(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】複数の基板の位置合わせをする方法および装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/68 20060101AFI20240621BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20240621BHJP
H01J 37/20 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
H01L21/68 F
H01L21/02 B
H01J37/20 A
(21)【出願番号】P 2022532112
(86)(22)【出願日】2019-12-10
(86)【国際出願番号】 EP2019084471
(87)【国際公開番号】W WO2021115574
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】508333169
【氏名又は名称】エーファウ・グループ・エー・タルナー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヨージェフ クロール
【審査官】境 周一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-030025(JP,A)
【文献】特開2011-049450(JP,A)
【文献】特開2009-054962(JP,A)
【文献】特表2020-511784(JP,A)
【文献】特表2016-529691(JP,A)
【文献】米国特許第06214692(US,B1)
【文献】米国特許第09418882(US,B2)
【文献】欧州特許第02612109(EP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/68
H01L 21/02
H01J 37/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板(14,20)を
第1の方向に沿って位置合わせする方法であって、
・位置合わせマーク(12,15,16)の検出を行い、
・前記位置合わせマーク(12,15,16)の前記検出に応じて、前記複数の基板(14,20)を相互に位置合わせし、
少なくとも2つの位置合わせマーク(12,15,16)が前記基板(14,20)の
リニアガイド(18a,18b)に沿った一の線上に配置されていて、
前記位置合わせを唯一の位置合わせ軸線に沿って行い、
前記位置合わせ軸線は
、前記基板(14,20)の装填方向および取り出し方向に対して平行に延在している、
方法。
【請求項2】
少なくとも3つの位置合わせマーク
は、前記複数の基板(14,20)の前記
リニアガイド(18a,18b)に沿った一の線上に配置されている、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの位置合わせマーク(12,15,16)
は、基板ホルダ(5,6)に、かつ/または基板ホルダ(5,6)に配置されている、
請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
少なくとも2つの位置合わせマーク(15,16)を基板(14,20)に配置し、かつ少なくとも1つの位置合わせマーク(12)を基板ホルダ(5,6)に配置し、
前記位置合わせマーク(12,15,16)
は、前記複数の基板(14,20)の前記
リニアガイド(18a,18b)に沿った一の線上に配置されている、
請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つのリング状の測定ポータル(21)、好ましくは全周にわたって閉じられている少なくとも1つのリング状の測定ポータル(21)に、前記位置合わせマーク(12,15,16)を検出する検出ユニット(2,2’,3,3’,3w)が配置されている、
請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
2つのリング状の測定ポータル(21)、好ましくは全周にわたって閉じられている2つのリング状の測定ポータル(21)に、前記位置合わせマーク(12,15,16)を検出する検出ユニット(2,2’,3,3’,3w)が配置されている、
請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
リング状の測定ポータル(21)、好ましくは全周にわたって閉じられているリング状の測定ポータル(21)に、さらにC字状の柱に、前記位置合わせマーク(12,15,16)を検出する検出ユニット(2,2’,3,3’,3w)が配置されている、
請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
複数の基板(14,20)を位置合わせし、かつ請求項1から7までのいずれか1項記載の方法を実施する装置(1,1’)であって、
位置合わせマーク(12,15,16)の検出が実行可能であり、前記位置合わせマーク(12,15,16)の前記検出に応じて、前記基板(14,20)が相互に位置合わせ可能であり、
少なくとも2つの位置合わせマーク(12,15,16)
は、前記基板(14,20)の
リニアガイド(18a,18b)に沿った一の線上に配置されており、
前記位置合わせ
は、唯一の位置合わせ軸線に沿って行われ、
前記位置合わせ軸線は、前記基板(14,20)の装填方向および取り出し方向に対して平行に延在している、
装置(1,1’)。
【請求項9】
少なくとも3つの位置合わせマーク(12,15,16)
は、前記基板(14,20)の前記
リニアガイド(18a,18b)に沿った一の線上に配置されている、
請求項8記載の装置(1,1’)。
【請求項10】
少なくとも1つの位置合わせマーク(12,15,16)
は、基板ホルダ(5,6)に、かつ/または基板ホルダ(5,6)に配置されている、
請求項8または9記載の装置(1,1’)。
【請求項11】
少なくとも2つの位置合わせマーク(15,16)
は、基板(14,20)に配置されており、かつ少なくとも1つの位置合わせマーク(12)
は、基板ホルダ(5,6)に配置されており、
前記位置合わせマーク(12,15,16)
は、前記基板(14,20)の前記
リニアガイド(18a,18b)に沿った一の線上に配置されている、
請求項8から10までのいずれか1項記載の装置(1,1’)。
【請求項12】
少なくとも1つのリング状の測定ポータル(21)、好ましくは全周にわたって閉じられている少なくとも1つのリング状の測定ポータル(21)に、前記位置合わせマーク(12,15,16)を検出する検出ユニット(2,2’,3,3’,3w)が配置されている、
請求項8から11までのいずれか1項記載の装置(1,1’)。
【請求項13】
2つのリング状の測定ポータル(21)、好ましくは全周にわたって閉じられている2つのリング状の測定ポータル(21)に、前記位置合わせマーク(12,15,16)を検出する検出ユニット(2,2’,3,3’,3w)が配置されている、
請求項8から12までのいずれか1項記載の装置(1,1’)。
【請求項14】
リング状の測定ポータル(21)、好ましくは全周にわたって閉じられているリング状の測定ポータル(21)に、さらにC字状の柱に、前記位置合わせマーク(12,15,16)を検出する検出ユニット(2,2’,3,3’,3w)が配置されている、
請求項8から13までのいずれか1項記載の装置(1,1’)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1記載の、複数の基板の位置合わせをする方法および請求項9記載の、複数の基板の位置合わせをする装置に関する。
【0002】
マイクロエレクトロニクスおよびマイクロシステム技術のほぼすべての部分における小型化の進歩は、基板上のあらゆるタイプの機能ユニットの密度を高めるために使用できるあらゆる技術の絶え間ない、さらなる開発をもたらす。これらの機能ユニットには、たとえば、マイクロコントローラ、メモリモジュール、MEMS、あらゆるタイプのセンサまたはマイクロ流体コンポーネントが含まれる。
【0003】
ここ数年で、これらの機能ユニットの横方向密度を高める技術が大幅に改善された。むしろ、マイクロエレクトロニクスまたはマイクロシステム技術の一部の部分領域では、機能ユニットの横方向密度は、さらなる向上が不可能な程に進んでいる。マイクロチップの製造では、リソグラフィによって製造されるべき構造の達成可能な最大分解能限界にすでにほぼ到達している。すなわち、数年のうちに、物理的または技術的な制約によって、機能ユニットの横方向密度を上げることはできなくなる。産業界は、2.5D技術および3D技術を開発することによって、この問題にすでに数年にわたって取り組んできた。これらの技術を用いて、同じタイプまたは異なるタイプの機能ユニットを相互に位置合わせし上下に積み重ね、これらのユニットを互いに永久的に結合し、相応する導体路によって相互に配線することが可能である。
【0004】
このような構造を実現するための重要な技術の1つは、パーマネントボンディング(永久的な接合)である。パーマネントボンディングとは、大量のエネルギ消費とそれに伴う基板の破壊によってのみ分離が可能になるように、基板同士を結合することができるあらゆる方法を意味する。種々のタイプのパーマネントボンディングが当業者に既知である。
