(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】受動超音波センサの相対位置の判定
(51)【国際特許分類】
A61B 8/14 20060101AFI20240621BHJP
【FI】
A61B8/14
(21)【出願番号】P 2021570305
(86)(22)【出願日】2020-05-29
(86)【国際出願番号】 EP2020065009
(87)【国際公開番号】W WO2020239991
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-05-26
(32)【優先日】2019-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2019-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】バーラト シャム
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイジャ クナル
(72)【発明者】
【氏名】エレカンプ ラモン クィド
(72)【発明者】
【氏名】ジャイン アーミート クマー
【審査官】蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/194314(WO,A1)
【文献】特表2017-520346(JP,A)
【文献】特開2008-212680(JP,A)
【文献】国際公開第2018/149671(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0279996(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00-8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波撮像プローブからの撮像面に対する受動超音波センサの面外運動を識別するためのコントローラであって、
命令を記憶する記憶装置及び前記命令を実行するプロセッサを備える前記コントローラにおいて、
前記プロセッサが前記命令を実行するとき、前記コントローラを含むシステムが、
前記超音波撮像プローブに固定された位置及び配向のセンサから、第1の時点と第2の時点との間の前記超音波撮像プローブの運動の測定値を取得することと、
前記第1の時点及び前記第2の時点において前記受動超音波センサによって前記超音波撮像プローブからのビームの放射に基づいて受け取られた信号の強度を、取得することと、
前記運動の測定値及び前記信号の強度の測定値に基づいて、
前記第2の時点における前記受動超音波センサから前記撮像面への指向性及び距離を判定することと
を含む処理を実施する、コントローラ。
【請求項2】
前記判定することが、
前記受動超音波センサによって受け取られた前記信号の強度の、前記第1の時点と前記第2の時点との間の変化を識別することと、
前記位置及び配向のセンサの、前記受動超音波センサを通る固定軸に対する回転を識別することと、
前記信号の強度の変化並びに前記位置及び配向のセンサの回転に基づいて、前記受動超音波センサが、前記撮像面の第1の側にあるのか、それとも前記第1の側とは反対の第2の側にあるのかを判定することと
をさらに含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項3】
前記判定することが、
前記位置及び配向のセンサの、前記受動超音波センサを通る固定軸に対する回転を識別することと、
前記受動超音波センサと前記超音波撮像プローブとの間の距離を識別することと、
前記位置及び配向のセンサの、前記固定軸に対する回転、及び前記受動超音波センサと前記超音波撮像プローブとの間の距離に基づいて、前記撮像面から前記受動超音波センサまでの距離の変化を計算することと
をさらに含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項4】
前記第1の時点及び前記第2の時点において、前記撮像面からの前記受動超音波センサの前記距離が、前記撮像面と、前記撮像面に対して垂直なラインに沿った前記受動超音波センサの前記固定軸上の固定点との間の距離から判定される、請求項3に記載のコントローラ。
【請求項5】
前記受動超音波センサが介入医療デバイスに固定されており、前記システムによって実施される前記処理が、前記介入医療デバイスの対象物とともに表示するための前記受動超音波センサの位置を与えることをさらに含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項6】
前記位置及び配向のセンサが、前記超音波撮像プローブの3次元並進運動を測定する加速度計と、前記超音波撮像プローブの3次元回転運動を測定するジャイロスコープとを備える、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項7】
前記システムによって実施される前記処理が、
前記信号の強度の変化並びに前記超音波撮像プローブの前記運動の測定値に基づいて、前記受動超音波センサが、前記撮像面の第1の側にあるのか、それとも前記第1の側とは反対の第2の側にあるのかを判定することと、
前記受動超音波センサが前記撮像面を前記第1の側から前記第2の側へ通過するときを判定することと
をさらに含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項8】
前記コントローラによって実施される前記処理が、
表示される前記受動超音波センサの表現を、前記受動超音波センサが前記撮像面の前記第1の側にあるのかそれとも前記第2の側にあるのかということに基づいて変化させるように制御することをさらに含む、請求項7に記載のコントローラ。
【請求項9】
前記コントローラによって実施される前記処理が、
前記超音波撮像プローブによって取り込まれた複数の個々のフレームに基づいて、前記受動超音波センサのまわりの3次元ボリュームを再構成することと、
前記信号の強度と、前記複数の個々のフレームの各々に対応する前記運動の測定値とに基づいて、前記複数の個々のフレームの各々
における前記受動超音波センサから前記撮像面への指向性及び距離を
判定することと
をさらに含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項10】
コンピュータプログラムを記憶する有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行するとき、前記有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含むシステムが、超音波撮像プローブからの撮像面に対する受動超音波センサの面外運動を識別するための処理を行い、前記プロセッサが前記有形の非一時的にコンピュータ可読記憶媒体からの前記コンピュータプログラムを実行するときに行われる前記処理が、
前記超音波撮像プローブに固定された位置及び配向のセンサから、第1の時点と第2の時点との間の前記超音波撮像プローブの運動の測定値を取得することと、
前記第1の時点及び前記第2の時点において前記受動超音波センサによって前記超音波撮像プローブからのビームの放射に基づいて受け取られた信号の強度を、取得することと、
前記運動の測定値及び前記信号の強度の測定値に基づいて、
前記第2の時点における前記受動超音波センサから前記撮像面への指向性及び距離を判定することと
を含む、有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
前記判定することが、
前記受動超音波センサによって受け取られた前記信号の強度の、前記第1の時点と前記第2の時点との間の変化を識別することと、
前記位置及び配向のセンサの、前記受動超音波センサを通る固定軸に対する回転を識別することと、
前記信号の強度の変化並びに前記位置及び配向のセンサの回転に基づいて、前記受動超音波センサが、前記撮像面の第1の側にあるのか、それとも前記第1の側とは反対の第2の側にあるのかを判定することと
をさらに含む、請求項10に記載の有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
前記判定することが、
前記位置及び配向のセンサの、前記受動超音波センサを通る固定軸に対する回転を識別することと、
前記受動超音波センサと前記超音波撮像プローブとの間の距離を識別することと、
前記位置及び配向のセンサの、前記固定軸に対する回転、及び前記受動超音波センサと前記超音波撮像プローブとの間の前記距離に基づいて、前記撮像面から前記受動超音波センサまでの距離の変化を計算することと
をさらに含む、請求項10に記載の有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項13】
前記撮像面からの前記受動超音波センサの前記距離が、前記第1の時点及び前記第2の時点における、前記受動超音波センサを通る前記固定軸上の固定点から、前記撮像面と、前記固定点からの前記固定軸に対して垂直なラインとの間の交点までの距離から判定される、請求項12に記載の有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項14】
前記受動超音波センサが介入医療デバイスに固定されており、
前記システムによって実施される前記処理が、前記介入医療デバイスの対象物とともに表示するための前記受動超音波センサの位置を与えることをさらに含む、請求項10に記載の有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
前記位置及び配向のセンサが、前記超音波撮像プローブの3次元並進運動を測定する加速度計と、前記超音波撮像プローブの3次元回転運動を測定するジャイロスコープとを備える、請求項10に記載の有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
前記システムによって実施される前記処理が、
前記信号の強度の変化並びに前記超音波撮像プローブの前記運動の測定値に基づいて、前記受動超音波センサが、前記撮像面の第1の側にあるのか、それとも前記第1の側とは反対の第2の側にあるのかを判定することと、
前記受動超音波センサが前記撮像面を前記第1の側から前記第2の側へ通過するときを判定することと
をさらに含む、請求項10に記載の有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
前記システムによって実施される前記処理が、
表示される前記受動超音波センサの表現を、前記受動超音波センサが前記撮像面の前記第1の側にあるのか、それとも前記第2の側にあるのかということに基づいて変化させるように制御することをさらに含む、請求項16に記載の有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
超音波撮像プローブからの撮像面に対する受動超音波センサの面外運動を識別するためのシステムであって、
医療介入中にビームを放射する超音波撮像プローブと、
前記超音波撮像プローブに固定された位置及び配向のセンサと、
前記医療介入中は介入医療デバイスに固定されている受動超音波センサと、
命令を記憶する記憶装置及び命令を実行するプロセッサを備えるコントローラとを備える前記システムにおいて、前記プロセッサが前記命令を実行するとき、前記システムが、
前記位置及び配向のセンサから、第1の時点と第2の時点との間の前記超音波撮像プローブの運動の測定値を取得することと、
