(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】モジュール部品の姿勢調節装置
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/068 20060101AFI20240621BHJP
F21V 14/02 20060101ALI20240621BHJP
F21S 41/657 20180101ALI20240621BHJP
【FI】
B60Q1/068 100
F21V14/02 200
F21S41/657
(21)【出願番号】P 2021533064
(86)(22)【出願日】2020-07-13
(86)【国際出願番号】 JP2020027191
(87)【国際公開番号】W WO2021010367
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2023-05-02
(31)【優先権主張番号】P 2019133004
(32)【優先日】2019-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100143764
【氏名又は名称】森村 靖男
(72)【発明者】
【氏名】原 秀樹
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-064006(JP,A)
【文献】実開平03-124503(JP,U)
【文献】特開2013-082430(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0197179(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/068
F21V 14/02
F21S 41/657
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ギヤ、及び前記第1ギヤに接続し前記第1ギヤの軸に沿って延在するシャフトを有する第1回転部材と、
前記第1回転部材を前記第1ギヤの軸を中心に回転可能に支持する第1支持部材と、
前記第1ギヤに歯合する第2ギヤを有する第2回転部材と、
前記第2回転部材を前記第2ギヤの軸を中心に回転可能に支持する第2支持部材と、
を備え、
前記第1回転部材は、回転することによって前記シャフトからモジュール部品に力を伝達して前記第1支持部材に対する前記モジュール部品の姿勢を変更し、
前記第2支持部材は、前記第2ギヤにトルクが付与される際に前記第2ギヤが前記第1ギヤから受ける力によって前記第2ギヤが前記第1ギヤから離れる方向に変形可能であ
り、
前記第1ギヤの軸と前記第2ギヤの軸とは非平行であり、
前記第1回転部材は、前記第1支持部材に形成される貫通孔に前記シャフトが挿入されて前記第1支持部材に回転可能に支持され、
前記第1支持部材は、前記第1ギヤの軸と平行で前記貫通孔から前記第1ギヤ側に向かう第1スライド方向への前記第1回転部材の移動を規制し、
前記第2ギヤにトルクが付与される際に前記第2ギヤが前記第1ギヤから受ける力によって前記第2ギヤが前記第1ギヤから離れる方向は、前記第2ギヤの軸と非垂直であり、
前記第2支持部材は、前記第2ギヤの軸と垂直で前記第2ギヤの軸から前記第1ギヤと前記第2ギヤとが歯合する歯合領域側と反対側に向かう方向への前記第2回転部材の移動を規制し、
前記第1ギヤは、前記第1スライド方向と反対方向に向かって前記第2ギヤに歯合するとともに、前記第1スライド方向において前記第2ギヤと重なる
ことを特徴とするモジュール部品の姿勢調節装置。
【請求項2】
第1ギヤ、及び前記第1ギヤに接続し前記第1ギヤの軸に沿って延在するシャフトを有する第1回転部材と、
前記第1回転部材を前記第1ギヤの軸を中心に回転可能に支持する第1支持部材と、
前記第1ギヤに歯合する第2ギヤを有する第2回転部材と、
前記第2回転部材を前記第2ギヤの軸を中心に回転可能に支持する第2支持部材と、
を備え、
前記第1回転部材は、回転することによって前記シャフトからモジュール部品に力を伝達して前記第1支持部材に対する前記モジュール部品の姿勢を変更し、
前記第2支持部材は、前記第2ギヤにトルクが付与される際に前記第2ギヤが前記第1ギヤから受ける力によって前記第2ギヤが前記第1ギヤから離れる方向に変形可能であ
り、
前記第1ギヤの軸と前記第2ギヤの軸とは非平行であり、
前記第1回転部材は、前記第1支持部材に形成される貫通孔に前記シャフトが挿入されて前記第1支持部材に回転可能に支持され、
前記第1支持部材は、前記第1ギヤの軸と平行で前記貫通孔から前記第1ギヤ側と反対側に向かう第2スライド方向への前記第1回転部材の移動を規制し、
前記第2ギヤにトルクが付与される際に前記第2ギヤが前記第1ギヤから受ける力によって前記第2ギヤが前記第1ギヤから離れる方向は、前記第2ギヤの軸と非垂直であり、
前記第2支持部材は、前記第2ギヤの軸と垂直で前記第2ギヤの軸から前記第1ギヤと前記第2ギヤとが歯合する歯合領域側と反対側に向かう方向への前記第2回転部材の移動を規制し、
前記第1ギヤは、前記第2スライド方向と反対方向に向かって前記第2ギヤに歯合するとともに、前記第2スライド方向において前記第2ギヤと重なる
ことを特徴とするモジュール部品の姿勢調節装置。
【請求項3】
第1ギヤ、及び前記第1ギヤに接続し前記第1ギヤの軸に沿って延在するシャフトを有する第1回転部材と、
前記第1回転部材を前記第1ギヤの軸を中心に回転可能に支持する第1支持部材と、
前記第1ギヤに歯合する第2ギヤを有する第2回転部材と、
前記第2回転部材を前記第2ギヤの軸を中心に回転可能に支持する第2支持部材と、
を備え、
前記第1回転部材は、回転することによって前記シャフトからモジュール部品に力を伝達して前記第1支持部材に対する前記モジュール部品の姿勢を変更し、
前記第2支持部材は、前記第2ギヤにトルクが付与される際に前記第2ギヤが前記第1ギヤから受ける力によって前記第2ギヤが前記第1ギヤから離れる方向に変形可能であ
り、
前記第2回転部材は、前記第2ギヤの軸に沿って延在するシャフトと、当該シャフトから前記第2ギヤの軸と垂直な方向に突出するフランジとを有し、
前記第2支持部材は、前記第2ギヤの軸方向において互いに対向して間に前記フランジが配置され前記第2ギヤの軸方向への前記第2回転部材の移動を規制する一対の規制部材を有し、
前記第2ギヤにトルクが付与される際に前記第2ギヤが前記第1ギヤから受ける力によって前記第2ギヤが前記第1ギヤから離れる方向は、前記第2ギヤの軸と非垂直な方向である
ことを特徴とするモジュール部品の姿勢調節装置。
【請求項4】
前記一対の規制部材のそれぞれは、前記第2回転部材の前記シャフトが挿入される切り欠きが形成された板状部材とされ、
前記一対の規制部材のうち前記第2ギヤの軸方向において前記第2ギヤにトルクが付与される際に前記第2ギヤが前記第1ギヤから受ける力によって前記第2ギヤが前記第1ギヤから離れる方向側と反対側に位置する前記規制部材には、剛性を向上する補強部材が接続される
ことを特徴とする請求項
3に記載のモジュール部品の姿勢調節装置。
【請求項5】
前記一対の規制部材のそれぞれは、前記第2回転部材の前記シャフトが挿入される切り欠きが形成された板状部材とされ、
前記一対の規制部材のうち前記第2ギヤの軸方向において前記第2ギヤにトルクが付与される際に前記第2ギヤが前記第1ギヤから受ける力によって前記第2ギヤが前記第1ギヤから離れる方向側に位置する前記規制部材には、貫通孔が形成される
ことを特徴とする請求項
3または
4に記載のモジュール部品の姿勢調節装置。
【請求項6】
第1ギヤ、及び前記第1ギヤに接続し前記第1ギヤの軸に沿って延在するシャフトを有する第1回転部材と、
前記第1回転部材を前記第1ギヤの軸を中心に回転可能に支持する第1支持部材と、
前記第1ギヤに歯合する第2ギヤを有する第2回転部材と、
前記第2回転部材を前記第2ギヤの軸を中心に回転可能に支持する第2支持部材と、
を備え、
前記第1回転部材は、回転することによって前記シャフトからモジュール部品に力を伝達して前記第1支持部材に対する前記モジュール部品の姿勢を変更し、
前記第2支持部材は、前記第2ギヤにトルクが付与される際に前記第2ギヤが前記第1ギヤから受ける力によって前記第2ギヤが前記第1ギヤから離れる方向に変形可能であ
り、
前記第1回転部材は、前記第1支持部材に形成される貫通孔に前記シャフトが挿入されて前記第1支持部材に回転可能に支持され、
前記第2支持部材は、抜け止め部を有し、
前記抜け止め部は、前記第1ギヤの軸と平行で前記貫通孔から前記第1ギヤ側に向かう第1スライド方向において、前記第1ギヤよりも前記貫通孔側と反対側に位置するとともに、前記第1ギヤと重なる
ことを特徴とするモジュール部品の姿勢調節装置。
【請求項7】
前記第2回転部材には、前記第2ギヤの軸に沿う貫通孔が形成される
ことを特徴とする請求項1から
6のいずれか1項に記載のモジュール部品の姿勢調節装置。
【請求項8】
前記第2支持部材は、前記第1支持部材と一体に形成される
ことを特徴とする請求項1から
7のいずれか1項に記載のモジュール部品の姿勢調節装置。
【請求項9】
前記第2支持部材は、前記第1支持部材に対して着脱可能である
ことを特徴とする請求項1から
7のいずれか1項に記載のモジュール部品の姿勢調節装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュール部品の姿勢調節装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モジュール部品の姿勢調節装置として、例えば灯具ユニットの姿勢を調節する装置が挙げられる。灯具ユニットの姿勢が調節されることで当該灯具ユニットの光の出射方向が調節される。下記特許文献1にはこのような灯具ユニットの姿勢を調節する姿勢調節装置が開示されている。
