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特許7507593航空機の構造構成要素の中に統合されたエネルギーサブシステム
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  • 特許-航空機の構造構成要素の中に統合されたエネルギーサブシステム 図1
  • 特許-航空機の構造構成要素の中に統合されたエネルギーサブシステム 図2A
  • 特許-航空機の構造構成要素の中に統合されたエネルギーサブシステム 図2B
  • 特許-航空機の構造構成要素の中に統合されたエネルギーサブシステム 図3
  • 特許-航空機の構造構成要素の中に統合されたエネルギーサブシステム 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】航空機の構造構成要素の中に統合されたエネルギーサブシステム
(51)【国際特許分類】
   B64C 3/18 20060101AFI20240621BHJP
   B64D 27/24 20240101ALI20240621BHJP
【FI】
B64C3/18
B64D27/24
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020078781
(22)【出願日】2020-04-28
(65)【公開番号】P2020200025
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-04-21
(31)【優先権主張番号】16/437,729
(32)【優先日】2019-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ベルナール, ロジャー ディー.
【審査官】山本 賢明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第08967529(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0194881(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 3/18
B64D 27/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機の翼を支持するスパーであって、互いに連結された複数のフィン付きスパー部材(125)を備え、前記フィン付きスパー部材のそれぞれが、本体(200)、フランジ(205)、前記フランジ(205)から延在する複数のウェブ部材(207)、前記本体の上に設けられた回路基板(300A~300F、305A~305F、及び310A~310F)、並びに前記回路基板に電気接続された前記本体の上に設けられたバスバー(230)を含み、
区画(120)が、隣接するウェブ部材の間に形成され、各区画が、バッテリ(115)を受け入れるようにサイズ決定されており
前記本体(200)と前記フィン付きスパー部材(125)のフランジ(205)が連結され、「I」ビーム形状の支持部材を形成する、航空機の翼を支持するスパー
【請求項2】
前記複数のウェブ部材のそれぞれが、撓み且つ反発する可撓性部分(210)を含む、請求項1に記載の航空機の翼を支持するスパー
【請求項3】
前記可撓性部分が、前記フランジに隣接して形成された保持部材(215)と相互作用する、請求項に記載の航空機の翼を支持するスパー
【請求項4】
前記バスバーに接続された、前記フィン付きスパー部材の上に形成された複数の導体(225)を更に備える、請求項1からのいずれか一項に記載の航空機の翼を支持するスパー
【請求項5】
前記複数のフィン付きスパー部材が、第1のフィン付きスパー部材と第2のフィン付きスパー部材を備え、前記第1のフィン付きスパー部材と前記第2のフィン付きスパー部材のそれぞれが、同一である、請求項1からのいずれか一項に記載の航空機の翼を支持するスパー
【請求項6】
前記第1のフィン付きスパー部材が、相互連結位置では、前記第1のフィン付きスパー部材の長さ方向に沿って前記第2のフィン付きスパー部材に対して180度回転している、請求項に記載の航空機の翼を支持するスパー
【請求項7】
複数の第1の開口部(240)が、前記第1のフィン付きスパー部材の前記フランジ内に形成され、複数の第2の開口部(400)が、前記第2のフィン付きスパー部材の前記フランジ内に形成され、前記開口部の少なくとも一部分が、翼に連結されるファスナを受け入れるようになっている、請求項に記載の航空機の翼を支持するスパー
【請求項8】
前記複数の第1の開口部のそれぞれが、相互連結位置にある前記複数の第2の開口部のそれぞれと整列する、請求項に記載の航空機の翼を支持するスパー
