(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】熱処理フィブリル化ポリマー膜を含むアフィニティークロマトグラフィーデバイス及びそれを含むマニホールド
(51)【国際特許分類】
B01J 20/281 20060101AFI20240621BHJP
B01J 20/282 20060101ALI20240621BHJP
B01J 20/283 20060101ALI20240621BHJP
G01N 30/60 20060101ALI20240621BHJP
G01N 30/88 20060101ALI20240621BHJP
B01D 15/38 20060101ALI20240621BHJP
B01J 20/24 20060101ALI20240621BHJP
B01D 15/22 20060101ALI20240621BHJP
C07K 1/22 20060101ALI20240621BHJP
C12N 15/86 20060101ALI20240621BHJP
C07K 14/705 20060101ALN20240621BHJP
C07K 16/00 20060101ALN20240621BHJP
C07K 14/31 20060101ALN20240621BHJP
C07K 14/315 20060101ALN20240621BHJP
【FI】
B01J20/281 R
B01J20/282 A
B01J20/282 E
B01J20/283
B01J20/281 X
B01J20/281 G
G01N30/60 A
G01N30/88 J
B01D15/38
B01J20/22 D
B01J20/24 C
B01D15/22
C07K1/22
C12N15/86 Z
C07K14/705
C07K16/00
C07K14/31
C07K14/315
(21)【出願番号】P 2023516617
(86)(22)【出願日】2021-09-10
(86)【国際出願番号】 US2021049970
(87)【国際公開番号】W WO2022056332
(87)【国際公開日】2022-03-17
【審査請求日】2023-04-17
(32)【優先日】2020-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ジャレッド エム.クリンガー
(72)【発明者】
【氏名】オイチョン キム
(72)【発明者】
【氏名】ケビン ジェイ.メイブ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル シー.マクマナウェイ
(72)【発明者】
【氏名】エリック バン ボールヒーズ
【審査官】黒田 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-524167(JP,A)
【文献】特開2018-062440(JP,A)
【文献】特開2011-001336(JP,A)
【文献】特表2015-504410(JP,A)
【文献】特表2016-530090(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/00-30/96
B01J 20/281-20/292
C07K 1/00-19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体入口、
前記流体入口に液体接続された流体出口、
前記流体入口と前記流体出口との間に配置され、球形を有しそし
て5ミクロン
~20ミクロンの公称粒子サイズを有する無機粒子を内部に含むフィブリル化熱処理ポリマー膜、
前記流体入口、前記流体出口及び前記フィブリル化熱処理ポリマー膜を取り囲むハウジング、
を含む、アフィニティークロマトグラフィーデバイスを含む、物品であって、
粒子サイズ分布は3以下のD90/D10を有し、そして前記フィブリル化熱処理ポリマー膜及び前記無機粒子のうちの少なくとも1つは、標的分子に可逆的に結合するアフィニティーリガンドを共有結合している、物品。
【請求項2】
前記標的分子は、タンパク質、抗体、ウイルスベクター及びそれらの組み合わせである、請求項1記載の物品。
【請求項3】
200(×10
-12cm
2)
~700(×10
-12cm
2)の透水率を備える、請求項1又は2記載の物品。
【請求項4】
球形を有する前記無機粒子は、シリカ、ゼオライト、ヒドロキシアパタイト、金属酸化物及びそれらの組み合わせから選ばれる、請求項1~3のいずれか1項記載の物品。
【請求項5】
前記フィブリル化熱処理ポリマー膜は、延伸ポリテトラフルオロエチレン膜、延伸変性ポリテトラフルオロエチレン膜、延伸テトラフルオロエチレンコポリマー膜又は膨張ポリエチレン膜を含む、請求項1~4のいずれか1項記載の物品。
【請求項6】
前記フィブリル化
熱処理ポリマー膜は延伸ポリテトラフルオロエチレン膜である、請求項1~5のいずれか1項記載の物品。
【請求項7】
前記アフィニティーリガンドは、プロテインA、プロテインG、プロテインL、ヒトFc受容体タンパク質、抗体、多糖類及びそれらの組み合わせから選ばれる、請求項1~6のいずれか1項記載の物品。
【請求項8】
前記無機粒子は、球形及び第一の公称粒子サイズを有する第一の無機粒子と、球形及び第二の公称粒子サイズを有する第二の無機粒子とを少なくとも含み、前記第一の公称粒子サイズ及び前記第二の公称粒子サイズは互いに異なる、請求項1~7のいずれか1項記載の物品。
【請求項9】
前記公称粒子サイズは、約5ミクロン、約10ミクロン、約15ミクロン、約20ミクロン及びそれらの組み合わせから選ばれる、請求項1~8のいずれか1項記載の物品。
【請求項10】
球形を有する前記無機粒子は、10ミクロンの球状粒子と20ミクロンの球状粒子とのブレンドを含み、そして前記ブレンドは10:90~90:10である、請求項1~9のいずれか1項記載の物品。
【請求項11】
球形を有する前記無機粒子は、5ミクロンの球状粒子と10ミクロンの球状粒子とのブレンドを含み、そして前記ブレンドは10:90~90:10である、請求項1~9のいずれか1項記載の物品。
【請求項12】
球形を有する前記無機粒子は、5ミクロンの球状粒子と20ミクロンの球状粒子とのブレンドを含み、そして前記ブレンドは10:90~90:10である、請求項1~9のいずれか1項記載の物品。
【請求項13】
20秒の滞留時間で少なくとも35mg/mlの動的結合容量(DBC)を備える、請求項1~12のいずれか1項記載の物品。
【請求項14】
0.3MPa未満の動作圧力で少なくとも100サイクルのサイクル耐久性を備える、請求項1~13のいずれか1項記載の物品。
【請求項15】
前記フィブリル化熱処理ポリマー膜は巻回構成を有する、請求項1~14のいずれか1項記載の物品。
【請求項16】
前記フィブリル化
熱処理ポリマー膜は積層構成を有する、請求項1~15のいずれか1項記載の物品。
【請求項17】
前記フィブリル化
熱処理ポリマー膜は、巻回構成、積層構成及びそれらの組み合わせを有する、請求項1~16のいずれか1項記載の物品。
【請求項18】
内側中間材料はコアの外面上で周囲に配置され、前記フィブリル化
熱処理ポリマー膜は前記内側中間材料上で周囲に配置されている、請求項1~17のいずれか1項記載の物品。
【請求項19】
外側中間材料は前
記フィブリル化
熱処理ポリマー膜上で周囲に配置されている、請求項
18記載の物品。
【請求項20】
前記内側中間材料及び前記外側中間材料は、多孔質フルオロポリマーフィルム、多孔質非フルオロポリマーフィルム、多孔質不織布材料及び多孔質織布材料から選ばれる、請求項
19記載の物品。
【請求項21】
前記内側中間材料及び前記外側中間材料のうちの少なくとも1つはポリプロピレン不織布材料である、請求項
19~20のいずれか1項記載の物品。
【請求項22】
並列構成で配置された少なくとも2つの請求項1~21のいずれか1項記載のアフィニティークロマトグラフィーデバイスを含む、マニホールド。
【請求項23】
前記マニホールドはハウジング内に収容されている、請求項22記載のマニホールド。
【請求項24】
流体流から標的分子を分離するための請求項1~21のいずれか1記載の物品の使用。
【請求項25】
並列構成の第一のマニホールド及び第二のマニホールドを含み、そして前記第一のマニホールド及び前記第二のマニホールドの各々は、少なくとも2つの請求項1~21のいずれか1項記載のアフィニティークロマトグラフィーデバイスを含む、デバイス。
【請求項26】
前記第一のマニホールド及び前記第二のマニホールドはハウジング内に封入されている、請求項25記載のデバイス。
【請求項27】
中心に配置されたコア、
前記コアの周りに巻回された、球形及
び5ミクロン
~20ミクロンの公称粒子サイズを有する球状無機粒子を内部に含有するフィブリル化熱処理ポリマー膜、
前記コア及び前記フィブリル化熱処理ポリマー膜の両方を取り囲むハウジング、
前記ハウジングの第一の端部に配置された第一のエンドキャップ、及び、
前記ハウジングの第二の端部に配置された第二のエンドキャップ、
を含む、アフィニティークロマトグラフィーデバイスを含み、
粒子サイズ分布は3未満のD90/D10を有し、そして前記フィブリル化熱処理ポリマー膜及び前記球状無機粒子のうちの少なくとも1つは、標的分子に可逆的に結合するアフィニティーリガンドを共有結合している、物品。
【請求項28】
前記標的分子は、タンパク質、抗体、ウイルスベクター及びそれらの組み合わせである、請求項27記載の物品。
【請求項29】
200(×10
12cm
2)
~700(×10
12cm
2)の透水率を備える、請求項27又は請求項28記載の物品。
【請求項30】
球形を有する前記無機粒子は、シリカ、ゼオライト、ヒドロキシアパタイト、金属酸化物及びそれらの組み合わせから選ばれる、請求項27~29のいずれか1項記載の物品。
【請求項31】
前記フィブリル化熱処理ポリマー膜は、延伸ポリテトラフルオロエチレン膜、延伸変性ポリテトラフルオロエチレン膜、延伸テトラフルオロエチレンコポリマー膜又は膨張ポリエチレン膜のうちの少なくとも1つを含む、請求項27~30のいずれか1項記載の物品。
【請求項32】
前記フィブリル化熱処理ポリマー膜はフィブリル化熱処理延伸ポリテトラフルオロエチレン膜である、請求項27~31のいずれか1項記載の物品。
【請求項33】
前記アフィニティーリガンドは、プロテインA、プロテインG、プロテインL、ヒトFc受容体タンパク質、抗体、多糖類及びそれらの組み合わせから選ばれる、請求項27~32のいずれか1項記載の物品。
【請求項34】
前記無機粒子は、球形及び第一の公称粒子サイズを有する第一の無機粒子と、球形及び第二の公称粒子サイズを有する第二の無機粒子とを少なくとも含み、前記第一の公称粒子サイズ及び前記第二の公称粒子サイズは互いに異なる、請求項27~33のいずれか1項記載の物品。
【請求項35】
前記公称粒子サイズは、約5ミクロン、約10ミクロン、約15ミクロン、約20ミクロン及びそれらの組み合わせから選ばれる、請求項27~33のいずれか1項記載の物品。
【請求項36】
球形を有する前記無機粒子は、10ミクロンの球状粒子と20ミクロンの球状粒子とのブレンドを含み、前記ブレンドは10:90~90:10である、請求項27~33のいずれか1項記載の物品。
【請求項37】
球形を有する前記無機粒子は、5ミクロンの球状粒子と10ミクロンの球状粒子とのブレンドを含み、前記ブレンドは10:90~90:10である、請求項27~31のいずれか1項記載の物品。
【請求項38】
球形を有する前記無機粒子は、5ミクロンの球状粒子と20ミクロンの球状粒子とのブレンドを含み、前記ブレンドは10:90~90:10である、請求項27~33のいずれか1項記載の物品。
【請求項39】
20秒の滞留時間で少なくとも35mg/mlの動的結合容量(DBC)を備える、請求項27~38のいずれか1項記載の物品。
【請求項40】
少なくとも100サイクルのサイクル耐久性及び0.3MPa未満の動作圧力を備える、請求項27~39のいずれか1項記載の物品。
【請求項41】
内側中間材料はコアの外面上で周囲に配置され、そして前記フィブリル化熱処理ポリマー膜は前記内側中間材料上で周囲に配置されている、請求項27~40のいずれか1項記載の物品。
