(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】浄水器
(51)【国際特許分類】
C02F 1/00 20230101AFI20240621BHJP
C02F 1/32 20230101ALI20240621BHJP
C02F 1/28 20230101ALI20240621BHJP
B01D 24/42 20060101ALI20240621BHJP
B01D 29/92 20060101ALI20240621BHJP
E03C 1/10 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
C02F1/00 B
C02F1/32
C02F1/28 R
B01D29/42 510
E03C1/10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022172980
(22)【出願日】2022-10-28
【審査請求日】2022-12-19
(31)【優先権主張番号】10-2022-0028200
(32)【優先日】2022-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)令和3年10月29日にコーウェイ株式会社がウェブサイト http://www.dailysmart.co.kr/news/articleView.html?idxno=51604にて公開した。 (2)令和3年11月2日にコーウェイ株式会社がウェブサイト http://www.dailysmart.co.kr/news/articleView.html?idxno=51750にて公開した。 (3)令和3年12月3日にコーウェイ株式会社がウェブサイト https://www.dailian.co.kr/news/view/1059373/?sc=Naverにて公開した。 その他5つ
(73)【特許権者】
【識別番号】514170813
【氏名又は名称】コーウェイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】COWAY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ミンス
(72)【発明者】
【氏名】ムン,ヒュンスク
(72)【発明者】
【氏名】パク,シジュン
(72)【発明者】
【氏名】ヨム,チャンソブ
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-517540(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2018-0063657(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0229716(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/00-1/78
B01D 1/00-1/30
B01D 29/00-29/96
E03C 1/00-1/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水を濾過して浄水を生成する浄水モジュールと、
前記浄水モジュールから前記浄水の供給を受けて外部に出水する出水モジュールと、を含み、
前記出水モジュールは、
ハウジングと、
少なくとも一部分が前記ハウジングの内部に配置され、前記浄水が流入する浄水流入流路と、
前記ハウジングの内部に引き込まれた第1位置と前記ハウジングの前方に引き出された第2位置との間で変位可能に配置される移動部と、
前記移動部を変位させる駆動部と、
互いに回転可能に連結される複数のリンク出水流路を含み、前記浄水流入流路から前記浄水の供給を受け、前記複数のリンク出水流路を介して前記浄水を外部に出水するように前記移動部に連結される出水部と、を含み、
前記移動部が前記第1位置から前記第2位置に変位するとき、前記出水部の複数のリンク出水流路が広がり、前記移動部が前記第2位置から前記第1位置に変位するとき、前記出水部の複数のリンク出水流路が折れ、前記移動部が前記第2位置にあるときに、前記出水部は、前記移動部の下側に前記浄水を出水でき
、
前記移動部は、出水孔を有し、前記移動部の下側に配置されるプレートを含み、
前記浄水が出水される前記出水部の出水側の端部は、前記出水孔に固定され、前記出水部の入水側の端部は、前記浄水流入流路に固定され、
前記移動部が前記第1位置に配置された状態では、前記出水孔が前記出水モジュールの外部に露出されず、前記移動部が前記第2位置に配置された状態で前記出水孔が出水モジュールの外部に露出されることを特徴とする浄水器。
【請求項2】
前記駆動部は、前記出水部の上部に配置されることを特徴とする請求項1に記載の浄水器。
【請求項3】
前記移動部は、変位時に水平方向にのみ移動し、
前記移動部の変位時に前記出水部の複数のリンク出水流路は、水平方向の運動成分と垂直方向の運動成分の両方を有して広げられたり、折れたりすることを特徴とする請求項1に記載の浄水器。