前記第1の時点及び前記第2の時点において前記受動超音波センサによって前記超音波撮像プローブからのビームの放射に基づいて受け取られた信号の強度を、取得することと、
前記運動の測定値及び前記信号の強度の測定値に基づいて、
前記第2の時点における前記受動超音波センサから前記撮像面への指向性及び距離を判定することと
を含む処理を実施する、システム。
【請求項19】
前記判定することが、
前記受動超音波センサによって受け取られた前記信号の強度の、前記第1の時点と前記第2の時点との間の変化を識別することと、
前記位置及び配向のセンサの、前記受動超音波センサを通る固定軸に対する回転を識別することと、
前記信号の強度の前記変化並びに前記位置及び配向のセンサの回転に基づいて、前記受動超音波センサが、前記撮像面の第1の側にあるのか、それとも前記第1の側とは反対の第2の側にあるのかを判定することと
をさらに含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記判定することが、
前記位置及び配向のセンサの、前記受動超音波センサを通る固定軸に対する回転を識別することと、
前記受動超音波センサと前記超音波撮像プローブとの間の距離を識別することと、
前記位置及び配向のセンサの、前記固定軸に対する回転、及び前記受動超音波センサと前記超音波撮像プローブとの間の前記距離に基づいて、前記撮像面から前記受動超音波センサまでの距離の変化を計算することと
をさらに含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
超音波撮像プローブからの撮像面に対する受動超音波センサの面外運動を識別するための方法であって、
前記超音波撮像プローブに固定された位置及び配向のセンサから、第1の時点と第2の時点との間の前記超音波撮像プローブの運動の測定値を取得するステップと、
前記第1の時点及び前記第2の時点において前記受動超音波センサによって前記超音波撮像プローブからのビームの放射に基づいて受け取られた信号の強度を、取得するステップと、
前記運動の測定値及び前記信号の強度の測定値に基づいて、
前記第2の時点における前記受動超音波センサから前記撮像面への指向性及び距離を判定するステップと
を有する方法。
【請求項22】
プロセッサによって実行されたとき、有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含むシステム又はコントローラに、超音波撮像プローブからの撮像面に対する受動超音波センサの面外運動を識別するための処理を行わせるコンピュータプログラムにおいて、前記プロセッサが前記有形の非一時的にコンピュータ可読記憶媒体からの前記コンピュータプログラムを実行するときに行われる前記処理が、
前記超音波撮像プローブに固定された位置及び配向のセンサから、第1の時点と第2の時点との間の前記超音波撮像プローブの運動の測定値を取得することと、
前記第1の時点及び前記第2の時点において前記受動超音波センサによって前記超音波撮像プローブからのビームの放射に基づいて受け取られた信号の強度を、取得することと、
前記運動の測定値及び前記信号の強度の測定値に基づいて、
前記第2の時点における前記受動超音波センサから前記撮像面への指向性及び距離を判定することと
を含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
超音波追跡技術は、超音波プローブからの撮像ビームが視野を掃引するとき受動超音波センサ(例えばPZT、PVDF、共重合体又は他の圧電材料)が受け取った信号を解析することにより、診断用超音波のBモード画像の視野(FOV)における受動超音波センサの位置を推定するものである。受動超音波センサは、介入医療デバイスの位置を判定するために使用される音圧センサである。飛行時間測定により、超音波プローブの撮像アレイから受動超音波センサの軸方向距離/半径方向距離が得られ、直接ビーム発射シーケンスの振幅測定及び知見により、受動超音波センサの水平位置/角度位置が得られる。
【背景技術】
【0002】
図1は、受動超音波センサを使用して介入医療デバイスを追跡するための既知のシステムを図示するものである。
図1の既知のシステムは、追跡される測定器の、超音波を使用するインテリジェント感知を表す、「Insitu」という名称で知られている。
図1において、超音波プローブ102が放射する撮像ビーム103が、介入医療デバイス105の先端の受動超音波センサ104を横切って掃引する。超音波プローブ102によって組織107の画像がフィードバックされる。介入医療デバイス105の先端の受動超音波センサ104の位置は、信号処理アルゴリズムによって判定されたとき、先端位置108としてもたらされる。先端位置108は、組織107の画像上に、重ね合わせ画像109として置かれる。組織の画像107、先端位置108、及びオーバレイ画像109のすべてが、ディスプレイ100に表示される。
【0003】
現在、受動超音波センサ104の応答は、超音波(US)撮像面のまわりで対称であり、したがって、介入医療デバイス105が撮像面のどちら側にあるのか判定することができない。すなわち、受動超音波センサ104が超音波撮像面の第1の側にあっても反対の第2の側にあっても、受動超音波センサ104から読み取る電圧は等しい。分離すると、受動超音波センサ104の応答としての電圧測定値は十分な情報が得られない。その上、
図1の既知のシステムは、超音波プローブ102の撮像面から受動超音波センサ104までの面外(OOP)距離の量的指示が得られない。ある特定の用途にとって面外距離は重要である。
【0004】
図1の既知のシステムは、信号電圧だけでは、並進運動(空間における2つのポイントの間の動き)と回転運動(軸のまわりの動き)とを識別することができず、混乱をもたらす。面外の回転と並進とは、その代わりに、複数の他の既存の方法による測定によって相対的な(非絶対的な)やり方で推定される。例えば、超音波プローブに電磁追跡センサ又は光学追跡センサを取り付ければ、プローブの絶対的な並進と回転とを正確に測定することができる。同様に、超音波プローブの姿勢を判定するために、超音波プローブに慣性運動ユニット(IMU)センサが組み込まれる。慣性運動ユニットセンサの測定は、電磁追跡センサや光学追跡センサと違って相対的であり、すなわち、慣性運動ユニットの測定は、絶対プローブ姿勢を測定するのではなくフレームと次のフレームの姿勢における相対変化をもたらし、これが、絶対姿勢を間接的に推定するために使用される。この手法には、ドリフト及び誤差の増分の蓄積のために姿勢推定が不正確になるという短所がある。これは、主として、位置を導出するために加速度測定の2重積分が必要とされ、加速度の微小な誤差により、時間とともに位置測定の誤差が累積するためである。プローブの並進及び回転を測定するためのさらに別の方法には、超音波画像自体における特徴を利用するものがある。面内運動は、一般的には、画像強度を直接追跡することによって画像情報から直接計算され得る。面外運動は、一般的には、画像フレーム間の音響スペックルの特徴の非相関を観測することによって推定され、非相関の増加が面外運動の増加に相当する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
重要な主要部は、超音波振動子の姿勢を推定して3次元ボリュームの再構成を可能にするために、センサ(電磁センサ、光センサ、及び/又はIMU)ベースの追跡と画像ベースの方法とを組み合わせる方法に重点を置いている。特に、追跡センサが絶対測定ではなく、(IMU追跡の場合と同様に)相対的な推定をもたらす場合の、既存の手法に伴う基本的な技術的課題は、関心のある3次元ボリュームの中に信頼できる基準マーカがないことである。基準マーカがないと、センサに基づく相対的な推定と画像ベースの推定との両方が不確実且つ誤りがちであり、そのため、それらを組み合わせた結果は同様に不確実且つ誤りがちである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、超音波ボリュームの中の基準マーカが、ボリューム再構成処理における制限として働き得、ボリューム再構成の精度を改善することを認識した。
【0007】
反対に、超音波ボリュームの中の基準マーカが絶対的なものではなく(
図1の既知のシステムの場合のように)相対的なものであるときには、超音波プローブの運動の推定及び超音波ボリュームの再構成が、超音波プローブ102の撮像面から受動超音波センサ104までの面外(OOP)距離の量的指示をもたらし得る。同様に、超音波プローブの運動及びボリュームの再構成は、介入医療デバイス105が撮像面のどちら側にあるかを判定するために使用され得る。
【0008】
本開示の一態様によれば、超音波撮像プローブからの撮像面に対する受動超音波センサの面外運動を識別するためのコントローラは、記憶装置及びプロセッサを含む。記憶装置は命令を記憶している。プロセッサは命令を実行する。プロセッサが命令を実行するとき、コントローラを含むシステムが、超音波撮像プローブに固定された位置及び配向のセンサから、第1の時点と第2の時点との間の超音波撮像プローブの運動の測定値を取得するステップを有する処理を実施する。プロセッサが命令を実行するとき実施される処理は、受動超音波センサが超音波撮像プローブからのビームの放射に基づいて第1の時点及び第2の時点において受け取った信号の強度を、取得するステップも有する。プロセッサが命令を実行するとき実施される処理は、運動の測定値及び信号の強度に基づいて、受動超音波センサの、撮像面からの距離及び撮像面に対する指向性を判定するステップをさらに有する。
【0009】
本開示の別の態様によれば、有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体がコンピュータプログラムを記憶する。プロセッサがコンピュータプログラムを実行するとき、有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含むシステムが、超音波撮像プローブからの撮像面に対する受動超音波センサの面外運動を識別するための処理を行う。プロセッサが有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体からのコンピュータプログラムを実行するとき行われる処理は、超音波撮像プローブに固定された位置及び配向のセンサから、超音波撮像プローブの第1の時点と第2の時点との間の運動の測定値を取得するステップを有する。プロセッサが有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体からのコンピュータプログラムを実行するとき行われる処理は、受動超音波センサが超音波撮像プローブからのビームの放射に基づいて第1の時点及び第2の時点において受け取った信号の強度を、取得するステップを有する。プロセッサが有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体からのコンピュータプログラムを実行するとき行われる処理は、運動の測定値及び信号の強度に基づいて、受動超音波センサの、撮像面からの距離及び撮像面に対する指向性を判定するステップをさらに有する。
【0010】