【0005】
極めて重要なパーマネントボンディング方法の1つは、「ダイレクトボンディング」または「分子ボンディング」とも称される融解ボンディングである。「融解ボンディング」とは、共有結合の形成を介した2つの基板の永久的な結合の過程を意味する。融解ボンディングは、とりわけ非金属-非有機材料の表面に生じる。融解ボンディングは、複数のステップで行われ得る:前処理され、洗浄された基板が、いわゆるプリボンディングによって相互に結合される。プリボンディング方法では、2つの基板がファンデルワールス力だけで相互に接合される。このボンディングプロセスは、とりわけシリコン基板間かつ/または酸化シリコン基板間で行われる。ボンディングプロセスは、第1の基板の接合されるべき第1の基板表面を、第2の基板の接合されるべき第2の基板表面と結合させる。この弱い結合の結合エネルギは、これらの基板を相互に動かないように結合するのに十分である。しかし、プリボンディングは、相互に接合された基板の非破壊的、特に非損傷的な分離を可能にする。プリボンディングは、熱処理によってはじめて、基板間の分離不可能な結合へと移行する。
【0006】
相互に位置合わせされた基板のクランプ結合を、必要に応じて、最初に、またはプリボンディングの後に、純粋に機械的に行うことができる。特定の実施の形態では、基板は、好適には、特許明細書PCT/EP2013/056620に記載されている方法を使用して、相互にクランプ結合される。この文献では、磁気的に作用する固定手段を使用して、互いに位置合わせされて接触させられた2つの基板が迅速かつ容易に固定される。クランプ結合をあらゆる他の様式で行うこともできる。特に、相互に位置合わせされた基板をサンプルホルダにクランプ結合することができる。
【0007】
従来技術には、その上に位置合わせマークが配置されている基板の正しいポジショニングおよびその後の接合ステップのために位置合わせマークを測定する無数の方法がある。従来技術によれば、基板は、特に米国特許第6214692号明細書、国際公開第2014/202106号または国際公開第2015/082020号に従って、位置合わせシステムを用いて相互に位置合わせされる。刊行物である米国特許第6214692号明細書の位置合わせ設備は、最も近い先行技術と見なされ得る。ここでは、それぞれが2つの相互に対向する光学系を備えた2つの光学系グループを使用して、2つの基準点を備えたシステムが実現され、ここではこのシステムに対して、複数の基板が交互に配置される。上述の2つの基準点は、2つの相互に対向する光学系の光軸の交点である。
【0008】
既知の装置では、光学システムと回転システムとが、基板のポジショニングのために、反転調整の原理に従って使用される。これに関しては、Hansen,Friedrich著「Justierung(VEB Verlag Technik、1964年、セクション6.2.4)」の折り畳み方法を参照されたい。ここでは、少なくとも1回の測定が定義されたポジションで行われ、さらに少なくとも1回の測定が、180度回転されて、反対方向に配向された、折り畳まれたポジションで行われる。このようにして得られた測定結果では、特に偏心誤差が排除されている。
【0009】
少なくとも2つの基板を位置合わせする際の問題は、位置合わせの移動の流れがより速く、しかしより正確に、すなわち残っているポジション不確実性が少なく、これらの基板が可能な限り理想的なポジションにおいて相互に結合および接合されるように、経過する必要があることである。これらの移動要件は相互に対照的である。
【0010】
さらに、寄生的な移動および装置自体の構造によって引き起こされる追加経路は、可能な限り排除される必要がある。寄生的な移動は、特に振動、熱の影響、移動負荷の作用として、かつ装置への電磁界の破壊的な作用として発生する。構造によって引き起こされる追加経路は、接合されるべき第2の基板と接合されるべき第1の基板の軌道経路であり、これらは、装置の位置合わせ機能を維持しながら装置を最適化することによって、特にポジショニング精度を高めることによって排除される。
【0011】
従来技術の位置合わせ装置では、装填方向および取り出し方向は、通常、基板の位置合わせの主な移動方向と同じである。位置合わせマークの検出のために、2つの基板は、基板の直径全体に対応する長さを、複数回、走り抜ける。
【0012】
位置合わせ装置の設計は、刊行物である米国特許第6214692号明細書に開示されているように、それぞれ2つの二重顕微鏡を備えた手動位置合わせ装置の歴史的に開発された設計に基づいている。この設計では、操作者の人間工学的な作業ポジションが考慮されており、2つの観察顕微鏡は、装填方向および取り出し方向の主な移動方向の法線上に、操作者から同じ距離で配置されている。
【0013】
国際公開第2014/202106号では、装填方向および取り出し方向は、基板の位置合わせの主な移動方向を横切る。短い移動距離で位置合わせマークを検出することができる。しかし、2つの二重顕微鏡のポジショニングは、従来の位置合わせ装置の構造と実質的に同じである。
【0014】
PCT/EP2016/070289は、基板特徴と組み合わせてより正確な位置合わせを可能にする、基板ホルダの付加的な位置合わせ特徴を使用する。機械的な構造は、実質的に、従来の位置合わせ装置に相応して設計されている。
【0015】
従来技術の主な問題は、現在の位置合わせ装置の設計に起因する。位置合わせされるべき基板および/または装置の部品のあらゆる寄生的な移動は、位置合わせの精度に悪影響を及ぼす。
【0016】
特に、不所望な移動は、基板相互の相対位置の変位、装置全体および装置の部品の振動、移動負荷によって引き起こされる寄生的な移動(案内経路上の質量の移動が横方向の変位を引き起こす)、使用されるリニアガイドでの不所望なヨーイング、ピッチングまたはローリングである。さらに、新たにフォーカシングする必要性を回避するために、画像検出要素の振動を最小限に抑える必要がある。一般に、振動は寄生的な移動を引き起こし、この寄生的な移動は、マイクロ秒から秒の時間範囲で障害を引き起こす。
【0017】
熱機械的な変化および/または熱によるノイズおよび/または熱膨張によって引き起こされる機械的障害は、寄生的な移動を生じさせる。これらの機械的障害が発生する時間間隔は、数秒から数日の範囲である。したがって、引き起こされた機械的障害の検出および補償は複雑である。
【0018】
記載されたすべての寄生的な移動は、機械工学およびメカトロニクスの分野の当業者に知られている。特に、寄生的な移動は、それが位置合わせの系統的な誤差となる場合、位置合わせの結果に影響を与える。
【0019】
これらの系統的な誤差は、位置合わせ装置および測定方法によって客観的に引き起こされる。従来技術の装置の場合、基板のガイドシステムおよび動作システム、ならびに画像検出要素がこれらのポジショニングシステムおよび動作システムと共に誤差の原因となり得る。
【0020】
従来技術の装置の画像検出要素、特に反対の方向において焦点面を検出することができる二重顕微鏡は、自由端部を備えるカンチレバーの端部に位置する。したがって、画像検出部は、いわゆる自由端部を備えるC構造の機械フレームに固定される。自由端部を備えるC構造は著しく、振動する傾向を有している。とりわけ0.1Hz~1Hzまたは0.1Hz~10Hzの低周波数範囲におけるこの振動は、相当な構造的なコストによってのみ減衰させることができ、除去することはできない。
【0021】
したがって、本発明の課題は、基板相互の位置合わせの精度を改善することができ、同時に2つの基板の位置合わせの速度を上げることができる方法および装置を提供することである。これによって、基板のより正確で、より効率的な位置合わせと接触とが可能になる。
【0022】
上述の課題は、請求項1記載および請求項9記載の特徴部分に記載されている構成よって解決される。本発明の有利な発展形態は、従属請求項に記載されている。明細書、特許請求の範囲および/または図面において挙げられた特徴のうちの少なくとも2つの特徴のすべての組み合わせも、本発明の範囲内にある。値の範囲では、挙げられた境界値内の値も境界値として開示され、任意の組み合わせで請求可能であるべきである。
【0023】
本発明に相応に、複数の基板を位置合わせする方法が提供され、この方法では、位置合わせマークの検出が行われ、位置合わせマークのこの検出に応じて、基板が相互に位置合わせされ、ここでは少なくとも2つの位置合わせマークが、基板の線形移動に沿った一のまたは同一の線上に配置されている。
【0024】
さらに、本発明に相応に、基板の位置合わせのため、かつ本発明による方法を実施する装置が提供され、この装置では、位置合わせマークの検出が実行可能であり、位置合わせマークのこの検出に応じて、基板が相互に位置合わせされ得る。ここでは少なくとも2つの位置合わせマークが、基板の線形移動に沿った一の線上に配置されている。
【0025】
好ましくは、少なくとも3つの位置合わせマークが、基板の線形移動に沿った一の線上に配置されている。
【0026】
好ましくは、少なくとも1つの位置合わせマークが基板ホルダに、かつ/または基板ホルダに配置されている。
【0027】
好ましくは、少なくとも2つの位置合わせマークが基板に配置されており、かつ少なくとも1つの位置合わせマークが基板ホルダに配置されており、これらの位置合わせマークは、基板の線形移動に沿った一の線上に配置されている。
