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特許7507629媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240621BHJP
   B65H 7/12 20060101ALI20240621BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20240621BHJP
   H04N 1/04 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
H04N1/00 567J
B65H7/12
G06T1/00 430J
H04N1/12 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020134021
(22)【出願日】2020-08-06
(65)【公開番号】P2022030202
(43)【公開日】2022-02-18
【審査請求日】2023-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】酒井 政和
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-108094(JP,A)
【文献】特開2013-075731(JP,A)
【文献】特開平11-339048(JP,A)
【文献】国際公開第2019/017080(WO,A1)
【文献】特開2008-013345(JP,A)
【文献】特開2020-108097(JP,A)
【文献】特開2020-029352(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/00 - 7/20
B65H 43/00 -43/08
G01B 17/00 -17/08
G01N 29/00 -29/52
G03G 13/04
G03G 13/045
G03G 13/056
G03G 13/34
G03G 15/00
G03G 15/04 -15/043
G03G 15/047
G03G 15/056
G03G 15/36
G03G 21/00 -21/02
G03G 21/14
G03G 21/20
G06T 1/00 - 7/90
G06V 10/00 -20/90
G06V 30/418
G06V 40/16
G06V 40/20
H04N 1/00
H04N 1/04 -1/207
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を搬送する搬送部と、
超音波を発信する超音波発信部、及び、前記超音波発信部と対向して配置され且つ受信した超音波に応じた超音波信号を生成する超音波受信部を含む超音波センサと、
前記超音波信号に基づいて、媒体の重送が発生したか否かを判定する重送判定部と、
搬送される媒体を撮像して読取画像を生成する撮像部と、
前記撮像部の撮像位置に向けて直接光又は正反射光を照射する光源と、
前記読取画像が高輝度領域を含んでいる場合に、媒体に写真が貼付されていると判定する写真判定部と、
前記重送判定部による判定結果に基づいて、異常処理を実行する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記重送判定部により重送が発生したと判定された場合であっても、前記写真判定部により写真が貼付されていると判定された場合には、前記異常処理を実行しない、
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
搬送される媒体を撮像して入力画像を生成する第2撮像部と、
前記第2撮像部の撮像位置に向けて光を照射する第2光源と、
前記入力画像を出力する出力制御部と、をさらに有する、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
記第2光源により前記第2撮像部の撮像位置に照射される光は、拡散光である、請求項2に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
前記撮像部及び前記光源は、媒体搬送方向において前記超音波センサより下流側に設けられ、
前記光源は、前記重送判定部により重送が発生したと判定された場合に限り、光を照射する、請求項1~3の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
前記超音波センサは、媒体搬送方向と直交する方向において間隔を空けて複数配置され、
前記光源は、媒体搬送方向と直交する方向において前記複数の超音波センサのそれぞれに対応する位置に複数配置され、
前記複数の光源のそれぞれは、前記重送判定部により、対応する超音波センサが生成した超音波信号に基づいて媒体の重送が発生したと判定された場合に限り、光を照射する、請求項1~4の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項6】
媒体を搬送する搬送部と、超音波を発信する超音波発信部、及び、前記超音波発信部と対向して配置され且つ受信した超音波に応じた超音波信号を生成する超音波受信部を含む超音波センサと、搬送される媒体を撮像して読取画像を生成する撮像部と、前記撮像部の撮像位置に向けて直接光又は正反射光を照射する光源と、を有する媒体搬送装置の制御方法であって、
前記超音波信号に基づいて、媒体の重送が発生したか否かを判定し、
前記読取画像が高輝度領域を含んでいる場合に、媒体に写真が貼付されていると判定し、
媒体の重送が発生したか否かの判定結果に基づいて、異常処理を実行し、
前記異常処理の実行において、重送が発生したと判定された場合であっても、写真が貼付されていると判定された場合には、前記異常処理を実行しない、
ことを特徴とする制御方法。
【請求項7】
媒体を搬送する搬送部と、超音波を発信する超音波発信部、及び、前記超音波発信部と対向して配置され且つ受信した超音波に応じた超音波信号を生成する超音波受信部を含む超音波センサと、搬送される媒体を撮像して読取画像を生成する撮像部と、前記撮像部の撮像位置に向けて直接光又は正反射光を照射する光源と、を有する媒体搬送装置の制御プログラムであって、
前記超音波信号に基づいて、媒体の重送が発生したか否かを判定し、
前記読取画像が高輝度領域を含んでいる場合に、媒体に写真が貼付されていると判定し、
媒体の重送が発生したか否かの判定結果に基づいて、異常処理を実行することを前記媒体搬送装置に実行させ、
前記異常処理の実行において、重送が発生したと判定された場合であっても、写真が貼付されていると判定された場合には、前記異常処理を実行しない、
ことを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムに関し、特に、媒体の重送が発生したか否かを判定する媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スキャナ等の媒体搬送装置は、複数の媒体が重なって搬送される重送が発生したか否かを検出し、重送が発生した際には媒体の搬送を自動的に停止する機能を有している。しかしながら、履歴書のような写真が貼付された媒体が搬送された場合にも、媒体搬送装置は、重送が発生したと判定してしまい、搬送を停止させる可能性がある。そのため、利用者は、写真が貼付された媒体をスキャンさせる際には、重送の検出機能をOFFに設定してから媒体を搬送させる必要があり、利用者の利便性が損なわれていた。
【0003】
