×、△等の記号、点数、ランク、星の数等である。アノテーションの具体例は、ポジティブな箇所に〇、ネガティブな箇所に×、どちらともいえない箇所に△の各記号の付与、任意の箇所に対して、重要度に応じた点数(重要度が高いもの程高い点数、重要度が低いもの程低い点数)の付与、重要度に応じたランク(重要度が高いもの程高いランク、重要度が低いもの程低いランク)の付与、重要度に応じた星の数(予め設定された星の数(最高が5個、最低が1個等)に応じた重要度が高いもの程多い星の数、重要度が低いもの程少ない星の数)の付与等である。
作業者端末は、作業者から、学習用採用応募書類に対するアノテーションの入力を受け付ける。作業者端末は、例えば、学習用採用応募書類の任意の箇所(書類選考や面接選考で採用担当者2が確認するべき箇所(学歴、職歴、免許、資格、職務内容、スキル、性格、長所、短所、実績、参加プロジェクト等))に、〇、×、△の其々の入力を、作業者から受け付ける。作業者は、作業者端末が表示する学習用採用応募書類において、任意の箇所(採用担当者2が確認するべき箇所等)をタップし、この箇所に、〇、×、△の何れかを仮想キーボード等による直接入力や、選択肢からの選択入力により入力する。なお、作業者端末は、学習用採用応募書類に直接アノテーションするものであっても良いし、所定のアプリケーションで読み込んだ学習用採用応募書類を、所定のUIで表示したものにアノテーションするものであっても良い。
作業者端末は、アノテーションを受け付けた箇所及びアノテーションの内容を、学習用アノテーションデータとして、コンピュータ10に送信する。
学習用アノテーション受付モジュールは、この学習用アノテーションデータを受信し、取得した学習用採用応募書類に対して、アノテーションを受け付ける。
【0029】
なお、コンピュータ10自身が、学習用採用応募書類に対するアノテーションを行う構成も可能である。この場合、予め設定された所定の文字列と、この文字列に予め設定されたアノテーションの内容とに基づいて、学習用採用応募書類に対するアノテーションを行う等が可能である。
【0030】
学習データセット生成モジュールは、学習用採用応募書類に対して、アノテーションした学習データセットを生成する(ステップS13)。
学習データセット生成モジュールは、受け付けたアノテーションに基づいて、学習用採用応募書類におけるアノテーションを受け付けた箇所及びアノテーションの内容をデータセットとし、学習データセットを生成する。
コンピュータ10は、後述する学習データセットの学習に必要な量の学習データセットを生成するまで、上述したステップS11~S13の処理を繰り返す。
【0031】
学習モジュールは、学習用採用応募書類に対して、アノテーションした学習データセットを学習する(ステップS14)。
学習モジュールが実行する学習の方法は、教師有学習、教師無学習、強化学習等による機械学習や、畳み込みニューラルネットワーク、再起型ニューラルネットワーク、長・短期記憶等によるディープラーニング等が挙げられる。本実施形態では、教師有学習による機械学習を例として説明する。
学習モジュールは、生成した学習データセットを用いて、教師有学習による機械学習を行い、学習用採用応募書類に対して、アノテーションした学習データセットを学習する。学習モジュールは、アノテーションを受け付けた箇所及びアノテーションの内容を教師とした学習を行い、採用応募書類に対して、採用担当者2が確認するべき確認箇所及びその内容を学習する。
【0032】
モデル生成モジュールは、学習結果に基づいた学習済モデルを生成する(ステップS15)。
モデル生成モジュールは、学習結果に基づいて、所定のアルゴリズム(線形回帰、決定木、ロジスティック回帰、k近傍法、サポートベクターマシン等)を用いた学習済モデルを生成する。
なお、学習済モデルに用いるアルゴリズムは、学習方法等に応じて、適宜設計可能であり、上述した例に限定されるものではない。
【0033】
記憶モジュールは、生成した学習済モデルを記憶する(ステップS16)。
【0034】
以上が、モデル生成処理である。
採用応募書類レコメンドシステム1は、モデル生成処理により生成した学習済モデルを用いて、後述する処理を実行する。
【0035】
[コンピュータ10が実行するモデル生成処理の変形例]
図4に基づいて、コンピュータ10が実行するモデル生成処理の変形例について説明する。同図は、コンピュータ10が実行するモデル生成処理の変形例のフローチャートを示す図である。本変形例は、採用担当者2が希望した場合に行われる処理である。また、本変形例は、少なくともモデル生成処理により、学習済モデルの生成処理の実行後に行われる処理である。上述した処理と同様の処理については、その詳細な説明は省略する。
【0036】
学習用書類取得モジュールは、学習用採用応募書類を出力する(ステップS20)。
学習用書類取得モジュールは、担当者端末3からの要求等に基づいて、上述したステップS10の処理により取得した学習用採用応募書類を、担当者端末3に送信する。
担当者端末3は、この学習用採用応募書類を受信し、自身の表示部に表示する。
学習用書類出力モジュールは、取得した学習用採用応募書類を、担当者端末3に表示させることにより、学習用採用応募書類を出力する。
【0037】
学習用アノテーション受付モジュールは、学習用採用応募書類に対して、アノテーションを受け付ける(ステップS21)。
ステップS21の処理は、上述したステップS12の処理における作業者端末が実行する処理を、担当者端末3が実行する処理としたものである。
【0038】
学習データセット生成モジュールは、学習用採用応募書類に対して、アノテーションした学習データセットを生成する(ステップS22)。
