(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】車両デバイス及び車両
(51)【国際特許分類】
B60J 5/00 20060101AFI20240621BHJP
B62D 25/10 20060101ALI20240621BHJP
B62D 29/04 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
B60J5/00 P
B62D25/10 D
B62D29/04 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023126228
(22)【出願日】2023-08-02
【審査請求日】2023-08-02
(31)【優先権主張番号】10 2022 119 683.6
(32)【優先日】2022-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510238096
【氏名又は名称】ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Porscheplatz 1, D-70435 Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110003421
【氏名又は名称】弁理士法人フィールズ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゼリコ グラヴァスキ
(72)【発明者】
【氏名】トマス ラネク
【審査官】上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-087259(JP,A)
【文献】特開2019-078741(JP,A)
【文献】特開2018-078804(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 5/00
B62D 25/10
B62D 29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体構成要素(21、22、23、24、25)と、制御デバイス(32)とを備える、車両(10)のための車両デバイス(20)であって、前記本体構成要素(21、22、23、24、25)が、繊維デバイス(30)を備え、前記繊維デバイス(30)が、繊維(34)を備え、かつ前記制御デバイス(32)に電気的に接続され、前記繊維デバイス(30)が、前記本体構成要素(21、22、23、24、25)の変形を電気エネルギーに変換するように構成され、前記制御デバイス(32)が、第1の電圧(82)を、前記繊維(34)の剛性の変化をもたらすために、前記繊維(34)の少なくとも一部に印加するよう構成される、車両デバイス(20)。
【請求項2】
前記繊維デバイス(30)が、圧電効果によって又は摩擦電気効果によって前記電気エネルギーを生成するように構成される、請求項1に記載の車両デバイス(20)。
【請求項3】
前記制御デバイス(32)が、前記第1の電圧(82)によって、前記繊維(34)の前記剛性の変化を引き起こすために、前記繊維(34)の少なくとも一部分を通る電流を生成するように構成される、
請求項1に記載の車両デバイス(20)。
【請求項4】
前記制御デバイス(32)が、第1の信号(81)を受信するように構成され、前記第1の信号(81)が、車両(10)の運動に関する第1の情報を担持し、前記制御デバイス(32)が、前記第1の信号(81)の関数として前記第1の電圧(82)に影響を及ぼすように構成される、
請求項1に記載の車両デバイス(20)。
【請求項5】
運動センサ(85)が、前記本体構成要素(21、22、23、24、25)に提供され、前記運動センサ(85)が、前記本体構成要素(21、22、23、24、25)の運動の関数として第2の信号(84)を生成し、かつその第2の信号を前記制御デバイス(32)に送信するように構成され、前記制御デバイス(32)が、好ましくは前記本体構成要素(21、22、23、24、25)の運動を低減するために前記第2の信号(84)の関数として前記第1の電圧(82)を出力するように構成される、
請求項1に記載の車両デバイス(20)。
【請求項6】
前記制御デバイス(32)が、前記本体構成要素(21、22、23、24、25)の振動を低減するために、前記第2の信号(84)の関数として前記第1の電圧(82)を出力するよう構成される、請求項5に記載の車両デバイス(20)。
【請求項7】
前記繊維デバイス(30)が、
