(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】非可聴音波通信を用いた認証情報伝送装置
(51)【国際特許分類】
G06F 21/44 20130101AFI20240621BHJP
【FI】
G06F21/44
(21)【出願番号】P 2023514166
(86)(22)【出願日】2020-11-23
(86)【国際出願番号】 KR2020016564
(87)【国際公開番号】W WO2022050496
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】10-2020-0112422
(32)【優先日】2020-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519383533
【氏名又は名称】ミューズライブ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Muzlive, inc.
【住所又は居所原語表記】10F, 19, World Cup Buk-ro 56-gil Mapo-gu Seoul 03923 Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】パク ジョンソン
【審査官】平井 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-068039(JP,A)
【文献】特表2006-528391(JP,A)
【文献】特開2009-193272(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/00-88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証情報及び前記認証情報を音波に変換する変換方法に対応する複数の前提信号を格納する格納部と
前記複数の前提信号の内、少なくとも1つの前提信号を選択し、選択された前提信号に対応する変換方法により前記認証情報を音波信号に変換する制御部と、
前記選択された前提信号と音波信号に変換された前記認証情報を音波信号に出力する音波出力部とを含む認証装置。
【請求項2】
前記格納部は、
前記複数の前提信号別に、文字または数字に対応する音波信号の周波数に関するマッピングテーブルを格納する請求項1に記載の認証装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記格納部に格納された複数の前提信号の内、第1前提信号が選択されると、前記第1前提信号に対応する第1方法で前記認証情報を音波信号に変更し、第2前提信号が選択されると、前記第2前提信号に対応する第2方法で前記認証情報を音波信号に変更する請求項2に記載の認証装置。
【請求項4】
前記制御部は、
同じ認証情報に対して選択される前提信号ごとに異なる音波信号を生成する請求項3に記載の認証装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記格納部に格納された複数の前提信号を順次選択又はランダムに選択し、前記選択された前提信号に対応する変換方法により認証情報を音波信号に変更する請求項1に記載の認証装置。
【請求項6】
前記格納部は、
前記前提信号の選択順序に関する情報を格納する請求項5に記載の認証装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記複数の前提信号の内の1つの前提信号を選択し、選択された前提信号に対応する変換方法により前記認証情報を音波信号に変換し、前記選択された
前提信号に関する情報を格納する請求項6に記載の認証装置。
【請求項8】
前記制御部は、
認証情報伝送コマンドが再度受信されると、前記選択順序に従って、以前に選択された前提信号の次の順番の前提信号を選択する請求項7に記載の認証装置。
【請求項9】
認証装置、ユーザ端末装置及び管理サーバを含む認証システムにおいて、
前記認証装置が前提信号を選択し、選択された前提信号に対応する変換方法で認証情報を音波信号に変更して前記ユーザ端末装置に伝送するステップと、
前記音波信号を受信した前記ユーザ端末装置が前記認証装置に認証情報再伝送要請信号を伝送するステップと、
前記認証装置が既に格納された前提信号選択順序に応じて、以前に選択された前提信号の次の順番の前提信号を選択し、選択された前提信号に対応する変換方法により認証情報を音波信号に変更して前記ユーザ端末装置に再伝送するステップと、
前記ユーザ端末装置が、音波信号に含まれた前提信号が、既に格納された前提信号選択順序に適合する前提信号であるか否かを判断するステップと、
