(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】基板支持装置およびそれを含む基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20240621BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240621BHJP
H05H 1/46 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
H01L21/302 101R
H01L21/302 101L
H05H1/46 A
(21)【出願番号】P 2022202786
(22)【出願日】2022-12-20
【審査請求日】2022-12-20
(31)【優先権主張番号】10-2022-0094780
(32)【優先日】2022-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジョン グン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ソ ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒュン ジョン
【審査官】内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-522889(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0110356(US,A1)
【文献】特開2021-197535(JP,A)
【文献】特表2011-529273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/3065
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を支持する誘電体材質のボディと、
前記ボディを貫通するように設けられた熱伝達媒体供給孔と、
前記ボディ内に配置された第1静電電極と、
前記ボディ内に配置され、前記第1静電電極上に位置して前記第1静電電極と電気的に接続された第2静電電極と
前記ボディ内に設けられたヒータと、
を含
み、
前記第1静電電極の表面積は、前記第2静電電極の表面積より小さく、 前記第1静電電極と前記ヒータは同一レベルに配置された、基板支持装置。
【請求項2】
前記第1静電電極から前記ボディの底面までの第1間隔は、前記第2静電電極から前記ボディの上面までの第2間隔と同じである、請求項1に記載の基板支持装置。
【請求項3】
前記熱伝達媒体供給孔は前記第1静電電極および前記第2静電電極を貫通するように構成された、請求項1に記載の基板支持装置。
【請求項4】
前記第1静電電極と前記第2静電電極に直接接触するビア(via)をさらに含む、請求項1に記載の基板支持装置。
【請求項5】
前記ボディの中心から前記ビアまでの第1距離は、前記ボディの中心から前記熱伝達媒体供給孔までの第2距離より大きい、請求項4に記載の基板支持装置。
【請求項6】
前記ボディの下に金属材質の下部板がさらに設けられ、前記下部板内には冷却流体が循環する冷却流路が設けられた、請求項1に記載の基板支持装置。
【請求項7】
基板を支持する誘電体材質のボディと、
前記ボディの下に配置され、ボンディング層によって前記ボディに固定される、金属材質の下部板とを含み、
前記ボディの内部には、第1静電電極と、前記第1静電電極上に位置する第2静電電極と、前記第1静電電極と前記第2静電電極に直接接触するビアと、前記第1静電電極および前記第2静電電極を貫通するように構成された熱伝達媒体供給孔と
、ヒータと、が設けられ、
前記下部板の内部には、冷却流体が循環する冷却流路が設けられ、
前記第1静電電極から前記ボディの底面までの第1間隔は、前記第2静電電極から前記ボディの上面までの第2間隔と同じであ
り、
前記第1静電電極の表面積は、前記第2静電電極の表面積より小さく、
前記第1静電電極と前記ヒータは同一レベルに配置された、基板支持装置。
【請求項8】
前記ボディの中心から前記ビアまでの第1距離は、前記ボディの中心から前記熱伝達媒体供給孔までの第2距離より大きい、請求項
7に記載の基板支持装置。
【請求項9】
ハウジングと、
前記ハウジング内に提供されて基板を支持する基板支持ユニットと、
前記ハウジング内にプロセスガスを供給するガス供給ユニットと、
高周波電力が印加されて前記プロセスガスを用いてプラズマを発生させる電極を有するプラズマソースとを含み、
前記基板支持ユニットは、
基板を支持して、誘電体材質のボディと、
前記ボディを貫通するように設けられた熱伝達媒体供給孔と、
前記ボディ内に配置された第1静電電極と、
前記ボディ内に配置され、前記第1静電電極上に位置して前記第1静電電極と電気的に接続された第2静電電極と
前記ボディ内に設けられたヒータと、を含
み、
前記第1静電電極の表面積は、前記第2静電電極の表面積より小さく、