【請求項42】
前記フィブリル化熱処理ポリマー膜上で周囲に配置された外側中間材料を含む、請求項
41記載の物品。
【請求項43】
前記内側中間材料及び前記外側中間材料は、多孔質フルオロポリマーフィルム、多孔質非フルオロポリマーフィルム、多孔質不織布材料及び多孔質織布材料から選ばれる、請求項
42記載の物品。
【請求項44】
前記内側中間材料及び前記外側中間材料のうちの少なくとも1つはポリプロピレン不織布材料である、請求項
42~43のいずれか1項記載の物品。
【請求項45】
並列構成で配置された少なくとも2つの請求項27~44のいずれか1項記載のアフィニティークロマトグラフィーデバイスを含む、マニホールド。
【請求項46】
前記マニホールドはハウジング内に封入されている、請求項45記載のマニホールド。
【請求項47】
並列構成の第一のマニホールド及び第二のマニホールドを含み、前記第一のマニホールド及び前記第二のマニホールドの各々は、少なくとも2つの請求項27~44のいずれか1項記載のアフィニティークロマトグラフィーデバイスを含む、デバイス。
【請求項48】
前記第一のマニホールド及び前記第二のマニホールドはハウジング内に封入されている、請求項47記載のデバイス。
【請求項49】
流体流から標的分子を分離するための請求項27~44のいずれか1項記載の物品の使用。
【請求項50】
ハウジン
グ、
前記ハウジングへの流体流を可能にする入口、
前記ハウジングからの流体流を可能にする出口、
流体入口と流体出口との間の前記ハウジング内に配置された積層膜アセンブリ、
を含む、アフィニティークロマトグラフィーデバイスを含む、物品であって、
前記積層膜アセンブリは、
積層構成で2つ以上のフィブリル化熱処理ポリマー膜を含み、前記フィブリル化
熱処理ポリマー膜の各々は球形及
び5ミクロン
~20ミクロンの公称粒子サイズのブレンドを有する無機粒子を内部に含み、
粒子サイズ分布は3未満のD90/D10を有し、そして
前記フィブリル化熱処理ポリマー膜及び球状無機粒子のうちの少なくとも1つは、標的分子に可逆的に結合するアフィニティーリガンドを共有結合している、物品。
【請求項51】
前記標的分子は、タンパク質、抗体、ウイルスベクター及びそれらの組み合わせである、請求項50記載の物品。
【請求項52】
第一の流れ分配器及び第二の流れ分配器を含み、前記第一の流れ分配器及び前記第二の流れ分配器は前記ハウジングの両端に配置されている、請求項50又は請求項51記載の物品。
【請求項53】
200(×10
-12cm
2)
~700(×10
-12cm
2)の透水率を備える、請求項50~52のいずれか1項記載の物品。
【請求項54】
球形を有する前記無機粒子は、シリカ、ゼオライト、ヒドロキシアパタイト、金属酸化物及びそれらの組み合わせから選ばれる、請求項50~53のいずれか1項記載の物品。
【請求項55】
前記フィブリル化熱処理ポリマー膜は、延伸ポリテトラフルオロエチレン膜、延伸変性ポリテトラフルオロエチレン膜、延伸テトラフルオロエチレンコポリマー膜又は膨張ポリエチレン膜を含む、請求項50~54のいずれか1項記載の物品。
【請求項56】
前記フィブリル化熱処理ポリマー膜は、フィブリル化熱処理延伸ポリテトラフルオロエチレン膜である、請求項50~55のいずれか1項記載の物品。
【請求項57】
前記アフィニティーリガンドは、プロテインA、プロテインG、プロテインL、ヒトFc受容体タンパク質、抗体、多糖類及びそれらの組み合わせから選ばれる、請求項50~56のいずれか1項記載の物品。
【請求項58】
前記無機粒子は、球形及び第一の公称粒子サイズを有する第一の無機粒子と、球形及び第二の公称粒子サイズを有する第二の無機粒子とを少なくとも含み、前記第一の公称粒子サイズ及び前記第二の公称粒子サイズは互いに異なる、請求項50~57のいずれか1項記載の物品。
【請求項59】
前記公称粒子サイズは、約5ミクロン、約10ミクロン、約15ミクロン、約20ミクロン及びそれらの組み合わせから選ばれる、請求項50~58のいずれか1項記載の物品。
【請求項60】
球形を有する前記無機粒子は、10ミクロンの球状粒子と20ミクロンの球状粒子とのブレンドを含み、前記ブレンドは90:10~10:90である、請求項50~59のいずれか1項記載の物品。
【請求項61】
球形を有する前記無機粒子は、5ミクロンの球状粒子と10ミクロンの球状粒子とのブレンドを含み、前記ブレンドは10:90~90:10である、請求項50~59のいずれか1項記載の物品。
【請求項62】
球形を有する前記無機粒子は、5ミクロンの球状粒子と20ミクロンの球状粒子とのブレンドを含み、前記ブレンドは10:90~90:10である、請求項50~59のいずれか1項記載の物品。
【請求項63】
20秒の滞留時間で少なくとも35mg/mlの動的結合容量(DBC)を備える、請求項50~62のいずれか1項記載の物品。
【請求項64】
少なくとも100サイクルのサイクル耐久性及び0.3MPa未満の動作圧力を備える、請求項50~63のいずれか1項記載の物品。
【請求項65】
少なくとも1つの第一の中間材料は前記積層膜アセンブリの第一の側に配置され、第二の中間材料は前記積層膜アセンブリの第二の側に配置され、前記第二の側は前記第一の側の反対側である、請求項50~64のいずれか1項記載の物品。
【請求項66】
前記第一の中間材料及び前記第二の中間材料は、多孔質フルオロポリマーフィルム、多孔質非フルオロポリマーフィルム、多孔質不織布材料及び多孔質織布材料から選ばれる、請求項65記載の物品。
【請求項67】
前記第一の中間材料及び前記第二の中間材料のうちの少なくとも1つはポリプロピレン不織布材料である、請求項
65または66記載の物品。
【請求項68】
並列構成で配置された少なくとも2つの請求項50~67のいずれか1項記載のアフィニティークロマトグラフィーデバイスを含む、マニホールド。
【請求項69】
前記マニホールドはハウジング内に封入されている、請求項68記載のマニホールド。
【請求項70】
第一のマニホールド及び第二のマニホールドを並列構成で含み、前記第一のマニホールド及び前記第二のマニホールドの各々は、少なくともの2つの請求項50~69のいずれか1項記載のアフィニティークロマトグラフィーデバイスを含む、デバイス。
【請求項71】
前記第一のマニホールド及び前記第二のマニホールドはハウジング内に封入されている、請求項70記載のデバイス。
【請求項72】
診断デバイスを含む物品であって、前記診断デバイスは、流体入口と流体出口との間に配置されておりそして球形及
び5ミクロン
~20ミクロンの公称粒子サイズを有する無機粒子を内部に含有するフィブリル化
熱処理ポリマー膜を含み、
粒子サイズ分布は3以下のD90/D10を有し、そして
前記フィブリル化
熱処理ポリマー膜及び無機粒子のうちの少なくとも1つは、生物学的サンプル内の標的物質に可逆的に結合するリガンドを共有結合している、物品。
【請求項73】
流体入口と、前記流体入口に流体接続された流体出口とを含む、請求項72記載の物品。
【請求項74】
前記流体入口、前記流体出口及び前記フィブリル化
熱処理ポリマー膜を取り囲むハウジング部材を含む、請求項72又は73記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本開示は、一般にアフィニティークロマトグラフィーに関し、より具体的には、球状粒子を内部に含有するフィブリル化熱処理ポリマー膜を含み、粒子サイズ分布が3以下のD90/D10を有し、これにより、水性混合物からの標的分子の分離が可能になるアフィニティークロマトグラフィーデバイスに関する。複数のアフィニティークロマトグラフィーデバイスを含むマニホールド及び並列構成のマニホールドも開示される。
【背景技術】
【0002】
背景
クロマトグラフィー法は、一般に、タンパク質、核酸及び多糖類などの目的の分子を混合物から分離及び/又は精製するために使用される。アフィニティークロマトグラフィーは、具体的に、結合される目的の分子に特異的なリガンド(すなわち、特異的結合パートナー)を有するマトリックス上に混合物を通過させることを含む。リガンドと接触すると、目的の分子はマトリックスに結合し、したがって混合物から保持される。アフィニティークロマトグラフィーは、他のタイプのクロマトグラフィーよりも優れた特定の利点を提供する。例えば、アフィニティークロマトグラフィーは、標的タンパク質と他の生体分子との混合物から標的タンパク質を単一工程にて高収率で分離できる精製方法を提供する。
【0003】
現在のアフィニティークロマトグラフィーデバイスの利点にもかかわらず、従来のデバイスよりも短い滞留時間で使用でき、現在提供されているものと同じ結合能力又はより優れた結合能力を提供し、そして再利用可能であるクロマトグラフィーデバイスが当該技術分野で必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
要旨
1つの態様(「態様1」)において、アフィニティークロマトグラフィーデバイスは、流体入口、前記流体入口に接続された流体出口、前記流体入口と前記流体出口との間に配置され、球形を有しそして約5ミクロン~約20ミクロンの公称粒子サイズを有する無機粒子を内部に含むフィブリル化熱処理ポリマー膜、前記流体入口、前記流体出口及び前記フィブリル化熱処理ポリマー膜を取り囲むハウジングを含み、粒子サイズ分布は3以下のD90/D10を有し、そして前記フィブリル化熱処理ポリマー膜及び前記無機粒子のうちの少なくとも1つは、標的分子に可逆的に結合するアフィニティーリガンドを共有結合している。
【0005】
別の態様(「態様2」)によれば、態様1に加えて、前記標的分子は、タンパク質、抗体、ウイルスベクター及びそれらの組み合わせである。
【0006】
別の態様(「態様3」)によれば、態様1又は態様2に加えて、約200(×10-12cm2)~約700(×10-12cm2)の透水率を備える。
【0007】
別の態様(「態様4」)によれば、態様1~3のいずれか1つに加えて、球形を有する前記無機粒子は、シリカ、ゼオライト、ヒドロキシアパタイト、金属酸化物及びそれらの組み合わせから選ばれる。
【0008】
別の態様(「態様5」)によれば、態様1~4のいずれか1つに加えて、前記フィブリル化ポリマー膜は、延伸ポリテトラフルオロエチレン膜、延伸変性ポリテトラフルオロエチレン膜、延伸テトラフルオロエチレンコポリマー膜又は膨張(膨張、エキスパンデッド、延伸又は発泡)ポリエチレン膜を含む。
【0009】
別の態様(「態様6」)によれば、態様1~5のいずれか1つに加えて、前記フィブリル化熱処理ポリマー膜は延伸ポリテトラフルオロエチレン膜である。
【0010】
別の態様(「態様7」)によれば、態様1~6のいずれか1つに加えて、前記アフィニティーリガンドは、プロテインA、プロテインG、プロテインL、ヒトFc受容体タンパク質、抗体、多糖類及びそれらの組み合わせから選ばれる。
【0011】
別の態様(「態様8」)によれば、態様1~7のいずれか1つに加えて、前記無機粒子は、球形及び第一の公称粒子サイズを有する第一の無機粒子と、球形及び第二の公称粒子サイズを有する第二の無機粒子とを少なくとも含み、前記第一の公称粒子サイズ及び前記第二の公称粒子サイズは互いに異なる。
【0012】
別の態様(「態様9」)によれば、態様1~8のいずれか1つに加えて、前記公称粒子サイズは、約5ミクロン、約10ミクロン、約15ミクロン、約20ミクロン及びそれらの組み合わせから選ばれる。
【0013】
別の態様(「態様10」)によれば、態様1~9のいずれか1つに加えて、球形を有する前記無機粒子は、10ミクロンの球状粒子と20ミクロンの球状粒子とのブレンドを含み、そして前記ブレンドは10:90~90:10である。
【0014】
別の態様(「態様11」)によれば、態様1~9のいずれか1つに加えて、球形を有する前記無機粒子は、5ミクロンの球状粒子と10ミクロンの球状粒子とのブレンドを含み、そして前記ブレンドは10:90~90:10である。
【0015】
別の態様(「態様12」)によれば、態様1~9のいずれか1つに加えて、球形を有する前記無機粒子は、5ミクロンの球状粒子と20ミクロンの球状粒子とのブレンドを含み、そして前記ブレンドは10:90~90:10である。
【0016】
