(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】バッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック、及び自動車
(51)【国際特許分類】
H01M 50/262 20210101AFI20240621BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20240621BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240621BHJP
H01M 10/6551 20140101ALI20240621BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20240621BHJP
H01M 10/6567 20140101ALI20240621BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20240621BHJP
H01M 50/293 20210101ALI20240621BHJP
H01M 50/264 20210101ALI20240621BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20240621BHJP
H01M 10/647 20140101ALN20240621BHJP
【FI】
H01M50/262 S
H01M50/249
H01M10/613
H01M10/6551
H01M10/6556
H01M10/6567
H01M10/625
H01M50/262 E
H01M50/293
H01M50/264
H01M50/204 401H
H01M10/647
(21)【出願番号】P 2022563476
(86)(22)【出願日】2021-09-17
(86)【国際出願番号】 KR2021012858
(87)【国際公開番号】W WO2022065841
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2022-10-19
(31)【優先権主張番号】10-2020-0122440
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジン-ヨン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ハン-ジュン・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ダル-モ・カン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン-オ・ムン
(72)【発明者】
【氏名】ヨン-イル・キム
(72)【発明者】
【氏名】ホ-ジュン・チ
(72)【発明者】
【氏名】ス-ハン・イ
【審査官】村岡 一磨
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/021778(WO,A1)
【文献】特開2014-010983(JP,A)
【文献】特開2020-068103(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0133245(KR,A)
【文献】国際公開第2020/101209(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/055219(WO,A1)
【文献】特開2015-207553(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
H01M 10/613
H01M 10/6551
H01M 10/6556
H01M 10/6567
H01M 10/625
H01M 10/647
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右方向に積層された複数の電池セルを備えたセルアセンブリと、
前記セルアセンブリを内部に収容するモジュールハウジングと、を含み、
前記モジュールハウジングは、前記セルアセンブリの上部を覆う上部プレート、前記セルアセンブリの左側部を覆う左側プレート、前記セルアセンブリの右側部を覆う右側プレート、及び前記セルアセンブリの下部を覆う下部プレートを含み、
前記左側プレート及び右側プレートの少なくともいずれか一方は、前記セルアセンブリの体積膨張が相対的に少ない少なくとも一部分を加圧するように、前記複数の電池セルと対面している内面から前記セルアセンブリに向かって突出した形態を有する支持部を備える、
バッテリーモジュール
であって、
前記バッテリーモジュールは、前記セルアセンブリの外面の少なくとも一部を囲むように配置される弾性パッドをさらに含み、
前記弾性パッドは、前記セルアセンブリの体積収縮及び体積膨張によって変形するように構成され、少なくとも一部分が前記モジュールハウジングの支持部と前記セルアセンブリとの間に介在され、
前記弾性パッドは、
前記複数の電池セルと対面している内面に、充放電時に相対的に少なく体積膨張する前記セルアセンブリの一部分を押し付けるように、一部分が前記セルアセンブリに向かって突設された加圧部を備える、
バッテリーモジュール。
【請求項2】
前記左側プレート及び前記右側プレートの少なくともいずれか一方は、前記支持部が下部及び上部の少なくともいずれか一方に備えられ、
前記支持部は、突出し長さが前記下部プレートまたは前記上部プレートに近くなるほど次第に長くなるように構成された、
請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記バッテリーモジュールは、熱伝導性を有する接着剤をさらに含み、
