(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】一方向ミラーを伴う光学デバイス
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20240621BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20240621BHJP
G02B 5/30 20060101ALI20240621BHJP
G02C 11/00 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02F1/13 505
G02B5/30
G02C11/00
(21)【出願番号】P 2022556049
(86)(22)【出願日】2021-03-24
(86)【国際出願番号】 US2021023987
(87)【国際公開番号】W WO2021195283
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2024-03-22
(32)【優先日】2020-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】オ, チュルウ
(72)【発明者】
【氏名】コマンドゥリ, ラヴィ クマール
(72)【発明者】
【氏名】クラインマン, デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】マトゥール, ヴァイブハブ
(72)【発明者】
【氏名】マンリー, デイビッド
【審査官】山本 貴一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-161797(JP,A)
【文献】特開2016-085427(JP,A)
【文献】国際公開第2018/231784(WO,A1)
【文献】特表2010-533252(JP,A)
【文献】国際公開第2015/019858(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/070500(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0271853(US,A1)
【文献】国際公開第2019/178398(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/116008(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01,27/02
G02F 1/13
G02B 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの頭部上に装着可能である光学デバイスであって、前記光学デバイスは、
前記光学デバイスの世界側上に配置されている一方向ミラー
であって、前記一方向ミラーは、
デポラライザ
であって、前記デポラライザは、前記デポラライザが、前記光学デバイスの前記世界側から光を受け取り、前記受け取られた光の少なくとも一部の偏光をランダム化するように、ランダム光学軸向きを有する少なくとも1つの位相差板を含む、デポラライザと、
前記デポラライザからの光を受け取るように向けられ
る偏光選択的ミラーであって、前記偏光選択的ミラーは、前記偏光選択的ミラーを通して、ランダム化された偏光を有する前記受け取られた光の一部を伝送するように構成され、前記偏光選択的ミラーは、透過軸を有する
、偏光選択的ミラーと、
前記偏光選択的ミラー
を通して伝送された前記光を受け取るように向けられ
る吸収性偏光器であって、前記吸収性偏光器は、前記偏光選択的ミラーの前記透過軸と整列させられた透過軸を有する
、吸収性偏光器と
を備え、前記偏光選択的ミラーは、前記デポラライザと前記吸収性偏光器との間に配置されている、
一方向ミラーと、
能動可変調光器であって、前記能動可変調光器は、前記吸収性偏光器と、追加の偏光器と、前記吸収性偏光器と前記追加の偏光器との間に配置される液晶要素のアレイとを備え、前記一方向ミラーおよび前記能動可変調光器は、前記一方向ミラーおよび前記能動可変調光器の両方の構成要素として前記吸収性偏光器を共有することによって、統合された構造を形成する、能動可変調光器と
を備える、光学デバイス。
【請求項2】
前記デポラライザは、4分の1波長板を備えている、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項3】
前記デポラライザは、超位相差板を備えている、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項4】
前記偏光選択的ミラーは、反射性偏光器を備えている、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項5】
前記偏光選択的ミラーと前記吸収性偏光器とは、間隔を置かれ、前記偏光選択的ミラーと前記吸収性偏光器との間の1つ以上の位相差板をさらに備えている、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項6】
前記1つ以上の位相差板は、2つの間隔を置かれた4分の1波長板を備えている、請求項
5に記載の光学デバイス。
【請求項7】
前記反射性偏光器は、ワイヤグリッド偏光器を備えている、請求項
4に記載の光学デバイス。
【請求項8】
前記ワイヤグリッド偏光器は、反復平行ワイヤを伴うナノスケールワイヤパターンを備えている、請求項
7に記載の光学デバイス。
【請求項9】
前記ワイヤパターンの前記ワイヤの各々は、前記偏光選択的ミラーの前記透過軸と平行に引き延ばされている、請求項
8に記載の光学デバイス。
【請求項10】
前記反射性偏光器は、多層偏光器を備えている、請求項
4に記載の光学デバイス。
【請求項11】
前記多層偏光器は、所定の波長の入射光を反射するように構成されている、請求項
10に記載の光学デバイス。
【請求項12】
前記多層偏光器は、複数のポリマーフィルムを備えている、請求項
10に記載の光学デバイス。
【請求項13】
前記多層偏光器は、前記多層偏光器の前記透過軸と垂直な電場ベクトルを伴う入射光の50%以下を反射する、請求項
10に記載の光学デバイス。
【請求項14】
前記多層偏光器は、前記多層偏光器の前記透過軸と垂直な電場ベクトルを伴う入射光の30%~40%を反射する、請求項
13に記載の光学デバイス。
【請求項15】
前記吸収性偏光器は、線形偏光を吸収するように構成されている、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項16】
前記光学デバイスは、頭部搭載型ディスプレイシステムであり、前記ディスプレイシステムは、頭部搭載型ディスプレイを備え、
前記一方向ミラーは、
前記ディスプレイが前記ユーザによって装着されている間、前記頭部搭載型ディスプレイ
の前記世界側上に配置され、前記ディスプレイのユーザ側と反対側に配置されている、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項17】
前記ディスプレイは、
仮想コンテンツを伝える光を前記ユーザに出力するように構成されている少なくとも1つの導波管を含む接眼レンズを備え、
前記少なくとも1つの導波管は、前記偏光選択的ミラーおよび前記能動可変調光器を通して伝送される前記光の少なくとも一部を前記ユーザの少なくとも1つの眼に伝送するために、少なくとも部分的に透明である、請求項
16に記載の光学デバイス。
【請求項18】
前記少なくとも1つの導波管は、複数の導波管
を含み、前記複数の導波管の各々は、前記複数の導波管のうちの1つ以上の他の導波管と異なる波面発散量を伴う光を出力するように構成され、異なる波面発散量は、異なる深度面に対応する、請求項
17に記載の光学デバイス。
【請求項19】
前記2つの間隔を置かれた4分の1波長板は、実質的に整列させられた透過軸を有する、請求項6に記載の光学デバイス。
【請求項20】
前記能動可変調光器は、前記一方向ミラーを通して伝送される前記世界側からの前記光の少なくとも一部を可変的に調光し、前記調光された光を前記ユーザの眼に向かって伝送するように構成されている、請求項1に記載の光学デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本願は、あらゆる目的のために、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる2020年3月25日に出願された米国仮出願第62/994,739号の優先権を主張する。
(参照による組み込み)
【0002】
本願は、参照することによって、以下の各々の全体を組み込む:「Method and System for Display Device with Integrated Polarizer」と題され、2018年8月16日に公開された米国特許公開第2018/0234675号、「Eyepieces for Augmented Reality Display System」と題され、2019年6月20日号に公開された米国特許公開第2019/0187474A1号、および「Diffractive Devices Based on Cholesteric Liquid Crystal」と題され、2018年6月14日に公開された米国特許公開第2018/0164627号。
(技術分野)
【0003】
本開示は、一方向ミラーを有する拡張現実ディスプレイデバイス等の一方向ミラーを含む光学デバイスに関する。
【背景技術】
【0004】
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、いわゆる「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進しており、デジタル的に再現された画像またはその一部が現実であるように見える様式で、またはそのように知覚され得る様式で、ユーザに提示される。拡張現実または「AR」シナリオは、典型的に、ユーザの周囲の実際の世界の可視化に対する拡張としてのデジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。複合現実または「MR」シナリオは、一種のARシナリオであり、典型的に、自然世界の中に統合され、それに応答する仮想オブジェクトを伴う。例えば、MRシナリオは、実世界内のオブジェクトによってブロックされて見えるAR画像コンテンツ、またはそうでなければそれと相互作用するように知覚されるAR画像コンテンツを含み得る。
【0005】
図1Aを参照すると、拡張現実場面10が描写されており、AR技術のユーザは、人々、木々、背景における建物、コンクリートプラットフォーム30を特徴とする、実世界公園状設定20を見ている。これらのアイテムに加えて、AR技術のユーザは、実世界プラットフォーム30上に立っているロボット像40と、マルハナバチの擬人化のように見える、飛んでいる漫画のようなアバタキャラクタ50等の「仮想コンテンツ」も「見ている」と知覚するが、これらの要素40、50は、実世界には存在しない。ヒトの視知覚系は、複雑であり、他の仮想または実世界画像要素の中で仮想画像要素の快適で、自然な感覚で、かつ豊かな提示を促進する、AR技術を生産することは、困難である。
【0006】
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、とりわけ、AR技術に関連する種々の課題に対処する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
いくつかの実装では、光学デバイスは、一方向ミラーを備えている。一方向ミラーは、デポラライザ(depolarizer)と、デポラライザからの光を受け取るように向けられ、透過軸を有する偏光選択的ミラーと、偏光選択的ミラーからの光を受け取るように向けられ、偏光選択的ミラーの透過軸と整列させられた透過軸を有する吸収性偏光器とを備えている。偏光選択的ミラーは、デポラライザと吸収性偏光器との間に配置される。
【0008】
いくつかの他の実装では、光学デバイスは、一方向ミラーを備えている。一方向ミラーは、コレステリック液晶反射性偏光器と、コレステリック液晶反射性偏光器を透過させられる光を受け取るように構成された円偏光器とを備えている。
【0009】
さらに他の実装では、光学デバイスは、一方向ミラー式調光器を備えている。一方向ミラー式調光器は、透過軸を有する偏光選択的ミラーと、偏光選択的ミラーの後方にあり、偏光選択的ミラーの透過軸と整列させられた透過軸を有する吸収性偏光器と、吸収性偏光器の後方にある切り替え可能な液晶要素のアレイと、切り替え可能な液晶要素のアレイの後方にあり、吸収性偏光器の透過軸と整列させられた透過軸を有する偏光器とを備えている。
【0010】
いくつかの他の実装では、光学デバイスは、透過軸を有する偏光選択的ミラーと、偏光選択的ミラーの透過軸と整列させられた透過軸を有する吸収性偏光器と、偏光選択的ミラーと吸収性偏光器との間の1つ以上の位相差板とを備えている。
【0011】
いくつかの実装の追加の例が、下記に提供される。
【0012】
実装1.光学デバイスであって、光学デバイスは、一方向ミラーを備え、
一方向ミラーは、
デポラライザと、
デポラライザからの光を受け取るように向けられ、透過軸を有する偏光選択的ミラーと、
偏光選択的ミラーからの光を受け取るように向けられ、偏光選択的ミラーの透過軸と整列させられた透過軸を有する吸収性偏光器と、
を備え、
偏光選択的ミラーは、デポラライザと吸収性偏光器との間に配置されている、光学デバイス。
【0013】
実装2.デポラライザは、4分の1波長板を備えている、実装1に記載の光学デバイス。
【0014】
実装3.4分の1波長板は、アクロマティック4分の1波長板を備えている、実装2に記載の光学デバイス。
【0015】
実装4.デポラライザは、超位相差板を備えている、実装1に記載の光学デバイス。
【0016】
実装5.デポラライザは、受け取られた偏光から円偏光された光を出力するように構成されている、実装1に記載の光学デバイス。
【0017】
実装6.偏光選択的ミラーは、反射性偏光器を備えている、実装1に記載の光学デバイス。
【0018】
実装7.偏光選択的ミラーは、直接、吸収性偏光器に接触している、実装1に記載の光学デバイス。
【0019】
実装8.偏光選択的ミラーおよび吸収性偏光器は、間隔を置かれている、実装1に記載の光学デバイス。
【0020】
実装9.偏光選択的ミラーと吸収性偏光器との間の1つ以上の位相差板をさらに備えている、実装8に記載の光学デバイス。
【0021】
実装10.1つ以上の位相差板は、2つの間隔を置かれた4分の1波長板を備えている、実装9に記載の光学デバイス。
【0022】
実装11.吸収性偏光器は、吸収性偏光器の透過軸と垂直な電場ベクトルを有する光を吸収する、実装1に記載の光学デバイス。
【0023】
実装12.反射性偏光器は、吸収性偏光器の透過軸と垂直な電場ベクトルを有する光を反射する、実装1に記載の光学デバイス。
【0024】
実装13.反射性偏光器は、ワイヤグリッド偏光器を備えている、実装1に記載の光学デバイス。
【0025】
実装14.ワイヤグリッド偏光器は、反復平行ワイヤを伴うナノスケールワイヤパターンを備えている、実装13に記載の光学デバイス。
【0026】
実装15.ワイヤパターンのワイヤの各々は、偏光選択的ミラーの透過軸と平行に引き延ばされる、実装14に記載の光学デバイス。
【0027】
実装16.反射性偏光器は、多層偏光器を備えている、実装1に記載の光学デバイス。
【0028】
実装17.多層偏光器は、所定の波長の入射光を反射するように構成されている、実装16に記載の光学デバイス。
【0029】
実装18.多層偏光器は、複数のポリマーフィルムを備えている、実装16に記載の光学デバイス。
【0030】
実装19.多層偏光器は、多層偏光器の透過軸と垂直な電場ベクトルを伴う入射光の50%を反射する、実装16に記載の光学デバイス。
