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特許7507706画像撮影装置、静電吸着制御方法及び静電吸着制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】画像撮影装置、静電吸着制御方法及び静電吸着制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240621BHJP
   H04N 1/10 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
H04N1/00 567Q
H04N1/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021019245
(22)【出願日】2021-02-09
(65)【公開番号】P2022122142
(43)【公開日】2022-08-22
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 智也
(72)【発明者】
【氏名】奥山 浩司
(72)【発明者】
【氏名】関 建二郎
(72)【発明者】
【氏名】柿本 涼
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-083484(JP,A)
【文献】特開2006-194967(JP,A)
【文献】特開平04-052633(JP,A)
【文献】特開平06-027545(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04N 1/04- 1/207
G06T 1/00
G03B 27/50-27/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影の対象となる媒体が載置される載置台と、
前記載置台に載置された前記媒体の下面を前記載置台に静電吸着する吸着部と、
前記載置台に静電吸着された前記媒体の上面の画像を撮影する撮影部と、
前記静電吸着のオンとオフとを制御する制御部と、
を具備し、
前記制御部は、
前記静電吸着がオフになっている状態で前記撮影部により手の画像が撮影されたときに前記静電吸着をオンにし、
前記静電吸着がオンになっている状態で前記撮影部により手の画像が撮影されたときに前記静電吸着をオフにする、
画像撮影装置。
【請求項2】
撮影の対象となる媒体が載置される載置台と、
前記載置台に載置された前記媒体の下面を前記載置台に静電吸着する吸着部と、
前記載置台に静電吸着された前記媒体の上面の画像を撮影する撮影部と、
前記静電吸着のオンとオフとを制御する制御部と、
を具備し、
前記制御部は、
前記静電吸着がオフになっている状態で前記媒体が前記載置台上の所定位置に到達したときに前記静電吸着をオンにし、
前記静電吸着がオンになっている状態で前記撮影部により手の画像が撮影されたときに前記静電吸着をオフにする、
画像撮影装置。
【請求項3】
撮影の対象となる媒体が載置される載置台と、
前記載置台に載置された前記媒体の下面を前記載置台に静電吸着する吸着部と、
前記載置台に静電吸着された前記媒体の上面の画像を撮影する撮影部と、
前記静電吸着のオンとオフとを制御する制御部と、
前記載置台に与えられる圧力を検出するセンサと、
を具備し、
前記制御部は、
前記静電吸着がオフになっている状態で前記圧力が閾値以上となったときに前記静電吸着をオンにし、
前記静電吸着がオンになっている状態で前記圧力が前記閾値以上となったときに前記静電吸着をオフにする、
画像撮影装置。
【請求項4】
撮影の対象となる媒体が載置される載置台と、
前記載置台に載置された前記媒体の下面を前記載置台に静電吸着する吸着部と、
前記載置台に静電吸着された前記媒体の上面の画像を撮影する撮影部と、
前記静電吸着のオンとオフとを制御する制御部と、
を具備する画像撮影装置であって
前記制御部は、
前記静電吸着がオフになっている状態で、前記画像撮影装置に接続されたコンピュータに前記画像の撮影開始指示が与えられたときに前記静電吸着をオンにし、
前記静電吸着がオンになっている状態で、前記コンピュータに前記画像の撮影終了指示が与えられたときに前記静電吸着をオフにする、
画像撮影装置。
【請求項5】
撮影の対象となる媒体が載置される載置台と、
前記載置台に載置された前記媒体の下面を前記載置台に静電吸着する吸着部と、
前記載置台に静電吸着された前記媒体の上面の画像を撮影する撮影部と、
を具備する画像撮影装置における静電吸着制御方法であって、
