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特許7507854粒子発泡成形部品製造用の粒子発泡材料加工装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】粒子発泡成形部品製造用の粒子発泡材料加工装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 44/34 20060101AFI20240621BHJP
   B29C 44/00 20060101ALI20240621BHJP
   B29C 44/02 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
B29C44/34
B29C44/00 G
B29C44/02
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022520180
(86)(22)【出願日】2020-09-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-14
(86)【国際出願番号】 EP2020075382
(87)【国際公開番号】W WO2021063648
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-04-01
(73)【特許権者】
【識別番号】521544713
【氏名又は名称】ジークフリート ホフマン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュッツ,ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ドイイェリング,ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】マール,ステファン
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ケルバー,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ファウルハーバー,カイ
(72)【発明者】
【氏名】パチャディジオスキ,エディン
【審査官】武貞 亜弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-082891(JP,A)
【文献】特開平02-020309(JP,A)
【文献】特開平08-142090(JP,A)
【文献】特開2004-209804(JP,A)
【文献】国際公開第2011/058071(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0215084(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102009028987(DE,A1)
【文献】米国特許第04557881(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 44/00-44/60;67/20-67/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子発泡成形部品製造用の粒子発泡材料加工装置(1)であって、
・移動可能な第1のダイ要素(2.1)および移動不可能な少なくとも1つの追加のダイ要素(2.2)を備えた、少なくとも1つのダイ装置(2)を備え、第1のダイ要素(2.1)は、移動軸(A1)に沿って前記少なくとも1つの追加のダイ要素(2.2)に対して移動可能であるように取り付けられており、
・少なくとも1つのダイ装置(2)に割り当てられているか割り当てられることができ、第1のダイ要素(2.1)および/または少なくとも1つの追加のダイ要素(2.2)を移動軸(A1)に沿って移動させる駆動力を生成および/または伝達するように構成されている、少なくとも1つの駆動装置(3)を備え、
少なくとも1つの駆動装置(3)は、線形駆動装置として設計されているか、線形駆動装置を備え、
少なくとも1つの線形駆動装置(5)は、少なくとも1つの第1の線形駆動要素(5.1)および機械的係合によってそれと相互作用する少なくとも1つの第2の線形駆動要素(5.2)を備え、第1の線形駆動要素(5.1)は、移動軸(A1)に沿って移動可能であるように取り付けられており、第2の線形駆動要素(5.2)は、第1の線形駆動要素(5.1)を移動軸(A1)に沿って移動させる駆動力を第1の線形駆動要素(5.1)に生成および/または伝達するように構成され、
第1の空間平面に平行に配置または形成された少なくとも2つの線形駆動装置(5)と、少なくとも1つの追加の空間平面に配置または形成された少なくとも1つの追加の線形駆動装置(5)、または、第1の空間平面に平行に配置または形成された少なくとも2つの線形駆動装置と、第1の空間平面と平行にまたはある角度で方向付けられた追加の空間平面に平行に配置または形成された少なくとも2つの線形駆動装置、を備え、
・第1の線形案内要素(7.1)および少なくとも1つの追加の線形案内要素(7.2)を備えた線形案内装置(7)を備え、第1の線形案内要素(7.1)は、少なくとも1つの追加の線形案内要素(7.2)と相互作用して、線形駆動要素(5.1)を移動軸(A1)に沿って案内し、第1の線形案内要素(7.1)はガイドレールまたはガイドロッドであり、少なくとも1つの追加の線形案内要素(7.2)は線形駆動装置(5)の第1の線形駆動要素(5.1)に結合され、
少なくとも1つのダイ要素(2.2)は、第1の線形駆動要素(5.1)によって貫通されることができる少なくとも1つの開口部(6)を備えていることを特徴とする装置。
【請求項2】
線形駆動装置(5)は、第1の線形駆動要素(5.1)および/または第2の線形駆動要素(5.2)に割り当てられているか割り当てられることができる線形駆動ユニットを備え、第1の線形駆動要素(5.1)を移動軸(A1)に沿って移動させる駆動力を生成するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
第1の線形駆動要素(5.1)は、移動可能に取り付けられた第1のダイ要素(2.1)および/または移動可能に取り付けられた少なくとも1つの追加のダイ要素(2.2)に結合され、移動のために結合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
ダイ装置(2)は、少なくとも1つの追加のダイ要素(2.2)に対して移動可能であるように取り付けられた第1のダイ要素(2.1)を備え、
少なくとも1つの追加のダイ要素(2.2)は、第1の線形駆動要素(5.1)によって貫通されることができる少なくとも1つの開口部(6)、貫通開口部を備え、
移動可能に取り付けられた第1のダイ要素(2.1)に結合され、移動のために結合されている第1の線形駆動要素(5.1)は、少なくとも1つの開口部(6)を貫通していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
第1の線形駆動要素(5.1)は、ねじ山付きスピンドルとして設計されるかねじ山付きスピンドルを備え、第2の線形駆動要素(5.2)は、前記ねじ山付きスピンドルと係合するナットとして設計されるか前記ねじ山付きスピンドルと係合するナットを備えていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
少なくとも1つの第1の線形駆動要素(5.1)を、動作の位置および/または方向において、支持するように構成された少なくとも1つの支持装置(8)を備えていることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
少なくとも1つの支持装置(8)は、2つの第1の線形駆動要素(5.1)を、堅固に相互接続して支持を形成する、少なくとも1つの、横桁状または横桁形状の支持要素(8.1)を備えていることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
少なくとも1つの線形駆動装置(5)に割り当てられているか割り当てられることができ、少なくとも1つの線形駆動装置(5)の移動可能に取り付けられた第1の線形駆動要素(5.1)の移動軸(A1)に沿った移動にブレーキをかけるブレーキ力を生成するように構成され、または、少なくとも1つの線形駆動装置(5)の移動可能に取り付けられた第1の線形駆動要素(5.1)の移動を妨げるブロック力を生成するように構成されている、ブレーキ装置(9)を備えていることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
ブレーキ装置(9)は、装置(1)によって実施される粒子発泡材料を加工するためのプロセスの一部、加圧されたプロセス媒体によって引き起こされる粒子発泡材料を膨張させるためのプロセスの一部として生成される力を打ち消す、等しいかそれ以上のブロック力を生成するように構成されていることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