【請求項9】
前記複数のフィン付きスパー部材(125)が、前記航空機の翼を支持するスパーに連結された複数の発電デバイス(235)を更に備える、請求項1からのいずれか一項に記載の航空機の翼を支持するスパー
【請求項10】
航空機の翼を支持するスパーであって、互いに連結された複数のフィン付きスパー部材(125)を備え、前記フィン付きスパー部材のそれぞれが、本体(200)、フランジ(205)、前記フランジ(205)から延在する複数のウェブ部材(207)、前記本体の上に設けられた回路基板(300A~300F、305A~305F、及び310A~310F)、並びに前記回路基板に電気接続された前記本体の上に設けられたバスバー(230)を含み、
区画(120)が、隣接するウェブ部材の間に形成され、各区画が、バッテリ(115)を受け入れるようにサイズ決定されており、
前記複数のフィン付きスパー部材が、第1のフィン付きスパー部材と第2のフィン付きスパー部材を備え、
複数の第1の開口部(240)が、前記第1のフィン付きスパー部材の前記フランジ内に形成され、複数の第2の開口部(400)が、前記第2のフィン付きスパー部材の前記フランジ内に形成され、前記開口部の少なくとも一部分が、翼に連結されるファスナを受け入れるようになっている、航空機の翼を支持するスパー。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示の態様は、航空機の構造構成要素の中に統合された機内バッテリ貯蔵ならびに機内エネルギーサブシステム用の方法及び装置を提供する。
【0002】
航空機又は他の輸送体用のバッテリ及びエネルギーシステムの他の要素は、従来、航空機又は他の輸送体のペイロードの部分としてパッケージされている。この従来のパッケージングは、通常、防爆構造及び/又は防火構造内に少なくとも部分的に封入されたバッテリを含む。したがって、バッテリならびにバッテリを包含する構造の重量は、航空機又は他の輸送体にペイロード重量を追加し、それは、エネルギーシステムの重量によって消費される更なる動力を補償するために、より多くの動作動力の必要性をもたらす。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、航空機などの輸送体の構造構成要素の中に統合された機内バッテリ貯蔵ならびに機内エネルギーサブシステム用の方法及び装置を提供する。
【0004】
一実施態様では、輸送体用の構造部材が提供される。構造部材は、互いに連結された複数のフィン付きスパー部材(finned spar member)を備え、フィン付きスパー部材のそれぞれは、本体、フランジから延在する複数のウェブ部材、本体の上に形成された回路基板、及び本体の上に形成されたバスバーを含み、区画が、隣接するウェブ部材の間に形成され、各区画は、バッテリを受け入れるようにサイズ決定されている。
【0005】
別の一実施態様では、航空機スパー(spar:翼桁)が提供される。航空機スパーは、互いに連結された複数のフィン付きスパー部材を含む。フィン付きスパー部材のそれぞれは、本体、フランジから延在する複数のウェブ部材、本体の上に形成された回路基板、及び本体の上に形成されたバスバーを含み、区画が、隣接するウェブ部材の間に形成され、各区画は、複数のバッテリを受け入れるようにサイズ決定されている。
【0006】
別の一実施態様では、輸送体用の機内エネルギーサブシステムが提供される。機内エネルギーサブシステムは、複数のバッテリを備えた構造部材を備える。構造部材は、互いに連結された複数のフィン付きスパー部材を備える。フィン付きスパー部材のそれぞれは、本体、フランジから延在する複数のウェブ部材、本体の上に形成された回路基板、及び本体の上に形成されたバスバーを含み、複数のバッテリのうちのあるバッテリは、隣接するウェブ部材の間に形成された区画内で圧縮されている。
【0007】
本開示の上述の特徴が詳細に理解されるように、上で簡単に要約したものよりも更に詳細な本開示の説明が、幾つかが添付の図面において例示されている態様を参照することによってなされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】構造的に翼を支持するスパーの一実施形態を有する翼の概略断面図である。
図2A】バッテリを有さないスパーの断面図である。
図2B図2Aのスパーの断面分解図である。
図3】本明細書で開示される機内エネルギーサブシステムの一実施形態の概略図である。
