(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20240101AFI20240621BHJP
G06Q 50/163 20240101ALI20240621BHJP
【FI】
G06Q50/06
G06Q50/163
(21)【出願番号】P 2021106593
(22)【出願日】2021-06-28
【審査請求日】2022-04-28
【審判番号】
【審判請求日】2023-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100206405
【氏名又は名称】岸 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】中川 善博
【合議体】
【審判長】伏本 正典
【審判官】佐藤 智康
【審判官】安井 雅史
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-002191(JP,A)
【文献】特開2013-188078(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備機器のデマンド制御に関する設定を行う
制御装置であって、
デマンド制御におけるデマンド目標値を記憶する記憶部と、
ユーザにより入力された、少なくとも前記デマンド目標値を変更したユーザを特定する情報を含むデマンド目標値に関する情報を取得する取得部と、を有し、
前記記憶部は、さらに前記取得部により取得された前記デマンド目標値に関する情報に基づき、デマンド目標値の変更履歴を記憶することを特徴とする、
制御装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記デマンド目標値に関する情報として、当該デマンド目標値を変更した時期の情報を取得する、請求項1に記載の
制御装置。
【請求項3】
前記デマンド目標値を変更したユーザを特定する情報は、当該ユーザが当該デマンド目標値に関する情報の入力を受け付けるシステムにログインするために行った認証行為によって特定される情報である、請求項1に記載の
制御装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記デマンド目標値に関する情報として、前記デマンド目標値を変更した理由を示す情報を取得する、請求項1に記載の
制御装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記デマンド目標値に関する情報として、ユーザが前記デマンド目標値を入力するのに用いた装置に関する情報を取得する、請求項1に記載の
制御装置。
【請求項6】
前記デマンド目標値は、使用電力の制御対象である設備機器ごとに設定され、
前記取得部は、前記制御対象の設備機器ごとに設定されたデマンド目標値に関する入力を取得する、請求項1に記載の
制御装置。
【請求項7】
前記デマンド目標値は、電力の契約単位で設定され、
前記取得部は、前記契約単位で設定されたデマンド目標値に関する入力を取得する、請求項1に記載の
制御装置。
【請求項8】
前記取得部により取得された前記デマンド目標値に関する情報を、管理者に通知する通知手段をさらに備える、請求項1乃至請求項7の何れかに記載の
制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、デマンド目標値を変更するか判断するためのルールであるデマンド目標値変更ルールを用いてデマンド目標値を変更すべきか判断し、デマンド目標値を変更すべきとの判断結果である場合にデマンド目標値を変更する命令を生成して、デマンド監視システムにおいて用いられるデマンド目標値を定期的に変更するデマンド目標値変更装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
デマンド制御の目標値を変更したことにより、最大デマンド値が契約電力を超過してペナルティが発生(基本料金の上昇)した場合や、強度の抑制運転等の設備機器に対する極端な動作制御により設備機器の利用者の健康が損なわれた場合等のトラブルの発生時において、目標値の変更に関する情報が得られないと、責任の所在が分からず、適切な対応を取ることが困難である。
【0005】
本開示は、デマンド制御における目標値が変更された場合に、かかる目標値に関する情報を取得して保存し、必要に応じて提供可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の情報処理システムは、設備機器のデマンド制御に関する設定を行う情報処理システムであって、デマンド制御におけるデマンド目標値を記憶する記憶部と、ユーザにより入力されたデマンド目標値に関する情報を取得する取得部と、を有し、前記記憶部は、さらに前記取得部により取得された前記デマンド目標値に関する情報に基づき、デマンド目標値の変更履歴を記憶することを特徴とする、情報処理システムである。
このようにすれば、デマンド制御における目標値が変更された場合に、目標値に関する情報を変更履歴として保存し、必要に応じて提供可能とすることができる。
【0007】
ここで、前記取得部は、前記デマンド目標値に関する情報として、当該デマンド目標値を変更した時期の情報を取得する構成としても良い。
このようにすれば、デマンド制御における目標値が変更された場合に、デマンド目標値を変更した時期の情報を保存し、必要に応じて提供可能とすることができる。
