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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】エリアマーカーランプ
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/34 20060101AFI20240621BHJP
   B60Q 1/26 20060101ALI20240621BHJP
   B60Q 1/52 20060101ALI20240621BHJP
   B62J 6/26 20200101ALI20240621BHJP
   B62J 50/25 20200101ALI20240621BHJP
【FI】
B60Q1/34 Z
B60Q1/26 A
B60Q1/52
B62J6/26
B62J50/25
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021542829
(86)(22)【出願日】2020-08-21
(86)【国際出願番号】 JP2020031556
(87)【国際公開番号】W WO2021039612
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2023-06-02
(31)【優先権主張番号】P 2019153738
(32)【優先日】2019-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100143764
【弁理士】
【氏名又は名称】森村 靖男
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 賢
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-074820(JP,A)
【文献】特開2018-203081(JP,A)
【文献】国際公開第2019/159220(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/34
B60Q 1/26
B60Q 1/52
B62J 6/26
B62J 50/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体を傾けることで旋回走行可能な車両に備えられ、前記車両の周囲の路面に所定のマーカーを投写し、
前記所定のマーカーは、少なくとも一部が前記車両の右側方に位置する所定の色の右側マーカーと、少なくとも一部が前記車両の左側方に位置する前記所定の色の左側マーカーとを含み、
前記車両の右側のターンシグナルランプが点滅する場合、前記左側マーカーを消し、前記車両の左側のターンシグナルランプが点滅する場合、前記右側マーカーを消す
ことを特徴とするエリアマーカーランプ。
【請求項2】
車体を傾けることで旋回走行可能な車両に備えられ、前記車両の周囲の路面に所定のマーカーを投写し、
前記所定のマーカーは、少なくとも一部が前記車両の右側方に位置する所定の色の右側マーカーと、少なくとも一部が前記車両の左側方に位置する前記所定の色の左側マーカーとを含み、
前記車両の右側のターンシグナルランプまたは左側のターンシグナルランプが点滅する場合、前記右側マーカー及び前記左側マーカーの両方における色を前記所定の色と異なる色にする
ことを特徴とするエリアマーカーランプ。
【請求項3】
前記右側マーカーと前記左側マーカーとが前記車両の前方及び後方のそれぞれにおいて接続され、
前記車両を上方から平面視する場合に前記所定のマーカーは前記車両の全周を囲う
ことを特徴とする請求項1または2に記載のエリアマーカーランプ。
【請求項4】
前記車両の右側のターンシグナルランプが点滅する場合、前記右側マーカーの色を前記所定の色と異なる色にし、前記車両の左側のターンシグナルランプが点滅する場合、前記左側マーカーの色を前記所定の色と異なる色にする
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のエリアマーカーランプ。
【請求項5】
前記車両の右側のターンシグナルランプが点滅する場合、前記右側マーカーを点滅させ、前記車両の左側のターンシグナルランプが点滅する場合、前記左側マーカーを点滅させる
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のエリアマーカーランプ。
【請求項6】
前記右側マーカーの点滅及び前記左側マーカーの点滅を前記ターンシグナルランプの点滅に同期した点滅にする
ことを特徴とする請求項に記載のエリアマーカーランプ。
【請求項7】
前記車両の右側のターンシグナルランプが点滅する場合、前記車両より右側における路面に前記所定のマーカーと異なる特定のマーカーを更に投写し、前記車両の左側のターンシグナルランプが点滅する場合、前記車両より左側における路面に前記所定のマーカーと異なる特定のマーカーを更に投写する
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のエリアマーカーランプ。
【請求項8】
車体を傾けることで旋回走行可能な車両に備えられ、前記車両の周囲の路面に所定のマーカーを投写し、
前記所定のマーカーは、少なくとも一部が前記車両の右側方に位置する所定の色の右側マーカーと、少なくとも一部が前記車両の左側方に位置する前記所定の色の左側マーカーとを含み、
前記車両の右側のターンシグナルランプ及び左側のターンシグナルランプの両方が点滅する場合、前記右側マーカー及び前記左側マーカーの両方における色を前記所定の色と異なる色にする
ことを特徴とするエリアマーカーランプ。
【請求項9】
前記右側マーカー及び前記左側マーカーの両方を点滅させる
ことを特徴とする請求項に記載のエリアマーカーランプ。
【請求項10】
車体を傾けることで旋回走行可能な車両に備えられ、前記車両の周囲の路面に所定のマーカーを投写し、
前記所定のマーカーは、少なくとも一部が前記車両の右側方に位置する所定の色の右側マーカーと、少なくとも一部が前記車両の左側方に位置する前記所定の色の左側マーカーとを含み、
前記車両のブレーキランプが点灯する場合、前記右側マーカー及び前記左側マーカーの両方における色を前記所定の色と異なる色にする
ことを特徴とするエリアマーカーランプ。
【請求項11】
前記車両が所定の加速度以上の加速度で減速する場合、前記右側マーカー及び前記左側マーカーの両方を点滅させる
ことを特徴とする請求項10に記載のエリアマーカーランプ。
【請求項12】
車体を傾けることで旋回走行可能な車両に備えられ、前記車両の周囲の路面に所定のマーカーを投写し、
前記所定のマーカーは、少なくとも一部が前記車両の右側方に位置する所定の色の右側マーカーと、少なくとも一部が前記車両の左側方に位置する前記所定の色の左側マーカーとを含み、
前記車両の右側のターンシグナルランプが点滅する場合、前記車両より右側における路面に前記所定のマーカーと異なる特定のマーカーを更に投写し、前記車両の左側のターンシグナルランプが点滅する場合、前記車両より左側における路面に前記所定のマーカーと異なる特定のマーカーを更に投写する
ことを特徴とするエリアマーカーランプ。
【請求項13】
前記特定のマーカーは、前記所定のマーカーより前記車両側と反対側に投写される
ことを特徴とする請求項12に記載のエリアマーカーランプ。
【請求項14】
前記特定のマーカーの色は、前記所定の色と異なる色である
ことを特徴とする請求項12または13に記載のエリアマーカーランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の周囲の路面にマーカーを投写するエリアマーカーランプに関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車等のように車体を傾けることで旋回走行可能な車両は、自動四輪車等と比べて他車や歩行者等からの当該車両の被視認性が低い傾向にある。下記特許文献1には、このような車両において、当該車両の前方から視認可能なように車体におけるヘッドランプに隣接する領域にコンビネーションランプを配置することが開示されている。