原稿の重送の判定を行う給紙装置が開示されている(特許文献1)。この給紙装置は、原稿搬送経路の上ガイド板の上部に発光ダイオード、下ガイド板の下部に受光素子を配置して、通過する原稿の透過光量を検出することにより、原稿の厚さを検知する。さらに、この給紙装置は、上ガイド板の上側に、発光ダイオードと受光素子を配置し、通過する原稿の反射光量を検出することにより、原稿の紙種を検知する。給紙装置は、直前に搬送された同一紙種の原稿で、重送でない場合の紙厚のデータを用いて、そのデータに対して例えば±20%を基準範囲として、検知した原稿の紙厚がその基準範囲内であるかどうかで重送を検知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-137457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
媒体の重送が発生したか否かを判定する媒体搬送装置では、媒体の搬送を適切に制御することが望まれている。
【0006】
本発明の目的は、媒体の重送が発生したか否かを判定する媒体搬送装置において、媒体の搬送を適切に制御することが可能な媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る媒体搬送装置は、媒体を搬送する搬送部と、超音波を発信する超音波発信部、及び、超音波発信部と対向して配置され且つ受信した超音波に応じた超音波信号を生成する超音波受信部を含む超音波センサと、超音波信号に基づいて、媒体の重送が発生したか否かを判定する重送判定部と、搬送される媒体を撮像して読取画像を生成する撮像部と、撮像部の撮像位置に向けて光を照射する光源と、読取画像が高輝度領域を含んでいる場合に、媒体に写真が貼付されていると判定する写真判定部と、重送判定部による判定結果に基づいて、異常処理を実行する制御部と、を有し、制御部は、重送判定部により重送が発生したと判定された場合であっても、写真判定部により写真が貼付されていると判定された場合には、異常処理を実行しない。
【0008】
また、本発明の一側面に係る制御方法は、媒体を搬送する搬送部と、超音波を発信する超音波発信部、及び、超音波発信部と対向して配置され且つ受信した超音波に応じた超音波信号を生成する超音波受信部を含む超音波センサと、搬送される媒体を撮像して読取画像を生成する撮像部と、撮像部の撮像位置に向けて光を照射する光源と、を有する媒体搬送装置の制御方法であって、超音波信号に基づいて、媒体の重送が発生したか否かを判定し、読取画像が高輝度領域を含んでいる場合に、媒体に写真が貼付されていると判定し、媒体の重送が発生したか否かの判定結果に基づいて、異常処理を実行し、異常処理の実行において、重送が発生したと判定された場合であっても、写真が貼付されていると判定された場合には、異常処理を実行しない。
【0009】
また、本発明の一側面に係る制御プログラムは、媒体を搬送する搬送部と、超音波を発信する超音波発信部、及び、超音波発信部と対向して配置され且つ受信した超音波に応じた超音波信号を生成する超音波受信部を含む超音波センサと、搬送される媒体を撮像して読取画像を生成する撮像部と、撮像部の撮像位置に向けて光を照射する光源と、を有する媒体搬送装置の制御プログラムであって、超音波信号に基づいて、媒体の重送が発生したか否かを判定し、読取画像が高輝度領域を含んでいる場合に、媒体に写真が貼付されていると判定し、媒体の重送が発生したか否かの判定結果に基づいて、異常処理を実行することを媒体搬送装置に実行させ、異常処理の実行において、重送が発生したと判定された場合であっても、写真が貼付されていると判定された場合には、異常処理を実行しない。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムは、媒体の重送が発生したか否かを判定する媒体搬送装置において、媒体の搬送を適切に制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】媒体搬送装置100を示す斜視図である。
図2】媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
図3A】第1撮像装置119等について説明するための模式図である。
図3B】第1裏面用光源ユニット126aについて説明するための模式図である。
図4A】第2撮像装置122等について説明するための模式図である。
図4B】第2裏面用光源ユニット130aについて説明するための模式図である。
図5】超音波センサ115等の配置位置について説明するための模式図である。
図6】媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
図7】記憶装置150及び処理回路160の概略構成を示す図である。
図8】媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
図9】超音波信号の特性について説明するための模式図である。
図10】読取画像1000の一例を示す模式図である。
図11A】他の第1光源ユニット226について説明するための模式図である。
図11B】他の第2光源ユニット230について説明するための模式図である。
図12】他の実施形態に係る処理回路260の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一側面に係る媒体搬送装置について図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0013】
図1は、イメージスキャナとして構成された媒体搬送装置100を示す斜視図である。媒体搬送装置100は、原稿である媒体を搬送し、撮像する。媒体は、用紙、厚紙、カード又は履歴書等である。媒体搬送装置100は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。なお、搬送される媒体は、原稿でなく印刷対象物等でもよく、媒体搬送装置100はプリンタ等でもよい。
【0014】
媒体搬送装置100は、第1筐体101、第2筐体102、載置台103、排出台104、操作装置105及び表示装置106等を備える。
【0015】
第1筐体101は、媒体搬送装置100の上側に配置され、媒体つまり時、媒体搬送装置100内部の清掃時等に開閉可能なようにヒンジにより第2筐体102に係合している。
【0016】
載置台103は、搬送される媒体を載置可能に第2筐体102に係合している。載置台103は、第2筐体102の媒体供給側の側面に、略鉛直方向A1に移動可能に設けられる。載置台103は、媒体を搬送していないときは媒体が容易に載置されるように下端の位置に配置され、媒体を搬送するときは載置された媒体が給送されるように媒体搬送路と略同一の高さまで上昇する。排出台104は、排出口107から排出された媒体を保持可能に第1筐体101上に形成され、排出された媒体を載置する。
【0017】
操作装置105は、ボタン等の入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路を有し、利用者による入力操作を受け付け、利用者の入力操作に応じた操作信号を出力する。表示装置106は、液晶、有機EL(Electro-Luminescence)等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、画像データをディスプレイに表示する。
【0018】
図1において矢印A2は媒体搬送方向を示し、矢印A3は媒体排出方向を示し、矢印A4は媒体搬送方向及び媒体排出方向と直交する幅方向を示す。以下では、上流とは媒体搬送方向A2又は媒体排出方向A3の上流のことをいい、下流とは媒体搬送方向A2又は媒体排出方向A3の下流のことをいう。
【0019】
図2は、媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【0020】
媒体搬送装置100内部の搬送経路は、第1センサ111、ピックローラ112、給送ローラ113、ブレーキローラ114、超音波発信器115a、超音波受信器115b、第1~第8搬送ローラ116a~h、第1~第8従動ローラ117a~h、第2センサ118、第1裏面用撮像装置119a、第1表面用撮像装置119b、第1裏面用基準部材120a、第1表面用基準部材120b、第3センサ121、第2裏面用撮像装置122a、第2表面用撮像装置122b、第2裏面用基準部材123a及び第2表面用基準部材123b等を有している。
