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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】スパウトパウチ
(51)【国際特許分類】
   B65D 75/58 20060101AFI20240621BHJP
   B65D 33/38 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
B65D75/58
B65D33/38
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021072590
(22)【出願日】2021-04-22
(65)【公開番号】P2022167061
(43)【公開日】2022-11-04
【審査請求日】2023-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000102544
【氏名又は名称】エステー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】小林 瑞紀
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-035838(JP,A)
【文献】特開2019-064667(JP,A)
【文献】特表2009-524564(JP,A)
【文献】特開2011-162245(JP,A)
【文献】特開2003-118751(JP,A)
【文献】実開平03-035049(JP,U)
【文献】実開平03-122840(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/58
B65D 33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部が商品の収容空間とされたパウチと、前記パウチに接合され商品取り出し口を形成するスパウトとを備え、
前記スパウトは、キャップにより開閉される商品通路が貫通された筒状部と、前記筒状部の端部に設けられ前記収容空間を構成する2枚のフィルムに接合される被接合部とを有するスパウトパウチであって、
前記パウチに均一の大きさの複数の商品が収容され、
前記商品通路は一つの前記商品を通過させる大きさの断面形状で形成され、
前記商品通路の通路軸心と直交する平面で切断した前記被接合部の輪郭は、前記輪郭の内側において前記平面上で2つの前記商品が並べられない大きさで形成され、
前記2枚のフィルムが前記被接合部に接合されることで、前記スパウトの直下の前記収容空間の箇所に前記2枚のフィルムにより前記被接合部の輪郭に対応した輪郭の通路が前記商品通路の延長上に前記商品通路の通路軸心に沿って延在形成され、
前記スパウトの直下の前記収容空間の箇所に延在形成された前記通路の、前記商品通路の通路軸心の延長線と直交する平面で切断した断面形状は、前記商品通路の通路軸心の延長線と直交する平面上で2つの前記商品が並べられない大きさで形成されている、
ことを特徴とするスパウトパウチ。
【請求項2】
前記被接合部は、前記筒状部と、前記筒状部の両側から突出する一対の突出部とを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項1記載のスパウトパウチ。
【請求項3】
前記商品は球状を呈している、
ことを特徴とする請求項1または2記載のスパウトパウチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スパウトパウチに関する。
【背景技術】
【0002】
粉末や液体などの食品や飲料、化学品、化粧品、医薬品などの容器としてスパウトパウチが知られている。
スパウトパウチは、商品が収容されたパウチと、パウチに接合され商品取り出し口を形成するスパウトとを備えている。
スパウトは、キャップが係脱可能に取着され商品通路が貫通された筒状部と、筒状部の端部に設けられパウチが接合される被接合部とを有している。
そして、被接合部は、筒状部と、筒状部の両側から突出する一対の突出部とを含んで構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-117241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、このようなスパウトパウチに、ほぼ均一の大きさで、固体やゲル状の商品を複数収容して市場に流通させることを考えた。