【0003】
下記特許文献1に記載の姿勢調節装置は、ギヤと、ギヤに接続しギヤの軸に沿って延在するシャフトを有する回転部材を備え、この回転部材はランプハウジングにギヤの軸を中心に回転可能に支持される。そして、この回転部材が回転することでシャフトから灯具ユニットに力が伝達してランプハウジングに対する灯具ユニットの姿勢が変更される。
【0004】
【発明の概要】
【0005】
上記特許文献1に記載の姿勢調節装置では、回転部材が所定の回転量を越えて回転されると灯具ユニットの姿勢が所定の範囲を越えて変更されて、当該灯具ユニットが他の部品に当接する場合がある。このように灯具ユニットが他の部品に当接している状態から更に回転部材が回転されると、灯具ユニットが他の部品に押し付けられる力が増加して灯具ユニットに傷が付く虞がある。
【0006】
そこで、本発明は、モジュール部品に傷が付くことを抑制し得るモジュール部品の姿勢調節装置を提供することを目的とする。
【0007】
上記目的の達成のため、本発明のモジュール部品の姿勢調節装置は、第1ギヤ、及び前記第1ギヤに接続し前記第1ギヤの軸に沿って延在するシャフトを有する第1回転部材と、前記第1回転部材を前記第1ギヤの軸を中心に回転可能に支持する第1支持部材と、前記第1ギヤに歯合する第2ギヤを有する第2回転部材と、前記第2回転部材を前記第2ギヤの軸を中心に回転可能に支持する第2支持部材と、を備え、前記第1回転部材は、回転することによって前記シャフトからモジュール部品に力を伝達して前記第1支持部材に対する前記モジュール部品の姿勢を変更し、前記第2支持部材は、前記第2ギヤにトルクが付与される際に前記第2ギヤが前記第1ギヤから受ける力によって前記第2ギヤが前記第1ギヤから離れる方向に変形可能であることを特徴とする。
【0008】
この姿勢調節装置では、第1ギヤと第2ギヤとが歯合しているため、第2回転部材を回転することで第1回転部材が回転し、シャフトからモジュール部品に力を伝達して、第1支持部材に対するモジュール部品の姿勢が変更される。このため、第2回転部材の回転量を調節することで、モジュール部品の姿勢を調節することができる。一般的に、互いに歯合する2つのギヤでは、力を伝達する際、それぞれのギヤにトルクが付与されるとともに、それぞれのギヤは他のギヤから離れる方向の力を受ける。この力はギヤに生じるトルクが増加するにつれて増加する傾向にある。この力の向きは2つのギヤの歯合の仕方等によって変化し、一方のギヤは、例えば当該ギヤの軸と垂直な方向や軸と平行な方向に向けて他のギヤから離れるような力を他のギヤから受ける。この姿勢調節装置では、上記のように、第2回転部材を支持する第2支持部材は、第2ギヤにトルクが付与される際に第2ギヤが第1ギヤから受ける力によって第2ギヤが第1ギヤから離れる方向に変形可能である。このため、この姿勢調節装置は、モジュール部品の姿勢を変更するときにモジュール部品が他の部品に押し付けられて第2ギヤに付与されるトルクが増加する場合、第2支持部材が変形して第2ギヤが第1ギヤから離れるように第2回転部材を移動させ得る。このため、第1ギヤと第2ギヤとの歯合を外して第2回転部材を空転させ得る。従って、この姿勢調節装置は、モジュール部品が他の部品に押し付けられる力が所定の力以上になることを抑制し得、モジュール部品に傷が付くことを抑制し得る。
【0009】
前記第1ギヤの軸と前記第2ギヤの軸とは非平行であり、前記第1回転部材は、前記第1支持部材に形成される貫通孔に前記シャフトが挿入されて前記第1支持部材に回転可能に支持され、前記第1支持部材は、前記第1ギヤの軸と平行で前記貫通孔から前記第1ギヤ側に向かう第1スライド方向への前記第1回転部材の移動を規制し、前記第2ギヤにトルクが付与される際に前記第2ギヤが前記第1ギヤから受ける力によって前記第2ギヤが前記第1ギヤから離れる方向は、前記第2ギヤの軸と非垂直であり、前記第2支持部材は、前記第2ギヤの軸と垂直で前記第2ギヤの軸から前記第1ギヤと前記第2ギヤとが歯合する歯合領域側と反対側に向かう方向への前記第2回転部材の移動を規制し、前記第1ギヤは、前記第1スライド方向と反対方向に向かって前記第2ギヤに歯合するとともに、前記第1スライド方向において前記第2ギヤと重なることとしてもよい。
【0010】
この姿勢調節装置では、上記のように、第1ギヤは、第1スライド方向と反対方向に向かって第2ギヤに歯合するとともに、第1スライド方向において第2ギヤと重なる。このため、第1回転部材が第1スライド方向と反対方向に移動すると、第1回転部材の第1ギヤによって第2ギヤが押される。ここで、第1ギヤの軸と第2ギヤの軸とは非平行であるため、第2ギヤは、少なくとも第2ギヤの軸と垂直で第2ギヤの軸から上記歯合領域側と反対側に向かう方向へ押される。しかし、この姿勢調節装置では、このような方向への第2回転部材の移動は、第2支持部材によって規制されている。このため、第1ギヤが第1スライド方向と反対方向に移動することを規制し得る。従って、この姿勢調節装置は、このような第1回転部材の移動が第1支持部材によって規制されなくても、第2ギヤが空転するように第2支持部材が変形しない通常状態における第1ギヤと第2ギヤとの歯合が外れることを抑制し得る。一方、この姿勢調節装置では、第2ギヤの軸と垂直で第2ギヤの軸から上記歯合領域側に向かう方向へ第2回転部材が移動すると、第1ギヤは第2ギヤに押される。この場合、第1ギヤは、少なくとも第1スライド方向へ押される。しかし、この姿勢調節装置では、第1スライド方向への第1回転部材の移動は、第1支持部材によって規制されている。このため、第2ギヤの軸と垂直で第2ギヤの軸から上記歯合領域側に向かう方向に第2回転部材が移動することを規制し得る。従って、この姿勢調節装置は、このような第2回転部材の移動が第2支持部材によって規制されなくても、上記の通常状態における第1ギヤと第2ギヤとの歯合が外れることを抑制し得る。従って、この姿勢調節装置によれば、第1支持部材及び第2支持部材の構成が複雑になることを抑制し得る。なお、この姿勢調節装置では、上記のように、第2ギヤにトルクが付与される際に第2ギヤが第1ギヤから受ける力によって第2ギヤが第1ギヤから離れる方向は、第2ギヤの軸と非垂直である。このため、第2ギヤに付与されるトルクが増加する場合、第2支持部材が変形して第1ギヤと第2ギヤとの歯合を外して第2回転部材を空転させ得る。
【0011】
或いは、前記第1ギヤの軸と前記第2ギヤの軸とは非平行であり、前記第1回転部材は、前記第1支持部材に形成される貫通孔に前記シャフトが挿入されて前記第1支持部材に回転可能に支持され、前記第1支持部材は、前記第1ギヤの軸と平行で前記貫通孔から前記第1ギヤ側と反対側に向かう第2スライド方向への前記第1回転部材の移動を規制し、前記第2ギヤにトルクが付与される際に前記第2ギヤが前記第1ギヤから受ける力によって前記第2ギヤが前記第1ギヤから離れる方向は、前記第2ギヤの軸と非垂直であり、前記第2支持部材は、前記第2ギヤの軸と垂直で前記第2ギヤの軸から前記第1ギヤと前記第2ギヤとが歯合する歯合領域側と反対側に向かう方向への前記第2回転部材の移動を規制し、前記第1ギヤは、前記第2スライド方向と反対方向に向かって前記第2ギヤに歯合するとともに、前記第2スライド方向において前記第2ギヤと重なることとしてもよい。
【0012】
この姿勢調節装置では、上記のように、第1ギヤは、第2スライド方向と反対方向に向かって第2ギヤに歯合するとともに、第2スライド方向において第2ギヤと重なる。このため、第1回転部材が第2スライド方向と反対方向に移動すると、第1回転部材の第1ギヤによって第2ギヤが押される。ここで、第1ギヤの軸と第2ギヤの軸とは非平行であるため、第2ギヤは、少なくとも第2ギヤの軸と垂直で第2ギヤの軸から上記歯合領域側と反対側に向かう方向へ押される。しかし、この姿勢調節装置では、このような方向への第2回転部材の移動は、第2支持部材によって規制されている。このため、第1回転部材が第2スライド方向と反対方向に移動することを規制し得る。従って、この姿勢調節装置は、このような第1回転部材の移動が第1支持部材によって規制されなくても、上記の通常状態における第1ギヤと第2ギヤとの歯合が外れることを抑制し得る。一方、この姿勢調節装置では、第2ギヤの軸と垂直で第2ギヤの軸から上記歯合領域側に向かう方向へ第2ギヤが移動すると、第1ギヤは第2ギヤに押される。この場合、第1ギヤは、少なくとも第2スライド方向へ押される。しかし、この姿勢調節装置では、第2スライド方向への第1回転部材の移動は、第1支持部材によって規制されている。このため、第2ギヤの軸と垂直で第2ギヤの軸から上記歯合領域側に向かう方向に第2回転部材が移動することを規制し得る。従って、この姿勢調節装置は、このような第2回転部材の移動が第2支持部材によって規制されなくても、上記の通常状態における第1ギヤと第2ギヤとの歯合が外れることを抑制し得る。従って、この姿勢調節装置によれば、第1支持部材及び第2支持部材の構成が複雑になることを抑制し得る。なお、この姿勢調節装置では、上記のように、第2ギヤにトルクが付与される際に第2ギヤが第1ギヤから受ける力によって第2ギヤが第1ギヤから離れる方向は、第2ギヤの軸と非垂直である。このため、第2ギヤに付与されるトルクが増加する場合、第2支持部材が変形して第1ギヤと第2ギヤとの歯合を外して第2回転部材を空転させ得る。
【0013】
前記第2回転部材は、前記第2ギヤの軸に沿って延在するシャフトと、当該シャフトから前記第2ギヤの軸と垂直な方向に突出するフランジとを有し、前記第2支持部材は、前記第2ギヤの軸方向において互いに対向して間に前記フランジが配置され前記第2ギヤの軸方向への前記第2回転部材の移動を規制する一対の規制部材を有し、前記第2ギヤにトルクが付与される際に前記第2ギヤが前記第1ギヤから受ける力によって前記第2ギヤが前記第1ギヤから離れる方向は、前記第2ギヤの軸と非垂直な方向であることとしてもよい。
