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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】体組成評価方法、体組成評価装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20240621BHJP
   A61B 5/0537 20210101ALI20240621BHJP
【FI】
A61B8/14
A61B5/0537 100
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023000932
(22)【出願日】2023-01-06
(62)【分割の表示】P 2017206345の分割
【原出願日】2017-10-25
(65)【公開番号】P2023036961
(43)【公開日】2023-03-14
【審査請求日】2023-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】片嶋 充弘
(72)【発明者】
【氏名】竹下 尚男
【審査官】下村 一石
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-235848(JP,A)
【文献】特開2015-080570(JP,A)
【文献】特開2001-212111(JP,A)
【文献】特開2016-022297(JP,A)
【文献】特開2012-254279(JP,A)
【文献】特開昭61-154649(JP,A)
【文献】特開2008-188077(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0038092(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00-8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
評価の対象物に対して超音波を供給して前記対象物から取得した測定値の強度を輝度で表した輝度画像を生成する工程と、
前記対象物は境界を介して互いに隣接する複数の体組成物からなり、当該体組成物の少なくとも一つの厚さを、前記対象物の外周上の複数の箇所において測定する体組成測定工程と、
前記体組成測定工程において複数の前記箇所で測定された前記体組成物の厚さと、当該測定が行われた複数の前記箇所の相対的な位置とを対応付けた画像を表示する画像表示工程と、を含み、
前記超音波は、前記体組成物を評価するのに適した値である1.7MHzから3.8MHzであり、
前記体組成物は、皮下脂肪及び筋肉を含み、
前記体組成測定工程は、前記輝度画像の前記体組成物の領域において最も輝度値の高い画素を含み所定の幅および長さ範囲の領域を白線として特定し、特定された前記白線を前記皮下脂肪と前記筋肉との前記境界と判定し、前記境界が判定された前記皮下脂肪の厚さを測定し、また、前記特定された前記白線とは異なり所定の輝度値を有する画素を含み所定の幅および長さの範囲の複数の線部位を特定し、前記白線を境界として複数の前記線部位を含む領域を前記筋肉と判定し、さらに、前記筋肉より腹部の内側にある部位を内蔵脂肪とし、判定された前記皮下脂肪の厚さを測定する、
体組成評価方法。
【請求項2】
入力部および測長部を有するコンピュータを用いて行う請求項1に記載の体組成評価方法であって、
前記コンピュータは、前記輝度画像の各画素の輝度を前記入力部に順次自動入力し、予め設定されている輝度以上の輝度を有し、かつ、予め設定されている幅および長さ範囲の領域を前記測長部が検出することで前記白線を自動判定することを特徴とする体組成評価方法。
【請求項3】
前記体組成測定工程において前記測長部は、前記自動判定した前記白線に基づき前記体組成物の厚さを自動測定することを特徴とする請求項2に記載の体組成評価方法。
【請求項4】
前記体組成測定工程は、前記判定した境界に基づき前記体組成物の厚さを測定し、
前記画像表示工程は、前記対象物の断面の外周を示す外周画像を取得する外周画像取得工程を含み、前記外周画像と共に、前記体組成物の厚さを示す画像を表示する体組成物表示工程と、により、前記厚さを示す画像をレーダーチャートとして表示し、
前記体組成物表示工程は、前記体組成測定工程により測定した前記体組成物の厚さを、前記厚さを示す画像として、前記レーダーチャート上にプロットする、
請求項1から3のいずれか一項に記載の体組成評価方法。
【請求項5】
前記対象物は、生体の頭部、頸部、背部、胸部、腹部、腰部、下肢及び上肢の少なくとも一つを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の体組成評価方法。
【請求項6】
評価の対象物に対して超音波を供給する超音波供給部と、
前記超音波を供給して前記対象物からの測定値の強度を輝度で表した輝度画像を生成し、当該輝度画像を表示する生成画像表示部と、