本開示の別の態様によれば、超音波撮像プローブからの撮像面に対する受動超音波センサの面外運動を識別するためのシステムは、超音波撮像プローブと、位置及び配向のセンサと、受動超音波センサと、コントローラとを含む。超音波撮像プローブは、医療介入中にビームを放射する。超音波撮像プローブには位置及び配向のセンサが固定されている。受動超音波センサは、医療介入中は介入医療デバイスに固定されている。コントローラは、命令を記憶する記憶装置及び命令を実行するプロセッサを含む。プロセッサが命令を実行するとき、システムが、超音波撮像プローブに固定された位置及び配向のセンサから、第1の時点と第2の時点との間の超音波撮像プローブの運動の測定値を取得するステップを有する処理を実施する。プロセッサが命令を実行するとき実施される処理は、受動超音波センサが超音波撮像プローブからのビームの放射に基づいて第1の時点及び第2の時点において受け取った信号の強度を、取得するステップも有する。プロセッサが命令を実行するとき実施される処理は、運動の測定値及び信号の強度に基づいて、受動超音波センサの、撮像面からの距離及び撮像面に対する指向性を判定するステップをさらに有する。
【0011】
本明細書で定義される特許請求の範囲が提供する方法には、追加の基準マーカが組み込まれない状況に関して、慣性測定ユニット(IMU)+画像ベースプローブの運動予測の精度が向上し、精度が失われない(匹敵する)か、さらには向上する一方で、絶対的な追跡センサを使用するのと比較してコストが低減される、といった利点がある。
【0012】
例示の実施形態は、以下の詳細な説明を添付図面とともに読み取ることにより、最もよく理解される。様々な特徴は必ずしも原寸に比例するものではないことが、強調される。実際には、議論を明瞭するために、寸法は便宜的に増減される。適用可能且つ実際的であるときは常に、類似の参照数字は類似の要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】受動超音波センサを使用して介入医療デバイスを追跡するための既知のシステムの図である。
【
図2A】代表的な実施形態による、受動超音波センサの相対位置を判定するためのシステムの図である。
【
図2B】代表的な実施形態による、受動超音波センサの相対位置を判定するための処理の図である。
【
図3】代表的な実施形態による、受動超音波センサの相対位置を判定するための別のシステムの図である。
【
図4】代表的な実施形態による、受動超音波センサの相対位置を判定するための、様々な結果を伴う幾何学的構成の図である。
【
図5】代表的な実施形態による、受動超音波センサの相対位置を判定するための別の処理の図である。
【
図6A】代表的な実施形態による、受動超音波センサの相対位置を判定する際に3次元プローブの姿勢を取得するための入力データの図である。
【
図6B】代表的な実施形態による、受動超音波センサの相対位置を判定する際に3次元プローブの姿勢を取得するための同時最適化用の入力及び出力の図である。
【
図7】代表的な実施形態による、受動超音波センサの相対位置を判定するための別の処理の図である。
【
図8】代表的な実施形態による、受動超音波センサの相対位置を判定するための別の処理の図である。
【
図9】代表的な実施形態による、受動超音波センサの相対位置を判定するための別の処理の図である。
【
図10】代表的な実施形態による、受動超音波センサの相対位置を判定するための別の処理の図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の詳細な説明では、限定ではなく説明の目的で、特定の詳細を開示する代表的な実施形態が、本教示による実施形態の十分な理解を提供するために説明される。既知のシステム、デバイス、材料、操作方法及び生産方法の説明は、代表的な実施形態の説明を不明瞭にしないように省略される。それにもかかわらず、当業者の理解の範囲内にあるシステム、デバイス、材料及び方法は、本教示の範囲内にあり、代表的な実施形態によって使用される。本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定するようには意図されていないことを理解されたい。定義された用語は、本教示の技術分野で受け入れられている、普通に理解されるような定義された用語の技術的且つ科学的な意味に加えられる。
【0015】
本明細書では様々な要素又は構成要素を説明するために第1、第2、第3などの用語が使用されるが、これらの要素又は構成要素をこれらの用語によって限定するべきではないことが理解されよう。これらの用語は、ある要素又は構成要素から別の要素又は構成要素を区別するためにのみ使用される。したがって、以下で論じられる第1の要素又は構成要素は、発明概念の教示から逸脱することなく、第2の要素又は構成要素と称され得る。
【0016】
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定するようには意図されていない。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される、単数形は、コンテキストが明らかに違った風に指示しなければ、単数形と複数形の両方を含むように意図される。加えて、「備える」及び/又は「備えている」という用語及び/又は類似の用語は、本明細書で使用されたとき、明示された特徴、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ又は複数の他の特徴、要素、構成要素、及び/又はそのグループの存在又は追加を排除するものではない。本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つ又は複数のあらゆる組合せを含む。
【0017】
他に断らない限り、要素又は構成要素は、別の要素又は構成要素に「接続されている」、「結合されている」、又は「隣接する」と言われるときには、他方の要素又は構成要素に直接、接続若しくは結合され得、又は要素若しくは構成要素が介在するものと理解されよう。すなわち、これら及び類似の用語は、2つの要素又は構成要素を接続するために1つ又は複数の中間要素又は構成要素が採用される場合を包含する。しかしながら、要素又は構成要素が別の要素又は構成要素に「直接接続されている」と言われるときには、包含するのは、2つの要素又は構成要素が、中間の、又は介在する、要素又は構成要素なしで互いに接続されている場合のみである。
【0018】
上記のことに鑑みて、本開示は、様々な態様、実施形態及び/又は特定の特徴若しくはサブ構成要素のうちの1つ又は複数によって、以下で具体的に言及されるような利点のうちの1つ又は複数を明らかにするように意図されている。限定ではなく説明の目的で、特定の詳細を開示する例示の実施形態が、本教示による実施形態の十分な理解を提供するために明記される。しかしながら、本明細書で開示された特定の詳細から離れる、本開示と矛盾しない他の実施形態も、添付の特許請求の範囲の範囲内にとどまる。その上、よく知られている装置及び方法の説明は、例示の実施形態の説明を不明瞭にしないように省略される。そのような方法及び装置は本開示の範囲内にある。
【0019】
本明細書で説明されたように、受動超音波センサの電圧測定を、センサベース及び/又は画像ベースの測定と組み合わせると、面外距離及び指向性の定量的測定が、信頼できるやり方で可能になる。介入医療デバイスの位置に対応する位置情報は、受動超音波センサの位置から、又は電磁測定若しくは画像解析などの代替方法によって導出される。この位置は、静止したままであるという想定を伴って、センサベース及び/又は画像ベースの測定値をこの位置のまわりに制限する高精度基準マーカとして使用される。本明細書の教示の拡張では、3次元ボリュームは、この位置のまわりに再構成される。
【0020】
図2Aは、代表的な実施形態による、受動超音波センサの相対位置を判定するためのシステムを図示するものである。
【0021】
図2Aにおいて、システム200は、介入医療デバイス205、超音波撮像プローブ210、慣性運動ユニット212(IMUセンサ)、コントローラ250、及び受動超音波センサS1を含む。本明細書の実施形態は、大部分が、超音波撮像プローブ210の視野の範囲内に静止して配置された受動超音波センサS1及び超音波撮像プローブ210に固定された慣性運動ユニット212のセンサの使用を説明するものであるが、例えば介入医療デバイス205の先端の位置又は超音波撮像プローブ210の3次元運動を識別するために、他のタイプのセンサ又は機器が使用される。例えば、介入医療デバイス205の先端の位置を識別するために、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、電磁センサ又は画像解析技術が使用される。
【0022】
介入医療デバイス205はニードルでよいが、医療介入中に対象者に挿入することができる多くの異なるタイプの介入医療デバイスを表す。受動超音波センサS1は、介入医療デバイス205に取り付けられるか、又は医療デバイスの内部に組み込まれる。
【0023】
超音波撮像プローブ210が含むビーム形成器は、超音波ビームを生成して、トランスデューサの撮像アレイを介して送るように使用される。或いは、超音波撮像プローブ210は、例えばコンソールからビーム形成器のデータを受け取り、ビーム形成器のデータを使用して超音波ビームを生成し、超音波ビームを、トランスデューサの撮像アレイを介して送る。超音波撮像プローブ210から放射された超音波ビームが含む撮像面は、超音波撮像プローブ210の主軸に沿って整列され、また主軸に集中される。
図2Aにおいて、超音波撮像プローブ210の主軸及び撮像面は、Yとラベルを付けられた垂直方向に示されている。超音波撮像プローブ210は、介入プロシージャの対象者から反射された撮像ビームの反射も受け取る。知られているように、撮像ビームの受け取られた反射は、介入プロシージャの対象者の超音波画像を生成するために使用される。
【0024】
慣性運動ユニット212は、超音波撮像プローブ210に取り付けられるか、又は内部に組み込まれる。慣性運動ユニット212はジャイロスコープ及び加速度計を含み、超音波撮像プローブ210に取り付けられて、超音波撮像プローブ210の姿勢の推定を支援する。加速度計は、超音波撮像プローブ210の3次元並進運動を測定する。ジャイロスコープは、超音波撮像プローブ210の3次元回転運動を測定する。慣性運動ユニット212は、水平、垂直、及び奥行きなどの3次元並進座標における超音波撮像プローブ210の動きを、検知するか、判定するか、計算するか、又は識別する。慣性運動ユニットはまた、超音波撮像プローブ210の動きを、3つの回転成分(オイラー角)で検知するか、判定するか、計算するか、又は識別する。本明細書で説明されたように、慣性運動ユニット212及び慣性運動ユニット312は、どちらも、介入医療デバイス205の位置及び/又は配向を識別するために使用され得る位置及び配向のセンサの例である。そのような位置及び配向のセンサは、必ずしも介入医療デバイス205に取り付けられたり含有されたりするわけではない具体例を含み、例えば、介入医療デバイス205の位置及び/又は配向を判定することができるカメラ及び画像処理機器を含む。
【0025】
コントローラ250は、命令を記憶する記憶装置と、命令を実行して、本明細書で説明された処理のいくつか又はすべての態様を実施するプロセッサとを有する電子デバイスである。コントローラ250は、受動超音波センサS1からの測定値(例えば電圧測定値)と、慣性運動ユニット212からの並進運動及び回転運動の運動測定値とを受け取る。コントローラ250は、受け取った測定値及び運動測定値を使用して、受動超音波センサS1の、超音波撮像プローブ210の撮像面に対する面外指向性と面外距離とを識別する。面外指向性及び面外距離の識別は、受け取られた測定値及び/又は運動測定値に基づく3次元ボリューム再構成と併せて以下で詳細に説明され、他の実際的な用途が、本明細書の教示を用いて可能になる。
【0026】
図2Aは、代表的な実施形態による、受動超音波センサの相対位置を判定するためのシステムを図示し、
図2Bは、代表的な実施形態による、受動超音波センサの相対位置を判定するための処理を図示する。
