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特許7507594作業ポイント指示方法及び作業ポイント指示システム
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  • 特許-作業ポイント指示方法及び作業ポイント指示システム 図1
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  • 特許-作業ポイント指示方法及び作業ポイント指示システム 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】作業ポイント指示方法及び作業ポイント指示システム
(51)【国際特許分類】
   B23P 21/00 20060101AFI20240621BHJP
   B62D 65/02 20060101ALN20240621BHJP
【FI】
B23P21/00 307J
B62D65/02
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020080043
(22)【出願日】2020-04-30
(65)【公開番号】P2021171898
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-03-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(72)【発明者】
【氏名】汐崎 光祐
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大宜
(72)【発明者】
【氏名】源間 英紀
(72)【発明者】
【氏名】細谷 知希
(72)【発明者】
【氏名】大森 崇光
(72)【発明者】
【氏名】松本 昇
(72)【発明者】
【氏名】横澤 光隆
(72)【発明者】
【氏名】亀田 誠一
(72)【発明者】
【氏名】宮前 二郎
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-347969(JP,A)
【文献】特開2003-260064(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23P 19/00-21/00
B62D 65/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラインコンベア上を移動中の作業対象物に対してレーザー光を照射することで作業ポイントを指示する作業ポイント指示方法において、
前記作業対象物の作業ポイントの前記ラインコンベア上での作業主体による全作業可能領域における位置情報を予め位置情報記憶部に格納し、
前記レーザー光の照射は、
一つの前記作業ポイントに対して、前記作業可能領域の左右両外側であって前記左右の少なくとも何れか一方が常に前記作業主体に遮られることなく前記レーザー光の照射を行い得る位置にそれぞれレーザー光源が配置されたレーザー光出射部から、前記位置情報に基づいて行われ
前記作業主体が前記レーザー光が照射された位置にて所定の作業を行うため、前記作業ポイントに照射されたレーザー光の反射光を作業装置に設けられたレーザー光受部により受光し、
前記作業装置に作業位置が前記レーザー光で指示された作業ポイントと一致しているか否か判断させることを特徴とする作業ポイント指示方法。
【請求項2】
請求項1に記載の作業ポイント指示方法を実行する作業ポイント指示システムにおいて、
前記作業対象物の作業ポイントの全ての前記作業可能領域における位置情報が予め格納された位置情報記憶部と、
前記位置情報記憶部に格納された位置情報に基づいて、移動している前記作業対象物への前記レーザー光の出射を行うレーザー光出射部であって、前記作業対象物への前記ラインコンベア上での作業主体による作業可能領域の左右両外側に少なくとも1個ずつレーザー光源が配置され、前記作業可能領域の全範囲で少なくとも前記左右の何れか1個の前記レーザー光源が前記作業主体に遮られることなく前記一つの作業ポイントへの前記レーザー光の照射を行い得る位置にそれぞれ設けられたレーザー光出射部と
前記レーザー光が照射された位置にて所定の作業を行うための作業装置に設けられ、前記作業ポイントに照射されたレーザー光の反射光を受光可能なレーザー光受光部と、