前記対象物は境界を介して互いに隣接する複数の体組成物からなり、当該体組成物の少なくとも一つの厚さを、前記対象物の外周上の複数の箇所において測定する体組成測定部と、
前記体組成測定部によって測定された前記体組成物の厚さと、当該測定が行われた複数の前記箇所の相対的な位置とを対応付けた画像を表示する画像表示部と、を含み、
前記超音波は、前記体組成物を評価するのに適した値である1.7MHzから3.8MHzであり、
前記体組成物は、皮下脂肪及び筋肉を含み、
前記体組成測定部は、前記輝度画像の前記体組成物の領域において最も輝度値の高い画素を含み所定の幅および長さ範囲の領域を白線として特定し、特定された前記白線を前記皮下脂肪と前記筋肉との前記境界と判定し、前記境界が判定された前記皮下脂肪の厚さを測定し、また、前記特定された前記白線とは異なり所定の輝度値を有する画素を含み所定の幅および長さの範囲の複数の線部位を特定し、前記白線を境界として複数の前記線部位を含む領域を前記筋肉と判定し、さらに、前記筋肉より腹部の内側にある部位を内蔵脂肪とし、判定された前記皮下脂肪の厚さを測定する、
体組成評価装置。
【請求項7】
前記超音波供給部は、操作者によって前記超音波の周波数を変更可能である、
請求項6に記載の体組成評価装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脂肪や筋肉といった体組成を評価する、体組成評価方法及び、これを実行する体組成評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
個人の健康に対する関心は近年高まる傾向にあり、人間ドックやトレーニングジムで身体の状態を管理する人口も増えている。また、身体の状態を管理するには、各人が日常的に長期に亘って身体の状態を観察可能であることが望ましい。このため、個人が日常的に自身の体組成を測定するための機器がある。このような機器は、例えば、特許文献1、特許文献2に記載されている。特許文献1に記載の体組成改善装置は、体組成測定装置を有している。この体組成測定装置は、腹部体表からの生体インピーダンスを測定し、皮下脂肪面積及びインピーダンスに応じて被験者の体型を分類する。また、特許文献2に記載の内臓脂肪量測定装置は、測定用電極のうち少なくとも一つが胴部の体表面の形状に沿って移動することにより測定値のばらつきを抑止している。
特許文献1には、皮下脂肪断面積及びインピーダンスによって被験者の体型を皮下脂肪型肥満や内臓脂肪型肥満に分類し、さらに各々を軽度や重度に分類することが記載されている。また、内臓脂肪の量を数値で示し、その推移をグラフ化して示すことが記載されている。特許文献2には、測定された内臓脂肪量を表示装置のフラットパネルディスプレイに表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-210375号公報
【文献】特開2015-213639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、皮下脂肪や筋肉等の体組成物は、人体において非一様な分布を示しており、例えば、胴体の前方と側方とではその厚さが相違するのが一般的である。また、複数の被験者が同じトレーニングをした場合であっても、被験者ごとの身体の使い方や負荷の大きさ、さらには体質等によって筋肉の発達の仕方が異なる場合がある。皮下脂肪を低減させるためのトレーニングの種別は、皮下脂肪の低減させたい箇所に応じて相違する。また、筋肉量を増加させるためのトレーニングの種別は、筋肉量を増やしたい箇所に応じて相違する。このため、内臓脂肪や筋肉量をコントロールする場合、単に体組成物の量を数値として観察するばかりでなく、その分布状態をも観察することが好ましい。
本発明は、上記の点に着目し、体組成物の分布状態を日常的に観察することに好適な体組成評価方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の体組成評価方法は、評価の対象物に対して音波、光及び交流電流の少なくとも一つを供給して前記対象物における体組成物の少なくとも一つの厚さを、前記対象物の断面の外周上の複数の箇所において測定する体組成測定工程と、前記体組成測定工程において複数の前記箇所で測定された前記体組成物の厚さと、当該測定が行われた複数の前記箇所の相対的な位置とを対応付けた画像を表示する画像表示工程と、を含む。
【発明の効果】
【0006】
体組成物の分布状態を日常的に観察することに好適な体組成評価方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態の体組成評価方法に使用される評価装置の一例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態の体組成評価方法を説明するためのフローチャートである。
図3】本発明の一実施形態で評価される被評価者の腹部の超音波画像の一例を示す図である。