【0031】
実装20.多層偏光器は、多層偏光器の透過軸と垂直な電場ベクトルを伴う入射光の30%~40%を反射する、実装16に記載の光学デバイス。
【0032】
実装21.吸収性偏光器は、線形偏光を吸収するように構成されている、実装1に記載の光学デバイス。
【0033】
実装22.能動可変調光器をさらに備え、能動可変調光器は、
液晶要素のアレイと、
偏光器と
を備え、
液晶要素のアレイは、偏光器と一方向ミラーの吸収性偏光器との間にある、実装1に記載の光学デバイス。
【0034】
実装23.光学デバイスは、頭部搭載型ディスプレイシステムであり、ディスプレイシステムは、頭部搭載型ディスプレイを備え、
一方向ミラーは、頭部搭載型ディスプレイ上に配置され、ディスプレイのユーザ側の反対にある、実装1に記載の光学デバイス。
【0035】
実装24.ディスプレイは、導波管スタックを備えている接眼レンズを備え、導波管スタックは、各々が光を視認者に出力するように構成された複数の導波管を備えている、実装23に記載の光学デバイス。
【0036】
実装25.複数の導波管のうちの各導波管は、複数の導波管のうちの1つ以上の他の導波管と異なる波面発散量を伴う光を出力するように構成され、異なる波面発散量は、異なる深度面に対応する、実装24に記載の光学デバイス。
【0037】
実装26.各導波管は、回折内部結合光学要素および回折外部結合光学要素を備えている、実装24に記載の光学デバイス。
【0038】
実装27.光学デバイスであって、光学デバイスは、一方向ミラーを備え、
一方向ミラーは、
コレステリック液晶反射性偏光器と、
コレステリック液晶反射性偏光器を透過させられた光を受け取るように構成された円偏光器、
を備えている、光学デバイス。
【0039】
実装28.円偏光器は、4分の1波長板と、吸収性偏光器とを備えている、実装27に記載の光学デバイス。
【0040】
実装29.吸収性偏光器は、線形偏光器を備えている、実装28に記載の光学デバイス。
【0041】
実装30.4分の1波長板は、コレステリック液晶反射性偏光器によって透過させられる光と反対方向に光を遅らせる、実装28に記載の光学デバイス。
【0042】
実装31.4分の1波長板は、アクロマティック4分の1波長板である、実装28に記載の光学デバイス。
【0043】
実装32.コレステリック液晶反射性偏光器は、第1の円偏光を透過させ、第1の円偏光と反対向きを伴う第2の円偏光を反射する、実装27に記載の光学デバイス。
【0044】
実装33.4分の1波長板は、コレステリック液晶反射性偏光器を透過させられた円偏光が線形偏光に変換されるように、光を遅らせるように構成されている、実装28に記載の光学デバイス。
【0045】
実装34.吸収性偏光器は、線形偏光の電場ベクトルと平行な透過軸を有する、実装28に記載の光学デバイス。
【0046】
実装35.光学デバイスは、頭部搭載型ディスプレイシステムであり、ディスプレイシステムは、頭部搭載型ディスプレイを備え、
一方向ミラーは、頭部搭載型ディスプレイ上に配置され、頭部搭載型ディスプレイのユーザ側の反対側に配置されている、実装27に記載の光学デバイス。
【0047】
実装36.頭部搭載型ディスプレイは、導波管スタックを備えている接眼レンズを備え、導波管スタックは、各々が光を視認者に出力するように構成された複数の導波管を備えている、実装35に記載の光学デバイス。
【0048】
実装37.実装各導波管は、1つ以上の他の導波管と異なる波面発散量を伴う光を出力するように構成され、異なる波面発散量は、異なる深度面に対応する、36に記載の光学デバイス。
【0049】
実装38.能動可変調光器をさらに備え、能動可変調光器は、
偏光器と、
液晶要素のアレイと
を備え、
液晶要素のアレイは、偏光器と一方向ミラーの吸収性偏光器との間にある、実装27に記載の光学デバイス。
【0050】
実装39.液晶要素のアレイの液晶要素は、透過モードから吸収モードに切り替わるように構成されている、実装38に記載の光学デバイス。
【0051】
実装40.光学デバイスであって、光学デバイスは、一方向ミラー式調光器を備え、
一方向ミラー式調光器は、
透過軸を有する偏光選択的ミラーと、
偏光選択的ミラーの後方にあり、偏光選択的ミラーの透過軸と整列させられた透過軸を有する吸収性偏光器と、
吸収性偏光器の後方にある切り替え可能な液晶要素のアレイと、
切り替え可能な液晶要素のアレイの後方にあり、吸収性偏光器の透過軸と整列させられた透過軸を有する偏光器と、
を備えている、光学デバイス。
【0052】
実装41.偏光選択的ミラーと吸収性偏光器との間の第1および第2の4分の1波長板をさらに備えている、実装40に記載の光学デバイス。
【0053】
実装42.第1のアクロマティック4分の1波長板と第2のアクロマティック4分の1波長板とは、1mmを上回る空隙によって分離されている、実装41に記載の光学デバイス。
【0054】
実装43.偏光選択的ミラーは、ワイヤグリッド偏光器である、実装40に記載の光学デバイス。
【0055】
実装44.偏光選択的ミラーは、多層反射性偏光器である、実装40に記載の光学デバイス。
【0056】
実装45.光学デバイスは、頭部搭載型ディスプレイシステムであり、ディスプレイシステムは、頭部搭載型ディスプレイを備え、
一方向ミラー式調光器は、頭部搭載型ディスプレイ上に配置され、頭部搭載型ディスプレイのユーザ側の反対側に配置されている、実装40に記載の光学デバイス。
【0057】
実装46.頭部搭載型ディスプレイは、導波管スタックを備えている接眼レンズを備え、導波管スタックは、各々が光を視認者に出力するように構成された複数の導波管を備えている、実装45に記載の光学デバイス。
【0058】
実装47.各導波管は、1つ以上の他の導波管と異なる波面発散量を伴う光を出力するように構成され、異なる波面発散量は、異なる深度面に対応する、実装46に記載の光学デバイス。
【0059】
実装48.光学デバイスであって、光学デバイスは、
透過軸を有する偏光選択的ミラーと、
偏光選択的ミラーの透過軸と整列させられた透過軸を有する吸収性偏光器と、
偏光選択的ミラーと吸収性偏光器との間の1つ以上の位相差板と
を備えている、光学デバイス。
【0060】
実装49.1つ以上の位相差板は、2つの間隔を置かれた4分の1波長板を備えている、実装48に記載の光学デバイス。
【0061】
実装50.2つの4分の1波長板の各々は、アクロマティック4分の1波長板を備えている、実装49に記載の光学デバイス。
【0062】
実装51.2つの4分の1波長板は、1mm以上の空隙によって間隔を置かれている、実装49に記載の光学デバイス。
【0063】
実装52.光学デバイスは、頭部搭載型ディスプレイシステムであり、ディスプレイシステムは、頭部搭載型ディスプレイを備え、
一方向ミラー式調光器は、頭部搭載型ディスプレイ上に配置され、頭部搭載型ディスプレイのユーザ側の反対側に配置されている、実装48に記載の光学デバイス。
【0064】
実装53.頭部搭載型ディスプレイは、導波管スタックを備えている接眼レンズを備え、導波管スタックは、各々が光を視認者に出力するように構成された複数の導波管を備えている、実装52に記載の光学デバイス。
【0065】
実装54.各導波管は、1つ以上の他の導波管と異なる波面発散量を伴う光を出力するように構成され、異なる波面発散量は、異なる深度面に対応する、実装53に記載の光学デバイス。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
光学デバイスであって、前記光学デバイスは、一方向ミラーを備え、
前記一方向ミラーは、
デポラライザと、
前記デポラライザからの光を受け取るように向けられ、透過軸を有する偏光選択的ミラーと、
前記偏光選択的ミラーからの光を受け取るように向けられ、前記偏光選択的ミラーの前記透過軸と整列させられた透過軸を有する吸収性偏光器と
を備え、
前記偏光選択的ミラーは、前記デポラライザと前記吸収性偏光器との間に配置されている、光学デバイス。
(項目2)
前記デポラライザは、4分の1波長板を備えている、項目1に記載の光学デバイス。
(項目3)
前記デポラライザは、超位相差板を備えている、項目1に記載の光学デバイス。
(項目4)
前記デポラライザは、受け取られた偏光から円偏光された光を出力するように構成されている、項目1に記載の光学デバイス。
(項目5)
前記偏光選択的ミラーは、反射性偏光器を備えている、項目1に記載の光学デバイス。
(項目6)
前記偏光選択的ミラーと前記吸収性偏光器とは、間隔を置かれ、前記偏光選択的ミラーと前記吸収性偏光器との間の1つ以上の位相差板をさらに備えている、項目1に記載の光学デバイス。
(項目7)
1つ以上の位相差板は、2つの間隔を置かれた4分の1波長板を備えている、項目6に記載の光学デバイス。
(項目8)
前記反射性偏光器は、ワイヤグリッド偏光器を備えている、項目1に記載の光学デバイス。
(項目9)
前記ワイヤグリッド偏光器は、反復平行ワイヤを伴うナノスケールワイヤパターンを備えている、項目8に記載の光学デバイス。
(項目10)
前記ワイヤパターンの前記ワイヤの各々は、前記偏光選択的ミラーの前記透過軸と平行に引き延ばされている、項目9に記載の光学デバイス。
(項目11)
前記反射性偏光器は、多層偏光器を備えている、項目1に記載の光学デバイス。
(項目12)
前記多層偏光器は、所定の波長の入射光を反射するように構成されている、項目11に記載の光学デバイス。
(項目13)
前記多層偏光器は、複数のポリマーフィルムを備えている、項目11に記載の光学デバイス。
(項目14)
前記多層偏光器は、前記多層偏光器の前記透過軸と垂直な電場ベクトルを伴う入射光の50%以下を反射する、項目11に記載の光学デバイス。
(項目15)
前記多層偏光器は、前記多層偏光器の前記透過軸と垂直な電場ベクトルを伴う入射光の30%~40%を反射する、項目11に記載の光学デバイス。
(項目16)
前記吸収性偏光器は、線形偏光を吸収するように構成されている、項目1に記載の光学デバイス。
(項目17)
能動可変調光器をさらに備え、前記能動可変調光器は、
液晶要素のアレイと、
偏光器と
を備え、
前記液晶要素のアレイは、前記一方向ミラーの前記偏光器と前記吸収性偏光器との間にある、項目1に記載の光学デバイス。
(項目18)
前記光学デバイスは、頭部搭載型ディスプレイシステムであり、前記ディスプレイシステムは、頭部搭載型ディスプレイを備え、
前記一方向ミラーは、前記頭部搭載型ディスプレイ上に配置され、前記ディスプレイのユーザ側と反対側に配置されている、項目1に記載の光学デバイス。
(項目19)
前記ディスプレイは、導波管スタックを備えている接眼レンズを備え、
前記導波管スタックは、各々が光を視認者に出力するように構成された複数の導波管を備えている、項目18に記載の光学デバイス。
(項目20)
前記複数の導波管のうちの各導波管は、前記複数の導波管のうちの1つ以上の他の導波管と異なる波面発散量を伴う光を出力するように構成され、異なる波面発散量は、異なる深度面に対応する、項目19に記載の光学デバイス。
(項目21)
光学デバイスであって、前記光学デバイスは、一方向ミラーを備え、
前記一方向ミラーは、
コレステリック液晶反射性偏光器と、
前記コレステリック液晶反射性偏光器を透過させられた光を受け取るように構成された円偏光器と
を備えている、光学デバイス。
(項目22)
前記円偏光器は、4分の1波長板と、吸収性偏光器とを備えている、項目21に記載の光学デバイス。
(項目23)
前記吸収性偏光器は、線形偏光器を備えている、項目22に記載の光学デバイス。
(項目24)
前記4分の1波長板は、前記コレステリック液晶反射性偏光器によって透過させられる光と反対方向に光を遅らせる、項目22に記載の光学デバイス。
(項目25)
前記4分の1波長板は、アクロマティック4分の1波長板である、項目22に記載の光学デバイス。
(項目26)
前記コレステリック液晶反射性偏光器は、第1の円偏光を透過させ、前記第1の円偏光と反対向きを伴う第2の円偏光を反射する、項目21に記載の光学デバイス。
(項目27)
前記4分の1波長板は、前記コレステリック液晶反射性偏光器を透過させられた円偏光が線形偏光に変換されるように、光を遅らせるように構成されている、項目22に記載の光学デバイス。
(項目28)
前記光学デバイスは、頭部搭載型ディスプレイシステムであり、前記ディスプレイシステムは、頭部搭載型ディスプレイを備え、
前記一方向ミラーは、前記頭部搭載型ディスプレイ上に配置され、前記頭部搭載型ディスプレイのユーザ側の反対側に配置されている、項目21に記載の光学デバイス。
(項目29)
前記頭部搭載型ディスプレイは、導波管スタックを備えている接眼レンズを備え、
前記導波管スタックは、各々が光を視認者に出力するように構成された複数の導波管を備えている、項目28に記載の光学デバイス。
(項目30)
各導波管は、1つ以上の他の導波管と異なる波面発散量を伴う光を出力するように構成され、
異なる波面発散量は、異なる深度面に対応する、項目29に記載の光学デバイス。
(項目31)
能動可変調光器をさらに備え、前記能動可変調光器は、
偏光器と、
液晶要素のアレイと
を備え、
前記液晶要素のアレイは、前記偏光器と前記一方向ミラーの前記吸収性偏光器との間にある、項目21に記載の光学デバイス。
(項目32)
前記液晶要素のアレイの液晶要素は、透過モードから吸収モードに切り替わるように構成されている、項目31に記載の光学デバイス。
(項目33)
光学デバイスであって、前記光学デバイスは、一方向ミラー式調光器を備え、
前記一方向ミラー式調光器では、
透過軸を有する偏光選択的ミラーと、
前記偏光選択的ミラーの後方にあり、前記偏光選択的ミラーの前記透過軸と整列させられた透過軸を有する吸収性偏光器と、
前記吸収性偏光器の後方にある切り替え可能な液晶要素のアレイと、
前記切り替え可能な液晶要素のアレイの後方にあり、前記吸収性偏光器の前記透過軸と整列させられた透過軸を有する偏光器と
を備えている、光学デバイス。
(項目34)
前記偏光選択的ミラーと前記吸収性偏光器との間の第1および第2の4分の1波長板をさらに備えている、項目33に記載の光学デバイス。
(項目35)
前記第1のアクロマティック4分の1波長板と前記第2のアクロマティック4分の1波長板とは、1mmを上回る空隙によって分離されている、項目34に記載の光学デバイス。
(項目36)
前記偏光選択的ミラーは、ワイヤグリッド偏光器である、項目33に記載の光学デバイス。
(項目37)
前記偏光選択的ミラーは、多層反射性偏光器である、項目33に記載の光学デバイス。
(項目38)
前記光学デバイスは、頭部搭載型ディスプレイシステムであり、前記ディスプレイシステムは、頭部搭載型ディスプレイを備え、
前記一方向ミラー式調光器は、前記頭部搭載型ディスプレイ上に配置され、前記頭部搭載型ディスプレイのユーザ側の反対側に配置されている、項目33に記載の光学デバイス。
(項目39)
前記頭部搭載型ディスプレイは、導波管スタックを備えている接眼レンズを備え、
前記導波管スタックは、各々が光を視認者に出力するように構成された複数の導波管を備えている、項目38に記載の光学デバイス。
(項目40)
各導波管は、1つ以上の他の導波管と異なる波面発散量を伴う光を出力するように構成され、
異なる波面発散量は、異なる深度面に対応する、項目39に記載の光学デバイス。
(項目41)
光学デバイスであって、前記光学デバイスは、
透過軸を有する偏光選択的ミラーと、
前記偏光選択的ミラーの透過軸と整列させられた透過軸を有する吸収性偏光器と、
前記偏光選択的ミラーと前記吸収性偏光器との間の1つ以上の位相差板と
を備えている、光学デバイス。
(項目42)
前記1つ以上の位相差板は、2つの間隔を置かれた4分の1波長板を備えている、項目41に記載の光学デバイス。
(項目43)
前記2つの4分の1波長板の各々は、アクロマティック4分の1波長板を備えている、項目42に記載の光学デバイス。
(項目44)
前記2つの4分の1波長板は、1mm以上の空隙によって間隔を置かれている、項目42に記載の光学デバイス。
(項目45)