別の態様(「態様13」)によれば、態様1~12のいずれか1つに加えて、20秒の滞留時間で少なくとも35mg/mlの動的結合容量(DBC)を備える。
【0017】
別の態様(「態様14」)によれば、態様1~13のいずれか1つに加えて、0.3MPa未満の動作圧力で少なくとも100サイクルのサイクル耐久性を備える。
【0018】
別の態様(「態様15」)によれば、態様1~14のいずれか1つに加えて、前記フィブリル化熱処理ポリマー膜は巻回構成を有する。
【0019】
別の態様(「態様16」)によれば、態様1~15のいずれか1つに加えて、前記フィブリル化ポリマー膜は積層構成を有する。
【0020】
別の態様(「態様17」)によれば、態様1~16のいずれか1つに加えて、前記フィブリル化ポリマー膜は、巻回構成、積層構成及びそれらの組み合わせを有する。
【0021】
別の態様(「態様18」)によれば、態様1~17のいずれか1つに加えて、内側中間材料はコアの外面上で周囲に配置され、前記フィブリル化ポリマー膜は前記内側中間材料上で周囲に配置されている。
【0022】
別の態様(「態様19」)によれば、態様1~18のいずれか1つに加えて、前記熱処理フィブリル化ポリマー膜上で周囲に配置されている外側中間材料を含む。
【0023】
別の態様(「態様20」)によれば、態様1~19のいずれか1つに加えて、前記内側中間材料及び前記外側中間材料は、多孔質フルオロポリマーフィルム、多孔質非フルオロポリマーフィルム、多孔質不織布材料及び多孔質織布材料から選ばれる。
【0024】
別の態様(「態様21」)によれば、態様1~20のいずれか1つに加えて、前記内側中間材料及び前記外側中間材料のうちの少なくとも1つはポリプロピレン不織布材料である。
【0025】
1つの態様(「態様22」)において、マニホールドは、並列構成で配置された少なくとも2つの請求項1~21のいずれか1項記載のアフィニティークロマトグラフィーデバイスを含む。
【0026】
別の態様(「態様23」)によれば、態様22に加えて、前記マニホールドはハウジング内に封入されている。
【0027】
別の態様(「態様24」)によれば、態様1~21のいずれか1つの物品は生物学的サンプルから標的物質を分離するために使用される。
【0028】
1つの態様(「態様25」)において、デバイスは、並列構成の第一のマニホールド及び第二のマニホールドを含み、そして前記第一のマニホールド及び前記第二のマニホールドの各々は、態様1~21のいずれか1項記載の複数のアフィニティークロマトグラフィーデバイスを含む。
【0029】
別の態様(「態様26」)において、態様25に加えて、前記第一のマニホールド及び前記第二のマニホールドはハウジング内に封入されている。
【0030】
1つの態様(「態様27」)によれば、物品は、中心に配置されたコア、前記コアの周りに巻回された、球形及び約5ミクロン~約20ミクロンの公称粒子サイズを有する球状無機粒子を内部に含有するフィブリル化熱処理ポリマー膜、前記コア及び前記フィブリル化熱処理ポリマー膜の両方を取り囲むハウジング、前記ハウジングの第一の端部に配置された第一のエンドキャップ、及び、前記ハウジングの第二の端部に配置された第二のエンドキャップを含み、粒子サイズ分布は3未満のD90/D10を有し、そして前記フィブリル化熱処理ポリマー膜及び前記球状無機粒子のうちの少なくとも1つは、標的分子に可逆的に結合するアフィニティーリガンドを共有結合している。
【0031】
別の態様(「態様28」)によれば、態様27に加えて、前記標的分子は、タンパク質、抗体、ウイルスベクター及びそれらの組み合わせである。
【0032】
別の態様(「態様29」)によれば、態様27又は態様28に加えて、約200(×1012cm2)~約700(×1012cm2)の透水率を備える。
【0033】
別の態様(「態様30」)によれば、態様27~29のいずれか1つに加えて、球形を有する前記無機粒子は、シリカ、ゼオライト、ヒドロキシアパタイト、金属酸化物及びそれらの組み合わせから選ばれる。
【0034】
別の態様(「態様31」)によれば、態様27~30のいずれか1つに加えて、前記フィブリル化ポリマー膜は、延伸ポリテトラフルオロエチレン膜、延伸変性ポリテトラフルオロエチレン膜、延伸テトラフルオロエチレンコポリマー膜又は膨張ポリエチレン膜のうちの少なくとも1つを含む。
【0035】
別の態様(「態様32」)によれば、態様27~31のいずれか1つに加えて、前記フィブリル化熱処理ポリマー膜はフィブリル化熱処理延伸ポリテトラフルオロエチレン膜である。
【0036】
別の態様(「態様33」)によれば、態様27~32のいずれか1つに加えて、前記アフィニティーリガンドは、プロテインA、プロテインG、プロテインL、ヒトFc受容体タンパク質、抗体、多糖類及びそれらの組み合わせから選ばれる。
【0037】
別の態様(「態様34」)によれば、態様27~33のいずれか1つに加えて、前記無機粒子は、球形及び第一の公称粒子サイズを有する第一の無機粒子と、球形及び第二の公称粒子サイズを有する第二の無機粒子とを少なくとも含み、前記第一の公称粒子サイズ及び前記第二の公称粒子サイズは互いに異なる。
【0038】
別の態様(「態様35」)によれば、態様27~34のいずれか1つに加えて、前記公称粒子サイズは、約5ミクロン、約10ミクロン、約15ミクロン、約20ミクロン及びそれらの組み合わせから選ばれる。
【0039】
別の態様(「態様36」)によれば、態様27~35のいずれか1つに加えて、球形を有する前記無機粒子は、10ミクロンの球状粒子と20ミクロンの球状粒子とのブレンドを含み、前記ブレンドは10:90~90:10である。
【0040】
別の態様(「態様37」)によれば、態様27~35のいずれか1つに加えて、球形を有する前記無機粒子は、5ミクロンの球状粒子と10ミクロンの球状粒子とのブレンドを含み、前記ブレンドは10:90~90:10である。
【0041】
別の態様(「態様38」)によれば、態様27~35のいずれか1つに加えて、球形を有する前記無機粒子は、5ミクロンの球状粒子と20ミクロンの球状粒子とのブレンドを含み、前記ブレンドは10:90~90:10である。
【0042】
別の態様(「態様39」)によれば、態様27~38のいずれか1つに加えて、20秒の滞留時間で少なくとも35mg/mlの動的結合容量(DBC)を備える。
【0043】
別の態様(「態様40」)によれば、態様27~39のいずれか1つに加えて、少なくとも100サイクルのサイクル耐久性及び0.3MPa未満の動作圧力を備える。
【0044】
別の態様(「態様41」)によれば、態様27~40のいずれか1つに加えて、内側中間材料はコアの外面上で周囲に配置され、そして前記フィブリル化熱処理ポリマー膜は前記内側中間材料上で周囲に配置されている。
【0045】
別の態様(「態様42」)によれば、態様27~41のいずれか1つに加えて、前記フィブリル化熱処理ポリマー膜上で周囲に配置された外側中間材料を含む。
【0046】
別の態様(「態様43」)によれば、態様27~42のいずれか1つに加えて、前記内側中間材料及び前記外側中間材料は、多孔質フルオロポリマーフィルム、多孔質非フルオロポリマーフィルム、多孔質不織布材料及び多孔質織布材料から選ばれる。
【0047】
別の態様(「態様44」)によれば、態様27~43のいずれか1つに加えて、前記内側中間材料及び前記外側中間材料のうちの少なくとも1つはポリプロピレン不織布材料である。
【0048】
1つの態様(「態様45」)において、マニホールドは、並列構成で配置された少なくとも2つの態様27~44のいずれか1つのアフィニティークロマトグラフィーデバイスを含む。
【0049】
別の態様(「態様46」)によれば、態様45に加えて、前記マニホールドはハウジング内に封入されている。
【0050】
1つの態様(「態様47」)において、デバイスは、並列構成の第一のマニホールド及び第二のマニホールドを含み、前記第一のマニホールド及び前記第二のマニホールドの各々は、少なくとも2つの態様27~44のいずれか1つのアフィニティークロマトグラフィーデバイスを含む。
【0051】
別の態様(「態様48」)によれば、態様47に加えて、前記第一のマニホールド及び前記第二のマニホールドはハウジング内に封入されている。
【0052】
別の態様(「態様49」)によれば、態様27~44のいずれか1つの物品は流体流から標的分子を分離するために使用される。
【0053】
1つの態様(「態様50」)によれば、アフィニティークロマトグラフィーデバイスは、ハウジング、前記ハウジングへの流体流を可能にする入口、第一の流れ分配器及び第二の流れ分配器、ここで、前記第一の流れ分配器及び前記第二の流れ分配器は前記ハウジングの両端に配置されている、前記ハウジングからの流体流を可能にする出口、流体入口と流体出口との間の前記ハウジング内に配置された積層膜アセンブリを含み、ここで、前記積層膜アセンブリは、積層構成で2つ以上のフィブリル化熱処理ポリマー膜を含み、前記フィブリル化熱処理ポリマー膜は球形及び約5ミクロン~約20ミクロンの公称粒子サイズを有する無機粒子を内部に含み、粒子サイズ分布は3未満のD90/D10を有し、そして前記フィブリル化熱処理ポリマー膜及び球状無機粒子のうちの少なくとも1つは、標的分子に可逆的に結合するアフィニティーリガンドを共有結合している。
【0054】
別の態様(「態様51」)によれば、態様50に加えて、前記標的分子は、タンパク質、抗体、ウイルスベクター及びそれらの組み合わせである。
【0055】
別の態様(「態様52」)によれば、態様50又は態様51に加えて、第一の流れ分配器及び第二の流れ分配器を含み、前記第一の流れ分配器及び前記第二の流れ分配器は前記ハウジングの両端に配置されている。
【0056】
別の態様(「態様53」)によれば、態様50~52のいずれか1つに加えて、約200(×10-12cm2)~約700(×10-12cm2)の透水率を備える。
【0057】
別の態様(「態様54」)によれば、態様50~53のいずれか1つに加えて、球形を有する前記無機粒子は、シリカ、ゼオライト、ヒドロキシアパタイト、金属酸化物及びそれらの組み合わせから選ばれる。
【0058】
別の態様(「態様55」)によれば、態様50~54のいずれか1つに加えて、前記フィブリル化ポリマー膜は、延伸ポリテトラフルオロエチレン膜、延伸変性ポリテトラフルオロエチレン膜、延伸テトラフルオロエチレンコポリマー膜又は膨張ポリエチレン膜を含む。
【0059】
別の態様(「態様56」)によれば、態様50~55のいずれか1つに加えて、前記フィブリル化熱処理ポリマー膜は、フィブリル化熱処理延伸ポリテトラフルオロエチレン膜である。
【0060】
別の態様(「態様57」)によれば、態様50~56のいずれか1つに加えて、前記アフィニティーリガンドは、プロテインA、プロテインG、プロテインL、ヒトFc受容体タンパク質、抗体、多糖類及びそれらの組み合わせから選ばれる。
【0061】
別の態様(「態様58」)によれば、態様50~57のいずれか1つに加えて、前記無機粒子は、球形及び第一の公称粒子サイズを有する第一の無機粒子と、球形及び第二の公称粒子サイズを有する第二の無機粒子とを少なくとも含み、前記第一の公称粒子サイズ及び前記第二の公称粒子サイズは互いに異なる。
【0062】
別の態様(「態様59」)によれば、態様50~58のいずれか1つに加えて、前記公称粒子サイズは、約5ミクロン、約10ミクロン、約15ミクロン、約20ミクロン及びそれらの組み合わせから選ばれる。
【0063】
別の態様(「態様60」)によれば、態様50~59のいずれか1つに加えて、球形を有する前記無機粒子は、10ミクロンの球状粒子と20ミクロンの球状粒子とのブレンドを含み、前記ブレンドは90:10~10:90である。
【0064】
別の態様(「態様61」)によれば、態様50~59のいずれか1つに加えて、球形を有する前記無機粒子は、5ミクロンの球状粒子と10ミクロンの球状粒子とのブレンドを含み、前記ブレンドは10:90~90:10である。
【0065】
別の態様(「態様62」)によれば、態様50~59のいずれか1つに加えて、球形を有する前記無機粒子は、5ミクロンの球状粒子と20ミクロンの球状粒子とのブレンドを含み、前記ブレンドは10:90~90:10である。
【0066】
