(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】部屋暖房装置及び便器装置
(51)【国際特許分類】
E03D 9/08 20060101AFI20240621BHJP
E03D 11/02 20060101ALI20240621BHJP
E03D 9/00 20060101ALI20240621BHJP
F24D 15/00 20220101ALI20240621BHJP
F24D 13/02 20060101ALI20240621BHJP
F24D 15/02 20060101ALI20240621BHJP
F24F 1/0373 20190101ALI20240621BHJP
【FI】
E03D9/08 A
E03D11/02 Z
E03D9/00 Z
F24D15/00 A
F24D13/02 Z
F24D15/02 Z
F24F1/0373
(21)【出願番号】P 2020007266
(22)【出願日】2020-01-21
【審査請求日】2022-11-02
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】姜 悦
(72)【発明者】
【氏名】小松 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】辻 賢太郎
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-082176(JP,U)
【文献】特開平07-310347(JP,A)
【文献】特開昭62-202134(JP,A)
【文献】特開2017-159059(JP,A)
【文献】実開昭61-056904(JP,U)
【文献】中国実用新案第204959914(CN,U)
【文献】特開2002-21154(JP,A)
【文献】特開平11-21980(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 9/08
E03D 11/02
E03D 9/00
F24D 15/00
F24D 13/02
F24D 15/02
F24F 1/0373
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吹出口が形成されたハウジングと、
該ハウジングの内部に配置されたファンと、
前記ハウジングの内部に前記ファンよりも下流側に配置され、コイル線材が巻回されたコイルヒーターと、
前記ハウジングの内部に配置され、前記コイルヒーターで暖められた温風の温度を測定するサーミスタと、を備え、
前記サーミスタは、前記コイルヒーターと前記吹出口との間に配置されるとともに、
前記コイルヒーターを前記コイル線材の巻き数によって、前記コイル線材の巻き数が多い領域と前記コイル線材の巻き数が少ない領域とに分けた場合に、前記サーミスタは、前記コイル線材の巻き数が多い領域の前記温風の送風方向の下流側に配置され
、
前記コイルヒーターは、コイル筐体部を有し、
前記温風の送風方向に対して直交する断面において、前記サーミスタは、前記コイル線材の終端部を含む前記コイル筐体部内の前記コイル線材の巻き数が多い領域と重なって配置され、
前記コイル線材の終端部から前記吹出口までの距離は、前記ファンにおける前記温風の送風方向の長さよりも短い部屋暖房装置。
【請求項2】
便器本体と、
該便器本体の上に設けられた機能部と、備え、
前記機能部は、請求項
1に記載の部屋暖房装置を有し、
前記吹出口は、前記機能部に形成された開口部に連通している便器装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部屋暖房装置及び便器装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、部屋暖房装置を備えた便器装置が知られている。例えば、下記の特許文献1では、吸気口及び吹出口が形成されたカバー部と、カバー部の内部に配置されたファン及びコイル状の発熱体と、を備えたものが提案されている。吸気口からファンに空気が導入され、ファンから吹き出された空気が発熱体で暖められて、温風が吹出口から吹き出されて、トイレ室内が暖められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の部屋暖房装置では、コイル状の発熱体によって暖められる空気には、ファンやコイルの構造等の要因によって温度ムラ(温度の偏り)が生じてしまい、部分的に過度に高温の温風が吹き出されてしまう虞れがある。