【請求項4】
前記駆動部は、
前記ハウジングに固定されるモーターと、
前記モーターの出力軸に結合されるピニオンと、
前記移動部に結合されて前記ピニオンとかみ合い、前記ピニオンの回転に応じて前方または後方に直線運動をするラックバーと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の浄水器。
【請求項5】
前記移動部が前記第1位置にあるときに、前記出水部の出水端部が上側に位置するように前記ハウジングの内部に設けられ、前記出水部の出水端部に紫外線を照射する紫外線照射部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の浄水器。
【請求項6】
前記移動部の前方面に結合されて操作インタフェースを提供し、前記移動部と一体として変位するインタフェース部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の浄水器。
【請求項7】
前記出水部は、
前記浄水流入流路に連結される第1リンク出水流路と、
前記第1リンク出水流路に対して回転可能に連結される第1軸管、前記第1軸管と離隔して並んで配置される第2軸管、前記第1軸管と前記第2軸管を連結する連結管を有する第2リンク出水流路と、
前記第2軸管に回転可能に結合される第3リンク出水流路と、
前記第3リンク出水流路が回転可能に結合される第3軸管と前記第3軸管の外周面から外側に延長された出水管を有する第4リンク出水流路と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の浄水器。
【請求項8】
前記移動部が前記第1位置にあるときに、前記第1軸管が前記第2軸管の前方に配置され、前記第3リンク出水流路が前記第1リンク出水流路と積層された形で配置され、前記移動部が前記第1位置から前記第2位置に変位するとき、前記第1軸管を中心に前記第2軸管が前記第1軸管の前方に回転することを特徴とする請求項
7に記載の浄水器。
【請求項9】
第1リンク出水流路は、前記第1軸管の軸方向の一側に連結され、前記第3リンク出水流路は、前記第2軸管および前記第3軸管の軸方向の一側にそれぞれ連結され、前記第1~第3軸管の軸方向の他側は、閉鎖されていることを特徴とする請求項
8に記載の浄水器。
【請求項10】
前記出水部は、
前記第1軸管の軸方向の他側に連結されて前記第1軸管を支持する第1リンク安定化部材と、
前記第2軸管および前記第3軸管の軸方向の他側にそれぞれ連結されて前記第2軸管および前記第3軸管を支持する第2リンク安定化部材と、をさらに含むことを特徴とする請求項
9に記載の浄水器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄水器に関するものであって、より具体的に、原水が濾過されて生成された浄水を出水する出水部の水平方向の変位が可能な構造を通じて衛生性および利便性が向上した浄水器に関する。
【背景技術】
【0002】
浄水器は、外部から供給された原水を濾過して浄水を生成する装置である。最近、設置時の空間効率性が浄水器選択の重要な要素と思われており、これによりアンダーシンク浄水器およびカウンタートップ浄水器が広く普及している。一般的に、アンダーシンク浄水器およびカウンタートップ浄水器は、原水(例えば、水道水)が供給される配管に直結式に連結され、原水が水圧によってフィルターを通過しながら濾過されて浄水に生成された後に、フォーセットを介して外部に排出される構造を有する。
【0003】
このようなアンダーシンク浄水器およびカウンタートップ浄水器と関連して、出水部の利便性、衛生性および空間効率性を向上させるための研究開発が活発に行われている。株式会社イオンの韓国公開特許第2018-0063657号は、フォーセットにタッチ方式の操作部を一体として形成し、ユーザーの操作によって浄水、冷水および温水を1つのフォーセットを介して選択的に出水させることができるアンダーシンク用浄水器フォーセットを開示している。また、サムスン電子株式会社の韓国公開特許第2021-0096346号は、出水ユニットの位置を様々に変更できる浄水器について開示する。
【0004】
前記の先行文献に示された浄水器の出水部は、所定の範囲で回転可能に提供される。しかし、前述の先行文献に示された出水部は、常時外部に露出しており、線形変位は不可能な構造を有しているため、利便性、衛生性および空間効率性の側面で限界がある。
【0005】
一方、コーウェイ株式会社の韓国登録特許第2064180号は、浄水を出水する出水部が上下移動可能な構造を有する水排出装置を開示する。しかし、当該先行文献に示された出水部は、上下移動は可能であるが、水平方向への線形変位は、不可能な形を有しており、利便性、衛生性および空間効率性の確保において制限的な効果を提供するに留まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国公開特許公報第2018-0063657号
【文献】韓国公開特許公報第2021-0096346号
