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特許7507835可燃性冷媒を用いた実験用機器、その動作方法、及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】可燃性冷媒を用いた実験用機器、その動作方法、及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01H 9/54 20060101AFI20240621BHJP
   G05B 9/02 20060101ALI20240621BHJP
   H02H 7/00 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
H01H9/54 B
G05B9/02 Z
H02H7/00 Z
H01H9/54 C
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022187069
(22)【出願日】2022-11-24
(65)【公開番号】P2023078103
(43)【公開日】2023-06-06
【審査請求日】2022-12-07
(31)【優先権主張番号】21210624.9
(32)【優先日】2021-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591121683
【氏名又は名称】エッペンドルフ エスイー
【氏名又は名称原語表記】Eppendorf SE
【住所又は居所原語表記】Barkhausenweg 1, 22339 Hamburg,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100106404
【弁理士】
【氏名又は名称】江森 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100112977
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 有子
(72)【発明者】
【氏名】ウーベ ボイケルト
(72)【発明者】
【氏名】ファルク ビンダー
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/047752(WO,A1)
【文献】特開平08-203371(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/54
G05B 9/02
H02H 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可燃性冷媒を用いた実験用機器であって、当該実験用機器が、
-前記実験用機器へ電気エネルギーを供給するための電気接続部であって、前記実験用機器が、その動作のために、前記電気接続部を介して、主電源の少なくとも二つの異なる電位に接続可能になる電気接続部と、
-前記少なくとも二つの異なる電位のうち、第1電位から電気的に分離するための第1電気スイッチ、及び、前記少なくとも二つの異なる電位のうち、第2電位から電気的に分離するための第2電気スイッチ、を有する電気スイッチ装置と、
-前記第1電気スイッチ及び前記第2電気スイッチをオンにするように構成されたシーケンスコントローラと、
-前記電気スイッチ装置を監視するための監視装置であって、前記実験用機器側の第1接点を介して、前記第1電気スイッチに接続され、前記主電源側の第2接点を介して、前記第1電位以外の電位に接続されている監視装置と、を備えており、かつ、
前記監視装置が、前記第1接点と前記第2接点との間に電気的動作電圧があるときに、前記第1電気スイッチのオン状態を決定し、この状態を前記シーケンスコントローラに通知するように構成されており、
前記シーケンスコントローラが、
-前記シーケンスコントローラによって、前記第1電気スイッチがオフであると予想されているものの、前記監視装置によって、前記第1電気スイッチがオンであることが通知されたときに、又は、
-前記シーケンスコントローラによって、前記第1電気スイッチがオンであると予想されているものの、前記監視装置によって、前記第1電気スイッチがオフであることが通知されたときに、
前記実験用機器の動作を遮断するように、構成されていることを特徴とする実験用機器。
【請求項2】
前記第1電気スイッチ及び前記第2電気スイッチは、互いに独立してオンにすることができ、前記シーケンスコントローラが、前記実験用機器の動作開始時に、前記第1電気スイッチ及び前記第2電気スイッチを順次オンにするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の実験用機器。
【請求項3】
前記監視装置が、前記実験用機器側の第3接点を介して、前記第2電気スイッチに接続され、前記主電源側の第4接点を介して、前記第2電位以外の電位に接続されており、
前記監視装置が、前記第3接点と前記第4接点との間に電気的動作電圧があるときに、前記第2電気スイッチのオン状態を決定し、この状態を前記シーケンスコントローラに通知するように構成されており、
前記シーケンスコントローラが、
-前記シーケンスコントローラによって、前記第2電気スイッチがオフであると予想されているものの、前記監視装置によって、前記第1電気スイッチがオンであることが通知されたときに、又は、
-前記シーケンスコントローラによって、前記第2電気スイッチがオンであると予想されているものの、前記監視装置によって、前記第1電気スイッチがオフであることが通知されたときに、
前記実験用機器の動作を遮断するように、構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の実験用機器。
【請求項4】
前記シーケンスコントローラが、
-前記監視装置が、前記第1電気スイッチがオフにされていることを含む、前記電気スイッチ装置の第1の所定状態を、前記シーケンスコントローラに通知したときに、前記第1電気スイッチをオンにするためのプロセスを開始し、
-前記第1電気スイッチのオン状態が前記監視装置によって前記シーケンスコントローラに通知されたか否かを確認し、かつ、
-前記第1電気スイッチのオン状態が、前記監視装置によって前記シーケンスコントローラに通知されない場合に、前記実験用機器の動作を遮断する、又は、前記シーケンスコントローラによって制御されるプロセスを停止させるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の実験用機器。
【請求項5】
前記監視装置が、
-前記第1接点と前記第2接点との間に前記電気的動作電圧があるときに、前記第1電気スイッチのオン状態を検出し、この状態を前記シーケンスコントローラに通知するように構成されている第1検出装置を、有しており、
-前記実験用機器側の第5接点を介して、前記第1電気スイッチに接続され、前記実験用機器側の第6接点を介して、前記第2電気スイッチに接続されており、
-前記第5接点と前記第6接点との間に前記電気的動作電圧があるときに、前記第1電気スイッチ及び前記第2電気スイッチのオン状態を検出し、この状態を前記シーケンスコントローラに通知するように構成されている第3検出装置を、有しており、かつ、
前記シーケンスコントローラが、前記第1電気スイッチ及び前記第2電気スイッチをオンにした後に、特定のスイッチオン状態が前記第1検出装置及び前記第3検出装置の両方によって前記シーケンスコントローラに通知されない場合に、前記実験用機器の動作を遮断する、又は、前記シーケンスコントローラによって制御されるプロセスを停止するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の実験用機器。
【請求項6】
前記シーケンスコントローラが、シミュレーション装置を有するテスト装置を備えており、
前記シミュレーション装置が、前記第1電気スイッチをオンにするために実行される前記シーケンスコントローラの制御プロセスにおいて起動され、前記第1電気スイッチがオンでない状態をシミュレーションするように構成されており、
前記テスト装置が、前記シミュレーション装置が起動されたときに、前記シーケンスコントローラにおいて、前記制御プロセスの実行後に前記実験用機器の動作を開始するか否かを判断するように構成されており、
前記シーケンスコントローラが、前記シミュレーション装置を起動させた状態で前記実験用機器の動作を開始させた場合に、前記テスト装置が、前記シーケンスコントローラに、当該シーケンスコントローラのエラーを通知することを特徴とする請求項1又は2に記載の実験用機器。
【請求項7】
前記シーケンスコントローラが、双安定フリップフロップを有する電子回路を備え、
前記双安定フリップフロップが、その入力側で第1信号線に接続されており、当該第1信号線を介して、前記監視装置が、前記第1電気スイッチがオンにされたことを前記双安定フリップフロップに通知し、
前記双安定フリップフロップが、その出力側で第2信号線に接続されており、当該第2信号線を介して、前記双安定フリップフロップが、前記第1信号線を介して伝送される信号と更なる信号に応じて、前記シーケンスコントローラによって実験用機器のスイッチをオンにするためのスイッチオンプロセスが継続可能であること、又はスイッチオンプロセスが達成されたことを、通知することを特徴とする請求項1又は2に記載の実験用機器。
【請求項8】
前記更なる信号が、前記監視装置によって前記双安定フリップフロップに通知される前記第1電気スイッチのオン状態にも依拠することを特徴とする請求項7に記載の実験用機器。
【請求項9】
可燃性冷媒を用いた実験用機器の動作方法であって、前記実験用機器が、
-前記実験用機器へ電気エネルギーを供給するための電気接続部であって、前記実験用機器が、その動作のために、前記電気接続部を介して、主電源の少なくとも二つの異なる電位に接続可能である、電気接続部と、
-前記少なくとも二つの異なる電位のうち、第1電位から電気的に分離するための第1電気スイッチ、及び、前記少なくとも二つの異なる電位のうち、第2電位から電気的に分離するための第2電気スイッチ、を有する電気スイッチ装置と、