図4】複数の測定点で体組成の厚さを測定することを説明するための図である。
図5】本発明の一実施形態の測定に使用されるベルト部材を示した図である。
図6】本発明の一実施形態のレーダーチャートを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同様の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
本実施形態の体組成評価方法は、評価の対象物に対して音波、光及び交流電流の少なくとも一つを供給して対象物における体組成物の少なくとも一つの厚さを、対象物の断面の外周上の複数の箇所において測定する体組成測定工程と、体組成測定工程において複数の箇所で測定された体組成物の厚さと、この測定が行われた複数の箇所の相対的な位置とを対応付けた画像を表示する画像表示工程と、を含んでいる。
【0009】
本実施形態では、評価の対象物を生体とする。対象物は、生体の頭部、頸部、背部、胸部、腹部、腰部、下肢及び上肢の少なくとも一つを含む。本実施形態では、このように、生体の部分であって、周回方向に複数箇所で測定ができるものであれば対象物はどのような部位であってもよいが、ここでは対象物を人の腹部とする例を示す。本実施形態でいう対象物の断面は、対象物の長手方向の軸と直交する水平面であり、以降、「横断面」とも記す。生体は、人体に限定されるものでなく、人間以外の動物であってもよい。体組成物とは、皮下脂肪、筋肉、骨、内臓及び内臓脂肪等をいう。体組成評価方法は、体組成物によって構成される人体の組成を評価する方法である。
また、本明細書でいう「画像」の語句は、表示されるデータのうち、テキストのみが含まれるものを除くものであって、線、図形、デザイン及び写真等のテキスト以外のもののみを指すものではない。本明細書でいう画像は、線、図形、デザイン及び写真等と共にテキストが含まれるものであってもよい。
【0010】
[体組成評価装置]
図1は、本実施形態の体組成評価方法に使用される評価装置の一例を示す図である。図1に示した評価装置1は、超音波画像診断装置10と、超音波画像診断装置10と接続される制御装置20と、制御装置20に入出力される情報を表示する表示画面30と、を有している。超音波画像診断装置10は、評価の対象物に対して音波を照射して対象物における体組成物の少なくとも一つの厚さを、対象物の外周上の複数の箇所において測定する体組成測定部として機能する。また、制御装置20及び表示画面30は、体組成測定部によって測定された体組成物の厚さと、当該測定が行われた複数の箇所の相対的な位置とを対応付けた画像を表示する画像表示部として機能する。
制御装置20は、例えば、汎用的なパーソナルコンピュータ上で体組成評価用のプログラムを動作させることによって実現することができる。表示画面30は、例えば液晶ディスプレイ等の画面と、画面を駆動するドライバを含んでいる。
【0011】
なお、本実施形態では、評価装置1が対象物に超音波を照射する超音波画像診断装置10を有しているが、本実施形態は、超音波画像診断装置10を有するものに限定されるものでなく、パルスレーザー光を照射して音響波を生成する光イメージング装置等を使用してもよい。
さらに、本実施形態は、生体インピーダンス法(Bioelectrical Impedance)を使って対象物の体組成物の少なくとも一つの厚さを測定するものであってもよい。生体インピーダンス法では、生体に交流の微弱な電流を通し、その抵抗値を測定することによって体組成の筋肉の含有量や脂肪の含有量を測定する。このような生体インピーダンス法は、脂肪は殆ど電流を通さず、筋肉はその断面積に応じた抵抗値を持って電流を通すことを利用する体組織の測定方法である。
【0012】
生体インピーダンス法を使って体組織の分布を測定する場合、本実施形態では、例えば、対象物の外周の複数の点で対象の抵抗値を測定する。本実施形態は、測定値から脂肪や筋肉の量(厚さ)を推定し、この分布を画像化することができる。また、本実施形態は、例えば、抵抗値の測定から抵抗値に基づく生体の厚さの分布を画像化までを実行するプログラムを有するものであってもよい。このような場合、抵抗値の測定から画像化までを実行するプログラムを実行するコンピュータ等が評価装置として機能する。
さらに、生体インピーダンス法を使って体組成の分布を測定する場合、生体に供給(通電)される電流の周波数や値といった条件には抵抗値の測定に適正な範囲があることが知られている。本実施形態は、電流を生体に通電しながら測定に最適な電流の条件を決定するものであってもよいし、予め実験を行って通電電流の最適な条件を決定しておくものであってもよい。なお、最適な通電電流の条件は、脂肪や筋肉等の生体の種別に応じて変更するものであってもよい。
【0013】