【0028】
好ましくは、少なくとも1つのリング状の測定ポータル、好ましくは全周にわたって閉じられている少なくとも1つのリング状の測定ポータルに、位置合わせマークを検出するための検出ユニットが配置されている。
【0029】
好ましくは、2つのリング状の測定ポータル、好ましくは全周にわたって閉じられている2つのリング状の測定ポータルに、位置合わせマークを検出するための検出ユニットが配置されている。
【0030】
好ましくは、リング状の測定ポータル、好ましくは全周にわたって閉じられているリング状の測定ポータルに、さらにC字状の柱に、位置合わせマークを検出するための検出ユニットが配置されている。
【0031】
好ましくは、位置合わせは、唯一の位置合わせ軸線に沿って行われ、この位置合わせ軸線は基板の装填方向および取り出し方向に対して平行に延在している。
【0032】
換言すれば、本発明の本質は、少なくとも2つの位置合わせマークが、基板の線形移動に沿った一の線上に配置されていることである。ここでは、たとえば、2つの位置合わせマークが基板上に位置していてよい、または、たとえば1つの位置合わせマークが基板上に位置しており、別の1つの位置合わせマークが基板ホルダ上に位置していてよい。しかし、たとえば、2つ以上の位置合わせマークが基板上かつ/または基板ホルダ上に位置していてもよい。これらの例示的な構成は、第1の/上部の基板もしくは第1の/上部の基板ホルダと、第2の/下部の基板もしくは第2の/下部の基板ホルダとの両方に適用される。本発明によれば、少なくとも2つの位置合わせマークが、基板の線形移動に沿った一の線上に配置されている。その結果、横方向の移動が減少するので、高いレベルの位置合わせ精度を実現することができる。
【0033】
本発明は、特に、ポータル構造を備える装置の剛性を高めることによって、かつ/または基板の線形移動に沿った一の線上に配置されている少なくとも3つの位置合わせマーキング(以降では、位置合わせマークとも称される)を検出することによって、位置合わせ精度を高めるという考えに基づいている。
【0034】
少なくとも1つの位置合わせマーキングは、好適には、基板ホルダに、かつ/または基板ホルダ上に取り付けられている。基板ホルダのポジション検出は、位置合わせされるべき基板の位置および位置合わせ状態の補正値を供給する。
【0035】
有利な実施の形態では、少なくとも1つの基板ホルダは、基板のための好ましくは平坦な収容面を有している。
【0036】
さらに、少なくとも1つの基板ホルダは、特に、モノリシックに収容面と結合されている角柱体を含むことができる。これらの角柱体は、既知の形状が与えられている場合に、特に光学的なポジション測定のための基準面として使用され得る。これらの機能面はレーザー反射体として構成されているため、空間内のこれらの角柱体の正確な位置が、幾何学的形状とレーザーの入射点に関する知識とによって特定される。ここで機能面の位置を、干渉によって測定し、それに応じて、閉じられている、閉ループ制御のループにおいて補正することができる。
【0037】
少なくとも2つの基板の位置合わせのための、本発明による装置は、少なくとも1つの光学システムを有しており、この光学システムは特に相互に位置合わせされている2つの光学系または検出ユニットを有しており、それらの光路は好適には共通の焦点で交わる。この共通の焦点は、第1の基板および第2の基板の理想的な接合面の点である。これらの基板はこの面において相互に接合される。精密な説明および焦点の較正は、刊行物である国際公開第2014/202106号に詳細に記載されている。
【0038】
有利な実施の形態によれば、光学システムもしくは検出ユニットは、ビーム成形要素および/または偏向要素、たとえばミラー、レンズ、プリズム、特にケーラー照明用のビーム源ならびにカメラなどの画像検出手段(CMOSセンサまたはCCDまたはフォトトランジスタなどの面検出手段または線検出手段または点検出手段)ならびにフォーカシングのための移動手段ならびに光学システムを閉ループ制御するための評価手段を含んでいる。
【0039】
装置の本発明の発展形態は、位置合わせされた光学系を備える2つ以上の同一の光学システムを含んでいる。
【0040】
さらに、本発明による装置は、位置合わせされるべき基板を収容するための基板ホルダを含んでいる。本発明による装置の一実施の形態は、少なくとも2つの、移動可能な基板ホルダを含んでおり、これらの基板ホルダは、位置合わせされるべき第1の基板と位置合わせされるべき第2の基板とを収容し、固定することができる。基板ホルダの移動システムおよびポジショニングシステムは、移動可能な基板ホルダとして組み込まれている。
【0041】
基板はあらゆる任意の形状をとることができるが、好ましくは円形である。ウェハは常に基板として理解される。基板の直径は特に工業的に標準化されている。ウェハの場合、1インチ、2インチ、3インチ、4インチ、5インチ、6インチ、8インチ、12インチおよび18インチである業界標準の直径、もしくは対応するメトリック換算が適用される。しかし、原則的に、本発明による装置は、その直径に関係なく、あらゆる基板を取り扱うことができる。
【0042】
本発明に相応に、基板の代わりに、相互結合された少なくとも2つの基板からなる基板積層体を使用し、これらの基板積層体を基板または別の1つの基板積層体と結合することが考えられる。さらなる開示において、基板積層体は、基板に組み込まれて使用されてよく、基板として理解され得る。
【0043】
複数の基板は、特に基板の接触面に位置する位置合わせマーキングに基づいて、相互に位置合わせされる。対向するこれらの基板の、対向する側にある位置合わせマーキングは、特に互いに相補的である。
【0044】
位置合わせマーキングは、互いに位置合わせできるあらゆる物体、たとえば十字、正方形または円形であってよく、ならびにプロペラ状の構造または格子構造、特に空間周波数領域用の位相格子であってよい。
【0045】
位置合わせマーキングは、好適には、特定の波長もしくは波長範囲の電磁ビームによって検出され、これは特に赤外線、可視光線、または紫外線である。しかし、他の波長範囲のビームも使用可能である。
【0046】
さらに、本発明に係る装置は、プリボンディングを生じさせるシステムを含んでいてよい。
【0047】
さらに、本発明に係る装置は、好適には、光学システムおよび基板ホルダおよび/または基板を移動させるために、ポジショニングするためにかつ相互に位置合わせするために、駆動システム、ガイドシステム、固定部および測定システムを備えた移動機器を含んでいる。これらの移動機器は、基板ホルダの閉ループ制御されたポジショニングを実行することができ、このポジショニングは開ループ制御ユニットおよび/または閉ループ制御ユニット、特にコンピュータおよび/または閉ループ制御アルゴリズムによって操縦される。
【0048】
移動機器は、個々の移動の結果として、あらゆる移動を生じさせることができるので、移動機器は、好ましくは、精度要件に対応していない、高速の、粗いポジショニング装置ならびに正確に動作する微細ポジショニング装置を含むことができる。接近されるべきポジションの目標値は理想値である。移動機器はこの理想値に近づく。理想値を中心とした定義された領域への到達することは、目標値への到達として理解され得る。
【0049】
ポジショニング装置は、移動距離全体または回転領域に関して、一周することが可能な回転駆動部の場合には360度の完全な回転に関して、アプローチ精度および/または繰り返し精度が目標値から0.1%未満、好ましくは0.05%未満、特に好ましくは0.01%未満の偏差を有している場合に、粗いポジショニング装置として理解される。したがって、たとえば、移動距離が600mm(基板直径の2倍)を超えるラフポジショナ(英語でpre-aligner)の場合には、600mm*0.01%、すなわち60μm未満のアプローチ精度が結果的に残留不確実性として生じる。粗いポジショニングの他の実施の形態では、アプローチ精度または繰り返し精度の残留不確実性は、200μm未満、好ましくは150μm未満、特に好ましくは50μm未満である。この際に、熱による外乱量も考慮に入れる必要がある。
【0050】
粗いポジショニング装置は、実際に到達した実際ポジションとポジションの目標値との間で、偏差が、割り当てられている微細ポジショニング装置の移動範囲にある場合にのみ、十分な精度でポジショニングタスクを果たす。
【0051】
択一的な粗いポジショニング装置は、実際に到達した実際ポジションとポジションの目標値との間で、偏差が、割り当てられている微細ポジショニング装置の半分の移動範囲にある場合にのみ、十分な精度でポジショニングタスクを果たす。
【0052】
ポジショニング装置は、移動距離全体または回転領域に関して、目標値からのアプローチ精度および/または繰り返し精度の残留不確実性が500ppb未満、好ましくは100ppb未満、理想的には1ppbを上回らない場合に、微細ポジショニング装置として理解される。好適には本発明による微細ポジショニング装置は、5μm未満、好ましくは1μm未満、特に好ましくは100nm未満、非常に特に好ましくは10nm未満、最適な場合には5nm未満、理想的には1nm未満の絶対ポジショニング誤差を有している。
【0053】