前記第1静電電極と前記ヒータは同一レベルに配置された、基板処理装置。
【請求項10】
前記第1静電電極から前記ボディの底面までの第1間隔は、前記第2静電電極から前記ボディの上面までの第2間隔と同じである、請求項
9に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記熱伝達媒体供給孔は前記第1静電電極および前記第2静電電極を貫通するように構成された、請求項
9に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記第1静電電極と前記第2静電電極に直接接触するビア(via)をさらに含む、請求項
9に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記ボディの中心から前記ビアまでの第1距離は、前記ボディの中心から前記熱伝達媒体供給孔までの第2距離より大きい、請求項
12に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板支持装置およびそれを含む基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置またはディスプレイ装置を製造する際には、写真、エッチング、アッシング、イオン注入、薄膜蒸着、洗浄など多様な工程が実施される。ここで、エッチング工程は基板上に形成された被エッチング膜の一部を除去する工程であり、エッチング液を用いる湿式エッチングとプラズマを用いる乾式エッチングに区分することができる。
【0003】
プラズマはイオンや電子、ラジカルなどからなるイオン化されたガス状態をいう。プラズマは非常に高い温度や、強い電界あるいは高周波電磁界によって生成されることができる。プラズマに含まれたイオン粒子が基板に衝突することによって、基板に形成された被エッチング膜のうちの少なくとも一部を除去する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
静電チャック(ESC,ElectroStatic Chuck)には、基板の下面にヘリウムガスを供給するヘリウム供給孔が設けられる。しかし、静電チャックに高いレベルのバイアスパワーが印加されると、ヘリウム供給孔にアーキング(arcing)が発生し得る。ヘリウム供給孔のサイズを減らすとブレークダウン電圧(breakdown voltage)を高めてアーキングの発生確率を下げることができるが、ヘリウム供給孔を加工するのに困難性があり、製作単価が高くなる。したがって、高いレベルのバイアスパワーが印加されてもアーキングが発生せず、かつ製作単価が高くない基板支持装置の開発が求められる。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、耐久性が向上した基板支持装置を提供することにある。
【0006】
本発明が解決しようとする他の課題は、耐久性が向上した基板支持装置を含む基板処理装置を提供することにある。
【0007】
本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を達成するための本発明の基板支持装置の一態様(aspect)は、基板を支持する誘電体材質のボディと、前記ボディを貫通するように設けられた熱伝達媒体供給孔と、前記ボディ内に配置された第1静電電極と、前記ボディ内に配置され、前記第1静電電極上に位置して前記第1静電電極と電気的に接続された第2静電電極とを含む。
【0009】
前記課題を達成するための本発明の基板支持装置の他の態様は、基板を支持する誘電体材質のボディと、前記ボディの下に配置され、ボンディング層によって前記ボディに固定される、金属材質の下部板とを含み、前記ボディの内部には、第1静電電極と、前記第1静電電極上に位置する第2静電電極と、前記第1静電電極と前記第2静電電極に直接接触するビアと、前記第1静電電極および前記第2静電電極を貫通するように構成された熱伝達媒体供給孔とが設けられ、前記下部板の内部には、冷却流体が循環する冷却流路が設けられ、前記第1静電電極から前記ボディの底面までの第1間隔は、前記第2静電電極から前記ボディの上面までの第2間隔と同一である。
【0010】
前記他の課題を達成するための本発明の基板処理装置の一面は、ハウジングと、前記ハウジング内に提供されて基板を支持する基板支持ユニットと、前記ハウジング内にプロセスガスを供給するガス供給ユニットと、高周波電力が印加されて前記プロセスガスを用いてプラズマを発生させる電極を有するプラズマソースとを含み、前記基板支持ユニットは、基板を支持して、誘電体材質のボディと、前記ボディを貫通するように設けられた熱伝達媒体供給孔と、前記ボディ内に配置された第1静電電極と、前記ボディ内に配置され、前記第1静電電極上に位置して前記第1静電電極と電気的に接続された第2静電電極とを含む。
【0011】
その他実施形態の具体的な内容は詳細な説明および図面に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1実施形態による基板支持装置を説明するための断面図である。