作業位置である前記レーザー光の照射されている作業ポイントに前記作業装置が位置し、前記レーザー光受光部が、前記作業ポイントからの前記反射光を受光すると、前記作業装置の作業位置が前記レーザー光で指示された作業ポイントと一致していると判断する判定部と、を有することを特徴とする作業ポイント指示システム。
【請求項3】
前記レーザー光出射部は、前記作業対象物のすべての作業ポイントに相当する数だけ設置され、前記レーザー光の照射は、それぞれ対応する一つの作業ポイントに対して行われることを特徴とする請求項2に記載の作業ポイント指示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業ポイント指示方法及び作業ポイント指示システム、特に、作業対象物の作業ポイントへのレーザー光照射による作業ポイントの指示方法及び指示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、作業対象物への作業、例えば、作業対象物上の所定箇所の測定などの作業を大量に行う際に、作業対象物をラインコンベアで移動させて作業を行うことが広く行われている。
【0003】
例えば、車両の建付け(板間隙間)測定は、作業主体(作業者やロボット)が測定装置(ハンドツールなど)を把持してこれを行っている。すなわち、車両はラインコンベアに乗せられ一定速度で移動して来る。そして、作業主体はそれぞれの作業可能領域で、測定装置を車両の作業ポイントに近接させ測定を行う。作業ポイントは、目印がなく車両の外観から感覚での判断となる。
【0004】
さらに、作業ポイントの指示に関して、特許文献1、2には、作業位置に対して左右方向からレーザー照射を行い、その位置を指示する技術が開示されている。また、特許文献3には、レーザーの照射位置を車両の移動に合わせて追従させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2003-260064号公報
【文献】特開2015-205251号公報
【文献】特開平11-347969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
作業主体が感覚を頼りに測定を行う場合には、正しく指示された作業ポイントを測定しているか否か問題となる。すなわち、例えば、板間の隙間が上下方向で一定している場合は、作業ポイントが上下方向に多少ずれた場合でも問題とならないが、隙間が上下方向で一定ではない場合、作業ポイントが上下方向に少しでもずれると測定値にバラツキが生じる。
【0007】
特許文献1、2に開示された技術では、静止している作業対象物に対して、2台のレーザー装置からレーザー光出射により作業位置を指示している。したがって、作業対象物が移動する場合には適用できない。特許文献3に開示された技術では、作業ポイントは車両が移動しても1台のレーザー光により正しく指示されるが、レーザー装置は1台のみの設置であるため、レーザー光の照射経路に作業者(ロボットを含む)が存在する位置関係になった場合には、レーザー光が遮られて作業ポイントが指示されない場合が生じる。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、移動している作業対象物上の作業ポイントへのレーザー光照射を障害物に邪魔されることなく常に的確に行うことのできる作業ポイント指示方法及び作業ポイント指示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的の達成のため請求項1に記載の作業ポイント指示方法は、
ラインコンベア上を移動中の作業対象物に対してレーザー光を照射することで作業ポイントを指示する作業ポイント指示方法において、
前記作業対象物の作業ポイントの前記ラインコンベア上での作業主体による全作業可能領域における位置情報を予め位置情報記憶部に格納し、前記レーザー光の照射は、一つの前記作業ポイントに対して、前記作業可能領域の左右両外側であって前記左右の少なくとも何れか一方が常に前記作業主体に遮られることなく前記レーザー光の照射を行い得る位置にそれぞれレーザー光源が配置されたレーザー光出射部から、前記位置情報に基づいて行われ、前記作業主体が前記レーザー光が照射された位置にて所定の作業を行うため、前記作業ポイントに照射されたレーザー光の反射光を作業装置に設けられたレーザー光受部により受光し、前記作業装置に作業位置が前記レーザー光で指示された作業ポイントと一致しているか否か判断させることを特徴とする。
【0010】