【0003】
【文献】国際公開第2019/082615号
【発明の概要】
【0004】
上記特許文献1の車両は、コンビネーションランプを点灯させることで当該車両の被視認性を向上できるとされている。しかし、上記特許文献1の車両では、コンビネーションランプを車両の後方から視認し難く、車両の存在を周囲に報知する報知機能を向上させたいとの要請がある。
【0005】
そこで、本発明は、車両の存在を周囲に報知する報知機能を向上させ得るエリアマーカーランプを提供することを目的とする。
【0006】
上記目的の達成のため、本発明のエリアマーカーランプは、車体を傾けることで旋回走行可能な車両に備えられ、前記車両の周囲の路面に所定のマーカーを投写し、前記所定のマーカーは、少なくとも一部が前記車両の右側方に位置する所定の色の右側マーカーと、少なくとも一部が前記車両の左側方に位置する前記所定の色の左側マーカーとを含むことを特徴する。
【0007】
このエリアマーカーランプは、路面に投写する所定のマーカーによって車両の存在を周囲に報知できる。また、この所定のマーカーは、上記のように、少なくとも一部が車両の右側方に位置する右側マーカーと、少なくとも一部が車両の左側方に位置する左側マーカーとを含む。このため、この所定のマーカーの少なくとも一部は、車両前方及び車両後方から視認され得る。従って、このエリアマーカーランプは、車両の前方から視認可能なように車体に配置されるランプと比べて、車両の存在を周囲に報知する報知機能を向上させ得る。
【0008】
前記右側マーカーと前記左側マーカーとが前記車両の前方及び後方のそれぞれにおいて接続され、前記車両を上方から平面視する場合に前記所定のマーカーは前記車両の全周を囲うこととしてもよい。
【0009】
このような構成にすることで、所定のマーカーが車両の全周を囲っていない場合と比べて、車両の存在を周囲に報知する報知機能をより向上させ得る。
【0010】
前記車両の右側のターンシグナルランプが点滅する場合、前記右側マーカーの色を前記所定の色と異なる色にし、前記車両の左側のターンシグナルランプが点滅する場合、前記左側マーカーの色を前記所定の色と異なる色にすることとしてもよい。
【0011】
このような構成にすることで、車両の存在とともに、車両の右左折等の動作を当該車両の周囲に報知し得る。
【0012】
前記車両の右側のターンシグナルランプが点滅する場合、前記右側マーカーを点滅させ、前記車両の左側のターンシグナルランプが点滅する場合、前記左側マーカーを点滅させることとしてもよい。
【0013】
このような構成にすることで、車両の存在とともに、車両の右左折等の動作を当該車両の周囲に報知し得る。
【0014】
この場合、前記右側マーカーの点滅及び前記左側マーカーの点滅を前記ターンシグナルランプの点滅に同期した点滅にすることとしてもよい。
【0015】
このような構成にすることで、例えば、右側のターンシグナルランプの点滅と右側マーカーの点滅とを同期させ、左側のターンシグナルランプの点滅と左側マーカーの点滅とを同期させることができる。このため、このエリアマーカーランプでは、車両の周囲の歩行者等が右側マーカーの点滅及び左側マーカーの点滅に違和感を覚えることを抑制し得る。
【0016】
前記車両の右側のターンシグナルランプが点滅する場合、前記車両より右側における路面に前記所定のマーカーと異なる特定のマーカーを更に投写し、前記車両の左側のターンシグナルランプが点滅する場合、前記車両より左側における路面に前記所定のマーカーと異なる特定のマーカーを更に投写することとしてもよい。
【0017】
このような構成にすることで、車両の存在とともに、車両の右左折等の動作を当該車両の周囲に報知し得る。
【0018】
前記車両の右側のターンシグナルランプが点滅する場合、前記左側マーカーを消し、前記車両の左側のターンシグナルランプが点滅する場合、前記右側マーカーを消すこととしてもよい。或いは、前記車両の右側のターンシグナルランプまたは左側のターンシグナルランプが点滅する場合、前記右側マーカー及び前記左側マーカーの両方における色を前記所定の色と異なる色にすることとしてもよい。
【0019】
このような構成にすることで、車両の存在とともに、車両の右左折等の動作を当該車両の周囲に報知し得る。
【0020】
前記車両の右側のターンシグナルランプ及び左側のターンシグナルランプの両方が点滅する場合、前記右側マーカー及び前記左側マーカーの両方における色を前記所定の色と異なる色にすることとしてもよい。
【0021】
このような構成にすることで、車両の存在とともに、例えば車両が異常状態であることを当該車両の周囲に報知し得る。
【0022】
この場合、前記右側マーカー及び前記左側マーカーの両方を点滅させることとしてもよい。
【0023】
このような構成にすることで、例えば車両が異常状態であることをより適切に当該車両の周囲に報知し得る。
【0024】
前記車両のブレーキランプが点灯する場合、前記右側マーカー及び前記左側マーカーの両方における色を前記所定の色と異なる色にすることとしてもよい。
【0025】
このような構成にすることで、車両の存在とともに、車両の減速動作を当該車両の周囲に報知し得る。
【0026】
この場合、前記車両が所定の加速度以上の加速度で減速する場合、前記右側マーカー及び前記左側マーカーの両方を点滅させることとしてもよい。
【0027】
このような構成にすることで、車両の存在とともに、車両の急速な減速動作を当該車両の周囲に報知し得る。
【0028】
以上のように本発明によれば、車両の存在を周囲に報知する報知機能を向上させ得るエリアマーカーランプを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の第1実施形態におけるエリアマーカーランプを備える車両を概略的に示す斜視図である。
図2図1に示す車両を上方から見る平面図である。
図3】第1実施形態における所定のマーカーを説明するための図である。
図4】第1実施形態におけるエリアマーカーランプを含むブロック図である。
図5】第1実施形態における制御部の制御フローチャートの一例を示す図である。
図6】第4実施形態におけるエリアマーカーランプを備える車両を図2と同様の方法で示す図である。
図7】変形例に係る所定のマーカーを図3と同様の方法で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に係るエリアマーカーランプを実施するための形態が添付図面とともに例示される。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、以下の実施形態から変更、改良することができる。なお、以下で参照する図面では、理解を容易にするために、各部材の寸法を変えて示したり、参照符号を省略したりする場合がある。
【0031】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態におけるエリアマーカーランプを備える車両を概略的に示す斜視図である。図2は、図1に示す車両を上方から見る平面図である。図1図2に示すように、本実施形態の車両100は自動二輪車とされる。この車両100は、車体10、ハンドル11、前輪12、後輪13、右側のターンシグナルランプ14、左側のターンシグナルランプ15、ブレーキランプ16、及びエリアマーカーランプ1等を備える。自動二輪車である車両100は、車体10を傾けることで旋回走行可能である。右側のターンシグナルランプ14は、車体10の右側の前部及び後部にそれぞれ配置される。左側のターンシグナルランプ15は、車体10の左側の前部及び後部にそれぞれ配置される。右側のターンシグナルランプ14と左側のターンシグナルランプ15とは、互いに左右方向に概ね対称な形状とされる。ブレーキランプ16は、車体10の後部に配置される右側のターンシグナルランプ14と車体10の後部に配置される左側のターンシグナルランプ15との間に配置される。なお、左右とは車両100から前方を見る際の左右である。
【0032】