前記光学デバイスは、頭部搭載型ディスプレイシステムであり、前記ディスプレイシステムは、頭部搭載型ディスプレイを備え、
前記一方向ミラー式調光器は、前記頭部搭載型ディスプレイ上に配置され、前記頭部搭載型ディスプレイのユーザ側の反対側に配置されている、項目41に記載の光学デバイス。
(項目46)
前記頭部搭載型ディスプレイは、導波管スタックを備えている接眼レンズを備え、
前記導波管スタックは、各々が光を視認者に出力するように構成された複数の導波管を備えている、項目45に記載の光学デバイス。
(項目47)
各導波管は、1つ以上の他の導波管と異なる波面発散量を伴う光を出力するように構成され、
異なる波面発散量は、異なる深度面に対応する、項目46に記載の光学デバイス。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【
図1A】
図1Aは、ARデバイスを通した拡張現実(AR)のユーザのビューを図示する。
【0067】
【
図1B】
図1Bは、例ウェアラブル拡張現実(AR)ディスプレイシステムの斜視図である。
【0068】
【
図2A】
図2Aおよび2Bは、一方向ミラーと、ディスプレイとを有する光学デバイスの概略側面図の例である。
【
図2B】
図2Aおよび2Bは、一方向ミラーと、ディスプレイとを有する光学デバイスの概略側面図の例である。
【0069】
【
図2C】
図2Cは、一方向ミラーが統合された調光器の一部を形成する
図2Aおよび2Bの光学デバイスに類似した光学デバイスの概略側面図の例である。
【0070】
【
図3A】
図3Aおよび3Bは、それぞれ、
図2Aおよび2Bの一方向ミラーおよびディスプレイの概略側面図の例であり、
図2Aおよび2Bの各々の光学デバイスを通した光の伝搬の詳細を示す。
【
図3B】
図3Aおよび3Bは、それぞれ、
図2Aおよび2Bの一方向ミラーおよびディスプレイの概略側面図の例であり、
図2Aおよび2Bの各々の光学デバイスを通した光の伝搬の詳細を示す。
【0071】
【
図3C】
図3Cおよび3Dは、円偏光を提供するための光学位相差板を伴う一方向ミラーを有する光学デバイスの概略側面図の例である。
【
図3D】
図3Cおよび3Dは、円偏光を提供するための光学位相差板を伴う一方向ミラーを有する光学デバイスの概略側面図の例である。
【0072】
【
図4A】
図4Aおよび4Bは、反射性円偏光器を有する一方向ミラーを有する光学デバイスの概略側面図の例である。
【
図4B】
図4Aおよび4Bは、反射性円偏光器を有する一方向ミラーを有する光学デバイスの概略側面図の例である。
【0073】
【
図4C】
図4Cは、統合された調光器を有する一方向ミラーを伴う
図4Aおよび4Bの光学デバイスに類似した光学デバイスの概略側面図の例である。
【0074】
【
図5】
図5は、波面発散を修正することによって3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。
【0075】
【
図6】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの例を図示する。
【0076】
【
図7】
図7は、導波管によって出力された出射ビームの例を図示する。
【0077】
【
図8】
図8は、スタックされた接眼レンズの例を図示し、各深度面は、複数の異なる構成要素の色を使用して形成される画像を含む。
【0078】
【
図9A】
図9Aは、各々が内部結合光学要素を含むスタックされた導波管の組の例の断面側面図を図示する。
【0079】
【0080】
【
図9C】
図9Cは、
図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の例の見下げ平面図を図示する。
【0081】
【
図9D】
図9Dは、複数のスタックされた導波管の別の例の上下平面図を図示する。
【0082】
【
図9E】
図9Eは、ウェアラブルディスプレイシステムの例を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0083】
拡張現実(AR)システムは、仮想コンテンツをユーザまたは視認者に表示し得る。このコンテンツは、例えばアイウェアの一部としての頭部搭載型ディスプレイ上に表示され得、頭部搭載型ディスプレイは、画像情報をユーザの眼に投影する。加えて、システムがARシステムである場合、周囲環境のビューを可能にするために、ディスプレイは、周囲環境からの光もユーザの眼に透過し得る。本明細書で使用されるように、「頭部搭載型」または「頭部搭載可能」ディスプレイがユーザの頭部または視認者上に搭載され得るディスプレイであること、接眼ディスプレイであり得ることを理解されたい。
【0084】
ARデバイスを使用するとき、ユーザは、自らを包囲する環境(すなわち、周囲環境)と、ディスプレイによって提示される仮想コンテンツとの両方を見ることが可能である。ディスプレイは、画像光をユーザの眼に向かって後方に出力し、仮想コンテンツを表示し得る。加えて、この画像光の一部は、周囲環境に向かって前方に射出され得る。例えば、画像光は、回折光学要素を使用して、ディスプレイからユーザの眼に射出され得、回折光学要素は、対称的に機能し、画像光を反対方向に周囲環境に向かっても射出する。したがって、周囲環境内の個人は、望ましくないことに、表示されるコンテンツを見ることができることも、ディスプレイデバイスの審美的魅力に悪影響を及ぼす出力された光を見ることもある。しかしながら、この表示されるコンテンツのプライバシを維持することは、ARデバイスにおいて特に困難である。何故なら、ARデバイスが、周囲環境からの光を取り込むように透過的であるように設計されるからである。したがって、全ての画像光が周囲環境の中に出て行くことを単に遮断することは、選択肢ではない。
【0085】
いくつかの実装では、プライバシ、審美性、および機械的安定性および強度は、一方向ミラーを使用して改良され得る。一方向ミラーは、部分的に反射性であり、それによって、周囲環境からの光は、世界に向かって戻るように部分的に反射され、ユーザに部分的に透過させられる。周囲環境に向かって反射される光は、ディスプレイから周囲環境に向かって出力される画像光のコンテンツを不明瞭にするために使用され得る一方、一方向ミラーを通した光の伝送は、ユーザが周囲環境を見ることを可能にする。したがって、プライバシおよび審美性は、改良され得る。加えて、追加の構造をディスプレイの正面に提供することによって、アセンブリの機械的強度は、増加させられ得る一方、一方向ミラーは、ディスプレイのための保護も提供し得る。
【0086】
いくつかの実装では、一方向ミラーは、偏光器の前方の偏光選択的ミラーを使用して形成される。本明細書で使用されるように、「前方」は、2つの構造の相対的位置を指し、構造の前方側は、一方向ミラーが光を反射する(例えば、周囲環境に向かって)ように構成される方向における側であり、構造の「後方」側は、一方向ミラーが光を透過させる(例えば、ユーザに向かって)ように構成される方向における側である。例えば、一方向ミラーが光を世界の中に戻るように反射するように構成された頭部搭載型ディスプレイに関して、偏光器の前方の偏光選択的ミラーは、偏光器の世界側に配置され、偏光器は、偏光選択的ミラーの後方(または偏光選択的ミラーのユーザ側)にある。偏光選択的ミラーは、1つの偏光の光を反射する一方、別の偏光の光を(例えば、ユーザの眼に)透過させる。一方向ミラーは、ディスプレイの前方に提供され得る。しかしながら、画像光は、ディスプレイから偏光選択的ミラーにも射出され得、偏光選択的ミラーは、望ましくないことに、光をユーザの眼に戻るように反射し、知覚される画質を低下させ得る。有利なこととして、偏光器は、ディスプレイから射出される光の偏光を変化させるために利用され得、それによって、光は、偏光選択的ミラーを透過させられる。
【0087】
しかしながら、一方向ミラーは、種々の課題に直面し得、それらは、有利なこととして、本明細書に開示されるある実装によって対処され得ることを理解されるであろう。例えば、周囲環境からの光は、偏光され得(例えば、スマートフォン、腕時計、テレビ等の他のディスプレイデバイスからの光)、その光の源に対する一方向ミラーの向きに応じて、偏光された周囲光は、一方向ミラーを透過させられないこともある。結果として、ユーザは、偏光を視認者に出力する(または偏光を視認者に方向づけることによって可視にされる)周囲環境の一部を見ることができないこともある。いくつかの実装では、デポラライザが、一方向ミラーの一部として、偏光選択的ミラーの前方に提供され得る。いくつかの実装では、デポラライザは、入射光の偏光をランダム化し、例えば、1つの偏光の光を2つの異なる偏光の光に変換し、そのうちの1つは、偏光選択的ミラーによって反射され、そのうちの1つは、偏光選択的ミラーおよび偏光器を透過させられ、それによって、ユーザが、透過させられた偏光を受け取り、偏光によって提供されるコンテンツを知覚することを可能にする。デポラライザが、偏光器等の偏光要素が透過光をフィルタリングするために適用されたときでも、入射光の偏光の任意の変化がヒトの視覚によって知覚不能であるように、デポラライザに入射し、それを透過させられる光の偏光を変化させると理解され得ることを認識されたい。
【0088】
いくつかの実装では、偏光選択的ミラーの後方にある偏光器の存在は、追加の光学機能性を伴うコンパクトな統合された構造の形成を可能にする。例えば、偏光器は、能動可変調光器と併せて使用され得、能動可変調光器は、液晶要素の後方アレイと、追加の後方偏光器とを使用して形成される。可変調光器は、周囲環境からの光の透過が変調されることを可能にする(例えば、仮想コンテンツと空間的に重複し得る周囲光を遮断することによって、ディスプレイデバイスによる仮想コンテンツの提示を促進するために)。
【0089】
一方向ミラーの偏光選択的ミラーと偏光器とは、整列させられ、それによって、偏光器によって変換された光(例えば、ディスプレイからの画像光)が一方向ミラーを通して周囲環境に向かって透過させられ、その逆も同様であることを理解されたい。しかしながら、偏光選択的ミラーと偏光器との適切な整列は、例えば、偏光選択的ミラーが間隙(例えば、1mm以上の空隙)によって偏光器から間隔を置かれている実装では、困難であり得る。偏光選択的ミラーと偏光器との透過軸間の整列誤差は、偏光選択的ミラーからユーザに戻るようなディスプレイ光の望ましくない反射につながり得、それは、ディスプレイの視覚的品質を劣化させ得る(例えば、画像間の知覚可能不整列を伴って、ディスプレイコンテンツの複製された画像を引き起こす)。そのような場合、偏光選択的ミラーと偏光器とが互いに直接取り付けられていないので、不整列は、製造中に生じ得、および/または、デバイスを使用する過程においても経時的に生じ得る。いくつかの実装では、偏光選択的ミラーと偏光器との間の整列許容誤差は、各々が偏光選択的ミラーおよび偏光器に取り付けられる光学位相差板を使用して増加させられ得る。光学位相差板は、線形偏光を円偏光に変換するように構成され得、4分の1波長板であり得る。いくつかの実装では、これらの位相差板はまた、可視波長スペクトルにわたって動作するように設計され得る。第1の位相差板は、偏光選択的ミラーを通過する光を円偏光に変換し、円偏光は、第2の位相差板に伝搬し、第2の位相差板は、偏光器を通した伝搬のために円偏光を線形偏光に変換する。線形に偏光された光の円形に偏光された光へのおよび線形偏光に戻るような類似変換は、ディスプレイから周囲環境に向かって反対方向に進行する光に関して生じる。好ましくは、第1の位相差板は、偏光選択的ミラーに取り付けられるか、または積層され、第2の位相差板は、偏光選択的ミラーの後方にある偏光器に取り付けられるか、または、積層される。第1および第2の位相差板間を伝搬する光は、円偏光されるので、一方向ミラーは、第1および第2の位相差板の相対的向きに比較的に鈍感であり、それによって、整列許容誤差を増加させる。加えて、本明細書に議論されるように、第2の位相差板は、有利なこととして、第2の位相差板の前方の表面からのフレネル反射に起因して、ユーザに戻るような画像光の反射を低減させ得る。
【0090】
いくつかの実装では、偏光選択的ミラーは、コレステリック液晶反射性偏光器であり得る。そのような偏光選択的ミラーは、有利なこととして、大きい整列許容誤差を伴うコンパクトな一方向ミラーを提供する。例えば、コレステリック液晶反射性偏光器は、上で議論されるように、周囲環境からの線形偏光を円偏光に変換し、それによって、後方偏光器との大きい整列許容誤差を提供し得る。これは、上で説明されるような第1および第2の位相差板を必要とせずに達成され得、それは、それによって、高度にコンパクトな一方向ミラーの形成を可能にし得る。いくつかの他の実装では、偏光選択的ミラーは、アルミニウム等の金属材料のナノワイヤのアレイを備え得るワイヤグリッド偏光器、または延伸ポリマーフィルム等の異方性フィルムの交互層を備え得る多層偏光器であり得る。
【0091】
本明細書に開示される実装は、本明細書に議論されるように、1つ以上の利点を提供し得ることを理解されたい。例えば、一方向ミラーは、サングラス等のアイウェアにより近似する外観を提供することによって、ディスプレイシステムの審美的魅力を増加させ得る。加えて、別個の構造をディスプレイの前方に提供することによって、一方向ミラーは、ディスプレイの機械的強度を増加させ、一方向ミラーは、画像コンテンツをユーザに提供するディスプレイの部分を遮蔽および保護することも行い得る。加えて、一方向ミラーは、ディスプレイにおける複雑な機能的コンポーネントを隠し、それによって、ディスプレイシステムの審美的魅力をさらに増加させ得る。さらに、上で議論されるように、プライバシが、周囲環境に向かって出力された画像光の可視性を低減させることによって、増加させられ得る。
【0092】
ここで、図面を参照するが、その中で同様の参照番号は、全体を通して同様の部分を指す。
【0093】
図1Aは、画像光をユーザの眼に提示するためのディスプレイアセンブリ102を含む例示的ウェアラブル拡張現実(AR)ディスプレイシステム60の斜視図である。ディスプレイアセンブリ102は、ユーザの各眼に1つの一対のディスプレイ104を含み得る。ディスプレイ104は、画像光を出力し、仮想コンテンツをユーザの眼に提供する、光学構造であり得る。いくつかの他の実装では、ディスプレイ104は、単に、連続的光出力構造の異なる部分(例えば、2つの異なる部分を有する単一パネル)であり得る。
【0094】
いくつかの実装では、ディスプレイ104は、光学コンバイナであり得、少なくとも部分的に外界から入射する光に対して透過的であり、画像光(仮想コンテンツを形成するための画像情報を有する光)をユーザの眼に向かって出力するようにも構成されている。例えば、光学コンバイナは、画像光をユーザの眼に中継する接眼レンズであり得る。ディスプレイ104は、
図5-9Dに関して本明細書でさらに議論される導波管270または導波管スタック260または660に対応し得る。本明細書にさらに議論されるように、ディスプレイアセンブリ102は、一方向ミラーを含み得、一方向ミラーは、周囲光を反射する一方、依然として、ユーザが世界を見ることを可能にし、ディスプレイからの光が一ユーザから離れるように方向ミラーを透過させられることを可能にするように構成されている。
【0095】
図2Aおよび2Bは、一方向ミラー212と、ディスプレイ210とを有する光学デバイスの概略側面図の例である。
図2Aは、周囲環境からの光(「世界光」)と一方向ミラー212との間の相互作用の例を図示し、一部の世界光は、周囲環境に戻るように反射され、一部の世界光は、一方向ミラー212を通して眼214に透過させられる。
図2Bは、ディスプレイ210によって出力された光の相互作用の例を図示し、一部の光は、ユーザの眼214に向かって伝搬し、一部の光は、一方向ミラー212を通して周囲環境に伝搬する。
図3Aおよび3Bは、
図2Aおよび2Bに類似し、
図2Aおよび2Bの構造を通して伝搬する光の偏光に関する詳細をさらに図示する。
【0096】