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、過度に高温の温風が吹き出されることを抑制する部屋暖房装置及び便器装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る部屋暖房装置は、吹出口が形成されたハウジングと、該ハウジングの内部に配置されたファンと、前記ハウジングの内部に前記ファンよりも下流側に配置され、コイル線材が巻回されたコイルヒーターと、前記ハウジングの内部に配置され、前記コイルヒーターで暖められた温風の温度を測定するサーミスタと、を備え、前記サーミスタは、前記コイルヒーターと前記吹出口との間に配置されるとともに、前記コイルヒーターを前記コイル線材の巻き数によって、前記コイル線材の巻き数が多い領域と前記コイル線材の巻き数が少ない領域とに分けた場合に、前記サーミスタは、前記コイル線材の巻き数が多い領域の前記温風の送風方向の下流側に配置され、前記コイルヒーターは、コイル筐体部を有し、前記温風の送風方向に対して直交する断面において、前記サーミスタは、前記コイル線材の終端部を含む前記コイル筐体部内の前記コイル線材の巻き数が多い領域と重なって配置され、前記コイル線材の終端部から前記吹出口までの距離は、前記ファンにおける前記温風の送風方向の長さよりも短い。
【0007】
本開示の一態様に係る便器装置は、便器本体と、該便器本体の上に設けられた機能部と、備え、前記機能部は、上記に記載の部屋暖房装置を有し、前記吹出口は、前記機能部に形成された開口部に連通している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】一実施形態に係る部屋暖房装置の斜視図である。
【
図5】一実施形態に係る部屋暖房装置のコイル本体を下流側から見た図である。
【
図6】一実施形態に係る部屋暖房装置のコイル本体を上流側から見た図である。
【
図7】一実施形態に係る部屋暖房装置のコイル線材の巻き数を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態に係る便器装置について、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、便器装置100は、便器本体11と、機能部12と、便座13と、便蓋14と、を備えている。
【0010】
便器本体11は、陶器で構成されている。便器本体11には、便鉢11aと、機能部載置部11bと、を有している。便器本体11は、床に設置されて給水配管および排水配管(不図示)が接続されている。
【0011】
便器本体11において、便器装置100を使用する使用者から見た手前側に便鉢11aが配置され、奥側に機能部載置部11bが配置される。便鉢11aと機能部載置部11bとを結ぶ水平方向を前後方向(図の矢印Xの方向)とする。機能部載置部11bに対する便鉢11aが配置される側を前側(図の+X側)とし、その反対側を後側(図の-X側)とする。前後方向に直交する水平方向を幅方向(図の矢印Yの方向)とする。幅方向のうち、使用者が便座13に着座した状態での右側を図の+Y側とし、左側を図の-Y側とする。前後方向及び水平方向に直交する方向を上下方向(図の矢印Zの方向)とする。
【0012】
機能部12は、便器本体11の上方に配置されている。機能部12は、機能部載置部11bに載置されている。機能部12は、部屋暖房装置10を有している。機能部12は、部屋暖房装置10の他に、局部洗浄を行う局部洗浄装置(不図示)、温風乾燥を行う温風乾燥装置(不図示)や、これらの装置に電力を供給する電力供給装置(不図示)等を有している。
【0013】
清掃やメンテナンス時に、機能部12を上昇させて、機能部12と便器本体11の機能部載置部11bとの間に空間が形成される。
【0014】
便座13及び便蓋14は、機能部12に設けられている。便座13及び便蓋14は、それぞれ幅方向に延びる軸回りに回動可能に構成されている。便座13及び便蓋14は、回動して横臥状態となると便鉢11aの上に配置される。
【0015】
次に、部屋暖房装置10の構成について詳細に説明する。部屋暖房装置10は、機能部12の幅方向の一方側(+Y側)に設けられている。部屋暖房装置10は、便器装置100が設置されるトイレ空間の内部を暖めるものである。部屋暖房装置10の設置箇所は、機能部12に+Y側に限らず、-Y側等適宜設定可能である。
【0016】
機能部12の+Y側の側面には、開口部12hが形成されている。開口部12hには、外側ルーバー12aが設けられている。部屋暖房装置10は、開口部12hの内部に配置されている。開口部12hは、便器の他の側面等に形成されていてもよい。
【0017】
図3に示すように、部屋暖房装置10は、ハウジング2と、内側ルーバー3と、フィルター4と、フィルターカバー5と、温風ファン(ファン)6(
図2参照。以下同じ。)と、コイルユニット(コイルヒーター)7(
図2参照。以下同じ。)と、サーミスタ8と、を有している。
【0018】
ハウジング2は、第1ケース部材21と、第2ケース部材22とを有している。
【0019】
第1ケース部材21は、+X側に開口する半割り形状をなしている。第1ケース部材21は、第1底壁部211と、第1周壁部212と、を有している。