【0008】
また、前記取得部は、前記デマンド目標値に関する情報として、当該デマンド目標値を変更したユーザを特定する情報を取得する構成としても良い。
このようにすれば、デマンド制御における目標値が変更された場合に、デマンド目標値を変更したユーザを特定する情報を保存し、必要に応じて提供可能とすることができる。
【0009】
また、前記デマンド目標値を変更したユーザを特定する情報は、当該ユーザが当該デマンド目標値に関する情報の入力を受け付けるシステムにログインするために行った認証行為によって特定される情報としても良い。
このようにすれば、デマンド目標値を変更したユーザの情報の入力を別途要求することなく、自動的に取得することができる。
【0010】
また、前記取得部は、前記デマンド目標値に関する情報として、前記デマンド目標値を変更した理由を示す情報を取得する構成としても良い。
このようにすれば、デマンド制御における目標値が変更された場合に、デマンド目標値を変更した理由を示す情報を保存し、必要に応じて提供可能とすることができる。
【0011】
また、前記取得部は、前記デマンド目標値に関する情報として、ユーザが前記デマンド目標値を入力するのに用いた装置に関する情報を取得する構成としても良い。
このようにすれば、デマンド制御における目標値が変更された場合に、デマンド目標値を入力するのに用いた装置に関する情報を保存し、必要に応じて提供可能とすることができる。
【0012】
また、前記デマンド目標値は、使用電力の制御対象である設備機器ごとに設定され、前記取得部は、前記制御対象の設備機器ごとに設定されたデマンド目標値に関する入力を取得する構成としても良い。
このようにすれば、制御対象である設備機器ごとに個別にデマンド目標値に関する情報を保存し、必要に応じて提供可能とすることができる。
【0013】
また、前記デマンド目標値は、電力の契約単位で設定され、前記取得部は、前記契約単位で設定されたデマンド目標値に関する入力を取得する構成としても良い。
このようにすれば、契約対象である需要家ごとにデマンド目標値に関する情報を保存し、必要に応じて提供可能とすることができる。
【0014】
また、前記取得部により取得された前記デマンド目標値に関する情報を、管理者に通知する通知手段をさらに備える構成としても良い。
このようにすれば、デマンド制御における目標値が変更されたことを管理者に知らせ、管理者による対応を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態が適用される設備機器の制御システムの全体構成を示す図である。
【
図4】制御装置およびサーバのハードウェア構成例を示す図である。
【
図6】目標電力の変更に関する履歴情報の構成例を示す図である。
【
図7】制御装置が目標電力の変更に関する履歴情報を生成する動作を示すフローチャートである。
【
図8】制御装置が目標電力の変更に関する情報を通知する動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、実施の形態について詳細に説明する。
<システム構成>
図1は、本実施形態が適用される設備機器の制御システムの全体構成を示す図である。本実施形態の制御システムは、制御装置100と、被制御装置である設備機器200と、サーバ300とを備える。制御装置100と設備機器200とは、ネットワークを介して接続されている。このネットワークは、専用回線によるLAN(Local Area Network)であっても良いし、WAN(Wide Area Network)やインターネット上に設定されたVPN(Virtual Private Network)等を用いても良い。
【0017】
設備機器200は、電力を使用して作動する設備や機器である。制御装置100は、一または複数の設備機器200の動作を制御する。
図1には、制御装置100が複数の設備機器200を制御する構成例を示している。設備機器200は、電力を使用して動作し、制御装置100により動作を制御される設備や機器であれば、その種類を問わない。以下の説明では、設備機器200の具体例として空調機器の制御に本実施形態の制御システムを適用した例について説明する場合がある。
【0018】
また、設備機器200は、制御装置100からの指示にしたがって自装置を制御する制御手段を備えている。制御装置100は、制御対象である設備機器200を制御するための指示(以下、「制御指示」と呼ぶ)を生成し、生成した制御指示を各設備機器200に対して送信する。各設備機器200は、制御装置100から制御指示を取得し、自装置の制御手段により、取得した制御指示にしたがって自装置の設定を行い、動作を制御する。
【0019】
制御装置100とサーバ300とは、ネットワークを介して接続されている。
図1に示す構成例では、サーバ300に接続された一つの制御装置100が示されているが、実際には、複数の制御装置100がサーバ300に接続される。そして、各制御装置100に、一または複数の設備機器200が接続される。制御装置100とサーバ300とを接続するネットワークには、例えば、インターネットが用いられる。また、LANやWANを用いても良い。
【0020】
<電気料金と設備機器200の制御の関係>