【0021】
なお、ピックローラ112、給送ローラ113、ブレーキローラ114、第1~第8搬送ローラ116a~h及び/又は第1~第8従動ローラ117a~hのそれぞれの数は一つに限定されず、複数でもよい。その場合、複数のピックローラ112、給送ローラ113、ブレーキローラ114、第1~第8搬送ローラ116a~h及び/又は第1~第8従動ローラ117a~hは、それぞれ幅方向A4に間隔を空けて並べて配置される。
【0022】
以下では、第1裏面用撮像装置119a及び第1表面用撮像装置119bをまとめて第1撮像装置119と称する場合がある。また、第2裏面用撮像装置122a及び第2表面用撮像装置122bをまとめて第2撮像装置122と称する場合がある。
【0023】
第1筐体101の、第2筐体102と対向する面は媒体の搬送路の第1ガイド101aを形成し、第2筐体102の、第1筐体101と対向する面は媒体の搬送路の第2ガイド102aを形成する。
【0024】
第1センサ111は、載置台103に、即ち給送ローラ113及びブレーキローラ114より上流側に配置され、載置台103における媒体の載置状態を検出する。第1センサ111は、媒体が接触している場合、又は、媒体が接触していない場合に所定の電流を流す接触検知センサにより、載置台103に媒体が載置されているか否かを判別する。第1センサ111は、載置台103に媒体が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する第1検出信号を生成して出力する。
【0025】
ピックローラ112は、第1筐体101に設けられ、媒体搬送路と略同一の高さまで上昇した載置台103に載置された媒体と接触して、その媒体を下流側に向けて給送する。給送ローラ113は、第1筐体101内に、ピックローラ112より下流側に設けられ、ピックローラ112により給送された媒体を、さらに下流側に向けて給送する。ブレーキローラ114は、第2筐体102内に、給送ローラ113と対向して配置される。給送ローラ113及びブレーキローラ114は、媒体の分離動作を行い、媒体を分離して一枚ずつ給送する。
【0026】
超音波発信器115a及び超音波受信器115bは、給送ローラ113及びブレーキローラ114より下流側且つ第1~第8搬送ローラ116a~h及び第1~第8従動ローラ117a~hより上流側に配置される。超音波発信器115a及び超音波受信器115bは、媒体の搬送路の近傍に、搬送路を挟んで対向して配置される。超音波発信器115aは、超音波を発信する。一方、超音波受信器115bは、超音波発信器115aにより発信され、媒体を通過した超音波を受信し、受信した超音波に応じた電気信号である超音波信号を生成して出力する。以下では、超音波発信器115a及び超音波受信器115bを総じて超音波センサ115と称する場合がある。
【0027】
第1~第8搬送ローラ116a~h及び第1~第8従動ローラ117a~hは、給送ローラ113及びブレーキローラ114より下流側に設けられ、給送ローラ113及びブレーキローラ114により給送された媒体を下流側に向けて搬送する。第8搬送ローラ116h及び第8従動ローラ117hは、搬送された媒体を排出台104に排出する。ピックローラ112、給送ローラ113、ブレーキローラ114、第1~第8搬送ローラ116a~h及び/又は第1~第8従動ローラ117a~hは、媒体を搬送する搬送部の一例である。
【0028】
第2センサ118は、第1搬送ローラ116a及び第1従動ローラ117aより下流側且つ撮像装置119より上流側に配置され、その位置に搬送された媒体を検出する。第2センサ118は、媒体搬送路に対して一方の側(第1筐体101)に設けられた発光器及び受光器と、媒体搬送路を挟んで発光器及び受光器と対向する位置(第2筐体102)に設けられたミラー等の反射部材とを含む。発光器は、LED(Light Emitting Diode)等であり、媒体搬送路に向けて光を照射する。一方、受光器は、発光器により照射され、反射部材により反射された光を受光する。第2センサ118と対向する位置に媒体が存在するときは、発光器から照射された光は媒体により遮られるため、受光器は発光器から照射された光を検出しない。受光器は、受光する光の強度に基づいて、第2センサ118の位置に媒体が存在する状態と存在しない状態とで信号値が変化する第2検出信号を生成して出力する。
【0029】
なお、発光器及び受光器は、媒体搬送路を挟んで対向して設けられてもよい。また、第2センサ118は、媒体が接触している場合、又は、媒体が接触していない場合に所定の電流を流す接触検知センサ等により、媒体の存在を検出してもよい。
【0030】
第3センサ121は、第3搬送ローラ116c及び第3従動ローラ117cより下流側且つ第2撮像装置122より上流側に配置され、その位置に搬送された媒体を検出する。第3センサ121は、第2センサ118と同様の構成を有し、第3センサ121の位置に媒体が存在する状態と存在しない状態とで信号値が変化する第3検出信号を生成して出力する。
【0031】
載置台103に載置された媒体は、ピックローラ112、給送ローラ113がそれぞれ媒体給送方向A5、A6に回転することによって、第1ガイド101aと第2ガイド102aの間を媒体搬送方向A2に向かって搬送される。一方、ブレーキローラ114が媒体給送方向の反対方向A7に回転することによって、載置台103に複数の媒体が載置されている場合、載置台103に載置されている媒体のうち給送ローラ113と接触している媒体のみが分離される。
【0032】
媒体は、第1ガイド101aと第2ガイド102aによりガイドされながら、第1搬送ローラ116aが矢印A8の方向に回転することによって、第1撮像装置119の撮像位置に送り込まれ、第1撮像装置119によって撮像される。さらに、媒体は、第2~第3搬送ローラ116b~cがそれぞれ矢印A9~10の方向に回転することによって、第2撮像装置122の撮像位置に送り込まれ、第2撮像装置122によって撮像される。その後、媒体は、第4~第8搬送ローラ116d~hがそれぞれ矢印A11~A15の方向に回転することによって排出口107から排出台104上に排出される。
【0033】
図3Aは、第1撮像装置119等について説明するための模式図である。
【0034】
図3Aに示すように、第1裏面用撮像装置119aは、第2筐体102内に、第1搬送ローラ116aより下流側且つ第2搬送ローラ116bより上流側に配置される。第1裏面用基準部材120aは、第1筐体101内に、第1裏面用撮像装置119aと対向して配置される。第1裏面用撮像装置119aは、第1裏面用光透過部材124a、第1裏面用撮像センサ125a及び第1裏面用光源ユニット126a等を有する。
【0035】
一方、第1表面用撮像装置119bは、第1筐体101内に、第1搬送ローラ116aより下流側且つ第2搬送ローラ116bより上流側に配置される。第1表面用基準部材120bは、第2筐体102内に、第1表面用撮像装置119bと対向して配置される。第1表面用撮像装置119bは、第1表面用光透過部材124b、第1表面用撮像センサ125b及び第1表面用光源ユニット126b等を有する。
【0036】
即ち、第1撮像装置119は、媒体搬送方向A2において超音波センサ115より下流側に設けられる。また、第1撮像装置119は、媒体搬送方向A2において第2撮像装置122より上流側に設けられる。
【0037】
第1裏面用光透過部材124a及び第1表面用光透過部材124bは、透明のガラスにより形成される。なお、第1裏面用光透過部材124a及び第1表面用光透過部材124bは、透明のプラスチック等により形成されてもよい。
【0038】
