(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】安全キャップ
(51)【国際特許分類】
B65D 50/04 20060101AFI20240621BHJP
B65D 41/04 20060101ALI20240621BHJP
B65D 51/18 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
B65D50/04
B65D41/04 400
B65D51/18
(21)【出願番号】P 2020199219
(22)【出願日】2020-11-30
【審査請求日】2023-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】吉村 和寿
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-000956(JP,U)
【文献】特開平10-152155(JP,A)
【文献】実開昭50-108843(JP,U)
【文献】特公昭59-012541(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 50/04
B65D 41/04
B65D 51/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延びるキャップ軸を中心とする有頂筒状であり、容器の口部に装着される内キャップと、
前記内キャップを覆う有頂筒状であり、前記内キャップに対して前記キャップ軸回りの周方向に回転可能にかつ前記上下方向に移動可能に装着される外キャップと、を備え、
前記内キャップは、
第1頂壁と、
前記第1頂壁の外周部から垂下設される第1周壁と、
前記第1頂壁の上面から突出する開栓用突起と、
前記第1頂壁の上面から突出する閉栓用突起と、を有し、
前記外キャップは、
前記第1頂壁の上側に配置される第2頂壁と、
前記第2頂壁の外周部から垂下設され、前記第1周壁の径方向外側に配置される第2周壁と、
前記第2頂壁の下面および前記第2周壁の内周面の少なくともいずれかから突出する係止突起と、
前記第2頂壁から下側に突出し前記周方向に延びる弾性変形可能な弾性片と、を有し、
前記係止突起は、前記開栓用突起の径方向位置と同じ径方向位置に配置される部分を有し、かつ、前記開栓用突起を前記周方向に通過可能であり、
前記弾性片は、前記閉栓用突起の径方向位置と同じ径方向位置に配置される部分を有し、
前記弾性片は、
前記第2頂壁から下側に突出する基端部と、
前記基端部から前記周方向の締込み側に延びる中間部と、
前記中間部から下側に突出し、前記閉栓用突起よりも前記上下方向の寸法が大きい先端部と、を有し、
前記先端部は、
前記外キャップを前記周方向の緩み側に回転させた場合には、前記弾性片が弾性変形することで前記閉栓用突起を前記緩み側に乗り越え可能であり、
前記外キャップを前記周方向の締込み側に回転させた場合には、前記閉栓用突起に突き当てられて係止され、
前記係止突起は、前記弾性片を弾性変形させつつ前記外キャップを押し下げた状態で前記周方向の緩み側に回転させることにより、前記周方向において前記開栓用突起と係止され、
前記係止突起と前記開栓用突起とが係止された状態において、前記弾性片と前記閉栓用突起とが離れて配置される、
安全キャップ。
【請求項2】
上下方向に延びるキャップ軸を中心とする有頂筒状であり、容器の口部に装着される内キャップと、
前記内キャップを覆う有頂筒状であり、前記内キャップに対して前記キャップ軸回りの周方向に回転可能にかつ前記上下方向に移動可能に装着される外キャップと、を備え、
前記内キャップは、
第1頂壁と、
前記第1頂壁の外周部から垂下設される第1周壁と、
前記第1頂壁の上面から突出する開栓用突起と、
前記第1頂壁から上側に突出し前記周方向に延びる弾性変形可能な弾性片と、を有し、
前記外キャップは、
前記第1頂壁の上側に配置される第2頂壁と、
前記第2頂壁の外周部から垂下設され、前記第1周壁の径方向外側に配置される第2周壁と、
前記第2頂壁の下面および前記第2周壁の内周面の少なくともいずれかから突出する係止突起と、
前記第2頂壁の下面から突出する閉栓用突起と、を有し、
前記係止突起は、前記開栓用突起の径方向位置と同じ径方向位置に配置される部分を有し、かつ、前記開栓用突起を前記周方向に通過可能であり、
前記弾性片は、前記閉栓用突起の径方向位置と同じ径方向位置に配置される部分を有し、
前記弾性片は、
前記第1頂壁から上側に突出する基端部と、
前記基端部から前記周方向の緩み側に延びる中間部と、
前記中間部から上側に突出し、前記閉栓用突起よりも前記上下方向の寸法が大きい先端部と、を有し、
前記閉栓用突起は、
前記外キャップを前記周方向の緩み側に回転させた場合には、前記弾性片が弾性変形することで前記先端部を前記緩み側に乗り越え可能であり、
前記外キャップを前記周方向の締込み側に回転させた場合には、前記先端部に突き当てられて係止され、
前記係止突起は、前記弾性片を弾性変形させつつ前記外キャップを押し下げた状態で前記周方向の緩み側に回転させることにより、前記周方向において前記開栓用突起と係止され、