【0027】
より詳細には、
図2Bは、受動超音波センサS1からの測定値(例えば電圧)及び慣性運動ユニット212からの運動測定値を使用して受動超音波センサS1の面外指向性及び面外距離を判定するための概略処理を図示するものである。慣性運動ユニット212の代わりに、電磁追跡、光学追跡、及び画像解析若しくはスペックル解析などのプローブ追跡の他の方法も使用される。他の方法は、コントローラ250を使用して部分的に実現されるばかりでなく、
図2には示されていない追加装備も包含する。例えば、超音波撮像プローブ210による並進運動と回転運動の両方の追跡結果を通知する情報として、コントローラ250に画像解析の結果を供給するように、コントローラ250のプロセッサ以外の専用のプロセッサによって画像解析が行われる。
【0028】
図2Bの処理はS212から始まり、超音波撮像プローブ210には軽微なプローブ揺れ又はジッタがある。すなわち、S212において、ユーザは、知ってか知らずか、超音波撮像プローブ210を少なくともわずかに動揺させるか又は振動させ、慣性運動ユニット212(又は他のプローブ追跡センサ若しくは画像/スペックル解析機構)が、例えば加速度計及びジャイロスコープの測定値を生成し、これは揺れ又はジッタに基づいて変化する。
【0029】
図2Bの処理は、次にS214に移り、慣性運動ユニット212を用いてプローブの揺れ又はジッタの指向性を取得する。すなわち、S214において、S212における動揺の開始に相当する時間及び終了に相当する時間を含む動揺の持続期間を通じて慣性運動ユニット212の測定値が取得され、慣性運動ユニット212の測定値はプローブの揺れ又はジッタの指向性を反映する。S214において、指向性は、慣性運動ユニット212の機能性、特に3次元の並進運動及び3次元の回転運動を取得するために使用される機能性によって取得される。或いは、S214において、指向性は、コントローラ250によって、慣性運動ユニット212による並進運動及び回転運動の測定値に基づいて取得される。
【0030】
図2Bの処理は、S216において受動超音波センサS1の電圧を取得する。実際には、受動超音波センサS1の電圧は、受動超音波センサS1に到達するそれぞれの撮像ビームについて読み取られるが、
図2Bの説明のために個々の電圧測定値が取得される。以下で説明されるように、個々の電圧測定値は、直前の個々の電圧測定値など、以前の個々の電圧測定値と比較される。S216において取得された電圧から、受動超音波センサS1の位置が判定され得、S214における慣性運動ユニット212の測定値に基づいて超音波撮像プローブ210の姿勢を推定するための正確な基準マーカとして使用される。すなわち、以下で説明されるように、受動超音波センサS1が受け取った電圧の増減に関する判定が、受動超音波センサS1の面外指向性を判定するために使用され得る。
【0031】
図2Bの処理は、次に、S218において、S216で取得した電圧を以前の電圧測定値と比較して、増加したのかそれとも減少したのかを判定する。S218における判定はコントローラ250によるものであり、それぞれの電圧測定値の、以前の電圧測定値との簡単な反復比較を包含する。
【0032】
簡単な面外指向性推定については、S214で慣性運動ユニット212によって推定された面外運動をS216における受動超音波センサS1の応答の信号強度と比較するために、S219においてアルゴリズムが使用され得る。超音波撮像面に対する受動超音波センサS1からの面外指向性については、回転が便宜的なセンサ軸から離れるにつれて電圧が増加する場合には、受動超音波センサS1は回転と同一の側にある。回転が便宜的なセンサ軸から離れるにつれて電圧が減少する場合には、受動超音波センサS1は回転と反対の側にある。回転が便宜的なセンサ軸に近づくにつれて電圧が増加する場合には、受動超音波センサS1は回転と同一の側にある。回転が便宜的なセンサ軸に近づくにつれて電圧が減少する場合には、受動超音波センサS1は回転と反対の側にある。
【0033】
図2Bの処理は、S220において、プローブ全体の揺れ又はジッタを含む。S220におけるプローブ全体の揺れ又はジッタは、以前に取得された面外指向性から離れた面外距離を取得するために使用される。ここで、ユーザは、超音波撮像プローブ210を、皮膚にわたって過度にスライド/移動させることなく、揺らす/回転させるように指示される。
【0034】
S221において面外距離が判定される。S221において全体の面外距離を取得するための処理は、三角形の辺の長さの計算に類似であるが同一ではない。S221において、超音波撮像プローブのヘッドと面外回転の軸とが合致する(すなわちトランスデューサ素子アレイが皮膚と直接接触する)と想定することにより、絶対面外距離が近似され得る。面外距離は、慣性運動ユニットの姿勢出力の回転成分に基づいて推定される。ここで、超音波画像における受動超音波センサS1の奥行きが受動超音波センサS1用の位置測定システムを介して知られており、回転角から回転成分が分かるので、それに応じて面外距離が計算され得る。揺れの間中のスライド/並進運動を想定しなければ、面外精度は1mm以内である。S221において絶対面外距離を計算するために使用されるジオメトリの例が
図4に示されており、
図4を参照しながら説明される。
【0035】
S221における面外距離の判定は、コントローラによって実行される処理の一部としての計算である。この処理は、撮像面からの受動超音波センサS1の距離の変化を計算するステップを有する。距離の変化は、位置及び配向のセンサ(例えばIMU)の受動超音波センサS1の固定軸に対する回転と、受動超音波センサS1と超音波撮像プローブ210との間の距離とに基づいて計算される。受動超音波センサS1の撮像面からの距離は、受動超音波センサS1を通る固定軸上の固定点から、撮像面と、固定点からの固定軸に対して垂直なラインとの間の交点までの距離から判定される。
【0036】
一実施形態では、S221における面外距離の判定は、S219において面外指向性を判定するために使用されたものと同一の、S212における揺れに基づいて行われる。言い換えれば、S212における揺れから十分な情報が判定されるか又は判定され得るときには、S220における全体の揺れは不要になる。
【0037】
図2Bの処理では、S222においてフィードバックが取得され、次いで、処理は、別の軽微なプローブ揺れ又はジッタのあるS212に戻る。フィードバックは、モニタ上に与えられる描出を含み、本明細書で説明された処理の結果に基づいて変化する区別された描出を含む。
図2Bに示される繰返し処理を所与として、受動超音波センサS1に関する面外指向性及び面外距離の計算は、介入プロシージャ中に繰り返し行われる。
【0038】
上記で説明されたように、
図2Bの処理のために、ユーザは、S212においてプローブを少し揺らして面外運動を生成する。或いは、慣性運動ユニット212の感度が十分であれば、S212において、自然なフリーハンドの運動/ジッタも基準として使用される。S214において取り込まれた慣性運動ユニット212の測定値は、超音波撮像プローブ210の3つの並進成分及び3つの回転成分(オイラー角)を判定するために使用される。S214において、回転角を判定するために、超音波撮像プローブ210の運動に対応する並進成分及び回転成分が抽出される。S216において、慣性運動ユニット212のそれぞれの測定値について、受動超音波センサS1の対応する電圧も記録される。S214において取得された慣性運動ユニット212の面外回転角における変化は、S216からの、受動超音波センサの電圧における対応する変化と比較され、S214及びS218からの相対的な情報が、受動超音波センサS1の面外指向性及び面外距離を判定するために、S219及びS221において使用される。
【0039】
図2Bの処理は、ユーザからのいかなる入力も必要とすることなく、全自動の連続したやり方で実行される。S219における判定の結果として、システム200は、電子ディスプレイに示される、受動超音波センサS1に関する種々の描出を生成する。表示される受動超音波センサS1の表現は、受動超音波センサS1が撮像面のどちら側にあるかということに基づいて変化するように、コントローラによって制御される。例えば、ユーザは、受動超音波センサS1が撮像面のどちら側にあるかということに応じて、異なる色の円を示される。撮像面の交差は、コントローラ250によって、受動超音波センサS1の電圧測定値が最大値に到達してから減少に転じるタイミングを追跡することによっても判定される。
【0040】
図3は、代表的な実施形態による、受動超音波センサの相対位置を判定するための別のシステムを図示するものである。
【0041】
図3のシステム300は、超音波撮像プローブ310、慣性運動ユニット312、介入医療デバイス301、受動超音波センサS1、コンソール390及びモニタ395を含む。コンソール390は、命令を記憶している記憶装置391、命令を実行するプロセッサ392、コンソール390の内部でデータや命令を搬送するためのバス393、並びにユーザがデータ及び命令を入力するため、またコンソール390がデータ及び命令を出力するための、タッチパネル396を含む。記憶装置391とプロセッサ392との組合せは、
図2の実施形態におけるコントローラ250などのコントローラの一部である。しかしながら、
図2の実施形態のコントローラ250などのコントローラはコンソール390の中に実装される必要はなく、その代わりに、PC若しくはラップトップコンピュータなどの個別のコンピュータ又は別のタイプのデバイスの中に実装される。コントローラ250は、実施されるやり方や場所には関係なく、本明細書で説明されたように、記憶装置391とプロセッサ392との組合せを用いて実施される。
【0042】
図3のシステム300において、受動超音波センサS1は、記憶装置391の中の命令に従って、コンソール390に、特にプロセッサ392によって解析するためのセンサデータを供給する。慣性運動ユニット312(又は他のプローブの追跡センサ若しくは画像/スペックル解析機構)は、記憶装置391の中の命令に従って、コンソール390に、特にプロセッサ392によって解析するための運動測定値を供給する。もちろん、他の機構が超音波撮像プローブ310を追跡するために使用されるとき、他の機構は、処理を、コンソール390の外部に、又は少なくとも記憶装置391やプロセッサ392から分離して含む。例えば、超音波撮像プローブ310を追跡するために使用される画像処理を行う専用の画像解析プロセッサは、本明細書の説明による処理のために、プロセッサ392に対して、超音波撮像プローブ310の回転運動及び並進運動を供給する。超音波撮像プローブ310は、医療専門家又は介入プロシージャの対象者などのユーザに超音波画像を表示するために、コンソール390に超音波画像信号を送るように、超音波撮像プローブの既知の能力に応じて動作する。
【0043】
図3の実施形態では、ビーム形成はコンソール390によって行われ、コンソール390から、超音波撮像プローブ310に、一連のビームに関するシーケンス及びパターンなどのビーム形成命令が送られる。加えて、超音波撮像プローブ310からコンソール390に超音波画像が送られる。受動超音波センサS1は、コンソール390に、それぞれのビームの電圧測定値を供給する。慣性運動ユニット312は、コンソール390に、運動測定値を供給する。したがって、コンソール390内のコントローラは、本明細書で説明された処理の一部又はすべてを実施する。例えば、コンソール390内のコントローラは、
図2Bを参照しながら説明されたように、S219において面外指向性を判定し、S221において面外距離を判定する。
【0044】
