(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】光発電システム、光発電インバータ、直流コンバイナボックス
(51)【国際特許分類】
H02H 3/087 20060101AFI20240621BHJP
H02H 7/00 20060101ALI20240621BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
H02H3/087
H02H7/00 A
H02J3/38 130
(21)【出願番号】P 2022554303
(86)(22)【出願日】2020-12-31
(86)【国際出願番号】 CN2020142425
(87)【国際公開番号】W WO2022141526
(87)【国際公開日】2022-07-07
【審査請求日】2022-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】521531171
【氏名又は名称】ファーウェイ デジタル パワー テクノロジーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ジャーン,シウフオン
(72)【発明者】
【氏名】ジャーン,イエンジョーン
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-019312(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0055900(US,A1)
【文献】国際公開第2012/046331(WO,A1)
【文献】特表2015-523847(JP,A)
【文献】特開2016-208635(JP,A)
【文献】特表2015-531859(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0301772(US,A1)
【文献】特開2012-244852(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02H 3/087
H02H 7/00
H02J 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光発電システムであって、前記光発電システムは、
複数の保護スイッチと複数のDC-DCコンバータを含み、
各DC-DCコンバータは、直流バス、DC-DC回路、及び少なくとも1つの入力インタフェースを含み、
前記入力インタフェースは、光発電ユニットに結合するよう構成され、前記光発電ユニットは複数の光発電モジュールを含み、
前記入力インタフェースは、
前記複数の保護スイッチを使用して前記直流バスに結合され、前記複数の光発電モジュールのうちの第1の複数の光発電モジュールの正
又は負の出力端が前記複数の保護スイッチのうちの
1つの保護スイッチに結合され、前記第1の複数の光発電モジュールの
反対の出力端が前記複数の保護スイッチのうちの第1の複数の保護スイッチのうちの少なくとも2つにそれぞれ結合され、前記直流バスは前記DC-DC回路の入力端に結合され、前記DC-DC回路の出力端は前記DC-DCコンバータの出力端であり、
前記保護スイッチは、直列に結合されたリリース装置及びスイッチ装置を含み、
前記リリース装置は、前記リリース装置が配置されている線路で短絡障害が発生したことに起因して保護動作がトリガされる場合に、前記光発電ユニット、前記線路、又は前記光発電システムを保護するために、保持機構をリリースし、前記スイッチ装置を切断するよう制御するよう構成される、光発電システム。
【請求項2】
前記リリース装置は電磁リリース装置であり、前記短絡障害は、前記リリース装置が配置される線路上の逆電流が第1電流値より大きくなること、又は短絡障害が生じることを含み、前記リリースが配置される線路上の逆電流が第1電流値より大きい、又は前記リリース装置が配置される線路上の過電流が生じる場合、前記リリース装置は前記スイッチ装置を切断されるように制御する、請求項1に記載の光発電システム。
【請求項3】
前記リリース装置は電磁リリース装置であり、前記リリース装置が配置される線路上で過電流が生じる場合、前記リリース装置は前記スイッチ装置を切断されるように制御する、請求項1に記載の光発電システム。
【請求項4】
前記リリース装置は熱リリース装置であり、前記リリース装置が配置される線路上で過電流が生じる場合、前記リリース装置は前記スイッチ装置を切断されるように制御する、請求項1に記載の光発電システム。
【請求項5】
各入力インタフェースが1つの光発電ユニットに結合される、請求項1~4のいずれか一項に記載の光発電システム。
【請求項6】
最大2個の光発電ユニットは、並列に結合され、次に前記入力インタフェースに結合される、請求項1~4のいずれか一項に記載の光発電システム。
【請求項7】
最大3個の光発電ユニットは、並列に結合され、次に前記入力インタフェースに結合される、請求項1~4のいずれか一項に記載の光発電システム。
【請求項8】
前記光発電システムは、さらに、DC-ACコンバータを含み、前記DC-ACコンバータ及び前記複数のDC-DCコンバータは、インバータを形成し、
前記複数のDC-DCコンバータの正の出力ポートは、前記DC-ACコンバータの正の入力ポートに並列に結合され、前記複数のDC-DCコンバータの負の出力ポートは、前記DC-ACコンバータの負の入力ポートに並列に結合される、請求項1~7のいずれか一項に記載の光発電システム。
【請求項9】
前記複数のDC-DCコンバータは、直流コンバイナボックスを形成し、
前記複数のDC-DCコンバータの正の出力ポートは、並列に結合されて、前記直流コンバイナボックスの正の出力ポートを形成し、
前記複数のDC-DCコンバータの負の出力ポートは、並列に結合されて、前記直流コンバイナボックスの負の出力ポートを形成する、請求項1~7のいずれか一項に記載の光発電システム。
【請求項10】
前記光発電システムは、保護装置を更に含み、
前記保護装置は、前記光発電ユニットに直列又は並列に結合され、
前記リリース装置は、前記スイッチ装置を切断されるよう制御するとき、前記保護装置が保護動作をトリガするのを防ぐよう更に構成される、請求項1~9のいずれか一項に記載の光発電システム。
【請求項11】
前記保護装置は、以下:
ヒューズ、オプティマイザ、切断ボックス、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の光発電システム。
【請求項12】
光発電インバータであって、光発電ユニットに結合するよう構成され、前記光発電ユニットは、複数の光発電モジュールを含み、前記光発電インバータは、複数の保護スイッチ、DC-ACコンバータ、及び複数のDC-DCコンバータを含み、
各DC-DCコンバータは、直流バス、DC-DC回路、及び少なくとも1つの入力インタフェースを含み、
前記入力インタフェースは、前記光発電ユニットに結合するよう構成され、前記光発電ユニットは複数の光発電モジュールを含み、
前記入力インタフェースは、前記複数の保護スイッチを使用して前記直流バスに結合され、前記複数の光発電モジュールのうちの第1の複数の光発電モジュールの正
又は負の出力端が前記複数の保護スイッチのうちの
1つの保護スイッチに結合され、前記第1の複数の光発電モジュールの
反対の出力端
が前記複数の保護スイッチのうちの第1の複数の保護スイッチのうちの少なくとも2つにそれぞれ結合され、前記直流バスは前記DC-DC回路の入力端に結合され、前記DC-DC回路の出力端は前記DC-DCコンバータの出力端であり、
前記複数のDC-DCコンバータの前記出力端の正のポートは、前記DC-ACコンバータの正の入力ポートに並列に結合され、前記複数のDC-DCコンバータの前記出力端の負のポートは、前記DC-ACコンバータの負の入力ポートに並列に結合され、
前記保護スイッチは、直列に結合されたリリース装置及びスイッチ装置を含み、
前記リリース装置は、前記リリース装置が配置されている線路で短絡障害が発生した場合に、前記光発電ユニット又は前記光発電インバータを保護するために、保持機構をリリースし前記スイッチ装置を切断するよう制御するよう構成される、光発電インバータ。
【請求項13】
前記リリース装置は電磁リリース装置であり、前記リリース装置が配置される線路上の逆電流が第1電流値より大きい、又は前記リリース装置が配置される線路上の過電流が生じる場合、前記リリース装置は前記スイッチ装置を切断されるように制御する、請求項12に記載の光発電インバータ。
【請求項14】
前記リリース装置は電磁リリース装置であり、前記リリース装置が配置される線路上で過電流が生じる場合、前記リリース装置は前記スイッチ装置を切断されるように制御する、請求項12に記載の光発電インバータ。
【請求項15】