前記静電吸着のオンとオフとを制御し、
前記静電吸着がオフになっている状態で前記媒体が前記載置台上の所定位置に到達したときに前記静電吸着をオンにし、
前記静電吸着がオンになっている状態で前記撮影部により手の画像が撮影されたときに前記静電吸着をオフにする、
静電吸着制御方法。
【請求項6】
読取の対象となる媒体が載置される載置台と、
前記載置台に載置された前記媒体の下面を前記載置台に静電吸着する吸着部と、
前記載置台に静電吸着された前記媒体の上面の画像を撮影する撮影部と、
プロセッサと、
を具備する画像撮影装置において、
前記静電吸着のオンとオフとを制御し、
前記静電吸着がオフになっている状態で前記媒体が前記載置台上の所定位置に到達したときに前記静電吸着をオンにし、
前記静電吸着がオンになっている状態で前記撮影部により手の画像が撮影されたときに前記静電吸着をオフにする、
処理を前記プロセッサに実行させるための静電吸着制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像撮影装置、静電吸着制御方法及び静電吸着制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像撮影装置として、画像撮影装置の撮影の対象となる媒体(以下では「撮影対象媒体」と呼ぶことがある)が載置される載置台を有し、載置台に載置された媒体の上面を媒体の上方から撮影する画像撮影装置(以下では「スタンド型画像撮影装置」と呼ぶことがある)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平09-292662号公報
【文献】特開2017-183975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
撮影対象媒体の保管方法や取り扱い方によっては、撮影対象媒体に折れや曲がり癖がついている場合がある。折れや曲がり癖がついた撮影対象媒体の画像をスタンド型画像撮影装置によって撮影すると、画像に歪みが生じる。画像に歪みが生じると、画像に対して行われることがあるOCR(Optical Character Recognition)の精度が低下する。
【0005】
そこで、本開示では、歪みのない画像を撮影できる技術を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の画像撮影装置は、載置台と、吸着部と、撮影部と、制御部とを有する。前記載置台には、撮影の対象となる媒体が載置される。前記吸着部は、前記載置台に載置された前記媒体の下面を前記載置台に静電吸着する。前記撮影部は、前記載置台に静電吸着された前記媒体の上面の画像を撮影する。前記制御部は、前記静電吸着のオンとオフとを制御する。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術によれば、歪みのない画像を撮影できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本開示の実施例1の画像撮影装置の外観の一例を示す図である。
図2図2は、本開示の実施例1の画像撮影装置の構成の一例を示す図である。
図3図3は、本開示の実施例1の画像撮影装置の動作例の説明に供する図である。
図4図4は、本開示の実施例1の画像撮影装置の動作例の説明に供する図である。
図5図5は、本開示の実施例1の画像撮影装置の動作例の説明に供する図である。
図6図6は、本開示の実施例1の吸着部の制御例の説明に供する図である。
図7図7は、本開示の実施例1の吸着部の制御例の説明に供する図である。
図8図8は、本開示の実施例1の吸着部の制御例の説明に供する図である。
図9図9は、本開示の実施例1の吸着部の制御例の説明に供する図である。
図10図10は、本開示の実施例1の吸着部の制御例の説明に供する図である。
図11図11は、本開示の実施例1の吸着部の制御例の説明に供する図である。
図12図12は、本開示の実施例1の吸着部の制御例の説明に供する図である。
図13図13は、本開示の実施例1の吸着部の制御例の説明に供する図である。
図14図14は、本開示の実施例1の吸着部の制御例の説明に供する図である。
図15図15は、本開示の実施例1の吸着部の制御例の説明に供する図である。
図16図16は、本開示の実施例1の吸着部の制御例の説明に供する図である。
図17図17は、本開示の実施例2の吸着部の制御例の説明に供する図である。
図18図18は、本開示の実施例2の吸着部の制御例の説明に供する図である。