コントローラのプロセッサ392は、有形且つ非一時的なものである。本明細書で使用される「非一時的」という用語は、状態の不変の特性ではなく、ある期間にわたって続く状態の特性と解釈されたい。「非一時的」という用語は、いつでもどこでも一時的にしか存在しない搬送波、信号、又は他の形式の特性などの一時的な特性を特に否定するものである。プロセッサは製品及び/又はマシンの構成要素である。コントローラ用のプロセッサ392は、ソフトウェア命令を実行して、本明細書の実施形態で説明されたような様々な機能を行うように構成されている。コントローラ用のプロセッサ392は、汎用プロセッサ又は特定用途向け集積回路(ASIC)の一部でよい。コントローラ用のプロセッサ392は、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサチップ、コントローラ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ステートマシン、又はプログラマブル論理デバイスでもよい。コントローラ用のプロセッサ392は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのプログラマブルゲートアレイ(PGA)を含む論理回路、個別のゲート及び/又はトランジスタ論理を含む別のタイプの回路でもよい。コントローラ用のプロセッサ392は、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)又は両方でもよい。加えて、本明細書で説明されたあらゆるプロセッサが、複数のプロセッサ、パラレルプロセッサ又は両方を含み得る。複数のプロセッサが、単一のデバイス又は複数のデバイスに含まれるか又は結合されてよい。本明細書で使用される「プロセッサ」は、プログラム又はマシン実行可能命令を実行することができる電子部品を包含する。「プロセッサ」を含むコンピューティングデバイスに対する呼称は、場合により2つ以上のプロセッサ又は処理コアを含有するものと解釈されたい。プロセッサは、例えばマルチコアプロセッサである。プロセッサは、単一のコンピュータシステムの内部のプロセッサの集合を指すことがあり、又は複数のコンピュータシステムの間に分散することもある。コンピューティングデバイスという用語はまた、場合により、それぞれがプロセッサ(複数可)を含むコンピューティングデバイスの集合又はネットワークを指すものと解釈されたい。多くのプログラムが、同一のコンピューティングデバイスの内部にあるか又は複数のコンピューティングデバイスにわたって分散している複数のプロセッサによって実行される命令を有する。
【0045】
本明細書で説明された記憶装置は、有形で、データ及び実行可能命令を記憶することができる、命令を記憶している期間中は持続性の記憶媒体である。本明細書で使用される「非一時的」という用語は、状態の不変の特性ではなく、ある期間にわたって続く状態の特性と解釈されたい。「非一時的」という用語は、いつでもどこでも一時的にしか存在しない搬送波、信号、又は他の形式の特性などの一時的な特性を特に否定するものである。本明細書で説明された記憶装置は製品及び/又はマシンの構成要素である。本明細書で説明された記憶装置は、コンピュータによってデータ及び実行可能命令を読み取られ得るコンピュータ可読媒体(コンピュータ可読記憶媒体)である。本明細書で説明された記憶装置は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、電気的プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去書込み可能ROM(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、取外し可能ディスク、テープ、コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピディスク、ブルーレイディスク、又は当技術で既知の記憶媒体のその他の形式であり得る。記憶装置は、揮発性/不揮発性、安全なもの及び/又は暗号化されたもの、安全でないもの及び/又は暗号化されていないものであり得る。「記憶装置」はコンピュータ可読記憶媒体の一例である。コンピュータ記憶装置は、プロセッサに直接アクセス可能な任意の記憶装置である。コンピュータ記憶装置の例は、限定はしないが、RAMメモリ、レジスタ、及びレジスタファイルを含む。「コンピュータ記憶装置」又は「記憶装置」に対する参照は、場合により複数の記憶装置であると解釈されたい。記憶装置は、例えば同一のコンピュータシステムの内部の複数の記憶装置である。記憶装置は、複数のコンピュータシステム又はコンピューティングデバイスの間に分散した複数の記憶装置でもよい。
【0046】
図4は、代表的な実施形態による、受動超音波センサの相対位置を判定するための、様々な結果を伴う幾何学的構成を図示するものである。
【0047】
図4の幾何学的構成は、8つの個別の描出A、B、C、D、E、F、G及びHにおける4つの可能な結果に分割される。
図4の描出A、B、C、及びDは4つの可能な結果を示すものであり、代替として、描出E、F、G、及びHにおいて、細目にわたって説明されている。可能な結果は、受動超音波センサS1の出力及び慣性運動ユニット212の出力に基づいて変化し、結果として、受動超音波センサS1のデータ(例えば電圧測定値)によって指示される面外並進運動の指向性と、慣性運動ユニット212のデータ(例えばジャイロスコープ測定値)からの面外回転運動の指向性とを反映する。
図4の描出A、B、C、D、E、F、G及びHの各々において、受動超音波センサS1は円で指示され、細線は受動超音波センサS1の便宜的な固定軸(例えば垂直軸)を反映しており、超音波撮像プローブ210は輪郭で指示されている。以前に説明されたように、超音波撮像プローブ210を通る主軸は、超音波撮像プローブ210からの撮像面に対応する。第1の結果において、慣性運動ユニット212によって検知される回転が便宜的な固定センサ軸から離れるにつれて、受動超音波センサS1によって検知される電圧が増加する場合には、受動超音波センサS1は回転と同一の側にある。第2の結果において、回転が便宜的な固定センサ軸から離れるにつれて電圧が減少する場合には、受動超音波センサS1は回転と反対の側にある。第3の結果において、回転が便宜的な固定センサ軸に近づくにつれて電圧が増加する場合には、受動超音波センサS1は回転と同一の側にある。第4の結果において、回転が便宜的な固定センサ軸に近づくにつれて電圧が減少する場合には、受動超音波センサS1は回転と反対の側にある。
【0048】
図4の描出A、B、C及びDにおいて、超音波撮像プローブ210の回転はΔΘとして示されている。第1の距離d0は、受動超音波センサS1上の固定点から超音波撮像プローブ210の第1の撮像面までの、第1の水平距離である。第2の距離d1は、受動超音波センサS1上の固定点から超音波撮像プローブ210の第2の撮像面までの、第2の水平距離である。第1の距離d0から第2の距離d1への変化により、超音波撮像プローブ210は、左側/右側のどちらにおいて、近づくのか/離れるのか、ということを含めて、超音波撮像プローブ210の回転の指向性が判定される。電圧測定値は受動超音波センサS1からのものである。したがって、受動超音波センサS1からの電圧の変化と、回転ΔΘを反映する、距離測定値のd0からd1への変化とは、超音波撮像プローブ210の位置付け及び指向性の簡単な反映として解釈され、結果として、受動超音波センサS1が撮像面のどちら側にあるのかを反映する。
【0049】
図4の描出E、F、G及びHは、描出A、B、C及びDとの比較で、2つの付加的なメトリックを示す。第1のメトリックは、撮像面を放射する超音波撮像プローブ210の端から、受動超音波センサS1上の固定点と交差する、撮像面に対して垂直なラインまでの、撮像面に対して平行な距離である。超音波撮像プローブ210が有意の並進運動はなく皮膚のポイントの上で回転するとき、放射点は固定されていると想定されるので、平行な距離は、超音波撮像プローブ210に取り付けられた慣性運動ユニット212の位置などの固定点から、慣性運動ユニット212上のトランスデューサの撮像アレイからの放射点までの距離である。第2のメトリックは、撮像面に対して垂直なライン上の、撮像面から受動超音波センサS1上の固定点までの垂直距離であり、本明細書で説明されたようにS221において判定される面外距離である。すなわち、描出E、F、G及びHにおいて詳述された垂直距離は、それぞれのシナリオについてS221で計算された面外距離であるため、描出E、F、G及びHの詳細は描出A、B、C及びDのすべてに当てはまる。すなわち、描出A、B、C及びDに関して説明された水平距離は、描出E、F、G及びHに関して説明された垂直距離で置換される。
【0050】
図4に関連して上記で説明されたように、4つの結果は常に可能である。受動超音波センサS1が回転と同一の側にあって、回転が便宜的な固定センサ軸から離れるにつれて電圧が増加する場合には、第1の結果が生じる。受動超音波センサS1が回転と反対の側にあって、回転が便宜的な固定センサ軸から離れるにつれて電圧が減少する場合には、第2の結果が生じる。受動超音波センサS1が回転と同一の側にあって、回転が便宜的な固定センサ軸に近づくにつれて電圧が増加する場合には、第3の結果が生じる。受動超音波センサS1が回転と反対の側にあって、回転が便宜的な固定センサ軸に近づくにつれて電圧が減少する場合には、第4の結果が生じる。
【0051】
上記の実施形態は、主として、受動超音波センサS1に関する面外指向性及び面外距離を判定するやり方を論じている。しかしながら、面外指向性及び面外距離から判定される受動超音波センサS1の位置は、3次元ボリュームを再構成するための正確な基準マーカとしても使用され得る。受動超音波センサの位置S1のまわりの3次元ボリュームの再構成は、受動超音波センサS1の位置を、
図2Aの慣性運動ユニット212及び
図3の慣性運動ユニット312から測定される面外並進及び面外回転に対する制限として使用することによって行われ得る。
【0052】
図5は、代表的な実施形態による、受動超音波センサの相対位置を判定するための別の処理を図示するものである。
【0053】
図5の処理は、プローブ運動を取得するS512から始まる。S512において取得されるプローブ運動は、慣性運動ユニット212が取り付けられている超音波撮像プローブ210をユーザが動かすとき、慣性運動ユニット212によってリアルタイムで取り込まれる未加工データである。超音波撮像プローブ210の運動は、受動的に測定されるか、又は以前に説明されたようにS214若しくはS220においてユーザによって意図的に与えられたプローブ揺れを用いて測定される。
【0054】
図5の処理は、S514において受動超音波センサの位置を3次元すなわちx、y及びzで取得する。S514において取得されたデータは受動超音波センサS1の電圧測定値に基づくものであり、位置は、受動超音波センサS1の位置を判定するシステム(例えばコントローラ250)によって判定される。
【0055】
図5の処理は、S516において加速度計のデータを取得する。加速度計のデータは慣性運動ユニット212によって取得されたデータであり、3次元空間を定義する3つの軸に沿った超音波撮像プローブ210の並進(変位)を反映する。
【0056】
図5の処理は、S518においてジャイロスコープのデータを取得する。ジャイロスコープのデータは慣性運動ユニット212によって取得されたデータであり、3次元空間を定義する3つの軸のまわりの超音波撮像プローブ210の回転(オイラー角)を反映する。
【0057】