図2Aを継続して参照すると、ディスプレイ210は、
図1Bのディスプレイ104のうちの1つに対応し得ることを理解されたい。一方向ミラー212は、ディスプレイ210の前方に配置され得る。一方向ミラー212は、偏光選択的ミラー206と、吸収性偏光器208とを含む。一方向ミラー212は、偏光選択的ミラー206の前方にデポラライザ204をさらに含み得、それによって、偏光選択的ミラー206は、デポラライザ204と吸収性偏光器208との間に配置される。いくつかの実装では、偏光選択的ミラー206は、ワイヤグリッド偏光器、多層偏光器、またはコレステリック液晶反射性偏光器等の反射性偏光器を含み得る。いくつかの実装では、吸収性偏光器208は、結晶ベースの偏光器、ポラロイド(登録商標)ベースの偏光フィルタ、またはナノ粒子ベースの偏光器を含み得る。吸収性偏光器208は、吸収性偏光器208の透過軸と整列させられていない偏光を有する光を吸収するように構成され得る。
【0097】
本明細書に記載されるように、
図2Aは、外界202(周囲環境)からの光と一方向ミラー212の相互作用を図示する。世界光202aは、デポラライザ204を通して、偏光選択的ミラー206に伝搬し、偏光選択的ミラー206で、世界光202aの一部202bは、周囲環境202に戻るように反射される。世界光202aの別の部分202cは、吸収性偏光器208を通して、さらに、ディスプレイ210を通して、ユーザの眼214に伝搬し、それによって、ユーザが、周囲環境を見ることを可能にする。
【0098】
図3Aは、そのミラーの光学機能性を促進するための一方向ミラー212の種々の部分の光学特性に関する追加の詳細を提供する。デポラライザ204、偏光選択的ミラー206、および吸収性偏光器208の各々が1つの偏光の光を優先的に透過させるように構成され得、別の偏光の光の透過を遮断し得ることを理解されたい。したがって、デポラライザ204、偏光選択的ミラー206、および吸収性偏光器208の各々は、透過軸を有する光学構造であり、それによって、透過軸と整列させられた特定の偏光および向きの光が、その構造を通して透過または伝搬する一方、異なる偏光の光が、それを透過させられないこともあると理解され得る。例えば、いくつかの実装では、透過軸と平行な電場ベクトルを有する光は、透過させられ得る一方、透過軸と垂直な電場ベクトルを有する光は、透過させられないこともある。偏光選択的ミラー206がワイヤグリッド偏光器である場合等のいくつかの実装では、透過軸がワイヤグリッド偏光器を形成する「ワイヤ」の伸長方向と垂直であり得ることを理解されたい。類似関係は、材料の実質的に線形の列から形成される他の偏光器にも当てはまり得る。好ましくは、偏光選択的ミラー206の透過軸206aは、吸収性偏光器208の透過軸208aと整列させられるか、または、それと実質的に平行である。
【0099】
図示されるように、周囲環境202からの世界光202aは、偏光選択的ミラー206に向かって伝搬し得る。
図3Aに示されるように、世界光202aは、線形偏光202a-1の光を含み得、それは、偏光選択的ミラー206の透過軸206aおよび吸収性偏光器208の透過軸208aと平行な電場ベクトルを有する。世界光202aは、線形偏光202a-2の光を有し得、それは、偏光選択的ミラー206および吸収性偏光器208の透過軸と垂直に向けられた電場ベクトルを有する。世界光202aが偏光選択的ミラー206に到達すると、垂直な電場ベクトル202b-1を伴う光は、偏光選択的ミラー206によって、反射光202bとして反射される一方、平行な電場ベクトル202c-1を伴う光は、偏光選択的ミラー206を通して、透過光202cとして透過させられる。さらに、電場ベクトル平行202c-1を伴う光も、偏光選択的ミラー206および吸収性偏光器208の透過軸206a、208aが整列させられているので、吸収性偏光器208を透過させられる。
【0100】
図3Aを継続して参照すると、上記に述べられたように、世界光202aは、異なる偏光の光を含み得、その一部は、反射され、その一部は、一方向ミラー212を透過させられる。世界光202aは、外部ディスプレイ(例えば、コンピュータモニタ、電話ディスプレイ、腕時計ディスプレイ等)からの光等の単一偏光を有する偏光も含み得る。この光が偏光選択的ミラー206に衝打し、透過軸206aと整列させられていない場合、この偏光の全てはが反射され得ることを理解されたい。結果として、偏光が、眼212に到達しないこともあり、望ましくないことに、ユーザは、外部ディスプレイを読み取ることが可能でないこともある。
【0101】
有利なこととして、デポラライザ204が、入射世界光202aの偏光をランダム化するために提供され得る。いくつかの実装では、デポラライザ204は、偏光選択的ミラー206の透過軸206aおよび吸収性偏光器208aの透過軸208aと整列させられた透過軸204aを有し得る。いくつかの実装では、デポラライザ204の透過軸204aは、デポラライザ204によって出力された光の少なくとも一部が、その偏光選択的ミラー206を透過させられるように、偏光選択的ミラー206の透過軸と整列させられた偏光の光であることを示すと理解され得る。いくつかの実装では、デポラライザ204上に最初に入射する、偏光された世界光202aの20~70%、30~70%、30~60%、または40~60%は、一方向ミラー212を通して眼214に向かって透過させられる。
【0102】
いくつかの実装では、デポラライザ204は、アクロマティック4分の1波長板(AQWP)等の4分の1波長板であり得る。いくつかの実装では、デポラライザ204は、超位相差板または高遅延値を有する材料の1つ以上の層であり得る。いくつかの実装では、デポラライザ204は、ランダム光学軸向きを伴う位相差板であり得る。いくつかの実装では、デポラライザ204は、偏光された光の一部を円偏光に変換するように構成され得る。
図3Aに図示されるように、世界光202aが偏光される(例えば、向き202a-1、202a-2のうちの1つの光を有する)場合、デポラライザ204は、偏光選択的ミラー206に到達する前、偏光された世界光202aの一部を右旋円偏光された光202a-4および/または左旋円偏光された光202a-3に変換し得る。デポラライザ24によって出力された光が、ランダムに、線形に、または円形に偏光されるかどうかにかかわらず、好ましくは、デポラライザ204によって出力された光の一部は、光のその部分が偏光選択的ミラー206を透過させられるような偏光の光である。好ましくは、いくつかの実施形態では、デポラライザ204によって出力された光の20~70%、30~70%、30~60%、または40~60%は、偏光選択的ミラー206を透過させられるように、偏光選択的ミラー206の透過軸と整列させられた線形成分を有する。いくつかの実装では、偏光選択的ミラー206から反射される光202bは、線形偏光202b-1を有し得、デポラライザ204は、この光202bを円偏光202b-2に変換し得る。
【0103】
再び、
図2Bを参照すると、ディスプレイ210から出力された光の透過が、図示される。好ましくは、画像光210bは、ディスプレイ210からユーザの眼214の中に出力される。付随的に、ディスプレイ210は、光210aを周囲環境202にも向かって出力し得る。
【0104】
ここで
図3Bを参照すると、ディスプレイ210から生じる光210aは、偏光選択的ミラー206および吸収性偏光器208の透過軸206a、208aと整列させられた偏光を伴う光210a-1と、透過軸206a、208aに対して垂直に向けられた偏光を伴う光210a-2とを含む。吸収性偏光器208の透過軸208aと整列させられた偏光を伴う光210a-1は、吸収性偏光器208を透過させられる一方、吸収性偏光器208の透過軸208aと垂直に向けられた偏光を伴う光210a-2は、吸収性偏光器208によって吸収される。さらに、本光210aは、好ましくは、偏光選択的ミラー206を透過し、実質的に無または低レベルの反射のみを伴い、したがって、ユーザの眼214に向かって戻るように反射されない。一方向ミラー212によってユーザの眼214に向かって戻るように反射される光は、この反射された画像光が、反射された結果として、時間遅れとなり、および/または収差の影響を受け得るので、望ましくないことに、ディスプレイによって出力された画像のユーザの視認体験に悪影響を及ぼし得ることを理解されたい。
【0105】
図3Bに図示されるように、デポラライザ204は、特定の偏光210a-1を有するように偏光されているディスプレイ210からの画像光210aを円偏光210a-2にさらに変換する。光を円偏光に変換しない場合、光210aおよび202bを視認する線形偏光器(偏光サングラス等)を伴うアイウェアは、ある向きでは、反射された光202bをフィルタリング除去し、画像光210aを透過させ、それによって、画像光がそのアイウェアの装着者に可視となることを可能にし得る。偏光選択的ミラー206によって反射された光202aおよびディスプレイ210からの光210aを円偏光202b-2、210a-2に変換する場合、線形偏光器を伴うアイウェアを有する光202a、210aの周囲環境202内の視認者は、電場ベクトルを有しないこともあり、視認者は、単に、ディスプレイ210からの光210aを見ることが可能であり、それによって、デポラライザ204は、プライバシを提供することをさらに補助するであろう。
【0106】
図3Aおよび3Bを継続して参照すると、いくつかの実装では、本明細書に記載されるように、偏光選択的ミラー206は、線形偏光を反射するように構成されたワイヤグリッド偏光器(WGP)であり得る。例として、WGPは、反復平行ワイヤを伴うナノスケールワイヤパターンを含み得る。いくつかの実装では、ワイヤパターンのワイヤの各々は、偏光選択的ミラー206の透過軸206aと垂直に引き延ばされ得る。
【0107】
いくつかの実装では、偏光選択的ミラー206は、多層偏光器(MLP)であり得る。多層偏光器は、所定の波長の入射光を反射するように構成され得る。例えば、所定の波長は、異なる色に対応する波長を含み得る。いくつかの実装では、多層偏光器は、軸に沿って押し出され、引き伸ばされた複数のポリマー薄膜を含み得、これは、伸張軸および横軸に沿って、屈折率における差異を提供し得る。有利なこととして、多層偏光器は、一方向ミラーの色のカスタマイズを可能にし得、それによって、異なる色調で提供され得るサングラスと全く同じように、種々の異なる色のディスプレイシステムを提供する能力を提供する。これは、ディスプレイシステムの審美的魅力を改良し得る。例えば、異なる色は、所定の波長の光(所望の色に対応する)を反射する多層偏光器の使用によって提供され得る。加えて、ある波長の光を反射するが、透過光として影響されないこともあるユーザの眼214に到達する世界光の色点は、ある波長の光を優先的に透過させることによって色点を改変するように構成され得る吸収性偏光器208によって決定されるであろう。さらに、多層偏光器が異なる反射率を有し得ることを理解されたい。多層偏光器は、有利なこととして、反射された光の量に基づいて、調整された量のプライバシを提供するように構成され得る。例えば、より高い反射率を伴う多層偏光器は、より高いプライバシのために利用され得、より低い反射率を伴う多層偏光器は、プライバシ要件がより低いときに利用され得る。
【0108】
ここで
図2Cを参照すると、吸収性偏光器208は、有利なこととして、追加の光学機能性を提供するための他の光学構造を形成するために利用され得ることを理解されたい。例えば、
図2Cは、能動可変調光器216と統合された構造を形成する一方向ミラー212を図示する。能動可変調光器216は、能動可変光透過率を有し得る。能動可変調光器216は、一方向ミラー212の吸収性偏光器208と追加の偏光器216bとの間に配置された液晶要素のアレイ216aを含み得る。液晶要素のアレイ216aは、例えば、電気入力(電気電圧等)の印加によって、減衰モードから透過モードに移行するように電子的に制御可能であり得る。そのような液晶要素のアレイの例は、米国特許公開第2018/0234675号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に開示される。
【0109】
能動可変調光器は、2つの偏光器によって挟まれた液晶要素のアレイを含み得ることを理解されたい。有利なこととして、吸収性偏光器208は、能動可変調光器の偏光器のうちの1つに取って代わり得る。したがって、液晶要素のアレイ216aは、吸収性偏光器208と偏光器216bとによって挟まれ得る。吸収性偏光器208は、一方向ミラー212と能動可変調光器216とによって共有され、単一の統合されたユニットである一方向ミラー式調光器を形成し、それは、コンポーネント数を節約し、一方向ミラーおよび能動可変調光器の両方を利用するデバイスのコストおよび複雑性を減少させ得る。加えて、能動可変調光器216とディスプレイ212との間ではなく、一方向ミラー212を機能的要素216の外側に含むことによって、単に材料の追加の受動層を備えている受動一方向ミラー212が、下層の調光器およびディスプレイ210をさほど再エンジニアリングせずに、調光器216およびディスプレイ210を含むデバイスに単純に追加され得る。
【0110】
いくつかの実装では、偏光選択的ミラー206と吸収性偏光器208とが互いに接触し得ること(例えば、積層される)、または、それらが間隙(例えば、空隙)によって間隔を置かれ得ることも理解されたい。例えば、偏光選択的ミラー206および吸収性偏光器218は、1mm以上、2mm以上、または3mm以上(1~5mm、2~5mm、および3~5mmを含む)の間隙によって分離され得る。そのような間隙は、例えば、偏光選択的ミラー206が既存の吸収性偏光器218およびディスプレイ210と組み合わせられる実装において、存在し得る。例えば、偏光選択的ミラー206は、吸収性偏光器218およびディスプレイ212を保持するフレームの前方部分に取り付けられ得る(または偏光選択的ミラー206は、フレームに取り付けられ得、ディスプレイ212内の吸収性偏光器が、続いて、フレームの後方部分に追加され得る)。本明細書に議論されるように、偏光選択的ミラー206および吸収性偏光器218は、好ましくは、透過軸が整列させられた状態で向けられる。しかしながら、偏光選択的ミラー206および吸収性偏光器218の共通フレームへの機械的取り付けは、例えば、ディスプレイシステムの組立中、および/またはディスプレイシステムの使用中、整列誤差をもたらし得る。例えば、経時的に、フレームの変形が存在し得、ディスプレイシステムは、機械的応力を受け得(例えば、落とされること、手荒に扱われること等に起因して)、および/または、偏光選択的ミラー206および吸収性偏光器218の一方または両方が、緩み得る。望ましくないことに、偏光選択的ミラー206と吸収性偏光器218との間の不整列は、本明細書に議論されるように、一方向ミラーの光学機能性が、偏光選択的ミラー206および吸収性偏光器218を含む一方向ミラーを形成する種々の偏光感知構造の透過軸の適切な整列に依存するので、一方向ミラー212の機能性に悪影響を及ぼし得る。
【0111】
いくつかの実装では、偏光選択的ミラー206と吸収性偏光器218との間の整列許容誤差は、偏光選択的ミラー206と吸収性偏光器218との間の体積(例えば、間隙)内で光を円偏光に変換する光学構造を使用して増加させられ得る。
【0112】
図3Cは、円偏光を提供するための光学位相差板218a、218bを伴う一方向ミラー212aを有する光学デバイスの概略側面図の例である。同様の参照番号によって示されるように、一方向ミラー212aは、
図2A、2B、3A、および3Bの一方向ミラー212のそれに類似する特徴を有し、これらの特徴に関する詳細は、ここでは繰り返されないであろう。一方向ミラー212aは、偏光選択的ミラー206と吸収性偏光器208との間の1つ以上の位相差板218a、281bをさらに含む。好ましくは、一方向ミラー212aは、一対の対向する位相差板218a、281bを含み、これらは、直接、互いに面する。位相差板218a、281bは、アクロマティック4分の1波長板等の4分の1波長板であり得る。
