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特許7507728情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20240621BHJP
【FI】
G06Q50/26
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021101915
(22)【出願日】2021-06-18
(65)【公開番号】P2023000854
(43)【公開日】2023-01-04
【審査請求日】2022-05-18
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺田 幸弘
【合議体】
【審判長】佐藤 智康
【審判官】梶尾 誠哉
【審判官】月野 洋一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-101585(JP,A)
【文献】特開2019-168860(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自治体による施策の開始前におけるユーザの行動を示す施策前行動情報と、前記自治体による前記施策の開始後におけるユーザの行動を示す施策後行動情報とを取得する取得部と、
前記施策前行動情報が示す前記施策の開始前におけるユーザのポジティブな行動である施策前ポジティブ行動の数、及び前記施策の開始前におけるユーザのネガティブな行動である施策前ネガティブ行動の数を用いて推定した施策前満足度と、前記施策後行動情報が示す前記施策の開始後におけるユーザのポジティブな行動である施策後ポジティブ行動の数、及び前記施策の開始後におけるユーザのネガティブな行動である施策後ネガティブ行動の数を用いて推定した施策後満足度とに基づいて、前記自治体による前記施策の効果を推定する推定部と、
前記推定部により推定された前記施策の効果に関する情報を、前記自治体に地理的に類似する自治体である地理的類似自治体に提供する情報提供サービスを提供する提供部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、
前記施策の開始前にユーザが入力した前記自治体に関する入力情報を含む前記施策前行動情報と、前記施策の開始後にユーザが入力した前記自治体に関する入力情報を含む前記施策後行動情報とを取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、
前記施策の開始前にユーザが入力した前記施策に関する入力情報を含む前記施策前行動情報と、前記施策の開始後にユーザが入力した前記施策に関する入力情報を含む前記施策後行動情報とを取得する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得部は、
前記施策の開始前にユーザがソーシャルネットワーキングサービスにおいて投稿した前記自治体に関する投稿情報を含む前記施策前行動情報と、前記施策の開始前にユーザがソーシャルネットワーキングサービスにおいて投稿した前記自治体に関する投稿情報を含む前記施策後行動情報とを取得する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、
前記施策の開始前にユーザがソーシャルネットワーキングサービスにおいて投稿した前記施策に関する投稿情報を含む前記施策前行動情報と、前記施策の開始前にユーザがソーシャルネットワーキングサービスにおいて投稿した前記施策に関する投稿情報を含む前記施策後行動情報とを取得する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記取得部は、
前記施策の開始前にユーザが前記自治体に関するキーワードと共に用いた検索クエリを含む前記施策前行動情報と、前記施策の開始前にユーザが前記自治体に関するキーワードと共に用いた検索クエリを含む前記施策後行動情報とを取得する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記取得部は、
前記施策の開始前にユーザが前記施策に関するキーワードと共に用いた検索クエリを含む前記施策前行動情報と、前記施策の開始前にユーザが前記施策に関するキーワードと共に用いた検索クエリを含む前記施策後行動情報とを取得する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記推定部は、
前記施策前行動情報と、前記施策後行動情報とに基づいて、前記自治体に属する住民の満足度の変化を推定し、前記満足度の変化を基に前記施策の効果を推定する
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記提供部は、
前記施策を実施した前記自治体に前記施策の効果を示す情報を提供する
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
自治体による施策の開始前におけるユーザの行動を示す施策前行動情報と、前記自治体による前記施策の開始後におけるユーザの行動を示す施策後行動情報とを取得する取得工程と、
前記施策前行動情報が示す前記施策の開始前におけるユーザのポジティブな行動である施策前ポジティブ行動の数、及び前記施策の開始前におけるユーザのネガティブな行動である施策前ネガティブ行動の数を用いて推定した施策前満足度と、前記施策後行動情報が示す前記施策の開始後におけるユーザのポジティブな行動である施策後ポジティブ行動の数、及び前記施策の開始後におけるユーザのネガティブな行動である施策後ネガティブ行動の数を用いて推定した施策後満足度とに基づいて、前記自治体による前記施策の効果を推定する推定工程と、
前記推定工程により推定された前記施策の効果に関する情報を、前記自治体に地理的に類似する自治体である地理的類似自治体に提供する情報提供サービスを提供する提供工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
自治体による施策の開始前におけるユーザの行動を示す施策前行動情報と、前記自治体による前記施策の開始後におけるユーザの行動を示す施策後行動情報とを取得する取得手順と、
前記施策前行動情報が示す前記施策の開始前におけるユーザのポジティブな行動である施策前ポジティブ行動の数、及び前記施策の開始前におけるユーザのネガティブな行動である施策前ネガティブ行動の数を用いて推定した施策前満足度と、前記施策後行動情報が示す前記施策の開始後におけるユーザのポジティブな行動である施策後ポジティブ行動の数、及び前記施策の開始後におけるユーザのネガティブな行動である施策後ネガティブ行動の数を用いて推定した施策後満足度とに基づいて、前記自治体による前記施策の効果を推定する推定手順と、
前記推定手順により推定された前記施策の効果に関する情報を、前記自治体に地理的に類似する自治体である地理的類似自治体に提供する情報提供サービスを提供する提供手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自治体等の様々な行政機関についての情報を提供する技術が提供されている。例えば、自治体の評価項目と、評価項目に対する施策等の取り組みに関する情報とを対応付けて出力する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-088059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、行政機関による施策の効果を適切に推定することができるとは限らない。例えば、上記の従来技術では、自治体の評価項目に施策を対応付けているが、その施策についての効果を推定するものではない。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、行政機関による施策の効果を適切に推定する情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、行政機関による施策の開始前におけるユーザの行動を示す施策前行動情報と、前記行政機関による前記施策の開始後におけるユーザの行動を示す施策後行動情報とを取得する取得部と、前記施策前行動情報と、前記施策後行動情報とに基づいて、前記行政機関による前記施策の効果を推定する推定部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、行政機関による施策の効果を適切に推定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る施策情報記憶部の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係るユーザ情報記憶部の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る行動情報記憶部の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