エリアマーカーランプ1は、車両100の周囲の路面に所定のマーカーを投写するランプである。本実施形態のエリアマーカーランプ1は、投写する所定のマーカーを変化させることができ、4つの灯具ユニット1a,1b,1c,1dから構成される。灯具ユニット1aは車体10の前部の右側に配置され、灯具ユニット1bは車体10の後部の右側に配置され、灯具ユニット1cは車体10の前部の左側に配置され、灯具ユニット1dは車体10の後部の左側に配置される。これら灯具ユニット1a,1b,1c,1dから出射する光が路面に照射されることで、路面に所定のマーカーが投写される。
【0033】
図3は、本実施形態における所定のマーカーを説明するための図であり、上方から路面を見る図である。図3には、所定のマーカーの一例とともに車両100が記載されている。図3に示す所定のマーカーMKは、少なくとも一部が車両100の右側方に位置する右側マーカー20と、少なくとも一部が車両100の左側方に位置する左側マーカー30とを含む。本実施形態の右側マーカー20は、緑色とされ、車両100の左右方向の中心を通る直線SL1より右側に位置し、上方から車両100を平面視する場合、車体10と離隔している。右側マーカー20は、第1マーカー21と第2マーカー22とからなる。
【0034】
第1マーカー21は、前後方向に概ね直線状に延在する第1部分21aと第1部分21aの前端部から前方かつ左側に概ね直線状に延在する第2部分21bとからなる。上方から車両100を平面視する場合、左右方向において第1部分21aと車体10とが互いに重なり、前後方向において第2部分21bと車体10とが互いに重なっている。第2マーカー22の形状は、第1マーカー21と前後方向に概ね対称な形状とされる。第2マーカー22は、前後方向に概ね直線状に延在する第1部分22aと第1部分22aの後端部から後方かつ左側に概ね直線状に延在する第2部分22bとからなる。上方から車両100を平面視する場合、左右方向において第1部分22aと車体10とが互いに重なり、前後方向において第2部分22bと車体10とが互いに重なっている。また、第2マーカー22は、第1マーカー21と離隔している。
【0035】
本実施形態の左側マーカー30は、緑色とされ、車両100の左右方向の中心を通る直線SL1より左側に位置し、上方から車両100を平面視する場合、車体10と離隔している。左側マーカー30の形状は右側マーカー20と左右方向に概ね対称な形状とされ、左側マーカー30は第1マーカー31と第2マーカー32とからなる。
【0036】
第1マーカー31の形状は、右側マーカー20における第1マーカー21と左右方向に概ね対称な形状とされる。第1マーカー31は、前後方向に概ね直線状に延在する第1部分31aと第1部分31aの前端部から前方かつ右側に概ね直線状に延在する第2部分31bとからなる。上方から車両100を平面視する場合、左右方向において第1部分31aと車体10とが互いに重なり、前後方向において第2部分31bと車体10とが互いに重なっている。第2マーカー32の形状は、右側マーカー20における第2マーカー22と左右方向に概ね対称な形状とされる。第2マーカー32は、前後方向に概ね直線状に延在する第1部分32aと第1部分32aの後端部から後方かつ左側に概ね直線状に延在する第2部分32bとからなる。上方から車両100を平面視する場合、左右方向において第1部分32aと車体10とが互いに重なり、前後方向において第2部分32bと車体10とが互いに重なっている。また、第2マーカー32は、第1マーカー31と離隔している。
【0037】
右側マーカー20における第1マーカー21は、灯具ユニット1aから出射する光によって投写され、右側マーカー20における第2マーカー22は、灯具ユニット1bから出射する光によって投写さる。また、左側マーカー30における第1マーカー31は、灯具ユニット1cから出射する光によって投写され、左側マーカー30における第2マーカー32は、灯具ユニット1dから出射する光によって投写さる。つまり、これら灯具ユニット1a,1b,1c,1dは、このようなマーカー21,22,31,32を投写できるように構成される。また、本実施形態では、灯具ユニット1a,1b,1c,1dは、マーカー21,22,31,32の色を橙色に変化することができる。また、灯具ユニット1a,1b,1c,1dは、マーカー21,22,31,32を点滅させたり、消したりすることができる。従って、エリアマーカーランプ1は、路面に投写する所定のマーカーMKを変化させることができる。これら灯具ユニット1a,1b,1c,1dの構成は特に限定されるものではない。これら灯具ユニット1a,1b,1c,1dとして、例えば、プロジェクタ、光源と光源から出射する光の一部を遮るシェードとレンズとを有する光出射部を備える灯具ユニット等が挙げられる。
【0038】
図4は、本実施形態におけるエリアマーカーランプ1を含むブロック図である。図4に示すように、本実施形態では、エリアマーカーランプ1の4つの灯具ユニット1a,1b,1c,1d、マーカースイッチ41、ターンスイッチ42、ハザードスイッチ43、ブレーキセンサ44、加速度センサ45等が制御部COに電気的に接続される。この制御部COは、エリアマーカーランプ1に備えられてもよく、車両100の電子制御装置の一部とされてもよい。また、マーカースイッチ41、ターンスイッチ42、ハザードスイッチ43、ブレーキセンサ44、及び加速度センサ45は、車両100の電子制御装置を介して制御部COに電気的に接続されても良い。
【0039】
制御部COは、例えば、マイクロコントローラ、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large-scale Integrated Circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの集積回路やNC(Numerical Control)装置を用いることができる。また、制御部COは、NC装置を用いた場合、機械学習器を用いたものであってもよく、機械学習器を用いないものであってもよい。以下に説明するように、エリアマーカーランプ1の4つの灯具ユニット1a,1b,1c,1dが制御部COにより制御される。
【0040】
マーカースイッチ41は、運転者がエリアマーカーランプ1によってマーカーを投写するか否か指示するスイッチである。例えば、マーカースイッチ41がオンされる場合、マーカースイッチ41はマーカーの投写を指示する信号を出力する。
【0041】
ターンスイッチ42は、運転者が車両100の左右のターンシグナルランプ14,15の状態の選択をするスイッチである。例えば、ターンスイッチ42は、右側のターンシグナルランプ14が点滅する状態が選択された場合、この状態を指示する信号を出力し、左側のターンシグナルランプ15が点滅する状態が選択された場合、この状態を指示する信号を出力し、左右のターンシグナルランプ14,15が非点灯とされる状態が選択された場合、信号を出力しない。
【0042】
ハザードスイッチ43は、運転者が右側のターンシグナルランプ14及び左側のターンシグナルランプ15の両方を点滅させるか否かを指示するスイッチである。例えば、ハザードスイッチ43がオンされる場合、ハザードスイッチ43は右側のターンシグナルランプ14及び左側のターンシグナルランプ15の両方の点滅を指示する信号を出力する。
【0043】
ブレーキセンサ44は、前輪ブレーキの操作及び後輪ブレーキの操作を検出するセンサであり、前輪ブレーキの操作及び後輪ブレーキの操作の少なくも一方を検出する場合に、ブレーキの操作がされたことを示す信号を出力する。ブレーキセンサ44として、例えば、前輪ブレーキの操作に応じてオンとオフとが切り替わるスイッチと、後輪ブレーキの操作に応じてオンとオフとが切り替わるスイッチとを含むスイッチが挙げられる。
【0044】
加速度センサ45は、車両100の加速度を検出するセンサであり、検出した加速度の信号を出力する。本実施形態の加速度センサ45は、車両100が減速する際の加速度を負の値として検出し、車両100が加速する際の加速度を正の値として検出する。加速度センサ45として、例えば、光学式の加速度センサ、半導体式の加速度センサ等が挙げられる。
【0045】
次に、本実施形態のエリアマーカーランプ1の動作について説明する。具体的には、左右のターンシグナルランプ14,15の状態に応じて投写するマーカーを変化させる動作について説明する。図5は、本実施形態の制御部COの制御フローチャートの一例を示す図である。