生成されたエネルギーの関数として前記制御デバイス(32)に第3の信号(83)を出力するよう構成され、前記制御デバイス(32)が、前記第3の信号(83)の関数として前記第1の電圧(82)を生成するよう構成される、
請求項1に記載の車両デバイス(20)。
【請求項8】
データメモリ(40)が、前記制御デバイス(32)と関連付けられ、前記データメモリ(40)が、少なくとも第1のデータ値を記憶しており、前記第1のデータ値が、前記本体構成要素(21、22、23、24、25)の振動挙動に関する情報を含み、前記制御デバイス(32)が、前記第1のデータ値の関数として前記第1の電圧(82)を出力するよう構成される、
請求項1に記載の車両デバイス(20)。
【請求項9】
前記繊維(34)が、
-積層構造物と、
-接着剤と、
-葉状構造物と、を含む、接続要素グループからの少なくとも1つの接続要素(50)によって前記本体構成要素(21、22、23、24、25)に取り付けられる、
請求項1に記載の車両デバイス(20)。
【請求項10】
前記本体構成要素(21、22、23、24、25)が、車両(10)の外殻を形成するように構成される、
請求項1に記載の車両デバイス(20)。
【請求項11】
前記繊維(34)が、圧電材料を備え、前記圧電材料が、変形の関数として電圧生成及び電流の関数として剛性の変化を可能にする、
請求項1に記載の車両デバイス(20)。
【請求項12】
前記繊維(34)が、
-炭素繊維と、
-繊維ガラスと、
-プラスチック繊維と、を含む繊維タイプグループからの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の車両デバイス(20)。
【請求項13】
請求項1に記載のデバイス(20)を備える、車両。
【請求項14】
前記本体構成要素(21、22、23、24、25)が、前記車両(10)における所定の位置を有し、前記繊維デバイス(30)の前記繊維(34)が、少なくとも部分的にかつ少なくともセクションで斜めに上方に走る、請求項13に記載の車両(10)。
【請求項15】
前記繊維(34)が、水平から第1の角度(55)で、少なくとも部分的にかつセクションで斜めに上方に走り、前記第1の角度(55)が、20°~70°の範囲内、好ましくは30°~60°の範囲内、特に40°~50°の範囲内である、請求項14に記載の車両(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両、特に自動車のための車両デバイスに関し、及びそのような車両デバイスを有する車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(米国特許第7,429,074号明細書)は、空気方向付け要素を有する気流制御デバイスを開示し、これは形状記憶を有する材料を備える。
【0003】
特許文献2(欧州特許第2,830,857号明細書)は、航空機の変更可能な外殻のための複合材料を開示し、その材料は、周囲温度の関数としてその形状を変更する。
【0004】
特許文献3(米国特許第10,766,594号明細書)は、内部支持構造及び外壁を有する構成要素を開示し、内部支持構造は、繊維強化プラスチックから作製され、ヒータ及びストレインゲージとしての役割を果たす導電体を備える。
【0005】
特許文献4(国際公開第2020/203091号)は、複数の繊維複合層を含む、車両のための外側要素を開示する。
【0006】
特許文献5(米国特許出願公開第2021/0260858号明細書)は、トラックのための複合構造を開示しており、この複合構造は、繊維強化ポリマーと、その中に導電性及び絶縁性繊維を埋め込まれた電気グリッドとを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第7,429,074号明細書
【文献】欧州特許第2,830,857号明細書
【文献】米国特許第10,766,594号明細書
【文献】国際公開第2020/203091号
【文献】米国特許出願公開第2021/0260858号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の課題は、新しい車両デバイス及び新しい車両を提供することである。
【0009】
この課題は、並列請求項の主題によって解決される。
【0010】