前記接着剤は、前記セルアセンブリの上面及び下面の一つ以上を前記モジュールハウジングの内面に固定するように塗布されている、
請求項1または2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記支持部は、前記複数の電池セルのうちの積層方向の最外郭に位置した電池セルの前記接着剤によって固定された一部分に向かって突出している、
請求項3に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記モジュールハウジングは、
充放電時に相対的に多く体積膨張する前記セルアセンブリの部分と対面する一部分が凹設された凹部を備える、
請求項1から4のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記バッテリーモジュールは、
内部に流体が充填され、充放電時に相対的に少なく体積膨張する前記セルアセンブリの一部分に向かって前記流体が移動するように構成されたチューブをさらに含む、
請求項1から
5のいずれか一項に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
請求項1から
6のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを少なくとも一つ含む、バッテリーパック。
【請求項8】
請求項1から
6のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを少なくとも一つ含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック、及び自動車に関し、より詳しくは、充放電時のスウェリング現象による性能低下を防止し、耐久性を高めたバッテリーモジュールに関する。
【0002】
本出願は、2020年9月22日付け出願の韓国特許出願第10-2020-0122440号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
現在、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などの二次電池が商用化しているが、中でもリチウム二次電池はニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果が殆ど起きず充放電が自在であって、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0004】
このようなリチウム二次電池は、主に、リチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として使用する。リチウム二次電池は、このような正極活物質が塗布された正極板と負極活物質が塗布された負極板とがセパレータを介在して配置された電極組立体、及び電極組立体を電解液とともに封止収納する外装材、例えば電池パウチ外装材を備える。
【0005】
近年、携帯型電子機器のような小型装置だけでなく、自動車や電力貯蔵装置のような中大型装置にも二次電池が広く用いられている。中大型装置に用いられる場合、容量及び出力を高めるため、多数の二次電池が電気的に接続される。特に、中大型装置には積層が容易であるという長所からパウチ型二次電池が多く用いられる。
【0006】
一方、近来、エネルギー貯蔵源としての活用を含めて大容量構造に対する必要性が高まるにつれて、電気的に直列及び/または並列に接続された多数の二次電池セルから構成された複数のセルアセンブリ、及び複数のセルアセンブリを内部に収容したバッテリーモジュールに対する需要が増加している。
【0007】
一般に、バッテリーモジュールは、複数の二次電池を外部の衝撃から保護するか又は収納保管するため、金属材料のモジュールハウジングを備える。さらに、近年、高容量のバッテリーモジュールが需要が伸びている。
【0008】
しかし、従来のバッテリーモジュールは、セルアセンブリの充放電によってスウェリング現象が発生することがある。例えば、セルアセンブリでは、充放電によって、複数の電池セルが積層された方向に体積が膨張してから再びセルアセンブリの中央へと収縮する現象が繰り返して起きる。
【0009】
従来のバッテリーモジュールは、過充電される場合、セルアセンブリを構成するそれぞれの電池セルの電池ケースが膨れ上がって隣接した他の電池セルを押し付けることがある。これにより、セルアセンブリの複数の電池セルの体積膨張による押し付けによって電池セルが移動するおそれがある。このとき、電池セルの移動量は、セルアセンブリの中心を基準にして積層方向の外側に位置する電池セルであるほど累積されて増加する。すなわち、最外側に位置した電池セルは、セルアセンブリのスウェリング現象による外側への移動量が最も多い。このようなセルアセンブリは、スウェリング現象が繰り返されるほど、複数の電池セルの配列が崩れながら、複数の電池セルと電気的に接続されたバスバー同士の間の断線が起きるおそれがある。
【0010】
さらに、セルアセンブリをモジュールハウジングに固定した場合は、固定された電池セルがセルアセンブリのスウェリング現象によって強制的に移動され、電池ケースが損傷されるなどの問題が生じ得る。
【0011】
そして、セルアセンブリは、充放電による体積膨張量が上端部または下端部よりも中央部でさらに多い場合、モジュールハウジングの内面によってセルアセンブリの中央部が集中的に押し付けられ、電池セル内部の電極組立体の損傷が一層酷くなる傾向がある。これにより、セルアセンブリの電池性能及び寿命が低下するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記の問題点を解決するために創案されたものであって、充放電時のスウェリング現象による性能低下を防止し、耐久性を高めたバッテリーモジュールを提供することを目的とする。