-前記第1電気スイッチ及び前記第2電気スイッチをオンにするように構成されたシーケンスコントローラと、
-前記電気スイッチ装置を監視するための監視装置であって、前記実験用機器側の第1接点を介して、前記第1電気スイッチに接続され、前記主電源側の第2接点を介して、前記第1電位以外の電位に接続されている監視装置と、を備えており、かつ、
前記監視装置が、前記第1接点と前記第2接点との間に電気的動作電圧があるときに、前記第1電気スイッチのオン状態を決定し、この状態を前記シーケンスコントローラに通知するように構成されており、
前記シーケンスコントローラが、
-前記シーケンスコントローラによって、前記第1電気スイッチがオフであると予想されているものの、前記監視装置によって、前記第1電気スイッチがオンであることが通知されたときに、又は、
-前記シーケンスコントローラによって、前記第1電気スイッチがオンであると予想されているものの、前記監視装置によって、前記第1電気スイッチがオフであることが通知されたときに、
前記実験用機器の動作を遮断することを特徴とする実験用機器の動作方法。
【請求項10】
前記第1電気スイッチ及び前記第2電気スイッチは、互いに独立してオンにすることができ、かつ、前記シーケンスコントローラが、前記実験用機器の動作開始時に、前記第1電気スイッチ及び前記第2電気スイッチを順次オンにすることを特徴とする請求項9に記載の実験用機器の動作方法。
【請求項11】
前記監視装置が、前記実験用機器側の第3接点を介して、前記第2電気スイッチに接続され、前記主電源側の第4接点を介して、前記第2電位以外の電位に接続されており、
前記監視装置が、前記第3接点と前記第4接点との間に電気的動作電圧があるときに、前記第2電気スイッチのオン状態を決定し、この状態を前記シーケンスコントローラに通知し、
前記シーケンスコントローラが、
-前記シーケンスコントローラによって、前記第2電気スイッチがオフであると予想されているものの、前記監視装置によって、前記第1電気スイッチがオンであることが通知されたときに、又は、
-前記シーケンスコントローラによって、前記第2電気スイッチがオンであると予想されているものの、前記監視装置によって、前記第1電気スイッチがオフであることが通知されたときに、
前記実験用機器の動作を遮断することを特徴とする請求項9又は10に記載の実験用機器の動作方法。
【請求項12】
前記シーケンスコントローラが、
-前記監視装置が、前記第1電気スイッチがオフにされていることを含む、前記電気スイッチ装置の第1の所定状態を、前記シーケンスコントローラに通知したときに、前記第1電気スイッチをオンにするためのプロセスを開始し、
-前記第1電気スイッチのオン状態が、前記監視装置によって前記シーケンスコントローラに通知されたか否かを確認し、かつ、
-前記第1電気スイッチのオン状態が、前記監視装置によって前記シーケンスコントローラに通知されない場合に、前記実験用機器の動作を遮断する、又は、前記シーケンスコントローラによって制御されるプロセスを停止することを特徴とする請求項9又は10に記載の実験用機器の動作方法。
【請求項13】
前記監視装置が、
-前記第1接点と前記第2接点との間に前記電気的動作電圧があるときに、前記第1電気スイッチのオン状態を検出し、この状態を前記シーケンスコントローラに通知する第1検出装置を、有しており、
-前記実験用機器側の第5接点を介して、前記第1電気スイッチに接続され、前記実験用機器側の第6接点を介して、前記第2電気スイッチに接続されており、
-前記第5接点と前記第6接点との間に前記電気的動作電圧があるときに、前記第1電気スイッチ及び前記第2電気スイッチのオン状態を検出し、この状態を前記シーケンスコントローラに通知する第3検出装置を、有しており、かつ、
前記シーケンスコントローラが、前記第1電気スイッチ及び前記第2電気スイッチをオンにした後に、特定のスイッチオン状態が前記第1検出装置及び前記第3検出装置の両方によって前記シーケンスコントローラに通知されない場合に、前記実験用機器の動作を遮断する、又は、前記シーケンスコントローラによって制御されるプロセスを停止することを特徴とする請求項9又は10に記載の実験用機器の動作方法。
【請求項14】
前記シーケンスコントローラが、シミュレーション装置を有するテスト装置を備えており、前記シミュレーション装置が、前記第1電気スイッチをオンにするために実行される前記シーケンスコントローラの制御プロセスにおいて起動され、前記第1電気スイッチがオンでない状態をシミュレーションし、
前記テスト装置が、前記シミュレーション装置が起動された状態で、前記シーケンスコントローラにおいて、前記制御プロセスの実行後に前記実験用機器の動作を開始するか否かを判断し、かつ、
前記シーケンスコントローラが、前記シミュレーション装置を起動させた状態で前記実験用機器の動作を開始させた場合に、前記テスト装置が、前記シーケンスコントローラに、当該シーケンスコントローラのエラーを通知することを特徴とする請求項9又は10に記載の実験用機器の動作方法。
【請求項15】
可燃性冷媒を用いた実験用機器の製造方法であって、
-前記実験用機器へ電気エネルギーを供給するための電気接続部であって、前記実験用機器が、その動作のために、前記電気接続部を介して、主電源の少なくとも二つの異なる電位に接続可能である、電気接続部と、
-前記少なくとも二つの異なる電位のうち、第1電位から電気的に分離するための第1電気スイッチ、及び、前記少なくとも二つの異なる電位のうち、第2電位から電気的に分離するための第2電気スイッチ、を有する電気スイッチ装置と、
-前記第1電気スイッチ及び前記第2電気スイッチをオンにするように構成されたシーケンスコントローラと、
-前記電気スイッチ装置を監視するための監視装置であって、前記実験用機器側の第1接点を介して、前記第1電気スイッチに接続され、前記主電源側の第2接点を介して、前記第1電位以外の電位に接続されている監視装置と、を提供する工程と、
前記監視装置が、前記第1接点と前記第2接点との間に電気的動作電圧があるときに、前記第1電気スイッチのオン状態を決定し、この状態を前記シーケンスコントローラに通知するように構成する工程と、
前記シーケンスコントローラが、
-前記シーケンスコントローラによって、前記第1電気スイッチがオフであると予想されているものの、前記監視装置によって、前記第1電気スイッチがオンであることが通知されたときに、又は、
-前記シーケンスコントローラによって、前記第1電気スイッチがオンであると予想されているものの、前記監視装置によって、前記第1電気スイッチがオフであることが通知されたときに、
前記実験用機器の動作を遮断するように構成する工程と、を含むことを特徴とする実験用機器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実験室や、それ以外の箇所において用いられ、可燃性冷媒が適用できる実験用機器の一つ(以下、単に、実験用機器と称する場合がある。)、その動作方法、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
可燃性冷媒を用いて冷却機能を発揮する、実験用機器としての冷却型実験用機器、特に、実験用冷却型遠心分離機や実験用冷凍機器等の実験装置又は実験デバイスは、様々な安全要件を満たす必要がある。
そこで、例えば、DIN EN 61010-2-011規格(IEC 61010-2-011規格と称する場合がある。)は、電気計測器、制御機器、実験用機器の安全要求事項を規定している。
特に、これらの安全要求事項は、冷凍機器の構成と構造が、ユーザー、傍観者、訓練を受けたサービス要員、周辺地域、更に冷却型システムから発生する可能性のある特定の危険に対して適切な保護を提供することを保証することを意図している。
【0003】
又、DIN EN 378規格では、冷凍システムのライフサイクルが考慮されており、特にシステム/機器の安全性だけでなく、例えばシステムの設置場所、冷媒の限界値、冷蔵室での人の保護等に関しても考慮されている。
この規格は特に、ISO 817規格で定義されている冷媒の燃焼性クラス1(炎が広がらない)、2L(穏やかに燃えやすい)、2(燃えやすい)、3(非常に燃えやすい)を扱っている。
冷媒の例としては、例えば、プロパン、(イソ)ブタン(燃焼性クラス3)、R152a(燃焼性クラス2)、R1234yf(燃焼性クラス2L)、R410A、R22(燃焼性クラス1)等が挙げられる。
なお、本明細書においては、可燃性及び燃焼性を、それぞれ同義に用いている。
【0004】
又、高燃焼性炭化水素、特にプロパンや(イソ)ブタンは、好ましい環境特性を持っている。
例えば、オゾン層破壊係数(ODP)はゼロ、地球温暖化係数(Global Warming Potential、GWP)又はCO換算値はわずか3であり、これらの冷媒であれば、環境負荷を小さくすることができる。
【0005】
一方、今日の冷却型実験用機器では、環境負荷の少ない冷媒を使用することが望まれている。
そのため、環境負荷を小さくするために、プロパンや(イソ)ブタン等の冷媒を用いる場合、必要とされる安全対策が不十分であるという問題があった。特に、機械や装置の内部において安全な空間の確保が不十分であった。
すなわち、可燃性冷媒が容器や配管から漏れた場合、例えば漏えい、損傷、故障の場合であっても、安全な空間の確保する必要があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、可燃性冷媒によって冷却される冷却型実験用機器(以下、単に実験用機器と称する場合がある。)の動作(操作)上の安全性を改善するという技術的課題(目的)に基づくものである。
特に、本発明の基礎となる別の技術的課題は、可燃性冷媒を発火させる可能性のある機器内の点火火花の発生を、重要な動作段階において少なくとも一時的に回避し、好ましくは排除することである。
【0007】
すなわち、実験用機器の運転開始時に、まず内部領域(内部空間)をファンで換気し、内部領域から可燃性冷媒を、特に環境中へ吹き飛ばすことになる。