別の態様(「態様63」)によれば、態様50~62のいずれか1つに加えて、20秒の滞留時間で少なくとも35mg/mlの動的結合容量(DBC)を備える。
【0067】
別の態様(「態様64」)によれば、態様50~63のいずれか1つに加えて、少なくとも100サイクルのサイクル耐久性及び0.3MPa未満の動作圧力を備える。
【0068】
別の態様(「態様65」)によれば、態様50~64のいずれか1つに加えて、少なくとも1つの上部中間材料は前記積層膜アセンブリの第一の側に配置され、下部中間材料は前記積層膜アセンブリの第二の側に配置され、前記第二の側は前記第一の側の反対側である。
【0069】
別の態様(「態様66」)によれば、態様65に加えて、前記第一の中間材料及び前記第二の中間材料は、多孔質フルオロポリマーフィルム、多孔質非フルオロポリマーフィルム、多孔質不織布材料及び多孔質織布材料から選ばれる。
【0070】
別の態様(「態様67」)によれば、態様66に加えて、前記第一の中間材料及び前記第二の中間材料のうちの少なくとも1つはポリプロピレン不織布材料である。
【0071】
1つの態様(「態様68」)において、マニホールドは、並列構成で配置された少なくとも2つの態様50~67のいずれか1つのアフィニティークロマトグラフィーデバイスを含む。
【0072】
別の態様(「態様69」)によれば、態様68に加えて、前記マニホールドはハウジング内に収容されている。
【0073】
1つの態様(「態様70」)において、デバイスは、第一のマニホールド及び第二のマニホールドを並列構成で含み、前記第一のマニホールド及び前記第二のマニホールドの各々は、少なくともの2つの態様50~69のいずれか1つのアフィニティークロマトグラフィーデバイスを含む。
【0074】
別の態様(「態様71」)において、態様70に加えて、前記第一のマニホールド及び前記第二のマニホールドはハウジング内に封入されている。
【0075】
別の態様(「態様72」)において、物品は診断デバイスを含み、前記診断デバイスは、流体入口と流体出口との間に配置されておりそして球形及び約5ミクロン~約20ミクロンの公称粒子サイズを有する無機粒子を内部に含有するフィブリル化ポリマー膜を含み、粒子サイズ分布は3以下のD90/D10を有し、そして前記フィブリル化ポリマー膜及び無機粒子のうちの少なくとも1つは、生物学的サンプル内の標的物質に可逆的に結合するリガンドを共有結合している。
【0076】
別の態様(「態様73」)によれば、態様72に加えて、流体入口と、前記流体入口に流体接続された流体出口とを含む。
【0077】
別の態様(「態様74」)によれば、態様72又は態様73に加えて、前記流体入口、前記流体出口及び前記フィブリル化ポリマー膜を取り囲むハウジング部材を含む。
【図面の簡単な説明】
【0078】
図面の簡単な説明
添付の図面は、本開示のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、実施形態を示し、記載と共に本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0079】
【
図1】
図1は、少なくとも1つの実施形態による、球状無機ポリマー粒子を内部に含有するフィブリル化熱処理ポリマー膜を含む巻回膜アセンブリを含有するクロマトグラフィーデバイスの分解図である。
【0080】
【
図2】
図2は、少なくとも1つの実施形態による少なくとも1つの実施形態による、外側流路及び内側流路を示すクロマトグラフィーデバイスの断面図である。
【0081】
【
図3】
図3は、少なくとも1つの実施形態による、別のらせん巻回法線流クロマトグラフィーデバイスの概略断面図である。
【0082】
【
図4】
図4は、少なくとも1つの実施形態による、球状無機粒子を内部に含有するフィブリル化熱処理ポリマー膜を含む積層膜アセンブリを含有するクロマトグラフィーデバイスの分解図である。
【0083】
【
図5】
図5は、少なくとも1つの実施形態による例1に記載のアフィニティークロマトグラフィーデバイスから動的結合容量(DBC)と液体透過性との間の関係を示すグラフ表示である。
【0084】
【
図6】
図6は、少なくとも1つの実施形態による例2に記載のアフィニティークロマトグラフィーデバイスから動的結合容量(DBC)と液体透過性との間の関係を示すグラフ表示である。
【0085】
【
図7】
図7は、並列構成で配置された2つのクロマトグラフィーデバイスを含むマニホールドの正面図の概略図である。
【0086】
【0087】
【
図9】
図9は、並列構成で配置された4つのクロマトグラフィーデバイスを含むマニホールドの斜視図の概略図である。
【0088】
【0089】
【
図11】
図11は、並列構成に配置された2つのマニホールドの正面図の概略図である。
【0090】
【発明を実施するための形態】
【0091】
詳細な説明
当業者は、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって、本開示の様々な態様を実現できることを容易に理解するであろう。本明細書で参照される添付の図は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を示すために誇張されていることがあり、その点で、図は限定と解釈されるべきではないことにも留意されたい。本明細書で使用されるときに、「上(on)」という用語は、ポリマー膜などの要素が別の要素のすぐ上にあるか、又は介在する要素も存在しうることを意味することを理解されたい。「球状粒子」、「球状無機粒子」及び「球形を有する無機粒子」という語句は、本明細書において交換可能であることを理解されたい。さらに、「らせん巻回膜アセンブリ」という用語は、フィブリル化熱処理ポリマー膜単独、及び、フィブリル化熱処理ポリマー膜と中間材料、の両方を含むことが意図される。さらに、「積層膜アセンブリ」という用語は、フィブリル化熱処理ポリマー膜単独、及び、フィブリル化熱処理ポリマー膜と1つ以上の中間材料、の両方を含むことが意図される。「フィブリル化熱処理ポリマー膜」及び「熱処理フィブリル化ポリマー膜」という用語は本明細書において交換可能に使用されうる。さらに、「アフィニティークロマトグラフィーデバイス」及び「クロマトグラフィーデバイス」という用語は、本明細書において交換可能に使用されうる。
【0092】
本開示は、標的分子を含有する水性混合物から標的分子を分離するアフィニティークロマトグラフィーデバイスを対象とする。標的分子としては、限定するわけではないが、タンパク質、抗体、ウイルスベクター及びそれらの組み合わせが挙げられる。クロマトグラフィーデバイスは、球形及び3以下のD90/D10を有する粒子サイズ分布を有する無機粒子を含有するフィブリル化熱処理ポリマー膜を含む。幾つかの実施形態において、様々なサイズの球状無機粒子のブレンド又は組み合わせは利用される。球状無機粒子の公称粒子サイズは、約5ミクロン~約20ミクロンである。アフィニティーリガンドは、球状無機粒子及び/又はフィブリル化熱処理ポリマー膜に結合することができる。ポリマー膜の熱処理はデバイス液体透過性に有意で有利な増加をもたらし、次いで、許容されるデバイス圧力を維持しながら、望ましい、より短い滞留時間を可能にする。熱処理からの、より高い透過性の利点は、デバイス結合容量(DBC)に対して比例的に小さい減少とともに得られる。クロマトグラフィーデバイスは、20秒の滞留時間で10%ブレークスルーにおいて35mg/mlを超える動的結合容量を有する。さらに、アフィニティークロマトグラフィーデバイスは、動作圧力が0.3MPaを超えることなく、少なくとも100サイクルのサイクル耐久性を有する。本明細書で使用されるときに、「約」という用語は、指定された測定単位の+/-10%を表すことを理解されたい。
【0093】
図1及び2を参照すると、巻回クロマトグラフィーデバイス100が示されている。クロマトグラフィーデバイス100を形成する際に、球状無機粒子を内部に含有する少なくとも1つのフィブリル化熱処理ポリマー膜は筒状コア150の周りに巻き付けられる。フィブリル化は、本明細書において使用されるときに、ポリマー膜内にフィブリルを包含させることを指し、例えば、フィブリルによって相互接続されたノードを特徴とする微細構造であって、ボイドがノードとフィブリルの間の空間である微細構造を有する膜である。「熱処理」は、本明細書において使用されるときに、フィブリル化ポリマー膜がその融点を超える温度に指定される時間供される熱処理工程の最終製品を記載することが意図される。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの内側中間材料200は、所望の幅又は事前に指定された量まで、コア150に対して周囲方向に配置される(例えば、巻き付けられる)ことができる。次に、球状無機粒子を内部に含むフィブリル化熱処理ポリマー膜210は内側中間材料200上でコア150の周りに所望の幅又は事前に指定された量まで巻き付けられ、そして少なくとも1つの外側中間材料220の外層は、フィブリル化熱処理ポリマー膜210上で所望の幅又は予め指定された量まで周囲方向に配置される(例えば、巻き付けられる)。本明細書において、内側中間材料200、フィブリル化熱処理ポリマー膜210及び外側中間材料220の組み合わせを「巻回膜アセンブリ」と呼ぶ。「巻回膜アセンブリ」は、幾つかの実施形態において、コアの周りに巻回された、フィブリル化熱処理ポリマー膜及び内側中間材料、フィブリル化熱処理ポリマー膜及び外側中間材料、ならびに、ポリマー及び/又はポリマー及び中間材料の任意の組み合わせを含むことができる。筒状コア150は、中空又は中実の内部を有することができる。いずれの場合も、コア150は、クロマトグラフィーデバイス100を通って流れる水性混合物が内側中間材料から形成された内側流路内を流れるように中実の外壁を含み、これについては以下で詳細に論じる。中空コア150の使用は、コア150を形成するために使用される材料の量を減少させ、デバイス100の重量を減少させ、製造コストを減少させる。
【0094】
膜アセンブリ110及び中央コア150は、ハウジング部材50内に配置されうる。幾つかの実施形態において、ハウジング部材50は筒形である。
図1及び
図2に示される実施形態において、外側中間材料220は外側流路130を形成し、内側中間材料200は内側流路140を形成する。中間材料200,220は、本明細書に記載の実施形態において、異なっていても又は同じであってもよいことを理解されたい。さらに、外側流路130及び内側流路140の一方又は両方を形成するために、2つ以上の中間材料を使用することができる。使用時に、水性混合物は入口キャップ60内に配置された入口80内に流れ、混合物は分配器キャップ65上を流れ、外側中間材料220によって形成された外側流路に向けられる。分配器キャップ65は、水性混合物を供給方向から90度外側流路130(すなわち、中間材料220)に向ける。この方向転換は、外側流路130への水性混合物のより均一な流れを促進する。外側流路130を形成する外側中間層220は、ハウジング部材50と巻回ポリマー膜210との間に位置する。分配器キャップ65は、ポリオレフィンであってよく、又はポリオレフィンでコーティングされていてよい。水性混合物は、外側流路ギャップ165に沿って流れ、外側流路130と接続することを理解されたい。
【0095】
水性混合物は、外側流路130(すなわち、外側中間材料220)を通って、巻回ポリマー膜210を横切って法線方向に流れる(例えば、法線流)。水性混合物が外側流路130(すなわち、外側中間材料220)から巻回ポリマー膜210を横切って法線流で通過するときに、アフィニティーリガンドは標的タンパク質に可逆的に結合し、それによってそれを水性混合物から効果的に除去する。次いで、水性混合物は、中心コア150の中実外壁と巻回ポリマー膜210との間に位置する内側流路140(すなわち、内側中間材料200)に入る。
【0096】
