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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】ゴルフスイング練習補助具
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/14 20150101AFI20240621BHJP
   A63B 60/06 20150101ALI20240621BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20240621BHJP
【FI】
A63B53/14 Z
A63B60/06
A63B102:32
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2024017535
(22)【出願日】2024-02-07
【審査請求日】2024-02-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524053203
【氏名又は名称】西森 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100130199
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 充弘
(72)【発明者】
【氏名】西森 洋一
【審査官】相川 俊
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-216209(JP,A)
【文献】実開昭59-116064(JP,U)
【文献】実開昭59-008369(JP,U)
【文献】登録実用新案第3173175(JP,U)
【文献】登録実用新案第3145327(JP,U)
【文献】実開平03-016967(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2007-0078354(KR,A)
【文献】特開平05-200136(JP,A)
【文献】米国特許第8979664(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/14
A63B 60/06
A63B 102/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブのグリップに装着するゴルフスイング練習補助具であって、
使用者がグリップを握る位置よりもグリップの後端側の外周面に配置される補助具本体と、
前記補助具本体とは別部材で形成されており、グリップを締め付けることにより、前記補助具本体をグリップに固定する固定部と、
前記補助具本体に設けられ、グリップを握る手に対してグリップの後端側から当接する当接部と、を備え、
前記固定部は、グリップを周方向に取り囲むとともに、グリップを締め付けることにより、前記補助具本体をグリップに固定する締付部材を有し、
前記締付部材は、前記補助具本体をグリップに固定する姿勢である固定姿勢と、前記補助具本体をグリップから離脱させる姿勢である開放姿勢と、に切り替える操作部を有し、
前記補助具本体は、前記操作部を収容する収容部を有する、
ゴルフスイング練習補助具。
【請求項2】
ゴルフクラブのグリップに装着するゴルフスイング練習補助具であって、
使用者がグリップを握る位置よりもグリップの後端側の外周面に配置される補助具本体と、
前記補助具本体とは別部材で形成されており、グリップを締め付けることにより、前記補助具本体をグリップに固定する固定部と、
前記補助具本体に設けられ、グリップを握る手に対してグリップの後端側から当接する当接部と、を備え、
前記固定部は、
前記補助具本体に対して、グリップを挟んだ反対側に配置される固定部本体と、
前記補助具本体と前記固定部本体とを連結するとともに、前記補助具本体をグリップに固定する姿勢である固定姿勢と、前記補助具本体をグリップから離脱させる姿勢である開放姿勢と、に切り替える操作部と、を有し、
前記固定部本体および前記操作部は、
前記補助具本体とともにグリップを挟んで締め付けることにより、前記補助具本体をグリップの任意の位置に固定し、
前記補助具本体および/または前記固定部は、前記操作部を収容する収容部を有する、
ゴルフスイング練習補助具。
【請求項3】
前記補助具本体は、
グリップの外周面に配置された位置において、グリップの周方向における一部の領域を被覆するように形成されている、
請求項1または請求項2に記載のゴルフスイング練習補助具。
【請求項4】
前記補助具本体は、
グリップの後端付近の任意位置に配置された状態において、グリップの外周面の少なくとも一部が嵌まり込むように形成された凹部を有する、
請求項1または請求項2に記載のゴルフスイング練習補助具。
【請求項5】
前記補助具本体がグリップの後端付近の任意位置に配置された状態において、前記当接部の端部のうちグリップ側の端部を固定端とし、反対側の前記当接部の端部を自由端として、
前記当接部は、
グリップの径方向における前記自由端の幅が、グリップの径方向における前記固定端の幅よりも大きく形成されている、
請求項1または請求項2に記載のゴルフスイング練習補助具。
【請求項6】
前記当接部は、
グリップに配置された前記補助具本体をグリップの後端側から見た状態において、前記固定端から前記自由端に向けて、略扇状に広がるように形成される当接面を有する、
請求項5に記載のゴルフスイング練習補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフクラブのスイング練習を効果的に行うことができるゴルフスイング練習補助具に関する。より詳細には、ゴルフクラブのグリップに取り付けてスイング練習することにより、グリップを握る手の力を抜いてスイングするという、スイングのコツを体得することができるゴルフスイング練習補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフクラブには、ウッド、アイアン、ユーティリティなど特性の異なる複数の種類が存在する。これらのゴルフクラブは、主にヘッド、シャフトおよびグリップから構成されている。使用者(プレイヤー)は、グリップを両手で握った状態でゴルフクラブをスイングする。
【0003】
ゴルフスイングにおいては、グリップを手で強く握らずに力を抜いて握ることが重要とされている。手の力を抜いてグリップを握ることにより、手首を柔らかく動かすことが可能となり、シャフトの「しなり」を利用してゴルフクラブを速くスイングすることができる。
【0004】