よって、かかる換気された内部領域は、特に点火火花が発生する可能性のある領域である。よって、内部領域に可燃性冷媒がもはや存在しないと仮定できるまで、点火火花の発生を防止しなければならない。これは、特に、装置内部の電気装置を主電源から分離することによって達成することができる。
従って、実験用機器は、電気接続部を有することが、その潜在的な通電線は、少なくとも一つの電気スイッチによって主電源から全て切り離し可能である。なお、保護導体及び/又は接地線は、この対象から除外され得る。
一方、全ての相線及び中性線(中性導体)は、好ましくは、それぞれ少なくとも一つの電気スイッチによって主電源から切り離し可能である。
【0008】
そして、実験用機器への電力供給がオンに切り替わっている場合でも、発生した点火火花が、可燃性冷媒との可燃性混合物に点火できないと仮定できれば、電力供給をオンにするためのプロセスが開始され得る。
しかしながら、一方で、このプロセス中に確実に電源を入れることができ、更に、電源投入後も、電源供給の有無を確実に監視することが必要である。
これにより、例えば意図せず電源が遮断され、その後すぐに電源が復旧することにより、スイッチオン後に点火火花が発生する確率を低減することができる。
代替的又は追加的に、電源の有無を監視することによって、スイッチオン後の実験用機器の動作は、点火火花が回避されるように、又は可能な混合物が点火できない場合にのみ発生し得るように実施され得る。
【0009】
ここで、実験用機器の少なくとも一つの内部領域の換気と関連して、実験用機器の電線間の動作電圧の存在を確実に検出することができれば、実験用機器の動作安全性を高めることができる。
更に、このような検出よりも、実験用機器の電源投入プロセスを安全なものにすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、上記課題を解決するために、第1接点(第1電気接点)と第2接点(第2電気接点)との間に電気的動作電圧がある場合に、電気スイッチ(以下、単にスイッチと称する場合がある。)のオン状態を検出し、この状態を通知することを提案するものである。
この場合、第1接点は、電気スイッチの実験用機器側にあり、すなわち、電気スイッチが開いているとき、電気スイッチは、第1接点を主電源から切り離している。
一方、第2接点は、電気スイッチの主電源側とは異なる電位で主電源側に接続されている。
ここで、「主電源側に接続されている」とは、実験用機器のスイッチを入れるためのプロセスの実行中に、機器の個々の電源線(以下、給電線、又は、単に電線と称する場合がある。)に存在するどのスイッチによっても、第2接点が主電源から切り離されていないことを意味する。特に、第2接点の実験用機器側には、この種の別のスイッチがある。
【0011】
このようにして、監視すべき電気スイッチの実験用機器側における電気的動作電圧の有無や差異等は、電源線における第2接点の実験用機器側における更なる電気スイッチのスイッチ状態に依拠しないので、かかる電気的動作電圧の有無等を、確実に判定することができる。
ここで、電気的動作電圧の有無等が、更なるスイッチ、すなわち、例えば主スイッチとして第2接点の主電源側に設けられるスイッチの切り替え状態(以下、スイッチ状態、又は、スイッチング状態と称する場合がある。)に依拠することを避けることはできない。
しかしながら、スイッチをオンにするプロセス中に、そのような主スイッチを最初にONにすることができる。従って、プロセス中のこの状態は、主スイッチが存在しない場合と同等である。
【0012】
仮に今、監視される電気スイッチが特定の状態にあり、この状態が予想された状態でないことが通知されたような場合に、所定箇所に、このことが通知され、特に、適切な処置が取られることが好ましい。
特に、電気的動作電圧の有無等は、実験用機器のシーケンスコントローラに対して通知されることが好ましい。
かかるシーケンスコントローラは、実験用機器の電気スイッチ装置(以下、電気スイッチ配置、又は、電気スイッチ構造体と称する場合がある。)の少なくとも二つの電気スイッチを、オン及び/又はオフに切り替えるように構成されていることが好ましい。
又、かかるシーケンスコントローラによって実行される少なくとも一つの対応する制御シーケンス、すなわち、一つ以上の動作を伴う制御プロセスは、電気スイッチの少なくとも一つがオン及び/又はオフに切り替えられることを必要とすることが好ましい。
特に、実験用機器への電源が単相電源の場合、単相線に一つ、中性線に一つの合計二つのスイッチが存在し、シーケンスコントローラによって制御可能であることが好ましい。
又、実験用機器への電源が多相電源の場合、各相線にスイッチがあることが好ましく、基準電位となる電線である中性線が存在する場合には、中性線にスイッチがあることが好ましい。
一方、多相電源において、デルタ接続の場合には、中性線自体が存在しない。
又、必要に応じて、複数ある電線の少なくとも1本に、一つのスイッチだけでなく、直列に接続された少なくとも一つの更なるスイッチがあることも好ましい。この更なるスイッチも、シーケンスコントローラによって制御可能であることが好ましい。
【0013】
又、スイッチの予想される状態は、特にシーケンスコントローラによって制御されるプロセスから生じることが好ましい。
例えば、二つの電気スイッチをオンにする場合、このプロセスでは、最初は両方のスイッチがオフにされることを想定している。
従って、プロセスのこの段階で、スイッチのオフ状態が通知されることが予想される。そして、好ましくは、このプロセスによれば、スイッチが一つずつオンにされることが好適態様として提供される。
又、スイッチが、主電源側の電源の中性線に接続されている場合、電源の電線に対するスイッチの明確かつ変更不可能な割り当てがあることを条件として、このスイッチは、最初にオンにされることが好ましい。
この変更不可能な割り当ては、例えば、実験用機器が、ドイツ国のように単相電源である主電源のソケットに差し込むことができるプラグを備えた接続ケーブルを有している場合には、与えられないことになる。
【0014】
従って、シーケンスコントローラは、スイッチの切り替え状態についてシーケンスコントローラに送信された信号を用いて、スイッチが予想される状態であるか否かを最初に確認することが好ましい。
この場合、プロセスの次のステップにおいて、シーケンスコントローラは、このスイッチをオンにし、次に、スイッチがオンにされたか否かを、シーケンスコントローラに送信された信号を用いて確認することが好ましい。
次いで、シーケンスコントローラは、他のスイッチをオンにすることに進むことができ、このプロセス中に、他のスイッチをオンにする前に、他のスイッチが予想通りオフ状態であるか否かを、シーケンスコントローラに送信された信号を用いて確認することが好ましい。
そして、他のスイッチがオンにされた後、シーケンスコントローラは、シーケンスコントローラに送信された信号を用いて、他のスイッチがオンにされているか否かにつき、確認することが好ましい。
【0015】
この例示的な実施形態では、シーケンスコントローラは、動作上、二つのスイッチをオンにしなければならない。
この場合だけでなく、一つのスイッチのみ又は二つ以上のスイッチがオンにされる場合、前述のように、シーケンスコントローラは、問題のスイッチがオンにされる前にスイッチの切り替え状態について送信された信号を用いて、このスイッチがまだオフにされているか否かにつき、確認することが好ましい。
更に、シーケンスコントローラは、スイッチオン後に、スイッチがオンにされているか否かを確認するために、シーケンスコントローラに送信された信号を使用することが好ましい。
既に述べたように、かかる信号は、定義された信号レベルを有する信号など、常に存在する信号であることが好ましい。
一方、かかる信号は、一時的にしか存在しない信号であることも好ましい。
この場合、シーケンスコントローラは、例えば、信号の受信を登録し、将来の一定期間についても、スイッチの対応する切り替え状態を推論することが好ましい。
又、シーケンスコントローラの信号入力において状態変化がないことも、信号となることが好ましい。
例えば、スイッチのオン状態は、シーケンスコントローラの割り当てられた信号入力に対応する信号が、一回又は繰り返し又は常に存在するという事実によって通知されることが好ましい。
そのような信号が存在しない場合、シーケンスコントローラは、スイッチがオフにされていると推論されることになる。
又、スイッチがオンにされたときに、対応する信号が、このスイッチに割り当てられたシーケンスコントローラの信号入力に常に存在することが好ましい。
この信号が存在しない場合、又は別の実施形態では、対応する他の信号が存在する場合、これは、シーケンスコントローラにとって、スイッチがオンにされたことを意味する。
スイッチの特定の切り替え状態、又は、スイッチの二つの切り替え状態の少なくとも一方を、一時的だけでなく常に中断することなく、所定信号として通知することにより、監視中の安全性が高まり、ひいては、実験用機器における動作の安全性も高めることができる。
【0016】
又、一つ以上のスイッチが正常にオンにされた後、シーケンスコントローラが、信号を出力することが好ましい。
かかる信号は、実験用機器の少なくとも一つの電力消費機器(電力消費部品)の動作を開始するための前提条件である。
【0017】
そのため、実験用機器の安全性を確保するために不可欠なプロセスは、電力供給するためのスイッチオンプロセス(以下、単に、オンプロセス、又は、オン処理と称する場合がある。)であり、特に実験用機器の運転開始時に実施することが好ましい。
しかしながら、このスイッチオンプロセスは、例えば、電源が一時的に遮断されたような場合等、運転開始後に行われることも好ましい。
特に、スイッチオンプロセスの間、シーケンスコントローラは、電力供給を確立するためにスイッチオンされるべき電気スイッチのスイッチオンを制御することが好ましい。
一方、これは、シーケンスコントローラが、実験用機器の動作中にもスイッチの少なくとも一つをオン及び/又はオフに切り替えることを排除するものではない。