〔1.情報処理〕
図1及び図2を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【0011】
〔情報処理システムの構成〕
まず、図1及び図2に示す情報処理システム1について説明する。図2に示すように、情報処理システム1は、端末装置10と、提供先装置20と、情報処理装置100とが含まれる。端末装置10と、提供先装置20と、情報処理装置100とは所定のネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続される。図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。なお、図2に示した情報処理システム1には、複数台の端末装置10や、複数台の提供先装置20や複数台の情報処理装置100が含まれてもよい。
【0012】
端末装置10は、ユーザによって利用される情報処理装置である。端末装置10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。図1に示す例においては、端末装置10がユーザが利用するスマートフォンである場合を示す。なお、以下では、端末装置10をユーザと表記する場合がある。すなわち、以下では、ユーザを端末装置10と読み替えることもできる。具体的には、図1では、端末装置10がユーザID「U1」により識別されるユーザ(以下、「ユーザU1」とする場合がある)が利用するスマートフォンである場合を示す。
【0013】
なお、端末装置10は、様々なセンサを有してもよい。例えば、端末装置10は、GPS(Global Positioning System)センサ等の機能を有し、ユーザの位置を検知する。また、端末装置10は、温度センサや気圧センサ等の種々の機能を有し、温度や気圧等のユーザの置かれている環境情報を検知し、取得可能であってもよい。また、端末装置10は、心拍センサ等の種々の機能を有し、ユーザの生体情報を検知し、取得可能であってもよい。例えば、端末装置10を利用するユーザは、端末装置10と通信可能なウェアラブルデバイスを身に付けることにより、端末装置10によりユーザ自身の情報を取得可能としてもよい。例えば、端末装置10を利用するユーザは、端末装置10と通信可能なリストバンド型のウェアラブルデバイスを身に付けることにより、端末装置10によりユーザ自身の心拍(脈拍)に関する情報を端末装置10が取得可能としてもよい。
【0014】
また、図1に示す例においては、端末装置10を利用するユーザに応じて、端末装置10を端末装置10-1~10-5として説明する。例えば、端末装置10-1は、ユーザID「U1」により識別されるユーザ(ユーザU1)により使用される端末装置10である。また、例えば、端末装置10-2は、ユーザID「U2」により識別される(ユーザU2)により使用される端末装置10である。また、以下では、端末装置10-1~10-5について、特に区別なく説明する場合には、端末装置10と記載する。
【0015】
提供先装置20は、情報を要求する提供先により利用される情報処理装置である。なお、提供先は、情報処理装置100が提供する情報を要求する主体であれば、どのような提供先であってもよい。例えば、提供先は、行政機関による施策の効果を示す情報を所望する所定の機関や所定の事業を行う事業者やユーザであってもよい。提供先がユーザである場合、端末装置10が提供先装置20であってもよい。図1では、提供先装置20は、A自治体の管理者M1によって利用される情報処理装置である。
【0016】
例えば、A自治体は、施策ID「PL11」により識別される施策(以下、「施策PL11」とする場合がある)である防犯対策を実施する行政機関である。例えば、A自治体の管理者M1は、A自治体に所属する人であり、施策PL11の効果を示す情報を所望する人である。A自治体の管理者M1は、提供先装置20を用いて、情報処理装置100に対して施策PL11に関する情報を送信することにより、施策PL11の効果の推定を情報処理装置100に要求する。また、提供先装置20は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PCや、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA等により実現される。図1は、提供先装置20がノート型PCである場合を示す。
【0017】
情報処理装置100は、行政機関による施策の効果を推定するコンピュータである。情報処理装置100は、行政機関による施策の開始前の所定の期間におけるユーザの行動を示す行動情報(「施策前行動情報」ともいう)と、その施策の開始後の所定の期間におけるユーザの行動を示す行動情報(「施策後行動情報」ともいう)を取得する。以下、施策の開始された時点を「施策開始時点」と記載する場合がある。例えば、所定の期間は、施策開始時点の前後1週間や施策開始時点前の1ヶ月と施策開始時点後の1週間等の種々の期間であってもよい。例えば、情報処理装置100は、施策開始時点前におけるユーザの入力情報と、施策開始時点後におけるユーザの入力情報とに基づいて、行政機関による施策の効果を推定する情報処理装置である。
【0018】
また、情報処理装置100は、端末装置10から取得したクエリ(検索クエリ)に対する検索結果を端末装置10に提供する検索サービスを提供する。図1では、情報処理装置100は、クエリに対応する所定の情報を検索結果として、クエリの送信元である端末装置10へ提供する。
【0019】
なお、図1では、情報処理装置100が検索サービスを提供する場合を示すが、外部の情報処理装置が検索サービスを提供する場合、情報処理装置100は検索サービスを提供しなくてもよい。この場合、情報処理装置100は、検索サービスを提供する外部の情報処理装置等から各種情報を取得し、情報を要求する提供先への情報提供のみを行ってもよい。
【0020】
ここから、図1に示す情報処理例について説明する。図1では、施策を実行する行政機関がA自治体である場合を示す。例えば、A自治体は、X市等の任意の行政区画に対応する行政機関であるものとする。なお、施策を実行する行政機関は、A自治体に限らず、市町村、都道府県、国等、任意の行政機関であってもよい。また、図1では、行政機関が実行する施策が、A自治体での防犯対策である場合を示す。なお、施策は、行政機関が実行するものであれば、防犯対策に限らず、環境対策、少子化対策、所定の種類の税(住民税、消費税等)に関する増税、減税等、様々な施策であってもよい。また、図1では、説明を簡単にするために、行動情報が取得可能な全ユーザが処理対象のユーザ(以下「対象ユーザ」ともいう)となる場合を一例として示すが、対象ユーザは種々の条件を基に設定されてもよい。なお、この点については後述する。
【0021】
また、図1では、日時dt10-1及び日時dt10-2は、施策PL11が開催された日時dt11よりも前であり、日時dt11-1、日時dt11-2及び日時dt11-3は、日時dt11以後であるものとする。なお、図1では、「日時dt11-1」等のように抽象的に図示するが、「日時dt11-1」は、「2021年6月14日21時41分58秒」等の具体的な日時が対応するものとする。
【0022】
情報処理装置100は、ユーザU1が利用する端末装置10-1からクエリを取得する(ステップS11-1)。図1では、情報処理装置100は、日時dt10-1において、端末装置10-1からクエリ「危ない A自治体」を取得する。そして、情報処理装置100は、クエリ「危ない A自治体」に対応する検索結果を端末装置10-1へ提供する(ステップS12-1)。また、情報処理装置100は、日時dt10-1において、ユーザU1がクエリ「危ない A自治体」を用いて検索を行ったことを示す行動情報を行動情報記憶部123に記憶する。これにより、情報処理装置100は、日時dt10-1におけるユーザU1の入力情報であるクエリ「危ない」、「A自治体」を行動情報記憶部123に記憶する。
【0023】
また、情報処理装置100は、ユーザU2が利用する端末装置10-2からクエリを取得する(ステップS11-2)。図1では、情報処理装置100は、日時dt10-2において、端末装置10-2からクエリ「A自治体の道 暗い」を取得する。そして、情報処理装置100は、クエリ「A自治体の道 暗い」に対応する検索結果を端末装置10-2へ提供する(ステップS12-2)。また、情報処理装置100は、日時dt10-2において、ユーザU2がクエリ「A自治体の道 暗い」を用いて検索を行ったことを示す行動情報を行動情報記憶部123に記憶する。これにより、情報処理装置100は、日時dt10-2におけるユーザU2の入力情報であるクエリ「A自治体の道」、「暗い」を行動情報記憶部123に記憶する。
【0024】