【文献】韓国登録特許公報第2064180号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述の問題を解決するために、本発明による浄水器は、出水部の水平方向の変位が可能であり、出水時にのみ出水部が外部に露出できるように構成されることによって、衛生性、利便性および空間効率性を向上させることを目的とする。
【0008】
本発明の実施形態による浄水器は、出水部を駆動部との干渉なしに変位させることによって、出水部の変位の効率性を向上させることを目的とする。
【0009】
本発明の実施形態による浄水器は、複数のリンク出水流路を介して個々の流路部材の伸縮や折れがなくても出水部の変位を可能にすることによって、出水部の変位の効率性、耐久性および衛生性を向上させることを目的とする。
【0010】
本発明の実施形態による浄水器は、ラックピニオン構造を通じて出水部の水平方向の変位を効率的に達成することを目的とする。
【0011】
本発明の実施形態による浄水器は、出水部の出水口に直接紫外線を照射できる構造を通じて衛生性を向上させることを目的とする。
【0012】
本発明の実施形態による浄水器は、出水部とともに一体として変位するインタフェース部を介して使用性を向上させることを目的とする。
【0013】
本発明の実施形態による浄水器は、リンク安定化部材を介して出水部に含まれる複数のリンク出水流路の変位が安定して行われることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するために、本発明による浄水器は、原水を濾過して浄水を生成する浄水モジュールと、前記浄水モジュールから前記浄水の供給を受けて外部に出水する出水モジュールと、を含み、前記出水モジュールは、ハウジングと、少なくとも一部分が前記ハウジングの内部に配置され、前記浄水が流入する浄水流入流路と、前記ハウジングの内部に引き込まれた第1位置と前記ハウジングの前方に引き出された第2位置との間で変位可能に配置される移動部と、前記移動部を変位させる駆動部と、互いに回転可能に連結される複数のリンク出水流路を含み、前記浄水流入流路から前記浄水の供給を受け、前記複数のリンク出水流路を介して前記浄水を外部に出水するように前記移動部に連結される出水部と、を含み、前記移動部が前記第1位置から前記第2位置に変位するとき、前記出水部の複数のリンク出水流路が広がり、前記移動部が前記第2位置から前記第1位置に変位するとき、前記出水部の複数のリンク出水流路が折れ、前記移動部が前記第2位置にあるときに、前記出水部は、前記移動部の下側に前記浄水を出水できることを特徴とする。
【0015】
本発明の一実施形態による浄水器において、前記駆動部は、前記出水部の上部に配置されることを特徴とする。
【0016】
本発明の一実施形態による浄水器において、前記移動部は、変位時に水平方向にのみ移動し、前記移動部の変位時に前記出水部の複数のリンク出水流路は、水平方向の運動成分と垂直方向の運動成分の両方を有して広げられたり、折れたりすることを特徴とする。
【0017】
本発明の実施形態による浄水器において、前記移動部は、出水孔を有して前記移動部の下側に配置されるプレートを含み、前記浄水が出水する前記出水部の出水側の端部は、前記出水孔に固定され、前記出水部の入水側の端部は、前記浄水流入流路に固定されることを特徴とする。
【0018】
本発明の実施形態による浄水器において、前記駆動部は、前記ハウジングに固定されるモーターと、前記モーターの出力軸に結合されるピニオンと、前記移動部に結合されて前記ピニオンとかみ合い、前記ピニオンの回転に応じて前方または後方に直線運動をするラックバーと、を含むことを特徴とする。
【0019】
本発明の実施形態による浄水器は、前記移動部が前記第1位置にあるときに、前記出水部の出水端部が上側に位置するように前記ハウジングの内部に設けられ、前記出水部の出水端部に紫外線を照射する紫外線照射部をさらに含むことを特徴とする。
【0020】
本発明の一実施形態による浄水器は、前記移動部の前方面に結合されて操作インタフェースを提供し、前記移動部と一体として変位するインタフェース部をさらに含むことを特徴とする。
【0021】
本発明の実施形態による浄水器において、前記出水部は、前記浄水流入流路に連結される第1リンク出水流路と、前記第1リンク出水流路に対して回転可能に連結される第1軸管、前記第1軸管と離隔して並んで配置される第2軸管、前記第1軸管と前記第2軸管を連結する連結管を有する第2リンク出水流路と、前記第2軸管に回転可能に結合される第3リンク出水流路と、前記第3リンク出水流路が回転可能に結合される第3軸管と前記第3軸管の外周面から外側に延長された出水管を有する第4リンク出水流路と、を含むことを特徴とする。
【0022】
本発明の実施形態による浄水器において、前記移動部が前記第1位置にあるときに、前記第1軸管が前記第2軸管の前方に配置され、前記第3リンク出水流路が前記第1リンク出水流路と積層された形で配置され、前記移動部が前記第1位置から前記第2位置に変位するとき、前記第1軸管を中心に前記第2軸管が前記第1軸管の前方に回転することを特徴とする。