【0013】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施形態によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様によるバッテリーモジュールは、
左右方向に積層された複数の電池セルを備えたセルアセンブリと、
セルアセンブリを内部に収容するモジュールハウジングと、を含み、
モジュールハウジングは、セルアセンブリの上部を覆う上部プレート、セルアセンブリの左側部を覆う左側プレート、セルアセンブリの右側部を覆う右側プレート、及びセルアセンブリの下部を覆う下部プレートを含み、
左側プレート及び右側プレートの少なくともいずれか一方は、セルアセンブリの体積膨張が相対的に少ない少なくとも一部分を加圧するように、複数の電池セルと対面している内面からセルアセンブリに向かって突出した形態を有する支持部を備える。
【0015】
また、左側プレート及び右側プレートの少なくともいずれか一方は、支持部が下部及び上部の少なくともいずれか一方に備えられ得る。
【0016】
一方、支持部は、突出し長さが下部プレートまたは上部プレートに近くなるほど次第に長くなるように構成され得る。
【0017】
さらに、バッテリーモジュールは、熱伝導性を有する接着剤をさらに含み得る。接着剤は、セルアセンブリの上面及び下面の一つ以上が、モジュールハウジングの内面に固定されるように塗布され得る。
【0018】
そして、支持部は、複数の電池セルのうちの積層方向の最外郭に位置した電池セルの接着剤によって固定された一部分に向かって突出し得る。
【0019】
さらに、モジュールハウジングは、充放電時に相対的に多く体積膨張するセルアセンブリの部分と対面する一部分が凹設された凹部を備え得る。
【0020】
また、モジュールハウジングは、セルアセンブリの外面の少なくとも一部を囲むように配置される弾性パッドをさらに含み得る。
【0021】
弾性パッドは、セルアセンブリの体積収縮及び体積膨張によって変形するように構成され得る。弾性パッドは、少なくとも一部分がモジュールハウジングの支持部とセルアセンブリとの間に介在され得る。
【0022】
さらに、弾性パッドは、複数の電池セルと対面している内面に、充放電時に相対的に少なく体積膨張するセルアセンブリの一部分を押し付けるように、一部分がセルアセンブリに向かって突設された加圧部を備え得る。
【0023】
そして、バッテリーモジュールは、内部に流体が充填され、充放電時に相対的に少なく体積膨張するセルアセンブリの一部分に向かって流体が移動するように構成されたチューブをさらに含み得る。
【0024】
また、上記の目的を達成するため、本発明の他の一態様によるバッテリーパックは、上述したバッテリーモジュールを少なくとも一つ含む。
【0025】
さらに、上記の目的を達成するため、本発明のさらに他の一態様による自動車は、上述したバッテリーモジュールを少なくとも一つ含む。
【発明の効果】
【0026】
本発明の一態様によるバッテリーモジュールは、左側プレート及び右側プレートがそれぞれ支持部を備えることで、セルアセンブリが体積膨張する場合、左側プレート及び右側プレートがスウェリング現象の発生したセルアセンブリの左側面及び右側面を均一に加圧して体積膨張を阻止することができる。すなわち、本発明は、セルアセンブリの体積膨張による移動量が相対的に少ない特定の部分を加圧可能な支持部を備えているため、左側プレート及び右側プレートがそれぞれセルアセンブリを均一に加圧して体積膨張を阻止することができる。これにより、本発明は、従来のようにセルアセンブリのスウェリング現象によって体積膨張が相対的に多いか又は体積膨張が集中された特定の部分が集中的に押し付けられ、バッテリーモジュールの電池性能と電池寿命が低下することを防止することができる。
【0027】
また、本発明の一態様によれば、本発明の左側プレートの支持部及び/または右側プレートの支持部が、最外郭に位置した電池セルの接着剤によって固定された一部分に向かって突出することで、セルアセンブリのスウェリング現象による累積移動量が最も多い最外郭に位置した電池セルの移動を効果的に阻止することができる。これにより、接着剤によってセルアセンブリの下部が接合された場合、スウェリング現象によってセルアセンブリの体積増加とともに中心を基準にして外郭に位置した電池セルが移動しながら、接着剤の接着力によって固定された電池セルのケースの一部分が損傷される(剥ぎ取られる)ことを効果的に防止することができる。特に、本発明は、支持部によって最外郭に位置した電池セルの移動を阻止することで、金属ケースに比べて機械的剛性が相対的に低い軟性のパウチを電池ケースとして備えているパウチ型電池セルの場合、スウェリング現象によって複数の電池セルが移動しながら、接着剤による固定部分が剥ぎ取られて破裂する問題を効果的に防止することができる。
【0028】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールを概略的に示した斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの構成を概略的に示した分解斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部を概略的に示した部分正面図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一部を概略的に示した部分正面図である。
【
図5】本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュールを概略的に示した部分正面図である。
【