少なくとも1つの移動可能に取り付けられた第1のダイ要素(2.1)の特定の移動プロファイルを実行するために駆動装置(3)の動作を制御するように構成されている制御装置(11)を備えていることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
移動可能に取り付けられた第1のダイ要素(2.1)の少なくとも1つの移動プロファイルに基づいて、ブレーキ装置(9)の動作を制御するように、特定のブレーキ力プロファイルを実行するように構成されている少なくとも1つの制御装置(11)を備えていることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
第1のダイ要素(2.1)および少なくとも1つの追加のダイ要素(2.2)は、ダイ装置(2)の成形キャビティ(4)の範囲を定めるダイ部分、ダイ装置(2)の成形キャビティ(4)の範囲を定めるダイの半分として設計され、または、ダイ装置(2)の成形キャビティ(4)の範囲を定めるダイ部分を運搬するように設計されているダイ運搬要素として設計されていることを特徴とする請求項1~11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
少なくとも1つの移動可能に取り付けられた第1のダイ要素(2.1)および/または少なくとも1つの線形駆動装置(5)の少なくとも1つの移動可能に取り付けられた第1の線形駆動要素(5.1)の移動および/または位置決めを検出するように構成されている検出装置を備えていることを特徴とする請求項1~12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
粒子発泡成形品製造用の粒子発泡材料加工方法であって、請求項1~13のいずれかに記載の装置(1)がこの方法を実施するために使用されることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1のダイ要素および少なくとも1つの追加のダイ要素を含むダイ装置を含む、粒子発泡成形部品製造用の粒子発泡材料加工装置に関し、第1のダイ要素は、少なくとも1つの追加のダイ要素に対して移動軸に沿って移動可能であるように取り付けられ、および/または、少なくとも1つの追加のダイ要素は、第1のダイ要素に対して少なくとも1つの移動軸に沿って移動可能であるように取り付けられるとともに、駆動装置は、少なくとも1つのダイ要素に割り当てられているか割り当てられることができ、第1のダイ要素および/または少なくとも1つの追加のダイ要素を移動軸に沿って移動させる駆動力を生成および/または伝達するように構成されている。
【背景技術】
【0002】
粒子発泡成形部品製造用の粒子発泡材料を加工するための、通常は成形機とも呼ばれる同様の装置は、原理的に従来技術から知られており、一般的には、複数のダイ要素を有したダイ装置を備えており、ダイ装置の開位置および閉位置を生じさせるために、少なくとも1つのダイ要素は、少なくとも1つの追加のダイ要素に対して移動軸に沿って移動可能であるように取り付けられており、駆動装置は、移動可能に取り付けられたダイ要素を移動軸に沿って移動させる駆動力を生成および/または伝達するように構成されている。
【0003】
既知の装置の駆動装置では、非対称に作用する駆動力の問題がよくあり、これは、ダイ要素の非平行な配向をもたらし、それにより、閉位置でのダイ装置の不正確な閉鎖をもたらす可能性がある。さらに、既知の装置の駆動装置は、閉位置でのダイ要素の位置決めにおいて不十分な公差を示すことがある。
【0004】
そこから先に進んで、本発明によって扱われる問題は、上記と比較して改善された、粒子発泡成形部品製造用の粒子発泡材料加工装置を提供することである。
【発明の概要】
【0005】
この問題は、請求項1に記載の装置によって解決される。それに従属する請求項は、請求項1に記載の装置の可能性のある実施形態に関する。
【0006】
本発明の第1の態様は、粒子発泡成形部品製造用の粒子発泡材料加工装置に関する。装置は、成形機と呼ばれることも、成形機と見なされることもある。
【0007】
装置は、一般に、粒子発泡成形部品製造用の粒子発泡材料を加工するために設計されている。したがって、装置は、粒子発泡体成形部品製造用の粒子発泡体材料を加工するための少なくとも1つの作業プロセスを実行するように設計されている。装置を使用して実行できる同様の作業プロセスは、例えば、粒子発泡成形部品製造用の粒子発泡材料の膨張プロセスまたは接合プロセスであってもよい。
【0008】
装置によって加工することができる、または加工される予定の粒子発泡材料は、一般的には、膨張可能なまたは膨張したプラスチック粒子材料であってもよい。粒子発泡材料は、例えば、膨張可能なまたは拡張したプラスチック粒子によって形成されるか、または拡張可能なまたは拡張したプラスチック粒子を含んでいてもよい。この文脈において、単なる例として、膨張したおよび/または膨張可能なポリプロピレン(PPまたはEPP)、膨張したおよび/または膨張可能なポリスチレン(PSまたはEPS)、および膨張したおよび/または膨張可能な熱可塑性エラストマー(TPE)が言及される。少なくとも1つの化学的および/または物理的パラメータが異なる膨張可能なまたは膨張した粒子材料または粒子の混合物が考えられ、したがって、「粒子発泡材料」という用語は、少なくとも1つの化学的パラメータおよび/または物理的パラメータが異なる膨張可能なまたは膨張した粒子材料または粒子の混合物を包含することもある。
【0009】
装置の動作では、通常、少なくとも1つの作動媒体が使用される。作動媒体は、一般に、液体、すなわち、特に水、蒸気、すなわち、特に過熱蒸気、またはガスなどの、特に液体、蒸気または気体のエネルギー担体媒体であり、これらは、装置の動作において、エネルギー、特に熱エネルギー、運動エネルギーなどを吸収または放出するか、これを行うように設計されている。
【0010】
装置は、少なくとも1つのダイ装置と、その少なくとも1つのダイ装置に割り当てられているか割り当てられることができる少なくとも1つの駆動装置を備えている。以下では、ほとんどの場合、1つのダイ装置および1つの駆動装置について説明するが、これは、装置が複数のダイ装置および/または駆動装置を備えることを排除するものではない。
【0011】
ダイ装置は、第1のダイ要素および少なくとも1つの追加のダイ要素を備えている。第1のダイ要素は、以下で明らかなように、移動経路を定める移動軸に沿って少なくとも1つの追加のダイ要素に対して移動可能であるように取り付けられ、この軸は特に並進軸である。代替的または追加的に、少なくとも1つの追加のダイ要素は、以下で明らかなように、少なくとも1つの移動軸、特に並進軸に沿って第1のダイ要素に対して移動可能であるように取り付けられている。したがって、ダイ装置は、複数のダイ要素を備え、少なくとも1つのダイ要素は、移動軸に沿って少なくとも1つの追加のダイ要素に対して移動可能であるように取り付けられている。
【0012】
少なくとも1つの移動可能に取り付けられたダイ要素は、少なくとも1つの第1の位置と少なくとも1つの追加の位置との間で移動可能であるように取り付けられている。少なくとも1つの第1の位置は、ダイ装置の少なくとも1つの開位置と相互に関係していてもよく、少なくとも1つの追加の位置は、ダイ装置の少なくとも1つの閉位置と相互に関係していてもよく、またはその逆であってもよい。ダイ装置の少なくとも1つの開位置では、ダイ装置の成形キャビティに出入りすることができる。少なくとも1つの閉位置では、ダイ装置の成形キャビティに出入りすることができない。したがって、移動可能に取り付けられたダイ要素を少なくとも1つの追加のダイ要素に対して移動させることにより、ダイ装置の少なくとも1つの開位置および少なくとも1つの閉位置を生じさせることができる。したがって、ダイ装置は、移動可能に取り付けられたダイ要素を移動させることによって、少なくとも1つの開位置および少なくとも1つの閉位置に移行されることができる。
【0013】
上記の情報から、少なくとも1つの移動可能に取り付けられたダイ要素、したがってダイ装置も、複数の開位置に移動可能であることが明らかである。それぞれの開位置は、それぞれの開放度が異なる。上記の情報から、少なくとも1つの移動可能に取り付けられたダイ要素、したがってダイ装置も、複数の閉位置に移動可能であることも明らかである。それぞれの閉位置は、それぞれの閉鎖度が異なる。
【0014】
これは、少なくとも1つの移動可能に取り付けられたダイ要素が、第1の閉位置がダイ装置の第1の閉鎖度をもたらし、第2の閉位置が第1の閉鎖度とは異なる、すなわち特に大きな、ダイ装置の第2の閉鎖度をもたらす、複数の閉位置に移動可能な、例示的な実施形態に適用可能である。第1の閉位置から第2の閉位置へ移動可能に取り付けられたダイ要素の移動は、エンボス加工ストローク移動、または略してエンボス加工ストロークであってもよい。したがって、第2の閉位置では、ダイ装置の成形キャビティ内に配置された粒子発泡材料にエンボス加工力を加えることができる。したがって、移動可能に取り付けられたダイ要素を第1の閉位置から第2の閉位置に移動させることにより、ダイ装置の成形キャビティに配置された粒子発泡材料にエンボス加工力を加えることができるエンボス加工プロセスを実施することができる。したがって、第2の閉位置は、エンボス加工位置と呼ばれるか、またはエンボス加工位置であると見なすことができる。