しかしながら、ゴルフ初心者にとって、力を抜いてグリップを握りながらゴルフクラブをスイングすることは容易ではない。手の力を抜いてスイングすると、グリップが滑ってゴルフクラブが手から離脱するのではないかという不安感を抱く場合もある。
【0005】
従来、グリップが手から離脱することを防止する離脱防止機能を有するゴルフクラブ用グリップが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のゴルフクラブ用グリップは、グリップの後端部の外周面に、このグリップを握ったときの小指を軸方向に係止可能な係止部が設けられている。特許文献1のゴルフクラブ用グリップによれば、使用者がゴルフクラブを握ってスイングする際に、小指がグリップの係止部に係止されて、ゴルフクラブに発生する瞬間的な遠心力に抗することができ、ゴルフクラブが手から離脱することを防止できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2005-28096号公報
【文献】実開昭57-139366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のゴルフクラブ用グリップでは、小指を係止するための係止部がグリップの所定の位置に予め形成されている。このため、使用者は係止部に小指が掛かるようにグリップを握る必要がある。
【0008】
しかしながら、グリップを握る位置は、使用者の体格や握り方の好み等によって異なり、グリップに対する小指の位置も一定ではない。例えば、グリップの後端部を余らせるように握る場合と、グリップの後端部を余らせずに握る場合とでは、グリップに対する小指の位置は変化する。また、使用者の手の大きさによっても小指の位置は変化する。つまり、グリップに対する小指の位置は、使用者の体格や握り方の好み等によってグリップの軸方向に変化するとともに、グリップの周方向にも変化する。
【0009】
このため、特許文献1のゴルフクラブ用グリップのように、係止部がグリップの所定の位置に予め形成されている場合、使用者の体格や握り方の好み等によっては、小指の位置が係止部の位置に合わない場合があり、グリップを握る手の力を抜いたスイングの練習を行うことができない場合があった。
【0010】
また、特許文献1のゴルフクラブ用グリップでは、グリップから係止部を取り外すことができない。係止部のないゴルフクラブを用いてプレーしたい場合には、係止部が形成されていない別のゴルフクラブを使用する必要がある。この場合、練習で使用したゴルフクラブと、プレーで使用するゴルフクラブとでグリップの形状が変化することとなる。このため、スイング練習では力を抜いてスイングできたとしても、グリップの形状が変化したことにより、プレーでは力を抜いてスイングできなくなるおそれがある。
【0011】
特許文献2には、ゴルフクラブのグリップに取り付けることができる取付け用エッジが開示されている。特許文献2の取付け用エッジは、伸縮性に富むゴムや軟質合成樹脂素材等を用いて周縁部に所要形状の肉盛り部が形成されたエッジ構成環によって構成されている。エッジ構成環の内径はゴルフクラブのグリップの直径よりやや小径に設定されており、エッジ構成環はグリップに対する嵌着が摺動自在であり、ややきつめに嵌着可能とされている。
【0012】
特許文献2の取付け用エッジによれば、スイングに際しクラブを強振しても、該エッジ構成環の存在は、クラブのすっぽ抜けを良く阻止することになるから、握り方のあまい初心者、または雨天時等のプレーで握り部がすべり易いような場合であっても、物理的にも心理的にも安心してプレーを楽しむことができ、プレー上の安全器具としての使命をよく達成する、とされている(特許文献2の第3頁)。
【0013】
しかしながら、特許文献2のエッジ構成環は、周縁部の全周に肉盛り部が形成されている。エッジ構成環の全周が肉厚であると、エッジ構成環の上からグリップを握ることができない。このため、特許文献2のエッジ構成環は、グリップを握る手と干渉しない位置、例えば、グリップを握る手の位置よりもグリップ後端側に離れた位置に取り付けることとなり、グリップを握る手に適切に接触させることができなかった。その結果、グリップが滑ってゴルフクラブが手から離脱するのではないかというゴルフ初心者の不安感を払拭できず、グリップを握る手の力を抜いたスイングの練習を行うことができない場合があった。
【0014】
また、特許文献2のエッジ構成環は、グリップの径が最も太い後端部から取り付けられる。このため、エッジ構成環を大きく弾性変形させて内径を拡開させながらグリップの後端部から取り付けできるようにする必要がある。しかしながら、エッジ構成環の肉盛り部を高くすると、エッジ構成環が弾性変形しにくくなり、グリップの後端部から取り付けにくくなる。また、エッジ構成環を柔軟な素材で形成して弾性変形しやすくすると、グリップに取り付けたエッジ構成環の位置がずれやすくなるという問題がある。
【0015】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、使用者ごとに異なるグリップを握る位置に合わせて取り付けて、グリップを握る手に適切に接触させることにより、グリップを握る手の力を抜いたスイングの練習を可能にする、ゴルフスイング練習補助具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明のゴルフスイング練習補助具は、ゴルフクラブのグリップに装着するゴルフスイング練習補助具であって、
使用者がグリップを握る位置よりもグリップの後端側の外周面に配置される補助具本体と、
前記補助具本体とは別部材で形成されており、グリップを締め付けることにより、前記補助具本体をグリップに固定する固定部と、
前記補助具本体に設けられ、グリップを握る手に対してグリップの後端側から当接する当接部と、を備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明のゴルフスイング練習補助具によれば、使用者ごとに異なるグリップを握る位置に合わせて取り付けて、グリップを握る手に適切に接触させることにより、グリップを握る手の力を抜いたスイングの練習が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の実施形態1に係るゴルフスイング練習補助具をゴルフクラブのグリップに取り付けた状態を示す斜視図である。
図2図2は、ゴルフスイング練習補助具を取り付けたグリップを斜め後方から見た図である。
図3図3は、ゴルフスイング練習補助具を取り付けたグリップを右側方から見た図である。
図4図4は、ゴルフスイング練習補助具を取り付けたグリップを両手で握る状態を示す右側面図である。