前記係止突起と前記開栓用突起とが係止された状態において、前記弾性片と前記閉栓用突起とが離れて配置される、
安全キャップ。
【請求項3】
前記弾性片は、少なくとも前記中間部と前記先端部との接続部分が湾曲状であり、
前記係止突起と前記開栓用突起とが係止された状態において、前記接続部分と前記閉栓用突起とは、前記上下方向に対向して配置される、
請求項1または2に記載の安全キャップ。
【請求項4】
前記開栓用突起は、前記周方向に互いに間隔をあけて複数設けられ、
前記係止突起は、前記周方向に互いに間隔をあけて複数または1つ設けられ、
前記開栓用突起の数が、前記係止突起の数よりも多い、
請求項1から3のいずれか1項に記載の安全キャップ。
【請求項5】
前記開栓用突起のうち少なくとも前記係止突起と係止される部分は、前記閉栓用突起よりも径方向外側に位置する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の安全キャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全キャップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、子供の悪戯等によって容器のキャップが開栓されるのを抑制するチャイルドプルーフ機能付きの安全キャップが知られている。例えば特許文献1、2に記載の安全キャップでは、内キャップに対して外キャップを押し下げることで、内キャップと外キャップとが開栓(緩み)方向に供回り可能となり、キャップを開栓できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-204021号公報
【文献】特開2019-6466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のチャイルドプルーフ機能を備えた安全キャップでは、より操作性を高める点に改善の余地があった。
【0005】
本発明は、操作性を向上できる安全キャップを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の安全キャップの一つの態様は、上下方向に延びるキャップ軸を中心とする有頂筒状であり、容器の口部に装着される内キャップと、前記内キャップを覆う有頂筒状であり、前記内キャップに対して前記キャップ軸回りの周方向に回転可能にかつ前記上下方向に移動可能に装着される外キャップと、を備え、前記内キャップは、第1頂壁と、前記第1頂壁の外周部から垂下設される第1周壁と、前記第1頂壁の上面から突出する開栓用突起と、前記第1頂壁の上面から突出する閉栓用突起と、を有し、前記外キャップは、前記第1頂壁の上側に配置される第2頂壁と、前記第2頂壁の外周部から垂下設され、前記第1周壁の径方向外側に配置される第2周壁と、前記第2頂壁の下面および前記第2周壁の内周面の少なくともいずれかから突出する係止突起と、前記第2頂壁から下側に突出し前記周方向に延びる弾性変形可能な弾性片と、を有し、前記係止突起は、前記開栓用突起の径方向位置と同じ径方向位置に配置される部分を有し、かつ、前記開栓用突起を前記周方向に通過可能であり、前記弾性片は、前記閉栓用突起の径方向位置と同じ径方向位置に配置される部分を有し、前記弾性片は、前記第2頂壁から下側に突出する基端部と、前記基端部から前記周方向の締込み側に延びる中間部と、前記中間部から下側に突出し、前記閉栓用突起よりも前記上下方向の寸法が大きい先端部と、を有し、前記先端部は、前記外キャップを前記周方向の緩み側に回転させた場合には、前記弾性片が弾性変形することで前記閉栓用突起を前記緩み側に乗り越え可能であり、前記外キャップを前記周方向の締込み側に回転させた場合には、前記閉栓用突起に突き当てられて係止され、前記係止突起は、前記弾性片を弾性変形させつつ前記外キャップを押し下げた状態で前記周方向の緩み側に回転させることにより、前記周方向において前記開栓用突起と係止され、前記係止突起と前記開栓用突起とが係止された状態において、前記弾性片と前記閉栓用突起とが離れて配置される。
【0007】
また本発明の安全キャップの一つの態様は、上下方向に延びるキャップ軸を中心とする有頂筒状であり、容器の口部に装着される内キャップと、前記内キャップを覆う有頂筒状であり、前記内キャップに対して前記キャップ軸回りの周方向に回転可能にかつ前記上下方向に移動可能に装着される外キャップと、を備え、前記内キャップは、第1頂壁と、前記第1頂壁の外周部から垂下設される第1周壁と、前記第1頂壁の上面から突出する開栓用突起と、前記第1頂壁から上側に突出し前記周方向に延びる弾性変形可能な弾性片と、を有し、前記外キャップは、前記第1頂壁の上側に配置される第2頂壁と、前記第2頂壁の外周部から垂下設され、前記第1周壁の径方向外側に配置される第2周壁と、前記第2頂壁の下面および前記第2周壁の内周面の少なくともいずれかから突出する係止突起と、前記第2頂壁の下面から突出する閉栓用突起と、を有し、前記係止突起は、前記開栓用突起の径方向位置と同じ径方向位置に配置される部分を有し、かつ、前記開栓用突起を前記周方向に通過可能であり、前記弾性片は、前記閉栓用突起の径方向位置と同じ径方向位置に配置される部分を有し、前記弾性片は、前記第1頂壁から上側に突出する基端部と、前記基端部から前記周方向の緩み側に延びる中間部と、前記中間部から上側に突出し、前記閉栓用突起よりも前記上下方向の寸法が大きい先端部と、を有し、前記閉栓用突起は、前記外キャップを前記周方向の緩み側に回転させた場合には、前記弾性片が弾性変形することで前記先端部を前記緩み側に乗り越え可能であり、前記外キャップを前記周方向の締込み側に回転させた場合には、前記先端部に突き当てられて係止され、前記係止突起は、前記弾性片を弾性変形させつつ前記外キャップを押し下げた状態で前記周方向の緩み側に回転させることにより、前記周方向において前記開栓用突起と係止され、前記係止突起と前記開栓用突起とが係止された状態において、前記弾性片と前記閉栓用突起とが離れて配置される。