図6】本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュールを概略的に示した部分正面図である。
【
図7】本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーモジュールを概略的に示した部分正面図である。
【
図8】本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーモジュールを概略的に示した部分正面図である。
【
図9】
図7に示された実施形態とは異なる他の実施形態によるバッテリーモジュールを概略的に示した部分正面図である。
【
図10】
図8に示された実施形態とは異なる他の実施形態によるバッテリーモジュールを概略的に示した部分正面図である。
【
図11】本発明の他の一実施形態によるバッテリーモジュールの弾性パッドを概略的に示した部分正面図である。
【
図12】本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーモジュールのチューブを概略的に示した部分正面図である。
【
図13】本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーモジュールのチューブを概略的に示した部分正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲において使われた用語や単語は通常的または辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0031】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0032】
図1は本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールを概略的に示した斜視図であり、
図2は本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの構成を概略的に示した分解斜視図であり、
図3は本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールを概略的に示した部分正面図である。
【0033】
図1~
図3を参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュール100は、複数の電池セル111を備えたセルアセンブリ110、及びモジュールハウジング160を含む。
【0034】
具体的には、電池セル111は、電極組立体(図示せず)、電解液(図示せず)、及びこれらを内部に収容したパウチを備えるパウチ型電池セル111であり得る。または、電池セル111は、略直方体状の電池ケースを有してもよい。さらに、電池セル111は、正極リード(図示せず)及び負極リード(図示せず)を備え得る。例えば、
図2に示されたように、バッテリーモジュール100の内部には24個の電池セル111が前後方向に並んで積層されて配置され得る。
【0035】
また、セルアセンブリ110は、左右方向(X軸方向)に積層された複数の電池セル111を備え得る。電池セル111は、充放電の際、電池ケース(パウチ)の本体の体積が膨張するか又は収縮する現象が起きることがある。例えば、セルアセンブリ110は、全体の大きさが左右方向に膨張してから中央方向に収縮し得る。このとき、セルアセンブリ110を構成するそれぞれの電池セル111の電池ケースが膨れ上がりながら、隣接した他の電池セル111を押し付け得る。これにより、セルアセンブリ110の複数の電池セル111のうち、それぞれの電池セル111の体積膨張による押し付けによって移動する量が、中心を基準にして積層方向の外側に位置した電池セル111であるほど累積され得る。最も外側に位置した電池セル111は、スウェリング現象による移動量が最も多くなり得る。さらに、セルアセンブリ110は、充放電によって、上端部または下端部よりも中央部の体積膨張量が多くなり得る。
【0036】
しかし、本発明によるバッテリーモジュール100の電池セル111は、上述したパウチ型電池セル111のみに限定されるものではなく、本願の出願時点で公知の多様な種類の二次電池が採用され得る。
【0037】
さらに、モジュールハウジング160は、セルアセンブリ110を内部に収容するように構成され得る。モジュールハウジング160は、セルアセンブリ110を収容する空間を形成するように、上部プレート120、下部プレート130、左側プレート140、及び右側プレート150を備え得る。上部プレート120は、セルアセンブリ110の上部を覆うように水平方向に延びた形態を有し得る。左側プレート140は、上部プレート120の左側端と結合され得る。右側プレート150は、上部プレート120の右側端と結合され得る。
【0038】
このとき、上部プレート120の左側端及び右側端のそれぞれには、左側プレート140及び右側プレート150のそれぞれの上端部と結合されるように構成された下方折曲部121が備えられ得る。左側プレート140の上部には、上部プレート120の下方折曲部121が載置されるように構成された段差部143が備えられ得る。段差部143は、左側プレート140の上端部の外面が内側に凹んだ段差構造を有し得る。右側プレート150の上部には、上部プレート120の下方折曲部121が載置されるように構成された段差部153が備えられ得る。段差部153は、右側プレート150の上端部の外面が内側に凹んだ段差構造を有し得る。
【0039】
そして、左側プレート140は、セルアセンブリ110の左側部を覆うように上下方向に延びた形態を有し得る。右側プレート150は、セルアセンブリ110の右側部を覆うように上下方向に延びた形態を有し得る。
【0040】