図5図5は、ゴルフスイング練習補助具を分解した状態であって、(a)後面図(b)右側面図(c)底面図である。
図6図6は、ゴルフスイング練習補助具をゴルフクラブのグリップに取り付けた状態であって、(a)左側面図(b)(a)のA―A線における断面図である。
図7図7は、ゴルフスイング練習補助具を図6よりもグリップの後方に取り付けた状態であって、(a)左側面図(b)(a)のB―B線における断面図である。
図8図8は、ゴルフスイング練習補助具を図6よりもグリップの前方に取り付けた状態であって、(a)左側面図(b)(a)のC―C線における断面図である。
図9図9は、変形例に係るゴルフスイング練習補助具を分解した状態であって、(a)後面図(b)右側面図(c)平面図である。
図10図10は、他の変形例に係るゴルフスイング練習補助具であって、(a)開放姿勢における後面図(b)固定姿勢における後面図である。
図11図11は、他の変形例に係るゴルフスイング練習補助具の後面図であって、(a)当接部の自由端の幅を固定端の幅と等しくした例(b)当接部の自由端の幅を固定端の幅よりも小さくした例である。
図12図12は、本発明の実施形態2に係るゴルフスイング練習補助具をゴルフクラブのグリップに取り付けた状態であって(a)左側面図(b)(a)のD―D線における断面図である。
図13図13は、ゴルフスイング練習補助具を分解した状態であって、(a)補助具本体の左側面(b)補助具本体の後面図(c)締付部材の後面図である。
図14図14は、ゴルフスイング練習補助具をゴルフクラブのグリップに取り付ける状態を示す図であって(a)グリップに補助具本体を配置する状態を示す左側面(b)グリップと補助具本体を締付部材の環状部に挿通させる状態を示す左側面(c)グリップと補助具本体が締付部材の環状部に挿通された状態を示す左側面である。
図15図15は、本発明の実施形態3に係るゴルフスイング練習補助具をゴルフクラブのグリップに取り付けた状態であって(a)左側面図(b)(a)のE―E線における断面図である。
図16図16は、ゴルフスイング練習補助具の(a)左側面(b)(a)のF―F線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態にかかるゴルフスイング練習補助具は、
ゴルフクラブのグリップに装着するゴルフスイング練習補助具であって、
使用者がグリップを握る位置よりもグリップの後端側の外周面に配置される補助具本体と、
前記補助具本体とは別部材で形成されており、グリップを締め付けることにより、前記補助具本体をグリップに固定する固定部と、
前記補助具本体に設けられ、グリップを握る手に対してグリップの後端側から当接する当接部と、を備える(第1の構成)。
【0020】
上記構成によれば、ゴルフスイング練習補助具は、当接部が設けられた補助具本体と、補助具本体をグリップの任意の位置に固定する固定部とを備えており、グリップを握る手に対して当接部がグリップの後端側から当接するように、補助具本体をグリップの任意の位置に固定することができる。
また、補助具本体とは別部材で固定部が設けられているため、使用者ごとに異なるグリップを握る位置に合わせて、ゴルフスイング練習補助具をグリップに強固に取り付けることができる。
このため、使用者ごとに異なるグリップを握る位置に合わせて、グリップを握る手に対して当接部が適切に当接するようにゴルフスイング練習補助具をグリップに取り付けることができ、グリップを握る手の力を抜いたスイングの練習を行うことができる。
【0021】
上記第1の構成において、
前記補助具本体は、
グリップの外周面に配置された位置において、グリップの周方向における一部の領域を被覆するように形成されてもよい(第2の構成)。
【0022】
上記構成によれば、補助具本体は、グリップの外周面に配置された位置において、グリップの周方向における全周ではなく、周方向における一部の領域を被覆するように形成されている、
補助具本体がグリップの全周を被覆しないため、グリップを握る手と補助具本体とが干渉しにくくなる。このため、使用者ごとに異なるグリップを握る位置に合わせて、グリップを握る手に対して当接部が適切に当接するようにゴルフスイング練習補助具をグリップに取り付けることができる。
【0023】
上記第1または第2の構成において、
前記補助具本体は、
グリップの後端付近の任意位置に配置された状態において、グリップの外周面の少なくとも一部が嵌まり込むように形成された凹部を有してもよい(第3の構成)。
【0024】
上記構成によれば、補助具本体は、グリップの後端付近の任意位置に配置された状態において、グリップの外周面の少なくとも一部が嵌まり込むように形成された凹部を有する。
グリップの後端付近の任意位置において、補助具本体の凹部にグリップの外周面の少なくとも一部が嵌まり込むため、補助具本体をグリップの後端付近の任意位置に配置した状態で、補助具本体をグリップに安定して固定することができる。
【0025】
上記第1から第3のいずれかの構成において、
前記補助具本体がグリップの後端付近の任意位置に配置された状態において、前記当接部の端部のうちグリップ側の端部を固定端とし、反対側の前記当接部の端部を自由端として、
前記当接部は、
グリップの径方向における前記自由端の幅が、グリップの径方向における前記固定端の幅よりも大きく形成されてもよい(第4の構成)。
【0026】
上記構成によれば、当接部の自由端の幅は、固定端の幅よりも大きく形成されており、当接部は、固定端側よりも自由端側が広がった形状となる。
このため、当接部はグリップを握る手の指だけでなく、手の側面にも当接しやすくなり、グリップが滑ってゴルフクラブが手から離脱するのではないかというゴルフ初心者の不安感を払拭することができる。
【0027】
上記第4の構成において、
前記当接部は、
グリップに配置された前記補助具本体をグリップの後端側から見た状態において、前記固定端から前記自由端に向けて、略扇状に広がるように形成される当接面を有してもよい(第5の構成)。
【0028】
上記構成によれば、当接部の当接面は、固定端から自由端に向けて、略扇状に広がるように形成されている。
このため、当接部の当接面がグリップを握る手の指だけでなく、手の側面にも当接しやすくなり、グリップが滑ってゴルフクラブが手から離脱するのではないかというゴルフ初心者の不安感を払拭することができる。
【0029】
上記第1から第5のいずれかの構成において、
前記固定部は、
前記補助具本体に対して、グリップを挟んだ反対側に配置され、前記補助具本体とともにグリップを挟んで締め付けることにより、前記補助具本体をグリップに固定してもよい(第6の構成)。
【0030】