【0020】
第1底壁部211は、板状に形成されている。第1底壁部211の板厚方向は、X方向を向いている。第1周壁部212は、第1底壁部211の周縁部から+X側に立設されている。
【0021】
第1ケース部材21の第1底壁部211には、X方向に貫通する吸気口215が形成されている。吸気口215は、略Y方向に長い長穴形状をなしている。吸気口215から後述する温風ファン6までの間が、吸気路とされている。
【0022】
第1底壁部211における+Y側の端部2d近傍には、-X側に立設された挿入部216が設けられている。挿入部216と第1底壁部211との間には、隙間(不図示)が形成されている。この隙間から、フィルター4が挿脱可能とされている。
【0023】
第2ケース部材22は、-X側に開口する半割り形状をなしている。第2ケース部材22は、第2底壁部221と、第2周壁部222と、を有している。
【0024】
第2底壁部221は、板状に形成されている。第2底壁部221の板厚方向は、X方向を向いている。第2周壁部222は、第2底壁部221の周縁部から-X側に立設されている。
【0025】
第1ケース部材21の第1周壁部212の+X側の部分と第2ケース部材22の第2周壁部222の-X側の部分とは、組み付けられている。
【0026】
図2に示すように、ハウジング2の内部には、-Y側の領域にファン収容部23が形成されている。ファン収容部23のY方向及びZ方向の沿う断面は、略円形状をなしている。ハウジング2の内部には、ファン収容部23よりも+Y側の領域にコイル収容部24が形成されている。コイル収容部24は、Y方向に延びる略角筒状をなしている。
【0027】
コイル収容部24の+Y側の端部には、Y方向に貫通する吹出口228が形成されている。
図3に示すように、吹出口228は、第1ケース部材21の第1周壁部212における+Y側を向く部分から第2ケース部材22の第1周壁部212における+Y側を向く部分に連続して形成されている。吹出口228は、便器本体11に形成された開口部12hに連通している(
図2参照)。
【0028】
内側ルーバー3は、コイル収容部24の内部に、吹出口228よりも僅かに-Y側に設けられている。
【0029】
フィルター4は、第1ケース部材21の吸気口215を覆うように配置されている。フィルター4は、第1ケース部材21の第1底壁部211における-X側を向く面211bに沿って配置されている。
【0030】
フィルター4は、保持板部41と、フィルター本体42と、を有している。
【0031】
保持板部41は、板状に形成されている。保持板部41の板厚方向は、X方向を向いている。
【0032】
保持板部41における+Y側の端部41c近傍には、-X側に立設された把持部415が設けられている。把持部415は、保持板部41の端部41cよりも僅かに-Y側に配置されている。
【0033】
保持板部41には、X方向に貫通する取付孔(不図示。以下同じ。)が形成されている。取付孔は、略Y方向に長い長穴形状をなしている。
【0034】
フィルター本体42は、保持板部41の取付孔に設けられている。フィルター本体42は、取付孔及び第1ケース部材21の吸気口215に対応した形状をなしている。フィルター本体42は、網状に形成されている。
【0035】
フィルターカバー5は、フィルター4を覆うように配置されている。フィルターカバー5は、フィルター4の-X側の面に沿って配置されている。フィルターカバー5は、不図示の螺子等によって、第1ケース部材21の第1底壁部211に取り付けられている。
【0036】
フィルターカバー5には、X方向に貫通する貫通孔514が形成されている。貫通孔514は、略Y方向に長い長穴形状をなしている。貫通孔514は、フィルター4のフィルター本体42に対応した形状をなしている。
【0037】
フィルターカバー5の周縁部には、複数の貫通孔である通風孔515が形成されている。
【0038】
図2に示すように、温風ファン6は、ハウジング2のファン収容部23に配置されている。温風ファン6は、いわゆるシロッコファンである。温風ファン6は、複数の羽根6aを有している。複数の羽根6aは、X方向を軸線方向とする周方向に配置されている。温風ファン6は、吸気路から吸引した空気を、径方向に送風する。
【0039】
コイルユニット7は、ハウジング2のコイル収容部24に配置されている。コイルユニット7は、ハウジング2の内部に温風ファン6よりも温風が流通する下流側に配置されている。コイルユニット7は、コイル状をなす発熱体である。コイル収容部24の内部は、コイルユニット7で暖められた温風が流通する排気路s2とされている。
【0040】
温風ファン6から吹き出され排気路s2を通過する温風の風速は、排気路s2の下部の方が、排気路s2の上部よりも速い。
【0041】
図3に示すように、第1ケース部材21には、上方に延びるサーミスタ収容筒部217が設けられている。サーミスタ収容筒部217は、軸線方向を上下方向とする円筒状をなしている。