さらに、下部プレート130の左端部及び右端部は、左側プレート140及び右側プレート150のそれぞれの下端部と結合され得る。このとき、下部プレート130の左端部及び右端部のそれぞれには、左側プレート140及び右側プレート150のそれぞれの下端部と結合される上方折曲部131が備えられ得る。
【0041】
左側プレート140の下部には、上方折曲部131が載置されるように構成された段差部144が備えられ得る。段差部144は、左側プレート140の下端部の外面が内側に凹んだ段差構造を有し得る。
【0042】
右側プレート150の下部には、上方折曲部131が載置されるように構成された段差部154が備えられ得る。段差部154は、左側プレート140の下端部の外面が内側に凹んだ段差構造を有し得る。
【0043】
また、左側プレート140は、支持部141を備え得る。右側プレート150は、支持部151を備え得る。支持部141、151は、充放電の際、セルアセンブリ110の体積膨張が相対的に少ない少なくとも一部分を加圧するように構成され得る。支持部141、151は、複数の電池セル111と対面している内面からセルアセンブリ110に向かって少なくとも一部が突出した形態であり得る。例えば、
図3に示されたように、左側プレート140は、下部にセルアセンブリ110に向かって突出した支持部141を備え得る。また、
図4に示されたように、右側プレート150は、下部にセルアセンブリ110に向かって突出した支持部151を備え得る。
【0044】
したがって、本発明のこのような構成によれば、左側プレート140及び右側プレート150がそれぞれ支持部141、151を備えることで、セルアセンブリ110が体積膨張する場合、左側プレート140及び右側プレート150がスウェリング現象の発生したセルアセンブリ110の左側面及び右側面を均一に加圧して体積膨張を阻止することができる。すなわち、本発明は、セルアセンブリ110の体積膨張による移動量が相対的に少ない特定の部分を加圧可能な支持部141、151を備えているため、左側プレート140及び右側プレート150がそれぞれセルアセンブリ110を均一に加圧して体積膨張を阻止することができる。これにより、本発明は、セルアセンブリ110のスウェリング現象によって体積膨張が相対的に多いか又は体積膨張による移動量が集中された特定の部分が集中的に押し付けられてバッテリーモジュール100の電池性能と電池寿命が低下するという従来の問題を防止することができる。
【0045】
一方、
図3及び
図4をさらに参照すると、左側プレート140は、支持部141を左側プレート140の下部に備え得る。右側プレート150は、支持部151を右側プレート150の下部に備え得る。例えば、
図3に示されたように、支持部141は、左側プレート140の下部内面の少なくとも一部分がセルアセンブリ110に向かって突出した形態であり得る。また、支持部141は、左側プレート140の前端から後端まで長く延びた形態を有し得る。支持部141は、突出し長さが下部プレート130の上面に近くなるほど次第に長くなるように構成され得る。
【0046】
図4に示されたように、支持部151は、右側プレート150の下部内面の少なくとも一部分がセルアセンブリ110に向かって突出した形態であり得る。また、支持部151は、右側プレート150の前端から後端まで長く延びた形態を有し得る。支持部151は、突出し長さが下部プレート130の上面に近くなるほど次第に長くなるように構成され得る。
【0047】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明の支持部141、151は、セルアセンブリ110の体積膨張の程度が下端に行くほど少なくなることを考慮して、突出し長さが下部プレート130の上面に近くなるほど次第に長くなる形態を有し得る。したがって、支持部141、151は、スウェリング現象が発生したセルアセンブリ110の左側面または右側面をより均一な力で加圧して体積膨張を阻止することができる。これにより、本発明は、従来のようにセルアセンブリ110のスウェリング現象によって体積膨張が相対的に多いか又は体積膨張による移動量が集中された特定の部分が集中的に押し付けられ、バッテリーモジュール100の電池性能と電池寿命が低下することを防止することができる。
【0048】
一方、説明の便宜上、左側プレート140及び右側プレート150ともに支持部141、151を備える構造を示したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明は、左側プレート140及び右側プレート150のうちの一方のみに支持部141、151が備えられることを排除しない。
【0049】
図5及び
図6は、本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュールを概略的に示した部分正面図である。
【0050】
図5及び
図6を参照すると、本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュールは、支持部141が左側プレート140の上部に備えられ得る。支持部141は、左側プレート140の上部内面の少なくとも一部分がセルアセンブリ110に向かって突出した形態であり得る。また、支持部141は、左側プレート140の前端から後端まで長く延びた形態を有し得る。支持部141の突出し長さは、上部プレート120の下面に近くなるほど次第に長くなるように構成され得る。
【0051】
図6に示されたように、本発明の他の実施形態によるバッテリーモジュールは、支持部151が右側プレート150の上部に備えられ得る。支持部151は、右側プレート150の上部内面の少なくとも一部分がセルアセンブリ110に向かって突出した形態であり得る。また、支持部151は、右側プレート150の前端から後端まで長く延びた形態を有し得る。支持部151の突出し長さは、上部プレート120の下面に近くなるほど次第に長くなるように構成され得る。