評価装置1のうち、超音波画像診断装置10は、超音波送受信部11、超音波送受信部11において送信される超音波の周波数を制御する周波数制御部12及び受信された超音波の強度を電気信号に変換して生成された画像(以下、「超音波画像」と記す)を表示する超音波画像表示部13を備えている。超音波送受信部11は、超音波画像診断装置10において図示しないプローブに組み込まれている。本実施形態では、超音波送受信部11が、例えば1.7MHzから3.8MHzといった成人の腹部の比較的浅い範囲の組成を評価することに適した超音波を送受信するものとした。超音波の周波数は、周波数制御部12によって超音波画像診断装置10の操作者が、プローブを操作して測定を行いながら任意に変更可能である。
また、本実施形態の超音波画像診断装置10は、体組成物の深さを距離、受信波の強度を輝度で表すモードを使用して体組成物を表示するものである。超音波画像表示部13は、体組成物の深さを距離、受信波の強度を輝度で表した画像を表示する。
【0014】
制御装置20は、測長部23、入力部24及び画像生成部25を有している。測長部23、入力部24及び画像生成部25は、いずれもパーソナルコンピュータ上で動作するプログラムである。
超音波画像表示部13に表示された超音波画像は、制御装置20を通じて表示画面30に表示される。測長部23は、例えば、表示された超音波画像上において操作者が指定したポイント間の長さを示す機能を有する。操作者は、測長部23によって示された長さを体組成物の厚さとして測定する。入力部24は、測定によって得られた体組成物の測定値を入力するための画面を提供し、画像生成部25は、入力された測定値を使って複数の箇所で測定された体組成物の厚さと、この測定が行われた複数の箇所の相対的な位置とを対応付けた画像を生成する。この画像は、表示画面30に出力されて表示される。
【0015】
本実施形態の上記画像は、複数の箇所で測定された体組成物の厚さと、測定が行われた複数の箇所の相対的な位置とを対応付けた画像である。複数の箇所の相対的な位置とは、各箇所間の実際の距離や位置によらず、例えば、3つの測定位置(測定位置α、β、γとする)が測定位置α、測定位置β及び測定位置γの順番で並んでいる、あるいは測定位置αと測定位置βとが隣り合う、測定位置βと測定位置γが上下の関係にある等を指す。本実施形態では、測定された体組成物の厚さと、測定が行われた複数の箇所の相対的な位置とを対応付けた画像を、レーダーチャートとした。このため、本実施形態では、画像生成部25が、体組成物の分布状態を示すレーダーチャートを示す画像データを生成する。
【0016】
ここで、レーダーチャートとは、複数の軸の一方の端点を一つの中心点と一致させ、各軸を放射状に配置したグラフであって、各軸上に何らかの属性を数値化した値をプロットして示したものである。レーダーチャートの軸の数には特に制限はない。また、各軸は、一端が中心点と一致し、他方の端点が放射状に配置されるものであれば、その長さや隣の軸となす角度が等しいものに限定されず、異なるものであってもよい。また、レーダーチャートは、後の図5に示すように、各軸に目盛りを付すものであってもよいし、目盛りがないものであってもよい。さらに、レーダーチャートは、軸同士の同じ長さの位置を繋ぐ線を表示するものに限定されず、軸上に属性を示すプロットを示すものでああれば、このプロットを繋ぐ線を表示するものであっても、表示しないものであってもよい。
さらに、本実施形態は、プロット同士を繋ぐ線を表示しない場合、プロットの軸上の位置を視認可能にするためには、例えば軸のうち中心からプロットに至るまでの部分を実線で示し、他の部分を破線で示す等のことが考えられる。また、レーダーチャートを多色で表現できる場合、例えば軸のうち中心からプロットに至るまでの部分と他の部分とを別の色で表す等のことが考えられる。
【0017】
なお、本実施形態は、上記構成の評価装置1を用いることに限定されるものではない。例えば、評価装置は、超音波画像診断装置10と制御装置20とを接続したものでなく、超音波画像診断装置10に制御装置20の機能を一体的に組み込んだものであってもよい。また、超音波画像診断装置10が超音波画像表示部13を設けずに、超音波画像を直接表示画面30に表示させるものであってもよい。
さらに、近年では、超音波画像診断装置10として操作者が片手で操作可能な小型の機器があり、例えば、Vscan(登録商標)の商品名で販売されている。本実施形態は、このような小型機器を使用することにより、被評価者が自宅等で簡易に自身の体組成を評価することが可能になる。つまり、本実施形態の体組成評価方法では、操作者と被評価者とを同一とすることができる。
【0018】
次に、上記体組成測定工程及び画像表示工程について具体的に説明する。
図2は、本実施形態の体組成評価方法を説明するためのフローチャートである。図2に示したフローチャートは、図1に示した超音波送受信部11を被評価者の腹部に当てて超音波を送信する。超音波は、一部が腹部の内部を透過し、一部が体組成物に応じた反射率で反射されて超音波送受信部11に受信される(ステップS101)。受信波は、その強度に応じた電気信号に変換されて超音波画像を生成する。生成された超音波画像は、超音波画像表示部13に表示される(ステップS102)。