図19図19は、本開示の実施例2の吸着部の制御例の説明に供する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施例を図面に基づいて説明する。以下の実施例において同一の構成には同一の符号を付す。
【0010】
[実施例1]
<画像撮影装置の構成>
図1は、本開示の実施例1の画像撮影装置の外観の一例を示す図である。図2は、本開示の実施例1の画像撮影装置の構成の一例を示す図である。
【0011】
図1において、画像撮影装置10は、スタンド型画像撮影装置であり、載置台11と、支柱12と、ヘッド部13と、撮影部14と、シート15と、突き当て部材16と、吸着部17とを有する。
【0012】
載置台11には、撮影対象媒体の印字面を上面にした状態で撮影対象媒体が載置される。載置台11は、画像撮影装置10の台座を兼ねる。載置台11に載置される撮影対象媒体の一例として、金融機関で使用される帳票、税金または公共料金の納付書、及び、運転免許証等の本人確認証が挙げられる。
【0013】
載置台11の一角には棒状の支柱12が設置され、支柱12によってヘッド部13の一端部が支持される。
【0014】
ヘッド部13は、支柱12の上端から載置台11の中央上方へ張り出し、ヘッド部13の他端部には撮影部14が設けられる。
【0015】
撮影部14は、ヘッド部13の載置台11に対向する側に、載置台11から所定の距離を維持した状態で下向きに取り付けられる。撮影部14の一例として、二次元の画像を取得可能なCCD(Charge Coupled Device)カメラが挙げられる。撮影部14は、載置台11に載置された撮影対象媒体の上面の画像(以下では「媒体画像」と呼ぶことがある)を撮影する。媒体画像は、撮影部14が撮影する画像(以下では「撮影画像」と呼ぶことがある)の一つである。
【0016】
突き当て部材16は、撮影対象媒体の縁部が突き当てられることにより、撮影部14に対する撮影対象媒体の位置決めを行うための部材であり、シート15の隣接する二辺に沿って設置される。例えば、図1に示すように、突き当て部材16は、シート15の左辺と上辺にそって、それぞれ3個ずつ設置される。
【0017】
シート15は、適度な摩擦を有する素材で形成され、載置台11の上面に貼付される。シート15が載置台11の上面に貼付されることにより、オペレータは、撮影対象媒体を滑らせながら載置台11上の所定位置、例えば、撮影対象媒体の縁部が突き当て部材16に突き当たる位置(以下では「突き当て位置」と呼ぶことがある)に載置することが可能となる。
【0018】
また、シート15には、シート15のほぼ全面に渡って撮影対象媒体を載置台11に静電吸着可能な吸着部17が設けられる。シート15の領域内に設けられた吸着部17に静電気が帯電されることにより、撮影対象媒体の下面が載置台11に静電吸着される。
【0019】
図2において、画像撮影装置10は、撮影部14と、吸着部17と、制御部101と、通信部102とを有する。制御部101及び通信部102は、例えば、ヘッド部13内に収納されている。
【0020】
画像撮影装置10には、通信部102を介して、コンピュータ21が接続される。コンピュータ21には、ディスプレイ22と、キーボード23と、マウス24とが接続される。なお、ディスプレイ22、キーボード23及びマウス24の替わりに、タッチパネルをコンピュータ21に接続しても良い。
【0021】
制御部101は、吸着部17における静電吸着のオンとオフとを制御する。制御部101は、ハードウェアとして、例えばプロセッサにより実現される。制御部101を実現するプロセッサの一例として、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が挙げられる。
【0022】
通信部102は、コンピュータ21と通信する。通信部102は、ハードウェアとして、例えばネットワークインタフェースモジュールにより実現される。
【0023】
撮影部14は、撮影画像を制御部101へ出力し、制御部101は、撮影部14から入力された撮影画像を通信部102へ出力し、通信部102は、制御部101から入力された撮影画像をコンピュータ21へ送信する。コンピュータ21は、撮影画像に含まれる媒体画像に対してOCR等を行う。
【0024】
<画像撮影装置の動作>
図3図5は、本開示の実施例1の画像撮影装置の動作例の説明に供する図である。
【0025】
図3に示すように、シート15上に撮影対象媒体Mが載置されていない状態では、制御部101は、吸着部17に静電気を帯電させずに静電吸着をオフにする。静電吸着がオフになっているときは、撮影対象媒体Mは載置台11に静電吸着されない。