図4】フィン付きスパー部材のうちの1つの等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、航空機などの輸送体やクラフトの構造構成要素の中に統合された機内バッテリ貯蔵ならびに機内エネルギーサブシステム用の方法及び装置を提供する。本明細書で説明される機内エネルギーサブシステムは、航空機のスパーや他の構造部材内で使用され得る。本明細書で説明されるスパーや他の構造部材は、細い胴体及び太い胴体の旅客機などのより大きな航空機までを含んで、小さい遠隔操作輸送体、ドローン、又は他の同様な航空機などの、任意のサイズの航空機上で利用され得る。本明細書で説明される機内エネルギーサブシステムは、使用中に航空機のエンジン、モータ、又は任意の他の電気システムに給電するために利用され得る。
【0010】
図1は、構造的に翼100を支持するスパー105として示されている、構造部材の一実施形態を有する翼100の概略断面図である。スパー105は、翼100の長さの一部分に沿って(X方向に)延在し、航空機の胴体のフレームなどの航空機の支持部材(図示せず)に連結されている。図1で描かれている翼100は、主たる又は一次的な構造部材としてスパー105を有する尾部又は垂直安定板であってもよい。
【0011】
本実施形態におけるスパー105は、機内エネルギーサブシステム110を備える。機内エネルギーサブシステム110は、複数のフィン付きスパー部材125の間に設けられた区画120内に取り付けられた複数のバッテリ115を備える。区画120とフィン付きスパー部材125は、図2A及び図2Bでより明瞭に示されている。
【0012】
複数のフィン付きスパー部材125のそれぞれは、翼100用の主たる又は一次的な構造部材(例えば、スパー105)を形成するように共に統合される。複数のフィン付きスパー部材125は、区画120への個々のバッテリ115の設置又は区画120からの個々のバッテリ115の除去を容易にするために、取り外し可能である。フィン付きスパー部材125のそれぞれは、3D印刷や押し出し成形プロセスによって形成される熱可塑性材料などの、ポリマー材料から作製されてよい。他の実施形態では、フィン付きスパー部材125が、アルミニウムなどの軽量金属材料又はポリマー/炭素繊維複合材などの複合材料から作製されてよい。
【0013】
一実施例では、バッテリ115のそれぞれが、リチウムイオンバッテリである。一実施例では、機内エネルギーサブシステム110内で使用されるバッテリ115が、「ポーチセル(pouch cell)」であり、直列に接続されてよい。特定の一実施例では、バッテリ115が、24ボルトを生成するために直列に接続された6つのセルを備え、各6つのセルのパックが、スパー105の長さに沿って(X方向に)並列に接続されている。
【0014】
バッテリ115は、個々のセルに対する損傷が、スパー105や翼100を発火させたり又は傷付けたりすることがないように、更に、他のバッテリ115の動作に影響を与えないように十分に小さくてよい。例えば、1つのバッテリポーチに孔が開いたり、又はさもなければ1つのバッテリポーチが損傷を受けたりした場合、ポーチ内での爆発性のガスの蓄積は、爆発や発火をもたらすのに十分なものではない。一実施例では、バッテリ115のそれぞれが、約2インチ掛ける約2インチであってよい。
【0015】
スパー105は、1以上の電力管理デバイス130も含んでよい。電力管理デバイス130は、充電、短絡防御、健全性モニタリング、ならびに他の電力管理及び/又は保守ユーティリティーを制御するように構成されてよい。バッテリ115用の回路が、フィン付きスパー部材125の一部分内又は上に設けられる。機内エネルギーサブシステム110の回路の一実施例が、図2A図2B、及び図3において示されている。
【0016】
複数のフィン付きスパー部材125が、バッテリ115のそれぞれに対して係合し、わずかな圧力又は圧縮を提供するようになっている。フィン付きスパー部材125によってバッテリ115に印加される圧縮は、バッテリ115の劣化を防止する。フィン付きスパー部材125に対するバッテリ115の圧縮は、バッテリ115をスパー105の構造部材の中に統合することもする。例えば、圧縮されたバッテリのそれぞれは、フィン付きスパー部材125に対する圧縮によって、フィン付きスパー部材125の内部における任意の構造強度のために利用される。フィン付きスパー部材125とバッテリ115との間の圧縮されない又は「緩い」連結とは逆に、フィン付きスパー部材125の構造強度が高められるように、圧縮は、効果的にスパー105をパック又はロードする。
【0017】
図2Aは、バッテリ115を有さないスパー105の断面図であり、図2Bは、図2Aのスパー105の断面分解図である。スパー105は、図1で示されているように、複数のフィン付きスパー部材125を含む。図示されている実施形態では、スパー105が、図2Aで示されているように、スパー105を形成するために共に留められた2つのフィン付きスパー部材125を含む。図2Bでは、2つのフィン付きスパー部材125が、バッテリ115が設置又は除去され得るような様態で分離されている。