【0046】
(ステップSP1)
本実施形態では、まず、マーカースイッチ41がオンされ、マーカースイッチ41からマーカーの投写を指示する信号が制御部COに入力されると、制御部COの制御フローはステップSP2に進む。一方、本ステップにおいて、この信号が制御部COに入力されない場合、制御部COの制御フローはステップSP4に進む。
【0047】
(ステップSP2)
本ステップでは、制御部COは、車両の状態を検出する。具体的には、制御部COは、ターンスイッチ42からの信号に基づいて、左右のターンシグナルランプ14,15の状態を検出する。本実施形態では、制御部COは、当該制御部COにターンスイッチ42から信号が入力しない場合に、左右のターンシグナルランプ14,15の状態が非点灯の状態であると検出する。また、制御部COは、当該制御部COにターンスイッチ42から右側のターンシグナルランプ14が点滅する状態を指示する信号が入力する場合に、左右のターンシグナルランプ14,15の状態が右側のターンシグナルランプ14が点滅する状態であると検出する。また、制御部COは、当該制御部COにターンスイッチ42から左側のターンシグナルランプ15が点滅する状態を指示する信号が入力する場合に、左右のターンシグナルランプ14,15の状態が左側のターンシグナルランプ15が点滅する状態であると検出する。そして、制御部COの制御フローはステップSP3に進む。
【0048】
(ステップSP3)
本ステップでは、制御部COは、ステップSP2において検出した車両の状態に応じたマーカーが投写されるように、エリアマーカーランプ1を制御する。具体的には、制御部COは、ステップSP2において検出した左右のターンシグナルランプ14,15の状態が非点灯の状態である場合、右側マーカー20及び左側マーカー30の両方が緑色となるように、4つの灯具ユニット1a,1b,1c,1dを制御する。このため、エリアマーカーランプ1は、緑色の右側マーカー20と緑色の左側マーカー30とを含む所定のマーカーMKを路面に投写する。
【0049】
また、制御部COは、ステップSP2において検出した左右のターンシグナルランプ14,15の状態が左側のターンシグナルランプ15が点滅する状態である場合、右側マーカー20が緑色となり、左側マーカー30が橙色となるように、4つの灯具ユニット1a,1b,1c,1dを制御する。このため、エリアマーカーランプ1は、緑色の右側マーカー20と橙色の左側マーカー30とを含むマーカーを路面に投写する。つまり、エリアマーカーランプ1は、所定のマーカーMKにおける左側マーカー30の色が橙色とされたマーカーを路面に投写する。
【0050】
また、制御部COは、ステップSP2において検出した左右のターンシグナルランプ14,15の状態が右側のターンシグナルランプ14が点滅する状態である場合、右側マーカー20が橙色となり、左側マーカー30が緑色となるように、4つの灯具ユニット1a,1b,1c,1dを制御する。このため、エリアマーカーランプ1は、橙色の右側マーカー20と緑色の左側マーカー30とを含むマーカーを路面に投写する。つまり、エリアマーカーランプ1は、所定のマーカーMKにおける右側マーカー20の色が橙色とされたマーカーを路面に投写する。そして、制御部COの制御フローはステップSP1に進む。
【0051】
このため、マーカースイッチ41がオンの状態において左右のターンシグナルランプ14,15の状態が変化する場合、エリアマーカーランプ1は、投写するマーカーを左右のターンシグナルランプ14,15の状態に応じたマーカーに変化させる。
【0052】
(ステップSP4)
本ステップでは、制御部COは、マーカーが非投写とされるように、エリアマーカーランプ1を制御する。具体的には、上記のようにステップSP1においてマーカースイッチ41からマーカーの投写を指示する信号が制御部COに入力されずに制御部COの制御フローがステップSP4に進んだ場合、制御部COは、4つの灯具ユニット1a,1b,1c,1dを制御して4つの灯具ユニット1a,1b,1c,1dからの光を非出射にする。つまり、エリアマーカーランプ1は、マーカーを非投写とする。そして、制御部COの制御フローはステップSP1に進む。
【0053】
このように、本実施形態のエリアマーカーランプ1は、マーカースイッチ41がオンの状態において左右のターンシグナルランプ14,15が非点灯の場合、緑色の右側マーカー20及び緑色の左側マーカー30を含む所定のマーカーMKを投写する。また、エリアマーカーランプ1は、マーカースイッチ41がオンの状態において右側のターンシグナルランプ14が点滅する場合、右側マーカー20の色が緑色と異なる橙色とされたマーカーを投写する。また、エリアマーカーランプ1は、マーカースイッチ41がオンの状態において左側のターンシグナルランプ15が点滅する場合、左側マーカー30の色が緑色と異なる橙色とされたマーカーを投写する。なお、制御部COの制御フローは特に限定されるものではない。
【0054】
以上説明したように、本実施形態のエリアマーカーランプ1は、車体10を傾けることで旋回走行可能な車両100に備えられ、車両100の周囲の路面に所定のマーカーMKを投写する。このため、本実施形態のエリアマーカーランプ1は、路面に投写する所定のマーカーMKによって車両100の存在を周囲に報知できる。また、所定のマーカーMKは、少なくとも一部が車両100の右側方に位置する右側マーカー20と、少なくとも一部が車両100の左側方に位置する左側マーカー30とを含む。このため、この所定のマーカーMKの少なくとも一部は、車両100前方及び車両100後方から視認され得る。従って、本実施形態のエリアマーカーランプ1は、車両の前方から視認可能なように車体に配置されるランプと比べて、車両100の存在を周囲に報知する報知機能を向上させ得る。
【0055】
また、本実施形態のエリアマーカーランプ1は、右側のターンシグナルランプ14が点滅する場合、右側マーカー20の色を緑色と異なる橙色にし、左側のターンシグナルランプ15が点滅する場合、左側マーカー30の色を緑色と異なる橙色にする。このため、本実施形態のエリアマーカーランプ1は、車両100の存在とともに、車両100の右左折等の動作を当該車両100の周囲に報知し得る。
【0056】
なお、所定のマーカーMKにおける右側マーカー20及び左側マーカー30の両方の色は特に限定されるものではなく、例えば、白色であってもよい。また、右側のターンシグナルランプ14が点滅する場合の右側マーカー20の色、及び左側のターンシグナルランプ15が点滅する場合の左側マーカー30の色は、左右のターンシグナルランプ14,15が非点灯の場合における色と異なっていればよい。例えば、これらの色は赤色であってもよい。
【0057】
また、車両100の存在とともに、車両100の右左折等の動作を当該車両100の周囲に報知する観点では、エリアマーカーランプ1は、右側のターンシグナルランプ14または左側のターンシグナルランプ15が点滅する場合、右側マーカー20及び左側マーカー30の両方における色を左右のターンシグナルランプ14,15が非点灯の場合における色と異なる色にしてもよい。この場合、上記のステップSP3における制御部COの4つの灯具ユニット1a,1b,1c,1dの制御が異なる。
【0058】
例えば、制御部COは、ステップSP2において検出した左右のターンシグナルランプ14,15の状態が非点灯の状態である場合、右側マーカー20及び左側マーカー30の両方が緑色となるように、4つの灯具ユニット1a,1b,1c,1dを制御する。このため、エリアマーカーランプ1は、緑色の右側マーカー20と緑色の左側マーカー30とを含む所定のマーカーMKを路面に投写する。また、制御部COは、ステップSP2において検出した左右のターンシグナルランプ14,15の状態が右側のターンシグナルランプ14または左側のターンシグナルランプ15が点滅する状態である場合、右側マーカー20及び左側マーカー30の両方が橙色となるように、4つの灯具ユニット1a,1b,1c,1dを制御する。このため、エリアマーカーランプ1は、所定のマーカーMKにおける右側マーカー20及び左側マーカー30の色が橙色とされたマーカーを路面に投写する。このようにして、エリアマーカーランプ1は、左右のターンシグナルランプ14,15が非点灯の場合、右側マーカー20及び左側マーカー30の両方における色を緑色にする。また、エリアマーカーランプ1は、右側のターンシグナルランプ14または左側のターンシグナルランプ15が点滅する場合、右側マーカー20及び左側マーカー30の両方における色を緑色と異なる橙色にする。