【0052】
したがって、本発明のこのような構成によれば、本発明の支持部141、151は、セルアセンブリ110の体積膨張の程度が上端に行くほど少なくなることを考慮して、突出し長さが上部プレート120の下面に近くなるほど次第に長くなる形態を有し得る。したがって、セルアセンブリ110の左側面または右側面を均一な力に加圧して体積膨張を阻止することができる。これにより、本発明は、従来のようにセルアセンブリ110のスウェリング現象によって体積膨張が相対的に多いか又は体積膨張による移動量が集中された特定の部分が集中的に押し付けられ、バッテリーモジュール100の電池性能と電池寿命が低下することを防止することができる。
【0053】
図7及び
図8は、本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーモジュールを概略的に示した部分正面図である。
【0054】
図7及び
図8を参照すると、本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーモジュール100は、左側プレート140の上部及び下部のそれぞれに支持部141が備えられ得る。支持部141は、左側プレート140の上部内面及び下部内面のそれぞれの一部分がセルアセンブリ110に向かって突出した形態であり得る。支持部141の突出し長さは、上部プレート120の下面に近くなるほど次第に長くなるように構成され得る。
【0055】
また、右側プレート150の上部及び下部のそれぞれには、支持部151が備えられ得る。支持部151は、右側プレート150の上部内面及び下部内面のそれぞれの一部分がセルアセンブリ110に向かって突出した形態であり得る。支持部151の突出し長さは、上部プレート120の下面に近くなるほど次第に長くなるように構成され得る。
【0056】
このとき、セルアセンブリ110の上面は、接着剤170を使用してモジュールハウジング160の上部プレート120の下面に接着され得る。また、セルアセンブリ110の下面は、接着剤170を使用して下部プレート130の上面に接着され得る。
【0057】
したがって、本発明のこのような構成によれば、左側プレート140及び右側プレート150の上端及び下端に支持部141、151が備えられることで、セルアセンブリ110の左側面または右側面をより均一な力で加圧して体積膨張を阻止することができる。すなわち、本発明は、セルアセンブリ110に体積膨張が発生する場合、セルアセンブリ110の上端及び下端をすべて加圧可能な支持部141、151を備えているため、左側プレート140及び右側プレート150がそれぞれ、セルアセンブリ110の中央部とともにセルアセンブリ110の上端及び下端を均一に加圧して体積膨張を阻止することができる。これにより、本発明は、従来のようにセルアセンブリ110のスウェリング現象によって体積膨張が相対的に多いか又は体積膨張による移動量が集中された特定の部分が集中的に押し付けられ、バッテリーモジュール100の電池性能と電池寿命が低下することを防止することができる。
【0058】
一方、
図2とともに
図3及び
図4をさらに参照すると、本発明は、接着剤170をさらに含み得る。接着剤170は熱伝導性を有し得る。すなわち、接着剤170は熱伝導性素材を含み得る。熱伝導性素材は、シリコーン(silicone)高分子、エポキシ、またはポリウレタンを含み得る。接着剤170は、セルアセンブリ110の上面及び下面の一つ以上を、モジュールハウジング160の内面に固定するように構成され得る。
【0059】
例えば、接着剤170は、セルアセンブリ110とモジュールハウジング160との間に介在され得る。例えば、
図2に示されたように、接着剤170は、モジュールハウジング160の下部プレート130の上面に塗布され得る。すなわち、セルアセンブリ110の下部は、接着剤170によって下部プレート130の上面に固定され得る。
【0060】
例えば、
図5及び
図6に示されたように、他の実施形態によるバッテリーモジュールは、接着剤170がモジュールハウジング160の上部プレート120の下面に塗布され得る。すなわち、セルアセンブリ110の上部は、接着剤170によって上部プレート120の下面に固定され得る。
【0061】
例えば、
図7及び
図8に示されたように、さらに他の実施形態によるバッテリーモジュールは、接着剤170がモジュールハウジング160の下部プレート130の上面及び上部プレート120の下面のそれぞれに塗布され得る。すなわち、セルアセンブリ110の上部及び下部は、接着剤170によって下部プレート130の上面及び上部プレート120の下面に固定され得る。
【0062】
したがって、本発明のこのような構成によれば、モジュールハウジング160とセルアセンブリ110との間に介在された熱伝導性接着剤170を備えることで、セルアセンブリ110から発生した熱をモジュールハウジング160へと高い熱伝導性で伝達することができる。
【0063】
図2とともに
図3及び
図4をさらに参照すると、本発明のバッテリーモジュール100の左側プレート140の支持部141は、複数の電池セル111のうち、セルアセンブリ110の接着剤170によって固定された一部分に向かって突出し得る。支持部141は、セルアセンブリ110の複数の電池セル111のうち、積層方向の最外郭に位置した電池セル111の接着剤170によって固定された一部分に向かって突出し得る。
【0064】
また、右側プレート150の支持部151は、複数の電池セル111のうち、セルアセンブリ110の接着剤170によって固定された一部分に向かって突出し得る。支持部151は、セルアセンブリ110の複数の電池セル111のうち、積層方向の最外郭に位置した電池セル111の接着剤170によって固定された一部分に向かって突出し得る。