【0018】
図2A及び図2Bの実施形態では、フィン付きスパー部材125が、実質的に同一であり、互いに交換可能である。フィン付きスパー部材125のそれぞれは、本体200とフランジ205を含む。本体200の一部分は、フランジ205から延在する複数のウェブ部材207を含む。本体200は、フランジ205に連結されたウェブとして考えることができる。フィン付きスパー部材125は、図2Aで示されているように共に連結され、本体200とフランジ205は、「I」ビームのような支持部材を形成する。
【0019】
フィン付きスパー部材125のそれぞれは、図2Bの矢印の方向に撓み且つ反発する複数の可撓性部分210を含む。可撓性部分210は、フランジ205の(図2Bで示されている)内面220上に形成された保持部材215を圧縮し、それらに連結されている。フィン付きスパー部材125を相互連結するために、一方のフィン付きスパー部材125は、その長さ方向(図2Bで示されているX軸)に沿って180度回転し、共に固定される。
【0020】
図1で示されている機内エネルギーサブシステム110用の回路が、図2A及び図2Bで概略的に示されている。例えば、導体225が、フィン付きスパー部材125のそれぞれの本体200に連結され又は本体200内に形成される。更に、バスバー230が、フィン付きスパー部材125のそれぞれの本体200と連結又は統合される。フィン付きスパー部材125が、金属材料から作製され又は導電性材料(炭素繊維など)を含む実施形態では、フィン付きスパー部材125から導体225を電気的に絶縁するために、フィン付きスパー部材125のそれぞれの本体200と導体225との間に、誘電体層(図示せず)が設けられてよい。
【0021】
更に、ある実施形態では、フィン付きスパー部材125が、内部又は上部に埋め込まれた発電デバイス235を含む。発電デバイス235は、電力管理デバイス130を介して、機内エネルギーサブシステム110に接続されてよい。翼100のスパー105が飛行中に曲がるときなどに、スパー105の構造的な曲げから発電するように、発電デバイス235のそれぞれが利用される。発電デバイス235のそれぞれは、圧電デバイスであってよい。
【0022】
フィン付きスパー部材125のそれぞれは、フランジ205内に形成された開口部240を含む。開口部240は、スパー105の重量を低減させるために利用されてよい。開口部240は、スパー105に翼100を取り付けるためにも使用される。スロット245も、フィン付きスパー部材125のそれぞれの本体200内に形成される。スロット245は、フィン付きスパー部材125を連結又は連結解除するときに、可撓性部分210の側方の動きを提供するために使用される。スペーサ250が、可撓性部分210の間に設けられてよい。
【0023】
図3は、本明細書で開示される機内エネルギーサブシステム110の一実施形態の概略図である。機内エネルギーサブシステム110は、第1の組の回路基板300A~300F、第2の組の回路基板305A~305F、及び第3の組の回路基板310A~310Fとして示されている、複数の回路基板を含む。第1の組の回路基板300A~300F、第2の組の回路基板305A~305F、及び第3の組の回路基板310A~310Fは、図2A及び図2Bで示されているフィン付きスパー部材125内又は上に形成された導体225である。バスバー230も、図3で示されており、図2A及び図2Bで示されているように、フィン付きスパー部材125内又は上に形成されてよい。
【0024】
第1の組の回路基板300A~300F、第2の組の回路基板305A~305F、及び第3の組の回路基板310A~310Fのそれぞれは、図2A及び図2Bで示されている導体225として、フィン付きスパー部材125内又は上に形成された金属導体を含む。第1の組の回路基板300A~300F、第2の組の回路基板305A~305F、及び第3の組の回路基板310A~310F、並びにバスバー230は、アルミニウム、銅、又は何らかの他の導体材料であってよい。
【0025】
回路基板300A~300F、305A~305F、及び310A~310Fのそれぞれは、マイクロコントローラ、センサ、又は任意の他の種類の電子デバイスなどの、他のスタンドアローン電子デバイスであってよい。
【0026】
第1の組の回路基板300A~300F、第2の組の回路基板305A~305F、及び第3の組の回路基板310A~310Fのそれぞれは、直列に接続されており、集合的な組が、バスバー230に並列に接続されている。3つの組の回路基板だけが示されたが、(図1で示されている)スパー105の長さに沿って、更なる組の回路基板が設けられてよい。バスバー230は、電力ならびにデータを運んでよい。