上記構成によれば、固定部は、補助具本体とともにグリップを挟んで締め付けることにより、補助具本体をグリップに固定する。
このため、使用者ごとに異なるグリップを握る位置に合わせて、ゴルフスイング練習補助具をグリップに簡単かつ強固に取り付けることができる。
また、補助具本体と固定部による締め付けを緩めることでゴルフスイング練習補助具をグリップから容易に取り外すこともできる。
【0031】
上記第1から第5のいずれかの構成において、
前記固定部は、
グリップを周方向に取り囲む締付部材を有し、グリップを前記締付部材で締め付けることにより、前記補助具本体をグリップに固定してもよい(第7の構成)。
【0032】
上記構成によれば、固定部は、グリップを締付部材で締め付けることにより、補助具本体をグリップに固定する。
このため、使用者ごとに異なるグリップを握る位置に合わせて、ゴルフスイング練習補助具をグリップに簡単かつ強固に取り付けることができる。
また、締付部材による締め付けを緩めることでゴルフスイング練習補助具をグリップから容易に取り外すこともできる。
【0033】
上記第1から第7のいずれかの構成において、
前記固定部は、
前記補助具本体をグリップに固定する姿勢である固定姿勢と、前記補助具本体をグリップから離脱させる姿勢である開放姿勢と、に切り替える操作部を有し、
前記補助具本体および/または前記固定部は、前記操作部を収容する収容部を有してもよい(第8の構成)。
【0034】
上記構成によれば、補助具本体および/または固定部は、固定姿勢と開放姿勢を切り替える操作部を収容する収容部を有する。
このため、ゴルフスイング練習補助具をグリップに取り付けた状態において、グリップを握る手に操作部が接触することを抑制することができる。
【0035】
上記第1から第8のいずれかの構成において、
前記固定部は、グリップを周方向に取り囲むとともに、グリップを締め付けることにより、前記補助具本体をグリップに固定する締付部材を有し、
前記締付部材は、前記補助具本体をグリップに固定する姿勢である固定姿勢と、前記補助具本体をグリップから離脱させる姿勢である開放姿勢と、に切り替える操作部を有し、
前記補助具本体は、前記操作部を収容する収容部を有してもよい(第9の構成)。
【0036】
上記構成によれば、補助具本体は、締付部材の操作部を収容する収容部を有する。
このため、ゴルフスイング練習補助具をグリップに取り付けた状態において、グリップを握る手に操作部が接触することを抑制することができる。
【0037】
[実施形態1]
以下、図面を参照し、本発明の実施形態に係るゴルフスイング練習補助具について説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。例示した寸法は一例であり、例示した寸法に限定されるものではない。
【0038】
以下では、説明の便宜のため、ゴルフクラブのシャフトの軸方向と平行であってグリップからヘッドに向かう方向を前方とし、ヘッドからグリップに向かう方向を後方とする。また、グリップを使用者の右手および左手で握った状態において、右手および左手の親指が載置される側をグリップの上方とし、その反対側を下方とする。さらに、グリップを使用者の右手および左手で握った状態において、右腕側をグリップの右方とし、左腕側をグリップの左方とする。図3および図4において、矢印Uはグリップの上方向を示し、矢印Dは下方向を示す。矢印Fはグリップの前方向、矢印Bは後方向を示す。矢印Rはグリップの右方向、矢印Lは左方向を示す。
【0039】
ゴルフスイング練習補助具についても説明の便宜上、上方、下方、前方、後方、右方、および左方を用いて説明するが、グリップに対してゴルフスイング練習補助具を取り付ける位置は、必ずしもグリップの各方向と、ゴルフスイング練習補助具の各方向とが一致しなくてもよい。
【0040】
図1は、本発明の実施形態1に係るゴルフスイング練習補助具100をゴルフクラブ10のグリップ13に取り付けた状態を示す斜視図である。図1に示すように、ゴルフクラブ10は主にヘッド11、シャフト12、およびグリップ13から構成されている。図1のゴルフクラブ10は、アイアンと呼ばれる種類のゴルフクラブである。シャフト12の一方の端部側(前端側)にヘッド11が取り付けられており、シャフト12の他方の端部側(後端側)にグリップ13が取り付けられている。使用者(プレイヤー)は、グリップ13を右手RHおよび左手LHで握った状態でゴルフクラブ10をスイングする(図4参照)。なお、ゴルフスイング練習補助具100を取り付けるゴルフクラブは、アイアンに限定されず、ウッドなど他の種類のゴルフクラブに取り付けることが可能である。
【0041】
グリップ13は、ゴム素材や樹脂素材など種々の素材を用いて形成されている。また、グリップ13は、様々な形状のものが知られている。図1に示すグリップ13の形状は一例であり、前端側が細く、後端に向けて外径が漸増し、後端部付近の外径が最も太い略円筒状のグリップである。ゴルフスイング練習補助具100が取り付けられるグリップは、略円筒状のグリップに限定されず、他の形状のグリップに取り付けることが可能である。
【0042】
図2は、ゴルフスイング練習補助具100を取り付けたグリップ13を斜め後方から見た図である。図3は、ゴルフスイング練習補助具100を取り付けたグリップ13を右側方から見た図である。図2および図3では、使用者がグリップ13を左手LHで軽く握っている状態を示している。図4は、ゴルフスイング練習補助具100を取り付けたグリップ13を両手で握る状態を右側方から見た図である。
【0043】
図2から図4に示すように、ゴルフスイング練習補助具100は、補助具本体30、固定部50、および当接部70を備えている。ゴルフスイング練習補助具100は、補助具本体30および固定部50によってグリップ13を径方向に締め付けることにより、グリップ13の任意位置に固定することができる。当接部70は、グリップ13を握る手に当接する当接面73を有している。
【0044】
グリップ13に対してゴルフスイング練習補助具100を固定する位置は、使用者がグリップ13を握る位置よりも後端側の外周面15とする。具体的には、図4に示すように、使用者が右打ちであって左手LHでグリップ13の後端側を握る場合、ゴルフスイング練習補助具100を固定する位置は、左手LHでグリップ13を握る位置よりも後端側とする。その位置で、グリップ13を握る左手LHの小指LH5の側面、および/またはグリップ13を握る左手LHの小指球LH6の側面に当接面73が軽く接触する状態が好ましい。
【0045】