ここで、電気料金について説明する。電気料金は、主に基本料金と電力量料金とにより構成され、月ごとに特定される。基本料金は、基本料金単価と契約電力とに基づいて計算される。契約電力は、当月から遡って1年以内の最大需要電力(デマンド値)の最大値とされる。最大需要電力とは、月間の時限(デマンド時限:30分)ごとの平均使用電力の最大値である。平均使用電力とは、各時限における需要電力(使用電力)の平均値である。また、電力量料金は、電力量料金単価と月ごとの使用電力量とに基づいて計算される。
【0021】
上述したように、契約電力は、過去1年以内の最大需要電力の最大値である。したがって、ある月の最大需要電力(言い換えれば、その月におけるある時限の平均使用電力)が契約電力となると、その月以後、その契約電力よりも低い最大需要電力を維持し続けたとしても、1年間にわたり、この契約電力に基づく基本料金が課されることとなる。また、ある時限において平均使用電力がそれまでの契約電力の値を上回り、その時限が含まれる月の最大需要電力となると、この時限の平均使用電力(最大需要電力)が、新たな契約電力として、それ以降の基本料金の計算に用いられる。
【0022】
また、電力量料金単価の設定には様々な態様があり、所定の条件に基づいて電力量料金単価が変動する設定が行われ得る。例えば、1日の中の時間帯、平日か休日かの別、季節などに応じて、電力量料金単価が変動する設定が行われる場合がある。また、電力が市場で取引されるようになり、市場における電力の取引価格を反映させて変動する電力量料金単価が設定される場合もある。
【0023】
設備機器200の制御において、設備機器200の運転に要する電気料金を削減することを指向して制御が行われる場合がある。この場合、平均使用電力が現在の契約電力を超えないように設備機器200を制御することが求められる。また、電力量料金単価が変動する場合、電気料金を低下させる観点では、単価の低い時間帯よりも単価の高い時間帯で使用する電力量を削減する方が、効率が良い。ただし、電力量料金単価が時限ごとの電力量料金に対してのみ影響するのに対し、契約電力は当月以後の1年間の電気料金に対して影響する。このため、電力量料金単価の変動を考慮した制御よりも、平均使用電力を考慮した制御の方が優先される。平均使用電力が現在の契約電力を超えないように行われる制御をデマンド制御と呼ぶ。
【0024】
電気料金は、電力供給の契約者である需要家に対して課される。需要家は、一または複数の設備機器200を有する。制御装置100は、一または複数の需要家の設備機器200を制御する。また、制御装置100は、需要家ごとに設定された電気料金(基本料金および電力量料金)に応じて、各需要家の設備機器200に対し、時限ごとの平均使用電力や電力量料金単価を考慮した制御を行う。制御装置100による具体的な設備機器200の制御の内容については後述する。
【0025】
<サーバ300の構成>
図2は、サーバ300の構成を示す図である。サーバ300は、例えば、ネットワークのクラウド環境上に構築されたサーバ(いわゆるクラウドサーバ)等として実現される。サーバ300は、需要家管理部310と、目標電力設定部320と、制御情報生成部330と、送信制御部340とを備える。
【0026】
需要家管理部310は、需要家の情報を管理する。需要家の情報には、例えば、需要家ごとの契約電力、最大需要電力、時限ごとの平均使用電力等の情報が含まれる。各需要家の平均使用電力の情報は、例えば、各需要家の設備機器200を制御する制御装置100から得られる。
【0027】
目標電力設定部320は、各需要家の設備機器200による時限ごとの平均使用電力の目標値であるデマンド目標値(以下、「目標電力」と呼ぶ)を設定する。需要家の電力使用による平均使用電力が契約電力を超えると、この平均使用電力が新たな契約電力となって、電気料金における基本料金を引き上げてしまう。そこで、契約電力に基づく目標電力を設定し、時限ごとの平均使用電力が目標電力を超えないように制御することが行われる。なお、目標電力は、契約電力以下の値、例えば、契約電力よりも一定値だけ低い値に設定される。
【0028】
目標電力設定部320は、各需要家の設備機器200による時限ごとの平均使用電力を予測し、予測結果に基づき、各需要家の時限ごとの平均使用電力に対する目標電力を設定する。平均使用電力の予測は、既存の種々の予測方法により行い得る。例えば、設備機器200の環境情報や稼働情報と電力の使用実績とを蓄積し、将来の時限において想定される環境および設備機器200の稼働状態から平均使用電力を予測することが考えられる。設備機器200の環境情報、稼働情報、電力の使用実績などの情報は、例えば、各設備機器200において収集され、制御装置100を介して取得し得る。
【0029】
制御情報生成部330は、各需要家の設備機器200を制御するための制御情報を生成する。制御情報は、需要家の設備機器200による時限ごとの平均使用電力が目標電力設定部320により設定されたその需要家におけるその時限の目標電力を超えないように、制御装置100に設備機器200を制御させる情報である。制御情報生成部330は、各制御情報による制御が行われる時限が開始される前に、該当する時限の制御情報を生成する。
【0030】
送信制御部340は、制御情報生成部330により生成された制御情報を、各制御情報に対応する需要家の設備機器200を制御する制御装置100へ送信する。送信制御部340は、各制御情報による制御が行われる時限が開始される前に、該当する時限の制御情報を制御装置100へ送信する。送信制御部340は、各時限の制御情報を制御装置100へ送信する場合に、送信しようとする時限の直前の時限における平均使用電力から低下させる制御情報を、送信しようとする時限の直前の時限における平均使用電力から上昇させる制御情報よりも先に送信するようにしても良い。