次いで、水性混合物は、出口キャップ75によって内部流路140の底部で方向変換される。次いで、水性混合物は、出口キャップ75内に位置する出口85を通ってクロマトグラフィーデバイス100から流出する。中央コア150の直径及び/又は高さ(及び/又はフィブリル化熱処理ポリマー膜及び/又は中間材料の幅及び/又は高さ)は、デバイスの性能に悪影響を与えることなく、より大きな容積を達成するように調整できることを理解されたい。さらに、当業者に知られているように、例えば、より低いpHを有する流体をクロマトグラフィーデバイスに通すことによって、標的タンパク質をアフィニティーリガンドから除去することができる。
【0097】
中間材料200、220は、水性混合物がそれを通って流れることができる限り、特に限定されない。適切な中間材料の幾つかの非限定的な例としては、限定するわけではないが、多孔質フルオロポリマーフィルム又は多孔質非フルオロポリマーフィルム(例えば、多孔質ポリプロピレン又は他の多孔質ポリオレフィンフィルム)、多孔質不織布材料、又は多孔質織布材料が挙げられる。幾つかの実施形態において、巻回膜アセンブリは、コア150の一端に統合入口エンドキャップ60と、コア150の反対端に統合出口エンドキャップ75とを含み、統合された再使用可能なクロマトグラフィーデバイスを形成する。
【0098】
巻回膜アセンブリに存在するフィブリル化ポリマー膜層の総数は、特に限定されず、所望の最終用途及び/又は膜アセンブリ内の所望の物質輸送流に依存する。巻回膜アセンブリは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20(又はそれ以上)の総計ポリマー膜層を含むことができる。数百又はさらには数千のポリマー膜層が積層膜アセンブリに存在しうることを理解されたい。さらに、巻回膜アセンブリに存在するフィブリル化ポリマー膜は、約1ミクロン~約10,000ミクロン、約100ミクロン~約5,000ミクロン、約500ミクロン~約3,000ミクロンまで、又は約650ミクロン~約1,000ミクロンの単一層の厚さを有することができる。本明細書で使用されるときに、「厚さ」という用語は、フィブリル化ポリマー膜の長さ領域に垂直なフィブリル化ポリマー膜の方向である。
【0099】
図3に示されるクロマトグラフィーデバイス300の機能は、
図2に示されるクロマトグラフィーデバイス100と実質的に同様である。例えば、水性混合物は、入口キャップ60内に配置された入口80を介して矢印62の方向でクロマトグラフィーデバイス300に導入される。水性混合物は分配器キャップ65によって供給方向から導かれる。説明を容易にするために、水性混合物は、矢印55によって示される方向で外側流路130(外側中間材料220から形成されうる)に向かって流れることができる。水性混合物は外側流路ギャップ165に沿って流れ、内側流路140と接続し、そこで矢印30の方向に流れる。水性混合物は、外側流路130から外側流路140に矢印70によって示されるように、巻回ポリマー膜210を横切って法線方向に流れる(例えば、法線流)。水性混合物が巻回ポリマー膜210を通過するときに、アフィニティーリガンドは標的分子に可逆的に結合する。内側流路140は、内側中間材料200から形成されうることを理解されたい。
【0100】
標的分子を含まない水性混合物は、矢印40によって示される方向に外側流路140を流れ落ちる。水性混合物は、矢印52により示されるように、内側流路140の底で、クロマトグラフィーデバイス300の中央部分に向かって方向転換される。標的分子を含まない水性混合物は、出口エンドキャップ75内に配置された出口85を通って矢印45の方向にクロマトグラフィーデバイス300から流出する。
【0101】
図4に一般的に示されているような他の実施形態において、クロマトグラフィーデバイス200は、積層膜アセンブリ220を形成するために互いの上に積層された個々のディスク240として構成されたフィブリル化熱処理ポリマー膜を含む。フィブリル化熱処理ポリマー膜240は、フィブリル化熱処理ポリマー膜ディスク240を互いの上に単に積層することにより積層構成で配置されうる。あるいは、フィブリル化熱処理ポリマー膜ディスク240を積層し、続いて熱及び/又は圧力又は他の従来の方法で一緒にラミネート化することができる。本明細書に記載の積層膜アセンブリ240は、説明を容易にするためにフィブリル化熱処理ポリマー膜ディスクに関するものであることを理解されたい。幾何学的形状及び/又は非幾何学的形状で形成されたフィブリル化熱処理ポリマー膜は、本開示の範囲内にあると考えられる。
【0102】
クロマトグラフィーデバイス200は、積層膜アセンブリの上部に配置された少なくとも1つの上側中間材料260と、積層膜アセンブリ220の下部に配置された少なくとも1つの下側中間材料280とを含む。上側中間材料260及び下側中間材料280はそれぞれ、同じであっても又は異なっていてもよい。上述の巻回膜アセンブリと同様に、積層膜アセンブリ220を形成するために使用される中間材料260、280は、水性混合物がそれらを通って流れることができる限り、特に限定されない。適切な中間材料の非限定的な例としては、限定するわけではないが、多孔質フルオロポリマーフィルム又は多孔質非フルオロポリマーフィルム(例えば、多孔質ポリプロピレン又は他の多孔質ポリオレフィンフィルム)、多孔質不織布材料又は多孔質織布材料が挙げられる。
【0103】
積層膜アセンブリ220は、ハウジング250の両端に配置された入口キャップ265及び出口エンドキャップ275を有するハウジング250内に配置されることができる。幾つかの実施形態において、ハウジング250は筒形であるが、積層膜アセンブリを収容し、所望の動的結合容量を達成することができる任意の幾何形状は、本開示の範囲内であると考えられる。幾つかの実施形態において、中間材料260、280、ハウジング250、入口キャップ265及び出口キャップ275は、ポリプロピレン、ポリエチレン又は他のポリオレフィンなどの熱可塑性ポリマーから形成されうる。あるいは、多孔質中間材料260、280がクロマトグラフィーデバイスの動作を妨げない限り、中間材料260、280の一方又は両方を無機材料又は金属材料から形成することができる。
【0104】
積層膜アセンブリ220内のフィブリル化熱処理ポリマー膜240は、フィブリル化熱処理ポリマー膜240の周囲とハウジング250との間の流れを防止する任意の従来のプロセス(例えば、溶融シーリング又はシーラントの使用)を介して、ハウジング250の内壁でハウジング250に接着されうる。入口キャップ265及び出口キャップ275は、類似又は同一のプロセスによってハウジング250にシールされうる。入口キャップ及び出口キャップ265、275は、それぞれ入口280及び出口285を含み、アフィニティークロマトグラフィーデバイス200を通る水性混合物の流れを可能にする。具体的には、入口キャップ265は、ハウジング250に入る水性混合物の流体流を可能にし、そして出口キャップ285は、ハウジング250から出る水性混合物の流体流を可能にする。使用中に、水性混合物は、順次に、中間材料260を通って流れ、積層膜アセンブリ220を形成するフィブリル化熱処理ポリマー膜240を通って流れ、中間材料280を通って流れる。水性混合物がクロマトグラフィーデバイス200を通過するときに、アフィニティーリガンドは標的分子に可逆的に結合し、それによってそれを水性混合物から効果的に除去する。標的分子は、当業者に知られているように、例えば、より低いpHを有する流体をデバイスに通すことによって、アフィニティーリガンドから除去されうる。
【0105】
積層膜アセンブリに存在するフィブリル化熱処理ポリマー膜の総数は、特に限定されず、所望の最終用途及び/又は膜アセンブリ内の所望の物質輸送流に依存する。積層膜アセンブリは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20(又はそれ以上)の合計のポリマー膜を含むことができる。積層膜アセンブリには、数百又はさらには数千のポリマー膜が存在しうることを理解されたい。さらに、積層膜アセンブリに存在するフィブリル化熱処理ポリマー膜は、約1ミクロン~約10,000ミクロン、約100ミクロン~約5,000ミクロン、約500ミクロン~約3,000ミクロン、又は約650ミクロン~約1,000ミクロンの厚さを有することができる。本明細書で使用されるときに、「厚さ」という用語は、フィブリル化熱処理ポリマー膜の長さ領域に垂直なフィブリル化熱処理ポリマー膜の方向である。
【0106】
巻回膜アセンブリ及び積層膜アセンブリの両方におけるフィブリル化熱処理ポリマー膜は、球状無機粒子又は球状構成を有する粒子を含む。本明細書で使用されるときに、「球状」という用語は、無機粒子が無機粒子の中心から任意の点における粒子の外縁までの距離が同じ距離又はほぼ同じ距離である円形又はほぼ円形形状を有することを表すことが意図される。幾つかの実施形態において、球状無機粒子は、3以下、2.5以下、2以下、1.5以下又は1以下のD90/D10を有する粒子サイズ分布を有する。球状無機粒子は、約5ミクロン、約10ミクロン、約15ミクロン、約20ミクロンであることができる公称粒子サイズを有し、そしてそれらの組み合わせ及びブレンドであることができる。幾つかの実施形態において、球状無機粒子は多分散性である。
【0107】
幾つかの実施形態において、フィブリル化熱処理ポリマー膜は、フィブリル化熱処理ポリマー膜内に1つを超える公称粒子サイズ及び/又は1つを超えるタイプの球状無機粒子を含む。フィブリル化熱処理ポリマー膜は、約10質量%のフィブリル化熱処理ポリマー膜/約90質量%の球状無機粒子、約15質量%のフィブリル化熱処理ポリマー膜/約85質量%の球状無機粒子、約20質量%のフィブリル化熱処理ポリマー膜/約80質量%の球状無機粒子、約30質量%のフィブリル化熱処理ポリマー膜/約70質量%の球状無機粒子、約35質量%のフィブリル化熱処理ポリマー膜/約65質量%の球状無機粒子、約40質量%のフィブリル化熱処理ポリマー膜/約60質量%の球状無機粒子、約45質量%のフィブリル化熱処理ポリマー膜/約55質量%の球状無機粒子、又は約50質量%のフィブリル化熱処理ポリマー膜/約50質量%の球状無機粒子を含むことができる。適切な無機粒子の非限定的な例としては、シリカ、ゼオライト、ヒドロキシアパタイト、金属酸化物及びそれらの組み合わせが挙げられる。さらに、無機粒子は中実又は多孔質のいずれであってもよい。さらに、本明細書に記載のアフィニティークロマトグラフィーデバイスは、約200(×10-12cm2)~約700(×10-12cm2)、約250(×10-12cm2)~約700(×10-12cm2)、約300(×10-12cm2)~約650(×10-12cm2)、約350(×10-12cm2)~約600(×10-12cm2)、約400(×10-12cm2)~約600(×10-12cm2)、約400(×10-12cm2)~約550(×10-12cm2)、約450(×10-12cm2)~約550(×10-12cm2)、約300(×10-12cm2)~約500(×10-12cm2)、約350(×10-12cm2)~約500(×10-12cm2)、又は約400(×10-12cm2)~約500(×10-12cm2)の透水率を有する。
【0108】
少なくとも1つの実施形態において、フィブリル化熱処理ポリマー膜は、異なる公称粒子サイズを有する球状無機粒子のブレンドを含む。例えば、フィブリル化熱処理ポリマー膜は、第一の公称粒子サイズ(例えば、5ミクロン)と第二の公称粒子サイズ(例えば、20ミクロン)との同じ又は異なる球状無機粒子の90:10の混合物を含むことができる。フィブリル化熱処理ポリマー膜内の球状無機粒子のブレンドは、例えば、10:90~90:10のブレンド、30:70~70:30のブレンド、60:40~40:60のブレンド、25:75~75:25のブレンド、20:80~80:20のブレンド、又は50:50のブレンドなどの任意のブレンドであることができる。1つの実施形態において、球形を有する無機粒子は、10:90~90:10のブレンドで10ミクロンの球状粒子及び20ミクロンの球状粒子を含む。別の実施形態において、球形を有する無機粒子は、10:90~90:10のブレンドで5ミクロンの球状粒子及び10ミクロンの球状粒子を含む。さらなる実施形態において、球形を有する無機粒子は、10:90~90:10のブレンドで5ミクロンの球状粒子及び20ミクロンの球状粒子を含む。
【0109】