【0026】
また、図4に示すように、シート15上に撮影対象媒体Mが載置されている状態では、制御部101は、吸着部17に静電気を帯電させて静電吸着をオンにする。静電吸着がオンになっているときは、撮影対象媒体Mは載置台11に静電吸着される。撮影対象媒体Mが載置台11に静電吸着された状態で撮影部14が制御部101から撮影指示を入力されると、撮影部14は媒体画像を撮影する。撮影指示は、コンピュータ21から通信部102を介して制御部101に与えられる。また、撮影指示は、載置台11に撮影対象媒体Mを載置したオペレータがキーボード23やマウス24を用いてコンピュータ21を操作することにより生成される。
【0027】
また、図5に示すように、シート15上に載置されていた撮影対象媒体Mが載置台11から取り除かれる際には、制御部101は、吸着部17から静電気を除電することにより静電吸着をオフにする。
【0028】
<吸着部の制御>
図6図16は、本開示の実施例1の吸着部の制御例の説明に供する図である。以下では、吸着部17での静電吸着のオンとオフの制御について、制御例1~6を挙げて説明する。
【0029】
<制御例1(図6,7)>
媒体画像の撮影が行われる際には、撮影対象媒体Mがオペレータの手Hによって載置台11に載置される。また、媒体画像の撮影が終了した際には、撮影対象媒体Mがオペレータの手Hによって載置台11から取り除かれる。よって、媒体画像の撮影が行われる際、及び、媒体画像の撮影が終了した際の双方において、図6及び図7に示すように、オペレータの手Hが、載置台11の外周の外側(図6)から、載置台11の外周の内側(図7)に進入する。
【0030】
そこで、制御部101からの制御に従って、撮影部14は、媒体画像の撮影の前後において、シート15の全面に渡る画像(以下では「全面画像」と呼ぶことがある)を一定の時間間隔で連続して撮影し、連続して撮影した複数の全面画像(以下では「連続画像」と呼ぶことがある)を制御部101へ出力する。全面画像及び連続画像は、撮影画像の一つである。制御部101は、撮影部14での連続撮影により取得された連続画像を通信部102へ出力し、通信部102は、制御部101から入力された連続画像をコンピュータ21へ送信する。
【0031】
コンピュータ21は、画像撮影装置10から順次受信する一連の連続画像において、人の手の画像(以下では「手画像」と呼ぶことがある)を含む撮影画像を検出し、手画像を含まない撮影画像から手画像を含む撮影画像に変化したタイミングで手画像の検出信号(以下では「手画像検出信号」と呼ぶことがある)を生成して画像撮影装置10へ送信する。画像撮影装置10では、通信部102が、コンピュータ21から受信した手画像検出信号を制御部101へ出力する。なお、コンピュータ21は、例えば、パターンマッチングや機械学習等の既存の手法を用いて手画像を検出することが可能である。
【0032】
制御部101は、画像撮影装置10の電源投入時に、撮影部14に連続撮影を開始させる。
【0033】
次いで、制御部101は、静電吸着がオフになっている状態で手画像検出信号が入力されたとき、つまり、静電吸着がオフになっている状態で撮影部14により手画像が撮影されたときに、吸着部17に静電気を帯電させることにより静電吸着をオンにするとともに、撮影部14に連続撮影を一旦停止させる。なお、制御部101は、撮影部14に連続撮影を継続させても良い。
【0034】
次いで、制御部101は、連続撮影の停止後に、通信部102から撮影指示を入力されたときに、撮影部14へ撮影指示を与えることにより、撮影部14に媒体画像を撮影させる。なお、撮影部14が連続撮影を継続している場合は、制御部101は、通信部102から撮影指示を入力されたときに、連続撮影された画像から媒体画像を抽出すると良い。
【0035】
次いで、制御部101は、媒体画像の撮影完了後、撮影部14に連続撮影を再開させる。
【0036】
そして、制御部101は、静電吸着がオンになっている状態で手画像検出信号が入力されたとき、つまり、静電吸着がオンになっている状態で撮影部14により手画像が撮影されたときに、吸着部17から静電気を除電することにより静電吸着をオフにする。また、制御部101は、静電吸着をオフにした後も、撮影部14に連続撮影を継続させる。
【0037】
なお、手画像を含む撮影画像の検出は、コンピュータ21の替わりに制御部101によって行われても良い。
【0038】
<制御例2(図8)>