【0031】
<制御装置100の構成>
図3は、制御装置100の構成を示す図である。制御装置100は、ネットワークを介してサーバ300および設備機器200と接続された情報処理装置として実現される。制御装置100は、制御対象の設備機器200の近隣に設けられた装置(例えば、エッジサーバ)であっても良いし、クラウド環境上に構築されたサーバ(クラウドサーバ)であっても良い。制御装置100は、制御情報取得部110と、記憶部120と、制御指示生成部130と、制御指示出力部140と、目標電力変更受け付け部150と、履歴情報生成部160と、通知部170とを備える。
【0032】
制御情報取得部110は、サーバ300から設備機器200の制御情報を取得する。制御情報には、需要家ごとに設定された平均使用電力の目標電力の情報が含まれる。制御情報取得部110は、設備機器200に対して時限ごとの制御情報に基づく制御が行われる前に、該当する時限の制御情報を取得する。
【0033】
記憶部120は、制御情報取得部110により取得された制御情報を記憶する。制御情報取得部110により取得された制御情報は、設備機器200を制御するために用いられる。制御情報は、その制御情報による制御が行われる時限が開始される前に、記憶部120に記憶される。また、詳しくは後述するが、制御情報に含まれる目標電力が変更された場合、その目標電力の変更に関する履歴情報(変更履歴)が記憶部120に記憶される。
【0034】
制御指示生成部130は、制御情報取得部110により取得された制御情報に基づいて、設備機器200を制御するための制御指示を生成する。制御指示生成部130は、各需要家の設備機器200による時限ごとの平均使用電力が、時限ごとに需要家に対して設定された目標電力を超えないように設備機器200を動作させる制御指示を生成する。一の需要家が複数の設備機器200を有する場合は、時限ごとに、その一の需要家が有する全ての設備機器200の平均使用電力の合計値が対応する時限の目標電力を超えないように制御指示が生成される。この場合、目標電力を超えないようにするために、需要家が自身の複数の設備機器200に対して電力を割り振る方法については、特に限定しない。例えば、設備機器200の種類や装置規模等に応じて均等に割り振っても良い。また、特定の設備機器200に対して十分に電力を割り当て、残りの電力を他の設備機器200に割り振っても良い。また、ある時限では、一部の設備機器200を動作させず、一部の設備機器200のみで電力を使用するようにしても良い。なお、制御指示生成部130は、設備機器200の稼働情報を参酌して制御指示を生成しても良い。
【0035】
制御指示出力部140は、制御情報取得部110により取得された制御情報に基づいて制御指示生成部130により生成された時限ごとの制御指示を、その制御情報による制御が行われる時限が開始する際に記憶部120から読み出し、各制御指示の制御対象の設備機器200へ送信する。
【0036】
目標電力変更受け付け部150は、制御情報に含まれる目標電力の変更入力を受け付ける。目標電力の変更入力は、ユーザによる目標電力(デマンド目標値)に関する情報の入力の一例である。目標電力の変更は、変更対象となる時限を特定して行われる。目標電力変更受け付け部150は、例えば、制御装置100のシステムにログインしたユーザの指示を受け付けて、表示装置に目標電力の変更入力用の操作画面を表示させる。そして、目標電力変更受け付け部150は、ユーザにより操作画面上で行われる、目標電力の変更操作を受け付ける。操作画面を表示させる指示や目標電力の変更操作は、例えば、ユーザが入力キーボードやポインティングデバイス等の入力デバイスを操作することにより行われる。目標電力変更受け付け部150は、目標電力の変更操作が行われると、変更内容を該当する制御情報に反映させる。
【0037】
履歴情報生成部160は、目標電力変更受け付け部150により目標電力の変更が受け付けられた場合、この目標電力の変更に関する履歴情報を生成する。履歴情報生成部160は、目標電力変更受け付け部150により受け付けた情報と共に、目標電力の変更内容や変更操作に関する情報を取得し、取得した情報を履歴情報に記録する。履歴情報生成部160は、取得部の一例である。変更操作に関する情報としては、例えば、変更が行われた目標電力の対象となる日時および時限、変更を行ったユーザ、変更を行うのに用いられた端末装置、変更理由などの情報が含まれる。日時および時限の情報は、時期の情報の一例であり、例えば、変更対象である目標電力が含まれる制御情報から得られる。変更を行ったユーザの情報は、ユーザを特定する情報の一例であり、例えば、ユーザが制御装置100のシステムにログインした際の認証行為により入力された認証情報等から得られる。変更を行うのに用いられた端末装置の情報は、入力に用いた装置に関する情報の一例であり、例えば、制御装置100のシステムへのログインに端末認証が行われる場合に、ログインのために入力された端末コード等から得られる。変更理由の情報は、変更した理由を示す情報の一例であり、例えば、目標電力の変更操作において変更理由の入力を求めることにより得られる。生成された履歴情報は、記憶部120に格納される。
【0038】