位置合わせと、場合によって行われる接触(融解ボンディング)とは、ピエゾ圧電駆動部などの微細駆動部を用いて行われる。
【0054】
本発明による装置およびこの装置に関連する方法は、好ましくは、極めて高い精度および再現性を有する少なくとも2つのポジショニング装置を有している。基板の位置合わせの質のために、相互誤差補正の概念を使用することができる。そのようにして、基板の既知のオフセット(ねじれおよび/または変位)ならびにポジショニング装置の、これに対応するオフセット(ねじれおよび/または変位)を、別のポジショニング装置および別の基板のポジションを補正値もしくは補正ベクトルで調整および補正することによって、補償することができる。ここで、どのように開ループ制御部もしくは閉ループ制御部が、誤差補正のために粗いポジショニングと微細ポジショニングとを使用するか、または粗いポジショニングのみまたは微細ポジショニングのみを使用するかは、ねじれおよび/または変位の量およびタイプの問題である。以降のテキストでは、ポジショニング装置(粗いポジショニング装置または詳細ポジショニング装置または複合的なポジショニング装置)と位置合わせ手段とが同義語としてみなされて使用される。
【0055】
本発明によれば、基板相互の位置合わせは、6つのすべての移動自由度において行われ得る:デカルト座標方向x、y、およびzによる3つの並進およびこれらの座標方向を中心とした3つの回転。x、y、z方向もしくはx、y、zポジションは、デカルトx-y-z座標系において延在する方向またはデカルトx-y-z座標系において配置されているポジションを意味すると理解される。x方向およびy方向は、特に基板の横方向に相当する。
【0056】
ポジション特徴は、基板の位置合わせマーキングのポジション値および/または位置値ならびに基板ホルダ上の位置合わせマーキングのポジション値および/または位置値から導出/計算される。本発明によれば、移動は、あらゆる方向および配向で行われ得る。基板の位置合わせには、特に、好適には、刊行物である欧州特許第2612109号明細書の開示に即した、受動的または能動的ウェッジエラー補償が含まれる。
【0057】
本発明に係る方法は、特に、付加的に取り付けられた検出ユニットおよび/または測定システムおよび閉ループ制御システムによって検出され、位置合わせの開ループ制御/閉ループ制御に使用される付加的なX-Yポジション情報および/または位置情報によって、位置合わせ精度を高める。付加的に取り付けられた検出ユニットおよび/または測定システムおよび閉ループ制御システムは、それぞれが対向する2つの光学系を備える、さらなる光学グループであってよい。
【0058】
好ましい実施の形態では、付加的な(特に第3の)位置合わせマーキングが基板ホルダに取り付けられている。この付加的なポジション特徴は、新しい付加的な光路を備えた少なくとも1つの付加的な測定システムによって検出される。基板ホルダにおける位置合わせマーキングも、基板の線形移動に沿った一の線上に配置されている。基板ホルダのポジション検出は、位置合わせされるべき基板の位置および位置合わせ状態の補正値を供給する。位置合わせ精度は、これらの付加的な測定値および、他の検出ユニットの複数の測定値のうちの少なくとも1つの測定値との相関によって向上する。接触面間の接合界面における、複数の測定された位置合わせマーキングのうちの少なくとも1つの位置合わせマーキングを、基板の位置合わせ時にも見ることができる、基板ホルダにおける位置合わせマーキングと相関させることによって、位置合わせマークを直接的に観察できるようになり、したがって位置合わせ中のリアルタイム測定および閉ループ制御が可能になる。
【0059】
好ましい実施の形態では、付加的な測定システムはレーザー干渉計である。レーザー干渉計では、ポジションの変化の測定(変位の測定)、傾斜角の変化の測定(角度測定)、平坦度の測定(変位および角度の測定)、直交性の測定(角度測定)および必要に応じてダイナミクスの測定(速度の測定)によって、基板ホルダの線形移動をコントロールすることを可能にする。特に、傾斜角の変化を測定することによって、リニアガイド上のキャリッジの傾斜を検出することができる。真直度の測定によって、リニアガイドでのキャリッジ経路の水平方向または鉛直方向の偏差を検出もしくは正確に検出することができる。高精度のレーザー干渉測定では、媒体に応じてレーザー波長をリアルタイムで補正する必要がある。この際に、たとえば、圧力、材料温度および/またはガス温度(存在している場合)が検出される必要がある。
【0060】
特に好ましい実施の形態は、基板ホルダおよび/または基板毎に少なくとも1つのレーザー干渉計、好ましくは基板ホルダおよび/または基板毎に2つのレーザー干渉計を有しており、この干渉計は、規定された基準、特にフレームに対する、両方の基板ホルダおよび/または基板のX-Yポジションおよび/または位置合わせ位置および/または角度位置を検出する。好ましくは、少なくとも1つの干渉計が、フレーム固定されている。
【0061】
基板を取り扱うロボットは、移動機器に組み込まれている。固定部は、移動機器内にコンポーネントとして統合されていてよい、かつ/または機能的に統合されていてよい。さらに、本発明に係る装置は、好適には、記載されたステップ、特に移動の流れを実行し、補正を実行し、本発明に係る各装置の動作状態を分析および格納するために、閉ループ制御システムおよび/または評価システム、特にコンピュータを含んでいる。方法は、好適にはレシピとして作成され、機械可読な形態で実施される。レシピは、機能的にまたは方法技術的に関連している複数のパラメータの最適な値の集合である。レシピを用いることによって、製造の流れの再現性を確保することができる。
【0062】
さらに、好ましい実施の形態によれば、本発明に係る装置は、たとえば圧縮空気、真空、電気エネルギ、流体、たとえば作動油、冷却剤、加熱媒体の供給システムおよび補助システムおよび/または補完システム、温度安定化のための手段ならびに/または装置、電磁シールドを含んでいる。
【0063】
さらに、本発明に係る装置は、好適には、フレーム、カバー、振動を抑制するまたは振動を減衰させるまたは振動を消す能動的または受動的なサブシステムを含んでいる。
【0064】
装置の好ましい実施の形態では、検出ユニットは、好ましくはそれらの移動ユニットと共に、少なくとも1つのリング状の測定ポータル内、特に好ましくは全周にわたって閉じられている少なくとも1つのリング状の測定ポータル内に、特にフレーム固定されて配置されていてよい。
【0065】
唯一のポータルを有する、装置の好ましい実施の形態は、以降で、モノポータル構成と称される。モノポータルは、基板ホルダと共に基板が通過することを可能にし、これによって、少なくとも基板の位置合わせマークの検出が可能になる。続いて、同様に基板ホルダのポジションが検出され得る。
【0066】
本発明の核心を成す思想は、特に、少なくとも2つの基板の位置合わせの位置合わせ精度を向上させながら、位置合わせを、唯一の位置合わせ軸線だけに減らすことを実現することである。閉じられている設計で装置をレイアウトすることによって、装置の剛性を高め、振動する可能性を最小限に抑え、基板の線形移動に沿った一の線上に配置されている少なくとも2つ、より好ましくは3つの位置合わせマークの検出を可能にする。
【0067】
位置合わせ軸線が特に装填方向および取り出し方向と一致するので、装填方向および取り出し方向を横切る付加的な移動は不要である。基板ホルダ上の直接的に検出可能な位置合わせマーキングとの組み合わせおよび相関によって、位置合わせ精度がさらに改善される。
【0068】
この装置の好ましい実施の形態では、少なくとも2つの検出ユニットが、装置の主要長手方向軸線に配置されていてよい。この装置の別の好ましい実施の形態では、少なくとも2つの検出ユニットは、1つが上方の検出ユニットとして、1つが下方の検出ユニットとして配置されてよく、これらは好ましくは共通の焦点を有している。
【0069】
装置の好ましい実施の形態では、独立した移動ユニットを有する上方の検出ユニットおよび下方の検出ユニットは、特に共通の焦点を再調整することができるフォーカシング方法ならびに較正方法が実行可能であるように、フレームまたはポータルと結合されていてよい。
【0070】
装置の好ましい実施の形態では、検出ユニットの移動ユニットは、グローバルな座標系、特にフレーム固定の座標系において、主要座標方向x、y、zにおいて移動され得る。検出ユニットの移動ユニットの移動距離は、基板平面において、すなわちx方向およびy方向において、20mm未満、好ましくは10mm未満、特に好ましくは5mm未満である。
【0071】
好ましい実施の形態では、検出ユニットの移動ユニットを、特にz方向において、5mmを超えて、好ましくは10mmを超えて、特に好ましくは20mmを超えて移動させることができ、これによって、標準化されていない基板積層体のフォーカシングが同様に可能になる。
【0072】
択一的な実施の形態では、基板の高さは、1mm未満、好ましくは0.5mm未満のフォーカシング距離が使用されるように、基板ホルダのポジショニングによって補償され得る。
【0073】
装置の好ましい実施の形態では、検出ユニットの移動ユニットは、特に、遊びのないソリッドステートジョイントまたはガイドとして設計されてよい。
【0074】
別の実施の形態では、すべてのタイプのさらなる検出手段が、ポータル内に、特にフレーム固定されて、取り付けられてよい。
【0075】