この方法により、レーザー光の作業ポイントへの照射は、作業対象物がラインコンベアにおける作業可能領域を移動中に、その全範囲に亘って作業主体に遮られない位置から行われる。左右へのレーザー光源の配置は、作業主体の作業時の動作範囲、すなわち、作業主体の存在領域は予め認識されていので、レーザー光源の配置を、作業可能領域の全範囲で少なくとも左右の何れか1個が作業主体に遮られることがなく作業ポイントへの照射を行い得るようにすることは容易である。これによって、作業対象物が移動中であっても作業対象物上の作業ポイントを指示するレーザー光が作業主体に遮られて指示できない状況は発生せず、作業主体は常に作業ポイントを的確に確認することが可能である。
また、作業装置に設けられたレーザー光受光部に作業ポイントからの反射光が入射すると、作業装置が指示された作業ポイントに正しく設定されているとの判定がなされるので、作業主体は、常に正しい作業ポイントでの作業が可能となる。さらに、測定ポイントが複数ある場合に、レーザー光に識別情報を重畳させることで、作業が行われたポイントの情報も得ることが可能となる。
【0011】
上記目的の達成のため請求項2に記載の作業ポイント指示システムは、
請求項1に記載の作業ポイント指示方法を実行する作業ポイント指示システムにおいて、
前記作業対象物の作業ポイントの全ての前記作業可能領域における位置情報が予め格納された位置情報記憶部と、前記位置情報記憶部に格納された位置情報に基づいて、移動している前記作業対象物への前記レーザー光の出射を行うレーザー光出射部であって、前記作業対象物への前記ラインコンベア上での作業主体による作業可能領域の左右両外側に少なくとも1個ずつレーザー光源が配置され、前記作業可能領域の全範囲で少なくとも前記左右の何れか1個の前記レーザー光源が前記作業主体に遮られることなく前記一つの作業ポイントへの前記レーザー光の照射を行い得る位置にそれぞれ設けられたレーザー光出射部と
前記レーザー光が照射された位置にて所定の作業を行うための作業装置に設けられ、前記作業ポイントに照射されたレーザー光の反射光を受光可能なレーザー光受光部と、作業位置である前記レーザー光の照射されている作業ポイントに前記作業装置が位置し、前記レーザー光受光部が、前記作業ポイントからの前記反射光を受光すると、前記作業装置の作業位置が前記レーザー光で指示された作業ポイントと一致していると判断する判定部と、を有することを特徴とする。
【0012】
この構成により、レーザー光出射部からの移動する作業対象物上の作業ポイントへのレーザー光の照射は常に作業主体に遮られることなく的確に行われる。
また、この構成により、作業装置に設けられたレーザー光受光部に作業ポイントからの反射光が入射すると、作業装置が指示された作業ポイントに正しく設定されているとの判定がなされるので、作業主体は、常に正しい作業ポイントでの作業が可能となる。さらに、測定ポイントが複数ある場合に、レーザー光に識別情報を重畳させることで、作業が行われたポイントの情報も得ることが可能となる。
【0013】
請求項3に記載の作業ポイント指示システムは、請求項2に記載の作業ポイント指示システムにおいて、
前記レーザー光出射部は、前記作業対象物のすべての作業ポイントに相当する数だけ設置され、前記レーザー光の照射は、それぞれ対応する一つの作業ポイントに対して行われることを特徴とする。
【0014】
この構成により、作業ポイントが複数ある場合、複数の作業ポイントに相当する数だけレーザー光出射部が設置され、それらが、それぞれ対応する作業ポイントをレーザー光照射するので、複数の作業ポイントが同時に指示される。したがって、作業主体は、常に作業ポイントの全体位置を把握しつつ、例えば、現在作業を行っている近傍の作業位置も同時に把握することが可能であり、効率の良い作業順で作業を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の作業ポイント指示方法及び作業ポイント指示システムによれば、レーザー光の作業ポイントへの照射は、作業対象物がラインコンベアにおける作業可能領域を移動中に、その全範囲に亘って、作業主体に遮られない位置から行われる。したがって、作業主体は常に作業ポイントを的確に確認することができ、作業の効率化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の作業ポイント指示システムの概略構成図を示す。ただし、作業ポイントは2か所指示している場合についてであり、正面図を示す。