通知部170は、目標電力の変更に関する情報を、予め定められた通知条件にしたがって、デマンド制御の管理者に通知する。通知部170は、通知手段の一例である。通知対象である目標電力の変更に関する情報は、単に目標電力が変更されたことを示す情報であっても良いし、履歴情報生成部160により生成された履歴情報であっても良い。また、履歴情報に記録される情報の一部を含む通知用の情報を生成しても良い。通知は、目標電力が変更されたときや履歴情報が生成されたときに随時行っても良いし、一定期間ごとに履歴情報の生成状況を確認し、新規の履歴情報があれば、その履歴情報に係る目標電力の変更に関する情報をまとめて通知する構成としても良い。
【0039】
上述したサーバ300が設備機器200の情報に基づいて平均使用電力の予測を行う場合、制御装置100は、設備機器200の制御に伴って、設備機器200から稼働情報を取得する構成としても良い。制御装置100が取得する稼働情報には、広く、設備機器200の稼働に関する種々の情報が含まれる。例えば、設備機器200の稼働率や継続稼働時間等の動作状態を表す情報が含んでも良い。また、稼働された時間帯、平日の稼働と休日の稼働の別等、設備機器200の稼働に影響を及ぼすと考えられる種々の情報を含んでも良い。また、制御装置100は、平均使用電力の予測に用い得る気温や湿度等の設備機器200が設置された環境の情報を取得しても良い。これらの情報は、情報の種類に応じて、既存の種々の方法で取得し得る。例えば、設備機器200自体から取得し得る他、各種のセンサ装置等から取得し得る。また、日時の情報は、例えば、制御装置100に設けられた時計機能やカレンダー機能により得られる。取得した設備機器200の稼働情報は、記憶部120に保持され、所定のタイミングでサーバ300へ送られる。例えば、サーバ300からの要求に応じて送信しても良いし、1日の決まった時間等に定期的に送信しても良い。
【0040】
<制御装置100およびサーバ300のハードウェア構成>
図4は、制御装置100およびサーバ300のハードウェア構成例を示す図である。制御装置100およびサーバ300は、例えば、コンピュータにより実現される。制御装置100およびサーバ300がクラウド環境に構築されたサーバとして実現される場合であっても、ネットワーク上の
図4に示すような物理的なコンピュータのシステムリソースを用いた仮想的なシステムとして構成される。
【0041】
制御装置100を実現するコンピュータは、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)101と、記憶手段であるRAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103、記憶装置104とを備える。RAM102は、主記憶装置(メイン・メモリ)であり、CPU101が演算処理を行う際の作業用メモリとして用いられる。ROM103にはプログラムや予め用意された設定値等のデータが保持されており、CPU101はROM103から直接プログラムやデータを読み込んで処理を実行することができる。記憶装置104は、プログラムやデータの保存手段である。記憶装置104にはプログラムが記憶されており、CPU101は記憶装置104に格納されたプログラムを主記憶装置に読み込んで実行する。また、記憶装置104には、CPU101による処理の結果が格納され、保存される。記憶装置104としては、例えば磁気ディスク装置やSSD(Solid State Drive)等が用いられる。
【0042】
制御装置100が
図4に示すコンピュータにより実現される場合、
図3を参照して説明した制御情報取得部110、制御指示生成部130、制御指示出力部140、目標電力変更受け付け部150、履歴情報生成部160および通知部170の各機能は、例えば、CPU101がプログラムを実行することにより実現される。記憶部120は、例えば、RAM102や記憶装置104により実現される。また、制御装置100としてのコンピュータには、ユーザが目標電力の変更入力を行う際に操作画面を表示する表示装置と、ユーザが入力操作を行う入力デバイスとが接続される場合がある。サーバ300が
図4に示すコンピュータにより実現される場合、
図2を参照して説明した需要家管理部310、目標電力設定部320、制御情報生成部330および送信制御部340の各機能は、例えば、CPU101がプログラムを実行することにより実現される。なお、
図4に示した構成例は、制御装置100をコンピュータにより実現する場合の一例に過ぎない。
【0043】
<設備機器200の構成>
図5は、設備機器200の構成を示す図である。設備機器200は、受け付け部210と、動作制御部220と、出力部230とを備える。なお、設備機器200は、その種類に応じて、設備機器200の機能を実現するために動作する機構や装置を有している。例えば、設備機器200が空調機器である場合、設備機器200は、室内機および室外機等を有する。また、設備機器200が照明設備である場合、設備機器200は、照明器具や制御スイッチ等を有する。このような機構等の種類や態様は、設備機器200の種類に応じて様々であるため、ここでは図示しない。
【0044】
受け付け部210は、制御装置100から出力された制御指示を、図示しないネットワークインターフェイスを用い、ネットワークを介して受け付ける。
【0045】