本体構成要素と、制御デバイスとを備える、車両のための車両デバイスであって、本体構成要素が、繊維デバイスを備え、繊維デバイスが、繊維を備え、かつ制御デバイスに電気的に接続され、繊維デバイスが、本体構成要素の変形を電気エネルギーに変換するように構成され、制御デバイスが、第1のストレスを、繊維の剛性の変化をもたらすために、繊維の少なくとも一部に印加するよう構成される。繊維への影響は、エネルギーによって直接及ぼされてもよく、その剛性は変化してもよいか、又は制御ユニットで評価されてもよい。制御デバイスは、第1の電圧を生成することによって繊維の剛性に影響を与えることができ、したがってそれらは反応性である。本体構成要素は、例えば、極限の物理的状況において、本明細書によって剛性化され得る。特に、ねじり剛性は、必要に応じて増加又は減少させることができる。加えて、繊維は、本体構成要素の剛性の増加をもたらす。
【0011】
好ましい実施形態によれば、繊維は導電性繊維として形成される。したがって、繊維は電流を伝導することができる。
【0012】
好ましい実施形態によれば、繊維は反応性繊維として形成される。電圧が印加されるか、電流の流れる、又はその両方により、剛性を変化させることができる。
【0013】
好ましい実施形態によれば、繊維デバイスは、圧電効果又は摩擦電気効果によって電気エネルギーを生成するように構成される。これらの効果は、電気エネルギーを生成するために有利に利用され得る。
【0014】
好ましい実施形態によれば、制御デバイスは、繊維の剛性の変化を引き起こすために、第1の電圧によって繊維の少なくとも一部分を通して電流を生成するよう構成される。
【0015】
好ましい実施形態によれば、制御デバイスは、車両の運動に関する第1の情報を担持する第1の信号を受信するように構成され、その制御デバイスは、第1の信号の関数として第1の電圧に影響を与えるように構成される。これにより、電流状況の関数としての剛性に対する標的型の影響が可能となる。
【0016】
好ましい実施形態によれば、運動センサは、本体構成要素上に提供され、その運動センサは、本体構成要素の運動の関数として、第2の信号を生成して制御デバイスに送信するように構成され、制御デバイスは、好ましくは、本体構成要素の運動を低減させるために、第1の電圧を第2の信号の関数として出力するよう構成される。結果として、本体構成要素は、第2の信号の関数として自身の剛性に影響を与え得、それに伴い自身の運動も影響し得る。これにより、剛性に対する即時かつ標的化された影響が可能となる。
【0017】
好ましい実施形態によれば、制御デバイスは、本体構成要素の振動を低減するために、第2の信号の関数として第1の電圧を出力するよう構成される。車両の不快な振動を、本明細書によって低減することができる。
【0018】
好ましい実施形態によれば、繊維デバイスは、生成されたエネルギーの関数として、制御デバイスに第3の信号を出力するように構成され、制御デバイスは、第3の信号の関数として第1の電圧を生成するように構成される。したがって、制御デバイスは、第3の信号に基づいて繊維デバイスの繊維の変形を評価し、それに応じて第1の電圧を出力することによって反応することができる。シンプルな実施形態では、第3の信号は増幅されてもよく、増幅された信号は第1の電圧として出力されてもよい。例えば、第3の信号の変化も考慮することができる。
【0019】
好ましい実施形態によれば、制御デバイスは、データメモリと関連付けられ、そのデータメモリは、少なくとも第1のデータ値を記憶し、第1のデータ値は、本体構成要素の振動挙動に関する情報を含み、制御デバイスは、第1のデータ値の関数として第1の電圧を出力するよう構成される。制御デバイスは、例えば、特定の周波数が発生したときに第1の電圧を変更することによって、より具体的に振動に対して作用することができる。
【0020】
好ましい実施形態によれば、繊維は、
-積層構造物と、
-接着剤と、
-葉状構造物と、を含む、接続要素グループからの少なくとも1つの接続要素によって本体構成要素に取り付けられる。
これらの接続要素は、本体構成要素及び繊維と共に、剛性に効果的な影響を与えることができる構造を提供する。
【0021】
好ましい実施形態によれば、本体構成要素は、車両の外殻を形成するように構成される。この領域では、走行による風によって作り出される運動及び振動を有利に使用して、電気エネルギーを生成することができる。代替的に又は累積的に、本体構成要素は、内壁パネル及び/又は構造要素上に提供され得る。
【0022】
好ましい実施形態によれば、繊維は、圧電材料を備え、圧電材料は、変形の関数として電圧の生成、及び電流の関数として剛性の変化を可能にする。また、これらの効果のうちの1つのみを使用して、異なる材料によって他の効果を実現することも可能である。このような材料は、例えば、テニスラケットのためのHEAD によって使用され、HEAD は材料のために「インテリファイバー」というブランドを使用する。
【0023】