第1裏面用撮像センサ125aは、第1裏面用光透過部材124aを挟んで第1裏面用基準部材120aと対向するように設けられる。第1裏面用撮像センサ125aは、主走査方向に直線状に配列されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を有する等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)によるラインセンサである。また、第1裏面用撮像センサ125aは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第1裏面用撮像センサ125aは、撮像位置L1において、搬送部によって搬送された媒体の裏面を撮像してアナログの画像信号を生成して出力し、A/D変換器は、このアナログの画像信号をA/D変換してデジタルの読取画像を生成して出力する。
【0039】
同様に、第1表面用撮像センサ125bは、第1表面用光透過部材124bを挟んで第1表面用基準部材120bと対向するように設けられる。第1表面用撮像センサ125bは、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサである。また、第1表面用撮像センサ125bは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、A/D変換するA/D変換器とを有する。第1表面用撮像センサ125bは、撮像位置L2において、搬送部によって搬送された媒体の表面を撮像してアナログの画像信号を生成して出力し、A/D変換器は、このアナログの画像信号をA/D変換してデジタルの読取画像を生成して出力する。
【0040】
第1裏面用撮像センサ125a及び第1表面用撮像センサ125bは、撮像部の一例である。なお、CMOSによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサの代わりに、CCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサが利用されてもよい。また、CMOS又はCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。
【0041】
第1裏面用光源ユニット126aは、第1裏面用光透過部材124aを挟んで第1裏面用基準部材120aと対向するように設けられる。
【0042】
図3Bは、第1裏面用光源ユニット126aの構造について説明するための模式図である。
【0043】
図3Bに示すように、第1裏面用光源ユニット126aは、LED基板127aを有する。LED基板127aは、幅方向A4に延伸するように設けられる。LED基板127a上には、幅方向A4において、複数のLED127bが間隔をあけて複数並べて配置される。各LED127bは、光源の一例であり、第1裏面用撮像センサ125aの撮像位置L1に向けて光を照射する。各LED127bと第1裏面用撮像センサ125aの撮像位置L1の間には、拡散フィルタ等が設けられておらず、各LED127bにより第1裏面用撮像センサ125aの撮像位置L1に照射される光は、直接光である。
【0044】
図3Aに戻って、第1表面用光源ユニット126bは、第1表面用光透過部材124bを挟んで第1表面用基準部材120bと対向するように設けられる。第1表面用光源ユニット126bは、第1裏面用光源ユニット126aと同様の構造を有する。第1表面用光源ユニット126bは、幅方向A4に延伸するLED基板を有し、そのLED基板上には、幅方向A4において複数のLEDが間隔をあけて複数並べて配置される。各LEDは、光源の一例であり、第1表面用撮像センサ125bの撮像位置L2に向けて光を照射する。各LEDと第1表面用撮像センサ125bの撮像位置L2の間には、拡散フィルタ等が設けられておらず、各LEDにより第1表面用撮像センサ125bの撮像位置L2に照射される光は、直接光である。
【0045】
第1裏面用基準部材120aは、第1裏面用撮像センサ125a及び第1裏面用光源ユニット126aと対向する位置に設けられる。第1裏面用基準部材120aの第1裏面用撮像センサ125aと対向する面は白色を有している。同様に、第1表面用基準部材120bは、第1表面用撮像センサ125b及び第1表面用光源ユニット126bと対向する位置に設けられる。第1表面用基準部材120bの第1表面用撮像センサ125bと対向する面は白色を有している。媒体搬送装置100は、第1裏面用基準部材120a及び第1表面用基準部材120bを撮像した画像信号に基づいてシェーディング等の画像の補正を行うことができる。
【0046】
なお、第1裏面用撮像装置119a及び第1裏面用基準部材120aのセット、又は、第1表面用撮像装置119b及び第1表面用基準部材120bのセットの内の一方だけが配置され、媒体の片面だけが読み取られてもよい。以下では、第1裏面用撮像センサ125a及び第1表面用撮像センサ125bをまとめて第1撮像センサ125と称する場合がある。また、第1裏面用光源ユニット126a及び第1表面用光源ユニット126bをまとめて第1光源ユニット126と称する場合がある。
【0047】
図4Aは、第2撮像装置122等について説明するための模式図である。
【0048】
図4Aに示すように、第2裏面用撮像装置122aは、第2筐体102内に、第3搬送ローラ116cより下流側且つ第4搬送ローラ116dより上流側に配置される。第2裏面用基準部材123aは、第1筐体101内に、第2裏面用撮像装置122aと対向して配置される。第2裏面用撮像装置122aは、第2裏面用光透過部材128a、第2裏面用撮像センサ129a及び第2裏面用光源ユニット130a等を有する。
【0049】
一方、第2表面用撮像装置122bは、第1筐体101内に、第3搬送ローラ116cより下流側且つ第4搬送ローラ116dより上流側に配置される。第2表面用基準部材123bは、第2筐体102内に、第2表面用撮像装置122bと対向して配置される。第2表面用撮像装置122bは、第2表面用光透過部材128b、第2表面用撮像センサ129b及び第2表面用光源ユニット130b等を有する。
【0050】
第2裏面用光透過部材128a及び第2表面用光透過部材128bは、透明のガラスにより形成される。なお、第2裏面用光透過部材128a及び第2表面用光透過部材128bは、透明のプラスチック等により形成されてもよい。
【0051】
第2裏面用撮像センサ129aは、第2裏面用光透過部材128aを挟んで第2裏面用基準部材123aと対向するように設けられる。第2裏面用撮像センサ129aは、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサである。また、第2裏面用撮像センサ129aは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、A/D変換するA/D変換器とを有する。第2裏面用撮像センサ129aは、撮像位置L3において、搬送部によって搬送された媒体の裏面を撮像してアナログの画像信号を生成して出力し、A/D変換器は、このアナログの画像信号をA/D変換してデジタルの入力画像を生成して出力する。
【0052】
同様に、第2表面用撮像センサ129bは、第2表面用光透過部材128bを挟んで第2表面用基準部材123bと対向するように設けられる。第2表面用撮像センサ129bは、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサである。また、第2表面用撮像センサ129bは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、A/D変換するA/D変換器とを有する。第2表面用撮像センサ129bは、撮像位置L4において、搬送部によって搬送された媒体の表面を撮像してアナログの画像信号を生成して出力し、A/D変換器は、このアナログの画像信号をA/D変換してデジタルの入力画像を生成して出力する。
【0053】
第2裏面用撮像センサ129a及び第2表面用撮像センサ129bは、第2撮像部の一例である。なお、CMOSによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサの代わりに、CCDによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサが利用されてもよい。また、CMOS又はCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。