また、反対に使用者が左打ちであって右手RHでグリップ13の後端側を握る場合、ゴルフスイング練習補助具100を固定する位置は、右手RHでグリップ13を握る位置よりも後端側とする(図示省略)。その位置で、グリップ13を握る右手RHの小指RH5の側面、および/またはグリップ13を握る右手RHの小指球RH6の側面に当接面73が軽く接触する状態が好ましい。以下では、図4に示すように、使用者が右打ちであって左手LHでグリップ13の後端側を握るものとして説明する。
【0046】
図2から図4に示した、グリップ13を握る左手LHの位置、およびゴルフスイング練習補助具100の固定位置は例示である。使用者がグリップ13を握る位置は、使用者の体格や握り方の好み等によって異なる。このため、グリップ13に対するゴルフスイング練習補助具100の固定位置は、使用者がグリップ13を握る位置に対応して変化させることが可能である。
【0047】
具体的には、グリップ13の後端部を余らせるように握る場合と、グリップ13の後端部を余らせずに握る場合とでは、グリップ13に対する左手LHの小指LH5の位置は、グリップ13の前後方向に変化する。また、使用者の手の大きさや握り方の好み等によって左手LHの小指LH5の位置はグリップ13の周方向に変化する。つまり、グリップ13に対する左手LHの小指LH5の位置は、使用者の体格や握り方の好み等によってグリップ13の前後方向、およびグリップ13の周方向に変化する。
【0048】
このため、グリップ13に固定するゴルフスイング練習補助具100の位置を、図2から図4に示した位置よりもグリップ13の前後方向に変化させたり、グリップ13の周方向に変化(回転)させることが可能である。
【0049】
グリップ13の適切な位置にゴルフスイング練習補助具100が固定されたゴルフクラブ10を用いて使用者がスイングすると、左手LHの小指LH5の側面、および/または左手LHの小指球LH6の側面に当接面73が軽く接触する。これにより、グリップ13が滑ってゴルフクラブ10が手から離脱するのではないかというゴルフ初心者の不安感を払拭することができ、グリップ13を握る手の力を抜いてスイングすることができる。その結果、手の力を抜いてグリップを握ることによって手首を柔らかく動かすことが可能となり、シャフトの「しなり」を利用してゴルフクラブを速くスイングすることができるという、スイングのコツを体得することができる。
【0050】
練習で使用したゴルフクラブ10と同じゴルフクラブ10を使用してプレーを行う場合には、ゴルフスイング練習補助具100をグリップ13から取り外すことができる。この場合、練習で使用したゴルフクラブ10をプレーで使用できるため、練習で体得したスイングをプレーでも行うことが可能となる。
【0051】
[ゴルフスイング練習補助具]
図5は、ゴルフスイング練習補助具100を分解した状態であって、(a)後面図(b)右側面図(c)底面図である。図5に示すように、ゴルフスイング練習補助具100は、補助具本体30および固定部50を備えている。補助具本体30および固定部50の素材は限定されないが、例えば硬質の合成樹脂素材や、アルミニウムや鉄などの金属素材を採用することができる。
【0052】
補助具本体30は、使用者がグリップ13を握る位置よりもグリップ13の後端側の外周面15に配置される。補助具本体30は、グリップ13の外周面15に配置された位置において、グリップ13の周方向における全周ではなく、グリップ13の周方向における一部の領域を被覆するように形成されている。本実施形態では、補助具本体30は、グリップ13の外周面15に配置された位置において、グリップ13の周方向における約半周部分(グリップ13の軸回りに約180度の領域)を被覆するように形成されている(図6参照)。補助具本体30がグリップ13の全周を被覆しないことにより、グリップ13を握る手LHと補助具本体30とが干渉しにくくなる。
【0053】
グリップ13の周方向における補助具本体30の大きさ、すなわち、グリップ13の周方向において被覆する領域は、グリップ13の半周部分でなくてもよく、半周以上の領域(約180度以上)を被覆するように形成されていてもよい。また、半周未満の領域を被覆するように形成されていてもよく、例えば、グリップ13の周方向における半周未満(180度未満)から1/4周(90度)程度としてもよい。
【0054】
補助具本体30には、本体凹部33が形成されている。本体凹部33は、補助具本体30がグリップ13の後端付近の任意位置に配置された状態において、グリップ13の外周面15の少なくとも一部が嵌まり込むように形成されている。本実施形態では、本体凹部33の断面形状は、グリップ13の後端付近の外径に対応させた円弧状としている。
【0055】
固定部50は、固定部本体51および操作部60を有している。固定部本体51は、補助具本体30とは別部材で構成されている。固定部本体51および操作部60は、補助具本体30とともにグリップ13を挟んで締め付けることにより、補助具本体30をグリップ13の任意の位置に固定することができる。固定部本体51は、補助具本体30に対して、グリップ13を挟んだ反対側に配置される(図6参照)。固定部本体51の形状は、補助具本体30よりもグリップ13の径方向への突出量を抑えることができるため、グリップ13を握る手LHと干渉しにくくすることができる。
【0056】
固定部本体51には、固定凹部53が形成されている。固定凹部53は、固定部本体51がグリップ13の後端付近の任意位置に配置された状態において、グリップ13の外周面15の少なくとも一部が嵌まり込むように形成されている。本実施形態では、固定凹部53の断面形状は、グリップ13の後端付近の外径に対応させた円弧状としている。
【0057】
なお、固定凹部53の形状と、前述の本体凹部33の形状は限定されない。グリップ13は、前後方向において外径が異なるため、グリップ13の任意位置にゴルフスイング練習補助具100を固定できるように、固定凹部53の形状、および本体凹部33の形状が設定される。また、本体凹部33および固定凹部53の断面形状は、円弧状に限定されない。例えば、固定凹部53および本体凹部33の断面形状は、開放部が広がった略台形状としてもよい。また、本体凹部33および固定凹部53の内面には、グリップ13に対する滑り止めとなる突起等を設けてもよい。
【0058】
本実施形態の操作部60は、2本のボルト(六角穴付きボルト)である。固定部本体51の両端部には、それぞれボルト孔55が形成されている。補助具本体30には、ボルト孔55に対応する位置に、ボルトを挿通させる貫通孔35と、ボルト頭部を収容する収容部37が形成されている。収容部37は、深ザグリともいう。
【0059】