この場合、本発明者は、購入者が所望量の商品をスパウトパウチから簡単に取り出せるように、商品通路の大きさを一つの商品が通過できる大きさに形成することを考えた。
しかしながら、商品通路の大きさを一つの商品が通過できる大きさに形成すると、商品がスパウトの箇所で詰まってしまう事象が発生することが判明した。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、ほぼ均一の大きさの固体やゲル状の複数の商品を収容し、所望の量の商品を詰まらせることなく簡単に取り出せるスパウトパウチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するため本発明の一実施形態は、パウチと、前記パウチに接合され商品取り出し口を形成するスパウトとを備え、前記スパウトは、キャップにより開閉される商品通路が貫通された筒状部と、前記筒状部の端部に設けられ前記パウチに接合される被接合部とを有するスパウトパウチであって、前記パウチにほぼ均一の大きさの複数の商品が収容され、前記商品通路は一つの前記商品を通過させる大きさの断面形状で形成され、前記商品通路の通路軸心と直交する平面で切断した前記被接合部の輪郭は、前記輪郭の内側において前記平面上で2つの前記商品が並べられない大きさで形成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、パウチと、前記パウチに接合され商品取り出し口を形成するスパウトとを備え、前記スパウトは、キャップにより開閉される商品通路が貫通された筒状部と、前記筒状部の端部に設けられ前記パウチに接合される被接合部とを有するスパウトパウチであって、前記パウチにほぼ均一の大きさの複数の商品が収容され、前記商品通路は一つの前記商品を通過させる大きさの断面形状で形成され、前記商品通路の通路軸心と直交する平面で切断した前記被接合部の輪郭は、前記輪郭の内側において前記平面上で前記商品通路内にそのほぼ全体が位置する前記商品を含んで複数の前記商品がほぼ直線状に並べられる大きさで形成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、パウチと、前記パウチに接合され商品取り出し口を形成するスパウトとを備え、前記スパウトは、キャップにより開閉される商品通路が貫通された筒状部と、前記筒状部の端部に設けられ前記パウチに接合される被接合部とを有するスパウトパウチであって、前記パウチにほぼ均一の大きさの複数の商品が収容され、前記商品通路は一つの前記商品を通過させる大きさの断面形状で形成され、前記商品通路の通路軸心と直交する平面で切断した前記被接合部の輪郭は、前記輪郭の内側において前記平面上で前記商品通路内にそのほぼ全体が位置する前記商品の周囲に複数の商品が並べられる大きさで形成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、前記パウチを構成する2枚のフィルムが前記被接合部に接合され、前記スパウトの直下の商品収容空間を構成する前記2枚のフィルムの箇所に、前記平面で切断した前記被接合部の輪郭に対応した輪郭の通路が、前記商品通路の軸心の延長上に設けられていることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、前記被接合部は、前記筒状部と、前記筒状部の両側から突出する一対の突出部とを含んで構成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、前記商品は球状を呈していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、スパウトの箇所での商品の詰まりを抑制でき、商品通路から商品が一つずつスムーズに取り出され、所望量の商品を簡単に取り出す上で有利となる。
また、被接合部を、筒状部と、筒状部の両側の一対の突出部とで構成すると、被接合部の中央に商品通路が位置し、スパウトパウチの外観性を向上する上で有利となる。
また、商品の形状を球状にすると、所望量の商品の取り出しを円滑に行なう上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】商品が収容されたスパウトパウチの斜視図である。
図2】商品が収容されたスパウトパウチの側面図である。
図3】スパウトパウチのスパウト部分の断面図である。
図4】2つの商品が商品通路の通路軸心方向において重なり、商品が商品通路から押し出されていく説明図で、(A)は図3の平面P1で切断した断面図、(B)は図3の平面P2で切断した断面図、(C)は図3の平面P3で切断した断面図である。