【0059】
また、車両100の存在とともに、車両100の右左折等の動作を当該車両100の周囲に報知する観点では、エリアマーカーランプ1は、右側のターンシグナルランプ14が点滅する場合、左側マーカー30を消し、左側のターンシグナルランプ15が点滅する場合、右側マーカー20を消すこととしてもよい。この場合、上記のステップSP3における制御部COの4つの灯具ユニット1a,1b,1c,1dの制御が異なる。
【0060】
例えば、制御部COは、ステップSP2において検出した左右のターンシグナルランプ14,15の状態が非点灯の状態である場合、右側マーカー20及び左側マーカー30の両方が緑色となるように、4つの灯具ユニット1a,1b,1c,1dを制御する。このため、エリアマーカーランプ1は、緑色の右側マーカー20と緑色の左側マーカー30とを含む所定のマーカーMKを路面に投写する。また、制御部COは、ステップSP2において検出した左右のターンシグナルランプ14,15の状態が左側のターンシグナルランプ15が点滅する状態である場合、右側マーカー20が消え、左側マーカー30が緑色となるように、4つの灯具ユニット1a,1b,1c,1dを制御する。このため、エリアマーカーランプ1は、所定のマーカーMKにおける右側マーカー20が消えたマーカーを路面に投写する。一方、制御部COは、ステップSP2において検出した左右のターンシグナルランプ14,15の状態が右側のターンシグナルランプ14が点滅する状態である場合、右側マーカー20が緑色となり、左側マーカー30が消えるように、4つの灯具ユニット1a,1b,1c,1dを制御する。このため、エリアマーカーランプ1は、所定のマーカーMKにおける左側マーカー30が消えたマーカーを路面に投写する。このようにして、エリアマーカーランプ1は、左右のターンシグナルランプ14,15が非点灯の場合、右側マーカー20及び左側マーカー30の両方における色を緑色にする。また、エリアマーカーランプ1は、右側のターンシグナルランプ14が点滅する場合、左側マーカー30を消し、左側のターンシグナルランプ15が点滅する場合、右側マーカー20を消す。
【0061】
また、車両100の存在とともに、車両100の右左折等の動作を当該車両100の周囲に報知する観点では、エリアマーカーランプ1は、右側のターンシグナルランプ14が点滅する場合、右側マーカー20を点滅させ、左側のターンシグナルランプ15が点滅する場合、左側マーカー30を点滅させてもよい。この場合、上記のステップSP3における制御部COの4つの灯具ユニット1a,1b,1c,1dの制御が異なる。
【0062】
例えば、制御部COは、ステップSP2において検出した左右のターンシグナルランプ14,15の状態が非点灯の状態である場合、右側マーカー20及び左側マーカー30の両方が緑色となるように、4つの灯具ユニット1a,1b,1c,1dを制御する。このため、エリアマーカーランプ1は、緑色の右側マーカー20と緑色の左側マーカー30とを含む所定のマーカーMKを路面に投写する。
【0063】
また、制御部COは、ステップSP2において検出した左右のターンシグナルランプ14,15の状態が左側のターンシグナルランプ15が点滅する状態である場合、右側マーカー20が緑色となり、左側マーカー30が緑色となるとともに所定の時間間隔で点滅するように、4つの灯具ユニット1a,1b,1c,1dを制御する。このため、エリアマーカーランプ1は、所定のマーカーMKにおける左側マーカー30が点滅するマーカーを路面に投写する。なお、制御部COは、この場合、左側マーカー30が橙色となるとともに所定の時間間隔で点滅するように灯具ユニット1c,1dを制御してもよい。また、制御部COは、この場合、右側マーカー20が消えるように灯具ユニット1a,1bを制御してもよい。
【0064】
一方、制御部COは、ステップSP2において検出した左右のターンシグナルランプ14,15の状態が右側のターンシグナルランプ14が点滅する状態である場合、右側マーカー20が緑色となるとともに所定の時間間隔で点滅し、左側マーカー30が緑色となるように、4つの灯具ユニット1a,1b,1c,1dを制御する。このため、エリアマーカーランプ1は、所定のマーカーMKにおける右側マーカー20が点滅するマーカーを路面に投写する。なお、制御部COは、この場合、右側マーカー20の色が橙色となるとともに所定の時間間隔で点滅するように灯具ユニット1a,1bを制御してもよい。また、制御部COは、この場合、左側マーカー30が消えるように灯具ユニット1c,1dを制御してもよい。このようにして、エリアマーカーランプ1は、左右のターンシグナルランプ14,15が非点灯の場合、右側マーカー20及び左側マーカー30の両方における色を緑色にする。また、エリアマーカーランプ1は、右側のターンシグナルランプ14が点滅する場合、右側マーカー20を点滅させ、左側のターンシグナルランプ15が点滅する場合、左側マーカー30を点滅させる。
【0065】
また、このようにエリアマーカーランプ1が右側マーカー20及び左側マーカー30の一方を点滅させる場合、エリアマーカーランプ1は、右側マーカー20の点滅及び左側マーカー30の点滅をターンシグナルランプ14,15の点滅に同期した点滅にしてもよい。このような構成にすることで、エリアマーカーランプ1は、例えば、右側のターンシグナルランプ14の点滅と右側マーカー20の点滅とを同期させ、左側のターンシグナルランプ15の点滅と左側マーカー30の点滅とを同期させることができる。このため、このエリアマーカーランプ1では、車両100の周囲の歩行者等が右側マーカー20の点滅及び左側マーカー30の点滅に違和感を覚えることを抑制し得る。
【0066】
なお、本実施形態では、ハザードスイッチ43、ブレーキセンサ44、及び加速度センサ45は、制御部COに電気的に接続されていなくてもよい。
【0067】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
【0068】
本実施形態のエリアマーカーランプ1の構成は、第1実施形態のエリアマーカーランプ1の構成と同じである。しかし、本実施形態のエリアマーカーランプ1の動作は、第1実施形態のエリアマーカーランプ1の動作と異なる。具体的には、本実施形態のエリアマーカーランプ1は、左右のターンシグナルランプ14,15のハザード点滅に応じて投写する所定のマーカーを変化させる。
【0069】
本実施形態の制御部COの制御フローチャートは、第1実施形態における制御部COの制御フローチャートと同じとされる。しかし、本実施形態のステップSP2における制御部COの車両の状態の検出は、第1実施形態における制御部COの車両の状態の検知と異なる。また、本実施形態のステップSP3における制御部COのエリアマーカーランプ1の制御は、第1実施形態の制御部COのエリアマーカーランプ1の制御と異なる。このため、図5を参照して本実施形態のエリアマーカーランプ1の動作について説明する。
【0070】
(ステップSP2)
本実施形態のステップSP2では、制御部COは、ハザードスイッチ43からの信号に基づいて、左右のターンシグナルランプ14,15の状態が右側のターンシグナルランプ14及び左側のターンシグナルランプ15の両方が点滅するハザード点滅の状態であるか、ハザード点滅の状態でないかを検出する。制御部COは、当該制御部COにハザードスイッチ43から右側のターンシグナルランプ14及び左側のターンシグナルランプ15の両方の点滅を指示する信号が入力する場合に、左右のターンシグナルランプ14,15の状態がハザード点滅の状態であると検出する。一方、制御部COは、当該制御部COにハザードスイッチ43から信号が入力しない場合に、左右のターンシグナルランプ14,15の状態がハザード点滅の状態でないと検出する。そして、制御部COの制御フローはステップSP3に進む。
【0071】
(ステップSP3)