2本のボルトを補助具本体30の貫通孔35に挿通させ、ボルトの端部を固定部本体51のボルト孔55に螺入することで、補助具本体30と固定部50とが連結される。補助具本体30と固定部50の間にグリップ13の後端部を差し込み、ボルトを締めて補助具本体30と固定部50によってグリップ13を締め付けることで、グリップ13の任意位置にゴルフスイング練習補助具100を固定することができる(図6参照)。また、ボルトを緩めることで、ゴルフスイング練習補助具100の位置を変更したり、グリップ13からゴルフスイング練習補助具100を離脱させることができる。
【0060】
補助具本体30をグリップ13に固定した姿勢を固定姿勢P1とし(図6参照)、ボルトを緩めて補助具本体30をグリップ13から離脱させる姿勢を開放姿勢P2とすると、操作部60(ボルト)は、固定姿勢P1と開放姿勢P2とを切り替える部材である。なお、図5では、ゴルフスイング練習補助具100を分解した状態を示しているが、補助具本体30をグリップ13から離脱させる姿勢でもあるため、開放姿勢P2の一状態である。
【0061】
補助具本体30には、当接部70が設けられている。当接部70は、補助具本体30に対してグリップ13の径方向に突出するように形成されている。当接部70は、当接面73を有している。当接面73は、グリップ13を握る左手LHに対してグリップ13の後端側から当接する。当接面73は、平坦面であってもよいが、グリップ13を握る左手LHに対応させた湾曲面としてもよい。また、グリップ13を握る左手LHが接触する部分にシート状の緩衝材等を設けてもよい。
【0062】
図6は、ゴルフスイング練習補助具100をゴルフクラブ10のグリップ13に取り付けた状態であって、(a)左側面図(b)(a)のA―A線における断面図である。図6に示すように、補助具本体30と固定部50の間にグリップ13の後端部を挟み込み、補助具本体30と固定部50によってグリップ13を締め付けることで、グリップ13にゴルフスイング練習補助具100を固定することができる。
【0063】
当接部70の端部のうちグリップ13側の端部を固定端75とし、反対側の当接部70の端部を自由端77として、グリップ13の径方向における自由端77の幅W2は、グリップ13の径方向における固定端75の幅W1よりも大きく形成されている。本実施形態では、グリップ13に配置された補助具本体30をグリップ13の後端側から見た状態において、当接部70は、固定端75から自由端77に向けて、略扇状に広がるように形成されている。
【0064】
当接部70および当接面73が略扇状に広がる形状を有しているため、当接面73がグリップ13を握る手LHの指LH5だけでなく、手LHの側面にも当接しやすくなる。このため、グリップ13が滑ってゴルフクラブ10が手から離脱するのではないかというゴルフ初心者の不安感を払拭することができ、グリップを握る手の力を抜いたスイングの練習を行うことができる。
【0065】
図7は、ゴルフスイング練習補助具100を図6よりもグリップ13の後方に取り付けた状態であって、(a)左側面図(b)(a)のB―B線における断面図である。図8は、ゴルフスイング練習補助具100を図6よりもグリップの前方に取り付けた状態であって、(a)左側面図(b)(a)のC―C線における断面図である。
【0066】
図5を参照して説明したように、補助具本体30の本体凹部33の断面形状と、固定部本体51の固定凹部53の断面形状は、グリップ13の後端付近の外径に対応させた円弧状としている。また、補助具本体30および固定部本体51は、対向する部分に間隙63が形成されるように寸法が設定されている(図6参照)。操作部60(ボルト)の締め付け量を調整することで、グリップ13の後端部の外径が太い部分から、後端部から離隔した外径の細い部分まで、外径が異なる部分に固定することができる。
【0067】
このため、例えば図6から図8に示すように、使用者ごとに異なるグリップ13を握る位置に合わせて、グリップ13を握る手LHに対して当接部70が適切に当接するようにゴルフスイング練習補助具100をグリップ13に取り付けることができる。また、グリップ13の前後方向に異なる位置だけでなく、グリップ13の軸回りに回転させた位置に取り付けることも可能である。
【0068】
[実施形態1の変形例]
図9は、変形例に係るゴルフスイング練習補助具100Aを分解した状態であって、(a)後面図(b)右側面図(c)平面図である。
【0069】
実施形態1のゴルフスイング練習補助具100(図5参照)では、操作部60(ボルト)は、補助具本体30から固定部50に向けて挿入し、ボルトを収容する収容部37は、補助具本体30に形成されている。図9に示すように、操作部60(ボルト)を、固定部50から補助具本体30に向けて挿入し、ボルト頭部を収容する収容部37を、固定部50に形成してもよい。
【0070】
図10は、他の変形例に係るゴルフスイング練習補助具100Bであって、(a)開放姿勢P2における後面図(b)固定姿勢P1における後面図である。
【0071】
実施形態1のゴルフスイング練習補助具100(図5参照)では、補助具本体30および固定部50は、操作部60として2本のボルトで連結されている。図10に示すように、固定部50および操作部60の一方の端部をヒンジ65で連結し、他方の端部を操作部60(ボルト)で連結してもよい。この場合、一本のボルトによって固定姿勢P1と開放姿勢P2を切り替えることができ、ゴルフスイング練習補助具100の固定や取り外し、位置調整などを容易に行うことができる。
【0072】
図11は、他の変形例に係るゴルフスイング練習補助具100C、100Dの後面図であって、(a)当接部70の自由端77の幅W3を固定端75の幅W1と等しくした例(b)当接部70の自由端77の幅W4を固定端75の幅W1よりも小さくした例である。
【0073】
実施形態1のゴルフスイング練習補助具100(図6参照)では、当接部70の自由端77の幅W2は、固定端75の幅W1よりも大きく形成されている。図11aに示すように、当接部70の自由端77の幅W3を固定端75の幅W1と等しくしてもよい。また、図11bに示すように、当接部70の自由端77の幅W4を固定端75の幅W1よりも小さくしてもよい。また、当接部70の形状や幅は、実施形態の各図に示した形状に限定されない。
【0074】
[実施形態2]
次に、実施形態2に係るゴルフスイング練習補助具100Eについて説明する。実施形態2のゴルフスイング練習補助具100Eは、グリップ13を締付部材160で締め付けることにより、補助具本体130をグリップ13に固定する点が、実施形態1におけるゴルフスイング練習補助具100と異なっている。以下の説明において、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略し、実施形態1と異なる構成についてのみ説明する。
【0075】