前記リリース装置は熱リリース装置であり、前記リリース装置が配置される線路上で過電流が生じる場合、前記リリース装置は前記スイッチ装置を切断されるように制御する、請求項14に記載の光発電インバータ。
【請求項16】
直流コンバイナボックスであって、光発電ユニットに結合するよう構成され、前記光発電ユニットは、複数の光発電モジュールを含み、前記直流コンバイナボックスは、複数の保護スイッチ、及び複数のDC-DCコンバータを含み、
各DC-DCコンバータは、直流バス、DC-DC回路、及び少なくとも1つの入力インタフェースを含み、
前記入力インタフェースは、前記光発電ユニットに結合するよう構成され、前記光発電ユニットは複数の光発電モジュールを含み、
前記入力インタフェースは、前記複数の保護スイッチを使用して前記直流バスに結合され、前記複数の光発電モジュールのうちの第1の複数の光発電モジュールの正
又は負の出力端が前記複数の保護スイッチのうちの
1つの保護スイッチに結合され、前記第1の複数の光発電モジュールの
反対の出力端が前記複数の保護スイッチのうちの第1の複数の保護スイッチのうちの少なくとも2つにそれぞれ結合され、前記直流バスは前記DC-DC回路の入力端に結合され、前記DC-DC回路の出力端は前記DC-DCコンバータの出力端であり、
前記複数のDC-DCコンバータの前記出力端の正のポートは、前記直流コンバイナボックスの正の出力ポートに並列に結合され、
前記複数のDC-DCコンバータの前記出力端の負のポートは、前記直流コンバイナボックスの負の出力ポートに並列に結合され、
前記保護スイッチは、直列に結合されたリリース装置及びスイッチ装置を含み、
前記リリース装置は、前記リリース装置が配置されている線路で短絡障害が発生したことに起因して保護動作がトリガされる場合に、前記光発電ユニット又は前記線路を保護するために、保持機構をリリースし、前記スイッチ装置を切断するよう制御するよう構成される、直流コンバイナボックス。
【請求項17】
前記リリース装置は電磁リリース装置又は熱リリース装置であり、前記リリース装置が配置される線路上の逆電流が第1電流値より大きい場合、又は前記リリース装置が配置される線路上の過電流が生じる場合、前記リリース装置は前記スイッチ装置を切断されるように制御する、請求項16に記載の直流コンバイナボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、光発電技術の分野、特に光発電システム、光発電インバータ、直流コンバイナボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
光発電は、光エネルギを電気エネルギに変換するために半導体界面の光起電力効果を使用する技術である。光発電システムは、通常、光発電ユニット、インバータ、交流配電装置などを含むことができる。比較的高い出力電圧又は出力電流を得るために、通常、複数の光発電モジュールを特定の直列及び/又は並列結合方法で接続することによって光発電ユニットを形成する。光発電システムの発電効率を向上させるために、独立した最大電力点追従(Maximum Power Point Tracking, MPPT)機能を持つコンポーネントに光発電ユニットを結合する。
【0003】
現在、光発電システムの直流比(光発電ユニットの電力の光発電インバータの入力電力に対する比)を向上するために、通常、各MPPTコンポーネントは少なくとも2つの光発電ユニットに結合されている。光発電ユニット又は光発電ユニットが配置されている線路が短絡している例では、短絡電流は結合されている他の光発電装置の出力電流の和である。結合されている光発電ユニットがもう1つしかない場合は、短絡電流が比較的小さいため、光発電ユニットと線路はこの短絡電流に耐えることができる。しかし、結合された他の光発電ユニットが2つ以上ある場合、短絡電流は比較的大きくなる。光発電ユニットと線路を保護するために、ヒューズを光発電ユニットの正の出力端又は負の出力端に直列に結合して、ヒューズが切れて、光発電ユニットと線路を保護することができる。
【0004】
しかし、ヒューズの溶断電流は通常比較的高く、各光発電ユニットの出力電流は比較的低い。そのため、複数の光発電ユニットの短絡電流の合計がヒューズの溶断電流に到達しにくい場合がある。そのため、ヒューズの切断にかかる時間が長くなり、ヒューズは光発電ユニットと線路を効果的に保護できない。
【発明の概要】
【0005】
本願は、光発電システム、光発電インバータ、直流コンバイナボックスを提供し、光発電ユニット又は線路に短絡が発生した場合に、光発電ユニット及び線路を効果的に保護する。
【0006】
第1の態様によると、本願は、光発電システムを提供する。光発電システムは、保護スイッチと複数の直流(Direct Current, DC)-直流コンバータとを含む。各DC-DCコンバータは、直流バス、DC-DC回路、及び少なくとも1つの入力インタフェースを含む。入力インタフェースは光発電ユニットに結合するように構成され、光発電ユニットは少なくとも1つの光発電モジュールを含む。入力インタフェースは保護スイッチを使用して直流バスに結合され、直流バスはDC-DC回路の入力端に結合され、DC-DC回路の出力端はDC-DCコンバータの出力端である。保護スイッチは、直列に結合されたリリース装置及びスイッチ装置を含む。リリース装置は、リリース装置が配置されている線路で短絡障害が発生した場合に、スイッチ装置を切断されるよう制御するように構成される。
【0007】
光発電システムによると、光発電ユニットで短絡障害が発生した場合、リリース装置がスイッチ装置を切断されるよう制御し、インタフェースを直流バスから切断し、インタフェースが直流バスから切断され、インタフェースに結合された光発電ユニットが直流バスから切断される。そのため、他のインタフェースに結合された光発電ユニットは、短絡障害のある光発電ユニットが配置された線路に電流を出力せず、光発電ユニットと線路を損傷から保護する。リリース装置の制御下でスイッチ装置によってトリガされる保護動作に基づいて、追加の制御回路を必要とせず、ソリューションの実装の困難さを軽減する。また、ヒューズがもはや使用されなくなるため、本来内蔵ヒューズに使用されていたYワイヤハーネスを光発電システムの光発電インバータや直流コンバイナボックスの下に配置するのではなく、光発電ユニット側に配置することができ、ケーブルコストが更に低減される。
【0008】
可能な実装では、リリース装置は電磁リリース装置である。リリース装置が配置される線路上の逆電流が第1電流値より大きい場合、リリース装置はスイッチ装置を切断されるように制御する。第1電流値は、電磁リリース装置の電気パラメータに関連する。
【0009】
可能な実装では、リリース装置は電磁リリース装置である。リリース装置が配置される線路上で過電流が生じる場合、リリース装置はスイッチ装置を切断されるように制御する。
【0010】
可能な実装では、リリース装置は熱リリース装置である。リリース装置が配置される線路上で過電流が生じる場合、リリース装置はスイッチ装置を切断されるように制御する。例えば、バイメタルシートの熱リリースでは、リリース装置が配置されている線路に過電流が発生すると、バイメタルシートが熱を発生させてスイッチ装置を作動させる。
【0011】
可能な実装では、各入力インタフェースは1つの光発電ユニットに結合される。
【0012】
可能な実装では、最大2つの光発電ユニットが並列に結合され、次に入力インタフェースに結合される。この場合、各光発電ユニットは、1つ又は2つの他の光発電ユニットにより入力される電流に耐えることができる。
【0013】
可能な実装では、最大3つの光発電ユニットが並列に結合され、次に入力インタフェースに結合される。この場合、各光発電ユニットは、最大2つの他の光発電ユニットにより入力される電流に耐えることができる。
【0014】
可能な実装では、光発電システムはさらに直流-交流(Alternating Current, AC)回路を含み、DC-ACコンバータと複数のDC-DCコンバータがインバータを形成する。複数のDC-DCコンバータの正の出力ポートは、DC-ACコンバータの正の入力ポートに並列に結合され、複数のDC-DCコンバータの負の出力ポートは、DC-ACコンバータの負の入力ポートに並列に結合され、DC-ACコンバータの出力ポートは、インバータの出力ポートである。
【0015】
可能な実装では、複数のDC-DCコンバータは、直流コンバイナボックスを形成し、複数のDC-DCコンバータの正の出力ポートは、並列に結合されて、直流コンバイナボックスの正の出力ポートを形成し、複数のDC-DCコンバータの負の出力ポートは、並列に結合されて、直流コンバイナボックスの負の出力ポートを形成する。
【0016】
可能な実装では、光発電システムはさらに保護装置を更に含む。保護装置は、光発電ユニットに直列又は並列に結合される。リリース装置は、スイッチ装置を切断されるよう制御するとき、保護装置が保護動作をトリガすることを防ぐようにさらに構成される。
【0017】