【0008】
この安全キャップでは、キャップ開栓時においては、弾性片を弾性変形させつつ外キャップを押し下げた状態のまま周方向の緩み側に回転させることで、周方向において係止突起と開栓用突起とが係止され、外キャップと内キャップとが供回り可能となり、キャップが開栓される。これに対し、例えば子供などが、外キャップを押し下げずに単に周方向の緩み側に回転させた場合には、弾性片の先端部および閉栓用突起のいずれか一方が他方を緩み側に乗り越え、かつ周方向において係止突起と開栓用突起とが係止されないため、外キャップが空転してキャップは開栓されない。つまりこの安全キャップは、子供の悪戯等によってキャップが開栓されるのを抑制するチャイルドプルーフ機能を備えている。また、キャップ閉栓時においては、外キャップを周方向の締込み側に回転させることで、周方向において弾性片の先端部と閉栓用突起とが係止され、外キャップと内キャップとが供回り可能となり、キャップは閉栓される。
【0009】
本発明によれば、弾性片の先端部の上下方向の寸法が、閉栓用突起の上下方向の寸法よりも大きい。そして、外キャップを押し下げ、係止突起と開栓用突起とが係止された状態において、弾性片と閉栓用突起とは非接触であり互いに干渉しない。例えば本発明と異なり、外キャップを押し下げた際に、弾性片と閉栓用突起とが上下方向で干渉する構成の場合には、外キャップの押し下げ量が不十分となり、係止突起と開栓用突起との係止状態も不安定となって、キャップを安定して開栓できないおそれがある。一方、本発明によれば、このような不具合が抑えられ、特にキャップ開栓時の操作性が安定して高められる。
【0010】
上記安全キャップにおいて、前記弾性片は、少なくとも前記中間部と前記先端部との接続部分が湾曲状であり、前記係止突起と前記開栓用突起とが係止された状態において、前記接続部分と前記閉栓用突起とは、前記上下方向に対向して配置されることが好ましい。
【0011】
この場合、弾性片の湾曲した接続部分の直下(または直上)に閉栓用突起が配置されるため、弾性片と閉栓用突起との接触をより抑制できる。
【0012】
上記安全キャップにおいて、前記開栓用突起は、前記周方向に互いに間隔をあけて複数設けられ、前記係止突起は、前記周方向に互いに間隔をあけて複数または1つ設けられ、前記開栓用突起の数が、前記係止突起の数よりも多いことが好ましい。
【0013】
この場合、外キャップを押し下げた状態で周方向の緩み側に回転させたときに、係止突起と開栓用突起とが係止されるまでの外キャップの回転量を少なく抑えることができる。このため、キャップ開栓時の操作性がより向上する。
【0014】
上記安全キャップにおいて、前記開栓用突起のうち少なくとも前記係止突起と係止される部分は、前記閉栓用突起よりも径方向外側に位置することが好ましい。
【0015】
キャップ開栓時には、外キャップを押し下げた状態を維持しつつ周方向の緩み側に回転させる操作が必要であり、つまり押下力および回転力が必要となる。本発明の上記構成によれば、係止突起と開栓用突起との係止部分が、閉栓用突起よりも径方向外側に配置されるため、係止突起および開栓用突起を介して、外キャップから内キャップへと効率よく回転力が伝えられる。小さな回転力でキャップを開栓でき、操作性がより向上する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一つの態様の安全キャップによれば、操作性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、第1実施形態の安全キャップを示す縦断面図である。
【
図2】
図2は、安全キャップを示す縦断面図であり、外キャップを押し下げた状態を表す。
【
図3】
図3は、安全キャップを模式的に示す横断面図であり、第1開栓用突起と係止突起とが係止された状態を表す。
【
図4】
図4は、安全キャップの一部を拡大して示す縦断面図である。
【
図5】
図5は、安全キャップの一部を拡大して示す縦断面図であり、外キャップを押し下げた状態を表す。
【
図6】
図6は、安全キャップを模式的に示す横断面図であり、第2開栓用突起と係止突起とが係止された状態を表す。
【
図7】
図7は、安全キャップの一部を拡大して示す縦断面図である。
【
図8】
図8は、安全キャップの一部を拡大して示す縦断面図であり、外キャップを押し下げた状態を表す。
【
図9】