媒体画像の撮影が行われる際には、撮影対象媒体Mがオペレータの手Hによって載置台11上の所定位置に載置される。媒体画像の撮影が行われる際に撮影対象媒体Mが載置される所定位置の一例として、図8に示すような突き当て位置が挙げられる。また、媒体画像の撮影が終了した際には、撮影対象媒体Mがオペレータの手Hによって載置台11から取り除かれる。
【0039】
そこで、制御部101からの制御に従って、撮影部14は、上記の制御例1と同様に、媒体画像の撮影の前後において、全面画像を一定の時間間隔で連続して撮影し、撮影した連続画像を制御部101へ出力する。制御部101は、撮影部14での連続撮影により取得された連続画像を通信部102へ出力し、通信部102は、制御部101から入力された連続画像をコンピュータ21へ送信する。
【0040】
コンピュータ21は、画像撮影装置10から順次受信する一連の連続画像において、撮影対象媒体Mが突き当て位置に到達した画像(以下では「到達画像」と呼ぶことがある)を検出し、到達画像を検出したタイミング、つまり、撮影対象媒体Mが突き当て位置に到達したタイミングで到達画像の検出信号(以下では「到達画像検出信号」と呼ぶことがある)を生成して画像撮影装置10へ送信する。到達画像は、撮影画像の一つである。画像撮影装置10では、通信部102が、コンピュータ21から受信した到達画像検出信号を制御部101へ出力する。
【0041】
また、コンピュータ21は、画像撮影装置10から順次受信する一連の連続画像において手画像を含む撮影画像を検出し、手画像を含まない撮影画像から手画像を含む撮影画像に変化したタイミングで手画像検出信号を生成して画像撮影装置10へ送信する。画像撮影装置10では、通信部102が、コンピュータ21から受信した手画像検出信号を制御部101へ出力する。
【0042】
制御部101は、画像撮影装置10の電源投入時に、撮影部14に連続撮影を開始させる。
【0043】
次いで、制御部101は、静電吸着がオフになっている状態で到達画像検出信号が入力されたとき、つまり、静電吸着がオフになっている状態で撮影対象媒体Mが載置台11上の所定位置(例えば、突き当て位置)に到達したときに、吸着部17に静電気を帯電させることにより静電吸着をオンにするとともに、撮影部14に連続撮影を一旦停止させる。なお、制御部101は、撮影部14に連続撮影を継続させても良い。
【0044】
次いで、制御部101は、連続撮影の停止後に、通信部102から撮影指示を入力されたときに、撮影部14へ撮影指示を与えることにより、撮影部14に媒体画像を撮影させる。なお、撮影部14が連続撮影を継続している場合は、制御部101は、通信部102から撮影指示を入力されたときに、連続撮影された画像から媒体画像を抽出すると良い。
【0045】
次いで、制御部101は、媒体画像の撮影完了後、撮影部14に連続撮影を再開させる。
【0046】
そして、制御部101は、静電吸着がオンになっている状態で手画像検出信号が入力されたとき、つまり、静電吸着がオンになっている状態で撮影部14により手画像が撮影されたときに、吸着部17から静電気を除電することにより静電吸着をオフにする。また、制御部101は、静電吸着をオフにした後も、撮影部14に連続撮影を継続させる。
【0047】
なお、到達画像の検出は、コンピュータ21の替わりに制御部101によって行われても良い。
【0048】
<制御例3(図9,10)>
図9に示すように、画像撮影装置10は、吸着部17の全範囲に渡る感圧センサSE1を有する。感圧センサSE1は、載置台11に与えられる圧力(以下では「載置台圧力」と呼ぶことがある)を検出し、検出した載置台圧力の値を示す信号を制御部101へ出力する。なお、感圧センサSE1の設置範囲は、吸着部17の全範囲ではなく、例えば突き当て部材16の周辺エリア等、吸着部17の一部の範囲であっても良い。
【0049】
ここで、媒体画像の撮影が行われる際には、撮影対象媒体Mがオペレータの手Hによって載置台11に載置される。また、媒体画像の撮影が終了した際には、撮影対象媒体Mがオペレータの手Hによって載置台11から取り除かれる。よって、媒体画像の撮影が行われる際、及び、媒体画像の撮影が終了した際の双方において、図10に示すように、オペレータの手Hから載置台11へ圧力が加わる。
【0050】
そこで、制御部101は、静電吸着がオフになっている状態で載置台圧力が閾値TH1以上となったときに静電吸着をオンにする。
【0051】
次いで、制御部101は、静電吸着をオンにした後に、通信部102から撮影指示を入力されたときに、撮影部14へ撮影指示を与えることにより、撮影部14に媒体画像を撮影させる。