また、情報処理装置100は、ユーザU3が利用する端末装置10-3からクエリを取得する(ステップS11-3)。図1では、情報処理装置100は、日時dt11-1において、端末装置10-3からクエリ「住みやすい A自治体」を取得する。そして、情報処理装置100は、クエリ「住みやすい A自治体」に対応する検索結果を端末装置10-3へ提供する(ステップS12-3)。また、情報処理装置100は、日時dt11-1において、ユーザU3がクエリ「住みやすい A自治体」を用いて検索を行ったことを示す行動情報を行動情報記憶部123に記憶する。これにより、情報処理装置100は、日時dt11-1におけるユーザU3の入力情報であるクエリ「住みやすい」、「A自治体」を行動情報記憶部123に記憶する。
【0025】
また、情報処理装置100は、ユーザU4が利用する端末装置10-4からクエリを取得する(ステップS11-4)。図1では、情報処理装置100は、日時dt11-2において、端末装置10-4からクエリ「A自治体の道 明るい」を取得する。そして、情報処理装置100は、クエリ「A自治体の道 明るい」に対応する検索結果を端末装置10-4へ提供する(ステップS12-4)。また、情報処理装置100は、日時dt11-2において、ユーザU4がクエリ「A自治体の道 明るい」を用いて検索を行ったことを示す行動情報を行動情報記憶部123に記憶する。これにより、情報処理装置100は、日時dt11-2におけるユーザU4の入力情報であるクエリ「A自治体の道」、「明るい」を行動情報記憶部123に記憶する。
【0026】
まず、情報処理装置100は、ユーザU5が利用する端末装置10-5からクエリを取得する(ステップS11-5)。図1では、情報処理装置100は、日時dt11-3において、端末装置10-5からクエリ「防犯対策 無駄」を取得する。そして、情報処理装置100は、クエリ「防犯対策 無駄」に対応する検索結果を端末装置10-5へ提供する(ステップS12-5)。また、情報処理装置100は、日時dt11-3において、ユーザU5がクエリ「防犯対策 無駄」を用いて検索を行ったことを示す行動情報を行動情報記憶部123に記憶する。これにより、情報処理装置100は、日時dt11-3におけるユーザU5の入力情報であるクエリ「防犯対策」、「無駄」を行動情報記憶部123に記憶する。
【0027】
以下、ステップS11-1~S11-5を区別せずに説明する場合、ステップS11と総称する。また、ステップS11-1~S11-5に限らず、各ユーザの検索は、複数回行われてもよい。また、以下、ステップS12-1~S12-5を区別せずに説明する場合、ステップS12と総称する。なお、図1では、5人のユーザU1~U5を図示するが、情報処理装置100は、ユーザU1~U5に限らず、多数のユーザ(例えば、100万ユーザや1000万ユーザ等)が検索に用いたクエリを取得する。これにより、情報処理装置100は、クエリなどの入力情報を含む行動情報を収集する(ステップS13)。
【0028】
また、情報処理装置100は、A自治体から施策情報を取得する(ステップS14)。例えば、A自治体は、提供先装置20を操作することにより、施策PL11が対象範囲を「A自治体」とし、日時dt11に開始された防犯対策であることを示す施策情報を情報処理装置100へ送信する。例えば、A自治体は、施策PL11の施策情報を情報処理装置100へ送信することにより、情報処理装置100に施策PL11の効果を示す情報を要求する。
【0029】
図1では、情報処理装置100は、A自治体の提供先装置20から施策PL11が日時dt11に開始されたA自治体での防犯対策であることを示す施策情報を取得する。これにより、情報処理装置100は、施策PL11の内容、及び日時dt11が施策開始時点であることを示す施策PL11の施策情報を取得する。そして、情報処理装置100は、施策PL11の施策情報を施策情報記憶部121へ登録する(ステップS15)。例えば、情報処理装置100は、施策PL11がA自治体での防犯対策(行政施策)であり、施策開始時点が日時dt11であることを示す情報を施策情報記憶部121へ登録する。
【0030】
この場合、情報処理装置100は、施策PL11の内容が「防犯対策」であり、施策PL11の施策開始時点が「dt11」であり、施策PL11の対象範囲が「A自治体」であることを示す情報を施策情報記憶部121へ記憶する。なお、ステップS14及びS15の処理は、ステップS16よりも前であれば、いずれのタイミングで行われてもよい。例えば、ステップS14及びS15の処理は、ステップS11~ステップS13よりも前に行われてもよい。
【0031】
そして、情報処理装置100は、施策PL11について施策前後での満足度の変化を示す施策前満足度情報及び施策後満足度情報を生成する(ステップS16)。まず、施策前満足度情報についての処理を説明する。例えば、情報処理装置100は、施策PL11の施策開始時点である日時dt11よりも前における効果推定の対象に関する入力情報を施策前行動情報として抽出する。
【0032】
図1では、情報処理装置100は、行動情報記憶部123に記憶された行動情報(入力情報)のうち、施策PL11の施策開始時点である日時dt11よりも前に効果推定の対象に関する検索を行ったことを示す入力情報を施策前行動情報として抽出する。情報処理装置100は、日時dt11よりも前に効果推定の対象に関するキーワード(「対象キーワード」ともいう)を用いた検索の行動AC11や行動AC12の情報を施策前行動情報として抽出する。図1では説明を簡単にするために、対象キーワードが対象範囲を示すキーワード「A自治体」である場合を一例として説明する。図1では、情報処理装置100は、5000回の行動(検索)に対応する行動情報を施策前行動情報として抽出する。
【0033】
そして、情報処理装置100は、抽出した施策前行動情報を用いて、図1に示す施策前満足度情報INF11を生成する。情報処理装置100は、施策前行動情報のうち、対象キーワードとともに検索に用いられたキーワード(「共起キーワード」ともいう)に基づいて、その検索がどのような検索であったかを判定する。例えば、情報処理装置100は、対象キーワードとともに用いられた共起キーワードに基づいて、その検索の内容がポジティブまたはネイティブのいずれであったかを判定する。例えば、情報処理装置100は、各キーワードにそのキーワードがポジティブまたはネイティブのいずれであるかを示す情報が対応付けられたキーワード一覧情報を用いて、検索の内容がポジティブまたはネイティブのいずれであったかを判定する。
【0034】
図1では、情報処理装置100は、行動AC11における対象キーワード「A自治体」の共起キーワード「危ない」がネイティブなキーワードであるため、行動AC11をネイティブな行動(検索)であると判定する。また、情報処理装置100は、行動AC12における対象キーワード「A自治体」の共起キーワード「暗い」がネイティブなキーワードであるため、行動AC12をネイティブな行動(検索)であると判定する。情報処理装置100は、施策前行動情報が示す5000回の行動(検索)について、その各々がポジティブまたはネイティブのいずれであるかを判定し、ポジティブな行動(検索)の数、及びネイティブな行動(検索)の数をカウントする。図1では、情報処理装置100は、施策前満足度情報INF11に示すように、施策前の5000回の行動(検索)のうち、ポジティブな行動が1000回であり、ネイティブな行動が4000回であるとカウントする。
【0035】
そして、情報処理装置100は、ポジティブな行動の回数と、ネイティブな行動の回数を基に、ユーザの施策前における満足度(「施策前満足度」ともいう)を推定する。例えば、情報処理装置100は、行動の全回数に占めるポジティブな行動の回数の割合を基に、施策前満足度を推定する。図1では、情報処理装置100は、施策前満足度を「0.2(=1000/(1000+4000))」と算出する。これにより、情報処理装置100は、施策前満足度情報INF11に示すように、施策前満足度を0.2であると推定する。
【0036】
次に、施策後満足度情報についての処理を説明するが、施策前満足度情報についての処理と同様の点については適宜説明を省略する。まず、情報処理装置100は、日時dt11以後における効果推定の対象に関する入力情報を施策後行動情報として抽出する。図1では、情報処理装置100は、行動情報記憶部123に記憶された行動情報(入力情報)のうち、施策PL11の施策開始時点である日時dt11以後に効果推定の対象に関する検索を行ったことを示す入力情報を施策後行動情報として抽出する。情報処理装置100は、日時dt11以後に効果推定の対象に関するキーワード(対象キーワード)を用いた検索の行動AC21や行動AC22の情報を施策後行動情報として抽出する。図1では、情報処理装置100は、10000回の行動(検索)に対応する行動情報を施策後行動情報として抽出する。
【0037】
そして、情報処理装置100は、抽出した施策後行動情報を用いて、図1に示す施策後満足度情報INF12を生成する。情報処理装置100は、施策後行動情報のうち、対象キーワードとともに検索に用いられたキーワード(共起キーワード)に基づいて、その検索の内容がポジティブまたはネイティブのいずれであったかを判定する。