好ましい実施形態によれば、圧電材料は、積層構造物及び/又は接着剤によって取り付けられる。金属への取り付けも可能である。
【0024】
好ましい実施形態によれば、繊維は、
-炭素繊維と、
-繊維ガラスと、
-プラスチック繊維と、を含む繊維タイプグループからの少なくとも1つを含む。
これらの繊維は、有利には、繊維組立品の剛性に影響を与えることを可能にする。
【0025】
好ましい実施形態によれば、本体構成要素は、
-フロントフードと、
-ドアと、
-サイドパネルと、
-テールゲートと、
-トランクと、
-トランクリッドと、
-バッテリハウジングと、
-アンダーボディ保護構造部と、
-充電デバイスのハウジングと、
-シル領域と、
-ルーフと、
-車両フロアと、
-クロスビームとを含む本体構成要素のグループを含む少なくとも1つの本体構成要素を備える。
これらの本体構成要素のうちの1つ以上に車両デバイスを採用することによって、車両の騒音挙動が改善され得る。
【0026】
車両は、このような車両デバイスを備える。したがって、車両は、特に高速で、著しく強く振動しないようになり、必要に応じてより剛性とすることができる。
【0027】
好ましい実施形態によれば、本体構成要素は、車両内に所定の位置を有し、繊維デバイスの繊維は、少なくとも部分的にかつ少なくともセクションで斜めに上方に走る。試験は、こうした上向きの傾斜経路が、有利には剛性、特にねじり剛性に影響を与え得ることを示した。
【0028】
好ましい実施形態によれば、繊維は、水平54からの第1の角度で、第1の角度が20°~70°の範囲内、好ましくは30°~60°の範囲内、特に40°~50°の範囲内にある、少なくとも部分的に斜めに上向きに、かつ少なくともセクションで走る。これらの角度は、剛性に対する有利な影響を可能にする。
【0029】
本発明の更なる詳細及び有利な更なる展開が、以下に説明し、図面に示す実施例から明らかであり、決して本発明を限定するものとして理解されるべきではなく、従属請求項から明らかとなるであろう。本発明の範囲を逸脱することなく、上述の特徴及び以下で説明する特徴は、それぞれ指定された組み合わせだけでなく、他の組み合わせ又は単独でも使用できることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図4】繊維デバイスを有する車両ドアの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
同じ又は同じ効果を持つ部品は、以下では同じ参照番号で提供され、通常は1回のみ説明される。全ての図の説明は、不必要な繰り返しを避けるために互いに流用される。
【0032】
図1は、本体パネル21~25を有する車両10を示す。これらは、例えば、フロントドア21、リアドア22、フロントフード23、ルーフ24、及びバンパー又はエプロン25である。
【0033】
例示の実施形態では、フロントドア21及びリアドア22はそれぞれ、車両デバイス20を含む。
【0034】
図2は、車両デバイス20を有するフロントドア21の領域を詳細に示す。車両デバイス20は、繊維34を有する繊維デバイス30を有する。繊維34は、好ましくは導電性の反応性繊維である。繊維34は、例えば、特に導電性設計における、炭素繊維、炭素繊維複合物、ガラス繊維、又はガラス繊維複合物である。繊維デバイス30は、制御デバイス32に接続される。例えば、制御デバイス32は、フロントドア21内に直接提供され得るか、又は車両10の別の場所に中央で提供され得る。
【0035】
更に、車両に固定して設置される車両座標系は、x軸が前方を指し、z軸が上方を指し、y軸が左を指してプロットされる。
【0036】
図3は、概略的表現における車両デバイス20の構成を示す。繊維デバイス30は、制御デバイス32に接続される。制御デバイス32は、エネルギー貯蔵デバイス44及びデータ入力デバイス46に接続される。繊維デバイス30は、繊維34を含み、これらは例示の実施形態の例では集電線61又は62に接続される。更に、繊維デバイス30は、本体構成要素21の変形時に電気エネルギーを生成し、好ましくはこのエネルギーを制御デバイス32に供給するよう構成される、エネルギー生成デバイス36を備える。例えば、制御デバイス32は、例えば、スイッチによって又はダイオードによって、繊維デバイス30とエネルギー貯蔵デバイス44との間の電気接続を作ることによって、エネルギー貯蔵デバイス44に電気エネルギーを貯蔵することができるか、又はエネルギー貯蔵デバイス44からの電気エネルギーを評価して、繊維デバイス30に電圧を生成することができる。電気エネルギーはまた、繊維の剛性に影響を与えるために直接使用することができる。
【0037】