又、シーケンスコントローラが、オン又はオフに切り替えると言う場合、シーケンスコントローラが、対応する制御プロセスを実行することを意味する。
例えば、スイッチの少なくとも一つがリレーとして構成され、シーケンスコントローラが、リレーの制御回路を作動又は停止させることによってリレーを制御することが好ましい。
【0018】
又、少なくとも一つのスイッチの状態が想定外であることが、シーケンスコントローラへ通知された場合、シーケンスコントローラは、実験用機器の動作を遮断することが好ましい。
特に、それによって制御可能な電気スイッチの少なくとも一つ、好ましくは、実験用機器に電力を供給する働きをする実験用機器の全ての電気スイッチが、直ちにオフにされることになる。
【0019】
特に、以下の、可燃性冷媒を用いた実験用機器の一つとしての実験用機器が提案される。
すなわち、かかる実験用機器が、以下の所定の電気接続部や、電気スイッチ装置、シーケンスコントローラ、監視装置と、を備えている。
-実験用機器へ電気エネルギーを供給するための電気接続部であって、実験用機器が、その動作のために、電気接続部を介して、主電源の少なくとも二つの異なる電位に接続可能である、電気接続部である。
-少なくとも二つの異なる電位のうち、第1電位から電気的に分離するための第1電気スイッチ、及び、少なくとも二つの異なる電位のうち、第2電位から電気的に分離するための第2電気スイッチを有する電気スイッチ装置である。
-第1電気スイッチ及び第2電気スイッチを、オンにするように構成されたシーケンスコントローラである。
-電気スイッチ装置を監視するための監視装置であって、実験用機器側の第1接点を介して、第1電気スイッチに接続され、主電源側の第2接点を介して、第1電位以外の電位に接続されている監視装置である。
そして、監視装置が、第1接点と第2接点との間に電気的動作電圧があるときに、第1電気スイッチのオン状態を決定し、この状態をシーケンスコントローラに通知するように構成されている。
そして、シーケンスコントローラが、下記のように実験用機器の動作を遮断するように、構成されている実験用機器である。
-第1電気スイッチが、オフにされると予想され、かつ、第1電気スイッチがオンにされたことが、監視装置によって通知されたときに、実験用機器の動作を遮断する。
-第1電気スイッチが、オンにされると予想され、かつ、第1電気スイッチがオフにされたことが、監視装置によって通知されたときに、実験用機器の動作を遮断する。
【0020】
又、特に、可燃性冷媒を用いた実験用機器の一つとしての実験用機器の製造方法であって、少なくとも監視装置及びシーケンスコントローラが、上述したように構成される工程を含むことを特徴とする実験用機器の製造方法が更に提案される。
【0021】
又、以下の、可燃性冷媒を用いた実験用機器の一つとしての実験用機器の動作方法が提案される。
すなわち、実験用機器が、上述の電気接続部、電気スイッチ装置、シーケンスコントローラ、監視装置に関する特徴的な構成を有している。
そして、下記工程1)~2)を含むことを特徴とする実験用機器の動作方法である。
1)監視装置が、第1接点と第2接点との間に電気的動作電圧があるときに、第1電気スイッチのオン状態を検出し、この状態をシーケンスコントローラに通知する工程
2)シーケンスコントローラが、実験用機器の動作を遮断する工程
-第1電気スイッチが、オフに切り替えられると予想され、かつ、第1電気スイッチがオンに切り替えられたことが、監視装置によって通知されたときに、実験用機器の動作を遮断する工程
-第1電気スイッチが、オンに切り替えられると予想され、かつ、第1電気スイッチがオフに切り替えられたことが、監視装置によって通知されたときに、実験用機器の動作を遮断する工程
【0022】
又、動作電圧は、実験用機器又は実験用機器の少なくとも一つの電気装置(遠心分離機駆動用モータ等)の動作のために供給される電気電圧、或いは、少なくとも十分な電気電圧であると理解される。
そして、動作電圧は、主電源によって実験用機器の外部から供給される電気電圧である。
又、前述の第1電気スイッチは、電源がオンに切り替えられたときに、その切り替え状態を監視する唯一のスイッチであることが好ましい。
かかる第1電気スイッチは、最初にオンに切り替えられるスイッチであることも好ましいが、必ずしもそうである必要はない。むしろ、相線と中性線を有する電源の場合、少なくとも主電源側の相線に接続されているスイッチは、その切り替え状態を監視されることが好ましい。
すなわち、全てのスイッチがその切り替え状態を監視され、シーケンスコントローラが、スイッチのスイッチオンプロセスにおいてこれを考慮することが特に好ましい。
【0023】
又、第1電気スイッチ又は複数の電気スイッチの少なくとも一つは、リレー、又はトランジスタ、例えば、サイリスタ、電界効果トランジスタ、及び/又は、絶縁ゲート付きトランジスタ、例えば絶縁ゲート型バイポーラトランジスタであるIGBT(insulated gate bipolar transistor)のような制御可能な半導体スイッチであることが好ましい。
原理的には、どのような制御可能なスイッチも使用することができる。従って、電気スイッチは制御可能な電気スイッチであれば良い。
【0024】
又、監視装置によるシーケンスコントローラへの動作電圧の有無に対する通知は、様々な方法で実施されることが好ましい。
例えば、動作電圧が存在するとき、定義された信号レベルの形で対応する信号が常に生成されることが好ましい。
或いは、動作電圧の発生は、例えばパルス状の信号によって、一時的にのみ通知されることも好ましい。
更に、定義された信号の非存在又は非発生によって、動作電圧の存在を通知することも好ましい。
一方、動作電圧の非存在についても同様である。特に、動作電圧の存在と動作電圧の非存在とが、動作電圧の存在については高い信号レベルを有する連続信号、動作電圧の非存在については低い信号レベルを有する連続信号のような同じ種類の信号によって通知されることは、可能ではある。但し、このような動作は、必ずしも必要なことではないと言える。
【0025】
又、前述のように、第1電気スイッチ(以下、単に、第1スイッチと称する場合がある。)及び第2電気スイッチ(以下、単に、第2スイッチと称する場合がある。)がオンにされる間に、シーケンスコントローラが制御するプロセスは、実験用機器への電源供給をオンにするオンプロセスであることが好ましい。
【0026】
又、シーケンスコントローラによる実験用機器の動作の遮断は、異なる方法で実現されることも好ましい。
従って、特に、以下の1)~5)の工程(手段)の少なくとも一つ、又は、これらの工程(手段)の任意の適切な組み合わせが実施されることが好ましい。
1)シーケンスコントローラによって制御されるプロセスを定義された状態、特に初期状態に戻す(リセットする)工程
2)更なるスイッチをオンに切り替えない工程
3)一つ以上のスイッチ、特に電源の全てのスイッチをオフに切り替える工程
4)実験用機器の内部における少なくとも一つ、好ましくは全ての電力消費機器の動作を解放しない工程
5)別のコントローラ及び/又はユーザーに対して、実験用機器の動作を停止及び/又は開始しないように要求する工程
【0027】
又、特に、第1電気スイッチ及び第2電気スイッチは、互いに独立してオンにすることができると共に、シーケンスコントローラは、実験用機器の動作開始時に、第1電気スイッチ及び第2電気スイッチを順次オンにするように構成されていることが好ましい。
この理由は、両方のスイッチにおける切り替え状態を監視し、特定の切り替え状態がシーケンスコントローラに通知される場合、シーケンスコントローラは、より安全なスイッチオンプロセスを監視し、実行することが可能なためである。
一方、次の場合に、両方のスイッチが故障したにもかかわらずオンにされる可能性がある。しかも、相線及び中性線を有する電源の場合に、中性線のスイッチがオンにされていない間に相線のスイッチがオンにされる可能性もある。
すなわち、両方のスイッチが同時にオンにされる場合、及び/又は、時間的順序において後にオンにされるスイッチをオンにする前に、先にオンにされるスイッチが実際にオンにされているか否かを、及び、後にオンにされるスイッチがまだオンにされていないか否かも確認しない場合である。
これは、点火火花につながる可能性がある。又、スイッチの切り替え状態の監視に不具合があり、スイッチが同時にオンにされたような場合、この不具合の発見が遅れる可能性がある。
更に、スイッチの少なくとも一つに欠陥がある場合、望ましくない切り替え状態が発生する可能性がある。
従って、このようなスイッチオンプロセスでは、スイッチが一つずつ順番にオンにされ、オン前後の切り替え状態の通知に基づいて、それぞれのケースで予想される切り替え状態が存在するか否かが確認されるスイッチオンプロセスに比べて、安全性が低くなるという問題がある。
【0028】
前述のように、特に、電源をオンにするためにオンにされる少なくとも二つのスイッチが設けられていることが好ましい。
更に、前述のように、少なくとも一つの電気スイッチは、電源での動作に必要な実験用機器の電線のそれぞれに設けられていることが好ましい。
従って、中性線及び単相線を有する電源の場合、少なくとも一つのスイッチが、これら2本の線のそれぞれに設けられていることが好ましい。
又、2本以上の相線を有する電源の場合には、相線の各々に対して少なくとも一つのスイッチが設けられていることが好ましい。
以下、第1及び第2電気スイッチを備える好ましい実施形態について言及する場合、少なくとも二つのスイッチが設けられていることは、電源の全ての変形例に対しても適用される。
【0029】
又、監視装置は、実験用機器側の第3接点を介して、第2電気スイッチに接続され、主電源側の第4接点を介して、第2電位以外の電位に接続されていることが好ましい。
この場合、監視装置は、第3接点と第4接点との間に電気的動作電圧があるときに、第2電気スイッチのオン状態を決定し、この状態をシーケンスコントローラに通知するように構成されていることが好ましい。
更に、シーケンスコントローラが、下記のいずれかの場合に、実験用機器の動作を遮断するように構成されていることが好ましい。