図5の処理は、S520においてBモードのデータを取得する。Bモードは「輝度モード」を表し、撮像面において超音波撮像ビームを放射して2次元超音波画像を取得する、超音波撮像プローブ210の使用を指す。Bモードデータは、超音波撮像ビームのシーケンス及び/又はパターン、超音波撮像ビームの放射タイミング、及び超音波撮像ビームの放射に由来する2次元超音波画像を含む。Bモードデータは、超音波プローブ運動を判定するのに役立つ、画像ベース又はスペックルベースの特徴を取得するように処理される。
【0058】
図5の処理は、S522において超音波撮像プローブの位置を判定する。超音波撮像プローブ210の位置は、S522において、慣性運動ユニット212によって、又は慣性運動ユニット212からのデータを使用して判定される。例えば、超音波撮像プローブ210の位置は、S516からの加速度計データ及び/又はS518からのジャイロスコープデータを使用して判定される。加えて、又はその代わりに、超音波撮像プローブ210の位置を判定するためにS520からのBモードデータが使用される。
【0059】
図5の処理は、S524において関心領域に3次元ボリュームを生成する。本明細書で説明されたように、3次元ボリュームは受動超音波センサS1の位置のまわりの3次元ボリュームの再構成であり、超音波撮像プローブ210の撮像面と受動超音波センサS1の位置との間の面外距離は、慣性運動ユニット212から測定される面外並進及び面外回転に対する制限として使用される。
【0060】
図5の処理は S526において、3次元ボリュームの描出、3次元ボリュームにおける介入医療デバイスの軌跡、及び3次元ボリュームにおける現在のスライスを生成するように使用される。上記で説明されたように、面外指向性及び面外距離を判定する処理は、受動超音波センサS1の位置のまわりの局所的3次元ボリュームの再構成をもたらすように拡張される。ここで、超音波撮像面と受動超音波センサS1の位置との間の面外距離は、慣性運動ユニット212によってもたらされる姿勢変換の面外並進成分に対する制限として使用される。ワークフローは、ユーザが、3次元ボリュームを生成するか又は取得するようにとの要求又は命令を与えることから始まる。次いで、ユーザは、受動超音波センサS1の片側から他の側までのボリューム掃引を生成する。理想的には、この掃引は、受動超音波センサS1の位置のまわりでほぼ対称である。次に、上記で説明されたように、超音波撮像プローブ210の動きの並進成分及び回転成分が、慣性運動ユニット212及び/又はコントローラ250を使用するときは毎回推定される。次いで、S526において、個々のフレームが再構成されて3次元ボリュームを形成する。慣性運動ユニット212の測定値の不正確さ並びに位置ドリフトのために、ボリューム推定における誤差が予期される。
【0061】
ステップS514、S516及びS518における処理に基づき、次いで、面外指向性及び面外距離は、再構成された3次元ボリュームを確認するか又はS525において3次元再構成における誤差を検知して補正するために適用される制限及び整合性検査として使用される。検査は、本明細書で説明されたルールを適用することにより、3次元ボリュームにおいて個々のフレーム間の面外距離/方向における不整合性を検知するステップを有する。次いで、結果として、整合しないフレームは3次元再構成から除去される。代わりに、又はそれに加えて、フレームを、受動超音波センサS1用の位置測定システムの測定値によって「予期される」姿勢に近づけることによってフレームの姿勢が調節される。別の検査は、3次元再構成によって面内にあると見なされるフレームが、受動超音波センサS1からの最大電圧を有するフレームに対応するのを確認することによって行われる。すなわち、本明細書で説明されたような面交差は、受動超音波センサS1用の位置測定システムに基づいて判定され得、これらの面交差は、慣性運動ユニット212から導出された姿勢推定に基づいて推定される3次元再構成に反映される。さらなる検査は、受動超音波センサS1に関する面外プロファイルが最大電圧のまわりで対称であるという想定に基づくものである。結果として、3次元ボリュームの面外のフレーム間の間隔も、受動超音波センサS1の電圧に対して対称である。すなわち、1ミリメートルのフレーム間の距離は、面内軸の片側の電圧低下の大きさと、反対側における同じ電圧低下の大きさとに対応するはずである。同様に、ロール及びヨーによって特徴付けられる面外回転は、受動超音波センサS1の応答における変化と整合するはずである。
【0062】
受動超音波センサS1用の位置測定システムは2つのタイプの運動を区別することができないので、並進運動から回転運動を分離するのが困難になる。ここで、超音波の視野の範囲内に2つ以上の受動超音波センサS1があれば、受動超音波センサS1が1つしかない場合と比較して、精度がさらに改善される。精度のさらなる検査として、手動の較正が使用され得る。例えば、ユーザは、受動超音波センサS1の電圧測定を、慣性運動ユニット212による測定及び/又は画像ベースの測定へと、患者に固有のやり方で較正することが可能になるか、さらには較正するように促される。慣性運動ユニット212の精度はフレームから次のフレームへの加速度/減速度に比例するので、ユーザは高速の回転又は並進を包含する較正ステップを行うように促される。次いで、慣性運動ユニット212のより正確な測定は、介入プロシージャ中に運動に関する較正曲線を生成して、受動超音波センサS1の電圧降下に関連付けられる。
【0063】
S526において、再構成された3次元ボリュームの描出は、3次元ボリューム、3次元ボリュームにおける介入医療デバイス205の軌跡、及び3次元ボリュームにおける現在のスライスを含む。例えば、介入医療デバイス205はニードルであるので、軌跡は関心領域の3次元ボリュームにおけるニードルの軌跡である。現在のスライスは、3次元ボリュームとの関連において、現在のスライスの輝度若しくは色を選択的に調節するか、又は現在のスライスに縁を加えるか若しくは現在のスライスの縁を更新することによって、3次元ボリュームの中で強調される。
【0064】
図5の処理は、S528においてGUIフィードバックを取得し、次いで、S512の開始に戻ってプローブ運動を取得する。GUIフィードバックは、ユーザからグラフィカルユーザインターフェースを介して入力される。ユーザからの入力は、S526で生成された描出の確認、又は
図5の処理の再試行若しくは更新の要求である。
【0065】
図5との関連において上記で説明されたように、受動超音波センサS1の位置などの制限を使用して3次元ボリュームが再構成される。位置判定自体も、スペックルベースの非相関を含む様々なタイプの精度検査のいずれかに基づいて確認されるか又は更新される。代表的な実施形態によれば、受動超音波センサの相対位置を判定するためのスペックル非相関に関する処理は、本開示と矛盾せずに使用される。面外運動を推定するために、超音波画像におけるスペックル特徴の非相関を測定することが、面外並進運動の近似として使用され得る。面外運動中の撮像ビーム幅の重なりは、隣接したフレーム間のスペックルにおける相関をもたらす。相関の量は、それぞれのフレームにおけるパッチを解析することによって定量化され、フレーム間の距離を予測するために使用され得る。これらの手法には、従来、未知の回転の存在下で正確な並進フレーム距離を計算するのが困難であるという制限があった。しかしながら、本明細書で説明されたように、慣性運動ユニット212又は別の機構を使用して回転が判定され、そのようなスペックル非相関の精度が大幅に改善されるので、スペックル非相関方法が使用され得て役立つようになった。したがって、面外並進運動を推定するためにスペックル非相関技術が使用される。強度ベースの追跡及びスペックルベースの追跡を含む画像ベースの追跡技術は、
図5のS525などで超音波撮像プローブの姿勢の推定をさらに改善するために付加的に使用される。具体的には、最初に、面外並進運動中のビーム幅の重なりが識別される。2番目に、この重なりが、隣接したフレームftとft+1との間の相関を生成する(例えば識別する、計算する、判定する)ために使用される。3番目に、相関度ρを使用してフレーム間の面外距離dが予測される。
【0066】
面外運動を推定するために画像ベースのスペックル非相関追跡を組み込むことは、画像ベースの情報を使用する改善の形式である。この改善は、超音波撮像プローブ210の面外姿勢の推定並びに3次元ボリュームの再構成をさらに確かにするか又は補正するものである。例えば、超音波画像におけるスペックル特徴の非相関は、面外並進運動の近似をもたらし得る。ここで、面外運動中の撮像ビーム幅の重なりは、隣接したフレーム間のスペックルにおける相関をもたらす。相関の量は、それぞれのフレームにおけるパッチを解析することによって定量化され、フレーム間の距離を予測するために使用され得る。
【0067】
スペックル非相関技術は、受動超音波センサS1を使用する推定と、慣性運動ユニット212の測定値に基づく姿勢の推定及び再構成との、以前に説明されたワークフローに組み込まれ得る。具体的には、慣性運動ユニット212のジャイロスコープが回転を正確に測定することができ、受動超音波センサS1がさらなる制限をもたらすので、運動の並進成分はさらに分離可能である。次いで、スペックル非相関に基づいて並進運動の大きさが推定される。3次元ボリュームの掃引中に取得された超音波画像の視野における受動超音波センサS1の応答を用いて、受動超音波センサS1の応答の面外スペックル非相関も測定され得て、面外距離に関連付けられる。最後に、スペックル非相関は面外並進運動を推定するが、面内並進運動を推定するためには強度ベースの画像追跡方法が使用され得る。これらの技術は、精度を改善するために、本明細書で説明された処理とともに同様に含まれ得る。
【0068】
図6Aは、代表的な実施形態による、受動超音波センサの相対位置を判定する際に3次元プローブの姿勢を取得するための入力データを図示するものである。
【0069】
図6A及び
図6Bでは、3次元の面外推定及び再構成を改善するために、受動超音波センサの追跡、慣性運動ユニットの追跡、及びスペックルベースの追跡が提供される。
図6Aにおいて、介入医療デバイス205の正確な3次元姿勢を識別するか又は取得するために、3つの測定値が取得される。3つの測定値は、(慣性運動追跡ユニットからの)超音波撮像プローブ210の回転、超音波撮像プローブ210の面内位置、及び超音波撮像プローブ210の面外位置である。3つの測定値の各々が別々の情報源から取得される。
【0070】
図6Bは、代表的な実施形態による、受動超音波センサの相対位置を判定する際に3次元プローブの姿勢を取得するための同時最適化用の入力及び出力を図示するものである。
【0071】
図6Bにおいて、超音波撮像プローブ210の面外距離及び姿勢は、例えば本明細書で説明されたような同時最適化を使用し、別々の情報源を組み合わせることによって、より正確に判定される。次いで、1つのタイプの情報源のみに頼る手法と比較してより正確な3次元ボリュームを形成するために、超音波撮像フレームの姿勢から個々の画像情報が再構成される。具体的には、受動超音波センサS1の位置が、不正確な解決策を生成しないように最適化を制限する高精度基準点として働くように使用される。デバイス先端のまわりの3次元ボリュームを再構成するために慣性運動ユニットの姿勢の推定を制限するように受動超音波センサの追跡を使用することが、上記で示され、且つ説明された。
【0072】