【0038】
図1では、情報処理装置100は、行動AC21における対象キーワード「A自治体」の共起キーワード「住みやすい」がポジティブなキーワードであるため、行動AC21をポジティブな行動(検索)であると判定する。また、情報処理装置100は、行動AC22における対象キーワード「A自治体」の共起キーワード「明るい」がポジティブなキーワードであるため、行動AC22をポジティブな行動(検索)であると判定する。情報処理装置100は、施策後行動情報が示す10000回の行動(検索)について、その各々がポジティブまたはネイティブのいずれであるかを判定し、ポジティブな行動(検索)の数、及びネイティブな行動(検索)の数をカウントする。図1では、情報処理装置100は、施策後満足度情報INF12に示すように、施策後の10000回の行動(検索)のうち、ポジティブな行動が9000回であり、ネイティブな行動が1000回であるとカウントする。
【0039】
そして、情報処理装置100は、ポジティブな行動の回数と、ネイティブな行動の回数を基に、ユーザの施策後における満足度(「施策後満足度」ともいう)を推定する。例えば、情報処理装置100は、行動の全回数に占めるポジティブな行動の回数の割合を基に、施策後満足度を推定する。図1では、情報処理装置100は、施策後満足度を「0.9(=9000/(9000+1000))」と算出する。これにより、情報処理装置100は、施策後満足度情報INF12に示すように、施策後満足度を0.9であると推定する。
【0040】
そして、情報処理装置100は、施策PL11の効果を推定する(ステップS17)。図1では、情報処理装置100は、施策前満足度情報INF11や施策後満足度情報INF12に示すような情報に基づいて、効果情報INF13に示すような施策PL11の効果を推定する。例えば、情報処理装置100は、施策開始時点である日時dt11よりも前の満足度と、日時dt11以後の満足度との比較に基づいて、施策PL11の効果を推定する。図1では、情報処理装置100は、施策PL11について、施策前満足度が「0.2」と、施策後満足度が「0.9」とを比較し、満足度が0.7増加していることを特定する。これにより、情報処理装置100は、施策PL11によりユーザの満足度が高まり、施策PL11の効果があったと推定する。例えば、情報処理装置100は、満足度が0.7増加にする効果に基づいて、施策PL11によりA自治体に満足しているユーザの割合が7割上昇した推定する。
【0041】
そして、情報処理装置100は、A自治体の施策PL11の効果に関する情報を提供する(ステップS18)。情報処理装置100は、A自治体の施策PL11に効果があったことを示す情報をA自治体の提供先装置20に送信する。例えば、情報処理装置100は、施策PL11について施策前満足度が「0.2」であり、施策後満足度が「0.9」であり、満足度が0.7増加したことを示す情報を送信する。
【0042】
このように、情報処理装置100は、施策前後のユーザの行動に基づいて、施策がユーザの満足度にどのような変化を与えたかの情報を推定することにより、行政機関による施策の効果を適切に推定することができる。
【0043】
〔1-1.対象ユーザ〕
図1では、全ユーザを対象ユーザとして情報を抽出する例を示したが、対象ユーザは種々の条件を基に設定されてもよい。例えば、情報処理装置100は、A自治体の施策については、A自治体に属するユーザのみを対象としてもよい。例えば、情報処理装置100は、A自治体に属する住民のみを対象としてもよい。この場合、情報処理装置100は、A自治体に居住するユーザのみを対象として情報を抽出し、施策PL11の効果を推定してもよい。
【0044】
例えば、情報処理装置100は、自宅(居住地)または勤務地がA自治体の範囲内であるユーザを対象に情報を抽出してもよい。この場合、情報処理装置100は、ユーザ情報記憶部122(図5参照)に記憶されたユーザの居住地を示す情報、ユーザの勤務地を示す情報を用いて、ユーザを居住地及び勤務地を特定し、居住地または勤務地がA自治体の範囲内であるユーザを対象に情報を抽出してもよい。
【0045】
また、情報処理装置100は、自宅(居住地)及び勤務地がA自治体の範囲内ではないユーザの行動であっても、所定の条件を満たす行動については情報の抽出対象としてもよい。例えば、情報処理装置100は、自宅(居住地)及び勤務地がA自治体の範囲内ではないユーザXが行動ACXを行なった時点でのユーザXの位置がA自治体の範囲内である場合、行動ACXの行動情報を抽出対象に含めてもよい。
【0046】
〔1-2.対象キーワード〕
上述した例では、行政機関を示すキーワード「A自治体」のみを対象キーワードとする例を示したが、様々なキーワードが対象キーワードとして用いられてもよい。
【0047】
例えば、情報処理装置100は、A自治体に設けられている施設等、A自治体の範囲内に位置するPOI(Point of Interest)を示すキーワードを対象キーワードとして情報の抽出を行ってもよい。
【0048】
例えば、情報処理装置100は、施策を示すキーワード(「施策キーワード」ともいう)を対象キーワードとして情報の抽出を行ってもよい。例えば、情報処理装置100は、施策を示すキーワード「防犯対策」を対象キーワードとして情報の抽出を行ってもよい。なお、施策キーワードを対象キーワードとする場合、情報処理装置100は、対象ユーザを制限してもよい。
【0049】
図1において、施策キーワード「防犯対策」を対象キーワードとする場合、情報処理装置100は、自宅(居住地)または勤務地がA自治体の範囲内であるユーザを対象に情報を抽出してもよい。例えば、情報処理装置100は、ユーザU5の自宅(居住地)または勤務地がA自治体の範囲内である場合、ユーザU5の行動AC23を対象に情報を抽出してもよい。この場合、情報処理装置100は、行動AC23における対象キーワード「防犯対策」の共起キーワード「無駄」がネイティブなキーワードであるため、行動AC23をネイティブな行動(検索)であると判定する。
【0050】
また、情報処理装置100は、自宅(居住地)及び勤務地がA自治体の範囲内ではないユーザの行動であっても、所定の条件を満たす行動については情報の抽出対象としてもよい。例えば、情報処理装置100は、自宅(居住地)及び勤務地がA自治体の範囲内ではないユーザYが施策キーワード「防犯対策」を用いた検索を行なった時点でのユーザYの位置がA自治体の範囲内である場合、その施策キーワード「防犯対策」を用いた検索の行動情報を抽出対象に含めてもよい。
【0051】
例えば、情報処理装置100は、行動AC23の日時dt11-3におけるユーザU5の位置がA自治体の範囲内である場合、ユーザU5の行動AC23を対象に情報を抽出してもよい。この場合、情報処理装置100は、行動AC23における対象キーワード「防犯対策」の共起キーワード「無駄」がネイティブなキーワードであるため、行動AC23をネイティブな行動(検索)であると判定する。
【0052】
〔1-3.入力情報〕
図1では、情報処理装置100が検索に用いられたクエリを入力情報の一例として事象の効果を推定する場合を示したが、情報処理装置100は、種々の情報を入力情報として情報処理を行ってもよい。例えば、情報処理装置100は、所定のネットワークで通信される文字情報を入力情報として情報処理を行ってもよい。例えば、情報処理装置100は、所定のサービスにおける文字情報を入力情報として情報処理を行ってもよい。
【0053】
例えば、情報処理装置100は、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS:Social Networking Service)においてユーザが投稿した投稿情報を入力情報として情報処理を行ってもよい。例えば、情報処理装置100は、Twitter(登録商標)やFacebook(登録商標)等においてユーザが投稿した投稿情報を入力情報として情報処理を行ってもよい。例えば、情報処理装置100は、ユーザがTwitterにおいて投稿した文章(文字情報)を入力情報として情報処理を行ってもよい。
【0054】
例えば、情報処理装置100は、ユーザがメッセージサービスにおいて入力した入力情報に基づいて情報処理を行ってもよい。例えば、情報処理装置100は、ユーザがLINE(登録商標)等のメッセージサービスにおいて入力した入力情報を対象に基づいて情報処理を行ってもよい。例えば、情報処理装置100は、電子メールにおいて入力した入力情報に基づいて情報処理を行ってもよい。例えば、情報処理装置100は、ウェブ上におけるコンテンツ(情報)に関する検索サービスにおける情報(検索クエリ)を入力情報として情報処理を行ってもよい。
【0055】
〔1-4.提供先〕
図1では、説明を簡単にするために、情報処理装置100が施策情報の送信元であり、施策の実行主体であるA自治体に推定した施策の効果を示す情報を提供する場合を示したが、情報処理装置100は、どのような提供先に推定した施策の効果を示す情報を提供してもよい。