【0023】
本発明の実施形態による浄水器において、前記第1リンク出水流路は、前記第1軸管の軸方向の一側に連結され、前記第3リンク出水流路は、前記第2軸管および前記第3軸管の軸方向の一側にそれぞれ連結され、前記第1~第3軸管の軸方向の他側は、閉鎖されていることを特徴とする。
【0024】
本発明の実施形態による浄水器において、前記出水部は、前記第1軸管の軸方向の他側に連結されて前記第1軸管を支持する第1リンク安定化部材と、前記第2軸管および前記第3軸管の軸方向の他側にそれぞれ連結されて前記第2軸管および前記第3軸管を支持する第2リンク安定化部材と、をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
前記構成により、本発明による浄水器は、出水部の水平方向の変位が可能であり、出水時にのみ出水部を外部に露出できるように構成することによって、衛生性、利便性および空間効率性を向上させる効果を提供する。
【0026】
本発明の実施形態による浄水器は、出水部を駆動部との干渉なしに変位させることによって、出水部の変位の効率性を向上させる効果を提供する。
【0027】
本発明の実施形態による浄水器は、複数のリンク出水流路を介して個々の流路部材の伸縮や折れがなくても出水部の変位を可能にすることによって、出水部の変位の効率性、耐久性および衛生性を向上させる効果を提供する。
【0028】
本発明の実施形態による浄水器は、ラックピニオン構造を通じて出水部の水平方向の変位を効率的に達成する効果を提供する。
【0029】
本発明の実施形態による浄水器は、出水部の出水口に直接紫外線を照射できる構造を通じて衛生性を向上させる効果を提供する。
【0030】
本発明の実施形態による浄水器は、出水部とともに一体として変位するインタフェース部を介して使用性を向上させる効果を提供する。
【0031】
本発明の実施形態による浄水器は、リンク安定化部材を介して出水部に含まれる複数のリンク出水流路の変位を安定的に行うようにする効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の実施形態による浄水器の構成図である。
【
図2】本発明の実施形態による浄水器の出水モジュールの一部の構成を示す図である。
【
図3】
図2における移動部の一側を開放して示す図である。
【
図4】本発明の実施形態による浄水器の移動部のプレートと出水部を分離した状態を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態による浄水器の出水モジュールを移動部が前方に変位した状態で示す図である。
【
図6】本発明の実施形態による浄水器の出水モジュールの一部の構成を移動部が前方に変位した状態で示す図である。
【
図7】
図6における移動部の一側を開放して示す図である。
【
図8】本発明の実施形態による浄水器の出水部の分解斜視図である。
【
図9】本発明の実施形態による浄水器の出水部における出水の流れを示す図である。
【
図10】本発明の実施形態による浄水器の出水モジュールを一部の構成を除去した状態に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本明細書および特許請求の範囲で使用される単語および用語は、通常のまたは辞書的な意味に限定して解釈されず、本発明を最良の方法で説明するために発明者が用語および概念を定義できる原則に従って本発明の技術的思想に符合する意味と概念として解釈されなければならない。
【0034】
本明細書に記載された実施形態と図面に示される構成は、本発明の好ましい一実施形態に該当し、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないため、当該構成は、本発明の出願時点でこれを置き換える様々な均等物と変形例があり得る。
【0035】
本明細書において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、1つまたは複数の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0036】
ある構成要素が他の構成要素の「前方」、「後方」、「上部」または「下部」にあることは、特別な事情がない限り、他の構成要素と直接接して「前方」、「後方」、「上部」または「下部」に配置されるだけでなく、その中間にまた他の構成要素が配置される場合も含む。また、ある構成要素が他の構成要素と「連結」されていることは、特別な事情がない限り、互いに直接連結されるだけでなく、間接的に互いに連結される場合も含む。
【0037】
以下、図面を参照して本発明の実施形態による浄水器を説明する。
【0038】
図1は、本発明の実施形態による浄水器の構成図である。
図2は、本発明の実施形態による浄水器の出水モジュールの一部の構成を示し、
図3は、
図2における移動部の一側を開放した状態を示す。また、
図4は、本発明の実施形態による浄水器の移動部のプレートと出水部を分離した状態を示す。
図5は、本発明の実施形態による浄水器の出水モジュールを移動部が前方に変位した状態で示し、