-第2電気スイッチがオフに切り替えられると予想され、かつ、第1電気スイッチがオンに切り替えられていることが監視装置によって通知されたときに、実験用機器の動作を遮断する。
-第2電気スイッチがオンに切り替えられると予想され、かつ、第1電気スイッチがオフに切り替えられていることが監視装置によって通知されたときに、実験用機器の動作を遮断する。
又、実験用機器の動作方法については、シーケンスコントローラを適宜操作し、前述のような場合に、実験用機器の動作を遮断することも好ましい。
【0030】
特に、監視装置及びシーケンスコントローラは、任意で、監視に関して、及び、第2電気スイッチのオンへの切り替えに関して、第1電気スイッチに関するものと同様に構成されていることが好ましい。
前述したように、第2電気スイッチは、実験用機器の電源がオンにされるときに第1電気スイッチの前にオンにされるスイッチであることも好ましい。
【0031】
第3接点と第4接点を備えた前述の実施形態は、二つのスイッチを監視するという既に述べた好ましい原理を実現したものである。
そして、シーケンスコントローラは、次のように構成されているか、又は、それに応じて動作することが好ましい。
-監視装置が、第1電気スイッチがオフにされていることを含む電気スイッチ装置の第1の所定状態を、シーケンスコントローラに通知したときに、第1電気スイッチをオンにするためのプロセスを開始する。
-次いで、第1電気スイッチのオン状態が、監視装置によってシーケンスコントローラに通知されたか否かを確認する。
-第1電気スイッチのオン状態が、監視装置によってシーケンスコントローラに信号で通知されない場合に、実験用機器の動作を遮断するか、又は、シーケンスコントローラによって制御されるプロセスを停止させる。
【0032】
第1電気スイッチをオンにするためのプロセスの開始は、特に、オンの制御及び/又はトリガーであることが好ましい。
又、第1の所定状態は、第1電気スイッチの切り替え状態のみによって決定されることも好ましい。
しかしながら、特に既に上述したように、電気スイッチ装置の二つ以上のスイッチが、それらの切り替え状態について監視される場合、電気スイッチ装置の第1の所定状態は、電気スイッチ装置の複数のスイッチにおけるスイッチ状態によって決定されることが好ましい。
従って、例えば、第1電気スイッチが、二つのスイッチのシーケンスにおいて、後にオンにされるスイッチである場合、第1の所定状態は、先にオンにされるもう一方のスイッチが既にオンにされていることを要件とする。
一方、第1電気スイッチが、二つのスイッチのシーケンスにおいて、先にオンにされるスイッチである場合、第1の所定状態は、後にオンにされるもう一方のスイッチがオフにされていることを要件とする。
特に、上述したように、第3接点及び第4接点は、第2電気スイッチの切り替え状態を監視するために使用されることが好ましい。
【0033】
特に、切り替え状態に関して監視される各電気スイッチを監視するために、監視装置は、電気的動作電圧が二つの接点の間に存在するときに、電気スイッチのオン状態を検出し、この状態をシーケンスコントローラに通知するように構成された検出装置を有することが好ましい。
以下に、より詳細に説明するように、二つの接点は、既に上述したように、接点の一方が電気スイッチの実験用機器側に配置され、二つの接点の他方が主電源側に配置される一組の接点である必要はない。
むしろ、特に、実験用機器の電源用の異なる線(例えば中性線及び相線)における二つの電気スイッチの切り替え状態も、単一の検出装置によって監視することが好ましい。
この場合、両スイッチのうち、一方のスイッチのオン状態と、他方のスイッチの別の状態との区別のみを行うことが好ましい。
なお、別の状態とは、二つのスイッチのうち少なくとも一つがオフにされている場合である。
【0034】
特に、このようにして、二つの電気スイッチがその切り替え状態について監視され、更に、これら二つの電気スイッチの少なくとも一つがその切り替え状態について、既に述べたように個別に監視されることが好ましい。
ここでいう監視とは、本発明の説明において、既に何度か述べたように、対応する状態がシーケンスコントローラに通知され、後者は、好ましくは、シーケンスコントローラによって制御されるべきプロセスを継続するか否かを決定する際にも、その状態を考慮することを意味する。
従って、電気スイッチの少なくとも一つは、その切り替え状態を冗長的に監視される。これにより、シーケンスコントローラは、監視装置の機能を確認し、誤動作を検出することができる。
特に、誤動作の場合、シーケンスコントローラによって制御されるプロセスがそれによって中断され、それによって中止され、及び/又は、実験用機器の動作がそれによって遮断されることが好ましい。
【0035】
従って、実験用機器は、次のように構成されるか、又は、それに応じて動作することが好ましい。
-監視装置は、第1接点と第2接点との間に電気的動作電圧があるときに、第1電気スイッチのオン状態を検出し、この状態をシーケンスコントローラに通知するように構成されている第1検出装置を有している。
-監視装置は、実験用機器側の第5接点を介して、第1電気スイッチに接続され、実験用機器側の第6接点を介して、第2電気スイッチに接続されている。
-監視装置は、第5接点と第6の接点との間に電気的動作電圧があるときに、第1電気スイッチ及び第2電気スイッチのスイッチオン状態を検出し、この状態をシーケンスコントローラに通知するように構成されている第3検出装置を有している。
-シーケンスコントローラは、第1電気スイッチ及び第2電気スイッチをオンにした後に、特定のスイッチオン状態が第1検出装置及び第3検出装置の両方によって通知されない場合に、実験用機器の動作を遮断するか、又は、シーケンスコントローラによって制御されるプロセスを停止するように構成されている。
【0036】
特に、シーケンスコントローラは、特定のスイッチオン状態が、所定時間内に、第1検出装置によって、及び、第3検出装置によって、シーケンスコントローラに通知されているか否かも確認することが好ましい。
そうでない場合、シーケンスコントローラは、実験用機器の動作を遮断することが好ましく、又は、シーケンスコントローラによって制御されるプロセスを停止させることが好ましい。
このようにして、シーケンスコントローラの動作によって、特に監視装置の故障に気づくことができる。
【0037】
特に、第3接点と第4接点との間に電気的動作電圧があるときに、第1電気スイッチのオン状態を検出し、この状態をシーケンスコントローラに信号するように構成された第2検出装置も提供されることが好ましい。
この場合、シーケンスコントローラは、第1電気スイッチ及び第2電気スイッチがオンにされた後に、スイッチオン状態が、第1検出装置及び第2検出装置の両方によって、及び、第3検出装置によっても、シーケンスコントローラに通知されない場合に、実験用機器の動作を遮断することが好ましい。
又は、同様な状態の場合、シーケンスコントローラによって制御されるプロセスを停止させることも好ましい。
従って、これにより、監視装置の故障確認の信頼性を更に高めることができる。
【0038】
又、監視装置は、少なくとも一つの双安定フリップフロップ(以下、双安定マルチバイブレータと称する場合がある。)を有する少なくとも一つの装置(回路装置)を含んでいることも好ましい。
少なくとも双安定フリップフロップが、その電源に接続されている間、双安定フリップフロップの二つの可能な状態のうちの一つは、状態変化の条件が発生するまで安定に維持される。
そして、一般的な双安定フリップフロップは、入力端子としての、データ入力とトリガー入力を備えている。
よって、トリガー入力において、入力信号のレベルが変化する等のトリガー信号を受信すると、データ入力において、データ信号に対応する変化が発生することを条件にして、状態の変化が発生する場合がある。
特に、データ入力で印加されたデータ信号(別の実施形態では反転されたデータ信号)は、双安定フリップフロップの出力に接続されていることが好ましい。
【0039】
又、シーケンスコントローラ内のプロセス制御に利用可能なロジック(ロジック処理)は、ハードウェアを含んで実現されることが好ましく、更に言えば、ハードウェアのみによって実現されることがより好ましい。
又、論理回路のハードウェアは、特に論理ゲート、双安定フリップフロップ、シュミットトリガー、及び、抵抗器、コンデンサ、ダイオード等の従来の電気部品で構成されていることが好ましい。
ソフトウェアロジックと比較した場合のハードウェアロジックの利点は、通常ソフトウェアの更新のように再承認を申請する必要がないことである。すなわち、ハードウェアロジックが要件を満たし、その機能を果たしていれば、アップデートをする必要がない。
【0040】
特に、実験用機器の電源をオンにするための前述のプロセスは、シーケンスコントローラのハードウェアロジックによって少なくとも部分的に実施されることが好ましい。
本発明の一実施形態によれば、シーケンスコントローラは、双安定フリップフロップを有する電子回路を備え、当該双安定フリップフロップは、入力側で第1信号線に接続されている。この第1信号線を介して、監視装置は、第1電気スイッチがオンになったことを双安定フリップフロップに通知する。
一方、出力側では、双安定フリップフロップは、第2信号線に接続されている。この第2信号線を介して、双安定フリップフロップは、第1信号線を介して伝送される信号に応じて、又は、更なる信号に応じて、シーケンスコントローラによって実験用機器のスイッチを入れるためのスイッチオンプロセスが継続され得ること、又はスイッチオンプロセスが達成されたことを通知する。
【0041】
かかる更なる信号は、特に、上述の双安定フリップフロップの実現において、トリガー入力に存在する又は印加される信号である。
トリガー入力へのトリガー信号がなければ、データ線である第1信号線に存在する信号は、出力されないことになる。すなわち、変化しないか反転することを意味する。
一般に、データ入力及びトリガー入力を備えた実施形態に限らず、更なる信号は、シーケンスコントローラによって制御されるプロセスを開始するための開始信号の有無、及び/又は、先行するプロセスステップ(例えば、別の電気スイッチをオンにするステップ)の実行が成功したことを通知する信号の生成に依拠することが好ましい。