【0056】
例えば、情報処理装置100は、施策の実行主体の行政機関とは異なる他の行政機関に施策の効果を示す情報を提供してもよい。情報処理装置100は、施策の実行主体であるA自治体に類似する自治体に施策PL11の効果を示す情報を提供してもよい。
【0057】
例えば、情報処理装置100は、A自治体に地理的に類似する自治体に施策PL11の効果を示す情報を提供する。この場合、情報処理装置100は、A自治体の周辺に位置する自治体(周辺自治体)に施策PL11の効果を示す情報を提供する。例えば、情報処理装置100は、A自治体に隣接する自治体(周辺自治体)に施策PL11の効果を示す情報を提供する。これにより、情報処理装置100は、A自治体に地理的に類似する自治体がA自治体での施策PL11の効果を加味して、施策を検討することを可能にすることができる。したがって、情報処理装置100は、自治体に属するユーザの満足度を高めることができる。
【0058】
また、情報処理装置100は、A自治体に規模が類似する自治体に施策PL11の効果を示す情報を提供する。この場合、情報処理装置100は、A自治体に人口または財政規模が類似する自治体(類似規模自治体)に施策PL11の効果を示す情報を提供する。例えば、情報処理装置100は、A自治体と人口の差が所定の範囲内(例えば±10%以内等)である自治体(類似規模自治体)に施策PL11の効果を示す情報を提供する。例えば、情報処理装置100は、A自治体と財政収入の差が所定の範囲内(例えば±5%以内等)である自治体(類似規模自治体)に施策PL11の効果を示す情報を提供する。これにより、情報処理装置100は、A自治体に規模が類似する自治体がA自治体での施策PL11の効果を加味して、施策を検討することを可能にすることができる。したがって、情報処理装置100は、自治体に属するユーザの満足度を高めることができる。なお、情報処理装置100は、上記に限らず、例えば生活水準が類似する自治体を対象に情報の提供を行ってもよい。
【0059】
〔1-5.その他〕
なお、上記は一例に過ぎず、情報処理装置100は、様々な情報を用いて様々な処理を行ってもよい。例えば、情報処理装置100は、国民感情の把握するための情報を推定してもよい。この場合、情報処理装置100は、全エリアを対象とする施策について効果を推定することにより、その施策に対する国民感情の把握を可能にすることができる。
【0060】
また、情報処理装置100は、施策の効果が継続する長さを測定してもよい。例えば、情報処理装置100は、施策後満足度情報の生成を、所定の間隔(例えば半年おき等)で継続して行うことにより、施策の効果が一過性(ワンタイム)のものであるか、長く続くものであるかを判定してもよい。例えば、情報処理装置100は、1回目の推定における施策後満足度からその次の推定での施策後満足度における低下率が所定の閾値以下である場合、施策の効果が一過性のものであると判定してもよい。
【0061】
また、情報処理装置100は、行動を行ったユーザの属性情報を基に、どのような人がどのような施策に満足するかを推定してもよい。なお、上記は一例に過ぎず、情報処理装置100は、施策の効果に関する様々な情報を推定したり、提供したりする。
【0062】
〔2.情報処理装置の構成〕
次に、図3を用いて、実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。図3に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、情報処理装置100は、情報処理装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0063】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば情報処理システム1に含まれる端末装置10や提供先装置20との間で情報の送受信を行う。
【0064】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部120は、図3に示すように、施策情報記憶部121と、ユーザ情報記憶部122と、行動情報記憶部123と、キーワード情報記憶部124と、効果情報記憶部125とを有する。
【0065】
(施策情報記憶部121)
実施形態に係る施策情報記憶部121は、施策に関する各種情報を記憶する。図4は、実施形態に係る施策情報記憶部の一例を示す図である。図4に示す施策情報記憶部121は、「施策ID」、「内容」、「日時(施策開始時点)」、「対象範囲」といった項目を有する。
【0066】
「施策ID」は、所定の対象について行われた施策を識別するための識別情報を示す。「内容」は、対応する施策IDにより識別される施策の内容を示す。「日時(施策開始時点)」は、対応する施策IDにより識別される施策が行われた時点を示す。「対象範囲」は、対応する施策IDにより識別される施策が行われる範囲(エリア)を示す。例えば、「対象範囲」は、その施策が実施されるエリア(行政区画等)を示す。「対象範囲」は、市町村、都道府県、国等、その施策が対象とする範囲を示す。例えば、「対象範囲」が全エリアである場合、その施策は全国を対象範囲とすることを示す。
【0067】
図4に示す例において、施策ID「PL11」により識別される施策(施策PL11)は、防犯対策の行政施策である。また、施策PL11が行われた日時、日時dt11であることを示す。すなわち、防犯対策の行政施策が開始された日時が日時dt11であり、施策PL11の施策開始時点は、日時dt11であることを示す。また、施策PL11の対象範囲の種別は、「A自治体」であることを示す。すなわち、防犯対策の行政施策は、A自治体において実施された施策であることを示す。
【0068】
なお、施策情報記憶部121は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、施策情報記憶部121は、施策の具体的な内容を示す情報を記憶してもよい。例えば、施策情報記憶部121は、施策PL11について、A自治体の道路の街頭の増設や見回りの実施など、施策PL11の具体的な内容を示す情報を施策PL11に対応付けて記憶してもよい。また、施策情報記憶部121は、施策に期間がある場合、その期間に関する情報を記憶してもよい。
【0069】
(ユーザ情報記憶部122)
実施形態に係るユーザ情報記憶部122は、ユーザ属性に関する各種情報を記憶する。例えば、ユーザ情報記憶部122は、ユーザ属性情報を記憶する。図5は、実施形態に係るユーザ情報記憶部の一例を示す図である。図5に示すユーザ情報記憶部122は、「ユーザID」、「年齢」、「性別」、「自宅」、「勤務地」、「興味」といった項目が含まれる。
【0070】
「ユーザID」は、ユーザを識別するための識別情報を示す。例えば、ユーザID「U1」により識別されるユーザは、図1の例に示したユーザU1に対応する。また、「年齢」は、ユーザIDにより識別されるユーザの年齢を示す。なお、「年齢」は、例えば35歳など、ユーザIDにより識別されるユーザの具体的な年齢であってもよい。また、「性別」は、ユーザIDにより識別されるユーザの性別を示す。
【0071】
また、「自宅」は、ユーザIDにより識別されるユーザの自宅の位置情報を示す。なお、図5に示す例では、「自宅」は、「LC11」といった抽象的な符号を図示するが、緯度や経度を示す情報であってもよい。また、例えば、「自宅」は、地域名や住所であってもよい。
【0072】
また、「勤務地」は、ユーザIDにより識別されるユーザの勤務地の位置情報を示す。なお、図5に示す例では、「勤務地」は、「LC12」といった抽象的な符号を図示するが、緯度や経度を示す情報であってもよい。また、例えば、「勤務地」は、地域名や住所であってもよい。
【0073】
また、「興味」は、ユーザIDにより識別されるユーザの興味を示す。すなわち、「興味」は、ユーザIDにより識別されるユーザが関心の高い対象を示す。なお、図5に示す例では、「興味」は、各ユーザに1つずつ図示するが、複数であってもよい。
【0074】
例えば、図5に示す例において、ユーザID「U1」により識別されるユーザの年齢は、「20代」であり、性別は、「男性」であることを示す。また、例えば、ユーザID「U1」により識別されるユーザは、自宅が「LC11」であることを示す。また、例えば、ユーザID「U1」により識別されるユーザは、勤務地が「LC12」であることを示す。また、例えば、ユーザID「U1」により識別されるユーザは、「スポーツ」に興味があることを示す。
【0075】
なお、ユーザ情報記憶部122は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、ユーザ情報記憶部122は、ユーザのデモグラフィック属性に関する情報やサイコグラフィック属性に関する情報を記憶してもよい。例えば、ユーザ情報記憶部122は、氏名、家族構成、収入、興味、ライフスタイル等の情報を記憶してもよい。
【0076】
(行動情報記憶部123)