【0052】
次いで、制御部101は、媒体画像の撮影完了後、静電吸着がオンになっている状態で載置台圧力が閾値TH1以上となったときに静電吸着をオフにする。
【0053】
<制御例4(図11,12,13)>
図11に示すように、画像撮影装置10は、載置台11に撮影対象媒体Mが載置されていることを検出するセンサ(以下では「載置センサ」と呼ぶことがある)SE2を突き当て部材16の周辺エリアに有する。撮影対象媒体Mが載置台11に載置されているときには、撮影対象媒体Mによって載置センサSE2が覆われる。載置センサSE2は、載置センサSE2が物体により覆われているときに、載置台11に撮影対象媒体Mが載置されていることを示す信号(以下では「載置信号」と呼ぶことがある)を連続的に制御部101へ出力する。載置センサSE2の一例として、光電センサ、照度センサ、近接センサ、及び、超音波センサ等が挙げられる。
【0054】
制御部101は、図12に示すように撮影対象媒体Mが載置台11に載置されている状態にあって載置センサSE2から載置信号が入力されている間は、載置台11に撮影対象媒体Mが載置されていると判定し、静電吸着をオンにする。
【0055】
次いで、制御部101は、静電吸着をオンにした後に、通信部102から撮影指示を入力されたときに、撮影部14へ撮影指示を与えることにより、撮影部14に媒体画像を撮影させる。
【0056】
次いで、制御部101は、媒体画像の撮影完了後、図13に示すように撮影対象媒体Mが載置台11から取り除かれている状態にあって載置センサSE2からの載置信号の入力が所定時間停止したときに、載置台11に撮影対象媒体Mが載置されていないと判定し、静電吸着をオフにする。
【0057】
<制御例5(図14,15)>
コンピュータ21は、媒体画像の撮影前に、図14に示すような画面SC1をディスプレイ22に表示させる。画面SC1は、媒体画像の撮影を開始するか否かをオペレータへ問い合わせるための画面であり、開始ボタンB1と、キャンセルボタンB2とを含む。オペレータによるキーボード23またはマウス24等の操作によって、開始ボタンB1またはキャンセルボタンB2の何れかが押下される。
【0058】
コンピュータ21は、開始ボタンB1が押下されたとき、つまり、媒体画像の撮影開始指示がコンピュータ21に与えられたときに、撮影指示を画像撮影装置10へ送信する前に吸着開始指示を画像撮影装置10へ送信し、吸着開始指示の送信から所定時間経過後に、撮影指示を画像撮影装置10へ送信する。コンピュータ21から送信された吸着開始指示は、通信部102を介して制御部101に入力される。制御部101は、静電吸着がオフになっている状態で吸着開始指示を入力されたときに、静電吸着をオンにする。
【0059】
一方で、コンピュータ21は、キャンセルボタンB2が押下されたときは、吸着開始指示及び撮影指示を画像撮影装置10へ送信せず、媒体画像の撮影をキャンセルする。
【0060】
また、制御部101は、媒体画像の撮影が完了したときに、撮影完了信号を通信部102を介してコンピュータ21へ送信する。コンピュータ21は、撮影完了信号を受信したときに、図15に示すような画面SC2をディスプレイ22に表示させる。画面SC2は、媒体画像の撮影を終了するか否かをオペレータへ問い合わせるための画面であり、終了ボタンB3と、継続ボタンB4とを含む。オペレータによるキーボード23またはマウス24の操作によって、終了ボタンB3または継続ボタンB4の何れかが押下される。
【0061】
コンピュータ21は、終了ボタンB3が押下されたとき、つまり、媒体画像の撮影終了指示がコンピュータ21に与えられたときに、吸着終了指示を画像撮影装置10へ送信する。コンピュータ21から送信された吸着終了指示は、通信部102を介して制御部101に入力される。制御部101は、媒体画像の撮影完了後、静電吸着がオンになっている状態で吸着終了指示を入力されたときに、静電吸着をオフにする。
【0062】
一方で、コンピュータ21は、継続ボタンB4が押下されたときは、吸着終了指示を画像撮影装置10へ送信せず、静電吸着のオン状態が継続される。
【0063】
なお、コンピュータ21が、開始ボタンB1、キャンセルボタンB2、終了ボタンB3、または、継続ボタンB4の何れが押下されたかを示す信号(以下では「押下信号」と呼ぶことがある)を画像撮影装置10へ送信し、制御部101が、押下信号に基づいて、静電吸着のオンとオフとを制御しても良い。
【0064】
<制御例6(図16)>
図16に示すように、画像撮影装置10は、静電吸着のオンとオフとを切り替えるスイッチ18を有する。