【
図2】
図1に示す第1静電電極、第2静電電極およびビアを説明するための概念図である。
【
図3】
図1に示す基板支持装置でのキャパシタンスを説明するための図である。
【
図4】一層の静電電極を使用した基板支持装置でのキャパシタンスを説明するための図である。
【
図5】本発明の第2実施形態による基板支持装置を説明するための断面図である。
【
図6】本発明の第3実施形態による基板支持装置を説明するための断面図である。
【
図7】本発明の第4実施形態による基板支持装置を説明するための断面図である。
【
図8】本発明のいくつかの実施形態による基板処理装置を説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付する図面を参照して本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は添付する図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は以下に開示する実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現することができ、本実施形態は単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。明細書全体にわたって同一参照符号は同一構成要素を指すものとする。
【0014】
空間的に相対的な用語である「下(below)」、「下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」などは図面に示されているように一つの素子または構成要素と他の素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使用される。空間的に相対的な用語は図面に示されている方向に加えて使用時または動作時の素子の互いに異なる方向を含む用語として理解されなければならない。例えば、図面に示されている素子をひっくり返す場合、他の素子の「下(below)」または「下(beneath)」と記述された素子は他の素子の「上(above)」に置かれ得る。したがって、例示的な用語の「下」は下と上の方向をすべて含むことができる。素子は他の方向に配向されてもよく、そのため空間的に相対的な用語は配向によって解釈されることができる。
【0015】
第1、第2などが多様な素子、構成要素および/またはセクションを叙述するために使われるが、これらの素子、構成要素および/またはセクションはこれらの用語によって制限されないのはもちろんである。これらの用語は単に一つの素子、構成要素またはセクションを他の素子、構成要素またはセクションと区別するために使用する。したがって、以下で言及される第1素子、第1構成要素または第1セクションは本発明の技術的思想内で第2素子、第2構成要素または第2セクションであり得るのはもちろんである。
【0016】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明し、添付図面を参照して説明するにあたり図面符号に関係なく同一であるかまたは対応する構成要素は同じ参照番号を付与し、これに係る重複する説明は省略する。
【0017】
図1は本発明の第1実施形態による基板支持装置を説明するための断面図である。
図2は
図1に示す第1静電電極、第2静電電極およびビアを説明するための概念図である。
図3は
図1に示す基板支持装置でのキャパシタンスを説明するための図面であり、
図4は一層の静電電極を使用した基板支持装置でのキャパシタンスを説明するための図である。
【0018】
まず
図1および
図2を参照すると、本発明の第1実施形態による基板支持装置200はボディ220、下部板230およびボンディング層236を含む。
【0019】
下部板230は金属材質(例えば、アルミニウム)からなり、ボディ220の下に位置する。下部板230内には、冷却流体が循環する冷却流路231が設けられる。冷却流体は冷却流路231を循環し、下部板230を冷却させる。冷却流路231は冷却流体供給部2310と連結される。
【0020】
ボンディング層236はボディ220と下部板230を接着させる。ボンディング層236は絶縁材質からなるが、これに限定されない。
【0021】
別に図示していないが、バイアスパワー(bias power)の提供を受ける電極は、下部板230内に設けられるか、ボンディング層236内に設けられるか、ボディ220内に設けられることもできる。バイアスパワーは高周波(RF)電源で構成されることができる。
【0022】
ボディ220は誘電体材質(例えば、セラミック)からなり、基板を支持する。
【0023】
ボディ220を貫通するように熱伝達媒体供給孔221が設けられる。熱伝達媒体供給孔221はボディ220のセンター領域および/またはエッジ領域に設けられることができる。熱伝達媒体供給孔221は熱伝達媒体供給部2360に連結される。熱伝達媒体供給部2360から提供された熱伝達媒体は、熱伝達媒体供給孔221を介して基板の底面に提供される。熱伝達媒体は不活性気体、例えば、ヘリウム(He)であり得るが、これに限定されない。熱伝達媒体はプラズマから基板に伝達された熱が基板支持装置200に伝達される媒介体の役割をすることができる。