【0054】
第2裏面用光源ユニット130aは、第2裏面用光透過部材128aを挟んで第2裏面用基準部材123aと対向するように設けられる。
【0055】
図4Bは、第2裏面用光源ユニット130aの構造について説明するための模式図である。
【0056】
図4Bに示すように、第2裏面用光源ユニット130aは、LED基板131a及びLEDケース131cを有する。LED基板131aは、幅方向A4に延伸するように設けられる。LED基板131a上には、幅方向A4において、複数のLED131bが間隔をあけて複数並べて配置される。各LED131bは、第2光源の一例であり、第2裏面用撮像センサ129aの撮像位置L3に向けて光を照射する。LEDケース131cは、半透明のプラスチックにより形成され、幅方向A4に延伸し且つLED基板131aを覆うように設けられる。なお、LEDケース131cは、半透明のガラス等により形成されてもよい。LEDケース131cにおいて各LED131bと対向する面131dには、各LED131bから照射された光を拡散するための拡散フィルタ(ディフューザー)が形成されている。これにより、各LED131bにより第2裏面用撮像センサ129aの撮像位置L3に照射される光は、拡散光となる。
【0057】
図4Aに戻って、第2表面用光源ユニット130bは、第2表面用光透過部材128bを挟んで第2表面用基準部材123bと対向するように設けられる。第2表面用光源ユニット130bは、第2裏面用光源ユニット130aと同様の構造を有する。第2表面用光源ユニット130bは、幅方向A4に延伸するLED基板及びLEDケースを有する。そのLED基板上には、幅方向A4において複数のLEDが間隔をあけて複数並べて配置される。各LEDは、第2光源の一例であり、第2表面用撮像センサ129bの撮像位置L4に向けて光を照射する。LEDケースは、透明のプラスチック又はガラス等により形成され、幅方向A4に延伸し且つLED基板を覆うように設けられる。LEDケースにおいて各LEDと対向する面には、各LEDから照射された光を拡散するための拡散フィルタが形成されている。これにより、各LEDにより第2表面用撮像センサ129bの撮像位置L4に照射される光は、拡散光となる。第2裏面用光源ユニット130a及び第2表面用光源ユニット130bがそれぞれ有するLEDの数は、複数でなく一つでもよい。
【0058】
第2裏面用基準部材123aは、第2裏面用撮像センサ129a及び第2裏面用光源ユニット130aと対向する位置に設けられる。第2裏面用基準部材123aの第2裏面用撮像センサ129aと対向する面は白色を有している。同様に、第2表面用基準部材123bは、第2表面用撮像センサ129b及び第2表面用光源ユニット130bと対向する位置に設けられる。第2表面用基準部材123bの第2表面用撮像センサ129bと対向する面は白色を有している。媒体搬送装置100は、第2裏面用基準部材123a及び第2表面用基準部材123bを撮像した画像信号に基づいてシェーディング等の画像の補正を行うことができる。
【0059】
なお、第2裏面用撮像装置122a及び第2裏面用基準部材123aのセット、又は、第2表面用撮像装置122b及び第2表面用基準部材123bのセットの内の一方だけが配置され、媒体の片面だけが読み取られてもよい。以下では、第2裏面用撮像センサ129a及び第2表面用撮像センサ129bをまとめて第2撮像センサ129と称する場合がある。また、第2裏面用光源ユニット130a及び第2表面用光源ユニット130bをまとめて第2光源ユニット130と称する場合がある。
【0060】
上記したように、媒体搬送装置100は、媒体に写真が貼付されているか否かを判定するための第1光源ユニット126とは別に、外部に出力する画像を生成するための第2光源ユニット130を有する。これにより、媒体搬送装置100は、媒体に照射する光の種類を用途に応じて異ならせることができ、外部に出力する画像を良好に生成しつつ、媒体に写真が貼付されているか否かを精度良く判定することができる。
【0061】
図5は、超音波センサ115及び第1光源ユニット126の配置位置について説明するための模式図である。図5は、第2筐体102を取り外した状態で第1筐体101のブレーキローラ114から第2従動ローラ117bまでの範囲を上方から見た模式図である。
【0062】
図5に示すように、超音波センサ115(超音波発信器115a及び超音波受信器115bのセット)は、媒体搬送方向と直交する幅方向A4において間隔を空けて複数並べて配置される。また、第1裏面用光源ユニット126aのLED127bは、相互に近接するように配置された複数のLED群132a~eに分類される。各LED群132a~eは、幅方向A4において、複数の超音波センサ115のそれぞれと重複するように配置される。即ち、第1裏面用光源ユニット126aのLED127bは、媒体搬送方向と直交する幅方向A4において複数の超音波センサ115のそれぞれに対応する位置に複数配置される。同様に、第1表面用光源ユニット126bのLEDも、媒体搬送方向と直交する幅方向A4において複数の超音波センサ115のそれぞれに対応する位置に複数配置される。
【0063】
なお、超音波センサ115の数は、5つに限定されず、4つ以下又は6つ以上でもよい。同様に、第1裏面用光源ユニット126a及び/又は第1表面用光源ユニット126bのLED群の数も、5つに限定されず、4つ以下又は6つ以上でもよい。
【0064】
図6は、媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0065】
媒体搬送装置100は、前述した構成に加えて、モータ141、インタフェース装置142、記憶装置150及び処理回路160等をさらに有する。
【0066】
モータ141は、1つ又は複数のモータを含む。モータ141は、処理回路160からの制御信号によって、ピックローラ112、給送ローラ113、ブレーキローラ114、第1~第8搬送ローラ116a~hを回転させて媒体を搬送させる。なお、第1~第8従動ローラ117a~hは、各搬送ローラの回転に従って従動回転するのでなく、モータ141の駆動力によって回転するように設けられてもよい。
【0067】
インタフェース装置142は、例えばUSB等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、不図示の情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等)と電気的に接続して読取画像及び各種の情報を送受信する。また、インタフェース装置142の代わりに、無線信号を送受信するアンテナと、所定の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有する通信部が用いられてもよい。所定の通信プロトコルは、例えば無線LAN(Local Area Network)である。
【0068】
記憶装置150は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶装置150には、媒体搬送装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶装置150にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(compact disc read only memory)、DVD-ROM(digital versatile disc read only memory)等である。
【0069】
処理回路160は、予め記憶装置150に記憶されているプログラムに基づいて動作する。処理回路160は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。処理回路160として、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等が用いられてもよい。