【0065】
制御部101は、静電吸着がオフになっている状態でスイッチ18がオペレータによって押下されたときに、静電吸着をオンにする。
【0066】
また、制御部101は、静電吸着がオンになっている状態でスイッチ18がオペレータによって押下されたときに、静電吸着をオフにする。
【0067】
以上、実施例1について説明した。
【0068】
[実施例2]
図17図18及び図19は、本開示の実施例2の吸着部の制御例の説明に供する図である。
【0069】
制御部101は、実施例1の制御例1~6のようにして静電吸着をオンにする際に、吸着部17において静電吸着が行われる範囲(以下では「吸着範囲」と呼ぶことがある)を撮影対象媒体Mのサイズ(以下では「媒体サイズ」と呼ぶことがある)に応じて変化させる。
【0070】
例えば、制御部101は、載置台11に撮影対象媒体Mが載置された状態で、静電吸着をオンにする直前に、撮影部14に全面画像を撮影させる。全面画像には媒体画像が含まれる。撮影部14は、撮影した全面画像を制御部101へ出力する。制御部101は、全面画像を通信部102へ出力し、通信部102は、制御部101から入力された全面画像をコンピュータ21へ送信する。
【0071】
コンピュータ21は、全面画像の面積に対する媒体画像の面積の比に基づいて媒体サイズを判定し、媒体サイズを示す信号(以下では「サイズ信号」と呼ぶことがある)を生成して画像撮影装置10へ送信する。画像撮影装置10では、通信部102が、コンピュータ21から受信したサイズ信号を制御部101へ出力する。
【0072】
制御部101は、サイズ信号によって示される媒体サイズに応じて吸着範囲を変化させる。
【0073】
例えば、媒体画像の撮影が行われる際に撮影対象媒体Mが載置される正しい所定位置(以下では「所定載置位置」と呼ぶことがある)が、撮影対象媒体Mの縁部が6個のすべての突き当て部材16に突き当たる位置に指定されているときは、制御部101は、図17に示すようにして吸着範囲を変化させる。図17において、制御部101は、サイズ信号によって示される媒体サイズがA4サイズであるときは吸着範囲を範囲R1に設定し、サイズ信号によって示される媒体サイズがA5サイズであるときは吸着範囲を範囲R2に設定する。
【0074】
また例えば、所定載置位置が、撮影対象媒体Mの縁部が6個の突き当て部材16のうちの上方の3個に突き当たる位置で、かつ、シート15の左右中央の位置に指定されているときは、制御部101は、図18に示すようにして吸着範囲を変化させる。図18において、制御部101は、サイズ信号によって示される媒体サイズがA4サイズであるときは吸着範囲を範囲R3に設定し、サイズ信号によって示される媒体サイズがA5サイズであるときは吸着範囲を範囲R4に設定する。
【0075】
また例えば、所定載置位置がシート15の上下中央かつ左右中央の位置に指定されているときは、制御部101は、図19に示すようにして吸着範囲を変化させる。図19において、制御部101は、サイズ信号によって示される媒体サイズがA4サイズであるときは吸着範囲を範囲R5に設定し、サイズ信号によって示される媒体サイズがA5サイズであるときは吸着範囲を範囲R6に設定する。
【0076】
以上のように、制御部101は、所定載置位置に応じて吸着範囲を変化させる。
【0077】
なお、媒体サイズの判定は、コンピュータ21の替わりに制御部101によって行われても良い。
【0078】
以上、実施例2について説明した。
【0079】
[実施例3]
制御部101での上記説明における各処理の全部または一部は、各処理に対応するプログラムを制御部101に実行させることによって実現しても良い。例えば、上記説明における各処理に対応するプログラムは画像撮影装置10が有するメモリ(図示省略)に記憶され、プログラムが制御部101によってメモリから読み出されて実行されても良い。また、プログラムは、任意のネットワークを介して画像撮影装置10に接続されたプログラムサーバに記憶され、そのプログラムサーバから画像撮影装置10にダウンロードされて実行されたり、画像撮影装置10が読み取り可能な記録媒体に記憶され、その記録媒体から読み出されて実行されても良い。画像撮影装置10が読み取り可能な記録媒体には、例えば、メモリカード、USBメモリ、SDカード等の可搬の記憶媒体が含まれる。また、プログラムは、任意の言語や任意の記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。また、プログラムは必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールや複数のライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものも含む。