【0024】
ボディ220内には電気的に接続された第1静電電極2231と第2静電電極2232が設けられる。第1静電電極2231および第2静電電極2232は定電圧提供部2230から、定電圧(DC)の提供を受ける。図示するように、第1静電電極2231と第2静電電極2232は互いに離隔して積層された形態であり得る。また、第1静電電極2231はボディ220の底面220Bに近く配置され、第2静電電極2232はボディ220の上面220Uに近く配置される。第1静電電極2231と第2静電電極2232を電気的に接続するために、第1静電電極2231と第2静電電極2232に直接接触するビア(via,2239)が設けられることができる。
図2に図示するように、ビア2239は第1静電電極2231と第2静電電極2232の外周面に沿って配置されるが、これに限定されない。
【0025】
互いに電気的に接続されて離隔して積層された形態の静電電極2231,2232を使用することによって、ボディ220のキャパシタンスを増加させることができる。そのためボディ220のインピーダンスを減少させることができる。
【0026】
具体的には、
図3を参照すると、積層された第1静電電極2231と第2静電電極2232を電気的に接続することによって、第1静電電極2231と第2静電電極2232の間の電圧を同電位にすることができる。
【0027】
そのため、第1静電電極2231によって形成された第1キャパシタンスC1は、数式1により計算される。ここで、第1キャパシタンスC1を算出するとき使用される第1間隔d1は、ボディ220の底面220Bと第1静電電極2231の間の距離である。
【0028】
同様に、第2静電電極2232によって形成された第2キャパシタンスC2は、数式2により計算される。ここで、第2キャパシタンスC2を算出するとき使用される第2間隔d2は、ボディ220の上面220Uと第2静電電極2232の間の距離である。
【0029】
【0030】
【0031】
ボディ220のインピーダンス(ZT)は数式3により算出される。第1間隔d1および第2間隔d2が小さくなるほど、第1キャパシタンスC1および第2キャパシタンスC2が増加する。第1キャパシタンスC1および第2キャパシタンスC2が増加するので、インピーダンス(ZT)は小さくなる。
【0032】
【0033】
一方、
図4のように、ボディ220A内に一層の静電電極223Aを使用する場合、静電電極223Aによって形成されるキャパシタンスCは数式4により計算される。ここで、キャパシタンスCを算出するとき使用される間隔dは、ボディ220Aの底面220Bと上面220Uの間の距離である。すなわち、間隔dはボディ220Aの厚さに該当する。
【0034】
【0035】
図4に示すボディ220Aのインピーダンス(Z)は数式5により算出される。
【0036】
【0037】
図3に示すボディ220の物理的な厚さと、
図4に示すボディ220Aの物理的厚さが互いに同一であっても、
図3でキャパシタンスC1,C2を算出するときに使用される第1距離d1および第2距離d2は、
図4でキャパシタンスCを算出するときに使用される距離dに比べて小さい。したがって、
図3で算出されたインピーダンス(Z
T)は、
図4で算出されたインピーダンス(Z)に比べて小さい。
【0038】
まとめると、
図3を参照すると、バイアスパワーによってボディ220にかかる電圧は、ボディ220のインピーダンス(Z
T)によって決定される。インピーダンス(Z
T)はキャパシタンスC1,C2と反比例の関係を有する。
【0039】
互いに電気的に接続されて互いに離隔して積層された形態の静電電極2231,2232を使用すると、(
図4に示す場合に比べて)キャパシタンスC1,C2が増加し、そのためインピーダンス(Z
T)が小さくなる。したがって、バイアスパワーによってボディ220にかかる電圧が減少する。その結果、ボディ220の熱伝達媒体供給孔221にかかる電圧も減少し、熱伝達媒体供給孔221でアーキング(arcing)が発生しない。すなわち、エッチング生産性を高めるためにバイアスパワーを十分に高くしても、熱伝達媒体供給孔221でアーキング(arcing)が発生しない。また、熱伝達媒体供給孔221のサイズを不必要に減らさなくても良い。
【0040】
一方、
図3に示すように、熱伝達媒体供給孔221は第1静電電極2231および第2静電電極2232を貫通するように構成されることができる。熱伝達媒体供給孔221はボディ220のセンター領域および/またはエッジ領域に設けられることができる。ビア2239は第1静電電極2231と第2静電電極2232の外周面に沿って配置されることができる。ボディ220の中心からビア2239までの第1距離L1は、ボディ220の中心から熱伝達媒体供給孔221までの第2距離より大きくてもよい。