本実施形態のステップSP3では、制御部COは、ステップSP2において検出した左右のターンシグナルランプ14,15の状態がハザード点滅の状態でない場合、右側マーカー20及び左側マーカー30の両方が緑色となるように、4つの灯具ユニット1a,1b,1c,1dを制御する。このため、エリアマーカーランプ1は、緑色の右側マーカー20と緑色の左側マーカー30とを含む所定のマーカーMKを路面に投写する。
【0072】
また、制御部COは、ステップSP2において検出した左右のターンシグナルランプ14,15の状態がハザード点滅の状態である場合、右側マーカー20及び左側マーカー30の両方が橙色となるように、4つの灯具ユニット1a,1b,1c,1dを制御する。このため、エリアマーカーランプ1は、橙色の右側マーカー20と橙色の左側マーカー30とを含むマーカーを路面に投写する。つまり、エリアマーカーランプ1は、所定のマーカーMKにおける右側マーカー20及び左側マーカーの色が橙色とされたマーカーを路面に投写する。そして、制御部COの制御フローはステップSP1に進む。
【0073】
このため、本実施形態のエリアマーカーランプ1は、マーカースイッチ41がオンの状態において左右のターンシグナルランプ14,15がハザード点滅の状態でない場合、緑色の右側マーカー20及び緑色の左側マーカー30を含む所定のマーカーMKを投写する。また、エリアマーカーランプ1は、マーカースイッチ41がオンの状態において右側のターンシグナルランプ14及び左側のターンシグナルランプ15の両方が点滅する場合、右側マーカー20及び左側マーカー30の両方における色を緑色と異なる橙色にする。つまり、エリアマーカーランプ1は、所定のマーカーMKにおける右側マーカー20及び左側マーカー30の色が橙色とされたマーカーを路面に投写する。
【0074】
このような本実施形態のエリアマーカーランプ1は、第1実施形態と同様にして、車両100の存在を周囲に報知する報知機能を向上させ得る。また、本実施形態のエリアマーカーランプ1は、例えば車両100が異常状態であることを当該車両100の周囲に報知し得る。
【0075】
なお、左右のターンシグナルランプ14,15がハザード点滅する状態における右側マーカー20及び左側マーカー30の両方における色は、左右のターンシグナルランプ14,15がハザード点滅しない状態おける色と異なっていればよく、例えば、赤色であってもよい。
【0076】
また、車両100の存在とともに、車両100が異常状態であることを当該車両100の周囲に報知する観点では、エリアマーカーランプ1は、左右のターンシグナルランプ14,15がハザード点滅する場合、右側マーカー20及び左側マーカー30の両方における色を左右のターンシグナルランプ14,15がハザード点滅しない場合における色と異なる色にしつつ、右側マーカー20及び左側マーカー30の両方を点滅させてもよい。このような構成にすることで、車両100が異常状態であることをより適切に当該車両100の周囲に報知し得る。
【0077】
また、このようにエリアマーカーランプ1が右側マーカー20及び左側マーカー30の両方を点滅させる場合、エリアマーカーランプ1は、右側マーカー20の点滅及び左側マーカー30の点滅をターンシグナルランプ14,15の点滅に同期した点滅にしてもよい。このような構成にすることで、エリアマーカーランプ1は、例えば、左右のターンシグナルランプ14,15のハザード点滅と右側マーカー20及び左側マーカー30の点滅とを同期させることができる。このため、このエリアマーカーランプ1は、車両100の周囲の歩行者等が右側マーカー20及び左側マーカー30の両方の点滅に違和感を覚えることを抑制し得る。
【0078】
なお、本実施形態では、ターンスイッチ42、ブレーキセンサ44、及び加速度センサ45は、制御部COに電気的に接続されていなくてもよい。
【0079】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
【0080】
本実施形態のエリアマーカーランプ1の構成は、第1実施形態のエリアマーカーランプ1の構成と概ね同じである。しかし、本実施形態では、灯具ユニット1a,1b,1c,1dは、マーカー21,22,31,32の色を緑色または赤色にすることができる。また、本実施形態のエリアマーカーランプ1の動作は、第1実施形態のエリアマーカーランプ1の動作と異なる。具体的には、本実施形態のエリアマーカーランプ1は、ブレーキランプ16の状態に応じて投写する所定のマーカーを変化させる。
【0081】
本実施形態の制御部COの制御フローチャートは、第1実施形態における制御部COの制御フローチャートと同じとされる。しかし、本実施形態のステップSP2における制御部COの車両の状態の検出は、第1実施形態における制御部COの車両の状態の検知と異なる。また、本実施形態のステップSP3における制御部COのエリアマーカーランプ1の制御は、第1実施形態の制御部COのエリアマーカーランプ1の制御と異なる。このため、図5を参照して本実施形態のエリアマーカーランプ1の動作について説明する。
【0082】
(ステップSP2)
本実施形態のステップSP2では、制御部COは、ブレーキセンサ44からの信号に基づいて、ブレーキランプ16の状態が点灯の状態であるか、非点灯の状態であるかを検出する。制御部COは、当該制御部COにブレーキセンサ44からブレーキの操作がされたことを示す信号が入力する場合に、ブレーキランプ16の状態が点灯の状態であると検出する。一方、制御部COは、当該制御部COにブレーキセンサ44からブレーキの操作がされたことを示す信号が入力しない場合に、ブレーキランプ16の状態が非点灯の状態であると検出する。また、制御部COは、加速度センサ45からの信号に基づいて、車両100が所定の加速度以上の加速度で減速しているか否かを検出する。制御部COは、負の値である所定の閾値以下である加速度を示す信号が加速度センサ45から制御部COに入力する場合に、車両100が所定の加速度以上の加速度で減速していると検出する。一方、制御部COは、上記の閾値より大きい加速度を示す信号が加速度センサ45から制御部COに入力する場合に、車両100が所定の加速度以上の加速度で減速していないと検出する。そして、制御部COの制御フローはステップSP3に進む。
【0083】
(ステップSP3)
本実施形態のステップSP3では、制御部COは、ステップSP2において検出したブレーキランプ16の状態が非点灯の状態である場合、右側マーカー20及び左側マーカー30の両方が緑色となるように、4つの灯具ユニット1a,1b,1c,1dを制御する。このため、エリアマーカーランプ1は、緑色の右側マーカー20と緑色の左側マーカー30とを含む所定のマーカーMKを路面に投写する。
【0084】
また、制御部COは、ステップSP2において検出したブレーキランプ16の状態が点灯の状態であり、車両100が所定の加速度以上の加速度で減速していない場合、右側マーカー20及び左側マーカー30の両方が赤色となるように、4つの灯具ユニット1a,1b,1c,1dを制御する。このため、エリアマーカーランプ1は、赤色の右側マーカー20と赤色の左側マーカー30とを含むマーカーを路面に投写する。つまり、エリアマーカーランプ1は、所定のマーカーMKにおける右側マーカー20及び左側マーカー30の色が赤色とされたマーカーを路面に投写する。
【0085】
また、制御部COは、ステップSP2において検出したブレーキランプ16の状態が点灯の状態であり、車両100が所定の加速度以上の加速度で減速している場合、右側マーカー20及び左側マーカー30の両方が赤色となるとともに、これら右側マーカー20及び左側マーカー30の両方が点滅するように、4つの灯具ユニット1a,1b,1c,1dを制御する。このため、エリアマーカーランプ1は、赤色の右側マーカー20と赤色の左側マーカー30とを含むマーカーを路面に投写するとともに、右側マーカー20及び左側マーカー30の両方を点滅させる。つまり、エリアマーカーランプ1は、所定のマーカーMKにおける右側マーカー20及び左側マーカー30の色が赤色とされるとともに、右側マーカー20及び左側マーカー30が点滅するマーカーを路面に投写する。そして、制御部COの制御フローはステップSP1に進む。
【0086】