【0065】
例えば、
図3に示されたように、左側プレート140に備えられた支持部141は、セルアセンブリ110の複数の電池セル111のうち、左右方向の最外郭に位置した電池セル111の接着剤170によって固定された下部に向かって突出した形態であり得る。
【0066】
例えば、
図4に示されたように、右側プレート150に備えられた支持部151は、セルアセンブリ110の複数の電池セル111のうち、左右方向の最外郭に位置した電池セル111の接着剤170によって固定された下部に向かって突出した形態であり得る。
【0067】
したがって、本発明のこのような構成によれば、支持部141、151が最外郭に位置した電池セル111の接着剤170によって固定された一部分に向かって突出することで、セルアセンブリ110のスウェリング現象による累積移動量が最も多い最外郭に位置した電池セル111の移動を効果的に阻止することができる。これにより、接着剤170によってセルアセンブリ110の下部が接合された場合、スウェリング現象によってセルアセンブリ110の体積増加とともに中心を基準にして外郭に位置した電池セル111が移動しながら、接着剤170の接着力によって固定された電池セル111のケースの一部分が損傷される(剥ぎ取られる)ことを効果的に防止することができる。
【0068】
特に、本発明は、支持部141、151によって最外郭に位置した電池セルの移動を阻止することで、金属ケースに比べて機械的剛性が相対的に低い軟性のパウチを電池ケースとして備えているパウチ型電池セルの場合、スウェリング現象によって複数の電池セル111が移動しながら接着剤170によって固定された部分が剥ぎ取られて破裂する問題を効果的に防止することができる。
【0069】
図9及び
図10は、本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーモジュールを概略的に示した部分正面図である。
【0070】
図9及び
図10を参照すると、本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーモジュール100は、
図7及び
図8のバッテリーモジュール100と比べて、左側プレート140及び/または右側プレート150に凹部142、152がさらに備えられ得る。
【0071】
まず、左側プレート140の凹部142は、充放電時に相対的に多く体積膨張するセルアセンブリ110の部分と対面する一部分が凹んで形成され得る。すなわち、凹部142は、セルアセンブリ110にスウェリング現象が発生する場合、部分毎に体積膨張が発生した程度を考慮して形成され得る。
【0072】
また、右側プレート150にも凹部152が備えられ得る。凹部152は、充放電時に相対的に多く体積膨張するセルアセンブリ110の部分と対面する一部分が凹んで形成され得る。すなわち、凹部152は、セルアセンブリ110にスウェリング現象が発生する場合、部分毎に体積膨張が発生した程度を考慮して形成され得る。
【0073】
例えば、
図9に示されたように、左側プレート140の中央部の厚さが上端部及び下端部に比べて相対的に薄く形成され得る。
図10に示されたように、右側プレート150の中央部の厚さが上端部及び下端部に比べて相対的に薄く形成され得る。
【0074】
したがって、本発明のこのような構成によれば、凹部142、152を備えることで、左側プレート140及び右側プレート150が相対的に多く体積膨張するセルアセンブリ110の部分を押し付ける力と、相対的に体積膨張が少ないセルアセンブリ110の上端部及び下端部を押し付ける力とを均衡させることができる。これにより、本発明は、従来のようにセルアセンブリ110のスウェリング現象によって体積膨張が相対的に多いか又は体積膨張による移動量が集中された特定の部分が集中的に押し付けられ、バッテリーモジュール100の電池性能と電池寿命が低下することを防止することができる。
【0075】
一方、
図2~
図4をさらに参照すると、本発明のバッテリーモジュール100は、弾性パッド180をさらに含み得る。弾性パッド180は、セルアセンブリ110の外面の少なくとも一部を囲むように配置され得る。例えば、
図2に示されたように、二枚の弾性パッド180は、左側プレート140とセルアセンブリ110との間及び/または右側プレート150とセルアセンブリ110との間に備えられ得る。また、弾性パッド180は、複数の電池セル111同士の間に介在されるように複数枚さらに備えられてもよい。
【0076】
また、弾性パッド180は、セルアセンブリ110の体積収縮及び体積膨張に伴って変形するように構成され得る。弾性パッド180は、弾性力を有する素材を含み得る。例えば、弾性パッド180は、ウレタンフォーム(urethane foam)、ポリエチレンフォーム、ポリウレタンフォーム、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM:Ethylene Propylene Diene Monomer)フォームなどであり得る。
【0077】
さらに、弾性パッド180は、一部分がモジュールハウジング160の支持部141とセルアセンブリ110との間に介在され得る。すなわち、弾性パッド180は、左側プレート140または右側プレート150から支持される力をセルアセンブリ110に伝達する役割を果たす。このとき、弾性パッド180は、左側プレート140または右側プレート150それぞれの加圧によるセルアセンブリ110の損傷を防止するため、加圧力を緩衝するように構成され得る。また、弾性パッド180は、表面が柔らかくて柔軟に変形可能であるため、モジュールハウジング160の内面に代わってセルアセンブリ110の外面と直接接触することで、セルアセンブリ110を保護することができる。
【0078】