図2】本発明の作業ポイント指示システムの概略構成図を示す。ただし、作業ポイントは2か所指示している場合についてであり、上面図を示す。
図3】本発明の作業ポイント指示システムにより指示された作業ポイントで測定装置により作業を行っている様子を示す説明図である。
図4】本発明の作業ポイント指示方法に係り、測定装置により作業ポイントで測定を行った場合の効果を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の作業ポイント指示方法及び作業ポイント指示システムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0020】
図1、2は、本発明の作業ポイント指示システムの概略構成図である。図2は、正面図、図3は上面図である。本実施の形態では、作業主体、すなわち作業者28が行う作業は、例えば、作業対象物である車両20の建付け測定であり、作業者28は作業装置である測定装置を把持して測定を行う。車両20は、ラインコンベア18上を所定の速度で移動している。また、本実施の形態では、車両20上の作業ポイントは2か所ある場合について示している。
【0021】
作業者28は、作業エリア開始地点Aと作業エリア終了地点Bの領域、すなわち作業可能領域内で作業を行う。
【0022】
本発明の作業ポイント指示システム10は、レーザー光出射部を構成するレーザー光源11、12と、位置情報記憶部14と、判定部16とを有する。
【0023】
レーザー光出射部11は、作業ポイント22-1を指示するために2台のレーザー光源11-1、11-2から構成される。同様に、作業ポイント22-2を指示するためにレーザー光出射部12は、2台のレーザー光源12-1、12-2から構成される。
【0024】
各レーザー光出射部を構成するレーザー光源は、作業可能領域の左右両外側であって左右の何れか1個が作業者28に遮られることなく作業ポイントへのレーザー光の照射を行い得る位置にそれぞれ設けられている。具体的に、レーザー光出射部11を構成するレーザー光源11-1、11-2は、作業エリア開始地点Aと作業エリア終了地点Bの両外側で、左右の何れか1個が作業者28に遮られることなく作業ポイント22-1へのレーザー光の照射を行い得る位置にそれぞれ設けられている。レーザー光出射部12も同様である。なお、本実施の形態では、レーザー出射部12を構成するレーザー光源は、レーザー出射部11を構成するレーザー光源の下部に設置した。
【0025】
位置情報記憶部14には、作業ポイント22-1、22-1の、ラインコンベア18上での作業者28による全作業可能領域における位置情報を予め格納している。レーザー光出射部11、12からのレーザー光の出射は、この位置情報に基づいて行われる。
【0026】
判定部16は、作業者28が把持する測定装置により測定しているポイントが、レーザー光により指示されている作業ポイント22と一致しているか否かを判定するものであり、詳細は後述する。なお、レーザー光出射部11、12は位置情報記憶部14と電気的に接続されており、また、作業者28が所持する測定装置24は、判定部16と例えば無線で接続されている。
【0027】
以下、本発明の作業ポイント指示方法について説明する。
【0028】
車両20はライントコンベア18上で所定の速度で移動している。本実施の形態では、作業ポイントは、車両20の2か所である場合について示している。それらを作業ポイント22-1、22-2とする。
【0029】
作業対象物である車両20が作業エリア(作業エリア開始地点Aと作業エリア終了地点Bとの間の領域)に搬入されると、それぞれ2台のレーザー光出射部111、12により作業ポイントが指示され、作業エリアから出るまで連続的に指示され続ける。
【0030】
すなわち、位置情報記憶部14に記憶された車両20の作業ポイント22-1、22-2の全作業可能領域における位置情報と、ラインコンベア18の位置変化情報からレーザー出射部11、12のレーザー光の照射角度を算出して、レーザー光源11-1、11-2、12-1,12-2の照射角度を調整することにより、作業エリア内で連続的に指示することが可能となっている。レーザー光源11-1、11-2の配置は、作業者28が特殊な動きをしない限り、予めその移動範囲はほぼ予想されているので、作業者28によりレーザー光源11-1、11-2からのレーザー光が同時に遮られることはない位置に行われている。同様に、レーザー光源12-1、12-2の配置は、作業者28が特殊な動きをしない限り、予めその移動範囲はほぼ予想されているので、作業者28によりレーザー光源12-1、12-2からのレーザー光が同時に遮られることはない位置に行われている。