前記ユーザ端末装置が、前記音波信号に前記選択順序に適合しない前提信号が含まれたものと判断した場合、前記認証装置に認証情報再伝送要請信号を伝送し、前記選択順序に合致する前提信号が含まれたものと判断した場合、前記音波信号の形態の認証情報をデジタル情報に変換して前記認証情報を管理サーバに伝送するステップを含む認証システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非可聴音波通信を用いた認証情報伝送装置に関し、さらに詳細には、前提信号に周波数変調方法を含めてセキュリティを向上させた非可聴音波通信を用いた認証情報伝送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
文化技術は、狭くは映画、ゲーム、アニメーションなどの各種文化コンテンツの企画、開発、制作などに必要な技術を指すが、広義には科学技術を基に文化的生活の質を向上させる総合的な技術を意味する。
【0003】
このような文化技術の発展とともに、既存の方式を脱皮した新しい形態のコンテンツ伝達媒体が登場し始めた。例えば、アルバム市場の場合、伝統的なCD形態のアルバムを置き換えるためにUSBタイプのアルバムやスマートフォンのAUX端子に接続できる形態のアルバムなどが登場し始めた。
【0004】
このような新しいタイプのアルバムは、認証情報が格納された格納媒体を販売する形態で配布される。認証情報が格納された格納媒体を購入したユーザがこれをスマートフォンやタブレットPCなどのような端末装置に接続した後、それに対応するアプリケーションを実行すると、認証情報に対応する音楽コンテンツがサーバから端末装置にダウンロードされる。
【0005】
しかし、最近のスマートフォン、タブレットPCなどの場合、AUX端子などのような伝統の方式のインターフェースを削除した形で発売されるところ、前記のようなインターフェースでは格納媒体に抵当された認証情報をユーザ端末装置に伝送できなくなるという問題が発生した。
【0006】
Wi-Fi、Bluetoothなどの無線通信ネットワークインタフェースを介して認証情報をユーザ端末装置に伝送する方法が考慮され得るが、この場合、認証情報を格納した格納媒体に前記のような無線通信ネットワークモジュールを備えなければならないし、ユーザ端末装置と格納媒体との間にペアリングを構築するのに所定の時間がかかるため、ユーザの不便感が伴うという問題があった。
【0007】
そこで、非可聴音波通信を用いて認証情報を外部に伝送することでコンテンツのダウンロードを受ける方式が講じられた。
【0008】
非可聴音波通信を用いた方法の場合、別途の通信モジュールを必要とせず、機器相互間でデータ送受信のためのペアリング過程を必要としないという利点があるが、無断録音などにより音波に変換された認証情報が露出される場合がありセキュリティに脆弱であるという問題点があった。
【0009】
これで、非可聴音波通信の利点を享受しながらもセキュリティを向上させることができる新しい形態の非可聴音波通信を用いた認証情報伝送装置及びその方法に対する必要性が台頭してきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前述の問題点を解決するために案出されたものであり、本発明の目的は、非可聴音波通信において認証情報が流出して使用される場合を防止できる非可聴音波通信を用いた認証情報伝送装置を提供することにある。
【0011】
本発明の課題は、前記の課題に限定されず、言及されていないまた他の課題は、以下の記載から当業者に明確に理解され得る。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述の目的を達成するための本発明の一実施形態に係る認証装置は、認証情報及び前記認証情報を音波に変換する変換方法に対応する複数の前提信号を格納する格納部、前記複数の前提信号の内、少なくとも1つの前提信号を選択し、選択された前提信号に対応する変換方法により前記認証情報を音波信号に変換する制御部と、前記選択された前提信号と音波信号に変換された前記認証情報を音波信号に出力する音波出力部を含む。
【0013】
本発明の一実施形態に係ると、前記格納部は、前記複数の前提信号別に文字又は数字に対応する音波信号の周波数に関するマッピングテーブルを格納することができる。
【0014】
本発明の一実施形態に係ると、前記制御部は、前記格納部に格納された複数の前提信号の内、第1前提信号が選択されると、前記第1前提信号に対応する第1方法で前記認証情報を音波信号に変更し、第2前提信号が選択されると、前記第2前提信号に対応する第2方法で前記認証情報を音波信号に変更することができる。
【0015】
本発明の一実施形態に係ると、前記制御部は、同じ認証情報に対して選択される前提信号ごとに異なる音波信号を生成することができる。
【0016】
本発明の一実施形態に係ると、前記制御部は、前記格納部に格納された複数の前提信号を順次選択するかまたはランダムに選択し、前記選択された前提信号に対応する変換方法で認証情報を音波信号に変更することができる。
【0017】
本発明の一実施形態に係ると、前記格納部は、前記前提信号の選択順序に関する情報を格納することができる。
【0018】
本発明の一実施形態に係ると、前記制御部は、前記複数の前提信号の内、1つの前提信号を選択し、選択された前提信号に対応する変換方法で前記認証情報を音波信号に変換し、前記選択された制御前提信号に関する情報を格納できる。