ステップS22の処理は、上述したステップS13の処理と同様である。
本変形例において、コンピュータ10は、後述する学習データセットの学習に必要な量の学習データセットを生成するまで、上述したステップS20~S22の処理を繰り返し行うものであっても良いし、予め設定された所定の数を満たすまで、上述したステップS20~S22の処理を繰り返し行うものであっても良いし、上述したステップS20~S22の処理を繰り返さず、一回のみ行うものであっても良い。
【0039】
学習モジュールは、学習用採用応募書類に対して受け付けたアノテーションに基づいた学習データセットを、学習採用応募書類に対してアノテーションした学習データセットに加え、学習する(ステップS23)。
学習モジュールは、上述したステップS13の処理により生成した学習データセットに、ステップS22の処理により生成した学習データセットを加え、学習用採用応募書類に対して、アノテーションした学習データセットを学習する。
学習モジュールが実行する学習の方法は、上述したステップS14の処理と同様である。
【0040】
モデル生成モジュールは、学習結果に基づいた学習済モデルを生成する(ステップS24)。
ステップS24の処理は、上述したステップS15の処理と同様である。
【0041】
記憶モジュールは、生成した学習済モデルを記憶する(ステップS25)。
【0042】
以上が、モデル生成処理の変形例である。
採用担当者2が、アノテーションを行うことにより、後述する書類選考や面接選考時における選考の精度をより高めるためことが可能となる。
【0043】
[コンピュータ10が実行するレコメンド処理]
図5に基づいて、コンピュータ10が実行するレコメンド処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行するレコメンド処理のフローチャートを示す図である。本レコメンド処理は、上述した新規採用応募書類を取得する書類取得処理(ステップS3)、生成した学習済モデルを用いて、取得した新規採用応募書類に対して、書類選考において確認するべき確認箇所を抽出する書類選考抽出処理(ステップS4)、抽出した確認箇所をレコメンドするレコメンド処理(ステップS5)の詳細である。
【0044】
新規書類取得モジュールは、採用候補者の新規採用応募書類を取得する(ステップS30)。
新規採用応募書類は、職務経歴書、履歴書、スキルシート、リファレンスシート等の人材採用において書類選考や面接選考に用いる書類である。この新規採用応募書類は、所定のデータ形式(PDF、文書ファイル、表計算ファイル等)のデータである。なお、学習用採用応募書類と、新規採用応募書類とは、異なるものである。
新規書類取得モジュールは、採用候補者が管理する候補者端末(不図示)や、採用エージェントが管理するエージェント端末(不図示)から、この新規採用応募書類を取得する。
候補者端末やエージェント端末は、採用候補者や採用エージェントからの所定の入力に基づいて、この新規採用応募書類を、コンピュータ10に送信する。
新規書類取得モジュールは、この新規採用応募書類を受信し、採用候補者の新規採用応募書類を取得する。
【0045】
求人データ取得モジュールは、求人データを取得する(ステップS31)。
求人データは、企業や団体等の求人に関するデータであり、仕事内容、応募資格、勤務地、給与、勤務時間、勤務曜日、職種、募集人数、年間休日、待遇、福利厚生等に関するものである。
求人データ取得モジュールは、企業や団体等の求人データを管理する外部システム(不図示)から、この求人データを取得する。
外部システムは、コンピュータ10からの要求に基づいて、求人データを、コンピュータ10に送信する。
求人データ取得モジュールは、この求人データを受信し、求人データを取得する。
なお、コンピュータ10は、このステップS31の処理を省略しても良い。この場合、コンピュータ10は、後述する処理において、求人データを除外した構成でその処理を実行すれば良い。
【0046】
書類選考抽出モジュールは、生成した学習済モデルを用いて、取得した新規採用応募書類に対して、書類選考において確認するべき確認箇所を抽出する(ステップS32)。
書類選考抽出モジュールは、生成した学習済モデル及び取得した求人データを用いて、取得した新規採用応募書類から、確認箇所を抽出する。ステップS32における学習済モデルは、書類選考において確認するべき確認箇所の学習結果に基づいたものである。
確認箇所は、例えば、保有資格が優れている、マネジメント経験が豊か、ジョブホッパー傾向が強いから危ない、誤字が多いから注意力散漫等である。
書類選考抽出モジュールは、求人データに合致する新規採用応募書類における任意の箇所を抽出し、この抽出した箇所と、学習済モデルにおける抽出すべき箇所及びこの箇所のアノテーションとを比較し、一致又は類似するものを、確認箇所として抽出する。書類選考抽出モジュールは、新規採用応募書類から確認箇所を抽出する際、新規採用応募書類における確認箇所の位置だけでなく、この箇所に該当する学習済モデルにおけるアノテーションの内容を併せて抽出する。
なお、書類選考抽出モジュールは、生成した学習済モデルのみを用いて、確認箇所を抽出しても良い。この場合、書類選考抽出モジュールは、新規採用応募書類と、学習済モデルにおける抽出すべき箇所及びこの箇所のアノテーションとを比較し、一致又は類似するものを、確認箇所として抽出すれば良い。
【0047】
態様変更モジュールは、抽出した確認箇所の表示態様を、所定の条件に基づいて変更する(ステップS33)。