さらに、本発明に係る装置は、特に距離測定システムとして、かつ/または角度測定システムとして実現され得る、好ましくは各移動軸線に対する測定ユニットを備える、少なくとも1つの測定システムを含んでいる。
【0076】
触覚による、すなわち接触式の、または非触覚式の両方の測定方法が使用されてよい。測定基準すなわち測定の単位が、物理的・物質的な物体として、特にスケールとして存在していても、または使用されるビームの波長のように、測定方法に暗黙的に存在していてもよい。
【0077】
位置合わせ精度を達成するために、少なくとも1つの測定システムが選択され、使用されてよい。測定システムは、測定方法を実施する。特に
・誘導による方法および/または
・容量による方法および/または
・抵抗による方法および/または
・比較方法、特に光学画像識別方法および/または
・(特にスケールとしてのガラス基準または干渉計、特にレーザー干渉計または磁気的な基準による)増分方法または絶対的方法および/または
・伝搬時間測定法(ドップラ方法、飛行時間方法)または他の時間検出方法および/または
・三角測量方法、特にレーザー三角測量および/または
・オートフォーカス方法および/または
・光ファイバによる距離計などの強度測定方法
を使用することができる。
【0078】
さらに、好ましい実施の形態は、少なくとも1つの付加的な測定システムを含んでいる。これは、好適にはPCT/EP2016/070289に従って、規定の基準、特にフレームに対する、複数の基板のうちの少なくとも1つの基板および/または複数の基板ホルダのうちの1つの基板ホルダのX-Yポジションおよび/または位置合わせ位置および/または角度位置を検出する。
【0079】
特に好ましい実施の形態は、すべての基板ホルダに対して、付加的な測定システムを含んでおり、これは、規定の基準、特にフレームに対する、両方の基板ホルダおよび/または基板のX-Yポジションおよび/または位置合わせ位置および/または角度位置を検出する。
【0080】
特に能動的または受動的に振動が減衰されたかつ/または振動が遮断されたかつ/または振動消去を伴って取り付けられた、特に天然硬石または鉱物鋳物または球状黒鉛鋳物または液圧結合コンクリートからなる部分がフレームと解され得る。フレームは、さらなる保持機能および/またはガイド機能を含むことができる。特に、圧縮空気のための線路が、フレーム体積のフレームの内部に収容されてよい。さらに、電気線路および端子がフレーム体積に収容されてよい。さらに、上部構造のための固定要素および/または係止点が、特に形状結合によってかつ/または材料結合によって、フレームにおいて結合されてよい。
【0081】
フレームは、特に好ましい実施の形態では、一次成形方法で、特にネガ型への充填で製造され得る。特に好ましい実施の形態では、フレームは、充填時にコアを有し得る。
【0082】
好ましい実施の形態では、フレームは、平坦度標準を含み得る。フレームの特に好ましい実施の形態では、平坦度標準は、平坦度標準を複数回複製することができるように成形されてよい。
【0083】
本発明によれば、測定値は、特に互いに組み合わされ、かつ/または互いに参照され、かつ/または相関されてよく、したがって、位置合わせマーキングの測定によって、これに関する別の位置合わせマーキングのポジションを推測することができる。
【0084】
本発明によれば、測定値を互いに相関させることができ、したがって、いずれの場合にも、位置合わせマーク相互の相対ポジションは、フレームへの参照を可能にする値として存在している。
【0085】
本発明による好ましい実施の形態では、基板ホルダのポジションは、3つの座標軸線に沿ったポータルの通過中に、特に連続的に測定され、これによって、基板の実際の案内経路が検出される。この実際の案内経路は、基板同士の位置合わせポジションの計算時に、補正係数として考慮される。
【0086】
本発明に係る別の好ましい実施の形態では、基板ホルダのポジションが、基準、特に第1の基板での第1の位置合わせマーキングおよび/または第2の基板での第2の位置合わせマーキングの基準に関連する点(または箇所または測定ドットまたは視野)において検出される。
【0087】
本発明に係る別の好ましい実施の形態では、基板ホルダのポジションは、基準に関する、厳密に2つの点で検出される。
【0088】
本発明に係る別の実施の形態では、基板ホルダのポジションは、基準に関する、厳密に3つの点で検出され、これによって基板ホルダのポジションおよび位置が特定される。
【0089】
1つの点または2つの点または3つの点または任意の数の点でのポジション特定のために、好ましくはカメラシステムならびに基板ホルダに取り付けられているパターンによる光学パターン識別が使用され得る。これらのパターンは、リアルタイムシステムにおいて、位置合わせ中に特に継続的に検出される。
【0090】
別の好ましい実施の形態では、基板ホルダのポジション特定を、レーザー干渉計を用いて行うことができる。レーザー干渉法は、干渉による非常に正確な非接触の長さ測定を可能にする。レーザー干渉計は、ポジションの変化の測定(変位の測定)、傾斜角の変化の測定(角度測定)、平坦度の測定(変位および角度の測定)、直交性の測定(角度測定)およびダイナミクスの測定(マルチビーム干渉計の場合の速度の測定)によって、基板ホルダの線形移動のコントロールを可能にする。
【0091】
特に、傾斜角の変化を測定することによって、リニアガイド上のキャリッジの傾斜を検出することができる。真直度の測定によって、リニアガイドでのキャリッジ経路の水平方向または鉛直方向の偏差を検出もしくは正確に検出することができる。
【0092】
したがって、サブシステムの相対移動(フレームおよび被測定物体、特に基板ホルダに対する各干渉計の固定)を特定することができる。変位測定には、たとえば2周波レーザー方法が使用されてよい。この場合、(多重反射の適用によって)5nmまでの、より好適には1nmまでの測定分解能が、1m/sまでの最大移動速度の際に達成され得る。角度測定のために同様に2波数レーザーが使用される。
【0093】
別の可能性は、複数の並列に集積された単一周波数レーザー干渉計の使用によって得られる。この場合には、変位は、基板ホルダの複数の箇所で特定される。この場合、0.1nmまでの測定分解能を得ることができる。角度変化を、測定ビーム同士の間隔と、生じている変位の差とから特定することができる。
【0094】
3つの測定ビームを有する干渉計(3ビーム干渉計)が使用される場合、2つの軸線における基板ホルダの角度位置およびその変位が特定される。本発明による装置の好ましい実施の形態では、3ビーム干渉計が使用される。
【0095】
基板ホルダのポジション特定のための付加的な角度測定は、必要に応じて、オートコリメーション望遠鏡を使用して行われてよい。
【0096】
組み合わされた測定システムが使用される場合、絶対-増分変位センサの測定値を少なくとも1つの干渉計の測定値と相関させ、相互に補足的に使用することができる。これによって、絶対的なポジショニングの精度を高めることができる。
【0097】
列挙した測定方法を同様に、ポジション特定に用いることができる。
【0098】
特に基板ホルダ上に検出ユニットを取り付け、フレームに位置合わせマーキングを取り付けることによって、本発明に相応して、反転も可能である。
【0099】
検出、評価および開ループ制御(および/または閉ループ制御)が任意の時点で行われ得るように、特に永続的に行われ得るように、開ループ制御ユニットおよび/または閉ループ制御ユニットに、測定値が、特に継続的に(かつ/または充分に高いクロック周波数で、時分割でデジタルに)供給されてよい。
【0100】
たとえば、基板における位置合わせマークを、光学画像識別および/またはパターン識別によって検出することができる。特に、同時に、関連する基板ホルダの位置および/または位置合わせ状態ならびにすべての関連する閉ループ制御パラメータが検出され、マトリクスで格納され、さらに処理されてよい。
【0101】
装置の好ましい実施の形態では、基板ホルダのポジションは、少なくとも1つの干渉計ビームで、好ましくは少なくとも2つの干渉計ビームで、最適な場合には少なくとも3つの干渉計ビームで測定されてよい。同時に、基板ホルダのポジション値がインクリメンタルエンコーダによって測定されてよい。これらは参照され、所定のポジションから始まって、距離の増大を測定する。干渉計の相対的な値と増分変位センサの読み取り値との組み合わせによって、フレームまでのポジション値をニュートラル平面および/またはニュートラルポジションとして参照することができる。
【0102】
少なくとも1つの点においてx-yポジションを特定するために、本発明に係る別の実施の形態では、少なくとも1つの干渉計が、相応に構成された、特にモノリシックな、基板ホルダのx-yポジションの特定および/または位置の特定の検出のために、反射体と共に使用され得る。このために、3つの干渉計ビームを使用することができる。
【0103】
干渉計ビームの数は、特に、反射体の反射面の数と等しくてよい。しかし、本発明によれば、複数の干渉計ビームの拡張された反射面、特にモノリシック光学ミラーが反射体として使用されることも考えられる。
【0104】
特にモノリシックなブロックから形成されている基板ホルダは、好適には、次の機能のうちの少なくとも2つの機能を有している:
・真空による基板固定(真空トラック、接続部)