図5】(A)はスパウトの平面図、(B)は同正面図、(C)は同底面図、(D)は同側面図である。
図6】スパウトの被接合部の端面に近接したパウチの箇所の断面図で、被接合部の端面で商品が詰まった状態の説明図である。
図7】スパウトの被接合部の端面に近接したパウチの箇所の断面図で、被接合部の輪郭の内側において、商品通路内にその全体が位置する商品を含んで2つの商品が直線状に並べられた状態の説明図である。
図8】スパウトの被接合部の端面に近接したパウチの箇所の断面図で、被接合部の輪郭の内側において、商品通路内にその全体が位置する商品を含んで3つの商品が直線状に並べられた状態の説明図である。
図9】スパウトの被接合部の端面に近接したパウチの箇所の断面図で、被接合部の輪郭の内側において、商品通路内にそのほぼ全体が位置する商品を含んで3つの商品が直線状に並べられた状態の説明図である。
図10】スパウトの被接合部の端面に近接したパウチの箇所の断面図で、スパウトの被接合部の端面で3つの商品が詰まった状態の説明図である。
図11】スパウトの被接合部の端面に近接したパウチの箇所の断面図で、被接合部の輪郭の内側において、商品通路内にそのほぼ全体が位置する商品の周囲に相互に接触して7つの商品が並べられた状態の説明図である。
図12】スパウトの被接合部の端面に近接したパウチの箇所の断面図で、スパウトの被接合部の端面で3つの商品が詰まった状態の説明図である。
図13】スパウトの被接合部の端面に近接したパウチの箇所の断面図で、スパウトの被接合部の端面で4つの商品が詰まった状態の説明図である。
図14】スパウトの被接合部の端面に近接したパウチの箇所の断面図で、スパウトの被接合部の端面で5つの商品が詰まった状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態について図1図6を参照して説明する。
図1図2に示すように、スパウトパウチ8は、商品10が収容されたパウチ12と、パウチ12に接合されるスパウト14とを備えている。
パウチ12に収容される商品10は、ほぼ均一の大きさの固体やゲル状の食品や化学品、化粧品、医薬品などであり、本実施の形態では、吸水性樹脂の1つであるポリアクリル酸塩に、香料、植物抽出物、界面活性剤、無機塩、溶剤、安定化剤、水などを吸収させた球状でゲル状の消臭剤である。
パウチ12は商品10が収容される収容空間1201を形成する箇所であり、パウチ12として、平袋タイプ、スタンディングタイプ、ガセットタイプ、ピラータイプなど従来公知の様々な構造が採用可能である。
本実施の形態では、図2に示すように、一対の側面フィルム16と、一対の側面フィルム16の底部間に接合された底面フィルム18とで形成されたスタンディングパウチ12Aを採用している。
【0009】
図1に示すように、商品10が収容されたスタンディングパウチ12Aを平面上に起立させた状態で、スタンディングパウチ12Aは、一対の底辺1202と、底辺1202の両側から起立する一対の縦辺1204と、一対の縦辺1204の一方の縦辺1204の上端に接続する上辺1206と、一対の縦辺1204の他方の縦辺1204の上端と上辺1206の端部とを接続する傾斜辺1208とを有している。
一対の底辺1202は、一対の側面フィルム16と底面フィルム18とが接合されて構成され、縦辺1204、上辺1206と、傾斜辺1208は一対の側面フィルム16どうしが接合されて構成されている。
図2に示すように、一対の側面フィルム16は、上辺1206から下方に至るにつれてそれらの間隔が次第に大きくなっている。
【0010】
図1に示すように、スパウト14は傾斜辺1208の長手方向の中央に設けられている。
なお、一対の側面フィルム16や底面フィルム18には従来公知の様々な合成樹脂材料や、紙、紙と合成樹脂との混合材料などが使用可能であるが、本実施の形態では、所望の量が簡単に取り出せるように、また、商品10の残存量が簡単に分かるように透明な合成樹脂製のフィルムを用いている。
【0011】
スパウト14は、商品取り出し口を形成する箇所であり、スパウト14には、型成形が容易なポリエチレンなどの従来公知の様々な合成樹脂材料が使用可能である。
図5に示すように、スパウト14は、筒状部20と、パウチ12が接合される被接合部22とを有している。
筒状部20の内部には、商品通路24が貫通形成され、商品通路24は、一つの商品10を通過させる大きさの断面形状の円形で形成され、筒状部20の長手方向の一方の端部の端面に商品通路24が外部開口24Aとして開口している。