図6Bにおいて、最適化方式を使用することにより、単一のフレームワークの内部に制限が適用される。ここでは、それぞれの制限違反に対してペナルティが与えられる。最適化方式として/最適化方式のために使用される最適化アルコリズムは、慣性運動ユニット212の元の測定値とよく一致したまま制限違反が最も少ないトランスデューサの姿勢パラメータのフルセットを判定することを試みる。一実施形態では、慣性運動ユニット212及び受動超音波センサS1からの測定値の相対的な重要性は、ユーザ定義の重み係数であり、これらは補正のやり方を管理するために使用され得る。すなわち、センサ測定値に関するユーザ定義の重み係数は、個々のフレームが、受動超音波センサS1の結果又は慣性運動ユニット212の結果に、一致するように補正されるかどうかを管理するために使用される。重み係数は、最適化においてそれぞれの制限に適用される定数パラメータとして導入され、したがって、その制限の違反に対するペナルティの大きさを規定するものである。別の実施形態では、受動超音波センサS1の結果及び/又は慣性運動ユニット212の結果が、相対的な精度に基づいて重み付けするためにグラウンドトルースと常に比較され得るように、例えば電磁センサ又は光センサなどの高精度の「グラウンドトルース」の外部追跡センサを取り付けることによって、相対的な重みが製造中の較正ステップにおいて学習される。
【0073】
図7は、代表的な実施形態による、受動超音波センサの相対位置を判定するための別の処理を図示するものである。
【0074】
図7の処理は、S710において、超音波撮像プローブに固定された慣性運動ユニットから、第1の時点と第2の時点との間の超音波撮像プローブの運動の測定値を取得することから始まる。S710において、コントローラ250によって、超音波撮像プローブ210に固定された慣性運動ユニット212から測定値が取得される。
【0075】
図7の処理はS720へ進み、受動超音波センサによって超音波撮像プローブからのビームの放射に基づいて第1の時点及び第2の時点において受け取られた信号の強度を、取得する。S720において、信号の強度は、コントローラ250によって受動超音波センサS1から取得される。
【0076】
図7の処理は、次に、運動の測定値及び信号の強度に基づいて、受動超音波センサの、撮像面からの距離及び撮像面に対する指向性を判定するステップS730を有する。面外指向性及び面外距離のそれぞれが、本明細書で説明されたように、コントローラ250によって個別に判定される。
【0077】
図7の処理は、受動超音波センサが撮像面を通過したかどうかを判定するステップS740を有する。S750における判定は、コントローラ250によって行われ、介入プロシージャ中の超音波撮像を包含する動作中にピーク電圧測定値が生じるときを判定するステップを包含する。
【0078】
図7の処理は、受動超音波センサの位置を判定して、判定された位置を、表示するように供給するステップS750を有する。受動超音波センサS1の位置を判定するステップS750は、S730における指向性及び面外距離の判定に、部分的に基づくものである。
【0079】
図7の処理は、介入医療デバイスの対象物とともに受動超音波センサの位置を表示するステップS760を含み、表示は、受動超音波センサが撮像面のどちら側にあるかということに基づいて変化する。S760における変化は、色、輝度、アイコンなどによるものである。
【0080】
図8は、代表的な実施形態による、受動超音波センサの相対位置を判定するための別の処理を図示するものである。
【0081】
図8の処理は、受動超音波センサによって1回目に受け取られた信号の強度と2回目に受け取られた信号の強度との間の変化を識別するステップS810から始まる。
【0082】
図8の処理は、次にS820に進み、受動超音波センサによって、固定軸に対する慣性運動ユニットの回転を識別する。
【0083】
図8の処理は、信号の強度の変化及び慣性運動ユニットの回転に基づいて、受動超音波センサが撮像面の第1の側にあるのかそれとも第1の側の反対の第2の側にあるのかを判定するステップS830を有する。
【0084】
図8の処理は、受動超音波センサが撮像面を通過したかどうかを判定するステップS840で終結する。
【0085】
図9は、代表的な実施形態による、受動超音波センサの相対位置を判定するための別の処理を図示するものである。
【0086】
図9の処理は、受動超音波センサによって、固定軸に対する慣性運動ユニットの回転を識別するステップS910から始まる。
【0087】
図9の処理は、受動超音波センサと超音波撮像プローブとの間の距離を識別するステップS920を有する。
【0088】
図9の処理は、慣性運動ユニットの固定軸に対する回転及び受動超音波センサと超音波撮像プローブとの間の距離に基づいて、撮像面からの受動超音波センサの距離の変化を計算するステップS930で終了する。
【0089】
図10は、代表的な実施形態による、受動超音波センサの相対位置を判定するための別の処理を図示するものである。
【0090】
図10の処理は、超音波撮像プローブのまわりの複数の個々のフレームを取り込むステップS1010から始まる。
【0091】
図10の処理は、次に、超音波撮像プローブに固定された慣性運動ユニットから、超音波撮像プローブの運動の個々のフレームに対応する測定値を取得するステップS1020を有する。
【0092】
図10の処理は、超音波撮像プローブからのビームの放射に基づいて、個々のフレームに対応する時刻において受動超音波センサによって受け取られた信号の強度を取得するステップS1030を有する。
【0093】
図10の処理は、次に、超音波撮像プローブによって取り込まれた複数の個々のフレームに基づいて受動超音波センサのまわりの3次元ボリュームを再構成するステップS1040を有する。
【0094】
図10の処理は、信号の強度及び個々のフレームに対応する運動の測定値に基づいて個々のフレームを検証するステップS1050で終結する。
【0095】
したがって、慣性の感知方法のせいで例えば位置ドリフトによって一般的には徐々に蓄積する誤差を、受動超音波センサS1が残っている限り、受動超音波センサの相対位置を判定することによって大幅に低減することができる。IMU追跡の代わりに、又はIMUに加えて、画像ベースの情報を組み込まれる本明細書で説明された付加的な方法を用いれば、精度を改善することができる。いくつかの例示的実施形態を参照しながら、受動超音波センサの相対位置を判定することが説明されてきたが、使用された用語は、説明及び解説の用語であって、限定するものではないことが理解される。現在明示され、また修正されたように、受動超音波センサの相対位置を判定する態様における範囲及び趣旨から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲の範囲内で変更形態が作製される。特定の手段、材料及び実施形態を参照しながら説明されてきた、受動超音波センサの相対位置を判定することは、開示された詳細に限定されることを意図するのではなく、添付の特許請求の範囲の範囲内のすべての機能的に等価な構成、方法、用途に及ぶものである。
【0096】
例えば、受動超音波センサの相対位置の判定は、多数の、恐らくすべての、追跡される介入プロシージャに適用される。デバイス先端と組織対象物との間の面外距離を識別する(例えば、計算する、判定する、推定する)ことは様々なタイプの介入プロシージャにおいて重要であり、受動超音波センサの相対位置を判定することによって、そのような機能性が相対的に少ない開発費で可能になる。距離識別は、より優れた3次元の状況を提供するのを支援するため、また新規ユーザの学習のためにも使用され得、結果として、プロシージャ中の利用者の自信が向上し、受動超音波センサなどを用いる追跡を装備したシステムやデバイスの価値を高める。
【0097】
受動超音波センサの相対位置判定の教示は、介入医療デバイス105の先端と血管対象物との間の面外距離を知ることが挿入精度にとって重要である限り、例えば血管アクセスを改善するために利用され得る。同様に、受動超音波センサの相対位置判定の教示は、血管壁穿孔を回避するのを支援するように、介入医療デバイス105として挿入されたガイドワイヤが血管内の病巣の中心を横切るとき(管腔内の交差)、又は同ガイドワイヤが血管壁の方へ方向転換するとき(内膜下の交差)を判定するために利用され得る。
【0098】
以下の実施例が提供される。
【実施例1】
【0099】
超音波撮像プローブ(210)からの撮像面に対する受動超音波センサ(S1)の面外運動を識別するためのコントローラ(250)であって、
命令を記憶する記憶装置(391)、及び
命令を実行するプロセッサ(392)を備えるコントローラ(250)において、プロセッサ(392)が命令を実行するとき、コントローラ(250)を含むシステムが、
超音波撮像プローブ(210)に固定された位置及び配向のセンサ(212)から、第1の時点と第2の時点との間の超音波撮像プローブ(210)の運動の測定値を取得するステップ(S710)と、
第1の時点及び第2の時点において受動超音波センサ(S1)によって超音波撮像プローブ(210)からのビームの放射に基づいて受け取られた信号の強度を、取得するステップ(S720)と、
運動の測定値及び信号の強度の測定値に基づいて、受動超音波センサ(S1)から撮像面への指向性及び距離を判定するステップ(S730)と
を有する処理を実施するコントローラ(250)。
【実施例2】
【0100】
判定するステップが、
受動超音波センサ(S1)によって受け取られた信号の強度の、第1の時点と第2の時点との間の変化を識別するステップ(S810)と、
位置及び配向のセンサ(212)の、受動超音波センサを通る固定軸に対する回転を識別するステップ(S820)と、
信号の強度の変化並びに位置及び配向のセンサ(212)の回転に基づいて、受動超音波センサ(S1)が、撮像面の第1の側にあるのか、それとも第1の側とは反対の第2の側にあるのかを判定するステップ(S830)とをさらに有する、実施例1に記載のコントローラ(250)。
【実施例3】
【0101】
判定するステップが、
位置及び配向のセンサ(212)の、受動超音波センサを通る固定軸に対する回転を識別するステップ(S910)と、
受動超音波センサ(S1)と超音波撮像プローブ(210)との間の距離を識別するステップ(S920)と、
位置及び配向のセンサ(212)の固定軸に対する回転及び受動超音波センサ(S1)と超音波撮像プローブ(210)との間の距離に基づいて、撮像面から受動超音波センサ(S1)までの距離の変化を計算するステップ(S930)と
をさらに有する、実施例1に記載のコントローラ(250)。
【実施例4】
【0102】
第1の時点及び第2の時点において、撮像面からの受動超音波センサ(S1)の距離が、撮像面と、撮像面に対して垂直なラインに沿った受動超音波センサ(S1)の固定軸上の固定点との間の距離から判定される、実施例3に記載のコントローラ(250)。
【実施例5】
【0103】
受動超音波センサ(S1)が介入医療デバイス(205)に固定されており、システムによって実施される処理が、介入医療デバイス(205)の対象物とともに表示するための受動超音波センサ(S1)の位置を与えるステップ(S760)をさらに有する、実施例1に記載のコントローラ(250)。
【実施例6】
【0104】
位置及び配向のセンサ(212)が、超音波撮像プローブ(210)の3次元並進運動を測定する加速度計と、超音波撮像プローブ(210)の3次元回転運動を測定するジャイロスコープとを備える、実施例1に記載のコントローラ(250)。
【実施例7】
【0105】
システムによって実施される処理が、
信号の強度の変化並びに超音波撮像プローブの運動の測定値に基づいて、受動超音波センサ(S1)が、撮像面の第1の側にあるのか、それとも第1の側とは反対の第2の側にあるのかを判定するステップ(S830)と、
受動超音波センサ(S1)が撮像面を第1の側から第2の側へ通過するときを判定するステップ(S840)と