・好ましくは、欧州特許第2656378号明細書、国際公開第2014/191033号および国際公開第2019/057286号の実施の形態に従って、機械的かつ/または液圧的かつ/またはピエゾ圧電的かつ/または焦電気的かつ/または電気熱的な作動要素によって基板を変形させる形状補償
・ポジション特定および/または位置特定(測定標準、反射面および/またはプリズム、特に干渉法のための反射体、位置合わせマークおよび/または位置合わせマーク場、平面のための平面的な方法で構築された測定標準、体積標準、特にレベル)
・移動(案内経路)
【0105】
微調整に使用されるのではない、本発明による移動機器は、特にロボットシステムとして、好適には増分変位センサを備えたロボットシステムとして構成されている。補助的な移動のためのこれらの移動機器の精度は、基板積層体を位置合わせするための精度から分離されているので、この補助的な移動は、1mm未満、好ましくは500μm未満、特に好ましくは150μm未満の低い繰り返し精度で実行される。
【0106】
(横方向の)位置合わせ(微調整)のための、本発明による移動機器の開ループ制御および/または閉ループ制御は、特に、他の測定手段を使用して検出されたx-yポジションおよび/または位置合わせ位置に基づいて実行される。これらの移動機器の精度は、好適には200nm未満、さらに好ましくは100nm未満、特に好ましくは50nm未満、非常に特に好ましくは20nm未満、さらに好ましくは10nm未満であり、理想的なケースでは1nm未満である。
【0107】
2つの測定ポータルを備える設備
本発明に係る別の実施の形態では、検出ユニットは、特にその移動ユニットと共に、2つの全周にわたって閉じられているポータルに一体化されており、これらの全周にわたって閉じられているポータルは特に、剛性に、ねじれに対する抵抗性を伴う形式で互いに結合されている。
【0108】
この場合にも、本実施の形態は特に、国際公開第2014/202106号と同様に、光源から位置合わせマークまでの自由な光路を、位置合わせマークの検出に使用する。
【0109】
この装置は、互いに、基板直径よりも大きな間隔を置いて互いに固定的に結合されている2つのポータルを有している。以降では、SmartView Aligner(SVA)と称される、米国特許第6214692号明細書の実施の形態と同様に、互いに対向し、共通の焦点面を備えた少なくとも2つの光学検出手段が、調整可能にポータル内に配置されている。
【0110】
移動経路の端部に、検出手段を備えた第1の閉じられているポータルが配置されており、これは、基板の縁部における、相前後する位置合わせマークを検出する。このために、基板は、SVAと比較して90度回転させられて、基板ホルダ上に装填される。したがって、位置合わせマークは、線形移動に沿った一の線上に相前後して配置されている。
【0111】
上方の基板ホルダおよび下方の基板ホルダは、それぞれ、基板のカバーポジションから検出手段まで到達し、位置合わせマークで縁部を露出させる。
【0112】
第2の、閉じられているポータルは、装填移動または取り出し移動のような、各基板ホルダの横断を可能にする。
【0113】
位置合わせマークを第2のポータルの光路内に移動させるために、基板はここで同様に唯一の位置合わせ軸線において移動させられる。
【0114】
基板の互いに対する位置合わせは、基板の接触面に配置されている位置合わせマーキングに基づいて、特に間接的に行われる。対向する基板の対向する側にある位置合わせマーキングは、特に互いに相補的である。
【0115】
この実施の形態でも、位置合わせされるべき複数の基板のうちの1つの基板または基板ホルダに取り付けられている付加的な、特に第3の位置合わせマーキングの検出が付加的に行われることによって位置合わせ精度を向上させることができる。
【0116】
好適には、付加的な位置合わせマーキングが、基板ホルダに取り付けられている。基板ホルダのポジション検出は、位置合わせされるべき基板の位置および位置合わせ状態の補正値を供給する。付加的な測定値および他の検出ユニットの複数の測定値のうちの少なくとも1つの測定値との相関によって、位置合わせ精度が向上する。接触面間の接合界面における、複数の測定された位置合わせマーキングのうちの少なくとも1つの位置合わせマーキングを、基板の位置合わせ時にも見ることができる、基板ホルダにおける位置合わせマーキングと相関させることによって、位置合わせマークを直接的に観察することができるようになり、したがって位置合わせ中のリアルタイム測定および閉ループ制御が可能になる。好ましい実施の形態では、付加的な測定システムは、レーザー干渉計、好ましくは3ビーム干渉計である。
【0117】
好ましい実施の形態では、ポータルに、さらなる検出手段が、特にフレーム固定されて、取り付けられている。装置について上述したものが、この実施の形態に当てはまる。
【0118】
モノポータルおよび柱を備える設備
本発明による別の装置は、上述したようなモノポータルと、特に、基板直径よりも大きな間隔を置いて互いに固定的に結合されている柱(C構造)とを有している。
【0119】
検出ユニットは、ポータルおよび柱に一体化されている。この場合にも、この実施の形態は特に、国際公開第2014/202106号と同様に、光源から位置合わせマークまでの自由光路を位置合わせマークの検出のために使用する。
【0120】
好ましくは移動経路の端部に、検出手段を備えた柱が位置付けされており、これは、基板の縁部における、相前後する位置合わせマークを検出する。このために、基板は、SVAと比較して90度回転させられて、基板ホルダ上に装填される。したがって、位置合わせマークは、線形移動に沿った一の線上に相前後して配置されている。
【0121】
上方の基板ホルダおよび下方の基板ホルダは、それぞれ、基板のカバーポジションから検出手段まで到達し、位置合わせマークで縁部を露出させる。
【0122】
モノポータルは、上述のように、装填移動また取り出し移動のような、各基板ホルダの横断を可能にする。
【0123】
位置合わせマークをモノポータルおよび柱の光路に移動させるために、基板はここで同様に唯一の位置合わせ軸線において移動させられる。
【0124】
基板の互いに対する位置合わせは、基板の接触面に配置されている位置合わせマーキングに基づいて、特に間接的に行われる。対向する基板の対向する側にある位置合わせマークは、特に互いに相補的である。
【0125】
この実施の形態においても、位置合わせされるべき複数の基板のうちの1つの基板または基板ホルダに取り付けられている付加的な、特に第3の位置合わせマーキングの検出が付加的に行われることによって位置合わせ精度を向上させることができる。
【0126】
好適には付加的な位置合わせマーキングが、基板ホルダに取り付けられている。基板ホルダのポジション検出は、位置合わせされるべき基板の位置および位置合わせ状態の補正値を供給する。付加的な測定値および他の検出ユニットの複数の測定値のうちの少なくとも1つの測定値との相関によって、位置合わせ精度が向上する。接触面間の接合界面における、複数の測定された位置合わせマーキングのうちの少なくとも1つの位置合わせマーキングを、基板の位置合わせ時にも見ることができる、基板ホルダにおける位置合わせマーキングと相関させることによって、位置合わせマークを直接的に観察することができるようになり、したがって位置合わせ中のリアルタイム測定および閉ループ制御が可能になる。好ましい実施の形態では、付加的な測定システムは、レーザー干渉計、好ましくは3ビーム干渉計である。
【0127】
好ましい実施の形態では、モノポータルおよび柱に、さらなる検出手段が、特にフレーム固定されて、取り付けられている。装置について上述したものが、この実施の形態に当てはまる。
【0128】
方法
本発明による方法の例示的な実施の形態を、装置のモノポータルの実施の形態を用いて説明する。ここでは、基板が順次装填され、スキャン移動において基板ホルダと共にポータルを通じて押し出され、これによって、各位置合わせマークのポジションと基板ホルダにおける基準とが相関的に検出される。
【0129】
基板の位置合わせマークに基づいて画像同士の位置合わせが行われる。基板ホルダのポジションが付加的な位置合わせマークによって基板のポジションに関する情報を与え、基板ホルダの実際のポジションが補正係数によって考慮されることによって、位置合わせ精度が付加的に検査される。
【0130】
本発明に係る方法の繰り返される実施の形態は、次の、特に少なくとも部分的に順次行われるステップおよび/または同時に行われるステップを含んでおり、特に次の流れを含んでいる:
1)第1の/下方の基板を、接触面でもって、第1の/下方の基板ホルダ上に装填し、ここで、対向する側(接触側)に位置合わせマークが、リニアガイドに対して平行に、すなわち基板の線形移動に沿った一の線上に配置されている。
2)特に粗い調整のための移動機器を用いて、モノポータルにおける光学システムの第1の/上方の検出ユニットの検出ポジションの視野内に、第1の/下方の基板を基板ホルダと共に移動させる。
3)特に、第1の/下方の基板ホルダを、特に3ビーム干渉計を用いて、移動距離全体の間中、測定する。変位および角度は、とりわけ、リニアガイド上の基板ホルダのポジションおよび傾斜に関する情報を与える。
4)特にパターン識別によって、第1の位置合わせマーキングを検出する。