実施形態に係る行動情報記憶部123は、ユーザの行動に関する各種情報を記憶する。図6は、実施形態に係る行動情報記憶部の一例を示す図である。例えば、行動情報記憶部123は、各ユーザの端末装置10を用いて行った検索等を含む種々の行動情報を記憶する。図6に示す行動情報記憶部123には、「行動ID」、「ユーザID」、「日時」、「入力情報」といった項目が含まれる。
【0077】
また、「入力情報」には、「クエリ1」、「クエリ2」等といった項目が含まれる。なお、「入力情報」には、「クエリ1」、「クエリ2」に限らず、ユーザが組み合わせて用いたクエリ(文字列)の数に応じて、「クエリ3」や「クエリ4」といった項目が含まれてもよい。また、図6の例では、行動情報として、ユーザが検索に用いたクエリに関する入力情報が記憶される場合を示すが、行動は検索に限らず、ユーザがSNSで投稿した投稿情報等の種々の入力情報が記憶されてもよい。
【0078】
また、「行動ID」は、ユーザの行動を識別する情報を示す。「ユーザID」は、ユーザを識別するための識別情報を示す。例えば、ユーザID「U1」により識別されるユーザは、図1の例に示したユーザU1に対応する。「日時」は、対応するユーザの行動が行われた日時を示す。「日時」には、「dt10-1」等のように抽象的に図示するが、「2021年6月14日21時41分58秒」等の具体的な日時が記憶されてもよい。また、「入力情報」は、対応する行動である検索における入力情報を示す。「クエリ1」や「クエリ2」は、対応する行動において用いられたクエリを示す。
【0079】
例えば、図6に示す例において、ユーザID「U1」により識別されるユーザ(ユーザU1)は、行動AC11を行ったことを示す。具体的には、図6に示す例においてユーザU1は、2つのクエリ「危ない」及びクエリ「A自治体」を用いた検索(行動AC11)を日時dt10-1に行ったことを示す。また、例えば、図6に示す例において、ユーザID「U2」により識別されるユーザ(ユーザU2)は、行動AC12を行ったことを示す。具体的には、図6に示す例においてユーザU2は、2つのクエリ「A自治体の道」及びクエリ「暗い」を組み合わせた検索(行動AC12)を日時dt10-2に行ったことを示す。
【0080】
なお、行動情報記憶部123は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、行動情報記憶部123は、行動時点でのユーザの位置を示す情報を各行動に対応付けて記憶する。また、図6では、ユーザIDごとに行動情報が行動情報記憶部123に記憶される場合を示したが、行動情報は、日時順に限らず、例えばユーザIDごとに記憶されてもよい。
【0081】
(キーワード情報記憶部124)
実施形態に係るキーワード情報記憶部124は、各種のキーワードを記憶する。例えば、キーワード情報記憶部124は、効果の推定に用いられるキーワードに関する各種情報を記憶する。例えば、キーワード情報記憶部124は、各キーワードにそのキーワードがポジティブまたはネイティブのいずれであるかを示す情報が対応付けられたキーワード一覧情報を記憶する。なお、キーワード情報記憶部124は、上記に限らず、キーワードに関して施策の効果推定に用いる情報を記憶してもよい。
【0082】
例えば、キーワード情報記憶部124は、自治体等の各行政機関に関連するキーワード(機関関連キーワード)を各行政機関に対応付けて記憶する。キーワード情報記憶部124は、自治体(行政区画)に設けられている施設等、自治体内に位置するPOIを示すキーワードを自治体関連キーワードとして、各行政機関に対応付けて記憶する。
【0083】
また、キーワード情報記憶部124は、各施策に関連するキーワード(施策関連キーワード)を各施策に対応付けて記憶する。キーワード情報記憶部124は、各施策関連キーワードがどのような内容のキーワードであるかを示す情報を各施策関連キーワードに対応付けて記憶する。例えば、キーワード情報記憶部124は、各施策関連キーワードがポジティブなキーワードであるか、ネイティブなキーワードであるかを示す情報を各施策関連キーワードに対応付けて記憶する。
【0084】
(効果情報記憶部125)
実施形態に係る効果情報記憶部125は、施策の効果に関する各種情報を記憶する。例えば、効果情報記憶部125は、推定した施策の効果の履歴を記憶する。例えば、効果情報記憶部125は、A自治体で日時dt11から行われた施策PL11について、推定した効果が満足度0.7上昇であることを示す情報を、A自治体、日時dt11及び施策PL11に対応付けて記憶する。
【0085】
(制御部130)
図3の説明に戻って、制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0086】
図3に示すように、制御部130は、取得部131と、抽出部132と、推定部133と、提供部134とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0087】
(取得部131)
取得部131は、各種情報を取得する。例えば、取得部131は、端末装置10や提供先装置20等の外部の情報処理装置から各種情報を受信する。例えば、取得部131は、端末装置10から端末装置10を利用するユーザの行動情報を取得する。例えば、取得部131は、提供先装置20から提供先装置20を利用する事業者等が行った施策に関する各種情報を取得する。例えば、取得部131は、記憶部120から各種情報を取得する。例えば、取得部131は、施策情報記憶部121やユーザ情報記憶部122や行動情報記憶部123やキーワード情報記憶部124や効果情報記憶部125から各種情報を取得する。
【0088】
取得部131は、行政機関による施策の開始前におけるユーザの行動を示す施策前行動情報を取得する。取得部131は、行政機関による施策の開始後におけるユーザの行動を示す施策後行動情報を取得する。取得部131は、自治体である行政機関の施策前行動情報と施策後行動情報とを取得する。
【0089】
取得部131は、施策の開始前にユーザが入力した行政機関に関する入力情報を含む施策前行動情報を取得する。取得部131は、施策の開始後にユーザが入力した行政機関に関する入力情報を含む施策後行動情報を取得する。取得部131は、施策の開始前にユーザが入力した施策に関する入力情報を含む施策前行動情報を取得する。取得部131は、施策の開始後にユーザが入力した施策に関する入力情報を含む施策後行動情報を取得する。
【0090】
取得部131は、施策の開始前にユーザがソーシャルネットワーキングサービスにおいて投稿した行政機関に関する投稿情報を含む施策前行動情報を取得する。取得部131は、施策の開始前にユーザがソーシャルネットワーキングサービスにおいて投稿した行政機関に関する投稿情報を含む施策後行動情報を取得する。取得部131は、施策の開始前にユーザがソーシャルネットワーキングサービスにおいて投稿した施策に関する投稿情報を含む施策前行動情報を取得する。取得部131は、施策の開始前にユーザがソーシャルネットワーキングサービスにおいて投稿した施策に関する投稿情報を含む施策後行動情報を取得する。
【0091】
取得部131は、施策の開始前にユーザが行政機関に関するキーワードと共に用いた検索クエリを含む施策前行動情報を取得する。取得部131は、施策の開始前にユーザが行政機関に関するキーワードと共に用いた検索クエリを含む施策後行動情報を取得する。取得部131は、施策の開始前にユーザが施策に関するキーワードと共に用いた検索クエリを含む施策前行動情報を取得する。取得部131は、施策の開始前にユーザが施策に関するキーワードと共に用いた検索クエリを含む施策後行動情報を取得する。
【0092】
(抽出部132)
抽出部132は、種々の情報を抽出する。例えば、抽出部132は、端末装置10や提供先装置20等の外部の情報処理装置から取得された各種情報から種々の情報を抽出する。例えば、抽出部132は、記憶部120に記憶された各種情報から種々の情報を抽出する。例えば、取得部131は、施策情報記憶部121やユーザ情報記憶部122や行動情報記憶部123やキーワード情報記憶部124や効果情報記憶部125に記憶された各種情報から種々の情報を抽出する。例えば、抽出部132は、取得部131により取得された各種情報から種々の情報を抽出する。抽出部132は、抽出した情報を用いて、各種の情報を生成する。抽出部132は、抽出した情報を用いて、各種の情報を算出する。抽出部132は、抽出した情報を用いて、各種の情報を推定する。
【0093】
抽出部132は、施策PL11について施策前後での満足度の変化を示す施策前満足度情報及び施策後満足度情報を生成する。抽出部132は、施策PL11の施策開始時点である日時dt11よりも前における効果推定の対象に関する入力情報を施策前行動情報として抽出する。抽出部132は、抽出した施策前行動情報を用いて、施策前満足度情報INF11を生成する。抽出部132は、対象キーワードとともに用いられた共起キーワードに基づいて、その検索の内容がポジティブまたはネイティブのいずれであったかを判定する。例えば、抽出部132は、各キーワードにそのキーワードがポジティブまたはネイティブのいずれであるかを示す情報が対応付けられたキーワード一覧情報を用いて、検索の内容がポジティブまたはネイティブのいずれであったかを判定する。