【0019】
本発明の一実施形態に係ると、前記制御部は、認証情報伝送命令が再度受信されると、前記選択順序に従って以前に選択された前提信号の次の順番の前提信号を選択することができる。
【0020】
本発明のまた他の実施形態に係る認証装置、ユーザ端末装置及び管理サーバを含む認証システムは、前記認証装置が前提信号を選択し、選択された前提信号に対応する変換方法で認証情報を音波信号に変更して前記ユーザ端末装置に伝送するステップと、前記音波信号を受信した前記ユーザ端末装置が前記認証装置に認証情報再伝送要請信号を伝送するステップと、前記認証装置が既に格納された前提信号選択順序に従って以前に選択された前提信号次の順番の前提信号を選択し、選択された前提信号に対応する変換方法で認証情報を音波信号に変更して前記ユーザ端末装置に再伝送するステップ、前記ユーザ端末装置が音波信号に含まれた前提信号が既に格納された前提信号選択順序に符合する前提信号であるか否かを判断するステップ及び前記ユーザ端末装置が前記音波信号に前記選択順序に合わない前提信号が含まれていると判断された場合、前記認証装置に認証情報再伝送要請信号を伝送し、前記選択順序に合う前提信号が含まれていると判断された場合、前記音波信号の形態の認証情報をデジタル情報に変換して前記認証情報を管理サーバに伝送するステップを含む。
【発明の効果】
【0021】
前述した認証装置に係れば、前提信号の種類に応じて同じ認証情報を伝送するための音波信号が変更されるところ、外部では認証情報が伝送されるたびに無秩序な任意の音波信号が出力されると認識され、セキュリティを強化することができるという効果を達成することができる。
【0022】
また、音波信号から認証情報が露出する場合を事前に防止できるという効果を達成することができる。
【0023】
本発明の効果は前記で言及した効果に限定されず、言及されていないまた他の効果は請求の範囲の記載から当業者に明確に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施形態に係る認証システムを説明するためのシステム図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る非可聴音波通信を用いた認証情報伝送装置を説明するための機能ブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る認証装置から出力される音波信号を説明するための図である。
【
図4】前提信号と文字または数字に対応する周波数との関係を説明するための図である。
【
図5-6】本発明の一実施形態に係る前提信号に従って他の形態の音波信号に変換された認証情報を説明するための図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るユーザ端末装置が様々な形態の音波信号に変換された認証情報を受信してこれを元のデジタル情報に変換する過程を説明するためのフローチャートである。
【
図8】本発明の一実施形態に係る認証装置が複数の前提信号を選択する手順を説明するためのフローチャートである。
【
図9】本発明の一実施形態に係るユーザ端末装置と認証装置とが連動して認証情報を送受信する過程を説明するためのタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して詳細に説明する。ただし、添付図面は、単に本発明の内容をより容易に開示するために説明されるものであり、本発明の範囲が添付図面の範囲に限定されるものではないことは、この技術分野の通常の知識を有する者であれば容易にわかる。
【0026】
そして、本発明の実施形態を説明するにあたり、同一機能を有する構成要素については同一名称及び同一符号を用いるだけで実質的には従来技術の構成要素と全く同一ではないことを予め明らかにする。
【0027】
さらに、本出願で使用した用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図がない。単数の表現は、文脈上明らかに異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、1つまたは複数の他の特徴か、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないことで理解されるべきである。
【0028】
図1は本発明の一実施形態に係る認証システムを説明するためのシステム図である。
【0029】
本発明の一実施形態に係る認証システム100は、ユーザ端末装置200、認証装置300、及び管理サーバ400を含む。
【0030】
ユーザ端末装置200は、スマートフォン、タブレットPCなどのような電子装置で管理サーバ400から受信したコンテンツを再生することができる専用アプリケーションが設けられて有り得る。また、専用アプリケーションは、認証装置300から伝送される認証情報を受信した後、管理サーバ400に伝送して認証手順が実行されるようにすることができる。