【0027】
図4は、フィン付きスパー部材125のうちの1つの等角図である。複数の第1の開口部240が、フランジ205の上に示されている。スロット245とスペーサ250が、可撓性部分210に隣接して示されている。複数の第2の開口部400も、スロット245の間で示されている。第2の開口部400は、第1の開口部240に類似している。一方のフィン付きスパー部材125の第1の開口部240は、スパー105へと組み立てられたときに、他方のフィン付きスパー部材125の第2の開口部400と実質的に整列する。第1の開口部240と第2の開口部400の一部分は、翼100をスパー105に取り付けるために使用されるファスナ向けに利用される。
【0028】
ある実施形態では、機内エネルギーサブシステム110を有する航空機などの輸送体用の構造部材を備えた装置が、本明細書で開示される。他の実施形態では、機内エネルギーサブシステム110のための方法が開示される。該方法は、バッテリをフィン付きスパー部材125に取り付けること、フィン付きスパー部材125とバッテリを共に取り付けてスパー105を形成すること、及びスパー105を航空機に取り付けることを含み、この取り付けは、スパー105内のバッテリと航空機の電気システムとの間の電気接続を形成する。
【0029】
例示的な実施形態
以下は、例示的な実施形態である。特に、以下の実施例内の参照番号は、単なる例示である。更に、以下の実施例又は以下の特許請求の範囲内で単一請求項の従属が示されている場合であっても、複数の請求項の従属を含む全ての請求項の従属関係が、本開示の範囲内に含まれる。
【0030】
実施形態1:
輸送体用の構造部材であって、互いに連結された複数のフィン付きスパー部材(125)を備え、フィン付きスパー部材のそれぞれは、本体(200)、フランジ(205)から延在する複数のウェブ部材(207)、本体の上に設けられた回路基板(300A~300F、305A~305F、及び310A~310F)、並びに回路基板に電気接続された本体の上に設けられたバスバー(230)を含み、区画(120)が、隣接するウェブ部材の間に形成され、各区画は、バッテリ(115)を受け入れるようにサイズ決定されている、構造部材。
【0031】
実施形態2:
構造部材が、航空機スパー(105)である、実施形態1の構造部材。
【0032】
実施形態3:
複数のウェブ部材のそれぞれが、撓み且つ反発する可撓性部分(210)を含む、実施形態1の構造部材。
【0033】
実施形態4:
可撓性部分は、フランジに隣接して形成された保持部材(215)と相互作用する、実施形態3の構造部材。
【0034】
実施形態5:
バスバーに接続された、フィン付きスパー部材の上に形成された複数の導体(225)を更に備える、実施形態1の構造部材。
【0035】
実施形態6:
複数のフィン付きスパー部材は、第1のフィン付きスパー部材と第2のフィン付きスパー部材を備え、第1のフィン付きスパー部材と第2のフィン付きスパー部材のそれぞれが、実質的に同一である、実施形態1の構造部材。
【0036】
実施形態7:
第1のフィン付きスパー部材が、相互連結位置では、第1のフィン付きスパー部材の長さ方向に沿って第2のフィン付きスパー部材に対して180度回転している、実施形態6の構造部材。
【0037】
実施形態8:
複数の第1の開口部(240)が、第1のフィン付きスパー部材のフランジ内に形成され、複数の第2の開口部(400)が、第2のフィン付きスパー部材のフランジ内に形成され、開口部の少なくとも一部分が、翼に連結されるファスナを受け入れるようになっている、実施形態6の構造部材。
【0038】
実施形態9:
複数の第1の開口部のそれぞれが、相互連結位置にある複数の第2の開口部のそれぞれと実質的に整列する、実施形態8の構造部材。
【0039】
実施形態10:
互いに連結された複数のフィン付きスパー部材(125)を備え、フィン付きスパー部材のそれぞれは、本体(200)、フランジ(205)から延在する複数のウェブ部材(207)、本体に取り付けられた回路基板(300A~300F、305A~305F、及び310A~310F)、並びに本体の上に形成されたバスバー(230)を含み、区画(120)が、隣接するウェブ部材の間に形成され、各区画は、複数のバッテリ(115)を受け入れるようにサイズ決定されている、航空機スパー(105)。
【0040】
実施形態11:
複数のウェブ部材のそれぞれが、撓み且つ反発する可撓性部分(210)であって、フランジの保持部材(215)に取り付けられるように構成された可撓性部分(210)を含む、実施形態10の航空機スパー。
【0041】
実施形態12:
可撓性部分が、2つの可撓性部分を備え、それらの間にスロット(245)が設けられている、実施形態11の航空機スパー。
【0042】
実施形態13:
バスバーに接続された、フィン付きスパー部材の上に形成された複数の導体(225)を更に備える、実施形態10の航空機スパー。
【0043】
実施形態14:
複数のフィン付きスパー部材が、実質的に互いに同一である、第1のフィン付きスパー部材と第2のフィン付きスパー部材を備える、実施形態10の航空機スパー。
【0044】
実施形態15:
第1のフィン付きスパー部材が、相互連結位置では、第1のフィン付きスパー部材の長さ方向に沿って第2のフィン付きスパー部材に対して180度回転している、実施形態14の航空機スパー。
【0045】
実施形態16:
輸送体用の機内エネルギーサブシステム(110)であって、複数のバッテリ(115)を備えた構造部材(105)を備え、構造部材が、互いに連結された複数のフィン付きスパー部材(125)を備え、フィン付きスパー部材のそれぞれは、本体(200)、フランジ(205)から延在する複数のウェブ部材(207)、本体の上に形成された回路基板(300A~300F、305A~305F、及び310A~310F)、並びに本体の上に設けられたバスバー(230)を含み、複数のバッテリのうちのあるバッテリが、隣接するウェブ部材の間に形成された区画(120)内で圧縮されている、機内エネルギーサブシステム。
【0046】
実施形態17:
複数のバッテリのうちの複数の群は、構造部材に沿って直列に接続されている、実施形態16の機内エネルギーサブシステム。
【0047】
実施形態18:
複数のバッテリのうちの複数の群は、バスバーに並列に接続されている、実施形態17の機内エネルギーサブシステム。
【0048】
実施形態19:
複数のバッテリとバスバーとに接続された、構造部材に連結された電力管理デバイス(130)を更に備える、実施形態16の機内エネルギーサブシステム。
【0049】
実施形態20:
構造部材に連結された複数の発電デバイス(235)を更に備える、実施形態16の機内エネルギーサブシステム。
【0050】
前述の説明は、当業者が本明細書で説明された様々な実施形態を実施することを可能にするために提供されている。本明細書で説明された実施形態及び実施例は、特許請求の範囲内で説明される実施形態の範囲、適用性を制限しない。これらの実施形態に対する様々な修正が、当業者には明らかであろう。そして、本明細書で規定された一般的な原理は、他の実施形態に適用可能である。例えば、本開示の範囲から逸脱することなしに、説明された要素の機能及び構成を変更することができる。様々な実施例は、様々な手順又は構成要素を適切に省略し、代替し、又は追加することができる。また、ある実施例に関して説明された特徴は、幾つかの他の実施例で組み合わせることができる。更に、本開示の範囲は、本明細書で説明された開示の様々な態様に加えて、又はそれ以外の、他の構造、機能、又は構造及び機能を使用して実施されるような装置又は方法をカバーすることを意図している。本明細書で開示された開示の任意の態様は、ある請求項の1以上の要素によって具現化され得ることを理解するべきである。
【0051】
更に、本開示は、下記の条項による実施形態を含む。
条項1.
輸送体用の構造部材であって、互いに連結された複数のフィン付きスパー部材(125)を備え、前記フィン付きスパー部材のそれぞれが、本体(200)、フランジ(205)から延在する複数のウェブ部材(207)、前記本体の上に設けられた回路基板(300A~300F、305A~305F、及び310A~310F)、並びに前記回路基板に電気接続された前記本体の上に設けられたバスバー(230)を含み、区画(120)が、隣接するウェブ部材の間に形成され、各区画が、バッテリ(115)を受け入れるようにサイズ決定されている、構造部材。
条項2.
前記構造部材が、航空機スパー(105)である、条項1の構造部材。
条項3.
前記複数のウェブ部材のそれぞれが、撓み且つ反発する可撓性部分(210)を含む、条項1の構造部材。
条項4.
前記可撓性部分が、前記フランジに隣接して形成された保持部材(215)と相互作用する、条項3の構造部材。
条項5.
前記バスバーに接続された、前記フィン付きスパー部材の上に形成された複数の導体(225)を更に備える、条項1の構造部材。
条項6.
前記複数のフィン付きスパー部材が、第1のフィン付きスパー部材と第2のフィン付きスパー部材を備え、前記第1のフィン付きスパー部材と前記第2のフィン付きスパー部材のそれぞれが、実質的に同一である、条項1の構造部材。
条項7.
前記第1のフィン付きスパー部材が、相互連結位置では、前記第1のフィン付きスパー部材の長さ方向に沿って前記第2のフィン付きスパー部材に対して180度回転している、条項6の構造部材。
条項8.