【0041】
また、第1静電電極2231からボディ220の底面220Bまでの第1間隔d1は、第2静電電極2232からボディ220の上面220Uまでの第2間隔d2と同一であり得る。すなわち、第1静電電極2231と第2静電電極2232は、ボディ220の厚さ方向に互いに対称位置に設けられることができる。
【0042】
図5は本発明の第2実施形態による基板支持装置を説明するための断面図である。説明の便宜上、
図1ないし
図4を用いて説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0043】
図5を参照すると、本発明の第2実施形態による基板支持装置において、ボディ2202は第1静電電極2231、第2静電電極2232、熱伝達媒体供給孔221およびヒータ225を含む。
【0044】
ヒータ225はボディ2202を加熱する。ヒータ225は抵抗体を含み、抵抗体に印加された電流によって熱が発生する。ヒータ225から発生した熱は基板に伝達され、ヒータ225から発生した熱によって基板は既に設定された温度に維持される。
【0045】
ヒータ225は第1静電電極2231と第2静電電極2232の間に配置されることができる。そのため、ボディ2202の底面220Bと第1静電電極2231の間の第1間隔d1と、ボディ2202の上面220Uと第2静電電極2232の間の第2間隔d2は互いに同一であり得る。
【0046】
一方、
図1に示すボディ220にはヒータが設けられず、
図5に示すボディ2202にはヒータ225が設けられる。ヒータ225の設置の有無は、基板に形成された被エッチング物質の種類によって決定されることができる。例えば、酸化膜のエッチングを行うときには
図1に示すボディ220が使用され、シリコン層のエッチングを行うときには
図5に示すボディ2202が使用されることができる。
【0047】
熱伝達媒体供給孔221は第1静電電極2231と第2静電電極2232だけでなく、ヒータ225も貫通する。
【0048】
図6は本発明の第3実施形態による基板支持装置を説明するための断面図である。説明の便宜上、
図1ないし
図5を用いて説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0049】
図6を参照すると、本発明の第3実施形態による基板支持装置において、ボディ2203は第1静電電極2231、第2静電電極2232、熱伝達媒体供給孔221およびヒータ225を含む。
【0050】
ヒータ225は第1静電電極2231の下に配置されることができる。ヒータ225は第1静電電極2231と底面220Bの間に配置されることができる。そのため、ボディ2203の底面220Bと第1静電電極2231の間の第3間隔d3は、ボディ2203の上面220Uと第2静電電極2232の間の第2間隔d2より大きい。
【0051】
熱伝達媒体供給孔221は第1静電電極2231と第2静電電極2232だけでなく、ヒータ225も貫通する。
【0052】
図7は本発明の第4実施形態による基板支持装置を説明するための断面図である。説明の便宜上、
図1ないし
図6を用いて説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0053】
図7を参照すると、本発明の第4実施形態による基板支持装置において、ボディ2204は第1静電電極2231、第2静電電極2232、熱伝達媒体供給孔221およびヒータ225を含む。
【0054】
第1静電電極2231とヒータ225は同一レベルに配置されることができる。すなわち、底面220Bから第1静電電極2231までの距離と、底面220Bからヒータ225までの距離が実質的に同一であり得る。
【0055】
第1静電電極2231とヒータ225が同一レベルに配置されるので、第1静電電極2231の表面積は第2静電電極2232の表面積より小さい。したがって、
図7に示すボディ2204のインピーダンスは、
図5に示すボディ2202のインピーダンスに比べて大きい。しかし、
図7に示すボディ2204の厚さは、
図5および
図6に示すボディ2202,2203の厚さに比べて薄く実現することができる。
【0056】
ボディ2204のインピーダンスよりボディ2204の厚さが重要な設計要素である場合には、
図7に示すボディ2204が使用されることができる。
【0057】
図8は本発明のいくつかの実施形態による基板処理装置を説明するための概念図である。
図8に示す基板処理ユニットは
図1ないし
図7を用いて説明した基板支持装置のいずれか一つを使用することができる。
【0058】
図8を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による基板処理装置10は、プラズマを用いて基板Wを処理する。例えば、基板処理装置10は基板Wに対してエッチング工程を行うことができる。基板処理装置10はチャンバ100、基板支持ユニット200、ガス供給ユニット300、プラズマソース400、そして排気ユニット500を含む。
【0059】