図12は、本発明の実施形態2に係るゴルフスイング練習補助具100Eをゴルフクラブ10のグリップ13に取り付けた状態であって(a)左側面図(b)(a)のD―D線における断面図である。
【0076】
図12に示すように、ゴルフスイング練習補助具100Eは、補助具本体130および固定部150を備えている。補助具本体130は、使用者がグリップ13を握る位置よりもグリップ13の後端側の外周面15に配置される。補助具本体130は、グリップ13の外周面15に配置された位置において、グリップ13の周方向における全周ではなく、グリップ13の周方向における一部の領域を被覆するように形成されている。
【0077】
固定部150は、グリップ13を周方向に取り囲む締付部材160を有している。締付部材160は、ウォームギア機構を用いた、いわゆるホースバンドと同様の構成を有している。操作部161の調節部163を正逆方向に回転させることにより、操作部161の内部に設けられたウォーム(図示せず)が正逆回転し、ウォームに&#22169;み合った環状ベルト165の一方の端部が進退する。これにより、環状ベルト165によって構成される環状部167の内径を拡大および縮小させることができる(図13c参照)。
【0078】
図12では、補助具本体130をグリップ13とともに締付部材160の環状ベルト165で締め付けることにより、補助具本体30をグリップ13に固定している。補助具本体130をグリップ13に固定した姿勢を固定部150(締付部材160)の固定姿勢P1とする。
【0079】
図12の状態から、締付部材160の操作部161(調節部163)を操作して、環状ベルト165による締め付けを緩めることにより、ゴルフスイング練習補助具100Eの位置を変更したり、グリップ13からゴルフスイング練習補助具100Eを離脱させることができる。締付部材160を緩めて補助具本体130をグリップ13から離脱可能とした姿勢を固定部150(締付部材160)の開放姿勢P2とする。操作部161は、固定部150(締付部材160)の固定姿勢P1と開放姿勢P2とを切り替える部分である。
【0080】
図13は、ゴルフスイング練習補助具100Eを分解した状態であって、(a)補助具本体130の左側面(b)補助具本体130の後面図(c)締付部材160の後面図である。図13aおよび図13bに示すように、補助具本体130は、本体凹部133、当接部170、被締付部175、および抜け止め部177を備えている。補助具本体130の素材は限定されないが、例えば硬質の合成樹脂素材や、アルミニウムや鉄などの金属素材を採用することができる。
【0081】
本体凹部133は、補助具本体130がグリップ13の後端付近の任意位置に配置された状態において、グリップ13の外周面15の少なくとも一部が嵌まり込むように形成されている。本実施形態では、本体凹部133の断面形状は、グリップ13の後端付近の外径に対応させた円弧状としている。
【0082】
当接部170は、補助具本体130に対してグリップ13の径方向に突出するように形成されている。当接部170は、当接面173を有している。当接面173は、グリップ13を握る左手LHに対してグリップ13の後端側から当接する部分である。
【0083】
被締付部175は、締付部材160の環状ベルト165が掛け回されて、グリップ13とともに締め付けられる部分である。
【0084】
抜け止め部177は、被締付部175に掛け回された環状ベルト165が不用意に移動することを抑制する部分である。抜け止め部177は、被締付部175よりもグリップ13の径方向に突出するように形成されている。
【0085】
図13cに示すように、締付部材160は、操作部161および環状ベルト165を有している。操作部161の調節部163を正逆方向に回転させることにより、操作部161の内部のウォームに&#22169;み合った環状ベルト165を進退させる。これにより、環状ベルト165によって構成される環状部167の内径を拡大および縮小させ、固定部150(締付部材160)の固定姿勢P1と開放姿勢P2とを切り替えることができる。
【0086】
次に、ゴルフスイング練習補助具100Eを、グリップ13の任意位置に取り付ける手順について説明する。図14は、ゴルフスイング練習補助具100Eをゴルフクラブ10のグリップ13に取り付ける状態を示す図であって(a)グリップ13に補助具本体130を配置する状態を示す左側面(b)グリップ13と補助具本体130を締付部材160の環状部167に挿通させる状態を示す左側面(c)グリップ13と補助具本体130が締付部材160の環状部167に挿通された状態を示す左側面である。
【0087】
図14aに示すように、まず、使用者がグリップ13を握る位置よりもグリップ13の後端側の外周面15に補助具本体130を配置する。
【0088】
次に図14bに示すように、グリップ13の後端部および補助具本体130を締付部材160の環状ベルト165によって構成される環状部167に挿通させる。このとき、環状部167の内径は、グリップ13および抜け止め部177を挿通可能な内径まで拡大させておくものとする。
【0089】
図14cは、グリップ13の後端部および補助具本体130を環状部167に挿通させ、環状ベルト165を被締付部175の位置まで移動させた状態を示している。この状態で、操作部161の調節部163を操作して、環状部167の内径を縮小させ、補助具本体130をグリップ13とともに締付部材160の環状ベルト165で締め付ける。これにより、補助具本体30をグリップ13に固定することができる(図12参照)。
【0090】
なお、ゴルフスイング練習補助具100Eをグリップ13に取り付ける手順は上記の手順に限定されない。先に補助具本体130を締付部材160の環状部167に挿通させてから、グリップ13の後端部を環状部167に挿通させてもよい。あるいは、グリップ13の後端部を締付部材160の環状部167に挿通させてから、グリップ13と環状部167との間隙に補助具本体130を挿通させてもよい。
【0091】
以上説明した本実施形態に係るゴルフスイング練習補助具100Eによれば、使用者ごとに異なるグリップ13を握る位置に合わせて、ゴルフスイング練習補助具100Eをグリップ13に簡単かつ強固に取り付けることができる。ゴルフスイング練習補助具100Eがグリップ13に強固に取り付けられていることにより、グリップを握る手の力を抜いたスイングの練習を安心して行うことができる。また、締付部材160による締め付けを緩めることでゴルフスイング練習補助具100Eの位置を変更したり、ゴルフスイング練習補助具100Eをグリップ13から容易に取り外すこともできる。
【0092】
[実施形態3]