【0019】
[体組成測定工程]
図3は、被評価者の腹部の超音波画像の一例を示す図である。図3に示したy軸は、腹部の表面から胴体の中心に向かう方向(深さ方向)を示し、-yの絶対値が大きくなるほど胴体の中心に近づいている。x軸は、一箇所の体組成の測定で得られる腹部の超音波画像の周回方向の長さを示している。図3中に皮下脂肪よりも+y側にある部位は表皮、真皮、皮下組織を含み、本実施形態ではこれを総称して「皮膚」と記す。図3においては、皮下脂肪よりも+y方向にある部位が皮膚の少なくとも一部を示している。
本実施形態では、表示画面30に超音波画像が出力されると、操作者は、例えば図3に示した超音波画像中の「白線」により皮膚と皮下脂肪、皮下脂肪と筋肉、筋肉と内臓の境界を判別し、境界を示す箇所をクリックする等して指定する。図1に示した測長部23は、指定された箇所のうちの隣接する箇所間の長さを、つまり体組成の厚さを測定する(ステップS103)。測定によって得られた厚さは、表示画面30に表示される。入力部24は、表示された長さを入力する入力画面を表示画面30に表示する。長さの入力は、操作者が手入力してもよいし、自動的に入力されるのであってもよい。
【0020】
図3において、超音波画像中に表れる体組成物の境界を示す白線は、いずれも所定の幅(y方向の長さ)を有している。体組成物の厚さの測定は、白線の上端、下端及びその間の所定の位置から次の白線の上端、下端及びその間の所定の位置までの長さを測定することによって行われる。測定の基準となる白線の位置をどこにするかは、画像の特性や測定精度、さらには測定対象となる体組成物の特性等によって決定される。
また、測定の基準となる白線の位置は、白線の輝度によって決定するものであってもよい。このような場合、例えば、白線の輝度のうち、最も輝度値の高い画素の範囲を特定し、特定された範囲を基準にして体組成物の境界を定めてもよい。このようにすれば、境界を正確に判定することができ、測定の精度を高めることに寄与することができる。
なお、図3に示すように、超音波画像中には、体組成物の境界を示す白線以外の白線等、白く写る部分が複数ある。白く写る部分のうちの一部は筋繊維を示していて、本実施形態では、筋繊維であると判定される部位を含む範囲を筋肉であると判定してもよい。そして、筋肉と隣接し、かつ筋肉の境界よりも体表の側にある部位を皮下脂肪、筋肉よりも腹部の内側にある部位を内蔵または内臓脂肪と判断してもよい。
【0021】
操作者は、例えば、皮下脂肪の厚さを入力No.1として入力し、筋肉の厚さを入力No2として入力する。入力部24は、入力No.1の入力が適正にされたか(終了したか)判断する(ステップS104)。ステップS104において入力がされていないと判断された場合(ステップS104:No)には、入力がされるまで待機する。また、入力がされたと判断された場合(ステップS104:Yes)、続いて入力No.2の入力が適正にされたか(終了したか)判断する(ステップS105)。ステップS105において入力がされていないと判断された場合(ステップS105:No)には、入力がされるまで待機する。また、入力がされたと判断された場合(ステップS105:Yes)、ステップS106において複数の測定点の全てで測定が終了したか否かを判断する。
上記工程のうち、ステップS103が、本実施形態の体組成測定工程に相当する。
【0022】
本実施形態は、上記体組成の測定を腹部周りの複数の箇所を測定点として行う。このため、制御装置20は、複数の測定点の全てにおいて測定が行われたか否か判断する(ステップS106)。なお、測定が終了したか否かの判断は、予め設定されている測定点の数だけ入力No.1及び入力No.2が入力されたか否かによって判断するようにしてもよい。
図4(a)、図4(b)は、複数の測定点で体組成の厚さを測定することを説明するための図である。図4(a)及び図4(b)は、人の腹部の横断面をCTスキャンして得られる画像の模式図であって、図4(b)には複数の測定点I、測定点II、測定点III、測定点IV及び測定点Vが示されている。測定点Iから測定点Vのうち、一箇所の測定で得られる超音波画像は、図3に示したx軸の範囲を有している。
図4(a)及び図4(b)に示すように、CTスキャンによる画像では、臍31と共に、体組成である皮下脂肪32、筋肉33a、背筋33b、内臓脂肪34及び背骨35が視認できる。皮下脂肪32が最も腹部表面に近くにあり、皮下脂肪32に隣接し、かつ皮下脂肪32よりも腹部の深い位置に筋肉33aが存在する。内臓は筋肉よりも腹部のさらに深い位置にあり、内臓脂肪34は内臓の間に存在する。また、背面においては、皮下脂肪32に隣接して背筋33bがある。
【0023】