図9は、第1実施形態の変形例の安全キャップの一部を拡大して示す縦断面図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態の安全キャップの一部を拡大して示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態の安全キャップ1Aについて、
図1~
図8を参照して説明する。なお以下では、安全キャップ1Aを単にキャップと呼ぶ場合がある。安全キャップ1Aは、子供の悪戯等によって容器のキャップが開栓されるのを抑制するチャイルドプルーフ機能を備えている。
【0019】
図1に示すように、本実施形態の安全キャップ1Aは、有底筒状の容器100の口部100aに取り付けられる。容器100には、図示しない内容物が収容される。安全キャップ1Aは、キャップ軸Cを中心とする有頂筒状であり口部100aに装着される内キャップ2と、内キャップ2を覆う有頂筒状であり内キャップ2に装着される外キャップ3と、シール部材4と、を備える。
口部100a、内キャップ2、外キャップ3およびシール部材4は、キャップ軸Cを中心として互いに同軸に配置される。つまりキャップ軸Cは、口部100a、内キャップ2、外キャップ3およびシール部材4の共通軸である。
【0020】
本実施形態では、キャップ軸Cが延びる方向、つまりキャップ軸Cと平行な方向を上下方向と呼ぶ。上下方向のうち、内キャップ2の頂壁(後述する第1頂壁21)から外キャップ3の頂壁(後述する第2頂壁31)へ向かう方向を上側と呼び、外キャップ3の頂壁(第2頂壁31)から内キャップ2の頂壁(第1頂壁21)へ向かう方向を下側と呼ぶ。
上下方向から見た平面視で、キャップ軸Cと直交する方向を径方向と呼ぶ。径方向のうち、キャップ軸Cに近づく方向を径方向内側と呼び、キャップ軸Cから離れる方向を径方向外側と呼ぶ。
キャップ軸C回りに周回する方向を周方向と呼ぶ。
図3に示すように、周方向のうち、図示しない使用者が外キャップ3を回転操作してキャップを開栓させる方向(+θ側)を緩み側と呼び、キャップを閉栓させる方向(-θ側)を締込み側と呼ぶ。
【0021】
図1に示すように、容器100の口部100aは、上下方向に延びる筒状である。口部100aは、口部100aの外周面に雄ネジ部100bを有する。
【0022】
内キャップ2は、第1頂壁21と、第1周壁22と、開栓用突起23と、閉栓用突起24と、摺動リブ25と、を有する。内キャップ2は、単一の部材により一体に形成される。
第1頂壁21は、キャップ軸Cを中心とする円板状であり、キャップ軸Cと垂直な方向に拡がる。第1頂壁21の一対の板面は、上下方向を向く。第1頂壁21は、口部100aの上側に配置される。第1頂壁21は、シール部材4を介して、口部100aの上端開口部を上側から覆う。
【0023】
第1周壁22は、キャップ軸Cを中心とする円筒状であり、上下方向に延びる。第1周壁22は、第1頂壁21の外周部から垂下設される。第1周壁22は、口部100aの径方向外側に配置される。第1周壁22は、雌ネジ部22aと、第1抜止め突起22bと、を有する。
【0024】
雌ネジ部22aは、第1周壁22の内周面に配置される。雌ネジ部22aは、口部100aの雄ネジ部100bと螺着される。すなわち安全キャップ1Aは、容器100の口部100aに、螺着により着脱可能に取り付けられる。
第1抜止め突起22bは、第1周壁22の外周面から突出する。第1抜止め突起22bは、例えば、周方向に延びるリブ状である。
【0025】
開栓用突起23は、第1頂壁21の上面から突出する。
図3に示すように、開栓用突起23は、第1頂壁21の上面のうち外周部に配置される。開栓用突起23は、周方向に延びるリブ状である。開栓用突起23の周方向を向く一対の端面は、それぞれ、周方向と垂直な方向に拡がる平面状である。開栓用突起23は、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。図示の例では、開栓用突起23が周方向に等ピッチで6つ配置される。
【0026】
複数の開栓用突起23は、第1開栓用突起23aと、第2開栓用突起23bと、を含む。第1開栓用突起23aは、周方向において、閉栓用突起24の緩み側(+θ側)に配置される。第2開栓用突起23bは、周方向において、閉栓用突起24の締込み側(-θ側)に配置される。本実施形態では、第1開栓用突起23aが複数(3つ)設けられ、第2開栓用突起23bが複数(3つ)設けられる。第1開栓用突起23aと第2開栓用突起23bとは、周方向に交互に並ぶ。第1開栓用突起23aと第2開栓用突起23bとは、互いに同一形状である。
【0027】
図1に示すように、閉栓用突起24は、第1頂壁21の上面から突出する。閉栓用突起24は、第1頂壁21の上面のうち、径方向においてキャップ軸Cが位置する中央部と外周部との間に配置される。閉栓用突起24は、開栓用突起23よりも径方向内側に位置する部分を有する。言い換えると、開栓用突起23は、閉栓用突起24よりも径方向外側に位置する部分を有する。図示の例では、閉栓用突起24の径方向外端部の径方向位置と、開栓用突起23の径方向内端部の径方向位置とが、互いに同じである。
【0028】