【0015】
以下から明らかなように、例示的な構成では、ダイ装置は、移動可能に取り付けられたダイ要素および移動不可能に取り付けられたダイ要素を備えていてもよい。移動可能に取り付けられたダイ要素は、追加のダイ要素に対して第1の位置と第2の位置との間で移動可能であるように取り付けられている。少なくとも1つの第1の位置は、前述のように、ダイ装置の少なくとも1つの開位置と相互に関係していてもよく、少なくとも1つの追加の位置または第2の位置は、前述のように、ダイ装置の少なくとも1つの閉位置と相互に関係していてもよい。
【0016】
すべての実施形態において、ダイ要素は、ダイ装置の成形キャビティの範囲を定めるダイ部分、特に、ダイ装置の成形キャビティの範囲を定めるダイの半分として設計されてもよい。代替的または追加的に、ダイ要素は、ダイ装置の成形キャビティの範囲を定めるダイ部分を運搬するように設計されたダイ運搬要素として設計されてもよい。
【0017】
ダイ装置に割り当てられているか割り当てることができる駆動装置は、関連する移動可能なダイ要素またはそれぞれの移動可能なダイ要素を移動軸に沿って移動させる駆動力を生成および/または伝達するように構成されている。以下から明らかなように、駆動装置は、関連する移動可能なダイ要素またはそれぞれの移動可能なダイ要素を移動軸に沿って移動させる駆動力を生成および/または伝達するための複数の相互作用部品を備えていてもよい。
【0018】
駆動装置は、例えば、駆動力を生成するための少なくとも1つの駆動ユニットおよび/または関連する移動可能に取り付けられたダイ要素に駆動力を伝達するための少なくとも1つの力伝達ユニットを備えていてもよい。同様の駆動ユニットは、例えば、駆動モーター、特に電気駆動モーターとして設計されてもよく、または少なくとも1つのそのようなモーターを備えていてもよい。同様の力伝達ユニットは、例えば、力伝達手段、特に力伝達ベルト、チェーンなどとして設計されてもよく、または備えていてもよい。
【0019】
すべての実施形態において、本明細書で使用される「駆動力」という用語は、「駆動トルク」も包含し、したがって、「駆動力」という用語は「駆動トルク」と同等と見なすことができる。
【0020】
駆動装置は、線形駆動装置として設計されているか、少なくとも1つのそのような装置を備えていてもよい。したがって、関連する移動可能に取り付けられたダイ要素が移動可能な移動軸は、前述のように、直線軸または並進軸である。したがって、移動軸に沿った関連する移動可能に取り付けられたダイ要素の移動は、直線運動または並進運動である。
【0021】
駆動装置を線形駆動装置として設計することにより、関連する移動可能に取り付けられたダイ要素をそれぞれの第1および第2の位置に、またはそれぞれの第1の位置と第2の位置の間に、正確に移動および配置することが可能になる。駆動装置を線形駆動装置として設計することにより、関連する移動可能に取り付けられたダイ要素への(大部分において)対称的な力の伝達も可能になる。したがって、駆動装置を線形駆動装置として設計することは、関連する移動可能に取り付けられたダイ要素の移動および位置決めに関して多くの利点をもたらし、よって、ダイ装置の開位置および/または少なくとも1つの閉位置への移行に関しても多くの利点をもたらす。
【0022】
これは、特に、ダイ装置を複数の閉位置に移行させることができる、説明された例示的な実施形態に適用可能であり、閉位置は、エンボス加工位置と呼ばれるか、エンボス加工位置であると見なすことができ、駆動装置を線形駆動装置として設計することにより、不均一な、すなわち、特に中心から外れた負荷の分散が時々存在する可能性がある同様のエンボス加工プロセスにおいてさえ、ダイ要素が並列であることも保証される。
【0023】
したがって、全体として、粒子発泡成形部品製造用の粒子発泡材料を加工するための改良された装置が提供される。
【0024】
線形駆動装置は、少なくとも1つの第1の線形駆動要素および特に機械的係合によってそれと相互作用する少なくとも1つの第2の線形駆動要素を備えていてもよく、この機械的係合は、以下から明らかなように、ここでは特に螺合である。第1の線形駆動要素は、通常、移動軸に沿って移動可能であるように取り付けられている。第2の線形駆動要素は、通常、移動軸に沿って移動できないように取り付けられている。第2の線形駆動要素は、第1の線形駆動要素を移動軸に沿って移動させる駆動力を生成するように構成されていてもよく、および/または、第1の線形駆動要素を移動軸に沿って移動させる駆動力を第1の線形駆動要素に伝達するように構成されていてもよい。
【0025】
第1の線形駆動要素は、第1のねじ山要素として、すなわち、特にねじ山付きスピンドルとして設計されていてもよく、少なくとも1つのそのような要素またはスピンドルを備えていてもよい。第2の線形駆動要素は、第1のねじ山要素と機械的に係合している第2のねじ山要素として、すなわち、特にねじ山付きスピンドルと機械的に係合(ねじ山で係合)しているナットとして設計されていてもよく、少なくとも1つのそのような要素またはナットを備えていてもよい。したがって、線形駆動装置は、第1のねじ山要素、すなわち特にねじ山付きスピンドル、および第2のねじ山要素、すなわち特にナットを備えたねじ山機構またはねじ機構として設計されていてもよく、少なくとも1つのそのような機構を備えていてもよい。
【0026】
第1のねじ要素、すなわち一般的にはねじ山付きスピンドルは、一般的には移動軸に沿って並進的に移動可能であるが、一般的には回転可能に取り付けられていない。第2のねじ山要素、すなわち一般的にはナットは、一般的には回転軸の周り、すなわち特に移動軸または第2のねじ山要素の対称軸または中心軸の周りで回動自在であるが、一般的には並進的に移動可能に取り付けられていない。したがって、ねじ山機構またはねじ機構として設計された関連する線形駆動装置は、通常、並進的に移動可能であるが回動自在ではない第1のねじ山要素、すなわち一般的にはねじ山付きスピンドル、および回動自在であるが並進的に移動可能ではない第2のねじ山要素、すなわち一般的にはナットを有するように構成されている。
【0027】
線形駆動装置は、第1の線形駆動要素に割り当てられているか割り当てられることができる少なくとも1つの線形駆動ユニット、および/または、第2の線形駆動要素に割り当てられているか割り当てられることができる少なくとも1つの線形駆動ユニットを備えていてもよい。それぞれの線形駆動ユニットは、第1の線形駆動要素を移動軸に沿って移動させる駆動力を生成するように構成されていてもよい。それぞれの線形駆動ユニットは、駆動装置の上記の駆動ユニットの実施可能な実施形態である。したがって、関連する線形駆動ユニットは、例えば、線形駆動モーター、特に電動線形駆動モーターとして設計されてもよく、少なくとも1つのそのようなモーターを備えていてもよい。
【0028】
原則として、複数の線形駆動装置を線形駆動ユニットに割り当てることができてもよく、または割り当ててもよい。したがって、線形駆動ユニットは、第1の線形駆動装置の第1の線形駆動要素を移動軸に沿って移動させる駆動力を生成するように構成されていてもよく、少なくとも1つの追加の第1の線形駆動装置の少なくとも1つの追加の第1の線形駆動要素を移動軸に沿って移動させる駆動力を生成するように構成されていてもよい。このようにして、移動軸に沿った複数の第1の線形駆動要素の同時に起こる移動を生じさせることができ、および/または保証することができる。
【0029】
第1のねじ山要素および第2のねじ山要素を備え、並進的に移動可能であるが回動自在ではない第1のねじ山要素および回動自在であるが並進的に移動可能ではない第2のねじ山要素を有する、ねじ山機構またはねじ機構としての線形駆動装置の上記の実施形態に関して、線形駆動ユニットが特に第2のねじ山要素を回動させる駆動力を生成するように構成されるように適用可能である。回動するようにされた第2のねじ要素は、それと機械的に係合しており、前述のように特にねじ係合している、第1のねじ要素を移動軸に沿って並進的に移動させる。
【0030】
第1の線形駆動要素は、関連する移動可能に取り付けられたダイ要素に結合されていてもよく、特に移動のために結合されていてもよい。したがって、(前述のように)移動可能に取り付けられた第1の線形駆動要素の移動は、関連する移動可能に取り付けられたダイ要素への結合または移動の結合に起因する、関連する移動可能に取り付けられたダイ要素の移動と相互に関係していてもよい。第1の線形駆動要素は、関連する移動可能に取り付けられたダイ要素へ、直接的または間接的に結合されるか、移動のために結合されてもよい。したがって、第1の線形駆動要素の移動は、関連する移動可能に取り付けられたダイ要素に直接的または間接的に伝達されることができる。第1の線形駆動要素と関連する移動可能に取り付けられたダイ要素との間の結合または移動の結合は、第1の線形駆動要素が関連する移動可能に取り付けられたダイ要素に直接的または間接的に固定されることによって生じていてもよく、したがって、第1の線形駆動要素は、関連する移動可能に取り付けられたダイ要素に直接的または間接的に固定されていてもよい。第1の線形駆動要素は、例えば、形状適合型および/または力ロック型および/または材料結合型の固定手段によって、すなわち、クランプ固定、張力固定、ねじ固定、または溶接固定の手段によって、関連する移動可能に取り付けられたダイ要素に固定されることができる。第1の線形駆動要素は、(損傷または破壊されることなく)取り外し可能であるように、関連する移動可能に取り付けられたダイ要素に固定されることができる。