所定の条件は、例えば、ポジティブ、ネガティブ、重要度である。ポジティブとは、採用候補者の望ましい内容(資格、スキル、職歴、参加プロジェクト等)である。ネガティブとは、採用候補者の望ましくない内容(賞罰、退職理由、誤字等)である。重要度とは、採用担当者2が重視する内容(資格の有無、職歴の有無等)であり、内容毎に重み付けを行いランク付けされたものであっても良いし、重み付け等を行わず、均等なものであっても良い。この所定の条件は、予め、採用担当者2により設定されるものであっても良いし、求人データに基づいて設定されるものであっても良いし、それ以外の方法により設定されるものであっても良い。
表示態様は、例えば、文字色(ハイライト、着色等)、文字サイズ(大、中、小等)、文字の太さ(太字、細字、中字等)である。
態様変更モジュールは、抽出した確認箇所の表示態様の内、ポジティブなものの表示態様を変更する。例えば、態様変更モジュールは、文字色、文字サイズ、文字の太さの内、少なくとも一つを、より目立つもの(文字色であるなら赤色や明るい色によるハイライト等、文字サイズであるなら大きく等、文字の太さであるなら太く等)に変更する。態様変更モジュールは、抽出した確認箇所の表示態様の内、ネガティブなものの表示態様を変更する。例えば、態様変更モジュールは、文字色、文字サイズ、文字の太さの内、少なくとも一つを、より目立ちにくいもの(文字色であるなら灰色や暗い色によるハイライト等、文字サイズであるなら小さく等、文字の太さであるなら細く等)に変更する。態様変更モジュールは、抽出した確認箇所の表示態様の内、重要度に応じた表示態様に変更する。例えば、態様変更モジュールは、文字色、文字サイズ、文字の太さの内、少なくとも一つを、重要度が高いもの程目立つものに変更し、重要度が低いもの程目立ちにくいものに変更する。
なお、表示態様及び所定の条件は、上述した例に限定されるものではなく、適宜設計可能である。また、態様変更モジュールが行う表示態様の変更方法も、上述した例に限定されるものではなく、適宜設計可能である。
【0048】
理由生成モジュールは、抽出した確認箇所を確認するべき確認理由を生成する(ステップS34)。
確認理由は、採用担当者2が、確認箇所を確認する理由であり、例えば、求人データとの一致、スキル・資格等の保有者等である。
理由生成モジュールは、予め設定された採用候補者に求める内容(資格、スキル、職歴、参加プロジェクト等)に該当する抽出した箇所について、この内容を確認理由として生成する。
【0049】
レコメンドモジュールは、抽出した確認箇所をレコメンドする(ステップS35)。
レコメンドモジュールは、抽出した確認箇所に、生成したこの確認箇所における確認理由を添えて、所定のUIにより、採用担当者2にレコメンドする。レコメンドモジュールは、この確認箇所に、確認理由を紐付ける。
レコメンドモジュールは、抽出した確認箇所及びこの確認箇所に紐付けた確認理由を、担当者端末3に送信する。
担当者端末3は、この確認箇所及び確認理由を受信し、所定のUIにより、自身の表示部に表示する(
図6参照)。採用担当者2は、この所定のUIにより表示された確認箇所及び確認理由を閲覧する。
レコメンドモジュールは、確認箇所及び確認理由を、担当者端末3に表示させることにより、抽出した確認箇所をレコメンドする。
なお、レコメンドモジュールは、確認箇所のみを、レコメンドする構成も可能である。
【0050】
図6に基づいて、担当者端末3が表示するUIについて説明する。同図は、担当者端末3が表示するUIを模式的に示す図である。同図において、UI20が示されている。
このUI20には、抽出した確認箇所を表示する確認箇所欄21、生成した確認理由を表示する確認理由欄22が存在する。
担当者端末3は、確認箇所欄21において、抽出した確認箇所に該当するテキスト(文章、文節、単語等)を表示する。担当者端末3は、この確認箇所欄21に対する所定の入力(タップ操作等)を、採用担当者2から受け付けた際、確認理由欄22を、UI20内の所定の位置(タップ操作を受け付けた確認箇所欄21の近傍等)にポップアップ表示する。この確認理由欄22には、生成した確認理由に加えて、ポジティブ、ネガティブ、重要度等の表示態様を変更した理由も併せて表示される(同図において、ポジティブであることを示す「〇」が示されている)。
採用担当者2は、この確認箇所欄21及び確認理由欄22を閲覧し、この確認箇所及び確認理由を把握する。
【0051】
以上が、レコメンド処理である。
【0052】
[コンピュータ10が実行するレコメンド処理の変形例]
図7に基づいて、コンピュータ10が実行するレコメンド処理の変形例について説明する。同図は、コンピュータ10が実行するレコメンド処理の変形例のフローチャートを示す図である。本変形例は、面接選考時に確認するべき確認箇所をレコメンドする処理である。上述した処理と同様の処理については、その詳細な説明は省略する。
【0053】
面接選考抽出モジュールは、生成した学習済モデルを用いて、取得した新規採用応募書類に対して、面接選考において確認するべき確認箇所を抽出する(ステップS40)。
ステップS40における学習済モデルは、面接選考において確認するべき確認箇所の学習結果に基づいたものである。
確認箇所は、例えば、保有資格が優れている、マネジメント経験が豊か、ジョブホッパー傾向が強いから危ない、誤字が多いから注意力散漫等である。
面接選考抽出モジュールは、新規採用応募書類と、学習済モデルにおける抽出すべき箇所及びこの箇所のアノテーションとを比較し、一致又は類似するものを、確認箇所として抽出する。面接選考抽出モジュールは、新規採用応募書類から確認箇所を抽出する際、新規採用応募書類における確認箇所の位置だけでなく、この箇所に該当する学習済モデルにおけるアノテーションの内容を併せて抽出する。