図6は、本発明の実施形態による浄水器の出水モジュールの一部の構成を移動部が前方に変位した状態で示し、
図7は、
図6における移動部の一側を開放した状態を示す。一方、
図8は、本発明の実施形態による浄水器の出水部の分解斜視図を示し、
図9は、本発明の実施形態による浄水器の出水部における出水の流れを示す。また、
図10は、本発明の実施形態による浄水器の出水モジュールを一部の構成を除去した状態に示す。
【0039】
図1~
図10を参照すると、本発明の実施形態による浄水器は、浄水モジュール100および出水モジュール200を含む。
【0040】
浄水モジュール100は、原水を濾過して浄水を生成する。浄水モジュール100は、原水を濾過するフィルター部(図示せず)を含み得る。浄水モジュール100は、出水モジュール200とは分離して配置され得る。例えば、浄水モジュール100は、流し台の下側に配置され得る。すなわち、本発明の実施形態による浄水器は、アンダーシンクタイプであることがある。一方、浄水モジュール100は、出水モジュール200と一緒に結合されて配置され得る。例えば、本発明の実施形態による浄水器は、カウンタトップタイプであることもある。
【0041】
浄水モジュール100は、浄水を出水モジュール200側に排出する出水流路110と、出水モジュール200から捨てられる流量が入水する入水流路120と、を含み得る。また、浄水モジュール100は、浄水を冷却して冷水を生成する冷水生成部(図示せず)と、浄水を加熱して温水を生成する温水生成部(図示せず)と、をさらに含み得る。前記冷水生成部で生成された冷水と温水生成部で生成された温水は、出水流路110を介して出水モジュール200側に排出される。これと関連して、浄水モジュール100は、浄水、冷水、および温水を選択的に出水流路110に流動させるためのバルブ(図示せず)をさらに含み得る。
【0042】
出水モジュール200は、浄水モジュール100から前記浄水の供給を受けて外部に出水する。前述したように、出水モジュール200は、浄水モジュール100とは分離して配置されるか、または浄水モジュール100と結合して配置され得る。本発明の実施形態において、出水モジュール200は、ハウジング210、浄水流入流路220、移動部230、駆動部240、出水部250、紫外線照射部260、インタフェース部270および排水流路280を含む。
【0043】
ハウジング210は、出水モジュール200の外観を形成する。ハウジング210には、浄水流入流路220、移動部230、駆動部240、出水部250、紫外線照射部260、インタフェース部270および排水流路280などの構成が配置される。例えば、ハウジング210は、四角柱の形を有し得る。
【0044】
浄水流入流路220は、前記浄水が流入するように構成される。浄水流入流路220は、少なくとも一部分がハウジング210の内部に配置され得る。浄水流入流路220の一端は、浄水モジュール100の出水流路110と連結され、浄水流入流路220の他端は、出水部250と連結される。本発明の実施形態において、浄水流入流路220は、出水モジュール200の下側から上側に前記浄水を流動させるために上下方向に延長されて配置され得る。
【0045】
移動部230は、ハウジング210の内部に引き込まれた第1位置とハウジング210の前方に引き出された第2位置との間に変位可能に配置される。移動部230は、第1位置と第2位置との間で水平方向に変位するように配置され得る。また、本発明の実施形態において、移動部230は、ハウジング210の上側に配置され得る。
図3および
図4を参照すると、移動部230は、プレート231および移動部ハウジング232を含み得る。
【0046】
プレート231は、出水孔231bを有し、移動部230の下側に配置される。すなわち、プレート231は、移動部230の下部を規定して配置される。
図5を参照すると、移動部230がハウジング210の前方に引き出された第2位置にあるときに、プレート231は、ハウジング210の外部に露出し、出水孔231bを介して前記浄水を出水できる。
【0047】
図4を参照すると、プレート231は、プレート本体231aと、プレート本体231aを貫通して形成される出水孔231bと、照明光が外部に進行するようにプレート本体231aを貫通して形成される照明孔231cと、後述する出水部250の第1リンク出水流路250aの配置のためにプレート本体231aの後方部分から前方に陥入した陥入部231dと、出水部250との締結のためにプレート本体231aの前方部分から上側に突出して延長される第1プレート締結部231eと、移動部ハウジング232との締結のためにプレート本体231aの前方部分から上側に突出して延長される第2プレート締結部231fと、を含む。このとき、出水孔231aには、出水部250の出水側の端部が固定され得る。また、第1締結部231eは、出水部250の第4リンク出水流路250dと締結され得る。
【0048】