【0031】
ダイ要素は、線形駆動要素によって、すなわち特に第1の線形駆動要素によって貫通されることができる、少なくとも1つの、特にボア状またはボア形状、またはスロット状またはスロット形状の開口部を備えていてもよい。特に、移動不可能に取り付けられたダイ要素は、線形駆動要素によって、すなわち特に対応する第1の線形駆動要素によって貫通されるか貫通されることができる、少なくとも1つの開口部を備えていてもよい。対応する開口部は、一般的には、前記開口部の範囲を定める関連するダイ要素の壁と前記開口部を貫通する線形駆動要素との間に特定の距離があるように寸法決定され、開口部を貫通する線形駆動要素が開口部の範囲を定める関連するダイ要素の壁と接触しないように寸法決定されている。換言すれば、対応する開口部は、一般的には、開口部を貫通する線形駆動要素が開口部を構成するダイ要素に対して移動可能であるように取り付けられるように、前記開口部を貫通する線形駆動要素と比較して特定の過大寸法を有する。ダイ要素の対応する開口部は、対応する線形駆動要素の貫通開口部と呼ぶことができ、対応する線形駆動要素の貫通開口部と見なすことができる。しかしながら、原則として、特に開口部を貫通する線形駆動要素と機械的に係合している少なくとも1つのねじ山付き軸受が、開口部に配置または形成されることも同様に考えられる。ねじ山付き軸受は、関連するダイ要素に対して回転可能であるように、開口部に受け入れられてもよい。
【0032】
前述のように、例示的な構成では、ダイ装置は、移動可能に取り付けられた第1のダイ要素と、移動不可能に取り付けられた追加のダイ要素を備えていてもよい。ダイ装置のこの構成では、移動不可能に取り付けられたダイ要素は、少なくとも1つの対応する開口部を備えていてもよい。したがって、一般に、ダイ装置は、第1のダイ要素および追加のダイ要素または第2のダイ要素を備えていてもよく、第1のダイ要素は、追加のダイ要素または第2のダイ要素に対して移動可能であるように取り付けられている。ここで、追加のダイ要素は、移動できないように、したがって静止したように取り付けられていてもよい。ここで、追加のダイ要素は、少なくとも1つの第1の線形駆動要素によって貫通されるか、貫通されることのできる、少なくとも1つの開口部を備えていてもよい。移動可能に取り付けられた第1のダイ要素に結合され、特に移動のために結合された第1の線形駆動要素は、追加のダイ要素または第2のダイ要素の少なくとも1つの開口部を貫通していてもよい。
【0033】
装置は、少なくとも1つの線形駆動装置に割り当てられているか割り当てられることができ、移動軸に沿った移動中に、移動軸に沿って移動可能に取り付けられた少なくとも1つの線形駆動要素を、移動軸に沿って案内するように構成されている、少なくとも1つの案内装置を備えていてもよい。したがって、移動軸に沿って移動可能であるように取り付けられた線形駆動要素の移動は、案内された移動であってもよい。このようにして、関連する移動可能に取り付けられたダイ要素の、それぞれの第1の位置および第2の位置への、またはそれぞれの第1の位置および第2の位置の間への、正確な移動および位置決めが保証されることができる。前述のように、少なくとも1つの追加の位置または第2の位置は、通常、ダイ装置の少なくとも1つの閉位置と相互に関係しているので、ダイ装置の少なくとも1つの閉位置におけるダイ要素の正確な位置決めもまた保証されることができ、これは、粒子発泡成形部品を製造するための粒子発泡材料を加工するための装置によって実行することができるプロセスの信頼性および品質にプラスの効果をもたらす。
【0034】
対応する案内装置は、線形案内として設計されてもよく、少なくとも1つのそのような案内を備えていてもよい。対応する線形案内は、第1の線形案内要素および少なくとも1つの追加の線形案内要素を備えていてもよい。第1の線形案内要素は、少なくとも1つの追加の線形案内要素と相互作用して、移動軸に沿って移動可能に取り付けられた線形駆動要素の線形案内を形成する。第1の線形案内要素は、移動軸と一致するか、それと平行に配置または配向される案内軸を定めてもよい。具体的には、第1の線形案内要素は、例えば、ガイドレールまたはガイドロッドとして設計されてもよい。第1の線形ガイド要素と相互作用する少なくとも1つの追加の線形案内要素は、これは特にここで機械的係合として理解することができるが、案内される移動可能に取り付けられた線形駆動要素に結合されてもよく、すなわち特に移動のために結合されてもよい。したがって、少なくとも1つの追加の線形案内要素は、同様に、移動軸に沿って移動可能であるように取り付けられていてもよい。具体的には、少なくとも1つの追加の線形案内要素は、例えば、ガイドブロックとして設計されてもよい。
【0035】
装置は、1つまたは複数の空間平面に配置または形成された複数の線形駆動装置を備えていてもよい。少なくとも1つの移動可能に取り付けられたダイ要素の移動および位置決めに関して、したがって、ダイ装置を少なくとも1つの開位置および/または少なくとも1つの閉位置に移行させることに関して、線形駆動装置によって提供される利点は、複数の線形駆動装置によって(相当に)強化されることができる。
【0036】
前述のように、線形駆動装置は、通常、第1の線形駆動要素および少なくとも1つの追加の線形駆動要素を備えている。したがって、複数の線形駆動装置の配置は、通常は、それぞれの第1の線形駆動要素を必要とし、これは、前述のように、通常は、関連する移動可能なダイ要素に結合される、すなわち特に移動のために結合される線形駆動要素であり、1つまたは複数の空間平面に配置される。「空間平面」は、水平方向の空間平面、垂直方向の空間平面、または水平または垂直の空間平面に対してある角度で方向付けられた空間平面であると理解されることができる。したがって、それぞれの第1の線形駆動要素は、例えば、1つまたは複数の水平空間平面および/または垂直空間平面に配置または形成されていてもよい。
【0037】
この場合、特定の空間平面に配置された複数の第1の線形駆動要素は、通常、互いに平行に配置されている。通常、異なる空間平面に配置または形成されたそれぞれの第1の線形駆動要素もまた、互いに平行に配置されている。したがって、少なくとも2つの線形駆動装置を1つの空間平面に平行に配置または形成してもよい。
【0038】
特定の実施形態によれば、装置は、第1の空間平面に平行に配置または形成される少なくとも2つの線形駆動装置と、少なくとも1つの追加の空間平面に配置または形成される少なくとも1つの追加の線形駆動装置を備えていてもよい。したがって、装置は、第1の空間平面に配置または形成される少なくとも2つの線形駆動装置のグループと、少なくとも1つの追加の空間平面に配置または形成される少なくとも1つの追加の線形駆動装置を備えていてもよい。
【0039】
特定の実施形態によれば、装置は、第1の空間平面に平行に配置または形成された少なくとも2つの線形駆動装置と、第1の空間平面と平行にまたはある角度で方向付けられた追加の空間平面に平行に配置または形成された少なくとも2つの線形駆動装置を備えていてもよい。したがって、装置は、第1の空間平面に配置または形成された少なくとも2つの線形駆動装置の第1のグループと、第1の空間平面と平行にまたはある角度で方向付けられた少なくとも1つの追加の空間平面に配置または形成された少なくとも2つの線形駆動装置の少なくとも1つの追加のグループを備えていてもよい。
【0040】
したがって、特にダイ装置の正面図またはダイ要素の主延長面の図において、対応する線形駆動装置、すなわち特に第1の線形駆動要素の、多角形の配置、すなわち特に三角形、四辺形または五角形の配置が可能である。第1の線形駆動要素のそれぞれの四辺形の配置は、第1の線形駆動要素に結合された移動可能に取り付けられたダイ要素の正確な支持または取り付けを可能にする。
【0041】
この場合、第1の線形駆動要素の配置は、通常、第1の線形駆動要素がダイ装置の成形キャビティを通って延びることがないように選択される。
【0042】
ダイ要素の本体の例示的な長方形の形状から先に進めると(関連するダイ要素の本体の長方形の形状は、通常、ダイ装置の成形キャビティの形状とは無関係である)、例えば、少なくとも1つの第1の線形駆動要素が、それぞれの場合において、上側および/または下側および/または横方向の縁の領域に、または長方形の本体の角の領域に配置されることが考えられる。特定の実施形態によれば、第1の線形駆動要素は、ダイ要素の長方形の本体のそれぞれの角に配置されてもよい。関連する第1の線形駆動要素は、特に自由端の付近に配置され、ダイ要素の長方形の本体の関連する角の端面の付近に配置される。
【0043】