なお、面接選考抽出モジュールは、生成した学習済モデルに加えて、取得した求人データを用いて、取得した新規採用応募書類から、確認箇所を抽出しても良い。この場合、面接選考抽出モジュールは、求人データに合致する新規採用応募書類における任意の箇所を抽出し、この抽出した箇所と、学習済モデルにおける抽出すべき箇所及びこの箇所のアノテーションとを比較し、一致又は類似するものを、確認箇所として抽出すれば良い。
【0054】
態様変更モジュールは、抽出した確認箇所の表示態様を、所定の条件に基づいて変更する(ステップS41)。
ステップS41の処理は、上述したステップS33の処理と同様である。
【0055】
理由生成モジュールは、抽出した確認箇所を確認するべき確認理由を生成する(ステップS42)。
確認理由は、採用担当者2が、確認箇所を確認する理由であり、例えば、人材像のマッチング、入社意欲、採用条件等と採用候補者の希望等とのマッチングである。
理由生成モジュールは、予め設定された面接選考時に質問する際の内容(人材像、入社意欲、条件等)に該当する抽出した確認箇所について、この内意を確認理由として生成する。
【0056】
レコメンドモジュールは、抽出した確認箇所をレコメンドする(ステップS43)。
ステップS43の処理は、上述したステップS35の処理と同様である。
【0057】
以上が、レコメンド処理の変形例である。
コンピュータ10は、レコメンド処理における書類選考における確認箇所及び面接選考における確認箇所の両者を、同時にレコメンドするものであっても良いし、面接選考に進んだ採用候補者の新規採用応募書類のみを用いて、確認箇所をレコメンドしても良い。
【0058】
[コンピュータ10が実行する第1のモデル更新処理]
図8に基づいて、コンピュータ10が実行する第1のモデル更新処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する第1のモデル更新処理のフローチャートを示す図である。
【0059】
評価取得モジュールは、レコメンドした確認箇所に対する評価を取得する(ステップS50)。
評価は、良い、悪い等のテキスト形式であっても良いし、〇、×、△等の記号形式であっても良いし、星の数等のランク形式であっても良いし、それ以外の方法であっても良い。
評価取得モジュールは、この評価を、担当者端末3から取得する。
担当者端末3は、レコメンドされた確認箇所(書類選考における確認箇所及び面接選考における確認箇所)に対する評価の入力を受け付ける。担当者端末3は、採用担当者2から、所定のボタン、アイコン、入力フォーム、UI等により、評価の入力を受け付ける。担当者端末3は、受け付けた評価を、コンピュータ10に送信する。
評価取得モジュールは、この評価を受信し、レコメンドした確認箇所に対する評価を取得する。
【0060】
学習モジュールは、レコメンドした確認箇所及び取得した評価を、学習データセットに加え、再学習する(ステップS51)。
学習モジュールは、ステップS13又はS22の処理により生成した学習データセットに、レコメンドした確認箇所及び取得した評価を追加する。ここで、レコメンドした確認箇所が、学習データセットにおけるアノテーションを受け付けた箇所に該当し、取得した評価が、学習データセットにおけるアノテーションの内容に該当する。
学習モジュールは、レコメンドした確認箇所及び取得した評価を追加した学習データセットを用いて再学習する。
学習モジュールが実行する再学習の方法は、上述したステップS14の処理における学習の方法と同様であれば良い。
【0061】
モデル生成モジュールは、再学習結果に基づいて、学習済モデルを更新する(ステップS52)。
モデル生成モジュールは、再学習結果に基づいて、上述したステップS15の処理における所定のアルゴリズムを用いて、学習済モデルを更新する。モデル生成モジュールが学習済モデルを更新するとは、既存の学習済モデルの内容を、今回の再学習結果に基づいて変更するものであっても良いし、既存の学習済モデルを削除し、新たな学習済モデルを生成するものであっても良い。
【0062】
記憶モジュールは、更新した学習済モデルを記憶する(ステップS53)。
【0063】
以上が、第1のモデル更新処理である。
【0064】
[コンピュータ10が実行する第2のモデル更新処理]
図9に基づいて、コンピュータ10が実行する第2のモデル更新処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する第2のモデル更新処理のフローチャートを示す図である。
【0065】
コメント取得モジュールは、レコメンドした確認箇所に対するコメントを取得する(ステップS60)。
コメントは、良い、悪い、参考になった、参考にならない等のテキスト形式であれば良い。
コメント取得モジュールは、このコメントを、担当者端末3から取得する。
担当者端末3は、レコメンドされた確認箇所(書類選考における確認箇所及び面接選考における確認箇所)に対するコメントの入力を受け付ける。担当者端末3は、採用担当者2から、所定の入力フォーム、UI等により、コメントの入力を受け付ける。担当者端末3は、受け付けたコメントを、コンピュータ10に送信する。
コメント取得モジュールは、このコメントを受信し、レコメンドした確認箇所に対するコメントを取得する。
【0066】
学習モジュールは、レコメンドした確認箇所及び取得したコメントを、学習データセットに加え、再学習する(ステップS61)。