【0042】
又、双安定フリップフロップは、プロセスシーケンスに関して必須の論理素子(論理要素)である。特に、上述の検出装置の信号の評価は、この方法で実現することができる。
すなわち、この場合、第1電気スイッチではなく、第2電気スイッチ、又は、単一の検出装置によって共同で監視される二つの電気スイッチに言及することで、実現される。
従って、双安定フリップフロップは、入力側で、監視装置が双安定フリップフロップに第1電気スイッチ及び第2電気スイッチがオンになったことを通知する第1信号線に接続されていることが好ましい。
【0043】
又、本発明の有利な実施形態では、更なる信号、特にトリガー入力における信号は、監視装置によって双安定フリップフロップに通知される第1電気スイッチのオン状態にも依拠することが好ましい。
従って、第1電気スイッチのオン状態が監視装置に通知されない場合、これにより、双安定フリップフロップが、その出力において、シーケンスコントローラによって実験用機器のスイッチをオンするためのスイッチオンプロセスが継続され得ること、又は、スイッチオンプロセスが達成されたことを、通知することを防ぐことができる。
更に、双安定フリップフロップは、第1電気スイッチが実際にオンにされた場合にのみ、シーケンスコントローラによって実験用機器のスイッチオンプロセスが継続され得ること、又は、スイッチオンプロセスが達成されたことを通知する。
これにより、オンに切り替えられるスイッチの不具合、及び、双安定フリップフロップの不具合の場合に発生し得るシーケンスコントローラのエラーを回避することができる。
特に、双安定フリップフロップの不具合は、電気スイッチのオン状態を通知する信号の存在がデータ入力で常に検出されるという事態をきたす可能性がある。
又、トリガー入力を有する上述の実施形態の場合、不具合のあるスイッチは、双安定フリップフロップが、その信号出力で信号の出力を可能にするトリガー信号を受信することを妨げることになる。
【0044】
又、本発明の更なる実施形態によれば、第1電気スイッチをオンにするために実行されるシーケンスコントローラの制御プロセスのために、シミュレーション装置が起動されると、シーケンスコントローラは、第1電気スイッチがオンにされないことをシミュレーションするように構成されたシミュレーション装置を有するテスト装置を備えていることが好ましい。
前述したように、第1電気スイッチは、最初にオンにされる電気スイッチである必要はない。
又、問題のスイッチがオンにされていない複数の電気スイッチについて、シミュレーションすることが好ましい。
又、テスト装置は、シミュレーション装置が起動されると、シーケンスコントローラが制御プロセスの実行後に、実験用機器の動作を解放するか否かを確認するように構成されていることが好ましい。
そして、シーケンスコントローラが、シミュレーション装置を起動した状態で、実験用機器の動作を解放するための前提条件が満たされているという結論に至った場合に、テスト装置は、シーケンスコントローラのエラーを通知する。
特に、このエラーが通知されると、実験用機器の動作が解除されない可能性がある。
又、シーケンスコントローラがハードウェアロジックによって実現される場合、テスト装置は、例えば、追加の論理ゲートによって実現されることが好ましい。
例えば、シーケンスコントローラによって実行される制御プロセスの開始時に、一つ以上の論理ゲートでテスト信号が提供される場合、これによりシミュレーションが起動される。
【0045】
本明細書では、可燃性冷媒を用いた実験用機器の一つに関連して、本発明を説明している。
そして、添付の特許請求の範囲に記載の請求項の範囲内ではないが、本発明は、他の機器及び装置、特に同じく可燃性冷媒を含む機器にも適用されることが好ましい。
これは、電気スイッチ装置、監視装置、及び、シーケンスコントローラが、本明細書に記載された実施形態にも存在することを意味している。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1図1は、電気接続部を有し、可燃性冷媒を用いた冷却装置を備えた実験用機器の概略図である。
図2図2は、電気スイッチ装置、監視装置、及び、シーケンスコントローラに関する第1の例示的な実施形態を説明するための図である。
図3図3は、電気スイッチ装置、監視装置、及び、シーケンスコントローラに関する第2の例示的な実施形態を説明するための図である。
図4図4は、電気スイッチ装置、監視装置、及び、シーケンスコントローラに関する第3の例示的な実施形態を説明するための図である。
図5図5は、双安定フリップフロップを用いた第1の回路配置(第1の回路構成)を説明するための図である。
図6図6は、双安定フリップフロップを用いた第2の回路配置(第2の回路構成)を説明するための図である。
図7図7は、双安定フリップフロップを用いた第3の回路配置(第3の回路構成)を説明するための図である。
図8図8は、双安定フリップフロップを用いた第4の回路配置(第4の回路構成)を説明するための図である。
図9図9は、二つの双安定フリップフロップを有する回路配置(回路構成)を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明の例示的な実施形態及び更なる実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0048】
図1に模式的に示す実験用機器1の一つは、2本の斜線で示すように、2本の電線を含む電気接続部3を有していることが好ましい。
特に、これらの電線は、中性線及び相線であることも好ましい。
代替的に、実験用機器は、二つ以上の相線、例えば3相接続を含む電気接続部を有していることが好ましい。
【0049】
又、実験用機器1のアイテムは又、電気スイッチ装置5を有することが好ましい。
そして、図1には図示されていない電気スイッチ装置5のスイッチをオンにすることにより、遠心分離機モータや遠心分離機コントローラ等の電気エネルギーを供給されるべき装置10、11が、外部電源に接続されることが好ましい。
【0050】
又、電気スイッチ装置5には、監視装置7とシーケンスコントローラ8とが組み合わされていることが好ましい。
かかる監視装置7は、電気スイッチ装置5を監視するために使用される。
又、かかるシーケンスコントローラ8は、実験用機器1の動作の開始時及び/又は動作中に実施されるべき少なくとも一つのプロセスを制御するために使用される。
特に、シーケンスコントローラ8によって制御されるプロセスは、実験用機器のデバイスの電力供給に関するものであるに過ぎない。その動作中、シーケンスコントローラ8は、監視装置7から信号を受信する。
【0051】
更に、実験用機器1は、可燃性冷媒を用いた冷却装置13を備えていることが好ましい。
冷却装置13の動作中に発生する冷却効果は、多数の下向きの矢印で示されている。
冷却装置13は、電気スイッチ装置5を介して外部電源から電気エネルギーを供給されることが好ましい。そのためには、電気スイッチ装置5の電気スイッチをオンにする必要がある。
対照的に、監視装置7及びシーケンスコントローラ8には、電気スイッチ装置5のスイッチの切り替え状態とは無関係に電気エネルギーが供給されることが好ましい。
この目的のために別の電源が提供されることも好ましいが、エネルギーは、前述の外部電源からも供給されることが好ましい。
【0052】
又、図2は、図1の電気スイッチ装置5の、又は、実験用機器としての別の機器に対応する電気スイッチ装置の、第1の例示的な実施形態を示す図である。
すなわち、外部電源、従って、電気スイッチ装置5も、例えば、中性線Nとしての第1電源線(以下、第1電線と称する場合がある。)3a、及び、例えば、位相線としての第2電源線(以下、第2電線と称する場合がある。)3bを有することが好ましい。
例えば、かかる外部電源は、例えばドイツ国では公称230V及び50Hzである、利用可能な電圧及び主電源周波数を有する公共の主電源で動作させることが好ましい。
【0053】
又、第2電気スイッチである電気スイッチSW_Nが、第1電源線3aに配置されていることが好ましい。
一方、第1電気スイッチである更なる電気スイッチSW_Lが、第2電源線3bには配置されていることが好ましい。
そして、スイッチが開いていると、実験用機器の動作中に外部電源から電力供給されるべき装置は、電源から切り離され、従って、操作することができない。その操作のためには、電気スイッチ(SW_N、SW_L)の両方をオンにする必要がある。
【0054】
又、本発明の例示的な実施形態では、監視装置7は、第2電源線3bの電気スイッチSW_Lの切り替え状態を監視するように構成された単一の装置である第1検出装置W_Lを有していることが好ましい。
そして、かかる第1検出装置W_Lは、実験室用装置側では第1接点21を介して第2電源線3bの電気スイッチSW_Lに接続され、主電源側では第2接点22を介して第2電源線3bの電位以外の電位に接続されている。
この第2電源線3bの電位以外の電位とは、第1電源線3aの電位である。従って、第2接点22は、第1電源線3aの電気スイッチSW_Nの主電源側に配置されている。
又、かかる第1検出装置W_Lは、他の実施形態における検出装置もそうであるように、例えばオプトカプラ(フォトカプラ)を有していることが好ましい。
従って、電気的動作電圧が、第1接点21と第2接点22との間にある場合に、オプトカプラは、第2電源線3bにおける電気スイッチSW_Lのオン状態を通知するのに対応する信号を生成する。この信号は、シーケンスコントローラ8に供給される。
電気的動作電圧は、第2電源線3bの電気スイッチSW_Lがオンにされたときにのみ、第1接点21と第2接点22との間にある。そうでなければ、第1接点21の電位は、外部電源の相線の電位とはならない。
【0055】
又、シーケンスコントローラ8は、それぞれ一つのアクチュエータ(S_N、S_L)を介して、二つの電気スイッチ(SW_N、SW_L)のオンを制御することが好ましい。