つまり、保護装置を使用している現在の光発電システムが再構築される場合、再構築を容易にするために、保護装置を取り外す必要がなくてよい。
【0018】
可能な実装では、保護装置はヒューズ、オプティマイザ、又は切断ボックスの少なくとも1つを含む。
【0019】
第2の態様によると、本願はさらに、光発電ユニットに結合するように構成された光発電インバータを提供する。光発電ユニットは少なくとも1つの光発電モジュールを含み、光発電インバータは保護スイッチ、DC-ACコンバータ、及び複数のDC-DCコンバータを含む。各DC-DCコンバータは、直流バス、DC-DC回路、及び少なくとも1つの入力インタフェースを含む。入力インタフェースは光発電ユニットに結合するように構成され、光発電ユニットは少なくとも1つの光発電モジュールを含む。入力インタフェースは保護スイッチを使用して直流バスに結合され、直流バスはDC-DC回路の入力端に結合され、DC-DC回路の出力端はDC-DCコンバータの出力端である。複数のDC-DCコンバータの出力端の正のポートは、DC-ACコンバータの正の入力ポートに並列に結合され、複数のDC-DCコンバータの出力端の負のポートはDC-ACコンバータの負の入力ポートに並列に結合される。保護スイッチは、直列に結合されたリリース装置及びスイッチ装置を含む。リリース装置は、リリース装置が配置されている線路で短絡障害が発生した場合に、スイッチ装置を切断されるよう制御するように構成される。
【0020】
光発電インバータによると、結合された光発電ユニットで短絡障害が発生した場合、リリース装置がスイッチ装置を切断されるよう制御し、インタフェースを直流バスから切断し、インタフェースが直流バスから切断され、インタフェースに結合された光発電ユニットが直流バスから切断される。そのため、他のインタフェースに結合された光発電ユニットは、短絡障害のある光発電ユニットが配置された線路に電流を出力せず、光発電ユニットと線路を損傷から保護する。リリース装置の制御下でスイッチ装置によってトリガされる保護動作に基づいて、追加の制御回路を必要とせず、ソリューションの実装の困難さを軽減する。また、ヒューズがもはや使用されなくなるため、本来内蔵ヒューズに使用されていたYワイヤハーネスを光発電システムの光発電インバータの下に配置するのではなく、光発電ユニット側に配置することができる。そのため、ケーブルのコストはさらに削減される。
【0021】
第2の態様を参照して、可能な実装では、リリース装置は電磁リリース装置である。リリース装置が配置される線路上の逆電流が第1電流値より大きい場合、リリース装置はスイッチ装置を切断されるように制御する。
【0022】
第2の態様を参照して、可能な実装では、リリース装置は電磁リリース装置である。リリース装置が配置される線路上で過電流が生じる場合、リリース装置はスイッチ装置を切断されるように制御する。
【0023】
第2の態様を参照して、可能な実装では、リリース装置は熱リリース装置である。リリース装置が配置される線路上で過電流が生じる場合、リリース装置はスイッチ装置を切断されるように制御する。
【0024】
第3の態様によると、本願はさらに、光発電ユニットに結合するように構成された直流コンバイナボックスを提供する。光発電ユニットは少なくとも1つの光発電モジュールを含み、直流コンバイナボックスは保護スイッチ及び複数のDC-DCコンバータを含む。各DC-DCコンバータは、直流バス、DC-DC回路、及び少なくとも1つの入力インタフェースを含む。入力インタフェースは光発電ユニットに結合するように構成され、光発電ユニットは少なくとも1つの光発電モジュールを含む。入力インタフェースは保護スイッチを使用して直流バスに結合され、直流バスはDC-DC回路の入力端に結合され、DC-DC回路の出力端はDC-DCコンバータの出力端である。複数のDC-DCコンバータの出力端の正のポートは、直流コンバイナボックスの正の入力ポートに並列に結合され、複数のDC-DCコンバータの出力端の負のポートは直流コンバイナボックスの負の出力ポートに並列に結合される。保護スイッチは、直列に結合されたリリース装置及びスイッチ装置を含む。リリース装置は、リリース装置が配置されている線路で短絡障害が発生した場合に、スイッチ装置を切断されるよう制御するように構成される。
【0025】
直流コンバイナボックスによると、結合された光発電ユニットで短絡障害が発生した場合、リリース装置がスイッチ装置を切断されるよう制御し、インタフェースを直流バスから切断し、インタフェースが直流バスから切断され、インタフェースに結合された光発電ユニットが直流バスから切断される。そのため、他のインタフェースに結合された光発電ユニットは、短絡障害のある光発電ユニットが配置された線路に電流を出力せず、光発電ユニットと線路を損傷から保護する。リリース装置の制御下でスイッチ装置によってトリガされる保護動作に基づいて、追加の制御回路を必要とせず、ソリューションの実装の困難さを軽減する。また、ヒューズがもはや使用されなくなるため、本来内蔵ヒューズに使用されていたYワイヤハーネスを光発電システムの直流コンバイナボックスの下に配置するのではなく、光発電ユニット側に配置することができる。そのため、ケーブルのコストはさらに削減される。
【0026】
第3の態様を参照して、可能な実装では、リリース装置は電磁リリース装置である。リリース装置が配置される線路上の逆電流が第1電流値より大きい場合、リリース装置はスイッチ装置を切断されるように制御する。
【0027】
第3の態様を参照して、可能な実装では、リリース装置は電磁リリース装置である。リリース装置が配置される線路上で過電流が生じる場合、リリース装置はスイッチ装置を切断されるように制御する。
【0028】
第3の態様を参照して、可能な実装では、リリース装置は熱リリース装置である。リリース装置が配置される線路上で過電流が生じる場合、リリース装置はスイッチ装置を切断されるように制御する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】従来技術で使用される短絡保護回路の概略
図1である。
【0030】
【
図2】従来技術で使用される短絡保護回路の概略
図2である。
【0031】
【
図3】従来技術で使用される短絡保護回路の概略
図3である。
【0032】
【
図4】本願の実施形態によるブランチの概略図である。
【0033】
【
図5】本願の実施形態による別のブランチの概略図である。
【0034】
【
図6】本願の実施形態による光発電システムの概略図である。
【0035】
【
図7】本願の実施形態による別の光発電システムの概略図である。
【0036】
【
図8】本願の実施形態による更に別の光発電システムの概略図である。
【0037】
【
図9】本願の実施形態によるまた別の光発電システムの概略図である。
【0038】
【
図10】本願の実施形態による別の光発電システムの概略図である。
【0039】
【
図11】本願の実施形態による更に別の光発電システムの概略図である。
【0040】
【
図12】本願の実施形態によるまた別の光発電システムの概略図である。
【0041】
【
図13】本願の実施形態による別の光発電システムの概略図である。
【0042】
【
図14】本願の実施形態による更に別の光発電システムの概略図である。
【0043】
【
図15】本願の実施形態によるまた別の光発電システムの概略図である。
【0044】
【
図16】本願の実施形態による別の光発電システムの概略図である。
【0045】
【
図17】本願の実施形態による更に別の光発電システムの概略図である。
【0046】
【
図18】本願の実施形態によるまた別の光発電システムの概略図である。
【0047】
【
図19】本願の実施形態による別の光発電システムの概略図である。
【0048】
【
図20】本願の実施形態による更に別の光発電システムの概略図である。
【0049】
【
図21】本願の実施形態によるまた別の光発電システムの概略図である。
【0050】
【
図22】本願の実施形態による光発電インバータの概略図である。
【0051】
【
図23】本願の実施形態による直流コンバイナボックスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
光発電システムの直流比を改善するために、通常、各MPPTコンポーネントは少なくとも2つ以上の光発電ユニットに結合される。また、光発電ユニット又は線路が短絡した場合に、光発電装置及び線路を保護するために、光発電ユニットの正出力端又は負出力端はヒューズに直列に結合される(又はヒューズブローと呼ぶ)。各MPPTコンポーネントが3つのブランチに結合される例を以下に説明する。各MPPTコンポーネントがより多くのブランチに結合されている場合の原理も同様である。詳細はここで再び記載されない。
【0053】
図1~
図3のすべてを参照する。
図1は、光発電ユニットの正の出力端と負の出力端の両方が直列にヒューズに結合される概略図である。