【0042】
サーミスタ8は、サーミスタ収容筒部217の内部からハウジング2の内部にまたがって配置されている。サーミスタ8は、コイルユニット7で暖められ排気路s2(
図2参照)を通過して吹き出される温風の温度を測定するセンサーである。
【0043】
サーミスタ8は、不図示の制御部と電気的に接続されている。制御部は、サーミスタ8の測定結果に基づいて、温風ファン6の風速調整及びコイルユニット7の温度調整等を行う。
【0044】
次に、コイルユニット7の構成及びサーミスタ8の配置について詳細に説明する。
図2に示すように、コイルユニット7は、コイル筐体部71(
図4参照)と、コイル支持板部721,722,723と、コイル本体73と、を有している。
図2では、コイル筐体部71の図示を省略して、コイルユニット7の内部を+X方向から見た側面図として図示している。
【0045】
図4に示すように、コイル筐体部71は、Y方向の両側に開口する略角筒状をなしている。コイル筐体部71は、ハウジング2のコイル収容部24の内部に配置されている。コイル筐体部71は、コイル収容部24よりもわずかに小さい形状をなしている。
【0046】
コイル筐体部71は、上板部711と、下板部712と、側板部713,714と、を有している。
【0047】
上板部711は、板状に形成されている。上板部711の板厚方向は、Z方向を向いている。
【0048】
下板部712は、板状に形成されている。下板部712の板厚方向は、Z方向を向いている。下板部712は、上板部711の下方に配置されている。
【0049】
側板部713は、板状に形成されている。側板部713の板厚方向は、X方向を向いている。側板部713は、上板部711の-X側の端部と下板部712の-X側の端部とを連結している。
【0050】
側板部714は、板状に形成されている。側板部714の板厚方向は、X方向を向いている。側板部714は、上板部711の+X側の端部と下板部712の+X側の端部とを連結している。
【0051】
コイル支持板部721は、板状に形成されている。コイル支持板部721の板厚方向は、X方向を向いている。コイル支持板部721は、上板部711のX方向の略中央と下板部712のX方向の略中央とを連結している。
【0052】
図2に示すように、コイル支持板部721の上部には、係止凹部721a,721b,721cが形成されている。係止凹部721a~721cは、この順に-Y側から+Y側に間隔を有して配置されている。係止凹部721a~721cは、コイル支持板部721の上端部から下方に凹むように形成されている。
【0053】
コイル支持板部721の下部には、係止凹部721d,721e,721fが形成されている。係止凹部721d~721fは、この順に-Y側から+Y側に間隔を有して配置されている。係止凹部721d~721fは、コイル支持板部721の下端部から上方に凹むように形成されている。
【0054】
図4に示すように、コイル支持板部722は、板状に形成されている。コイル支持板部722の板厚方向は、Z方向を向いている。コイル支持板部722は、側板部713の上部と側板部714の上部とを連結している。コイル支持板部722のX方向の両端部には、内方に向かって凹む不図示の凹部が形成されている。
【0055】
コイル支持板部723は、板状に形成されている。コイル支持板部723の板厚方向は、Z方向を向いている。コイル支持板部723は、側板部713の下部と側板部714の下部とを連結している。コイル支持板部723のX方向の両端部には、内方に向かって凹む不図示の凹部が形成されている。
【0056】
コイル支持板部721の係止凹部721a~721f、コイル支持板部722の凹部及びコイル支持板部723の凹部には、コイル本体73が係止されている。
【0057】
図5の一部及び
図6の一部に示しているように、コイル本体73は、ヒーター線731が巻回されたコイル線材732を有している。
図2に示すように、コイル本体73は、コイル線材732がY方向を中心軸方向として螺旋状に巻回されて構成されている。コイル線材732の巻き径は、-Y側から+Y側の向かうにしたがって大きくなっている。
【0058】
コイル線材732の-Y側の端部を始端部733とし、+Y側の端部を終端部734とする。
【0059】
図6に示すように、コイル線材732の始端部733は、コイル本体73の+X側及び上部に配置されている。-Y側から見て、コイル線材732は、Y方向を中心軸方向として時計回りに巻回されている。
【0060】
図5に示すように、コイル線材732の終端部734は、コイル本体73の-X側及び下部に配置されている。
【0061】
図7にハッチングA1で示す領域は、コイル線材732が3回巻きとなっている。
図7にハッチングA2で示す領域は、コイル線材732が2回巻きとなっている。領域A1の方が、領域A2よりもコイル線材732の巻き数が多い。