このため、本実施形態のエリアマーカーランプ1は、マーカースイッチ41がオンの状態においてブレーキランプ16が非点灯の場合、緑色の右側マーカー20及び緑色の左側マーカー30を含む所定のマーカーMKを投写する。また、エリアマーカーランプ1は、ブレーキランプ16が点灯するとともに車両100が所定の加速度以上の加速度で減速しない場合、所定のマーカーMKにおける右側マーカー20及び左側マーカー30の両方における色が変更されたマーカーを投写する。また、エリアマーカーランプ1は、ブレーキランプ16が点灯するとともに車両100が所定の加速度以上の加速度で減速する場合、所定のマーカーMKにおける右側マーカー20及び左側マーカー30の両方における色が変更されるとともに右側マーカー20及び左側マーカー30が点滅するマーカーを投写する。
【0087】
このような本実施形態のエリアマーカーランプ1は、第1実施形態と同様にして、車両100の存在を周囲に報知する報知機能を向上させ得る。また、本実施形態のエリアマーカーランプ1は、車両100の減速動作を当該車両100の周囲に報知し得る。また、本実施形態のエリアマーカーランプ1は、車両100の急速な減速動作を当該車両100の周囲に報知し得る。
【0088】
なお、本実施形態では、ターンスイッチ42、及びハザードスイッチ43は、制御部COに電気的に接続されていなくてもよい。
【0089】
また、車両100の存在とともに、車両100の減速動作を当該車両100の周囲に報知する観点では、エリアマーカーランプ1は、ブレーキランプ16が点灯する場合、右側マーカー20及び左側マーカー30の両方における色をブレーキランプ16が非点灯の場合における色と異なる色にすればよい。このため、例えば、エリアマーカーランプ1は、ブレーキランプ16が点灯する場合、右側マーカー20及び左側マーカー30の両方における色を緑色と異なる白色にしてもよい。また、エリアマーカーランプ1は、車両100の減速時の加速度に応じて右側マーカー20及び左側マーカー30の両方を点滅させなくてもよい。この場合、加速度センサ45は制御部COに電気的に接続されていなくてもよい。なお、車両100の減速動作を当該車両100の周囲に報知する観点では、エリアマーカーランプ1は、車両100の減速時の加速度に関係なく、ブレーキランプ16が点灯する場合に右側マーカー20及び左側マーカー30の両方を点滅させてもよい。
【0090】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
【0091】
図6は、本実施形態におけるエリアマーカーランプを備える車両を図2と同様の方法で示す図である。なお、図6には、本実施形態のエリアマーカーランプ1によって投写されるマーカーが記載されている。図6に示すように、本実施形態のエリアマーカーランプ1は、2つの灯具ユニット1e,1fを更に備える点において、第1実施形態のエリアマーカーランプ1と異なる。灯具ユニット1eは車体10の右側に配置され、灯具ユニット1fは車体10の左側に配置される。灯具ユニット1eは、4つの灯具ユニット1a,1b,1c,1dによって路面に投写される所定のマーカーMKと異なる特定のマーカー50を車両100より右側における路面に投写する。灯具ユニット1fは、4つの灯具ユニット1a,1b,1c,1dによって路面に投写される所定のマーカーMKと異なる特定のマーカー60を車両100より左側における路面に投写する。
【0092】
本実施形態の特定のマーカー50は、右側マーカー20より車両100側と反対側の領域に投写され、特定のマーカー50の色は橙色とされる。特定のマーカー50は、第1マーカー51、第2マーカー52、及び第3マーカー53からなり、これらマーカー51,52,53は右側マーカー20より右側に位置している。これらマーカー51,52,53は、車両100から遠ざかる方向に並列されている。具体的には、これらマーカー51,52,53は、車両100から右斜め前方に向かって並列されている。第1マーカー51は最も車両100の近くに位置し、第3マーカー53は最も車両100から遠くに位置し、第2マーカー52は第1マーカー51と第3マーカー53との間に位置している。また、これらマーカー51,52,53のそれぞれの形状は、並列方向に長尺な概ね長方形とされており、これらマーカー51,52,53は、互いに離隔している。一方、本実施形態の特定のマーカー60は、左側マーカー30より車両100側と反対側の領域に投写され、特定のマーカー60の色は橙色とされる。また、特定のマーカー60は、上記の特定のマーカー50と左右方向に対称な形状とされている。
【0093】
つまり、灯具ユニット1e,1fは、このような特定のマーカー50,60を投写できるように構成される。これら灯具ユニット1e,1fの構成は特に限定されるものではない。これら灯具ユニット1e,1fとして、例えば、灯具ユニット1a,1b,1c,1dと同様に、プロジェクタ、光源と光源から出射する光の一部を遮るシェードとレンズとを有する光出射部を備える灯具ユニット等が挙げられる。
【0094】
次に、本実施形態のエリアマーカーランプ1の動作について説明する。具体的には、左右のターンシグナルランプ14,15の点滅に応じて投写するマーカーを変化させる動作について説明する。
【0095】
本実施形態の制御部COの制御フローチャートは、第1実施形態における制御部COの制御フローチャートと同じとされる。しかし、本実施形態のステップSP3における制御部COのエリアマーカーランプ1の制御は、第1実施形態の制御部COのエリアマーカーランプ1の制御と異なる。このため、図5を参照して本実施形態のエリアマーカーランプ1の動作について説明する。
【0096】
(ステップSP3)
本実施形態のステップSP3では、制御部COは、ステップSP2において検出した左右のターンシグナルランプ14,15の状態が非点灯の状態である場合、右側マーカー20及び左側マーカー30の両方が緑色となるように、4つの灯具ユニット1a,1b,1c,1dを制御する。また、制御部COは、2つの灯具ユニット1e,1fを制御して、灯具ユニット1e,1fからの光の出射を非出射とする。このため、エリアマーカーランプ1は、緑色の右側マーカー20と緑色の左側マーカー30とを含む所定のマーカーMKを路面に投写する。
【0097】
また、制御部COは、ステップSP2において検出した左右のターンシグナルランプ14,15の状態が左側のターンシグナルランプ15が点滅する状態である場合、右側マーカー20及び左側マーカー30の両方が緑色となるように、4つの灯具ユニット1a,1b,1c,1dを制御する。また、制御部COは、橙色の特定のマーカー60が路面に投写されるように、灯具ユニット1fを制御する。また、制御部COは、灯具ユニット1eを制御して、灯具ユニット1eからの光の出射を非出射とする。このため、エリアマーカーランプ1は、緑色の右側マーカー20と緑色の左側マーカー30とを含む所定のマーカーMK、及び橙色の特定のマーカー60を路面に投写する。
【0098】
また、制御部COは、ステップSP2において検出した左右のターンシグナルランプ14,15の状態が右側のターンシグナルランプ14が点滅する状態である場合、右側マーカー20及び左側マーカー30の両方が緑色となるように、4つの灯具ユニット1a,1b,1c,1dを制御する。また、制御部COは、橙色の特定のマーカー50が路面に投写されるように、灯具ユニット1eを制御する。また、制御部COは、灯具ユニット1fを制御して、灯具ユニット1fからの光の出射を非出射とする。このため、エリアマーカーランプ1は、緑色の右側マーカー20と緑色の左側マーカー30とを含む所定のマーカーMK、及び橙色の特定のマーカー50を路面に投写する。そして、制御部COの制御フローはステップSP1に進む。
【0099】
このため、本実施形態のエリアマーカーランプ1は、左右のターンシグナルランプ14,15が非点灯の場合、緑色の右側マーカー20と緑色の左側マーカー30とを含む所定のマーカーMKのみを投写する。また、エリアマーカーランプ1は、右側のターンシグナルランプ14が点滅する場合、車両100より右側における路面に所定のマーカーMKと異なる特定のマーカー50を更に投写する。また、エリアマーカーランプ1は、左側のターンシグナルランプ15が点滅する場合、車両100より左側における路面に所定のマーカーMKと異なる特定のマーカー60を更に投写する。