学習モジュールは、ステップS13又はS22の処理により生成した学習データセットに、レコメンドした確認箇所及び取得したコメントを追加する。ここで、レコメンドした確認箇所が、学習データセットにおけるアノテーションを受け付けた箇所に該当し、取得したコメントが、学習データセットにおけるアノテーションの内容に該当する。
学習モジュールは、レコメンドした確認箇所及び取得したコメントを追加した学習データセットを用いて再学習する。
学習モジュールが実行する再学習の方法は、上述したステップS14の処理における学習の方法と同様であれば良い。
【0067】
モデル生成モジュールは、再学習結果に基づいて、学習済モデルを更新する(ステップS62)。
モデル生成モジュールは、再学習結果に基づいて、上述したステップS15の処理における所定のアルゴリズムを用いて、学習済モデルを更新する。モデル生成モジュールが学習済モデルを更新するとは、既存の学習済モデルの内容を、今回の再学習結果に基づいて変更するものであっても良いし、既存の学習済モデルを削除し、新たな学習済モデルを生成するものであっても良い。
【0068】
記憶モジュールは、更新した学習済モデルを記憶する(ステップS63)。
【0069】
以上が、第2のモデル更新処理である。
【0070】
コンピュータ10は、上述した第1のモデル更新処理及び第2の更新処理を組み合わせて行うものであっても良い。この場合、コンピュータ10は、レコメンドした確認箇所に対する評価及びコメントを取得し、これらを学習データセットに加え、再学習すれば良い。
【0071】
[コンピュータ10が実行する変更処理]
図10に基づいて、コンピュータ10が実行する変更処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する変更処理のフローチャートを示す図である。
【0072】
条件受付モジュールは、抽出する確認箇所に対する所定の条件の入力を受け付ける(ステップS70)。
所定の条件は、抽出する確認箇所(書類選考における確認箇所及び面接選考における確認箇所)に対する抽出量等に関するものであり、予め設定された複数のモード(辛口モード/普通モード/甘口モード、簡易モード/通常モード/詳細モード等)である。例えば、簡易モードの場合、確認箇所の内、ポジティブなもの、重要度が高いもの等の重要な確認箇所のみを抽出し、通常モードの場合、確認箇所の内、ポジティブなもの、ネガティブなもの、重要度が所定よりも高いもの等の、簡易モードよりもより多くの確認箇所を抽出し、詳細モードの場合、確認箇所の内、ポジティブなもの、ネガティブなもの、全ての重要度等の通常モードよりもより多くの確認箇所を抽出する。
担当者端末3は、自身の表示部に、所定の入力フォームやUI等により表示した選択肢、リスト、直接入力等により、各モードに対する選択入力(タップ操作、仮想キーボード等による入力等)を受け付け、採用担当者2が所望したモードの入力を受け付ける。
担当者端末3は、受け付けたモードを、コンピュータ10に送信する。
条件受付モジュールは、このモードを受信し、抽出する確認箇所に対する所定の条件の入力を受け付ける。
【0073】
確認箇所変更モジュールは、抽出する確認箇所を、所定の条件に基づいて変更する(ステップS71)。
確認箇所変更モジュールは、上述したステップS32、S40の処理において、抽出する確認箇所の抽出量を、受け付けたモードに応じて変更する。
コンピュータ10は、上述したステップS32、S40の処理において、この変更後の抽出量に応じて、確認箇所を抽出する。
【0074】
以上が、変更処理である。
【0075】
[コンピュータ10が実行する反映処理]
図11に基づいて、コンピュータ10が実行する反映処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する反映処理のフローチャートを示す図である。
【0076】
反映モジュールは、レコメンド結果を、新規採用応募書類に反映する(ステップS80)。
反映モジュールは、新規採用応募書類から抽出した確認箇所(書類選考における確認箇所及び面接選考における確認箇所)を、新規採用応募書類に反映する。反映モジュールは、新規採用応募書類における抽出した確認箇所に対して、変更後の表示態様を反映する。更に、反映モジュールは、この確認箇所に対する生成した確認理由を併せて反映する。反映モジュールは、新規採用応募書類に対して、確認箇所の表示態様を変更するとともに、この確認箇所に確認理由を紐付け、レコメンド結果を、新規採用応募書類に反映する。
【0077】
反映結果出力モジュールは、レコメンド結果を反映した新規採用応募書類を、所定の形式で出力する(ステップS81)。
所定の形式は、例えば、PDF、文書ファイル、表計算ファイルである。この所定の形式は、予め設定されたものであっても良いし、採用担当者2により設定されたものであっても良い。
反映結果出力モジュールは、確認箇所の表示態様が変更され、この確認箇所に確認理由が紐付けられた新規採用応募書類を、所定の形式で出力する。
【0078】
以上が、反映処理である。
コンピュータ10は、レコメンド結果を反映した新規採用応募書類を、担当者端末3等に出力する構成も可能である。担当者端末3は、コンピュータ10が送信したこの新規採用応募書類を受信し、自身の表示部に表示する。採用担当者2は、レコメンド結果が反映された新規採用応募書類を閲覧し、確認箇所に対して所定の入力操作(タップ操作等)を受け付けることにより、この確認箇所に紐付けられた確認理由を表示する。
【0079】
[コンピュータ10が実行する選考内容出力処理]