図2は、光発電ユニットの正の出力端が直列にヒューズに結合される概略図である。
図3は、光発電ユニットの負の出力端が直列にヒューズに結合される概略図である。
【0054】
各ブランチは1つの光発電モジュール101を含む。スイッチ102の前に3つのブランチを並列に結合し、次に直流スイッチ102を用いてMPPTコンポーネント103に結合される。
図1のfuse1~fuse6、
図2のfuse1~fuse3、及び
図3のfuse1~fuse3は、線路内の電流が過度に大きい場合に、光発電モジュールと線路を保護するために溶断するヒューズである。
【0055】
しかし、光発電ユニットの実際の出力電流は比較的小さいため、ヒューズを素早く溶断できない。定格電流が15Aのヒューズを例にとる。ヒューズ規格によると、ヒューズが溶断しない場合、許容電流は最大1.13×15=16.95Aに達する可能性があり、1時間以内にヒューズが溶断するために必要な電流は1.35×15=20.25Aである。短絡電流は、ヒューズを速く溶断するために必要な電流を満たすことが困難である。そのため、ヒューズが溶断しない場合や、比較的長い時間を要する場合がある。そのため、光発電ユニットや線路を効果的に保護することができない。幾つかの実施形態では、ケーブル保護を考慮する必要があるため、DC-DCコンバータ側に内蔵ヒューズのYワイヤハーネスをさらに配置する必要があり、比較的長いケーブルを使用してDC-DCコンバータの光発電ユニットを接続することができる。これにより、ケーブルコストがさらに増加する。
【0056】
前述の技術的問題を解決するため、本願は、光発電システム、光発電インバータ、直流コンバイナボックスを提供し、光発電ユニット又は線路に短絡が発生した場合に、光発電ユニット及び線路を効果的に保護する。詳細は添付図面を参照して後述する。
【0057】
以下の用語「第1」、「第2」、等は、単に説明の目的を意図しており、相対的な重要性の指示又は示唆、又は示される技術的特徴の量の暗示的示唆として理解されるべきではない。従って、「第1」、「第2」、等により限定される特徴は、明示的又は暗示的に1つ以上の特徴を含んでよい。
【0058】
当業者に本発明の技術的ソリューションをより理解させるために、以下は、本願の実施形態における添付の図面を参照して、本願の実施形態における技術的ソリューションを明確に説明する。
【0059】
以下の実施形態における1つの光発電ユニットは、1つの光発電モジュールを含む場合もあれば、複数の光発電モジュールを直列及び/又は並列に結合して形成される場合もある。例えば、複数の光発電モジュールを直列に結合して光発電ストリングを形成した後、複数の光発電ストリングを並列に結合して光発電ユニットを形成する。光発電ユニットに含まれる特定数の光発電モジュールは、本願の本実施形態においては特に制限されておらず、実際の要件に基づいて当業者が設定することができる。さらに、単一の光発電モジュールの電気パラメータは、本願の本実施形態では特に制限されない。
【0060】
同じDC-DCコンバータに結合された複数の光発電ユニットの出力電圧は、同じであっても異なっていてもよい。これは、本願の本実施形態において具体的に限定されない。
【0061】
本願の本実施形態で提供される光発電システムのDC-DCコンバータは、インタフェースを使用して少なくとも2つの光発電ユニットに結合することができる。インタフェースを用いて接続した後、DC-DCコンバータ内部で直流バスに光発電ユニットを並列に結合することで、光発電ユニットの出力電流を直流バスに集約してブランチを形成することができる。以下ではまず、既存の形式のブランチについて具体的に説明する。
【0062】
図4は、本願の実施形態によるブランチの概略図である。
【0063】
ブランチは光発電ユニット101a1を含み、光発電ユニット101a1の正の出力端はブランチの正の出力端であり、光発電ユニット101a1の負の出力端はブランチの負の出力端である。これは以下の実施形態の説明では説明されない。
【0064】
図5は、本願の実施形態による別のブランチの概略図である。
【0065】
ブランチは、
図4に示す複数のブランチを含むことができる。したがって、例えば101a1、101a2、...、101aiのように、少なくとも2つの光発電ユニットが順番に含まれる。
【0066】
本願の本実施形態におけるブランチは、電気分野における概念であり、直流バスに集約されるブランチ電流が流れる線路を指すものと理解することができる。なお、
図5を例にとると、光発電ユニット101a1が配置される線路をブランチと呼び、光発電ユニット101a1と光発電ユニット101a2を並列に結合することにより形成される線路をブランチと呼ぶこともある。すべての光発電ユニットの正の出力端を集約してブランチの正の出力端を形成し、すべての光発電ユニットの負の出力端を集約してブランチの負の出力端を形成する。
【0067】
以下の各実施形態における「ブランチ」とは、具体的には、
図4及び
図5に示したすべてのブランチの総称、すなわち、トランク(直流バス)を除くすべてのブランチの総称を指す。
【0068】
以下は、光発電システムが1つのDC-DCコンバータを含む例を使用して説明する。光発電システムが複数のDC-DCコンバータを含むとき、原理は同様であり、詳細は本願において説明されない。
【0069】
図6は、本願の実施形態による光発電システムの概略図である。
【0070】
光発電システムは、光発電ユニット101、保護スイッチS1~SM+N、DC-DCコンバータ200を含む。
【0071】
DC-DCコンバータ200は、インタフェース、直流バス、及びDC-DC回路201を含む。
【0072】
DC-DCコンバータ200は、インタフェースを使用して光発電ユニットに結合されてよい。同じインタフェースに結合される光発電ユニットの数は、本願において具体的に限定されない。
【0073】
1つのインタフェースが複数の光発電ユニットに結合される場合、複数の光発電ユニットは並列に結合されて
図5に示すブランチを形成し、次にインタフェースに結合される。
【0074】
各光発電ユニットは、少なくとも1つの光発電モジュールを含む。
【0075】
各保護スイッチは、直列に結合されたリリース装置及びスイッチ装置を含む。リリース装置は、リリース装置が配置されている線路で短絡障害が発生した場合に、スイッチ装置を切断されるよう制御するように構成される。つまり、この場合、保護スイッチを切断し、保護スイッチが配置される線路の入力インタフェースは直流バスから切断されて、短絡障害のある線路をカットオフする。
【0076】
図6を例にとると、1つの光発電ユニットに短絡障害が発生し、障害になった光発電ユニットが互いに正常な光発電ユニットの出力電流に耐えられる場合、図中のiの値は2となる。
【0077】
別の例では、1つの光発電ユニットに短絡障害が発生し、障害になった光発電ユニットが2つの他の正常な光発電ユニットの出力電流に耐えられる場合、図中のiの値は3となる。
【0078】
具体的なiの値は、光発電ユニットの実際の電流許容値に基づいて決定される。これは、本願の本実施形態において具体的に限定されない。
図6の図は単に図示及び説明を容易にするためであることに留意すべきである。図中のi個の光発電ユニットは、DC-DCコンバータ200の内部に並列に結合されてもよく、直流バスを結合するためのインタフェースに並列に最初に外部に結合されてもよい。
【0079】
短絡障害がない場合は、すべてのブランチの電流が直流バスに集約される。したがって、直流バスの電流の絶対値は、どのブランチの電流の絶対値よりも大きくなる。電流方向は、光発電ユニットの正極から正の直流バスへ流れている。
【0080】
いずれかのブランチに短絡障害が発生した場合、全ての他の正常ブランチの出力電流は短絡障害のあるブランチに流れ、短絡障害のあるブランチ上では逆電流が生じる。M+Nの値が2より大きい場合、短絡障害のあるブランチでさらに過電流が発生する。
【0081】
リリース装置は、スイッチ装置に機械的に結合され、保護動作がトリガされたときに保持機構を解放するように構成されているため、スイッチ装置は自動的に切断される。リリース装置の原理は、以下の通りである。リリース装置が配置されているブランチに逆電流又は過電流が発生した場合、リリース装置はスイッチ装置を切断されるように制御し、光発電ユニット及び線路を保護する。
【0082】
DC-DC回路201は、具体的にはブースト(Boost)回路、バック(Buck)回路、又はバックブースト(Buck-Boost)回路である。
【0083】