【0070】
処理回路160は、操作装置105、表示装置106、第1センサ111、超音波センサ115、第2センサ118、第3センサ121、第1撮像センサ125、第1光源ユニット126、第2撮像センサ129、第2光源ユニット130、モータ141、インタフェース装置142及び記憶装置150等と接続される。処理回路160は、これらの各部を制御する。処理回路160は、超音波センサ115からの超音波信号に基づいて媒体の重送が発生したか否かを判定し、第1撮像センサ125からの読取画像に基づいて媒体に写真が貼付されているか否かを判定する。処理回路160は、重送の判定結果と写真の判定結果とに基づいて、異常処理を実行する。
【0071】
図7は、記憶装置150及び処理回路160の概略構成を示す図である。
【0072】
図7に示すように、記憶装置150には、制御プログラム151、重送判定プログラム152、写真判定プログラム153及び出力制御プログラム154等の各プログラムが記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。処理回路160は、記憶装置150に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作することにより、制御部161、重送判定部162、写真判定部163及び出力制御部164として機能する。
【0073】
図8は、媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0074】
以下、図8に示したフローチャートを参照しつつ、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置150に記憶されているプログラムに基づき主に処理回路160により媒体搬送装置100の各要素と協働して実行される。
【0075】
最初に、制御部161は、利用者により操作装置105を用いて媒体の読み取りの指示が入力されて、媒体の読み取りを指示する操作信号を操作装置105から受信するまで待機する(ステップS101)。
【0076】
次に、制御部161は、第1センサ111から第1検出信号を取得し、取得した第1検出信号に基づいて、載置台103に媒体が載置されているか否かを判定する(ステップS102)。載置台103に媒体が載置されていない場合、制御部161は、処理をステップS101へ戻し、操作装置105から新たに操作信号を受信するまで待機する。
【0077】
一方、載置台103に媒体が載置されている場合、制御部161は、モータ141を駆動する(ステップS103)。制御部161は、搬送部を回転させて、載置台103に載置された媒体を搬送部に給送及び搬送させる。
【0078】
また、出力制御部164は、第2撮像センサ129に撮像を開始させる。なお、出力制御部164は、媒体の先端が第2撮像センサ129の各撮像位置L3、L4に到達する直前に、第2撮像センサ129に撮像を開始させてもよい。その場合、出力制御部164は、第3センサ121から第3検出信号を定期的に受信し、第3検出信号の信号値が、媒体が存在しないことを示す値から存在しないことを示す値に変化した時に、第2撮像センサ129に撮像を開始させる。
【0079】
次に、重送判定部162は、超音波センサ115から超音波信号を取得する(ステップS104)。重送判定部162は、複数の超音波センサ115のそれぞれから超音波信号を取得する。
【0080】
次に、重送判定部162は、媒体の重送が発生したか否かを判定する(ステップS105)。重送判定部162は、取得した超音波信号に基づいて、媒体の重送が発生したか否かを判定する。重送判定部162は、各超音波センサ115から取得した各超音波信号の信号値が重送閾値未満であるか否かを判定する。重送判定部162は、何れかの超音波信号の信号値が重送閾値未満である場合、媒体の重送が発生したと判定し、全ての超音波信号の信号値が重送閾値未満でない場合、媒体の重送が発生していないと判定する。
【0081】
図9は、超音波信号の特性について説明するための模式図である。
【0082】
図9のグラフ900において、実線901は媒体として一枚の用紙が搬送されている場合の超音波信号の特性を示し、点線902は用紙の重送が発生している場合の超音波信号の特性を示す。グラフ900の横軸は時間を示し、縦軸は超音波信号の信号値を示す。重送が発生していることにより、区間903において点線902の超音波信号の信号値が低下している。重送閾値は、一枚の用紙が搬送されているときの超音波信号の信号値S1と、用紙の重送が発生しているときの超音波信号の信号値S2との間の値に設定される。
【0083】
重送判定部162は、媒体の重送が発生していないと判定した場合、処理をステップS112へ移行する。
【0084】
一方、重送判定部162により媒体の重送が発生したと判定された場合、写真判定部163は、LEDから光を照射させるように第1光源ユニット126を制御するとともに、第1撮像センサ125に撮像を開始させる(ステップS106)。写真判定部163は、第1光源ユニット126に含まれるLEDの内、重送が検出された超音波センサ115に対応するLED、即ち信号値が重送閾値未満であった超音波信号を出力した超音波センサ115に対応するLEDに光を照射させる。
【0085】
即ち、重送判定部162により重送が発生したと判定された場合に限り、第1光源ユニット126に含まれるLEDは光を照射し、第1撮像センサ125は媒体を撮像する。これにより、媒体搬送装置100は、媒体読取処理における消費電力を低減させ、且つ、媒体読取処理の処理負荷を軽減させることができる。特に、第1光源ユニット126に含まれる複数のLEDのそれぞれは、重送判定部162により、対応する超音波センサ115が生成した超音波信号に基づいて媒体の重送が発生したと判定された場合に限り、光を照射する。これにより、媒体搬送装置100は、媒体読取処理における消費電力をより低減させることができる。
【0086】
なお、LEDに光の照射を開始させ、第1撮像センサ125に撮像を開始させるタイミングは、重送が発生したタイミングに限定されず、媒体内で重送が検出された位置が第1撮像センサ125の各撮像位置L1、L2に到達する前の任意のタイミングでよい。例えば、写真判定部163は、重送判定部162により重送が発生したと判定されてから第1時間が経過した時に、LEDに光の照射を開始させ、第1撮像センサ125に撮像を開始させる。第1時間は、超音波センサ115の位置から第1撮像センサ125の各撮像位置L1、L2までの距離を、モータ141による媒体の搬送速度で除算した除算値からマージンを減算した値に設定される。マージンは、第1撮像センサ125により生成される読取画像内に、重送が検出された位置が確実に含まれる値に設定される。
【0087】
次に、写真判定部163は、第1撮像センサ125から読取画像を取得し、LEDによる光の照射を停止させるように第1光源ユニット126を制御する(ステップS107)。写真判定部163は、媒体内で重送が検出された位置が第1撮像センサ125の各撮像位置L1、L2を通過した後に、読取画像を取得する。写真判定部163は、重送判定部162により重送が発生したと判定されてから第2時間が経過した時に、第1撮像センサ125から読取画像を取得し、LEDによる光の照射を停止させる。第2時間は、超音波センサ115の位置から第1撮像センサ125の各撮像位置L1、L2までの距離を、モータ141による媒体の搬送速度で除算した除算値にマージンを加算した値に設定される。マージンは、第1撮像センサ125により生成される読取画像内に、重送が検出された位置が確実に含まれる値に設定される。
【0088】
写真判定部163は、媒体内で重送が検出された位置が撮像位置L1を通過した後に、第1裏面用撮像センサ125aから媒体の裏面が撮像された読取画像を取得する。また、写真判定部163は、媒体内で重送が検出された位置が撮像位置L2を通過した後に、第1表面用撮像センサ125bから媒体の表面が撮像された読取画像を取得する。