チャンバ100は基板処理工程が行われる空間を提供する。チャンバ100はハウジング110、カバー120およびライナ130を含む。
【0060】
ハウジング110は内部に上面が開放された空間を有する。ハウジング110の内部空間は基板処理工程が行われる空間として提供される。ハウジング110は金属材質で提供される。ハウジング110はアルミニウム材質で提供されることができる。ハウジング110は接地されることができる。ハウジング110の底面には排気孔102が形成される。排気孔102は排気ライン151と連結される。工程過程で発生した反応副産物およびハウジング110の内部空間に留まるガスは排気ライン151を介して外部に排出されることができる。排気過程によってハウジング110の内部は所定圧力に減圧される。
【0061】
カバー120はハウジング110の開放された上面を覆う。カバー120は板形状で提供され、ハウジング110の内部空間を密閉させる。カバー120は誘電体(dielectric substance)窓を含むことができる。
【0062】
ライナ130はハウジング110の内部に提供される。ライナ130は上面および下面が開放された内部空間を有する。ライナ130は円筒形状で提供されることができる。ライナ130はハウジング110の内側面に相応する半径を有することができる。ライナ130はハウジング110の内側面に沿って提供される。ライナ130の上端には支持リング131が形成される。支持リング131はリング形状の板として提供され、ライナ130の周囲に沿ってライナ130の外側に突出される。支持リング131はハウジング110の上端に置かれて、ライナ130を支持する。ライナ130はハウジング110と同じ材質で提供されることができる。ライナ130はアルミニウム材質で提供されることができる。ライナ130はハウジング110の内側面を保護する。プロセスガスが励起される過程でチャンバ100の内部にはアーク(Arc)放電が発生し得る。アーク放電は周辺装置を損傷させる。ライナ130はハウジング110の内側面を保護してハウジング110の内側面がアーク放電により損傷することを防止する。また、ライナ130は基板処理工程中に発生した不純物がハウジング110の内側壁に蒸着されることを防止する。アーク放電によりライナ130が損傷する場合、作業者は新しいライナ130に交換することができる。
【0063】
ガス供給ユニット300はハウジング110の内部にプロセスガスを供給する。ガス供給ユニット300はガス供給ノズル310、ガス供給ライン320、そしてガス貯蔵部330を含む。ガス供給ノズル310はカバー120の中央部に設けられる。ガス供給ノズル310の底面には噴射口が形成される。噴射口はカバー120の下部に位置し、チャンバ100の内部にプロセスガスを供給する。ガス供給ライン320はガス供給ノズル310とガス貯蔵部330を連結する。ガス供給ライン320はガス貯蔵部330に貯蔵されたプロセスガスをガス供給ノズル310に供給する。ガス供給ライン320には弁321が設けられる。弁321はガス供給ライン320を開閉し、ガス供給ライン320を介して供給されるプロセスガスの流量を調節する。
【0064】
プラズマソース400は基板支持ユニット200の上部に配置される。プラズマソース400はチャンバ100内のプロセスガスをプラズマ状態に励起させる。プラズマソース400としては誘導結合型プラズマ(ICP:inductively coupled plasma)ソースを使用することができる。プラズマソース400はアンテナ420、アンテナ室410、そして電源430を含む。
【0065】
アンテナ420は基板支持ユニット200の上部に配置される上部電極の役割をする。アンテナ420はハウジング110の外部に提供されることができる。
【0066】
アンテナ室410は下部が開放された円筒形状で提供される。アンテナ室410は内部に空間が提供される。アンテナ室410はチャンバ100と対応する直径を有するように提供される。アンテナ室410の下端はカバー120に脱着可能なように提供される。
【0067】
アンテナ420はアンテナ室410の内部に配置される。アンテナ420は複数回巻かれる螺旋形状のコイルとして提供されることができる。これとは異なり、アンテナの形状および数は多様に変更することができる。アンテナ420にはプラズマ電源430が連結される。プラズマ電源430とアンテナ420の間にはインピーダンスマッチングボックスIMBが配置されることができる。アンテナ420はプラズマ電源430から電力の印加を受ける。一例として、アンテナ420には高周波電力が印加されることができる。高周波電力が印加されると、プラズマソース400のアンテナ420はプロセスガスからチャンバ100の処理空間にプラズマを発生させる。すなわち、プロセスガスは電磁場によってプラズマ状態に励起される。
【0068】
ハウジング110の内部には基板支持ユニット200が位置する。基板支持ユニット200は基板Wを支持する。基板支持ユニット200は静電気力(electrostatic force)を用いて基板Wを吸着する静電チャックを含むことができる。