本実施形態では、超音波画像診断装置10の超音波送受信部11を測定点Iから測定点Vに順番に当てて超音波を腹部の周回方向に複数箇所送信する。そして、測定点ごとに、受信波を受信して超音波画像を得る。測長部23は、操作者が指定した境界と境界との間の長さを測定する。このような測定は、対象物である腹部の横断面の外周上の複数の箇所において行われるものである。本実施形態では、測定を測定点Iから測定点Vまで5回繰り返すことにより、測定点Iから測定点Vに亘る範囲の体組成の分布状態が分かる。
【0024】
次に、上記測定の具体的な方法について説明する。
図5は、測定点Iから測定点Vを定めることに使用されるベルト部材60である。ベルト部材60は、柔軟性を有する樹脂素材の基部61を備え、基部61には長孔62が形成されている。ベルト部材60は腹部の周囲に巻き回されて使用される。基部61には、腹部の周方向に長孔62が形成されている。
ベルト部材60の腹部に対する固定は、例えば、超音波送受信部11の受信の感度を上げるため腹部に塗付されるゼリーによってベルト部材60を腹部に貼り付けるものであってもよい。また、基部61の腹部に向かう面(裏面)を粘着シートにし、ベルト部材60を腹部に貼り付けるものであってもよい。
本実施形態のベルト部材60は、基部61にマーカー63a、63bと、マーカー64aからマーカー64eが付されている。マーカー63aは丸印であり、近傍に「へそ」の文字が記されている。マーカー63bは線を示し、近傍に「背骨」の文字が記されている。マーカー64aからマーカー64eは、いずれも線であって、各線の近傍には測定点を表すIからVの数字が付されている。
【0025】
上記ベルト部材60は、被評価者の臍の位置にマーカー63aを合わせた場合、マーカー63bが概ね背骨の位置に来る。このようなベルト部材60では、被評価者の腹囲長に対応してマーカー63a、63bの位置が相違する。したがって、本実施形態では、ベルト部材60としてマーカー63aとマーカー63bとの間隔が異なるものを複数用意するものとした。マーカー64aからマーカー64eは、マーカー63aとマーカー63bとの間に一定の間隔を隔てて記されている。ベルト部材60は、被評価者の腹囲長に対応したものが選択され、測定に使用される。
【0026】
ベルト部材60が腹囲に巻き回された状態で、操作者または被評価者は、超音波送受信部11を長孔62から腹部に当接させる。このとき、本実施形態では、操作者または被評価者が、マーカー64a等の線に合わせて超音波送受信部11をマーカー64a、64b、64c、64d、64eの順番で腹部に当てるものとする。このとき、測長部23は、一番目に入力されたデータを測定点Iの厚さを示すものとして処理する。そして、二番目に入力されたデータを測定点IIの厚さを示すものとし、三番目に入力されたデータを測定点IIIの厚さを示すものとし、四番目に入力されたデータを測定点IVの厚さを示すものとする。さらに、五番目に入力されたデータを測定点Vの厚さを示すものとする。このような処理によれば、臍31の位置、背骨35の後方の位置及びその間の測定点に正確に超音波送受信部11を当てることができる。
なお、図5に示したベルト部材60は、臍31から背骨35までの腹囲の半分を覆うことができる。本実施形態では、腹部が臍31と背骨35とを通る直線に線対称とし、測定点Iから測定点Vまでの厚さを腹囲の他の半分の厚さとする。
【0027】
以上説明した本実施形態では、体組成測定工程を操作者が境界を指定することによって行う例を説明した。しかし、本実施形態は、測長部23及び入力部24が自動的に超音波画像から体組成物の境界を判別し、境界間にある体組成物の厚さを測定するプログラムを含むものであってもよい。このような場合、例えば、測長部23は、超音波画像の各画素の輝度を順次入力し、予め設定されている輝度以上の輝度を有し、かつ、予め設定されている範囲(幅及び長さ)の領域を検出する。そして、この領域に隣接する超音波画像の輝度分布等を考慮して検出された範囲が体組成物の境界を示すものであるか、及び体組成物のうちどのような組成の境界を示すものであるかを判定する。
さらに、測長部23は、設定にしたがって、境界であると判定された領域の端部、あるいは最も輝度の高い位置を判別する。そして、判別された位置から隣り合う境界の所定の位置までの長さを測定し、入力部24に入力する。入力部24は、測定された長さを超音波画像の表示倍率等に基づいて実際の値に変換し、画像生成部25に渡す。
【0028】
[画像表示工程]
図2に戻り、ステップS106において、測定が終了したと判断された場合(ステップS106:Yes)、画像生成部25が、複数の箇所で測定されて入力された皮下脂肪32、筋肉33a及び背筋33bの厚さと、この測定が行われた複数の箇所の相対的な位置とを対応付けた画像を表示する。具体的には、画像生成部25が、測定点Iから測定点Vの相対的な位置を示す画像を生成する。そして、測定点Iから測定点Vで得られた厚さの測定値を、それぞれの位置に表示し、位置を示す画像と厚さを示す画像とを含む画像を生成する。厚さは、測定値を数字で表示するものであってもよいし、直線の長さ、矩形や円形等図形の大きさで表すものであってもよい。