図12に基づいて、コンピュータ10が実行する選考内容出力処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する選考内容出力処理のフローチャートを示す図である。
【0080】
過去結果取得モジュールは、過去の実際の書類選考結果情報を取得する(ステップS90)。
書類選考結果情報は、過去に採用応募書類に対して行った書類選考の結果に関する情報であり、例えば、どういった採用応募書類が書類選考を通過したか、書類選考の判断の根拠となった内容、書類選考の判断結果の理由である。
過去結果取得モジュールは、企業や団体等の書類選考結果情報を記憶する外部システムから、この書類選考結果情報を取得する。
外部システムは、コンピュータ10からの要求に基づいて、書類選考結果情報を、コンピュータ10に送信する。
過去結果取得モジュールは、この書類選考結果情報を受信し、過去の実際の書類選考結果情報を取得する。
【0081】
選考内容生成モジュールは、抽出した確認箇所と、レコメンド結果と、取得した書類選考結果情報とに基づいて、選考通過率、実際の選考結果及び選考理由の申し送りコメントを生成する(ステップS91)。
ステップS91におけるレコメンド結果は、確認理由(ポジティブ、ネガティブ、重要度等)である。
選考通過率は、実際に書類選考を通過する確率(%、割合等)である。実際の選考結果は、新規採用応募書類における実際の書類選考の結果(通過、見送り等)である。申し送りコメントは、書類選考の判断結果の根拠や理由である。
選考内容生成モジュールは、抽出した確認箇所及びレコメンド結果と、書類選考結果情報とを比較し、一致又は近似する割合を算出する。選考内容生成モジュールは、算出した割合に基づいて、選考通過率を生成する。選考内容生成モジュールは、抽出した確認箇所及びレコメンド結果と、書類選考結果情報とを比較し、新規採用応募書類と、過去の実際の採用応募書類及びこの採用応募書類に対する書類選考の結果とを比較し、予め設定された基準(確認箇所の数が所定の数以上、レコメンド結果がポジティブなものの数が所定以上、重要度が所定以上等)を満たす新規採用応募書類を通過と判断し、満たさない新規採用応募書類を見送りと判断し、この判断結果を、実際の選考結果として生成する。選考内容生成モジュールは、生成した選考結果に基づいて、申し送りコメント(レコメンド結果がポジティブなものが多い、重要度が高いものが多い等)を生成する。
なお、選考内容生成モジュールは、選考通過率が、所定の確率未満の新規採用応募書類を、書類選考の結果として見送りと判断し、選考結果として生成しても良い。この場合、選考内容生成モジュールは、この選考通過率が所定の確率未満であるといったものを、申し送りコメントとして生成すれば良い。
【0082】
選考内容出力モジュールは、生成した選考通過率、実際の選考結果及び選考理由の申し送りコメントを出力する(ステップS92)。
選考内容出力モジュールは、生成した選考通過率、実際の選考結果及び選考理由の申し送りコメントを、担当者端末3に送信する。
担当者端末3は、選考通過率、実際の選考結果及び選考理由の申し送りコメントを受信し、自身の表示部に所定のUI等により表示する。採用担当者2は、表示された選考通過率、実際の選考結果及び選考理由の申し送りコメントを閲覧する。
選考内容出力モジュールは、選考通過率、実際の選考結果及び選考理由の申し送りコメントを、担当者端末3に表示させることにより、生成した選考通過率、実際の選考結果及び選考理由の申し送りコメントを出力する。
【0083】
以上が、選考内容出力処理である。
【0084】
[コンピュータ10が実行する架空選考処理]
図13に基づいて、コンピュータ10が実行する架空選考処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する架空選考処理のフローチャートを示す図である。
【0085】
架空書類生成モジュールは、架空採用応募書類を生成する(ステップS100)。
架空採用応募書類は、職務経歴書、履歴書、スキルシート、リファレンスシート等の人材採用において書類選考や面接選考に用いる架空の書類である。この架空採用応募書類は、所定のデータ形式(PDF、文書ファイル、表計算ファイル等)のデータである。
架空書類生成モジュールは、過去に採用した採用候補者の応募書類、一般的に公衆回線網等を介して配布されている応募書類のサンプル等に基づいて、架空採用応募書類を生成する。
架空書類生成モジュールが、架空採用応募書類を生成する方法は、特に限定されるものではなく、適宜設計可能である。
【0086】
架空書類出力モジュールは、生成した架空採用応募書類を出力する(ステップS101)。
架空書類出力モジュールは、担当者端末3に、生成した架空採用応募書類を送信する。担当者端末3は、この各採用応募書類を受信し、自身の表示部に表示する。
架空書類出力モジュールは、生成した架空採用応募書類を、担当者端末3に表示させることにより、生成した架空採用応募書類を出力する。
【0087】
架空アノテーション受付モジュールは、出力した架空採用応募書類に対するアノテーションを受け付ける(ステップS103)。
アノテーションは、上述したステップS12のものと同様である。
担当者端末3は、採用担当者2から、架空採用応募書類に対するアノテーションの入力を受け付ける。担当者端末3は、例えば、架空採用応募書類の任意の箇所(書類選考や面接選考で採用担当者2が確認するべき箇所(学歴、職歴、免許、資格、職務内容、スキル、性格、長所、短所、実績、参加プロジェクト等))に、〇、×、△の其々の入力を、採用担当者2から受け付ける。採用担当者2は、担当者端末3が表示する架空採用応募書類において、任意の箇所(採用担当者2が確認するべき箇所等)をタップし、この箇所に、〇、×、△の何れかを仮想キーボード等による直接入力や、選択肢からの選択入力により入力する。なお、担当者端末3は、架空採用応募書類に直接アノテーションするものであっても良いし、所定のアプリケーションで読み込んだ架空採用応募書類を、所定のUIで表示したものにアノテーションするものであっても良い。