すなわち、各電気スイッチの制御回路、例えばリレーの制御回路は、シーケンスコントローラ8による適切な制御の下、アクチュエータ(S_N、S_L)によって起動されることが好ましい。
【0056】
又、図3は、図1の電気スイッチ装置5の、又は、実験用機器としての別の機器に対応する電気スイッチ装置の、第2の例示的な実施形態を示す図である。
この例示的な実施形態は、図1及び図2の場合と同様に、二つの電源線である第1電源線3a、第2電源線3bを有する同じ電源と共に使用することが好ましい。例えば、かかる電源線は、文字であるL、Nで示されるように、相線と中性線としても定義される。
【0057】
又、図2における第1の例示的な実施形態と比較して、図3における監視装置7は、二つの更なる検出装置としての第2検出装置W_N、及び、第3検出装置W_LNによって拡張されていることが好ましい。
そして、図3からわかるように、第1検出装置W_Lは、図1と同様に存在し、第1電源線3aに対する第2接点22と、第2電源線3bに対する第1接点21と、を有していることが好ましい。
一方、第1検出装置W_Lの接続線にダイオード28が追加的に配置され、二つの更なる検出装置(W_N、W_LN)の第2電源線3bへの接続線における二つの更なるダイオード(29、30)と共に、2本の電源線である第1電源線3aと第2電源線3bとの間での接続線の接触により意図しない電流の流れが生じることを防止することができる。
この意図しない電流の流れを防止するために、更なるダイオード30を省略することも好ましい。
しかしながら、回路配置の対称性を効率的に達成するために、更なるダイオード30を使用することが好ましい。
例示的な実施形態では交流電源が提供されるので、一つのスイッチ又は複数のスイッチの特定のスイッチオン状態では、電源電圧の各サイクルの半波だけで接続線を介して電流が流れる。
しかしながら、これは、それぞれ、例えば、オプトカプラによって再び実現される検出装置(W_L、W_N、W_LN)が、スイッチオン状態を検出するのには十分な電流である。
【0058】
又、第2検出装置W_Nは、その2本の接続線を介して、実験用機器側では第1電源線3aに対する第3接点23に接続され、主電源側では第2電源線3bに対する第4接点24に接続されている。
従って、第1電源線3aの電気スイッチSW_Nの切り替え状態を検出するように構成されている。
【0059】
第3検出装置W_LNは、その2本の接続線を介して、実験用機器側において、第1電源線3aに対する第5接点25に接続され、第2電源線3bに対する第6接点26に接続されていることが好ましい。
従って、第1電源線3aの電気スイッチSW_Nと第2電源線3bの電気スイッチSW_Lの、両方のスイッチの切り替え状態を決定するように構成されていることが好ましい。
既に上述したように、両方のスイッチがオンにされているか、又は、二つのスイッチの少なくとも一つがオフにされているかを判断だけすることが好ましい。
このような追加的な検出装置の機能と利点は、既に説明した通りである。
【0060】
又、図4は、実験用機器としての一つの機器の電気スイッチ装置37の第3の例示的な実施形態を示す図である。
かかる電気スイッチ装置37は、電源が三つの相線としての、第1電源線3a、第2電源線3b、第3電源線3cを有するので、図1における電気スイッチ装置5とは異なっている。
すなわち、電気スイッチ装置37は、三つの相線にそれぞれ一つずつ設けられた電気スイッチSW_1、SW_2、SW_3を有することが好ましい。
そして、シーケンスコントローラ39は、アクチュエータS_1、アクチュエータS_2、アクチュエータS_3を介して、三つの電気スイッチのスイッチングをそれぞれ制御することが好ましい。各電気スイッチの制御回路、例えばリレーの制御回路は、シーケンスコントローラ39による適切な制御の下、アクチュエータによって起動されることが好ましい。
【0061】
又、図3における電気スイッチ装置5の第2の例示的な実施形態と比較して、図4は簡略化されている。
すなわち、特に、電源線への監視装置38の接続線におけるダイオードは、図3の場合とも同様に存在するが、省略して図示されていない。
これにより、図示の明確さを向上させることができる。更に、監視装置38の接続線も、2本の接続線が存在するが、分かりやすくするために、一部を1本の線で示している。
これは、互いに平行な2本の斜めの画線によって表されている。又、接続線が1本しかないことを表す場合には、1本の斜めの画線が描かれる。
【0062】
又、第3の例示的な実施形態では、監視装置38は、分かりやすくするために個別には示されていない三つの検出装置を有している。
これらの検出装置の各々は、その接続線を介して、三つの電源線である第1電源線3a、第2電源線3b、第3電源線3cの二つの接点に、すなわち電源線におけるスイッチの実験用機器側の接点と、別の電源線の主電源側の接点とに接続されていることが好ましい。
例えば、検出装置のうちの一つは、電気スイッチSW_1の実験用機器側の第1接点31を介して第1電源線3aに接続され、電気スイッチSW_3の主電源側の第2接点32を介して第3電源線3cに接続される。
【0063】
又、任意選択で、三つの電気スイッチのうち二つの電気スイッチにおいて共通のオン状態を検出することができる少なくとも一つの更なる検出装置を設けることが好ましい。
この更なる検出装置は、実験室用装置側の接点を介して監視されるべき二つのスイッチに接続されていることが好ましい。
【0064】
代替的又は追加的に、中性線を有する三相電源の場合、中性線のスイッチのオン状態を検出することができる検出装置によって、図4に示す配置を拡張することが好ましい。
【0065】
又、図5に示す回路は、例えば、先に説明した実施形態の一つにおけるシーケンスコントローラのために、ハードウェアで実装されるシーケンスコントローラロジックの一部であることも好ましい。
そして、この回路は、論理ゲート43と、双安定フリップフロップ41とから構成されることが好ましい。
かかる双安定フリップフロップ41は、データ信号が入力される入力端子としてのデータ入力Dと、トリガー信号が入力される入力端子としてのトリガー入力Tを有することが好ましく、又、その出力信号を出力するための、出力端子として出力OUTを有することが好ましい。
【0066】
又、図5に示す例示的な実施形態では、二つの入力信号(L_WN、L_WL)が、論理ゲート43に供給されることが好ましい。
入力信号L_WNは、例えば、図2又は図3における例示的な実施形態の第1電源線3aにおける電気スイッチSW_Nのスイッチ状態を示すものである。
一方、入力信号L_WLは、例えば、図3における例示的な実施形態の第2電源線3bにおける電気スイッチSW_Lのスイッチ状態を示すものである。
又、更なる論理ゲート及び/又はシュミットトリガー等の図示しない追加の回路要素によって、入力信号L_WN、入力信号L_WLは、回路の実施形態に応じて、論理ゲートの入力に供給される前に、異なる方法で互いに連結され、及び/又は、更なる信号に連結されることも好ましい。
全ての信号は、例えば、信号レベルが低い状態(低信号レベル)と高い状態(高信号レベル)の二つの可能な状態を持つ信号であることが好ましい。このようにして、2値論理(2進論理)を実現することができる。
【0067】
例えば、後述する実施形態では、入力信号L_WNと入力信号L_WLとが連動し、入力信号L_WNと入力信号L_WLが共に低信号レベルの場合に、論理ゲート43が高信号レベルの信号を出力するように構成されていることが好ましい。
かかる入力信号L_WNと入力信号L_WLの信号レベルが低いということは、この場合、スイッチがオフにされていることを意味する。
或いは、入力信号L_WNと入力信号L_WLは例えば連動しており、入力信号L_WNと入力信号L_WLの両方が高い信号レベルのときに、論理ゲート43が高信号レベルの信号を出力するように構成されていることが好ましい。
この場合、入力信号L_WN及び入力信号L_WLの信号レベルが高いということは、スイッチがオフにされることを意味する。
これを実現するために、問題のスイッチの切り替え状態を示す検出装置が生成する信号を、例えば反転させることが好ましい。
【0068】
又、ここで説明する実施形態では、特に二つの電気スイッチをオンにするために、シーケンスコントローラによって制御されるプロセスの開始時に、開始信号L_STが論理ゲート43に供給されることが好ましい。
そして、かかる開始信号L_STは、双安定フリップフロップ41のトリガー入力Tにおける低信号レベルが高信号レベルに変化することで構成されていることが好ましい。
又、開始信号L_STを受信する前は、双安定フリップフロップ41の出力OUTは、低信号レベルである。
開始信号L_STにより、双安定フリップフロップ41のデータ入力Dにおける入力信号は、その出力OUTにそのまま接続されることになる。
既に説明したように、論理ゲート43は、両方のスイッチがオフにされたときに、高信号レベルを有する信号を、双安定フリップフロップ41のデータ入力Dに対して出力する。その結果、双安定フリップフロップ41の出力OUTにおける高信号レベルは、第1電気スイッチと第2電気スイッチから構成される電気スイッチ装置の予想状態を意味すると解釈されるので、第1電気スイッチと第2電気スイッチの両方のスイッチのオフ状態を確認する論理回路が実現される。
そして、確認が達成された場合、すなわち双安定フリップフロップ41の出力OUTに高信号レベルの信号が存在する場合、シーケンスコントローラによって制御されるプロセスにおいて、次のステップを引き起こす。
【0069】
次に、このような次のステップ又はプロセスの後半に実行されるステップを、図6に示す回路を参照して説明する。
すなわち、この回路は、図5に示した回路と比較して、双安定フリップフロップを参照符号51で示し、論理ゲートを参照符号53で示した点のみが異なる。
更に、双安定フリップフロップ51には、そのトリガー入力にトリガー信号L_Tが供給される。
これは、一般に、トリガー信号、すなわち、双安定フリップフロップ51がデータ入力Dに現在存在する入力信号に従って、出力OUTにおけるその出力信号の状態を変更することを可能にする信号を意味すると理解される。