【0014】
この姿勢調節装置では、第2ギヤの軸方向においてフランジが一対の規制部材によって挟まれる。そして、第2回転部材は、第2ギヤにトルクが付与される際、第2ギヤの軸と非垂直な方向に移動するように第1ギヤから力を受け、フランジが一方の規制部材に押し付けられる。従って、この姿勢調節装置によれば、このようにフランジが押し付けられる規制部材の剛性を調節することで第2回転部材が空転し始めるトルクを調節し得、第2支持部材の設計が複雑になることを抑制し得る。
【0015】
第2支持部材が一対の規制部材を有する場合、前記一対の規制部材のそれぞれは、前記第2回転部材の前記シャフトが挿入される切り欠きが形成された板状部材とされ、前記一対の規制部材のうち前記第2ギヤの軸方向において前記第2ギヤにトルクが付与される際に前記第2ギヤが前記第1ギヤから受ける力によって前記第2ギヤが前記第1ギヤから離れる方向側と反対側に位置する前記規制部材には、剛性を向上する補強部材が接続されることとしてもよい。
【0016】
このような構成にすることで、規制部材に補強部材が接続されない場合と比べて、第2ギヤが第1ギヤに近づくように第2回転部材が押された際に第2ギヤから第1ギヤに加わる力を抑制し得、第1ギヤに傷が付くことを抑制し得る。
【0017】
第2支持部材が一対の規制部材を有する場合、前記一対の規制部材のそれぞれは、前記第2回転部材の前記シャフトが挿入される切り欠きが形成された板状部材とされ、前記一対の規制部材のうち前記第2ギヤの軸方向において前記第2ギヤにトルクが付与される際に前記第2ギヤが前記第1ギヤから受ける力によって前記第2ギヤが前記第1ギヤから離れる方向側に位置する前記規制部材には、貫通孔が形成されることとしてもよい。
【0018】
この姿勢調節装置では、第2ギヤにトルクが付与される際、第2回転部材のフランジは貫通孔が形成される規制部材に押し付けられる。このようにフランジが押し付けられる規制部材の剛性は、形成される貫通孔の位置、大きさ、形状等を調節することで調節できる。従って、この姿勢調節装置によれば、規制部材に貫通孔が形成されない場合と比べて、第2回転部材が空転し始めるトルクの調節を容易にし得る。
【0019】
前記第1回転部材は、前記第1支持部材に形成される貫通孔に前記シャフトが挿入されて前記第1支持部材に回転可能に支持され、前記第2支持部材は、抜け止め部を有し、前記抜け止め部は、前記第1ギヤの軸と平行で前記貫通孔から前記第1ギヤ側に向かう第1スライド方向において、前記第1ギヤよりも前記貫通孔側と反対側に位置するとともに、前記第1ギヤと重なることとしてもよい。
【0020】
この姿勢調節装置では、第1回転部材が第1スライド方向に移動する場合、第1ギヤが抜け止め部に当接し得る。このため、抜け止め部によって第1支持部材に形成される貫通孔から第1スライド方向に第1回転部材のシャフトが抜けることを抑制し得る。
【0021】
前記第2回転部材には、前記第2ギヤの軸に沿う貫通孔が形成されることとしてもよい。
【0022】
このような構成にすることで、工具等を貫通孔に挿入して第2回転部材を回転させ得るため、姿勢調節装置の操作性を向上し得る。また、姿勢調節装置は、貫通孔を介して第1ギヤ及び第2ギヤの歯に潤滑油を供給し得、メンテナンス性を向上し得る。なお、操作性を向上する観点では、第2回転部材に溝を形成し、当該溝に工具を挿入して第2回転部材を回転させてもよい。しかし、姿勢調節装置が車両等に用いられる場合、水、洗剤等の液体が第2回転部材の溝に溜まって第2回転部材が劣化しやすくなる場合がある。このため、このような第2回転部材の劣化を抑制する観点では、上記のように、第2ギヤの軸に沿う貫通孔が形成されることが好ましい。
【0023】
前記第2支持部材は、前記第1支持部材と一体に形成されることとしてもよい。
【0024】
このような構成にすることで、部品点数が多くなることを抑制できる。
【0025】
或いは、前記第2支持部材は、前記第1支持部材に対して着脱可能であることとしてもよい。
【0026】
このような構成にすることで、第1回転部材及び第2回転部材の交換を容易にし得る。
【0027】
以上のように、本発明によれば、モジュール部品に傷が付くことを抑制し得るモジュール部品の姿勢調節装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の第1実施形態におけるモジュール部品の姿勢調節装置の一例を示す図である。
【
図2】
図1における第1回転部材、第2回転部材、第1支持部材、及び第2支持部材を含む部位の拡大図である。
【
図3】第1回転部材、第2回転部材、第1支持部材、及び第2支持部材を示す斜視図ある。
【
図4】第1回転部材、第2回転部材、第1支持部材、及び第2支持部材の分解斜視図である。
【
図7】スクリュー連結部材が前方に移動したモジュール部品の姿勢調節装置の状態を
図1と同様の方法で示す図である。
【
図8】スクリュー連結部材が後方に移動したモジュール部品の姿勢調節装置の状態を
図1と同様の方法で示す図である。
【
図9】本発明の第2実施形態におけるモジュール部品の姿勢調節装置の一部を
図2と同様に示す図である。
【
図10】本発明の第2実施形態における第1回転部材、第2回転部材、第1支持部材、及び第2支持部材を示す斜視図ある。
【
図11】本発明の第2実施形態における第1回転部材、第2回転部材、第1支持部材、及び第2支持部材の分解斜視図である。
【
図12】第2支持部材を第2ギヤの軸方向から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係るモジュール部品の姿勢調節装置を実施するための形態が添付図面とともに例示される。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、以下の実施形態から変更、改良することができる。なお、以下で参照する図面では、理解を容易にするために、各部材の寸法を変えて示したり、参照符号を省略したりする場合がある。
【0030】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態におけるモジュール部品の姿勢調節装置の一例を示す図であり、車両用灯具の鉛直方向の断面を概略的に示す図である。本実施形態の姿勢調節装置50は、車両の前方に向けて光を出射する車両用灯具1の一部とされる。
図1に示すように、本実施形態の車両用灯具1は、筐体10と、モジュール部品としての灯具ユニット20と、姿勢調節装置50と、を主な構成として備える。
【0031】
本実施形態の筐体10は、ランプハウジング11とフロントカバー12とを備える。ランプハウジング11は、前後方向に延在する筒状の枠壁13と当該枠壁13の後方側の開口を塞ぐ後壁14とによって、前方に1つの開口を有する箱状に構成される。このランプハウジング11の開口を塞ぐようにフロントカバー12が枠壁13に固定されている。ランプハウジング11と当該ランプハウジング11の前方の開口を塞ぐフロントカバー12とによって形成される空間は灯室Rであり、この灯室R内に灯具ユニット20、姿勢調節装置50の一部が収容される。
【0032】
モジュール部品としての灯具ユニット20は、筐体10に揺動可能に支持され光を出射するように構成される。本実施形態の灯具ユニット20は、光を出射する光出射部21及び支持部材40を主な構成として備える。本実施形態の光出射部21は、光源22、ヒートシンク24、リフレクタ27、投影レンズ28、及びレンズホルダ30を主な構成として備える。
【0033】
光源22は光を出射する発光素子であり、本実施形態の光源22は白色の光を出射するLED(Light Emitting Diode)とされ、基板23に実装されている。なお、光源22の種類は特に限定されるものではない。光源22として、例えば、LD(Laser Diode)、OLED(Organic Light-Emitting Diode)等を用いることができる。また、光源22の数や光源22から出射する光の色も特に限定されるものではない。
【0034】
ヒートシンク24は、概ね水平方向に延在する金属製の主板25を有し、当該主板25の下方の面側には複数の放熱フィン26が主板25と一体に設けられている。ヒートシンク24における主板25の上面には基板23が搭載される。光源22が発する熱の一部は基板23を介してヒートシンク24に伝わり、ヒートシンク24から放出される。
【0035】
リフレクタ27は曲面状の板状部材から成り、上方側から光源22に被さるようにしてヒートシンク24に固定される。リフレクタ27における光源22側の面が光源22から出射する光を反射する反射面27rとされる。この反射面27rは、光源22側と反対側に凹状となるように湾曲し、光源22から出射する光の少なくとも一部を投影レンズ28側へ反射するように構成される。本実施形態では、反射面27rは、回転楕円曲面を基調とし、この楕円曲面の第1焦点が光源22の出射面上またはその近傍に位置する曲面とされる。つまり、このような位置関係となるように、光源22とリフレクタ27とが配置される。
【0036】
投影レンズ28は光源22及びリフレクタ27よりも前方側に位置し、光源22から出射してリフレクタ27で反射した光の少なくとも一部が投影レンズ28を透過し、光出射部21から光が出射する。本実施形態の投影レンズ28は非球面平凸レンズとされ、リフレクタ27で反射した光が入射する側の面である入射面は平面状とされ、この光が出射する側の面である出射面はこの光の出射方向に膨らむ凸面状とされる。投影レンズ28の外周にはフランジ29が形成されている。また、投影レンズ28は、リフレクタ27側の焦点がリフレクタ27の反射面27rの第2焦点或いはその近傍に位置するよう配置されている。つまり、本実施形態の光出射部21は、PES(Projector Ellipsoid System)光学系とされている。そして、光出射部21から出射する光は、フロントカバー12を介して車両の前方に照射される。