【0062】
コイル本体73と吹出口228(
図2参照。以下同じ。)との間において、コイル線材732の巻き数が多い領域A1に対応する箇所(吹出口228側に領域A1を投影した箇所)では、コイル線材732の巻き数が少ない領域A2に対応する箇所(吹出口228側に領域A2を投影した箇所)よりも温風の温度が高くなっている。
【0063】
図2に示すように、サーミスタ8は、コイル本体73と吹出口228との間に配置されている。
【0064】
図7に示す温風の送風方向(Y方向)に対して直交する断面(X方向及びZ方向に沿う断面)において(吹出口28側から見て)、サーミスタ8の先端部8aは、温風の温度が高くなる領域に配置されている。コイル線材732の巻き数が多い領域A1はコイル線材732の巻き数が少ない領域A2よりも温風の温度が高い。サーミスタ8の先端部8aは、コイル本体73における領域A1の送風方向の下流側(+Y側)に配置されている。
【0065】
温風の送風方向(Y方向)に対して直交する断面において、サーミスタ8は、コイル線材732の終端部(温風の送風方向の下流端)734側と重なるように配置されている。温風の送風方向に対して直交する断面において、サーミスタ8は、コイル線材732の終端部734を含む領域A1と重なって配置されている。
【0066】
コイル筐体部71の内部の空間は、コイル支持板部721,722,723によって、Z方向に3分割されるとともにX方向に2分割されている。コイル筐体部71の内部は、6分割されている。サーミスタ8の先端部8aは、吹出口28側から見て、6分割された空間のうち左上の空間に配置されている。
【0067】
サーミスタ8の先端部8aは、領域A1においてコイル線材732の延在方向の略中央に配置されている。コイル線材732の巻き数の多い領域の延在方向の略中央では、温風が最も高温となる。
【0068】
図2に示すように、温風ファン6における温風の送風方向(Y方向)の長さを、長さL1とする。コイル線材732の終端部734から吹出口228までの温風の送風方向(Y方向)の長さを、長さL2とする。長さL2は、長さL1よりも短い。
【0069】
このように構成された便器装置100によれば、サーミスタ8は、コイル本体73と吹出口228との間に配置されるとともに、温風の送風方向に対して直交する断面において温風の温度が高くなる領域に配置されている。これによって、吹出口228から吹き出される温風の最高温度を管理でき、過度に高温な温風が吹き出されることを抑制することができる。
【0070】
サーミスタ8は、コイル本体73におけるコイル線材732の巻き数が多い領域A1の下流側に配置されている。コイル線材732の巻き数が多い領域A1では温風が高温になるため、温風の最高温度の管理がしやすい。
【0071】
温風の送風方向に対して直交する断面において、サーミスタ8は、コイル線材732の巻き数が多い領域A1と重なって配置されている。領域A1はコイル線材732の終端部734を含むため、領域A1では吹出口228までの距離が近くなっている。吹出口228との距離が近い領域A1に対応する箇所の温度を測定することで、吹出口228から過度に高温な温風が吹き出されることを抑制することができる。
【0072】
コイル線材732の終端部734から吹出口228までの温風の送風方向の長さL2は、温風ファン6における温風の送風方向の長さL1よりも短い。コイル線材732の終端部734から吹出口228までの距離が短いため、部屋暖房装置10を小型化することができる。
【0073】
上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0074】
例えば、上記の実施形態では、サーミスタ8はコイル本体73におけるコイル線材732の巻き数が多い領域に配置されるとともに、サーミスタ8は吹出口228側から見てコイル本体73のコイル線材732における吹出口228に近い領域と重なるように配置されている。これに限られず、サーミスタ8は、コイル本体73と吹出口228との間で、温風の温度の高い領域に配置されていればよい。
【0075】
上記の実施形態では、コイル本体73のコイル線材732の巻き数は、多くて3回巻き少なくて2回巻きとなっている。これに限られず、コイル線材732の巻き数は適宜設定可能である。
【符号の説明】
【0076】
2…ハウジング、3…内側ルーバー、4…フィルター、5…フィルターカバー、6…温風ファン(ファン)、7…コイルユニット(コイルヒーター)、8…サーミスタ、10…部屋暖房装置、11…便器本体、11a…便鉢、11b…機能部載置部、12…機能部、12h…開口部、12a…外側ルーバー、13…便座、14…便蓋、21…第1ケース部材、22…第2ケース部材、41…保持板部、42…フィルター本体、100…便器装置、215…吸気口、217…サーミスタ収容筒部、228…吹出口、732…コイル線材、s2…排気路