担当者端末3は、アノテーションを受け付けた箇所及びアノテーションの内容を、架空アノテーションデータとして、コンピュータ10に送信する。
架空アノテーション受付モジュールは、この架空アノテーションデータを受信し、出力した架空採用応募書類に対するアノテーションを受け付ける。
【0088】
架空選考抽出モジュールは、生成した学習済モデルを用いて、生成した架空採用応募書類に対して、書類選考において確認するべき架空確認箇所を抽出する(ステップS103)。
架空選考抽出モジュールは、架空採用応募書類と、学習済モデルにおける抽出すべき箇所及びこの箇所のアノテーションとを比較し、一致又は類似するものを、架空確認箇所として抽出する。
【0089】
理由生成モジュールは、抽出した架空確認箇所を確認するべき確認理由を生成する(ステップS104)。
確認理由は、採用担当者2が、架空確認箇所を確認する理由であり、例えば、求人データとの一致、スキル・資格等の保有者等である。
理由生成モジュールは、予め設定された採用候補者に求める内容(資格、スキル、職歴、参加プロジェクト等)に該当する抽出した架空確認箇所について、この内容を確認理由として生成する。
【0090】
比較モジュールは、受け付けたアノテーションと、抽出した架空確認箇所とを比較する(ステップS105)。
比較モジュールは、架空採用応募書類におけるアノテーションを受け付けた箇所と、抽出した架空確認箇所とを比較し、一致又は近似する割合を判断する。更に、比較モジュールは、架空採用応募書類におけるアノテーションの内容と、架空確認箇所の確認理由とを比較し、内容の一致、ズレ、相違点等を判断する。
【0091】
評価モジュールは、比較結果に基づいて、受け付けたアノテーションを評価する(ステップS106)。
評価は、例えば、点数、ランク、星の数によるものである。
評価モジュールは、架空採用応募書類におけるアノテーションを受け付けた箇所と、抽出した架空確認箇所とが一致又は近似する割合や、架空採用応募書類におけるアノテーションの内容と、架空確認箇所の確認理由と内容の一致、ズレ、相違点等に基づいて、受け付けたアノテーションを評価する。
評価モジュールは、アノテーションを受け付けた箇所が一致又は近似する割合に応じた点数や、アノテーションの内容の一致、ズレ、相違点等に応じた点数により、アノテーションを評価する。また、評価モジュールは、アノテーションを受け付けた箇所が一致又は近似する割合やアノテーションの内容の一致、ズレ、相違点等に応じて、A、B、C、…等のランクにより、アノテーションを評価する。また、評価モジュールは、アノテーションを受け付けた箇所が一致又は近似する割合やアノテーションの内容の一致、ズレ、相違点等に応じて、星の数により、アノテーションを評価する。
【0092】
改善コメント生成モジュールは、評価結果に対して、改善コメントを生成する(ステップS107)。
改善コメント生成モジュールは、評価結果に対して、点数、ランク、星の数等を改善する(点数を高める、ランクを上げる、星の数を増やす等)ためにどのような箇所にアノテーションするかを示す改善コメントを生成する。
【0093】
評価結果出力モジュールは、評価結果及び改善コメントを出力する(ステップS108)。
評価結果出力モジュールは、担当者端末3に、評価結果及び改善コメントを送信する。担当者端末3は、この評価結果及び改善コメントを受信し、自身の表示部に表示する。
評価結果出力モジュールは、評価結果及び改善コメントを、担当者端末3に表示させることにより、生成した架空採用応募書類を出力する。
【0094】
以上が、架空選考処理である。
【0095】
上述した各処理は、別個の処理として記載しているが、コンピュータ10は、上述した各処理の一部又は全部を組み合わせて実行する構成も可能である。
【0096】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、コンピュータからネットワーク経由で提供される(SaaS:ソフトウェア・アズ・ア・サービス)形態やクラウドサービスで提供されて良い。また、プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供されて良い。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記録装置又は外部記録装置に転送し記録して実行する。また、そのプログラムを、記録装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記録装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしても良い。
【0097】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0098】
本実施形態に開示される第1の態様は、採用応募書類をレコメンドする採用応募書類レコメンドシステムであって、
学習用採用応募書類に対して、アノテーションした学習データセットを学習する学習部と、
学習結果に基づいた学習済モデルを生成するモデル生成部と、
新規採用応募書類を取得する書類取得部と、
生成した前記学習済モデルを用いて、取得した前記新規採用応募書類に対して、書類選考において確認するべき確認箇所を抽出する書類選考抽出部と、