図3に示すように、閉栓用突起24は、径方向に延びるリブ状である。閉栓用突起24は、周方向において、第1開栓用突起23aと、この第1開栓用突起23aの周方向の締込み側(-θ側)に隣り合う第2開栓用突起23bと、の間に位置する。閉栓用突起24は、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。図示の例では、閉栓用突起24が周方向に等ピッチで3つ配置される。
【0029】
図4に示すように、閉栓用突起24は、周方向を向く一対の側面を有する。一対の側面のうち、周方向の締込み側(-θ側)を向く一方の側面は、傾斜面24aであり、周方向の緩み側(+θ側)を向く他方の側面は、突き当て面24bである。すなわち、閉栓用突起24は、傾斜面24aと、突き当て面24bと、を有する。傾斜面24aは、上側へ向かうに従い周方向の緩み側に位置する傾斜面状である。突き当て面24bは、周方向と垂直な方向に拡がる平面状である。
【0030】
図1に示すように、摺動リブ25は、第1頂壁21の上面から突出し、周方向に延びる。摺動リブ25の上面は、キャップ軸Cと垂直な方向に拡がる平面状である。摺動リブ25の上面は、開栓用突起23の上面よりも下側に位置する。
【0031】
外キャップ3は、内キャップ2に対して周方向に回転可能であり、かつ上下方向に移動可能である。外キャップ3は、第2頂壁31と、第2周壁32と、係止突起33と、弾性片34と、を有する。外キャップ3の構成要素のうち、後述する上カバー35b以外の部分は、単一の部材により一体に形成される。
【0032】
第2頂壁31は、第1頂壁21の上側に配置される。第2頂壁31は、頂壁本体35aと、上カバー35bと、開口部31aと、を有する。
頂壁本体35aは、キャップ軸Cを中心とする円板状であり、キャップ軸Cと垂直な方向に拡がる。頂壁本体35aの一対の板面は、上下方向を向く。
【0033】
上カバー35bは、頂壁本体35aの上側に配置される。上カバー35bは、キャップ軸Cを中心とする有頂筒状である。上カバー35bの頂壁部は、頂壁本体35aおよび開口部31aを上側から覆う。上カバー35bの周壁部は、第2周壁32の上端部内に嵌合する。図示の例では、上カバー35bの周壁部が、アンダーカット嵌合により上側への抜け出しを規制された状態で、第2周壁32内に嵌合する。上カバー35bの周壁部の下端面は、頂壁本体35aの上面と接触する。
【0034】
開口部31aは、頂壁本体35aを上下方向に貫通する孔である。開口部31aは、周方向に延びる円弧孔状である。開口部31aは、周方向に互いに間隔をあけて複数配置される。本実施形態では開口部31aが、周方向に等ピッチで3つ設けられる。開口部31aの数は、弾性片34の数と同じである。
【0035】
第2周壁32は、キャップ軸Cを中心とする円筒状であり、上下方向に延びる。第2周壁32は、第2頂壁31の外周部から垂下設され、第1周壁22の径方向外側に配置される。第2周壁32の上下方向の寸法は、第1周壁22の上下方向の寸法よりも大きい。第2周壁32の下端面は、第1周壁22の下端面よりも下側に位置する。
【0036】
第2周壁32は、第2抜止め突起32aを有する。
第2抜止め突起32aは、第2周壁32の内周面から突出する。第2抜止め突起32aは、例えば、周方向に延びるリブ状である。第2抜止め突起32aは、第1抜止め突起22bの下側に配置される。第2抜止め突起32aは、第1抜止め突起22bに対して下側から接触可能である。第1抜止め突起22bと第2抜止め突起32aとが上下方向に係止されることにより、外キャップ3が内キャップ2から上側に離脱することが抑制される。
【0037】
係止突起33は、第2頂壁31の下面および第2周壁32の内周面の少なくともいずれかから突出する。本実施形態では係止突起33が、頂壁本体35aの下面から下側に突出し、かつ第2周壁32の内周面から径方向内側に突出する。
図1および
図3に示すように、係止突起33は、直方体状である。係止突起33のうち、周方向を向く一対の端面および下面は、それぞれ平面状である。
【0038】
係止突起33は、開栓用突起23の径方向位置と同じ径方向位置に配置される部分を有する。
図1に示すように、内キャップ2に対して外キャップ3が押し下げられていない状態(初期状態)、つまり外キャップ3の上昇端位置においては、係止突起33は、開栓用突起23よりも上側に配置される。このため係止突起33は、開栓用突起23を周方向に通過可能である。
【0039】
図2に示すように、弾性片34を弾性変形させつつ内キャップ2に対して外キャップ3を押し下げた状態、つまり外キャップ3の下降端位置において、係止突起33の下面は、摺動リブ25の上面と摺動自在に接触する。この外キャップ3の下降端位置において、外キャップ3を周方向の緩み側(+θ側)に回転させることにより、係止突起33は、周方向において開栓用突起23と係止される(
図3参照)。開栓用突起23のうち少なくとも係止突起33と係止される部分は、閉栓用突起24よりも径方向外側に位置する。
【0040】
図3に示すように、係止突起33は、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。本実施形態では、係止突起33が周方向に等ピッチで3つ設けられる。すなわち、開栓用突起23の数が、係止突起33の数よりも多い。
図3においては、各係止突起33の周方向の緩み側(+θ側)を向く端面が、各第1開栓用突起23aの周方向の締込み側(-θ側)を向く端面に接触している。