移動部ハウジング232は、移動部230の両側面、上部面および前方面をカバーして配置される。つまり、移動部ハウジング232は、移動部230の両側面、上部面および前方面を区画する。移動部ハウジング232は、プレート231と結合され得る。本発明の実施形態において、移動部ハウジング232とプレート231によって移動部230は、後方に開放されたボックス形状を有し得る。
【0049】
移動部230が第1位置に配置された状態では、プレート231の出水孔231bが出水モジュール200の外部に露出されず、移動部230が第2位置に配置された状態でプレート231の出水孔231bが出水モジュール200の外部に露出される。したがって、本発明によると、出水孔231bが常時外部に露出されず、前記浄水を出水しようとするときにのみ出水孔231bを外部に露出させることができる。これにより、浄水器の衛生性、空間効率性を増大させることができる。
【0050】
駆動部240は、移動部230を変位させる。駆動部240は、移動部230をハウジング210の内部に引き込まれた第1位置からハウジング210の前方に引き出された第2位置に変位させるか、またはハウジング210の前方に引き出された第2位置からハウジング210の内部に引き込まれた第1位置に変位させる。
【0051】
本発明の実施形態において、駆動部240は、出水部250の上部に配置される。移動部230が第1位置と第2位置との間で水平方向に変位すると、出水部250は、水平方向の運動成分と垂直方向の運動成分の両方を有する。しかし、本発明の実施形態において、出水部250は、移動部230の下部を規定するプレート231に結合される。したがって、駆動部240が出水部250の上部に配置される場合、出水部250は、駆動部240との干渉なしに変位を円滑に進行できる。
【0052】
図3、
図6および
図7を参照すると、駆動部240は、ハウジング210に固定されるモーター241と、モーター241の出力軸に結合されるピニオン242と、移動部230に結合されてピニオン242とかみ合い、ピニオン242の回転に応じて前方または後方に直線運動をするラックバー243と、を含む。より具体的に、駆動部240は、ハウジング210のうち、出水モジュール200の後方上側部分をカバーする部分に一側端部が連結されて前方に延長されたカンチレバー形の固定バー244と、固定バー244に締結されるモーターハウジング245と、をさらに含み、モーター241は、モーターハウジング245内に配置され得る。このとき、固定バー244は、複数個が並んで配置され得る。一方、ラックバー243は、移動部ハウジング232に結合され得る。本発明の実施形態において、ラックバー243は、移動部ハウジング232のうち、移動部230の上側をカバーする部分に結合される。
【0053】
出水部250は、浄水流入流路220から前記浄水の供給を受けて浄水を外部に出水する。
図3、
図4、
図6~
図8を参照すると、出水部250は、互いに回転可能に連結される複数のリンク出水流路250a、250b、250c、250dを含む。出水部250は、浄水流入流路220から前記浄水の供給を受け、複数のリンク出水流路250a、250b、250c、250dを介して前記浄水を外部に出水するように移動部230に連結される。このとき、前記浄水が出水する出水部250の出水側の端部は、移動部230の出水孔231bに固定され、出水部250の入水側の端部は、浄水流入流路220に固定される。
【0054】
出水部250の複数のリンク出水流路250a、250b、250c、250dは、移動部230が第1位置から第2位置に変位するときに広がり、移動部230が第2位置から第1位置に変位するときに折られる。また、移動部230が第2位置にあるときに、出水部250は、移動部230の下側に前記浄水を出水できる。
【0055】
前述したように、移動部230は、変位時に水平方向にのみ移動する。一方、出水部250の複数のリンク出水流路250a、250b、250c、250dは、移動部230の変位時に水平方向の運動成分と垂直方向の運動成分の両方を有して広げられたり折れたりする。
【0056】
本発明の実施形態において、出水部250は、第1リンク出水流路250a、第2リンク出水流路250b、第3リンク出水流路250c、および第4リンク出水流路250dを含む。
【0057】
第1リンク出水流路250aは、浄水流入流路220に連結される。本発明の実施形態において、第1リンク出水流路250aは、下端部が浄水流入流路220と連結されて上下方向に延長される第1-1リンク流路部材251aと、第1リンク出水流路250aをハウジング210に締結する締結部材が結合されるように、第1-1リンク流路部材251aの外面から外側に延長されるリンク流路締結部252aと、第1-1リンク流路部材251aの上端部と流体連通可能に連結される第1-2リンク流路部材253aと、第1-2リンク流路部材253aと流体連通可能に連結され、前後方向に延長される第1-3リンク流路部材254aと、第2リンク出水流路250bとの連結のために第1-3リンク流路部材254aの前方端部に備えられる第1連結部255aと、後述する第1リンク安定化部材250fとの締結のために第1-3リンク流路部材254aの外面から外側に延長される第1延長部256aと、を含む。
