(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】消毒液スタンド
(51)【国際特許分類】
A61L 2/18 20060101AFI20240621BHJP
【FI】
A61L2/18
(21)【出願番号】P 2020148623
(22)【出願日】2020-09-04
【審査請求日】2023-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136331
【氏名又は名称】小林 陽一
(72)【発明者】
【氏名】古西 史明
(72)【発明者】
【氏名】羽岡 聖子
【審査官】松原 宜史
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-182859(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0222554(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第111449634(CN,A)
【文献】韓国登録特許第10-1751677(KR,B1)
【文献】登録実用新案第3140599(JP,U)
【文献】特表2010-520012(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0084486(US,A1)
【文献】特開2011-110252(JP,A)
【文献】特開2012-090721(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と起立部とを備え、本体部は、
前面部の上部が下方に向かうにつれて前方に張り出すように傾斜し
た上向き傾斜面となっており、上向き傾斜面に開口部が設けてあり、開口部の下縁より奥側に向けて消毒液容器を置く台が設けてあると共に、
前面部の中間部及び下部が下方に向かうにつれて後方にへこむように傾斜し
た下向き傾斜面となっており、起立部は、本体部上に立設して配置されるものであり、体温を測定するセンサーと、測定した体温を表示するモニターが前方に向けて設けてあることを特徴とする消毒液スタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手の消毒のための消毒液スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
不特定多数の人が出入りする施設、例えばスーパーマーケット等の商業施設、病院等の公共施設等に出入りする際には、食中毒や感染症の予防のために手を消毒することが推奨されており、使い勝手に優れる消毒液スタンドが求められた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、使い勝手に優れる消毒液スタンドの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による消毒液スタンドは、本体部と起立部とを備え、本体部は、前面部の上部が下方に向かうにつれて前方に張り出すように傾斜した上向き傾斜面となっており、上向き傾斜面に開口部が設けてあり、開口部の下縁より奥側に向けて消毒液容器を置く台が設けてあると共に、前面部の中間部及び下部が下方に向かうにつれて後方にへこむように傾斜した下向き傾斜面となっており、起立部は、本体部上に立設して配置されるものであり、体温を測定するセンサーと、測定した体温を表示するモニターが前方に向けて設けてあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
請求項1記載の発明による消毒液スタンドは、本体部と起立部とを備え、本体部は、前面部の上部が下方に向かうにつれて前方に張り出すように傾斜した上向き傾斜面となっており、上向き傾斜面に開口部が設けてあり、開口部の下縁より奥側に向けて消毒液容器を置く台が設けてあることで、正面及び上方からは消毒液容器がよく見えるので使い勝手が良く、側方から見ると消毒液容器を部分的に隠すことができるので意匠性に優れる。また、利用者を正面側に導きやすい。本体部は、前面部の中間部及び下部が下方に向かうにつれて後方にへこむように傾斜した下向き傾斜面となっていることで、蹴込みスペースができるため、利用者が消毒液容器に近づきやすいので、使い勝手が良い。さらに本発明の消毒液スタンドは、本体部上に起立部が立設して配置され、起立部には体温を測定するセンサーと、測定した体温を表示するモニターが前方に向けて設けてあるので、手の消毒と同時に体温を測定して把握することができ、便利である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の消毒液スタンドの一実施形態を示す斜視図である。
【
図2】(a)は同消毒液スタンドの正面図、(b)は同消毒液スタンドの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1,2は、本発明の消毒液スタンドの一実施形態を示している。本消毒液スタンドは、不特定多数の人が出入りする施設、例えばスーパーマーケット等の商業施設、病院等の公共施設等の出入口付近に設置され、施設に出入りする人が手の消毒を行う際に検温も同時に行えるようにしたものである。