【0041】
図3および
図4に示すように、弾性片34は、弾性変形可能な板状である。弾性片34は、第2頂壁31から下側に突出し、周方向に延びる。具体的に、弾性片34は、頂壁本体35aの下面から下側に突出し、頂壁本体35aとの接続部分から周方向の締込み側(-θ側)へ向けて延びる。弾性片34は、上下方向から見て開口部31aと重なって配置される。
【0042】
図1および
図3に示すように、本実施形態では弾性片34の径方向寸法つまり幅寸法が、第2頂壁31との接続部分から離れるに従い小さくなる。弾性片34の径方向寸法は、閉栓用突起24の径方向寸法よりも小さい。弾性片34は、閉栓用突起24の径方向位置と同じ径方向位置に配置される部分を有する。本実施形態では弾性片34全体が、閉栓用突起24の径方向位置と同じ径方向位置に配置される。
【0043】
図4に示すように、弾性片34は、基端部34aと、中間部34bと、先端部34cと、を有する。なお
図4は、外キャップ3が押し下げられていない状態、つまり外キャップ3の上昇端位置を表している。
基端部34aは、第2頂壁31から下側に突出する。中間部34bは、基端部34aの下端から周方向の締込み側(-θ側)に延びる。基端部34aおよび中間部34bは、閉栓用突起24よりも上側に位置する。先端部34cは、中間部34bの締込み側(-θ側)端部から下側に突出する。先端部34cの上下方向の寸法は、閉栓用突起24の上下方向の寸法よりも大きい。本実施形態では、
図4に示す外キャップ3の上昇端位置において、先端部34cが第1頂壁21の上面と接触する。
また弾性片34は、少なくとも中間部34bと先端部34cとの接続部分34dが湾曲状である。本実施形態では、基端部34aと中間部34bとの接続部分34eも湾曲状である。このため弾性片34は、径方向から見てS字状に湾曲して形成される。
【0044】
なお、弾性片34の基端部34aおよび先端部34cは、それぞれ、上下方向と平行に延びていてもよいし、上下方向と交差する傾斜方向に延びていてもよい。また中間部34bは、上下方向と垂直な水平方向に延びていてもよいし、水平方向と交差する傾斜方向に延びていてもよい。また基端部34a、中間部34bおよび先端部34cはそれぞれ、
図4に示す縦断面視で、直線状に延びていてもよく、曲線状に延びていてもよい。本実施形態ではこの縦断面視において、基端部34aが周方向の緩み側(+θ側)に凸の円弧状であり、先端部34cが周方向の締込み側(-θ側)に凸の円弧状である。
【0045】
先端部34cは、外キャップ3を周方向の緩み側(+θ側)に回転させた場合には、弾性片34が弾性変形することで閉栓用突起24を緩み側に乗り越え可能である。具体的に、外キャップ3を周方向の緩み側に回転させると、先端部34cが傾斜面24a上を摺動しつつ弾性片34は弾性変形して、先端部34cは閉栓用突起24を緩み側に乗り越える。
【0046】
また先端部34cは、外キャップ3を周方向の締込み側(-θ側)に回転させた場合には、閉栓用突起24に突き当てられて係止される。具体的に、外キャップ3を周方向の締込み側に回転させると、先端部34cが突き当て面24bに突き当てられることで、先端部34cは閉栓用突起24を乗り越え不能とされ、先端部34cと閉栓用突起24とが係止される。
【0047】
図5は、外キャップ3が押し下げられた状態、つまり外キャップ3の下降端位置を表しており、かつ、係止突起33と開栓用突起23とが周方向に係止された状態(
図3参照)でもある。
図5に示すように、外キャップ3が押し下げられることで、弾性片34は第1頂壁21の上面に押し付けられて弾性変形し、弾性復元力により第2頂壁31を上方付勢する。
図5に示す状態において、弾性片34と閉栓用突起24とは離れて配置される。詳しくは、
図3に示すように、係止突起33と第1開栓用突起23aとが周方向に係止された状態において、
図5に示すように閉栓用突起24は、弾性片34の基端部34aの直下に、基端部34aとの間に隙間をあけて配置される。
【0048】
図6~
図8は、前述の
図3~
図5とは異なる位置で、係止突起33と開栓用突起23とが周方向に係止される場合について説明する図である。なお
図7は、外キャップ3の上昇端位置を表し、
図8は、外キャップ3の下降端位置を表している。そして、
図6は、係止突起33と第2開栓用突起23bとが周方向に係止された状態を表す。具体的に、
図6において、各係止突起33の周方向の緩み側(+θ側)を向く端面は、各第2開栓用突起23bの周方向の締込み側(-θ側)を向く端面に接触している。
【0049】
ここで
図8は、外キャップ3が押し下げられた状態であり、かつ、係止突起33と開栓用突起23とが周方向に係止された状態(
図6参照)でもある。
図8に示す状態において、弾性片34と閉栓用突起24とは離れて配置される。詳しくは、
図6に示すように、係止突起33と第2開栓用突起23bとが周方向に係止された状態において、
図8に示すように閉栓用突起24は、弾性片34の接続部分34dの直下に、接続部分34dとの間に隙間をあけて配置される。すなわち、接続部分34dと閉栓用突起24とは、上下方向に対向して配置される。
【0050】