装置は、特に動作の位置および/または方向において、少なくとも1つの第1の線形駆動要素を支持するように構成された少なくとも1つの支持装置を備えていてもよい。関連する動作の位置および/または方向(これは通常、関連する移動可能に取り付けられたダイ要素の移動軸に沿った所望の動きを可能にする関連する第1の線形駆動要素の位置および/または方向であると理解される)で第1の線形駆動要素を支持することは、関連する移動可能に取り付けられたダイ要素の正確な移動と位置決めを改善する。
【0044】
複数の第1の線形駆動要素を備えた実施形態では、支持装置は、複数の第1の線形駆動要素を支持するように構成されていてもよい。支持装置は、少なくとも1つの、これは、2つの第1の線形駆動要素を、特に堅固に相互接続して、支持を形成する、特に横桁状または横桁形状の支持要素を備えていてもよい。
【0045】
装置は、少なくとも1つのブレーキ装置を備えていてもよく、これは、線形駆動装置、特に移動可能に取り付けられた第1の線形駆動要素に割り当てられているか割り当てられることができ、線形駆動装置、特に移動可能に取り付けられた第1の線形駆動要素の移動軸に沿った移動にブレーキをかけるブレーキ力を生成するように構成され、または、線形駆動装置、特に移動可能に取り付けられた第1の線形駆動要素の移動を妨げるブロック力を生成するように構成されている。ブレーキ装置によって、線形駆動装置またはそれぞれの移動可能に取り付けられた第1の線形駆動要素の移動にブレーキをかけることができ(これを行うために、ブレーキ装置は、移動した線形駆動要素に作用する移動力を打ち消すブレーキ力を生成することができ、関連する線形駆動要素の移動が減速される)、これを行うために、ブレーキ装置は、移動していない線形駆動要素に作用する移動力を打ち消すブロック力を生成することができ、関連する線形駆動要素の移動が妨げられる。
【0046】
ブレーキ装置は、特に、装置によって実施される粒子発泡材料を加工するためのプロセスの一部、特に、蒸気などの加圧されたプロセス媒体によって引き起こされる粒子発泡材料を膨張させるためのプロセスの一部として生成される力を打ち消す、特に等しいかそれ以上のブロック力を生成するように構成されていてもよい。したがって、ブレーキ装置によって、またはブレーキ装置によって生成することができるブレーキ力によって、ダイ装置はまた、装置の動作において少なくとも1つの閉位置に固定されることができる。したがって、ブレーキ装置は、装置の動作中に少なくとも1つの閉位置でダイ要素に作用する力を補償することができ、したがって、線形駆動装置は、装置の動作中に少なくとも1つの閉位置のダイ要素に作用する力から隔離されることができる。
【0047】
すべての実施形態において、ブレーキ装置は、ブレーキ力またはブレーキ作用を形成することによって第1の線形駆動要素および/または第2の線形駆動要素に直接または間接的に作用するブレーキ位置、およびブレーキ力またはブレーキ作用を形成することによって第1の線形駆動要素および/または第2の線形駆動要素に直接的または間接的に作用しない非ブレーキ位置に移行することができる少なくとも1つのブレーキ要素を備えていてもよい。
【0048】
特定の実施形態では、ブレーキ装置は、ブレーキ位置と非ブレーキ位置に移行することができる少なくとも1つのブレーキ要素を備えていてもよく、それはブレーキ位置において、ブレーキ力またはブレーキ作用を形成することによって、回転する線形駆動要素、すなわち特に第2の線形駆動要素に対して、または回転する線形駆動要素、すなわち特に第2の線形駆動要素に接続された構成要素に対して直接または間接的に移動し、および、それは非ブレーキ位置において、ブレーキ力またはブレーキ作用を形成することによって、回転する線形駆動要素、すなわち特に第2の線形駆動要素に対して、または回転する線形駆動要素、すなわち特に第2の線形駆動要素に接続された構成要素に対して直接または間接的に移動しない。
【0049】
すべての実施形態において、少なくとも1つのブレーキ要素は、移動可能に取り付けられた線形駆動要素の移動軸内で移動することができ、または移動可能に取り付けられた線形駆動要素の移動軸と平行に移動することができ、したがって、少なくとも1つのブレーキ要素は、移動可能に取り付けられた線形駆動要素の移動軸に移動可能に取り付けられることができ、または移動可能に取り付けられた線形駆動要素の移動軸と平行に取り付けられることができる。しかしながら、原則として、移動軸に対して半径方向に移動可能であるように取り付けられた少なくとも1つのブレーキ要素も考えられる。
【0050】
すべての実施形態において、少なくとも1つのブレーキ要素は、ブレーキパッドとして設計されてもよく、または少なくとも1つのそのようなブレーキパッドを備えていてもよい。
【0051】
装置は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで実行される制御装置を備えていてもよく、それは、関連する可動に取り付けられたダイ要素の特定の移動プロファイルまたは速度プロファイルを実行するために駆動装置の動作を制御するように構成されている。制御装置は、特に、駆動装置の動作を制御する制御情報を生成するように構成されていてもよい。したがって、制御装置はまた、関連する移動可能に取り付けられた線形駆動要素の移動を制御するように構成されていてもよい。対応する移動プロファイルまたは速度プロファイルは、例えば、関連する移動可能に取り付けられたダイ要素の特定の移動、特にダイ装置の少なくとも1つの開位置から開始する少なくとも1つの閉位置への移動、および/または、関連する移動可能に取り付けられたダイ要素の特定の移動、特にダイ装置の少なくとも1つの閉位置から開始する少なくとも1つの開位置への移動を定めてもよい。
【0052】
制御装置は、特に、関連する移動可能に取り付けられたダイ要素の少なくとも1つの移動プロファイルまたは速度プロファイルに基づいて、ブレーキ装置の動作を制御するように、特に特定のブレーキ力プロファイルを実行するように、さらに構成されていてもよい。したがって、制御装置は、特に、ブレーキ装置の動作を制御する制御情報を生成するように構成されていてもよい。したがって、制御装置はまた、関連する移動可能に取り付けられたブレーキ要素の移動を制御するように構成されていてもよい。
【0053】
装置は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで実行される少なくとも1つの検出装置をさらに備えていてもよく、それは、移動可能に取り付けられたダイ要素および/または線形駆動装置の移動可能に取り付けられた線形駆動要素の移動および/または位置決めを検出するように構成されている。検出装置は、少なくとも1つの、例えば、光学的および/または電気的および/または磁気的に作用する検出要素を備えていてもよく、それは、移動可能に取り付けられたダイ要素および/または移動可能に取り付けられた線形駆動要素、すなわち、例えば、第1の線形駆動要素および/または第2の線形駆動要素の移動および/または位置決めに基づいて検出情報を生成するように構成されている。対応する検出情報は、制御装置によって実行される、または実行されることができる、駆動装置および/またはブレーキ装置の動作の制御の基礎を形成することができる。したがって、検出装置は、特に双方向で、制御装置と通信することができ、その逆も可能である。
【0054】
装置は、通常、粒子発泡成形部品製造用の粒子発泡材料を加工するために必要とされる追加の機能的装置を備えていてもよい。例えば、ダイ装置に供給される蒸気を発生させるための蒸気発生装置、および/または、ダイ装置に供給される蒸気を貯蔵するための蒸気貯蔵装置が挙げられる。
【0055】
本発明の別の態様は、粒子発泡成形部品製造用の粒子発泡材料を加工するための方法に関し、その方法は、本発明の第1の態様による装置がその方法を実施するために使用されることを特徴とする。本発明の第1の態様による装置に関連するすべての情報は、類推によって適用される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
本発明は、以下のとおり、図面中の実施形態に基づいて再度説明される。
【0057】
図1および図2は、それぞれ、一実施形態による粒子発泡成形部品製造用の粒子発泡材料を加工するための装置の概略側面図である。
【0058】
図3は、別の実施形態による、粒子発泡成形部品製造用の粒子発泡材料を加工するための装置の、図1および図2と比較して90°回転した概略背面図である。
【0059】
図4および図5は、それぞれ、一実施形態による、粒子発泡成形部品製造用の粒子発泡材料を加工するための装置のブレーキ装置の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
図1は、第1の実施形態による粒子発泡成形部品製造用の粒子発泡材料を加工するための装置1の概略図である。装置1は、成形機と呼ばれることも、成形機と見なされることもある。
【0061】
したがって、装置1は、粒子発泡成形部品製造用の粒子発泡材料を加工するための少なくとも1つの作業プロセスを実行するように設計されている。以下から明らかなように、粒子発泡成形部品製造用の粒子発泡材料の膨張プロセスまたは接合プロセスは、対応する作業プロセスの例と見なすことができる。