纏めると、光発電システムによると、光発電ユニットで短絡障害が発生した場合、リリース装置がスイッチ装置を切断されるよう制御し、インタフェースを直流バスから切断し、インタフェースが直流バスから切断され、インタフェースに結合された光発電ユニットが直流バスから切断される。そのため、他のインタフェースに結合された光発電ユニットは、短絡障害のある光発電ユニットが配置された線路に電流を出力せず、光発電ユニットと線路を損傷から保護する。リリース装置の制御下でスイッチ装置によってトリガされる保護動作に基づいて、追加の制御回路を必要とせず、ソリューションの実装の困難さを軽減する。また、ヒューズがもはや使用されなくなるため、本来内蔵ヒューズに使用されていたYワイヤハーネスを光発電システムの光発電インバータや直流コンバイナボックスの下に配置するのではなく、光発電ユニット側に配置することができ、ケーブルコストが更に低減される。
【0084】
リリース装置は異なる方法で実装される場合がある。例えば、可能な実施形態では、リリース装置は電磁リリース装置である。リリース装置が配置されるブランチ上の逆電流が第1電流値より大きい場合、リリース装置は、スイッチ装置を切断されるように制御する。幾つかの他の実施形態では、リリース装置は電磁リリース装置である。リリース装置が配置されるブランチ上で過電流が生じる場合、リリース装置はスイッチ装置を切断されるように制御する。更に幾つかの他の実施形態では、リリース装置は熱リリース装置である。リリース装置が配置されるブランチ上で過電流が生じる場合、リリース装置はスイッチ装置を切断されるように制御する。
【0085】
以下は、光発電システムの実装について具体的に説明する。
【0086】
以下は、まずDC-DCコンバータが2つの光発電ユニットに結合される例を用いて説明する。
【0087】
図7は、本願の実施形態による別の光発電システムの概略図である。
【0088】
各DC-DCコンバータ200は、インタフェースを使用して2つの光発電ユニット101a1、101a2に結合されている。
【0089】
2つの光発電ユニットはDC-DCコンバータ200のインタフェースに結合されている。DC-DCコンバータ200の内部で並列に結合した後、2つの光発電ユニットは、直流スイッチ102を使用してDC-DC回路201に結合される。直流スイッチ102は回路を保護するように構成されている。幾つかの実施例では、直流スイッチ102を配置する代わりに、直接結合が行われてよい。
【0090】
各光発電ユニットはさらに保護スイッチS1に直列に結合される。
【0091】
短絡障害がない場合は、2つの光発電ユニットの電流は直流バスに集約される。直流バスの電流の絶対値(A点又はB点の検出電流の絶対値)が、どのブランチの電流の絶対値(C点又はD点の検出電流の絶対値)よりも大きい。
【0092】
一方の光発電ユニットに短絡障害が発生すると、もう一方の正常な光発電ユニットの出力電流は、短絡した光発電ユニットに流れる。その結果、短絡障害のある光発電ユニットが配置されるブランチに逆電流が発生する。
【0093】
この場合、リリース装置は電磁リリース装置であってよい。リリース装置が配置されるブランチ上の逆電流が第1電流値より大きい場合、リリース装置は、スイッチ装置を切断されるように制御する。
【0094】
光発電ユニット101a1が配置されているブランチに短絡障害が発生した場合、保護スイッチS1が切断され、光発電ユニット101a1が配置されているブランチを切断し、それにより光発電ユニット及び線路を保護する。光発電ユニット101a2が配置されているブランチに短絡障害が発生した場合、保護スイッチS2が切断され、光発電ユニット101a2が配置されているブランチを切断し、それにより光発電ユニット及び線路を保護する。
【0095】
幾つかの実施形態では、保護スイッチは、光発電ユニットの正の出力端に直列に結合されてよく、又は光発電ユニットの負の出力端に直列に結合されてもよい。代替として、1つの保護スイッチが光発電ユニットの正の出力端と負の出力端の各々に直列に結合され、冗長制御を実現することもできる。これは、本願の本実施形態において具体的に限定されない。
【0096】
他の幾つかの実施例では、1つのDC-DC回路が2つの光発電ユニットのみに結合されている場合、保護スイッチS1とS2のいずれかが削除されてよい。例えば、S1が削除された後、光発電ユニット101a1が短絡した場合、光発電ユニット101a2は、光発電ユニット101a1が配置されるブランチに電流を流すが、その電流は光発電ユニット101a1の許容範囲内である。そのため、光発電ユニット101a1は損傷しない。光発電ユニット101a2が短絡した場合、保護スイッチS2が切断されて、回路を保護する。
【0097】
纏めると、光発電システムのスイッチ装置が切断されると、インタフェースが直流バスから切断され、インタフェースに結合された光発電ユニットは直流バスから切断される。そのため、他のインタフェースに結合された光発電ユニットは、短絡障害のある光発電ユニットが配置された線路に電流を出力せず、光発電ユニットと線路を損傷から保護する。リリース装置の制御下でスイッチ装置によってトリガされる保護動作に基づいて、追加の制御回路を必要とせず、ソリューションの実装の困難さを軽減する。また、ヒューズがもはや使用されなくなるため、本来内蔵ヒューズに使用されていたYワイヤハーネスを光発電システムの光発電インバータや直流コンバイナボックスの下に配置するのではなく、光発電ユニット側に配置することができ、ケーブルコストが更に低減される。
【0098】
上記の実施例は、各DC-DCコンバータが2つの入力インタフェースを用いて光発電ユニットに結合される例を用いて説明された。しかし、現在では、光発電システムの直流比を改善するために、通常、各DC-DCコンバータに3つ、4つ、さらに多くの入力インタフェースを配置して、光発電ユニットを結合することができる。以下は、まず、各DC-DCコンバータに3つの入力インタフェースが配置されている場合の動作原理を説明する。
【0099】
図8は、本願の実施形態による更に別の光発電システムの概略図である。
【0100】
DC-DCコンバータの3つの入力インタフェースには、各々3つの光発電ユニットが結合されている。DC-DCコンバータ内部の1つの保護スイッチに3つの光発電ユニットが直列に結合された後、3つの光発電ユニットは並列に結合され、次に直流スイッチ102を用いてDC-DC回路201に結合される。直流スイッチ102は回路を保護するように構成されている。実際の適用では、直流スイッチ102を配置する代わりに、直接結合が行われてよい。
【0101】
保護スイッチS1には光発電ユニット101a1が直列に結合され、保護スイッチS2には光発電ユニット101a2が直列に結合され、保護スイッチS3には光発電ユニット101a3が直列に結合されている。
【0102】
短絡障害がない場合は、3つの光発電ユニットの出力電流は直流バスに集約される。従って、直流バスの電流の絶対値(A点又はB点の検出電流の絶対値)が、どのブランチの電流の絶対値(C点、D点、又はE点の検出電流の絶対値)よりも大きい。この場合、C点、D点、及びE点の電流方向を、例えば正の方向として設定するなど、あらかじめ設定された電流方向として設定することができる。
【0103】
1つの光発電ユニットで短絡障害が発生した場合、光発電ユニット101a3が配置されている線路で短絡障害が発生し、1つの光発電ユニットが互いのブランチのみから送信される逆電流に耐えることができると仮定する。
【0104】
この場合、他の2つの正常な光発電ユニットの出力電流は、短絡障害のある光発電ユニット101a3に流れる。その結果、光発電ユニット101a3が配置されたブランチに過電流が発生し、逆電流が発生する(E点の電流方向と逆)。
【0105】
可能な実装では、S3のリリース装置は電磁リリース装置である。光発電ユニット101a3が配置されるブランチ上の逆電流が第1電流値より大きい場合、リリース装置は、スイッチ装置を切断されるように制御する。
【0106】
別の可能な実装では、S2のリリース装置は電磁リリース装置である。光発電ユニット101a3が配置されるブランチ上で過電流が生じる場合、リリース装置はスイッチ装置を切断されるように制御する。
【0107】
更に別の可能な実装では、リリース装置は熱リリース装置である。光発電ユニット101a3が配置されるブランチ上で過電流が生じる場合、リリース装置はスイッチ装置を切断されるように制御する。
【0108】
1つの入力インタフェースは、代替として、2つの保護スイッチに直列に、次にDC-DCコンバータの内部で直流バスに結合されてよい。この場合、2つの保護スイッチは、異なるタイプのリリース装置を使用してよい。
【0109】
S3が切断された後も、光発電ユニット101a1と光発電ユニット101a2は正常に動作し続けることができるため、光発電ユニット及び線路を保護することができる。
【0110】
上記の実施形態は、各DC-DCコンバータ内に3つの入力インタフェースが配置される例を使用して説明された。以下は、各DC-DCコンバータ内に4つの入力インタフェースが配置されている場合の原理を説明する。
【0111】
図9は、本願の実施形態によるまた別の光発電システムの概略図である。