【0113】
図3Cに図示されるように、偏光選択的ミラー206の透過軸と整列した線形に偏光された世界光202aは、その偏光選択的ミラー206を透過させられた後、位相差板218a、281bのうちの第1のものを通して伝搬し、世界光202aは、円偏光された世界光218cに変換される。円偏光された世界光218cは、位相差板218の第2のものを通して伝搬し、それは、吸収性偏光器の透過軸208と整列させられた向きを有する線形偏光に戻るように円偏光された世界光218cを変換し、その線形に偏光された光は、次いで、線形に偏光された世界光202c-1として眼214まで伝搬し続ける。
【0114】
いくつかの実装では、位相差板218aは、位相差板218aおよび偏光選択的ミラー206が連続的一体型ユニットを形成するように、偏光選択的ミラー206に積層または接着される。加えて、または代替として、いくつかの実装では、位相差板218bは、位相差板218bおよび吸収性偏光器208が連続的一体型ユニットを形成するように、吸収性偏光器208に積層または接着される。有利なこととして、そのような一体型構造は、製造中、位相差板218aまたは218bの偏光選択的ミラー206または吸収性偏光器208への精密な整列を可能にし得、構造がレーム上に嵌められ、整列させられること(例えば、フレーム上に手動で嵌められること)を要求せずに達成され得る。加えて、そのような一体型ユニットを形成することは、一方向ミラー212aの長期耐久性および機械的安定性を促進し、それによって、不整列の発生を経時的に低減させ得る。
【0115】
加えて、本明細書に開示される一方向ミラーにおける可能な大きな不整列源は、偏光選択的ミラー206および吸収性偏光器208の透過軸の可能な不整列(特に、これらの特徴が、本明細書に議論されるように、間隙によって分離されるとき)から生じることを理解されたい。有利なこととして、世界光202aを円偏光に変換し、間隙を横断することによって、偏光選択的ミラー206と吸収性偏光器208との間の不整列に対する一方向ミラーの感度は、低減させられ得、整列許容誤差は、増加させられ得る。いくつかの実施形態では、円偏光の使用は、効果的に、一方向ミラーを偏光選択的ミラー206と吸収性偏光器208との間の不整列に比較的に鈍感にし、位相差板218bは、吸収性偏光器208の透過軸と整列するための適切な偏光および向きを有する線形偏光に円偏光を変換し、線形偏光が吸収性偏光器208を透過させられるようにするために利用され得る。
【0116】
図3Dは、
図3Cの構造を図示し、ここでは、一方向ミラー212aを通したディスプレイ210からの光の伝搬の例を示す。ディスプレイ210は、画像光210bをユーザの眼214に出力し、付随的に、光210aを周囲環境202にも向かって前方に出力する。本明細書に議論されるように、画像光210aの偏光およびその光の電場ベクトルは、その画像光210aの一部が、吸収性偏光器208を透過させられるように向けられる一方、透過軸と整列させられていない電場ベクトルを伴う光は、吸収性偏光器208によって吸収される。位相差板218bは、次いで、光210aを円偏光218dに変換する。位相差板218aは、続いて、円偏光218dを線形偏光に変換し、それは、偏光選択的ミラー206を通して画像光210a-1として通過するように向けられる。
【0117】
付随的反射が、位相差板218bの前方の異なる材料間の界面において、例えば、偏光選択的ミラー206と位相差板218aとの間の界面からのフレネル反射が生じ得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、付随的に反射された光210arは、位相差板218aを通過し、円偏光218cの画像光に変換されることができる。位相差板218bは、続いて、光を、吸収性偏光器208の透過軸208aに直交する偏光を有する線形に偏光された画像光に変換する。結果として、線形に偏光された画像光は、吸収性偏光器208によって吸収される。したがって、吸収性偏光器208は、事実上、偏光選択的ミラー206からの反射210arを吸収し得、それは、画質を改良し得る。
【0118】
本明細書に議論されるように、いくつかの実装では、偏光選択的ミラーは、コレステリック液晶反射性偏光器等の反射性円偏光器であり得る。コレステリック液晶反射性偏光器の例は、「Diffractive Devices Based on Cholesteric Liquid Crystal」と題され、2018年6月14日に公開された米国特許公開第2018/0164627号(その開示全体が、参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示される。
【0119】
図4Aおよび4Bは、その中で偏光選択的ミラー206が反射性円偏光器である、一方向ミラー416を有する光学デバイスの概略側面図の例である。
図4Aは、光学デバイスを通した世界光412aの伝搬を図示し、
図4Bは、光学デバイスを通した画像光410aの伝搬を図示する。図示される例では、一方向ミラー416は、位相差板204の前方の反射性円偏光器206を含み、位相差板204は、吸収性偏光器208の前方にある。
【0120】
図4Aを参照すると、世界光412a(
図2A、3A、3Cの世界光202aに対応し得る)が、世界202から受け取られる。世界光412aは、2つの直交コンポーネント412a-1、412a-2を含み、それらは、いくつかの実装では、異なる電場ベクトル(例えば、異なる線形偏光の光のため)を表し得る。図示される例では、反射性円偏光器206は、1つの偏光の光を透過させ、反対の線形偏光を有する光412bを反射するように構成され得る。透過させられる光は、円偏光412a-3を有する光に変換され得、それは、次いで、4分の1波長板等の位相差板207、次いで、吸収性偏光器208を通過する。位相差板207は、円偏光を有する世界光412a-3を、線形偏光を有する光412a-4に変換する。好ましくは、線形偏光412a-4の向きは、吸収性偏光器208の透過軸208aと整列させられる。したがって、線形偏光412a-4を伴う世界光は、吸収性偏光器208を透過させられる。線形偏光412a-4を伴う世界光412aは、続いて、ディスプレイ210を通して、ユーザの眼214まで透過させられる。いくつかの実施形態では、位相差板207は、吸収性偏光器208に積層または接着され得る。加えて、いくつかの実施形態では、反射性円偏光器206は、位相差板207から間隔を置かれ得る。有利なこととして、反射性円偏光器206によって提供される円偏光は、本明細書に議論されるように、整列許容誤差を増加させ得る。
【0121】
図4Bは、ディスプレイ210からの画像光の伝搬を図示し、画像光の伝搬は、一方の方向におけるユーザの眼214への伝搬と、反対方向における一方向ミラー416を通した外の世界202への伝搬とを図示している。ディスプレイ210によって眼214に出力された画像光210bは、仮想画像をユーザの眼214に提供する。本明細書に議論されるように、ディスプレイ210は、付随的に、画像光410aを世界202にも向かって出力し得る。
図4Bに示されるように、いくつかの実装では、ディスプレイ210から出力された画像光410aは、2つの直交電場ベクトル410a-1、410a-2を含み、異なる線形偏光の光を表す。ディスプレイ210から生じる画像光410aは、吸収性偏光器208の透過軸208aに直交する電場ベクトル410a-2を伴う画像光が吸収される一方、透過軸208aと整列させられた電場ベクトル410a-3を伴う画像光が透過させられるように、偏光され得る。位相差板207は、次いで、透過させられる画像光を円偏光410a-4を伴う光に変換する。偏光選択的ミラー206の透過軸の向きは、位相差板207の前方に伝搬する画像光の向き410a-4に合致し、偏光選択的ミラー206を透過させられる。
【0122】
本明細書に議論されるように、偏光選択的ミラー206は、コレステリック液晶偏光器(CLCP)であり得、それは、1つ以上の利点を提供し得る。コレステリック液晶偏光器206は、入射円偏光の角度の向きに対して実質的に鈍感であり得、したがって、吸収性円偏光器408に対する明確な透過軸整列を伴って向けられる必要がなくなり得る。さらに、
図3Aのデポラライザ204を伴う一方向ミラー212と同様、一方向ミラー416は、円偏光412b-1を伴う反射光412bを提供し(
図4A)、反対円偏光410a-4を伴う光を透過させる(
図4B)。
図3Aに関連して上で議論されるように、反射光412bに円偏光を提供することによって、あるサングラス等の線形偏光器を装着している、他の個人は、反射された光412bをフィルタリング除去し、世界202の中に逃散する画像光410aを見ることを防止される。
【0123】
加えて、有利なこととして、一方向ミラー416の色調は、CLCP内のコレステリック液晶の組成を調節することによって調節され得る。組成を調節することによって、CLCPは、所定の波長の光を反射し、それによって、一方向ミラー416を利用するディスプレイシステムの外部外観に影響を及ぼすように構成され得る。加えて、CLCPは、ある波長の光を殆ど透過させないが、眼214に到達する世界光の色点は、世界のユーザのビューは、吸収性偏光器208(ある波長の光を優先的に透過させることによって、色点を改変するように構成され得る)によって決定されるので、影響されないであろう。さらに、CLCPの反射率は、CLCPの厚さに基づいて調節され得る。いくつかの実装では、CLCPは、世界光412aの最大50%、例えば、世界光412aの30~50%または40~50%を反射し得る。いくつかの実装では、CLCPは、入射世界光412aの20~70%、30~70%、30~60%、または40~60%を反射し得る。反射される光の量を調整することによって、CLCPは、プライバシのレベルを調整し得る。
【0124】
再び、
図4Bを参照すると、フレネル反射が、位相差板207を通過後、コレステリック液晶偏光器206の表面上に入射する画像光410aに関して生じ得ることを理解されたい。画像光410aの一部は、円偏光402a-1を有する反射された画像光402aとして、コレステリック液晶偏光器206から反射し得、円偏光402a-1は、コレステリック液晶偏光器206上に入射する画像光410aの偏光410a-4と反対である。円偏光された反射された画像光402aは、位相差板207によって、線形偏光402a-2を有する線形偏光に変換され得る。線形偏光402a-2は、吸収性偏光器208の透過軸208aに直交し得、吸収性偏光器208によって吸収され得る。有利なこととして、
図3Cの実装と異なり、
図4Aおよび4Bの一方向ミラー416は、追加の4分の1波長板の使用を省略し得る一方、依然として、大きい整列許容誤差およびユーザの眼214への低レベルの反射された画像光402aを提供する。加えて、いくつかの実装では、デポラライザ204(
図2A-3d)等のデポラライザが、コレステリック液晶偏光器206の前方に提供され、コレステリック液晶偏光器206に対するその偏光の向きに関係なく、コレステリック液晶偏光器206を通した偏光の伝送を可能にし得る。
【0125】
図4Cは、能動可変調光器216を有する
図4Aおよび4Bの一方向ミラー416の実装の側面図を図示する。能動可変調光器216は、液晶要素のアレイ216aを含み、それは、吸収性偏光器208と偏光器216bとの間に挟まれている。したがって、吸収性偏光器208は、有利なこととして、一方向ミラー416および能動可変調光器216の両方のための光学機能性を提供し、それによって、
図2Cに関して本明細書でさらに議論されるように、複数の光学機能性を伴う高度にコンパクトな構造を提供する。
【0126】
本明細書で議論されるように、
図2A-4cのディスプレイおよび一方向ミラーは、拡張現実ディスプレイシステムの一部でもあり得る。拡張現実ディスプレイシステムのいくつかの実装の詳細は、以下に説明される。
(例示的拡張現実ディスプレイシステム)
【0127】
図5は、波面発散を修正することによって3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。ディスプレイシステムは、画像情報でエンコードされた光770を受け取り、その光をユーザの眼214に出力するように構成された導波管270を含む。導波管270は、接眼レンズとも称され得、それは、画像光772をユーザの眼214に中継する。導波管270は、所望の深度面240上のある点によって生成された明視野の波面発散に対応する定義された波面発散量を伴って光650を出力し得る。いくつかの実装では、同じ量の波面発散が、その深度面上に提示される全てのオブジェクトのために提供される。加えて、ユーザの他方の眼が同様の導波管からの画像情報を提供され得ることが例証されるであろう。
【0128】
いくつかの実装では、単一導波管が、単一または限定数の深度面に対応する設定された波面発散量を伴う光を出力するように構成され得、および/または、導波管は、限定された範囲の波長の光を出力するように構成され得る。その結果、いくつかの実装では、複数またはスタックの導波管が、異なる深度面のための異なる波面発散量を提供するために、および/または、異なる範囲の波長の光を出力するために利用され得る。本明細書で使用されるように、深度面は、平面であり得るか、または、湾曲表面の輪郭を辿り得ることを理解されたい。
【0129】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの例を図示する。ディスプレイシステム250は、複数の導波管270、280、290、300、310を使用して、3次元知覚を眼/脳に提供するために利用され得る導波管のスタックまたはスタックされた導波管アセンブリ260を含む。ディスプレイシステム250は、いくつかの実装では、明視野ディスプレイと見なされ得ることを理解されたい。加えて、導波管アセンブリ260は、接眼レンズとも称され得る。
【0130】
いくつかの実装では、ディスプレイシステム250は、両眼離反運動のための実質的に連続したキュー、および遠近調節のための複数の別々のキューを提供するように構成され得る。両眼離反運動のためのキューは、異なる画像をユーザの眼の各々に表示することによって提供され得、遠近調節のためのキューは、選択可能な別々の量の波面発散を伴う画像を形成する光を出力することによって提供され得る。換言すると、ディスプレイシステム250は、可変レベルの波面発散を伴う光を出力するように構成され得る。いくつかの実装では、波面発散の各別々のレベルは、特定の深度面に対応し、導波管270、280、290、300、310のうちの特定の1つによって提供され得る。
【0131】
図6を継続して参照すると、導波管アセンブリ260はまた、複数の特徴320、330、340、350を導波管の間に含み得る。いくつかの実装では、特徴320、330、340、350は、1つ以上のレンズであり得る。導波管270、280、290、300、310および/または
【0132】
複数のレンズ320、330、340、350は、種々のレベルの波面曲率または光線発散を用いて、画像情報を眼に送信するように構成され得る。各導波管レベルは、特定の深度面に関連付けられ得、その深度面に対応する画像情報を出力するように構成され得る。画像投入デバイス360、370、380、390、400は、導波管のための光源として機能し得、画像情報を導波管270、280、290、300、310の中に投入するために利用され得、それらの各々は、本明細書に説明されるように、眼214に向かう出力のために、各それぞれの導波管に入射光を分配するように構成され得る。光は、画像投入デバイス360、370、380、390、400の出力表面410、420、430、440、450から出射し、導波管270、280、290、300、310の対応する入力表面460、470、480、490、500の中に投入される。いくつかの実装では、入力表面460、470、480、490、500の各々は、対応する導波管の縁であり得るか、または、対応する導波管の主要表面の一部(すなわち、世界510または視認者の眼214に直接面する導波管表面のうちの1つ)であり得る。いくつかの実装では、光の単一ビーム(例えば、コリメートされたビーム)が、各導波管の中に投入され、特定の導波管に関連付けられた深度面に対応する特定の角度(および発散量)において眼214に向かって方向づけられたクローン化されるコリメートされたビームの場全体を出力し得る。いくつかの実装では、画像投入デバイス360、370、380、390、400のうちのただ1つのものが、複数(例えば、3つ)の導波管270、280、290、300、310に関連付けられ、それらの中に光を投入し得る。