【0062】
装置1によって加工することができる、または加工される予定の粒子発泡材料は、一般的には、膨張可能なまたは膨張したプラスチック粒子材料である。粒子発泡材料は、例えば、拡張可能なまたは拡張したプラスチック粒子によって形成されるか、または拡張可能なまたは拡張したプラスチック粒子を含んでいてもよい。この文脈において、単なる例として、膨張したおよび/または膨張可能なポリプロピレン(PPまたはEPP)、膨張したおよび/または膨張可能なポリスチレン(PSまたはEPS)、および膨張したおよび/または膨張可能な熱可塑性エラストマー(TPE)が言及される。少なくとも1つの化学的パラメータおよび/または物理的パラメータが異なる膨張可能なまたは膨張した粒子材料または粒子の混合物が考えられ、したがって、「粒子発泡材料」という用語は、少なくとも1つの化学的パラメータおよび/または物理的パラメータが異なる膨張可能または膨張した粒子材料または粒子の混合物を包含することもある。
【0063】
装置1は、ダイ装置2と、ダイ装置2に割り当てられているか割り当てられることができる駆動装置3を備えている。図面に示す実施形態には示されていないが、装置1は、複数のダイ装置2および複数の駆動装置3を備えていてもよい。
【0064】
図1図3に示される実施形態の例示的な構成のそれぞれにおいて、ダイ装置2は、それぞれの場合において、第1のダイ要素2.1および追加のまたは第2のダイ要素2.2を備えている。第1のダイ要素2.1は、移動経路を定め両方向矢印P1によって示される移動軸A1に沿って追加のダイ要素2.2に対して移動可能であるように取り付けられ、この軸は直線軸または並進軸である。代替的または追加的に、追加のダイ要素2.2は、移動軸A1に沿って第1のダイ要素2.1に対して移動可能であるように取り付けられてもよい。したがって、ダイ装置2は、複数のダイ要素2.1、2.2を備え、少なくとも1つのダイ要素2.1は、移動軸A1に沿って追加のダイ要素2.2に対して移動可能であるように取り付けられている。
【0065】
移動可能に取り付けられたダイ要素2.1は、図1に示される第1の位置と図2に示される追加のまたは第2の位置との間で移動可能であるように取り付けられている。第1の位置は、図1に示されるように、ダイ装置2の開位置と相互に関係していてもよく、第2の位置は、図2に示されるように、ダイ装置2の閉位置と相互に関係していてもよい。ダイ装置2の開位置では、ダイ装置2の図2に示される成形キャビティ4に出入りすることができる。閉位置では、ダイ装置2の成形キャビティ4に出入りすることができない。したがって、移動可能に取り付けられたダイ要素2.1を追加のダイ要素2.2に対して移動させることにより、ダイ装置2の開位置および閉位置を生じさせることができる。したがって、ダイ装置2は、移動可能に取り付けられたダイ要素2.1を移動させることによって、開位置および閉位置に移行されることができる。
【0066】
移動可能に取り付けられたダイ要素2.1、したがってダイ装置2も、それぞれの開放度が異なる複数の開位置に移動可能であり、および/または、それぞれの閉鎖度が異なる複数の閉位置に移動可能であると考えることができる。
【0067】
移動可能に取り付けられたダイ要素2.1を複数の閉位置に移動できる場合、第1の閉位置がダイ装置2の第1の閉鎖度をもたらし、第2の閉位置が第1の閉鎖度とは異なる、すなわち特に大きなダイ装置2の第2の閉鎖度をもたらすことが適用可能である。第1の閉位置から第2の閉位置へ移動可能に取り付けられたダイ要素2.1の移動は、エンボス加工ストローク移動、または略してエンボス加工ストロークであってもよい。したがって、第2の閉位置では、成形キャビティ4内に配置された粒子発泡材料にエンボス力を加えることができる。したがって、移動可能に取り付けられたダイ要素2.1を第1の閉位置から第2の閉位置に移動させることにより、成形キャビティ4に配置された粒子発泡材料にエンボス加工力を加えることができるエンボス加工プロセスを実施することができる。したがって、第2の閉位置は、エンボス加工位置と呼ばれるか、またはエンボス位置であると見なすことができる。
【0068】
図1図3に示される実施形態の例示的な構成では、ダイ装置2は、移動可能に取り付けられたダイ要素2.1および移動不可能に取り付けられた追加のダイ要素2.2を備えている。移動可能に取り付けられたダイ要素2.1は、追加のダイ要素2.2に対して図1に示される第1の位置と図2に示される第2の位置との間で移動可能であるように取り付けられている。第1の位置は、ダイ装置2の開位置と相互に関係しており、第2の位置は、ダイ装置2の閉位置と相互に関係していることは明らかである。
【0069】
以下の情報は、異なる構成のダイ装置2を備えた装置1に類推して適用される。
【0070】
図1図3に示される実施形態の例示的な構成では、ダイ要素2.1、2.2は、ダイ装置2の成形キャビティ4の範囲を定めるダイ部分を運搬するように設計されたダイ運搬要素として設計される。代替的または追加的に、ダイ要素2.1、2.2は、ダイ装置2の成形キャビティ4の範囲を定めるダイ部分、特に、ダイ装置2の成形キャビティ4の範囲を定めるダイの半分として設計されることができる。
【0071】
駆動装置3は、移動可能なダイ要素2.1を移動軸A1に沿って移動させる駆動力を生成および/または伝達するように構成されている。以下から明らかなように、駆動装置3は、移動可能に取り付けられたダイ要素2.1を移動軸A1に沿って移動させる駆動力を生成および/または伝達するための複数の相互作用部品を備えていてもよい。
【0072】
駆動装置3は、駆動力を生成するための少なくとも1つの駆動ユニット3.1と、移動可能に取り付けられたダイ要素2.1に駆動力を伝達するための少なくとも1つの力伝達ユニット3.2を備えていてもよい。駆動ユニット3.1は、例えば、駆動モーター、特に電気駆動モーターとして設計されてもよい。力伝達ユニット3.2は、例えば、力伝達手段、特に力伝達ベルト、チェーンなどとして設計されてもよい。
【0073】
図1および図2に示される実施形態の例示的な構成では、駆動装置3が2つの力伝達ユニット3.2を備えていることが分かる。したがって、駆動ユニット3.1は、2つの力伝達ユニット3.2に結合され、それによって、移動可能に取り付けられたダイ要素2.1に駆動力を伝達することができる。
【0074】
すべての実施形態において、本明細書で使用される「駆動力」という用語は、「駆動トルク」も包含し、したがって、「駆動力」という用語は「駆動トルク」と同等と見なすことができる。
【0075】
図1図3に示す実施形態の例示的な構成では、駆動装置3は、複数の線形駆動装置5を備えている。したがって、移動可能に取り付けられたダイ要素2.1が移動可能な移動軸A1は、上記の直線軸または並進軸である。したがって、移動軸A1に沿った移動可能に取り付けられたダイ要素2.1の移動は、直線運動または並進運動である。
【0076】
図1図3に示される実施形態の例示的な構成では、関連する線形駆動装置5は、第1の線形駆動要素5.1および特に機械的係合によってそれと相互作用する第2の線形駆動要素5.2を備え、この機械的係合は、以下から明らかなように、ここでは特に螺合である。関連する第1の線形駆動要素5.1は、移動軸A1に沿って移動可能であるように取り付けられている。関連する第2の線形駆動要素5.2は、移動軸A1に沿って移動できないように取り付けられている。関連する第2の線形駆動要素5.2は、関連する第1の線形駆動要素5.1を移動軸A1に沿って移動させる駆動力を関連する第1の線形駆動要素5.1に伝達するように構成されている。
【0077】
図1図3に示される実施形態の例示的な構成では、関連する第1の線形駆動要素5.1は、第1のねじ山要素として、すなわち、ねじ山付きスピンドルとして設計されている。図1図3に示される実施形態の例示的な構成では、それぞれの場合において、関連する第2の線形駆動要素5.2は、第1のねじ山要素と機械的に係合している第2のねじ山要素として、すなわち、特にねじ山付きスピンドルと機械的に係合(ねじ山で係合)しているナットとして設計されている。したがって、図1図3に示される実施形態の例示的な構成では、関連する線形駆動装置5は、ねじ山付きスピンドルおよびナットを備えたねじ山機構またはねじ機構として設計されている。
【0078】
図1図3に示される実施形態の例示的な構成では、それぞれのねじ山付きスピンドルは、移動軸A1に沿って並進的に取り付けられているが、回転可能に取り付けられていない。図1図3に示される実施形態の例示的な構成では、それぞれのナットは、回転軸の周り、すなわち特に移動軸A1またはナットの対称軸または中心軸の周りで回転可能であるように取り付けられているが、並進的に移動可能に取り付けられていない。したがって、図1図3に示される実施形態の例示的な構成では、ねじ山機構またはねじ機構として設計された関連する線形駆動装置5は、並進的に移動可能であるが回動自在ではないねじ山付きスピンドルと、回動自在であるが並進的に移動可能ではないナットを有するように構成されている。
【0079】