【0058】
第2リンク出水流路250bは、第1リンク出水流路250aに対して回転可能に連結される第1軸管251bと、第1軸管251bと離隔して並んで配置される第2軸管253bと、第1軸管251bと第2軸管253bを連結する連結管252bと、を含む。本発明の実施形態において、第1軸管251bと第2軸管253bは、それぞれ回転軸として機能し、互いに平行に配置される。また、第1軸管251bと第2軸管253bは、左右方向に延長されて配置され得る。第1軸管251bの軸方向の一側に第1リンク出水流路250aを連結し得る。より具体的に、本発明の実施形態において、第1軸管251bの軸方向の一側に第1リンク出水流路250aの第1連結部255aが水密性を確保して連結される。第1軸管251bの軸方向の他側は閉鎖され、連結管252bは、第1軸管251bの側部と第2軸管253bを連結する。また、第2軸管253bも第1軸管251bと同様に軸方向の他側は閉鎖され、軸方向の一側が第3リンク出水流路250cと連通するように構成される。
【0059】
第3リンク出水流路250cは、第2軸管253bに回転可能に結合される。本発明の実施形態において、第3リンク出水流路250cは、第2リンク出水流路250bから供給される浄水を第4リンク出水流路250dに流動させるように配置される第3リンク流路部材251cを含む。第3リンク流路部材251cは、前後方向に延長される。第3リンク出水流路250cは、第3リンク流路部材251cの後方端部に備えられる第2連結部252cと、第3リンク流路部材251cの前方端部に備えられる第3連結部253cと、後述する第2リンク安定化部材250gとの締結のために第3リンク流路部材251cの外面から外側に延長される第2延長部254cと、をさらに含む。第2延長部254cは、複数個が備えられ得る。また、第2連結部252cは、第2リンク出水流路250bの第2軸管253bの軸方向の一側に水密性を確保して連結される。
【0060】
第4リンク出水流路250dは、第3リンク出水流路250cが回転可能に結合される第3軸管251dと、第3軸管251dの外周面から外側に延長される出水管252dと、を含む。第3軸管251dは、回転軸として機能し、左右方向に延長されて配置され得る。第3軸管251dの軸方向の一側には、第3リンク出水流路250cの第3連結部253cが水密性を確保して連結される。第3軸管251dの軸方向の他側は閉鎖され、第3軸管251dに流動した浄水は、出水管252dを介して外部に出水できる。また、出水管252dは、第3軸管251dの外面から下方向に延長され得る。本発明の実施形態において、出水管252dは、移動部230のプレート231に結合される。より具体的に、出水管252dの出水端部は、プレート231の出水孔231bにはめ込み結合され得る。また、第4リンク出水流路250dは、出水管252dを第1プレート締結部231eに締結するための締結部材が締結されるように、出水管252dの外側に延長される第3連結部253dを含む。締結部材(例えば、スクリュー)が第3連結部253dを貫通して第1プレート締結部231eに締結されることによって、プレート231と第4リンク出水流路250dとの締結が行われ得る。一方、第4リンク出水流路250dは、第3軸管251dの外面で出水管252dと並んで延長される光源配置部254dをさらに含み得る。光源配置部254dの端部は、プレート231の照明孔231cに締結され、照明光の透過が可能に備えられる。光源配置部254dの内部には、光源250eが配置され、出水孔231bを介した浄水の出水が行われるとき、光源250eによる照明光が照明孔231cを介して提供される。
【0061】
図3、
図7および
図8を参照すると、移動部230が第1位置にあるときに、第1軸管251bが第2軸管253bの前方に配置され、第3リンク出水流路250cが第1リンク出水流路250aと積層された形で配置される。また、移動部230が第1位置から第2位置に変位するとき、第1軸管251bを中心に第2軸管253bが第1軸管251bの前方に回転する。このように、本発明の実施形態において、移動部230が第1位置と第2位置との間で水平方向に変位するとき、出水部250は、水平方向の運動成分と垂直方向の運動成分の両方を有して変位して出水がハウジング210の外部で行われるようにする。つまり、出水部250は、複数のリンク出水流路250a、250b、250c、250dを介して個々の流路部材の伸縮や折れがなくても出水部250の水平方向の変位を可能にする。これにより、出水部250の衛生性を向上させることができる。また、出水部250の耐久性も確保できる。
【0062】
図9を参照すると、第1リンク流路部材251aを介して出水部250に流入した浄水は、第2リンク出水流路250bの第1軸管251b、連結管252bおよび第2軸管253bを経て第3リンク出水流路250cに流動する。また、第3リンク出水流路250cを通過した浄水は、第4リンク出水流路250dの第3軸管251dと出水管252dを経て外部に出水する。このような流路を形成するために前述したように、第1リンク出水流路250aは、第1軸管251bの軸方向の一側に連結され、第3リンク出水流路250cは、第2軸管253bおよび第3軸管251dの軸方向の一側にそれぞれ連結される。また、第1軸管251b、第2軸管253bおよび第3軸管251dの軸方向の他側は閉鎖される。