動作制御部220は、受け付け部210により受け付けた制御指示に基づいて、設備機器200に設けられた機構や装置の動作を制御する。具体的には、例えば、設備機器200が空調機器である場合、受け付け部210により制御指示として設定温度を特定する情報を受け付け、動作制御部220は、受け付けた設定温度になるように室内機および室外機の動作を制御する。なお、ここでは温度設定に係る制御の例を挙げたが、その他、空調機器により制御可能な気体に関する種々の制御(例えば、湿度や気体成分の制御等)に対して、動作制御部220による制御指示に基づく制御を適用し得る。また、空調機器以外の種々の設備機器200においても、動作制御部220は、制御装置100から受け付ける制御指示にしたがって、設備機器200の種類に応じた制御を実行する。
【0046】
出力部230は、設備機器200の動作状態に関する情報を、図示しないネットワークインターフェイスを用い、ネットワークを介して制御装置100へ出力する。
【0047】
受け付け部210、動作制御部220および出力部230は、例えば、コンピュータにより実現される。動作制御部220を実現するコンピュータは、
図4を参照して説明した構成としても良い。この場合、受け付け部210、動作制御部220および出力部230の各機能は、例えば、
図4に示したCPU101がプログラムを実行することにより実現される。また、受け付け部210、動作制御部220および出力部230の各機能を、専用のハードウェアにより実現しても良い。例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、その他の回路により実現される。さらに、CPU101がプログラム(ソフトウェア)を実行して実現される機能と、専用のハードウェアにより実現される機能とを組み合わせて、受け付け部210、動作制御部220および出力部230としても良い。
【0048】
<目標電力の変更の受け付け>
上記のように、本実施形態では、制御装置100において、サーバ300から与えられた制御情報に含まれる目標電力に対する利用者による変更操作を受け付ける。デマンド制御は、時限ごとの平均使用電力が目標電力を超過しないように、環境への影響度合いを鑑みながら、設備機器200に対して供給する電力を抑える制御である。したがって、デマンド制御における制限は、設備機器200の利用者における快適性や利便性とトレードオフの関係となる。そこで、本実施形態では、個別の理由により特に必要な場合、制御情報により特定された目標電力の変更を許容する。そして、目標電力の変更に関する責任の所在を明確にすべく、目標電力の変更に関する履歴情報を取得して保存することとした。
【0049】
本実施形態において、デマンド制御における目標電力は、過去1年間の最大需要電力の実績に基づき、需要家との合意に基づいて決定される。したがって、目標電力を変更することは、予め合意で決めた目標電力を、その後の運用において生じた理由に応じて見直すことと言える。
【0050】
目標電力の変更理由の例としては、例えば、気象が過去の一定期間(例えば過去1年間)の状況に比べ大きく異なることが挙げられる。具体的には、過去の気象と比べて猛暑や厳冬である場合に目標電力を上げ、反対に、過去の気象と比べて冷夏や暖冬である場合に目標電力を下げること等が考えられる。
【0051】
また、目標電力の変更理由の別の例としては、例えば、需要家による施設(設備機器200のある場所)の利用形態が変わり、新たな利用形態による需要に応じて変更する必要が生じた場合が挙げられる。具体的には、施設の利用が増加し、空調等の設備機器200の需要が増大するならば目標電力を上げ、反対に、施設の閉館やサービスの減縮により空調等の設備機器200の需要が減るならば目標電力を下げること等が考えられる。
【0052】
また、目標電力の変更理由の別の例としては、例えば、目標電力が施設の利用実態に合っておらず、施設の利用者からの要求に応じて目標電力を挙げる場合が挙げられる。目標電力が施設の利用実態に合っていない場合の具体例としては、予定外のイベントが開催される等により、想定外の集中的な施設の利用があり、当初の目標電力の範囲内で設備機器200を稼働した場合には施設内の環境が悪化する恐れがある場合等が考えられる。
【0053】
図6は、目標電力の変更に関する履歴情報の構成例を示す図である。制御装置100において、サーバ300から取得して記憶部120に格納された目標電力が変更されると、履歴情報生成部160により、この目標電力の変更に関する履歴情報が生成され、記憶部120に格納される。
図6に示す例において、履歴情報には、「変更日時」、「変更者」、「端末」、「変更内容」、「変更理由」の各項目の情報が記録される。
【0054】
「変更日時」は、目標電力の変更操作が行われ、制御装置100において、変更された目標電力に基づいて設備機器200を制御することが有効となった日時を特定する情報である。例えば、「○○年○○月○○日○○分○○秒」等のように日時のデータが記録される。日時のデータは、例えば、制御装置100に内蔵された時計機能やカレンダー機能から取得される。
【0055】
「変更者」は、目標電力を変更したユーザを特定する情報である。目標電力の変更権限を付与して、変更操作が可能なユーザを限定しても良い。目標電力の変更権限を付与されるユーザとしては、例えば、施設のオーナー、施設の管理者、管理者から権限を与えられた職員等とすることが考えられる。ユーザを特定する情報は、種々の方法で取得し得る。例えば、変更操作を受け付ける際に情報を要求して取得する構成としても良いし、ユーザが制御装置100のシステムにログインした際に入力された認証情報から抽出する構成としても良い。ユーザを特定する情報としては、例えば、目標電力の変更権限を管理するために登録されたユーザID等を用い得る。
【0056】