図1に示すように、シール部材4は、口部100aの上端開口部と、第1頂壁21の下面との間に介装される。シール部材4は、キャップ軸Cと垂直な方向に拡がる円板状であり、例えば弾性変形可能なパッキン等である。
【0051】
以上説明した本実施形態の安全キャップ1Aでは、キャップ開栓時においては、弾性片34を弾性変形させつつ外キャップ3を押し下げた状態のまま周方向の緩み側(+θ側)に回転させることで、周方向において係止突起33と開栓用突起23とが係止され、外キャップ3と内キャップ2とが供回り可能となり、キャップが開栓される。これに対し、例えば子供などが、外キャップ3を押し下げずに単に周方向の緩み側に回転させた場合には、弾性片34の先端部34cが閉栓用突起24を緩み側に乗り越え、かつ周方向において係止突起33と開栓用突起23とが係止されないため、外キャップ3が空転してキャップは開栓されない。また、キャップ閉栓時においては、外キャップ3を押し下げずに単に周方向の締込み側(-θ側)に回転させることで、周方向において弾性片34の先端部34cと閉栓用突起24とが係止され、外キャップ3と内キャップ2とが供回り可能となり、キャップは閉栓される。
【0052】
本実施形態によれば、弾性片34の先端部34cの上下方向の寸法が、閉栓用突起24の上下方向の寸法よりも大きい。そして、外キャップ3を押し下げ、係止突起33と開栓用突起23とが係止された状態において、弾性片34と閉栓用突起24とは非接触であり互いに干渉しない。例えば本実施形態と異なり、外キャップ3を押し下げた際に、弾性片34と閉栓用突起24とが上下方向で干渉する構成の場合には、外キャップ3の押し下げ量が不十分となり、係止突起33と開栓用突起23との係止状態も不安定となって、キャップを安定して開栓できないおそれがある。一方、本実施形態によれば、このような不具合が抑えられ、特にキャップ開栓時の操作性が安定して高められる。
【0053】
また本実施形態では、係止突起33と開栓用突起23(第2開栓用突起23b)とが係止された状態において、
図8に示すように、弾性片34の湾曲した接続部分34dの直下に閉栓用突起24が配置される。このため、弾性片34と閉栓用突起24との接触をより抑制できる。
【0054】
また本実施形態では、開栓用突起23の数が、係止突起33の数よりも多い。
この場合、外キャップ3を押し下げた状態で周方向の緩み側(+θ側)に回転させたときに、係止突起33と開栓用突起23とが係止されるまでの外キャップ3の回転量を少なく抑えることができる。このため、キャップ開栓時の操作性がより向上する。
【0055】
また本実施形態では、開栓用突起23のうち少なくとも係止突起33と係止される部分が、閉栓用突起24よりも径方向外側に位置する。
キャップ開栓時には、外キャップ3を押し下げた状態を維持しつつ周方向の緩み側に回転させる操作が必要であり、つまり押下力および回転力が必要となる。本実施形態の上記構成によれば、係止突起33と開栓用突起23との係止部分が、閉栓用突起24よりも径方向外側に配置されるため、係止突起33および開栓用突起23を介して、外キャップ3から内キャップ2へと効率よく回転力が伝えられる。小さな回転力でキャップを開栓でき、操作性がより向上する。
【0056】
また本実施形態では、外キャップ3を押し下げたときに、係止突起33の下面と摺動リブ25の上面とが摺動自在に接触する。
この場合、係止突起33の下面と摺動リブ25の上面とを接触させることで、外キャップ3の下降端位置を位置決めでき、かつ回転動作も安定するため、キャップ開栓時の操作性がより向上する。
【0057】
なお、外キャップ3の下降端位置において、中間部34bの下面が閉栓用突起24より上側に位置することが好ましい。この場合、外キャップ3の下降端位置において、中間部34bの下面が閉栓用突起24よりも上側に配置されるため、係止突起33と開栓用突起23とが係止する係止位置だけでなく、外キャップ3と内キャップ2との相対回転時においても弾性片34と閉栓用突起24との干渉が抑制される。
【0058】
図9は、第1実施形態の変形例の安全キャップ1Bの一部を拡大して示す縦断面図である。この変形例では、弾性片34が、径方向から見てクランク状に屈曲して形成される。また先端部34cの上下方向の寸法hは、閉栓用突起24の上下方向の寸法よりも大きい。この変形例においても、前述した安全キャップ1Aと同様の作用効果が得られる。
【0059】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態の安全キャップ1Cについて、
図10を参照して説明する。なお第2実施形態では、主として第1実施形態と異なる構成について説明し、同一の構成についてはその説明を省略する。
【0060】
図10は、第2実施形態の安全キャップ1Cの一部を拡大して示す縦断面図である。なお
図10は、外キャップ3が押し下げられた状態、つまり外キャップ3の下降端位置を表している。