【0063】
一方、出水部250は、第1軸管251bの軸方向の他側に連結されて第1軸管を支持する第1リンク安定化部材250fと、第2軸管253bおよび第3軸管251dの軸方向の他側にそれぞれ連結されて第2軸管253bおよび第3軸管251dを支持する第2リンク安定化部材250gと、をさらに含み得る。第1リンク安定化部材250fと、第2リンク安定化部材250gを介して出水部250の回転変位の安定性が増加できる。
【0064】
第1リンク安定化部材250fは、第1リンク出水流路250aとともに第2リンク出水流路250bの第1軸管251bを支持する。本発明の実施形態において、第1リンク安定化部材250fは、第1リンク出水流路250aの第1-3リンク流路部材254aと並んで配置される第1リンクバー251fと、1リンクバー251fの前方端部に備えられ、第1軸管251bの軸方向の他側に連結される第4連結部252fと、第1延長部256aと重なった状態で第1延長部256aを貫通して配置される締結部材Bが締結されるように、第1リンクバー251fの外面から外側に延長される第3延長部253fと、を含み得る。
【0065】
第2リンク安定化部材250gは、第3リンク出水流路250cとともに第4リンク出水流路250dの第3軸管251dを支持する。また、第2リンク安定化部材250gは、第3リンク出水流路250cとともに第2軸管253bが第1軸管251bを中心に安定して回転できるようにする。本発明の実施形態において、第2リンク安定化部材250gは、第3リンク流路部材251cと並んで配置されて第2軸管253bを回転させる第2リンクバー251gと、第2リンクバー251gの後方端部の外面で備えられ、第2軸管253bの軸方向の他側に連結される第5連結部252gと、第2リンクバー251gの前方端部の外面から延長されて第3軸管251dの軸方向の他側に連結される第6連結部253gと、第2延長部254cと重なった状態で第2延長部254cを貫通して配置される締結部材Bが締結されるように、第2リンクバー251gの外面から外側に延長される第4延長部254gと、を含み得る。
【0066】
紫外線照射部260は、移動部230が第1位置にあるときに、出水部250の出水端部が上側に位置するようにハウジング210の内部に設けられ、出水部250の出水端部に紫外線を照射する。
図10を参照すると、移動部230が第1位置にあるときに、出水部250の出水端部、すなわち、第4リンク出水流路250dの出水管252dの端部が紫外線照射部260の上側に配置されることが確認できる(
図10において、移動部230のプレート231は図示せず)。このように本発明によると、移動部230が第1位置にあるときに、紫外線照射部260が出水部250の出水端部に直接紫外線を照射することが可能となり、これにより浄水器の衛生性を向上させることができる。
【0067】
インタフェース部270は、移動部230の前方面に結合されて操作インタフェースを提供し、移動部230と一体として変位する。インタフェース部270は、移動部ハウジング232の前方を区画する部分に結合され得る。例えば、インタフェース部270は、タッチスクリーン方式の操作インタフェースを提供し得る。また、インタフェース部270は、各種情報をディスプレイできる。本発明によると、出水部250とともに一体として変位するインタフェース部270を介して使用性を向上させることができる。
【0068】
排水流路280は、浄水流入流路220を介して提供された流量のうち、外部に出水せずに排水する必要がある流量を浄水モジュール100側に排水するための流路である。排水流路280は、浄水モジュール100の入水流路120と連結される。前述したように、浄水モジュール100は、浄水に加えて冷水または温水を提供し得る。もし、ユーザーが温水の出水を選択した場合、浄水モジュール100から供給される温水が所定の温度に達するまで浄水流入流路220内の流量を出水部250に供給せずに排水流路280を介して排水することができる。これと関連して、浄水流入流路220と出水部250との間には、バルブ(図示せず)が配置され得、排水流路280は、バルブと連結され得る。
【0069】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の思想は、本明細書に提示される実施形態に限定されず、本発明の思想を理解する当業者は、同じ思想の範囲内で構成要素の付加、変更、削除、追加などによって他の実施形態を容易に提案できるが、これも本発明の思想の範囲内に入ると言えるであろう。
【符号の説明】
【0070】
100:浄水モジュール 200:出水モジュール
210:ハウジング 220:浄水流入流路
230:移動部 240:駆動部
250:出水部 260:紫外線照射部
270:インタフェース部 280:排水流路