幾つかの実施形態において、アフィニティーリガンドは球状無機粒子に共有結合している。別の実施形態において、アフィニティーリガンドはフィブリル化熱処理ポリマー膜に共有結合している。さらなる実施形態において、アフィニティーリガンドは、ポリマー膜及び球状無機粒子の両方に結合することができる。アフィニティーリガンドは、標的分子に可逆的に結合するタンパク質、抗体又は多糖類であることができる。1つの実施形態において、アフィニティーリガンドは、例えば、抗体、抗体フラグメント、Fc融合タンパク質又は抗体/薬物コンジュゲートのFc領域に可逆的に結合するタンパク質である。別の実施形態において、アフィニティーリガンドは、特異的であるタンパク質又はタンパク質フラグメントに可逆的に結合する抗体、プロテインL又は多糖類である。アフィニティークロマトグラフィーデバイスで使用するための例示的なアフィニティーリガンドとしては、限定するわけではないが、プロテインA、プロテインG、プロテインL、ヒトFc受容体タンパク質、他のタンパク質に特異的に結合する抗体及びヘパリンが挙げられる。アフィニティーリガンドは、天然、組換え又は合成であることができる。さらに別の実施形態において、アフィニティーリガンドは、Hisタグ付きタンパク質に可逆的に結合する金属アフィニティーリガンドである。さらに別の実施形態において、アフィニティーリガンドは、特異的であるウイルスベクターに可逆的に結合する抗体又は多糖類であることができる。
【0110】
少なくとも1つの実施形態において、フィブリル化熱処理フルオロポリマー膜は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜である。Bacinoらの米国特許第7,306,729号明細書、Goreの米国特許第3,953,566号明細書、Bacinoの米国特許第5,476,589号明細書、又はBrancaらの米国特許第5,183,545号明細書に記載の方法に従って調製された延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜を使用することができる。さらに、フィブリル化熱処理フルオロポリマー膜は、限定するわけではないが、Okitaらの米国特許第4,113,912号明細書に開示されている方法などの当該技術分野で既知の方法を使用して、親水性(例えば、水湿潤性)にすることができる。Drumhellerの米国特許第5,897,955号明細書、Drumhellerの米国特許第5,914,182号明細書又はDrumhellerの米国特許第8,591,932号明細書に記載されているような、リガンドに効果的に結合するコーティングをフィブリル化熱処理ポリマー膜に適用することができる。
【0111】
熱処理フィブリル化フルオロポリマー膜はまた、官能性テトラフルオロエチレン(TFE)コポリマー膜を含むポリマー材料を含むことができ、ここで、官能性TFEコポリマー材料は、TFEとPSVE(ペルフルオロスルホニルビニルエーテル)との官能性コポリマー、又はTFEと、限定するわけではないが、フッ化ビニリデン(VDF)、酢酸ビニル又はビニルアルコールなど別の適切な官能性モノマーとの官能性コポリマーを含む。
【0112】
本出願を通じて、「PTFE」という用語は便宜上本明細書で使用され、ポリテトラフルオロエチレンだけでなく、延伸PTFE、延伸変性PTFE及びPTFEの延伸コポリマーを含むことが意図されることを理解されたく、それらは、例えば、Brancaの米国特許第5,708,044号明細書、Baillieの米国特許第6,541,589号明細書、Sabolらの米国特許第7,531,611号明細書、Fordの米国特許第8,637,144号明細書及びXuらの米国特許第9,139,669号明細書に記載されている。
【0113】
中間材料は、フルオロポリマーフィルム又は非フルオロポリマーフィルム(例えば、ポリエチレン、膨張ポリエチレン又は他のポリオレフィンフィルム)であることができる。さらに、中間膜は多孔質であることができる。幾つかの実施形態において、中間フィルムは、熱可塑性又は熱硬化型ポリマーフィルムである。
【0114】
有利なことに、クロマトグラフィーデバイスは複数回使用することができる。さらに、クロマトグラフィーデバイスは、各分離プロセスの後、又は複数の分離プロセスの後に、洗浄溶液(例えば、水酸化ナトリウム、リン酸、クエン酸、エタノールなど)で洗浄して再利用することができる。
【0115】
本明細書に記載のアフィニティークロマトグラフィーデバイスは、滞留時間20秒で35mg/mlを超える動的結合容量(DBC)を有する。さらに、アフィニティークロマトグラフィーデバイスは、動作圧力が0.3MPaを超えることなく、少なくとも100サイクルのサイクル耐久性を有する。さらに、クロマトグラフィーデバイスは、実質的な動的結合容量を失うことなく、複数回使用することができる。具体的には、クロマトグラフィーデバイスは、各分離プロセス後に洗浄溶液(例えば、水酸化ナトリウム)で洗浄し、再利用することができる。巻回膜アセンブリ110及び積層膜アセンブリ220の実施形態が本明細書に記載されているが、任意の数のフィブリル化熱処理ポリマー膜、ならびにフィブリル化熱処理ポリマー膜のタイプ、球状無機粒子のタイプ、球状無機粒子のサイズ、膜アセンブリ110、220内のフィブリル化熱処理ポリマー膜の配向のありとあらゆる組み合わせが本開示の範囲内であることを理解されたい。フィブリル化熱処理ポリマー膜の一部又は全部は、組成、厚さ、透過性などが互いに異なっていてもよい。
【0116】
本明細書に記載のクロマトグラフィーデバイス及びその構成要素は、様々なプロセスを使用して製造することができる。幾つかの実施形態において、射出成形を使用して、本明細書で提供されるクロマトグラフィー構成要素を製造することができる。他の適切なプロセスとしては、限定するわけではないが、押出、圧縮成形、溶媒キャスティング及びそれらの組み合わせを挙げることができる。複合膜アセンブリを製造するために共延伸される2つのフィブリル化熱処理ポリマー膜を使用する実施形態も、本開示の範囲内にあると考えられる。このような複合膜アセンブリは、一緒に共押出又は一体化することができるフィブリル化熱処理ポリマー膜の2つ(又はそれ以上)の層を含むことができる。
【0117】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載のアフィニティークロマトグラフィーデバイスは、
図7に一般的に示されているように、アフィニティークロマトグラフィーデバイス700、701が並列構成で配置されたデュアルマニホールド750で利用される。
図7~12に示されるクロマトグラフィーデバイスは、積層膜アセンブリ、巻回膜アセンブリ、又は積層膜アセンブリと巻回膜アセンブリとの組み合わせを含むことを理解されたい。示されるように、水性混合物は主チューブ720を通して分配要素740に流れる。分配要素740は、主チューブ720から来る水性混合物の流れを少なくとも2つの入口チューブ760、761に分割する限り、特に限定されない。入口チューブ760、761内の分割された水性混合物は、クロマトグラフィーデバイス700、701に流入し、そこで標的分子が捕捉される。水性溶液(すなわち、アフィニティーリガンドによって捕捉される標的分子を差し引いた水性混合物)は、それぞれ出口チューブ780、781を通ってクロマトグラフィーデバイス700、701から流出する。出口チューブ780、781内の水性溶液は、分配要素790内で組み合わされ、チューブ795に流入する単一の水性溶液に再構成される。並列のアフィニティークロマトグラフィーデバイス700、701を含むデュアルマニホールド750の上面図は
図8に示されている。幾つかの実施形態において、マニホールド750は、ハウジング720内に配置される。
【0118】
2つのクロマトグラフィーデバイス700、701が例示のみを目的として
図7及び
図8に示されており、本明細書に記載の複数(すなわち、3つ以上)のクロマトグラフィーデバイスは、クロマトグラフィーデバイスを横切る流れ及び抵抗の分布が同様である限り、並列構成のマニホールドで利用することができることを理解されたい。アフィニティークロマトグラフィーデバイスを横切るこの類似性により、デバイスの体積及び性能のスケーラビリティが可能になる。マニホールドで利用されるアフィニティークロマトグラフィーデバイス(例えば、デュアル、クワッドなど)は、互いに同じであっても又は異なっていてもよい。さらに、アフィニティークロマトグラフィーデバイスは、マニホールド750に変更又は追加することなく、並列構成システムにドロップすることができる。
【0119】
本明細書に記載のとおりの複数のクロマトグラフィーデバイスを含むマニホールドの例は、
図9に示されるクワッドマニホールドである。このクワッドマニホールド950の上面図は
図10に示されている。
図7及び8に示されるデュアルマニホールドと同様に、水性混合物は分配要素940に流れ込む。分配要素940は、水性混合物の流れを入口チューブ960、961、962及び963に分割する。962及び963はそれぞれ
図9で961及び962の背後に隠されていることに留意されたい。同様に、903及び904はそれぞれ901及び902の背後に隠されている。入口チューブ960、961、962及び963内の分割された水性混合物は、それぞれ4つのクロマトグラフィーデバイス900、901、902及び903に流れ込み、そこで、標的分子は捕捉される。水性溶液は、クロマトグラフィーデバイス900、901、902及び903(902及び903は図示せず)の各々から、出口チューブ980、981、982及び983(982及び983は図示せず)を通ってそれぞれ流出する。出口チューブ980、981(982及び983は、それぞれ980及び981の背後に隠れており、それゆえ、図示せず)内の水性溶液は、分配要素990内で組み合わされ、単一の水性溶液に再構成される。幾つかの実施形態において、クワッドマニホールド950は、ハウジング920内に配置されうる。
【0120】
図11は、並列構成の2つのマニホールド1150、1151を含むデバイス1000を示す。デバイス1000の上面図は
図12に示されている。マニホールド1150、1151はそれぞれ4つのアフィニティークロマトグラフィーデバイスを含み、そのうち各マニホールド1150、1151の2つのアフィニティークロマトグラフィーデバイス1100、1101及び1102、1103は
図11に示されている。並列の少なくとも2つのマニホールドを利用できることにより、本明細書に記載のクロマトグラフィーデバイスを利用する間の体積容量を有利に増加させることができる。換言すれば、デバイス1000は、より大きな体積のクロマトグラフィーデバイスに移動する必要をなくす。さらに、マニホールドを
図11に示すように並列に配置すると、デバイス1000を過剰に加圧する懸念を軽減する。
【0121】
使用中に、水性混合物は分配要素1140に流入する。分配要素1140は、水性混合物の流れを2つの分配チューブ1141、1142に分割する。分配チューブ1141、1142内の分割された水性混合物は、次いで、分配要素1145、1146によってさらに分割されて、入口チューブに入る。
図11に示される実施形態において、マニホールド1150の4つの入口チューブのうち、入口チューブ1160、1161は示されている。同様に、マニホールド1151の4つの入口チューブのうち、入口チューブ1162、1163は示されている。残りの入口チューブ1164、1165、1166、1167は、
図11において、入口チューブ1160、1161、1162、1163の背後に隠れていることを理解されたい。第一のマニホールド及び第二のマニホールド1150、1151の入口チューブ内の水性混合物は、アフィニティークロマトグラフィーデバイスに流入する。マニホールド1150において、アフィニティークロマトグラフィーデバイス1100、1101が示され、マニホールド1151において、アフィニティークロマトグラフィーデバイス1102、1103が示されていることを理解されたい。残りのクロマトグラフィーデバイス1104、1105、1106、1107は、