【0031】
作業者28は、ラインコンベア18上を動いて行く車両20に追従して、作業ポイントに測定装置を近づけて測定を行う。
【0032】
図3は、本発明の作業ポイント指示システムにより指示された作業ポイントで測定装置により作業を行っている様子を示す説明図である。
【0033】
作業者28が建付け測定を行う測定装置24には、その前面にレーザー光受光部26が設けられている。レーザー光受光部26で指示された作業ポイント22-1のレーザー光の反射光を受光すると、判定部16は測定位置が作業ポイント22-1と一致していると判定する。この判定は、レーザー光受光部26での受光電力で行っても良い。その他、例えば、測定装置24のモニタ26上で画面の中央部に作業ポイント22-1を確認することで、測定位置は作業ポイント22-1と一致していると判定部16が判定するように構成しても良い。
【0034】
作業者28は、判定部16により測定位置が作業ポイント22-1と一致していると判定された場合に、測定装置24のトリガ(図示していない)を引いて建付け測定を行い、その測定データを位置情報記憶部14に送る。なお、測定位置が作業ポイント22-1と一致していると判定された場合には、例えば、測定装置24のモニタ画面25上にランプが点灯されるように構成しても良い。さらには、無線機などにより作業者に報知するように構成しても良い。
【0035】
作業ポイント22-1での測定が終了した後、作業ポイント22-2での測定も同様に行われる。
【0036】
作業者28は、判定部16により測定装置24が指示された作業ポイントに正しく設定されているとの判定がなされるので、常に正しい作業ポイントでの作業が可能となる。さらに、測定ポイントが複数ある場合に、レーザー光に識別情報を重畳させることで、作業が行われたポイントの情報も得ることが可能となる。
【0037】
図4は、本発明の作業ポイント指示方法に係り、測定装置により作業ポイントで測定を行った場合の効果を説明する図である。車両20の作業ポイント22-1が、例えば、地面から所定の高さ位置にあり、ドアとサイドフェンダとの隙間を測定する場合について示している。ドアとサイドフェンダとの隙間が、例えば、図示するように、隙間が下方に行くほど広くなっていると仮定する。本発明の作業ポイント指示方法により測定すれば、測定装置の測定位置P1は正しく作業ポイント22-1の位置と一致して測定できる。本発明の作業ポイント指示方法ではなく手動で測定すると、例えば測定装置の測定位置P2が作業ポイント22-1から外れ、図示したような測定値のばらつきが生じる。本発明の作業ポイント指示方法を用いることで常に正しい作業ポイントで測定を行うことができる。
【0038】
本実施の形態によれば、作業可能領域の両外側に設置されたレーザー光出射部11、12により作業ポイント22-1、22-2が指示され、作業者28によりレーザー光が全て遮られることはない。また、レーザー光が照射された位置に測定装置24を位置させた際に、測定装置24のレーザー光受光部26へのレーザー光の入射状況を確認することで、測定装置24による測定位置がレーザー光で指示された作業ポイント22と一致しているか否かが判定部16により判断されるので、常に指示された作業ポイントで測定することが可能となる。
【0039】
また、作業ポイントが複数ある場合、作業ポイントは同時に指示されるので、作業者は、常に作業ポイントの全体位置を把握しつつ、例えば、現在作業を行っている近傍の作業位置も同時に把握することが可能であり、効率の良い作業順で作業を行うことが可能となる。
【0040】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、建付け測定は作業者が測定装置を持って行っているが、所定の位置に測定装置を取り付けて、自動で測定が行われるように構成しても良い。
【符号の説明】
【0041】
10 作業ポイント指示システム
11、12 レーザー光出射部
14 位置情報記憶部
16 判定部
18 ラインコンベア
20 車両(作業対象物)
22-1、22-2 作業ポイント
24 測定装置
25 表示部
26 レーザー光受光部
28 作業者
A 作業エリア開始地点
B 作業エリア終了地点
図1
図2
図3
図4