5)同時に、特に第1の検出ユニットとの同期によって、第1の基板ホルダのX-Yポジションおよび/または位置合わせ位置を、(第3の検出ユニットを備える)本発明に係る付加的な測定システムによって検出する。変位および角度は、とりわけリニアガイド上の基板ホルダの位置(ポジション)および角度(傾斜、すなわちピッチ角およびヨー角)に関する情報を与える。
6)特にパターン識別によって、第2の位置合わせマーキングを検出する。
7)同時に、特に、第1の検出ユニットとの同期によって、第1の基板ホルダのX-Yポジションならびにピッチ角およびヨー角ならびに/または位置合わせ位置を、本発明に係る付加的な測定システム、特に(第3の検出ユニットを備える)3ビーム干渉計によって検出する。
8)第1の/下方の基板ホルダを、光学システムの視野(検出のためのビーム路)外に移動させる。
9)第2の/上方の基板を、第2の/上方の基板ホルダ上に装填する。このステップはすでに、複数の先行するステップのうちの1つの先行するステップの前に実行されてよい。
10)第2の/上方の基板ホルダを、第2の/上方の基板と共にモノポータルへ、光学システムの視野内に移動させる。
11)特に、第2の/上方の基板ホルダを、3ビーム干渉計を用いて、移動距離全体の間中、測定する。変位および角度は、とりわけリニアガイド上の基板ホルダのポジションおよび傾斜に関する情報を与える。
12)光学システムの第2の/下方の検出ユニットは、第2の/上方の基板における位置合わせマーキングを探し、検出する。ここで、光学システムは機械的に移動させられないが、フォーカシングの修正が考えられる。しかし、好ましくは、フォーカシング移動は行われない。
13)同時に、特に、第2の検出ユニットとの同期によって、第2の基板ホルダのX-Yポジションならびにピッチ角およびヨー角ならびに/または位置合わせ位置を、本発明に係る付加的な測定システム、特に(第3の検出ユニットを備える)3ビーム干渉計によって検出する。
14)特にパターン識別によって、第2の位置合わせマーキングを検出する。
15)同時に、特に、第2の検出ユニットとの同期によって、第2の基板ホルダのX-Yポジションならびにピッチ角およびヨー角ならびに/または位置合わせ位置を、本発明に係る付加的な測定システム、特に(第3の検出ユニットを備える)3ビーム干渉計によって検出する。
16)閉ループ制御コンピュータおよび評価コンピュータが、位置合わせ誤差を求め、ここでは、刊行物である米国特許第6214692号明細書における開示(Smart View)および米国特許第9418882号明細書における開示(Enhanced Smart View)が参照される。位置合わせ誤差から特に位置合わせ誤差ベクトルが作成される。これに続いて、特に少なくとも1つの補正ベクトルが計算される。補正ベクトルは、位置合わせ誤差ベクトルに対して平行でありかつ、位置合わせ誤差ベクトルに対して逆向きのベクトルであってよく、したがって位置合わせ誤差ベクトルと補正ベクトルとの和はゼロとなる。特別なケースでは、補正ベクトルの計算においてさらなるパラメータが考慮されてよく、したがって結果はゼロとは異なる。
17)微細ポジショニングによって位置合わせを行う。
18)変位/ねじれの補正を行う。
19)任意選択的なステップ:基板を接合する。この接合は、プリボンディングもしくは一時的な接合であってもよい。プリボンディングとは、プリボンディングステップが行われた後、表面に回復不能な損傷を与えることなく、依然として、基板、特にウェハの分離を行うことが可能なボンディング-結合を意味する。
20)基板積層体を、装置から取り出す。
【0131】
基板の装填順序は任意であってよい。基板の装填などのいくつかのステップが、同時に行われてよい。付加的な測定システムは、上方の基板ホルダと下方の基板ホルダとの両方、かつ/または上方の基板と下方の基板との両方のポジションおよび/または位置を検出することができる。
【0132】
本発明に係る装置は、真空においても操作可能である。したがって、この装置を真空クラスタもしくは高真空クラスタにおいて使用することが可能である。
【0133】
装置の機能的な部分および/または物質的な部分の、技術的に可能なすべての組み合わせおよび/または置換および増倍、ひいては複数のステップまたは方法のうちの少なくとも1つのステップまたは方法における、これに伴う変化が、開示されていると考察される。
【0134】
本明細書および/または後続の図面の説明において装置の特徴が開示されている限り、これらは、方法の特徴としても開示されているとみなされるべきであり、その逆も同様である。
【0135】
本発明のさらなる利点、特徴および詳細は、好ましい例示的な実施の形態の以降の説明ならびに図面に基づいて得られる。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【
図1】本発明による装置の第1の実施の形態の概略的な断面図である。
【
図2】本発明による装置の第2の実施の形態の概略的な断面図である。
【
図3a】第1のステップにおける、
図1による第1の実施の形態の概略的な拡大断面図である。
【
図3b】第2のステップにおける、
図1による第1の実施の形態の概略的な拡大断面図である。
【
図4】本発明による装置の例示的な実施の形態の概略的な斜視図である。
【0137】
図面において、同じコンポーネントまたは同じ機能を有するコンポーネントには、同じ参照符号が付されている。
【0138】
図1~
図4において、個々のコンポーネントの比率は不釣り合いである。個々の特徴の機能をよりよく表すことができるようにするために、
図1~
図4では、本発明による特徴が縮尺通りに表されていない。
【0139】
図1および
図2は、本発明による装置1、1’の2つの実施の形態の概略的な断面図を示している。これらは次のものを有している:
・第1の/上方の光学系の形態の第1の/上方の検出ユニット2、2’
・第2の/下方の光学系の形態の第2の/下方の検出ユニット3、3’
・3ビーム干渉計の形態の第3の検出ユニット4
・基板ホルダ6の形態の、または下方の基板ホルダ6を備える、第1の/下方の収容部
・基板ホルダ5の形態の、または上方の基板ホルダ5を備える、第2の/上方の収容部
・第1の/下方の基板ホルダ6用の第1の/下方の移動機器8
・第2の/上方の基板ホルダ5用の第2の/上方の移動機器7および
・第3の検出ユニット4のための第3の移動機器9
【0140】
図1および
図2に示された装置1、1’は、
図1および
図2に示されていない基板14(第1の/下方の基板)および基板20(第2の/上方の基板)および/または基板積層体を互いに位置合わせさせ、互いに結合させることができる。この結合は、一時的な結合(いわゆるプリボンディング)であってもよい。
【0141】
以降で説明する
図1~
図4における機能的なコンポーネントの可能な移動/自由度が、部分的に矢印としても象徴的に示されている。
図1および
図2に示された第1の/下方の収容部6および第2の/上方の収容部5に対して、少なくとも1つのY並進ユニット、1つのX並進ユニット、1つのZ並進ユニットおよび1つのファイ回転ユニットが可能である。
【0142】
ファイ回転ユニットは、装填されている基板14、20の、その面法線を中心とした回転を可能にする。使用されるすべての回転ユニットの再現可能なポジショニング能力の分解能は、特に1°より良好であり、好ましくは0.1°より良好であり、より好ましくは0.01°より良好であり、極めて好ましくは0.001°より良好であり、最も好ましくは0.0001°より良好である。
【0143】
使用されるすべての並進ユニットの再現可能なポジショニング能力の分解能は、特に100μmより良好であり、好ましくは10μmより良好であり、さらに好ましくは1μmより良好であり、極めて好ましくは100nmより良好であり、最も好ましくは1nmより良好である。
【0144】
図1に示された実施の形態では、第1の検出ユニット2および第2の検出ユニット3は、3つの空間方向X、YおよびZのいずれにおいても移動しない。検出ユニット2、3は、測定ポータル21に静的に組み入れられている。
【0145】
図2に示された実施の形態では、第1の検出ユニット2’および第2の検出ユニット3’は、3つの空間方向すべてにおいて移動することができる。別の実施の形態では、互いに直交する3つの軸線を中心とした光軸の回転を可能にする回転ユニットも組み入れられている。
【0146】
図1および
図2に示された第1の検出ユニット2、2’と第2の検出ユニット3、3’とは、反対の方向において焦点面10を検出することができる。
図4に示された共通の焦点10pは、第1の基板および第2の基板の理想化された接合面の点を表している。
【0147】
図1および
図2に示された装置1、1’は、特に長さ測定、ピッチ角測定およびヨー角測定によって、ならびに付加的な第3の測定装置4による真直度測定によって、基板の移動を付加的に検出する手段を提供する。付加的な第3の測定装置4は、少なくとも1つの固定された、特に位置固定された基準点もしくは基準に関連しており、これによって補正係数を求めることを可能にする。
【0148】
好ましい実施の形態では、基板14、20の移動の付加的な検出は、3ビーム干渉計または較正レーザー干渉計4を使用して実行される。この測定システム4は、新たな、付加的な光路を使用する。そのために、好ましい実施の形態では、付加的な(特に第3の)位置合わせマーキング12が、好ましくは基板ホルダ5、6に付けられる。干渉計4を使用して、