図11において、アフィニティークロマトグラフィーデバイス1100、1101、1102、1103の背後に隠れている。標的分子はアフィニティークロマトグラフィーデバイスに捕捉される。
【0122】
水性溶液は、出口チューブを通って各クロマトグラフィーデバイスから流出する。
図11において、マニホールド1150の出口チューブ1180、1181及びマニホールド1151の出口チューブ1182、1183は示されている。残りの出口チューブは、
図11において、出口チューブ1180、1181、1182、1183の背後に隠されていることを理解されたい。出口チューブ内の水性溶液は、分配要素1170及び分配要素1171内で組み合わされる。次に、組み合わされた溶液は、分配要素1170、1170から収集チューブ1110、1111に流れ込む。収集チューブ1110、1111内の水性溶液は分配要素1190で組み合わされて、単一の水性溶液に再構成される。第一のマニホールド1150及び第二のマニホールド1151は、ハウジング1120内に封入されうる。
【0123】
幾つかの実施形態において、本開示は、生物学的サンプルから標的物質を取り出す診断デバイスを対象とする。このデバイスは、球形及び約5ミクロン~約20ミクロンの公称粒子サイズを有する無機粒子を内部に含むフィブリル化熱処理ポリマー膜を含む。粒子サイズ分布は、3以下のD90/D10を有し、フィブリル化熱処理ポリマー膜及び無機粒子のうちの少なくとも1つは、生物学的サンプル内の標的物質に可逆的に結合するリガンドを共有結合している。デバイスは、流体入口と、前記流体入口に流体接続された流体出口とをさらに含むことができる。さらに、デバイスは、流体入口、流体出口及びフィブリル化ポリマー膜を取り囲むハウジング部材を含むことができる。
【0124】
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現できることを容易に理解するであろう。本明細書で参照される添付の図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を示すために誇張されていることがあり、その点で、図は限定と解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【実施例】
【0125】
試験方法
特定の方法及び装置について以下に説明するが、当業者によって適切であると判断される他の方法又は装置を代わりに利用できることを理解されたい。
【0126】
膜の空気透過性を測定する方法
膜の空気透過性は、Gurley Densometer(Gurley Precision Instruments, Troy,NY)を使用して測定した。直径1インチのサンプルに100ccの体積の空気が透過する時間を記録した。
【0127】
粒子サイズ及び粒子サイズ分布の測定方法
粒子サイズ及び粒子サイズ分布のデータは製造業者によって提供され、そしてコールターカウンター技術を使用して測定された。
【0128】
PTFE融解温度の決定方法
示差走査熱量測定(モデルQ2000、TA Instruments、ニューキャッスル、DE)を使用して、膜内のPTFE融解温度を特性化した。窒素雰囲気中、-40℃から400℃まで10度/分で上昇する直径4mmの膜サンプルで熱流を測定した。融解温度を、関連する吸熱ピークの最大値として記録した。
【0129】
10%ブレークスルーにおける動的結合容量の決定方法
クロマトグラフィーデバイスをAKTA(商標)Pure(Cytiva, Marlborough, MA)液体クロマトグラフィーシステムの流路に挿入し、以下の手順からなる単一サイクルを実施した。表Aは、利用した溶液を示している。表Bは、10%ブレークスルーでの動的結合容量を決定するための手順工程を示している。
【表1】
【表2】
【0130】
液体透過性を決定する方法
クロマトグラフィーデバイスの液体透過度を、ダーシーの法則を使用して決定した。個々のデバイスを床断面積と床長さについて特性化した。溶液Aを液体として使用し、粘度について特性化した。液体フラックスの関数としてのカラムを横切る圧力低下を、AKTA(商標)Pure液体クロマトグラフィーシステムで測定した。
【0131】
例
例1
表Cに記載のサイズ及びサイズ分布の球状シリカ粒子を得た。表Cの多孔質粒子は、化学組成、粒子形状、公称粒子多孔度、公称粒子細孔寸法及び公称粒子表面積などの化学的及び物理的特性に関して実質的に同じであった。
【表3】
【0132】
15質量パーセントのPTFE及び85質量パーセントの表Cからの様々な粒子サイズ比の多孔質シリカ粒子を有する多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜を得た。これらの比率を表Dに示す。
【表4】
【0133】
表Dに記載の多孔質膜の隣接部分をフレームに固定し、370℃で20秒間の熱処理に付し、次いで、取り出し、フレーム内に保持したまま室温まで冷却した。表Eは、熱処理プロセス前後のポリマー膜の物理的特性及び空気透過性値を列挙する。
【表5】
【0134】
多孔質膜A及びDを、熱処理前後のPTFE融解温度について特性化した。結果を表Fに示す。
【表6】
【0135】
表Eからの多孔性膜を、熱処理前及び熱処理後の両方で使用して、アフィニティークロマトグラフィーデバイスを製造した。ポリプロピレン流れ分配器を、ポリプロピレンシリンダハウジングの一端に取り付けた。多孔質ポリプロピレン中間材料をハウジングに入れた。表Gに示すように、所望の数のPTFE膜層をハウジング内のポリプロピレン中間材料上に積層した。第二の多孔質ポリプロピレン中間材料をPTFE膜スタックの上に置いた。第二のポリプロピレン流れ分配器を、第一のポリプロピレン流れ分配器の反対側の筒形ハウジングの端に取り付けた。クロマトグラフィーデバイスは、加熱プロセスによってシールされた。
【0136】
次いで、中間デバイスを、プロテインAを積層膜に共有結合させるように処理した。この方法は、当業者に典型的なものであり、McManawayの米国特許第10,525,376号明細書及びMcManawayらの米国特許第10,525,367号明細書にさらに詳しく記載されている。
【0137】
製造が上記に記載されたアフィニティークロマトグラフィーデバイスを試験して、本明細書に記載の試験方法に記載の手順を使用して、それらの液体透過度及び20秒間の滞留時間の動的結合容量を評価した。これらのアフィニティークロマトグラフィーデバイスのそれぞれの性能を表Gに示す。
【表7】
【0138】
表Gに示される液体透過性及び動的結合容量に対する膜熱処理プロセスの相対的な影響を、
図5にグラフで表す。
【0139】
例2
表EからのタイプAの多孔質膜を、熱処理前及び熱処理後の両方で使用して、アフィニティークロマトグラフィーデバイスを製造した。ポリプロピレン流れ分配器を、ポリプロピレンシリンダハウジングの一端に取り付けた。多孔質ポリプロピレン中間材料をハウジングに入れた。表Hに示すように、所望の数のPTFE膜層をハウジング内のポリプロピレン中間材料上に積層した。第二の多孔質ポリプロピレン中間材料をPTFE膜スタックの上に置いた。第二のポリプロピレン流れ分配器を、第一のポリプロピレン流れ分配器の反対側のシリンダハウジングの端に取り付けた。クロマトグラフィーデバイスを、加熱プロセスによってシールした。
【0140】
例1に記載したように、その後、中間デバイスを、プロテインAを積層膜に共有結合させるように処理し、次いでそれらの液体透過度及び20秒の滞留時間での動的結合容量を評価するために試験した。これらのアフィニティークロマトグラフィーデバイスのそれぞれの性能を表Hに示す。
【表8】
【0141】
デバイスI及びJを、
図7及び
図8に示されるように、デバイスMへと並列構成で一緒にマニホールド化した。 デバイスK及びLを、デバイスNへと並列構成で同様にマニホールド化した。
【0142】
製造が上記に記載されているアフィニティークロマトグラフィーデバイスM及びNを試験して、本明細書に記載の試験方法に記載の手順を使用して、それらの液体透過度及び20秒の滞留時間での動的結合容量を評価した。これらのアフィニティークロマトグラフィーデバイスのそれぞれの性能を表Iに示す。
【表9】
【0143】
表Hに示される液体透過度及び動的結合容量に対する膜熱処理プロセスの相対的な影響を
図6にグラフで表し、これを
図5に示されたデータと比較することができる。
【0144】
本出願の発明は、一般的及び特定の実施形態に関しての両方で記載されてきた。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態に様々な変形及び変更を加えることができることが当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等形態の範囲内にある限り、本発明の変形及び変更を網羅することが意図されている。
(態様)
(態様1)
流体入口、
前記流体入口に液体接続された流体出口、
前記流体入口と前記流体出口との間に配置され、球形を有しそして約5ミクロン~約20ミクロンの公称粒子サイズを有する無機粒子を内部に含むフィブリル化熱処理ポリマー膜、
前記流体入口、前記流体出口及び前記フィブリル化熱処理ポリマー膜を取り囲むハウジング、
を含む、アフィニティークロマトグラフィーデバイスを含む、物品であって、
粒子サイズ分布は3以下のD90/D10を有し、そして前記フィブリル化熱処理ポリマー膜及び前記無機粒子のうちの少なくとも1つは、標的分子に可逆的に結合するアフィニティーリガンドを共有結合している、物品。
(態様2)
前記標的分子は、タンパク質、抗体、ウイルスベクター及びそれらの組み合わせである、態様1記載の物品。
(態様3)
約200(×10
-12
cm
2
)~約700(×10
-12
cm
2
)の透水率を備える、態様1又は2記載の物品。
(態様4)
球形を有する前記無機粒子は、シリカ、ゼオライト、ヒドロキシアパタイト、金属酸化物及びそれらの組み合わせから選ばれる、態様1~3のいずれか1項記載の物品。
(態様5)
前記フィブリル化熱処理ポリマー膜は、延伸ポリテトラフルオロエチレン膜、延伸変性ポリテトラフルオロエチレン膜、延伸テトラフルオロエチレンコポリマー膜又は膨張ポリエチレン膜を含む、態様1~4のいずれか1項記載の物品。
(態様6)
前記フィブリル化ポリマー膜は延伸ポリテトラフルオロエチレン膜である、態様1~5のいずれか1項記載の物品。
(態様7)
前記アフィニティーリガンドは、プロテインA、プロテインG、プロテインL、ヒトFc受容体タンパク質、抗体、多糖類及びそれらの組み合わせから選ばれる、態様1~6のいずれか1項記載の物品。
(態様8)
前記無機粒子は、球形及び第一の公称粒子サイズを有する第一の無機粒子と、球形及び第二の公称粒子サイズを有する第二の無機粒子とを少なくとも含み、前記第一の公称粒子サイズ及び前記第二の公称粒子サイズは互いに異なる、態様1~7のいずれか1項記載の物品。
(態様9)
前記公称粒子サイズは、約5ミクロン、約10ミクロン、約15ミクロン、約20ミクロン及びそれらの組み合わせから選ばれる、態様1~8のいずれか1項記載の物品。
(態様10)
球形を有する前記無機粒子は、10ミクロンの球状粒子と20ミクロンの球状粒子とのブレンドを含み、そして前記ブレンドは10:90~90:10である、態様1~9のいずれか1項記載の物品。
(態様11)
球形を有する前記無機粒子は、5ミクロンの球状粒子と10ミクロンの球状粒子とのブレンドを含み、そして前記ブレンドは10:90~90:10である、態様1~9のいずれか1項記載の物品。
(態様12)
球形を有する前記無機粒子は、5ミクロンの球状粒子と20ミクロンの球状粒子とのブレンドを含み、そして前記ブレンドは10:90~90:10である、態様1~9のいずれか1項記載の物品。
(態様13)
20秒の滞留時間で少なくとも35mg/mlの動的結合容量(DBC)を備える、態様1~12のいずれか1項記載の物品。
(態様14)
0.3MPa未満の動作圧力で少なくとも100サイクルのサイクル耐久性を備える、態様1~13のいずれか1項記載の物品。
(態様15)
前記フィブリル化熱処理ポリマー膜は巻回構成を有する、態様1~14のいずれか1項記載の物品。
(態様16)
前記フィブリル化ポリマー膜は積層構成を有する、態様1~15のいずれか1項記載の物品。