本実施形態では、このような画像を、レーダーチャートとして表示する(ステップS107)。ステップS107は、本実施形態の画像表示工程に相当する。なお、ステップS106において、測定が終了していないと判断された場合(ステップS106:No)、超音波を送受信して次に測定を行うべき測定点の超音波画像を取得する(ステップS101)。
図6(a)、図6(b)及び図6(c)は、レーダーチャートを説明するための図である。本実施形態の画像表示工程は、対象物である腹部の横断面の外周を示す外周画像を取得する外周画像取得工程と、外周画像と共に体組成物の厚さを示す画像を表示する体組成物表示工程と、によりレーダーチャートを表示する。
【0029】
より具体的には、図6(a)から図6(c)に示すように、本実施形態は、一点を中心にして、つまり一点で端点が接する32軸が等間隔で配置されるレーダーチャートを作成する。図6(a)から図6(c)では、32軸のうちの16軸について測定点Iから測定点Vを示している。ただし、図6(a)から図6(c)に示した例では、腹部の全周について体組成の厚さを測定するものとした。
図6(a)は、外周画像51を説明するための図である。本実施形態では、外周画像51を取得する工程を、超音波を送受信して超音波画像を取得する以前に予め行うものとする。外周画像51は、腹部の横断面の最外周の輪郭を示す画像である。外周画像51の取得は、例えば、腹囲長を測定し、測定された腹囲長から推定される短軸及び長軸の楕円を外周画像51とすることによっても実現できる。また、例えば、被評価者の腹部の幅と厚さとを測定し、幅を長軸、厚さを短軸とする楕円形を外周画像51とすることもできる。さらに、本実施形態は、腹囲長や腹部の幅及び厚さから円を推定し、この円を外周画像51とすることもできる。
レーダーチャートにおいて、外周画像51は測定の相対的な位置を示す画像である。また、レーダーチャート上のプロットは、体組成物の厚さを示す画像である。
【0030】
さらに、本実施形態では、例えば、スマートフォン等により被評価者の腹部を含む画像を撮影し、この画像に基づいて被評価者の三次元データを作成することも考えられる。そして、三次元データから腹部の横断面の形状や大きさを求め、これを外周画像51とすることも可能である。このとき、腹部の横断面の大きさは、被評価者の撮影時に全身を撮影し、身長を入力することによって身長との対比により求めることができる。また、このような機能は、現在、スマートフォンのアプリケーションとして実用化されている。
【0031】
本実施形態では、例えば、外周画像51における腹部の臍31の位置が図6(a)中の第一軸と一致するように外周画像51をレーダーチャート上に表示する。このとき、外周画像51は、表示画面30に、それぞれ所定の表示倍率で表示される。また、本実施形態では、16軸のうちの3軸を一つの単位とし、3軸の両端に位置する2軸に挟まれた範囲を順番に測定点I、測定点II、測定点III、測定点IV及び測定点Vとする。
【0032】
図6(b)は、体組成物表示工程を説明するための図であって、外周画像51と共に体組成物である皮下脂肪の厚さを示す皮下脂肪画像52を表示した状態を示している。皮下脂肪画像52をレーダーチャート上に表示する場合、画像生成部25は、皮下脂肪として一番目に入力された厚さを測定点Iにおける皮下脂肪の厚さとする。そして、二番目に入力された厚さから五番目に入力された厚さまでを、順番に測定点IIから測定点Vに割り当てる。そして、画像生成部25は、各厚さを表示画面30における外周画像51の表示倍率に合わせてプロットする。
【0033】
皮下脂肪の厚さのプロットは、レーダーチャート上に皮膚の厚さを0として外周画像51の輪郭から中心点に向かって皮下脂肪の厚さに相当する長さを隔てた位置を示すように行われる。また、筋肉のプロットは、皮下脂肪画像52の輪郭から中心点に向かって筋肉の厚さに相当する長さを隔てた位置を示すように行われる。このとき、例えば、三軸の中心の軸に測定値を表示し、表示された測定値のうち隣り合う軸に示された測定値を使って他の二軸の値を補間演算する補間演算工程を含むものであってもよい。補間演算は、どのような方法によって行ってもよいが、例えば、三軸の中心の軸に測定点を表示し、表示された測定点の値を使って他の二軸の値を補間演算するようにしてもよい。また、補間演算は、線形補間、最近傍補間等によって行うものであってもよい。
さらに、本実施形態は、測定点が測定点Iから測定点Vまでに限定されるものでなく、さらに多数の測定点において体組成物の厚さを測定するようにしてもよい。多数の測定は、超音波送受信部11をより狭い間隔で移動させることによって行ってもよい。また、図3に示した超音波画像のx方向の範囲から一つの体組成物において複数の測定値を得るものであってもよい。
【0034】
図6(c)は、外周画像51及び皮下脂肪画像52と共に筋肉の厚さを示す筋肉画像53を表示した状態を示している。筋肉画像53のレーダーチャートへの表示は、皮下脂肪画像52と同様の方法で行われる。