【0100】
このような本実施形態のエリアマーカーランプ1は、第1実施形態と同様にして、車両100の存在を周囲に報知する報知機能を向上させ得る。また、本実施形態のエリアマーカーランプ1は、特定のマーカー50,60によって、車両100の右左折等の動作を当該車両100の周囲に報知し得る。
【0101】
なお、灯具ユニット1eが投写する特定のマーカー50は車両100より右側に位置していればよく、灯具ユニット1fが投写する特定のマーカー60は車両100より左側に位置していればよい。例えば、特定のマーカー50,60におけるマーカー51,52,53は、互いに重なっていてもよく、これらマーカー51,52,53の形状や大きさは、互いに異なっていてもよい。また、これらマーカー51,52,53の大きさは、車両100から遠ざかるマーカーほど小さくされてもよい。また、特定のマーカー50,60を構成するこれらマーカー51,52,53の数は特に限定されない。また、特定のマーカー50,60は、右側マーカー20と左側マーカー30とを含む所定のマーカーMKと重なっていてもよい。また、エリアマーカーランプ1は、右側のターンシグナルランプ14が点滅する場合、右側に位置する特定のマーカー50を投写しつつ右側マーカー20を消し、左側のターンシグナルランプ15が点滅する場合、左側に位置する特定のマーカー60を投写しつつ左側マーカー30を消してもよい。このような構成にすることで、特定のマーカー50,60を目立たせ得る。なお、この場合に特定のマーカー50,60を目立たせ易くする観点では、特定のマーカー50,60が投写される領域はマーカーMKと重なっていないことが好ましい。
【0102】
また、車両100の存在とともに、車両100の右左折等の動作を当該車両100の周囲に報知する観点では、エリアマーカーランプ1は、上記のように投写する特定のマーカー50,60を点滅させてもよい。このような構成にすることで、エリアマーカーランプ1は、車両100の右左折等の動作を当該車両100の周囲により適切に報知し得る。また、特定のマーカー50,60を点滅させる場合、エリアマーカーランプ1は、特定のマーカー50,60の点滅をターンシグナルランプ14,15の点滅に同期した点滅にしてもよい。このような構成にすることで、エリアマーカーランプ1は、例えば、右側のターンシグナルランプ14の点滅と特定のマーカー50の点滅とを同期させ、左側のターンシグナルランプ15の点滅と特定のマーカー60の点滅とを同期させることができる。このため、このエリアマーカーランプ1では、車両100の周囲の歩行者等が特定のマーカー50,60の点滅に違和感を覚えることを抑制し得る。また、エリアマーカーランプ1は、このように特定のマーカー50,60を点滅させる場合、点滅するマーカー50,60側のマーカー20,30を消してもよい。具体的には、エリアマーカーランプ1は、特定のマーカー50を点滅させる場合、右側マーカー20を消し、特定のマーカー60を点滅させる場合、左側マーカー30を消してもよい。このような構成にすることで、特定のマーカー50,60を目立たせ得る。なお、この場合に特定のマーカー50,60を目立たせ易くする観点では、特定のマーカー50,60が投写される領域はマーカーMKと重なっていないことが好ましい。
【0103】
また、車両100の存在とともに、車両100の右左折等の動作を当該車両100の周囲に報知する観点では、エリアマーカーランプ1は、上記のように投写する特定のマーカー50,60が車両100から遠ざかる方向に光が流れるように見えるようなマーカーとなるように投写してもよい。具体的には、エリアマーカーランプ1は、特定のマーカー50,60におけるマーカー51,52,53をこれらマーカー51,52,53の並び順に投写する。つまり、エリアマーカーランプ1は、第1マーカー51、第2マーカー52、第3マーカー53の順に投写する。このような構成にすることで、エリアマーカーランプ1は、車両100の右左折等の動作を当該車両100の周囲により適切に報知し得る。
【0104】
また、エリアマーカーランプ1は、第1実施形態と同様に、左右のターンシグナルランプ14,15の状態の変化に応じて、所定のマーカーMKを変化させてもよい。例えば、エリアマーカーランプ1は、右側のターンシグナルランプ14が点滅する場合、右側マーカー20の色を左右のターンシグナルランプ14,15が非点灯の場合における色と異なる色に変化させてもよい。また、エリアマーカーランプ1は、左側のターンシグナルランプ15が点滅する場合、左側マーカー30の色を左右のターンシグナルランプ14,15が非点灯の場合における色と異なる色に変化させてもよい。また、エリアマーカーランプ1は、右側のターンシグナルランプ14または左側のターンシグナルランプ15が点滅する場合、右側マーカー20及び左側マーカー30の両方の色を左右のターンシグナルランプ14,15が非点灯の場合における色と異なる色に変化させてもよい。また、エリアマーカーランプ1は、右側のターンシグナルランプ14が点滅する場合、右側マーカー20を点滅させ、左側のターンシグナルランプ15が点滅する場合、左側マーカー30を点滅させてもよい。
【0105】
以上、本発明について、上記実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0106】
例えば、上記実施形態では、自動二輪車に備えられるエリアマーカーランプ1を例に説明した。しかし、エリアマーカーランプは、車体を傾けることで旋回走行可能な車両に備えられればよく、例えば、自動三輪車に備えられてもよい。また、エリアマーカーランプ1が備える灯具ユニット1a,1b,1c,1d,1e,1fの配置や数は、特に限定されるものではない。
【0107】
また、上記実施形態では、右側マーカー20と左側マーカー30とからなる所定のマーカーMKを例に説明した。しかし、所定のマーカーMKは、少なくとも一部が車両100の右側方に位置する所定の色の右側マーカー20と、少なくとも一部が車両100の左側方に位置する所定の色の左側マーカー30とを含めばよい。例えば、所定のマーカーMKは、右側マーカー20及び左側マーカー30とともに、車両100の前方に位置する前側マーカーや車両100の後方に位置する後側マーカー等を含んでいてもよい。また、車両100を上方から平面視する場合に、所定のマーカーMKと車両100とが重なっていてもよく、所定のマーカーMKと車両100とが重なっていなくてもよい。
【0108】
また、所定のマーカーMKは、図7に示されるようなマーカーであってもよい。図7は、変形例に係る所定のマーカーを図3と同様の方法で示す図である。図7示す所定のマーカーMKは、車両100を上方から平面視する場合に車両100における車体10の全周を囲っている点が、図3に示す所定のマーカーMKと異なる。具体的には、本変形例における所定のマーカーMKでは、右側マーカー20の第1マーカー21と第2マーカー22とが接続され、左側マーカー30の第1マーカー31と第2マーカー32とが接続されている。また、右側マーカー20の第1マーカー21と左側マーカー30の第1マーカー31とが車両100の前方において接続され、右側マーカー20の第2マーカー22と左側マーカー30の第2マーカー32とが車両100の後方において接続されている。つまり、右側マーカー20と左側マーカー30とが車両100の前方及び後方のそれぞれにおいて接続されていると理解できる。そして、本変形例における所定のマーカーMKは、車両100を上方から平面視する場合に車両100の全周を囲う。このため、所定のマーカーMKが車両100の全周を囲っていない場合と比べて、車両100の存在を周囲に報知する報知機能をより向上させ得る。なお、これらマーカー21,22,31,32は互いに重なっていてもよい。
【0109】
本発明によれば、車両の存在を周囲に報知する報知機能を向上させ得るエリアマーカーランプが提供され、自動二輪車等の車体を傾けることで旋回走行可能な車両などの分野において利用可能である。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7