図3aおよび
図3bに従って、同時の長さ測定ならびにピッチ角検出およびヨー角検出17が実行される。
【0149】
別の好ましい実施の形態では、付加的な第3の測定機器4、特にレーザー干渉計は、位置固定されている、もしくはフレーム固定されている。
【0150】
装置の別の好ましい実施の形態では、基板ホルダおよび/または基板のポジションは、フレーム固定された少なくとも1つのレーザー干渉計を用いて、好ましくはフレーム固定された2つのレーザー干渉計を用いて測定可能である。
【0151】
基板ホルダ5、6のポジション検出は、位置合わせされるべき基板14、20の位置および位置合わせ状態の補正値を供給する。付加的な測定値と、他の検出ユニット2、2’、3、3’の複数の測定値のうち少なくとも1つの測定装置との相関とによって、位置合わせ精度が向上する。接触面間の接合界面における、
図3aおよび
図3bに示された、複数の測定された位置合わせマーキング15、16のうちの少なくとも1つの位置合わせマーキングを、基板の位置合わせ時にも見ることができる、基板ホルダ5、6における位置合わせマーキング12と相関させることによって、位置合わせマーク12を直接的に観察することができるようになり、したがって位置合わせ中のリアルタイム測定および閉ループ制御が可能になる。
【0152】
図3aに示された、本発明に係る第1のステップにおいて、第1の/下方の基板ホルダ6もしくは第1の/下方の移動機器8は、第1の/下方の基板の左側もしくは第1の位置合わせマーキング15が上方の測定機器2もしくは光学系の視野領域に位置するまで、第1の/下方の移動機器のためのリニアガイド18b(
図4に示されている)に沿って移動する。
【0153】
並進ユニットおよび回転ユニットの移動が検出可能であり、この検出データは、さらなる処理および開ループ制御のために中央制御ユニットに伝送される。
【0154】
図3bに示された、本発明に係る第2のステップにおいて、第1の/下方の基板ホルダ6もしくは第1の/下方の移動機器8は、第1の/下方の基板14の右側もしくは第2の位置合わせマーキング16が上方の測定機器2、すなわち上方の光学系の視野領域に位置するまで、第1の/下方の移動機器8のためのリニアガイド18b(
図4を参照されたい)に沿って移動する。
【0155】
図示されていない、本発明に係る第3のステップにおいて、第2の/上方の基板ホルダ5もしくは第2の/上方の移動機器7は、第2の/上方の基板20の左側もしくは第1の位置合わせマーキングが下方の測定機器3、すなわち下方の光学系の視野領域に位置するまで、第2の/上方の移動機器7のためのリニアガイド18a(
図4に示されている)に沿って移動する。
【0156】
図示されていない、本発明に係る第4のステップにおいて、第2の/上方の基板ホルダ5もしくは第2の/上方の移動機器7は、さらに、第2の/上方の基板20の右側もしくは第2の位置合わせマーキングが下方の測定機器3、すなわち下方の光学系の視野領域に位置するまで、第2の/上方の移動機器7のためのリニアガイド18a(
図4を参照されたい)に沿って移動する。
【0157】
本発明によれば、光学系は、特に、光軸に対する位置合わせマーキングのポジションが光学系によって識別可能、検出可能および格納可能であるように開ループ制御される。
【0158】
閉じられている設計での装置のレイアウトは、装置1、1’の剛性を高め、振動する可能性を最小限に抑える。基板ホルダ5、6のガイド方向を相互に可及的に正確に位置合わせすれば充分である。この場合、3ビーム干渉計4は、ポジションの変化の測定(変位の測定)、傾斜角の変化の測定(角度測定)、平坦度の測定(変位および角度の測定)、直交性の測定(角度測定)およびダイナミクスの測定(速度の測定)によって、基板ホルダ5、6の線形移動をコントロールすることができる。
【0159】
特に、傾斜角の変化を測定することによって、リニアガイド上のキャリッジの傾斜を検出することができる。真直度の測定によって、リニアガイドでのキャリッジ経路の水平方向または鉛直方向の偏差を検出もしくは正確に検出することができる。ポジション特徴は、基板14、20の位置合わせマーキング15、16のポジション値および/または位置値ならびに基板ホルダ5、6上の位置合わせマーキング12のポジション値および/または位置値から導出もしくは計算される。
【0160】
接触面間の接合界面における、
図3aおよび
図3bに示された、複数の測定された位置合わせマーキング15、16のうちの少なくとも1つの位置合わせマーキングを、基板14、20の位置合わせ時にも見ることができる、基板ホルダ5、6における位置合わせマーキング12と相関させることによって、ポジションデータの連続的な直接的な相関、ひいては位置合わせ中のリアルタイム測定および閉ループ制御が可能になる。このポジション補正は、従来の設備と比較して精度を高める。
【0161】
特に、他の測定手段を用いて検出されたX-Yポジションおよび/または位置合わせ位置に基づいて、(横方向の)位置合わせ(微調整)のための移動機器の開ループ制御および/または閉ループ制御が実行される。これらの移動機器の精度は、好適には200nm未満、好ましくは100nm未満、特に好ましくは50nm未満、非常に特に好ましくは20nm未満、さらに好ましくは10nm未満であり、理想的なケースでは1nm未満である。
【0162】
必要なすべてのパラメータを求めた後、最後のステップにおいて、2つの基板14、20の位置合わせが行われる。
【0163】
基板14、20の互いに対する位置合わせは、基板14、20の接触面に配置された位置合わせマーキング15、16に基づいて、特に間接的に行われる。
【0164】
検出ユニット(光学系)のポジション値と、基板ホルダ5、6(3ビーム干渉計)の現下のポジションおよび/または位置とから計算される位置合わせ誤差が最小化されるまで、もしくは理想的なケースでは、消去されるまで、基板ホルダ5、6は、移動機器7、8によって、ポジション閉ループ制御された形態で、特に位置閉ループ制御された形態で動かされる。択一的に、中断基準が規定される。
【0165】
その後、最後に、両方の基板14、20の接触が、好適には専ら、基板収容部5、6のZ並進ユニットの移動によって行われる。
【0166】
特定の実施の形態では、装置1、1’は、真空チャンバまたはハウジング内に配置されていてよい。装置1、1’は、クラスタの一部であってもよい。
【0167】
図4は、実施の形態の概略的な斜視図を示している。第1の/上方の検出ユニット2ならびに、必要に応じて別の上方の検出ユニットおよび/またはセンサおよび/または測定ユニット2wがモノポータル21に一体化されている。同様に、第2の/下方の検出ユニット3ならびに、必要に応じて別の下方の検出ユニットおよび/またはセンサおよび/または測定ユニット3wもモノポータル21もしくはフレーム11に一体化されている。
【0168】
図4に示された実施の形態は、さらに、次のものを有している:
・下方の基板ホルダ5および上方の基板ホルダ6それぞれに対する、3ビーム干渉計の形態の複数の(フレーム固定された)検出ユニット4
・接合されるべき側とは反対側の収容側での、第1の/下方の基板14の、特に静的に固定された収容のための、基板ホルダ6の形態の、または下方の基板ホルダ6を備えた、第1の/下方の収容部
・接合されるべき側とは反対側の収容側での、第2の/上方の基板20の、特に静的に固定された収容のための、基板ホルダ5の形態の、または上方の基板ホルダ5を備えた、第2の/上方の収容部
・第1の/下方の基板ホルダ6のための第1の/下方の移動機器8
・第2の/上方の基板ホルダ5のための第2の/上方の移動機器7
【0169】
図4は、固定軸受22およびガイド要素23を備えた、第2の/上方の移動機器のためのリニアガイド18aと、第1の/下方の移動機器のためのリニアガイド18bとを示している。
【0170】
第1の/下方の基板14の第1の位置合わせマーキング15および第2の位置合わせマーキング16は、基板14、20の主装填方向に対して実質的に平行に位置合わせされている。この方向は、リニアガイド18aおよび18bによって与えられる。基板14、20には、3つのすべての空間軸線を中心とした補正移動のための精密な駆動部19が提供されている。
【符号の説明】
【0171】
1,1’ 装置
2,2’ 第1の/上方の検出ユニット
2w 別の上方の検出ユニットおよび/またはセンサおよび/または測定ユニット
3,3’ 第2の/下方の検出ユニット
3w 別の下方の検出ユニットおよび/またはセンサおよび/または測定ユニット
4 第3の検出ユニット
5 第2の/上方の基板ホルダ
6 第1の/下方の基板ホルダ
7 基板ホルダのための第2の/上方の移動機器
8 基板ホルダのための第1の/下方の移動機器
9 第3の検出ユニットのための第3の移動機器
10 理論上の焦点面
10p 理論上の焦点
11 フレーム
12 第3の位置合わせマーキング
14 第1の/下方の基板
15 第1の/下方の基板の第1の位置合わせマーキング
16 第1の/下方の基板の第2の位置合わせマーキング
17 3ビーム干渉計4による同時の長さ測定ならびにピッチ角検出およびヨー角検出
18a 第2の/上方の移動機器のためのリニアガイド
18b 第1の/下方の移動機器のためのリニアガイド
19 精密な駆動部
20 第2の/上方の基板
21 モノポータル
22 固定軸受
23 ガイド要素