【0069】
基板支持ユニット200は下部カバー270、絶縁プレート250、下部板230、ボディ220およびフォーカスリング240などを含む。基板支持ユニット200はチャンバ100の内部でハウジング110の底面から上部に離隔して提供されることができる。
【0070】
前述したように、ボディ220は円板形状の誘電体(dielectric substance)材質で提供される。ボディ220の上面には基板Wが置かれる。ボディ220の上面は基板Wより小さい半径を有することができる。ボディ220には第1供給流路221(すなわち、熱伝達媒体供給孔)が形成される。第1供給流路221は互いに離隔して複数個形成され、基板Wの底面に伝達媒体が供給される通路として提供される。
【0071】
静電電極223はボディ220の内部に埋設される。静電電極223は第1静電電極と、第1静電電極上に配置された第2静電電極と、第1静電電極と第2静電電極を連結するビアを含む。静電電極223は第1下部電源223aと電気的に接続される。第1下部電源223aは直流電源を含む。静電電極223と第1下部電源223aの間にはスイッチ223bが設けられる。静電電極223はスイッチ223bのオン/オフ(ON/OFF)により第1下部電源223aと電気的に接続されることができる。スイッチ223bがオン(ON)されると、静電電極223には直流電流が印加される。静電電極223に印加された電流によって静電電極223と基板Wの間には静電気力が作用し、静電気力によって基板Wはボディ220に吸着する。
【0072】
ヒータ225はボディ220内に位置する。ヒータは例えば、第1静電電極と第2静電電極の間に配置されることができる。ヒータ225はボディ220を加熱する。ヒータ225は交流電流の印加によって加熱する。すなわち、ヒータ225は印加された電流に抵抗することによって熱を発生させる。発生した熱はボディ220を介して基板Wに伝達される。ヒータ225から発生した熱によって基板Wは所定温度に維持される。ヒータ225は第2下部電源225aと電気的に接続される。スイッチ225bのオン/オフ(ON/OFF)により、交流電流が選択的にヒータ225に提供される。
【0073】
下部板230には循環流路231、冷却流路232、そして第2供給流路233が形成される。循環流路231は熱伝達媒体が循環する通路として提供される。冷却流路232はボディを冷却させる。冷却流路232は冷却流体が循環する通路として提供される。循環流路231は熱伝達媒体供給ライン231bを介して熱伝達媒体貯蔵部231aと連結される。熱伝達媒体貯蔵部231aには熱伝達媒体が貯蔵される。熱伝達媒体は不活性ガスを含む。実施形態によれば、熱伝達媒体はヘリウム(He)ガスを含む。ヘリウムガスは供給ライン231bを介して循環流路231に供給され、第2供給流路233と第1供給流路221を順次に経て基板Wの底面に供給される。ヘリウムガスはプラズマから基板Wに伝達された熱が静電チャックに伝達される媒介体の役割をする。フォーカスリング240は静電チャックの縁領域に配置される。フォーカスリング240はリング形状を有し、ボディ220の周囲に沿って配置される。フォーカスリング240の一面240aは基板Wより突出するように構成され、他面240bは基板Wのエッジと接触するように構成されることができる。
【0074】
下部板230の下部には絶縁プレート250が位置する。絶縁プレート250は絶縁材質で提供され、下部板230と下部カバー270を電気的に絶縁させる。下部カバー270は連結部材273を有する。連結部材273はハウジング110の内側壁と連結されることによって下部カバー270が電気的に接地(grounding)されるようにする。第1下部電源223aと連結される第1電源ライン223c、第2下部電源225aと連結される第2電源ライン225c、熱伝達媒体貯蔵部231aと連結された熱伝達媒体供給ライン231b、そして冷却流体貯蔵部232aと連結された冷却流体供給ライン232cなどは連結部材273の内部空間を介して下部カバー270の内部に延びる。
【0075】
排気ユニット500はハウジング110の内側壁と基板支持ユニット200の間に位置する。排気ユニット500は貫通孔が形成された排気板を含む。排気板は環状のリング形状であり、多数の貫通孔が形成される。ハウジング110内に提供されたプロセスガスは排気板の貫通孔を通過して排気孔102に排気する。
【0076】
図8に示す基板支持ユニット200は例示的に、
図5に示すボディ2202を用いて図示したが、これに限定されない。
図3に示すボディ220、
図6に示すボディ2203、
図7に示すボディ2204が用いられることができる。
【0077】
図8はICP(Inductively coupled plasma)プラズマ装置を示したが、CCP(Capacitively coupled plasma)プラズマ装置に適用することができる。
【0078】
以上と添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。