【0112】
4つの光発電ユニットの各々は、DC-DCコンバータの1つの入力ポートに結合され、次に保護スイッチに直列に結合される。続いて、4つの光発電ユニットは、DC-DC回路201に並列に結合される。
【0113】
具体的には、光発電ユニットの正の出力端が集約され、次に保護スイッチS1に結合される。光発電ユニット101a1の負の出力端が集約され、次に保護スイッチS3に結合される。光発電ユニット101a2の負の出力端は保護スイッチS2に結合される。光発電ユニット101a3の負の出力端は保護スイッチS4に結合される。光発電ユニット101a4の負の出力端は保護スイッチS5に結合される。
【0114】
幾つかの実施例では、
図9の保護スイッチS1を配置する代わりに、直接結合が行われてよい。
【0115】
短絡障害がない場合、4つの光発電ユニットの電流は直流バスに集約されるため、直流バスの電流の絶対値(検出点A又はBの検出電流の絶対値)は、どのブランチの電流の絶対値(検出点C、D、E及びFの検出電流の絶対値)よりも大きくなる。
【0116】
一方の光発電ユニットに短絡障害が発生すると、他方の正常な光発電ユニットの出力電流は、短絡障害のある光発電ユニットに流れる。その結果、障害のあるブランチに過電流と逆電流が発生する。
【0117】
1つの光発電ユニットが他の1つのブランチのみから流れる電流に耐えることができるということは、依然として例として使用される。この場合、障害のあるブランチの保護スイッチのリリース装置は、対応するスイッチ装置を切断されるよう制御し、障害のあるブランチが切断され、他の光発電ユニットは正常に動作し続けることで、光発電ユニット及び線路を保護する。
【0118】
図10は、本願の実施形態による別の光発電システムの概略図である。
【0119】
図10の実装と
図9の実装の違いは、以下の点にある。保護スイッチS1で光発電ユニット101a1の正の出力端と光発電ユニット101a2の正の出力端が集約され、保護スイッチS1を使用して正の直流バスに結合される。保護スイッチS6で光発電ユニット101a3の正の出力端と光発電ユニット101a4の正の出力端が集約され、保護スイッチS6を使用して正の直流バスに結合される。
【0120】
この場合、原理は
図9と同様であり、本願の本実施形態では詳細を説明しない。
【0121】
図11は、本願の実施形態による更に別の光発電システムの概略図である。
【0122】
図11の実装と
図9の実装の違いは、以下の点にある。各光発電ユニットの正の出力端がDC-DCコンバータの内部の1つの保護スイッチに直列に結合され、次に正の直流バスにおいて集約される。各光発電ユニットの負の出力端がDC-DCコンバータの内部の1つの保護スイッチに直列に結合され、次に負の直流バスにおいて集約される。保護スイッチを冗長に配置することで、安全性がさらに向上し、光発電ユニットが配置されるブランチを確実に切断できるようになる。特定の原理は
図9と同様であり、本願の本実施形態では詳細を説明しない。
【0123】
纏めると、光発電システムのDC-DCコンバータがインタフェースを用いて4つの光発電ユニットに結合され、ブランチに短絡障害が発生した場合、リリース装置はスイッチ装置を切断されるように制御する。従って、インタフェースは直流バスから切断され、インタフェースに結合された光発電ユニットは直流バスから切断される。そのため、他のインタフェースに結合された光発電ユニットは、短絡障害のある光発電ユニットが配置された線路に電流を出力せず、光発電ユニットと線路を損傷から保護する。リリース装置の制御下でスイッチ装置によってトリガされる保護動作に基づいて、追加の制御回路を必要とせず、ソリューションの実装の困難さを軽減する。また、ヒューズがもはや使用されなくなるため、本来内蔵ヒューズに使用されていたYワイヤハーネスを光発電システムの光発電インバータや直流コンバイナボックスの下に配置するのではなく、光発電ユニット側に配置することができ、ケーブルコストが更に低減される。
【0124】
図12は、本願の実施形態によるまた別の光発電システムの概略図である。
【0125】
光発電ユニット101a1と101a2は、DC-DCコンバータ内部で並列に結合され、次に保護スイッチを使用してDC-DCコンバータの直流バスに結合される。光発電ユニット101a3と101a4が各々配置されたブランチは、1つの保護スイッチに直列に結合され、次にDC-DCコンバータの直流バスに結合される。
【0126】
具体的には、保護スイッチS1を用いて、光発電ユニット101a1、101a2の正の出力端を正の直流バスに結合し、保護スイッチS2を用いて、光発電ユニット101a1、101a2の負の出力端を負の直流バスに結合する。
【0127】
幾つかの実施例では、保護スイッチS2を配置する代わりに、直接結合が行われてよい。
【0128】
短絡障害がない場合、全部のブランチの電流は直流バスに集約されるため、直流バスの電流の絶対値(検出点A又はBの検出電流の絶対値)は、どのブランチの電流の絶対値(検出点C、D、E、F、G、及びHの検出電流の絶対値)よりも大きくなる。
【0129】
ブランチに短絡障害が発生すると、他方の正常なブランチの出力電流は、短絡障害のあるブランチに流れる。その結果、短絡障害のあるブランチに逆電流が発生する。
【0130】
リリース装置は電磁リリース装置であってよい。この場合、障害のあるブランチの保護スイッチのリリース装置は、対応するスイッチ装置を切断されるよう制御する。その結果、短絡障害のあるブランチが切断され、他の光発電ユニットは正常に動作し続けることで、光発電ユニット及び線路を保護する。
【0131】
【0132】
光発電ユニット101a3が配置されたブランチで短絡障害が発生すると、S3が切断される。この場合、光発電ユニット101a3はカットオフされ、光発電ユニット101a1、101a2、101a4は正常に動作できる。
【0133】
光発電ユニット101a4が配置されたブランチで短絡障害が発生すると、S4が切断される。この場合、光発電ユニット101a4はカットオフされ、光発電ユニット101a1、101a2、101a3は正常に動作できる。
【0134】
光発電ユニット101a1が配置されたブランチで短絡障害が発生すると、S1及びS2が切断される。この場合、光発電ユニット101a2の入力電流は、光発電ユニット101a1の許容範囲内であり、光発電ユニット101a3及び101a4は正常に動作できる。
【0135】
光発電ユニット101a2が配置されたブランチで短絡障害が発生すると、S1及びS2が切断される。この場合、光発電ユニット101a1の入力電流は、光発電ユニット101a2の許容範囲内であり、光発電ユニット101a3及び101a4は正常に動作できる。
【0136】
図13は、本願の実施形態による別の光発電システムの概略図である。
【0137】
図13の実装と
図12の実装の違いは、以下の点にある。光発電ユニット101a3と101a4の正の出力端を集約し、次に保護スイッチS3を使用して正の直流バスに結合し、光発電ユニット101a3の負の出力端を保護スイッチS4を使用して負の直流バスに結合し、及び光発電ユニット101a4の負の出力端を保護スイッチS5を使用して負の直流バスに結合する。
【0138】
動作原理は
図12に対応する説明と同様であり、本願の本実施形態では詳細を説明しない。
【0139】
図14は、本願の実施形態による更に別の光発電システムの概略図である。
【0140】
図14の実装と
図13の実装の違いは、以下の点にある。光発電ユニット101a1と101a2を並列に結合し、光発電ユニット101a1と101a2の正の出力端を集約し、次に保護スイッチS1を使用して正の直流バスに結合し、その負の出力端を集約し、次に保護スイッチS4を使用して負の直流バスに結合する。具体的には、保護スイッチS1を用いて、光発電ユニット101a3の正の出力端を正の直流バスに結合し、保護スイッチS2を用いて、光発電ユニット101a3の負の出力端を負の直流バスに結合する。具体的には、保護スイッチS3を用いて、光発電ユニット101a4の正の出力端を正の直流バスに結合し、保護スイッチS4を用いて、光発電ユニット101a4の負の出力端を負の直流バスに結合する。
【0141】
動作原理は
図12に対応する説明と同様であり、本願の本実施形態では詳細を説明しない。
【0142】
図15は、本願の実施形態によるまた別の光発電システムの概略図である。
【0143】
光発電ユニット101a1と101a2は、DC-DCコンバータの内部で並列に直接結合されている。保護スイッチS1を用いて、光発電ユニット101a1、101a2の正の出力端を正の直流バスに結合し、保護スイッチS2を用いて、光発電ユニット101a1、101a2の負の出力端を負の直流バスに結合する。
【0144】