【0037】
レンズホルダ30は投影レンズ28を保持する部材である。本実施形態では、投影レンズ28のフランジ29がレンズホルダ30の一端部に固定され、レンズホルダ30の投影レンズ28側と反対側の端部はヒートシンク24及びリフレクタ27に固定される。
【0038】
支持部材40は光出射部21を支持する部材である。本実施形態の支持部材40は、上下方向及び左右方向に延在する板状部材とされる。この支持部材40には、投影レンズ28が当該支持部材40よりも前方側に位置するようにヒートシンク24が固定される。このようにヒートシンク24が支持部材40に固定されることで、光出射部21が支持部材40に固定される。支持部材40のうち光出射部21よりも上方側には貫通孔が形成され、当該貫通孔に筒状の第1ベアリング保持部材41が嵌め込まれる。この第1ベアリング保持部材41に後述するスクリュー連結部材55が接続される。また、支持部材40のうち光出射部21よりも下方側には貫通孔が形成され、当該貫通孔に第2ベアリング保持部材42が嵌め込まれる。この第2ベアリング保持部材42に後述する支点部材56が接続される。支持部材40を構成する材料として、例えば金属が挙げられる。また、第1ベアリング保持部材41、及び第2ベアリング保持部材42を構成する材料として、例えば樹脂が挙げられる。
【0039】
姿勢調節装置50は、モジュール部品としての灯具ユニット20の姿勢を調節できるように構成され、灯具ユニット20は、姿勢調節装置50を介して筐体10に揺動可能に取り付けられる。本実施形態の姿勢調節装置50は、第1回転部材51、第2回転部材52、第1支持部材53、第2支持部材54、スクリュー連結部材55、及び支点部材56を主な構成として備える。
【0040】
図2は、
図1における第1回転部材51、第2回転部材52、第1支持部材53、及び第2支持部材54を含む部位の拡大図である。
図3は、第1回転部材51、第2回転部材52、第1支持部材53、及び第2支持部材54を示す斜視図ある。
図4は、第1回転部材51、第2回転部材52、第1支持部材53、及び第2支持部材54の分解斜視図である。なお、
図3、
図4では、ランプハウジング11の後壁14の一部も記載されている。
図2から
図4に示すように、本実施形態の第1回転部材51は、第1ギヤ61、及び第1ギヤ61に接続するシャフト60を有する。
【0041】
第1ギヤ61は後述する第2回転部材52の第2ギヤ71と歯合する歯車であり、本実施形態の第1ギヤ61は、軸61aが前後方向に延在するかさ歯車である。具体的には、第1ギヤ61は、中心が軸61aに概ね一致して当該軸61aと垂直な方向に延在する円板状の本体部61bを有する。本体部61bの前方側の面のうち外周縁部は、軸61aと垂直な方向に向かって後方側へ傾斜している。この外周縁部には、径方向に延在する複数の歯61cが形成されており、これら歯61cは前方側に突出している。
【0042】
シャフト60は、第1ギヤ61の軸61aに沿って延在する棒状部材であり、後方側の端部が第1ギヤ61に接続される。本実施形態のシャフト60は、第1ギヤ61側と反対側の端から第1ギヤ61側に向かって順に、ねじ部60aと、スナップフィット部60bと、支持軸部60cと、係止部60dと、を有する。ねじ部60aは、雄ねじが形成される部位である。ねじ部60aにおける第1ギヤ61側と反対側の端部における雄ねじの高さは、先端に向かって徐々に小さくされている。スナップフィット部60bは、外周面から第1ギヤ61の軸61aと垂直な方向及び第1ギヤ61側に突出する一対の係止片60eが形成される部位である。一対の係止片60eは、第1ギヤ61の軸61aを基準として互いに反対側に形成されている。これら係止片60eの支持軸部60c側の端部は、支持軸部60cの外周面より外方に位置している。そして、この一対の係止片60eは、第1ギヤ61の軸61a側に弾性変形可能に構成されている。支持軸部60cは、第1ギヤ61の軸61a方向における外径が概ね一定とされる部位である。支持軸部60cには、軸61a方向に延在する溝が形成される。また、支持軸部60cには、周方向に延在する環状の溝が形成され、当該溝にはOリング60fが嵌め込まれる。係止部60dは、支持軸部60cよりも外径が大とされた部位であり、この係止部60dが第1ギヤ61に接続している。そして、第1ギヤ61の歯61cは、係止部60dよりも外側に位置している。このような第1回転部材51は、ランプハウジング11の後壁14の一部である第1支持部材53に第1ギヤ61の軸61aを中心に回転可能でかつこの軸61a方向の移動が規制された状態で支持される。本実施形態では、シャフト60と第1ギヤ61とは一体に形成されている。また、シャフト60には、第1ギヤ61側と反対側の端から軸61aに沿って延在する孔が形成されている。このため、第1回転部材51の軽量化が図られている。なお、シャフト60には、この孔が形成されていなくてもよい。また、第1回転部材51には、第1ギヤ61のシャフト60側と反対側の端から軸61aに沿って延在する孔が形成されていてもよい。
【0043】
図5は、第1支持部材53を灯室R側から見る図である。
図2から
図5に示すように、本実施形態の第1支持部材53は、前後方向に延在する円筒状の筒部63と、ガイド部64とを有する。筒部63の前方側の端部は、灯室R内に位置し、筒部63の後方側の端部は、灯室R外に位置している。第1回転部材51のシャフト60は、一対の係止片60eを弾性変形させながら、筒部63の内部空間である貫通孔63hに後方側から挿入される。そして、係止片60eの支持軸部60c側の端部が筒部63の前方側の端部に引っ掛かり、係止部60dが筒部63の後方側の端部に当接し、支持軸部60cが筒部63の貫通孔63h内に挿入された状態とされる。筒部63の内径は、支持軸部60cの外径よりも僅かに大きくされており、Oリング60fは全周にわたって筒部63の内周面に押し付けられている。このようにして貫通孔63hに挿入された第1回転部材51は、第1支持部材53に第1ギヤ61の軸61aを中心に回転可能でかつ軸61a方向の移動が規制された状態で支持され、第1ギヤ61は灯室Rの外部に位置している。つまり、第1ギヤ61の軸61aと平行で第1支持部材53の貫通孔63hから第1ギヤ61側に向かう第1スライド方向D1への第1回転部材51の移動は、第1支持部材53によって規制されていると理解できる。また、第1ギヤ61の軸61aと平行で第1支持部材53の貫通孔63hから第1スライド方向と反対方向の第2スライド方向D2への第1回転部材51の移動は、第1支持部材53によって規制されていると理解できる。また、前述の前方側に突出している歯61cは、貫通孔63h側である第1スライド方向D1と反対側に突出していると理解できる。なお、第1ギヤ61の軸61a方向への第1回転部材51の移動を規制する構成は、係止片60eを用いた構成に限定されるものではない。
【0044】
ガイド部64は、灯室R内に位置し、第1支持部材53に支持された状態のシャフト60の長手方向に沿って延在する。ガイド部64のうちシャフト60が配置される側には、長手方向に垂直な断面が概ねC字状の保持部64aが形成されている。この保持部64aのシャフト60側が開口している。
【0045】
図2に示すように、スクリュー連結部材55は、前後方向に延在する本体部65と、この本体部65の後端部の上部に接続され、後方に向かって延在する嵌合部66とを備える。本体部65の前端部は、球体の一部が平面により切り取られた部分球状に形成され、この切り取られた球体の一部の平面部分が本体部65の前端面とされている。上記の筒状の第1ベアリング保持部材41のうち支持部材40よりも後方側に位置する後端部における内周面は、本体部65の前端部の部分球状に対応する曲面とされる。そして、第1ベアリング保持部材41の後端部に本体部65の前端部が嵌められ、第1ベアリング保持部材41とスクリュー連結部材55とが互いに接続される。この第1ベアリング保持部材41は、スクリュー連結部材55に対して本体部65の前端部を支点として所定の範囲で揺動する。このため、支持部材40は、スクリュー連結部材55における本体部65の前端部を支点として所定の範囲で揺動するように、スクリュー連結部材55に支持される。また、本体部65には、前後方向に貫通するねじ孔が形成され、このねじ孔には第1回転部材51におけるシャフト60のねじ部60aが螺合している。このシャフト60は、筒状の第1ベアリング保持部材41の内部空間を通っており、当該シャフト60の第1ギヤ61側と反対側の端はスクリュー連結部材55よりも前方に位置している。また、嵌合部66はガイド部64の保持部64aに嵌められ、スクリュー連結部材55は、ガイド部64に沿って移動可能とされている。このため、第1回転部材51が第1ギヤ61の軸61aを中心に回転することで、スクリュー連結部材55は、軸61aを中心とする回転がガイド部64によって規制されて、当該ガイド部64に沿って前後方向に移動する。
【0046】
図2から