(態様17)
前記フィブリル化ポリマー膜は、巻回構成、積層構成及びそれらの組み合わせを有する、態様1~16のいずれか1項記載の物品。
(態様18)
内側中間材料はコアの外面上で周囲に配置され、前記フィブリル化ポリマー膜は前記内側中間材料上で周囲に配置されている、態様1~17のいずれか1項記載の物品。
(態様19)
外側中間材料は前記熱処理フィブリル化ポリマー膜上で周囲に配置されている、態様1~18のいずれか1項記載の物品。
(態様20)
前記内側中間材料及び前記外側中間材料は、多孔質フルオロポリマーフィルム、多孔質非フルオロポリマーフィルム、多孔質不織布材料及び多孔質織布材料から選ばれる、態様1~19のいずれか1項記載の物品。
(態様21)
前記内側中間材料及び前記外側中間材料のうちの少なくとも1つはポリプロピレン不織布材料である、態様1~20のいずれか1項記載の物品。
(態様22)
並列構成で配置された少なくとも2つの態様1~21のいずれか1項記載のアフィニティークロマトグラフィーデバイスを含む、マニホールド。
(態様23)
前記マニホールドはハウジング内に収容されている、態様22記載のマニホールド。
(態様24)
流体流から標的分子を分離するための態様1~21のいずれか1記載の物品の使用。
(態様25)
並列構成の第一のマニホールド及び第二のマニホールドを含み、そして前記第一のマニホールド及び前記第二のマニホールドの各々は、少なくとも2つの態様1~21のいずれか1項記載のアフィニティークロマトグラフィーデバイスを含む、デバイス。
(態様26)
前記第一のマニホールド及び前記第二のマニホールドはハウジング内に封入されている、態様25記載のデバイス。
(態様27)
中心に配置されたコア、
前記コアの周りに巻回された、球形及び約5ミクロン~約20ミクロンの公称粒子サイズを有する球状無機粒子を内部に含有するフィブリル化熱処理ポリマー膜、
前記コア及び前記フィブリル化熱処理ポリマー膜の両方を取り囲むハウジング、
前記ハウジングの第一の端部に配置された第一のエンドキャップ、及び、
前記ハウジングの第二の端部に配置された第二のエンドキャップ、
を含み、
粒子サイズ分布は3未満のD90/D10を有し、そして前記フィブリル化熱処理ポリマー膜及び前記球状無機粒子のうちの少なくとも1つは、標的分子に可逆的に結合するアフィニティーリガンドを共有結合している、物品。
(態様28)
前記標的分子は、タンパク質、抗体、ウイルスベクター及びそれらの組み合わせである、態様27記載の物品。
(態様29)
約200(×10
12
cm
2
)~約700(×10
12
cm
2
)の透水率を備える、態様27又は態様28記載の物品。
(態様30)
球形を有する前記無機粒子は、シリカ、ゼオライト、ヒドロキシアパタイト、金属酸化物及びそれらの組み合わせから選ばれる、態様27~29のいずれか1項記載の物品。
(態様31)
前記フィブリル化熱処理ポリマー膜は、延伸ポリテトラフルオロエチレン膜、延伸変性ポリテトラフルオロエチレン膜、延伸テトラフルオロエチレンコポリマー膜又は膨張ポリエチレン膜のうちの少なくとも1つを含む、態様27~30のいずれか1項記載の物品。
(態様32)
前記フィブリル化熱処理ポリマー膜はフィブリル化熱処理延伸ポリテトラフルオロエチレン膜である、態様27~31のいずれか1項記載の物品。
(態様33)
前記アフィニティーリガンドは、プロテインA、プロテインG、プロテインL、ヒトFc受容体タンパク質、抗体、多糖類及びそれらの組み合わせから選ばれる、態様27~32のいずれか1項記載の物品。
(態様34)
前記無機粒子は、球形及び第一の公称粒子サイズを有する第一の無機粒子と、球形及び第二の公称粒子サイズを有する第二の無機粒子とを少なくとも含み、前記第一の公称粒子サイズ及び前記第二の公称粒子サイズは互いに異なる、態様27~33のいずれか1項記載の物品。
(態様35)
前記公称粒子サイズは、約5ミクロン、約10ミクロン、約15ミクロン、約20ミクロン及びそれらの組み合わせから選ばれる、態様27~33のいずれか1項記載の物品。
(態様36)
球形を有する前記無機粒子は、10ミクロンの球状粒子と20ミクロンの球状粒子とのブレンドを含み、前記ブレンドは10:90~90:10である、態様27~33のいずれか1項記載の物品。
(態様37)
球形を有する前記無機粒子は、5ミクロンの球状粒子と10ミクロンの球状粒子とのブレンドを含み、前記ブレンドは10:90~90:10である、態様27~31のいずれか1項記載の物品。
(態様38)
球形を有する前記無機粒子は、5ミクロンの球状粒子と20ミクロンの球状粒子とのブレンドを含み、前記ブレンドは10:90~90:10である、態様27~33のいずれか1項記載の物品。
(態様39)
20秒の滞留時間で少なくとも35mg/mlの動的結合容量(DBC)を備える、態様27~38のいずれか1項記載の物品。
(態様40)
少なくとも100サイクルのサイクル耐久性及び0.3MPa未満の動作圧力を備える、態様27~39のいずれか1項記載の物品。
(態様41)
内側中間材料はコアの外面上で周囲に配置され、そして前記フィブリル化熱処理ポリマー膜は前記内側中間材料上で周囲に配置されている、態様27~40のいずれか1項記載の物品。
(態様42)
前記フィブリル化熱処理ポリマー膜上で周囲に配置された外側中間材料を含む、態様27~41のいずれか1項記載の物品。
(態様43)
前記内側中間材料及び前記外側中間材料は、多孔質フルオロポリマーフィルム、多孔質非フルオロポリマーフィルム、多孔質不織布材料及び多孔質織布材料から選ばれる、態様27~42のいずれか1項記載の物品。
(態様44)
前記内側中間材料及び前記外側中間材料のうちの少なくとも1つはポリプロピレン不織布材料である、態様27~43のいずれか1項記載の物品。
(態様45)
並列構成で配置された少なくとも2つの態様27~44のいずれか1項記載のアフィニティークロマトグラフィーデバイスを含む、マニホールド。
(態様46)
前記マニホールドはハウジング内に封入されている、態様45記載のマニホールド。
(態様47)
並列構成の第一のマニホールド及び第二のマニホールドを含み、前記第一のマニホールド及び前記第二のマニホールドの各々は、少なくとも2つの態様27~44のいずれか1項記載のアフィニティークロマトグラフィーデバイスを含む、デバイス。
(態様48)
前記第一のマニホールド及び前記第二のマニホールドはハウジング内に封入されている、態様47記載のデバイス。
(態様49)
流体流から標的分子を分離するための態様27~44のいずれか1項記載の物品の使用。
(態様50)
ハウジング部材、
前記ハウジングへの流体流を可能にする入口、
前記ハウジングからの流体流を可能にする出口、
流体入口と流体出口との間の前記ハウジング内に配置された積層膜アセンブリ、
を含む、アフィニティークロマトグラフィーデバイスを含む、物品であって、
前記積層膜アセンブリは、
積層構成で2つ以上のフィブリル化熱処理ポリマー膜を含み、前記フィブリル化ポリマー膜の各々は球形及び約5ミクロン~約20ミクロンの公称粒子サイズのブレンドを有する無機粒子を内部に含み、
粒子サイズ分布は3未満のD90/D10を有し、そして
前記フィブリル化熱処理ポリマー膜及び球状無機粒子のうちの少なくとも1つは、標的分子に可逆的に結合するアフィニティーリガンドを共有結合している、物品。
(態様51)
前記標的分子は、タンパク質、抗体、ウイルスベクター及びそれらの組み合わせである、態様50記載の物品。
(態様52)
第一の流れ分配器及び第二の流れ分配器を含み、前記第一の流れ分配器及び前記第二の流れ分配器は前記ハウジングの両端に配置されている、態様50又は態様51記載の物品。
(態様53)
約200(×10
-12
cm
2
)~約700(×10
-12
cm
2
)の透水率を備える、態様50~52のいずれか1項記載の物品。
(態様54)
球形を有する前記無機粒子は、シリカ、ゼオライト、ヒドロキシアパタイト、金属酸化物及びそれらの組み合わせから選ばれる、態様50~53のいずれか1項記載の物品。
(態様55)
前記フィブリル化熱処理ポリマー膜は、延伸ポリテトラフルオロエチレン膜、延伸変性ポリテトラフルオロエチレン膜、延伸テトラフルオロエチレンコポリマー膜又は膨張ポリエチレン膜を含む、態様50~54のいずれか1項記載の物品。
(態様56)
前記フィブリル化熱処理ポリマー膜は、フィブリル化熱処理延伸ポリテトラフルオロエチレン膜である、態様50~55のいずれか1項記載の物品。
(態様57)
前記アフィニティーリガンドは、プロテインA、プロテインG、プロテインL、ヒトFc受容体タンパク質、抗体、多糖類及びそれらの組み合わせから選ばれる、態様50~56のいずれか1項記載の物品。
(態様58)
前記無機粒子は、球形及び第一の公称粒子サイズを有する第一の無機粒子と、球形及び第二の公称粒子サイズを有する第二の無機粒子とを少なくとも含み、前記第一の公称粒子サイズ及び前記第二の公称粒子サイズは互いに異なる、態様50~57のいずれか1項記載の物品。
(態様59)
前記公称粒子サイズは、約5ミクロン、約10ミクロン、約15ミクロン、約20ミクロン及びそれらの組み合わせから選ばれる、態様50~58のいずれか1項記載の物品。
(態様60)
球形を有する前記無機粒子は、10ミクロンの球状粒子と20ミクロンの球状粒子とのブレンドを含み、前記ブレンドは90:10~10:90である、態様50~59のいずれか1項記載の物品。
(態様61)
球形を有する前記無機粒子は、5ミクロンの球状粒子と10ミクロンの球状粒子とのブレンドを含み、前記ブレンドは10:90~90:10である、態様50~59のいずれか1項記載の物品。
(態様62)
球形を有する前記無機粒子は、5ミクロンの球状粒子と20ミクロンの球状粒子とのブレンドを含み、前記ブレンドは10:90~90:10である、態様50~59のいずれか1項記載の物品。
(態様63)
20秒の滞留時間で少なくとも35mg/mlの動的結合容量(DBC)を備える、態様50~62のいずれか1項記載の物品。
(態様64)
少なくとも100サイクルのサイクル耐久性及び0.3MPa未満の動作圧力を備える、態様50~63のいずれか1項記載の物品。
(態様65)
少なくとも1つの第一の中間材料は前記積層膜アセンブリの第一の側に配置され、第二の中間材料は前記積層膜アセンブリの第二の側に配置され、前記第二の側は前記第一の側の反対側である、態様50~64のいずれか1項記載の物品。
(態様66)
前記第一の中間材料及び前記第二の中間材料は、多孔質フルオロポリマーフィルム、多孔質非フルオロポリマーフィルム、多孔質不織布材料及び多孔質織布材料から選ばれる、態様65記載の物品。
(態様67)
前記第一の中間材料及び前記第二の中間材料のうちの少なくとも1つはポリプロピレン不織布材料である、態様67記載の物品。
(態様68)
並列構成で配置された少なくとも2つの態様50~67のいずれか1項記載のアフィニティークロマトグラフィーデバイスを含む、マニホールド。
(態様69)
前記マニホールドはハウジング内に封入されている、態様68記載のマニホールド。
(態様70)
第一のマニホールド及び第二のマニホールドを並列構成で含み、前記第一のマニホールド及び前記第二のマニホールドの各々は、少なくともの2つの態様50~69のいずれか1項記載のアフィニティークロマトグラフィーデバイスを含む、デバイス。
(態様71)
前記第一のマニホールド及び前記第二のマニホールドはハウジング内に封入されている、態様70記載のデバイス。
(態様72)
診断デバイスを含む物品であって、前記診断デバイスは、流体入口と流体出口との間に配置されておりそして球形及び約5ミクロン~約20ミクロンの公称粒子サイズを有する無機粒子を内部に含有するフィブリル化ポリマー膜を含み、
粒子サイズ分布は3以下のD90/D10を有し、そして
前記フィブリル化ポリマー膜及び無機粒子のうちの少なくとも1つは、生物学的サンプル内の標的物質に可逆的に結合するリガンドを共有結合している、物品。
(態様73)
流体入口と、前記流体入口に流体接続された流体出口とを含む、態様72記載の物品。
(態様74)
前記流体入口、前記流体出口及び前記フィブリル化ポリマー膜を取り囲むハウジング部材を含む、態様72又は73記載の物品。