次に、実施形態3に係るゴルフスイング練習補助具100Fについて説明する。実施形態3のゴルフスイング練習補助具100Fは、補助具本体230とグリップ13を締付部材260によって締め付ける点で実施形態2と共通しているが、締付部材260の操作部261を収容する収容部237が補助具本体230に設けられている点で、実施形態2と異なっている。以下の説明において、実施形態1、2と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略し、実施形態1、2と異なる構成についてのみ説明する。
【0093】
図15は、本発明の実施形態3に係るゴルフスイング練習補助具100Fをゴルフクラブ10のグリップ13に取り付けた状態であって(a)左側面図(b)(a)のE―E線における断面図である。図16は、ゴルフスイング練習補助具100Fの(a)左側面(b)(a)のF―F線における断面図である。
【0094】
図15および図16に示すように、ゴルフスイング練習補助具100Fは、補助具本体230および固定部250を備えている。補助具本体230は、使用者がグリップ13を握る位置よりもグリップ13の後端側の外周面15に配置される。補助具本体230は、グリップ13の外周面15に配置された位置において、グリップ13の周方向における全周ではなく、グリップ13の周方向における一部の領域を被覆するように形成されている。
【0095】
固定部250は、グリップ13を周方向に取り囲む締付部材260を有している。締付部材260は、実施形態2の締付部材160と同様に、ウォームギア機構を用いた、いわゆるホースバンドと同様の構成を有している。操作部261の調節部263を正逆方向に回転させることにより、操作部261の内部に設けられたウォーム(図示せず)が正逆回転し、ウォームに&#22169;み合った環状ベルト265の一方の端部が進退する。これにより、環状ベルト265によって構成される環状部267の内径を拡大および縮小させることができる。
【0096】
補助具本体230は、本体凹部233、当接部270、被締付部275、および収容部237を備えている。補助具本体230の素材は限定されないが、例えば硬質の合成樹脂素材や、アルミニウムや鉄などの金属素材を採用することができる。
【0097】
本体凹部233は、補助具本体230がグリップ13の後端付近の任意位置に配置された状態において、グリップ13の外周面15の少なくとも一部が嵌まり込むように形成されている。本実施形態では、本体凹部233の断面形状は、グリップ13の後端付近の外径に対応させた円弧状としている。
【0098】
当接部270は、補助具本体230に対してグリップ13の径方向に突出するように形成されている。当接部270は、当接面273を有している。当接面273は、グリップ13を握る左手LHに対してグリップ13の後端側から当接する部分である。
【0099】
被締付部275は、締付部材260の環状ベルト265が掛け回されて、グリップ13とともに締め付けられる部分である。
【0100】
収容部237は、締付部材260の操作部261を収容する部分である。本実施形態では、収容部237は、被締付部275および操作部261を収容する空間である挿通部238を形成している。挿通部238は、右方から左方に向けて貫通するように形成されている。締付部材260の操作部261および環状ベルト265は、予め挿通部238を通るように配置され、環状ベルト265によって環状部267が形成されている。
【0101】
図15では、補助具本体230をグリップ13とともに締付部材260の環状ベルト265で締め付けることにより、補助具本体230をグリップ13に固定している。
【0102】
図15の状態から、締付部材260の操作部261(調節部263)を操作して、環状ベルト265による締め付けを緩めることにより、ゴルフスイング練習補助具100Fの位置を変更したり、グリップ13からゴルフスイング練習補助具100Fを離脱させることができる。
【0103】
ゴルフスイング練習補助具100Fをグリップ13に取り付ける場合は、予め操作部261の調節部263を操作して、環状部267の内径を、グリップ13を挿通可能な内径まで拡大させておくものとする。
【0104】
グリップ13の後端部を環状部267に挿通させ、この状態で、操作部261の調節部263を操作して、環状部267の内径を縮小させ、補助具本体230をグリップ13とともに締付部材260の環状ベルト265で締め付ける。これにより、補助具本体230をグリップ13に固定することができる(図15参照)。
【0105】
以上説明した本実施形態に係るゴルフスイング練習補助具100Fによれば、補助具本体230は、固定姿勢P1と開放姿勢P2を切り替える操作部261を収容する収容部237を有する。このため、ゴルフスイング練習補助具100Fをグリップ13に取り付けた状態において、グリップ13を握る手LHに操作部261が接触することを抑制することができる。
【0106】
[変形例]
本発明に係るゴルフスイング練習補助具は、上記説明した本実施形態に限定されない。例えば、ゴルフスイング練習補助具の形状や寸法等は本実施形態のものに限定されない。
【0107】
実施形態1では、固定姿勢P1と開放姿勢P2とを切り替える操作部60として、ボルト(六角穴付きボルト)を用いたが、ボルト以外の部材を用いて固定姿勢P1と開放姿勢P2とを切り替えるようにしてもよい。
【0108】
実施形態2、3では、締付部材として、ウォームギア機構を用いたホースバンドと同様の構成を有する締付部材160、260を用いたが、これに限定されず、他の構成を有する締付部材を用いてもよい。
【0109】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0110】
100 ゴルフスイング練習補助具
10 ゴルフクラブ
13 グリップ
30 補助具本体
50 固定部
70 当接部
【要約】
【課題】使用者ごとに異なるグリップを握る位置に合わせて取り付けて、グリップを握る手に適切に接触させることにより、グリップを握る手の力を抜いたスイングの練習を可能にするゴルフスイング練習補助具を提供する。
【解決手段】使用者がグリップ13を握る位置よりもグリップ13の後端側の外周面15に配置される補助具本体30と、補助具本体30とは別部材で形成されており、グリップ13を締め付けることにより、補助具本体30をグリップ13に固定する固定部50と、補助具本体30に設けられ、グリップ13を握る手に対してグリップ13の後端側から当接する当接部70とを備えたゴルフスイング練習補助具100とする。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16