「端末」は、目標電力を変更するのに用いられた端末装置を特定する情報である。目標電力の変更操作が可能な端末装置としては、パーソナルコンピュータやスマートフォン等の情報機器が用いられる他、制御装置100の入力装置や専用端末等としても良い。端末装置を特定する情報は、種々の方法で取得し得る。例えば、変更操作を受け付ける際に情報を要求して取得しても良いし、制御装置100のシステムへのログイン時等に端末認証を行って取得しても良い。端末装置を特定する情報としては、例えば、制御装置100への接続用として登録された端末IDや端末コード、固定IPアドレス等を用い得る。
【0057】
「変更内容」は、目標電力の変更の内容を示す情報である。具体的には、変更後の目標電力の値が記録される。また、変更前の目標電力の値に対する相対値(差分)を変更内容として記録する構成としても良い。変更内容の情報は、例えば、目標電力の変更操作における入力から取得される。
【0058】
「変更理由」は、目標電力を変更した理由を示す情報である。変更理由の入力は、例えば、変更操作を受け付ける際に、テキスト入力により行われる。また、予め用意した変更理由についての選択項目をメニュー表示等により提示し、ユーザの選択を受け付ける構成としても良い。
【0059】
以上、履歴情報の例を説明したが、
図6に示す履歴情報は、例示に過ぎず、上記以外の項目を設けても良いし、上記の項目を全て設けるとは限らない。例えば、変更者を特定する情報があれば、端末を特定する情報は設けなくても良い。また、用意した全ての項目を必須の入力項目としなくても良い。例えば、制御装置100のシステムやログイン情報から取得可能な変更日時や変更者の情報は必須の項目とし、ユーザによる入力を受け付ける変更理由等の情報は、入力しないことが許される項目としても良い。
【0060】
<目標電力の変更に関する制御装置の動作>
次に、目標電力の変更に関する制御装置100の動作を説明する。以下、制御装置100の動作を、目標電力が変更された際に履歴情報を生成する動作と、目標電力が変更されたことを管理者に通知する動作とに分けて説明する。
【0061】
図7は、制御装置100が目標電力の変更に関する履歴情報を生成する動作を示すフローチャートである。事前に、目標電力を変更する権限を有するユーザが、制御装置100のシステムに対してログインし、目標電力の変更操作を行うことが可能な状態となっている。例えば、ユーザインターフェイスが表示装置に表示される操作画面により提供される場合、ユーザが目標電力の変更操作を行うために使用する端末装置に、目標電力の変更用の操作画面が表示されているものとする。
【0062】
まず、ユーザが、目標電力を変更しようとする設備機器200および時限に対する制御情報を指定する。制御装置100は、制御情報の指定を受け付けると(S101)、記憶部120から該当する制御情報を読み出す(S102)。上記のように、ユーザインターフェイスが表示装置に表示される操作画面により提供される場合、制御装置100は、読み出した制御情報を操作画面に表示させる。
【0063】
次に、ユーザが、目標電力の変更値を入力する。制御装置100は、変更値の入力を受け付け(S103)、S102で読みだした制御情報の目標電力を変更する(S104)。そして、制御装置100は、目標電力が変更された制御情報を、記憶部120に書き込む(S105)。これにより、制御情報の更新が完了する。
【0064】
次に、制御装置100は、履歴情報の作成に必要な情報を収集し、履歴情報を作成し(S106)、記憶部120に保存する(S107)。必要な情報は、ユーザが制御装置100のシステムにログインする際の入力、制御情報を指定する際の入力、目標電力の変更値等から収集される。また、変更理由等の一部の情報は、入力用の操作画面を表示して入力を受け付け、収集される。
【0065】
図8は、制御装置100が目標電力の変更に関する情報を通知する動作を示すフローチャートである。制御情報における目標電力が変更されると、上記のように履歴情報が生成されて保存される他、目標電力の変更に関する情報が、デマンド制御の管理者に通知される。通知条件としては、例えば、目標電力を変更して制御情報が更新されたとき、履歴情報が生成されたとき等とすることができる。また、定期的に制御情報の更新や履歴情報の新規生成が行われているかを確認し、更新された制御情報や新規生成された履歴情報がある場合に、通知する構成としても良い。通知は、単に目標電力が変更されたことを示す通知としても良いし、新規に生成された履歴情報を送信しても良い。前者の場合、例えば、通知を受けた管理者が制御装置100にアクセスし、履歴情報を確認する。
図8に示す例では、通知として履歴情報を送信するものとする。
【0066】
制御装置100は、予め定められた通知条件を満足すると、記憶部120に保存された履歴情報を読み出す(S201、S202)。そして、制御装置100は、読み出した履歴情報をデマンド制御の管理者に送信する(S203)。記憶部120から読み出され、通知される履歴情報は、通知条件に基づいて特定される通知対象に該当する履歴情報である。例えば、履歴情報が生成されたことが通知条件である場合、最新の履歴情報が通知対象となる。また、定期的に通知が行われる場合、前回の通知の後に生成された全ての履歴情報が通知対象となる。
【0067】