また、本実施形態は、測定値をレーダーチャートにして表示する構成に限定されるものではない。即ち、本実施形態は、上記したように、測定値と測定点の相対的な位置とが対応ついていればよく、例えば測定点を実際の順番にしたがって一方向に配置し、各測定点に対応する位置に測定値を表示する等してもよい。
【0035】
以上の処理により、外周画像51、皮下脂肪画像52及び筋肉画像53が重ねて表示されるレーダーチャートが完成する。図6(c)に示したレーダーチャートは、図4に示したCTスキャンの画像と同様に、腹部の横断面における体組成物の分布状態を示している。ただし、本実施形態では、さらなる測定の簡易化のため、軸「1」から「16」までの範囲にある測定点Iから測定点Vにおいて測定を行い、複数の箇所において測定された体組成物(皮下脂肪及び筋肉)の厚さを線対称に表示するようにしてもよい。
すなわち、本実施形態は、例えば、測定点Iから測定点Vにおいて体組成物の厚さを測定し、測定した値を例えば臍31を通る垂線に対して対象にレーダーチャート上に表示するようにしてもよい。このような処理は、人体において体組成物が左右対称に分布すると考えられることから、測定点を減じても比較的正確な分布を得られる。
【0036】
また、本実施形態は、上記したように、レーダーチャートに表示される体組成物として、皮下脂肪及び筋肉の少なくとも一方を含んでいて、ここでは皮下脂肪と筋肉の両方を表示する例を示している。皮下脂肪と筋肉の両方を表示することにより、本実施形態は、内臓脂肪が超音波によって測定できない場合にも、表示された対象物の断面積から、皮下脂肪、筋肉及び他の体組成物の予め設定されている断面積を除いた面積を対象物の内臓脂肪の断面積であると推定することができる。
【0037】
本実施形態の他の体組成物とは、骨及び内臓である。他の体組成物の予め設定されている断面積とは、例えば、骨及び内臓の断面積を複数の人について測定し、その統計から得た断面積であってもよい。骨及び内臓が占める断面積は、皮下脂肪、内臓脂肪及び骨等よりも個人差が小さいと考えられる。皮下脂肪及び筋肉といった個人差の比較的大きい体組成物を測定し、個人による相違の小さい体組成の断面積と共に腹部の横断面積から差し引くことにより、本実施形態は、内臓脂肪の断面積の推測値を得ることができる。さらに、本実施形態は、皮下脂肪及び筋肉の一方を表示する場合であっても、他方が予め推定できる場合には内臓脂肪等の他の体組成の厚さを推定することができる。
なお、このような内臓脂肪の推測は、骨及び内臓の断面積を人の体格や性別、年齢等に応じて細かく設定し、被評価者の体格や性別、年齢等に合わせて使用することによっていっそう正確になる。
【0038】
以上説明した本実施形態は、評価の対象物に対して音波または光を照射して対象物における体組成物の少なくとも一つの厚さを、対象物の断面の外周上の複数の箇所において測定する。このため、対象物の周囲の複数の測定点において体組成物の厚さを測定することができる。また、本実施形態は、複数の箇所で測定された体組成物の厚さと、この測定が行われた複数の箇所の相対的な位置とを対応付けた画像を表示する。このため、体組成物の対象物における分布を表す画像を生成することができる。また、このような本実施形態は、例えば、小型の超音波画像診断装置10を使って実現できるので、例えば、CTスキャンといった公知の体組成物の分布を視認可能にする手法よりも簡易に行うことができる。したがって、本実施形態は、体組成物の分布状態を日常的に観察することに好適な体組成評価方法を提供することができる。
【0039】
また、本実施形態は、内臓脂肪の厚さを腹部の横断面積から皮下脂肪や筋肉等の厚さから差し引いて推定することができる。この際、本実施形態は、個人による相違や経時的な変化が大きい内臓脂肪及び筋肉については測定値を用い、個人による相違の比較的小さい骨や内臓については予め設定された値を使い、測定を簡易化しながら推定値の精度を高めることができる。
さらに、以上説明した本実施形態は、腹部を対象として皮下脂肪や内臓脂肪の厚さを評価しているが、本実施形態は、このような例に限定されるものではない。本実施形態は、例えば、筋肉の厚さや分布状態を評価し、筋肉の発達を促すトレーニングに役立てることもできる。
【符号の説明】
【0040】
1・・・評価装置
10・・・超音波画像診断装置
11・・・超音波送受信部
12・・・周波数制御部
13・・・超音波画像表示部
20・・・制御装置
23・・・測長部
24・・・入力部
25・・・画像生成部
30・・・表示画面
31・・・臍
32・・・皮下脂肪
33a・・・筋肉
33b・・・背筋
34・・・内臓脂肪
35・・・背骨
51・・・外周画像
52・・・皮下脂肪画像
53・・・筋肉画像
60・・・ベルト部材
61・・・基部
62・・・長孔
63a、63b、64a、64b、64c、64d、64e・・・マーカー
I,II,III,IV,V・・・測定点
図1
図2
図3
図4
図5
図6