をさらに有する、実施例1に記載のコントローラ(250)。
【実施例8】
【0106】
コントローラ(250)によって実施される処理が、
表示される受動超音波センサ(S1)の表現を、受動超音波センサ(S1)が撮像面の第1の側にあるのかそれとも第2の側にあるのかということに基づいて変化させるように制御するスッテプ(S760)をさらに有する、実施例7に記載のコントローラ(250)。
【実施例9】
【0107】
コントローラ(250)によって実施される処理が、
超音波撮像プローブ(210)によって取り込まれた複数の個々のフレームに基づいて、受動超音波センサ(S1)のまわりの3次元ボリュームを再構成するステップ(S1040)と、
信号の強度と、複数の個々のフレームの各々に対応する運動の測定値とに基づいて、複数の個々のフレームの各々を検証するステップ(S1050)とをさらに有する、実施例1に記載のコントローラ(250)。
【実施例10】
【0108】
コンピュータプログラムを記憶する有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体(391)であって、プロセッサ(392)がコンピュータプログラムを実行するとき、有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含むシステムが、超音波撮像プローブからの撮像面に対する受動超音波センサ(S1)の面外運動を識別するための処理を行い、プロセッサ(392)が有形の非一時的にコンピュータ可読記憶媒体からのコンピュータプログラムを実行するときに行われる処理が、
超音波撮像プローブ(310)に固定された位置及び配向のセンサ(312)から、第1の時点と第2の時点との間の超音波撮像プローブ(310)の運動の測定値を取得するステップ(S710)と、
第1の時点及び第2の時点において受動超音波センサ(S1)によって超音波撮像プローブ(310)からのビームの放射に基づいて受け取られた信号の強度を、取得するステップ(S720)と、
運動の測定値及び信号の強度の測定値に基づいて、受動超音波センサ(S1)から撮像面への指向性及び距離を判定するステップ(S730)と
を有する、有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体(391)。
【実施例11】
【0109】
判定するステップが、
受動超音波センサ(S1)によって受け取られた信号の強度の、第1の時点と第2の時点との間の変化を識別するステップ(S810)と、
位置及び配向のセンサ(312)の、受動超音波センサを通る固定軸に対する回転を識別するステップ(S820)と、
信号の強度の変化並びに位置及び配向のセンサ(312)の回転に基づいて、受動超音波センサ(S1)が、撮像面の第1の側にあるのか、それとも第1の側とは反対の第2の側にあるのかを判定するステップ(S830)と
をさらに有する、実施例10に記載の有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体(391)。
【実施例12】
【0110】
判定するステップが、
位置及び配向のセンサ(312)の、受動超音波センサを通る固定軸に対する回転を識別するステップ(S910)と、
受動超音波センサ(S1)と超音波撮像プローブ(310)との間の距離を識別するステップ(S920)と、
位置及び配向のセンサ(312)の固定軸に対する回転及び受動超音波センサ(S1)と超音波撮像プローブ(310)との間の距離に基づいて、撮像面から受動超音波センサ(S1)までの距離の変化を計算するステップ(S930)と
をさらに有する、実施例10に記載の有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体(391)。
【実施例13】
【0111】
撮像面からの受動超音波センサ(S1)の距離が、第1の時点及び第2の時点における、受動超音波センサ(S1)を通る固定軸上の固定点から、撮像面と、固定点からの固定軸に対して垂直なラインとの間の交点までの距離から判定される、実施例12に記載の有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体(391)。
【実施例14】
【0112】
受動超音波センサ(S1)が介入医療デバイス(301)に固定されており、
システムによって実施される処理が、介入医療デバイス(301)の対象物とともに表示するための受動超音波センサ(S1)の位置を与えるステップ(S760)をさらに有する、実施例10に記載の有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体(391)。
【実施例15】
【0113】
位置及び配向のセンサ(312)が、超音波撮像プローブ(310)の3次元並進運動を測定する加速度計と、超音波撮像プローブ(310)の3次元回転運動を測定するジャイロスコープとを備える、実施例10に記載の有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体(391)。
【実施例16】
【0114】
システムによって実施される処理が、
信号の強度の変化並びに超音波撮像プローブ(310)の運動の測定値に基づいて、受動超音波センサ(S1)が、撮像面の第1の側にあるのか、それとも第1の側とは反対の第2の側にあるのかを判定するステップ(S830)と、
受動超音波センサ(S1)が撮像面を第1の側から第2の側へ通過するときを判定するステップ(S840)と
をさらに有する、実施例10に記載の有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体(391)。
【実施例17】
【0115】
システムによって実施される処理が、
表示される受動超音波センサ(S1)の表現を、受動超音波センサ(S1)が撮像面の第1の側にあるのかそれとも第2の側にあるのかということに基づいて変化させるように制御するスッテプ(S760)をさらに有する、実施例16に記載の有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体(391)。
【実施例18】
【0116】
超音波撮像プローブ(310)からの撮像面に対する受動超音波センサ(S1)の面外運動を識別するためのシステム(300)であって、
医療介入中にビームを放射する超音波撮像プローブ(310)と、
超音波撮像プローブ(310)に固定された位置及び配向のセンサ(312)と、
医療介入中は介入医療デバイス(301)に固定されている受動超音波センサ(S1)と、
命令を記憶する記憶装置(391)及び命令を実行するプロセッサ(392)を備えるコントローラ(250)と
を備えるシステム(300)において、プロセッサ(392)が命令を実行するとき、システム(300)が、
位置及び配向のセンサ(312)から、第1の時点と第2の時点との間の超音波撮像プローブ(310)の運動の測定値を取得するステップ(S710)と、
第1の時点及び第2の時点において受動超音波センサ(S1)によって超音波撮像プローブ(310)からのビームの放射に基づいて受け取られた信号の強度を、取得するステップ(S720)と、
運動の測定値及び信号の強度の測定値に基づいて、受動超音波センサ(S1)から撮像面への指向性及び距離を判定するステップ(S730)と
を有する処理を実施するシステム(300)。
【実施例19】
【0117】
判定するステップが、
受動超音波センサ(S1)によって受け取られた信号の強度の、第1の時点と第2の時点との間の変化を識別するステップ(S810)と、
位置及び配向のセンサ(312)の、受動超音波センサを通る固定軸に対する回転を識別するステップ(S820)と、
信号の強度の変化並びに位置及び配向のセンサ(312)の回転に基づいて、受動超音波センサ(S1)が、撮像面の第1の側にあるのか、それとも第1の側とは反対の第2の側にあるのかを判定するステップ(S830)と
をさらに有する、実施例18に記載のシステム。
【実施例20】
【0118】
判定するステップが、
位置及び配向のセンサ(312)の、受動超音波センサを通る固定軸に対する回転を識別するステップ(S910)と、
受動超音波センサ(S1)と超音波撮像プローブ(310)との間の距離を識別するステップ(S920)と、
位置及び配向のセンサ(312)の、固定軸に対する回転、及び受動超音波センサ(S1)と超音波撮像プローブ(310)との間の距離に基づいて、撮像面から受動超音波センサ(S1)までの距離の変化を計算するステップ(S930)と
をさらに有する、実施例18に記載のシステム。
【0119】
本明細書で説明された実施形態の図示は、様々な実施形態の構造の一般的な理解を提供するように意図されている。これらの図示は、本明細書で説明された開示のすべての要素及び特徴の完全な説明として働くようには意図されていない。本開示を再検討すれば、他の多くの実施形態が当業者には明らかになるであろう。他の実施形態が利用され、また本開示から導出され、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的且つ論理的な置換及び変更が可能である。加えて、図示は単に描写的なものであって原寸には比例しない。図示の内部では、ある特定の寸法が誇張される一方で他の寸法が最小化されることがある。したがって、本開示及び図は、限定するものではなく例示と見なされるべきである。
【0120】
本開示の1つ又は複数の実施形態は、本明細書では、この出願の範囲をいかなる特定の発明又は発明概念にも自発的に限定するような意図はなく、単に便宜のために、「発明」という用語によって、個々に、且つ/又は総体として参照される。その上、本明細書では特定の実施形態が図示され、且つ説明されてきたが、同一又は類似の目的を達成するように設計された、それに続くあらゆる機構が、示された特定の実施形態を置換し得ることを認識されたい。この開示は、様々な実施形態のあらゆる後続の適応物又は変形形態を対象として含むように意図されている。当業者には、上記の実施形態の組合せや、本明細書において具体的には説明されていない他の実施形態が、説明を再検討すれば明らかになるはずである。
【0121】
本開示の要約は、37 C.F.R. §1.72(b)に準拠するために提供されたものであり、請求項の範囲又は意味を解釈したり、限定したりするために使用されることはないという理解を伴って提示されている。加えて、前述の発明を実施するための形態では、本開示を簡素化するために、単一の実施形態において、様々な特徴がグループ化されるか又は説明されている。この開示は、特許請求される実施形態が、各請求項で明確に列挙されたものよりも多くの特徴を必要とするとの意図を反映するように解釈されるべきではない。むしろ、以下の請求項が反映するように、独創的な主題の対象は、開示された実施形態のうち任意のものの特徴のすべてよりも少ない。したがって、以下の請求項は発明を実施するための形態に組み込まれ、各請求項が、特許請求される主題の定義として個別に自立する。
【0122】
開示された実施形態の先の説明は、本開示で説明された概念を、あらゆる当業者が実施することを可能にするために提供されたものである。そのため、上記で開示された主題は実例であって限定ではないと見なされるべきであり、添付の特許請求の範囲は、そのような修正形態、拡張機能、並びに本開示の真の趣旨及び範囲に入る他の実施形態のすべてを対象として含むように意図されている。したがって、本開示の範囲は、法律によって許容される最大限の範囲まで、以下の請求項及びそれらの等価物の許される最も広い解釈によって判定されるべきであり、前述の発明を実施するための形態によって制限されたり限定されたりすることはないものとする。