図1図3に示される実施形態の例示的な構成では、駆動装置3は、線形駆動装置を備えている。図1図3に示される実施形態の例示的な構成では、したがって、駆動装置3に関連する駆動ユニット3.1は、関連する第1の線形駆動要素5.1または第2の線形線形駆動要素5.2に割り当てられているか割り当てられることができる線形駆動ユニットを構成する。したがって、関連する第2の線形駆動ユニットは、関連する第1の線形駆動要素5.1を移動軸A1に沿って移動させる駆動力を生成するように構成されている。したがって、関連する線形駆動ユニットは、線形駆動モーター、特に電動線形駆動モーターとして具体的に設計されてもよく、少なくとも1つのそのようなモーターを備えていてもよい。
【0080】
図1図3に示される実施形態の例示的な構成に基づいて、線形駆動ユニットは、複数の線形駆動装置5に割り当てられているか割り当てられることができることが分かる。したがって、線形駆動ユニットは、第1の線形駆動装置5(例えば、図1および図2の上側の線形駆動装置5を参照)の第1の線形駆動要素5.1を移動軸A1に沿って移動させる駆動力を生成するように構成されていてもよく、および追加の線形駆動装置(例えば、図1および図2の下側の線形駆動装置5を参照)の追加の第1の線形駆動要素5.1を移動軸A1に沿って移動させる駆動力を生成するように構成されていてもよい。このようにして、移動軸A1に沿った複数の第1の線形駆動要素5.1の同時に起こる移動を生じさせることができ、および/または保証することができる。
【0081】
図1および図2に示される実施形態の例示的な構成では、線形駆動ユニットは、それぞれのナットを回動させる駆動力を生成するように構成されている。回動するようにされたナットは、それと機械的に係合しているそれぞれのねじ山付きスピンドルを、移動軸A1に沿って並進的に移動させる。
【0082】
図1図3に示される実施形態の例示的な構成では、それぞれの第1の線形駆動要素5.1、すなわちねじ山付きスピンドルは、移動可能に取り付けられたダイ要素2.1に結合されており、特に移動のために結合されている。したがって、それぞれの第1の線形駆動要素5.1の移動は、移動可能に取り付けられたダイ要素2.1への結合または移動の結合に起因する、移動可能に取り付けられたダイ要素2.1の移動と相互に関係する。
【0083】
それぞれの第1の線形駆動要素5.1と移動可能に取り付けられたダイ要素2.1との間の結合または移動の結合は、それぞれの第1の線形駆動要素5.1が移動可能に取り付けられたダイ要素2.1に直接的または間接的に固定されることによって生じていてもよく、したがって、それぞれの第1の線形駆動要素5.1は、移動可能に取り付けられたダイ要素2.1に直接的または間接的に固定されていてもよい。それぞれの第1の線形駆動要素5.1は、例えば、形状適合型および/または力ロック型および/または材料結合型の固定手段によって、すなわち、クランプ固定、張力固定、ねじ固定、または溶接固定の手段によって、移動可能に取り付けられたダイ要素2.1に固定されることができる。それぞれの第1の線形駆動要素5.1は、(損傷または破壊されることなく)取り外し可能であるように、移動可能に取り付けられたダイ要素2.1に固定されることができる。
【0084】
図1図3に示される実施形態の例示的な構成では、移動不可能なダイ要素2.2は、複数の、特にボア状またはボア形状、またはスロット状またはスロット形状の開口部6を備え、開口部6は、それぞれが第1の線形駆動要素5.1によって貫通されているか貫通されることができる。開口部6は、前記開口部の範囲を定めるダイ要素2.2の壁と、前記開口部を貫通する関連する第1の線形駆動要素5.1との間に特定の距離があるように寸法決定され、関連する開口部6を貫通する第1の線形駆動要素5.1が開口部6の範囲を定めるダイ要素2.2の壁と接触しないように寸法決定されている。換言すれば、開口部6は、それぞれの開口部6を貫通する第1の線形駆動要素5.1が開口部6を備えたダイ要素2.2に対して移動可能であるように取り付けられるように、前記開口部の1つを貫通する第1の線形駆動要素5.1と比較して特定の過大寸法を有する。したがって、開口部6は、対応する第1の線形駆動要素5.1の貫通開口部と呼ぶことができ、対応する第1の線形駆動要素5.1の貫通開口部と見なすことができる。
【0085】
図1図3に示される実施形態の例示的な構成では、装置1は、線形駆動装置5に割り当てられているか割り当てられることができ、移動軸A1に沿った移動中に、移動軸A1に沿って移動可能に取り付けられた第1の線形駆動要素5.1を、移動軸A1に沿って案内するように構成された、案内装置7を備えていてもよいことが分かる。したがって、関連する移動可能であるように取り付けられた第1の線形駆動要素5.1の移動は、案内された移動であってもよい。このようにして、取り付けられたダイ要素2.1の、それぞれの第1の位置および第2の位置への、またはそれぞれの第1の位置および第2の位置の間への、正確な移動および位置決めが保証されることができる。したがって、図1図3に示される実施形態の例示的な構成では、第2の位置は、ダイ装置2の閉位置と相互に関係しているので、ダイ装置2の閉位置におけるダイ要素2.1、2.2の正確な位置決めもまた保証されることができる。
【0086】
図1図3に示される実施形態の例示的な構成に基づくと、対応する案内装置7は、線形案内として設計されてもよいことも分かる。対応する線形案内は、第1の線形案内要素7.1および追加の線形案内要素7.2を備えていてもよい。第1の線形案内要素7.1は、追加の線形案内要素7.2と相互作用して、移動軸A1に沿って移動可能に取り付けられた線形駆動要素5.1の線形案内を形成する。第1の線形案内要素7.1は、移動軸A1と一致するか、それと平行に配置または配向されるガイド軸を定めてもよい。
【0087】
図1図3に基づくと、第1の線形案内要素7.1は、例えば、ガイドレールまたはガイドロッドとして具体的に設計されてもよいことが分かる。第1の線形案内要素7.1と相互作用する追加の線形案内要素7.2は、これは特にここでは機械的係合として理解することができるが、案内される移動可能に取り付けられた第1の線形駆動要素5.1に結合されてもよく、すなわち特に移動のために結合されてもよい。したがって、追加の線形案内要素7.2は、同様に、移動軸A1に沿って移動可能であるように取り付けられていてもよい。具体的には、関連する追加の線形案内要素7.2は、例えば、ガイドブロックとして設計されてもよい。
【0088】
図1および図2に示される実施形態の例示的な構成に基づくと、装置1は、少なくとも1つの第1の線形駆動要素5.1を、特に動作の位置および/または方向において、支持するように構成された支持装置8を備えていてもよいことが分かる。
【0089】
図1および図2を参照すると、支持装置8は、複数の第1の線形駆動要素5.1を支持するように構成されていてもよいことが明らかである。この目的のために、支持装置8は、2つの第1の線形駆動要素5.1を、特に堅固に相互接続して支持体を形成する、少なくとも1つの、特に横桁状または横桁形状の支持要素8.1を備えていてもよい。
【0090】
図1および図2に示される実施形態の例示的な構成に基づくと、装置1は、複数の空間平面に配置または形成された複数の線形駆動装置5を備えていてもよいことも分かる。図1および図2に例として示されるように、空間平面は、水平方向の空間平面であると理解されてもよい。原則として、複数の垂直方向の空間平面内の配置、または水平または垂直の空間平面に対してある角度で方向付けられた空間平面内の配置も考えられる。
【0091】
図3に示される実施形態の例示的な構成に基づくと、装置1は、第1の空間平面に平行に配置または形成された2つの線形駆動装置5と、第1の空間平面と平行に方向付けられた追加の空間平面に平行に配置または形成された2つの線形駆動装置5を備えていてもよいことが分かる。したがって、装置1は、第1の空間平面(上側または左側の空間平面)に配置または形成された2つの線形駆動装置5の第1のグループと、第1の空間平面と平行に方向付けられた追加の空間平面(下側または右側の空間平面)に配置または形成された2つの線形駆動装置5の追加のグループを備えていてもよい。
【0092】
図3に示される実施形態の例示的な構成に基づくと、ダイ装置3の正面図、または図3に示される、ダイ要素2.2の主延長面の図において、例えば、対応する線形駆動装置5または第1の線形駆動要素5.1の、多角形の配置、すなわち、ここでは四辺形の配置が可能であることも分かる。
【0093】
この場合、第1の線形駆動要素5.1の配置は、第1の線形駆動要素5.1がダイ装置2の成形キャビティ4を通って延びることがないように選択されることが分かる。
【0094】
具体的には、図3に示される実施形態の例示的な構成は、ダイ要素2.2の本体(さらなる参照記号が提供されていない)の例示的な長方形の形状から先に進めると、少なくとも1つの第1の線形駆動要素5.1が、それぞれの場合において、ダイ要素2.2の上側および/または下側および/または横方向の縁の領域に、またはダイ要素2.2の長方形の本体の角の領域に配置されることが考えられることを示している。図3に示される実施形態の例示的な構成によれば、第1の線形駆動要素5.1は、ダイ要素2.2の長方形の本体のそれぞれの角に配置される。それぞれの第1の線形駆動要素5.1は、特に自由端の付近に配置され、ダイ要素2.2の長方形の本体の関連する角の端面の付近に配置されることができる。