【0133】
いくつかの実装では、画像投入デバイス360、370、380、390、400は、それぞれ、各々が対応する導波管270、280、290、300、310の中への投入のための画像情報を生成する別々のディスプレイ構造である。いくつかの他の実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400は、例えば、1つ以上の光学導管(光ファイバケーブル等)を介して、画像情報を画像投入デバイス360、370、380、390、400の各々に送り得る画像光を出力するための単一の多重化されたシステムの出力端である。画像投入デバイス360、370、380、390、400によって提供される画像情報は、異なる波長または色(例えば、本明細書に議論されるように、異なる構成要素の色)の光を含み得ることを理解されたい。
【0134】
いくつかの実装では、導波管270、280、290、300、310の中に投入される光は、光投影システム520によって提供され、光投影システム520は、光モジュール530を備え、光モジュール530は、発光ダイオード(LED)等の光エミッタを含み得る。光モジュール530からの光は、ビームスプリッタ550を介して、光変調器540、例えば、空間光変調器によって方向づけられ、修正され得る。光変調器540は、導波管270、280、290、300、310の中に投入される光の知覚される強度を変化させ、光を画像情報でエンコードするように構成され得る。空間光変調器の例は、シリコン上液晶(LCOS)ディスプレイを含む液晶ディスプレイ(LCD)を含む。いくつかの他の実施形態では、空間光変調器は、デジタル光処理(DLP)デバイス等のMEMSデバイスであり得る。画像投入デバイス360、370、380、390、400が図式的に図示されており、いくつかの実装では、これらの画像投入デバイスが光を導波管270、280、290、300、310の関連付けられたものの中に出力するように構成された共通投影システムにおける異なる光経路および場所を表し得ることを理解されたい。いくつかの実装では、導波管アセンブリ260の導波管は、導波管の中に投入された光をユーザの眼に中継しながら、理想的レンズとして機能し得る。この概念では、オブジェクトは、空間光変調器540であり得、画像は、深度面上の画像であり得る。
【0135】
いくつかの実装では、ディスプレイシステム250は、光を種々のパターン(例えば、ラスタ走査、螺旋走査、リサジューパターン等)で1つ以上の導波管270、280、290、300、310の中に、最終的に、視認者の眼214に投影するように構成された1つ以上の走査ファイバを備えている走査ファイバディスプレイであり得る。いくつかの実装では、図示される画像投入デバイス360、370、380、390、400は、光を1つまたは複数の導波管270、280、290、300、310の中に投入するように構成された単一の走査ファイバまたは走査ファイバの束を図式的に表し得る。いくつかの他の実施形態では、図示される画像投入デバイス360、370、380、390、400は、複数の走査ファイバまたは走査ファイバの複数の束を図式的に表し得、それらの各々は、光を導波管270、280、290、300、310のうちの関連付けられた1つの中に投入するように構成されている。1つ以上の光ファイバは、光を光モジュール530から1つ以上の導波管270、280、290、300、310に透過させるように構成され得ることを理解されたい。1つ以上の介在光学構造が、走査ファイバまたは複数のファイバと、1つ以上の導波管270、280、290、300、310との間に提供され、例えば、走査ファイバから出射する光を1つ以上の導波管270、280、290、300、310の中に方向転換させ得ることを理解されたい。
【0136】
コントローラ560は、画像投入デバイス360、370、380、390、400、光源530、および光変調器540の動作を含むスタックされた導波管アセンブリ260のうちの1つ以上の動作を制御する。いくつかの実装では、コントローラ560は、ローカルデータ処理モジュール140の一部である。コントローラ560は、例えば、本明細書に開示される種々のスキームのいずれかに従って、導波管270、280、290、300、310への画像情報のタイミングおよび提供を調整するプログラミング(例えば、非一過性媒体内の命令)を含む。いくつかの実装では、コントローラは、単一一体型デバイス、または有線または無線通信チャネルによって接続される分散型システムであり得る。コントローラ560は、いくつかの実装では、処理モジュール140または150(
図9E)の一部であり得る。
【0137】
図6を継続して参照すると、導波管270、280、290、300、310は、全内部反射(TIR)によって各それぞれの導波管内で光を伝搬するように構成され得る。導波管270、280、290、300、310の各々は、主要上部表面および底部表面、およびそれらの主要上部表面と底部表面との間に延びている縁を伴う平面であるか、または別の形状(例えば、湾曲)を有し得る。図示される構成では、導波管270、280、290、300、310の各々は、各それぞれの導波管内で伝搬する光を導波管から外に方向転換させ、画像情報を眼214に出力することによって、光を導波管から外に抽出するように構成された外部結合光学要素570、580、590、600、610を含み得る。抽出された光は、外部結合光とも称され得、外部結合光学要素は、光抽出光学要素とも称され得る。抽出された光のビームは、導波管内で伝搬する光が光抽出光学要素に衝打する場所において、導波管によって出力され得る。外部結合光学要素570、580、590、600、610は、例えば、本明細書にさらに議論されるような回折光学特徴を含む格子であり得る。説明を容易にし、図面を明確にするために、導波管270、280、290、300、310の底部主要表面に配置されて図示されるが、いくつかの実装では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、本明細書にさらに議論されるように、上部および/または底部主要表面に配置され得、および/または、導波管270、280、290、300、310の中に直接配置され得る。いくつかの実装では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、透明基板に取り付けられ、導波管270、280、290、300、310を形成する材料の層内に形成され得る。いくつかの他の実施形態では、導波管270、280、290、300、310は、材料のモノリシック片であり得、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、その材料片の表面上および/または内部に形成され得る。
【0138】
図6を継続して参照すると、本明細書に議論されるように、各導波管270、280、290、300、310は、光を出力し、特定の深度面に対応する画像を形成するように構成されている。例えば、眼に最も近い導波管270は、眼214にコリメートされた光(そのような導波管270の中に投入された)を送達するように構成され得る。コリメートされた光は、光学無限遠焦点面を表し得る。次の上方の導波管280は、眼214に到達し得る前、第1のレンズ350(例えば、負のレンズ)を通過するコリメートされた光を送出するように構成され得る。そのような第1のレンズ350は、眼/脳が、その次の上方の導波管280から生じる光を光学無限遠から眼214に向かって内向きにより近い第1の焦点面から生じるものとして解釈するように、若干の凸面波面曲率を生成するように構成され得る。同様に、第3の上方の導波管290は、眼214に到達する前、その出力光を第1のレンズ350および第2のレンズ340の両方に通す。第1のレンズ350および第2のレンズ340の組み合わせられた屈折力は、眼/脳が、第3の導波管290から生じる光が次の上方の導波管280からの光であった光学無限遠から人物に向かって内向きにさらに近い第2の焦点面から生じるものとして解釈するように、別の増加した量の波面曲率を生成するように構成され得る。
【0139】
他の導波管層300、310およびレンズ330、320も同様に構成され、スタック内の最も高い導波管310が、人物に最も近い焦点面を表す集約焦点力のために、その出力をそれと眼との間のレンズの全てを通して送出する。スタックされた導波管アセンブリ260の他の側の世界510から生じる光を視認/解釈するとき、レンズ320、330、340、350のスタックを補償するために、補償レンズ層620が、スタックの上部に配置され、下方のレンズスタック320、330、340、350の総力を補償し得る。そのような構成は、利用可能な導波管/レンズ対と同じ数の知覚される焦点面を提供する。導波管の外部結合光学要素およびレンズの集束側面の両方は、静的であり得る(すなわち、動的または電気活性ではない)。いくつかの代替実施形態では、一方または両方が、電気活性特徴を使用して動的であり得る。
【0140】
いくつかの実装では、導波管270、280、290、300、310のうちの2つ以上は、同じ関連付けられた深度面を有し得る。例えば、複数の導波管270、280、290、300、310が、同じ深度面に設定される画像を出力するように構成され得るか、または、導波管270、280、290、300、310のうちの一部の複数個が、各深度面のための1組で、同じ複数の深度面に設定された画像を出力するように構成され得る。これは、それらの深度面において拡張された視野を提供するようにタイル化された画像を形成する利点を提供し得る。
【0141】
図6を継続して参照すると、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、導波管に関連付けられた特定の深度面のために、光をそれらのそれぞれの導波管から方向転換させ、この光を適切な量の発散またはコリメーションを伴って出力するように構成され得る。その結果、異なる関連付けられた深度面を有する導波管は、外部結合光学要素570、580、590、600、610の異なる構成を有し得、それらは、関連付けられた深度面に応じて、異なる量の発散を伴って光を出力する。いくつかの実装では、光抽出光学要素570、580、590、600、610は、光を特定の角度で出力するように構成され得る立体または表面特徴であり得る。例えば、光抽出光学要素570、580、590、600、610は、立体ホログラム、表面ホログラム、および/または回折格子であり得る。いくつかの実装では、特徴320、330、340、350は、レンズではないこともある。むしろ、それらは、単に、スペーサであり得る(例えば、空隙を形成するためのクラッディング層および/または構造)。
【0142】
いくつかの実装では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、回折パターンを形成する回折特徴または「回折光学要素」(また、本明細書では、「DOE」とも称される)である。好ましくは、DOEは、ビームの光の一部のみがDOEの各交点を用いて眼214に向かって偏向させられる一方、残りがTIRを介して、導波管を通して移動し続けるように、十分に低回折効率を有する。画像情報を搬送する光は、したがって、様々な場所において導波管から出射する、いくつかの関連出射ビームに分割され、その結果は、導波管内で跳ね返るこの特定のコリメートされたビームに関する眼214に向かって非常に均一なパターンの出射放出である。
【0143】
いくつかの実装では、1つ以上のDOEは、それらが能動的に回折する「オン」状態とあまり回折させない「オフ」状態との間で切り替え可能であり得る。例えば、切り替え可能なDOEは、微小液滴がホスト媒体中に回折パターンを備えているポリマー分散液晶の層を備え得、微小液滴の屈折率は、ホスト材料の屈折率に実質的に合致するように切り替えられ得るは(その場合、パターンは、入射光をあまり回折させない)、または微小液滴は、ホスト媒体のものに合致しない屈折率に切り替えられ得る(その場合、パターンは、入射光を能動的に回折させる)。
【0144】
いくつかの実装では、カメラアセンブリ630(例えば、可視光および赤外線光カメラを含むデジタルカメラ)が、眼214および/または眼214の周囲の組織の画像を捕捉するために(例えば、ユーザ入力を検出するために、および/またはユーザの生理学的状態を監視するために)提供され得る。本明細書で使用されるように、カメラは、任意の画像捕捉デバイスであり得る。いくつかの実装では、カメラアセンブリ630は、画像捕捉デバイスと、光(例えば、赤外線光)を眼に投影するための光源とを含み得、光は、次いで、眼によって反射され、画像捕捉デバイスによって検出され得る。いくつかの実装では、カメラアセンブリ630は、フレームまたは支持構造80(
図9E)に取り付けられ得、カメラアセンブリ630からの画像情報を処理し得る処理モジュール140および/または150と電気通信し得る。いくつかの実装では、1つのカメラアセンブリ630が、各眼のために利用され、各眼を別個に監視し得る。
【0145】
カメラアセンブリ630は、いくつかの実装では、ユーザの眼移動等のユーザの移動を観察し得る。例として、カメラアセンブリ630は、眼214の画像を捕捉し、眼214の瞳孔(または眼214のある他の構造)のサイズ、位置、および/または向きを決定し得る。カメラアセンブリ630は、所望に応じて、ユーザが見ている方向(例えば、眼姿勢または視線方向)を決定するために使用される、画像(本明細書に説明されるタイプの処理回路網によって処理される)を取得し得る。いくつかの実装では、カメラアセンブリ630は、複数のカメラを含み得、それらのうちの少なくとも1つが、各眼のために利用され、独立して、各眼の眼姿勢または視線方向を別個に決定し得る。カメラアセンブリ630は、いくつかの実装では、コントローラ560またはローカルデータ処理モジュール140等の処理回路網と組み合わせて、カメラアセンブリ630内に含まれる光源から反射された光(例えば、赤外線光)の閃光(例えば、反射)に基づいて、眼姿勢または視線方向を決定し得る。
【0146】
ここで
図7を参照すると、導波管によって出力された出射ビームの例が、示される。1つの導波管が図示されるが、導波管アセンブリ260(
図6)内の他の導波管も同様に機能し得、導波管アセンブリ260は、複数の導波管を含むことを理解されたい。光640が、導波管270の入力表面460において導波管270の中に投入され、TIRによって導波管270内を伝搬する。光640がDOE570上に衝突する点において、光の一部が、出射ビーム650として導波管から出射する。出射ビーム650は、実質的に平行として図示されるが、本明細書に議論されるように、導波管270に関連付けられた深度面に応じて、(例えば、発散出射ビームを形成する)ある角度で眼214に伝搬するように方向転換させられ得る。実質的に平行出射ビームは、眼214からの遠距離(例えば、光学無限遠)における深度面に設定されるように見える画像を形成するように光を外部結合する外部結合光学要素を伴う導波管を示し得ることを理解されたい。他の導波管または他の外部結合光学要素の組が、より発散する、出射ビームパターンを出力し得、それは、眼214がより近い距離に遠近調節し、網膜上に焦点を合わせることを要求し、光学無限遠より眼214に近い距離からの光として脳によって解釈されるであろう。