本実施形態では、内キャップ2の第1頂壁21が、第1頂壁21を上下方向に貫通する開口部21aを有する。開口部21aは、周方向に延びる円弧孔状である。開口部21aは、周方向に互いに間隔をあけて複数配置される。また本実施形態では内キャップ2が、第1頂壁21から上側に突出し周方向に延びる弾性変形可能な弾性片26を有する。具体的に、弾性片26は、第1頂壁21の上面から上側に突出し、第1頂壁21との接続部分から周方向の緩み側(+θ側)に向けて延びる。弾性片26は、周方向に互いに間隔をあけて複数配置される。弾性片26の数は、開口部21aの数と同じである。各弾性片26は、上下方向から見て各開口部21aと重なって配置される。
【0061】
本実施形態では、外キャップ3の第2頂壁31が、開口部31aを有していない。また特に図示しないが、第2頂壁31は、上カバー35bを有していなくてもよい。第2頂壁31は、少なくとも弾性片26および開口部21aを上側から覆う。また外キャップ3は、第2頂壁31の下面から突出する閉栓用突起36を有する。閉栓用突起36は、周方向を向く一対の側面を有する。一対の側面のうち、周方向の緩み側(+θ側)を向く一方の側面は、傾斜面36aであり、周方向の締込み側(-θ側)を向く他方の側面は、突き当て面36bである。すなわち、閉栓用突起36は、傾斜面36aと、突き当て面36bと、を有する。傾斜面36aは、下側へ向かうに従い周方向の締込み側に位置する傾斜面状である。突き当て面36bは、周方向と垂直な方向に拡がる平面状である。閉栓用突起36は、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。
【0062】
弾性片26は、基端部26aと、中間部26bと、先端部26cと、を有する。
基端部26aは、第1頂壁21から上側に突出する。中間部26bは、基端部26aの上端から周方向の緩み側(+θ側)に延びる。基端部26aおよび中間部26bは、閉栓用突起36よりも下側に位置する。先端部26cは、中間部26bの緩み側(+θ側)端部から上側に突出する。先端部26cの上下方向の寸法は、閉栓用突起36の上下方向の寸法よりも大きい。
【0063】
閉栓用突起36は、外キャップ3を周方向の緩み側(+θ側)に回転させた場合には、弾性片26が弾性変形することで先端部26cを緩み側に乗り越え可能である。具体的に、外キャップ3を周方向の緩み側に回転させると、先端部26cが傾斜面36a上を摺動しつつ弾性片26は弾性変形して、閉栓用突起36は先端部26cを緩み側に乗り越える。
【0064】
また閉栓用突起36は、外キャップ3を周方向の締込み側(-θ側)に回転させた場合には、先端部26cに突き当てられて係止される。具体的に、外キャップ3を周方向の締込み側に回転させると、先端部26cが突き当て面36bに突き当てられることで、閉栓用突起36は先端部26cを乗り越え不能とされ、閉栓用突起36と先端部26cとが係止される。
【0065】
図10は、外キャップ3が押し下げられた状態を表しており、かつ、特に図示しないが係止突起33と開栓用突起23とが周方向に係止された状態でもある。
図10に示すように、外キャップ3が押し下げられることで、弾性片26は第2頂壁31の下面に押し付けられて弾性変形し、弾性復元力により第2頂壁31を上方付勢する。
図10に示す状態において、弾性片26と閉栓用突起36とは離れて配置される。図示の例では、閉栓用突起36が、弾性片26の基端部26aの直上に、基端部26aとの間に隙間をあけて配置される。
【0066】
本実施形態においても、前述の実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0067】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されず、例えば下記に説明するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の変更等が可能である。
【0068】
前述の第1実施形態では、係止突起33が、第2頂壁31の下面と第2周壁32の内周面の両方から突出する例を挙げたが、これに限らない。係止突起33は、第2頂壁31の下面のみから突出していてもよいし、第2周壁32の内周面のみから突出していてもよい。また係止突起33が、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる例を挙げたが、これに限らず、係止突起33は1つのみ設けられてもよい。
【0069】
前述の第1実施形態では、弾性片34全体が、閉栓用突起24の径方向位置と同じ径方向位置に配置される例を挙げたが、これに限らない。弾性片34は、少なくとも先端部34cの少なくとも1部の径方向位置が閉栓用突起24の径方向位置と同じであればよく、例えば、先端部34c以外の部分の径方向位置が、閉栓用突起24の径方向位置と異なっていてもよい。
【0070】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した実施形態および変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1A,1B,1C…安全キャップ、2…内キャップ、3…外キャップ、21…第1頂壁、22…第1周壁、23…開栓用突起、24,36…閉栓用突起、26,34…弾性片、26a,34a…基端部、26b,34b…中間部、26c,34c…先端部、31…第2頂壁、32…第2周壁、33…係止突起、34d…接続部分、100…容器、100a…口部、C…キャップ軸、h…寸法