光発電ユニット101a3と101a4は、DC-DCコンバータの内部で並列に直接結合されている。保護スイッチS3を用いて、光発電ユニット101a3、101a4の正の出力端を正の直流バスに結合し、保護スイッチS4を用いて、光発電ユニット101a3、101a4の負の出力端を負の直流バスに結合する。
【0145】
短絡障害がない場合、全部のブランチの電流は直流バスに集約されるため、直流バスの電流の絶対値(検出点A又はBの検出電流の絶対値)は、どのブランチの電流の絶対値(検出点C、D、E、F、G、及びHの検出電流の絶対値)よりも大きくなる。
【0146】
ブランチに短絡障害が発生すると、他方の正常なブランチの出力電流は、短絡障害のあるブランチに流れる。その結果、短絡障害のあるブランチに逆電流が発生する。
【0147】
リリース装置は電磁リリース装置であってよい。この場合、障害のあるブランチの保護スイッチのリリース装置は、対応するスイッチ装置を切断されるよう制御する。その結果、短絡障害のあるブランチが切断され、他の光発電ユニットは正常に動作し続けることで、光発電ユニット及び線路を保護する。
【0148】
【0149】
光発電ユニット101a1が配置されたブランチで短絡障害が発生すると、S1及びS2が切断される。この場合、光発電ユニット101a2の入力電流は、光発電ユニット101a1の許容範囲内であり、光発電ユニット101a3及び101a4は正常に動作できる。
【0150】
光発電ユニット101a2が配置されたブランチで短絡障害が発生すると、S1及びS2が切断される。この場合、光発電ユニット101a1の入力電流は、光発電ユニット101a2の許容範囲内であり、光発電ユニット101a3及び101a4は正常に動作できる。
【0151】
光発電ユニット101a3が配置されたブランチで短絡障害が発生すると、S3及びS4が切断される。この場合、光発電ユニット101a4の入力電流は、光発電ユニット101a3の許容範囲内であり、光発電ユニット101a1及び101a2は正常に動作できる。
【0152】
光発電ユニット101a4が配置されたブランチで短絡障害が発生すると、S3及びS4が切断される。この場合、光発電ユニット101a3の入力電流は、光発電ユニット101a4の許容範囲内であり、光発電ユニット101a1及び101a2は正常に動作できる。
【0153】
幾つかの実施例では、保護スイッチS1及びS2のうち少なくとも1つを排除する代わりに直接結合が行われてよく、又は保護スイッチS3及びS4のうち少なくとも1つを排除する代わりに直接結合が行われてよく、又は保護スイッチS1及びS2のいずれかと保護スイッチS3及びS4のいずれかを排除する代わりに直接結合が行われてよく、直列に結合される保護スイッチの数量を削減し、それによりコストを削減する。
【0154】
前述の実施形態は、各DC-DCコンバータが3つの入力インタフェースを含む場合と、各DC-DCコンバータが4つの入力インタフェースを含む場合の動作原理について説明した。幾つかの実施形態では、各DC-DCコンバータは相応してより多くの光発電ユニットに結合されてもよい。以下は、各DC-DCコンバータに結合される光発電ユニットの数が4個より多い場合の動作原理を具体的に説明する。
【0155】
図16は、本願の実施形態による別の光発電システムの概略図である。
【0156】
DC-DCコンバータには、光発電ユニットに結合するためのM個の入力インタフェースが設けられ、各インタフェースは1つの光発電ユニットに結合され、M個の第1タイプ光発電ユニットブランチを形成する。Mは、3以上の整数である。
【0157】
光発電ユニットが1つの保護スイッチに直列に結合される場合、保護スイッチは光発電ユニットの正の出力端又は負の出力端に直列に結合される。光発電ユニットが2つの保護スイッチに直列に結合される場合、保護スイッチは光発電ユニットの正の出力端又は負の出力端に直列に結合されて、冗長保護を実現する。
【0158】
M個の光発電ユニットが1つの保護スイッチに直列に結合され、次にDC-DCコンバータの直流バスに並列に結合される。
【0159】
短絡障害がない場合、全部の光発電ユニットの電流は直流バスに集約され、直流バスの電流の絶対値(検出点A又は検出点Bの検出電流の絶対値)は、どのブランチの電流の絶対値よりも大きくなる。
【0160】
一方の光発電ユニットに短絡障害が発生すると、もう一方の正常な光発電ユニットの出力電流は、短絡した光発電ユニットが配置されるブランチに流れる。その結果、障害のあるブランチに過電流と逆電流が発生する。
【0161】
この場合、障害のあるブランチのリリース装置は、対応するスイッチ装置を切断されるよう制御し、障害のあるブランチが切断され、もう一方の光発電ユニットは正常に動作し続ける。
【0162】
図17は、本願の実施形態による更に別の光発電システムの概略図である。
【0163】
全てのi個の光発電ユニットは、DC-DCコンバータの内部で並列に直接に結合されている。その後、i個の光発電ユニットが少なくとも1つの保護スイッチに直列に結合され、次にDC-DCコンバータの直流バスに並列に結合される。Nは、2以上の整数である。
【0164】
単一の光発電ユニットで短絡障害が発生した場合、障害のある光発電ユニットが1つの他の正常な光発電ユニットの出力電流に耐えることができるとき、iの値は2になり、又は、障害のある光発電ユニットが2つの他の正常な光発電ユニットの出力電流に耐えることができる場合、iの値は2又は3になる。
【0165】
図18は、本願の実施形態によるまた別の光発電システムの概略図である。
【0166】
M個の光発電ユニットは、各々、DC-DCコンバータの内部の少なくとも1つのスイッチに直列に結合され、次に直流バスに結合される。
【0167】
i個の光発電ユニットは、DC-DCコンバータの内部で並列に直接に結合されている。その後、i個の光発電ユニットが少なくとも1つの保護スイッチに直列に結合され、次にDC-DCコンバータの直流バスに並列に結合される。Nは、2以上の整数である。
【0168】
単一の光発電ユニットで短絡障害が発生した場合、障害のある光発電ユニットが1つの他の正常な光発電ユニットの出力電流に耐えることができるとき、iの値は2になり、又は、障害のある光発電ユニットが2つの他の正常な光発電ユニットの出力電流に耐えることができる場合、iの値は2又は3になる。
【0169】
更に、
図19は、本願の実施形態による別の光発電システムの概略図である。
【0170】
光発電ユニットと保護装置を直列又は並列に結合し、次にDC-DCコンバータに結合することができる。図は、i個の光発電ユニットを2個ずつ、その間に保護装置を使用して並列に結合した例を用いて示される。幾つかの実施形態では、保護装置は、代わりに、光発電ユニットに直列に結合されてもよい。
【0171】
保護装置Qは、ヒューズ、オプティマイザ、及び切断ボックスの1つ又は組み合わせであってよく、又は回路に短絡障害が発生したときに回路を保護できる別のコンポーネントであってもよい。これは、本願の本実施形態において具体的に限定されない。
【0172】
図中のkの値は、実際の状況に基づき決定されてよい。これは、本願の本実施形態において具体的に限定されない。
【0173】
この場合、リリース装置は、スイッチ装置を切断されるよう制御するときに、保護装置が保護動作をトリガすることを防ぐように更に構成される。つまり、保護装置を使用している現在の光発電システムを再構築する場合、保護装置を取り外す必要がなく、DC-DCコンバータに直接結合することができる。
【0174】
留意すべきことに、1つの光発電ユニットに短絡障害が発生し、障害のある光発電ユニットが他の正常な光発電ユニットの出力電流に耐えられる場合、保護装置の保護動作をトリガすることを回避するために、iの値は2となる。障害のある光発電ユニットが2つの他の正常な光発電ユニットの出力電流に耐えることができる場合、保護装置の保護動作をトリガすることを回避するために、iの値は2又は3になる。
【0175】
図20は、本願の実施形態による更に別の光発電システムの概略図である。
【0176】
図に示す光発電システムは、X個のDC-DCコンバータ200を含み、さらにDC-ACコンバータ300を含む。DC-ACコンバータは、インバータと呼ばれてもよい。
【0177】
DC-ACコンバータと複数のDC-DCコンバータは、ストリングインバータであるインバータ20を形成する。
【0178】
X個のDC-DCコンバータ200の正の出力ポートはDC-ACコンバータ300の正の入力ポートと並列に結合され、X個のDC-DCコンバータ200の負の出力ポートはDC-ACコンバータ300の負の入力ポートと並列に結合される。
【0179】
インバータ20により出力された交流は、交流コンバイナボックス又はスイッチボックスを流れた後に集約され、次に変圧器で変換されて交流電力グリッドに達する。
【0180】
図21は、本願の実施形態によるまた別の光発電システムの概略図である。
【0181】