【0031】
認証装置300は、管理サーバからコンテンツのダウンロードをするために必要な認証情報が格納される。また、認証装置300は、認証情報を所定の音波信号に変更して出力する音波出力部(図示せず)を含むことができる。本発明の一実施形態に係る音波出力部はスピーカで実現することができる。
【0032】
管理サーバ400は、認証情報に対応する複数のコンテンツファイルを格納する。
【0033】
本実施形態においては、管理サーバ400が1つの物理サーバであることを例として示したが、
これは説明の便宜のためであり、認証を行うサーバ、コンテンツファイルを格納するサーバなどで物理的または論理的に区別することができることは勿論である。
【0034】
管理サーバ400が認証サーバとコンテンツ格納サーバで物理的または論理的に区別されている場合、管理サーバ400は、ユーザ端末装置200から受信した認証情報に対応するコンテンツをダウンロード受けることができる取得経路をユーザ端末装置200に伝送する。
【0035】
取得経路を受信したユーザ端末装置200は、前記取得経路でコンテンツ格納サーバに接続して認証情報に対応するコンテンツをダウンロード受けることができる。
【0036】
以下においては、認証装置300が非接触方式で認証情報をユーザ端末装置200に伝送する過程について詳細に説明する。
【0037】
図2は、本発明の一実施形態に係る非可聴音波通信を用いた認証情報伝送装置を説明するための機能ブロック図である。
【0038】
本発明の一実施形態に係る認証装置300は、格納部310、制御部330、及び音波出力部350を含む。
図2には、本発明に関連する構成要素のみが示されているところ、以下に説明する実施形態に関連する構成要素以外に他の構成要素をさらに含み得ることは勿論である。
【0039】
格納部310は、認証情報及びその認証情報を音波に変換する変換方法に対応する複数の前提信号を格納する。認証情報は、管理サーバ400からコンテンツをダウンロードしたり、コンテンツをダウンロード受けることができる経路を取得するための情報である。このために、管理サーバ400には、認証情報に対応するコンテンツに対応する情報が格納され得る。
【0040】
認証情報は、少なくとも1つの数字、文字、またはこれらが結合された情報であり得る。
【0041】
一方、前提信号は、ユーザ端末装置200に音波信号に変換された認証情報が送信されることを予め知らせる信号を意味する。ユーザ端末装置200の場合、認証装置300から音波形態で送信される認証情報を受信するために常に待機状態を維持することができないため、休止状態で認証情報を受信するためのモードに切り替えることができるようにするために前提信号を先に送信することである。
【0042】
前提信号によって認証情報を音波信号に変換する方法が異なることになるところ、以下において認証情報を音波信号に変換する具体的な方法について説明する。
【0043】
制御部330は、複数の前提信号の内少なくとも1つの前提信号を選択し、選択された前提信号に対応する変換方法で前記認証情報を音波信号に変換する。
【0044】
第1前提信号が選択されると、それに対応する第1方法で認証情報を音波信号に変更し、第12前提信号が選択されるとそれに対応する第2方法で認証情報を音波信号に変更する。
【0045】
一方、制御部330は、格納部310に格納された複数の前提信号を順次選択するかまたはランダムに選択し、選択された前提信号に対応する変換方法で認証情報を音波信号に変換することができる。
【0046】
すなわち、認証情報発生コマンドを受信するたびに前提信号を選択し、対応する方法で認証情報を音波信号に変換するところ、1つの認証情報互いに異なる形態の音波信号に変換される。したがって、音波信号が外部に流出するとしても、本来の認証情報のセキュリティを高めることができるようになる。
【0047】
音波出力部350は、制御部330によって選択された前提信号及び音波信号に変換された認証情報を音波信号に出力する。このために、本発明の一実施形態に係る音波出力部350はスピーカで実現され得る。
【0048】
音波出力部350から出力された音波信号を受信したユーザ端末装置200は、音波信号に含まれる前提信号を用いて変換方法を特定し、これを用いて音波信号に変換された認証情報を本来のデジタル情報に変換する。このために、ユーザ端末装置200には、前提信号に対応する変換方法が既に格納されて有り得る。
【0049】
以下においては、前提信号及び音波信号に変換された認証情報とそれを用いた認証情報伝送方法について詳細に説明する。
【0050】
図3は本発明の一実施形態に係る認証装置から出力される音波信号を説明するための図である。
【0051】
本発明の一実施形態に係る制御部330は、音波信号に変換された認証情報を出力する前に前提信号を出力する。前述したように、前提信号は、ユーザ端末装置200が音波信号を受信してそれを分析する前に正確なデータを分析するための時点を容易に区分するようにするための信号である。