本実施の形態では、商品10である消臭剤は外径が14mmであり、商品通路24の内径は16mmである。
筒状部20の長手方向の中間部に2つの六角形の板状のフランジ2002,2004が形成され、一方のフランジ2002の上方の筒状部20の箇所にキャップ2006(図1図2参照)が係脱可能に取着される雄ねじ2008が形成されている。
なお、キャップ2006は、商品通路24の外部開口24Aを開閉するものであればよく、実施の形態のように雄ねじ2008を介してねじ結合されるものに限定されず、ゴム栓など従来公知の様々な構造が採用可能である。
被接合部22は、他方のフランジ2004の直下の筒状部20の長手方向の端部20Aに設けられている。
【0012】
被接合部22は、筒状部20の長手方向の端部20Aと、筒状部20の長手方向の端部20Aの両側からV字状に突出する一対の突出部26とを含んで構成され、筒状部20に対して左右対称に形成されている。
図5(C)に示すように、筒状部20の長手方向の端部20Aの外周面をなす円筒面2010と、一対の突出部26の外周面をなす一対の湾曲面2602とが、一対の側面フィルム16の傾斜辺1208が接合される被接合部22の被接合面2202となっている。
また、筒状部20の長手方向の端部20Aの端面2012に、すなわち、被接合部22の端面2012に、商品通路24が内部開口24Bとして開口している。
図1に示すように、パウチ12を構成する一対の側面フィルム16の傾斜辺1208の縁が他方のフランジ2004に当て付けられた状態で、一対の側面フィルム16の傾斜辺1208が、被接合部22の被接合面2202に接着や融着などの従来公知の様々な手段により気密、液密に取り付けられ、すなわち接合されている。
【0013】
図3に示す商品通路24の通路軸心2402と直交する平面P1で切断した被接合部22の輪郭は、図4(A)に示すように、商品通路24が位置していることから一つの商品10の輪郭よりも大きく、また、その輪郭の内側において平面P1上で2つの商品10が並べられない大きさで形成されている。
また、円筒面2010に接合された側面フィルム16の傾斜辺1208の箇所は、円筒面2010に対応した形状の円筒面1210となり、一対の湾曲面2602に接合された傾斜辺1208の箇所は、一対の湾曲面2602に対応した形状の一対の湾曲面1212となる。
したがって、図3に示す商品通路24の通路軸心2402の延長線と直交する平面P2で切断したスパウト14の直下のパウチ12の箇所は、図4(B)に示すように、一対の側面フィルム16にそれぞれ円筒面1210と一対の湾曲面1212とが対向して位置していることから、商品通路24の延長上のパウチ12の内部に、商品通路24の通路軸心2402の延長線と直交する図3に示す平面P2上で2つの商品10が並べられない大きさの通路1220が被接合部22の端面2012から商品通路24の通路軸心2402に沿って延在形成されている。
【0014】
また、図3に示す商品通路24の通路軸心2402の延長線と直交する平面P3で切断したスパウト14から若干離れたパウチ12の箇所は、図4(C)に示すように、一対の湾曲面1212が小さくなって図4(B)に示す輪郭よりも若干大きな輪郭となっているものの、その輪郭の内側において平面P3上で2つの商品10が並べられない大きさの通路1222が形成されている。
【0015】
なお、図2に示すように、スタンディングパウチ12Aには、球状の商品10が多数収容されており、一対の側面フィルム16の間隔は、上辺1206から底部に至るにつれて次第に大きくなる。
一方、一対の側面フィルム16の傾斜辺1208が、スパウト14の被接合部22の被接合面2202に接合されていることから、図1図4(B)、(C)に示すように、被接合部22の端面2012から離れた商品通路24の通路軸心2402の延長上のパウチ12の箇所に、被接合面2202に対応した形状の円筒面1210と一対の湾曲面1212が形成される。
この円筒面1210と一対の湾曲面1212は、パウチ12の底部から同じ高さで傾斜辺1208から離れた側面フィルム16の箇所に比べてパウチ12の内側に窪んだ箇所に位置している。
そのため、図1図2に示すように、被接合部22の端面2012から離れた商品通路24の通路軸心2402の延長上の周囲の側面フィルム16の箇所には、パウチ12の底部から同じ高さの側面フィルム16の箇所に比べてパウチ12の内側に窪んだ凹面1604が形成され、この凹面1604の中央に円筒面1210と一対の湾曲面1212とが位置し、一対の湾曲面と1212と凹面1604とは接続面1214で接続されている。
【0016】