【0089】
次に、写真判定部163は、取得した各読取画像が高輝度領域を含んでいるか否かを判定する(ステップS108)。高輝度領域は、テカリが発生している領域であり、例えば白色の階調値が高く且つ黒色の階調値が低いように定められた画像において、階調値(輝度値又は色値)が所定値以上である画素が所定数以上連結した領域である。テカリとは、第1光源ユニット126に含まれるLEDにより照射された光により、画像内の所定領域の画素の輝度値が一定の値に飽和(白飛び)している領域を意味する。所定値は、白飛びしているとみなすことができる値(例えば240)に設定される。所定数は、白飛びしているとみなすことができる値(例えば50万画素又は100万画素)に設定される。
【0090】
写真判定部163は、読取画像内で相互に隣接する、階調値が所定値以上である画素で囲まれる領域をラベリングによりグループ化する。写真判定部163は、グループ化した領域の内の何れかの領域の面積(画素数)が所定数以上である場合、読取画像が高輝度領域を含んでいると判定し、何れの領域の面積も所定数未満である場合、読取画像が高輝度領域を含んでいないと判定する。
【0091】
なお、写真判定部163は、画像が入力された場合に、入力された画像に直接光で照射された写真が含まれる確率を出力するように事前学習された識別器により、読取画像に高輝度領域が含まれるか否かを判定してもよい。この識別器は、例えばディープラーニング等により、直接光で照射された写真が含まれる画像と直接光で照射された写真が含まれない画像とを用いて事前学習され、予め記憶装置150に記憶される。写真判定部163は、読取画像を識別器に入力し、識別器から出力された確率が所定閾値以上であるか否かにより、読取画像に高輝度領域が含まれるか否かを判定する。
【0092】
また、写真判定部163は、読取画像から、幅方向A4において、ステップS106で光を照射させたLEDに対応する部分領域を切り出し、切り出した部分領域についてのみ、高輝度領域を含んでいるか否かを判定してもよい。これにより、写真判定部163は、読取画像が高輝度領域を含んでいるか否かを精度良く判定しつつ、媒体読取処理の処理負荷を低減させることができる。
【0093】
各読取画像が高輝度領域を含んでいない場合、写真判定部163は、媒体に写真が貼付されていないと判定する(ステップS109)。
【0094】
次に、制御部161は、異常処理を実行し(ステップS110)、一連のステップを終了する。制御部161は、異常処理として、モータ141を停止して、搬送部による媒体の給送及び搬送を停止する。なお、制御部161は、異常処理として、媒体の給送及び搬送を停止した後、不図示のスピーカ、LED等により、媒体の重送が発生したことを利用者に通知してもよい。このように、制御部161は、重送判定部162による媒体の重送が発生したか否かの判定結果に基づいて、異常処理を実行する。
【0095】
一方、何れかの読取画像が高輝度領域を含んでいる場合、写真判定部163は、媒体に写真が貼付されていると判定する(ステップS111)。この場合、制御部161は、異常処理を実行しない。即ち、制御部161は、重送判定部162により重送が発生したと判定された場合であっても、写真判定部163により写真が貼付されていると判定された場合には、異常処理を実行しない。
【0096】
図10は、読取画像1000の一例を示す模式図である。
【0097】
図10に示す読取画像1000は、写真及び文字を含む履歴書が撮像された画像である。読取画像1000には、写真が撮像された写真領域1001及び文字が撮像された文字領域1002が含まれている。この履歴書内の写真部分では重送判定部162により重送が発生したと判定され、第1光源ユニット126のLEDから写真部分に向けて直接光が照射される。写真は光沢を有するため、LEDから照射された直接光は写真で強く反射し、読取画像1000内の写真領域1001には高輝度領域(テカリ)1003が発生している。履歴書に写真が含まれる場合、履歴書の用紙と写真が重なって搬送されるが、写真は用紙に貼り付けられており、媒体の給送及び搬送を停止させる必要はない。媒体搬送装置100は、重送が発生した場合でも、媒体に写真が貼付されている場合には媒体の給送及び搬送を停止させない。これにより、利用者は、媒体を載置台103に再載置して再搬送させる必要がなくなり、媒体搬送装置100は、利用者の利便性を向上させるとともに、媒体読取処理に要するトータル時間を低減させることが可能となる。
【0098】
一方、用紙は光沢を有さないため、LEDから照射された直接光は用紙では強く反射せず、写真領域1001以外の領域では高輝度領域(テカリ)が発生しない。したがって、媒体搬送装置100は、複数の用紙が重なって搬送されたことにより重送が発生している場合には、媒体の給送及び搬送を適切に停止させることができる。
【0099】
次に、出力制御部164は、媒体の後端が第2撮像センサ129の各撮像位置L3、L4を通過したか否かを判定する(ステップS112)。出力制御部164は、第3センサ121から第3検出信号を定期的に受信し、第3検出信号の信号値が、媒体が存在することを示す値から存在しないことを示す値に変化した場合、媒体の後端が第3センサ121の位置を通過したと判定する。出力制御部164は、媒体の後端が第3センサ121の位置を通過してから所定時間が経過した場合に、媒体の後端が各撮像位置L3、L4を通過したと判定する。所定時間は、第3センサ121の位置から第2撮像センサ129の各撮像位置L3、L4までの距離を、モータ141による媒体の搬送速度で除算した除算値にマージンを加算した値に設定される。
【0100】
媒体の後端が各撮像位置L3、L4を通過した場合、出力制御部164は、第2撮像センサ129に撮像を終了させて、第2撮像センサ129から入力画像を取得する。出力制御部164は、取得した入力画像を、インタフェース装置142を介して不図示の情報処理装置へ送信することにより出力する(ステップS113)。出力制御部164は、媒体の後端が撮像位置L3を通過したときに、第2裏面用撮像センサ129aから媒体の裏面が撮像された入力画像を取得する。また、出力制御部164は、媒体の後端が撮像位置L4を通過したときに、第2表面用撮像センサ129bから媒体の表面が撮像された入力画像を取得する。
【0101】
次に、制御部161は、第1センサ111から受信する第1検出信号に基づいて、載置台103に媒体が残っているか否かを判定する(ステップS114)。載置台103に媒体が残っている場合、制御部161は、ステップS104へ処理を戻し、ステップS104~S114の処理を繰り返す。
【0102】
一方、載置台103に媒体が残っていない場合、制御部161は、搬送部の回転を停止させるようにモータ141を制御し(ステップS115)、一連のステップを終了する。
【0103】
なお、ステップS106において、写真判定部163は、重送が検出された超音波センサ115に対応するLEDに加えて又は代えて、重送が検出された超音波センサ115に対応しないLEDに光を照射させてもよい。その場合、第1裏面用光源ユニット126a及び第1表面用光源ユニット126bがそれぞれ有するLEDは、幅方向A4において超音波センサ115に対応する位置に配置されていなくてもよい。また、媒体搬送装置100が有する超音波センサ115の数は、複数でなく一つでもよい。同様に、第1裏面用光源ユニット126a及び第1表面用光源ユニット126bがそれぞれ有するLEDの数は、複数でなく一つでもよい。
【0104】
また、写真判定部163は、ステップS106の処理をステップS105の処理の前に実行し、重送が発生したと判定されたか否かに関わらず、LEDに光を照射させてもよい。その場合、写真判定部163は、第2センサ118から第2検出信号を定期的に受信し、第2検出信号の信号値が、媒体が存在しないことを示す値から存在しないことを示す値に変化した時に、LEDに光を照射させる。さらに、写真判定部163は、そのタイミングで第1撮像センサ125に撮像を開始させてもよい。