図4に示すように、本実施形態の第2回転部材52は、第2ギヤ71、シャフト70、及びフランジ73を有する。本実施形態では、第2ギヤ71は、軸71aが第1ギヤ61の軸61aと非平行であるかさ歯車である。第2ギヤ71の軸71aは概ね鉛直方向に延在し、この第2ギヤ71の軸71aと第1ギヤ61の軸61aとは同一平面上に位置している。具体的には、第2ギヤ71は、中心軸が軸71aに概ね一致する円錐台状の本体部71bを有する。本体部71bの外周面は、上方側に向かって軸71aから離れるように傾斜し、この外周面には、軸71a方向に延在する複数の歯71cが形成されている。本体部71bには、軸71aに沿って貫通する貫通孔が形成されている。また、シャフト70は、第2ギヤ71の軸71aに沿って延在する円筒状の部材である。シャフト70の下方側の端部が第2ギヤ71の本体部71bに接続され、シャフト70の内部空間は、本体部71bの貫通孔に連通している。このため、第2回転部材52には、軸71aに沿って貫通する貫通孔52hが形成されている。また、フランジ73は、シャフト70の外周面から軸71aと垂直な方向に突出する板状部材である。このフランジ73の外形は、軸71aを中心とする概ね円形とされる。本実施形態では、シャフト70と第2ギヤ71とフランジ73とは一体に形成されている。
【0047】
このような第2回転部材52の第2ギヤ71は、第1回転部材51の第1ギヤ61の軸61aよりも上方において、第1ギヤ61に歯合している。そして、第1ギヤ61と第2ギヤ71とが歯合する歯合領域57は、第1支持部材53の貫通孔63hよりも後方に位置しており、第1ギヤ61は第2ギヤ71の後側から当該第2ギヤ71に歯合している。つまり、第1ギヤ61は、第1スライド方向D1と反対方向である第2スライド方向D2に向かって第2ギヤ71に歯合している。そして、これら第1ギヤ61と第2ギヤ71とは、第1スライド方向D1において互いに重なっている。このような第2回転部材52は、ランプハウジング11の後壁14の一部である第2支持部材54に第2ギヤ71の軸71aを中心に回転可能に支持される。
【0048】
本実施形態の第2支持部材54は、灯室R外に位置し、一対の規制部材74と、板状の一対の補強部材75とを有する。一対の規制部材74は、第2ギヤ71の軸71a方向において所定の間隔をあけて互いに対向し、後壁14から後方及び左右方向に延在する板状部材とされる。一対の規制部材74には、後方側の縁から前方側に向かって延在する切り欠き76が形成される。一対の補強部材75は、後壁14から後方及び鉛直方向に延在する板状部材とされる。一方の補強部材75は、下方側に位置する規制部材74の左右方向における一方の縁に接続し、他方の補強部材75は、下方側に位置する規制部材74の左右方向における他方の縁に接続している。また、一対の補強部材75は、上方側に位置する規制部材74に非接続とされる。そして、一対の補強部材75によって、下方側に位置する規制部材74の剛性が上方側に位置する規制部材74の剛性よりも高められている。
【0049】
上記の第2回転部材52のシャフト70は、フランジ73が一対の規制部材74の間に位置するように、一対の規制部材74の切り欠き76に挿入される。そして、フランジ73が一対の規制部材74によって挟まれることで、第2回転部材52は、第2支持部材54に第2ギヤ71の軸71aを中心に回転可能に支持されるとともに、第2ギヤ71の軸71a方向の移動が規制される。このように第2支持部材54に支持される第2回転部材52の第2ギヤ71と第1回転部材の第1ギヤ61とが、第2ギヤ71の軸71aよりも後方側において歯合している。そして、第2回転部材52が軸71aを中心に回転することで、第1回転部材51が軸61aを中心に回転する。また、第2回転部材52は、シャフト70が一対の規制部材74の切り欠き76に挿入されることによって、前方及び左右方向への移動が規制されている。このため、第2支持部材54は、第2ギヤ71の軸71aから歯合領域57側と反対側に向かう方向への第2回転部材52の移動を規制していると理解できる。
【0050】
なお、一般的に、互いに歯合する2つのギヤでは、力を伝達する際、それぞれのギヤにトルクが付与されるとともに、それぞれのギヤは他のギヤから離れる方向の力を受ける。この方向は例えばギヤ離隔方向という。このため、第1ギヤ61を有する第1回転部材51と第1ギヤ61に歯合する第2ギヤを有する第2回転部材52とによって力を伝達する際、第1ギヤ61及び第2ギヤ71にはトルクが付与される。また、第1ギヤ61は第2ギヤ71から離れる方向の力を第2ギヤ71から受け、第2ギヤ71は第1ギヤ61から離れる方向の力を第1ギヤ61から受ける。本実施形態では、第2ギヤ71が第1ギヤ61から受ける力の方向は、第2ギヤ71の軸71aと非垂直で上方側に向かう方向とされている。つまり、第2ギヤ71が第1ギヤ61から受ける力の方向がこのような方向となるように、第1ギヤ61、及び第2ギヤ71が構成されている。このため、第2回転部材52は、第2ギヤ71が第1ギヤ61から受けるこのような力によって移動し、第2回転部材52のフランジ73が第2支持部材54における上側の規制部材74に押し付けられる。上側の規制部材74は、フランジ73が押し付けられる力が所定の力以上となる場合に上方側に撓むように構成される。従って、第2支持部材54は、第2ギヤ71にトルクが付与される際に第2ギヤ71が第1ギヤ61から受ける力によって第2ギヤ71が第1ギヤ61から離れる方向に変形可能であると理解できる。本実施形態の第2支持部材54は、このように上側の規制部材74が撓むことで第1ギヤ61と第2ギヤ71との歯合を外すことができるように構成されている。つまり、上記のようにフランジ73が所定の力以上の力で上側の規制部材74に押し付けられることで第1ギヤ61と第2ギヤ71との歯合が外れるように、上側の規制部材74が構成されている。なお、この上側の規制部材74の変形は弾性変形であることが好ましい。
【0051】
支点部材56は、前後方向に延在する棒状の本体部77と、本体部77の前端部に形成される概ね球状のピボット78と、を有する。本体部77は、ランプハウジング11の後壁14に固定されており、ピボット78が第2ベアリング保持部材42に接続される。
図6は、第2ベアリング保持部材42の断面図であり、第2ベアリング保持部材42の水平方向の断面図である。なお、
図6では、支点部材56も記載されている。
図6に示すように、第2ベアリング保持部材42は、支点部材56のピボット78と嵌合する本体部46と、取り付け部47とを有する。本体部46は一対の側壁46aと底壁46bとから成り、当該本体部46の水平断面の形状は略コ字状とされる。平板状の底壁46bの左右両側の縁に当該底壁46bに対して概ね垂直に側壁46aが接続されている。それぞれの側壁46aにおける底壁46b側と反対側の端部には、当該端部から内側かつ底壁46b側に向かって突出する当接片46cが設けられる。また、底壁46bの側壁46a側の面には、支点部材56のピボット78の先端部に対応する凹部が形成されている。取り付け部47は、本体部46の底壁46bから側壁46a側と反対側に延在する筒状に形成される。この取り付け部47が支持部材40の貫通孔に光出射部21側と反対側から嵌め込まれることで、第2ベアリング保持部材42が支持部材40に取り付けられる。
【0052】
また、本体部46の一対の側壁46aの間には、底壁46b側と反対側の開口から概ね球状のピボット78が挿入される。この際、ピボット78は当接片46cを撓ませながら一対の側壁46aの間に押し込まれ、ピボット78の先端部が底壁46bに設けられる凹部に嵌る。このようにピボット78が本体部46に挿入された状態において、当接片46cの先端は、概ね球状のピボット78のうち当該ピボット78の中心よりも底壁46b側と反対側の部位に当接する。つまり、当接片46cは、ピボット78が本体部46に挿入される際に上記のようになるように形成される。このような本体部46では、当接片46cによってピボット78が抜けることが抑制され、第2ベアリング保持部材42と支点部材56とが互いに接続され、支点部材56が灯具ユニット20に接続される。なお、このように支点部材56に接続された第2ベアリング保持部材42は、支点部材56に対してピボット78を支点として所定の範囲で揺動できる。
【0053】
第1回転部材51、第2回転部材52、第1支持部材53、第2支持部材54、スクリュー連結部材55、及び支点部材56を構成する材料は特に限定されるものではなく、例えば樹脂を用いることができる。また、これら部材を構成する材料は互いに異なっていてもよい。
【0054】
次に、本実施形態の車両用灯具1における光の出射方向を上下に調節するレベリング調節の動作について説明する。
【0055】
このレベリング調節は、姿勢調節装置50によって灯具ユニット20のランプハウジング11に対する姿勢を調節することによって行われる。
図1に示される車両用灯具1の状態において、第2回転部材52を軸71aを中心に所定の方向に回転する。第2回転部材52が回転することで、第1回転部材51が軸61aを中心に回転し、スクリュー連結部材55がガイド部64に沿って前方に移動する。そして、
図7に示すように、スクリュー連結部材55が前方に移動することで、支持部材40が支点部材56のピボット78を支点として前方側に傾倒する。このように、第1回転部材51が回転することによってシャフト60からスクリュー連結部材55を介して灯具ユニット20に力が伝達され、灯具ユニット20のランプハウジング11に対する姿勢が変更される。そして、灯具ユニット20における光出射部21の光の出射方向が
図1に示される状態よりも下向きに変更される。
【0056】
一方、
図1に示される車両用灯具1の状態において、第2回転部材52を軸71aを中心に所定の方向と反対方向に回転する。第2回転部材52が上記の場合と反対方向に回転することで、第1回転部材51が上記の場合と反対方向に回転し、スクリュー連結部材55がガイド部64に沿って後方に移動する。そして、
図8に示すように、スクリュー連結部材55が後方に移動することで、支持部材40が支点部材56のピボット78を支点として後方側に傾倒する。このように、第1回転部材51が回転することによってシャフト60からスクリュー連結部材55を介して灯具ユニット20に力が伝達され、灯具ユニット20のランプハウジング11に対する姿勢が変更される。そして、灯具ユニット20における光出射部21の光の出射方向が