【0080】
以上、実施例3について説明した。
【0081】
以上のように、本開示の画像撮影装置(実施例の画像撮影装置10)は、載置台(実施例の載置台11)と、吸着部(実施例の吸着部17)と、撮影部(実施例の撮影部14)と、制御部(実施例の制御部101)とを有する。載置台には撮影対象媒体(実施例の撮影対象媒体M)が載置される。吸着部は、載置台に載置された撮影対象媒体の下面を載置台に静電吸着する。撮影部は、載置台に静電吸着された撮影対象媒体の上面の画像を撮影する。制御部は、吸着部における静電吸着のオンとオフとを制御する。
【0082】
例えば、制御部は、静電吸着がオフになっている状態で撮影部により手の画像が撮影されたときに静電吸着をオンにし、静電吸着がオンになっている状態で撮影部により手の画像が撮影されたときに静電吸着をオフにする。
【0083】
また例えば、制御部は、静電吸着がオフになっている状態で撮影対象媒体が載置台上の所定位置に到達したときに静電吸着をオンにし、静電吸着がオンになっている状態で撮影部により手の画像が撮影されたときに静電吸着をオフにする。
【0084】
また例えば、本開示の画像撮影装置は、載置台に与えられる圧力を検出するセンサ(実施例の感圧センサSE1)を有する。制御部は、静電吸着がオフになっている状態で圧力が閾値以上となったときに静電吸着をオンにし、静電吸着がオンになっている状態で圧力が閾値以上となったときに静電吸着をオフにする。
【0085】
また例えば、本開示の画像撮影装置は、載置台に撮影対象媒体が載置されていることを検出するセンサ(実施例の載置センサSE2)を有する。制御部は、載置台に撮影対象媒体が載置されているときに静電吸着をオンにし、載置台に撮影対象媒体が載置されていないときに静電吸着をオフにする。
【0086】
また例えば、本開示の画像撮影装置はコンピュータ(実施例のコンピュータ21)に接続されている。制御部は、静電吸着がオフになっている状態でコンピュータに画像の撮影開始指示が与えられたときに静電吸着をオンにし、静電吸着がオンになっている状態でコンピュータに画像の撮影終了指示が与えられたときに静電吸着をオフにする。
【0087】
また例えば、本開示の画像撮影装置は、静電吸着のオンとオフとを切り替えるスイッチ(実施例のスイッチ18)を有する。制御部101は、静電吸着がオフになっている状態でスイッチが押下されたときに静電吸着をオンにし、静電吸着がオンになっている状態でスイッチが押下されたときに静電吸着をオフにする。
【0088】
こうすることで、撮影対象媒体の画像撮影時には撮影対象媒体が載置台に静電吸着されるため、撮影対象媒体の折れや曲がり癖を静電吸着によって矯正することができるので、歪みのない画像を撮影することができる。また、歪みのない画像を撮影することができることにより、OCRの精度の低下を防止することができる。
【0089】
また、絶えず静電吸着をオンにしていると、画像撮影装置の消費電力が増大するとともに、撮影終了後にオペレータが撮影対象媒体を載置台から取り除く際に取り除きにくくなってしまって利便性が低下する。これに対し、上記のようにして静電吸着のオンとオフとを制御することにより、静電吸着が必要なときにだけ静電吸着をオンにすることができるため、画像撮影装置の消費電力を抑制することができるとともに、静電吸着を行うことによる利便性の低下を防止することができる。
【0090】
また、制御部は、吸着部において静電吸着が行われる範囲を所定載置位置に応じて変化させる。
【0091】
こうすることで、所定載置位置に撮影対象媒体が正しく載置されているときは正しく載置されていないときに比べて撮影対象媒体の載置台に対する吸着力が大きくなる。このため、所定載置位置に撮影対象媒体が正しく載置されているときと正しく載置されていないときとの感触の違いをオペレータに伝えることができるので、撮影対象媒体が所定載置位置に載置されているか否かを感触によってオペレータが認識することが可能になる。
【符号の説明】
【0092】
10 画像撮影装置
11 載置台
14 撮影部
17 吸着部
101 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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