【0095】
図1図3に示す実施形態の例示的な構成に基づくと、一般に、特定の空間平面に配置された複数の第1の線形駆動要素5.1を相互に並列に配置することができることと、異なる空間平面に配置または形成されたそれぞれの第1の線形駆動要素5.1を相互に並列に配置することができることが分かる。
【0096】
装置1が少なくとも1つのブレーキ装置9を備えてもよいことは、すべての実施形態に適用可能であり、これは、線形駆動装置5に割り当てられているか割り当てられることができ、移動可能に取り付けられた第1の線形駆動要素5.1の移動軸A1に沿った移動にブレーキをかけるブレーキ力を生成するように構成され、または、移動可能に取り付けられた第1の線形駆動要素5.1の移動を妨げるブロック力を生成するように構成されている。ブレーキ装置9によって、第1または第2の線形駆動要素5.1、5.2の移動にブレーキをかけることができ(これを行うために、ブレーキ装置9は、移動した第1または第2の線形駆動要素5.1、5.2に作用する移動力を打ち消すブレーキ力を生成することができ、関連する第1または第2の線形駆動要素5.1、5.2の移動が減速される)、または完全に妨げることができる(これを行うために、ブレーキ装置9は、移動していない第1または第2の線形駆動要素5.1、5.2に作用する移動力を打ち消すブロック力を生成することができ、関連する関第1または第2の線形駆動要素5.1、5.2の移動が妨げられる)。
【0097】
対応するブレーキ装置9は、特に、装置1によって実施される粒子発泡材料を加工するためのプロセスの一部、特に、蒸気などの加圧されたプロセス媒体によって引き起こされる粒子発泡材料を膨張させるためのプロセスの一部として生成される力を打ち消す、特に等しいかそれ以上のブロック力を生成するように構成されていてもよい。したがって、対応するブレーキ装置9によって、または対応するブレーキ装置9によって生成することができるブレーキ力によって、ダイ装置2はまた、装置1の動作において閉位置に固定されることができる。したがって、対応するブレーキ装置9は、装置1の動作中に閉位置でダイ要素2.1、2.2に作用する力を補償することができ、したがって、線形駆動装置5は、装置の動作中に閉位置のダイ要素2.1、2.2に作用する力から隔離されることができる。
【0098】
図1および図2に示される実施形態の例示的な構成に基づくと、別個のブレーキ装置9がそれぞれの線形駆動装置に割り当てられてもよいことが分かる。
【0099】
図4は、一実施形態による、粒子発泡成形部品製造用の粒子発泡材料を加工するための装置1のブレーキ装置9の概略側面図である。
【0100】
図4に示される実施形態の例示的な構成では、ブレーキ装置9は、図4に破線で示されるブレーキ位置に移動することができるブレーキ要素9.1を備え、それはブレーキ力またはブレーキ作用を形成することによって第2の線形駆動要素5.2に直接作用し、および、非ブレーキ位置において、それはブレーキ力またはブレーキ作用を形成することによって第2の線形駆動要素5.2に直接作用しない。ブレーキ要素9.1は、例えば、ブレーキパッドであってもよく、または、ブレーキ要素9.1は、少なくとも1つのそのようなブレーキパッドを備えていてもよい。
【0101】
図5は、別の実施形態による、粒子発泡成形部品製造用の粒子発泡材料を加工するための装置1のブレーキ装置9の概略側面図である。
【0102】
図5に示される実施形態の例示的な構成では、ブレーキ装置9は、図5に破線で示されるブレーキ位置に移動することができるブレーキ要素9.1を備え、それはブレーキ力またはブレーキ作用を形成することによって第2の線形駆動要素5.2に間接的に作用し、および、非ブレーキ位置において、それはブレーキ力またはブレーキ作用を形成することによって第2の線形駆動要素5.2に間接的に作用しない。この場合もまた、ブレーキ要素9.1は、例えば、ブレーキパッドであってもよく、または、ブレーキ要素9.1は、少なくとも1つのそのようなブレーキパッドを備えていてもよい。
【0103】
図5に示される実施形態の例示的な構成では、ブレーキ装置9は、ブレーキ位置に移動することができるブレーキ要素9.1を備え、それはブレーキ力またはブレーキ作用を形成することによって、回転する線形駆動要素、すなわち特に第2の線形駆動要素5.2に接続された構成要素10に対して移動し、および、非ブレーキ位置において、それはブレーキ力またはブレーキ作用を形成することによって第2の線形駆動要素5.2に接続された構成要素10に対して移動しない。
【0104】
図4および図5に基づくと、すべての実施形態において、少なくとも1つのブレーキ要素9.1が移動軸A1内で移動することができ、または移動軸と平行に移動することができることが分かり、したがって、少なくとも1つのブレーキ要素9.1は、移動軸A1に取り付けられることができ、または移動軸と平行に移動可能に取り付けることができる。しかしながら、原則として、移動軸A1に対して半径方向に移動可能であるように取り付けられたブレーキ要素9.1も考えられる。
【0105】
図面には示されていないが、代替的または追加的に、ブレーキ要素9.1はまた、第1の線形駆動要素5.1に直接または間接的に作用してもよい。したがって、ブレーキ要素9.1は、例えば、第1の線形駆動要素5.1に直接作用することができ、その結果、ブレーキ要素によって生成されるブレーキ力またはブレーキ作用は、移動軸A1に沿った第1の線形駆動要素5.1の移動にブレーキをかけるか移動を妨げる。
【0106】
すべての実施形態において、装置1は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで実行される制御装置11を備えていてもよく、それは、可動に取り付けられたダイ要素2.1の特定の移動プロファイルまたは速度プロファイルを実行するために駆動装置3の動作を制御するように構成されている。制御装置11は、特に、駆動装置3の動作を制御する制御情報を生成するように構成されていてもよい。したがって、制御装置11はまた、移動可能に取り付けられた第1の線形駆動要素5.1の移動を制御するように構成されていてもよい。対応する移動プロファイルまたは速度プロファイルは、例えば、移動可能に取り付けられたダイ要素2.1の特定の移動、特に、ダイ装置2の開位置から開始する閉位置への開始、および/または、移動可能に取り付けられたダイ要素2.1の特定の移動、特に、ダイ装置2の閉位置から開始する開位置への移動を定めてもよい。
【0107】
制御装置11はまた、特に、移動可能に取り付けられたダイ要素2.1の少なくとも1つの移動プロファイルまたは速度プロファイルに基づいて、ブレーキ装置9の動作を制御するように、特に特定のブレーキ力プロファイルを実行するように構成されていてもよい。したがって、制御装置11は、特に、ブレーキ装置9の動作を制御する制御情報を生成するように構成されていてもよい。したがって、制御装置11はまた、関連する移動可能に取り付けられたブレーキ要素9.1の移動を制御するように構成されていてもよい。
【0108】
図面には示されていないが、装置1は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで実行される少なくとも1つの検出装置をさらに備えていてもよく、それは、移動可能に取り付けられたダイ要素2.1および/または移動可能に取り付けられた第1の線形駆動要素5.1の移動および/または位置決めを検出するように構成されている。検出装置は、少なくとも1つの、例えば、光学的および/または電気的および/または磁気的に作用する検出要素を備えていてもよく、それは、移動可能に取り付けられたダイ要素2.1および/または移動可能に取り付けられた第1の線形駆動要素5.1の移動および/または位置決めに基づいて検出情報を生成するように構成されている。対応する検出情報は、制御装置11によって実行される、または実行されることができる、駆動装置3および/またはブレーキ装置9の動作の制御の基礎を形成することができる。したがって、検出装置は、特に双方向で、制御装置11と通信することができ、その逆も可能である。
【0109】
図面には示されていないが、すべての実施形態において、装置1は、通常、粒子発泡成形部品製造用の粒子発泡材料を加工するために必要とされる追加の機能的装置を備えている。例えば、ダイ装置に供給される蒸気を発生させるための蒸気発生装置、および/または、ダイ装置に供給される蒸気を貯蔵するための蒸気貯蔵装置が挙げられる。
【0110】
図面に示される実施形態に示される装置1を使用して、粒子発泡成形部品製造用の粒子発泡材料を加工するための方法を実施することができる。
【0111】
特定の実施形態に関連して説明された個々の態様および/または特徴、複数の態様および/または特徴、または、すべての態様および/または特徴は、少なくとも1つの他の実施形態に関連して説明された個々の態様および/または特徴、複数の態様および/または特徴、または、すべての態様および/または特徴に移行可能である。したがって、図面による実施形態は、互いに組み合わせることができる。
図1
図2
図3
図4
図5