円筒面1210と一対の湾曲面1212は被接合部22の端面2012から第1の距離離れた箇所で消滅し、凹面1604は接合部の端面2012から第1の距離よりもさらに離れた箇所で消滅する。
なお、円筒面1210と一対の湾曲面1212は被接合部22の端面2012から第1の距離離れた箇所で消滅すると、商品通路24の通路軸心2402の延長上に位置するパウチ12の箇所は凹面1604に沿ってその輪郭が次第に大きくなる。
一対の側面フィルム16の厚さや柔らかさ、商品10の収容量などにもよるが、例えば、パウチ12の高さが25cm前後で、パウチ12の幅が15cm前後の場合、商品通路24の通路軸心2402の延長上で被接合部22の端面2012から1.5cmから2cm前後離れたパウチ12の箇所までは、パウチ12の内部に通路1220,1222が形成され、被接合部22の端面2012からそれ以上離れると商品通路24の通路軸心2402の延長上のパウチ12の箇所の輪郭は凹面1604に沿って次第に大きくなり、複数商品10が並べられる大きさとなり、凹面1604を過ぎると凹面1604以外の一対の側面フィルム16の箇所と同様な形状となる。
【0017】
本実施の形態のスパウトパウチ8によれば、キャップ2006を筒状部20から取り外し、スパウト14に対してパウチ12の底部を上昇させるようにパウチ12を傾かせると、商品10がパウチ12内を移動してスパウト14の端面2012に至り、商品通路24は一つの商品10を通過させる大きさの断面形状で形成されていることから、商品10は商品通路24からパウチ12の外部に一つずつ取り出される。
この場合、図4(A)に示すように、商品通路24の通路軸心2402と直交する平面P1で切断した被接合部22の輪郭は、その輪郭の内側において平面P1上で2つの商品10が並べられない大きさで形成されている。
そのため、スパウト14の商品通路24の内部開口24B近傍の箇所では、図4(B)、(C)で示すように、互いに対向する円筒面1210と一対の湾曲面1212との間の通路1220,1222で2つの商品10は商品通路24の通路軸心2402方向において重なり、商品10は商品通路24に押し出されていく。
すなわち、図6に示すように、被接合部22の端面2012で互いに対向する円筒面1210と一対の湾曲面1212との間に2つの商品10が並んだ状態で嵌まり込み、商品10がスパウト14の箇所で詰まってしまう事象が発生することない。
したがって、商品通路24から商品10が一つずつスムーズに取り出され、所望量の商品10を簡単に取り出すことができる。
【0018】
(第2の実施の形態)
次に、図7図9を参照して第2の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態では、商品通路24の通路軸心2402と直交する平面P1で切断した被接合部22の輪郭は、その輪郭の内側において平面P1上で2つの商品10が並べられない大きさで形成されていたのに対して、以下の実施の形態では、商品通路24の通路軸心2402と直交する平面P1で切断した被接合部22の輪郭が、その輪郭の内側において平面P1上で2つ以上の商品10が並べられる大きさで形成されている点が第1の実施の形態と異なっている。
なお、以下の実施の形態では、第1の実施の形態と同様な箇所、部材に同一の符号を付してその説明を省略あるいは簡略し、第1の実施の形態と異なった箇所を重点的に説明する。
図7図9に示すように、商品通路24の通路軸心2402と直交する平面P1(図3参照)で切断した被接合部22の輪郭は、被接合部22の輪郭の内側において平面P1上で商品通路24内にそのほぼ全体が位置する商品10を含んで複数の商品10がほぼ直線状に並べられる大きさで形成されている。
【0019】
図7では、2つの商品10が相互に接触した状態でほぼ直線状に並べられ、図8図9では3つの商品10が相互に接触した状態でほぼ直線状に並べられている。
第1の実施の形態や図8に示す実施の形態では、商品通路24の通路軸心2402と直交する平面P1で切断した被接合部22の輪郭が、商品通路24に対して左右対称の形状で形成されているが、図7図9に示す実施の形態では、商品通路24に対して左右対称の形状で形成されていない。
図7図9に示すように、複数の商品10が相互に接触した状態でほぼ直線状に並べられる場合、一つの商品10のほぼ全体が商品通路24内に位置していれば、3つの商品10が相互に接触している必要はなく、隙間をあけて並べられてもよい。この場合、3つの商品10が隙間をあけて並べられると、3つの商品10の中心を結んだ想像線は屈曲線となる場合もある。