【0052】
前提信号は、
図3に示すようにt1からt2まで出力される。前提信号の出力が終了すると、認証情報に含まれた文字または数字に対応する周波数を有する音波信号が出力される。
【0053】
例えば、認証情報が「123」の場合、数字「1」に対応する周波数を有する音波信号が所定時間出力され、この後「2」に対応する周波数を有する音波信号及び「3」に対応する周波数を有する音波信号が順次所定の時間出力される。
【0054】
認証情報に含まれる数字または文字に対応する周波数を有する音波信号は、所定の時間出力されるか、所定の周期を繰り返すように出力され得る。
【0055】
また、
図3においては、前提信号と認識情報に対応する音波信号が同じ大きさで出力されることを例に示しているが、互いに異なる大きさの音波信号で出力されるように実現することもある。
【0056】
一方、認証情報に含まれた文字または数字に対応する音波信号の周波数は、前提信号によって決定され得る。
【0057】
図4は前提信号と文字または数字に対応する周波数との関係を説明するための図である。
【0058】
本発明の一実施形態に係る格納部310には、複数の前提信号及び前提信号別に文字又は数字に対応する音波信号の周波数に関するマッピングテーブルが格納され得る。
【0059】
図4に示すマッピングテーブルにおいて、A、B、Cと表記されたものは、前提信号の種類を意味する。なお、左側列に記載された数字は、認証情報に含めることができる情報を意味する。
図4には数字のみが示されているが、認証情報には数字以外に文字、特殊文字などがさらに含み得ることは勿論である。
【0060】
認証情報に含まれる文字または数字に対応する周波数は前提信号によって決定される。
【0061】
例えば、認証情報が「123」であり前提信号としてAが選択された場合、1は16,000Hzの音波信号に変換され、2は32,000Hzの音波信号に変換され、3は48,000Hzの音波信号に変換される。
【0062】
この場合、認証装置300においては、前提信号Aに対応する音波信号が所定時間の間出力された後、16,000Hzの音波信号、32,000Hzの音波信号及び48,000Hzの音波信号が順次出力される。
【0063】
一方、本発明の一実施形態に係る制御部330は、同一の認証情報に対して選択される前提信号別に異なる音波信号を生成する。
【0064】
前述の例において、同じ認証情報「123」に対して前提信号としてBが選択されると、前提信号Bに対応する音波信号が所定時間の間出力された後、16,160Hzの音波信号、32,160HZの音波信号及び48,160Hzの音波信号が順次出力されるところ、第1の例とは全く異なる音波信号が出力される。
【0065】
図5及び
図6は、本発明の一実施形態に係る前提信号に従って他の形態の音波信号に変換された認証情報を説明するための図である。
【0066】
図5には、前提信号としてAが選択された場合に音波信号に変換された所定の認証情報が示されている。一方、
図6には、前提信号としてBが選択された場合に音波信号に変換された所定の認証情報が示されている。
【0067】
すなわち、制御部330が選択した前提信号の種類に応じて同一の認証情報を伝送するための音波信号が変更されるところセキュリティ性を向上させることができるという効果を達成することができる。
【0068】
図7は本発明の一実施形態に係るユーザ端末装置が様々な形態の音波信号に変換された認証情報を受信してこれを元のデジタル情報に変換する過程を説明するためのフローチャートである。
【0069】
アナログ信号である音波信号から認証情報を取得するためには、音波信号を元のデジタル情報である認証情報に変換しなければならない。
【0070】
このために、ユーザ端末装置200はまず音波信号を受信する(S710)。音波信号は、ユーザ端末装置200に備えられたマイクを介して受信することができる。
【0071】
音波信号が受信されると、ユーザ端末装置200は、音波信号に含まれる前提信号及び前提信号に対応する変換方法を特定する(S720)。このために、ユーザ端末装置200も
図4で説明したマッピングテーブルを既格納していることができる。
【0072】
ユーザ端末装置200は、受信した音波信号に含まれた前提信号と前記マッピングテーブルを比較して変換方法を特定した後、前提信号後に受信された所定の周波数の音波信号をそれに対応するデジタル情報である文字または数値に変換する(S730)。
【0073】
アナログ信号から認証情報が確認されたら、認証情報を管理サーバ400に伝送して認証手順を進行した後、認証が成功すると認証情報に対応するコンテンツをダウンロードしてこれをユーザ(S740)に提供する。
【0074】
図8は本発明の一実施形態に係る認証装置が複数の前提信号を選択する手順を説明するためのフローチャートである。
【0075】
本発明の一実施形態に係る制御部330は、格納部310に格納された複数の前提信号の内、1つの前提信号をランダムに選択することができるが、既格納された順序に従って順次選択することもできる。