エネルギー生成デバイス36は、圧電効果又は摩擦電気効果によって電気エネルギーを生成するように構成されることが好ましい。
【0038】
例えば、圧電効果は、圧電ポリマー又は別の圧電材料を使用することによって達成することができる。
【0039】
摩擦電気効果により、2つの物体間で摩擦が生じる場合に、2つの物体を互いに荷電させることができる。
【0040】
電気エネルギーはまた、2つのキャパシタプレート間の距離の変化によって電圧が増加又は減少される場合、キャパシタアセンブリによって生成され得る。例えば、2つのキャパシタプレートは、フロントドア21の2つの間隔を空けた領域、又は概して本体構成要素21~25で提供されてもよく、又はそれらによって形成されてもよい。電気エネルギーの関数として、矢印で示される信号83を生成することができる。運動エネルギーは、例えば、走行による風によって又は表面の凹凸によって本体部分21~25の影響によって、生じ、エネルギー生成デバイス36によって電気エネルギーに変換され得る。エネルギー生成デバイス36は、圧電材料から繊維34を形成することによって実現されることが好ましい。
【0041】
制御デバイス32は、ここで、繊維34の剛性における変化を引き起こすために、繊維34に応力82を適用できるように構成される。電圧82は、例えば、集電線61、62に印加され得る。例えば、繊維34の剛性の変化は、電流によって影響されてもよく、それによって生成される熱によって、電流は電圧82によって影響されてもよく、又は繊維34の電気機械効果を利用することができる。圧電材料を備える繊維の使用は特に有利である。例えば、剛性に影響を与えることによって、車両10の横剛性は、道路品質及び/又は速度の関数として影響され得る。
【0042】
好ましくは、電圧82は、例えば増幅することによって、又はその時間変化を評価することによって、信号83の関数として生成される。
【0043】
データ入力デバイス46は、センサデータの受信を可能にし、それらは信号81として制御デバイス32に送信される。信号81は、車両10の運動に関する第1の情報を担持し、制御デバイス32は、第1の信号81の関数として電圧82に影響を与えるよう構成される。ここで、車両10の切迫した動きについての情報を考慮に入れることができる。例えば、車両10の前部にある車両センサによって凹凸を判定することができ、制御デバイス32は、電圧82を出力することによって対応するように応答し、また本体構成要素21~25の繊維34及びその剛性に影響を与えることができる。信号81は、カメラ又は車両レーダデバイスから取得されることが好ましい。
【0044】
好ましくは、本体構成要素21は、本体構成要素21の動きの関数として、信号84を生成して制御デバイス32に送信するよう構成される、運動センサ85を有する。制御デバイス32は、例えば、コーナリング中又はポットホール上で駆動するときにおける本体構成要素21の運動を低減するため、又は本体構成要素21の強い振動を低減するために、信号84の関数として電圧82を出力するよう構成される。
【0045】
車両デバイス20は、少なくとも第1のデータ値を記憶したデータメモリ40を有する。第1のデータ値は、本体構成要素21の振動挙動に関する情報を含み、制御デバイス32は、第1のデータ値の関数として第1の電圧82を出力するよう構成される。これにより、制御デバイス32による繊維デバイス30に対する改善された影響が可能になり、本体構成要素21の動き及び/又は振動を十分に低減することができる。
【0046】
繊維デバイス30の繊維34は、少なくとも部分的にかつ少なくともセクションで斜めに上向きに走ることが好ましい。ここで、繊維34は、好ましくは、水平から角度55で、角度55が20°~70°の範囲内、好ましくは30°~60°の範囲内、特に40°~50°の範囲内にある、少なくとも部分的に斜めに上向きに、かつ少なくともセクションで走る。特に好ましい角度55は、45°に等しい。
【0047】
図4は、本体構成要素21を概略的に図示し、繊維34は本体構成要素21の外部91上に提供されている。少なくとも1つの接続要素50が、繊維34を固定するために接続要素グループから提供され、この接続要素は、好ましくは、
-積層構造物と、
-接着剤と、
-葉状構造物とからなる。
【0048】
繊維34は、これらの接続要素によって本体構成要素21に良好に固定されてもよく、良好な取り付けは繊維34による硬化効果を増加させる。繊維34はまた、本体構成要素21の内側93上、又は本体構成要素21の内側領域92内に構造を有する本体構成要素21上に提供され得る。
【0049】
当然ながら、多様な変形及び修正が、本発明の範囲内で可能である。