したがって、本発明のこのような構成によれば、弾性部材を備えることで、セルアセンブリ110とモジュールハウジング160の内部構造とが衝突しながら発生するセルアセンブリ110の損傷を効果的に防止することができる。さらに、弾性部材は、左側プレート140と右側プレート150がセルアセンブリ110を加圧する加圧力を緩衝し、セルアセンブリ110をより均一に加圧することができる。
【0079】
図11は、本発明の他の一実施形態によるバッテリーモジュールの弾性パッドを概略的に示した部分正面図である。
【0080】
図11を参照すると、本発明の他の一実施形態によるバッテリーモジュール100の弾性パッド180は、
図2の弾性パッド180と比べて、加圧部181をさらに備え得る。加圧部181は、複数の電池セル111と対面している内面が、充放電時に相対的に少なく体積膨張するセルアセンブリ110の一部分を加圧するように構成され得る。加圧部181は、弾性部材の一部分がセルアセンブリ110に向かって突出して形成され得る。
【0081】
例えば、
図11と同じように、弾性部材が左側プレート140とセルアセンブリ110との間に介在される場合、弾性部材には下部から右側に突出した加圧部181が備えられ得る。
【0082】
したがって、本発明のこのような構成によれば、弾性部材が加圧部181をさらに備えることで、相対的に体積膨張が少ないセルアセンブリ110の一部分をより大きい力で加圧することができる。これにより、本発明は、スウェリング現象が発生したセルアセンブリ110の左側面または右側面をより均一な力で加圧して体積膨張を阻止することができる。これにより、本発明は、従来のようにセルアセンブリ110のスウェリング現象によって体積膨張が相対的に多いか又は体積膨張による移動量が集中された特定の部分が集中的に押し付けられ、バッテリーモジュール100の電池性能と電池寿命が低下することを防止することができる。
【0083】
図12及び
図13は、本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーモジュールのチューブ190を概略的に示した部分正面図である。
【0084】
図2とともに
図12及び
図13を参照すると、本発明のさらに他の一実施形態によるバッテリーモジュール100は、弾性部材の代りにチューブ190を備え得る。チューブ190は、内部に流体Fが充填され得る。例えば、流体Fは、非伝導性の絶縁油であり得る。チューブ190は、セルアセンブリ110の相対的に体積膨張が少ない部分に向かって流体Fが移動するように構成され得る。
【0085】
例えば、
図12及び
図13に示されたように、スウェリング現象が発生したセルアセンブリ110の中央部分が膨張しながらチューブ190の中央部分を加圧する場合、チューブ190の中心に充填された流体Fがチューブ190の下部Kへと移動することで、チューブ190の下部Kの体積が膨張し得る。チューブ190の下部Kは、電池セル111に向かって体積膨張するように構成され、セルアセンブリ110の最外郭に位置した電池セル111の下部を加圧可能である。
【0086】
図示していないが、二つのチューブ190は、左側プレート140とセルアセンブリ110との間、右側プレート150とセルアセンブリ110との間にそれぞれ介在されるように備えられ得る。
【0087】
したがって、本発明のこのような構成によれば、チューブ190を備えることで、相対的に少なく体積膨張するセルアセンブリ110の一部分をより大きい力で加圧することができる。これにより、本発明は、スウェリング現象が発生したセルアセンブリ110の左側面または右側面をより均一な力で加圧して体積膨張を阻止することができる。これにより、本発明は、従来のようにセルアセンブリ110のスウェリング現象によって体積膨張が相対的に多いか又は体積膨張による移動量が集中された特定の部分が集中的に押し付けられ、バッテリーモジュール100の電池性能と電池寿命が低下することを防止することができる。
【0088】
一方、本発明の一実施形態によるバッテリーパック(図示せず)は、上述したバッテリーモジュール100を少なくとも二つを含み得る。また、バッテリーパックは、少なくとも二つのバッテリーモジュール100を収容する収容空間が備えられたパックハウジング(図示せず)を含み得る。そして、バッテリーパックは、バッテリーモジュール100の充放電を制御するための各種の装置(図示せず)、例えばバッテリー管理システム(Battery Management System:BMS)、電流センサ、ヒューズなどをさらに含み得る。
【0089】
また、本発明の一実施形態によるバッテリーパックは、電気自動車又はハイブリッド自動車のような自動車に含まれ得る。すなわち、本発明の一実施形態による自動車は、車体内に上述した本発明の実施形態によるバッテリーパックを少なくとも一つ含むバッテリーパックを搭載し得る。
【0090】
なお、本明細書において、上、下、左、右、前、後のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は説明の便宜のためのものであるだけで、対象となる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得ることは、当業者にとって自明である。
【0091】
以上のように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0092】
100:バッテリーモジュール
110:セルアセンブリ
111:電池セル
160:モジュールハウジング
120:上部プレート
121:下方折曲部
130:下部プレート
131:上方折曲部
140:左側プレート
150:右側プレート
141、151:支持部
143、144、153、154:段差部
170:接着剤
142、152:凹部
180:弾性パッド
181:加圧部
190:チューブ