以上、実施形態について説明したが、本開示の技術的範囲は上記実施形態には限定されない。例えば、上記の実施形態では、制御装置100に保持された制御情報に含まれる目標電力の変更を受け付ける構成としたが、サーバ300において生成された制御情報の目標電力を変更する構成としても良い。この場合、目標電力を変更するユーザは、サーバ300にアクセスして目標電力の変更操作を行う。したがって、目標電力を変更することが可能なユーザは、サーバ300へのアクセス権限を有する者となる。目標電力の変更に伴って生成される履歴情報は、サーバ300の図示しない記憶手段に保存される。また、目標電力の変更に関する管理者への通知は、サーバ300から管理者へ送られる。サーバ300において目標電力の変更を受け付ける場合、原則的には、制御情報が制御装置100に送られる前に行われる。ただし、制御情報が制御装置100に送られた後に目標電力の変更が行われた場合に、変更された目標電力を含む制御情報を生成して対象の制御装置100へ送信し、制御情報の更新を指示する構成としても良い。
【0068】
また、上記の実施形態では、電力供給の契約者である需要家に対して設定された目標電力に関して変更を受け付けた。これに対し、制御装置100において、需要家ごとの目標電力を需要家が有する複数の設備機器200ごとに割り当てた設備機器200ごとのデマンド目標値が設定される場合、この設備機器200ごとにデマンド目標値の変更を受け付けても良い。この場合、需要家の目標電力が変更された後に、変更後の目標電力を各設備機器200に対して改めて割り振るのではなく、個々の設備機器200の単位でデマンド目標値を直接変更することができる。その他、本開示の技術思想の範囲から逸脱しない様々な変更や構成の代替は、本開示に含まれる。
【0069】
ここで、上記にて説明した実施形態は、以下のように捉えることができる。本開示の情報処理システムは、設備機器のデマンド制御に関する設定を行う情報処理システムであって、デマンド制御におけるデマンド目標値を記憶する記憶部120と、ユーザにより入力されたデマンド目標値に関する情報を取得する履歴情報生成部160と、を有し、記憶部120は、さらに履歴情報生成部160により取得されたデマンド目標値に関する情報に基づき、デマンド目標値の変更履歴を記憶することを特徴とする、情報処理システムである。
このようにすれば、デマンド制御における目標値が変更された場合に、目標値に関する情報を変更履歴として保存し、必要に応じて提供可能とすることができる。
【0070】
ここで、履歴情報生成部160は、デマンド目標値に関する情報として、デマンド目標値を変更した時期の情報を取得する構成としても良い。
このようにすれば、デマンド制御における目標値が変更された場合に、デマンド目標値を変更した時期の情報を保存し、必要に応じて提供可能とすることができる。
【0071】
また、履歴情報生成部160は、デマンド目標値に関する情報として、デマンド目標値を変更したユーザを特定する情報を取得する構成としても良い。
このようにすれば、デマンド制御における目標値が変更された場合に、デマンド目標値を変更したユーザを特定する情報を保存し、必要に応じて提供可能とすることができる。
【0072】
また、デマンド目標値を変更したユーザを特定する情報は、このユーザがデマンド目標値に関する情報の入力を受け付けるシステムにログインするために行った認証行為によって特定される情報としても良い。
このようにすれば、デマンド目標値を変更したユーザの情報の入力を別途要求することなく、自動的に取得することができる。
【0073】
また、履歴情報生成部160は、デマンド目標値に関する情報として、デマンド目標値を変更した理由を示す情報を取得する構成としても良い。
このようにすれば、デマンド制御における目標値が変更された場合に、デマンド目標値を変更した理由を示す情報を保存し、必要に応じて提供可能とすることができる。
【0074】
また、履歴情報生成部160は、デマンド目標値に関する情報として、ユーザがデマンド目標値を入力するのに用いた装置に関する情報を取得する構成としても良い。
このようにすれば、デマンド制御における目標値が変更された場合に、デマンド目標値を入力するのに用いた装置に関する情報を保存し、必要に応じて提供可能とすることができる。
【0075】
また、デマンド目標値は、使用電力の制御対象である設備機器ごとに設定され、履歴情報生成部160は、制御対象の設備機器ごとに設定されたデマンド目標値に関する入力を取得する構成としても良い。
このようにすれば、制御対象である設備機器ごとに個別にデマンド目標値に関する情報を保存し、必要に応じて提供可能とすることができる。
【0076】
また、デマンド目標値は、電力の契約単位で設定され、履歴情報生成部160は、契約単位で設定されたデマンド目標値に関する入力を取得する構成としても良い。
このようにすれば、契約対象である需要家ごとにデマンド目標値に関する情報を保存し、必要に応じて提供可能とすることができる。
【0077】
また、履歴情報生成部160により取得されたデマンド目標値に関する情報を、管理者に通知する通知部170をさらに備える構成としても良い。
このようにすれば、デマンド制御における目標値が変更されたことを管理者に知らせ、管理者による対応を促すことができる。
【符号の説明】
【0078】
100…制御装置、110…制御情報取得部、120…記憶部、130…制御指示生成部、140…制御指示出力部、150…目標電力変更受け付け部、160…履歴情報生成部、170…通知部、200…設備機器、210…受け付け部、220…動作制御部、230…出力部、300…サーバ、310…需要家管理部、320…目標電力設定部、330…制御情報生成部、340…送信制御部