【0008】
本消毒液スタンドは、
図1,2に示すように、板状のベース8と、ベース8上に立設した本体部1と、本体部1上に立設した起立部2の3つのパーツで構成されており、これら3つのパーツは相互に組立・分離可能となっている。
【0009】
本体部1は、ステンレスやスチール等の金属の薄い板で形成したものであり、
図1,2に示すように、前面部3と左右の側面部9,9と上面部10とを有し、内部は空洞で補強材11が適宜設けてある。後面側は開放しており、開放部を着脱自在な蓋で塞いである。
前面部3は、
図1に示すように、上部が下方に向かうにつれて前方に張り出すように傾斜した上向き傾斜面3aとなっており、その上向き傾斜面3aの中央部に四角形の開口部12が設けてある。そして、開口部12の下縁より奥側に向けて消毒液容器4を載せる台5が水平に設けてある。台5の後端部は、
図2(b)に示すように、補強材11に固定してある。台5は、ほぼ大人の腰の高さ位置に設けてある。
消毒液容器4は、手動ポンプ式のスプレーボトルとなっている。
図2(b)に示すように、側方から見ると消毒液容器4を載せる台5は先端部を除いて側面部9で隠れており、消毒液容器4も部分的に側面部9で隠れている。消毒液容器4を台5の奥の方におけば、ノズルの部分を除く消毒液容器4の大部分を側面部9で隠すこともできる。
図1に示すように、前面部3の上下方向の中間部及び下部は、下方に向かうにつれて後方にへこむように傾斜した下向き傾斜面3bとなっている。
左右の側面部9は、前側の縁が上向き傾斜面3a及び下向き傾斜面3bと連続するように傾斜している。
【0010】
起立部2は、本体部1と同様に金属の薄い板で箱状に形成してある。起立部2の後面側は開放しており、開放部を着脱自在な蓋で塞いである。
起立部2の前面には、
図1に示すように、赤外線サーモグラフィカメラ(センサー)6と液晶画面(モニター)7付きのスマートフォン型の情報端末13とを組み合わせて構成した検温装置14が取付けてある。検温装置14は、
図2(b)に示すように、赤外線サーモグラフィカメラ6がほぼ大人の顔の高さになるように取付けてある。検温装置14は、ブラケット(図示省略)を介して起立部2の前面に着脱自在に取付けてあり、高さを調節することもできる。
起立部2の前面上部には、検温中であること等を表示するPOP15が着脱自在に取付けられる。POP15は、交換可能である。
【0011】
図2(b)に示すように、手の消毒を行うために人16が本消毒液スタンドの前に立つと、検温装置14の赤外線サーモグラフィカメラ6が人16の顔を認識し、その表面温度から体温を測定し、液晶画面7にその人16の顔と測定した体温が表示される。体温があらかじめ設定した温度、例えば37.5℃よりも高い場合は、液晶画面7に警告が表示されるようになっている。液晶画面7は、本人が直接見れる他、遠隔地に置かれたモニターで見ることも可能である。
【0012】
以上に述べたように本消毒液スタンドは、本体部1と起立部2とを備え、本体部1は、上部が下方に向かうにつれて前方に張り出すように傾斜し、開口部12が設けてあり、開口部12の下縁より奥側に向けて消毒液容器4を置く台5が設けてあることで、正面及び上方からは消毒液容器4がよく見えるので使い勝手が良く、側方から見ると消毒液容器4を部分的に隠すことができ、消毒液容器4を載せる台5も目立たないから、意匠性に優れる。また、利用者を正面側に導きやすい。
本体部1は、下部が下方に向かうにつれて後方にへこむように傾斜していることで、蹴込みスペースができるため、利用者が消毒液容器4に近づきやすいので、使い勝手が良い。
さらに本発明の消毒液スタンドは、本体部1上に起立部2が立設して配置され、起立部2には体温を測定するセンサー(赤外線サーモグラフィカメラ)6と、測定した体温を表示するモニター(液晶画面)7が前方に向けて設けてあるので、手の消毒と同時に体温を測定して把握することができ、便利である。
本消毒液スタンドは、本体部1と起立部2とベース8の3つのパーツで構成されており、各パーツが相互に組立・分離可能なため、パーツごとに分離してトラック等での輸送が容易に行え、現地で簡単に組み立てることができる。
【0013】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。本体部と起立部の具体的な形状、材質は、適宜変更することができる。本体部は、少なくとも下部の前面が下方に向かうにつれて後方にへこむように傾斜していればよく、上部の上向き傾斜面と下部の下向き傾斜面との間に垂直面が形成されていてもよい。体温を検知するセンターは、人の顔を撮影する機能を有さず、単に顔の温度を検知するだけのものであってもよいし、モニターは体温の数値だけを表示するものであってもよい。センサー及びカメラは、起立部内に埋め込んで設置することもできる。
【符号の説明】
【0014】
1 本体部
2 起立部
3 前面部
3a 上向き傾斜面
3b 下向き傾斜面
4 消毒液容器
5 台
6 赤外線サーモグラフィカメラ(センサー)
7 液晶画面(モニター)
12 開口部