【0094】
抽出部132は、施策前行動情報が示す5000回の行動(検索)について、その各々がポジティブまたはネイティブのいずれであるかを判定し、ポジティブな行動(検索)の数、及びネイティブな行動(検索)の数をカウントする。抽出部132は、施策前の5000回の行動(検索)のうち、ポジティブな行動が1000回であり、ネイティブな行動が4000回であるとカウントする。
【0095】
抽出部132は、日時dt11以後における効果推定の対象に関する入力情報を施策後行動情報として抽出する。抽出部132は、10000回の行動(検索)に対応する行動情報を施策後行動情報として抽出する。抽出部132は、施策後行動情報のうち、対象キーワードとともに検索に用いられたキーワード(共起キーワード)に基づいて、その検索の内容がポジティブまたはネイティブのいずれであったかを判定する。抽出部132は、施策後の10000回の行動(検索)のうち、ポジティブな行動が9000回であり、ネイティブな行動が1000回であるとカウントする。
【0096】
抽出部132は、抽出した情報及び推定部133により推定された情報を用いて、施策前満足度情報及び施策後満足度情報を生成する。抽出部132は、ポジティブな行動(検索)の回数及びネイティブな行動な行動(検索)の回数をカウントした情報、及び推定部133により推定された満足度の情報を用いて、施策前満足度情報INF11及び施策後満足度情報INF12を生成する。
【0097】
(推定部133)
推定部133は、種々の情報を推定する。例えば、推定部133は、端末装置10や提供先装置20等の外部の情報処理装置から取得された各種情報に基づいて推定を行う。例えば、推定部133は、記憶部120に記憶された各種情報に基づいて推定を行う。例えば、取得部131は、施策情報記憶部121やユーザ情報記憶部122や行動情報記憶部123やキーワード情報記憶部124や効果情報記憶部125に記憶された各種情報に基づいて推定を行う。例えば、推定部133は、抽出部132により抽出された各種情報に基づいて推定を行う。
【0098】
推定部133は、施策前行動情報と、施策後行動情報とに基づいて、行政機関による施策の効果を推定する。推定部133は、自治体の施策前行動情報と施策後行動情報とに基づいて、施策の効果を推定する。推定部133は、施策前行動情報と、施策後行動情報とに基づいて、自治体に属する住民の満足度の変化を推定し、満足度の変化を基に施策の効果を推定する。
【0099】
推定部133は、抽出部132によりカウントされた施策前のポジティブな行動の回数及びネイティブな行動の回数を基に、ユーザの施策前における満足度(施策前満足度)を推定する。例えば、推定部133は、施策PL11前の行動の全回数に占めるポジティブな行動の回数の割合を基に、施策前満足度を推定する。推定部133は、施策PL11の施策前満足度を0.2と算出し、施策PL11の施策前満足度が0.2であると推定する。推定部133は、抽出部132によりカウントされた施策後のポジティブな行動の回数及びネイティブな行動の回数を基に、ユーザの施策後における満足度(施策後満足度)を推定する。推定部133は、施策PL11の施策後満足度を0.9と算出し、施策PL11の施策後満足度が0.9であると推定する。
【0100】
推定部133は、施策PL11の効果を推定する。推定部133は、施策前満足度情報INF11や施策後満足度情報INF12に示すような情報に基づいて、効果情報INF13に示すような施策PL11の効果を推定する。例えば、推定部133は、施策開始時点である日時dt11よりも前の満足度と、日時dt11以後の満足度との比較に基づいて、施策PL11の効果を推定する。推定部133は、施策PL11について、施策前満足度が「0.2」と、施策後満足度が「0.9」とを比較し、満足度が0.7増加していることを特定する。推定部133は、施策PL11によりユーザの満足度が高まり、施策PL11の効果があったと推定する。例えば、推定部133は、満足度が0.7増加にする効果に基づいて、施策PL11によりA自治体に満足しているユーザの割合が7割上昇した推定する。
【0101】
(提供部134)
提供部134は、各種サービスを提供する。提供部134は、外部の情報処理装置へ各種情報を提供する。提供部134は、外部の情報処理装置へ各種情報を送信する。提供部134は、外部の情報処理装置へ各種情報を配信する。提供部134は、端末装置10に情報を送信する。提供部134は、提供先装置20に情報を送信する。
【0102】
提供部134は、推定部133により推定された施策の効果に関する情報提供サービスを提供する。提供部134は、施策を実施した行政機関に施策の効果を示す情報を提供する。提供部134は、行政機関とは異なる他の行政機関に情報提供サービスを提供する。提供部134は、行政機関に類似する他の行政機関に情報提供サービスを提供する。提供部134は、行政機関の周辺に位置する他の行政機関に情報提供サービスを提供する。
【0103】
提供部134は、A自治体の施策PL11の効果に関する情報を提供する。提供部134は、A自治体の施策PL11に効果があったことを示す情報をA自治体の提供先装置20に送信する。例えば、提供部134は、施策PL11について施策前満足度が「0.2」であり、施策後満足度が「0.9」であり、満足度が0.7増加したことを示す情報を送信する。
【0104】
〔3.情報処理のフロー〕
ここで、図7を用いて、実施形態に係る情報処理装置100による情報処理の手順について説明する。図7は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
【0105】
図7に示すように、情報処理装置100は、行政機関による施策の開始前におけるユーザの行動を示す施策前行動情報を取得する(ステップS101)。また、情報処理装置100は、行政機関による施策の開始後におけるユーザの行動を示す施策後行動情報を取得する(ステップS102)。
【0106】
そして、情報処理装置100は、施策前行動情報と、施策後行動情報とに基づいて、行政機関による施策の効果を推定する(ステップS103)。そして、情報処理装置100は、推定した施策の効果に関する情報提供サービスを提供する(ステップS104)。
【0107】
〔4.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置100は、取得部131と、推定部133とを有する。取得部131は、行政機関による施策の開始前におけるユーザの行動を示す施策前行動情報と、行政機関による施策の開始後におけるユーザの行動を示す施策後行動情報とを取得する。推定部133は、施策前行動情報と、施策後行動情報とに基づいて、行政機関による施策の効果を推定する。
【0108】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、行政機関による施策の開始前におけるユーザの行動と行政機関による施策の開始後におけるユーザの行動とに基づいて、行政機関による施策の効果を推定することにより、施策前後でのユーザの行動の変化を基に行政機関による施策の効果を適切に推定することができる。
【0109】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、取得部131は、施策の開始前にユーザが入力した行政機関に関する入力情報を含む施策前行動情報と、施策の開始後にユーザが入力した行政機関に関する入力情報を含む施策後行動情報とを取得する。
【0110】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、行政機関による施策の開始前におけるユーザが入力した行政機関に関する入力情報と、行政機関による施策の開始後におけるユーザが入力した行政機関に関する入力情報とに基づいて、行政機関による施策の効果を推定することにより、施策前後でのユーザの入力の変化を基に行政機関による施策の効果を適切に推定することができる。
【0111】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、取得部131は、施策の開始前にユーザが入力した施策に関する入力情報を含む施策前行動情報と、施策の開始後にユーザが入力した施策に関する入力情報を含む施策後行動情報とを取得する。
【0112】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、行政機関による施策の開始前におけるユーザが入力した施策に関する入力情報と、行政機関による施策の開始後におけるユーザが入力した施策に関する入力情報とに基づいて、行政機関による施策の効果を推定することにより、施策前後でのユーザの入力の変化を基に行政機関による施策の効果を適切に推定することができる。