【0105】
以上詳述したように、媒体搬送装置100は、超音波センサ115を用いて重送が発生したと判定した場合であっても、媒体に向けて光を照射しながら撮像した読取画像に高輝度領域が含まれる場合は、媒体に写真が貼付されているとみなして異常処理を実行しない。これにより、媒体搬送装置100は、媒体の重送が発生したか否かを判定しつつ、媒体の搬送を適切に制御することが可能となった。
【0106】
また、利用者は、写真等が貼付された媒体を他の媒体と分別して媒体を搬送させる必要がなくなり、媒体搬送装置100は、利用者の利便性を向上させることが可能となった。
【0107】
図11Aは、他の実施形態に係る媒体搬送装置の第1裏面用光源ユニット226a及び第1表面用光源ユニット226bについて説明するための模式図である。
【0108】
以下では、第1裏面用光源ユニット226a及び第1表面用光源ユニット226bをまとめて第1光源ユニット226と称する場合がある。第1光源ユニット226は、媒体搬送装置100の第1光源ユニット126と同様の構造を有し、第1光源ユニット126の代わりに使用される。
【0109】
第1裏面用光源ユニット226aが使用される場合、第1裏面用光透過部材124aを挟んで第1裏面用基準部材120aと対向するように、第1裏面用反射部材233aが設けられる。第1裏面用反射部材233aは、入射した光を正反射させるミラー等である。第1裏面用光源ユニット226aが有する各LEDは、第1裏面用反射部材233aに向けて直接光を照射する。第1裏面用光源ユニット226aが有する各LEDから照射された光は、第1裏面用反射部材233aで正反射し、第1裏面用撮像センサ125aの撮像位置L1を照射する。即ち、各LEDにより第1裏面用撮像センサ125aの撮像位置L1に照射される光は、正反射光である。
【0110】
同様に、第1表面用光源ユニット226bが使用される場合、第1表面用光透過部材124bを挟んで第1表面用基準部材120bと対向するように、第1表面用反射部材233bが設けられる。第1表面用反射部材233bは、入射した光を正反射させるミラー等である。第1表面用光源ユニット226bが有する各LEDは、第1表面用反射部材233bに向けて直接光を照射する。第1表面用光源ユニット226bが有する各LEDから照射された光は、第1表面用反射部材233bで正反射し、第1表面用撮像センサ125bの撮像位置L2を照射する。即ち、各LEDにより第1表面用撮像センサ125bの撮像位置L2に照射される光は、正反射光である。
【0111】
以上詳述したように、媒体搬送装置100は、第1光源ユニット226を使用する場合も、媒体の搬送を適切に制御することが可能となった。
【0112】
図11Bは、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置の第2裏面用光源ユニット230a及び第2表面用光源ユニット230bについて説明するための模式図である。
【0113】
以下では、第2裏面用光源ユニット230a及び第2表面用光源ユニット230bをまとめて第2光源ユニット230と称する場合がある。第2光源ユニット230は、媒体搬送装置100の第2光源ユニット130と同様の構造を有し、第2光源ユニット230の代わりに使用される。但し、第2光源ユニット230は、LEDケースを有さず、第2光源ユニット230が有する各LED131bから照射される光は、拡散フィルタによって拡散されない。
【0114】
第2裏面用光源ユニット230aが使用される場合、第2裏面用光透過部材128aを挟んで第2裏面用基準部材123aと対向するように、第2裏面用反射部材234aが設けられる。第2裏面用反射部材234aは、入射した光を拡散反射させるミラー等である。第2裏面用光源ユニット230aが有する各LEDは、第2裏面用反射部材234aに向けて直接光を照射する。第2裏面用光源ユニット230aが有する各LEDから照射された光は、第2裏面用反射部材234aで拡散反射し、第2裏面用撮像センサ129aの撮像位置L3を照射する。即ち、各LEDにより第2裏面用撮像センサ129aの撮像位置L3に照射される光は、拡散光である。
【0115】
同様に、第2表面用光源ユニット230bが使用される場合、第2表面用光透過部材128bを挟んで第2表面用基準部材123bと対向するように、第2表面用反射部材234bが設けられる。第2表面用反射部材234bは、入射した光を拡散反射させるミラー等である。第2表面用光源ユニット230bが有する各LEDは、第2表面用反射部材234bに向けて直接光を照射する。第2表面用光源ユニット230bが有する各LEDから照射された光は、第2表面用反射部材234bで拡散反射し、第2表面用撮像センサ129bの撮像位置L4を照射する。即ち、各LEDにより第2表面用撮像センサ129bの撮像位置L4に照射される光は、拡散光である。
【0116】
以上詳述したように、媒体搬送装置100は、第2光源ユニット230を使用する場合も、媒体の搬送を適切に制御することが可能となった。
【0117】
図12は、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置の処理回路260の概略構成を示す図である。
【0118】
処理回路260は、媒体搬送装置100の処理回路160の代わりに使用され、処理回路160の代わりに、媒体読取処理等を実行する。処理回路260は、制御回路261、重送判定回路262、写真判定回路263及び出力制御回路264等を有する。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
【0119】
制御回路261は、制御部の一例であり、制御部161と同様の機能を有する。制御回路261は、操作装置105から操作信号を、第1センサ111から第1検出信号を受信し、受信した各情報に基づいて、搬送部による媒体の搬送を制御するように、モータ141を制御する。また、制御回路261は、記憶装置150から重送の判定結果と写真添付の判定結果とを読み出し、読み出した判定結果に基づいて異常処理を実行する。
【0120】
重送判定回路262は、重送判定部の一例であり、重送判定部162と同様の機能を有する。重送判定回路262は、超音波センサ115から超音波信号を受信し、受信した超音波信号に基づいて、媒体の重送が発生したか否かを判定し、判定結果を記憶装置150に記憶する。
【0121】
写真判定回路263は、写真判定部の一例であり、写真判定部163と同様の機能を有する。写真判定回路263は、第1光源ユニット126による光の照射を制御するとともに、第1撮像センサ125から読取画像を取得し、取得した読取画像に基づいて媒体に写真が貼付されているか否かを判定し、判定結果を記憶装置150に記憶する。
【0122】
出力制御回路264は、出力制御部の一例であり、出力制御部164と同様の機能を有する。出力制御回路264は、第2光源ユニット130による光の照射を制御するとともに、第2撮像センサ129から入力画像を取得し、インタフェース装置142に出力する。
【0123】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、処理回路260によって媒体読取処理を実行する場合も、媒体の搬送を適切に制御することが可能となった。
【符号の説明】
【0124】
100 媒体搬送装置
112 ピックローラ
113 給送ローラ
114 ブレーキローラ
115 超音波センサ
116a~h 第1~第8搬送ローラ
117a~h 第1~第8従動ローラ
125 第1撮像センサ
126 第1光源ユニット
127b LED
129 第2撮像センサ
130 第2光源ユニット
131b LED
161 制御部
162 重送判定部
163 写真判定部
164 出力制御部
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12