第2の実施の形態は、このように商品10が屈曲線状に並べられる被接合部22の輪郭を含むため、ほぼ直線状には、商品10が直線状に並べられる他、このように商品が屈曲されて並べられる場合も含む。
第2の実施の形態では、一つの商品10のほぼ全体が商品通路24内に位置するように複数の商品がほぼ直線状に並べられるため、商品通路24から商品10が一つずつスムーズに取り出される。
なお、図中符号1610は、被接合部22の被接合面2202に対応した形状の側面フィルム16の部分を示し、符号1230は側面フィルム16の部分1610で形成された通路を示している。
図7図9では、2つあるいは3つの商品10がほぼ直線状に並べられる場合を示しているが、商品10の数は4つ以上であっても同様である。
第2の実施の形態によっても、図6図10に示すように、被接合部22の端面2012で互いに対向する側面フィルム16の部分1610の間に商品10が並んだ状態で嵌まり込むことはなく、商品10がスパウト14の端面2012で詰まってしまう事象が発生することない。
したがって、商品通路24から商品10が一つずつスムーズに取り出され、所望量の商品10を簡単に取り出すことができる。
【0020】
(第3の実施の形態)
次に、図11図14を参照して第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態では、商品通路24の通路軸心2402と直交する平面P1(図3参照)で切断した被接合部22の輪郭は、被接合部22の輪郭の内側において平面P1上で商品通路24内にそのほぼ全体が位置する商品10の周囲に複数の商品10が並べられる大きさで形成されている。
図11では、7つの商品10が相互に接触した状態で並べられているが、一つの商品10のほぼ全体が商品通路24内に位置していれば、7つの商品10が相互に接触している必要はなく、隙間をあけて並べられてもよい。
第3の実施の形態では、商品通路24内に位置する一つの商品10の周囲に複数の商品10が並べられるため、商品通路24から商品10が一つずつスムーズに取り出される。
第3の実施の形態によっても図12図14に示すように、被接合部22の端面2012で互いに対向する側面フィルム16の部分1610の間に商品10が並んだ状態で嵌まり込むことはなく、商品10がスパウト14の端面2012で詰まってしまう事象が発生することない。
したがって、商品通路24から商品10が一つずつスムーズに取り出され、所望量の商品10を簡単に取り出すことができる。
【0021】
なお、本実施の形態では商品10の形状が球状である場合について説明したが、商品10の形状は、立方体や多面体などであってもよく球状に限定されない。ただし、実施の形態のように商品10の形状を球状に形成すると、商品10に角部がないため商品10の取り出しを円滑に行なう上で有利となる。
また、本実施の形態では、パウチ12に収容される商品10が消臭剤である場合について説明したが、商品10は消臭剤などの薬剤に限定されず、ほぼ均一の大きさの固体やゲル状の食品や化学品、化粧品、医薬品などであってもよいことは無論のことである。
また、本実施の形態では、パウチ12がスタンディングタイプのものである場合について説明したが、パウチ12には、平袋タイプ、ガセットタイプ、ピラータイプなど従来公知の様々な構造が採用可能である。
また、商品通路24の通路軸心2402と直交する平面P1で切断した被接合部22の輪郭は、商品通路24に対して左右対称に形成する必要はないが、筒状部20と一対の突出部26とで被接合部22を左右対称の形状にすると、被接合部22の中央に商品通路24が位置することから、スパウトパウチ8の外観性を向上する上で有利となる。
【符号の説明】
【0022】
8 スパウトパウチ
10 商品
12 パウチ
12A スタンディングパウチ
1201 収容空間
1202 底辺
1204 縦辺
1206 上辺
1208 傾斜辺
1210 円筒面
1212 湾曲面
1214 接続面
1220,1222,1230 通路
14 スパウト
16 側面フィルム
1604 凹面
1610 部分
18 底面フィルム
20 筒状部
20A 筒状部の端部
2002,2004 フランジ
2006 キャップ
2008 雄ねじ
2010 円筒面
2012 端面
22 被接合部
2202 被接合面
24 商品通路
2402 通路軸心
24A 外部開口
24B 内部開口
26 突出部
2602 湾曲面
P1、P2、P3 平面
図1
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