図1に示される状態よりも上向きに変更される。
【0057】
以上説明したように、本実施形態の姿勢調節装置50は、第1回転部材51と、第2回転部材52と、第1支持部材53と、第2支持部材54と、を備える。第1回転部材51は、第1ギヤ61、及び第1ギヤ61に接続し第1ギヤ61の軸61aに沿って延在するシャフト60を有する。第2回転部材52は、第1ギヤ61に歯合する第2ギヤ71を有する。第1支持部材53は、第1回転部材51を第1ギヤ61の軸61aを中心に回転可能に支持し、第2支持部材54は、第2回転部材52を第2ギヤ71の軸71aを中心に回転可能に支持する。また、第1回転部材51は、回転することによってシャフト60から灯具ユニット20に力を伝達して第1支持部材53に対する灯具ユニット20の姿勢を変更する。また、第2支持部材54は、第2ギヤ71にトルクが付与される際に第2ギヤ71が第1ギヤ61から受ける力によって第2ギヤ71が第1ギヤ61から離れる方向に変形可能である。
【0058】
本実施形態の姿勢調節装置50では、第1ギヤ61と第2ギヤ71とが歯合しているため、第2回転部材52を回転することで第1回転部材51が回転し、シャフト60から灯具ユニット20に力を伝達して、第1支持部材53に対する灯具ユニット20の姿勢が変更される。このため、第2回転部材52の回転量を調節することで、灯具ユニット20の姿勢を調節することができる。上記のように、一般的に、互いに歯合する2つのギヤでは、力を伝達する際、それぞれのギヤにトルクが付与されるとともに、それぞれのギヤは他のギヤから離れる方向の力を受ける。この力はギヤに生じるトルクが増加するにつれて増加する傾向にある。本実施形態の姿勢調節装置50では、上記のように、第2回転部材52を支持する第2支持部材54は、第2ギヤ71にトルクが付与される際に第2ギヤ71が第1ギヤ61から受ける力によって第2ギヤ71が第1ギヤ61から離れる方向に変形可能である。このため、本実施形態の姿勢調節装置50は、灯具ユニット20の姿勢を変更するときに灯具ユニット20が他の部品に押し付けられて第2ギヤ71に付与されるトルクが増加する場合、第2支持部材54が変形して第2ギヤ71が第1ギヤ61から離れるように第2回転部材52を移動させ得る。このため、第1ギヤ61と第2ギヤ71との歯合を外して第2回転部材52を空転させ得る。従って、本実施形態の姿勢調節装置50は、灯具ユニット20が他の部品に押し付けられる力が所定の力以上になることを抑制し得、灯具ユニット20に傷が付くことを抑制し得る。
【0059】
また、本実施形態の姿勢調節装置50では、第1ギヤ61の軸61aと第2ギヤ71の軸71aとは非平行である。第1回転部材51は、第1支持部材53に形成される貫通孔63hにシャフト60が挿入されて第1支持部材53に回転可能に支持される。第1支持部材53は、第1ギヤ61の軸61aと平行で貫通孔63hから第1ギヤ61側に向かう第1スライド方向D1への第1回転部材51の移動を規制する。第2ギヤ71にトルクが付与される際に第2ギヤ71が第1ギヤ61から受ける力によって第2ギヤ71が第1ギヤ61から離れる方向は、第2ギヤ71の軸71aと非垂直である。第2支持部材54は、第2ギヤ71の軸71aと垂直で第2ギヤ71の軸71aから第1ギヤ61と第2ギヤ71とが歯合する歯合領域57側と反対側に向かう方向への第2回転部材52の移動を規制する。第1ギヤ61は、第1スライド方向D1と反対方向に向かって第2ギヤ71に歯合するとともに、第1スライド方向D1において第2ギヤ71と重なる。このため、第1回転部材51が第1スライド方向D1と反対方向に移動すると、第1回転部材51の第1ギヤ61によって第2ギヤ71が押される。ここで、第1ギヤ61の軸61aと第2ギヤ71の軸71aとは非平行であるため、第2ギヤ71は、少なくとも第2ギヤ71の軸71aと垂直で第2ギヤ71の軸71aから上記歯合領域57側と反対側に向かう方向へ押される。しかし、本実施形態の姿勢調節装置50では、このような方向への第2回転部材52の移動は、第2支持部材54によって規制されている。このため、第1ギヤ61が第1スライド方向D1と反対方向に移動することを規制し得る。従って、本実施形態の姿勢調節装置50は、このような第1回転部材51の移動が第1支持部材53によって規制されなくても、第2ギヤ71が空転するように第2支持部材54が変形しない通常状態における第1ギヤ61と第2ギヤ71との歯合が外れることを抑制し得る。一方、本実施形態の姿勢調節装置50では、第2ギヤ71の軸71aと垂直で第2ギヤ71の軸71aから歯合領域57側に向かう方向へ第2回転部材52が移動すると、第1ギヤ61は第2ギヤ71に押される。この場合、第1ギヤ61は、少なくとも第1スライド方向D1へ押される。しかし、本実施形態の姿勢調節装置50では、第1スライド方向D1への第1回転部材51の移動は、第1支持部材53によって規制されている。このため、第2ギヤ71の軸71aと垂直で第2ギヤ71の軸71aから歯合領域57側に向かう方向に第2回転部材52が移動することを規制し得る。従って、本実施形態の姿勢調節装置50は、このような第2回転部材52の移動が第2支持部材54によって規制されなくても、上記の通常状態における第1ギヤ61と第2ギヤ71との歯合が外れることを抑制し得る。従って、本実施形態の姿勢調節装置50によれば、第1支持部材53及び第2支持部材54の構成が複雑になることを抑制し得る。なお、本実施形態の姿勢調節装置50では、上記のように、第2ギヤ71にトルクが付与される際に第2ギヤ71が第1ギヤ61から受ける力によって第2ギヤ71が第1ギヤ61から離れる方向は、第2ギヤ71の軸71aと非垂直である。このため、第2ギヤ71に付与されるトルクが増加する場合、第2支持部材54が変形して第1ギヤ61と第2ギヤ71との歯合を外して第2回転部材52を空転させ得る。
【0060】
また、本実施形態の姿勢調節装置50では、第2回転部材52は、第2ギヤ71の軸71aに沿って延在するシャフト70と、当該シャフト70から第2ギヤ71の軸71aと垂直な方向に突出するフランジ73とを有する。第2支持部材54は、第2ギヤ71の軸71a方向において互いに対向して間にフランジ73が配置され第2ギヤ71の軸71a方向への第2回転部材52の移動を規制する一対の規制部材74を有する。また、上記のように、第2ギヤ71にトルクが付与される際に第2ギヤ71が第1ギヤ61から受ける力によって第2ギヤ71が第1ギヤ61から離れる方向は、第2ギヤ71の軸71aと非垂直な方向である。本実施形態の姿勢調節装置50では、第2ギヤ71の軸71a方向においてフランジ73が一対の規制部材74によって挟まれる。そして、第2回転部材52は、第2ギヤ71にトルクが付与される際、第2ギヤ71の軸71aと非垂直な方向に移動するように第1ギヤ61から力を受け、フランジ73が一方の規制部材74に押し付けられる。従って、本実施形態の姿勢調節装置50によれば、このようにフランジ73が押し付けられる規制部材74の剛性を調節することで第2回転部材52が空転し始めるトルクを調節し得、第2支持部材54の設計が複雑になることを抑制し得る。
【0061】
また、本実施形態の姿勢調節装置50では、一対の規制部材74のそれぞれは、第2回転部材52のシャフト70が挿入される切り欠き76が形成された板状部材とされる。一対の規制部材74のうち第2ギヤ71の軸71a方向において第2ギヤ71にトルクが付与される際に第2ギヤ71が第1ギヤ61から受ける力によって第2ギヤ71が第1ギヤ61から離れる方向側と反対側に位置する下側の規制部材74には、剛性を向上する補強部材75が接続される。このため、本実施形態の姿勢調節装置50によれば、下側の規制部材74に補強部材75が接続されない場合と比べて、第2ギヤ71が第1ギヤ61に近づくように第2回転部材52が押された際に第2ギヤ71から第1ギヤ61に加わる力を抑制し得、第1ギヤ61に傷が付くことを抑制し得る。
【0062】
また、本実施形態の姿勢調節装置50では、第2回転部材52には、第2ギヤ71の軸71aに沿う貫通孔52hが形成される。本実施形態の姿勢調節装置50によれば、工具等を貫通孔52hに挿入して第2回転部材52を回転させ得るため、姿勢調節装置50の操作性を向上し得る。また、本実施形態の姿勢調節装置50は、貫通孔52hを介して第1ギヤ61及び第2ギヤ71の歯61c,71cに潤滑油を供給し得、メンテナンス性を向上し得る。なお、操作性を向上する観点では、貫通孔52hは、非円形であることが好ましい。貫通孔52hが非円形とされることで、工具等を第2回転部材52に嵌合させ易くし得る。また、操作性を向上する観点では、第2回転部材52に溝を形成し、当該溝に工具を挿入して第2回転部材52を回転させてもよい。しかし、姿勢調節装置50が車両等に用いられる場合、水、洗剤等の液体が第2回転部材52の溝に溜まって第2回転部材52が劣化しやすくなる場合がある。このため、このような第2回転部材52の劣化を抑制する観点では、上記のように、第2回転部材52には、第2ギヤ71の軸71aに沿う貫通孔52hが形成されることが好ましい。
【0063】
また、本実施形態の姿勢調節装置50では、第1支持部材53及び第2支持部材54は、ランプハウジング11の一部とされている。つまり、第2支持部材54は、第1支持部材53と一体に形成されている。このため、本実施形態の姿勢調節装置50は、部品点数が多くなることを抑制できる。
【0064】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について
図9から
図12を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
【0065】