抽出した前記確認箇所をレコメンドするレコメンド部と、
を備える採用応募書類レコメンドシステムを提供する。
【0099】
本実施形態に開示される第2の態様は、求人データを取得する求人データ取得部、
を更に備え、
前記書類選考抽出部は、取得した前記求人データを加え、前記確認箇所を抽出する、
第1の態様に記載の採用応募書類レコメンドシステムを提供する。
【0100】
本実施形態に開示される第3の態様は、前記確認箇所を確認するべき確認理由を生成する理由生成部、
を更に備え、
前記レコメンド部は、生成した前記確認理由を添えてレコメンドする、
第1の態様に記載の採用応募書類レコメンドシステムを提供する。
【0101】
本実施形態に開示される第4の態様は、レコメンドした前記確認箇所に対する評価を取得する評価取得部、
を更に備え、
前記学習部は、レコメンドした前記確認箇所及び取得した前記評価を、前記学習データセットに加え、再学習する、
第1の態様に記載の採用応募書類レコメンドシステムを提供する。
【0102】
本実施形態に開示される第5の態様は、レコメンドした前記確認箇所に対するコメントを取得するコメント取得部、
を更に備え、
前記学習部は、レコメンドした前記確認箇所及び取得した前記コメントを、前記学習データセットに加え、再学習する、
第1の態様に記載の採用応募書類レコメンドシステムを提供する。
【0103】
本実施形態に開示される第6の態様は、抽出した前記確認箇所の表示態様を、所定の条件に基づいて変更する態様変更部、
を更に備える第1の態様に記載の採用応募書類レコメンドシステムを提供する。
【0104】
本実施形態に開示される第7の態様は、抽出する前記確認箇所を、所定の条件に基づいて変更する箇所変更部、
を更に備える第1の態様に記載の採用応募書類レコメンドシステムを提供する。
【0105】
本実施形態に開示される第8の態様は、生成した前記学習済モデルを用いて、取得した前記新規採用応募書類に対して、面接選考において確認するべき確認箇所を抽出する面接選考抽出部、
を更に備え、
前記レコメンド部は、抽出した前記面接選考において確認するべき確認箇所をレコメンドする、
第1の態様に記載の採用応募書類レコメンドシステムを提供する。
【0106】
本実施形態に開示される第9の態様は、前記レコメンド部は、所定のユーザーインターフェースにより、レコメンドする、
第1の態様に記載の採用応募書類レコメンドシステムを提供する。
【0107】
本実施形態に開示される第10の態様は、レコメンド結果を、前記新規採用応募書類に反映する反映部と、
前記レコメンド結果を反映した新規採用応募書類を、所定の形式で出力する反映出力部と、
を更に備える第1の態様に記載の採用応募書類レコメンドシステムを提供する。
【0108】
本実施形態に開示される第11の態様は、過去の実際の書類選考結果情報を取得する結果情報取得部と、
抽出した前記確認箇所と、レコメンド結果と、取得した前記書類選考結果情報とに基づいて、選考通過率、実際の選考結果及び選考理由の申し送りコメントを生成する選考内容生成部と、
生成した前記選考通過率、実際の選考結果及び選考理由の申し送りコメントを出力する選考内容出力部と、
を更に備える第1の態様に記載の採用応募書類レコメンドシステムを提供する。
【0109】
本実施形態に開示される第12の態様は、前記学習用採用応募書類に対するアノテーションを受け付ける学習用アノテーション受付部、
を更に備え、
前記学習部は、前記学習用採用応募書類に対して受け付けたアノテーションに基づいた学習データセットを、前記学習用採用応募書類に対してアノテーションした学習データセットに加え、学習する、
第1の態様に記載の採用応募書類レコメンドシステムを提供する。
【0110】
本実施形態に開示される第13の態様は、架空採用応募書類を生成する架空書類生成部と、
生成した前記架空採用応募書類を出力する架空書類出力部と、
出力した前記架空採用応募書類に対するアノテーションを受け付ける架空アノテーション受付部と、
生成した前記学習済モデルを用いて、生成した前記架空採用応募書類に対して、書類選考において確認するべき架空選考確認箇所を抽出する架空選考抽出部と、
前記架空採用応募書類に対して受け付けたアノテーションと、抽出した前記架空選考確認箇所とを比較する比較部と、
比較結果に基づいて、前記架空採用応募書類に対して受け付けたアノテーションを評価する評価部と、
評価結果を出力する評価結果出力部と、
を更に備える第1の態様に記載の採用応募書類レコメンドシステムを提供する。
【0111】
本実施形態に開示される第14の態様は、評価結果に対して、改善コメントを生成する改善コメント生成部、
を更に備え、
前記評価結果出力部は、生成した前記改善コメントを出力する、
第13の態様に記載の採用応募書類レコメンドシステムを提供する。
【符号の説明】
【0112】
1 採用応募書類レコメンドシステム
2 採用担当者
3 担当者端末
8 ネットワーク
10 コンピュータ
11 書類取得部
12 レコメンド部
13 学習部
14 モデル生成部
15 書類選考抽出部
20 UI
21 確認箇所欄
22 確認理由欄
【要約】
【課題】効率的に書類選考を行う。
【解決手段】採用応募書類をレコメンドする採用応募書類レコメンドシステムは、学習用採用応募書類に対して、アノテーションした学習データセットを学習し、学習結果に基づいた学習済モデルを生成し、新規採用応募書類を取得し、生成した前記学習済モデルを用いて、取得した前記新規採用応募書類に対して、書類選考において確認するべき確認箇所を抽出し、抽出した前記確認箇所をレコメンドする。
【選択図】
図1