複数の第1の開口部(240)が、前記第1のフィン付きスパー部材の前記フランジ内に形成され、複数の第2の開口部(400)が、前記第2のフィン付きスパー部材の前記フランジ内に形成され、前記開口部の少なくとも一部分が、翼に連結されるファスナを受け入れるようになっている、条項6の構造部材。
条項9.
前記複数の第1の開口部のそれぞれが、相互連結位置にある前記複数の第2の開口部のそれぞれと実質的に整列する、条項8の構造部材。
条項10.
互いに連結された複数のフィン付きスパー部材(125)を備え、前記フィン付きスパー部材のそれぞれが、本体(200)、フランジ(205)から延在する複数のウェブ部材(207)、前記本体に取り付けられた回路基板(300A~300F、305A~305F、及び310A~310F)、並びに前記本体の上に形成されたバスバー(230)を含み、区画(120)が、隣接するウェブ部材の間に形成され、各区画が、複数のバッテリ(115)を受け入れるようにサイズ決定されている、航空機スパー(105)。
条項11.
前記複数のウェブ部材のそれぞれが、撓み且つ反発する可撓性部分(210)であって、前記フランジの保持部材(215)に取り付けられるように構成された可撓性部分(210)を含む、条項10の航空機スパー。
条項12.
前記可撓性部分が、2つの可撓性部分を備え、前記2つの可撓性部分の間にスロット(245)が設けられている、条項11の航空機スパー。
条項13.
前記バスバーに接続された、前記フィン付きスパー部材の上に形成された複数の導体(225)を更に備える、条項10の航空機スパー。
条項14.
前記複数のフィン付きスパー部材が、実質的に互いに同一である、第1のフィン付きスパー部材と第2のフィン付きスパー部材を備える、条項10の航空機スパー。
条項15.
前記第1のフィン付きスパー部材が、相互連結位置では、前記第1のフィン付きスパー部材の長さ方向に沿って前記第2のフィン付きスパー部材に対して180度回転している、条項14の航空機スパー。
条項16.
輸送体用の機内エネルギーサブシステム(110)であって、複数のバッテリ(115)を備えた構造部材(105)を備え、前記構造部材が、互いに連結された複数のフィン付きスパー部材(125)を備え、前記フィン付きスパー部材のそれぞれが、本体(200)、フランジ(205)から延在する複数のウェブ部材(207)、前記本体の上に形成された回路基板(300A~300F、305A~305F、及び310A~310F)、並びに前記本体の上に設けられたバスバー(230)を含み、前記複数のバッテリのうちのあるバッテリが、隣接するウェブ部材の間に形成された区画(120)内で圧縮されている、機内エネルギーサブシステム。
条項17.
前記複数のバッテリのうちの複数の群が、前記構造部材に沿って直列に接続されている、条項16の機内エネルギーサブシステム。
条項18.
前記複数のバッテリのうちの前記複数の群が、バスバーに並列に接続されている、条項17の機内エネルギーサブシステム。
条項19.
前記複数のバッテリと前記バスバーとに接続された、前記構造部材に連結された電力管理デバイス(130)を更に備える、条項16の機内エネルギーサブシステム。
条項20.
前記構造部材に連結された複数の発電デバイス(235)を更に備える、条項16の機内エネルギーサブシステム。
【0052】
以下の特許請求の範囲は、本明細書で示されている実施形態に限定されることを意図しないが、特許請求の範囲の言語と一貫した完全な範囲が与えられることを意図している。請求項内では、単一の要素へ言及が、別段の定めがなければ「ただ1つ」を意味することを意図しないが、むしろ「1以上」を意味することを意図している。別段の定めがなければ、「幾つかの」という用語は、1以上を指す。如何なるクレーム要素も、その要素が「~する手段(means for)」というフレーズを用いて明示的に挙げられているか、又は方法クレームの場合にはその要素が「~するステップ(step for)」というフレーズを用いて挙げられていない限り、35U.S.C.§112(f)の規定に基づいて解釈されることはない。当業者に知られている、又は後に当業者に知られるようになる、本開示全体にわたって説明される様々な態様の要素に対する構造的及び機能的等価物は全て、参照により本明細書に明示的に組み込まれ、特許請求の範囲に含まれるものとする。更に、本明細書に開示されているものは全て、かかる開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかに関係なく、公に捧げることを意図したものではない。
図1
図2A
図2B
図3
図4