図9は、本発明の第2実施形態における姿勢調節装置50の一部を
図2と同様に示す図である。
図10は、本発明の第2実施形態における第1回転部材51、第2回転部材52、第1支持部材53、及び第2支持部材54を示す斜視図ある。
図11は、本発明の第2実施形態における第1回転部材51、第2回転部材52、第1支持部材53、及び第2支持部材54の分解斜視図である。なお、
図10、
図11では、ランプハウジング11の後壁14の一部も記載されている。
図9から
図11に示すように、本実施形態の姿勢調節装置50は、第1回転部材51の第1ギヤ61における歯61cが貫通孔63h側と反対側に形成される点、第2支持部材54がランプハウジング11に対して着脱可能である点において、第1実施形態の姿勢調節装置50と主に異なる。
【0066】
本実施形態の第1回転部材51は、第1実施形態と同様に、第1ギヤ61、及び第1ギヤ61に接続し第1ギヤ61の軸61aに沿って延在するシャフト60を有する。第1ギヤ61は、第1実施形態と同様に、かさ歯車であり、第1ギヤ61の軸61aは前後方向に延在している。この第1ギヤ61の軸61aとの第2ギヤ71の軸71aは非平行であり、同一平面上に位置している。また、第1ギヤ61は、中心が軸61aに概ね一致して当該軸61aと垂直な方向に延在する円板状の本体部61bを有する。本実施形態では、本体部61bの前方側の面は、軸61aと概ね垂直な平面とされる。また、本体部61bの後方側の面のうち外周縁部は、軸61aと垂直な方向に向かって前方側へ傾斜している。この外周縁部には、径方向に延在する複数の歯61cが形成されており、これら歯61cは後方側に突出している。
【0067】
本実施形態のシャフト60は、第1実施形態と同様に、ねじ部60a、スナップフィット部60b、及び支持軸部60cを有するものの、係止部60dをしていない。このため、本実施形態の第1ギヤ61は、支持軸部60cに接続されている。なお、第1実施形態と同様に、シャフト60が係止部60dを有し、第1ギヤ61が係止部60dに接続されてもよい。
【0068】
このような第1回転部材51は、第1実施形態と同様に、ランプハウジング11の後壁14の一部である第1支持部材53に第1ギヤ61の軸61aを中心に回転可能に支持される。また、第1回転部材51は、スナップフィット部60bの支持軸部60c側の端部が筒部63の前方側の端部に引っ掛かり、第1ギヤにおける本体部61bが筒部63の後方側の端部に当接することで、軸61a方向の移動が規制される。つまり、前述の第1スライド方向D1への第1回転部材51の移動及び第2スライド方向D2への第1回転部材51の移動は、第1支持部材53によって規制されていると理解できる。また、第1回転部材51の第1ギヤ61は、第1実施形態と同様に、軸71aが概ね鉛直方向に延在するように配置される第2ギヤ71と歯合し、第1ギヤ61と第2ギヤ71とが歯合する歯合領域57は、第1支持部材53の貫通孔63hよりも後方に位置する。本実施形態では、第1ギヤ61は、第2スライド方向D2と反対方向である第1スライド方向D1に向かって第2ギヤ71に歯合している。つまり、第1ギヤ61の歯61cは、貫通孔63h側と反対側である第1スライド方向D1側に突出していると理解できる。そして、これら第1ギヤ61と第2ギヤ71とは、第2スライド方向D2において互いに重なっている。また、第2回転部材52は、第1実施形態と同様の構成とされ、第2支持部材54に第2ギヤ71の軸71aを中心に回転可能に支持される。
【0069】
本実施形態の第2支持部材54は、ランプハウジング11に対して着脱可能に構成される。第2支持部材54は、頂板80と、底板81と、一対の側板82と、後板83とを有し、前方に開口が形成された箱状に構成される。頂板80及び底板81は概ね水平方向に延在し、一対の側板82は概ね鉛直方向に延在し、後板83は左右方向に延在するとともに上方に向かって後方側に傾斜している。また、第2支持部材54は、第2ギヤ71の軸71a方向において所定の間隔をあけて頂板80に対向する支持板84を有する。支持板84は、一対の側板82及び後板83に接続されている。頂板80及び支持板84には、前方側の縁から後方側に向かって延在する切り欠き85が形成される。また、頂板80には、貫通孔80hが形成されている。この貫通孔80hの縁のうち切り欠き85側の縁は、切り欠き85の縁に沿うように延在しており、この貫通孔80hにおける切り欠き85側の縁と切り欠き85の縁との幅は概ね一定とされている。また、底板81及び一対の側板82のそれぞれには、外方に突出する係止爪86が形成されている。
【0070】
この第2支持部材54は、第1支持部材53の筒部63における灯室R外に位置する後方側の端部を囲うようにランプハウジング11の後壁14に取り付けられる。具体的には、本実施形態のランプハウジング11の後壁14には、後方に向けて突出する3つの固定板15が設けられており、これら固定板15には厚さ方向に貫通する係止孔15hが形成されている。1つの固定板15は、第1支持部材53の筒部63の下方側に位置し、1つの固定板15は、第1支持部材53の筒部63の右側に位置し、1つの固定板15は、第1支持部材53の筒部63の左側に位置している。そして、底板81及び一対の側板82の係止爪86が固定板15に形成される係止孔15hの縁に係止されることで、第2支持部材54が後壁14に取り付けられる。このため、係止爪86の係止を外すことで、第2支持部材54を後壁14から取り外すことができる。
【0071】
また、この第2支持部材54は、第2回転部材52を支持する。具体的には、第2回転部材52のシャフト70は、フランジ73が互いに対向する頂板80と支持板84との間に位置するように、頂板80及び支持板84の切り欠き85に挿入される。そして、フランジ73が頂板80と支持板84とによって挟まれることで、第2回転部材52は、第2支持部材54に第2ギヤ71の軸71aを中心に回転可能に支持されるとともに、第2ギヤ71の軸71a方向の移動が規制される。このため、頂板80及び支持板84が、第2ギヤ71の軸71a方向において互いに対向して間にフランジ73が配置され第2ギヤ71の軸71a方向への第2回転部材52の移動を規制する一対の規制部材であると理解できる。このように第2支持部材54に支持される第2回転部材52の第2ギヤ71と第1回転部材の第1ギヤ61とが、第2ギヤ71の軸71aよりも前方側において歯合している。そして、第2回転部材52が軸71aを中心に回転することで、第1回転部材51が軸61aを中心に回転する。また、第2回転部材52は、シャフト70が頂板80及び支持板84の切り欠き85に挿入されることによって、後方及び左右への移動が規制されている。このため、第2支持部材54は、第2ギヤ71の軸71aから歯合領域57側と反対側に向かう方向への第2回転部材52の移動を規制していると理解できる。
【0072】
また、本実施形態では、第1実施形態と同様に、第2ギヤ71にトルクが付与される際に第2ギヤ71が第1ギヤ61から受ける力によって第2ギヤ71が第1ギヤ61から離れる方向は、第2ギヤ71の軸71aと非垂直で上方側に向かう方向とされている。つまり、第2ギヤ71が第1ギヤ61から受ける力の方向がこのような方向となるように、第1ギヤ61、及び第2ギヤ71が構成されている。このため、第2回転部材52は、第2ギヤ71が第1ギヤ61から受けるこのような力によって移動し、第2回転部材52のフランジ73が第2支持部材54における頂板80に押し付けられる。ここで、
図12に示すように、第2支持部材54を第2ギヤ71の軸71a方向から見る場合に、頂板80の貫通孔80hにおける切り欠き85側と反対側の縁とフランジ73とは重なっていない。また、同様に見る場合、貫通孔80hは、第2回転部材52のシャフト70を半周以上囲っている。このため、上記のようにフランジ73が頂板80に押し付けられる場合、頂板80における貫通孔80hと切り欠き85と間の部位が主に上方側に撓む。従って、本実施形態の第2支持部材54は、第1実施形態と同様に、第2ギヤ71にトルクが付与される際に第2ギヤ71が第1ギヤ61から受ける力によって第2ギヤ71が第1ギヤ61から離れる方向に変形可能であると理解できる。本実施形態の第2支持部材54は、このように頂板80が撓むことで第1ギヤ61と第2ギヤ71との歯合を外すことができるように構成されている。つまり、上記のようにフランジ73が所定の力以上の力で頂板80に押し付けられることで第1ギヤ61と第2ギヤ71との歯合が外れるように、頂板80が構成されている。なお、この頂板80の変形は弾性変形であることが好ましい。
【0073】
また、本実施形態では、第2支持部材54の後板83は、第1ギヤ61の軸61aと平行で貫通孔63hから第1ギヤ61側に向かう第1スライド方向D1において、第1ギヤ61よりも貫通孔63h側と反対側に位置するとともに、第1ギヤ61と重なる。また、第1ギヤ61の軸61a方向における第1ギヤ61の後端と後板83との距離は、第1支持部材53の筒部63の長さよりも小とされる。このため、第1回転部材51が上述の第1スライド方向D1に移動する場合、第1ギヤ61はシャフト60が筒部63の貫通孔63hから抜ける前に後板83に当接する。つまり、この後板83は、シャフト60が貫通孔63hから抜けることを止める抜け止め部である。このため、仮にシャフト60の係止片60eと筒部63との引っ掛かりが外れたとしても、第1回転部材51が第1支持部材53から外れることを抑制し得、第2支持部材54の後板83は、このような抜けを止め得る抜け止め部と理解できる。
【0074】
また、本実施形態では、第2支持部材54によって第1ギヤ61及び第2ギヤ71における後方、下方、及び左右が囲われている。このため、第1ギヤ61と第2ギヤ71との間に塵等が挟まることを抑制し得、第1回転部材51の回転不良を抑制し得る。