【0147】
いくつかの実装では、フルカラー画像が、構成要素の色(例えば、3つ以上の構成要素の色)の各々における画像をオーバーレイすることによって、各深度面において形成され得る。
図8は、スタックされた導波管アセンブリの例を図示し、各深度面は、複数の異なる構成要素の色を使用して形成される画像を含む。図示される実施形態は、深度面240a-240fを示すが、より多いまたはより少ない深度も、検討される。各深度面は、第1の色Gの第1の画像、第2の色Rの第2の画像、および第3の色Bの第3の画像を含むそれに関連付けられた3つ以上の構成要素の色の画像を有し得る。異なる深度面は、文字G、R、およびBに続くジオプタ(dpt)に関する異なる数字によって図に示される。単なる例として、これらの文字の各々に続く数字は、ジオプタ(1/m)、すなわち、視認者からの深度面の距離の逆数を示し、図中の各ボックスは、個々の構成要素の色の画像を表す。いくつかの実装では、異なる波長の光の眼の焦点合わせにおける差異を考慮するために、異なる構成要素の色に関する深度面の正確な場所は、変動し得る。例えば、所与の深度面に関する異なる構成要素の色の画像は、ユーザからの異なる距離に対応する深度面上に設置され得る。そのような配置は、視力およびユーザ快適性を増加させ得、および/または色収差を減少させ得る。
【0148】
いくつかの実装では、各構成要素の色の光は、単一の専用導波管によって出力され得、その結果、各深度面は、それに関連付けられた複数の導波管を有し得る。そのような実施形態では、文字G、R、またはBを含む図中の各ボックスは、個々の導波管を表すものと理解され得、3つの導波管は、深度面毎に提供され得、3つの構成要素の色の画像が、深度面毎に提供される。各深度面に関連付けられた導波管は、この図では、説明を容易にするために互いに隣接して示されるが、物理的デバイスでは、導波管の全ては、レベル毎に1つの導波管を伴うスタックで配置され得ることを理解されたい。いくつかの他の実施形態では、複数の構成要素の色が、例えば、単一の導波管のみが深度面毎に提供され得るように、同じ導波管によって出力され得る。
【0149】
図8を継続して参照すると、いくつかの実装では、Gは、緑色であり、Rは、赤色であり、Bは、青色である。いくつかの他の実施形態では、マゼンタ色およびシアン色を含む光の他の波長に関連付けられた他の色も、赤色、緑色、または青色のうちの1つ以上に加えて使用され得るか、または、それらに取って代わり得る。
【0150】
本開示全体を通した所与の光の色の言及は、その所与の色として視認者によって知覚される光の波長の範囲内の1つ以上の波長の光を包含するものと理解されると理解されたい。例えば、赤色光は、約620~780nmの範囲内である1つ以上の波長の光を含み得、緑色光は、約492~577nmの範囲内である1つ以上の波長の光を含み得、青色光は、約435~493nmの範囲内である1つ以上の波長の光を含み得る。
【0151】
いくつかの実装では、光源530(
図6)は、視認者の視覚的知覚範囲外の1つ以上の波長、例えば、赤外線および/または紫外線波長の光を放出するように構成され得る。加えて、ディスプレイ250の導波管の内部結合、外部結合、および他の光方向変換構造は、例えば、結像および/またはユーザ刺激用途のために、この光をディスプレイからユーザの眼214の方に方向づけ、放出するように構成され得る。
【0152】
ここで
図9Aを参照すると、いくつかの実装では、導波管に衝突する光は、その光を導波管の中に内部結合するために方向転換させられる必要があり得る。内部結合光学要素が、光をその対応する導波管の中に方向転換および内部結合するために使用され得る。
図9Aは、各々が内部結合光学要素を含む複数または組のスタックされた導波管660の例の断面側面図を図示する。導波管の各々は、1つ以上の異なる波長または1つ以上の異なる波長範囲の光を出力するように構成され得る。スタック660は、スタック260(
図6)に対応し得、スタック660の図示される導波管は、複数の導波管270、280、290、300、310の一部に対応し得るが、画像投入デバイス360、370、380、390、400のうちの1つ以上からの光が、光が内部結合のために方向転換させられることを要求する位置から導波管の中に投入されることを理解されたい。
【0153】
スタックされた導波管の図示される組660は、導波管670、680、および690を含む。各導波管は、関連付けられた内部結合光学要素(導波管上の光入力エリアとも称され得る)を含み、例えば、内部結合光学要素700は、導波管670の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素710は、導波管680の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素720は、導波管690の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置される。いくつかの実装では、内部結合光学要素700、710、720のうちの1つ以上は、それぞれの導波管670、680、690の底部主要表面上に配置され得る(特に、1つ以上の内部結合光学要素は、反射性偏向光学要素である)。図示されるように、内部結合光学要素700、710、720は、それらのそれぞれの導波管670、680、690の上側主要表面(または次の下側導波管の上部)上に配置され得、特に、それらの内部結合光学要素は、透過性偏向光学要素である。いくつかの実装では、内部結合光学要素700、710、720は、それぞれの導波管670、680、690の本体内に配置され得る。いくつかの実装では、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素700、710、720は、他の光の波長を透過させながら、1つ以上の光の波長を選択的に方向転換させるような波長選択的である。それらのそれぞれの導波管670、680、690の片側または角に図示されるが、内部結合光学要素700、710、720は、いくつかの実装では、それらのそれぞれの導波管670、680、690の他のエリア内に配置され得ることを理解されたい。
【0154】
図示されるように、内部結合光学要素700、710、720は、これらの内部結合光学要素に伝搬する光の方向において、図示される正面図に見られるように、互いから側方にオフセットされ得る。いくつかの実装では、各内部結合光学要素は、その光が別の内部結合光学要素を通過せずに、それが光を受け取るようにオフセットされ得る。例えば、各内部結合光学要素700、710、720は、
図6に示されるように、光を異なる画像投入デバイス360、370、380、390、および400から受け取るように構成され得、それが内部結合光学要素700、710、720の他のものから光を実質的に受け取らないように、他の内部結合光学要素700、710、720から分離され得る(例えば、側方に間隔を置かれる)。
【0155】
各導波管は、関連付けられた光分配要素も含み、例えば、光分配要素730は、導波管670の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分配要素740は、導波管680の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分配要素750は、導波管690の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置される。いくつかの他の実施形態では、光分配要素730、740、750は、それぞれ、関連付けられた導波管670、680、690の底部主要表面上に配置され得る。いくつかの他の実施形態では、光分配要素730、740、750は、それぞれ、関連付けられた導波管670、680、690の上部および底部両方の主要表面上に配置され得るか、または、光分配要素730、740、750は、それぞれ、異なる関連付けられた導波管670、680、690内の上部および底部主要表面の異なるもの上に配置され得る。
【0156】
導波管670、680、690は、例えば、材料のガス、液体、および/または固体層によって間隔を置かれ、分離され得る。例えば、図示されるように、層760aは、導波管670と680とを分離し得、層760bは、導波管680と690とを分離し得る。いくつかの実装では、層760aおよび760bは、低屈折率材料(すなわち、導波管670、680、690のうちのすぐ近くものを形成する材料より低い屈折率を有する材料)から形成される。好ましくは、層760a、760bを形成する材料の屈折率は、導波管670、680、690を形成する材料の屈折率を0.05または0.10下回る。有利なこととして、より低い屈折率層760a、760bは、導波管670、680、690を通して光の全内部反射(TIR)(例えば、各導波管の上部および底部主要表面間のTIR)を促進するクラッディング層として機能し得る。いくつかの実装では、層760a、760bは、空気から形成される。図示されないが、導波管の図示される組660の上部および底部は、直近クラッディング層を含み得ることを理解されたい。
【0157】
好ましくは、製造の容易さおよび他の考慮のために、導波管670、680、690を形成する材料は、類似または同じであり、層760a、760bを形成する材料は、類似または同じである。いくつかの実装では、導波管670、680、690を形成する材料は、1つ以上の導波管間で異なり得、および/または、層760a、760bを形成する材料は、依然として、前述の種々の屈折率関係を保持しながら、異なり得る。
【0158】
図9Aを継続して参照すると、光線770、780、790が、導波管の組660に入射する。光線770、780、790は、1つ以上の画像投入デバイス360、370、380、390、400(
図6)によって導波管670、680、690の中に投入され得ることを理解されたい。
【0159】
いくつかの実装では、光線770、780、790は、異なる色に対応し得る異なる特性、例えば、異なる波長または異なる波長範囲を有する。内部結合光学要素700、710、720の各々は、光が、TIRによって、導波管670、680、690のうちのそれぞれの1つを通して伝搬するように、入射光を偏向させる。いくつかの実装では、内部結合光学要素700、710、720の各々は、他の波長を下にある導波管および関連付けられた内部結合光学要素に透過させながら、1つ以上の特定の光の波長を選択的に偏向させる。
【0160】
例えば、内部結合光学要素700は、異なる第2および第3の波長または波長範囲を有する光線780および790を透過させながら、第1の波長または波長範囲を有する光線770を偏向させるように構成され得る。透過させられた光線780は、第2の波長または波長範囲の光を偏向させるように構成された内部結合光学要素710に衝突し、それによって偏向させられる。光線790は、第3の波長または波長範囲の光を選択的に偏向させるように構成された内部結合光学要素720によって偏向させられる。
【0161】
図9Aを継続して参照すると、偏向させられる光線770、780、790は、対応する導波管670、680、690を通して伝搬するように偏向させられる。すなわち、各導波管の内部結合光学要素700、710、720は、光をその対応する導波管670、680、690の中に偏向させ、光を対応する導波管の中に内部結合する。光線770、780、790は、光をTIRによってそれぞれの導波管670、680、690を通して伝搬させる角度で偏向させられる。光線770、780、790は、導波管の対応する光分配要素730、740、750に衝突するまで、TIRによってそれぞれの導波管670、680、690を通して伝搬する。
【0162】
ここで
図9Bを参照すると、
図9Aの複数のスタックされた導波管の例の斜視図が、図示される。上で記載されるように、内部結合される光線770、780、790は、それぞれ、内部結合光学要素700、710、720によって偏向させられ、次いで、それぞれ、導波管670、680、690内でTIRによって伝搬する。光線770、780、790は、次いで、それぞれ、光分配要素730、740、750に衝突する。光分配要素730、740、750は、それぞれ、外部結合光学要素800、810、820に向かって伝搬するように、光線770、780、790を偏向させる。
【0163】
いくつかの実装では、光分配要素730、740、750は、直交瞳エクスパンダ(OPE)である。いくつかの実装では、OPEは、光を外部結合光学要素800、810、820に偏向させ、または分配し、いくつかの実装では、OPEは、光が外部結合光学要素まで伝搬するとき、この光のビームまたはスポットサイズを増加させ得る。いくつかの実装では、光分配要素730、740、750は、省略され得、内部結合光学要素700、710、720は、光を直接外部結合光学要素800、810、820に偏向させるように構成され得る。例えば、
図9Aを参照すると、光分配要素730、740、750は、それぞれ、外部結合光学要素800、810、820と置換され得る。いくつかの実装では、外部結合光学要素800、810、820は、光を視認者の眼214(
図7)に方向づける射出瞳(EP)または射出瞳エクスパンダ(EPE)である。OPEは、少なくとも1つの軸においてアイボックスの寸法を増加させるように構成され得、EPEは、OPEの軸と交差する軸、例えば、直交する軸においてアイボックスを増加させ得ることを理解されたい。例えば、各OPEは、光の残りの部分が導波管を辿って伝搬し続けることを可能にしながら、OPEに衝打する光の一部を同じ導波管のEPEに方向転換させるように構成され得る。OPEに衝突すると、再び、残りの光の別の部分は、EPEに方向転換させられ、その部分の残りの部分は、導波管等を辿ってさらに伝搬し続ける。同様に、EPEに衝打すると、衝突光の一部は、導波管からユーザに向かって方向づけられ、その光の残りの部分は、EPに再び衝打するまで、導波管を通して伝搬し続け、その時点で、衝突する光の別の部分は、導波管から方向づけられる等。その結果、内部結合される光の単一ビームは、その光の一部がOPEまたはEPEによって方向転換させられる度に、「複製」され、それによって、
図6に示されるように、クローン化された光のビーム野を形成し得る。いくつかの実装では、OPEおよび/またはEPEは、光のビームのサイズを修正するように構成され得る。
【0164】
故に、
図9Aおよび9Bを参照すると、いくつかの実装では、導波管の組660は、各構成要素の色のために、導波管670、680、690と、内部結合光学要素700、710、720と、光分配要素(例えば、OPE)730、740、750と、外部結合光学要素(例えば、EP)800、810、820とを含む。導波管670、680、690は、各1つ間に空隙/クラッディング層を伴ってスタックされ得る。内部結合光学要素700、710、720は、(異なる波長の光を受け取る異なる内部結合光学要素を用いて)入射光をその導波管の中に方向変換または偏向させる。光は、次いで、それぞれの導波管670、680、690内にTIRをもたらすであろう角度で伝搬する。示される例では、光線770(例えば、青色光)は、前述の様式において、第1の内部結合光学要素700によって偏向され、次いで、導波管を辿って跳ね返り続け、光分配要素(例えば、OPE)730、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)800と相互作用する。光線780および790(例えば、それぞれ、緑色および赤色光)は、導波管670を通過し、光線780は、内部結合光学要素710上に衝突し、それによって偏向させられる。光線780は、次いで、TIRを介して、導波管680を辿って跳ね返り、その光分配要素(例えば、OPE)740、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)810に進むであろう。最後に、光線790(例えば、赤色光)は、導波管690を通過し、導波管690の光内部結合光学要素720に衝突する。光内部結合光学要素720は、光線が、TIRによって、光分配要素(例えば、OPE)750、次いで、TIRによって、外部結合光学要素(例えば、EP)820に伝搬するように、光線790を偏向させる。外部結合光学要素820は、次いで、最後に、光線790を視認者に外部結合し、視認者は、他の導波管670、680からの外部結合した光も受け取る。