図示の光発電システムに含まれるX個のDC-DCコンバータ200は、直流コンバイナボックス30を形成する。X個のDC-DCコンバータ200の正の出力ポートを並列に結合して、直流コンバイナボックス30の正の出力ポートを形成する。X個のDC-DCコンバータ200の負の出力ポートを並列に結合して、直流コンバイナボックス30の負の出力ポートを形成する。
【0182】
幾つかの実施例では、直流コンバイナボックス30はMPPTブーストコンバイナボックスであり、直流コンバイナボックス30の正の出力端と負の出力端は、各々集中型インバータの正の入力端と負の入力端に結合されている。
【0183】
集中型インバータは、直流側からの単一の直流入力又は直流側からの並列に結合された複数の直流入力を、交流出力に変換するように構成されている。通常、DC-AC単段電力変換が使用される。集中型インバータによって出力された交流電流は変圧器を通って流れ、交流電力グリッドへと集約される。
【0184】
本願の実施形態では、上記の各実施形態で提供されている光発電システムに基づいて、さらに光発電インバータを提供しているが、これについては以下に添付図面を参照して具体的に説明する。
【0185】
図22は、本願の実施形態による光発電インバータの概略図である。
【0186】
図に示す光発電インバータ20は、保護スイッチ(図示されない)、DC-ACコンバータ300、及び複数のDC-DCコンバータ200を含む。
【0187】
各DC-DCコンバータ200の入力端は少なくとも2つの光発電ユニット101に結合され、各光発電ユニットは少なくとも1つの光発電モジュールを含む。
【0188】
各DC-DCコンバータ200は、直流バス、DC-DC回路、及び少なくとも1つの入力インタフェースを含む。
【0189】
各入力インタフェースは、正の入力インタフェースと負の入力インタフェースを含む。
【0190】
入力インタフェースは、光発電ユニットに結合するように構成される。正の入力インタフェースは光発電インバータ20内部の正の直流バスに結合され、負の入力インタフェースは光発電インバータの内部の負の直流バスに結合される。
【0191】
複数のDC-DCコンバータ200の正の出力ポートは、DC-ACコンバータ300の正の入力ポートに並列に結合され、複数のDC-DCコンバータ200の負の出力ポートは、DC-ACコンバータ300の負の入力ポートに並列に結合される。
【0192】
保護スイッチは、リリース装置及びスイッチ装置を含む。リリース装置は、リリース装置が配置されている線路で短絡障害が発生した場合に、スイッチ装置を切断されるよう制御するように構成される。
【0193】
可能な実装では、リリース装置は電磁リリース装置である。リリース装置が配置されるブランチ上の逆電流が第1電流値より大きい場合、リリース装置は、スイッチ装置を切断されるように制御する。
【0194】
別の可能な実装では、リリース装置は電磁リリース装置である。リリース装置が配置されるブランチ上で過電流が生じる場合、リリース装置はスイッチ装置を切断されるように制御する。
【0195】
更に別の可能な実装では、リリース装置は熱リリース装置である。リリース装置が配置されるブランチ上で過電流が生じる場合、リリース装置はスイッチ装置を切断されるように制御する。
【0196】
光発電インバータによると、光発電ユニットで短絡障害が発生した場合、リリース装置がスイッチ装置を切断されるよう制御し、インタフェースを直流バスから切断し、インタフェースが直流バスから切断され、インタフェースに結合された光発電ユニットが直流バスから切断される。そのため、他のインタフェースに結合された光発電ユニットは、短絡障害のある光発電ユニットが配置された線路に電流を出力せず、光発電ユニットと線路を損傷から保護する。リリース装置の制御下でスイッチ装置によってトリガされる保護動作に基づいて、追加の制御回路を必要とせず、ソリューションの実装の困難さを軽減する。また、ヒューズがもはや使用されなくなるため、本来内蔵ヒューズに使用されていたYワイヤハーネスを光発電システムの光発電インバータの下に配置するのではなく、光発電ユニット側に配置することができる。そのため、ケーブルのコストはさらに削減される。
【0197】
本願の実施形態では、上記の各実施形態で提供されている光発電システムに基づいて、さらに直流コンバイナボックスを提供しているが、これについては以下に添付図面を参照して具体的に説明する。
【0198】
図23は、本願の実施形態による直流コンバイナボックスの概略図である。
【0199】
直流コンバイナボックス30は、保護スイッチ(図示されない)及び複数のDC-DCコンバータ200を含む。
【0200】
各DC-DCコンバータの入力端は少なくとも2つの光発電ユニット101に結合され、各光発電ユニットは少なくとも1つの光発電モジュールを含む。
【0201】
各DC-DCコンバータは、直流バス、DC-DC回路、及び少なくとも1つの入力インタフェースを含む。入力インタフェースは、正の入力インタフェースと負の入力インタフェースを含む。入力インタフェースは、光発電ユニットに結合するように構成される。正の入力インタフェースは直流コンバイナボックス30内部の正の直流バスに結合され、負の入力インタフェースは直流コンバイナボックス30の内部の負の直流バスに結合される。
【0202】
複数のDC-DCコンバータ200の正の出力ポートは、並列に結合されて、直流コンバイナボックス30の正の出力ポートを形成し、複数のDC-DCコンバータ200の負の出力ポートは、並列に結合されて、直流コンバイナボックス30の負の出力ポートを形成する。
【0203】
保護スイッチは、リリース装置及びスイッチ装置を含む。リリース装置は、リリース装置が配置されている線路で短絡障害が発生した場合に、スイッチ装置を切断されるよう制御するように構成される。
【0204】
可能な実装では、リリース装置は電磁リリース装置である。リリース装置が配置されるブランチ上の逆電流が第1電流値より大きい場合、リリース装置は、スイッチ装置を切断されるように制御する。
【0205】
別の可能な実装では、リリース装置は電磁リリース装置である。リリース装置が配置されるブランチ上で過電流が生じる場合、リリース装置はスイッチ装置を切断されるように制御する。
【0206】
更に別の可能な実装では、リリース装置は熱リリース装置である。リリース装置が配置されるブランチ上で過電流が生じる場合、リリース装置はスイッチ装置を切断されるように制御する。
【0207】
幾つかの実施例では、各入力インタフェースの正の入力インタフェース又は負の入力インタフェースの少なくとも1つが、直流コンバイナボックス30の内部の保護スイッチに直列に結合されている。
【0208】
直流コンバイナボックスによると、光発電ユニットで短絡障害が発生した場合、リリース装置がスイッチ装置を切断されるよう制御し、インタフェースを直流バスから切断し、インタフェースが直流バスから切断され、インタフェースに結合された光発電ユニットが直流バスから切断される。そのため、他のインタフェースに結合された光発電ユニットは、短絡障害のある光発電ユニットが配置された線路に電流を出力せず、光発電ユニットと線路を損傷から保護する。リリース装置の制御下でスイッチ装置によってトリガされる保護動作に基づいて、追加の制御回路を必要とせず、ソリューションの実装の困難さを軽減する。また、ヒューズがもはや使用されなくなるため、本来内蔵ヒューズに使用されていたYワイヤハーネスを光発電システムの直流コンバイナボックスの下に配置するのではなく、光発電ユニット側に配置することができる。そのため、ケーブルのコストはさらに削減される。
【0209】
理解されるべきことに、本願では、「少なくとも1つ」は1つ以上を意味し、「複数の」は2つ以上を意味する。用語「及び/又は」は、関連付けられたオブジェクトの間の関連付け関係を記述し、3つの関係が存在し得ることを示す。例えば、「A及び/又はB」は、以下の3つの場合を示してよい。Aのみが存在する、Bのみが存在する、A及びBの両方が存在するであり、ここでA及びBは単数又は複数形であってよい。文字「/」は、通常、関連付けられたオブジェクトの間の「又は」の関係を示す。「以下のアイテムのうちの少なくとも1つ(のピース)」又はその同様の表現は、これらのアイテムの任意の組合せを意味し、単一のアイテム(ピース)又は複数のアイテム(ピース)の任意の組み合わせを含む。例えば、a、b、又はcのうちの少なくとも1つアイテム(ピース)は、a、b、c、a及びb、a及びc、b及びc、又はa、b、及びcを表してよく、ここで、a、b、及びcは、単数又は複数であってよい。
【0210】
前述の実施形態は、単に本願の技術的ソリューションを説明するために意図され、本願を限定するものではない。本願は、前述の実施形態を参照して詳細に説明されたが、当業者は、本願の実施形態の技術的ソリューションの範囲から逸脱することなく、彼らが前述の実施形態で説明された技術的ソリューションを変更し得ること、又はその幾つかの技術的特徴に均等な置換を行い得ること、を理解すべきである。