【0075】
本実施形態の姿勢調節装置50は、第1実施形態と同様に、第2回転部材52を回転することで第1回転部材51が回転し、シャフト60から灯具ユニット20に力を伝達して、第1支持部材53を含むランプハウジング11に対する灯具ユニット20の姿勢が変更される。このため、第2回転部材52の回転量を調節することで、灯具ユニット20の姿勢を調節することができる。また、本実施形態の姿勢調節装置50は、第1実施形態と同様に、第2回転部材52を支持する第2支持部材54は、第2ギヤ71にトルクが付与される際に第2ギヤ71が第1ギヤ61から受ける力によって第2ギヤ71が第1ギヤ61から離れる方向に変形可能である。このため、本実施形態の姿勢調節装置50は、灯具ユニット20の姿勢を変更するときに灯具ユニット20が他の部品に押し付けられて第2ギヤ71に付与されるトルクが増加する場合、第2支持部材54が変形して第1ギヤ61と第2ギヤ71との歯合を外して第2回転部材52を空転させ得る。従って、本実施形態の姿勢調節装置50は、第1実施形態と同様に、灯具ユニット20が他の部品に押し付けられる力が所定の力以上になることを抑制し得、灯具ユニット20に傷が付くことを抑制し得る。
【0076】
また、本実施形態の姿勢調節装置50では、第1ギヤ61の軸61aと第2ギヤ71の軸71aとは非平行である。第1回転部材51は、第1支持部材53に形成される貫通孔63hにシャフト60が挿入されて第1支持部材53に回転可能に支持される。第1支持部材53は、前述の第2スライド方向D2への第1回転部材51の移動を規制する。第2ギヤ71にトルクが付与される際に第2ギヤ71が第1ギヤ61から受ける力によって第2ギヤ71が第1ギヤ61から離れる方向は、第2ギヤ71の軸71aと非垂直である。第2支持部材54は、第2ギヤ71の軸71aと垂直で第2ギヤ71の軸71aから第1ギヤ61と第2ギヤ71とが歯合する歯合領域57側と反対側に向かう方向への第2回転部材52の移動を規制する。第1ギヤ61は、第2スライド方向D2と反対方向に向かって第2ギヤ71に歯合するとともに、第2スライド方向D2において第2ギヤ71と重なる。このため、第1回転部材51が第2スライド方向D2と反対方向に移動すると、第1回転部材51の第1ギヤ61によって第2ギヤ71が押される。ここで、第1ギヤ61の軸61aと第2ギヤ71の軸71aとは非平行であるため、第2ギヤ71は、少なくとも第2ギヤ71の軸71aと垂直で第2ギヤ71の軸71aから上記歯合領域57側と反対側に向かう方向へ押される。しかし、本実施形態の姿勢調節装置50では、このような方向への第2回転部材52の移動は、第2支持部材54によって規制されている。このため、第1回転部材51が第2スライド方向D2と反対方向に移動することを規制し得る。従って、本実施形態の姿勢調節装置50は、このような第1回転部材51の移動が第1支持部材53によって規制されなくても、上記の通常状態における第1ギヤ61と第2ギヤ71との歯合が外れることを抑制し得る。一方、本実施形態の姿勢調節装置50では、第2ギヤ71の軸71aと垂直で第2ギヤ71の軸71aから歯合領域57側に向かう方向へ第2ギヤ71が移動すると、第1ギヤ61は第2ギヤ71に押される。この場合、第1ギヤ61は、少なくとも第2スライド方向D2へ押される。しかし、本実施形態の姿勢調節装置50では、第2スライド方向D2への第1回転部材51の移動は、第1支持部材53によって規制されている。このため、第2ギヤ71の軸71aと垂直で第2ギヤ71の軸71aから歯合領域57側に向かう方向に第2回転部材52が移動することを規制し得る。従って、本実施形態の姿勢調節装置50は、このような第2回転部材52の移動が第2支持部材54によって規制されなくても、上記の通常状態における第1ギヤ61と第2ギヤ71との歯合が外れることを抑制し得る。従って、本実施形態の姿勢調節装置50によれば、第1支持部材53及び第2支持部材54の構成が複雑になることを抑制し得る。なお、本実施形態の姿勢調節装置50では、上記のように、第2ギヤ71にトルクが付与される際に第2ギヤ71が第1ギヤ61から受ける力によって第2ギヤ71が第1ギヤ61から離れる方向は、第2ギヤ71の軸71aと非垂直である。このため、第2ギヤ71に付与されるトルクが増加する場合、第2支持部材54が変形して第1ギヤ61と第2ギヤ71との歯合を外して第2回転部材52を空転させ得る。
【0077】
また、本実施形態の姿勢調節装置50では、一対の規制部材としての頂板80及び支持板84のそれぞれは、第2回転部材52のシャフト70が挿入される切り欠き85が形成された板状部材とされる。頂板80及び支持板84のうち、第2ギヤ71の軸71a方向において第2ギヤ71にトルクが付与される際に第2ギヤ71が第1ギヤ61から受ける力によって第2ギヤ71が第1ギヤ61から離れる方向側に位置する頂板80には、貫通孔80hが形成される。このため、第2ギヤ71にトルクが付与される際、第2回転部材52のフランジ73は貫通孔80hが形成される頂板80に押し付けられる。このようにフランジ73が押し付けられる頂板80の剛性は、形成される貫通孔80hの位置、大きさ、形状等を調節することで調節できる。従って、本実施形態の姿勢調節装置50によれば、頂板80に貫通孔80hが形成されない場合と比べて、第2回転部材52が空転し始めるトルクの調節を容易にし得る。
【0078】
また、本実施形態の姿勢調節装置50では、第1支持部材53はランプハウジング11の一部とされ、第2支持部材54はランプハウジング11に対して着脱可能である。つまり、第2支持部材54は、第1支持部材53に対して着脱可能である。このため、本実施形態の姿勢調節装置50によれば、第1回転部材51及び第2回転部材52の交換を容易にし得る。
【0079】
以上、本発明について、上記実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0080】
例えば、上記実施形態では、姿勢調節装置50は、モジュール部品としてのPES光学系を用いた灯具ユニット20の姿勢を調節していた。しかし、姿勢調節装置50が姿勢を調節するモジュール部品は、特に限定されるもではない。モジュール部品は、例えば、直射型の灯具ユニット、車載センサであるカメラ、ライダ、ミリ波レーダなどであってもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、第1回転部材51を回転させてスクリュー連結部材55を前後方向に移動させることによってモジュール部品としての灯具ユニット20の姿勢を調整していた。しかし、姿勢調節装置50は、第1回転部材51を回転させることによってシャフト60から灯具ユニット20に力を伝達して灯具ユニット20の姿勢を調整できればよい。例えば、姿勢調節装置50は、シャフト60に連結される別のギヤを有する動力伝達機構を備え、この動力伝達機構を介してモジュール部品としての灯具ユニット20の姿勢を調整してもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、第1ギヤ61及び第2ギヤ71は、かさ歯車とされ、第1ギヤ61の軸61aと第2ギヤ71の軸71aとは概ね垂直であった。しかし、第1ギヤ61及び第2ギヤ71は、例えば平歯車とされもよく、第1ギヤ61の軸61aと第2ギヤ71の軸71aとのなす角は特に限定されるものではない。また、第1ギヤ61の軸61aと第2ギヤ71の軸71aとは同一平面上に位置していてもよく、同一平面上に位置してなくてもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、第2ギヤ71は、第1ギヤ61の軸61aよりも上方において第1ギヤ61に歯合していた。しかし、第1ギヤ61の軸61aに対する第2ギヤ71の位置は特に限定されるものではなく、例えば、第2ギヤ71は、第1ギヤ61の軸61aよりも下方において第1ギヤ61に歯合していてもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、第2回転部材52はフランジ73を有し、第2支持部材54はフランジ73を挟むようにして第2回転部材52を回転可能に支持していた。しかし、第2回転部材52はフランジ73を有していなくてもよい。例えば、第2支持部材54は、第2回転部材52のシャフト70の外周面に形成される環状の溝に嵌る板状部材によって第2回転部材52を回転可能に支持していてもよい。
【0085】
また、上記第2実施形態では、ランプハウジング11と第2支持部材54とは別体に形成されていた。しかし、ランプハウジング11と第2支持部材54とは、例えば、ヒンジを介して接続され、一体に形成してもよい。このような構成にすることで、部品点数が多くなることを抑制したり、第2支持部材54の紛失を抑制したりし得る。
【0086】
また、上記実施形態では、スクリュー連結部材55の本体部65における部分球状の前端部と、円筒状の第1ベアリング保持部材41の前端部とが連結していた。また、支点部材56における概ね球状のピボット78と第2ベアリング保持部材42における断面形状が略コ字状の本体部46とが連結していた。しかし、これらの部材同士は、所定の範囲で揺動可能に連結されていればよく、部材同士を連結する構成は特に限定されるものではない。また、第1ベアリング保持部材41と第2ベアリング保持部材42との位置関係も特に限定されるものではない。例えば、第1ベアリング保持部材41は第2ベアリング保持部材42よりも下方に配置されてもよい。この場合、第1回転部材51は支点部材56よりも下方に配置されることになる。
【0087】
本発明によれば、モジュール部品に傷が付くことを抑制し得るモジュール部品の姿勢調節装置が提供され、自動車等に搭載される灯具ユニット、センサ等の分野において利用可能である。