【0165】
図9Cは、
図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の例の見下げ平面図を図示する。この見下げ図は、内部結合光学要素800、810、820に向かう光の伝搬方向に見られるように、真正面図とも称され得、すなわち、見下げ図は、画像光がページに対して垂直に入射する導波管の図であることを理解されたい。図示されるように、導波管670、680、690は、各導波管の関連付けられた光分配要素730、740、750および関連付けられた外部結合光学要素800、810、820とともに、垂直に整列させられ得る。しかしながら、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素700、710、720は、垂直に整列させられていない。むしろ、内部結合光学要素は、好ましくは、重複しない(例えば、見下げ図に見られるように、側方に間隔を置かれる)。本明細書でさらに議論されるように、この非重複空間配置は、1対1ベースで異なるソースから異なる導波管の中への光の投入を促進し、それによって、特定の光源が特定の導波管に独自に結合されることを可能にする。いくつかの実装では、非重複の空間的に分離される内部結合光学要素を含む配置は、シフト瞳システムと称され得、これらの配置内の内部結合光学要素は、サブ瞳に対応し得る。
【0166】
空間的に重複するエリアは、見下げ図に見られるように、そのエリアの70%以上、80%以上、または90%以上の側方重複を有し得ることを理解されたい。他方では、側方にシフトされるエリアは、見下げ図に見られるように、そのエリアの30%未満、20%未満、または10%未満が重複する。いくつかの実装では、側方にシフトされるエリアは、重複を有していない。
【0167】
図9Dは、複数のスタックされた導波管の別の例の上下平面図を図示する。図示されるように、導波管670、680、690は、垂直に整列させられ得る。しかしながら、
図9Cの構成と比較して、別個の光分配要素730、740、750および関連付けられた外部結合光学要素800、810、820は、省略される。代わりに、光分配要素および外部結合光学要素が、事実上、重ね合わせられ、見下げ図に見られるように、同じエリアを占有する。いくつかの実装では、光分配要素(例えば、OPE)が、導波管670、680、690の1つの主要表面上に配置され得、外部結合光学要素(例えば、EPE)が、それらの導波管の他の主要表面上に配置され得る。したがって、各導波管670、680、690は、重ね合わせられた光分散および外部結合光学要素を有し得、それぞれ、集合的に、組み合わせられたOPE/EPE1281、1282、1283と称される。そのような組み合わせられたOPE/EPEに関するさらなる詳細は、「Eyepieces for Augmented Reality Display System」と題され、2019年6月20日に公開された米国特許公開第2019/0187474A1号(開示全体が、その参照することによって本明細書に組み込まれる)に見出され得る。内部結合光学要素700、710、720は、光を内部結合し、それぞれ、組み合わせられたOPE/EPE1281、1282、1283に方向づける。いくつかの実装では、図示されるように、内部結合光学要素700、710、720は、シフトされた瞳空間配置を有する場合、側方にシフトされ得る(例えば、それらは、図示される見下げ図に見られるように、側方に間隔を置かれる)。
図9Cの構成と同様、この側方にシフトされた空間配置は、1対1のベースで、異なる導波管の中への異なる波長の光の投入を促進する(例えば、異なる光源から)。
【0168】
図9Eは、本明細書に開示される種々の導波管および関連システムが統合され得るウェアラブルディスプレイシステム60の例を図示する。いくつかの実装では、ディスプレイシステム60は、
図6のディスプレイシステム250であり、
図6は、そのシステム60のいくつかの部分をより詳細に図式的に示す。例えば、
図6の導波管アセンブリ260は、ディスプレイアセンブリ70の一部であり得、それは、ディスプレイアセンブリ102(
図1B)に対応し得る。
【0169】
図9Eを継続して参照すると、ディスプレイシステム60は、ディスプレイアセンブリ70と、そのディスプレイアセンブリ70の機能をサポートするための種々の機械的および電子的モジュールおよびシステムとを含む。ディスプレイアセンブリ70は、フレーム80に結合され得、フレームは、ディスプレイシステムユーザまたは視認者90によって装着可能であって、ディスプレイアセンブリ70をユーザ90の眼の正面に位置付けるように構成されている。ディスプレイアセンブリ70は、いくつかの実装では、アイウェアと見なされ得る。ディスプレイアセンブリ70は、内部結合される画像光を中継し、その画像光をユーザ90の眼に出力するように構成された導波管270等の1つ以上の導波管を含み得る。いくつかの実装では、スピーカ1000が、フレーム80に結合され、ユーザ90の外耳道に隣接して位置付けられるように構成される(いくつかの実装では、示されない別のスピーカも、随意に、ユーザの他方の外耳道に隣接して位置付けられ、ステレオ/成形可能音制御を提供し得る)。ディスプレイシステム60は、1つ以上のマイクロホン110または他のデバイスも含み、音を検出し得る。いくつかの実装では、マイクロホンは、ユーザが入力またはコマンドをシステム60に提供することを可能にするように構成され(例えば、音声メニューコマンドの選択、自然言語質問等)、および/または、他の人物(例えば、類似ディスプレイシステムの他のユーザ)とのオーディオ通信を可能にし得る。マイクロホンは、周辺センサとしてさらに構成され、オーディオデータ(例えば、ユーザおよび/または環境からの音)を収集し得る。いくつかの実装では、ディスプレイシステム60は、オブジェクト、刺激、人々、動物、場所、またはユーザの周囲の世界の他の側面を検出するように構成された1つ以上の外向きに方向づけられる環境センサ112をさらに含み得る。例えば、環境センサ112は、1つ以上のカメラを含み得、カメラは、例えば、ユーザ90の通常の視野の少なくとも一部に類似する画像を捕捉するように外向きに面して位置し得る。いくつかの実装では、ディスプレイシステムは、周辺センサ120aも含み得、それは、フレーム80と別個であり、ユーザ90の身体(例えば、ユーザ90の頭部、胴体、四肢等)上に取り付けられ得る。周辺センサ120aは、いくつかの実装では、ユーザ90の生理学的状態を特徴付けるデータを入手するように構成され得る。例えば、センサ120aは、電極であり得る。
【0170】
図9Eを継続して参照すると、ディスプレイアセンブリ70は、有線導線または無線接続等の通信リンク130によって、ローカルデータ処理モジュール140に動作可能に結合され、ローカルデータ処理モジュール140は、フレーム80に固定して取り付けられる構成、ユーザによって装着されるヘルメットまたは帽子に固定して取り付けられる構成、ヘッドホンに内蔵される構成、またはそうでなければユーザ90に除去可能に取り付けられる構成(例えば、リュック式構成において、ベルト結合式構成において)等、種々の構成において搭載され得る。同様に、センサ120aは、通信リンク120b、例えば、有線導線または無線接続によって、ローカルデータ処理モジュール140に動作可能に結合され得る。ローカル処理およびデータモジュール140は、ハードウェアプロセッサおよび不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリまたはハードディスクドライブ)等のデジタルメモリを備え得、それらの両方は、データの処理、キャッシュ、および記憶を補助するために利用され得る。随意に、ローカル処理およびデータモジュール140は、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、専用処理ハードウェア等を含み得る。データは、a)センサ(画像捕捉デバイス(カメラ等)、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、ジャイロスコープ、および/または本明細書に開示される他のセンサ(例えば、フレーム80に動作可能に結合される、またはそうでなければユーザ90に取り付けられ得る))から捕捉されるデータ、および/または、b)可能性として、処理または読出後にディスプレイアセンブリ70への通過のために、遠隔処理モジュール150および/または遠隔データリポジトリ160(仮想コンテンツに関連するデータを含む)を使用して入手および/または処理されるデータを含み得る。ローカル処理およびデータモジュール140は、これらの遠隔モジュール150、160が互いに動作可能に結合され、ローカル処理およびデータモジュール140に対するリソースとして利用可能であるように、有線または無線通信リンク等を介して、通信リンク170、180によって、遠隔処理モジュール150および遠隔データリポジトリ160に動作可能に結合され得る。いくつかの実装では、ローカル処理およびデータモジュール140は、画像捕捉デバイス、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、および/またはジャイロスコープのうちの1つ以上を含み得る。いくつかの他の実施形態では、これらのセンサのうちの1つ以上は、フレーム80に取り付けられ得る、または有線または無線通信経路によってローカル処理およびデータモジュール140と通信する、独立構造であり得る。
【0171】
図9Eを継続して参照すると、いくつかの実装では、遠隔処理モジュール150は、データおよび/または画像情報を分析および処理するように構成された1つ以上のプロセッサを備え得、例えば、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、専用処理ハードウェア等を含む。いくつかの実装では、遠隔データリポジトリ160は、デジタルデータ記憶設備を備え得、デジタルデータ記憶設備は、インターネットまたは「クラウド」リソース構成における他のネットワーキング構成を通して利用可能であり得る。いくつかの実装では、遠隔データリポジトリ160は、1つ以上の遠隔サーバを含み得、遠隔サーバは、情報、例えば、仮想コンテンツを生成するための情報をローカル処理およびデータモジュール140および/または遠隔処理モジュール150に提供する。いくつかの実装では、全てのデータが、記憶され、全ての算出が、ローカル処理およびデータモジュールにおいて実施され、遠隔モジュールからの完全に自律的な使用を可能にする。随意に、CPU、GPU等を含む外部システム(例えば、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のコンピュータのシステム)が、処理(例えば、画像情報を生成する、データを処理する)の少なくとも一部を実施し、例えば、無線または有線接続を介して、情報をモジュール140、150、160に提供し、情報をそれら受信し得る。
【0172】
前述の議論では、本発明は、その具体的実装を参照して説明されている。しかしながら、種々の修正および変更が、本発明のより広い精神および範囲から逸脱することなく、そこに行われてもよいことが明白となるであろう。明細書および図面は、故に、限定的意味ではなく、例証的と見なされるべきである。
【0173】
実際、本開示のシステムおよび方法は、それぞれ、いくつかの革新的側面を有し、そのうちのいかなるものも、本明細書に開示される望ましい属性に単独で関与しない、またはそのために要求されないことを理解されたい。上で説明される種々の特徴およびプロセスは、互いに独立して使用され得るか、または、種々の方法で組み合わせられ得る。全ての可能な組み合わせおよび副次的組み合わせが、本開示の範囲内に該当することが意図される。
【0174】
別個の実施形態の文脈において本明細書に説明されるある特徴はまた、単一の実施形態における組み合わせにおいて実装され得る。逆に、単一の実施形態の文脈において説明される種々の特徴も、複数の実施形態において別個に、または任意の好適な副次的組み合わせにおいて実装され得る。さらに、特徴がある組み合わせにおいて作用するものとして上で説明され、さらに、そのようなものとして最初に請求され得るが、請求される組み合わせからの1つ以上の特徴は、いくつかの場合では、組み合わせから削除され得、請求される組み合わせは、副次的組み合わせまたは副次的組み合わせの変形例を対象とし得る。いかなる単一の特徴または特徴のグループも、あらゆる実施形態に必要または必須ではない。
【0175】
とりわけ、「~できる(can)」、「~し得る(could)」、「~し得る(might)」、「~し得る(may)」、「例えば(e.g.)」、および同等物等、本明細書で使用される条件文は、そうでなければ具体的に記載されない限り、または使用されるような文脈内でそうでなければ理解されない限り、概して、ある実施形態がある特徴、要素、および/またはステップを含む一方、他の実施形態がそれらを含まないことを伝えることが意図されることを理解されたい。したがって、そのような条件文は、概して、特徴、要素、および/またはステップが、1つ以上の実施形態に対していかようにも要求されること、または1つ以上の実施形態が、著者の入力または促しの有無を問わず、これらの特徴、要素、および/またはステップが任意の特定の実施形態において含まれる、または実施されるべきかどうかを決定するための論理を必然的に含むことを含意することを意図されない。用語「~を備えている(comprising)」、「~を含む(including)」、「~を有する(having)」、および同等物は、同義語であり、非限定的方式で包括的に使用され、追加の要素、特徴、行為、動作等を除外しない。また、用語「または」は、その包括的意味において使用され(およびその排他的意味において使用されず)、したがって、例えば、要素のリストを接続するために使用されると、用語「または」は、リスト内の要素のうちの1つ、いくつか、またの全てを意味する。加えて、本願および添付される請求項で使用されるように、冠詞「a」、「an」、および「the」は、そうでなければ規定されない限り、「1つ以上の」または「少なくとも1つ」を意味するように解釈されるべきである。同様に、動作は、特定の順序で図面に描写され得るが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示される特定の順序で、または連続的順序で実施される、またの全ての図示される動作が実施される必要はないと認識されるべきである。さらに、図面は、フローチャートの形態で1つ以上の例示的プロセスを図式的に描写し得る。しかしながら、描写されない他の動作も、図式的に図示される例示的方法およびプロセス内に組み込まれてもよい。例えば、1つ以上の追加の動作が、図示される動作のいずれかの前、その後に、それと同時に、またはその間に実施されることができる。加えて、動作は、他の実装において再配置される、または再順序付けられ得る。さらに、上で説明される実施形態における種々のシステムコンポーネントの分離は、全ての実施形態におけるそのような分離を要求するものとして理解されるべきではない。加えて、他の実装も、以下の請求項の範囲内である。いくつかの場合では、請求項に列挙されるアクションは、異なる順序で実施され、依然として、望ましい結果を達成することができる。
【0176】
故に、請求項は、本明細書に示される実施形態に限定されることを意図されず、本明細書に開示される本開示、原理、および新規の特徴と一貫する最も広い範囲を与えられるべきである。