【0070】
次のステップの実行のために、論理ゲート53の入力に供給される前の入力信号L_WN及び入力信号L_WLは、次の条件を満足することが好ましい。
すなわち、第1電源線のスイッチがオンにされたときには、入力信号L_WNが高信号レベルを有しているという条件を満足することが好ましい。
一方、第2電源線のスイッチが、オフにされたときには、入力信号L_WLが高信号レベルを有しているという条件を満足することが好ましい。
そして、論理ゲート53の入力に供給される前の入力信号L_WN及び入力信号L_WLは、これらの条件を満足するように、対応する検出装置から条件付け又は変更されずに受信されて論理ゲート53に通されることが好ましい。
更に、論理ゲート53は、両方の入力信号が高信号レベルのときに、高信号レベルの信号を出力するように構成されていることが好ましい。
【0071】
トリガー信号L_Tは、例えば、図5からの双安定フリップフロップ41の出力OUTにおける出力信号に応じて生成される。
代替的又は追加的に、トリガー信号L_Tは、電気スイッチの少なくとも一つのスイッチ状態を検出する検出装置が対応する信号を出力するときに引き起こされることが好ましい。
従って、特に、図5に関連して上述した低信号レベルから高信号レベルへの信号変化、又は対応する状態変化を示す他の装置の信号変化が、図6からの双安定フリップフロップ51の出力OUTにおける可能な信号変化を引き起こすことができる。
この瞬間、双安定フリップフロップ51のデータ入力Dに高い信号レベルが存在する場合、すなわち、第1電源線のスイッチがオンにされ、第2電源線のスイッチがオフにされると、双安定フリップフロップ51の出力OUTにおいて、以前に存在した低信号レベルから高信号レベルへの信号変化が行われる。
このようにして、その間に第1電源線のスイッチがオンにされたことを検出することが好ましい。
【0072】
従来は、シーケンスコントローラが制御するプロセスの中で、「次のステップ」という用語が使われていた。
この用語は、電気スイッチ装置の状態を確認する際の次のステップを指していた。
一方、その間に第1電源線のスイッチがオンに切り替えられたことも指していた。すなわち、制御の全体的なプロセスにおいて、これは次のステップと呼ばれることがある。
この場合、図5で説明したプロセスのステップは、その間に他のステップが実行された場合には、次の二つ前のステップ又は後のステップになる。
【0073】
又、図6からの双安定フリップフロップ51の出力OUTにおける信号レベルの変化を適切なタイミングでもたらすために、トリガー信号L_Tは、トリガー入力Tに遅延して入力されることが好ましい。
これは、例えば、電気抵抗、コンデンサ、ダイオード等の古典的な回路部品で実現される。このような回路部品の使用は一般的に知られているため、ここでは詳しい説明を省略する。
遅延のために、第1電源線の電気スイッチは、例えば、事前にオンにされていることが好ましい。
この切り替えプロセスには、トリガー信号L_Tの遅延が設定されるのに対応する時間が必要となる。
【0074】
又、図7は、図6に示した回路を変更したものを示している。
すなわち、論理ゲート63の出力は、追加の論理ゲート65の一方の入力に接続されていることが好ましい。
かかる追加の論理ゲート65の他方の入力は、トリガー信号L_Tの信号線に接続されていることが好ましい。そして、かかる追加の論理ゲート65の出力は、トリガー入力Tに接続されていることが好ましい。
【0075】
従って、図6を参照して上述した実施形態におけるトリガー入力Tにおける信号は、監視対象の電気スイッチのオン状態を双安定フリップフロップ61に通知した監視装置にも依拠することが好ましい。
そして、双安定フリップフロップは、電気スイッチが実際にオンにされた場合にのみ、電気スイッチをオンにするステップが達成されたことを通知することが好ましい。
これによって除外される可能性のあるエラーは、既に説明した通りである。
従って、これらのエラーが発生した場合、双安定フリップフロップ61の出力信号が誤って高信号レベルに設定されることはなく、誤ってプロセスを継続することを防止することができる。
【0076】
しかしながら、図7に示す回路の原理は、第1電源線における電気スイッチのオンへの切り替えを確認することに限定されない。
むしろ、ハードウェアロジックの内部で発生する予想される状態のあらゆる確認が、この方法で実施されることが好ましい。
更に、論理ゲートは追加の入力を有していることが好ましく、特にトリガー入力Tにおける信号が、他の信号における信号状態にも依然として依拠することも好ましい。
更に、図5及び図6を参照して上述した回路と同様に、双安定フリップフロップの入力側の信号レベルは、予想される状態の場合に異なって選択されることも好ましく、及び/又は、双安定フリップフロップの出力信号は、予想される状態が検出されたことを低信号レベルで通知することも好ましい。
【0077】
又、図8は、これまで説明した回路の更なる変更点を示している。
この変更点も、既に説明した変更に加えて設けることが好ましい。
図8に示す変更点は、双安定フリップフロップ71のデータ入力Dに接続されている出力を有する論理ゲート73が、三つの入力信号(L_WN、L_WL、L_WNL)を受け取るという点である。
これらの三つの入力信号は、図3の回路構成の場合、検出装置によって生成される、二つの電気スイッチの切り替え状態に関連する信号、すなわち、任意に更なる信号と連結される信号、及び/又は、反転される信号であることが好ましい。
【0078】
特に、切り替えられた状態に関する信号の実施形態及び/又は前処理に応じて、図8における変更点により、以下のことを確認することが可能になる。
-三つの検出装置の全てが、両方の電気スイッチがオフに切り替えられていることを、一致して通知する。
-三つの検出装置のうち二つの検出装置が、特定の電気スイッチ(第1電気スイッチ又は第2電気スイッチのいずれか)がオンにされていることを、一致して通知する。
-三つの検出装置の全てが、両方のスイッチがオンにされていることを、一致して通知する。
【0079】
しかしながら、好ましくは、特に、検出装置が、一方のスイッチ又は両方のスイッチがオンにされたことを一致して通知するか否かに関する確認は、図8に示すような回路で実施されないか、又は実施されるだけである。
むしろ、図9に示すような回路原理に対応する回路が好ましい。
図9に示す回路は、簡略化されている。特に、論理ゲートは省略され、ハードウェアロジック素子として二つの双安定フリップフロップ81、83のみが示されている。
【0080】
かかる回路原理は、一方の双安定フリップフロップのデータ入力の入力信号を他方の双安定フリップフロップのトリガー入力の入力信号として使用し、またその逆の場合も同様である。
従って、一つの入力信号は、信号線を介して、一方の双安定フリップフロップのデータ入力Dと、他方の双安定フリップフロップのトリガー入力Tに供給される。
前述のように、信号を反転させる素子等、追加の論理スイッチング素子を使用することも好ましい。
更に、特に二つの入力信号のうちの一つは、二つの一次入力信号(監視装置の二つの異なる検出装置からの信号等)を論理的にリンクさせる論理ゲートの出力信号であることも好ましい。
【0081】
具体的に図示された例示的な実施形態では、一方の入力信号は、例えば、図3の第2電源線3bの電気スイッチの切り替え状態を表す入力信号L_WLであり、他方の入力信号は、例えば、図3の第1電源線3a及び第2電源線3bのスイッチの切り替え状態を表す入力信号L_WNLである。
或いは、例えば、別の実施形態において、一方の入力信号L_WLを、二つのスイッチのうちの一方のスイッチにおける切り替え状態を表す信号をそれぞれ連結することによって置き換えることも好ましい。
【0082】
一方の信号レベルの変化がトリガーとなり、対応する双安定フリップフロップの出力信号が変化する可能性がある。
この図9の回路原理により、様々な検出装置の冗長情報を誤りなく評価することが可能になる。
この意味での冗長情報は、特に、図3の場合のように、少なくとも一つの電気スイッチに対して検出装置が設けられ、このスイッチの切り替え状態を単独で通知し、二つのスイッチの共通のオン状態を通知できる検出装置も設けられている場合に存在する。
【0083】
又、二つの入力信号、例えば、入力信号L_WL及び入力信号L_WNLが存在する間の時間的な許容範囲も許されることが好ましい。
これは、例えば、少なくとも一つの電気抵抗とコンデンサ、及び充電されたコンデンサの電圧を低下させるための少なくとも一つのダイオード等のディスクリート回路部品を用いて、上述のように、信号レベル変化がトリガー入力Tに供給される信号によって遅延されることで達成されることが好ましい。
このようにして、入力信号の信号レベル変化により、当初はコンデンサの充電が行われ、その後、時間の経過と共に再び放電される。放電の途中のある時点で、次にトリガー入力Tの信号レベル変化が発生する。
【符号の説明】
【0084】
1:実験用機器、3:電気接続部、3a:第1電源線、3b:第2電源線、3c:第3電源線、5:電気スイッチ装置、7:監視装置、8、39:シーケンスコントローラ、10、11:装置、13:冷却装置、21、31:第1接点、22、32:第2接点、23:第3接点、24:第4接点、25:第5接点、26:第6接点、28~30:ダイオード、37:電気スイッチ装置、38:監視装置、41、51、53、61、71、81、83:双安定フリップフロップ、43、53、63、73:論理ゲート、65:更なる論理ゲート、L_ST:開始信号、L_T:トリガー信号、L_WL、L_WN、L_WNL:入力信号、OUT:出力、SW_1、SW_2、SW_3:電気スイッチ
SW_L:電気スイッチ(第1電気スイッチ)、SW_N:電気スイッチ(第2電気スイッチ)、S_1、S_2、S_3:アクチュエータ、S_L、S_N:アクチュエータ、T:トリガー入力、W_L:第1検出装置、W_N:第2検出装置、W_LN:第3検出装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9