【0076】
前述の方法に係れば制御部330は、まず、格納部310に格納された複数の前提信号の内の1つの前提信号を選択し、それに対応する変換方法で認証情報を音波信号に変換して伝送する(S810)。
【0077】
制御部330は、最後に選択された前提信号の情報を格納部310に格納する(S820)。例えば、格納部310に3つの前提信号A、B、Cが格納されており、直前に選択された前提信号がAである場合、これに関する情報を格納する。
【0078】
一方、格納部310には、前提信号の選択順序に関する情報が既に格納されて有り得る。前提信号が3種類の場合、A→B→Cのような選択順序に関する情報が格納されて有ることが有る。このとき、最後の順序に該当する前提信号が選択された後には、再び最初の順序に戻ってAが選択される。
【0079】
その後、認証情報伝送コマンドが再び受信されると、既格納された選択順序に従って、以前に選択された前提信号の次の順番の前提信号を選択する(S830)。前述の例において、直前に選択された前提信号がAの場合、次の順番であるBを選択するものである。
【0080】
次の順番の前提信号が選択されると、それに対応する方法で認証情報を音波信号に変換して伝送する(S840)。
【0081】
図9は本発明の一実施形態に係るユーザ端末装置と認証装置が連動して認証情報を送受信する過程を説明するためのタイミング図である。
【0082】
ユーザから認証情報伝送命令が受信されると、認証装置300は、既に格納された複数の前提信号の内少なくとも1つの前提信号を選択し、それに対応する変換方法で認証情報を変換する(S910)。
【0083】
その後、選択された前提信号と認証情報を音波信号の形態で伝送する(S920)。
【0084】
音波信号を受信したユーザ端末装置200は、既に格納されたマッピングテーブルを用いて音波信号の認証情報をデジタル情報に変換する(S930)。具体的には、音波信号に含まれた前提信号の種類を特定し、特定された前提信号の種類に応じて、非可聴音波信号の周波数に対応する文字または数字を特定して本来の認証情報を取得する。
【0085】
認証情報を取得したユーザ端末装置200は、認証装置300に認証情報再伝送要請を伝送する(S940)。認証情報が取得されたにもかかわらず、再度認証情報を要請する理由は、音波信号の形態の認証情報を伝送した認証装置300が正常な経路を介して配布された装置であるか、音波信号を無断で録音した非認証装置であるかを確認するためである。
【0086】
認証情報再伝送要請を受信した認証装置300は、既に格納された前提信号選択順序に従って次の順番の前提信号を選択し、次の順番の前提信号に対応する変換方法で認証情報を変換する(S950)。
【0087】
そして、以前に伝送された音波信号とは異なる前提信号及び他の変換方法で変換された音波信号をユーザ端末装置200に伝送する(S960)。
【0088】
ユーザ端末装置200は、認証装置300と同様に、複数の前提信号に対する選択順序に関する情報を含むことができる。例えば、
図8で説明したように、前提信号が3種類の場合、A→B→Cのような選択順序に関する情報が格納されて有り得る。
【0089】
ユーザ端末装置200は、音波信号に含まれた前提信号が、既に格納された前提信号の選択順序に合った前提信号であるか否かを判断する(S970)。例えば、直前に受信した音波信号に含まれる前提信号がAであった場合、現在受信された音波信号に含まれた前提信号がBであるか否かを判断する。
【0090】
判断の結果、選択順序に合わない前提信号を含む音波信号が受信されたと判断された場合、認証装置300に認証情報再伝送要請信号を伝送する(S980)。
【0091】
一方、受信した音波信号に含まれた前提信号が、既に格納された前提信号選択順序に符合する前提信号である場合、マッピングテーブルを用いて音波信号形態の認証情報をデジタル情報に変換した後(S990)、これを管理サーバ400に伝送することで認証手順を進める。
【0092】
前述したように、ユーザ端末装置200と認証装置300に格納された前提信号選択手順に関する情報を用いて音波信号の認証情報を複数回送受信して認証手順を実行すると、認証情報流出によるコンテンツ無断使用を防止することができるという効果を達成することができる。
【0093】
例えば、音波信号の形態で伝送される認証情報を無断で録音し、これをユーザ端末装置200に伝送する形態で認証を試みる場合、既に格納された前提信号選択順序に応じた後続の音波信号を要請することに非正常的な認証の試みを遮断することができるようになることである。
【0094】
以上のように本発明に係る好ましい実施形態を注意深く見て、前述した実施例以外にも本発明がその趣旨やカテゴリから逸脱することなく、他の特定の形態に具体化できるという事実は当該技術に通常の知識を有する者においては自明なものである。したがって、前記の実施形態は限定的なものではなく例示的なものと見なされるべきであり、したがって本発明は前述の説明に限定されず、添付の請求項の範囲及びその等価の範囲内で変更されることもある。