【0113】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、取得部131は、施策の開始前にユーザがソーシャルネットワーキングサービスにおいて投稿した行政機関に関する投稿情報を含む施策前行動情報と、施策の開始前にユーザがソーシャルネットワーキングサービスにおいて投稿した行政機関に関する投稿情報を含む施策後行動情報とを取得する。
【0114】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、ユーザがソーシャルネットワーキングサービスにおいて投稿した投稿情報を基に施策前後での投稿の観測することができるため、行政機関による施策の効果を適切に推定することができる。
【0115】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、取得部131は、施策の開始前にユーザがソーシャルネットワーキングサービスにおいて投稿した施策に関する投稿情報を含む施策前行動情報と、施策の開始前にユーザがソーシャルネットワーキングサービスにおいて投稿した施策に関する投稿情報を含む施策後行動情報とを取得する。
【0116】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、ユーザがソーシャルネットワーキングサービスにおいて投稿した投稿情報を基に施策前後での投稿の観測することができるため、行政機関による施策の効果を適切に推定することができる。
【0117】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、取得部131は、施策の開始前にユーザが行政機関に関するキーワードと共に用いた検索クエリを含む施策前行動情報と、施策の開始前にユーザが行政機関に関するキーワードと共に用いた検索クエリを含む施策後行動情報とを取得する。
【0118】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、ユーザが行政機関に関するキーワードと共に用いた検索クエリを基に施策前後での検索の観測することができるため、行政機関による施策の効果を適切に推定することができる。
【0119】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、取得部131は、施策の開始前にユーザが施策に関するキーワードと共に用いた検索クエリを含む施策前行動情報と、施策の開始前にユーザが施策に関するキーワードと共に用いた検索クエリを含む施策後行動情報とを取得する。
【0120】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、ユーザが施策に関するキーワードと共に用いた検索クエリを基に施策前後での検索の観測することができるため、行政機関による施策の効果を適切に推定することができる。
【0121】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、取得部131は、自治体である行政機関の施策前行動情報と施策後行動情報とを取得する。推定部133は、自治体の施策前行動情報と施策後行動情報とに基づいて、施策の効果を推定する。
【0122】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、自治体が実施した施策について、施策前行動情報と施策後行動情報とに基づいて、施策の効果を推定することで、自治体による施策の効果を適切に推定することができる。
【0123】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、推定部133は、施策前行動情報と、施策後行動情報とに基づいて、自治体に属する住民の満足度の変化を推定し、満足度の変化を基に施策の効果を推定する。
【0124】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、自治体が実施した施策について、施策前行動情報と施策後行動情報とに基づいて、自治体に属する住民の満足度の変化を推定し、満足度の変化を基に施策の効果を推定することで、自治体による施策の効果を適切に推定することができる。
【0125】
また、実施形態に係る情報処理装置100は、提供部134を有する。提供部134は、推定部133により推定された施策の効果に関する情報提供サービスを提供する。
【0126】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、推定された施策の効果に関する情報提供サービスを提供することにより、行政機関が実施する施策についてのサービスを適切に提供することができる。
【0127】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、提供部134は、施策を実施した行政機関に施策の効果を示す情報を提供する。
【0128】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、施策を行った行政機関に情報提供サービスを提供することにより、行政機関が実施する施策についてのサービスを適切に提供することができる。
【0129】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、提供部134は、行政機関とは異なる他の行政機関に情報提供サービスを提供する。
【0130】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、施策を行った行政機関とは異なる行政機関に情報提供サービスを提供することにより、その施策を参考にして他の行政機関が施策を適切に行うことを可能にすることができる。
【0131】
また、実施形態に係る情報処理装置100において、提供部134は、行政機関に類似する他の行政機関に情報提供サービスを提供する。
【0132】
これにより、実施形態に係る情報処理装置100は、施策を行った行政機関に類似する行政機関に情報提供サービスを提供することにより、その施策を参考にして他の行政機関が施策を適切に行うことを可能にすることができる。
【0133】
〔5.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る情報処理装置100は、例えば図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図8は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD(Hard Disk Drive)1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0134】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0135】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータをネットワークNを介して他の機器へ提供する。
【0136】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0137】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0138】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0139】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の行に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0140】
〔6.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に生成することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0141】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0142】
また、上述してきた実施形態に記載された各処理は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0143】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0144】
1 情報処理システム
100 情報処理装置
121 施策情報記憶部
122 ユーザ情報記憶部
123 行動情報記憶部
124 キーワード情報記憶部
125 効果情報記憶部
130 制御部
131 取得部
132 抽出部
133 推定部
134 提供部
10 端末装置
20 提供先装置
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8